説明

フィルムコーティングされた家具を製造するための、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール及びシラン化合物からのポリウレタン接着剤の使用

フィルムコーティングされた家具を製造するためのポリウレタン接着剤の使用が記載される。前記接着剤は2成分から成り、ここで、第1の成分は、カルボキシル基を有する少なくとも2種の異なるポリウレタンを含有し、かつ、前記ポリウレタンは、ポリエステルジオールから誘導された単位及びポリエーテルジオールから誘導された単位を有し、ここで、ポリエステルジオールから誘導された全ての単位の合計対ポリエーテルジオールから誘導された全ての単位の合計の質量比は1:9〜9:1であり、かつ、ここで、第2の成分は、カルボキシル基に対して反応性の少なくとも1種のシラン化合物を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、フィルムコーティングされた家具を製造するためのポリウレタン接着剤の使用に関する。該接着剤は2成分から成り、ここで、第1の成分は、カルボキシル基を有する少なくとも2種の異なるポリウレタンを含有し、かつ、該ポリウレタンは、ポリエステルジオールから誘導された単位及びポリエーテルジオールから誘導された単位を有し、ここで、ポリエステルジオールから誘導された全ての単位の合計対ポリエーテルジオールから誘導された全ての単位の合計の質量比は1:9〜9:1であり、かつ、ここで、第2の成分は、カルボキシル基に対して反応性の少なくとも1種のシラン化合物を含有する。
【0002】
フィルムコーティングされた家具又は家具部材の製造のために、適したプラスチックフィルムが、例えばプラスチック、金属、木材、木質材料又は繊維材料からの成形体に接着剤によって永続的に施与される。このために、一般に、ポリウレタンを基礎とする水性分散液接着剤が使用される。応用技術的な特性を改善するために、頻繁にイソシアネートが架橋剤として使用されてきた。所望されるのはイソシアネート不含の系である。WO2008/006733から、添加剤としてシラン化合物を有する水性ポリウレタン接着剤が知られている。公知の接着剤分散液は、あらゆる点でなお最適ではなく、殊に、接着剤の熱活性化に必要とされる、ポリウレタン分散液を基礎とする公知の接着剤の場合に比較的高い活性化温度に関して最適ではない。高い活性化温度は、殊に、熱感受性の基材又は、非常に薄く、かつ、それによって特に熱感受性のフィルムが使用されるべき場合に問題となる。
【0003】
本発明の課題は、家具の工業積層(technische Kaschierung)用のポリウレタン分散液の応用技術的な特性、殊に、接着剤のための最適化された活性化温度に関してさらに改善することであった。あるいはまた同時に、接着部は、良好な熱安定性を有するものとする。
【0004】
本発明の対象は、フィルムコーティングされた家具を製造するための、第1の水性成分から、そして第2の成分から成る接着剤の使用であり、
ここで、第1の成分は、少なくとも1種の第1のポリウレタンと、第1のポリウレタンとは異なる少なくとも1種の第2のポリウレタンを含有し、
ここで、第1のポリウレタンは、ポリエステルジオールから誘導された単位を有し、かつ、第2のポリウレタンは、ポリエーテルジオールから誘導された単位を有し、かつ、
ここで、双方のポリウレタンの少なくとも1種、好ましくは双方のポリウレタンはカルボキシル基を有し、
ここで、ポリエステルジオールから誘導された全ての単位の合計対ポリエーテルジオールから誘導された全ての単位の合計の質量比は1:9〜9:1、有利には1:4〜4:1、特に有利には1:1〜4:1であり、かつ、
ここで、第2の成分は、カルボキシル基に対して反応性の少なくとも1種のシラン化合物を含有する。
【0005】
本発明の対象はまた、熱活性化可能な接着剤の活性化温度を下げるための、ポリエーテルジオールから誘導された単位を有するポリウレタンの使用である。ポリエーテルジオールから誘導された単位を有するポリウレタンの本発明による使用によって、特に簡単な方法で、熱活性化可能な接着剤の活性化温度を調節することが可能である。これは、熱感受性のフィルムの使用の下でのフィルム積層の場合又は熱感受性の基材の場合に殊に有利である。
【0006】
1つの実施形態において、ポリエステルジオールから誘導された単位及びポリエーテルジオールから誘導された単位は、異なるポリウレタン中に含有されており、すなわち、接着剤は、少なくとも2種の異なるタイプのポリウレタンを含有する。この際、接着剤の第1の成分は、
(a)ポリエステルジオールから誘導された単位を有し、かつ、ポリエーテルジオールから誘導された単位を有さない、少なくとも1種の第1のポリウレタン20〜80質量部、好ましくは40〜70質量部、
(b)ポリエーテルジオールから誘導された単位を有し、かつ、ポリエステルジオールから誘導された単位を有さない、少なくとも1種の第2のポリウレタン10〜70質量部、好ましくは20〜50質量部及び
(c)ポリウレタンとは異なるさらに別のポリマー、例えばポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリレートコポリマー分散液又はスチレン−ブタジエン−分散液0〜60質量部、好ましくは0〜30質量部、例えば10〜30質量部を含有していてよい。
【0007】
好ましくは、第1のポリウレタンは、
a)ジイソシアネート、
b)500より大きい〜5000g/モルの分子量を有するポリエステルジオール、
c)カルボン酸基を有するジオール、及び
d)任意に、a)〜c)とは異なる、アルコール性ヒドロキシ基、第1級アミノ基、第2級アミノ基及びイソシアネート基から選択される反応性基を有する、さらに別の1価化合物又は多価化合物から合成されている。
【0008】
好ましくは、第2のポリウレタンは、
a)ジイソシアネート、
b)240〜5000g/モルの分子量を有するポリエーテルジオール、
c)カルボン酸基を有するジオール、及び
d)任意に、a)〜c)とは異なる、アルコール性ヒドロキシ基、第1級アミノ基、第2級アミノ基及びイソシアネート基から選択される反応性基を有する、さらに別の1価化合物又は多価化合物から合成されている。
【0009】
好ましくは、ポリエーテルジオールは、ポリテトラヒドロフラン及びポリプロピレンオキシドから選択されている。好ましくは、ポリエステルジオールは、2価アルコールと2価カルボン酸との反応生成物及びラクトンベースのポリエステルジオールから選択されている。
【0010】
好ましくは、ポリウレタンは、それぞれ、少なくとも40質量%が、特に有利には少なくとも60質量%及び極めて有利には少なくとも80質量%が、ジイソシアネート、ポリエーテルジオールもしくはポリエステルジオールから合成されている。有利には、第1のポリウレタンは、ポリエステルジオールを、該第1のポリウレタンを基準として、10質量%より多い量で、特に有利には30質量%より大きい量で、殊に40質量%より大きい量で又は50質量%より大きい量で、極めて有利には60質量%より大きい量で含有する。有利には、第2のポリウレタンは、ポリエーテルジオールを、該第2のポリウレタンを基準として、10質量%より多い量で、特に有利には30質量%より大きい量で、殊に40質量%より大きい量で又は50質量%より大きい量で、極めて有利には60質量%より大きい量で含有する。
【0011】
第1のポリウレタンは、純粋な状態において結晶性であり、かつ、30〜150℃の範囲の融点を有し、ここで、第2のポリウレタンは非晶質であってよい、ことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用。
【0012】
好ましくは、少なくとも第1のポリウレタンは、純粋な状態において結晶性である。第1のポリウレタンは、好ましくは、30℃より大きく、殊に40℃より大きく、特に有利には50℃より大きいか、あるいはむしろ60℃より大きいか又は70℃より大きい融点を有する;一般的に、融点は、150℃より大きくなく、殊に100℃より大きくない。それゆえ、融点は、殊に、30〜150℃の範囲に、特に有利には40〜150℃の範囲に、及び極めて有利には50〜100℃の範囲に、及び殊に50〜80℃の範囲にある。第2のポリウレタンは、純粋な状態において非晶質であってよい。少なくとも第1のポリウレタンは、好ましくは、20J/gを上回る溶融エンタルピーを有する。融点及び溶融エンタルピーの測定は、その際、示差走査熱分析の方法により行われる。測定は、該測定前に強制空気循環炉内で40℃にて72時間乾燥させた200μmの厚さのポリウレタン膜を用いて行われる。測定の準備のために、ポリウレタン約13mgが平なべに充たされる。平なべは閉ざされ、試料は120℃に加熱され、20K/分で冷却され、そして20℃にて20時間、調温される。そのようにして準備された試料は、DIN53765に従ったDSC法により測定され、その際、該試料は20K/分で加熱される。溶融温度として、DIN53765に従ったピーク温度が利用され、溶融エンタルピーは、DIN53765の図4に示される通りに算出される。
【0013】
適したジイソシアネートは、例えば、式X(NCO)2のものであり、ここで、Xは、C原子4〜15個を有する脂肪族炭化水素基、C原子6〜15個を有する脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基又はC原子7〜15個を有する芳香脂肪族炭化水素基を表す。そのようなジイソシアネートの例は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナト−3,5,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、2,2−ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)−プロパン、トリメチルヘキサンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトベンゼン、2,4−ジイソシアナトトルエン、2,6−ジイソシアナトトルエン、4,4'−ジイソシアナト−ジフェニルメタン、2,4'−ジイソシアナト−ジフェニルメタン、p−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ビス−(4−イソシアナト−シクロヘキシル)メタン(HMDI)の異性体、例えばトランス/トランス異性体、シス/シス異性体及びシス/トランス異性体ならびに、これらの化合物から成る混合物である。そのようなジイソシアネートは商業的に得られる。
【0014】
これらのイソシアネートの混合物として、特に、ジイソシアナトトルエン及びジイソシアナト−ジフェニルメタンのそれぞれの構造異性体の混合物が重要であり、殊に、2,4−ジイソシアナトトルエン80モル%及び2,6−ジイソシアナトトルエン20モル%からの混合物が適している。さらに、芳香族イソシアネート、例えば2,4−ジイソシアナトトルエン及び/又は2,6−ジイソシアナトトルエンと、脂肪族イソシアネート又は脂環式イソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート又はIPDIとの混合物が特に好ましく、ここで、脂肪族イソシアネート対芳香族イソシアネートの有利な混合比は1:9〜9:1、殊に1:4〜4:1である。
【0015】
ポリウレタンの合成のために、化合物として、前出の化合物以外に、遊離イソシアネート基に加えて、さらに別のキャップされたイソシアネート基、例えばウレトジオン基を有するイソシアネートも使用することができる。
【0016】
良好なフィルム形成及び弾性に鑑み、ポリエステルジオールとして及びポリエーテルジオールとして、主として、500超え5000g/モルまで、好ましくは約1000〜3000g/モルの分子量を有する、比較的高分子量のジオールが考慮に入れられる。これは数平均分子量Mnである。Mnは、末端基(OH価)の数の決定によって判明する。
【0017】
ポリエステルジオールは、例えば、Ullmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie,4th edition,volume 19の第62頁〜第65頁から公知である。有利には、2価アルコールと2価カルボン酸との反応によって得られるポリエステルジオールが使用される。遊離ポリカルボン酸の代わりに、相応するポリカルボン酸無水物又は低級アルコールの相応するポリカルボン酸エステル又はそれらの混合物も、ポリエステルポリオールの製造のために使用することができる。
【0018】
ポリカルボン酸は、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族又は複素環式であってよく、かつ、場合により、例えばハロゲン原子によって置換されていてよく及び/又は不飽和であってよい。これに関する例として、以下のものが挙げられる:スベリン酸、アゼライン酸、フタル酸、イソフタル酸、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、二量体脂肪酸。有利なのは、一般式HOOC−(CH2y−COOH[式中、yは1〜20の数であり、有利には2〜20の偶数である]のジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデカンジカルボン酸である。
【0019】
2価アルコールとして、例えば、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブテン−1,4−ジオール、ブチン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ネオペンチルグリコール、ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、例えば1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2−メチル−プロパン−1,3−ジオール、メチルペンタンジオール、そのうえ、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール及びポリブチレングリコールが考慮に入れられる。有利なのは、一般式HO−(CH2x−OH[式中、xは1〜20の数、有利には2〜20の偶数である]のアルコールである。これに関する例は、エチレングリコール、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、オクタン−1,8−ジオール及びドデカン−1,12−ジオールである。さらに有利なのは、ネオペンチルグリコールである。
【0020】
ポリエステルジオール又はポリエーテルジオールに加えて、場合により、例えば、ホスゲンと、ポリエステルポリオールのための合成成分として挙げられる低分子量アルコールの過剰量との反応によって得られることができるようなポリカーボネート−ジオールも併用してよい。
【0021】
場合により、ラクトンベースのポリエステルジオールも使用してよく、これは、ラクトンの単独重合体又は混合重合体、有利には、適した二官能性の開始剤分子にラクトンが付加した、末端ヒドロキシル基を有する生成物である。ラクトンとして、有利には、一般式HO−(CH2z−COOH[zは1〜20の数であり、かつ、メチレン単位のH原子はC1〜C4−アルキル基によっても置換されていてよい]の化合物に由来するものが挙げられる。例は、e−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、g−ブチロラクトン及び/又はメチル−e−カプロラクトンならびにそれらの混合物である。適した開始剤成分は、例えば、上でポリエステルポリオールのための合成成分として挙げられた低分子量の2価アルコールである。ε−カプロラクトンの相応する重合体が特に有利である。低級ポリエステルジオール又はポリエーテルジオールも、ラクトン重合体を製造するための開始剤として使用されていてよい。ラクトンの重合体の代わりに、ラクトンに相応するヒドロキシカルボン酸の化学的に等価な相応する重縮合物も使用してよい。
【0022】
ポリエーテルジオールは、殊に、例えばBF3の存在での、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド又はエピクロロヒドリンそれ自体による重合によって、又はこれらの化合物を、場合により混合して又は順々に、反応性水素原子を有する開始成分、例えばアルコール又はアミン、例えば、水、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン又はアニリンへ付加することによって得ることができる。特に有利なのは、分子量240〜5000、及びなかでも500〜4500のポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフランである。有利なのは、20質量%未満でエチレンオキシドから成るポリエーテルジオールである。
【0023】
場合により、ポリヒドロキシオレフィン、有利には2個の末端ヒドロキシル基を有するもの、例えばα,ω−ジヒドロキシポリブタジエン、α,ω−ジヒドロキシポリメタクリルエステル又はα,ω−ジヒドロキシポリアクリルエステルも、モノマー(c1)として併用することができる。かかる化合物は、例えばEP−A622378から公知である。さらに別の適したポリオールは、ポリアセタール、ポリシロキサン及びアルキド樹脂である。
【0024】
ポリウレタンの硬度及び弾性率は、必要であるならば、ジオールとして、ポリエステルジオールに加えて、もしくはポリエーテルジオールに加えてなお、それらとは異なる、約60〜500、好ましくは62〜200g/モルの分子量を有する低分子量のモノマージオールを使用した場合に高められることができる。低分子量のモノマージオールとして、なかでも、ポリエステルポリオールの製造のために挙げられた短鎖アルカンジオールのための合成成分が使用され、ここで、C原子2〜12個及び偶数のC原子を有する非分枝鎖ジオールならびにペンタン−1,5−ジオール及びネオペンチルグリコールが有利である。例は、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブテン−1,4−ジオール、ブチン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ネオペンチルグリコール、ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、例えば1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2−メチル−プロパン−1,3−ジオール、メチルペンタンジオール、そのうえ、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール及びポリブチレングリコールが考慮に入れられる。有利なのは、一般式HO−(CH2x−OH[式中、xは1〜20の数、有利には2〜20の偶数である]のアルコールである。これに関する例は、エチレングリコール、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、オクタン−1,8−ジオール及びドデカン−1,12−ジオールである。さらに有利なのは、ネオペンチルグリコールである。
【0025】
有利には、ポリエステルジオールもしくはポリエーテルジオールの割合は、全てのジオールの全量を基準として、10〜100モル%であり、かつ、低分子量のモノマージオールの割合は、全てのジオールの全量を基準として 0〜90モル%である。特に有利には、ポリマージオール対モノマージオールの比は0.1:1〜5:1、特に有利には0.2:1〜2:1である。
【0026】
ポリウレタンの水分散性を達成するために、ポリウレタンは、少なくとも1個のイソシアネート基又はイソシアネート基に対して反応性の少なくとも1個の基及び、そのうえまた少なくとも1個の親水基又は親水基に変えられうる少なくとも1個の基を有するモノマーを付加的に合成成分として含有してよい。以下の文章において、"親水基又は潜在的親水基"との用語は、"(潜在的)親水基"と略される。(潜在的)親水基はイソシアネートと、ポリマー主鎖の合成に利用されるモノマーの官能基よりずっと緩慢に反応する。全ての合成成分の全量の中で(潜在的)親水基を有する成分の割合は、一般的に、(潜在的)親水基のモル量が、全てのモノマーの質量を基準として、30〜1000、有利には50〜500及び特に有利には80〜300ミリモル/kgになるように計量される。
【0027】
(潜在的)親水基は、非イオン性親水基、又は有利には(潜在的)イオン性親水基であってよい。非イオン性親水基として、殊に、好ましくは5〜100個、有利には10〜80個のエチレンオキシド繰り返し単位からのポリエチレングリコールエーテルが考慮に入れられる。ポリエチレンオキシド単位の含有率は、全てのモノマーの質量を基準として、一般的に0〜10質量%、有利には0〜6質量%である。非イオン性親水基を有する有利なモノマーは、エチレンオキシド少なくとも20質量%を有するポリエチレンオキシドジオール、ポリエチレンオキシドモノオールならびにポリエチレングリコールと、末端でエーテル化されたポリエチレングリコール基を有するジイソシアネートからの反応生成物である。そのようなジイソシアネートならびにそれらの製造法は、特許文献US−A3,905,929及びUS−A3,920,598に記されている。
【0028】
イオン性親水基は、なかでも、アニオン性基、例えばアルカリ金属塩又はアンモニウム塩の形態のスルホネート基、カルボキシレート基及びホスフェート基ならびにカチオン性基、例えばアンモニウム基、殊にプロトン化された第3級アミノ基又は第4級アンモニウム基である。潜在的イオン性親水基は、なかでも、単純な中和反応、加水分解反応又は第4級化反応によって、上述のイオン性親水基に変えられうるようなもの、つまり、例えばカルボン酸基又は第3級アミノ基である。(潜在的)イオン性モノマーは、例えばUllmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie,4th edition,volume 19の第311頁〜第313頁に、及び、例えばDE−A149574に詳しく記載されている。
【0029】
(潜在的)カチオン性モノマーとして、なかでも、第3級アミノ基を有するモノマーが、特に実際の上で重要であり、例えば:トリス−(ヒドロキシアルキル)−アミン、N,N'−ビス(ヒドロキシアルキル)−アルキルアミン、N−ヒドロキシアルキル−ジアルキルアミン、トリス−(アミノアルキル)−アミン、N,N'−ビス(アミノアルキル)−アルキルアミン、N−アミノアルキル−ジアルキルアミン、ここで、これらの第3級アミンのアルキル基及びアルカンジイル単位は、互いに無関係に、C原子1〜6個から成る。さらに、例えば、アミン窒素に結合された2個の水素原子を有するアミン、例えばメチルアミン、アニリン又はN,N'−ジメチルヒドラジンのアルコキシル化によって、それ自体通常の方法で得られるような、好ましくは2個の末端ヒドロキシル基を有する、第3級窒素原子を有するポリエーテルが考慮に入れられる。そのようなポリエーテルは、一般的に500乃至6000g/モルの間にある分子量を有する。これらの第3級アミンは、酸、有利には強鉱酸、例えばリン酸、硫酸、ハロゲン化水素酸又は強い有機酸を用いてか、又は適した第4級化剤、例えばハロゲン化C1〜C6−アルキルあるいはハロゲン化ベンジル、例えば臭化物又は塩化物との反応によって、アンモニウム塩に変えられる。
【0030】
(潜在的)アニオン性基を有するモノマーとして、通常、少なくとも1個のアルコール性ヒドロキシル基又は少なくとも1個の第1級アミノ基又は第2級アミノ基を有する、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族又は芳香族のカルボン酸及びスルホン酸が考慮に入れられる。有利なのは、例えばUS−A3,412,054にも記載されているような、ジヒドロキシアルキルカルボン酸、なかでもC原子3〜10個を有するものである。殊に、一般式(c1)
【化1】

[式中、R1及びR2はC1〜C4−アルカンジイル(単位)であり、かつ、R3はC1〜C4−アルキル(単位)である]の化合物及び、なかでもジメチロールプロピオン酸(DMPA)が有利である。さらに、相応するジヒドロキシスルホン酸及びジヒドロキシホスホン酸、例えば2,3−ジヒドロキシプロパンホスホン酸が適している。
【0031】
その他に、DE−A3911827から公知である、少なくとも2個のカルボキシレート基を有し、500超え10000g/モルまでの分子量を有するジヒドロキシル化合物が適している。それらは、ジヒドロキシル化合物と、テトラカルボン酸二無水物、例えばピロメリト酸二無水物又はシクロペンタンテトラカルボン酸二無水物との、重付加反応における2:1〜1.05:1のモル比での反応によって得られる。ジヒドロキシル化合物として、殊に、鎖長延長剤として挙げられるモノマー(b2)ならびにジオール(b1)が適している。
【0032】
ポリウレタンの少なくとも1種、好ましくは第1のポリウレタンのみならず第2のポリウレタンもカルボキシル基を有する。カルボキシル基は、少なくとも1個のアルコール性ヒドロキシル基又は少なくとも1個の第1級又は第2級アミノ基を有する、上で挙げられた脂肪族、脂環式、芳香脂肪族又は芳香族のカルボン酸によってポリウレタンに導入することができる。有利なのは、ジヒドロキシアルキルカルボン酸、なかでもC原子3〜10個を有するもの、殊にジメチルロールプロピオン酸である。
【0033】
イソシアネートに対して反応性のアミノ基を有するさらに別のモノマーとして、アミノカルボン酸、例えばリシン、β−アラニン又はDE−A2034479に挙げられた、脂肪族のジ第1級ジアミンのα,β−不飽和カルボン酸あるいはスルホン酸への付加物が考慮に入れられる。かかる化合物は、例えば、式(c2)
H2N−R4−NH−R5−X (c2)
[式中、R4及びR5は、互いに無関係に、C1〜C6−アルカンジイル単位、有利にはエチレンであり、かつ、XはCOOH又はSO3Hである]に従う。式(c2)の特に有利な化合物は、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエタンカルボン酸ならびにN−(2−アミノエチル)−2−アミノエタンスルホン酸もしくは相応するアルカリ金属塩であり、ここで、Naが対イオンとして特に有利である。さらに特に有利なのは、例えばDE−B1954090に記載されているような、上記脂肪族のジ第1級ジアミンの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸への付加物である。
【0034】
潜在的イオン性基を有するモノマーが使用される場合は、該モノマーのイオン形態への変換は、イソシアネート重付加の前、その間、しかしながら、好ましくはイソシアネート重付加の後に行ってよく、それというのも、イオン性モノマーは、反応混合物中に頻繁に難溶であるからである。中和剤は、例えば、アンモニア、NaOH、トリエタノールアミン(TEA)、トリイソプロピルアミン(TIPA)又はモルホリン、もしくはその誘導体である。特に有利には、スルホネート基又はカルボキシレート基は、それらと、対イオンとしてのアルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンとの塩の形態で存在する。
【0035】
場合によりポリウレタンの成分でもある多価モノマーは、一般的に架橋又は鎖長延長に利用される。それらは、一般的に、2価より多い非フェノール性アルコール、2個以上の第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基を有するアミンならびに1個以上のアルコール性ヒドロキシル基に加えて1個以上の第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基を有する化合物である。ある特定の分枝度又は架橋度の調節に役立ちうる、2より多い原子価を有するアルコールは、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン又は糖類である。そのうえ、ヒドロキシル基に加えて、イソシアネートに対して反応性のさらに別の基を有するモノアルコール、例えば、1個以上の第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基を有するモノアルコール、例えばモノエタノールアミンが考慮に入れられる。2個以上の第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基を有するポリアミンは、なかでも、鎖長延長もしくは架橋が水の存在で行われるべき場合に使用され、それというのも、アミンは、通例、アルコール又は水より迅速にイソシアネートと反応するからである。これは、架橋されたポリウレタン又は高い分子量を有するポリウレタンの水性分散液が所望される場合に頻繁に必要とされる。かかる場合には、イソシアネート基を有するプレポリマーが製造され、これらが速やかに水に分散され、かつ、引き続きイソシアネートに対して反応性の複数のアミノ基を有する化合物の添加によって連鎖延長又は架橋されるようにして行われる。このために適したアミンは、一般的に、第1級アミノ基及び第2級アミノ基の群から選択される少なくとも2個のアミノ基を含有する、32〜500g/モル、好ましくは60〜300g/モルの分子量範囲の多官能性アミンである。これに関する例は、ジアミン、例えばジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジアミン、IPDA)、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ヒドラジン水化物又はトリアミン、例えばジエチレントリアミン又は1,8−ジアミノ−4−アミノメチルオクタンである。アミンは、ブロックされた形態で、例えば、相応するケチミン(例えばCA−A1129128を参照のこと)、ケタジン(例えばUS−A4,269,748を比較のこと)又はアミン塩(US−A4,292,226を参照のこと)の形態でも使用することができる。例えばUS−A4,192,937で使用されるようなオキサゾリジンも、プレポリマーの鎖長延長のための、本発明によるポリウレタンの製造のために使用することができるキャップされたポリアミンを表す。そのようなキャップされたポリアミンが使用される場合、これらは、一般的に、プレポリマーと水の不在で混合され、かつ、この混合物は、引き続き、分散水又は分散水の一部と混合されることから、加水分解により相応するポリアミンが遊離される。有利には、ジアミンとトリアミンの混合物、特に有利にはイソホロンジアミン(IPDA)とジエチレントリアミン(DETA)の混合物が使用される。ポリウレタンは、全ての合成成分の全量を基準として、イソシアネートに対して反応性の少なくとも2個のアミノ基を有するポリアミンを、好ましくは1〜30モル%、特に有利には4〜25モル%含有する。同じ目的のために、2価より高いイソシアネートも使用することができる。市販の化合物は、例えば、イソシアヌレート又はヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットである。
【0036】
場合により併用される1価モノマーは、モノイソシアネート、モノアルコール及びモノ第1級アミン及びモノ第二級アミンである。一般的に、それらの割合は、モノマーの全体のモル量を基準として、最大10モル%である。これらの単官能性の化合物は、通常、さらに別の官能基、例えばオレフィン基又はカルボニル基を有し、かつ、ポリウレタンの分散もしくは架橋又はさらに別の重合類似反応を可能にする官能基をポリウレタンに導入するのに利用される。このために、モノマー、例えばイソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート(TMI)及びアクリル酸又はメタクリル酸のエステル、例えばヒドロキシエチルアクリレート又はヒドロキシエチルメタクリラートが考慮に入れられる。
【0037】
ポリウレタン化学の分野では、ポリウレタンの分子量が、互いに反応性のモノマーの割合ならびに1分子当たりの反応性官能基の数の算術平均の選択によって、どのように調節されうるか一般的に公知である。通常は、成分ならびに該成分のそれぞれのモル量は、
A イソシアネート基のモル量と
B ヒドロキシル基のモル量及びイソシアネートと付加反応において反応しうる官能基のモル量の合計
の比A:Bが、0.5:1〜2:1、有利には0.8:1〜1.5、特に有利には0.9:1〜1.2:1になるように選択される。極めて有利には、比A:Bは、できる限り1:1に近い。使用されるモノマーは、平均して、通常1.5〜2.5個、有利には1.9〜2.1個、特に有利には2.0個のイソシアネート基もしくはイソシアネートと付加反応において反応しうる官能基を有する。
【0038】
ポリウレタンを製造するための合成成分の重付加は、好ましくは、180℃まで、有利には150℃までの反応温度にて常圧下で又は自己圧下で行われる。ポリウレタンもしくはポリウレタン水性分散液の製造は、当業者に公知である。
【0039】
ポリウレタンは、好ましくは水性分散液として存在し、かつ、この形態で使用される。
【0040】
本発明による接着剤中で使用されるシラン化合物は、好ましくは、式
【化2】

[式中、R1〜R4は、互いに無関係に、有機基又はヒドロキシ基であり、ただし、基R1〜R4の少なくとも2個は、ヒドロキシ基及びアルコキシ基から選択される基であり、かつ、残りの基R1〜R4の少なくとも1個は、第1級アミノ基、第2級アミノ基、酸基、酸無水物基、カルバメート基、イソシアネート基、ヒドロキシル基及びエポキシ基から選択される少なくとも1個の官能基を含有する有機基である]を有する。
【0041】
好ましくは、基R1〜R4の2個又は3個、特に有利には3個は、ヒドロキシ基又はアルコキシ基である。一般的に、それらはアルコキシ基であり、後になってからの使用に際して、アルコキシ基は加水分解してヒドロキシ基を形成し、該基は、次いでさらに反応するかもしくは架橋する。殊に、C1〜C9アルコキシ基、好ましくはC1〜C6アルコキシ基、特に有利にはC1〜C3アルコキシ基が重要であり、極めて有利には、メトキシ基又はエトキシ基、殊にメトキシ基が重要である。
【0042】
残りの基R1〜R4は、分子量が一般的に500g/モル未満、殊に200g/モル未満、特に有利には150g/モル未満もしくは100g/モル未満である有機基である。残りの基R1〜R4は、例えば、脂肪族又は芳香族の炭化水素基又は、脂肪族成分、それに脂環式成分のみならず、芳香族成分も有する炭化水素基であってよい。残りの基R1〜R4の少なくとも1個は、第1級アミノ基又は第2級アミノ基、酸基、酸無水物基、カルバメート基、ヒドロキシル基、イソシアネート基又はエポキシ基から選択される少なくとも1個の官能基を含有する有機基である。官能基として特に有利なのは、第1級アミノ基又は第2級アミノ基、エポキシ基、殊にグリシジル基、又はカルバメート基である。特に有利なのは、エポキシ基、殊にグリシジル基である。残りの基R1〜R4は、複数の官能基、例えば2個の第1級アミノ基、2個の第2級アミノ基又は第1級アミノ基と第2級アミノ基を含有してもよい。
【0043】
有利なシランの場合、基R1〜R4の3個は、ヒドロキシ基又はアルコキシ基(好ましくはアルコキシ基、上記を参照のこと)であり、かつ、残りの1個の基は、少なくとも1個の官能基を有する有機基である。同様に有利なのは、基R1〜R4の2個が、ヒドロキシ基又はアルコキシ基(好ましくはアルコキシ基、上記を参照のこと)であり、かつ、残りの2個の基が、それぞれ、少なくとも1個の官能基を有する有機基であるシランである。特に有利なのは、それぞれC原子1〜5個をアルキル基中に及びアルコキシ基中に有するグリシドキシアルキルトリアルコキシシランである。シランとして考慮されるのは、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、N−トリメトキシシルメチル−O−メチルカルバメートである。
【0044】
適したシランは、殊に低分子であり、そして5000g/モルより低い、殊に2000g/モルより低い、特に有利には1000g/モルより低い、及び極めて有利には500g/モルより低い分子量を有する;分子量は、一般的に50g/モルより高く、殊に100g/モル、もしくは150g/モルより高い。
【0045】
シラン化合物は、好ましくは、ポリウレタン100質量部につき、0.2質量部より多い量で、殊に1質量部より多い量で、又は2質量部より多い量で、かつ、ポリウレタン100質量部につき、好ましくは最大30質量部の量で、殊に最大20質量部の量で、特に有利には最大10質量部の量で使用される。
【0046】
第1の接着剤成分の主成分は、結合剤としてのポリウレタンである。第1の接着剤成分は、固形分、すなわち、水を含まないか又はそれ以外の、21℃及び1barにて液状の溶剤を基準として、好ましくは少なくとも20質量%が、特に有利には少なくとも30質量%が、極めて有利には少なくとも40質量%が、及び殊に少なくとも50質量%が、もしくは少なくとも70質量%がポリウレタンから成る。第1の接着剤成分は水性であり、すなわち、それは水を、主たる又は唯一の溶剤又は分散剤として含有する。
【0047】
第1の接着剤成分は、乾燥に際して逃れる水又はそれ以外の溶媒は別として、ポリウレタンとシラン化合物からのみ成っていてよい。それは、さらに別の添加剤、例えば、さらに別の結合剤、安定化剤、充填剤、増粘剤、湿潤助剤、消泡剤、架橋剤、老化防止剤、殺菌剤、顔料、可溶性染料、艶消剤及び中和剤も含有していてよい。さらに別の添加剤は、簡単な方法で、ポリウレタンに、もしくはポリウレタンの水性分散液に加えてよい。安定化剤として、基本的に、水性分散液の場合に通常使用されるような安定化剤が適している。貯蔵安定性のポリウレタン分散液組成物をもたらすのは、湿潤剤、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンならびにそれらの混合物を包含する群から選択される安定化剤である。
【0048】
ポリウレタンとの混合物において使用することができるさらに別の結合剤として、殊にラジカル重合ポリマーが、好ましくはその水性分散液の形態で考慮される。そのようなポリマーは、好ましくは少なくとも60質量%が、C1〜C20アルキル(メタ)アクリレート、C原子20個までを含有するカルボン酸のビニルエステル、C原子20個までを有するビニル芳香族化合物、エチレン性不飽和ニトリル、ビニルハロゲン化物、C原子1〜10個を含有するアルコールのビニルエーテル、C原子2〜8個及び二重結合1個又は2個を有する脂肪族炭化水素又はこれらのモノマーの混合物から選択される、いわゆる主モノマーから成る。ポリマーとして殊に言及されるべきものは、60質量%より多くが、C1〜C20アルキル(メタ)アクリレートから構成されているポリマー(略してポリアクリレート)、又は60質量%より多くが、例えば100質量%でも、ビニルエステルから、殊に酢酸ビニルとエチレンから成るポリマー(酢酸ビニル/エチレンコポリマー、EVA)、又は60質量%より多くが、スチレンと1,3−ブタジエンから成るポリマー(スチレン/ブタジエンコポリマー、殊にカルボキシル化されたスチレン/ブタジエンコポリマー)である。カルボキシル化されたスチレン/ブタジエンコポリマーは、スチレン、ブタジエンと、少なくとも1個のカルボキシル基、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸等、好ましくはアクリル酸を有する少なくとも1種のエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマーから形成されている。エチレン15〜25質量%と酢酸ビニル75〜85質量%から成るコポリマーからの水性分散液は、付加的な結合剤として特に有利である。
【0049】
特別な実施形態において、接着剤は、ポリウレタンに加えてさらに別の結合剤を含有しない。他の実施形態において、接着剤は、全ての接着剤ポリマーの総量を基準として、ポリウレタンとは異なる結合剤、好ましくはエチレン/酢酸ビニルコポリマー又はスチレン/ブタジエンコポリマーを10〜30質量部、又は20〜30質量部含有する。
【0050】
接着剤のさらに別の成分は、例えば、さらに別の架橋剤であってよい。考慮されるのは、例えば、化学的にブロックされたイソシアネート、カプセル化されたイソシアネート、カプセル化されたウレトジオン、ビウレットあるいはアロファネート又はカルボジイミド基を有する化合物である。付加的な架橋剤は、ポリウレタンに結合されていてよいが、しかし、ポリウレタン中に溶解又は分散されている化合物であってもよい。接着剤は、所望の特性を達成するために、さらに別の架橋剤を必要とせず、それゆえ、好ましくは、接着剤は、さらに別の架橋剤も含有しない。
【0051】
特に好ましいのは、有機溶剤を含まない、殊に、いわゆるVOC(Volatile Organic Compounds)を含まない及び/又は可塑剤を含まない組成物である。可塑剤も有機溶剤も、環境毒性的及び労働衛生学的な見地から有害である。可塑剤は表面上で流動し、かつ、接着を損傷させるか又は表面を粘着性のものにし、その結果、接着ラインの汚れにつながる可能性がある。溶剤も所望されておらず、それというのも、溶剤は、一方では、加熱に際して及び接着剤の塗布に際して付加的なリスクポテンシャルを伴う可能性があるからであり、また溶剤は、他方では、同様に流動し、かつ、長い時間にわたって環境及び、接着剤と接触する材料に放出される可能性があり、かつ、これらに悪い影響を及ぼすか、もしくは接着を損傷させる可能性があるからである。それゆえ、第1の接着剤成分は、好ましくは、水を唯一の溶媒としてもしくは唯一の分散媒として有する純粋に水性系である。固形分、すなわち、水又はそれが以外の、21℃及び1barにて液状の物質を除く全ての成分の含有率は、好ましくは20〜80質量%である。
【0052】
本発明による接着剤は、2成分(2K)接着剤として使用することができる。2K接着剤の場合、使用前に、なおさらに別の添加剤、一般的に架橋剤、本件の場合、シランが添加される。特に適しているのは、殊に、大面積のフレキシブルなフィルムを基材としての一体成形体に永続的な接着を行うことによって複合体を製造するための、積層用接着剤としての本発明による接着剤である。フレキシブルなフィルムは、殊に、ポリマーフィルム及び金属フィルムから選択されている。それらは、一体成形体、例えば、金属、塗装金属、木材、木質材料、繊維材料又はプラスチック製の成形部材と接着される。成形部材は、家具又は家具部材、すなわち家具の構成部材であってよい。
【0053】
本発明の対象はまた、フィルムコーティングされた家具又は家具部材の製造法であって、ここで、
a)上で記載した本発明による第1の接着剤成分と上で記載した本発明による第2の接着剤成分、フィルム及び基材として個々の家具又は個々の家具の一部を用立てし、
b)接着剤成分を混合し、そしてフィルム及び/又は基材に適用し、かつ
c)引き続きフィルムを、加圧及び/又は温度上昇下で基材と接着する。
【0054】
本発明により製造されたフィルムコーティングされた家具は複合体である。複合体は、フィルムと接着剤層の間に及び/又は基材と接着剤層の間に、付加的にプライマー層を接着改善のために有していてよい。接着されるべきフィルム及び基材は、接着促進剤で前処理されていてよい。しかし、本発明による接着剤のすでに良好な接着特性に基づき、プライマーの使用は、必ずしも必要ではない。
【0055】
特に有利なフィルムは、ポリマーフィルムである。ポリマーフィルムとは、殊に、0.05ミリメートル〜1ミリメートル、好ましくは0.25〜0.4ミリメートルの厚さの、巻き取り可能であるフレキシブルな平面的なプラスチックと解される。そのようなプラスチックフィルムは、通常、延展成形、流し込み成形、押出成形又は特に有利にはカレンダー成形によって製造され、かつ、一般にはロール状で市販されているか又は現場で製造される。それらは単層又は多層で構成されていてよい。ポリマーフィルムのプラスチックは、好ましくは熱可塑性プラスチック、例えば、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、殊に軟質PVC、ポリアセテート、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ASA(アクリロニトリル/スチレンアクリル酸エステルコポリマー)、PUR(ポリウレタン)、PA(ポリアミド)、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、又はそれらのプラスチックアロイである。特に有利なのは、硬質PVC及び熱可塑性ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
【0056】
家具部材は、合成繊維又は天然繊維又はチップから構成されている成形部材であってもよく、それは結合剤によって結合されて成形部材を形成している。成形部材は、任意の形状を有していてよい。特に有利なのは、MDF板(中密度繊維板)である。
【0057】
接着剤によるフィルム及び基材のコーティングは、通常の塗布法に従って、例えば、噴霧塗布、刷毛塗布、ブレード塗布、ダイ塗布、ロール塗布又は流し込み塗布によって行ってよい。有利なのは噴霧塗布である。
【0058】
施与される接着剤量は、接着剤を基準として、好ましくは0.5〜100g/m2、特に有利には2〜80g/m2、極めて有利には10〜70g/m2である。好ましくは、フィルムのみ又は基材のみが片面でコーティングされる。しかしながら、接着されるべき2つの単位、すなわち、フィルムと基材のコーティングも考慮される。コーティング後に、乾燥は通常、好ましくは室温又は80℃までの温度にて行われ、水又はそれ以外の溶剤が除去される。
【0059】
1つ又は2つの接着剤成分でコーティングされたフィルム又はコーティングされた基材は、接着前に貯蔵することができる。フレキシブルなフィルムは、例えばロールで巻き取ることができる。接着のために、接着されるべき部材が組み合わされる。接着剤は、熱により活性化される。接着剤層における温度は、好ましくは少なくとも30℃又は少なくとも40℃、例えば30〜200℃、又は40〜180℃である。本発明の特別な利点は、従来の接着剤で使用される温度範囲60〜70℃を下回る温度でも、例えば、最大55℃又は最大50℃又は最大40℃の温度で、接着剤が良好に活性可能な点である。
【0060】
接着は、好ましくは加圧下で行われる。このために、例えば、接着されるべき部材は、少なくとも0.005又は少なくとも0.01又は少なくとも0.08N/mm2、例えば0.005〜5N/mm2又は0.01〜0.8N/mm2の加圧により一緒に押し付けてよい。押圧力は、例えば、フィルムと基材間の負圧を印加することによって及び/又は空気圧によって作り出してよい。
【0061】
得られた複合体は、高められた温度でも(熱安定性)高い機械的強度を有することによって際立っている。
【0062】
本発明による方法は、フィルムを用いて、殊に装飾フィルムにより積層された、家具表面用のMDF板のために特に重要である。このために、殊に、いわゆる3Dプレス法が用いられる。接着剤成分は互いに混合され、かつ、成形体、例えばMDF板に塗布される。引き続き、場合により乾燥が、例えば、室温にて又は乾燥ダクト内で、例えば40〜50℃にて行われる。乾燥された接着剤は、予熱されたフィルムによって熱活性化され、かつ、例えば真空下及び/又は空気圧によって基材上に押し付けられる。
【0063】
ここで利用されるフィルムは、頻繁にプラスチック装飾フィルムであり、かつ、表面構造を有していてよい。プラスチックフィルム上のこの表面構造は、例えば、接着の前、接着の間又は接着後に型付けしてよい。
【0064】
実施例
全てのパーセント値は、他に記載がない場合、質量値である。含有率の値は、水溶液又は分散液中での含有率に関する。粘度の測定は、DIN EN ISO 3219に従って、23℃の温度で、回転粘度計を用いて行ってよい。
【0065】
使用物質:
シラン1:Geniosil(R)GF 80として入手可能な3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Wacker−Chemie GmbH)
シラン2:Geniosil(R)GF 82として入手可能な3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(Wacker−Chemie GmbH)
他の架橋剤(比較のために):
Basonat(R)F 200 WD、BASF SEより水性分散液の架橋用に市場に出されている、自己乳化性イソシアネート。
【0066】
ポリウレタン分散液:
Luphen(R)D 200 A:
BASF SEより工業積層用に市場に出されている、ポリエステルジオールから誘導された単位を有するポリウレタンの水性分散液。
【0067】
PU−1:
分子量Mn約2000を有するポリ(テトラヒドロフラン)、ジメチロールプロピオン酸、イソホロンジイソシアネート及びイソホロンジアミンから製造され、トリエチルアミンで中和されたポリウレタンの分散液;固形分50質量%、K値40、粘度68mPas、pH6.8。
【0068】
PU−2:
分子量Mn約2000を有するポリ(プロピレンオキシド)、ジメチロールプロピオン酸、ネオペンチルグリコール、トリレンジイソシアネートから製造され、NaOHで中和されたポリウレタンの分散液;固形分40量%、K値47、粘度167mPas、pH7.6。
【0069】
接着剤の製造:
ポリウレタン100質量部につき、架橋剤(固体、水、溶剤を含まない)12.5質量部を、ポリウレタン分散液中に攪拌導入した。
【0070】
【表1】

【0071】
熱安定性の試験
接着剤(固体)38〜40g/m2を、家具成形部材の製造のために用いられるような3次元表面を有する繊維成形部材上に噴霧し、そして乾燥した。市販の真空深絞りプレス(Buerkle社 熱成形機)において、硬質PVC家具フィルム(Roxan社 5371744タイプのタウヌスブナ(Taunus beech)を積層した。積層は、121℃の熱板温度、及び4.5barの圧力で行った;圧力は45秒間維持した。真空時間は約6秒であった。得られた成形部材は、縁までフィルムで積層されている。
【0072】
成形部材及びフィルムからの積層物を、まず7日間、室温で貯蔵した。その後、75℃〜90℃での貯蔵を行い、その際、貯蔵温度を、75℃で開始し、毎時5℃高めた。毎時間後に、成形部材の縁の寸法を計り、積層されたフィルムが収縮しているか否か、そしてどの程度収縮しているか、すなわち、何mmのフィルム縁がフィルム成形部材の縁から試験体の中心に向かって動いたかを調べた。この値が小さくなればなるほど、それだけ熱安定性は、より良好である
【表2】

【0073】
第1表は、本発明による接着剤K1〜K3が、比較組成物V1〜V5より良好な結果を達成していることを示す。
【0074】
活性化温度の試験
硬質PVC家具フィルム(Roxan社 5371744タイプのタウヌスブナに、1mmのワイヤドクターを用いて、試験されるべき接着剤をコーティングし、そして室温(20℃)で1〜2時間乾燥した。手で触った感覚により、コーティングされたフィルムが室温(20℃)で粘着性であるか否かを判断する。コーティングされたフィルムを、30秒間のあいだ、加熱型プレスにおいて0.40N/mm2の加圧下で第2の硬質PVCフィルム片(Roxan社 5371744タイプのタウヌスブナ)と種々の温度(35℃、40℃及び45℃)で圧縮成形する。そのようにして得られた試験体の接着力を、圧縮成形した1分後に試験し、そしてN/5cmで示す。
【0075】
接着力(剥離試験、剥離強度)を、以下の通りに調べる:
5cm幅の試験ストリップを製造する。試験は、標準雰囲気下にて、引張試験装置を用いて行う。所定の滞留時間の経過後に、試験ストリップを下端から真ん中まで引き離し、そして180℃の角度で上向きにする。今や端部に何も無い試験基材を、引張試験装置に固定し、そして試験ストリップを180℃の角度で300mm/分の装置速度で引き離す。測定し終わる毎に、試験基材を新しいものと交換する。少なくとも3回の単独測定を実施する。試験結果はN/5cm幅で示す。
【0076】
【表3】

【0077】
第2表は、K1、K2及びV3が室温で触知可能に粘着性ではないことを示す。V5は粘着性であり、これは、殊に耐ブロッキング性の予めコーティングされたフィルムの製造に関して、応用技術的な欠点である。接着剤V3は、十分に活性化されたと見なすのに十分な接着力を、>45℃の温度になって初めて形成する。K1及びK2は、すでに40℃にて十分に活性化可能であり、かつ、ずっと高い接着力を示す。それどころか、K1は、すでに35℃にて活性化可能である。V5は、たしかに35℃にて最も高い接着力を示すが、しかしながら、室温での粘着性によって応用技術的な欠点を有する。本発明による接着剤K1及びK2は、それらが低い温度で活性化可能であり、しかし、同時に室温にて粘着性でないことによって際立っている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムコーティングされた家具を製造するための、第1の水性成分からと、第2の成分から成る接着剤の使用であって、
ここで、該第1の成分は、少なくとも1種の第1のポリウレタンと、該第1のポリウレタンとは異なる少なくとも1種の第2のポリウレタンを含有し、
ここで、該第1のポリウレタンは、ポリエステルジオールから誘導された単位を有し、かつ、該第2のポリウレタンは、ポリエーテルジオールから誘導された単位を有し、かつ、
ここで、双方のポリウレタンの少なくとも1種はカルボキシル基を有し、
ここで、ポリエステルジオールから誘導された全ての単位の合計対ポリエーテルジオールから誘導された全ての単位の合計の質量比は1:9〜9:1であり、かつ、
ここで、該第2の成分は、カルボキシル基に対して反応性の少なくとも1種のシラン化合物を含有する、該第1の水性成分からと、該第2の成分から成る接着剤の使用。
【請求項2】
前記第1の成分が、
(a)ポリエステルジオールから誘導された単位を有し、かつ、ポリエーテルジオールから誘導された単位を有さない、少なくとも1種の第1のポリウレタン20〜80質量部、
(b)ポリエーテルジオールから誘導された単位を有し、かつ、ポリエステルジオールから誘導された単位を有さない、少なくとも1種の第2のポリウレタン10〜70質量部及び
(c)ポリウレタンとは異なるさらに別のポリマー0〜60質量部
を含有することを特徴とする、請求項1記載の使用。
【請求項3】
前記第1のポリウレタンが、
a)ジイソシアネート、
b)500より大きい〜5000g/モルの分子量を有するポリエステルジオール、
c)カルボン酸基を有するジオール、及び
d)任意に、a)〜c)とは異なる、アルコール性ヒドロキシ基、第1級アミノ基、第2級アミノ基及びイソシアネート基から選択される反応性基を有する、さらに別の1価化合物又は多価化合物から合成されており、かつ、
前記第2のポリウレタンが、
a)ジイソシアネート、
b)240〜5000g/モルの分子量を有するポリエーテルジオール、
c)カルボン酸基を有するジオール、及び
d)任意に、a)〜c)とは異なる、アルコール性ヒドロキシ基、第1級アミノ基、第2級アミノ基及びイソシアネート基から選択される反応性基を有する、さらに別の1価化合物又は多価化合物から合成されている
ことを特徴とする、請求項2記載の使用。
【請求項4】
前記ポリエーテルジオールが、ポリテトラヒドロフラン及びポリプロピレンオキシドから選択されており、かつ、前記ポリエステルジオールが、2価アルコールと2価カルボン酸との反応生成物及びラクトンベースのポリエステルジオールから選択されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の使用。
【請求項5】
エチレン/酢酸ビニルコポリマー10〜30質量部が、ポリウレタンとは異なるポリマーとして含有されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の使用。
【請求項6】
前記シラン化合物が、式
【化1】

[式中、R1〜R4は、互いに無関係に、有機基又はヒドロキシ基であり、ただし、基R1〜R4の少なくとも2個は、ヒドロキシ基及びアルコキシ基から選択される基であり、かつ、残りの基R1〜R4の少なくとも1個は、第1級アミノ基、第2級アミノ基、酸基、酸無水物基、カルバメート基、イソシアネート基、ヒドロキシル基及びエポキシ基から選択される少なくとも1個の官能基を含有する有機基である]を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
前記基R1〜R4の2個又は3個がアルコキシ基であることを特徴とする、請求項6記載の使用。
【請求項8】
前記シラン化合物が、それぞれC原子1〜5個をアルキル基中に及びアルコキシ基中に有するグリシドキシアルキルトリアルコキシシランであることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の使用。
【請求項9】
ポリウレタン100質量部につき、0.2質量部より多く、かつ、最大30質量部の前記シランを使用することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の使用。
【請求項10】
少なくとも1種のさらに別の添加剤を含有し、該添加剤が、さらに別の結合剤、安定化剤、充填剤、増粘剤、湿潤助剤、消泡剤、架橋剤、老化防止剤、殺菌剤、顔料、可溶性染料、艶消剤及び中和剤から選択されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の使用。
【請求項11】
前記ポリウレタンが水に分散されており、したがって、水性ポリウレタン分散液であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の使用。
【請求項12】
前記第1のポリウレタンが、純粋な状態において結晶性であり、かつ、30〜150℃の範囲の融点を有することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の使用。
【請求項13】
前記第1の成分が、固形分を基準として、少なくとも40質量%がポリウレタンから成ることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の使用。
【請求項14】
フィルムコーティングされた家具又は家具部材の製造法であって、ここで、
a)請求項1から13までのいずれか1項記載の第1の接着剤成分と第2の接着剤成分、フィルム及び基材として個々の家具又は個々の家具の一部を用立てし、
b)該接着剤成分を混合し、そして該フィルム及び/又は該基材に適用し、かつ
c)引き続き該フィルムを、加圧及び/又は温度上昇下で該基材と接着する、
フィルムコーティングされた家具又は家具部材の製造法。
【請求項15】
フレキシブルなフィルムが、請求項1から13までのいずれか1項記載の接着剤により接着されている個々の家具。
【請求項16】
フィルムコーティングされたMDF板を有することを特徴とする、請求項15記載の個々の家具。
【請求項17】
熱活性化可能な接着剤の活性化温度を下げるための、ポリエーテジオールから誘導された単位を有するポリウレタンの使用。

【公表番号】特表2012−523488(P2012−523488A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505111(P2012−505111)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054143
【国際公開番号】WO2010/118949
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】