説明

フレキシブル太陽電池モジュールの設置基材への固定方法

【課題】フレキシブル太陽電池モジュールの設置基材への固定方法及び該方法により得られる構造体の提供。
【解決手段】発電部と該発電部を取り囲む非発電部からなり、そして該非発電部に単数又は複数の貫通孔を有するフレキシブル太陽電池モジュールを、設置基材に固定する方法であって、以下の工程:該フレキシブル太陽電池モジュールを該設置基材上に仮固定する工程;該フレキシブル太陽電池モジュールの非発電部に設けられた貫通孔内に硬化性樹脂を充填する工程;該フレキシブル太陽電池の非発電部と該設置基材に、またがって、かつ、該貫通孔を覆うように光硬化性プレプリグシートを貼り付ける工程;及び該光硬化性プリプレグシートに光を照射して硬化させる工程;を含む前記方法、並びに該方法により得られる構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル太陽電池モジュールの設置基材への固定方法及び該方法により得られる構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、地球温暖化対策や資源保護を目的として、再生可能エネルギーの普及が図られており、中でも太陽光発電は、発電部は可動部分が無く磨耗等による機械的な故障が起きない;発電時に廃棄物・温排水・排気・騒音・振動などの発生がなく都市部での設置が可能で送電損失が少ない;出力ピークが昼間電力需要ピークと重なり、ピーク電力の削減に効果がある等の点から、クリーンエネルギー源として優れた特徴を有しており、石油、石炭等の化石燃料の代替候補として最も有力と考えられている。そこで、太陽光発電は、普及が急速に進むとともに、発電効率の向上、コスト低減等に向けて技術開発が精力的に進められている。
【0003】
太陽光発電装置としては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池等の結晶シリコン太陽電池が最も広く普及している。結晶シリコン太陽電池は高い発電効率を有するものの、結晶シリコンは可撓性がなく、変形や衝撃に弱いため、保護ガラスと金属製のフレームを用いた太陽電池パネルとして使用されている。また、結晶性シリコン太陽電池パネルは、重量が大きく、設置のために比較的強固なフレームが必要であり、設置材料や設置工事のコストが高い、既設建築物への設置において重量の制約がある、設置可能場所が限定される等の問題がある。
【0004】
一方、アモルファスシリコン太陽電池、化合物太陽電池、有機薄膜太陽電池等、結晶シリコンを用いない薄膜太陽電池が各種提案され、一部は実用化されている。これらの薄膜太陽電池は、プラスチックフィルム、金属箔等の可撓性材料の上に太陽電池セルが形成され、更に透明なプラスチックフィルムで保護、封止することにより、屈曲性のあるフレキシブル太陽電池モジュールとして用いることができる。フレキシブル太陽電池モジュールは、保護ガラスを用いた結晶シリコン太陽電池パネルに比較して軽量であり、耐荷重の小さい既設構造物への設置、壁面への設置等を有利に実施できることが期待されている。
【0005】
以下の特許文献1には、フレキシブル太陽電池モジュールの設置方法として、太陽電池モジュールの裏面全体に補強板を設け、この補強板を屋根にボルト等の固定金具で取り付ける方法が記載されている。
【0006】
また、以下の特許文献2には、フレキシブル太陽電池モジュールの非発電領域に取付け穴を設け、さし込みピン、タッピングネジ等の固定具や固定部材を介して屋根等に設置する方法が記載されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された太陽電池モジュールは、全面補強のためモジュール重量が増大する。また、特許文献1に記載された発明と特許文献2に記載された発明のいずれにおいても、特殊な固定金具が必要であるとともに、設置基材への加工が必要であり、施工に手間がかかることによる設置のコストが高くなる。また、建築物の屋根、壁等の設置基材への穴あけ加工により、建築物が保有している、防水性、強度等を損なう虞があり、施工に細心の注意が必要であるとともに、施工場所が制約される場合がある。
【0008】
一方、以下の特許文献3には、フレキシブル太陽電池モジュールの表面全面又は周辺部の上から、未硬化の光硬化性プリプレグFRPシートを、太陽電池モジュールと設置基材にまたがって貼り付け、光硬化させることにより、フレキシブル太陽電池モジュールを該設置基材面に固定する方法が記載されている。この方法によれば、軽量なフレキシブル太陽電池モジュールの特徴を活かし、耐荷重の小さい既設建築物や壁面等への設置を簡便な操作で実施することが可能となるが、表面全面に貼り付けた場合には、硬化したFRPシートの光透過性の経時変化による変換効率の低下の虞がある(本明細書の図7参照)。また、フレキシブル太陽電池モジュールの表面フィルム又は裏面フィルムは、ETFE等比較的接着性の低い材質が用いられることが多いため、周辺のみを貼り付けた場合には、硬化後のFRPシート又は設置基材とフレキシブル太陽電池モジュールとの間の接着力が十分でなく、風圧、重力等の外力、温度変化による膨張収縮の影響等により、太陽電池モジュールの固定が不安定となる虞がある(本明細書の図8参照)。
【0009】
このように、フレキシブル太陽電池を建築物等の設置基材に設置するに際して、種々の設置工法が知られているものの、各々前記した問題を伴っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第2651121号公報
【特許文献2】特開2007−123936号公報
【特許文献3】特開2010−245343公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、建築物等の設置基材にフレキシブル太陽電池モジュールを固定するための新規方法、及び該方法により得られた新規構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、フレキシブル太陽電池モジュールを光硬化性プリプレグを用いて設置基材に固定する際に、フレキシブル太陽電池モジュールに貫通穴を形成したものを用い、該貫通孔に硬化性樹脂を充填することにより、フレキシブル太陽電池モジュールの固定を、簡単に、かつ、低コストで実施することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
【0013】
[1]発電部と該発電部を取り囲む非発電部からなり、そして該非発電部に単数又は複数の貫通孔を有するフレキシブル太陽電池モジュールを、設置基材に固定する方法であって、以下の工程:
該フレキシブル太陽電池モジュールを該設置基材上に仮固定する工程;
該フレキシブル太陽電池モジュールの非発電部に設けられた貫通孔内に硬化性樹脂を充填する工程;
該フレキシブル太陽電池の非発電部と該設置基材に、またがって、かつ、該貫通孔を覆うように光硬化性プレプリグシートを貼り付ける工程;及び
該光硬化性プリプレグシートに光を照射して硬化させる工程;
を含む前記方法。
【0014】
[2]設置基材上に、
発電部と該発電部と取り囲む非発電部からなり、そして該非発電部に単数又は複数の貫通孔を有するフレキシブル太陽電池モジュールと、
光硬化性プリプレグシートを硬化させてなるシートとを、
順に備えた構造体であって、該シートは、該太陽電池モジュールの発電部が露出するような開口部を有し、かつ、該太陽電池モジュールの非発電部と該太陽電池モジュールより外側の設置基材とに、接着しており、かつ、該非発電部に設けられた貫通孔に硬化性樹脂が充填された状態で、貫通孔を覆っている、前記構造体。
【0015】
[3]前記シートの少なくとも一箇所に切り欠きを有する、前記[2]に記載の構造体。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、フレキシブル太陽電池の設置基材への固定において、固定金具を用いず、簡易な方法により、強固に設置できるものである。
フレキシブル太陽電池モジュールは、1平方メートルあたり2kg程度と軽量であるため、結晶系シリコン太陽電池パネル(1平方メートルあたり10kg以上の重量を有する)では設置できなかった、軽量気泡コンクリート、軽量スレートやトタン等、耐荷重の小さい材料を用いた屋根に設置することができる。また、軽量でかつ強固な接着が可能なため、電柱や石垣、道路コンクリートのり面、ダムのコンクリート面等の急傾斜面や垂直面への設置も可能である。また、光硬化性プリプレグシートは硬化前には柔軟であるためフレキシブル太陽電池モジュールを曲面や凹凸のある面にも追従して設置が可能である。さらに、本発明の設置方法においては、設置基材への穴あけの必要がないため、建築物の屋根、壁等に設置する場合に、該建築物の防水性、強度等を損なうことがなく、追加の防水、補強工事の必要がなく、設置場所の制約が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の方法で設置したフレキシブル太陽電池モジュールの概略図(断面図)。
【図2】本発明の方法で設置したフレキシブル太陽電池モジュールの概略図(平面図)。
【図3】本発明の方法で設置したフレキシブル太陽電池モジュールの概略図(切り欠きを有する場合)(平面図)。
【図4】フレキシブル太陽電池モジュールの概略図(断面図)。
【図5】本発明の方法で複数のフレキシブル太陽電池のジュールを設置した例の概略図(平面図)。
【図6】本発明の方法を説明する概略図(断面図)。
【図7】特許文献3に記載する従来技術の設置方法で太陽電池モジュールを設置した図(断面図)。
【図8】特許文献3に記載する従来技術の設置方法で太陽電池モジュールを設置した図(断面図)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
前記したように、本発明は、発電部と該発電部を取り囲む非発電部からなり、そして該非発電部に複数の貫通孔を有するフレキシブル太陽電池モジュールを、設置基材に固定する方法であって、以下の工程:
該フレキシブル太陽電池モジュールを該設置基材上に仮固定する工程;
該フレキシブル太陽電池モジュールの非発電部に設けられた複数の貫通孔内に硬化性樹脂を充填する工程;
該フレキシブル太陽電池の非発電部と該設置基材に、またがって、かつ、該貫通孔を覆うように光硬化性プレプリグシートを貼り付ける工程;及び
該光硬化性プリプレグシートに光を照射して硬化させる工程;
を含む前記方法に関するものである。
【0019】
本発明で用いられるフレキシブル太陽電池モジュール(10)は、図4に例示するように、太陽電池発電素子(13)の両面が、可撓性外装材(14)によって封止された構造を有するものである。
太陽電池発電素子(13)としては、アモルファスシリコン、化合物半導体、有機薄膜等の薄膜が用いられ、これらの薄膜は、通常、スパッタリング、蒸着、コーティング等の方法により可撓性基材上に形成されるものである。
【0020】
可撓性外装材(14)としては、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE),ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン等のプラスチックフィルム、ステンレス、チタン等の金属箔を用いられており、透明性、耐久性の面から、ETFE、PVDF等のフッソ系ポリマーフィルムが好ましく用いられている。尚、フレキシブル太陽電池モジュール(10)は、前記可撓性基材を片面側の可撓性外装材として用いることもでき、また、封止材、接着剤、緩衝材等を含むこともでき、太陽電池素子に接続する配線を有するものである(図示せず)。フレキシブル太陽電池モジュール(10)の大きさは、一片が20cm〜500cm程度の正方形又は長方形とすることができ、短辺50〜100cm、長辺150cm〜400cm程度のものが好ましく用いられる。また、フレキシブル太陽電池モジュール(10)の厚さとしては、0.5mm〜5mm程度のもの、より好ましくは1〜3mm程度のものが用いられる。
【0021】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュール(10)は、発電部(16)と該発電部を取り囲む非発電部(15)からなり、そして該非発電部(15)に単数又は複数の貫通孔(12)を有する(図2参照)。すなわち、前記発電素子が存在しない非発電部(15)に表裏面を貫通した貫通孔(12)が存在する。ここで、貫通孔(12)はその中に液状の硬化性樹脂(30)が充填され(図1、図6参照)、該硬化性樹脂(30)が後述する光硬化性プリプレグ(20)と設置基材(40)との両方に接着し、かつ硬化することにより、貫通孔内の硬化性樹脂が光硬化性プリプレグ(20)及び設置基材(40)に固定一体化され、これによりフレキシブル太陽電池モジュール(10)の設置基材(40)への固定を強固なものとなる。尚、フレキシブル太陽電池モジュールの外装材が、光硬化性プリプレグシートと十分な接着性を有する場合には、貫通孔がなくても設置基材への固定は十分なものであることができるが、貫通孔に硬化性接着剤を充填する本発明の方法を用いることにより、接着の信頼性をより高めることができる。例えば、フレキシブル太陽電池モジュールの外装材がETFE、PVDF等のフッソ系ポリマーフィルムである場合には、貫通孔を設け、これに硬化性接着剤を充填することを行わないと、接着力が不十分となる虞がある。
【0022】
貫通孔(12)の形状、大きさ、数は、この目的を達するために適宜設計することができる。形状としては、角部による機械的強度の低下を防ぐため、通常円形が用いられる。また、貫通部の形成は、機械的な打ち抜き処理、レーザーによる加熱処理の方法で行なわれる。貫通部は、穴あけ処理をしたままのものでもよいが、固定力を確保するために、貫通孔の大きさにあわせた金属、樹脂等の円形部材を取り付け、いわゆるハトメとして形成することもできる。貫通孔(12)の大きさは、直径10mm〜30mm程度のものが好ましく用いられる。貫通孔(12)の数は、通常複数であるが、本発明においては単数である場合も包含される。
【0023】
本発明において、フレキシブル太陽電池モジュールを設置する設置基材(40)の材質としては、コンクリート、モルタル、軽量スレート、軽量気泡コンクリート、金属、木材、FRP等任意のものを用いることができる。設置基材(40)の形状は、平坦面、斜面、垂直面、凸面、凹面、波打ち面等の各種の面であることができる。
【0024】
図6を参照して、本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定方法を説明する。
本発明においては、必要により設置基材の表面の下地処理を行なった後、フレキシブル太陽電池モジュールを設置基材面上に仮固定する。下地処理としては、ポリマーセメントモルタルによる不陸調整、ディスクサンダー、高圧洗浄装置による洗浄、プライマーの塗布等が挙げれられる。また、仮固定の方法としては、設置基材表面又はフレキシブル太陽電池の裏面の全面又は一部に両面粘着テープ、両面接着テープを貼り付け、又は液体状接着材、液状コーキング材等を塗布しておくことが挙げられる。かかる仮固定により、平坦性の向上、位置ずれの防止を図ることができるが、仮固定の方法はこれに限定されることはなく、例えば、平面への設置の場合は特別の手段を講ずることなく、重力により仮固定が可能な場合もある。
【0025】
本発明の方法においては、フレキシブル太陽電池モジュール(10)に形成された貫通孔に、硬化性樹脂を充填する。硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ウレタン樹脂等の2液タイプの常温硬化性樹脂、又はこれらの樹脂に光重合開始剤を添加した、光硬化性樹脂等を用いることができる。本発明の方法によるフレキシブル太陽電池モジュールは、硬化性樹脂を介して設置基材により強固に固定されるためは、硬化性樹脂としては機械的強度が高く、かつ、設置基材との接着力がより高い材料を用いることが好ましい。
【0026】
このため、硬化性樹脂の圧縮強度(JIS K7208)は30N/mm2以上であることが好ましく、80N/mm以上であることがより好ましい。
また、硬化性樹脂の引っ張り剪断接着強度(JIS K6850)は、2.5N/mm以上であることが好ましく、10N/mm以上がより好ましい。
これらの機械的性能と接着強度を有する硬化性樹脂として、エポキシアクリレート樹脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
【0027】
エポキシアクリレート樹脂は、主成分であるエポキシアクリレートを反応性単量体で希釈し、硬化促進剤、重合禁止剤、無機粒子等を添加した主剤に、硬化剤として有機過酸化物を混合して硬化させるものである。
反応性単量体としては、スチレン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリ レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等が単独又は混合して用いられる。硬化促進剤として、第3級芳香族アミン類としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリールジエタノールアミン、N,N−ビスヒドロキシブチル−p−トルイジン等、ナフテン酸コバルト等が用いられ、重合禁止剤としては、ハイドロキノン類、フェノール類、クレゾール類、カテコール類、ベンゾキノン類等が用いられる。無機粒子としては、石英砂、硅砂、硅粉、セラミック粉、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、ミルコン、タルク、クレー、マイカ、火山灰、シラス、コンクリート粉、発泡コンクリート粉、ガラスフレーク、フライアッシュ、カーボンブラック、アルミナ、シリカ、ガラスマイクロバルーン、シリカバルーン等が用いられる。
【0028】
硬化剤として用いられる有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、ヒドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーオキシカーボネート類等が挙げられ、これらは、単独で、混合して、又は希釈剤で希釈して用いることができる。
【0029】
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂に、希釈剤、無機粒子等の成分を添加したものが用いられる。
【0030】
エポキシ樹脂の希釈剤としては、ブチルグリシジルエーテル、N,N’−ジグリシジル−o−トルイジン、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、エチレングリコー ルジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジ ルエーテルなどの反応性希釈剤や、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジペート、石油系溶剤等の非反応性希釈剤を使用することができ、無機粒子としては、前記エポキシアクリレート樹脂に用いた無機粒子と同じものを用いることができる。
【0031】
本発明のエポキシ樹脂は、前記したエポキシ樹脂主剤成分に、使用直前にエポキシ樹脂用硬化剤を混合したものであり、エポキシ樹脂用硬化剤としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシリレンジアミン等の脂肪族アミン系硬化剤、ジアミノジフェニ ルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン系硬化剤、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド等のアミド系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤 、アミド系硬化剤等を用いることができ、さらに無機粒子等の成分を添加することもできる。
【0032】
貫通孔(12)への硬化性樹脂の充填は、例えば、以下のような方法で行なうことができる:
・太陽電池モジュールを設置基材上に仮固定した状態で、主剤、硬化剤を混合した硬化性樹脂をコーキングガン等を用いて注入、充填する;
・太陽電池モジュールを設置基材上に仮固定した状態で、2液カートリッジを用いて主剤、硬化剤をミキシングノズルで混合しながら注入、充填する;
・太陽電池モジュールを設置基材上に仮固定した状態で、主剤、硬化剤を混合した硬化性樹脂を貫通孔を有する非発電領域上に塗布し、ヘラ等を用いて貫通孔に充填する;
・予め硬化性樹脂を設置基材上に塗布した後、太陽電池モジュールを仮固定し、必要によりヘラ等を用いて貫通孔中に充填する。
【0033】
本発明においては、硬化性樹脂を貫通孔に充填し、次いで、光硬化性プリプレグシート(20)で該貫通孔を被覆した後に、該プリプレグシートを光硬化させる。
【0034】
光硬化性プリプレグシート(20)は、光により反応硬化するゲル化状態のラジカル硬化型樹脂組成物と補強繊維からなるものであり、繊維材やメッシュ材等の補強繊維に光により反応硬化するラジカル硬化型樹脂組成物を含浸させ、増粘によってゲル状態としたものであって、光照射によって硬化及び接着が可能なものをいう。
【0035】
ここで、光により反応硬化するラジカル硬化型樹脂組成物は、ラジカル硬化型樹脂、光重合開始剤、増粘剤からなるものであり、さらに必要により、難燃剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、充填材等の添加剤を添加したものである。
ラジカル硬化型樹脂は、ラジカル活性官能基を持つモノマー又はオリゴマーであり、例えば、エポキシアクリレートやウレタンアクリレートなどのアクリレート化合物、不飽和ポリエステル樹脂などから選択することができるが、以上の例に限定されるものではなく、一種類の化合物でも、複数の化合物を成分とした混合物として用いることもできる。また、これらの化合物に、硬化反応の促進及び粘度調整のため、重合性単量体を混合したものを用いることもできる。重合性単量体としては、スチレンモノマー、ビニルトルエン、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル等の各種のビニルモノマーが挙げられる。アクリル酸エステル類としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2 − エチルヘキシルアクリレート、2 − ヒドロキシエチルアクリレート、2 − ヒドロキシプロピルアクリレート、グリシジルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。メタクリル酸エステル類としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2 − エチルヘキシルメタクリレート、2 − ヒドロキシエチルメタクリレート、2 − ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ペンタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等が挙げられる。
ラジカル硬化型樹脂は、使用温度、環境雰囲気等の環境条件に応じて適宜選択することができるが、太陽電池の主要設置場所である都市環境においては、耐熱性、耐候性、耐薬品性が優れたエポキシアクリレートが好適に用いられる。エポキシアクリレートは、ビニルエステルともよばれ、エポキシ化合物に不飽和一塩基酸を付加させることによって得られる化合物である。
【0036】
エポキシアクリレートに用いるエポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、脂肪族型、脂環式、単環式エポキシ化合物、アミン型エポキシ化合物等が挙げられる。ビスフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF 型エポキシ化合物、ビスフェノールA D 型エポキシ化合物、ビスフェノールS 型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールA 型エポキシ化合物等が挙げられ、ノボラック型エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、臭素化ノボラック型エポキシ化合物等が挙げられる。脂肪族型エポキシ化合物としては、水素添加ビスフェノールA 型エポキシ化合物、プロピレングリコールポリグリシジルエーテル化合物等が挙げられ、脂環式エポキシ化合物としては、アリサイクリックジエポキシアセタール、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビニルヘキセンジオキシド、ビニルヘキセンジオキシド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
エポキシアクリレートに用いる不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸等が挙げられ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく用いられる。
【0037】
光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドなどのアシルホスフィンオキシド型開始剤、O−アシルオキシム型開始剤等の光ラジカル硬化剤等を用いることができる。
増粘剤は、光硬化性樹脂組成物をゲル化させて、硬化前の光硬化型プリプレグシートの腰を強くし、取扱いを容易にするという利点を与える。増粘剤の種類は特に限定されないが、例えば、酸化マグネシウム等の金属酸化物、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、イソシアネート化合物、熱可塑性樹脂粉末等が好ましい。
【0038】
難燃剤は、高温下、又は火炎に晒されたときに着火、延焼を防ぐ効果を有するものであり、特に、建築物の屋上、壁に設置される場合に、建築物の火災を防止する観点から添加されるものである。難燃剤を添加する場合、リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤が好ましく用いられる。リン系難燃剤としては、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、トリクレジルホスフェート、トリ( β − クロロエチル) ホスフェート、トリ( ジクロロプロピル) ホスフェート、トリ( ジブロモプロピル) ホスフェート、2 , 3 −ジブロモプロピル− 2 , 3 − ジクロロプロピルホスフェート等が用いられる。塩素系難燃剤としては、例えば、テトラブロモ・ビスフェノールA 誘導体( T B A )、テトラブロモ・ビスフェノールS 誘導体、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエーテル等が用いられる。これらの難燃剤の添加量としては、1〜30重量%が好ましく、3〜20重量%がより好ましい。
【0039】
補強繊維としては、例えば、ガラス、ビニロン、フェノール樹脂、アラミド繊維、炭素繊維、ボロン繊維、セラミック、金属等の素材からなる織布、不織布、メッシュ、ニット、マット又はこれらの組合せを用いることができ、平織りのガラス繊維織物が好ましく用いられる。ガラス繊維としては、Eガラス(無アルカリガラス)繊維、Cガラス(含アルカリガラス)繊維、Sガラス繊維、Tガラス繊維、ARガラス繊維等が用いられ、Eガラス(無アルカリガラス繊維)の使用が好ましい。上記ガラス繊維は、シランカップリング剤、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の、被膜形成剤、潤滑剤、帯電防止剤、乳化剤等を成分とする繊維収束剤で処理したものを用いることができる。
【0040】
本発明の方法においては、図1〜図3に示すように、光硬化性プリプレグシートを、フレキシブル太陽電池モジュールの非発電部と設置基材にまたがって、かつ、硬化性樹脂が充填された貫通孔を覆うように、貼り付け、さらに、光照射を行なうことによって該シートを硬化させ、フレキシブル太陽電池モジュールを設置基材に固定一体化する。光硬化性プリプレグシート(20)は、図2に示すように、フレキシブル太陽電池モジュールの外周部である非発電部に、隙間なく連続して、貼り付けることもできるが、図3に示すように、部分的に切り欠き(隙間)(25)を設け、非連続的に、貼り付けることもできる。また、図2に示すように、各辺について、テープ状の光硬化性プリプレグシートを別々に貼り付けることもできるが、1枚の額縁状の光硬化性プリプレグシートで貼り付けることもできる。尚、発電部については、発電効率を確保するために光硬化性プリプレグシートで覆わないことが好ましいが、発電効率に大きな影響を与えない範囲で、部分的に発電部を光硬化性プリプレグシートで覆うこともできる。傾斜面又は垂直面に貼り付ける場合には、図3に示すように、下側となる一片に隙間を設けることにより、降雨時に、モジュール面に付着した汚れを含む水をプリプレグシートの接着部に溜まることなく洗い流すことができるので、かかる態様が好ましい。
【0041】
光照射としては、太陽光、紫外線蛍光灯等、光硬化性プリプレグシートが硬化する波長に出力を有する任意の光源を用いることができる。ここで、太陽光の照射による場合、通常20分程度で硬化が可能である。また、紫外線蛍光灯を用いた場合、例えば、2000μW/cmの照射強度で20分程度で硬化可能であり、これと同等な照射量で、照射強度、時間を変えて照射、硬化することもできる。また、光硬化性プリプレグシートの貼り付けに先立って、設置基材にプライマーを塗布することも接着強度を高めるために好ましく、設置基材とフレキシブル太陽電池モジュールの非発電部にプライマーを塗布することもできる。
【0042】
また、光硬化性プリプレグシートの表面には、耐光性を確保するため、光硬化後に、透明又は不透明のトップコート、遮光性塗料等を塗布することができる。
また、複数のフレキシブル太陽電池モジュールを貼り付ける場合には、図2又は図3に示す光硬化性プリプレグシートを、個々のフレキシブル太陽電池モジュール毎に複数枚用いることができるが、図5に示すように、1枚の光硬化性プリプレグを複数枚のフレキシブル太陽電池モジュールと設置基材にまたがって接着固定することもできる。
【0043】
前記した方法により、設置基材にフレキシブル太陽電池モジュールを固定することにより得られる構造体も、本発明の範囲に包含される。
かかる構造体は、設置基材上に、
発電部と該発電部と取り囲む非発電部からなり、そして該非発電部に単数又は複数の貫通孔を有するフレキシブル太陽電池モジュールと、
光硬化性プリプレグシートを硬化させてなるシートとを、
順に備えた構造体であって、該シートは、該太陽電池モジュールの発電部が露出するような開口部を有し、かつ、該太陽電池モジュールの非発電部と該太陽電池モジュールより外側の設置基材とに、接着しており、かつ、該非発電部に設けられた貫通孔に硬化性樹脂が充填された状態で、貫通孔を覆っている、前記構造体である。
【0044】
前記したように、前記シートの少なくとも一箇所に切り欠きを有する構造体も、本発明の範囲に包含される。
【実施例】
【0045】
[実施例1]
コンクリートブロック(2m×1.5m×1.5m)の垂直面に、フレキシブル太陽電池モジュール(大きさ:0.6m×1.8m、厚さ:2mm、発電素子はアモルファスシリコン、外装材は表裏ともETFE)を両面粘着テープを用いて仮固定した。ここで、フレキシブル太陽電池モジュールの外周部の非発電部(幅5cm)の4辺に、プレスにより穿孔した直径2cmの貫通孔を有するものを用いた。各貫通孔はその中心が、モジュールの外周から3cmとなるようにし、各貫通孔の中心間の間隔が4cmとなるよう、各辺に配置した。各貫通孔に、2液混合注入タイプエポキシアクリレート樹脂(旭化成ジオテック:EA−500、圧縮強度:199N/mm、引張り剪断接着強度:13.2N/mm)を注入充填し、幅100mm、厚さ1mmの光硬化性プリプレグシート(主成分;エポキシアクリレート、旭化成ジオテック AFRシートAM4)を、非発電領域とコンクリート面にまたがって、フレキシブル太陽電池モジュールの外周部に隙間なく貼り付け、直射日光で20分間硬化させた(試験体A)。1ヶ月経過後、状況を観察したところ、良好な接着状態が保たれていることを確認した。
光硬化性プリプレグシートの貼り付け時に、下側に隙間を3箇所(幅1cm)形成し、その他は試験体Aと同様に試験を行なった(試験体B)。1ヶ月経過後、状況を観察したところ、良好な接着状態が保たれ、かつ、モジュール下部の汚れが試験体Aより少なかったことを確認した。
【0046】
[実施例2]
実施例1と同様に非発電部に貫通孔を有するフレキシブル太陽電池をコンクリートに仮固定し、各貫通孔に2液混合注入タイプエポキシアクリレート樹脂を注入充填した。その後、非発電部とコンクリート面にまたがってビニルエステル系貼付けプライマー(旭化成ジオテック;A−120)を塗布した。その後、実施例1と同様に光硬化性プリプレグシートを貼付け、硬化させた。1ヶ月経過後、状況を観察し、良好な接着状態が保たれていることを確認した。
【0047】
[実施例3]
実施例1と同様に非発電部に貫通孔を有するフレキシブル太陽電池をコンクリートに仮固定した。各貫通孔に、2液混合注入タイプエポキシ樹脂(旭化成ジオテック:EX−400、圧縮強度:88.7N/mm、引張り剪断接着強度:16.5N/mm)を注入充填した。その後、実施例1と同様に光硬化性プリプレグシートを貼付け、硬化し1ヶ月経過後、良好な接着状態が保たれていることを確認した。
【0048】
[実施例4]
実施例1と同様に非発電部に貫通孔を有するフレキシブル太陽電池をコンクリートに仮固定した。各貫通孔に、エポキシアクリレート樹脂、炭酸カルシウム、微粒子シリカからなる主剤樹脂に、硬化剤のメチルエチルケトンパーオキサイドを混合した硬化性樹脂を、充填し、さらに同じ硬化性樹脂を非発電部とコンクリート面にまたがって塗布した。その後、実施例1と同様に光硬化性プリプレグシートを貼り付け、硬化させ、1ヶ月経過後、良好な接着状態が保たれていることを確認した。尚、ここで用いた硬化性樹脂の硬化物性は、圧縮強度:46N/mm、引張り剪断接着強度:3.0N/mmであった。
【0049】
[比較例1]
実施例1と同様にフレキシブル太陽電池をコンクリートに仮固定し、光硬化性プリプレグシートを貼付け、硬化させた。ここで、フレキシブル太陽電池としては、非発電部に貫通孔のないものを使用した。1ヶ月経過後、状況を観察したところ、下辺以外の3辺について、フレキシブル太陽電池と光硬化性プリプレグシートの接着部に部分的な剥離が発生していた。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の方法は、軽量気泡コンクリート、軽量スレートやトタン等の屋根、建築物の壁面、電柱や石垣、道路コンクリート法面、ダムのコンクリート面等の急傾斜面、あるいは垂直面等、各種の建築、土木構造物へのフレキシブル太陽電池モジュールの固定に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 フレキシブル太陽電池モジュール
12 貫通孔
13 太陽電池発電素子
14 可撓性外装材
15 非発電部
16 発電部
20 光硬化性プリプレグシート
25 切り欠き(隙間)
30 硬化性樹脂
40 設置基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電部と該発電部を取り囲む非発電部からなり、そして該非発電部に単数又は複数の貫通孔を有するフレキシブル太陽電池モジュールを、設置基材に固定する方法であって、以下の工程:
該フレキシブル太陽電池モジュールを該設置基材上に仮固定する工程;
該フレキシブル太陽電池モジュールの非発電部に設けられた貫通孔内に硬化性樹脂を充填する工程;
該フレキシブル太陽電池の非発電部と該設置基材に、またがって、かつ、該貫通孔を覆うように光硬化性プレプリグシートを貼り付ける工程;及び
該光硬化性プリプレグシートに光を照射して硬化させる工程;
を含む前記方法。
【請求項2】
設置基材上に、
発電部と該発電部と取り囲む非発電部からなり、そして該非発電部に単数又は複数の貫通孔を有するフレキシブル太陽電池モジュールと、
光硬化性プリプレグシートを硬化させてなるシートとを、
順に備えた構造体であって、該シートは、該太陽電池モジュールの発電部が露出するような開口部を有し、かつ、該太陽電池モジュールの非発電部と該太陽電池モジュールより外側の設置基材とに、接着しており、かつ、該非発電部に設けられた貫通孔に硬化性樹脂が充填された状態で、貫通孔を覆っている、前記構造体。
【請求項3】
前記シートの少なくとも一箇所に切り欠きを有する、請求項2に記載の構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−65599(P2013−65599A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201883(P2011−201883)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】