説明

フラクションコレクタ

【課題】X軸およびY軸に沿って構成部品を位置決めするための装置において、最小限の移動ワイヤ又はモータでもってエネルギー使用量を低減する。
【解決手段】装置のX軸及びY軸方向に部品を配置する装置であって、当該装置は第1及び第2のモータ、前記部品を担持するキャリッジ、前記キャリッジを前記装置の第1の軸に位置決めするためのリードスクリュー、及び前記装置の第2の軸に構成部品を位置決めするためのキー溝付きシャフトを備える。第1のモータはリードスクリューを駆動し、第2のモータはキー溝付きシャフトを駆動する。本願明細書に記載の実施形態においては、キー溝付きシャフトは第1のプーリを回転させ、この第1のプーリはベルトにより第2のプーリに接続されている。位置決めされる構成部品は前記ベルトに接触し、ベルトの移動により前記装置の第2の軸に沿って移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についてのクロス・リファレンス]
適用せず。
【0002】
[連邦後援研究又は開発に係る記載]
適用せず。
【0003】
[コンパクトディスクにて提出の参考材料の編入]
適用せず。
【0004】
本発明は、概して言えばフラクションコレクタの技術に関し、より具体的には、移動が最小限のワイヤ又はモータを有してエネルギー使用を最小化するX−Yフラクションコレクタに関する。
【背景技術】
【0005】
フラクションコレクタは、通常、クラマトグラフィ・カラム又は他の分離手段から液体フラクションを集めるために用いられるが、液体が分離手段から現れ出でるに連れてその組成は変化する。典型的には、フラクションコレクタは、液体試料のフラクションを受けるための複数の試験管(チューブ:tube)を備えると共に、液体試料フラクションを様々な試験管に指向させるための分配手段も備える。フラクションコレクタは、フラクション又はその内容物を更なる利用のために回収するよう、液体試料の個々のフラクションを個別の試験管に分配するために用いられる。
【0006】
公知のフラクションコレクタは、典型的には、2つの構成のうちの1つを備えている。所謂「X−Yコレクタ」は、試験管を長方形に配列して用い、分配器が直線状に移動して個々の試験管にフラクションを分配するものである。第2の構成においては、試験管は円形ターンテーブル状に配置され、フラクションが分配されるに連れて回転し、これにより、それぞれ所望のフラクションが分配されるように、別個の試験管が分配器に差し出される。
【0007】
上述のフラクションコレクタの構成は何れも普通に用いられるが、それぞれに欠点があることが当業者に知られている。ターンテーブル式フラクションコレクタは便利である一方、X−Yコレクタが好適な例もある。例えば、多数の試験管を充填する場合、X−Yコレクタは、ターンテーブル式コレクタと比較してベンチ空間を有効利用する。更に、マイクロタイタープレート等の汎用容器は、一般的に矩形X−Yパターンに配置される井戸状の窪み(ウェル:well)を有する。そのような容器に対しては、ターンテーブル式コレクタでは試料を分配できない結果となる。
【0008】
X−Yコレクタに関しても不利な点は存在する。例えば、分配器がマイクロタイタープレート又は試験管の列を移動する際に、X−Yコレクタは、一般的にワイヤの移動を必要とする。特に、弾性が失われて経時的に脆くなると、この移動はワイヤの破壊につながることがある。更に、このような分配器のキャリッジは、一般的に、第1の軸方向に適切に位置決めされた後に第2の軸に沿って分配器が移動できるように、備えられたモータが第1の軸に沿って移動しなければならない。モータを上方位置に有するフラクションコレクタの部分が移動することにより、モータの位置誤差を招く可能性があり、キャリッジの位置決めに用いるモータの負荷も増加し、エネルギー消費の増加及び当該モータの故障につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのため、移動ワイヤもモータも無く、エネルギー消費が最小で、軸方向の微少移動制御を備えるフラクションコレクタが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、装置のX軸およびY軸に沿って構成部品(コンポーネント:component)を位置決めするための装置に注力したものである。当該装置は、第1及び第2のモータと、位置決めされるべき構成部品を包含するキャリッジと、キャリッジを装置の第1の軸に沿って位置決めするためのリードスクリューと、位置決めされるべき構成部品を前記装置の第2の軸に沿って位置決めするためのキー溝付きシャフトとを備えている。第1のモータはリードスクリューを駆動し、第2のモータはキー溝付きシャフトを駆動する。本願明細書に記載の幾つかの実施形態においては、キー溝付きシャフトは、ベルトによって第2のプーリに接続されている第1のプーリを回転させる。位置決めされる構成部品は、前記ベルトに取り付けられており、ベルトが動作するに連れて、前記装置の第2の軸に沿って移動する。本願明細書のキー溝付きシャフトに関して用いられる用語「キー溝付き」は、後述するように、溝付きシャフト、若しくは、シャフトの構成が第1のプーリ(後述する)の構成に対応する他のシャフトと同様に、フラットシャフトも含んでおり、キー溝付きシャフトの回転が第1のプーリの回転をもたらしている。
【0011】
本発明の好適な実施形態は、フラクションコレクタに注力したものであり、位置決めされるべき構成部品は分配器である。フラクションコレクタは、好ましくは、2つのモータを保持すると共にリードスクリュー及びフラットシャフトのための貫通穴を有する背面部と、前記リードスクリューのための貫通穴を有する第1の前方保持部と、前記フラットシャフトのための貫通穴を有する第2の前方保持部と、装置に対し追加的な安定性をもたらす基部と、を備えている。別の好ましい実施形態においては、フラクションコレクタは、前記リードスクリューに平行な支持シャフトを備えており、背面部及び前方支持部は、当該支持シャフトに適合する貫通穴を有している。本実施形態においては、前記キャリッジは、支持シャフトに適合する貫通穴を有し、この支持シャフトと摺動可能に係合する。
【0012】
本発明の別の態様においては、2つのセンサセンブリが提供される。第1のセンサセンブリは、リードスクリューの回転量を測定するために取り付けられ、これにより装置は第1の軸に沿ったキャリッジの(従って、分配器の)移動量を測定することができる。第2のセンサセンブリは、フラットシャフトの回転量を測定するために取り付けられ、これにより装置は第2の軸に沿って分配器の移動量を測定ることができる。
【0013】
本発明の好適な実施形態においては、両センサセンブリは、(第1のセンサセンブリの場合には)リードスクリュー及び(第2のセンサセンブリの場合には)フラットシャフトに取り付けられるエンコーダディスクを備えている。センサセンブリは、また、エンコーダディスクの回転量を計測できる光学センサを備え、これによりリードスクリュー又はフラットシャフトの回転量を測定することができる。
【0014】
好適な実施形態においては、本発明は、過剰な又は不要な試料が分配され得る廃液容器を更に備えている。
【0015】
別の実施形態においては、本発明の分配器は、試料を供給すると同様に、抽出するために取り付けられ、これにより、試料は本装置によって1つの容器から他の容器に転送されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の教示に従って構成されたフラクションコレクタアッセンブリの斜め前方から見て示した斜視図である。
【図2】本発明の教示に従って構成されたフラクションコレクタの左斜め上方から見て示した斜視図である。
【図3】本発明の教示に従って構成されたフラクションコレクタの左側面図である。
【図4】本発明の教示に従って構成されたフラクションコレクタの右側面図である。
【図5】本発明の教示に従って構成されたフラクションコレクタの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
各図面を参照すれば、同様の数字符号は同様の部品を表しており、図1は、本発明の教示に従って構成されたフラクションコレクタ10の前方からの斜視図である。フラクションコレクタ10は、支持シャフト14が固定して取り付けられた背面支持部12を備えている。前記支持シャフト14は、背面支持部12から第1前方支持部28まで延び、この第1前方支持部に対して支持シャフト14が同様に固定して取り付けられる。基部26は、装置に対して追加的な支持をもたらしている。図1に示すように、背面支持部12は、液滴等によるダメージから光センサ(後述する)等の装置10の一部を遮蔽する板を備えている。これらの板は、装置の他の特徴を隠してしまうので、図2〜5においては示されていない。本発明の装置において、これらの板を包含するか否かは随意である。
【0018】
背面支持部12には、リードスクリュー16が回転可能に取り付けられている。リードスクリュー16は、第1のモータ40(図2に図示)等の駆動手段に結合されている。モータ40は、リードスクリュー16を回転させる動力を付与し、これにより、キャリッジ20をY軸に沿って移動させる。キャリッジ20は、リードスクリュー16が通る旋溝付き貫通穴(図示せず)を備えており、リードスクリュー16の回転が、時計回り方向か反時計回り方向かによって、キャリッジ20をY軸に沿って前進又は後退せしめる。リードスクリュー16のねじピッチは、キャリッジ20がリードスクリュー16に沿って移動できる感度を決定付ける。リードスクリュー16のねじピッチは広い範囲にわたって変化してもよく、所与の目的に適するものであれば如何なるピッチを用いてもよい。一例としては、ねじピッチは約0.8mmから約30mmの間で変化してもよい。本発明の一実施態様においては、フラクションコレクタ10は384ウェルプレート(well plate)を接続して使用され、約3mmのピッチが好適である。384ウェルプレートに換えて96ウェルプレートを用いるならば、リードスクリュー16のピッチは好適には約9mmまで大きくなる。或いは、例えば1536ウェルプレートなど、マイクロタイタープレート(microtitre plate)等の容器が、例えば1536ウェルプレートなどのように、より多くの窪み(ウェル:well)を備えている場合において、微調整の度合いを高めるためには、リードスクリュー16のピッチは、好ましくは約1mm又は更に約0.8mmにまで減少せしめられる。上述のピッチの値が所与の例において好適であっても、上述の容器によっては他のピッチ値が適切であるかも知れない。本発明は、本願明細書において具体的に数値が設定されることには拘わらず、任意の好適なピッチ値が使用されることを企図している。
【0019】
フラットシャフト18は、背面支持部12に回転可能に取り付けられ、キャリッジ20の第2の貫通穴36を通って伸長している。フラットシャフト18は、第2前方支持部30まで前方に向かって伸び、この第2前方支持部に対しても回転可能に取り付けられている。フラットシャフト18は、第2モータ42等の駆動手段に結合されており、この第2モータは、フラットシャフト18を回転させる動力を付与し、これにより、分配器24をX軸に沿って移動させる。キャリッジ20は、支持シャフト14を備え、これに対し固定して取り付けられている。支持シャフト22は、支持シャフト14及びフラットシャフト18に対して垂直となるように方向付けられており、支持シャフト14及びフラットシャフト18が装置10のY軸を定義付けると言えるならば、支持シャフト22は装置10のX軸を定義付けることになる。分配器24は、キャリア38に移動可能に取り付けられ、更に、キャリアは、支持シャフト22に摺動可能に取り付けられている。フラットシャフト18が時計回り方向又は反時計回り方向に回転すると、キャリア38は、後述するように、X軸に沿って後退及び前進し、これにより、分配器24をこの軸に沿って位置決めする。
【0020】
フラクションコレクタ10のキャリッジ20は、リードスクリュー16の長さ方向に沿って移動することにより、装置10のY軸に沿って移動するのに適応している。リードスクリュー16はキャリッジ20の旋溝穴(図示せず)を通り、リードスクリュー16が時計回り方向又は反時計回り方向に回転すると、キャリッジ20の旋溝穴32に対するリードスクリュー16の動作によって、キャリッジ2は、リードスクリュー16の長さ方向に沿って対応する後退又は前進の移動を行う。キャリッジ20は分配器24を担持しているので、キャリッジ20が装置10のY軸方向に動くことは、分配器24が装置10のY軸方向に動くことと等価である。分配器24はキャリア38に取り付けられており、このキャリアは、装置10のX軸に沿った支持シャフト22の長さ方向に沿って移動することができる。キャリア38の移動、従って分配器24の支持シャフト22に沿った移動は、フラットシャフト18の回転によって制御される。
【0021】
図3に明示のように、フラットシャフト18は、キー溝方式で、すなわち、フラットシャフト18の平坦な構造が第1プーリ46の対応する構成と噛み合うように、第1のプーリ46を通って伸長する。フラットシャフト18が時計回り方向に回転すると、その回転により、第1のプーリ46に同じ方向への対応する回転が生じる。同様に、フラットシャフト18が反時計回り方向に回転すると、第1のプーリ46の回転はフラットシャフト18の回転方向と一致する。図示された装置10の実施形態においては、D字型のフラットシャフト18が用いられるが、任意の適切なキー溝付きシャフトを用い得ることが企図されている。
【0022】
図3に明示のように、第1のプーリ46は、ベルト44により、第2のプーリ48と動作が連動する。従って、第1のプーリ46がフラットシャフト18の回転動作により時計回り方向又は反時計回り方向に回転すると、ベルト44はその動きを第2のプーリ48に伝え、その結果、第2のプーリ48は対応する回転を行う。ベルト44は、好適には、第1及び第2のプーリ46,48の回転により正確に制御されるよう、頑丈でトレッド付きの構造である。第1及び第2のプーリ46,48には、ベルト44のトレッドを受け合うのに適応した溝が付けられていることが好ましい。ベルト44は、好適には高級ゴム又は合成ポリマーから構成されるが、任意の材料を当該構成に用い得ることが企図されている。
【0023】
フラットシャフト18は、好適には、これと結合する第2のモータ42により駆動される。第2のモータ42は、好適にはステッピングモータであるが、任意のモータが用いられてもよい。
【0024】
分配器24は、その上端で配管(図示せず)を受け合うように取り付けられている。配管は、マイクロタイタープレート58等の容器に分配される試料流体を、分配器24に供給する。流体試料は、遠心分離器,クロマトグラフィーカラム、又は他の供給源からもたらされ得る。好適な実施形態においては、試料は、キャリッジ20が装置10のX軸方向及びY軸方向に移動できるフレキシブル配管を用いて分配器24に供給されるが、金属配管の使用を含めて、任意の試料送達方法を利用することができる。分配器24に試料を供給する構造は、装置10のX軸方向及びY軸方向への分配器24の動作と共に移動可能であればよく、任意の所与のアプリケーションにおいて装置10に適用しうる。
【0025】
マイクロタイタープレート58等の容器に分配器24から液体フラクションを正確に分注するためには、装置10が、分配器24をそのX軸方向及びY軸方向に位置決めする方法を備えることが必要である。装置10の好適な実施形態においては、図2,図4及び図5に明示するように、リードスクリュー16及びフラットシャフト18はエンコーダディスク50及び52に結合しており、これらエンコーダディスクは、リードスクリュー16及びフラットシャフト18それぞれの動作に伴って回転する。エンコーダディスク50及び52はその辺縁に沿って切り欠き部を備えている。第1のエンコーダディスク50の隣には、第1の光学センサ54が備えられている。第1の光学センサ54は、エンコーダディスク50の切り欠き部がその視野内に回転して来たかどうかを検出するのに適応している。この情報を用いて、エンコーダディスク50の円周及びディスク辺縁の切り欠き部の配置から、装置10はリードスクリュー16の回転量を測定することができ、それにより、装置10のY軸方向に沿った前進又は後退の何れかのキャリッジ20の移動量を測定することができる。光学センサとエンコーダディスクとの組み合わせを、ここでは、センサアッセンブリと称するものとする。
【0026】
図1は、支持構造62及び64、並びに廃液トレー66を示している。本発明のこれらの態様は、装置が単体装置として用いられる場合等に、本発明の実施形態として装置10に含まれてもよい。図2〜5は本発明のこれらの特徴は示しておらず、多くのアプリケーションにおいて、これらの構造物は用いられないであろう。本装置が好適である如何なるアプリケーションにおいても、これらの構造物の使用は随意である。
【0027】
これまで、装置10の一実施形態である一般的な構造を記載してきた。ここで、装置10の操作の詳細を示す。特に、図示された装置10の一実施形態としての操作の詳細を示す。しかし、本発明に内在する発明としての概念は種々の実施形態に適用し得るものであり、図示する装置10の一実施形態としての操作に係る一般的な記載は、本願明細書に記載のものであるか本開示を読むことによって当業者に直ちに明らかになるものであるかは問わず、装置10の他の実施形態にも適用しうるものであり、
【0028】
図中の装置10の実施形態は、図1に示されるように、96ウェルのマイクロタイタープレートとの使用に適応したものである。例えば、遠心分離器又はクロマトグラフィーカラム等の試料源からの液体試料は、分配器24の上端に指向させられる。液体試料は、分配器24を通過し、その下端から出てマイクロタイタープレート58内のウェル内に入る。装置10は、好適にはコンピュータ(図示せず)との電子的通信状態にあり、マイクロタイタープレート58のウェルへ分配される試料の種々のフラクションに対し、ユーザは保持時間を予め入力しておく。また、ユーザは、試料フラクションが分配されるウェルの順番も、コンピュータに入力しておいてもよい。次いで、分配器24は、正しい試料フラクションが正しいウェル内に分配されるように、適切な時間に、96ウェルのうちの正しいウェルの上方に位置決めされる。更に、分配器24が所与のウェルの上方に位置決めされている時間は、フラクション全体又はその一部が特定のウェルに供給されるように割り当てられる。装置10は、各試料フラクションが正しいウェルに供給されることを確かなものとするために、上述のように、光センサ54及び56並びにエンコーダディスク50及び52を用いることにより、マイクロタイタープレート58に対する分配器24の正確な位置を定めることができる。また更に、エンコーダディスク50及び52と組み合わせて光センサ54,56を用いることは、分配器24が実際に移動したか否かを、装置10が確認することができることを保証し、例えば、リードスクリュー16又はフラットシャフト18を回転させるために第1及び第2のモータ40及び42の一方に信号が送られても、システムの故障により、キャリッジ20が、従って分配器24が、実際には移動しない等の状況によるエラーを低減する。装置10は任意の所与の時刻において分配器24の位置を知っているので、装置10は、どのウェルが誤って分配された試料を容れているかに関する情報を、ユーザに提供することもできる。
【0029】
ユーザの保持時間入力に頼ることに加えて、装置10は、手動操作,体積を計測するセンサ若しくは前記試料から読み取られる吸光度、を含む他の適切な方法により測定される時間(及び分配された体積)に従って、分配してもよい。当該技術分野において公知の他の数多くの任意の方法が用いられてもよい。
【0030】
試料取り込み期間中の種々の時刻において、分配器24に供給される液体試料の或る量を処分することが要望されるかも知れない。そのような場合には、装置10は、上述のように分配器24を移動させてその位置を計測する同様の方法を用いて、廃棄容器60内に当該試料を分配することができる。このようにして、廃棄されることが望まれる一部の試料に、数が限られたマイクロタイタープレート58の如何なるウェルをも占有させる必要はなくなる。
【0031】
本発明の装置は、試料が分配される容器の種類や数量,試料を分配する順序等の、ある種の情報をユーザが入力可能なコンピュータと共に操作できるようにしてもよい。例えば、ユーザは、容器又は一群の容器のX軸方向に続けて試料を分配するように装置をプログラムしてもよく、容器又は一群の容器のY軸方向に続けて試料を分配するように装置をプログラムしてもよい。ユーザは、試料が所与の軸方向を移動する際に、全ての容器(又はマイクロタイタープレートの全てのウェル)に分配するように装置をプログラムしてもよく、一つ若しくはそれ以上の容器またはウェルを飛び越して通過させるように装置をプログラムしてもよい。さらに、ユーザは、1つの容器への試料分配の時間を次の容器よりも長い期間とするように装置をプログラムできる。分配される試料の順序や構成、若しくは所与の容器に分配される保持時間に関して、ユーザが所望し得る如何なる程度のカスタマイゼーションも、ユーザによってプログラムされてもよい。
【0032】
本発明は、その構成に用いる材料に関しては何らの制約もないことを意図している。例えば、種々のシャフトは、ステンレス鋼やアルミニウム若しくは任意の他の適切な材料で構成されることができる。同様に、基部,背面部および前方支持部は、金属、若しくはカーボンファイバ等の他の適切な材料、から構成することができる。本発明の装置をある種の化学物質のアプリケーションへ利用することを企図する場合には、使用される化学物質の性質から、本発明の或る構成部品に用いられる材料が指定されてもよい。所与のアプリケーションにおいて使用されてよい材料は、当業者にとっては明白であろう。本発明のいかなる種々の部分の構成においても、適切な任意の材料を用いてもよいことを、本願明細書は意図している。
【0033】
部品のマウント法,ボールベアリングの使用など、フラクションコレクタの種々の構成部品に係る詳細は、本願明細書に記載していない。本発明のフラクションコレクタにおいて個々の部品を多様に設計し得ることは、本開示を読むことで、当業者には明らかであろう。さらに、ステッピングモータ等の制御方法は周知であるので、電気的または電子的駆動回路の詳細は本願明細書に記載しない。本発明の種々の態様に用い得る任意のソフトウェア・コンポーネントについても、同様である。本発明がいったん理解されれば、当該装置の操作を制御するために、種々の形式においてソフトウェアを供給することは、当業者であれば直ちに達成し得ることである。
【0034】
本願明細書に記載の本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の種々の変形が可能であることは、本開示を読むことにより、当業者にとっては明かであろう。そのような変形には、これらに限定される訳ではないが、種々の移動シャフトのための駆動手段の形式、種々のモータ及びシャフトの配置及び位置などが含まれる。例として、これに限定する訳ではないが、本発明の装置のフラットシャフトと支持シャフトとは、相対的な位置に関して交換されてもよい。更に、リードスクリューと支持シャフトとは、本発明の範囲を逸脱することなく入れ替えられてもよい。装置のY軸方向の分解能を高めるために、ネジ溝付き延長ナット32を、リードスクリュー16の通路としてキャリッジ20に付け加えてもよい。また更に、一つがリードスクリュー及び支持シャフトから何れかの方向に伸長する、双対のキャリッジを制御するために、単一のリードスクリュー及び支持シャフトが装置の中央部に設置されてもよく、その結果、本発明の装置の動作が相前後して実行される。本願明細書に記載の装置は、一台を他方の前に置き、伸長する同一のリードスクリュー及びフラットシャフトにより制御される縦列の設置であってもよい。本発明の装置に対する変更の数及び種類は多様かつ広範であり、そうした変更もまた本発明の範囲にあることが意図されている。本願明細書に記載の特定の実施形態は、例示のみのためのものであり、本発明は、添付の請求範囲のみによって制限されるものである。
本発明の好ましい態様を、以下に述べる。
【0035】
[1]
X軸方向及びY軸方向に部品を位置決めするための装置であって、
第1のモータと、
前記第1のモータと結合し前記装置の第1の軸方向に伸長するリードスクリューと、
第2のモータと、
前記第2のモータと結合し前記装置の第1の軸方向に伸長するキー溝付きシャフトと、
前記リードスクリューの長さ方向に移動するためにねじ係合するキャリッジ部分であって、さらに前記キー溝付きシャフトの長さ方向に移動するために摺動係合されるキャリッジ部分と、
前記キャリッジに固定して取り付けられ、前記第1の軸に対して垂直である前記装置の第2の軸を定義するシャフト部分と、
前記装置の前記第1及び第2の軸方向に位置決めされる位置決め可能部分であって、前記シャフト部に摺動付設される位置決め可能部分と、を含んでなり、
前記位置決め可能部分は、前記キー溝付きシャフトの回転が前記シャフト部の長さ方向に前記位置決め可能部分を移動せしめるように、前記キー溝付きシャフトに対して操作可能に結合される、
ことを特徴とする装置。
[2] 前記位置決め可能部分は液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、クレーム1に記載の装置。
[3] 前記リードスクリューに平行な支持シャフトを更に含んでなり、ここに前記キャリッジ部は、前記支持シャフトの長さ方向の移動のために、支持シャフトに対し摺動可能に係合する、クレーム1に記載の装置。
[4] 前記位置決め可能部分は液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、クレーム3に記載の装置。
[5] 前記リードスクリューと結合してその回転量を計測するための第1のセンサアッセンブリと、前記キー溝付きシャフトと結合してその回転量を計測するための第2のセンサアッセンブリとを更に含んでなる、クレーム1に記載の装置。
[6] 前記位置決め可能部分は液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、クレーム5に記載の装置。
[7] 前記第1のセンサアッセンブリは、前記リードスクリューに固定して取り付けられる第1のエンコーダディスクと、前記第1のエンコーダディスクの回転量を計測するための第1の光センサと、を含んでなり、
前記第2のセンサアッセンブリは、前記キー溝付きシャフトに固定して取り付けられる第2のエンコーダディスクと、前記第2のエンコーダディスクの回転量を計測するための第2の光センサと、を含んでなり、
前記装置は、前記第1及び第2のエンコーダディスクの回転量に基づいて前記第1の軸方向及び第2の軸方向の前記位置決め可能部分の位置を計測し得る、クレーム5に記載の装置。
[8] 前記位置決め可能部分は液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、クレーム7に記載の装置。
[9] 前記第1及び第2のモータが固定して取り付けられる背面部を更に含んでなり、前記背面部は、少なくともその一部分を通って前記リードスクリューが伸長する第1の貫通穴を有し、前記背面部は、少なくともその一部分を通って前記キー溝付きシャフトが伸長する第2の貫通穴を更に有する、クレーム1に記載の装置。
[10] 前記リードスクリューに平行な支持シャフトを更に含んでなり、前記キャリッジ部は前記支持シャフトの長さ方向の移動のために、当該支持シャフトに対して摺動可能に係合し、前記背面部は、少なくともその一部分を通って前記シャフトが伸長する第3の貫通穴を有する、クレーム9に記載の装置。
[11] 少なくともその一部分を通って前記リードスクリューが伸長する第1の貫通穴を有する第1の前方支持部をさらに含んでなり、前記第1の前方支持部は、少なくともその一部分を通って前記支持シャフトが伸長する第2の貫通穴を更に有し、前記第1の前方支持部は、前記背面部に対して、前記リードスクリューの遠位端及び前記支持シャフトの遠位端に位置決めされる、クレーム10に記載の装置。
[12]
少なくともその一部分を通って前記キー溝付きシャフトが伸長する貫通穴を有する第2の前方支持部をさらに含んでなり、前記第2の前方支持部は、前記背面部に対して前記キー溝付きシャフトの遠位端に位置決めされる、クレーム11に記載の装置。
[13] 前記背面部に固定して取り付けられ、ここから伸長する基部をさらに含んでなり、前記基部は前記第1及び第2の前方支持部にも固定して取り付けられる、クレーム12に記載の装置。
[14] 前記リードスクリューと結合してその回転量を計測するための第1のセンサアッセンブリと、前記キー溝付きシャフトと結合してその回転量を計測するための第2のセンサアッセンブリと、を更に含んでなる、クレーム13に記載の装置。
[15] 前記第1のセンサアッセンブリは、前記リードスクリューに固定して取り付けられる第1のエンコーダディスクと、該第1のエンコーダディスクの回転量を計測するための第1の光センサと、を含んでなり、
前記第2のセンサアッセンブリは、前記キー溝付きシャフトに固定して取り付けられる第2のエンコーダディスクと、該第2のエンコーダディスクの回転量を計測するための第2の光センサと、を含んでなり、
前記装置は、前記第1及び第2のエンコーダディスクの回転量に基づいて、前記第1の軸方向及び第2の軸方向の前記位置決め可能部分の位置を計測し得る、
クレーム14に記載の装置。
[16] 前記分配器は、容器への液体試料の供給に加えて、容器から液体試料を抽出するために取り付けられる、クレーム15に記載の装置。
[17] クレーム16に記載の装置であって、
第1のプーリであって、前記キー溝付きシャフトの回転が前記第1のプーリの対応する回転を生じせしめるように、前記キー溝付きシャフトと動作が連動する第1のプーリと、
ベルト部であって、前記第1のプーリの回転が前記ベルト部の対応する運動を生じせしめるように、前記第1のプーリと動作が連動するベルト部と、
第2のプーリであって、前記ベルトの運動が前記第2のプーリの対応する回転を生じせしめるように、前記ベルトと動作が連動する第2のプーリと、を含んでなり、
前記位置決め可能部分は、前記ベルト部の運動が前記位置決め可能部分の運動を生じせしめるように、前記ベルト部に固定して取り付けられる、装置。
[18]
フラクションコレクタであって、
第1の貫通穴及び第2の貫通穴を有する背面部と、
前記背面部に固定して取り付けられる第1のモータと、
リードスクリューであって、前記背面部の前記第1の貫通穴の少なくとも一部分を通過して伸長して前記背面部に回転可能に取り付けられ、前記フラクションコレクタの第1の軸方向に伸長し、更に前記リードスクリューは前記第1のモータに結合する、リードスクリューと、
前記背面部に固定して取り付けられる第2のモータと、
キー溝付きシャフトであって、前記背面部の第2の貫通穴の少なくとも一部分を通過して伸長して前記背面部に回転可能に取り付けられ、前記フラクションコレクタの第1の軸方向に延長し、さらに前記キー溝付きシャフトは前記第2のモータに結合する、キー溝付きシャフトと、
前記リードスクリューの長さ方向に移動するためにこれとねじ係合するねじ溝付きボアを有するキャリッジ部であって、前記キー溝付きシャフトの長さ方向に移動するためにこれと摺動係合する貫通穴を更に有するキャリッジ部と、
前記キャリッジ部に固定して取り付けられ前記フラクションコレクタの第2の軸を定義するシャフト部であって、前記第2の軸は前記第1の軸と垂直であるシャフト部と、
前記フラクションコレクタの第1及び第2の軸方向に位置決めされる位置決め部であって、前記位置決め部は前記シャフト部に対し摺動可能に取り付けられ、かつ前記キー溝付きシャフトの回転が前記位置決め部を前記シャフト部に沿う動きを生じせしめるように前記キー溝付きシャフトに操作可能に結合されており、前記位置決め部は液体試料のフラクションを容器内に分配するための分配器を含んでなる位置決め部と、
前記リードスクリューに固定して取り付けられる第1のエンコーダディスクと、前記リードスクリューの回転量を計測するための第1の光センサと、を含んでなる第1のセンサアッセンブリと、
前記キー溝付きシャフトに固定して取り付けられる第2のエンコーダディスクと、前記キー溝付きシャフトの回転量を計測するための第2の光センサと、を含んでなる第2のセンサアッセンブリと、
前記背面部に固定して取り付けられここから伸長する基部であって、前記基部は前記第1及び第2の前方支持部にも固定して取り付けられる基部と、
を含んでなる、フラクションコレクタ。
[19] クレーム18に記載のフラクションコレクタであって、
第1のプーリであって、前記キー溝付きシャフトの回転が前記第1のプーリの対応する回転を生じせしめるように、前記キー溝付きシャフトと動作が連動する第1のプーリと、
ベルト部であって、前記第1のプーリの回転が前記ベルトの対応する運動を生じせしめるように、前記第1のプーリと動作が連動するベルト部と、
第2のプーリであって、前記ベルトの運動が前記第2のプーリの対応する回転を生じせしめるように、前記ベルトと動作が連動する第2のプーリと、を含んでなり、
前記位置決め可能部分は、前記ベルト部の運動が前記位置決め可能部分の運動を生じせしめるように、前記ベルト部に固定して取り付けられる、フラクションコレクタ。
[20] 前記リードスクリューに平行な支持シャフトをさらに含んでなり、ここに前記キャリッジ部は、前記支持シャフトの長さ方向の移動のために、当該支持シャフトに対し摺動可能に係合し、前記背面部は、少なくともその一部分を通って前記シャフトが伸長する第3の貫通穴を有する、クレーム19に記載のフラクションコレクタ。
[21] 前記分配器は、容器への液体試料の供給に加えて、容器から液体試料を抽出するために取り付けられる、クレーム20に記載のフラクションコレクタ。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、X軸およびY軸に沿ってコンポーネントを位置決めするための装置、並びにフラクションコレクタの技術に係り、最小限の移動ワイヤ又はモータでもってエネルギー使用量を低減することができるX−Yフラクションコレクタとして、有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 フラクションコレクタ
12 背面支持部
14,22 支持シャフト
16 リードスクリュー
18 キー溝付きシャフト
20 キャリッジ
24 分配器
26 基部
28 第1前方支持部
30 第2前方支持部
36 第1貫通穴
38 キャリア
40 第1モータ
42 第2モータ
44 ベルト
46 第1プーリ
48 第2プーリ
50,52 エンコーダディスク
54,56 光センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X軸方向およびY軸方向に構成部品を位置決めするための装置であって、
前記装置に固定して取り付けられた第1のモータと、
前記第1のモータと結合し前記装置の第1の軸に沿って伸長するリードスクリューと、
前記リードスクリューとネジ係合するキャリッジ部であって、前記第1のモータによる前記リードスクリューの回転が当該キャリッジ部を前記第1の軸に沿って移動させる、キャリッジ部と、
前記キャリッジ部に固定して取り付けられ、前記第1の軸に対して垂直である前記装置の第2の軸を形成するシャフト部と、
前記装置に固定して取り付けられた第2のモータと、
前記第2のモータと結合し前記第1の軸に沿って伸長するキー溝付きシャフトと、
前記キー溝付きシャフトがキー溝方式で挿通する第1のプーリであって、前記第1のモータによる前記リードスクリューの回転による前記第1の軸に沿った移動のために、前記キャリッジ部および前記第1のプーリが前記キー溝付きシャフトに摺動可能に係合する、第1のプーリと、
前記キャリッジ部によって担持される第2のプーリであって、前記第2の軸に沿ったベルトによって前記第1のプーリと動作が連動して、前記第2のモータによる前記キー溝付きシャフトの回転が前記ベルトの運動に変換される、第2のプーリと、
前記キー溝付きシャフト部分に対して摺動可能に取り付けられると共に、前記ベルトに対して固定して取り付けられる位置決め可能部分であって、前記ベルトの運動が前記位置決め可能部分の前記第2の軸に沿った対応する運動を生じせしめる、位置決め可能部分と、を備える、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記位置決め可能部分は、液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記リードスクリューに平行な支持シャフトを更に含んでなり、前記キャリッジ部分は、前記第1の軸に沿った移動のために前記支持シャフトに摺動可能に係合する、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記位置決め可能部分は、液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記リードスクリューと結合してその回転量を計測するための第1のセンサアッセンブリと、前記キー溝付きシャフトと結合してその回転量を計測するための第2のセンサアッセンブリとを更に含んでなる、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記位置決め可能部分は、液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のセンサアッセンブリは、前記リードスクリューに固定して取り付けられる第1のエンコーダディスクと、該第1のエンコーダディスクの回転量を計測するための第1の光センサとを含んでなり、
前記第2のセンサアッセンブリは、前記キー溝付きシャフトに固定して取り付けられる第2のエンコーダディスクと、該第2のエンコーダディスクの回転量を計測するための第2の光センサとを含んでなり、
前記装置は、前記第1及び第2のエンコーダディスクの回転量に基づいて、前記第1の軸および第2の軸に沿った前記位置決め可能部分の位置を計測し得る、
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記位置決め可能部分は、液体試料のフラクションを容器に分配する分配器を含んでなる、ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1及び第2のモータが固定して取り付けられる背面部を更に含んでなり、該背面部は、少なくともその一部分を通って前記リードスクリューが伸長する第1の貫通穴を有し、前記背面部は、少なくともその一部分を通って前記キー溝付きシャフトが伸長する第2の貫通穴を更に有する、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記リードスクリューに平行な支持シャフトを更に含んでなり、前記キャリッジ部分は、前記第1の軸に沿った移動のために前記支持シャフトに摺動可能に係合し、前記背面部は、少なくともその一部分を通って前記支持シャフトが伸長する第3の貫通穴を有する、ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
少なくともその一部分を通って前記リードスクリューが伸長する第1の貫通穴を有する第1の前方支持部を更に含んでなり、該第1の前方支持部は、少なくともその一部分を通って前記支持シャフトが伸長する第2の貫通穴を更に有し、前記第1の前方支持部は、前記背面部に対して、前記リードスクリューの遠位端と前記支持シャフトの遠位端とに位置決めされている、ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
少なくともその一部分を通って前記キー溝付きシャフトが伸長する貫通穴を有する第2の前方支持部を更に含んでなり、該第2の前方支持部は、前記背面部に対して、前記キー溝付きシャフトの遠位端に位置決めされている、ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記背面部に固定して取り付けられここから伸長する基部を更に含んでなり、該基部は前記第1及び第2の前方支持部にも固定して取り付けられる、ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リードスクリューと結合してその回転量を計測するための第1のセンサアッセンブリと、前記キー溝付きシャフトと結合してその回転量を計測するための第2のセンサアッセンブリとを更に含んでなる、ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のセンサアッセンブリは、前記リードスクリューに固定して取り付けられる第1のエンコーダディスクと、該第1のエンコーダディスクの回転量を計測するための第1の光センサとを含んでなり、
前記第2のセンサアッセンブリは、前記キー溝付きシャフトに固定して取り付けられる第2のエンコーダディスクと、該第2のエンコーダディスクの回転量を計測するための第2の光センサとを含んでなり、
前記装置は、前記第1及び第2のエンコーダディスクの回転量に基づいて、前記第1及び第2の軸に沿った前記位置決め可能部分の位置を計測し得る、
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記分配器は、容器への液体試料の供給に加えて、容器から液体試料を抽出するために取り付けられる、ことを特徴とする請求項15に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−123015(P2012−123015A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−38351(P2012−38351)
【出願日】平成24年2月24日(2012.2.24)
【分割の表示】特願2008−514611(P2008−514611)の分割
【原出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(503310350)アルファ ワッサーマン インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】ALFA WASSERMANN,INC.