説明

フィルター及び乾燥炉

【課題】糸くずが発生する事無く、安価、かつ構造が簡易で、耐久性の高いフィルターを提供する。また、前記フィルターを搭載した乾燥炉を提供する。
【解決手段】各種塵埃を捕捉する為のフィルターにおいて、前記フィルターは、不織布、あるいは不織布と織物の積層体により形成されてあると共に、少なくとも1箇所以上の端部が溶着あるいは溶断されて形成されてあるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種集塵を捕捉する為のフィルターに関するものである。主に自動車あるいは車両の外面の塗装面を乾燥する為の乾燥炉等に使用する。
【背景技術】
【0002】
各種集塵を捕捉する為のフィルターに関しては、使用目的に応じて、さまざまな改良がなされ、例えば、エアーフィルターとして、連続するループ構造を有する編組織に構成されるプリーツ状編物をエアーフィルター成形枠に溶着してなるエアーフィルター成形体が、特開2003−71215号公報に開示されてある。
【0003】
また、例えば、空気清浄化用フィルターとして、ハニカム状芯材のセル内に活性炭等の吸着剤を収容し、前記ハニカム状芯材の両面に、不織布の表面に熱可塑性樹脂が付着した通気性シート材を前記熱可塑性樹脂により溶着した技術が、特開平10−137529号公報に開示されてある。
【0004】
【特許文献1】 特開2003−71215号公報
【特許文献2】 特開平10−137529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片は、例えば、上記の如くの各種の特徴を有する技術が開示されてあるが、特開2003−71215号公報に開示されてある技術においては、プリーツ状編物が使用されてあるが、編物においては、捕捉する必要のある集塵が極めて細かい場合には、的確に捕捉する事ができないという課題を有していた。また、編み糸が解れた時には、糸くずが発生して脱落してしまうという課題も有していた。
【0006】
また、特開平10−137529号公報に開示されてある技術においては、不織布が使用されてあるが、他材に溶着する為に不織布の表面に熱可塑性樹脂が付着した通気性シート材を使用している。その為、通気性シート材の製造が複雑、かつコストが高くなるという課題を有していた。また、不織布の端部から不織布を構成する熱可塑性樹脂等の糸くずが発生して脱落するという課題を有していた。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、糸くずが発生して脱落する事無く、安価、かつ構造が簡易で、耐久性の高いフィルターを提供することを目的としている。また、前記フィルターを搭載した乾燥炉を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、本発明は、上記のような課題を解決する為に、フィルターは、不織布、あるいは不織布と織物の積層体により形成されてあると共に、少なくとも1箇所以上の端部が溶着あるいは溶断されて形成されてあるものである。
【0009】
また、第2の解決手段は、前記フィルターは、複数の同材質の前記不織布、あるいは不織布と織物の積層体の端部が互いに溶着されて形成されてあるか、あるいは前記不織布、あるいは不織布と織物の積層体にたいして同材質の枠部が溶着されて形成されてあるものである。
【0010】
また、第3の解決手段は、前記フィルターの溶断部は、カッター、電気、光、電磁波、熱、高圧流体、超音波、高周波、あるいは振動による切断により溶融変形して形成されてあるものである。
【0011】
また、第4の解決手段は、温風を作る為の駆動源、及び被乾燥面に温風を噴きつける噴出手段を備えると共に、第1から第3の解決手段のフィルターが搭載されてある乾燥炉であるものである。
【0012】
上記第1の解決手段による作用は、次の通りである。すなわち、フィルターに不織布を使用すると共に、例えば、平板状、円盤状、ブロック状等に形成された不織布の端面、角部等の端部にたいして、アイロン等の工具を加熱させて押し付けるかあるいは非接触にて近傍にて加熱させて溶着する事により、端部は不織布内の熱可塑性樹脂が溶融変形して、一体的に接合される。その為、フィルターに入った温風が端部から漏れ出す事が無くなる。また、不織布内の熱可塑性樹脂等の糸くず等が発生して脱落することが無く、フィルターの耐久性を高める事ができる。また、外部からの押し圧力にたいする形状変形を抑制できる。また、端部は、互いの樹脂間が、一定の空隙を保持した状態にて、固着する事もできる。前記の状態にて固着した場合にも、一体的に接合した場合と同様の作用を有する。また、溶断した場合にも、溶着と同様の作用を有する。
【0013】
また、第2の解決手段による作用は、複数の同材質の前記不織布、あるいは不織布と織物の積層体の端部が互いに溶着されて形成されてあるか、あるいは前記不織布、あるいは不織布と織物の積層体にたいして同材質の枠部が溶着されて形成されてある。その為、不織布、不織布と織物の積層体、及び枠部を構成する同材質の熱可塑性樹脂が、溶融変形して互いに固着する。その為、異材質どうしの溶着に比べて、極めて高い強度にて溶着できる。その為、複数の平板状の同材質の不織布、あるいは不織布と織物の積層体を溶着する事により、大面積の不織布、あるいは不織布と織物の積層体を使用したフィルターを提供できる。また、同材質の不織布、あるいは不織布と織物の積層体と枠部を溶着する場合にも、極めて高い強度にて溶着できる為、枠から不織布が外れる事が無い。
【0014】
また、第3の解決手段による作用は、フィルターが、カッター、電気、光、電磁波、熱、高圧流体、超音波、高周波、あるいは振動により溶断されてある。その時の溶断部は、前記各種手段により発生した熱等により不織布が溶融変形される。その為、溶断するのみで、不織布内の熱可塑性樹脂等の糸くず等が発生して脱落することが無い、的確な形状のフィルターを製作できる。
【0015】
また、第4の解決手段による作用は、温風を作る為の駆動源、及び被乾燥面に温風を噴きつける噴出手段を備えると共に、第1から第3の解決手段のフィルターが、乾燥炉に搭載されてある。第1から第3の解決手段のフィルターは、不織布内の熱可塑性樹脂等の糸くず等が発生して脱落しないと共に、形状変形を抑制でき、耐久性を高める事ができる為、乾燥性能が極めて高く、高い耐久性を有する乾燥炉を製作できる。
【発明の効果】
【0016】
上記の如く、本発明のフィルター及び乾燥炉は、長期間に渡って、フィルターから不織布内の熱可塑性樹脂等の糸くず等が発生して脱落する事無く、フィルターの形状変形を抑制できる高い耐久性を有するフィルター及び乾燥炉を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
第1の発明は、各種集塵を捕捉する為のフィルターにおいて、前記フィルターは、不織布、あるいは不織布と織物の積層体により形成されてあると共に、少なくとも1箇所以上の端部が溶着あるいは溶断されて形成されてある。その為、溶着あるいは溶断された端部は、加熱される事により、不織布内、あるいは不織布と織物の積層体内の熱可塑性樹脂が溶融変形して、一体的に接合される。その為、フィルターに入った温風が端部から漏れ出す事が無くなる。また、不織布内、あるいは不織布と織物の積層体内の熱可塑性樹脂等の糸くず等が発生して脱落することが無く、フィルターの耐久性を高める事ができる。また、外部からの押し圧力にたいする形状変形を抑制できる。また、端部は、互いの樹脂間が、一定の空隙を保持した状態にて、固着する事もできる。前記の状態にて固着した場合にも、一体的に接合した場合と同様の作用を有する。また、溶断した場合にも、溶着と同様の作用を有する。例えば、フィルターの形状が四角形の平板の場合においては、外周の4箇所の端面を溶着あるいは溶断する事により、端部から糸くずが発生して脱落する事が無くなると共に、形状変形を大きく抑制する事ができる。さらにまた、形状変形をより抑制する場合には、4箇所の端面以外の上面あるいは底面の一部を溶着する方法も採用できる。
【0018】
第2の発明は、第1の発明よりなるフィルターにおいて、前記フィルターは、複数の同材質の前記不織布、あるいは不織布と織物の積層体の端部が互いに溶着されて形成されてあるか、あるいは前記不織布、あるいは不織布と織物の積層体にたいして同材質の枠部が溶着されて形成されてある。同材質の場合には不織布、不織布と織物の積層体、及び枠部を構成する熱可塑性樹脂が、溶融変形して互いに固着する為、異材質どうしの溶着に比べて、極めて高い強度にて溶着できる。例えば、複数の平板状の同材質の不織布、あるいは不織布と織物の積層体を溶着する場合には大面積の不織布、あるいは不織布と織物の積層体を使用したフィルターを提供できる。また、同材質の不織布と枠部、あるいは不織布と織物の積層体と枠部を溶着する場合には、極めて高い強度にて溶着できる為、枠から不織布、あるいは不織布と織物の積層体が外れる事が無い。また、枠部に不織布、あるいは不織布と織物の積層体を仮固定後溶着する場合には、簡易かつ迅速な作業のみにて、枠に不織布、あるいは不織布と織物の積層体を固定できる。
【0019】
第3の発明は、第1から第2の発明よりなるフィルターにおいて、前記フィルターの溶断部が、カッター、電気、光、電磁波、熱、高圧流体、超音波、高周波、あるいは振動による切断により溶融変形した不織布にて形成されてある。その為、溶断部は、前記各種手段により発生した熱等により、不織布が溶融変形される。その為、溶断するのみで互いの樹脂間が固着され、糸くず等が発生して脱落することが無くなる。また、溶断後、別工程として溶着をする必要が無い為、的確な形状のフィルターを迅速に製作できる。
【0020】
第4の発明は、温風を作る為の熱駆動源、及び被乾燥面に温風を噴きつける噴出手段を備えると共に、第1から第3の発明よりなるフィルターが搭載されてある乾燥炉である。第1から第3の発明よりなるフィルターは、上記の如くの作用、効果を有している為、乾燥性能、及び耐久性の高い乾燥炉を製作できる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0022】
図1から図3にて実施例1を示す。図1は、本発明のフィルターを前面側から見た斜視図である。図1において、1はフィルター、2は不織布、3はフィラメント、4は端面、5は角部、6は上面、7は底面、8は溶着部である。図2の(A)は、図1の断面図である。図2の(B)、(C)、(D)、及び(E)は、他の実施の形態の断面図である。図2の(B)において、11はフィルター、48は溶着部である。図2の(C)において、9は溶断部、21はフィルターである。図2の(D)において、18は溶着部、31はフィルターである。図2の(E)において、9は溶断部、28は溶着部、41はフィルターである。図3は、他の実施の形態のフィルターを前面側から見た斜視図である。図3において、10は枠、38は溶着部、51はフィルターである。
【0023】
本発明のフィルター1は、図1、及び図2の(A)の如く、平板状に形成されてあると共に、複数のフィラメント3からなる不織布2にて形成されてある。フィラメント3は、熱可塑性樹脂にて形成されてある。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド6、ポリアミド66等のナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ウレタン、アクリル、塩化ビニル、シリコン、フッ素などの材質が、使用目的に応じて、適時、使用されてある。また、不織布2の製造方法は、フィラメント3を熱ロールで加圧し、フィラメント3の間を結合させるスパンボンド方式、バインダーと呼ばれる接着剤を使用してフィラメント3の間を結合させるケミカルボンド方式等、いかなる方法も採用できる。さらにまた、フィラメント3には、熱可塑性樹脂以外にも、綿、絹、麻等の天然繊維等を使用して、熱可塑性樹脂に混ぜて使用しても良い。
【0024】
また、端面4には、溶着部8が形成されてある。溶着部8は、加熱させたアイロン等を、端面4に接触させるか、あるいは非接触にて端面4の近傍で端面4を加熱する事により、不織布2の端面4のフィラメント3が溶融変形して一体的に接合される。その為、フィルター1に入った温風が端面4から漏れ出す事が無い。また、不織布2のフィラメント3の糸くず等が発生して脱落することが無く、フィルター1は耐久性が高められる。また、溶着部8は、互いのフィラメント3の間が、一定の空隙を保持した状態にて固着する事もできる。その為、フィラメント3が脱落する事が無く、フィラメント3の糸くず等が発生して脱落することが無い。また、互いのフィラメント3の間が一定の空隙を保持した状態にて固着される為、溶着部8はフィルター1の形状を保持した状態にて、機械的強度が増加する。その為、外部からの押し圧力にたいする形状変形を抑制できる。また、溶着部8の形成方法は、前記以外にも、不織布2を溶融変形できる方法であれば、例えば、電気、光、電磁波、熱、高圧流体、超音波、高周波、あるいは振動等の方法を選択できる。また、溶着部8の固着状態については、前記の如く、溶融したフィラメント3が一体化して、空隙の無い端面4を形成するように固着される以外にも、互いのフィラメント3の間が一定の空隙を保持した状態にて固着されても良い。さらにまた、溶着部8の形成箇所は、上記の如く、端面4以外にも、角部5、上面6、底面7等、適時、形成できる。
【0025】
また、図2の(B)の如く、端部の一定幅を、上面6と底面7から押し付けて溶融変形させる事により、溶着部48を形成させる事もできる。溶着部48は不織布2内のフィラメント3が溶融変形して押し潰されてある為、外部にフィラメント3の糸くず等が発生して脱落することが全く無い。また、フィルター11に入った温風が溶着部48から漏れ出す事が無くなる。溶着部48の形成箇所は、全周部の端部に形成しても良い。また、概中央部等の一部に形成しても良い。
【0026】
また、図2の(C)の如く、両側に溶断部9を有する事もできる。溶断部9は、フィルター21を切断する時に、カッター、電気、光、電磁波、熱、高圧流体、超音波、高周波、あるいは振動等の方法を使用して、不織布2のフィラメント3を切断すると共に、フィラメント3が溶融変形されて形成される。その為、溶断部9は前記各種手段により発生した熱等により、不織布が溶融変形される。その為、溶断するのみで互いの樹脂間が固着され、フィラメント3の糸くず等が発生して脱落することが無くなる。また、切断後、別工程として溶着をする必要が無い為、的確な形状のフィルターを迅速、かつ安価に製作できる。
【0027】
また、図2の(D)の如く、2個のフィルター1の端部を互いに接触させて加熱する事により、溶着部18を形成させる事もできる。溶着部18は、同じ材質どうしを互いに溶着させてある為、異材質どうしの溶着に比べて、極めて高い強度にて溶着できる。前記の方法を使用して、数十個のフィルター1を互いに溶着させる事により、極めて大面積のフィルターを製作できる。
【0028】
また、図2の(E)の如く、2個のフィルター1の端部を互いに接触させて加熱する事により、溶着部28を形成させると共に、両側に溶断部9を形成させても良い。前記の方法を使用して、数十個のフィルター1を互いに溶着させた後、所定形状に溶断する事により、形状が複雑な大面積のフィルターであっても、迅速、かつ簡易に製作できる。
【0029】
また、図3の如く、フィルター1に枠10を溶着させる事により、溶着部38を有するフィルター51を製作できる。フィルター1、及び枠10の材質は、同じ材質を使用している。フィルター51は、枠10が一体化されて固着しているので、形状の変形にたいする機械的強度を大きくする事ができる。その為、フィルター51は高い耐久性を有する事ができる。
【0030】
次に、不織布2の製造手順について説明する。最初に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を溶融紡糸して、フィラメント3を得る。得られたフィラメント3に、特殊な針を突き刺して、前記フィラメント3を立体的に絡合する。前記の如く、立体的に絡合させる製造方法は、一般的には、ニードルパンチングと呼ばれており、立体的に絡合されたフィラメント3はウエブと呼ばれている。また、その後、前記ウエブにたいして、100kg〜150kg程度の高圧水流を当てて、フィラメント3を結合させ、不織布2を得る。前記製造方法は、一般的には、水流絡合方式と呼ばれている。なお、不織布2の製造方法は、上記以外にも、溶着、あるいは溶断が可能な方法であれば、いかなる方法であっても採用できる。また、不織布2は、不織布の各メーカー製の長尺シートを、切断後溶着するか、あるいは溶断して使用できる。
【0031】
また、溶断方法は、カッター、電気、光、電磁波、熱、高圧流体、超音波、高周波、あるいは振動による溶断方法が採用できるが、溶断時に、フィラメント3を溶融変形させる事ができるエネルギーが発生する方法であれば何ら差し支えない。エネルギーの種類としては、例えば、電気エネルギー、光エネルギー、電磁波エネルギー、摩擦熱、放射熱等の熱エネルギー、高圧流体エネルギー、超音波エネルギー、高周波エネルギー、あるいは振動エネルギーが採用できる。また、カッターの種類としては、例えば、電熱を加える事のできるトムソン型、電熱はさみ、電熱包丁等が採用できる。また、前記の方法は、溶着部を形成する方法としても、使用目的に応じて、適時、採用できる。また、フィルターの形成状態については、上記の図2の(D)、及び(E)の如く、端部を互いに溶着させて、大面積のフィルターを形成する以外にも、複数のフィルターを積み重ねた後、上記の図2の(B)の如く、端部の一定幅を、上面と底面から押し付けて溶着する事により厚みの大きなフィルターを形成する事もできる。また、溶着する部分は、前記端部以外にも、例えば、端部以外の中央の一部分等を、上面と底面から押し付けて溶着する事もできる。さらにまた、不織布と織物の積層体を使用したフィルターについては、実施例1に図示していないが、溶着あるいは溶断の方法、形成状態、作用、効果等は、上記実施例1に記載の要領と同じである。
【実施例2】
【0032】
次に、図4にて実施例2を示す。図4は、本発明のフィルターが使用されてある乾燥炉の断面図である。図4において、55は乾燥炉、56は駆動源、57は噴出口、58は被乾燥面である。
【0033】
乾燥炉55は、駆動源56により温風が作られる。その後、被乾燥面58に温風を噴きつける噴出手段としての噴出口57から、被乾燥面58にたいして温風が噴出される事により自動車の外面の被乾燥面58が乾燥される。フィルター1は、噴出口57に装着されてあり、駆動源56により作られた温風内の集塵等を濾過している。乾燥炉55は、主に、自動車の外面を塗装した後の塗装面を乾燥させる為に使用するものである。
【0034】
実施例2の乾燥炉55は、上記の如くの構成となっているので、フィルター1を構成する不織布2のフィラメント3の糸くず等が発生して脱落する事により、被乾燥面58に付着する事が無い。乾燥炉55は、集塵等以外にも、フィルター1を構成する不織布2のフィラメント3が混入しない温風を、的確に被乾燥面58に噴出できる。その為、極めて高性能の乾燥炉55を提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、各種集塵を捕捉する為のフィルターとして使用するものである。主に自動車あるいは車両の外面の塗装面を乾燥する為の乾燥炉等に使用する。前記以外にも、各種空気調和機、乾燥機、除湿機、送風機、電気掃除機、換気扇等のフィルターとして広く好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】 本発明のフィルターを前面側から見た斜視図
【図2】 (A) 図1の断面図 (B)、(C)、(D)、及び(E) 他の実施の形態の断面図
【図3】 他の実施の形態のフィルターを前面側から見た斜視図
【図4】 本発明のフィルターが使用されてある乾燥炉の断面図
【符号の説明】
【0037】
1、11、21、31、41、51 フィルター
2 不織布 3 フィラメント 4 端面 5 角部 6 上面 7 底面
8、18、28、38、48 溶着部 9 溶断部 10 枠 55 乾燥炉
56 駆動源 57 噴出口 58 被乾燥面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種塵埃を捕捉する為のフィルターにおいて、前記フィルターは、不織布、あるいは不織布と織物の積層体により形成されてあると共に、少なくとも1箇所以上の端部が溶着あるいは溶断されて形成されてあることを特徴とするフィルター。
【請求項2】
請求項1記載の構成よりなるフィルターにおいて、前記フィルターは、複数の同材質の前記不織布、あるいは不織布と織物の積層体の端部が互いに溶着されて形成されてあるか、あるいは前記不織布、あるいは不織布と織物の積層体にたいして同材質の枠部が溶着されて形成されてあることを特徴とするフィルター。
【請求項3】
請求項1から2記載の構成よりなるフィルターにおいて、前記フィルターの溶断部は、カッター、電気、光、電磁波、熱、高圧流体、超音波、高周波、あるいは振動による切断により溶融変形して形成されてあることを特徴とするフィルター。
【請求項4】
温風を作る為の駆動源、及び被乾燥面に温風を噴きつける噴出手段を備えると共に、請求項1から3記載の前記フィルターが搭載されてある乾燥炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−98378(P2007−98378A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322818(P2005−322818)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】