説明

フィルタ要素およびフィルタ要素用のハウジング

【課題】フィルタ要素およびフィルタ要素用のハウジングを提供する。
【解決手段】着脱可能なハウジングカバー12を有するハウジング10内に着脱可能に挿入するためのフィルタ要素20が提供される。さらに、フィルタ要素用のハウジングが提供される。エアフィルタ要素20は、管状支持構造22を有し、管状支持構造にフィルタ媒体21が配設され、支持構造22の1つの前端面に結合区域23、25が設けられ、結合区域が、管状支持構造の長手方向軸の方向でハウジング本体11と前記ハウジングカバーの間でエアフィルタ要素を挟持するためのクランプデバイス30、40と結合されるように設計され、結合区域が、固定要素24、26を備え、エアフィルタ要素がハウジング10内に着脱可能に設置されるときにクランプデバイスに対する結合区域および/または支持構造の回転を阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を濾過するために使用することができるフィルタ要素、およびフィルタ要素用のハウジングに関する。特に、本発明は、エアフィルタ要素、エアフィルタ要素用のハウジング、およびフィルタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタ要素は、流体の流れまたは気体状媒体を濾過するために使用される。それらは、例えば、自動車の乗員室内に案内される気流を濾過するために使用される。これに関連して、自動車に組み込まれた空気調和システムを特に使用して、外気中に含まれる有害物質や臭気などに関して、外気を浄化する。この文脈で、適切なフィルタもしくはキャビンエアフィルタは、例えば、粒子フィルタ、脱臭フィルタ、またはそれらの組合せである。
【0003】
さらに、内燃機関に供給される空気から浮遊物質をなくす必要がある。例えばトラック、建設機械、農業機械、さらには船舶用エンジンなどのためのそのようなエアフィルタは、動作中に非常に大きな機械的負荷を受けるので、確実にかつ頑強に設計しなければならない。
【0004】
フィルタは通常、着脱可能なハウジングカバーを有するハウジングを有し、交換可能なフィルタ要素をハウジング内に取り付けることができる。通常、フィルタ要素は、管状設計を有し、ハウジング内に取り付けられるときにハウジング内に固定される。
【0005】
(特許文献1)が、フィルタ要素用のハウジング内で、ポリウレタンフォーム(PURフォームとも呼ばれる)から形成された支持ノブによってフィルタ要素が挟持されるフィルタアセンブリを示す。
【0006】
しかし、ポリウレタンフォーム、すなわち支持ノブの材料は、蓄熱(人工的な蓄熱)もしくは熱衝撃、または温度変化を受けると緩まる。すなわち、ポリウレタンフォームは、蓄熱後に力を失う。これにより、フィルタ要素がハウジング内に保持された状態で、フィルタアセンブリおよびその部品、すなわちハウジング、フィルタ要素、およびハウジングカバーが振動励振する場合に、個々の部品間のより大きい危険な運動がたびたび生じる。そのような振動励振は、例えば、フィルタアセンブリが組み込まれた自動車の動作中に生じることがある。
【0007】
(特許文献2)は、ハウジングを備えるフィルタアセンブリであって、ハウジング内で、フィルタインサートを挟持するための螺旋ばねがハウジングと交換可能なフィルタインサートとの間に配設されるフィルタアセンブリを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ドイツ実用新案第20 2007 002 906 U1号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1716902A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、機能向上されたフィルタ要素、および機能向上されたフィルタ要素用のハウジングを形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、特許請求項1に記載の特徴を備えるフィルタ要素によって達成される。
【0011】
それによれば、着脱可能なハウジングカバーを有するハウジング内に着脱可能に挿入するためのフィルタ要素が提供される。エアフィルタ要素は、管状支持構造を具備し、そこにフィルタ媒体が配設される。管状支持構造の1つの前端面に結合区域が設けられ、結合区域は、ハウジング本体とハウジングカバーの間でエアフィルタ要素を挟持するためのクランプデバイスと結合されるように設計され、結合区域は、固定要素を備えて、エアフィルタ要素がハウジング内に着脱可能に設置されるときにクランプデバイスに対する結合区域および/または支持構造の回転を阻止する。
【0012】
フィルタ要素は、例えば内燃機関用の燃焼空気を濾過するためのエアフィルタ要素である。
【0013】
提案されるフィルタ要素は、単純な構成であり、高い費用対効率で製造することができる。結合区域の設計は、同時に、ハウジング内でのフィルタ要素の挟持が蓄熱時でさえ力を失わないことを保証する。さらに、フィルタ要素とハウジングの間の公差を補償することができる。さらに、フィルタ要素は、ハウジングに対してねじれないように固定される。その結果、振動励振時にも安全な、ハウジング内でのフィルタ要素の座部が実現される。さらに、例えば、結合区域の設計により、粒子を含んだフィルタ要素の重量を挟持によってしっかりと支えることも保証される。
【0014】
フィルタ要素のさらなる有利な実施形態は、従属請求項に記載する。
【0015】
フィルタ要素の実施形態において、フィルタ要素は、ハウジングもしくはシール座部と排他的にプラグ式に着脱可能に接続することができる。その結果、取付けおよび/または取外しが単純化され、時間のかかる差込み接続またはねじ接続が不要となる。
【0016】
好ましくは、固定要素の形状がクランプデバイスの形状に適合される。このようにすると、特にねじれを防止したハウジング内でのフィルタ要素の挟持を実現することができる。
【0017】
結合区域は、固定要素として隆起部を具備することができ、隆起部の間にクランプデバイスの1枚の板ばねをそれぞれ収容することができ、クランプデバイスは、ディスクの外周に配設された、対を成して向かい合う少なくとも2枚の板ばねを有する。これに関連して、隆起部は、角柱の形状を有することができる。
【0018】
代替または追加として、結合区域が、半径方向に延在する凹部を具備することができ、凹部にクランプデバイスの1枚の板ばねをそれぞれ収容することができ、板ばねは、ディスクの外周に配設された、対を成して向かい合う少なくとも2枚の板ばねを有する。
【0019】
代替または追加として、収容デバイスは、湾曲したディスク、特に円形湾曲したディスクでもよく、このディスクは、管状支持構造の端面に対して外側に向けて湾曲される。これは、ハウジングカバーにあるクランプデバイスがより大きな領域を覆うことができ、それにより、クランプデバイスのばね領域の外側にフィルタ要素用の小さな支持領域を提供するという利点を有する。
【0020】
この代替形態では、結合区域が固定要素として隆起部を具備し、隆起部を、皿ばねであるクランプデバイスのディスクの穴内に収容することもできる。
【0021】
さらに、上記の目的は、請求項7に記載の特徴を有するハウジングによって達成される。
【0022】
それによれば、空気を濾過するための着脱可能に取付可能なフィルタ要素用のハウジングまたはフィルタ座部が提供される。ハウジングは、着脱可能なハウジングカバーと、クランプデバイスとを備え、クランプデバイスが、ハウジング本体とハウジングカバーの間でエアフィルタ要素を挟持するように設計され、クランプデバイスが、管状支持構造の長手方向軸の方向でエアフィルタ要素を挟持するために、エアフィルタ要素の管状支持構造の端面に設けられたエアフィルタ要素の結合区域と結合することができるように設計され、クランプデバイスが、結合区域の固定要素と協働して、エアフィルタ要素がハウジング内に着脱可能に設置されるときにクランプデバイスに対する結合区域および/または支持構造の回転を阻止する。
【0023】
好ましくは、クランプデバイスの形状が固定要素の形状に適合される。
【0024】
クランプデバイスがディスクを有し、ディスクの外周に、対を成して向かい合う少なくとも2枚の板ばねを配設することができる。
【0025】
あるいは、クランプデバイスは皿ばねでよい。
【0026】
クランプデバイスは金属から形成することができる。その結果、より高温で力を失うことがあるというクランプ手段としてのPURノブの欠点がなくされる。
【0027】
代替実施形態では、フィルタ要素に関連付けて説明した結合区域を、ハウジングカバーに提供することができ、それに従って、ハウジングに関連付けて説明したクランプデバイスをフィルタ要素に提供し、特にそこに着脱不能に接続することができる。
【0028】
前述したハウジングおよびハウジングに挿入される前述したフィルタ要素は、フィルタアセンブリを形成することができる。
【0029】
本発明は、さらに、特に本発明によるエアフィルタ要素を、特に本発明によるエアフィルタハウジングに取り付けるための方法であって、第1のステップで、フィルタ要素が第1のハウジング構成要素に挿入され、特に、フィルタ要素のシールがハウジングのシール座部と係合し、第2のステップで、ハウジングが第2のハウジング構成要素、例えばカバーによって閉じられ、第2のハウジング要素が第1のハウジング要素と接続され、クランプデバイスが、第2のハウジング構成要素とフィルタ要素の間、特に第2のハウジング構成要素とフィルタ要素の前端面、例えば端部プレート、または管状支持構造との間に挟持される方法に関する。これを行う際、フィルタ要素は、シール座部の方向で挟持され、特に、対応する結合区域と係合して回転を阻止する。
【0030】
さらに、本発明は、エアフィルタ要素を交換するためのプロセスであって、ハウジングが開かれ、フィルタ要素が取り外され、最後に、前述したステップに従ってフィルタ要素が挿入されるプロセスに関する。
【0031】
本発明のさらなる可能な実装形態は、例示的実施形態に関して前述または後述する特徴または実施形態の明示していない組合せも含む。この文脈で、当業者はまた、本発明のそれぞれの基本形態に対する改良または補完として個々の態様を追加されよう。
【0032】
本発明のさらなる実施形態は、下位クレーム、および後述する本発明の例示的実施形態の対象である。
【0033】
以下、本発明を、添付図面を参照して、例示的実施形態としての特別な実施形態に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の例示的実施形態によるフィルタ要素が着脱可能に取り付けられたエアフィルタの断面図である。
【図2】第1の例示的実施形態によるエアフィルタのクランプデバイスの斜視図である。
【図3】図1のエアフィルタの断面拡大詳細図である。
【図4】図1のエアフィルタのさらなる断面拡大詳細図である。
【図5】図1のエアフィルタのハウジングのハウジングカバーの上面斜視図である。
【図6】図1のエアフィルタのハウジングのハウジングカバーの底面斜視図である。
【図7】第1の例示的実施形態の修正形態によるクランプデバイスの幾何形状の概略図である。
【図8】第1の例示的実施形態の修正形態によるクランプデバイスの幾何形状の概略図である。
【図9】第1の例示的実施形態の修正形態によるクランプデバイスの幾何形状の概略図である。
【図10】第2の例示的実施形態によるフィルタ要素が着脱可能に取り付けられたエアフィルタの断面図である。
【図11】第2の例示的実施形態によるエアフィルタのクランプデバイスの斜視図である。
【図12】図10のエアフィルタの断面拡大詳細図である。
【図13】図10のエアフィルタのハウジングカバーの詳細図である。
【図14】クランプデバイスを備える図10のフィルタ要素の上面斜視図である。
【図15】クランプデバイスを備える図10のフィルタ要素の別の上面斜視図である。
【図16】図4と同様のエアフィルタの変形形態の断面拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面において、別段の定めがない限り、同一または同様の要素には同一の参照番号を付してある。
【0036】
以下、内燃機関、例えば自動車の燃焼空気用のフィルタを参照しながら本発明を説明する。対応するフィルタ要素は、空気を濾過する代わりに、例えば油など、別の気体状媒体さらには液体媒体を濾過するように設計することもできる。
【0037】
第1の例示的実施形態によれば、図1に示されるように、フィルタ1は、ハウジング本体11と、着脱可能なハウジングカバー12とを有するハウジング10を備え、ハウジングカバー12は、この場合にはクランプ13によってハウジング本体11に保持されている。ハウジング10、より正確にはハウジング本体11のシール座部14に、フィルタ要素20が着脱可能に組み込まれる。黒いブロック矢印で示される流れの方向で、未処理の空気、すなわち浄化されていない空気をハウジング10内に導き入れることができる。未処理の空気は、フィルタ要素20に入って接触し、フィルタ要素20が、未処理の空気から不純物を濾過する。不純物を除去された空気、すなわち浄化された空気は、ハウジング10から、白いブロック矢印で示される方向に放出することができる。空気を濾過するために、フィルタ要素20は、管状支持構造22の周りに敷設されたフィルタ媒体21を有する。すなわち、フィルタ要素21は、管状支持構造22の外側ケースに配設される。管状支持構造22は、格子状の管壁を有する。管状支持構造22は、管もしくは中央管として設計される。図2に拡大して示されているクランプデバイス30が、ハウジングカバー12と管状支持構造22の間に配設される。ハウジング10内のフィルタ要素20は、クランプデバイス30によって軸方向および半径方向で挟持することができる。これに関連して、フィルタ要素20は、ハウジング10内で、ハウジングカバーとフィルタ要素20用のシール座部14との間に挟持され、そのようにして固定される。
【0038】
図1は、ハウジングカバー12がクランプ13によってハウジング本体11に取り付けられる場合を示す。フィルタ要素20の組立てもしくは取付け、または解体もしくは取外しに関して、ハウジングカバー12をハウジング本体11から取り外すことができるように、クランプ13を、ハウジング本体11およびハウジングカバー12に対するそれらの挟持状態から緩めることができる。この状態で、フィルタ要素20を、開いたハウジング10に挿入する、またはそこから取り外すことができる。その後、クランプ13によってハウジングカバー12を再びハウジング本体11に取り付けることができる。
【0039】
図2は、この例示的実施形態によるクランプデバイス30の形状を示す。クランプデバイス30は、環状ディスク31を有し、その外側に6枚の板ばねが配設される。板ばね32は、それぞれほぼ矩形状であり、それらの矩形の短辺でディスク31に取り付けられる。それぞれ2枚の板ばね32が、互いに向かい合わせに、ディスク31に直接位置される。すなわち、板ばね32は、対を成してディスク31に配設される。図2の灰色のブロック矢印の方向でクランプデバイス30に圧力が及ぼされる場合、板ばね32は、図2に示されるよりも広がって離れる。この場合、クランプデバイス30は、その支持体に圧力を及ぼす。この例示的実施形態では、クランプデバイス30は、金属、特にばね鋼から形成される。
【0040】
図3および図4は、ハウジングカバー12内でのクランプデバイス30の組立て位置をより詳細に示す。クランプデバイス30は、嵌合デバイス15によってハウジングカバー12に取り付けられる。図4で最も良く見ることができるように、これを実現するために、嵌合デバイス15は、環状ディスク31(図2)の中央の穴に係入する。ここで、図2〜図4に示されるように、クランプデバイス30によってハウジングカバー12がハウジング本体10に取り付けられ、フィルタ要素20がハウジング10内に収容される場合、クランプデバイス30は、管路22の結合区域23内に取り付けられる。結合区域23は、フィルタ要素20がハウジング10に正しく取り付けられた場合にハウジングカバー12に面する管状支持構造22の管路端部もしくは端面に配設される。ハウジング10およびフィルタ要素20は、ハウジングカバー12が閉じられてフィルタ要素20がハウジング内に組み込まれたときにクランプデバイス30が収容デバイス23に圧力を及ぼすような寸法を有する。これに関連して、結合区域23は、窪みもしくは凹部として形作られる。このようにして、結合区域23は、フィルタ要素20の軸方向でクランプデバイス30の圧力を吸収し、さらにクランプデバイス30に逆圧を及ぼすことができるように設計される。圧力は、図4に灰色のブロック矢印で示される力の流れに沿って管路22に分散される。収容デバイス23は、さらに隆起部24を具備することができ、各隆起部24は、2つの隆起部24の間にそれぞれ1枚の板ばね32が配設されるように収容デバイス23に設けられる。各隆起部24は、結合区域23の固定要素24である。固定要素24は、エアフィルタ要素20がハウジング10内に着脱可能に取り付けられた場合に、クランプデバイス30に対する結合区域23および/または管状支持構造22の回転を阻止する。
【0041】
図16は、図4と同様に、クランプデバイスおよび結合デバイスの変形形態を示す。この変形形態では、図4においてハウジングカバー12に配設されていたクランプデバイスが、フィルタ要素、特にその端面に、または管路22に取り付けられている。したがって、フィルタ要素20の側で既に説明した結合区域は、この変形形態ではハウジングカバー12に提供される。なお、各要素は、他の実施形態と同様に設計することができ、したがって同一または機能的に同一の要素には同じ参照番号を付してある。
【0042】
図5は、管状支持構造22の収容デバイス23にある隆起部24に対するクランプデバイス30の配置をより詳細に示す。図5は、実質的にフィルタ要素20の軸方向に設けられた結合区域23の壁にクランプデバイス30が圧力を全く及ぼしていない場合を示す。すなわち、クランプデバイス30が結合区域23に半径方向圧力を全く及ぼしていない場合が示されている。見やすくするために、図5において、クランプデバイス30の隆起部24および板ばね32全てには参照番号を付していない。
【0043】
図5に示されるように、隆起部24は、実質的に角柱の形状に設計される。隆起部24の角柱の底部は、実質的にフィルタ要素20の軸方向に設けられた結合区域23の壁、およびフィルタ要素20の管状支持構造22に当接する。結合区域23は、隆起部24の間で、板ばね32の形状に合うように設計される。すなわち、図3および図4に示されるように、結合区域23は、クランプデバイス30の板ばね32を収容することができる場所、すなわち実質的に平坦な表面を有する。したがって、隆起部24は、管状支持構造22においてクランプデバイス30を支持するための幾何形状を成す。隆起部24は、板ばね32もしくはクランプデバイス30を結合区域23内に案内する働きをする。結合区域23もしくは固定要素24とクランプデバイス30とが嵌まり合うように適合される。このようにして、それらは、適合型または相補型システムを形成する。クランプデバイス30の板ばね32と結合区域23の隆起部24とは、合わさって一周の円を成すように互いに相補的である。
【0044】
これらの実施形態は全て、一方では、ハウジング10とフィルタ要素20の公差を補償することができ、他方では、シール座部14(図1)においてフィルタ要素20の所要の圧力が発生されるので、ハウジング内へのフィルタ要素20の確実な組立てを保証する。隆起部24は、ハウジング10内へのフィルタ要素20の設置のねじれ防止の信頼性を改良もしくは実現する。
【0045】
図6は、ハウジングカバー12がハウジング10から取り外されたときのハウジングカバー12を下から示す。この場合、嵌合デバイス15によってハウジングカバー12に取り付けられているクランプデバイス30が見える。さらに、ハウジングカバー12は取付リング16を具備し、取付けまたは取外しのために取付リング16にハウジングカバー12を保持することができることを理解することができる。さらに、ハウジングカバー12はフランジ17を有し、フランジ17は、ハウジング本体11へのハウジングカバー12の取付け中に、ハウジング本体11に挿入される。ハウジングカバー12を補強する働きをする複数の補強リブ18が、内側でハウジングカバー12のカバープレートに取り付けられる。見やすくするために、図6において、補強リブ18全てには参照番号を付していない。さらに、図6には接続部片19が示されており、例えば、サイクロン式濾過などによって未処理の空気から分離することができた粒子を接続部片19を通してハウジング10から放出することができる。
【0046】
第1の例示的実施形態の修正形態として、クランプデバイス30に関して他の幾何形状を使用することもできる。例えば、クランプデバイス30は、図7〜図9に示されるような形状を有することもできる。
【0047】
図7は、第1の例示的実施形態のクランプデバイス30の第1の修正形態の側面図である。この場合、クランプデバイス30は、第1の例示的実施形態のクランプデバイス30に非常に類似している。
【0048】
図8は、第1の例示的実施形態のクランプデバイス30の第2の修正形態の上面図である。この修正形態では、図1に示されるようにフィルタ要素20がハウジング10内に設置されるときに、ハウジング10内でフィルタ要素20がねじれることはあり得ない。
【0049】
図9は、第1の例示的実施形態のクランプデバイス30の第3の修正形態の上面図である。この修正形態でも、図1に示されるようにフィルタ要素20がハウジング10内に設置されるときに、ハウジング10内でフィルタ要素20がねじれることはあり得ない。
【0050】
図8および図9の例は、それぞれ中央開口を有し、中央開口は心合わせに役立つことがあり、円周に沿って可撓性ストリップがばね薄板ストリップとして提供される。例えば、4枚のばね薄板ストリップが、板金の平面から下または上に向けて湾曲され、設置された状態での軸方向ばね効果を保証する。対応するクランプデバイスは、高い費用対効率で板金から切り抜いて、湾曲させることができる。当然、他の幾何形状も想定可能である。
【0051】
図10は、フィルタ要素20の第2の例示的実施形態を説明するための、図1に示されるのと同様の断面図である。第2の例示的実施形態のフィルタ1およびフィルタ要素20は、多くの部分で、第1の例示的実施形態のフィルタ1およびフィルタ要素20と同様に設計される。したがって、以下では、第1の例示的実施形態と第2の例示的実施形態の相違点のみを説明する。その他の点は第1の例示的実施形態の説明を参照されたい。
【0052】
図10に示され、より詳細には図11に示されるように、この例示的実施形態によるハウジングカバー12は、第1の例示的実施形態とは異なり、クランプデバイス40を有する。クランプデバイス40は皿ばねである。これに関連して、クランプデバイス40は、ディスク41として形作られ、ディスク41に星形の穴42が形成される。この例示的実施形態では、クランプデバイス40は、金属、特にばね鋼から形成される。
【0053】
この異なる形状のクランプデバイス40により、管状支持構造22は、第1の例示的実施形態の結合区域23とは形状が異なる結合区域25を有する。
【0054】
図12および図13は、ハウジングカバー12内へのクランプデバイス40の組立て位置をより詳細に示す。クランプデバイス40は、ハウジングカバー12に取り付けられる。図13で最もよく見ることができるように、ハウジングカバー12は、丸い、特に円形の開口を有し、開口の下でハウジングカバー12の内側にクランプデバイス40が配設される。これに関連して、ディスク41(図11)は、ハウジングカバー12の開口よりも大きい直径を有する。ここで、図10および図12に示されるように、ハウジングカバー12がクランプデバイス40によってハウジング本体10に取り付けられ、フィルタ要素20がハウジング10内に収容される場合、クランプデバイス40は、管状支持構造22の結合区域25内に取り付けられる。この例示的実施形態でも、結合区域25は、フィルタ要素20がハウジング10内に正しく取り付けられた場合にハウジングカバー12に面する管状支持構造22の管路端部もしくは端面に配設される。ハウジング10およびフィルタ要素20は、ハウジングカバー12が閉じられてフィルタ要素20がハウジング10内に組み込まれたときにクランプデバイス40が結合区域25に対して圧力を及ぼすような寸法を有する。これに関連して、結合区域25は、湾曲したディスクもしくはプレートとして形作られる。図12に示されるように、結合区域25のディスクの湾曲は、管路22の軸方向で外方向に向けられる。このようにして、結合区域25は、フィルタ要素20の軸方向でクランプデバイス40の圧力を吸収し、さらにクランプデバイス40に逆圧を及ぼすことができるように設計される。圧力は、図12に灰色のブロック矢印によって示される力の流れに沿って管路22に分散される。
【0055】
図14は、クランプデバイス40が、挟持力を及ぼされずに、湾曲した結合区域25の上にある場合を示す。したがって、クランプデバイス40の中央、すなわち穴42の領域内の部分は、クランプデバイス40のディスク41の平面内にある。
【0056】
図15は、湾曲した結合区域25に対してクランプデバイス40が押圧された場合を示す。したがって、クランプデバイス40の中央、すなわち穴42の領域内の部分は、湾曲した結合区域25によって、クランプデバイス40のディスク41の平面から湾曲される。その結果、図15に示される場合には、クランプデバイス40は挟持されている。
【0057】
クランプデバイス40と湾曲した結合区域25のシステムは、ハウジングカバー12にあるクランプデバイス40がより大きな領域を覆うことができ、したがって穴41(図11)のばね領域の外側にフィルタ要素20用の小さな支持領域を提供するという利点を有する。
【0058】
したがって、この例示的実施形態でも、結合区域23とクランプデバイス40は嵌まり合うように適合される。このようにして、それらも、適合型または相補型システムを形成する。
【0059】
上述したフィルタ1、フィルタ要素20、およびハウジング10の例示的実施形態は全て、個別に、または全ての可能な組合せで使用することができる。これに関して、特に以下の修正形態が想定可能である。
【0060】
フィルタ要素20の組立て位置での状況を考慮しなければならない限り、クランプデバイス30および/または結合区域23に関して、図示して上述したもの以外の幾何形状および寸法を選択することができ、上述したようにハウジング10へのフィルタ要素20の着脱可能な組立てが可能である。
【0061】
クランプデバイス30および結合区域23は、好ましくは、第1の例示的実施形態およびその修正形態の図で示されるように、管状支持構造22もしくはフィルタ要素20の端面で中央に配設される。クランプデバイス40および結合区域25も、好ましくは、第2の例示的実施形態の図に示されるように、管状支持構造22もしくはフィルタ要素20の端面で中央に配設される。
【0062】
第1の例示的実施形態での隆起部24の代わりに、結合区域23は、半径方向に延在する凹部も具備することができ、凹部にクランプデバイス30の板ばね32をそれぞれ収容することができる。隆起部24または凹部の数は自由に選択することができる。特に、隆起部24または凹部を1つだけ、したがって固定要素24を1つだけ結合区域23に提供することができる。
【0063】
クランプデバイス30の板ばね32の数は適切に選択することができる。2枚の板ばね32のみを向かい合わせにディスク31に位置決めすることができる。あるいは、第1の例示的実施形態で説明したようにより多数の板ばね32を提供することもできる。
【0064】
第2の例示的実施形態の1つの修正形態では、結合区域25も、固定要素として隆起部(図示せず)を具備することができ、この隆起部は、クランプデバイス40のディスク41の穴の中に突出する。複数の隆起部を設けることもできる。
【0065】
クランプデバイス40の星形部分42の頂点の数は適切に選択することができる。さらに、穴41の形状も適切に選択することができる。
【0066】
また、クランプデバイス30は、金属ではなく、合成材料から形成することもできる。さらに、クランプデバイス40も、金属ではなく、合成材料から選択することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能なハウジングカバー(12)を有するハウジング(10)内に着脱可能に設置するためのエアフィルタ要素(20)であって、
フィルタ媒体(21)が配設された管状支持構造(22)を具備し、該支持構造(22)の1つの前端面には結合区域(23;25)が設けられ、
前記結合区域(23;25)が、前記管状支持構造(22)の長手方向軸の方向でハウジング本体(11)と前記ハウジングカバー(12)の間で前記エアフィルタ要素(20)を挟持するためのクランプデバイス(30;40)と結合されるように設計され、
前記結合区域(23;25)が、前記エアフィルタ要素(20)が前記ハウジング(10)内に着脱可能に設置されるときに、前記クランプデバイス(30;40)に対する前記結合区域(23;25)および/または前記支持構造(22)の回転を阻止する固定要素(24)を備えるエアフィルタ要素(20)。
【請求項2】
前記結合区域(23;25)および/または前記固定要素(24)の形状が、前記クランプデバイス(30;40)の形状に適合される請求項1に記載のエアフィルタ要素。
【請求項3】
前記結合区域(23)が、固定要素として隆起部(24)を具備し、前記隆起部(24)の間に、前記クランプデバイス(30)の1枚の板ばね(32)をそれぞれ収容することができ、前記クランプデバイス(30)が、対を成して向かい合う少なくとも2枚の板ばね(32)を有し、前記板ばね(32)が、ディスク(21)の外周に配設される請求項1または2に記載のエアフィルタ要素。
【請求項4】
前記結合区域(23)が、固定要素として、半径方向に延在する凹部を具備し、前記凹部内に、前記クランプデバイス(30)の1枚の板ばね(32)をそれぞれ収容することができ、前記クランプデバイス(30)が、対を成して向かい合う少なくとも2枚の板ばね(32)を有し、前記板ばね(32)が、ディスク(21)の外周に配設される請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアフィルタ要素。
【請求項5】
前記結合区域(25)が湾曲したディスクを備え、前記湾曲したディスクが、前記支持構造(22)の端面に対して外方向に湾曲される請求項1〜4のいずれか一項に記載のエアフィルタ要素。
【請求項6】
前記結合区域(23)が、固定要素として隆起部を具備し、前記隆起部を、皿ばねを備える前記クランプデバイス(40)のディスク(41)の穴(42)に収容することができる請求項5に記載のエアフィルタ要素。
【請求項7】
ハウジング本体(11)と前記ハウジングカバー(12)との間でエアフィルタ要素(20)を挟持するように設計されたクランプデバイス(30;40)が、前記結合区域(23)ではなく、前記フィルタ要素の前端部、特に前記エアフィルタ要素(20)の管状支持構造(22)の端面に提供され、前記クランプデバイス(30;40)が、前記管状支持構造(22)の長手方向軸の方向で前記エアフィルタ要素(20)を挟持するために、前記ハウジングカバー(12)の結合区域(23;25)と結合することができるように設計され、前記クランプデバイス(30;40)が、前記結合区域(23;25)の固定要素(24;25)と協働して、前記エアフィルタ要素(20)が前記ハウジング(10)内に着脱可能に設置されるときに前記クランプデバイス(30;40)に対する前記結合区域(23;25)および/または前記フィルタ要素(20)および/または前記支持構造(22)の回転を阻止する請求項1に記載のエアフィルタ要素。
【請求項8】
着脱可能に設置可能な空気を濾過するためのエアフィルタ要素(20)用のハウジング(10)であって、
着脱可能なハウジングカバー(12)と、ハウジング本体(11)と前記ハウジングカバー(12)との間で前記エアフィルタ要素(29)を挟持するように設計されたクランプデバイス(30;40)とを備え、
前記クランプデバイス(30;40)が、前記管状支持構造(22)の長手方向軸の方向で前記エアフィルタ要素(20)を挟持するために、前記エアフィルタ要素(20)の管状支持構造(22)の端面に設けられた前記エアフィルタ要素(20)の結合区域(23;25)と結合することができるように設計され、
前記クランプデバイス(30;40)が、前記結合区域(23;25)の固定要素(24;25)と協働して、前記エアフィルタ要素(20)が前記ハウジング(10)内に着脱可能に設置されるときに前記クランプデバイス(30;40)に対する前記結合区域(23;25)および/または前記支持構造(22)の回転を阻止するハウジング(10)。
【請求項9】
前記クランプデバイス(30;40)の形状が、前記固定要素(24;25)の形状に適合される請求項8に記載のハウジング。
【請求項10】
クランプデバイス(30)がディスク(31)を有し、前記ディスク(31)の外周に、対を成して向かい合う少なくとも2枚の板ばね(32)が配設される請求項8または9に記載のハウジング。
【請求項11】
前記クランプデバイス(40)が皿ばねを備える請求項8または9に記載のハウジング。
【請求項12】
前記クランプデバイス(30;40)が少なくとも部分的に金属から形成される請求項8〜11のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項13】
前記ハウジングカバー(12)に、前記クランプデバイス(30;40)ではなく結合区域(23;25)が設けられて、フィルタ要素に提供されたクランプデバイス(30;40)と結合して、前記管状支持構造(22)の長手方向軸の方向でハウジング本体(11)と前記ハウジングカバー(12)の間で前記エアフィルタ要素(20)を挟持し、前記結合区域(23;25)が、固定要素(24)を備え、前記エアフィルタ要素(20)が前記ハウジング(10)に着脱可能に設置されるときに前記クランプデバイス(30;40)に対する前記結合区域(23;25)および/または前記支持構造(22)の回転を阻止する請求項8に記載のハウジング。
【請求項14】
請求項8〜12のいずれか一項に記載のハウジング(10)と、前記ハウジング(10)に挿入された請求項1〜7のいずれか一項に記載のエアフィルタ要素(20)とを備えるフィルタアセンブリ(1)。
【請求項15】
特に請求項1〜6のいずれか一項に記載のエアフィルタ要素(20)を、特に請求項7〜11のいずれか一項に記載のハウジング(10)に取り付けるための方法であって、第1のステップで、前記フィルタ要素が第1のハウジング構成要素に挿入され、第2のステップで、前記ハウジングが第2のハウジング構成要素(12)、例えばカバーによって閉じられ、前記第2のハウジング要素が前記第1のハウジング要素と接続され、クランプデバイス(30)が、前記第2のハウジング構成要素(12)と前記フィルタ要素(20)の間に挟持され、それにより前記クランプデバイス(30)が、シール座部の方向で前記フィルタ要素を挟持する方法。
【請求項16】
特に請求項7〜11のいずれか一項に記載のハウジング(10)において、特に請求項1〜6のいずれか一項に記載のエアフィルタ要素(20)を交換するための方法であって、前記ハウジングが開かれ、フィルタ要素が取り外され、最後に、請求項13に記載の方法に従ってフィルタ要素が設置される方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−742(P2013−742A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−134069(P2012−134069)
【出願日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【出願人】(505229863)マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (86)
【Fターム(参考)】