フレキシブル基材およびパターン付フレキシブル基材
【課題】パターン付フレキシブル基材1に測定光を照射した場合、この測定光を明瞭に受光してパターンの光学特性を精度良く検出する。
【解決手段】パターン付フレキシブル基材1はパターン形成領域2を有するガラスフィルム12と、ガラスフィルム12に接着剤13を介して接着された支持フィルム11とを有している。ガラスフィルム12のパターン形成領域2に画素パターン2a、2b、2cが形成されている。支持フィルム11および接着剤13のうちパターン形成領域2に対応する領域内の少なくとも一部に、支持フィルム11および接着剤13を除去して形成された第1開孔2Aが設けられている。
【解決手段】パターン付フレキシブル基材1はパターン形成領域2を有するガラスフィルム12と、ガラスフィルム12に接着剤13を介して接着された支持フィルム11とを有している。ガラスフィルム12のパターン形成領域2に画素パターン2a、2b、2cが形成されている。支持フィルム11および接着剤13のうちパターン形成領域2に対応する領域内の少なくとも一部に、支持フィルム11および接着剤13を除去して形成された第1開孔2Aが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持フィルムに接着剤を介してガラスフィルムが積層されたフレキシブル基材、およびフレキシブル基材上にパターンが形成されたパターン付フレキシブル基材に係り、とりわけ、パターンがもつ色彩、形状等のパターン情報を正しく検知することができるフレキシブル基材およびパターン付フレキシブル基材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子ディスプレイ、建築、家具装飾、電子デバイス、半導体デバイス、車体部材等には、従来から、ガラス板が多く用いられている。このうち、液晶ディスプレイ、電子ペーパー、有機ELディスプレイ等の電子ディスプレイに使用されるカラーフィルタには、一般的に、枚葉状のガラス板が基板として用いられており、このガラス板に、複数色の画素がパターン状に形成されて、カラーフィルタが製造されている。また、カラーフィルタの対向基板であるTFT基板若しくは電極基板、有機EL用表示素子基板、または太陽電池等にも、枚葉状のガラス板が用いられている。
【0003】
ところで、最近のガラス製造技術の進歩により、厚さが100μm程度のガラスフィルムが製造されるようになっている。このようなガラスフィルムは、可撓性を有しており、ロール状に巻き取り可能になっている。例えば、このガラスフィルムをカラーフィルタの基板に用いる場合には、ガラスフィルムが巻き取られたロールからガラスフィルムを繰り出して連続的にカラーフィルタを製造することができ、枚葉状のガラス板を用いる場合に比べて、生産効率を向上させることができる。しかしながら、このようなガラスフィルムはその厚さが薄いことから、耐衝撃性が低下し、製造工程中に損傷するという問題がある。
【0004】
このような問題の対策として、フレキシブルなガラスフィルムとガラスフィルムに接着剤を介して接着されたプラスチック製支持フィルムとを有する積層体(フレキシブル基材)を用い、このフレキシブル基材のガラスフィルム上に画素パターンを形成して得られるカラーフィルタが開発されている。
【0005】
この場合、このようにして得られたカラーフィルタに関し、画素パターンの色彩および形状等を検出するため測定光を画素パターンに照射してパターンの光学特性を検出している。しかしながら、フレキシブル基材上の画素パターンに測定光を照射しても、この測定光がフレキシブル基材を確実に透過することができず、測定光を精度良く受光できないため、パターンの光学特性を確実に検出することがむずかしい、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−228166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、測定光を用いて画素パターン等のパターンの光学特性を精度良く確実に検出することができるフレキシブル基材およびパターン付フレキシブル基材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、パターンが形成されるパターン形成領域を表面に有するフレキシブルなガラスフィルムと、前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、前記支持フィルムのうち前記パターン形成領域に対応する領域に、前記支持フィルムを除去して形成された第1開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材である。
【0009】
本発明は、マークが形成されるマーク形成領域を有するフレキシブルなガラスフィルムと、前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、前記支持フィルムのうち前記マーク形成領域に対応する領域に、前記支持フィルムを除去して形成されたマーク用開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材である。
【0010】
本発明は、前記マーク形成領域は、パターン形成用のアライメントマークが形成されるアライメントマーク形成領域であり、前記支持フィルムのうち前記アライメントマーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第2開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材である。
【0011】
本発明は、前記マーク形成領域は、対向する基板との貼り合せ用の貼合マークが形成される貼合マーク形成領域であり、前記支持フィルムのうち前記貼合マーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第3開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材である。
【0012】
本発明は、前記マーク形成領域は、パターンの長寸法確認用マークが形成される長寸法確認用マーク形成領域であり、前記支持フィルムのうち前記長寸法確認用マーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第4開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材である。
【0013】
本発明は、パターンが形成されるパターン形成領域を有するフレキシブルなガラスフィルムと、前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、前記支持フィルムのうち前記パターン形成領域に対応する領域内に、前記支持フィルムを除去して形成された第1開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材と、前記ガラスフィルムの前記パターン形成領域に形成されたパターンとを備えたことを特徴とするパターン付フレキシブル基材である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フレキシブル基材の支持フィルムのうちパターン形成領域またはマーク形成領域に対応する領域内の少なくとも一部に、支持フィルムを除去して形成された第1開孔またはマーク用開孔が設けられている。ガラスフィルムのパターン形成領域にパターンを形成し、あるいはガラスフィルムのマーク形成領域にマークを形成し、このパターンまたはマークに対してガラスフィルム側から測定光を照射し、この測定光を受光する場合、測定光を第1開孔またはマーク用開孔に向けて照射する。このことにより、第1開孔またはマーク用開孔によって測定光の散乱を抑え、測定光を精度良く受光することができる。このためパターンの色彩および形状についての光学特性を精度良く検出することができ、あるいはマークを精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明によるフレキシブル基材を示す断面図。
【図2】図2(a)は、本発明によるフレキシブル基材の上面図、図2(b)は、フレキシブル基材の底面図。
【図3】図3(a)は、本発明によるフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図、図3(b)(c)は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図4】図4(a)(b)(c)は、本発明によるフレキシブル基材に設けられた第1開孔を示す支持フィルム側からみた底面図。
【図5】図5(a)(b)(c)は、本発明によるフレキシブル基材に設けられた第2開孔を示す支持フィルム側からみた底面図。
【図6】図6(a)(b)(c)は、本発明によるフレキシブル基材に設けられた第3開孔を示す支持フィルム側からみた底面図。
【図7】図7(a)(b)(c)は、本発明によるフレキシブル基材に設けられた第4開孔を示す支持フィルム側からみた底面図。
【図8】図8は本発明によるフレキシブル基材に設けられた第1開孔とパターンとの関係を示す図。
【図9】図9は本発明によるフレキシブル基材に設けられた第1開孔とパターンとの関係を示す図。
【図10】図10は本発明によるフレキシブル基材に設けられた第2開孔、第3開孔および第4開孔と、アライメントマーク、貼合マークおよび長寸法確認用マークとの関係を示す図。
【図11】図11(a)(b)(c)は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図12】図12(a)(b)(c)は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図13】図13(a)(b)(c)は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図14】図14(a)(b)(c)は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図15】図15は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図16】図16は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図17】図17は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図18】図18(a)(b)(c)(d)はアライメントマーク、貼合マークおよび長寸法確認用マークの形状を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
まず、図1乃至図3により本発明によるフレキシブル基材およびパターン付フレキシブル基材について説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明によるフレキシブル基材1Aは後述する画素パターン2a、2b、2cが形成されるパターン形成領域2を表面に有するフレキシブルなガラスフィルム12と、ガラスフィルム12に接着剤13を介して接着された支持フィルム11とを備えている。
【0019】
ここで、「フレキシブル」とは、柔軟性があることを意味しており、一般的に可撓性があり、曲げることが可能なことを意味する。
【0020】
また、支持フィルム11および接着剤13のうち、パターン形成領域2に対応する領域内の所望部分に、支持フィルム11および接着剤13を除去して形成された第1開孔2Aが設けられている。
【0021】
さらにまたガラスフィルム12はその表面にパターン形成用のアライメントマーク3aが形成されるアライメントマーク形成領域(マーク形成領域)3を有している(図2(a)(b))。そして支持フィルム11および接着剤13のうち、アライメントマーク形成領域3に対応する部分に、支持フィルム11および接着剤13を除去して形成された第2開孔(マーク用開孔)3Aが設けられている。
【0022】
またガラスフィルム12は、その表面に対向する基板、例えばTFT基板と貼り合せる際に用いられる貼り合わせ用の貼合マーク4aが形成される貼合マーク形成領域(マーク形成領域)4を有している(図6参照)。
【0023】
そして支持フィルム11および接着剤13のうち、貼合マーク形成領域4に対応する部分に、支持フィルム11および接着剤13を除去して形成された第3開孔(マーク用開孔)4Aが設けられている。
【0024】
またガラスフィルム12は、その表面に画素パターン2a、2b、2cの長寸法確認用マーク5aが形成される長寸法確認用マーク形成領域(マーク形成領域)5を有している(図7参照)。
【0025】
そして支持フィルム11および接着剤13のうち、長寸法確認用マーク形成領域5に対応する部分に、支持フィルムおよび接着剤13を除去して形成された第4開孔(マーク用開孔)5Aが設けられている。
【0026】
上述した構成からなるフレキシブル基材1Aのガラスフィルム12のうち、パターン形成領域2に画素パターン2a、2b、2cを設け、ガラスフィルム12のアライメントマーク形成領域3にアライメントマーク3aを設け、ガラスフィルム12の貼合マーク形成領域4に貼合マーク4aを設け、ガラスフィルム12の長寸法確認用マーク形成領域5に長寸法確認用マーク5aを設ける。このことにより、本発明によるパターン付フレキシブル基材として、例えばカラーフィルタ1が得られる。
【0027】
次にこのような構成からなるフレキシブル基材1Aおよびパターン付フレキシブル基材1の各構成部分について説明する。
【0028】
まずガラスフィルム12上に設けられた画素パターン2a、2b、2cについて述べる。図2(a)(b)に示すように、フレキシブル基材1Aのガラスフィルム12上には4つのパターン形成領域2が形成され、各パターン形成領域内2内に多数の画素パターン2a、2b、2cが設けられ、4面付けのパターン付フレキシブル基材1が構成されている。
【0029】
すなわち、ガラスフィルム12の各パターン形成領域2には、マトリックス形状にパターニングされたブラックマトリックス9が設けられており(図8および図9参照)、各画素パターン2a、2b、2cは、ガラスフィルム12上のブラックマトリックス9により画定される各開口部内に形成されている。この場合、ブラックマトリックス9の各開口部内に、赤色(R)画素用感光性材料、緑色(G)画素用感光性材料、および青色(B)画素用感光性材料により、赤色画素パターン2a、緑色画素パターン2bおよび青色画素パターン2cが形成されている。各画素パターン2a、2b、2cの配列は、図示しないが、ストライプ配列、デルタ配列(トライアングル配列)、正方配列(四画素配列)等の公知の配列とすることができる。このように異なる色を有した三つの隣り合う画素パターンによって、画面上における一つの表示画素が形成されるようになっている。更に、黄色画素パターン(図示せず)等を追加して4色以上の画素が形成されるようにしても良い。なお各画素パターン2a、2b、2cを形成する感光性材料としては、各色の顔料と溶剤とバインダーとしての接合性樹脂とを含む顔料分散型の感光性樹脂組成物を用いることができ、ブラックマトリックス9を形成する感光性材料としては、遮光性を有する黒色の顔料を分散させた感光性樹脂組成物を用いることができる。
【0030】
このようなパターン付フレキシブル基材1は、例えば、各画素パターン2a、2b、2cに対応して配列されたTFT等のスイッチング素子と液晶層とを含む液晶素子、および面光源と組み合わされて、液晶ディスプレイ(LCD)または電子ペーパー等に用いられる。この構成において、液晶はスイッチング素子によって制御されてシャッターとして機能し、面光源からの光を所望の色の画素のみを介して出射させる。このようにして、画面上にカラー映像が表示されるようになっている。
【0031】
次にフレキシブル基材1Aを構成する支持フィルム11、ガラスフィルム12および接着剤13について述べる。
【0032】
まず支持フィルム11の材料としては、柔軟性を有するプラスチックを挙げることができ、ガラスフィルム12への衝撃や局所的な加圧、歪みに対する脆弱性を補ってガラスフィルム12を補強するためのものである。単体のガラスフィルム12を、異物を巻き込んで巻き取った場合には、局所的な衝撃、加圧、傷等により、ガラスフィルム12が容易に破損する可能性がある。そこで、ガラスフィルム12に支持フィルム11を貼り合せることにより、強度を増大させて、ガラスフィルム12の破損を防止することができる。また、ガラスフィルム12に支持フィルム11を貼り合せることにより、ガラスフィルム12が割れた場合であっても、ガラスの破片等の飛散を防止することができる。
【0033】
支持フィルム11は特に制限はなく汎用的なフィルムを使用できる。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PET)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ナイロン66(66N)、アクリロニトルプタジェンスチレン(ABS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の材料を挙げることができる。また、金属フィルムでも使用でき、ステンレス、銅、鉄、アルミなどが利用できる。フィルム厚は特に制限はないが、ガラスフィルム12の強度補強の観点から0.005〜2.000mmの範囲、ロールtoロールプロセス適用においては、0.005〜0.200mmの範囲が好適である。大きさはガラスフィルム12を補強する理由からガラスフィルム12全面を覆うことが好ましいが、ガラスフィルム12の面積に対し、多少のずれがあっても補強の目的は達成され、具体的には±5%以内であれば良い。
【0034】
ガラスフィルム12は、ロール状にできる程度の厚さが薄いもので0.1mm以下が好適である。ガラスフィルム12の面積は特に制限はないが、シート状の場合、例えば20cm2〜90000cm2である。本発明においては、ガラスフィルム12はいわゆるロールtoロールプロセスで使用される帯状形態であってもよく、その場合、幅は5cmから200cm、長さは3mから3000mである。ガラスフィルム12の材料としては、一般にディスプレイ用途に用いられるソーダライムガラス、無アルカリガラスが好ましい。このうち、無色で透明度が高く、線熱膨張係数が小さくて変形しにくい無アルカリガラスが好適である。
【0035】
接着剤13はガラスフィルム12と支持フィルムを接着できるものであれば特に制限はなく、アクリル系、スチレン系、シリコン系等の樹脂材料が好ましい。また接着剤13の厚さは、5〜200μmであることが好ましい。このことにより、支持フィルム11とガラスフィルム12とを接着するために十分な粘着力を確保できる。接着剤13は、ガラスフィルム12から剥離せずにガラスフィルム12に永久的又は半永久的に接着する場合に限られず、最終的にガラスフィルム12から剥離できる場合、すなわち粘着剤も包含する。
【0036】
次に支持フィルム11および接着剤13を除去して形成された第1開孔2A、第2開孔3A、第3開孔4A、第4開孔5Aについて以下述べる。
【0037】
このうち、第1開孔2Aは図4(a)(b)(c)に示すように、支持フィルム11および接着剤13のうち、ガラスフィルム12のパターン形成領域2に対応する領域内の所望部分に設けられている。第1開孔2Aは支持フィルム11および接着剤13を切削刃による断裁あるいは型押しによるくり抜きにより形成することができる。
【0038】
ガラスフィルム12のパターン形成領域2上には、上述のように、ブラックマトリックス9(図8および図9参照)および画素パターン2a、2b、2cが形成される。なお、図4(a)(b)(c)において、ブラックマトリックスは便宜上示されていない。画素パターン2a、2b、2cの色彩、形状等の光学特性を検出するため、この画素パターン2a、2b、2cに測定光が照射されるが、支持フィルム11および接着剤13に第1開孔2Aを設けることにより、照射された測定光を確実に受光して、画素パターン2a、2b、2cの光学特性を精度良く測定することができる。
【0039】
図4(a)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、各パターン形成領域2に対応する支持フィルム11と接着剤13の領域内に1つずつの第1開孔2Aが設けられている。
【0040】
また図4(b)に示すように、ガラスフィルム12上に2面付のパターン形成領域2を設けるとともに、各パターン形成領域2に対応する支持フィルム11と接着剤13の領域内に5つずつの第1開孔2Aを設けてもよい。
【0041】
さらに図4(c)に示すように、ガラスフィルム12上に1面付のパターン形成領域2を設けるとともに、パターン形成領域2に対応する支持フィルム11と接着剤13の領域内に5つの第1開孔2Aを設けてもよい。
【0042】
なお、第1開孔2Aは必ずしもパターン形成領域2内に形成される必要はなく、パターン形成領域2の大きさによっては、支持フィルム11がガラスフィルム12を補強することができれば、パターン形成領域2全体を囲むよう第1開孔2Aを設けてもよい。
【0043】
ここで、図4(a)(b)(c)において、便宜上第1開孔2Aのみが示されているが、第2開孔3A、第3開孔4A、第4開孔5Aが形成されていてもよく、これら第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aは便宜上取り除いて示されている。
【0044】
また、第2開孔3Aは図5(a)(b)(c)に示すように、支持フィルム11および接着剤13のうちガラスフィルム12のアライメントマーク形成領域3に対応する領域に設けられている。第2開孔3Aは支持フィルム11および接着剤13を切削刃による断裁あるいは型押しによるくり抜きにより形成することができる。
【0045】
ガラスフィルム12のアライメントマーク形成領域3上には、上述のようにアライメントマーク3aが形成される。アライメントマーク3aの位置を検出するため、このアライメントマーク3aに測定光が照射されるが、支持フィルム11および接着剤13に第2開孔3Aを設けることにより、照射された測定光を確実に受光して、アライメントマーク3aの位置を精度良く測定することができる。
【0046】
アライメントマーク形成領域3はアライメントマーク3aが形成される領域であり、このアライメントマーク3aに照射される照射光10を確実に受光することができるよう、照射光10の断面積はアライメントマーク形成領域3の面積より大きいことが好ましく、また第2開孔3Aの面積はさらに照射光10の断面積より大きいことが好ましい(図10参照)。
【0047】
第2開孔3Aは少なくともアライメントマーク3aを囲むよう形成されていれば、その面積は照射光10の断面積より小さくてもかまわない。なお第2開孔3Aは必ずしもアライメントマーク3aを囲むように形成されていなくてもよく、例えばアライメントマーク3aが十字状の形状の場合は(図10参照)、このアライメントマーク3aの交差部のみを覆うように第2開孔3Aを設けてもよい。
【0048】
図5(a)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左右2つのアライメントマーク形成領域3に対応して、アライメント形成領域3を囲むように2つの第2開孔3Aが設けられている。
【0049】
また図5(b)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付のパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左下と右上の2つのアライメントマーク形成領域3に対応して、アライメント形成領域3を囲むように2つの第2開孔3Aを設けてもよい。
【0050】
さらに図5(c)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左右4つのアライメント形成領域3に対応して、アライメント形成領域3を囲むように4つの第2開孔3Aを設けてもよい。
【0051】
ここで、図5(a)(b)(c)において、便宜上、第2開孔3Aのみが示されているが、第1開孔2A、第3開孔4A、第4開孔5Aが形成されていてもよく、これら第1開孔2A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aは便宜上取り除いて示されている。
【0052】
また、第3開孔4Aは図6(a)(b)(c)に示すように、支持フィルム11および接着剤13のうち、ガラスフィルム12の貼合マーク形成領域4に対応する領域に設けられている。第3開孔4Aは支持フィルム11および接着剤13を切削刃による断裁あるいは型押しによるくり抜きにより形成することができる。
【0053】
ガラスフィルム12の貼合マーク形成領域4上には、上述のように貼合マーク4aが形成される。貼合マーク4aの位置を検出するため、この貼合マーク4aに測定光が照射されるが、支持フィルム11および接着剤13に第3開孔4Aを設けることにより、照射された測定光を確実に受光して、貼合マーク4aの位置を精度良く測定することができる。
【0054】
貼合マーク形成領域4は貼合マーク4aが形成される領域であり、この貼合マーク4aに照射される照射光10を確実に受光することができるよう、照射光10の断面積は貼合マーク形成領域4の面積より大きいことが好ましく、また第3開孔4Aの面積はさらに照射光10の断面積より大きいことが好ましい(図10参照)。
【0055】
第3開孔4Aは少なくとも貼合マーク4aを囲むよう形成されていれば、その面積は照射光10の断面積より小さくてもかまわない。なお第3開孔4Aは必ずしも貼合マーク4aを囲むように形成されていなくてもよく、例えば貼合マーク4aが十字状の形状の場合は(図10参照)、この貼合マーク4aの交差部のみを覆うように第3開孔4Aを設けてもよい。
【0056】
図6(a)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左右2つの貼合マーク形成領域4に対応して、貼合マーク形成領域4を囲むように2つの第3開孔4Aが設けられている。
【0057】
また、図6(b)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左下と右上の2つの貼合マーク形成領域4に対応して、貼合マーク形成領域4を囲むように2つの第3開孔4Aを設けてもよい。
【0058】
さらに図6(c)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左右4つの貼合マーク形成領域4に対応して、貼合マーク形成領域4を囲むように4つの第3開孔4Aを設けてもよい。
【0059】
ここで図6(a)(b)(c)において、便宜上、第3開孔4Aのみが示されているが、第1開孔2A、第2開孔3A、第4開孔5Aが形成されていてもよく、これら第1開孔2A、第2開孔3Aおよび第4開孔5Aは便宜上取り除いて示されている。
【0060】
また、第4開孔5Aは図7(a)(b)(c)に示すように、支持フィルム11および接着剤13のうちガラスフィルム12の長寸法確認用マーク形成領域5に対応する領域に設けられている。第4開孔5Aは支持フィルム11および接着剤13を切削刃による断裁あるいは型押しによるくり抜きにより形成することができる。
【0061】
ガラスフィルム12の長寸法確認用マーク形成領域5上には、上述のように長寸法確認用マーク5aが形成される。長寸法確認用マーク5aの位置を検出するため、この長寸法確認用マーク5aに測定光が照射されるが、支持フィルム11および接着剤13に第4開孔5Aを設けることにより、照射された測定光を確実に受光して、長寸法確認用マーク5aの位置を精度良く測定することができる。
【0062】
長寸法確認用マーク形成領域5は長寸法確認用マーク5が形成される領域であり、この長寸法確認用マーク5に照射される照射光10を確実に受光することができるよう、照射光10の断面積は長寸法確認用マーク形成領域5の面積より大きいことが好ましく、また第4開孔5Aの面積はさらに照射光10の断面積より大きいことが好ましい(図10参照)。
【0063】
第4開孔5Aは少なくとも長寸法確認用マーク5aを囲むよう形成されていれば、その面積は照射光10の断面積より小さくてもかまわない。なお、第4開孔5Aは必ずしも長寸法確認用マーク5aを囲むように形成されていなくてもよく、例えば長寸法確認用マーク5aが十字状の形状の場合は(図10参照)、この長寸法確認用マーク5aの交差部のみを覆うように第4開孔5Aを設けてもよい。
【0064】
なお、図7(a)(b)に示すように、2つの長寸法確認用マーク5aが1つの第4開孔5Aにより囲まれた例を示したが、これに限らず1つの長寸法確認用マーク5aを1つの第4開孔5Aで囲ってもよく、3つ以上の長寸法確認用マーク5aを1つの第4開孔5Aで囲ってもよい。
【0065】
図7(a)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の多数の長寸法確認用マーク形成領域5に対応して、長寸法確認用マーク形成領域5を囲むように多数の第4開孔5Aが設けられている。
【0066】
また、図7(b)に示すように、ガラスフィルム12上に2面付のパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の多数の長寸法確認用マーク形成領域5に対応して、長寸法確認用マーク形成領域5を囲むように多数の第4開孔5Aを設けても良い。
【0067】
さらに図7(c)に示すように、ガラスフィルム12上に1面付のパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の4つの長寸法確認用マーク形成領域5に対応して、長寸法確認用マーク形成領域5を囲むように4つの第4開孔5Aを設けてもよい。
【0068】
ここで、図7(a)(b)(c)において、便宜上、第4開孔5Aのみが示されているが、第1開孔2A、第2開孔3A、第3開孔4Aが形成されていてもよく、これら第1開孔2A、第2開孔3Aおよび第3開孔4Aは便宜上取り除いて示されている、
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0069】
まず上述のように一方の主面に接着剤13が設けられた支持フィルム11が準備される。この場合、支持フィルム11および接着剤13には切削刃による断裁あるいは型押しによるくり抜きによって第1開孔2A、または第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aの少なくともいずれかの開孔が予め形成されている。
【0070】
また、第1開孔2Aは例えば、画素パターン2a、2b、2cの色彩、形状用の光学特性を検出するため測定光を照射する際用いるものであるから、第1開孔2Aの形状は
5× 5mmの形状をもつ。
【0071】
また、第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aは、各々アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aの位置を検出するため測定光を照射する際用いられるものであるから、いずれも第1開孔2Aより大きな形状、例えば1×1mmから 10×10 mmの形状をもつ。この場合、第2開孔3A、第3開孔4および第4開孔5Aの形状が 1mm未満では、測定光を確実に受光してマーク3a、4a、5aを検出することはできず、10mm超では支持フィルム11の面積が減少して、ガラスフィルム12を支持フィルム11により十分に補強することはむずかしくなる。
【0072】
次に支持フィルム11の接着剤13上にガラスフィルム12が接着され、このようにしてフレキシブル基材1Aが得られる。
【0073】
次にフレキシブル基材1Aのガラスフィルム12のうち、パターン形成領域2にブラックマトリックス9が形成される。また、ガラスフィルム12のアライメントマーク形成領域3にアライメントマーク3aが形成される場合には、ブラックマトリクス形成時と同時に形成される。ガラスフィルム12の貼合マーク形成領域4に貼合マーク4aが形成される場合や、ガラスフィルム12の長寸法確認用マーク形成領域5に長寸法確認用マーク5aが形成される場合についても同様である。なお、上述したアライメントマーク、貼号マーク、長寸法確認用マーク等のマーク類は、ブラックマトリクス形成時と同時である必要はなく、ブラックマトリクス以外のパターンと同時に形成されてもよく、あるいは、マーク類のみを単独でパターン形成してもよい。
【0074】
この場合、ガラスフィルム12に形成されるアライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aの形状は図18(a)に示すようなリング状の形状、図18(b)に示すような円形の形状、図18(c)に示すような十字状の形状、図18(d)に示すような四角形状の形状のいずれかの形状をとることができる。
【0075】
次にガラスフィルム12上のアライメントマーク3aを基準として、ガラスフィルム12のブラックマトリックス9により囲まれた空間内に、画素パターン2a、2b、2cが順次形成される。このようにしてフレキシブル基材11のガラスフィルム12上に、画素パターン2a、2b、2cと、アライメントマーク3aと、貼合マーク4aと、長寸法確認用マーク5aの少なくともいずれかのマークを設けてなるパターン付フレキシブル基材1としてカラーフィルタが得られる。
【0076】
次にガラスフィルム12上の画素パターン2a、2b、2cに対して測定光を照射して画素パターン2a、2b、2cの色彩、形状等の光学特性を検出する作用について説明する。
【0077】
まず図3(a)に示すように、パターン付フレキシブル基材1に対してガラスフィルム12の上方から測定光10を照射する。この場合、測定光10は照射部20から照射される。
【0078】
この際、支持フィルム11および接着剤13に、測定光10が通過する第1開孔2Aが形成されているため、第1開孔2Aを通過する測定光10は受光部21により確実に受光され、受光部21により受光された光に基づいて画素パターン2a、2b、2cの光学特性を精度良く検知することができる。
【0079】
受光部21により検知される光学特性としては、画素パターン2a、2b、2cの色彩、形状、透過率、および反射率が考えられる。
【0080】
すなわち、図3(b)(c)に示す比較例のように、パターン付フレキシブル基材1に第1開孔2Aがない場合、照射部20からの測定光10は支持フィルム11および接着剤13の部分で散乱して受光部21に十分に到達しないことも考えられる(図3(b))。
【0081】
あるいは照射部20からの測定光10が支持フィルム11および接着剤13によって遮断されて受光部21に全く達しないことも考えられる(図3(c))。
【0082】
これに対して本発明によれば、照射部20から照射される測定光10を第1開孔2Aを介して受光部21まで確実に導くことができる。
【0083】
次に画素パターン2a、2b、2cに照射される測定光10について詳述する。
【0084】
画素パターン2a、2b、2cの光学特性のうち、画素パターン2a、2b、2cの形状を検出する場合、測定光10としては複数の画素パターン2a、2b、2cを十分覆うだけの断面形状をもつ光が用いられる(図8)。また測定光10の断面形状は第1開孔2Aより十分小さくなっている。このことにより、各画素パターン2a、2b、2cの幅等の形状を確実に検出することができる。
【0085】
他方、画素パターン2a、2b、2cの色彩、反射率、透過率等を検出する場合、測定光10としては、各画素パターン2a、2b、2cの範囲内に入るだけの断面形状をもつ光が用いられる(図9)。また測定光10の断面形状は第1開孔2Aより十分小さくなっている。このことにより、各画素パターン2a、2b、2cの色彩、反射率、透過率等を確実に検出することができる。
【0086】
なお、図3(a)、図8および図9において照射部20から測定光10を画素パターン2a、2b、2cに照射するとともに、画素パターン2a、2b、2cを透過する光を受光部21で受光する例を示したが、照射部20から測定光10を画素パターン2a、2b、2cに照射するとともに、パターン付フレキシブル基材1側から反射する光を、照射部20と同一側に配置した受光部21により受光してもよい。
【0087】
次に図10より、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aを測定光10を用いて検出する場合について説明する。照射部20から測定部10がこれらアライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aに照射される。この場合、画素パターン2a、2b、2cを検出する場合と同様、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aに照射された測定光10は、第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aを通過して、受光部21に達する。
【0088】
そして受光部21で受光した光に基づいて、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aの位置を確実に検出することができる。
【0089】
図10に示すように、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aの位置を検出する測定光10としては、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aをいずれも覆うだけの断面形状をもつ光が用いられ、かつ測定光10の断面形状は第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aより十分に小さくなっている。
【0090】
なお、図10において、照射部20から測定光10をアライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aに照射するとともに、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aを透過する光を受光部21で受光する例を示したが、照射部20から測定光10をアライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aに照射するとともにパターン付フレキシブル基材1側から反射する光を照射部20と同一側に配置した受光部21により受光してもよい。
【0091】
次に図11乃至図17により、比較例としてのパターン付フレキシブル基材1に対して測定光10を照射した状態について述べる。
【0092】
ここで図11乃至図14は、第1開孔2Aをもたないパターン付フレキシブル基材1を示す。
【0093】
図11乃至図14において、図1乃至図10に示す本発明によるパターン付フレキシブル基材1と同一部分には同一符号を符して詳細を説明は省略する。
【0094】
図11(a)に示すように、比較例としてのパターン付フレキシブル基材1に測定光10を照射した場合、接着剤13自体によりパターン付フレキシブル基材1を透過する測定光は大きく散乱する。
【0095】
あるいは、図11(b)に示すように、パターン付フレキシブル基材1に測定光10を照射した場合、支持フィルム11自体によりパターン付フレキシブル基材1を透過する測定光が大きく散乱する。あるいは図11(c)に示すように、測定光10が支持フィルム11と接着剤13とにより大きく散乱することも考えられる。
【0096】
あるいはまた、図12(a)に示すように、測定光10が接着剤13と支持フィルム11との非平坦な界面で散乱することも考えられる。
【0097】
また、図12(b)に示すように、測定光10が接着剤13中の気泡13aにより散乱することも考えられる。
【0098】
さらに、図12(c)に示すように測定光10が接着剤13中のゴミ13bにより散乱することも考えられる。
【0099】
また、図13(a)(b)(c)に示すようにパターン付フレキシブル基材1に測定光10を照射しパターン付フレキシブル基材1からの反射光を検出する場合、ガラスフィルム12と接着剤13との界面で反射光が散乱することも考えられる。(図13(a))。
【0100】
また、パターン付フレキシブル基材1からの反射光が支持フィルム11で散乱することも考えられる(図13(b))。
【0101】
また、パターン付フレキシブル基材1からの反射光がガラスフィルム12と接着剤13との界面および支持フィルム11において散乱することも考えられる(図13(c))。
【0102】
あるいはまた、パターン付フレキシブル基材1に対して測定光10を照射した場合、パターン付フレキシブル基材1からの反射光が支持フィルム11と接着剤13との間の非平坦な界面あるいは接着剤13中で大きく散乱することが考えられる(図14(a))。
【0103】
また、パターン付フレキシブル基材1からの反射光が接着剤13中の気泡13aにより散乱することも考えられる(図14(b))。
【0104】
あるいはまた、パターン付フレキシブル基材1からの反射光が接着剤13中のゴミ13bにより散乱することも考えられる(図14(c))。
【0105】
次に、図15乃至図17により、第2開孔第3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aをもたない比較例としてのパターン付フレキシブル基材1について説明する。
【0106】
図15に示すように、支持フィルム11にへーズがある場合、パターン付フレキシブル基材1に測定光10を照射しても、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aはぼやけてみえるようになる。
【0107】
図16に示すように、支持フィルム11の透過率が低いと、パターン付フレキシブル基材11に測定光10を照射しても、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aは不明瞭となる。
【0108】
さらに図17に示すように、支持フィルム11が非透過性のものであると、パターン付フレキシブル基材1に測定光10を照射しても、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aは全くみえなくなる。
【0109】
これに対して本発明によれば、パターン付フレキシブル基材1が第1開孔2A、第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aを有するので、パターン付フレキシブル基材1に照射部20から測定光10を照射した場合に、この光を受光部21により確実に受光することができる。このため、この受光部21で受光した光に基づいて、画素パターン2a、2b、2cの光学特性、アライメントマーク3aの位置、貼合マーク4aの位置、および長寸法確認用、マーク5aの位置を精度良く検出することができる。
【0110】
なお、上記実施の形態において、パターン付フレキシブル基材1としてカラーフィルタの例を示したが、これに限らず、パターン付フレキシブル基材をTFT基板、光学素子、タッチパネルセンサ等のディスプレイ部材として用いてもよく、太陽電池などのエネルギ関連部材、有機EL、無機ELなどの照明材として用いてもよい。
【実施例】
【0111】
次に、本発明の具体的実施例について述べる。
【0112】
まず、支持フィルム11として、厚さ39μm、幅300mm、長さ10mの接着剤13付きのPET製支持フィルム(日東電工社製、RP207)を準備するとともに、この接着剤13付きPET製支持フィルム11を3インチのコアに巻き取った。この接着剤13付きPET製支持フィルム11を巻き返し機(ディーエヌケー製 RM0303TK)により巻き返した際に、刃によるくり抜きで所定の箇所をくり抜き、第1開孔2A、第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aを有する接着剤13付き支持フィルム11を準備した。ここで、それぞれの開孔の大きさは5mm×5mmとした。これにロール状フレキシブルガラスフィルム12であって厚さ70μm、幅300mm、長さ10mのもの(日本電気硝子社製 OA-10G)をラミネータ(ディーエヌケー製 LM-203-SB)によりラミネートすることで、フレキシブル基材1Aを作製した。
【0113】
次に、フレキシブル基材1Aをロールtoロール塗工装置の巻き出し部にセットし、ガラスフィルム12上に、マイクログラビアにて赤色のフォトレジストを塗布した。
【0114】
続いて、レジストを塗布したフレキシブル基材1Aを露光装置の巻き出し部にセットし、フォトマスクを介し紫外線露光を施した。
【0115】
続いて、現像装置を用いて現像を行い、その後200度で15分加熱することでパターンが形成されたパターン付フレキシブル基材1を得た。
【0116】
この場合、パターンの色を測定するため、パターン形成領域2に対応する支持フィルム11および接着剤13に第1開孔2Aが形成されている。
【比較例】
【0117】
支持フィルム11および接着剤13に第1開孔2A、第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aを設けなかったこと以外は実施例と同じ方法でパターン付フレキシブル基材1を得た。
【測定結果】
【0118】
本発明によるパターン付フレキシブル基材および比較例によるパターン付フレキシブル基材について、パターン部分の色を顕微分光装置(オリンパス社製OSP-SP)にて測定した。パターン部分の位置は、開孔箇所を顕微分光装置の測定エリアに合わせ、測定部位の画像を見ながら位置を微調整し、測定位置を特定した。その結果、本発明によるパターン付フレキシブル基材11については正しく赤色のレジストピークが検出されたが、比較例によるパターン付フレキシブル基材1においては支持フィルム11における光の散乱により正しく測定できなかった。
【0119】
また、精密自動2次元測定装置AMIC1300(ソキア)にて、長寸法を測定した。パターン部分の位置は、開孔箇所を測定エリアに合わせ、測定部位の画像を見ながら位置を微調整し、測定位置を特定した。その結果、本発明によるパターン付フレキシブル基材11については正しく長寸法確認用マークが検出され正しく座標測定されたが、比較例によるパターン付フレキシブル基材1においては支持フィルム11における光の散乱により正しく長寸法確認用マークの座標を測定できなかった。
【0120】
なお、貼合マーク及びアライメントマークの検出動作についても、長寸法確認用マークと同様な方法で確認することができる。上記長寸法確認用マークの測定と同様にマーク検出を行った結果、本発明によるパターン付フレキシブル基材11については正しく貼合マーク及びアライメントマークが検出され正しく座標測定されたが、比較例によるパターン付フレキシブル基材1においては支持フィルム11における光の散乱により正しく貼合マーク及びアライメントマークの座標を測定できなかった。
【符号の説明】
【0121】
1 パターン付フレキシブル基材
1A フレキシブル基材
2 パターン形成領域
2a、2b、2c 画素パターン
2A 第1開孔
3 アライメントマーク形成領域
3a アライメントマーク
3A 第2開孔
4 貼合マーク形成領域
4a 貼合マーク
4A 第3開孔
5 長寸法確認用マーク形成領域
5a 長寸法確認用マーク
5A 第4開孔
10 測定光
11 支持フィルム
12 ガラスフィルム
13 接着剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持フィルムに接着剤を介してガラスフィルムが積層されたフレキシブル基材、およびフレキシブル基材上にパターンが形成されたパターン付フレキシブル基材に係り、とりわけ、パターンがもつ色彩、形状等のパターン情報を正しく検知することができるフレキシブル基材およびパターン付フレキシブル基材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子ディスプレイ、建築、家具装飾、電子デバイス、半導体デバイス、車体部材等には、従来から、ガラス板が多く用いられている。このうち、液晶ディスプレイ、電子ペーパー、有機ELディスプレイ等の電子ディスプレイに使用されるカラーフィルタには、一般的に、枚葉状のガラス板が基板として用いられており、このガラス板に、複数色の画素がパターン状に形成されて、カラーフィルタが製造されている。また、カラーフィルタの対向基板であるTFT基板若しくは電極基板、有機EL用表示素子基板、または太陽電池等にも、枚葉状のガラス板が用いられている。
【0003】
ところで、最近のガラス製造技術の進歩により、厚さが100μm程度のガラスフィルムが製造されるようになっている。このようなガラスフィルムは、可撓性を有しており、ロール状に巻き取り可能になっている。例えば、このガラスフィルムをカラーフィルタの基板に用いる場合には、ガラスフィルムが巻き取られたロールからガラスフィルムを繰り出して連続的にカラーフィルタを製造することができ、枚葉状のガラス板を用いる場合に比べて、生産効率を向上させることができる。しかしながら、このようなガラスフィルムはその厚さが薄いことから、耐衝撃性が低下し、製造工程中に損傷するという問題がある。
【0004】
このような問題の対策として、フレキシブルなガラスフィルムとガラスフィルムに接着剤を介して接着されたプラスチック製支持フィルムとを有する積層体(フレキシブル基材)を用い、このフレキシブル基材のガラスフィルム上に画素パターンを形成して得られるカラーフィルタが開発されている。
【0005】
この場合、このようにして得られたカラーフィルタに関し、画素パターンの色彩および形状等を検出するため測定光を画素パターンに照射してパターンの光学特性を検出している。しかしながら、フレキシブル基材上の画素パターンに測定光を照射しても、この測定光がフレキシブル基材を確実に透過することができず、測定光を精度良く受光できないため、パターンの光学特性を確実に検出することがむずかしい、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−228166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、測定光を用いて画素パターン等のパターンの光学特性を精度良く確実に検出することができるフレキシブル基材およびパターン付フレキシブル基材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、パターンが形成されるパターン形成領域を表面に有するフレキシブルなガラスフィルムと、前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、前記支持フィルムのうち前記パターン形成領域に対応する領域に、前記支持フィルムを除去して形成された第1開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材である。
【0009】
本発明は、マークが形成されるマーク形成領域を有するフレキシブルなガラスフィルムと、前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、前記支持フィルムのうち前記マーク形成領域に対応する領域に、前記支持フィルムを除去して形成されたマーク用開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材である。
【0010】
本発明は、前記マーク形成領域は、パターン形成用のアライメントマークが形成されるアライメントマーク形成領域であり、前記支持フィルムのうち前記アライメントマーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第2開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材である。
【0011】
本発明は、前記マーク形成領域は、対向する基板との貼り合せ用の貼合マークが形成される貼合マーク形成領域であり、前記支持フィルムのうち前記貼合マーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第3開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材である。
【0012】
本発明は、前記マーク形成領域は、パターンの長寸法確認用マークが形成される長寸法確認用マーク形成領域であり、前記支持フィルムのうち前記長寸法確認用マーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第4開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材である。
【0013】
本発明は、パターンが形成されるパターン形成領域を有するフレキシブルなガラスフィルムと、前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、前記支持フィルムのうち前記パターン形成領域に対応する領域内に、前記支持フィルムを除去して形成された第1開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材と、前記ガラスフィルムの前記パターン形成領域に形成されたパターンとを備えたことを特徴とするパターン付フレキシブル基材である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フレキシブル基材の支持フィルムのうちパターン形成領域またはマーク形成領域に対応する領域内の少なくとも一部に、支持フィルムを除去して形成された第1開孔またはマーク用開孔が設けられている。ガラスフィルムのパターン形成領域にパターンを形成し、あるいはガラスフィルムのマーク形成領域にマークを形成し、このパターンまたはマークに対してガラスフィルム側から測定光を照射し、この測定光を受光する場合、測定光を第1開孔またはマーク用開孔に向けて照射する。このことにより、第1開孔またはマーク用開孔によって測定光の散乱を抑え、測定光を精度良く受光することができる。このためパターンの色彩および形状についての光学特性を精度良く検出することができ、あるいはマークを精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明によるフレキシブル基材を示す断面図。
【図2】図2(a)は、本発明によるフレキシブル基材の上面図、図2(b)は、フレキシブル基材の底面図。
【図3】図3(a)は、本発明によるフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図、図3(b)(c)は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図4】図4(a)(b)(c)は、本発明によるフレキシブル基材に設けられた第1開孔を示す支持フィルム側からみた底面図。
【図5】図5(a)(b)(c)は、本発明によるフレキシブル基材に設けられた第2開孔を示す支持フィルム側からみた底面図。
【図6】図6(a)(b)(c)は、本発明によるフレキシブル基材に設けられた第3開孔を示す支持フィルム側からみた底面図。
【図7】図7(a)(b)(c)は、本発明によるフレキシブル基材に設けられた第4開孔を示す支持フィルム側からみた底面図。
【図8】図8は本発明によるフレキシブル基材に設けられた第1開孔とパターンとの関係を示す図。
【図9】図9は本発明によるフレキシブル基材に設けられた第1開孔とパターンとの関係を示す図。
【図10】図10は本発明によるフレキシブル基材に設けられた第2開孔、第3開孔および第4開孔と、アライメントマーク、貼合マークおよび長寸法確認用マークとの関係を示す図。
【図11】図11(a)(b)(c)は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図12】図12(a)(b)(c)は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図13】図13(a)(b)(c)は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図14】図14(a)(b)(c)は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図15】図15は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図16】図16は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図17】図17は比較例としてのフレキシブル基材に測定光を照射した状態を示す図。
【図18】図18(a)(b)(c)(d)はアライメントマーク、貼合マークおよび長寸法確認用マークの形状を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
まず、図1乃至図3により本発明によるフレキシブル基材およびパターン付フレキシブル基材について説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明によるフレキシブル基材1Aは後述する画素パターン2a、2b、2cが形成されるパターン形成領域2を表面に有するフレキシブルなガラスフィルム12と、ガラスフィルム12に接着剤13を介して接着された支持フィルム11とを備えている。
【0019】
ここで、「フレキシブル」とは、柔軟性があることを意味しており、一般的に可撓性があり、曲げることが可能なことを意味する。
【0020】
また、支持フィルム11および接着剤13のうち、パターン形成領域2に対応する領域内の所望部分に、支持フィルム11および接着剤13を除去して形成された第1開孔2Aが設けられている。
【0021】
さらにまたガラスフィルム12はその表面にパターン形成用のアライメントマーク3aが形成されるアライメントマーク形成領域(マーク形成領域)3を有している(図2(a)(b))。そして支持フィルム11および接着剤13のうち、アライメントマーク形成領域3に対応する部分に、支持フィルム11および接着剤13を除去して形成された第2開孔(マーク用開孔)3Aが設けられている。
【0022】
またガラスフィルム12は、その表面に対向する基板、例えばTFT基板と貼り合せる際に用いられる貼り合わせ用の貼合マーク4aが形成される貼合マーク形成領域(マーク形成領域)4を有している(図6参照)。
【0023】
そして支持フィルム11および接着剤13のうち、貼合マーク形成領域4に対応する部分に、支持フィルム11および接着剤13を除去して形成された第3開孔(マーク用開孔)4Aが設けられている。
【0024】
またガラスフィルム12は、その表面に画素パターン2a、2b、2cの長寸法確認用マーク5aが形成される長寸法確認用マーク形成領域(マーク形成領域)5を有している(図7参照)。
【0025】
そして支持フィルム11および接着剤13のうち、長寸法確認用マーク形成領域5に対応する部分に、支持フィルムおよび接着剤13を除去して形成された第4開孔(マーク用開孔)5Aが設けられている。
【0026】
上述した構成からなるフレキシブル基材1Aのガラスフィルム12のうち、パターン形成領域2に画素パターン2a、2b、2cを設け、ガラスフィルム12のアライメントマーク形成領域3にアライメントマーク3aを設け、ガラスフィルム12の貼合マーク形成領域4に貼合マーク4aを設け、ガラスフィルム12の長寸法確認用マーク形成領域5に長寸法確認用マーク5aを設ける。このことにより、本発明によるパターン付フレキシブル基材として、例えばカラーフィルタ1が得られる。
【0027】
次にこのような構成からなるフレキシブル基材1Aおよびパターン付フレキシブル基材1の各構成部分について説明する。
【0028】
まずガラスフィルム12上に設けられた画素パターン2a、2b、2cについて述べる。図2(a)(b)に示すように、フレキシブル基材1Aのガラスフィルム12上には4つのパターン形成領域2が形成され、各パターン形成領域内2内に多数の画素パターン2a、2b、2cが設けられ、4面付けのパターン付フレキシブル基材1が構成されている。
【0029】
すなわち、ガラスフィルム12の各パターン形成領域2には、マトリックス形状にパターニングされたブラックマトリックス9が設けられており(図8および図9参照)、各画素パターン2a、2b、2cは、ガラスフィルム12上のブラックマトリックス9により画定される各開口部内に形成されている。この場合、ブラックマトリックス9の各開口部内に、赤色(R)画素用感光性材料、緑色(G)画素用感光性材料、および青色(B)画素用感光性材料により、赤色画素パターン2a、緑色画素パターン2bおよび青色画素パターン2cが形成されている。各画素パターン2a、2b、2cの配列は、図示しないが、ストライプ配列、デルタ配列(トライアングル配列)、正方配列(四画素配列)等の公知の配列とすることができる。このように異なる色を有した三つの隣り合う画素パターンによって、画面上における一つの表示画素が形成されるようになっている。更に、黄色画素パターン(図示せず)等を追加して4色以上の画素が形成されるようにしても良い。なお各画素パターン2a、2b、2cを形成する感光性材料としては、各色の顔料と溶剤とバインダーとしての接合性樹脂とを含む顔料分散型の感光性樹脂組成物を用いることができ、ブラックマトリックス9を形成する感光性材料としては、遮光性を有する黒色の顔料を分散させた感光性樹脂組成物を用いることができる。
【0030】
このようなパターン付フレキシブル基材1は、例えば、各画素パターン2a、2b、2cに対応して配列されたTFT等のスイッチング素子と液晶層とを含む液晶素子、および面光源と組み合わされて、液晶ディスプレイ(LCD)または電子ペーパー等に用いられる。この構成において、液晶はスイッチング素子によって制御されてシャッターとして機能し、面光源からの光を所望の色の画素のみを介して出射させる。このようにして、画面上にカラー映像が表示されるようになっている。
【0031】
次にフレキシブル基材1Aを構成する支持フィルム11、ガラスフィルム12および接着剤13について述べる。
【0032】
まず支持フィルム11の材料としては、柔軟性を有するプラスチックを挙げることができ、ガラスフィルム12への衝撃や局所的な加圧、歪みに対する脆弱性を補ってガラスフィルム12を補強するためのものである。単体のガラスフィルム12を、異物を巻き込んで巻き取った場合には、局所的な衝撃、加圧、傷等により、ガラスフィルム12が容易に破損する可能性がある。そこで、ガラスフィルム12に支持フィルム11を貼り合せることにより、強度を増大させて、ガラスフィルム12の破損を防止することができる。また、ガラスフィルム12に支持フィルム11を貼り合せることにより、ガラスフィルム12が割れた場合であっても、ガラスの破片等の飛散を防止することができる。
【0033】
支持フィルム11は特に制限はなく汎用的なフィルムを使用できる。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PET)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ナイロン66(66N)、アクリロニトルプタジェンスチレン(ABS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の材料を挙げることができる。また、金属フィルムでも使用でき、ステンレス、銅、鉄、アルミなどが利用できる。フィルム厚は特に制限はないが、ガラスフィルム12の強度補強の観点から0.005〜2.000mmの範囲、ロールtoロールプロセス適用においては、0.005〜0.200mmの範囲が好適である。大きさはガラスフィルム12を補強する理由からガラスフィルム12全面を覆うことが好ましいが、ガラスフィルム12の面積に対し、多少のずれがあっても補強の目的は達成され、具体的には±5%以内であれば良い。
【0034】
ガラスフィルム12は、ロール状にできる程度の厚さが薄いもので0.1mm以下が好適である。ガラスフィルム12の面積は特に制限はないが、シート状の場合、例えば20cm2〜90000cm2である。本発明においては、ガラスフィルム12はいわゆるロールtoロールプロセスで使用される帯状形態であってもよく、その場合、幅は5cmから200cm、長さは3mから3000mである。ガラスフィルム12の材料としては、一般にディスプレイ用途に用いられるソーダライムガラス、無アルカリガラスが好ましい。このうち、無色で透明度が高く、線熱膨張係数が小さくて変形しにくい無アルカリガラスが好適である。
【0035】
接着剤13はガラスフィルム12と支持フィルムを接着できるものであれば特に制限はなく、アクリル系、スチレン系、シリコン系等の樹脂材料が好ましい。また接着剤13の厚さは、5〜200μmであることが好ましい。このことにより、支持フィルム11とガラスフィルム12とを接着するために十分な粘着力を確保できる。接着剤13は、ガラスフィルム12から剥離せずにガラスフィルム12に永久的又は半永久的に接着する場合に限られず、最終的にガラスフィルム12から剥離できる場合、すなわち粘着剤も包含する。
【0036】
次に支持フィルム11および接着剤13を除去して形成された第1開孔2A、第2開孔3A、第3開孔4A、第4開孔5Aについて以下述べる。
【0037】
このうち、第1開孔2Aは図4(a)(b)(c)に示すように、支持フィルム11および接着剤13のうち、ガラスフィルム12のパターン形成領域2に対応する領域内の所望部分に設けられている。第1開孔2Aは支持フィルム11および接着剤13を切削刃による断裁あるいは型押しによるくり抜きにより形成することができる。
【0038】
ガラスフィルム12のパターン形成領域2上には、上述のように、ブラックマトリックス9(図8および図9参照)および画素パターン2a、2b、2cが形成される。なお、図4(a)(b)(c)において、ブラックマトリックスは便宜上示されていない。画素パターン2a、2b、2cの色彩、形状等の光学特性を検出するため、この画素パターン2a、2b、2cに測定光が照射されるが、支持フィルム11および接着剤13に第1開孔2Aを設けることにより、照射された測定光を確実に受光して、画素パターン2a、2b、2cの光学特性を精度良く測定することができる。
【0039】
図4(a)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、各パターン形成領域2に対応する支持フィルム11と接着剤13の領域内に1つずつの第1開孔2Aが設けられている。
【0040】
また図4(b)に示すように、ガラスフィルム12上に2面付のパターン形成領域2を設けるとともに、各パターン形成領域2に対応する支持フィルム11と接着剤13の領域内に5つずつの第1開孔2Aを設けてもよい。
【0041】
さらに図4(c)に示すように、ガラスフィルム12上に1面付のパターン形成領域2を設けるとともに、パターン形成領域2に対応する支持フィルム11と接着剤13の領域内に5つの第1開孔2Aを設けてもよい。
【0042】
なお、第1開孔2Aは必ずしもパターン形成領域2内に形成される必要はなく、パターン形成領域2の大きさによっては、支持フィルム11がガラスフィルム12を補強することができれば、パターン形成領域2全体を囲むよう第1開孔2Aを設けてもよい。
【0043】
ここで、図4(a)(b)(c)において、便宜上第1開孔2Aのみが示されているが、第2開孔3A、第3開孔4A、第4開孔5Aが形成されていてもよく、これら第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aは便宜上取り除いて示されている。
【0044】
また、第2開孔3Aは図5(a)(b)(c)に示すように、支持フィルム11および接着剤13のうちガラスフィルム12のアライメントマーク形成領域3に対応する領域に設けられている。第2開孔3Aは支持フィルム11および接着剤13を切削刃による断裁あるいは型押しによるくり抜きにより形成することができる。
【0045】
ガラスフィルム12のアライメントマーク形成領域3上には、上述のようにアライメントマーク3aが形成される。アライメントマーク3aの位置を検出するため、このアライメントマーク3aに測定光が照射されるが、支持フィルム11および接着剤13に第2開孔3Aを設けることにより、照射された測定光を確実に受光して、アライメントマーク3aの位置を精度良く測定することができる。
【0046】
アライメントマーク形成領域3はアライメントマーク3aが形成される領域であり、このアライメントマーク3aに照射される照射光10を確実に受光することができるよう、照射光10の断面積はアライメントマーク形成領域3の面積より大きいことが好ましく、また第2開孔3Aの面積はさらに照射光10の断面積より大きいことが好ましい(図10参照)。
【0047】
第2開孔3Aは少なくともアライメントマーク3aを囲むよう形成されていれば、その面積は照射光10の断面積より小さくてもかまわない。なお第2開孔3Aは必ずしもアライメントマーク3aを囲むように形成されていなくてもよく、例えばアライメントマーク3aが十字状の形状の場合は(図10参照)、このアライメントマーク3aの交差部のみを覆うように第2開孔3Aを設けてもよい。
【0048】
図5(a)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左右2つのアライメントマーク形成領域3に対応して、アライメント形成領域3を囲むように2つの第2開孔3Aが設けられている。
【0049】
また図5(b)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付のパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左下と右上の2つのアライメントマーク形成領域3に対応して、アライメント形成領域3を囲むように2つの第2開孔3Aを設けてもよい。
【0050】
さらに図5(c)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左右4つのアライメント形成領域3に対応して、アライメント形成領域3を囲むように4つの第2開孔3Aを設けてもよい。
【0051】
ここで、図5(a)(b)(c)において、便宜上、第2開孔3Aのみが示されているが、第1開孔2A、第3開孔4A、第4開孔5Aが形成されていてもよく、これら第1開孔2A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aは便宜上取り除いて示されている。
【0052】
また、第3開孔4Aは図6(a)(b)(c)に示すように、支持フィルム11および接着剤13のうち、ガラスフィルム12の貼合マーク形成領域4に対応する領域に設けられている。第3開孔4Aは支持フィルム11および接着剤13を切削刃による断裁あるいは型押しによるくり抜きにより形成することができる。
【0053】
ガラスフィルム12の貼合マーク形成領域4上には、上述のように貼合マーク4aが形成される。貼合マーク4aの位置を検出するため、この貼合マーク4aに測定光が照射されるが、支持フィルム11および接着剤13に第3開孔4Aを設けることにより、照射された測定光を確実に受光して、貼合マーク4aの位置を精度良く測定することができる。
【0054】
貼合マーク形成領域4は貼合マーク4aが形成される領域であり、この貼合マーク4aに照射される照射光10を確実に受光することができるよう、照射光10の断面積は貼合マーク形成領域4の面積より大きいことが好ましく、また第3開孔4Aの面積はさらに照射光10の断面積より大きいことが好ましい(図10参照)。
【0055】
第3開孔4Aは少なくとも貼合マーク4aを囲むよう形成されていれば、その面積は照射光10の断面積より小さくてもかまわない。なお第3開孔4Aは必ずしも貼合マーク4aを囲むように形成されていなくてもよく、例えば貼合マーク4aが十字状の形状の場合は(図10参照)、この貼合マーク4aの交差部のみを覆うように第3開孔4Aを設けてもよい。
【0056】
図6(a)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左右2つの貼合マーク形成領域4に対応して、貼合マーク形成領域4を囲むように2つの第3開孔4Aが設けられている。
【0057】
また、図6(b)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左下と右上の2つの貼合マーク形成領域4に対応して、貼合マーク形成領域4を囲むように2つの第3開孔4Aを設けてもよい。
【0058】
さらに図6(c)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の左右4つの貼合マーク形成領域4に対応して、貼合マーク形成領域4を囲むように4つの第3開孔4Aを設けてもよい。
【0059】
ここで図6(a)(b)(c)において、便宜上、第3開孔4Aのみが示されているが、第1開孔2A、第2開孔3A、第4開孔5Aが形成されていてもよく、これら第1開孔2A、第2開孔3Aおよび第4開孔5Aは便宜上取り除いて示されている。
【0060】
また、第4開孔5Aは図7(a)(b)(c)に示すように、支持フィルム11および接着剤13のうちガラスフィルム12の長寸法確認用マーク形成領域5に対応する領域に設けられている。第4開孔5Aは支持フィルム11および接着剤13を切削刃による断裁あるいは型押しによるくり抜きにより形成することができる。
【0061】
ガラスフィルム12の長寸法確認用マーク形成領域5上には、上述のように長寸法確認用マーク5aが形成される。長寸法確認用マーク5aの位置を検出するため、この長寸法確認用マーク5aに測定光が照射されるが、支持フィルム11および接着剤13に第4開孔5Aを設けることにより、照射された測定光を確実に受光して、長寸法確認用マーク5aの位置を精度良く測定することができる。
【0062】
長寸法確認用マーク形成領域5は長寸法確認用マーク5が形成される領域であり、この長寸法確認用マーク5に照射される照射光10を確実に受光することができるよう、照射光10の断面積は長寸法確認用マーク形成領域5の面積より大きいことが好ましく、また第4開孔5Aの面積はさらに照射光10の断面積より大きいことが好ましい(図10参照)。
【0063】
第4開孔5Aは少なくとも長寸法確認用マーク5aを囲むよう形成されていれば、その面積は照射光10の断面積より小さくてもかまわない。なお、第4開孔5Aは必ずしも長寸法確認用マーク5aを囲むように形成されていなくてもよく、例えば長寸法確認用マーク5aが十字状の形状の場合は(図10参照)、この長寸法確認用マーク5aの交差部のみを覆うように第4開孔5Aを設けてもよい。
【0064】
なお、図7(a)(b)に示すように、2つの長寸法確認用マーク5aが1つの第4開孔5Aにより囲まれた例を示したが、これに限らず1つの長寸法確認用マーク5aを1つの第4開孔5Aで囲ってもよく、3つ以上の長寸法確認用マーク5aを1つの第4開孔5Aで囲ってもよい。
【0065】
図7(a)に示すように、ガラスフィルム12上に4面付けのパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の多数の長寸法確認用マーク形成領域5に対応して、長寸法確認用マーク形成領域5を囲むように多数の第4開孔5Aが設けられている。
【0066】
また、図7(b)に示すように、ガラスフィルム12上に2面付のパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の多数の長寸法確認用マーク形成領域5に対応して、長寸法確認用マーク形成領域5を囲むように多数の第4開孔5Aを設けても良い。
【0067】
さらに図7(c)に示すように、ガラスフィルム12上に1面付のパターン形成領域2を設けるとともに、ガラスフィルム12上の4つの長寸法確認用マーク形成領域5に対応して、長寸法確認用マーク形成領域5を囲むように4つの第4開孔5Aを設けてもよい。
【0068】
ここで、図7(a)(b)(c)において、便宜上、第4開孔5Aのみが示されているが、第1開孔2A、第2開孔3A、第3開孔4Aが形成されていてもよく、これら第1開孔2A、第2開孔3Aおよび第3開孔4Aは便宜上取り除いて示されている、
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0069】
まず上述のように一方の主面に接着剤13が設けられた支持フィルム11が準備される。この場合、支持フィルム11および接着剤13には切削刃による断裁あるいは型押しによるくり抜きによって第1開孔2A、または第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aの少なくともいずれかの開孔が予め形成されている。
【0070】
また、第1開孔2Aは例えば、画素パターン2a、2b、2cの色彩、形状用の光学特性を検出するため測定光を照射する際用いるものであるから、第1開孔2Aの形状は
5× 5mmの形状をもつ。
【0071】
また、第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aは、各々アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aの位置を検出するため測定光を照射する際用いられるものであるから、いずれも第1開孔2Aより大きな形状、例えば1×1mmから 10×10 mmの形状をもつ。この場合、第2開孔3A、第3開孔4および第4開孔5Aの形状が 1mm未満では、測定光を確実に受光してマーク3a、4a、5aを検出することはできず、10mm超では支持フィルム11の面積が減少して、ガラスフィルム12を支持フィルム11により十分に補強することはむずかしくなる。
【0072】
次に支持フィルム11の接着剤13上にガラスフィルム12が接着され、このようにしてフレキシブル基材1Aが得られる。
【0073】
次にフレキシブル基材1Aのガラスフィルム12のうち、パターン形成領域2にブラックマトリックス9が形成される。また、ガラスフィルム12のアライメントマーク形成領域3にアライメントマーク3aが形成される場合には、ブラックマトリクス形成時と同時に形成される。ガラスフィルム12の貼合マーク形成領域4に貼合マーク4aが形成される場合や、ガラスフィルム12の長寸法確認用マーク形成領域5に長寸法確認用マーク5aが形成される場合についても同様である。なお、上述したアライメントマーク、貼号マーク、長寸法確認用マーク等のマーク類は、ブラックマトリクス形成時と同時である必要はなく、ブラックマトリクス以外のパターンと同時に形成されてもよく、あるいは、マーク類のみを単独でパターン形成してもよい。
【0074】
この場合、ガラスフィルム12に形成されるアライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aの形状は図18(a)に示すようなリング状の形状、図18(b)に示すような円形の形状、図18(c)に示すような十字状の形状、図18(d)に示すような四角形状の形状のいずれかの形状をとることができる。
【0075】
次にガラスフィルム12上のアライメントマーク3aを基準として、ガラスフィルム12のブラックマトリックス9により囲まれた空間内に、画素パターン2a、2b、2cが順次形成される。このようにしてフレキシブル基材11のガラスフィルム12上に、画素パターン2a、2b、2cと、アライメントマーク3aと、貼合マーク4aと、長寸法確認用マーク5aの少なくともいずれかのマークを設けてなるパターン付フレキシブル基材1としてカラーフィルタが得られる。
【0076】
次にガラスフィルム12上の画素パターン2a、2b、2cに対して測定光を照射して画素パターン2a、2b、2cの色彩、形状等の光学特性を検出する作用について説明する。
【0077】
まず図3(a)に示すように、パターン付フレキシブル基材1に対してガラスフィルム12の上方から測定光10を照射する。この場合、測定光10は照射部20から照射される。
【0078】
この際、支持フィルム11および接着剤13に、測定光10が通過する第1開孔2Aが形成されているため、第1開孔2Aを通過する測定光10は受光部21により確実に受光され、受光部21により受光された光に基づいて画素パターン2a、2b、2cの光学特性を精度良く検知することができる。
【0079】
受光部21により検知される光学特性としては、画素パターン2a、2b、2cの色彩、形状、透過率、および反射率が考えられる。
【0080】
すなわち、図3(b)(c)に示す比較例のように、パターン付フレキシブル基材1に第1開孔2Aがない場合、照射部20からの測定光10は支持フィルム11および接着剤13の部分で散乱して受光部21に十分に到達しないことも考えられる(図3(b))。
【0081】
あるいは照射部20からの測定光10が支持フィルム11および接着剤13によって遮断されて受光部21に全く達しないことも考えられる(図3(c))。
【0082】
これに対して本発明によれば、照射部20から照射される測定光10を第1開孔2Aを介して受光部21まで確実に導くことができる。
【0083】
次に画素パターン2a、2b、2cに照射される測定光10について詳述する。
【0084】
画素パターン2a、2b、2cの光学特性のうち、画素パターン2a、2b、2cの形状を検出する場合、測定光10としては複数の画素パターン2a、2b、2cを十分覆うだけの断面形状をもつ光が用いられる(図8)。また測定光10の断面形状は第1開孔2Aより十分小さくなっている。このことにより、各画素パターン2a、2b、2cの幅等の形状を確実に検出することができる。
【0085】
他方、画素パターン2a、2b、2cの色彩、反射率、透過率等を検出する場合、測定光10としては、各画素パターン2a、2b、2cの範囲内に入るだけの断面形状をもつ光が用いられる(図9)。また測定光10の断面形状は第1開孔2Aより十分小さくなっている。このことにより、各画素パターン2a、2b、2cの色彩、反射率、透過率等を確実に検出することができる。
【0086】
なお、図3(a)、図8および図9において照射部20から測定光10を画素パターン2a、2b、2cに照射するとともに、画素パターン2a、2b、2cを透過する光を受光部21で受光する例を示したが、照射部20から測定光10を画素パターン2a、2b、2cに照射するとともに、パターン付フレキシブル基材1側から反射する光を、照射部20と同一側に配置した受光部21により受光してもよい。
【0087】
次に図10より、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aを測定光10を用いて検出する場合について説明する。照射部20から測定部10がこれらアライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aに照射される。この場合、画素パターン2a、2b、2cを検出する場合と同様、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aに照射された測定光10は、第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aを通過して、受光部21に達する。
【0088】
そして受光部21で受光した光に基づいて、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aの位置を確実に検出することができる。
【0089】
図10に示すように、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aの位置を検出する測定光10としては、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aをいずれも覆うだけの断面形状をもつ光が用いられ、かつ測定光10の断面形状は第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aより十分に小さくなっている。
【0090】
なお、図10において、照射部20から測定光10をアライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aに照射するとともに、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aを透過する光を受光部21で受光する例を示したが、照射部20から測定光10をアライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aに照射するとともにパターン付フレキシブル基材1側から反射する光を照射部20と同一側に配置した受光部21により受光してもよい。
【0091】
次に図11乃至図17により、比較例としてのパターン付フレキシブル基材1に対して測定光10を照射した状態について述べる。
【0092】
ここで図11乃至図14は、第1開孔2Aをもたないパターン付フレキシブル基材1を示す。
【0093】
図11乃至図14において、図1乃至図10に示す本発明によるパターン付フレキシブル基材1と同一部分には同一符号を符して詳細を説明は省略する。
【0094】
図11(a)に示すように、比較例としてのパターン付フレキシブル基材1に測定光10を照射した場合、接着剤13自体によりパターン付フレキシブル基材1を透過する測定光は大きく散乱する。
【0095】
あるいは、図11(b)に示すように、パターン付フレキシブル基材1に測定光10を照射した場合、支持フィルム11自体によりパターン付フレキシブル基材1を透過する測定光が大きく散乱する。あるいは図11(c)に示すように、測定光10が支持フィルム11と接着剤13とにより大きく散乱することも考えられる。
【0096】
あるいはまた、図12(a)に示すように、測定光10が接着剤13と支持フィルム11との非平坦な界面で散乱することも考えられる。
【0097】
また、図12(b)に示すように、測定光10が接着剤13中の気泡13aにより散乱することも考えられる。
【0098】
さらに、図12(c)に示すように測定光10が接着剤13中のゴミ13bにより散乱することも考えられる。
【0099】
また、図13(a)(b)(c)に示すようにパターン付フレキシブル基材1に測定光10を照射しパターン付フレキシブル基材1からの反射光を検出する場合、ガラスフィルム12と接着剤13との界面で反射光が散乱することも考えられる。(図13(a))。
【0100】
また、パターン付フレキシブル基材1からの反射光が支持フィルム11で散乱することも考えられる(図13(b))。
【0101】
また、パターン付フレキシブル基材1からの反射光がガラスフィルム12と接着剤13との界面および支持フィルム11において散乱することも考えられる(図13(c))。
【0102】
あるいはまた、パターン付フレキシブル基材1に対して測定光10を照射した場合、パターン付フレキシブル基材1からの反射光が支持フィルム11と接着剤13との間の非平坦な界面あるいは接着剤13中で大きく散乱することが考えられる(図14(a))。
【0103】
また、パターン付フレキシブル基材1からの反射光が接着剤13中の気泡13aにより散乱することも考えられる(図14(b))。
【0104】
あるいはまた、パターン付フレキシブル基材1からの反射光が接着剤13中のゴミ13bにより散乱することも考えられる(図14(c))。
【0105】
次に、図15乃至図17により、第2開孔第3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aをもたない比較例としてのパターン付フレキシブル基材1について説明する。
【0106】
図15に示すように、支持フィルム11にへーズがある場合、パターン付フレキシブル基材1に測定光10を照射しても、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aはぼやけてみえるようになる。
【0107】
図16に示すように、支持フィルム11の透過率が低いと、パターン付フレキシブル基材11に測定光10を照射しても、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aは不明瞭となる。
【0108】
さらに図17に示すように、支持フィルム11が非透過性のものであると、パターン付フレキシブル基材1に測定光10を照射しても、アライメントマーク3a、貼合マーク4aおよび長寸法確認用マーク5aは全くみえなくなる。
【0109】
これに対して本発明によれば、パターン付フレキシブル基材1が第1開孔2A、第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aを有するので、パターン付フレキシブル基材1に照射部20から測定光10を照射した場合に、この光を受光部21により確実に受光することができる。このため、この受光部21で受光した光に基づいて、画素パターン2a、2b、2cの光学特性、アライメントマーク3aの位置、貼合マーク4aの位置、および長寸法確認用、マーク5aの位置を精度良く検出することができる。
【0110】
なお、上記実施の形態において、パターン付フレキシブル基材1としてカラーフィルタの例を示したが、これに限らず、パターン付フレキシブル基材をTFT基板、光学素子、タッチパネルセンサ等のディスプレイ部材として用いてもよく、太陽電池などのエネルギ関連部材、有機EL、無機ELなどの照明材として用いてもよい。
【実施例】
【0111】
次に、本発明の具体的実施例について述べる。
【0112】
まず、支持フィルム11として、厚さ39μm、幅300mm、長さ10mの接着剤13付きのPET製支持フィルム(日東電工社製、RP207)を準備するとともに、この接着剤13付きPET製支持フィルム11を3インチのコアに巻き取った。この接着剤13付きPET製支持フィルム11を巻き返し機(ディーエヌケー製 RM0303TK)により巻き返した際に、刃によるくり抜きで所定の箇所をくり抜き、第1開孔2A、第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aを有する接着剤13付き支持フィルム11を準備した。ここで、それぞれの開孔の大きさは5mm×5mmとした。これにロール状フレキシブルガラスフィルム12であって厚さ70μm、幅300mm、長さ10mのもの(日本電気硝子社製 OA-10G)をラミネータ(ディーエヌケー製 LM-203-SB)によりラミネートすることで、フレキシブル基材1Aを作製した。
【0113】
次に、フレキシブル基材1Aをロールtoロール塗工装置の巻き出し部にセットし、ガラスフィルム12上に、マイクログラビアにて赤色のフォトレジストを塗布した。
【0114】
続いて、レジストを塗布したフレキシブル基材1Aを露光装置の巻き出し部にセットし、フォトマスクを介し紫外線露光を施した。
【0115】
続いて、現像装置を用いて現像を行い、その後200度で15分加熱することでパターンが形成されたパターン付フレキシブル基材1を得た。
【0116】
この場合、パターンの色を測定するため、パターン形成領域2に対応する支持フィルム11および接着剤13に第1開孔2Aが形成されている。
【比較例】
【0117】
支持フィルム11および接着剤13に第1開孔2A、第2開孔3A、第3開孔4Aおよび第4開孔5Aを設けなかったこと以外は実施例と同じ方法でパターン付フレキシブル基材1を得た。
【測定結果】
【0118】
本発明によるパターン付フレキシブル基材および比較例によるパターン付フレキシブル基材について、パターン部分の色を顕微分光装置(オリンパス社製OSP-SP)にて測定した。パターン部分の位置は、開孔箇所を顕微分光装置の測定エリアに合わせ、測定部位の画像を見ながら位置を微調整し、測定位置を特定した。その結果、本発明によるパターン付フレキシブル基材11については正しく赤色のレジストピークが検出されたが、比較例によるパターン付フレキシブル基材1においては支持フィルム11における光の散乱により正しく測定できなかった。
【0119】
また、精密自動2次元測定装置AMIC1300(ソキア)にて、長寸法を測定した。パターン部分の位置は、開孔箇所を測定エリアに合わせ、測定部位の画像を見ながら位置を微調整し、測定位置を特定した。その結果、本発明によるパターン付フレキシブル基材11については正しく長寸法確認用マークが検出され正しく座標測定されたが、比較例によるパターン付フレキシブル基材1においては支持フィルム11における光の散乱により正しく長寸法確認用マークの座標を測定できなかった。
【0120】
なお、貼合マーク及びアライメントマークの検出動作についても、長寸法確認用マークと同様な方法で確認することができる。上記長寸法確認用マークの測定と同様にマーク検出を行った結果、本発明によるパターン付フレキシブル基材11については正しく貼合マーク及びアライメントマークが検出され正しく座標測定されたが、比較例によるパターン付フレキシブル基材1においては支持フィルム11における光の散乱により正しく貼合マーク及びアライメントマークの座標を測定できなかった。
【符号の説明】
【0121】
1 パターン付フレキシブル基材
1A フレキシブル基材
2 パターン形成領域
2a、2b、2c 画素パターン
2A 第1開孔
3 アライメントマーク形成領域
3a アライメントマーク
3A 第2開孔
4 貼合マーク形成領域
4a 貼合マーク
4A 第3開孔
5 長寸法確認用マーク形成領域
5a 長寸法確認用マーク
5A 第4開孔
10 測定光
11 支持フィルム
12 ガラスフィルム
13 接着剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンが形成されるパターン形成領域を有するフレキシブルなガラスフィルムと、
前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、
前記支持フィルムのうち前記パターン形成領域に対応する領域に、前記支持フィルムを除去して形成された第1開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材。
【請求項2】
マークが形成されるマーク形成領域を有するフレキシブルなガラスフィルムと、
前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、
前記支持フィルムのうち前記マーク形成領域に対応する領域に、前記支持フィルムを除去して形成されたマーク用開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材。
【請求項3】
前記マーク形成領域は、パターン形成用のアライメントマークが形成されるアライメントマーク形成領域であり、
前記支持フィルムのうち前記アライメントマーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第2開孔が設けられていることを特徴とする請求項2記載のフレキシブル基材。
【請求項4】
前記マーク形成領域は、対向する基板との貼り合せ用の貼合マークが形成される貼合マーク形成領域であり、
前記支持フィルムのうち前記貼合マーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第3開孔が設けられていることを特徴とする請求項2記載のフレキシブル基材。
【請求項5】
前記マーク形成領域は、パターンの長寸法確認用マークが形成される長寸法確認用マーク形成領域であり、
前記支持フィルムのうち前記長寸法確認用マーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第4開孔が設けられていることを特徴とする請求項2記載のフレキシブル基材。
【請求項6】
パターンが形成されるパターン形成領域を有するフレキシブルなガラスフィルムと、前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、前記支持フィルムのうち前記パターン形成領域に対応する領域内に、前記支持フィルムを除去して形成された第1開孔が設けられていることを特徴とするレキシブル基材と、前記ガラスフィルムの前記パターン形成領域に形成されたパターンとを備えたことを特徴とするパターン付フレキシブル基材。
【請求項1】
パターンが形成されるパターン形成領域を有するフレキシブルなガラスフィルムと、
前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、
前記支持フィルムのうち前記パターン形成領域に対応する領域に、前記支持フィルムを除去して形成された第1開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材。
【請求項2】
マークが形成されるマーク形成領域を有するフレキシブルなガラスフィルムと、
前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、
前記支持フィルムのうち前記マーク形成領域に対応する領域に、前記支持フィルムを除去して形成されたマーク用開孔が設けられていることを特徴とするフレキシブル基材。
【請求項3】
前記マーク形成領域は、パターン形成用のアライメントマークが形成されるアライメントマーク形成領域であり、
前記支持フィルムのうち前記アライメントマーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第2開孔が設けられていることを特徴とする請求項2記載のフレキシブル基材。
【請求項4】
前記マーク形成領域は、対向する基板との貼り合せ用の貼合マークが形成される貼合マーク形成領域であり、
前記支持フィルムのうち前記貼合マーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第3開孔が設けられていることを特徴とする請求項2記載のフレキシブル基材。
【請求項5】
前記マーク形成領域は、パターンの長寸法確認用マークが形成される長寸法確認用マーク形成領域であり、
前記支持フィルムのうち前記長寸法確認用マーク形成領域に対応する領域に、前記マーク用開孔として前記支持フィルムを除去して形成された第4開孔が設けられていることを特徴とする請求項2記載のフレキシブル基材。
【請求項6】
パターンが形成されるパターン形成領域を有するフレキシブルなガラスフィルムと、前記ガラスフィルムに接着剤を介して接着された支持フィルムとを備え、前記支持フィルムのうち前記パターン形成領域に対応する領域内に、前記支持フィルムを除去して形成された第1開孔が設けられていることを特徴とするレキシブル基材と、前記ガラスフィルムの前記パターン形成領域に形成されたパターンとを備えたことを特徴とするパターン付フレキシブル基材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−72948(P2013−72948A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210922(P2011−210922)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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