フライス盤及び刃物ユニット
【課題】本体部に対する刃物ユニットの交換を容易に行うことができて、その交換作業に要する時間を短縮することができるフライス盤及び刃物ユニットを提供する。
【解決手段】モータ30によって回転される回転軸28を有するヘッド25と、刃物ユニット36を収納するための複数のストック部61を有するマガジン59とを備える。ヘッド25には、刃物ユニット36をその刃物軸37が回転軸28と同一の軸線L上に位置した状態で着脱可能に支持する支持部35を設ける。回転軸28の先端には、支持部35に支持された刃物ユニット36の刃物軸37の端部と連結可能な連結部39aを設ける。ヘッド25とマガジン59との間には、刃物ユニット36を刃物軸37の軸線Lに沿って支持部35とストック部61との間で移動させるためのユニット移動機構68を設ける。
【解決手段】モータ30によって回転される回転軸28を有するヘッド25と、刃物ユニット36を収納するための複数のストック部61を有するマガジン59とを備える。ヘッド25には、刃物ユニット36をその刃物軸37が回転軸28と同一の軸線L上に位置した状態で着脱可能に支持する支持部35を設ける。回転軸28の先端には、支持部35に支持された刃物ユニット36の刃物軸37の端部と連結可能な連結部39aを設ける。ヘッド25とマガジン59との間には、刃物ユニット36を刃物軸37の軸線Lに沿って支持部35とストック部61との間で移動させるためのユニット移動機構68を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外周に切刃を有する回転刃物により、被加工物に切削加工を施すようにしたフライス盤、及びそのフライス盤に用いる刃物ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のフライス盤としては、例えば特許文献1に開示されるように、マガジンに収納された複数の刃物ユニットを、ヘッド部に対して選択的に脱着交換して、種類の異なった切削加工を連続的に行うようにした構成が提案されている。
【0003】
この従来構成においては、刃物ユニットが、刃物軸と、その刃物軸の外周に嵌着された刃物とから構成されている。そして、複数の刃物ユニットがほぼ平板状のマガジン上に、刃物軸の軸線を平行に延長させた状態で収納支持されている。これに対して、ヘッド部の一側には回転軸が設けられるとともに、その回転軸の端部を刃物ユニットの刃物軸の一端部に対して着脱可能に締結するための締結機構が設けられている。また、ヘッド部の他側には、刃物ユニットの刃物軸の他端部を着脱可能に支持するための着脱動作可能な軸受機構が設けられている。
【0004】
そして、マガジンが刃物ユニットの刃物軸の軸線と直交する方向に移動されて、所定の刃物ユニットがヘッド部の直下の交換位置に配置された状態で、ヘッド部がマガジンに向かって下降される。そのマガジンの下降により、ヘッド部の回転軸と刃物ユニットの刃物軸とが同一軸線上に配置された状態で、締結機構の作動により刃物軸の一端部が回転軸に締結されるとともに、軸受機構の作動により刃物軸の他端部が軸受機構の軸受スリーブに挿通して支持される。
【特許文献1】実開昭63−94645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、この従来のフライス盤においては、刃物ユニットが刃物軸と刃物とから構成され、刃物軸を支持するための軸受機構がヘッド部側に設けられている。そして、マガジンが刃物ユニットの刃物軸の軸線と直交する方向に移動されて、ヘッド部と対応する交換位置に配置された後、締結装置により刃物軸の一端部が回転軸に締結されるとともに、軸受機構により刃物軸の他端部が支持されるようになっている。このため、ヘッド部に対する刃物ユニットの脱着交換に際して、刃物軸の他端部をヘッド部側の軸受機構の軸受スリーブに着脱するのに時間がかかって、刃物ユニットの交換作業を迅速に行うことができないという問題があった。
【0006】
また、この従来のフライス盤においてはヘッド前方にカッターヘッドのマガジンが設けられているために、ワーク加工やワークの搬送を行うスペースが大幅に制約される。このため、フライス盤の設置面積が大きくなる、あるいは機械高さが高くなってしまうといった問題があった。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、本体部に対する刃物ユニットの交換を容易に行うことができて、その交換作業に要する時間を短縮することができるフライス盤及び刃物ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1のフライス盤に係る発明は、モータによって回転される回転軸を有する本体部と、刃物ユニットを収納するための複数のストック部を有するマガジンとを備えたフライス盤において、前記本体部には刃物ユニットをその刃物軸が前記回転軸と同一の軸線上に位置した状態で着脱可能に支持する支持部を設け、前記回転軸の先端には前記支持部に支持された刃物ユニットの刃物軸の端部と連結可能な連結部を設け、前記本体部とマガジンとの間には、刃物ユニットを前記軸線に沿って前記支持部とストック部との間で移動させるためのユニット移動手段を設けたことを特徴としている。
【0009】
従って、この発明のフライス盤において、本体部とマガジンとの間で刃物ユニットを脱着交換する際には、刃物軸と回転軸とが同一の軸線上に位置した状態で、ユニット移動手段により、刃物ユニットが刃物軸及び回転軸の軸線に沿って、本体部の支持部とマガジンのストック部との間で移動される。そして、刃物軸と回転軸との対向端部間が、連結部を介して連結または離脱される。よって、本体部に対する刃物ユニットの交換を、短時間に容易に行うことができる。
【0010】
また、請求項2に記載のフライス盤に係る発明は、前記マガジンを前記本体部の側方に配置したことを特徴としている。
従って、請求項2の発明のフライス盤においては、ヘッド前方にワーク加工やワークの搬送を行うためのスペースを十分に確保することができ、フライス盤の設置面積や機械高さを削減することが可能となる。
【0011】
また、請求項3の刃物ユニットに係る発明は、端部に連結部を設けた刃物軸と、その刃物軸の外周に固定され、外周に切刃を有する刃物と、前記刃物軸の両端を支持する軸受と、その両軸受間に橋架された橋架部とを備え、前記橋架部をフライス盤の支持部に着脱可能に支持するとともに、前記連結部を介して刃物軸の端部をフライス盤の回転軸の先端に連結するようにしたことを特徴としている。
【0012】
従って、この発明の刃物ユニットにおいては、フライス盤の本体部側に刃物ユニットの刃物軸を支持するための着脱動作可能な軸受機構を設ける必要がなく、本体部側の構成を簡略化することができる。また、本体部に対する刃物ユニットの脱着交換時に、刃物軸の端部を軸受機構の軸受スリーブ等に脱着する必要がなく、刃物ユニットの交換作業を短時間に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、この発明によれば、本体部に対する刃物ユニットの交換を容易に行うことができて、その交換作業に要する時間を短縮することができる。また、この発明によれば、フライス盤の設置面積や機械高さを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、この実施形態のフライス盤においては、ベッド21上にコラム22がレール23を介してZ軸方向(図1の左右方向)へ移動可能に支持されている。このコラム22は、Z軸移動用モータ24により図示しない送りネジを介して移動される。コラム22の側面には、本体部としてのヘッド25がレール26を介してY軸方向(図1の上下方向)へ移動可能に支持されている。このヘッド25は、Y軸移動用モータ27により図示しない送りネジを介して移動される。
【0015】
図1、図3及び図4に示すように、前記ヘッド25には、回転軸28がX軸方向(図1の前後方向)へ延びる軸線上で回転可能に支持されている。回転軸28の側端部には、フライホイール29が取り付けられている。ヘッド25上には、回転軸28を回転させるための回転用モータ30が配設されている。ヘッド25内には複数の歯車31a〜31gよりなる減速機構31が配設され、タイミングプーリ32,33及びタイミングベルト34を介して回転用モータ30に作動連結されている。そして、回転用モータ30の回転により、タイミングプーリ32,33、タイミングベルト34及び減速機構31の各歯車31a〜31gを介して、回転軸28が減速回転される。
【0016】
図2、図3及び図5に示すように、前記ヘッド25の右側面には、刃物ユニット36を着脱可能に支持するための支持部35が設けられている。刃物ユニット36には刃物軸37が設けられ、その刃物軸37には外周に切刃を有する刃物38が嵌合固定されている。そして、図3及び図5に示すように、刃物ユニット36がヘッド25の支持部35に支持された状態で、刃物ユニット36側の刃物軸37がヘッド25側の回転軸28と同一の軸線L上に配置される。
【0017】
図5、図6及び図8に示すよう、前記回転軸28と刃物軸37との対向端部間には、爪クラッチ39が設けられている。この爪クラッチ39は、回転軸28の端部に取り付けられた駆動連結部39aと、刃物軸37の端部に取り付けられた被動連結部39bとから構成されている。そして、刃物ユニット36 がヘッド25の支持部35に支持された状態で、爪クラッチ39の被動連結部39bが駆動連結部39aに離脱可能に係合される。これにより、刃物軸37が駆動連結部39a及び被動連結部39bを介して回転軸28に作動連結される。
【0018】
図1及び図2に示すように、前記コラム22の前方において、ベッド21上にはテーブル40が配設されている。テーブル40上には、ワークWが着脱可能に装着される。そして、このワークWの装着状態で、ヘッド25の支持部35に支持された刃物ユニット36の刃物38が回転用モータ30により回転されながら、ヘッド25がZ軸移動用モータ24及びY軸移動用モータ27により、Z軸方向及びY軸方向に移動される。これにより、図1に鎖線で示すように、刃物38がワークWの外面に沿って移動されて、ワークWに対して切削加工が施される。
【0019】
ヘッド25の側方には複数の刃物ユニット36が収容されたマガジン59が設けられ、このマガジン59に収容された刃物ユニット36と、ヘッド25に把持された刃物ユニット36とを交換できるようになっている。
【0020】
また、このワークWの切削加工後に、ヘッド25の支持部35に支持された刃物ユニット36を、マガジン59のストック部61に収納された別の刃物ユニット36と交換する場合には、Z軸移動用モータ24及びY軸移動用モータ27により、ヘッド25がZ軸方向及びY軸方向に移動される。これにより、ヘッド25が図3に鎖線で示すユニット交換位置P1に配置される。
【0021】
図5〜図9に示すように、前記刃物ユニット36には、刃物軸37の両端を回転可能に支持する一対の軸受41と、その両軸受41間に橋架された橋架部42とが設けられている。橋架部42の上下両端部には、刃物ユニット36をヘッド25の支持部35に対する支持位置に案内するための一対のレール部材43が、刃物軸37の軸線Lと平行に延びるように固定されている。橋架部42の上下両側端部には、刃物ユニット36を支持位置に位置決めするための一対の位置決め部材44が、各レール部材43に隣接して平行に延びるように固定されている。橋架部42の背面中央部には、刃物ユニット36を支持位置に位置規制するための位置規制孔45が設けられている。図9及び図10に示すように、軸受41の外周面には、把持用突起46が形成されている。
【0022】
一方、図6〜図9に示すように、前記ヘッド25の支持部35には、上下各一対の第1位置決め用シリンダ48が回転軸28の軸線Lと直交する前後方向へ平行に延びるように配設されている。上方及び下方に位置する各一対の第1位置決め用シリンダ48のピストンロッド48aの先端部間には、ガイド部材49が架設されている。両ガイド部材49の対向内面には、前記刃物ユニット36のレール部材43に係合可能なガイド溝49aが回転軸28の軸線Lに沿って延びるように形成されている。そして、図8及び図9に示すように、刃物ユニット36が刃物軸37の軸線Lに沿って左右方向に移動されて、ヘッド25の支持部35に後方から着脱されるとき、刃物ユニット36のレール部材43がガイド部材49のガイド溝49aに係合される。これにより、刃物ユニット36が支持部35の支持位置に対して案内移動される。
【0023】
図6及び図7に示すように、前記各ガイド部材49の両端部に対応して、ヘッド25の支持部35には上下各一対のエア噴射ノズル50が配設されている。そして、刃物ユニット36のレール部材43がガイド部材49のガイド溝49aに挿入係合されて、刃物ユニット36が支持部35に支持されるとき、これらのエア噴射ノズル50から各ガイド部材49のガイド溝49aにエアが噴射される。これにより、ガイド部材49のガイド溝49aとレール部材43との間への切粉等の噛み込みが抑制される。
【0024】
また、図7に示すように、前記レール部材43がガイド部材49のガイド溝49aに係合された状態で、第1位置決め用シリンダ48が没入動作されることにより、両ガイド部材49を介して刃物ユニット36の橋架部42がエア噴射ノズル50側に引き付けられる。これにより、橋架部42上の両位置決め部材44が各エア噴射ノズル50の外面に圧接されて、刃物ユニット36がヘッド25の支持部35に対して前後方向の所定位置に位置決めされる。さらに、位置決め部材44が各エア噴射ノズル50の外面に圧接されることにより、エア噴射ノズル50のエア圧が上昇し、このエアの圧力上昇に基づいて、刃物ユニット36の位置決め配置状態が確認される。
【0025】
図6及び図7に示すように、前記ヘッド25の支持部35の上部には、一対の第2 位置決め用シリンダ51が回転軸28の軸線Lと直交する上下方向へ平行に延びるように配設されている。各第2位置決め用シリンダ51のピストンロッド51aの先端には押圧部52が突設されている。そして、図7に示すように、前記レール部材43がガイド部材49のガイド溝49aに係合された状態で、第2位置決め用シリンダ51が突出動作されることにより、押圧部52を介して刃物ユニット36の橋架部42が下方に押圧される。これにより、橋架部42の下端側の位置決め部材44がヘッド25の支持部35の一部に圧接されて、刃物ユニット36がヘッド25の支持部35に対して上下方向の所定位置に位置決めされる。
【0026】
図6及び図7に示すように、前記ヘッド25の支持部35の中央部には、位置規制用シリンダ53が第1位置決め用シリンダ48と平行に延びるように配設されている。位置規制用シリンダ53のピストンロッド53aの先端には、刃物ユニット36の橋架部42上の位置規制孔45に係合可能な位置規制ピン54が突設されている。そして、図7に示すように、刃物ユニット36がヘッド25の支持部35に位置決めされるのに先立って、位置規制用シリンダ53が突出動作されることにより、位置規制ピン54が位置規制孔45に係合される。これにより、刃物ユニット36の橋架部42がヘッド25の支持部35の支持位置に規制保持される。
【0027】
図2、図3及び図10〜図12に示すように、前記コラム22の側方において、ベッド21上には前後一対の支持ブラケット58A,58Bが所定間隔をおいて立設されている。両支持ブラケット58A,58B間には、五角ドラム形状のマガジン59が前後方向に延びる支軸60により回転可能に支持されている。マガジン59の外周には、刃物ユニット36を収納するための5個のストック部61が等間隔おきに配設されている。各ストック部61には、刃物ユニット36の橋架部42の両側部をスライド可能に収納保持するための一対のチャネル部材61aが設けられている。
【0028】
図10及び図11に示すように、前記後方支持ブラケット58Bの側面には割り出し回転用モータ62が配設され、そのモータ軸がマガジン59の支軸60に連結されている。そして、この割り出し回転用モータ62の回転により、マガジン59が所定角度割り出し回転される。これにより、図11及び図12に示すように、所定の刃物ユニット36を収納したストック部61、または空のストック部61がユニット出入位置P2に配置される。
【0029】
この状態で、ユニット出入位置P2のストック部61が、図3に鎖線で示すユニット交換位置P1に配置されたヘッド25の支持部35の側方に対応配置される。さらに、ユニット出入位置P2のストック部61に刃物ユニット36が収納されている場合には、その刃物ユニット36の刃物軸37が、ユニット交換位置P1のヘッド25内の回転軸28と同一軸線L上に配置される。
【0030】
図11及び図12に示すように、前記各支持ブラケット58A ,58Bの外側には、前後一対の保持板63が各一対のガイドロッド64を介してマガジン59の軸線と直交する左右方向へ移動可能に支持されている。各支持ブラケット58A,58Bの外側には移動用シリンダ65が配設され、それらの移動用シリンダ65のピストンロッドが保持板63に連結されている。そして、図11及び図12に示すように、マガジン59の割り出し回転により、ストック部61に収容された刃物ユニット36が支軸60を中心に旋回移動されている間、移動用シリンダ65の突出動作により、保持板63が外方に移動される。これにより、マガジン59の旋回中に、ストック部61のチャネル部材61a間から刃物ユニット36が脱落するのが抑制される。
【0031】
図2、図3及び図10〜図12に示すように、前記ヘッド25とマガジン59との間には、ユニット移動手段としてのユニット移動機構68が配設されている。そして、このユニット移動機構68により、刃物ユニット36が回転軸28及び刃物軸37の軸線Lに沿って、ユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35と、マガジン59におけるユニット出入位置P2のストック部61との間で移動される。
【0032】
すなわち、このユニット移動機構68においては、前記マガジン59用の各支持ブラケット58A,58Bの右側部に、前後一対の軸支部69A,69Bが突設されている。両軸支部69A,69B間には、ガイド軸70が左右方向へ延びるように架設されている。そのガイド軸70の上方において平行に延びるように、両軸支部69A,69B間には回動軸71が回動可能に支持されている。その回動軸71の上方において平行に延びるように、両軸支部69A,69B間には送りネジ72が回転可能に支持されている。
【0033】
図3及び図10〜図12に示すように、前記ガイド軸70には、移動部材73がスリーブ74を介して移動可能に挿通支持されている。
回動軸71には、回動スリーブ75が一体回動可能及び軸線方向へ相対移動可能に挿通支持されている。この回動スリーブ75は、移動部材73にベアリング76を介して相対回転可能に貫設されている。回動スリーブ75の前端には把持アーム77が突設され、その把持アーム77の先端部には、刃物ユニット36の軸受41上の把持用突起46に係合可能なチャネル状の把持部77aが突設されている。移動部材73には、送りネジ72に螺合するナット78が貫設されている。
【0034】
図3及び図10〜図11に示すように、前記後方軸支部69Bの外部には移動用モータ79が配設され、そのモータ軸がカップリング80を介して送りネジ72に連結されている。そして、移動用モータ79にて送りネジ72が回転されることにより、ナット78を介して移動部材73がガイド軸70及び回動軸71に沿って、図10に実線で示す位置と鎖線で示す位置との間で移動される。これにより、把持アーム77が一体的に移動されて、その先端の把持部77aが前記ユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35、またはマガジン59におけるユニット出入位置P2のストック部61と対応する位置に配置される。
【0035】
図3及び図10〜図12に示すように、前記後方軸支部69Bの上部には、回動用シリンダ81が配設されている。回動軸71の端部には回動レバー82が取り付けられ、その回動レバー82の先端部が連結部材83を介して、回動用シリンダ81のピストンロッドに回動可能に連結されている。そして、前記把持アーム77 の把持部77aがヘッド25の支持部35またはマガジン59のストック部61対応する位置に配置された状態で、回動用シリンダ81により回動レバー82を介して回動軸71が回動される。これにより、把持アーム77が図12に実線で示す位置と鎖線で示す位置との間で回動されて、把持アーム77の把持部77aがユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35、またはユニット出入位置P2のストック部61に支持された刃物ユニット36上の把持用突起46に係合または離脱される。
【0036】
次に、前記のように構成されたフライス盤の動作を説明する。
さて、図1〜図7に示す状態では、ヘッド25の支持部35に刃物ユニット36が支持され、その刃物ユニット36の刃物軸37が爪クラッチ39を介してヘッド25側の回転軸28に連結されている。
【0037】
また、テーブル40上には、ワークWが装着される。この状態で、刃物ユニット36上の刃物38が回転用モータ30により回転されながら、ヘッド25がZ軸移動用モータ24及びY軸移動用モータ27により、Z軸方向及びY軸方向に移動される。これにより、図1に鎖線で示すように、刃物38がワークWの外面に沿って移動されて、ワークWに対して所定の切削加工が施される。
【0038】
その後、ヘッド25の支持部35に支持された刃物ユニット36を、マガジン59のストック部61に収納された別の刃物ユニット36と交換する場合には、Z軸移動用モータ24及びY軸移動用モータ27により、ヘッド25がZ軸方向及びY軸方向に移動されて、図3に鎖線で示すユニット交換位置P1に移動される。次いで、第1位置決め用シリンダ48、第2位置決め用シリンダ51及び位置規制用シリンダ53が解除動作される。これにより、ヘッド25の支持部35に対する刃物ユニット36の橋架部42の位置決め及び位置規制が解除される。それとともに、割り出し回転用モータ62により、マガジン59が所定角度割り出し回転されて、空のストック部61が図11及び図12に示すユニット出入位置P2に配置される。
【0039】
次に、回動用シリンダ81により把持アーム77が回動され、ユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35に支持されている刃物ユニット36が、ユニット移動機構68の把持アーム77により把持されて、回転軸28及び刃物軸37の軸線Lに沿って右方に移動される。これにより、前記爪クラッチ39の駆動連結部39aと被動連結部39bとの係合が解離されて、刃物ユニット36側の刃物軸37とヘッド25側の回転軸28との連結が解除される。そして、ユニット移動機構68の把持アーム77により、刃物ユニット36が右方へさらに移動されて、マガジン59におけるユニット出入位置P2の空のストック部61に収納される。この後、回動用シリンダ81により把持アーム77を回動させ、刃物ユニット36と把持アーム77との把持状態を解除させる。
【0040】
続いて、割り出し回転用モータ62により、マガジン59が所定角度割り出し回転されて、所定の刃物ユニット36を収納したストック部61が図11及び図12に示すユニット出入位置P2に配置される。
【0041】
この状態で、ストック部61の刃物ユニット36が、ユニット移動機構68の把持アーム77により把持されて、回転軸28及び刃物軸37の軸線Lに沿って左方に移動される。これにより、図8に示すように、刃物ユニット36がユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35に右方から挿入して支持される。それとともに、爪クラッチ39の駆動連結部39aと被動連結部39bとが係合されて、刃物ユニット36の刃物軸37がヘッド25側の回転軸28に対して連結される。
【0042】
そして、このヘッド25の支持部35に対する刃物ユニット36の支持状態で、図7に示すように、位置規制用シリンダ53により、位置規制ピン54が位置規制孔45に係合されて、刃物ユニット36がヘッド25の支持部35に対する所定の支持位置に規制保持される。
【0043】
さらに、第1位置決め用シリンダ48及び第2位置決め用シリンダ51により、刃物ユニット36の橋架部42がヘッド25の支持部35に対して後方及び下方に押し付けられて、前後方向及び上下方向の所定位置に位置決め保持される。
【0044】
この状態で、前記の場合と同様に、ヘッド25の支持部35に支持された刃物ユニット36を用いて、テーブル40上のワークWに対して切削加工が施される。そして、マガジン59のストック部61に収納された種類の異なる刃物ユニット36を順に交換して使用することにより、ワークWに対して異なった切削加工が連続的に施される。
【0045】
以上のように、この実施形態のフライス盤では、ヘッド25とマガジン59との間において刃物ユニット36を脱着交換する際、刃物ユニット36の刃物軸37とヘッド25側の回転軸28とが同一の軸線L上に位置するように配置される。そして、この状態でユニット移動機構68により、刃物ユニット36が刃物軸37及び回転軸28の軸線Lに沿って、ヘッド25の支持部35とマガジン59のストック部61との間で移動されて、刃物軸37と回転軸28との対向端部間が、爪クラッチ39を介して連結または離脱される。よって、ヘッド25に対する刃物ユニット36の交換を短時間に容易に行うことができて、ワークWの加工時間を短縮することができる。
【0046】
また、この実施形態のフライス盤では、本体部としてのヘッド25の側方にマガジン59が配置されているため、フライス盤前方にワーク加工スペースやワーク搬送スペースを確保できる。従って、フライス盤の設置面積や機械高さを削減することができる。
【0047】
また、この実施形態の刃物ユニット36においては、刃物軸37の両端を支持するための軸受41が刃物ユニット36側に設けられている。このため、刃物軸の外周に刃物を嵌着した単純な構成よりなる従来の刃物ユニットのように、フライス盤のヘッド側に刃物ユニットの刃物軸を支持するための着脱動作可能な軸受機構を設ける必要がない。
【0048】
よって、ヘッド25側の関連構成を簡略化することができる。さらに、ヘッド25に対する刃物ユニット36の脱着交換時に、刃物軸37の端部を軸受機構の軸受スリーブ等に脱着する必要がないため、刃物ユニット36の交換作業に要する時間を一層短縮することができる。
【0049】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態において、マガジン59を平板状に構成して、そのマガジン59上に複数のストック部61を並設し、それらのストック部61に刃物ユニット36をその刃物軸37がZ軸方向(前後方向)へ平行に延びるように収納する。そして、マガジン59が刃物軸37の軸線と直交する方向に割り出し移動されることにより、所定のストック部61がユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35と対応するユニット出入位置P2に配置されるように構成すること。
【0050】
・ 前記実施形態において、ヘッド25の支持部35に対する刃物ユニット36の支持構造、位置規制構造、位置決め構造を任意に変更すること。
・ 前記実施形態において、ヘッド25側の回転軸28と刃物ユニット36の刃物軸37との間の連結構成として、前記爪クラッチ39とは異なった構成を用いること。
【0051】
・ 前記実施形態において、ユニット移動機構68の構成を任意に変更すること。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】一実施形態のフライス盤を示す側面図。
【図2】図1のフライス盤の平面図。
【図3】同フライス盤の部分拡大正面図。
【図4】図1のフライス盤の本体部を部分的に拡大して示す側面図。
【図5】図4の本体部を部分的に破断して示す平面図。
【図6】図4の6−6線にほぼ沿った部分における断面図。
【図7】図6の7−7線にほぼ沿った部分における拡大断面図。
【図8】刃物ユニットを部分的に破断して示す平面図。
【図9】図8の刃物ユニットの正面図。
【図10】刃物ユニットのマガジン及びユニット移動機構を示す要部断面図。
【図11】図10のマガジン及びユニット移動機構を部分的に破断して示す側面図。
【図12】図10の12−12線にほぼ沿った部分における断面図。
【符号の説明】
【0053】
25…本体部としてのヘッド、28…回転軸、30…回転用モータ、35…支持部、36…刃物ユニット、37…刃物軸、38…刃物、39…爪クラッチ、39a…駆動連結部、39b…被動連結部、40…テーブル、41…軸受、42…橋架部、43…レール部材、49…ガイド部材、59…マガジン、61…ストック部、62…割り出し回転用モータ、68…ユニット移動手段としてのユニット移動機構、71…回動軸、72…送りネジ、73…移動部材、77…把持アーム、79…移動用モータ、81…回動用シリンダ、L…軸線、W…ワーク、P1…ユニット交換位置、P2…ユニット出入位置。
【技術分野】
【0001】
この発明は、外周に切刃を有する回転刃物により、被加工物に切削加工を施すようにしたフライス盤、及びそのフライス盤に用いる刃物ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のフライス盤としては、例えば特許文献1に開示されるように、マガジンに収納された複数の刃物ユニットを、ヘッド部に対して選択的に脱着交換して、種類の異なった切削加工を連続的に行うようにした構成が提案されている。
【0003】
この従来構成においては、刃物ユニットが、刃物軸と、その刃物軸の外周に嵌着された刃物とから構成されている。そして、複数の刃物ユニットがほぼ平板状のマガジン上に、刃物軸の軸線を平行に延長させた状態で収納支持されている。これに対して、ヘッド部の一側には回転軸が設けられるとともに、その回転軸の端部を刃物ユニットの刃物軸の一端部に対して着脱可能に締結するための締結機構が設けられている。また、ヘッド部の他側には、刃物ユニットの刃物軸の他端部を着脱可能に支持するための着脱動作可能な軸受機構が設けられている。
【0004】
そして、マガジンが刃物ユニットの刃物軸の軸線と直交する方向に移動されて、所定の刃物ユニットがヘッド部の直下の交換位置に配置された状態で、ヘッド部がマガジンに向かって下降される。そのマガジンの下降により、ヘッド部の回転軸と刃物ユニットの刃物軸とが同一軸線上に配置された状態で、締結機構の作動により刃物軸の一端部が回転軸に締結されるとともに、軸受機構の作動により刃物軸の他端部が軸受機構の軸受スリーブに挿通して支持される。
【特許文献1】実開昭63−94645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、この従来のフライス盤においては、刃物ユニットが刃物軸と刃物とから構成され、刃物軸を支持するための軸受機構がヘッド部側に設けられている。そして、マガジンが刃物ユニットの刃物軸の軸線と直交する方向に移動されて、ヘッド部と対応する交換位置に配置された後、締結装置により刃物軸の一端部が回転軸に締結されるとともに、軸受機構により刃物軸の他端部が支持されるようになっている。このため、ヘッド部に対する刃物ユニットの脱着交換に際して、刃物軸の他端部をヘッド部側の軸受機構の軸受スリーブに着脱するのに時間がかかって、刃物ユニットの交換作業を迅速に行うことができないという問題があった。
【0006】
また、この従来のフライス盤においてはヘッド前方にカッターヘッドのマガジンが設けられているために、ワーク加工やワークの搬送を行うスペースが大幅に制約される。このため、フライス盤の設置面積が大きくなる、あるいは機械高さが高くなってしまうといった問題があった。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、本体部に対する刃物ユニットの交換を容易に行うことができて、その交換作業に要する時間を短縮することができるフライス盤及び刃物ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1のフライス盤に係る発明は、モータによって回転される回転軸を有する本体部と、刃物ユニットを収納するための複数のストック部を有するマガジンとを備えたフライス盤において、前記本体部には刃物ユニットをその刃物軸が前記回転軸と同一の軸線上に位置した状態で着脱可能に支持する支持部を設け、前記回転軸の先端には前記支持部に支持された刃物ユニットの刃物軸の端部と連結可能な連結部を設け、前記本体部とマガジンとの間には、刃物ユニットを前記軸線に沿って前記支持部とストック部との間で移動させるためのユニット移動手段を設けたことを特徴としている。
【0009】
従って、この発明のフライス盤において、本体部とマガジンとの間で刃物ユニットを脱着交換する際には、刃物軸と回転軸とが同一の軸線上に位置した状態で、ユニット移動手段により、刃物ユニットが刃物軸及び回転軸の軸線に沿って、本体部の支持部とマガジンのストック部との間で移動される。そして、刃物軸と回転軸との対向端部間が、連結部を介して連結または離脱される。よって、本体部に対する刃物ユニットの交換を、短時間に容易に行うことができる。
【0010】
また、請求項2に記載のフライス盤に係る発明は、前記マガジンを前記本体部の側方に配置したことを特徴としている。
従って、請求項2の発明のフライス盤においては、ヘッド前方にワーク加工やワークの搬送を行うためのスペースを十分に確保することができ、フライス盤の設置面積や機械高さを削減することが可能となる。
【0011】
また、請求項3の刃物ユニットに係る発明は、端部に連結部を設けた刃物軸と、その刃物軸の外周に固定され、外周に切刃を有する刃物と、前記刃物軸の両端を支持する軸受と、その両軸受間に橋架された橋架部とを備え、前記橋架部をフライス盤の支持部に着脱可能に支持するとともに、前記連結部を介して刃物軸の端部をフライス盤の回転軸の先端に連結するようにしたことを特徴としている。
【0012】
従って、この発明の刃物ユニットにおいては、フライス盤の本体部側に刃物ユニットの刃物軸を支持するための着脱動作可能な軸受機構を設ける必要がなく、本体部側の構成を簡略化することができる。また、本体部に対する刃物ユニットの脱着交換時に、刃物軸の端部を軸受機構の軸受スリーブ等に脱着する必要がなく、刃物ユニットの交換作業を短時間に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、この発明によれば、本体部に対する刃物ユニットの交換を容易に行うことができて、その交換作業に要する時間を短縮することができる。また、この発明によれば、フライス盤の設置面積や機械高さを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、この実施形態のフライス盤においては、ベッド21上にコラム22がレール23を介してZ軸方向(図1の左右方向)へ移動可能に支持されている。このコラム22は、Z軸移動用モータ24により図示しない送りネジを介して移動される。コラム22の側面には、本体部としてのヘッド25がレール26を介してY軸方向(図1の上下方向)へ移動可能に支持されている。このヘッド25は、Y軸移動用モータ27により図示しない送りネジを介して移動される。
【0015】
図1、図3及び図4に示すように、前記ヘッド25には、回転軸28がX軸方向(図1の前後方向)へ延びる軸線上で回転可能に支持されている。回転軸28の側端部には、フライホイール29が取り付けられている。ヘッド25上には、回転軸28を回転させるための回転用モータ30が配設されている。ヘッド25内には複数の歯車31a〜31gよりなる減速機構31が配設され、タイミングプーリ32,33及びタイミングベルト34を介して回転用モータ30に作動連結されている。そして、回転用モータ30の回転により、タイミングプーリ32,33、タイミングベルト34及び減速機構31の各歯車31a〜31gを介して、回転軸28が減速回転される。
【0016】
図2、図3及び図5に示すように、前記ヘッド25の右側面には、刃物ユニット36を着脱可能に支持するための支持部35が設けられている。刃物ユニット36には刃物軸37が設けられ、その刃物軸37には外周に切刃を有する刃物38が嵌合固定されている。そして、図3及び図5に示すように、刃物ユニット36がヘッド25の支持部35に支持された状態で、刃物ユニット36側の刃物軸37がヘッド25側の回転軸28と同一の軸線L上に配置される。
【0017】
図5、図6及び図8に示すよう、前記回転軸28と刃物軸37との対向端部間には、爪クラッチ39が設けられている。この爪クラッチ39は、回転軸28の端部に取り付けられた駆動連結部39aと、刃物軸37の端部に取り付けられた被動連結部39bとから構成されている。そして、刃物ユニット36 がヘッド25の支持部35に支持された状態で、爪クラッチ39の被動連結部39bが駆動連結部39aに離脱可能に係合される。これにより、刃物軸37が駆動連結部39a及び被動連結部39bを介して回転軸28に作動連結される。
【0018】
図1及び図2に示すように、前記コラム22の前方において、ベッド21上にはテーブル40が配設されている。テーブル40上には、ワークWが着脱可能に装着される。そして、このワークWの装着状態で、ヘッド25の支持部35に支持された刃物ユニット36の刃物38が回転用モータ30により回転されながら、ヘッド25がZ軸移動用モータ24及びY軸移動用モータ27により、Z軸方向及びY軸方向に移動される。これにより、図1に鎖線で示すように、刃物38がワークWの外面に沿って移動されて、ワークWに対して切削加工が施される。
【0019】
ヘッド25の側方には複数の刃物ユニット36が収容されたマガジン59が設けられ、このマガジン59に収容された刃物ユニット36と、ヘッド25に把持された刃物ユニット36とを交換できるようになっている。
【0020】
また、このワークWの切削加工後に、ヘッド25の支持部35に支持された刃物ユニット36を、マガジン59のストック部61に収納された別の刃物ユニット36と交換する場合には、Z軸移動用モータ24及びY軸移動用モータ27により、ヘッド25がZ軸方向及びY軸方向に移動される。これにより、ヘッド25が図3に鎖線で示すユニット交換位置P1に配置される。
【0021】
図5〜図9に示すように、前記刃物ユニット36には、刃物軸37の両端を回転可能に支持する一対の軸受41と、その両軸受41間に橋架された橋架部42とが設けられている。橋架部42の上下両端部には、刃物ユニット36をヘッド25の支持部35に対する支持位置に案内するための一対のレール部材43が、刃物軸37の軸線Lと平行に延びるように固定されている。橋架部42の上下両側端部には、刃物ユニット36を支持位置に位置決めするための一対の位置決め部材44が、各レール部材43に隣接して平行に延びるように固定されている。橋架部42の背面中央部には、刃物ユニット36を支持位置に位置規制するための位置規制孔45が設けられている。図9及び図10に示すように、軸受41の外周面には、把持用突起46が形成されている。
【0022】
一方、図6〜図9に示すように、前記ヘッド25の支持部35には、上下各一対の第1位置決め用シリンダ48が回転軸28の軸線Lと直交する前後方向へ平行に延びるように配設されている。上方及び下方に位置する各一対の第1位置決め用シリンダ48のピストンロッド48aの先端部間には、ガイド部材49が架設されている。両ガイド部材49の対向内面には、前記刃物ユニット36のレール部材43に係合可能なガイド溝49aが回転軸28の軸線Lに沿って延びるように形成されている。そして、図8及び図9に示すように、刃物ユニット36が刃物軸37の軸線Lに沿って左右方向に移動されて、ヘッド25の支持部35に後方から着脱されるとき、刃物ユニット36のレール部材43がガイド部材49のガイド溝49aに係合される。これにより、刃物ユニット36が支持部35の支持位置に対して案内移動される。
【0023】
図6及び図7に示すように、前記各ガイド部材49の両端部に対応して、ヘッド25の支持部35には上下各一対のエア噴射ノズル50が配設されている。そして、刃物ユニット36のレール部材43がガイド部材49のガイド溝49aに挿入係合されて、刃物ユニット36が支持部35に支持されるとき、これらのエア噴射ノズル50から各ガイド部材49のガイド溝49aにエアが噴射される。これにより、ガイド部材49のガイド溝49aとレール部材43との間への切粉等の噛み込みが抑制される。
【0024】
また、図7に示すように、前記レール部材43がガイド部材49のガイド溝49aに係合された状態で、第1位置決め用シリンダ48が没入動作されることにより、両ガイド部材49を介して刃物ユニット36の橋架部42がエア噴射ノズル50側に引き付けられる。これにより、橋架部42上の両位置決め部材44が各エア噴射ノズル50の外面に圧接されて、刃物ユニット36がヘッド25の支持部35に対して前後方向の所定位置に位置決めされる。さらに、位置決め部材44が各エア噴射ノズル50の外面に圧接されることにより、エア噴射ノズル50のエア圧が上昇し、このエアの圧力上昇に基づいて、刃物ユニット36の位置決め配置状態が確認される。
【0025】
図6及び図7に示すように、前記ヘッド25の支持部35の上部には、一対の第2 位置決め用シリンダ51が回転軸28の軸線Lと直交する上下方向へ平行に延びるように配設されている。各第2位置決め用シリンダ51のピストンロッド51aの先端には押圧部52が突設されている。そして、図7に示すように、前記レール部材43がガイド部材49のガイド溝49aに係合された状態で、第2位置決め用シリンダ51が突出動作されることにより、押圧部52を介して刃物ユニット36の橋架部42が下方に押圧される。これにより、橋架部42の下端側の位置決め部材44がヘッド25の支持部35の一部に圧接されて、刃物ユニット36がヘッド25の支持部35に対して上下方向の所定位置に位置決めされる。
【0026】
図6及び図7に示すように、前記ヘッド25の支持部35の中央部には、位置規制用シリンダ53が第1位置決め用シリンダ48と平行に延びるように配設されている。位置規制用シリンダ53のピストンロッド53aの先端には、刃物ユニット36の橋架部42上の位置規制孔45に係合可能な位置規制ピン54が突設されている。そして、図7に示すように、刃物ユニット36がヘッド25の支持部35に位置決めされるのに先立って、位置規制用シリンダ53が突出動作されることにより、位置規制ピン54が位置規制孔45に係合される。これにより、刃物ユニット36の橋架部42がヘッド25の支持部35の支持位置に規制保持される。
【0027】
図2、図3及び図10〜図12に示すように、前記コラム22の側方において、ベッド21上には前後一対の支持ブラケット58A,58Bが所定間隔をおいて立設されている。両支持ブラケット58A,58B間には、五角ドラム形状のマガジン59が前後方向に延びる支軸60により回転可能に支持されている。マガジン59の外周には、刃物ユニット36を収納するための5個のストック部61が等間隔おきに配設されている。各ストック部61には、刃物ユニット36の橋架部42の両側部をスライド可能に収納保持するための一対のチャネル部材61aが設けられている。
【0028】
図10及び図11に示すように、前記後方支持ブラケット58Bの側面には割り出し回転用モータ62が配設され、そのモータ軸がマガジン59の支軸60に連結されている。そして、この割り出し回転用モータ62の回転により、マガジン59が所定角度割り出し回転される。これにより、図11及び図12に示すように、所定の刃物ユニット36を収納したストック部61、または空のストック部61がユニット出入位置P2に配置される。
【0029】
この状態で、ユニット出入位置P2のストック部61が、図3に鎖線で示すユニット交換位置P1に配置されたヘッド25の支持部35の側方に対応配置される。さらに、ユニット出入位置P2のストック部61に刃物ユニット36が収納されている場合には、その刃物ユニット36の刃物軸37が、ユニット交換位置P1のヘッド25内の回転軸28と同一軸線L上に配置される。
【0030】
図11及び図12に示すように、前記各支持ブラケット58A ,58Bの外側には、前後一対の保持板63が各一対のガイドロッド64を介してマガジン59の軸線と直交する左右方向へ移動可能に支持されている。各支持ブラケット58A,58Bの外側には移動用シリンダ65が配設され、それらの移動用シリンダ65のピストンロッドが保持板63に連結されている。そして、図11及び図12に示すように、マガジン59の割り出し回転により、ストック部61に収容された刃物ユニット36が支軸60を中心に旋回移動されている間、移動用シリンダ65の突出動作により、保持板63が外方に移動される。これにより、マガジン59の旋回中に、ストック部61のチャネル部材61a間から刃物ユニット36が脱落するのが抑制される。
【0031】
図2、図3及び図10〜図12に示すように、前記ヘッド25とマガジン59との間には、ユニット移動手段としてのユニット移動機構68が配設されている。そして、このユニット移動機構68により、刃物ユニット36が回転軸28及び刃物軸37の軸線Lに沿って、ユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35と、マガジン59におけるユニット出入位置P2のストック部61との間で移動される。
【0032】
すなわち、このユニット移動機構68においては、前記マガジン59用の各支持ブラケット58A,58Bの右側部に、前後一対の軸支部69A,69Bが突設されている。両軸支部69A,69B間には、ガイド軸70が左右方向へ延びるように架設されている。そのガイド軸70の上方において平行に延びるように、両軸支部69A,69B間には回動軸71が回動可能に支持されている。その回動軸71の上方において平行に延びるように、両軸支部69A,69B間には送りネジ72が回転可能に支持されている。
【0033】
図3及び図10〜図12に示すように、前記ガイド軸70には、移動部材73がスリーブ74を介して移動可能に挿通支持されている。
回動軸71には、回動スリーブ75が一体回動可能及び軸線方向へ相対移動可能に挿通支持されている。この回動スリーブ75は、移動部材73にベアリング76を介して相対回転可能に貫設されている。回動スリーブ75の前端には把持アーム77が突設され、その把持アーム77の先端部には、刃物ユニット36の軸受41上の把持用突起46に係合可能なチャネル状の把持部77aが突設されている。移動部材73には、送りネジ72に螺合するナット78が貫設されている。
【0034】
図3及び図10〜図11に示すように、前記後方軸支部69Bの外部には移動用モータ79が配設され、そのモータ軸がカップリング80を介して送りネジ72に連結されている。そして、移動用モータ79にて送りネジ72が回転されることにより、ナット78を介して移動部材73がガイド軸70及び回動軸71に沿って、図10に実線で示す位置と鎖線で示す位置との間で移動される。これにより、把持アーム77が一体的に移動されて、その先端の把持部77aが前記ユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35、またはマガジン59におけるユニット出入位置P2のストック部61と対応する位置に配置される。
【0035】
図3及び図10〜図12に示すように、前記後方軸支部69Bの上部には、回動用シリンダ81が配設されている。回動軸71の端部には回動レバー82が取り付けられ、その回動レバー82の先端部が連結部材83を介して、回動用シリンダ81のピストンロッドに回動可能に連結されている。そして、前記把持アーム77 の把持部77aがヘッド25の支持部35またはマガジン59のストック部61対応する位置に配置された状態で、回動用シリンダ81により回動レバー82を介して回動軸71が回動される。これにより、把持アーム77が図12に実線で示す位置と鎖線で示す位置との間で回動されて、把持アーム77の把持部77aがユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35、またはユニット出入位置P2のストック部61に支持された刃物ユニット36上の把持用突起46に係合または離脱される。
【0036】
次に、前記のように構成されたフライス盤の動作を説明する。
さて、図1〜図7に示す状態では、ヘッド25の支持部35に刃物ユニット36が支持され、その刃物ユニット36の刃物軸37が爪クラッチ39を介してヘッド25側の回転軸28に連結されている。
【0037】
また、テーブル40上には、ワークWが装着される。この状態で、刃物ユニット36上の刃物38が回転用モータ30により回転されながら、ヘッド25がZ軸移動用モータ24及びY軸移動用モータ27により、Z軸方向及びY軸方向に移動される。これにより、図1に鎖線で示すように、刃物38がワークWの外面に沿って移動されて、ワークWに対して所定の切削加工が施される。
【0038】
その後、ヘッド25の支持部35に支持された刃物ユニット36を、マガジン59のストック部61に収納された別の刃物ユニット36と交換する場合には、Z軸移動用モータ24及びY軸移動用モータ27により、ヘッド25がZ軸方向及びY軸方向に移動されて、図3に鎖線で示すユニット交換位置P1に移動される。次いで、第1位置決め用シリンダ48、第2位置決め用シリンダ51及び位置規制用シリンダ53が解除動作される。これにより、ヘッド25の支持部35に対する刃物ユニット36の橋架部42の位置決め及び位置規制が解除される。それとともに、割り出し回転用モータ62により、マガジン59が所定角度割り出し回転されて、空のストック部61が図11及び図12に示すユニット出入位置P2に配置される。
【0039】
次に、回動用シリンダ81により把持アーム77が回動され、ユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35に支持されている刃物ユニット36が、ユニット移動機構68の把持アーム77により把持されて、回転軸28及び刃物軸37の軸線Lに沿って右方に移動される。これにより、前記爪クラッチ39の駆動連結部39aと被動連結部39bとの係合が解離されて、刃物ユニット36側の刃物軸37とヘッド25側の回転軸28との連結が解除される。そして、ユニット移動機構68の把持アーム77により、刃物ユニット36が右方へさらに移動されて、マガジン59におけるユニット出入位置P2の空のストック部61に収納される。この後、回動用シリンダ81により把持アーム77を回動させ、刃物ユニット36と把持アーム77との把持状態を解除させる。
【0040】
続いて、割り出し回転用モータ62により、マガジン59が所定角度割り出し回転されて、所定の刃物ユニット36を収納したストック部61が図11及び図12に示すユニット出入位置P2に配置される。
【0041】
この状態で、ストック部61の刃物ユニット36が、ユニット移動機構68の把持アーム77により把持されて、回転軸28及び刃物軸37の軸線Lに沿って左方に移動される。これにより、図8に示すように、刃物ユニット36がユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35に右方から挿入して支持される。それとともに、爪クラッチ39の駆動連結部39aと被動連結部39bとが係合されて、刃物ユニット36の刃物軸37がヘッド25側の回転軸28に対して連結される。
【0042】
そして、このヘッド25の支持部35に対する刃物ユニット36の支持状態で、図7に示すように、位置規制用シリンダ53により、位置規制ピン54が位置規制孔45に係合されて、刃物ユニット36がヘッド25の支持部35に対する所定の支持位置に規制保持される。
【0043】
さらに、第1位置決め用シリンダ48及び第2位置決め用シリンダ51により、刃物ユニット36の橋架部42がヘッド25の支持部35に対して後方及び下方に押し付けられて、前後方向及び上下方向の所定位置に位置決め保持される。
【0044】
この状態で、前記の場合と同様に、ヘッド25の支持部35に支持された刃物ユニット36を用いて、テーブル40上のワークWに対して切削加工が施される。そして、マガジン59のストック部61に収納された種類の異なる刃物ユニット36を順に交換して使用することにより、ワークWに対して異なった切削加工が連続的に施される。
【0045】
以上のように、この実施形態のフライス盤では、ヘッド25とマガジン59との間において刃物ユニット36を脱着交換する際、刃物ユニット36の刃物軸37とヘッド25側の回転軸28とが同一の軸線L上に位置するように配置される。そして、この状態でユニット移動機構68により、刃物ユニット36が刃物軸37及び回転軸28の軸線Lに沿って、ヘッド25の支持部35とマガジン59のストック部61との間で移動されて、刃物軸37と回転軸28との対向端部間が、爪クラッチ39を介して連結または離脱される。よって、ヘッド25に対する刃物ユニット36の交換を短時間に容易に行うことができて、ワークWの加工時間を短縮することができる。
【0046】
また、この実施形態のフライス盤では、本体部としてのヘッド25の側方にマガジン59が配置されているため、フライス盤前方にワーク加工スペースやワーク搬送スペースを確保できる。従って、フライス盤の設置面積や機械高さを削減することができる。
【0047】
また、この実施形態の刃物ユニット36においては、刃物軸37の両端を支持するための軸受41が刃物ユニット36側に設けられている。このため、刃物軸の外周に刃物を嵌着した単純な構成よりなる従来の刃物ユニットのように、フライス盤のヘッド側に刃物ユニットの刃物軸を支持するための着脱動作可能な軸受機構を設ける必要がない。
【0048】
よって、ヘッド25側の関連構成を簡略化することができる。さらに、ヘッド25に対する刃物ユニット36の脱着交換時に、刃物軸37の端部を軸受機構の軸受スリーブ等に脱着する必要がないため、刃物ユニット36の交換作業に要する時間を一層短縮することができる。
【0049】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態において、マガジン59を平板状に構成して、そのマガジン59上に複数のストック部61を並設し、それらのストック部61に刃物ユニット36をその刃物軸37がZ軸方向(前後方向)へ平行に延びるように収納する。そして、マガジン59が刃物軸37の軸線と直交する方向に割り出し移動されることにより、所定のストック部61がユニット交換位置P1のヘッド25の支持部35と対応するユニット出入位置P2に配置されるように構成すること。
【0050】
・ 前記実施形態において、ヘッド25の支持部35に対する刃物ユニット36の支持構造、位置規制構造、位置決め構造を任意に変更すること。
・ 前記実施形態において、ヘッド25側の回転軸28と刃物ユニット36の刃物軸37との間の連結構成として、前記爪クラッチ39とは異なった構成を用いること。
【0051】
・ 前記実施形態において、ユニット移動機構68の構成を任意に変更すること。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】一実施形態のフライス盤を示す側面図。
【図2】図1のフライス盤の平面図。
【図3】同フライス盤の部分拡大正面図。
【図4】図1のフライス盤の本体部を部分的に拡大して示す側面図。
【図5】図4の本体部を部分的に破断して示す平面図。
【図6】図4の6−6線にほぼ沿った部分における断面図。
【図7】図6の7−7線にほぼ沿った部分における拡大断面図。
【図8】刃物ユニットを部分的に破断して示す平面図。
【図9】図8の刃物ユニットの正面図。
【図10】刃物ユニットのマガジン及びユニット移動機構を示す要部断面図。
【図11】図10のマガジン及びユニット移動機構を部分的に破断して示す側面図。
【図12】図10の12−12線にほぼ沿った部分における断面図。
【符号の説明】
【0053】
25…本体部としてのヘッド、28…回転軸、30…回転用モータ、35…支持部、36…刃物ユニット、37…刃物軸、38…刃物、39…爪クラッチ、39a…駆動連結部、39b…被動連結部、40…テーブル、41…軸受、42…橋架部、43…レール部材、49…ガイド部材、59…マガジン、61…ストック部、62…割り出し回転用モータ、68…ユニット移動手段としてのユニット移動機構、71…回動軸、72…送りネジ、73…移動部材、77…把持アーム、79…移動用モータ、81…回動用シリンダ、L…軸線、W…ワーク、P1…ユニット交換位置、P2…ユニット出入位置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータによって回転される回転軸を有する本体部と、
刃物ユニットを収納するための複数のストック部を有するマガジンと
を備えたフライス盤において、
前記本体部には刃物ユニットをその刃物軸が前記回転軸と同一の軸線上に位置した状態で着脱可能に支持する支持部を設け、
前記回転軸の先端には前記支持部に支持された刃物ユニットの刃物軸の端部と連結可能な連結部を設け、
前記本体部とマガジンとの間には、刃物ユニットを前記軸線に沿って前記支持部とストック部との間で移動させるためのユニット移動手段を設けた
ことを特徴とするフライス盤。
【請求項2】
前記マガジンは前記本体部の側方に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のフライス盤。
【請求項3】
端部に連結部を設けた刃物軸と、
その刃物軸の外周に固定され、外周に切刃を有する刃物と、
前記刃物軸の両端を支持する軸受と、
その両軸受間に橋架された橋架部とを備え、
前記橋架部をフライス盤の支持部に着脱可能に支持するとともに、前記連結部を介して刃物軸の端部をフライス盤の回転軸の先端に連結するようにした
ことを特徴とする刃物ユニット。
【請求項1】
モータによって回転される回転軸を有する本体部と、
刃物ユニットを収納するための複数のストック部を有するマガジンと
を備えたフライス盤において、
前記本体部には刃物ユニットをその刃物軸が前記回転軸と同一の軸線上に位置した状態で着脱可能に支持する支持部を設け、
前記回転軸の先端には前記支持部に支持された刃物ユニットの刃物軸の端部と連結可能な連結部を設け、
前記本体部とマガジンとの間には、刃物ユニットを前記軸線に沿って前記支持部とストック部との間で移動させるためのユニット移動手段を設けた
ことを特徴とするフライス盤。
【請求項2】
前記マガジンは前記本体部の側方に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のフライス盤。
【請求項3】
端部に連結部を設けた刃物軸と、
その刃物軸の外周に固定され、外周に切刃を有する刃物と、
前記刃物軸の両端を支持する軸受と、
その両軸受間に橋架された橋架部とを備え、
前記橋架部をフライス盤の支持部に着脱可能に支持するとともに、前記連結部を介して刃物軸の端部をフライス盤の回転軸の先端に連結するようにした
ことを特徴とする刃物ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−95893(P2009−95893A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266694(P2007−266694)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000152675)コマツNTC株式会社 (218)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000152675)コマツNTC株式会社 (218)
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