説明

フラッシュメモリCPU型制御装置ならびにその利用装置

【課題】 フラッシュメモリの書換事故を防止し得るCPU型制御装置ならびにその利用装置を提供する。
【解決手段】 分散配置型空調装置100の熱源機10・室内機20・操作器30はそれぞれ処理/データ用フラッシュメモリ72A・CPU70によって制御を行うフラッシュメモリCPU型制御装置を構成している。熱源機10・室内機20・操作器30のうちの所要のものに、外部書換器200から通信信号と消去/書換電圧Vp2とを与え、電圧切換器85を動作させて、処理/データフラッシュメモリ72Aの動作電圧を消去/書換電圧Vp2切り換えた後に、書換データを送信して書換操作する。消去/書換電圧Vp2を書換操作時にのみ外部書換器200から与えるので、誤通信などの通信異常による誤書換を防止し得る。記憶内容の版No.を確認して書換の要否を確認し、書換後には、フラッシュメモリ72Aの記憶アドレス合計値により書換の正常/異常を判別する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、制御処理用プログラムなどをフラッシュメモリに記憶した制御部を有する制御装置ならびにその利用装置、例えば、分散配置型空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各機器を分散敵に配置した空気調和装置、つまり、分散配置型空調装置100の基本的な構成部分を要約して示すと、図14のように、管路83により冷房または暖房を行うための熱源を熱源機10から室内機20に与えて空調対象室84の室内の空気を冷却または加温する熱源給配系と、空調対象室84に配置した操作器30から冷房または暖房の動作条件を室内機20に設定して空調動作を制御する空調制御系を主体にして構成してあり、必要に応じて、中央監視制御盤50により、空調動作のうちの所要のもののみを監視制御する監視制御系を追加した構成になっている。
【0003】そして、小規模のものでは、1基の熱源機10に対して1基または複数基の室内機20を組み合わせたものを1組とした組構成を基本構成としており、大規模のものでは、上記の基本構成のものを、図16にように、複数組を配置して構成する。なお、この発明において「冷暖房」とは、冷房のみを行う構成の場合と、暖房のみを行う構成の場合と、冷房と暖房とを選択的に行う場合との3つ場合を含むものである。
【0004】冷暖房用熱源、つまり、空調用熱源としては、圧縮冷凍サイクルによるものと、吸収冷凍サイクルによるものなどを用いており、例えば、圧縮冷凍サイクルを用いるものでは、図14のように、熱源機10で圧縮した熱操作流体によって熱源を得るようにした構成が、例えば、特開平6−146987号公報などにより開示されている。
【0005】図14において、二重線で示した管路83による回路部分は、熱源を得るための熱操作流体、例えば、冷媒流体を給配するための管路であり、細線で示す回路部分は、電気的な検出信号・制御信号などを送受するための電路であって、熱源機10は、一般に、室外に配置するため、室外機とも言っているが、室内に配置する場合もある。
【0006】そして、熱源機10の圧縮部11は、例えば、ロータリー型コンプレッサをガスエンジンや電動機などの駆動源で駆動して、熱源を得るための熱操作流体、例えば、フロンR22、フロンR137などの冷媒を加圧する部分であり、加圧した熱操作流体を熱源機10の熱交換器12と室内機20の熱交換器21とを通る管路に与えることにより所要の熱操作を終えて低圧化した熱操作流体を再び圧縮部11に戻して加圧するように循環しているものである。
【0007】熱源機10の流路切換部13は、室内機20に冷房動作を行わせる場合には、室内機20側の熱交換器21を吸熱用熱交換器として動作するように接続するとともに、熱源機10側の熱交換器12を放熱用熱交換器として動作するように各管路を接続し、また、室内機20に暖房動作を行わせる場合には、熱源機10側の熱交換器12を吸熱用熱交換器として動作するように接続するとともに、室内機20側の熱交換器21を放熱用熱交換器として動作するように各管路を接続する部分であり、例えば、四方弁などの切換弁を電動動作する流路切換機構である。
【0008】また、熱源を吸収冷凍サイクルによって構成する場合には、例えば、圧縮部11・熱交換器12・流路切換部13の部分を、第1の熱操作流体、例えば、アンモニアと水の混合液などによる吸収液を循環して熱操作するための吸収器・再生器・凝縮器・蒸発器などに変更して構成し、蒸発器の内部を通る管路に第2の熱操作流体、例えば、水を循環させて冷水または温水を得るとともに、この第2の熱操作流体を室内機20の熱交換器21に与えるように構成することになるものである。
【0009】そして、操作器30の制御部703は、温度検出器D1で検出した室内温度値D1Aのデータ信号、設定操作部75により設定入力した冷房または暖房の目標温度値TAなどの動作条件に関するデータ信号、運転開始/停止などの指令信号、つまり、コマンド信号を記憶するとともに、これらのデータまたはコマンドのうちの所要のものを、通信路82を経て、室内機20の制御部702に与える。なお、操作器30は、室内機20を遠隔制御する役割をしていねため、一般に、リモートコントローラ、略して、リモコンとも呼ばれている。
【0010】室内機20の制御部702は、温度検出器D2で検出した熱交換器温度値D2A、その他の検出データ信号、操作器30から与えられたデータ信号などを記憶するとともに、熱交換器温度値D2Aを操作器30の制御部703から与えられた目標温度値TAに到達するように、熱交換器21に熱操作流体を流通する流量を調整する流量調整弁V2の駆動部分V2Aと熱交換器21に室内空気を通風する送風機21Aの風量などを制御するものであり、運転開始/停止・動作状態などに関する所要のデータ信号を通信路81を経て熱源機10の制御部701に与えるようにしており、さらに、中央監視制御盤50を設けた場合には、中央監視制御盤50の制御部700にも与える。
【0011】熱源機10の制御部701は、室内機10から与えられたデータ信号とコマンド信号などを記憶するとともに、これらのデータにもとづいて、流路切換部13の流路方向の切換と、熱交換器12に熱操作流体を流通する流量調整弁V1と熱交換器12に室外空気を通風する送風機12Aの風量などを制御するものであり、中央監視制御盤50を設けた場合には、運転開始/停止・動作状態などに関する所要のデータ信号を通信路81を経て中央監視制御盤50の制御部700にも与える。
【0012】中央監視制御盤50の制御部700は、設定操作部76から設定入力した運転開始/停止・動作条件などに関するデータ信号、室内機10の制御部702と熱源機20の制御部701とから与えられたデータ信号などのデータ信号を記憶し、これらのデータ信号のうちの所要のものを表示部77に表示するとともに、運転開始/停止・動作状態などに関する所要のデータ信号とコマンド信号とを通信路81を経て熱源機10・室内機20の各制御部701・702に与える。
【0013】熱源機10・室内機20・操作器30・中央監視制御盤50に設けた各制御部700・701・702・703は、マイクロコンピュータ型の制御処理機能(以下、CPUという)70を主体にして構成したものであって、図15のように、市販のCPUボード(CPU/B)などを用いて構成したものである。
【0014】図15において、各制御部700・701・702・703は、各部の状態を検出して得られる各検出信号と設定操作部76を操作して入力される各操作信号によるデータと、通信路81・82を介して、他の制御部から与えられるデータと制御指令信号とを、入力データとして、入出力ポート71から取り込んで作業メモリ73、例えば、RAMに記憶するとともに、これらデータと、処理メモリ72、例えば、ROMに予め記憶した処理フローのプログラムと、データ用メモリ74、例えば、電気的に書換可能なPROM、つまり、EEPROMに記憶した基準値などデータとにもとづいて所要の制御処理を行って得られた各部を制御するための各制御信号と他の制御部に与えるデータの信号とを入出力ポート71から出力するように構成してある。
【0015】また、必要に応じて、各部の動作状態・制御状態や各設定状態などのデータを表示部77に表示する。なお、図15の構成のうち、各検出信号・各制御信号・設定操作部76・表示部77の部分は、熱源機10・室内機20・操作器30・中央監視制御盤50の構成にしたがって、所要のものを選択して設けてある。
【0016】各制御部700・701・702・703間の通信路81・82は、例えば、通信用2芯同軸ケーブルや2芯捩線などで構成するとともに、各制御部70間におけるデータ信号やコマンド信号などを送受するための通信接続用インターフェイスとして通信I/F78を設けてあり、また、この通信I/F78を、例えば、RS232C規格またはRS485規格などの通信用ICを用いて構成してある。
【0017】こうした通信構成のものでは、各制御部700・701・702・703に通信用の識別符号、つまり、通信用アドレスを設定しておき、この通信用アドレスを「あて先」「送信元」のデータとして、例えば、図15の〔通信信号の構成様式〕のような通信信号による通信により所要の通信指令制御を行っている。
【0018】なお、操作器30の制御部703と室内機20の制御部702との間の通信路82は、赤外線などの光通信による無線伝送路で構成している場合もあり、この場合には、通信I/F78の部分に、そうした無線伝送路に対応する送受波機能を設けている。
【0019】また、各機器の配置構成は、図16のように、1つの建造物内に分散して配置する構成の場合と、複数の建造物に分散して配置する構成の場合とがあり、通信路81・82は、そうした配置と機器の基数によって適宜のものを選択している。なお、図16では、熱操作流体を流通する各管路83の往復部分を簡略して太い実線で画いてある。
【0020】そして、分散配置型空調装置100における各制御部700・701・702・703の処理メモリ72とデータ用メモリ74には、上記のような制御処理を行うために必要な制御処理フローのプログラムと制御の基準値などに用いるデータ値などが記憶してあるが、制御処理方法の進歩に従って、機能更新、つまり、バージョンアップするために、プログラムとデータ値などの記憶内容を最新版のものに更新させる必要がある。
【0021】こうした記憶内容の更新方法としては、一般的には、メモリ用ICをソケットに差し込んで装着しておくように構成しておき、必要時に、最新版の記憶内容にしたメモリICと差し替える方法が取られるが、空調装置に各制御部700・701・702・703は、間欠的な振動や急激な温度変化に耐える必要があり、こうしたソケット装着による方法では接触不良が生じ易いため、半田付けなどによって確実に接続する方法がとられている。
【0022】このため、旧式になったものでは、CPUボード(CPU/B)全体を交換しなければならないので、機能更新を安価に行えないほか、交換サービスに長時間の作業を要するという不都合があった。
【0023】一方、メモリICの技術進歩によって、フラッシュメモリが安価になったため、マイクロコンピュータにフラッシュメモリを内蔵させるとともに、ユニット状態、つまり、基板上で記憶内容の書換を可能にした装置の提供などが平成8年9月26日発行電波新聞「ハイテクノロジー」などにより周知である。
【0024】そして、このフラッシュメモリは、電気的に書換可能なPROM(Programmable Read−Only Memory)、つまり、EEPROM(Electrically Erasable PROM)と共通した機能をもっているが、次の点で異なっていることが、フラッシュメモリ製造各社のカタログなどにより周知である。
【0025】つまり、第1には、記憶内容の変更を行う場合に、EEPROMでは元の記憶内容の上に重ね書きを行うのに対して、フラッシュメモリでは元の記憶内容を消去した後に書き込みを行うようになっている点であり、第2には、書込速度が、EEPROMの約10msに対して、フラッシュメモリでは約10μs、つまり、EEPROMの1/1000の短時間に短縮できる点であり、第3には、1ビット当たりのコストが、EEPROMのコストを100とした場合に、フラッシュメモリのコストは現在におて約10以下で提供可能であり、さらに、低コスト化が可能とされている点であり、第4には、1個のフラッシュメモリ内を複数の領域に分けた各ブロックごとに、消去と書込(以下、消去/書込という)、つまり、書換が可能であり、また、所要のブロックに対してのみ消去/書込を禁止するプロテクトを行わせることができる点である。なお、一般に、読出電圧5Vを消去/書込電圧12Vに変更することで消去/書込、つまり、書換を行うことができる。
【0026】また、マイクロコンピュータ型の電子計算機、例えば、パーソナルコンピュータなどの小型電子計算機装置における相互間通信構成を、例えば、RS232C規格などの通信接続用インタフェースを用いて構成するものにおいて、CPUボード(CPU/B)上に配置したPROMの記憶内容の書換を、外部からの通信によって書き換える構成が「トランジスタ技術」誌1991年1月号などに開示されている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上記の各従来技術によれば、CPUの制御処理用プログラムとデータとをフラッシュメモリに記憶する構成をもつ制御部によって制御対象に対する所要の制御処理を行うようにした構成(この発明において、フラッシュメモリCPU型制御装置またはフラッシュメモリCPU型制御装部という)において、外部端末機からの通信によってフラッシュメモリの記憶内容の書換を行うようにした構成を用いることによって、上記の分散配置型空調装置における制御部の機能更新時の不都合を解消することが考えられる。
【0028】しかしながら、単に、外部からの通信によって書換を行えるように構成したのみでは、他の制御部との通信中に生ずる誤通信などによって、記憶内容が誤って消去/書換られてしまい、制御処理を暴走させて、危険性のある事故を招くことになる。
【0029】つまり、例えば、上記の分散配置型空調装置では、各制御部の制御処理フローのプログラムを誤って書き換えられた場合には、運転制御を暴走させて過熱により火災などの重大な事故を招き、また、クレーンなどのように、重量物または危険物の移動などを制御対象とするものでは、同様にして、建物・器物などの損壊や火災などの重大な事故を招くという不都合が生ずる。このため、こうした不都合のない記憶内容書換型小型電子計算機装置ならびにその利用装置の提供が望まれているという課題がある。
【0030】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記のようなフラッシュメモリの所要部分における記憶内容の書換を外部書換器からの通信にもとづいて行う機能を設けた制御部を有するフラッシュメモリCPU型制御装置において、上記の書換に用いる電圧を上記の外部書換器から、上記の通信のための接続部分を介して、上記のフラッシュメモリに与える書換電圧手段と、上記の電圧が上記のフラッシュメモリに与えられた旨の信号、つまり、電圧付与信号を、上記の接続部分を介して、上記の外部書換器に与える電圧付与信号手段と、上記の外部書換器が上記の電圧付与信号を受けた後に、上記の外部書換器から、上記の接続部分を介して、上記の書換のためのデータ信号を上記の制御部に与えるデータ信号手段とを設ける第1の構成と、
【0031】この第1の構成におけるフラッシュメモリCPU型制御装置と同様のフラッシュメモリCPU型制御装置において、上記の通信の通信速度を上記の外部書換器からの通信にもとづいて設定する通信速度設定手段と、上記の第1の構成における書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段とを設ける第2の構成と、
【0032】上記の第1の構成におけるフラッシュメモリCPU型制御装置と同様のフラッシュメモリCPU型制御装置において、上記の第1の構成における書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段と、上記のデータ信号によって上記の書換を行った箇所の記憶アドレスを合計した合計値が所定の値になっているか否かによって上記の書換が正常に行われたか否かを判別する判別手段とを設ける第3の構成と、
【0033】上記の第1の構成におけるフラッシュメモリCPU型制御装置と同様のフラッシュメモリCPU型制御装置において、上記の第2の構成における通信速度設定手段・書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段と、上記のデータ信号によって上記の書換を行った箇所の記憶アドレスを合計した合計値が所定値になっているか否かによって上記の書換が正常に行われたか否かを判別する判別手段とを設ける第4の構成と、
【0034】フラッシュメモリの所要部分における記憶内容の書換を外部書換器からの通信にもとづいて行う機能を設けた制御部を有するフラッシュメモリCPU型制御部を、少なくとも、空調用熱源を給配するための熱源機と室内機とに設けた分散配置型空調装置において、上記の第1の構成における書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段を設ける第5の構成と、上記の第5の構成における分散配置型空調装置と同様の分散配置型空調装置において、上記の第2の構成における通信速度設定手段・書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段を設ける第6の構成と、
【0035】上記の第5の構成における分散配置型空調装置と同様の分散配置型空調装置において、上記の第3の構成における書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段・判別手段を設ける第7の構成と、上記の第5の構成における分散配置型空調装置と同様の分散配置型空調装置において、上記の第2の構成における通信速度設定手段・書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段・判別手段を設ける第8の構成とによって上記の課題を解決したものである。
【0036】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態として、上記の図14〜図16により説明した分散配置型空調装置1000の構成に、この発明を適用した実施例を説明するる。
【0037】
【実施例】以下、図1〜図13により実施例を説明する。図1〜図13において、図14〜図16で説明した同一符号の部分と同一の機能をもつ部分である。また、図1〜図13において同一符号で示す部分は、図1〜図1313のいずれかにおいて説明した同一符号の部分と同一の機能をもつ部分である。
【0038】〔第1実施例〕以下、図1〜図4により第1実施例を説明する。図1において、分散配置型空調装置1000は、熱源機10・室内機20・操作器30の各1基を代表的に配置した基本構成部分のみを示してあるが、装置規模の大きさによって、所要基数を配置構成すること、また、必要に応じて中央監視制御盤50を配置構成することは、従来技術の説明において述べたとおりである。
【0039】そして、熱源機10・室内機20・操作器30の構成が、図14・図15の従来技術の構成と異なる箇所は、第1の変更箇所は、制御処理フローのプログラムを記憶する処理メモリ72と、制御処理に必要なデータを記憶するデータ用メモリ74とに代えて、これらの記憶内容を市販のフラッシュメモリに記憶した処理/データ用フラッシュメモリ72Aを設けた箇所であり、第2の変更箇所は、処理/データ用フラッシュメモリ72Aの読出と消去/書込に対する電圧について、読出のための読出電圧Vp1(一般に、Vppというが、ここではVpと略す)、例えば、5Vのみを内蔵の電源86に設けるが、消去/書込、つまり、書換のための消去/書込電圧Vp2、例えば、12Vについては、後記の外部書換器200から与えるように構成するとともに、処理/データ用フラッシュメモリ72Aに対して読出電圧Vp1または消去/書込電圧Vp2のうちのいずれか一方のみを与えるための電圧切換回路85を設けて構成した箇所である。
【0040】そして、第3の変更箇所は、通信路81・82と各通信I/F78とを接続する箇所の接続部分87A・87B・87D、つまり、接続端子またはコネクタの接続箇所に、外部書換器200から消去/書込電圧Vp2を与えるための接続箇所を設けて構成した箇所である。
【0041】これらの第1〜第3の変更箇所の具体的な構成については、図2・図3により後述する。なお、他の動作機能の箇所に対する定常の制御構成部分については概要のみを図示し、詳細な部分は省略してある。
【0042】外部書換器200は、その接続部分87Eを、熱源機10・室内機20・操作器30の各接続部分87A・87B・87Dに接続して、熱源機10・室内機20・操作器30の各制御部701・702・703に設けた処理/データ用フラッシュメモリ72Aにおける所要部分の記憶内容の書換を行うための携帯型端末機の一種であり、携帯用のパーソナルコンピュータを目的に合わせて構成したものであってもよい。
【0043】そして、外部書換器200における制御部705・設定操作部76・通信I/F78などの部分の構成は、熱源機10・室内機20・操作器30の各制御部701・702・703と同様の構成もつものであり、電源部88によって、処理/データ用フラッシュメモリ72Aに対する読出電圧Vp1と消去/書込電圧Vp2とを得るとともに、電圧切換回路89によって読出電圧Vp1または消去/書込電圧Vp2のうちの一方を処理/データ用フラッシュメモリ72Aに与えるように構成し、さらに、接続部分87Eを熱源機10・室内機20・操作器30の各接続部分87A・87B・87Dに接続することにより、その通信I/F78による通信を行うとともに、消去/書込電圧Vp2を熱源機10・室内機20・操作器30の各電圧切換回路85に与えられるように構成してある。
【0044】熱源機10・室内機20・操作器30の各制御部701・702・703に設けた各処理/データ用フラッシュメモリ72Aと、外部書換器200の制御部705に設けた各処理/データ用フラッシュメモリ72Bとの記憶構成は、図2のように、各処理/データ用フラッシュメモリ72A・72Bにおける記憶領域を、複数の領域、つまり、ブロックに分けてあり、特定の所要部分における記憶内容は書換を禁止するプロテクトを施してあり、他の所要部分の記憶内容全体またはその一部のみを必要に応じて消去/書込、つまり、書換できるように構成したものである。
【0045】そして、具体的な記憶構成は次のようになっている。つまり、外部書換器200側の処理/データ用フラッシュメモリ72Bでは、アドレスA1からアドレスB1までの記憶領域(1)72B1には、通信・書換用制御処理プログラム、つまり、通信用制御処理と書換用制御処理のためのプログラムを記憶するとともに、書換禁止のプロテクトを施してある。
【0046】また、アドレスB1+1からアドレスC1までの記憶領域(2)72B2には、熱源機制御用制御処理プログラムのマスタ、つまり、熱源機10の制御部701における空調用制御のためのプログラムの親記憶を記憶し、アドレスC1+1からアドレスD1までの記憶領域(3)72B3には、熱源機制御用データのマスタ、つまり、熱源機10の制御部701における空調用制御のためのデータの親記憶を記憶してある。
【0047】さらに、アドレスD1+1からアドレスE1までの記憶領域(4)72B4には、室内機制御用制御処理プログラムのマスタ、つまり、室内機20の制御部702における空調用制御のためのプログラムの親記憶を、アドレスE1+1からアドレスF1までの記憶領域(5)72B5には、室内機制御用データのマスタ、つまり、室内機20の制御部702における空調用制御のためのデータの親記憶を記憶してある。
【0048】また、アドレスF1+1からアドレスG1までの記憶領域(6)72B6には、操作器制御用制御処理プログラムのマスタ、つまり、操作器30の制御部703における空調用制御のためのプログラムの親記憶を、アドレスG1+1からアドレスH1までの記憶領域(7)72B7には、操作器制御用データのマスタ、つまり、操作器30の制御部703における空調用制御のためのデータの親記憶を記憶してあり、これら記憶領域(1)72B1〜記憶領域(7)72B7は書換可能にしておいてもよく、また、書換禁止のプロテクトを施しておき、書換を必要とする際に書換禁止を解除した後に書換を行うようにしてもよい。
【0049】なお、アドレスH1+1からアドレスI1までの記憶領域(8)72B8は、上記の記憶領域(1)72B1〜記憶領域(7)72B7に記憶すべき記憶内容が増加して、記憶容量が不足した場合の予備として設けた空き部分である。
【0050】次に、熱源機10・室内機20・操作器30の各制御部701・702・703に設けた各処理/データ用フラッシュメモリ72Aにおける具体的な記憶構成は、それぞれ、アドレスA2からアドレスB2までの記憶領域(1)72B1には、通信・書換用制御処理プログラム、つまり、通信用制御処理と書換用制御処理のためのプログラムを記憶するとともに、書換禁止のプロテクトを施してある。
【0051】また、アドレスB2+1からアドレスC2までを記憶領域(2)72B2には、制御用制御処理プログラムのマスタ、つまり、当該制御部(701・702・703のうちの該当するもの)における空調用制御のためのプログラムの親記憶を記憶し、アドレスC2+1からアドレスD2までを記憶領域(3)72B3には、制御用データのマスタ、つまり、当該制御部(701・702・703のうちの該当するもの)における空調用制御のためのデータの親記憶を記憶てあり、これら記憶領域(1)72A1〜記憶領域(3)72A4は書換可能にしておいてもよく、また、書換禁止のプロテクトを施しておき、書換を必要とする際に書換禁止を解除した後に書換を行うようにしてもよい。
【0052】なお、アドレスD2+1からアドレスE2までの記憶領域(4)72A4は、上記の記憶領域(1)72A1〜記憶領域(3)72A3に記憶すべき記憶内容が増加して、記憶容量が不足した場合の予備として設けた空き部分である。また、マスタとする記憶内容と、書換箇所の元の記憶内容には、改版番号を表す「版No.」、つまり、バージョン番号を記憶内容の所定部分、例えば、最初の部分に記憶するようにしてある。
【0053】次に、図3により、各接続部分87A・87B・87D・87Eと、通信速度の調整と、読出電圧Vp1・消去/書込電圧Vp2の切換との具体的な構成を説明する。なお、図3は、熱源機10・室内機20・操作器30の各制御部701・702・703に設けた各処理/データ用フラッシュメモリ72Aの所要部分の記憶内容を、外部書換器200の制御部705との通信によって、書換を行うのに必要な構成部分のみを抜粋して記載したものであり、他の部分については省略してある。
【0054】図3において、通信I/F78は、例えば、RS232C規格の送信・受信を行う構成をもつ通信インタフェース用ICであって、接続部分87A・87B・87D・87E、例えば、コネクタの端子、つまり、接続ピンの構成のうち、端子TxD・RxD・RTS・CST・DSR・GND・DTRの部分は、図中の〔接続部分/略号表〕における慣用略号を示したものであって、RS232C(JISx5101)規格におけるピンNo.規格のピン配置が正式ではあるが、所要のピン数をもつ同一のコネクタに、同一のピン配置で接続してあれば、通信路81・82または接続ケーブル81Aを所要の接続にしておくことにより、〔接続部分/略号表〕における相互接続回路の構成と信号の方向とによって、正常の通信を行わせることができる。なお、図1の室内機20に設けた接続部分87Cとそれ接続された通信I/F78も上記の構成と同様の構成になっているが、各処理/データ用フラッシュメモリ72Aの書換処理には関係しないので、ここでは、説明を省略する。
【0055】この通信には、同期式と非同期式とがあるが、熱源機10・室内機20・操作器30の各制御部701・702・703に用いられている通信I/F78のICの能力や、通信路81・82の長さによって、通信速度に種々の制限が生ずるので、可能な限り通信速度bpsをなるべく速くしたいため、一般に、図3の〔通信速度/サンプリング周波数表〕のような数種の通信速度の中から、可能なものを選択して使用できるようにしている。
【0056】一方、外部書換器200の制御部705でも、同様に、構成してあるので、現場での書換作業を行う際に、熱源機10・室内機20・操作器30の各制御部701・702・703に用いられている通信速度bpsが分かっている場合には、外部書換器200の制御部705の通信速度を、その通信速度bpsに設定して通信を行えばよい。
【0057】しかし、一般には、それを現場で調べるには、面倒なことが多いので、非同期式の通信を行い、その通信をサンプリングして、通信速度bpsを確認した後に、処理/データ用フラッシュメモリ72Aの記憶内容の書換制御に適した通信速度bpsに設定した方が、作業がやり易く簡便に行える。
【0058】そして、非同期式の通信を行うためには、熱源機10・室内機20・操作器30の各制御部701・702・703から、適宜の通信信号、例えば、自己の通信用識別信号などを応答信号として送信させておき、この送信信号を外部書換器200の制御部705で受信した信号をサンプリングして通信速度を知ることができるので、一般に、図3の〔通信速度/サンプリング周波数表〕における最小公倍数/周波数のクロックを発生する機能を設けておき、そのクロックまたはそれを分周して得られるクロックによりサンプリングして相手方の通信速度bpsを判別し、相互に通信可能で、各処理/データ用フラッシュメモリ72Aの消去/書込、つまり、書換に支障がなく、なるべく速い通信速度bpsに設定するようにしている。なお、この通信速度bpsの設定のための通信は、例えば、外部書換器200の制御部705側から送信要求のコマンド信号、つまり、RST信号を送り、熱源機10・室内機20・操作器30の各制御部701・702・703側から応答が、否定応答信号、つまり、NAK信号であったときには、通信速度bpsを変更し、肯定信号、つまり、ACK信号であったときは、そのときの通信速度bpsを、相互の通信速度bpsとして設定するように構成する。
【0059】また、接続部分87A・87B・87D・87Eの接続部分を介して、消去/書込電圧Vp2を外部書換器200側から熱源機10・室内機20・操作器30側の各処理/データ用フラッシュメモリ72Aに与えるための接続端子、つまり、接続ピンとして、また、熱源機10・室内機20・操作器30側から、処理/データ用フラッシュメモリ72Aに消去/書込電圧Vp2が与えられた旨の信号を外部書換器200側に与えるための接続端子、つまり、接続ピンとして、端子Vp2IN・Vp2OUTを設けてある。
【0060】そして、外部書換器200側には、読出電圧Vp1・消去/書込電圧Vp2を得るための電源88と、読出電圧Vp1または消去/書込電圧Vp2のうちのいずれか一方を処理/データ用フラッシュメモリ72Bに与えるように切り換えるための電圧切換回路89を設けてあり、電圧切換回路89は、例えば、切換リレーであって、所要時に、制御部705の制御処理によもとづいて入出力ポート(図示せず)からの制御信号により所要の接続側に切換を行うようにしてある。
【0061】一方、熱源機10・室内機20・操作器30側には、読出電圧Vp1を得るための電源86と、この読出電圧Vp1、または、接続部分(87A・87B・87Dのうちの1つと87Eとの接続)を介して与えられた消去/書込電圧Vp2のうちのいずれか一方を処理/データ用フラッシュメモリ72Aに与えるように切り換えるための電圧切換回路85を設けてあり、電圧切換回路85は、例えば、切換リレーであって、所要時に、制御部(701・702・703のうちの1つ)の制御処理により入出力ポート(図示せず)からの制御信号により所要の接続側に切換を行うようにしてある。
【0062】処理/データ用フラッシュメモリ72Aの所要部分における記憶内容の消去/書込、つまり、書換を行うための制御処理は、接続部分87A・87B・87D・87E、例えば、コネクタを、通信路81または通信82を外して、その代わりに、接続ケーブル81Aによって、接続部分87Eを接続部分87A・87B・87Dのいずれか1つに接続する。
【0063】そして、外部書換器200の制御部705の処理/データ用フラッシュメモリ72Bにおける図2の記憶領域(1)72B1と、熱源機10・室内機20・操作器30の各制御部701・702・703の処理/データ用フラッシュメモリ72Aにおける図2の記憶領域(1)72A1とに、図4のような制御処理フローのプログラムを記憶させておき、それによる通信制御を行うことによって実行することができる。
【0064】なお、当然のことながら、常時は、外部書換器200の電圧切換回路89と熱源機10・室内機20・操作器30側の電圧切換回路86とは、いずれも、読出電圧Vp1を処理/データ用フラッシュメモリ72A・72Bに与えるように保持している。
【0065】〔制御処理フローの説明〕以下、図4の制御処理フローを説明する。図4において、〔外部書換器側〕の制御処理フローは、外部書換器200の設定操作部76における所定のキーを操作して、書換処理を行うマスタの符号を入力することにより、記憶領域(1)72B1〜記憶領域(7)72B7のうちのいずれを用いて書換処理を行うかを指定することによって「開始」される。
【0066】また、〔熱源機(室内機・操作器)側〕の制御処理フローは、熱源機10・室内機20・操作器30のうちの書換の対象となるものの動作電源を投入することによって「開始」される。なお、図4の制御処理フローにおいて、点線で示したルートは、〔外部書換器側〕〔熱源機(室内機・操作器)側〕間の通信を行う部分である。
【0067】◆ステップSP0では、〔熱源機(室内機・操作器)側〕が「送信可/CST」の状態にされ、また、◆ステップSP1で、〔外部書換器側〕から「送信要求/RTS」を行うことにより、◆ステップSP2で、〔熱源機(室内機・操作器)側〕から自己の「識別符号」、つまり、通信アドレスを送信する。
【0068】◆ステップSP3では、通信速度が適確か否かを判別する。適確であればステップSP6に移行し、そうでないときは次のステップSP4に移行する。ここでの判別は、上記の非同期式の通信の場合におけるサンプリングを行って通信速度bpsを判別するとともに、処理/データ用フラッシュメモリ72Aの消去/書込速度、つまり、書換速度に対して速すぎ、または、遅すぎるときは「NO」とし、適切な速度、例えば、1200bpsまたは2400bpsであるときは「YES」として判別するとともに、自己の通信速度bpsを〔熱源機(室内機・操作器)側〕の通信速度bpsに一致させる制御処理を行う。
【0069】◆ステップSP4では、適切な通信速度bpsにより自己の識別符号を送信することにより、その通信速度bpsに〔熱源機(室内機・操作器)側〕の通信速度bpsを一致させるように指令し、◆ステップSP5では、通信されてきた通信速度bpsに一致された後に、自己の「識別符号」を送信する。そして、ステップSP3で、再度、適切な通信速度になっている否かを確認する。
【0070】◆ステップSP6では、「版No.」を確認するための指令を送信して、〔熱源機(室内機・操作器)側〕の処理/データ用フラッシュメモリ72Aの書換対象とする記憶領域の「版No.」を応答送信させ、◆ステップSP8で書換を必要とするか否かを判別する。
【0071】ここでの判別は、送られてきた「版No.」と自己が送信しようとしているマスタの記憶箇所の「版No.」の一致・不一致によって、書換箇所の指定が間違っていないか、また、書換箇所の記憶内容が既に最新版のものに書換を終えていないかを照合して、書換が必要か否かを判別する。書換が必要なときは次の◆ステップSP9に移行し、そうでないきはステップSP17に移行し、◆ステップSP17で、〔外部書換器側〕の表示部77に「書換不可」の表示を行った後に、制御処理を終了する。
【0072】なお、この場合には、〔熱源機(室内機・操作器)側〕の制御処理は途中の状態で停止しているので、上記の「書換不可」の表示を見た作業者が〔熱源機(室内機・操作器)側〕の動作電源を切ることによって終了させる。
【0073】◆ステップSP9では、図示していないが、最初に〔熱源機(室内機・操作器)側〕の電圧切換回路85を切換えて消去/書込電圧Vp2を処理/データ用フラッシュメモリ72Aに与える指令送信を行い、消去/書込電圧Vp2が与えられた旨を伝える信号として、処理/データ用フラッシュメモリ72Aに与えている消去/書込電圧Vp2を分岐した電圧を、〔熱源機(室内機・操作器)側〕の端子Vp2/OUTから接続ケーブル81Aを経て、〔外部書換器側〕の端子Vp2/INから制御部705の入出力ポート71に与えることにより、〔外部書換器側〕の制御部705で確認した後に、書換処理を行う記憶領域、例えば、記憶領域(2)72B2の場合には、その記憶内容を読み出して得られるデータを〔熱源機側〕に送信する。なお、上記の電圧切換回路85の切換は、手動で切り換えるもの、例えば、スイッチで構成しておき、書換処理に先立って手動で切り換えるようにしてもよい。
【0074】◆ステップSP10では、〔外部書換器側〕から送られてきたデータにもとづいて、書換対象とする記憶領域、例えば、記憶領域(2)72A2の記憶内容を消去/書込した後に次のステップSP11に移行する。この消去/書込は、最初に書換対象とする記憶領域の記憶内容を全て消去した後に、所要部分の書込を行うようにして、元の記憶内容が残らないようにする方が、誤って元の記憶内容を読み出して混乱を招くことがなくなるので、好ましい。
【0075】◆ステップSP11では、書換データが終っているか否かを判別する。終っているときは次のステップSP12に移行し、そうでないときはSP10に戻って残りのデータによる書換を行う。
【0076】◆ステップSP12では、書換が正常に行われたか否かを判別する。正常に行われているときはステップSP14に移行し、そうでないときはステップSP13に移行して、再び、書換をやり直す。ここでの判別は、書換を行った箇所の記憶アドレスの合計した合計値が所定値になっているか否かによって行うものである。
【0077】つまり、具体的には、例えば、記憶領域(2)72A2の記憶内容を、記憶領域(2)72B2の記憶内容によって書換を行ったとすれば、記憶領域(2)72B2の記憶内容の最終箇所に、記憶領域(2)72A2の記憶内容を書換えた箇所のアドレスを合計した合計値の下位2桁の値が「00」になるようにした数値を記憶しておくことにより、〔熱源機(室内機・操作器)側〕で、その合計値が「00」になっていることを確認するように構成してある。
【0078】◆ステップSP13では、再度、書換処理を行う旨の要求指令を〔外部書換器側〕に送信してステップSP8に戻り、再度、同じ書換対象箇所の書換、つまり、書換データの送信と消去/書込とを行う。
【0079】◆ステップSP14では、電圧切換回路85の切換を行って、処理/データ用フラッシュメモリ72Aに読出電圧Vp1が与えられた状態に戻し、書換処理を行った〔熱源機(室内機・操作器)側〕に表示部77があるものでは「書換完了」の表示を行った後に、書換を完了した旨の応答を〔外部書換器側〕に送信してステップSP15に移行する。
【0080】◆ステップSP15では、〔外部書換器側〕の制御部705の入出力ポート71に接続部分87Eの端子Vp2/INに与えられていた消去/書込電圧Vp2による信号が無くなったことを確認した後に、〔外部書換器側〕の表示部分77に「書換完了」の表示を行って制御処理を終了する。なお、上記の電圧切換回路85を手動で切り換える構成の場合には、上記の「書換完了」の表示を見た作業者が手動で、読出電圧Vp2側に切り換えるようにすればよい。
【0081】上記の実施例では、空調制御を行う分散配置型空調装置1000の各制御部701・702・73に設けた処理/データ用フラッシュメモリ72Aに対して外部書換器200により書換処理を行う構成について述べたが、他の一般的な制御対象を制御する装置、つまり、フラッシュメモリCPU型制御装置において、その制御部に設けた処理/データ用フラッシュメモリ72Aを対して、上記の書換処理と同様に、外部書換器200により書換処理を行うように構成し得ることについては、特に説明をすることを要しないであろう。
【0082】〔実施例の構成〕上記の実施例の構成を要約すると、上記の他の一般的な制御対象を制御する装置、つまり、フラッシュメモリCPU型制御装置の構成では、例えば、処理/データ用フラッシュメモリ72Aのようなフラッシュメモリの所要部分、例えば、記憶領域(2)72A2の部分における記憶内容の書換を外部書換器200からの通信、例えば、通信I/F78による通信にもとづいて行う機能を設けた制御部、例えば、制御部701を有するフラッシュメモリCPU型制御装置において、
【0083】上記の書換に用いる電圧、つまり、消去/書込電圧Vp2を上記の外部書換器200から、上記の通信のための接続部分、例えば、接続部分87A・87B・87Dのうちの1つと接続部分87Eとを介して、上記のフラッシュメモリ、つまり、処理/データ用フラッシュメモリ72Aに与える書換電圧手段と、
【0084】上記の電圧Vp2が上記のフラッシュメモリ72Aに与えられた旨の信号、つまり、電圧付与信号、例えば、処理/データ用フラッシュメモリ72Aに与えられている消去/書込電圧Vp2を分岐した電圧の信号を、上記の接続部分、つまり、接続部分87A・87B・87Dのうちの1つと接続部分87Eとを介して、上記の外部書換器200に与える電圧付与信号手段と、上記の外部書換器200が上記の電圧付与信号、つまり、消去/書込電圧Vp2を分岐した電圧の信号を受けた後に、上記の外部書換器200から、上記の接続部分、つまり、接続部分87A・87B・87Dのうちの1つと接続部分87Eとを介して、上記の書換のためのデータ信号、例えば、処理/データ用フラッシュメモリ72Bの記憶領域(2)72B2の記憶内容を読み出して得られるデータの信号を上記の制御部701に与えるデータ信号手段とを設ける第1の構成と、
【0085】この第1の構成におけるフラッシュメモリCPU型制御装置と同様のフラッシュメモリCPU型制御装置において、上記の通信の通信速度bpsを上記の外部書換器200からの通信にもとづいて、例えば、処理/データ用フラッシュメモリ72Aの書換速度に対して適切な通信速度に設定する通信速度設定手段と、上記の第1の構成における書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段とを設ける第2の構成と、
【0086】上記の第1の構成におけるフラッシュメモリCPU型制御装置と同様のフラッシュメモリCPU型制御装置において、上記の第1の構成における書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段と、上記のデータ信号によって上記の書換を行った箇所の記憶アドレスを合計した合計値が所定の値になっているか否かによって上記の書換が正常に行われたか否かを判別する判別手段とを設ける第3の構成と、
【0087】上記の第1の構成におけるフラッシュメモリCPU型制御装置と同様のフラッシュメモリCPU型制御装置において、上記の第2の構成における通信速度設定手段・書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段と、上記のデータ信号によって上記の書換を行った箇所、例えば、記憶領域(2)72A2の部分の記憶アドレスを合計した合計値が所定値、例えば、下位2桁が「00」になっているか否かによって上記の書換が正常に行われたか否かを判別する判別手段とを設ける第4の構成と、
【0088】例えば、処理/データ用フラッシュメモリ72Aのようなフラッシュメモリの所要部分、例えば、記憶領域(2)72A2の部分における記憶内容の書換を外部書換器200からの通信、例えば、通信I/F78による通信にもとづいて行う機能を設けたフラッシュメモリCPU型制御部、例えば、制御部701・702を、少なくとも、空調用熱源を給配するための熱源機10と室内機20とに設けた分散配置型空調装置100において、上記の第1の構成における書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段を設ける第5の構成と、
【0089】上記の第5の構成における分散配置型空調装置と同様の分散配置型空調装置において、上記の第2の構成における通信速度設定手段・書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段を設ける第6の構成と、
【0090】上記の第5の構成における分散配置型空調装置と同様の分散配置型空調装置において、上記の第3の構成における書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段・判別手段を設ける第7の構成と、上記の第5の構成における分散配置型空調装置と同様の分散配置型空調装置において、上記の第4の構成における通信速度設定手段・書換電圧手段・電圧付与信号手段・データ信号手段・判別手段を設ける第8の構成とを構成していることになるものである。
【0091】〔第2実施例〕以下、第2実施例を図5〜図7により説明する。この第2実施例は、上記の第1実施例における書換処理を行う部分の具体的な実施構成である。図5において、処理/データ用フラッシュメモリ72A(72B)は、例えば、128kバイトのROM用フラッシュメモリであって、図中に示すアドレスの間にある各記憶領域を各ブロック0〜7として8つの記憶領域に分けるとともに、記憶の消去/書込、つまり、書換が行えるように構成したものであり、各アドレス00000〜1FFFFは、10〜15の数をA〜Fによって表すようにした16進数によるアドレス値によって消去/書込が行えるようにしてある。
【0092】図6において、〔記憶領域/版No.確認の通信信号〕の各信号は、上記の第1実施例における「版No.」の確認を行うための制御処理に用いる信号の構成例であって、◆外部書換器200のCPU70側からの指令信号S01Aと、◆外部書換器200が接続された機器、つまり、書換対象とする熱源機10・室内機20・操作器30のうちのいずれか1つの機器のCPU70側からの応答信号S01Bの構成との具体的な信号例である。
【0093】また、〔記憶領域/消去の通信信号〕の各信号は、上記の第1実施例における「消去/書込」を行う制御処理のうちの「消去」のみを行う部分の制御処理に用いる信号の構成例であって、◆外部書換器200のCPU70側からの指令信号S02Aと、◆外部書換器200が接続された機器、つまり、書換対象とする熱源機10・室内機20・操作器30のうちのいずれか1つの機器のCPU70側からの応答信号S02Bの構成との具体的な信号例である。
【0094】さらに、〔記憶領域/プログラム・データ書込の通信信号〕の各信号は、上記の第1実施例における「消去/書込」を行う制御処理のうちの「書込」のみを行う部分の制御処理に用いる信号の構成例であって、◆外部書換器200のCPU70側からの指令信号S03Aと、◆外部書換器200が接続された機器、つまり、書換対象とする熱源機10・室内機20・操作器30のうちのいずれか1つの機器のCPU70側からの応答信号S03Bの構成との具体的な信号例である。
【0095】図7は、上記の各通信信号によって、「版No.」の確認と、「消去」と、「書込」とを行う制御処理フロー例である。以下、図7の制御処理フローを説明する。なお、〔外部書換器側〕が外部書換器200のCPU70が行う制御処理であり、〔熱源機(室内機・操作器)側〕が書換対象とする熱源機10・室内機20・操作器30のうちのいずれか1つの機器のCPU70が行う制御処理であって、点線で示す部分は通信を行う部分である。
【0096】〔制御処理フローの説明〕
◆ステップSP101では、「版No.」確認のための指令として、図6の指令信号S01Aを送信し、ステップSP102移行する。
◆ステップSP102では、書換対象として指令された記憶領域のブロック、つまり、ブロック1の「版No.」を読み出して得られる「002」を版No.の応答データとして、図6の応答信号S01Bを送信し、ステップSP103に移行する。
【0097】◆ステップSP103では、「書換」を行う必要があるか否かを判別し、書換を行うときには次のステップSP104に移行し、そうでないときは、終了に移行する。この判別は、外部書換器200の処理/データ用フラッシュメモリ72Bに記憶された書換対象とする書換マスタの記憶領域対象に記憶されている「版No.」を読み出して得られたデータと、応答送信されてきた「版No.」の応答データ「002」とを比較して、同一であるときは、「書換」を行う必要がないものとし、同一でないときは、「書換」を行う必要があるものとする。
【0098】◆ステップSP104では、「書換」を行う記憶領を「消去」するための指令として、図6の指令信号S02Aを送信し、ステップSP105に移行する。
◆ステップSP105では、消去対象として指令された記憶領域のブロック、つまり、ブロック1の「消去」処理を行って次のステップSP106に移行する。
【0099】◆ステップSP106では、「消去」処理を行った結果により得られる「消去状態」のデータ、つまり、消去終了「A1」または消去失敗「A2」を応答データとして、図6の応答信号S02Bを送信し、ステップSP107に移行する。
【0100】◆ステップSP107では、「消去」が正常に行われたか否かを判別し、正常に行われたときは次のステップSP108に移行し、そうでないときはステップSP112に移行する。この判別は、応答信号S02Bの応答データが消去終了「A1」のときは正常とし、消去失敗「A2」のときは正常に行われなかったもの、つまり、「消去異常」とする。
【0101】◆ステップSP108では、指定した記憶領域に書込を行うための指令として、図6の指令信号S03Aを送信し、ステップSP109に移行する。
◆ステップSP109では、書込対象として指令された記憶領域のブロック、つまり、ブロック1に、指令信号S03Aによって送信されてきた「書込データ」の「書込」処理を行って次のステップSP110に移行する。
【0102】◆ステップSP110では、「書込」処理を行った結果により得られる「書込状態」のデータ、つまり、書込終了「B1」または書込失敗「B2」を応答データとして、図6の応答信号S03Bを送信した後に、〔熱源機(室内機・操作器)側〕の制御処理を終了するとともに、ステップSP111に移行する。
【0103】◆ステップSP111では、「書込」が正常に行われたか否かを判別し、正常に行われたときは終了し、そうでないときはステップSP114に移行する。この判別は、応答信号S03Bの応答データが書込終了「B1」のときは正常とし、書込失敗「B2」のときは正常に行われなかったもの、つまり、「書込異常」とする。
【0104】◆ステップSP112では、指定した記憶領域の消去状態が「消去異常」である旨の警報、つまり、「消去異常警報」を行って、次のステップSP113に移行する。この警報は、例えば、外部書換器200の制御部705に付設した表示部77に文字または図形で警報表示するほか、必要に応じて、表示部77に設けた警音器により警報する。
【0105】◆ステップSP113では、「消去異常警報」を解除する旨の操作が行われた否かを判別し、解除されてきたときは終了に移行し、そうでないときはステップSP112に戻る。この解除は、例えば、外部書換器200の制御部705に付設した設定操作部76に設けた所定の操作キーを操作して行う。
【0106】◆ステップSP114では、指定した記憶領域の書込状態が「書込異常」である旨の警報、つまり、「書込異常警報」を行って、次のステップSP115に移行する。この警報は、例えば、外部書換器200の制御部705に付設した表示部77に文字または図形で警報表示するほか、必要に応じて、表示部77に設けた警音器により警報する。
【0107】◆ステップSP115では、「書込異常警報」を解除する旨の操作が行われた否かを判別し、解除されてきたときは終了に移行し、そうでないときはステップSP114に戻る。この解除は、例えば、外部書換器200の制御部705に付設した設定操作部76に設けた所定の操作キーを操作して行う。
【0108】〔第3実施例〕以下、第3実施例を図8・図9により説明する。この第3実施例は、上記の第1実施例における通信速度変更処理を行う部分の具体的な実施構成である。図8において、〔通信速度/変更の通信信号〕の各信号は、上記の第1実施例における「通信速度変更」を行うための制御処理に用いる信号の構成例であって、◆外部書換器200のCPU70側からの指令信号S04Aと、◆外部書換器200が接続された機器、つまり、書換対象とする熱源機10・室内機20・操作器30のうちのいずれか1つの機器のCPU70側からの応答信号S04Bの構成との具体的な信号例である。なお、通信速度の選択は、指令信号S04Aの箇所に示した速度記号「10」〜「14」に対応する各通信速度のうちから選択するように構成してある。
【0109】図7は、上記の各通信信号によって、「通信速度変更」を行う制御処理フロー例である。以下、図7R>7の制御処理フローを説明する。なお、〔外部書換器側〕〔熱源機(室内機・操作器)側〕と、点線で示す部分とは、図7の場合と同様であり、〔熱源機(室内機・操作器)側〕の通信速度の初期値は、速度記号「11」に対応する通信速度に設定してある。
【0110】〔制御処理フローの説明〕
◆ステップSP201では、「通信速度変更」のための指令として、図8の指令信号S04Aを送信し、ステップSP202移行する。
【0111】◆ステップSP202では、通信速度の「速度変更」が可能であるか否かを判別し、可能できるとは次のステップSP203に移行し、そうでないときはステップSP205に移行する。この判別は、〔熱源機(室内機・操作器)側〕の処理/データ用フラッシュメモリ72Aに記憶された各「通信速度記号」のデータを読み出して得られたデータと、指令送信されてきた「通信速度記号」のデータ「13」とを比較して、データ「13」と同一の記号があるときは、その通信速度に「速度変更可能」とし、同一の記号がないときは、「速度変更不可能」とする。
【0112】◆ステップSP203では、図8の応答信号S04Bにおける変更可否のデータ記号を変更許可「C1」にして送信し、ステップSP206に移行するとともに、次のステップSP204に移行する。
◆ステップSP204では、通信速度をデータ「13」の通信速度に変更した後に〔熱源機(室内機・操作器)側〕の制御処理を終了する。
【0113】◆ステップSP205では、図8の応答信号S04Bの変更可否のデータ記号を変更拒否「C2」にして送信し、ステップSP206に移行する。
◆ステップSP206では、通信速度を変更するか否かを判別し、変更するときは次のステップSP207に移行し、そうでないときは、通信速度を変更しないで終了する。この判別は、応答信号S04Bの変更可否データが、変更許可「C1」のときは変更とし、変更拒否「C2」のときは変更しないものとする。
◆ステップSP204では、通信速度をデータ「13」の通信速度に変更した後に終了する。
【0114】〔第4実施例〕以下、第4実施例を図10〜図13により説明する。この第4実施例は、上記の第1実施例における書換が正常に行われたか否かを判別するための制御処理を行う部分の具体的な実施構成である。図10において、外部書換器200の処理/データ用フラッシュメモリ72Bは、例えば、128kバイトのROM用フラッシュメモリであって、適宜のアドレスの間にある各記憶領域を各ブロック0〜7として8つの記憶領域に分けてある。
【0115】そして、ブロック0には外部書換器200自体の制御処理プログラムを、ブロック1には熱源機10の制御処理プログラムを書換するための書換マスタ(1)を、ブロック2には室内機20の制御処理プログラムを書換するための書換マスタ(2)を、ブロック3には操作器30の制御処理プログラムを書換するための書換マスタ(3)を、それぞれ記憶し、他のブロック4〜7は未使用部分、つまり、空き部分としたものであり、最終アドレス1FFFFにアドレス合計値判別用データALLSUMを記憶してある。
【0116】図11において、書換対象機器とする熱源機10・室内機20・操作器30のうちのいずれか1つの機器の処理/データ用フラッシュメモリ72Aは、例えば、128kバイトのROM用フラッシュメモリであって、アドレス0000からアドレス1C000の1つ前のアドレスまでの間にある各記憶領域が自己の制御処理プログラムを記憶する記憶領域である。また、アドレス1C000から最終アドレス1FFFFまでの間の記憶領域が未使用部分、つまり、未使用記憶領域になっており、最終アドレス1FFFFがアドレス合計値判別用データALLSUMを記憶するためのアドレスになっている。
【0117】そして、アドレス0000からアドレス1C000の1つ前のアドレスまでの間にあるアドレスの合計値が16進数の55h、各未使用記憶領域のアドレスの合計値が16進数のFFhであったとすると、アドレス合計値判別用データALLSUMの値は、図11の〔アドレス合計値判別用データ(ALLSUM)の演算式〕による演算によって求めることができ、また、書換が正常に行われたか否かを判別するためのアドレス合計値判別結果データFLASHSUMの値、つまり、下2桁を00hにするための値は、図11の〔アドレス合計値判別結果データ(FLASHSUM)の演算式〕による演算によって求めることができる。
【0118】図12において、〔アドレス合計値判別の通信信号〕の各信号は、上記のアドレス合計値判別を行うための制御処理に用いる信号の構成例であって、◆外部書換器200のCPU70側からの指令信号S05Aと、◆外部書換器200が接続された機器、つまり、書換対象とする熱源機10・室内機20・操作器30のうちのいずれか1つの機器のCPU70側からの応答信号S05Bの構成との具体的な信号例である。
【0119】図13は、上記の各通信信号によって、アドレス合計値判別を行う制御処理フロー例である。以下、図13の制御処理フローを説明する。なお、〔外部書換器側〕〔熱源機(室内機・操作器)側〕と、点線で示す部分とは、図7の場合と同様である。
【0120】〔制御処理フローの説明〕
◆ステップSP301では、アドレス合計値判別のための指令として、図12の指令信号S05Aを送信し、ステップSP302移行する。
【0121】◆ステップSP302では、指令信号S05Aによって送られてきた判別用データALLSUMのデータ、例えば、16進数の「10F0101h」を最終アドレス1FFFFに記憶するとともに、図11の〔アドレス合計値判別結果データ(FLASHSUM)の演算式〕による演算を行って、判別結果データFLASHSUM、例えば、16進数の「001000h」を求めた後、次のステップSP303に移行する。
【0122】◆ステップSP303では、図12の応答信号の判別結果データをFLASHSUM「001000h」にして送信し、ステップSP304に移行するとともに、〔熱源機(室内機・操作器)側〕の制御処理を終了する。
【0123】◆ステップSP304では、アドレス合計値判別の結果が正常であるか否かを判別し、正常であるときは終了し、そうでないときは、つまり、異常のときは次のステップSP305に移行する。この判別は、応答信号S05Aの判別結果データFLASHSUM「001000h」の値の下2桁が「00h」であるとはき正常とし、そうでないときは異常とする。
【0124】◆ステップSP305では、アドレス合計値判別の結果が異常である旨の警報、つまり、「判別異常警報」を行って、次のステップSP306に移行する。この警報は、例えば、外部書換器200の制御部705に付設した表示部77に文字または図形で警報表示するほか、必要に応じて、表示部77に設けた警音器により警報する。
【0125】◆ステップSP306では、「判別異常警報」を解除する旨の操作が行われた否かを判別し、解除されてきたときは終了に移行し、そうでないときはステップSP306に戻る。この解除は、例えば、外部書換器200の制御部705に付設した設定操作部76に設けた所定の操作キーを操作して行う。
【0126】〔変形実施〕この発明は次のように変形し実施することを含むものである。
(1)書換を行う記憶内容を、図2の各記憶領域に記憶されている記憶内容を、さらに、区分けした記憶領域の部分、例えば、熱源機制御用制御処理プログラムを、例えば、第1のプログラム部分、第2のプログラム部分、第3のプログラム部分のように分けたうちの1つのプログラム部分のみを書換するように制御処理し、または、書換禁止した記憶領域を除く全ての記憶領域を1回の書換処理で書換するように制御処理する。
【0127】(2)接続部分87Cとそれに接続された通信I/F78と、通信路82とを除去し、操作器30の接続部分87Dを通信路81に接続するとともに、通信路82に、端子Vp2/OUTと端子Vp2/INとを接続するための導線を追加して設け、接続部分87A・87B・87Dのうちのいずれか1つの箇所に、それと同一の接続部分87Xを並列に接続して設けておき、この接続部分78Xに接続部分87Eを接続することによって、通信路81を介して、熱源機10・室内機20・操作器30の各制御部701・702・703の各制御/データ用フラッシュメモリ72Aの記憶内容を、所要の順次で書換処理するように構成する。
【0128】(3)中央監視制御盤50、または、それに代わる簡単な制御機能をもつ中央制御器を設けた構成の分散配置型空調装置100に適用して構成する。
(4)外部書換器200の制御/データ用フラッシュメモリ72Bを、普通のROMに変更するとともに、ソケットを用いて交換可能に装着しておき、書換に用いる記憶内容のマスタを、ROMライタで書換するように構成する。
【0129】(5)通信速度が固定された構成で、通信速度の変更を行わない場合には、例えば、図3の接続部分87Eにおける端子RTSと端子CTSとの間を予め短絡させて構成するか、または、これらの端子の間に設けたスイッチを操作して短絡させて通信を行うように構成する。
【0130】
【発明の効果】この発明によれば、以上のように、フラッシュメモリの書換に用いる電圧、つまり、消去/書込電圧を、外部書換器側から与えて書換処理を行うため、定常の動作時における各制御部間の通信における誤通信によって、フラッシュメモリの記憶内容が書換られてしまうことが無くなるので、フラッシュメモリを用いて制御装置を構成した場合でも、記憶内容が誤って書換られることにより運転制御を暴走させて、危険性のある事故を招くようなことがなくなる。
【0131】また、分散配置型空調装置のように、各制御部が分散して離れた箇所に配置されているものでは、携帯型の外部書換器を持ち歩いて、単に、通信用の接続部分に接続してフラッシュメモリの記憶内容の書換を行うだけの作業で、各配置機器の制御処理機能を最新型のもの更新できるなどの特長がある。
【図面の簡単な説明】
図面中、図1〜図13はこの発明の実施例を、また、図1414〜図16は従来技術を示し、各図の内容は次のとおりである。
【図1】全体ブロック構成略図
【図2】要部記憶構成図
【図3】要部ブロック構成図
【図4】要部制御処理フロー図
【図5】要部記憶構成図
【図6】要部信号構成図
【図7】要部通信構成図
【図8】要部信号構成図
【図9】要部通信構成図
【図10】要部記憶構成図
【図11】要部記憶構成図
【図12】要部信号構成図
【図13】要部通信構成図
【図14】全体ブロック構成図
【図15】要部ブロック構成図
【図16】全体構成斜視図
【符号の説明】
10 熱源機
11 圧縮部
12 熱交換器
12A 送風機
13 流路切換部
20 室内機
21 熱交換器
21A 送風機
30 操作器
50 中央監視制御盤
70 CPU
71 入出力ポート
72 処理メモリ
72A フラッシュメモリ
72B フラッシュメモリ
73 作業メモリ
74 データ用メモリ
75 時計回路
76 設定操作部
77 表示部
78 通信I/F
81 通信路
82 通信路
83 管路
84 空調対象室
85 電圧切換
86 電源
87A 接続部分
87B 接続部分
87C 接続部分
87D 接続部分
87E 接続部分
88 電源
89 電圧切換
100 分散配置型空調装置
700 制御部
701 制御部
702 制御部
703 制御部
705 制御部
D1 温度検出器
D1A 室内温度値
D2 温度検出器
D2A 熱交換器温度値
T1 目標温度値
V2 流量調整弁
V2A 駆動部分
Vp1 読出電圧
Vp2 消去/書込電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】 フラッシュメモリの所要部分における記憶内容の書換を外部書換器からの通信にもとづいて行う機能を設けた制御部を有するフラッシュメモリCPU型制御装置であって、前記書換に用いる電圧を前記外部書換器から、前記通信のための接続部分を介して、前記フラッシュメモリに与える書換電圧手段と、前記電圧が前記フラッシュメモリに与えられた旨の信号(以下、電圧付与信号という)を、前記接続部分を介して、前記外部書換器に与える電圧付与信号手段と、前記外部書換器が前記電圧付与信号を受けた後に、前記外部書換器から、前記接続部分を介して、前記書換のためのデータ信号を前記制御部に与えるデータ信号手段とを具備することを特徴とするフラッシュメモリCPU型制御装置。
【請求項2】 フラッシュメモリの所要部分における記憶内容の書換を外部書換器からの通信にもとづいて行う機能を設けた制御部を有するフラッシュメモリCPU型制御装置であって、前記通信の通信速度を前記外部書換器からの通信にもとづいて設定する通信速度設定手段と、前記書換に用いる電圧を前記外部書換器から、前記通信のための接続部分を介して、前記フラッシュメモリに与える書換電圧手段と、前記電圧が前記フラッシュメモリに与えられた旨の信号(以下、電圧付与信号という)を、前記接続部分を介して、前記外部書換器に与える電圧付与信号手段と、前記外部書換器が前記電圧付与信号を受けた後に、前記外部書換器から、前記接続部分を介して、前記書換のためのデータ信号を前記制御部に与えるデータ信号手段とを具備することを特徴とするフラッシュメモリCPU型制御装置。
【請求項3】 フラッシュメモリの所要部分における記憶内容の書換を外部書換器からの通信にもとづいて行う機能を設けた制御部を有するフラッシュメモリCPU型制御装置であって、前記書換に用いる電圧を前記外部書換器から、前記通信のための接続部分を介して、前記フラッシュメモリに与える書換電圧手段と、前記電圧が前記フラッシュメモリに与えられた旨の信号(以下、電圧付与信号という)を、前記接続部分を介して、前記外部書換器に与える電圧付与信号手段と、前記外部書換器が前記電圧付与信号を受けた後に、前記外部書換器から、前記接続部分を介して、前記書換のためのデータ信号を前記制御部に与えるデータ信号手段と、前記データ信号によって前記書換を行った箇所の記憶アドレスを合計した合計値が所定値になっているか否かによって前記書換が正常に行われたか否かを判別する判別手段とを具備することを特徴とするフラッシュメモリCPU型制御装置。
【請求項4】 フラッシュメモリの所要部分における記憶内容の書換を外部書換器からの通信にもとづいて行う機能を設けた制御部を有するフラッシュメモリCPU型制御装置であって、前記通信の通信速度を前記外部書換器からの通信にもとづいて設定する通信速度設定手段と、前記書換に用いる電圧を前記外部書換器から、前記通信のための接続部分を介して、前記フラッシュメモリに与える書換電圧手段と、前記電圧が前記フラッシュメモリに与えられた旨の信号(以下、電圧付与信号という)を、前記接続部分を介して、前記外部書換器に与える電圧付与信号手段と、前記外部書換器が前記電圧付与信号を受けた後に、前記外部書換器から、前記接続部分を介して、前記書換のためのデータ信号を前記制御部に与えるデータ信号手段と、前記データ信号によって前記書換を行った箇所の記憶アドレスを合計した合計値が所定値になっているか否かによって前記書換が正常に行われたか否かを判別する判別手段とを具備することを特徴とするフラッシュメモリCPU型制御装置。
【請求項5】 フラッシュメモリの所要部分における記憶内容の書換を外部書換器からの通信にもとづいて行う機能を設けた制御部を有するフラッシュメモリCPU型制御部を、少なくとも、空調用熱源を給配するための熱源機と室内機とに設けた分散配置型空調装置であって、前記書換に用いる電圧を前記外部書換器から、前記通信のための接続部分を介して、前記フラッシュメモリに与える書換電圧手段と、前記電圧が前記フラッシュメモリに与えられた旨の信号(以下、電圧付与信号という)を、前記接続部分を介して、前記外部書換器に与える電圧付与信号手段と、前記外部書換器が前記電圧付与信号を受けた後に、前記外部書換器から、前記接続部分を介して、前記書換のためのデータ信号を前記制御部に与えるデータ信号手段とを具備することを特徴とする分散配置型空調装置。
【請求項6】 フラッシュメモリの所要部分における記憶内容の書換を外部書換器からの通信にもとづいて行う機能を設けた制御部を有するフラッシュメモリCPU型制御部を、少なくとも、空調用熱源を給配するための熱源機と室内機とに設けた分散配置型空調装置であって、前記通信の通信速度を前記外部書換器からの通信にもとづいて設定する通信速度設定手段と、前記書換に用いる電圧を前記外部書換器から、前記通信のための接続部分を介して、前記フラッシュメモリに与える書換電圧手段と、前記電圧が前記フラッシュメモリに与えられた旨の信号(以下、電圧付与信号という)を、前記接続部分を介して、前記外部書換器に与える電圧付与信号手段と、前記外部書換器が前記電圧付与信号を受けた後に、前記外部書換器から、前記接続部分を介して、前記書換のためのデータ信号を前記制御部に与えるデータ信号手段とを具備することを特徴とする分散配置型空調装置。
【請求項7】 フラッシュメモリの所要部分における記憶内容の書換を外部書換器からの通信にもとづいて行う機能を設けた制御部を有するフラッシュメモリCPU型制御部を、少なくとも、空調用熱源を給配するための熱源機と室内機とに設けた分散配置型空調装置であって、前記書換に用いる電圧を前記外部書換器から、前記通信のための接続部分を介して、前記フラッシュメモリに与える書換電圧手段と、前記電圧が前記フラッシュメモリに与えられた旨の信号(以下、電圧付与信号という)を、前記接続部分を介して、前記外部書換器に与える電圧付与信号手段と、前記外部書換器が前記電圧付与信号を受けた後に、前記外部書換器から、前記接続部分を介して、前記書換のためのデータ信号を前記制御部に与えるデータ信号手段と、前記データ信号によって前記書換を行った箇所の記憶アドレスを合計した合計値が所定値になっているか否かによって前記書換が正常に行われたか否かを判別する判別手段とを具備することを特徴とする分散配置型空調装置。
【請求項8】 フラッシュメモリの所要部分における記憶内容の書換を外部書換器からの通信にもとづいて行う機能を設けた制御部を有するフラッシュメモリCPU型制御部を、少なくとも、空調用熱源を給配するための熱源機と室内機とに設けた分散配置型空調装置であって、前記通信の通信速度を前記外部書換器からの通信にもとづいて設定する通信速度設定手段と、前記書換に用いる電圧を前記外部書換器から、前記通信のための接続部分を介して、前記フラッシュメモリに与える書換電圧手段と、前記電圧が前記フラッシュメモリに与えられた旨の信号(以下、電圧付与信号という)を、前記接続部分を介して、前記外部書換器に与える電圧付与信号手段と、前記外部書換器が前記電圧付与信号を受けた後に、前記外部書換器から、前記接続部分を介して、前記書換のためのデータ信号を前記制御部に与えるデータ信号手段と、前記データ信号によって前記書換を行った箇所の記憶アドレスを合計した合計値が所定値になっているか否かによって前記書換が正常に行われたか否かを判別する判別手段とを具備することを特徴とする分散配置型空調装置。

【図5】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図12】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図14】
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【図16】
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