フレーム型キャビネットの配置構造
【課題】室内壁面に幅木が既に取り付けられている室内に配置したときに縦フレーム部材と室内壁面との間に形成される隙間を外側から見え難くして見栄えよくする。
【解決手段】幅木Kを有する室内壁面Waに接近してフレーム型キャビネット1を配置し、フレーム型キャビネット1は、前側開口部を形成して対向する左右の側片21c,21cを連結片21dで連結して上下方向へ延びる前側縦フレーム部材21と、左右の側片に嵌着して前側開口部を覆う蓋体17とを備え、蓋体17は、左右の側片21c,21cの何れか一方の側片の外側面から左右方向に沿って幅木Kの厚み寸法Kt以上に延長した覆い部17cが設けられ、覆い部17cの先端を室内壁面Waに当接又は接近させる。
【解決手段】幅木Kを有する室内壁面Waに接近してフレーム型キャビネット1を配置し、フレーム型キャビネット1は、前側開口部を形成して対向する左右の側片21c,21cを連結片21dで連結して上下方向へ延びる前側縦フレーム部材21と、左右の側片に嵌着して前側開口部を覆う蓋体17とを備え、蓋体17は、左右の側片21c,21cの何れか一方の側片の外側面から左右方向に沿って幅木Kの厚み寸法Kt以上に延長した覆い部17cが設けられ、覆い部17cの先端を室内壁面Waに当接又は接近させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチン台や収納庫等を構成するために棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを、幅木を有する室内壁面に接近して配置する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、幅木を有する室内壁面に接近してフレーム型キッチンを配置する構造には、特許文献1に記載のフレーム型キッチンに関するものがある。このフレーム型キャビネット本体は、略正方形筒状の断面形状で上下方向へ延びる複数の縦フレーム部材と、これら縦フレーム部材で支持されるカウンターとを有するものであり、脚カバーを用いて次の手順で配置されるものである。まず、室内壁面と床面のコーナー部にフロア用幅木を取り付ける前に、縦フレーム部材からなる壁面当接脚が室内壁面に当接するようにフレーム型キッチン本体を床面に載置し、壁面当接脚の下端に有するレベルアジャスターを床面に固定する。次いで、各壁面当接脚の下端部に脚カバーを取り付け、その後に、脚カバーの保持部と室内壁面との間にキッチン用幅木を上方から挿し込み、釘などで室内壁面に固定する。最後に、最も外側に位置する壁面当接脚に至るまでの領域に、フロア用幅木を取り付ける(特許文献1の段落〔0025〕参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−29366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のフレーム型キッチンの配置構造は、フロア用幅木を取り付ける前にフレーム型キッチン本体を床面に載置して、縦フレーム部材からなる壁面当接脚を室内壁面に当接させ、壁面当接脚が室内壁面に当接していない箇所にフロア用幅木を取り付けるものである。そのため、従来のフレーム型キッチンの配置を室内壁面と床面のコーナー部にフロア用幅木が既に取り付けられている室内に適用したときは、縦フレーム部材からなる脚を室内壁面に当接させることができないために、次の様な問題点を生じることになる。
【0005】
第1の問題点は、脚と室内壁面との間に隙間が形成され、フレーム型キッチン本体の外側からこの隙間が見えて見栄えが悪いことである。
第2の問題点は、従来のフレーム型キッチン本体を室内壁面に固定するときに、縦フレーム部材からなる脚に設けた挿通孔へ挿通したネジを壁面にねじ込んで固定しようとしても、脚と室内壁面の間の隙間により、ネジの締めつけ力を脚から室内壁面へ伝達させることができず、確実に固定することができない。そのため、従来のフレーム型キッチン本体では、L字型金具等の接合金具を用いて室内壁面に固定しなければならず、接合金具の取り付けに手間を要すると共に接合金具の存在により見栄えを悪くする問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するために、室内壁面に幅木が既に取り付けられている室内に配置したときに縦フレーム部材と室内壁面との間に隙間が形成されても、外側からこの隙間が見え難くして見栄えよくできるフレーム型キャビネットの配置構造の提供を目的とする。また、本発明は、フレーム型キャビネットを室内壁面へ確実に固定できるフレーム型キャビネットの配置構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
室内壁面に幅木が既に取り付けられている室内に配置したときに縦フレーム部材と室内壁面との間に形成される隙間を外側から見え難くして見栄えよくするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、前側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる前側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して前側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、上記左右の側片の何れか一方の側片の外側面から左右方向に沿って幅木の厚み寸法以上に延長した覆い部が設けられ、覆い部の先端を室内壁面に当接又は接近させたことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造である。
【0008】
室内壁面に幅木が既に取り付けられている室内に配置したときに縦フレーム部材と室内壁面との間に形成される隙間を外側から見え難くして見栄えよくするために請求項2記載の本発明が採用した手段は、幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、後側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる後側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して後側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、幅木の上方に室内壁面に沿って形成される幅木厚み寸法相当分の空間へ突出する蓋表面を有する埋め部が設けられ、蓋表面を室内壁面に当接又は接近させたことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造である。
【0009】
フレーム型キャビネットを室内壁面へ確実に固定するために請求項3記載の本発明が採用した手段は、幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、後側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる後側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して後側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、幅木の上方に室内壁面に沿って形成される幅木厚み寸法相当分の空間へ突出する蓋表面を有する埋め部が設けられ、蓋表面を室内壁面に当接させ、後側縦フレーム部材の連結片及び蓋体の各々に設けられた挿通孔を通通して室内壁面へねじ込んだネジで、後側縦フレーム部材の連結片を室内壁面に連結固定したことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明に係るフレーム型キャビネットの配置構造は、幅木を有する室内壁面に接近してフレーム型キャビネットを配置したときに、前側縦フレーム部材と室内壁面の間の隙間を、先端を室内壁面に当接又は接近させた蓋体の覆い部で覆って外側から見え難くして、見栄えよくすることができる。
【0011】
請求項2記載の本発明に係るフレーム型キャビネットの配置構造は、幅木を有する室内壁面に接近してフレーム型キャビネットを配置したときに、後側縦フレーム部材と室内壁面の間の隙間を、蓋表面を室内壁面に当接又は接近させた蓋体の埋め部で埋めて外側から見え難くして、見栄えよくすることができる。
【0012】
請求項3記載の本発明に係るフレーム型キャビネットの配置構造は、後側縦フレーム部材の連結片を室内壁面にねじ込んだネジで連結することで、フレーム型キャビネットを室内壁面へ確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るフレーム型キャビネットの配置構造の実施の形態を示すものであって、室内壁面W及び幅木Kを二点鎖線で示す正面図正面図である。
【図2】フレーム型キャビネットの配置構造を示す平面図である。
【図3】フレーム型キャビネット1の前側上端に左右方向へ配置したフレーム部材4の正面図である。
【図4】配置状態のフレーム型キャビネット1の四隅を拡大して示す中間省略した平面図である。
【図5】図(A)は左側の支持体2Aのフレーム部材21,22,23、ネジ18及び蓋体17,19を分離した状態を示す中間省略した平面図、図(B)は右側の支持体2Bのフレーム部材21,22,23、ネジ18及び蓋体15,19を分離した状態を示す中間省略した平面図である。
【図6】左右側の支持体2(2A,2B)の後側の蓋体19の別態様を示す平面図であって、(A)はフレーム部材22と蓋体19を分離した状態を示し、(B)はフレーム部材22と蓋体19を接合した状態を示すものである。
【図7】左右側の支持体2(2A,2B)の後側の蓋体19の更に別態様を示す平面図であって、(A)はフレーム部材22と蓋体19を分離した状態を示し、(B)はフレーム部材22と蓋体19を接合した状態を示すものである。
【図8】図1のE−E線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「イ」箇所の拡大図、図(C)は図(A)中の「ロ」箇所の拡大図、図(D)は図(A)中の「ハ」箇所の拡大図である。
【図9】図(A)は図8(A)中の「ニ」箇所の拡大図、図(B)は図8(A)中の「ホ」箇所の拡大図である。
【図10】図1のG−G線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「イ」箇所の拡大図である。
【図11】図1のH−H線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「ヘ」箇所の拡大図、図(C)は図(A)中の「ハ」箇所の拡大図である。
【図12】図1のJ−J線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「ロ」箇所の拡大図である。
【図13】フレーム型キャビネット1の左側の支持体を示すものであって、図(A)は支持体2Aの左側面図、図(B)は図(A)中の「イ」箇所の拡大図、図(C)は図(A)中の「ロ」箇所の拡大図、図(D)は支持体2Aと横フレーム部材4との連結箇所を拡大して示す平面図である。
【図14】フレーム型キャビネット1の斜視図であって、蹴込み板7及び蓋体15,16(16A,16B,16C)を取付ける前の状態を示すものである。
【図15】フレーム型キャビネット1を構成する複数個の支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)を左右方向へ適宜間隔で配置した状態を示す斜視図である。
【図16】支持体3(3A,3B,3C)を示す斜視図であって、図(A)は各フレーム部材及びネジを分離した状態の全体図、図(B)は前側上端の連結箇所を分離した状態の拡大図、図(C)は前側上端の連結状態を示す拡大図である。
【図17】支持体3(3A,3B,3C)の縦フレーム部材31,32と横フレーム部材33との連結箇所を拡大し且つ一部破断して示す平面図であって、図(A)はフレーム部材31,32,33、ネジ18及び蓋体16を分離した状態を示し、図(B)はフレーム部材31,32,33どうしを連結し且つ蓋体16を取付けた状態を示すものである。
【図18】支持体3(3A,3B,3C)を構成する上下方向に配置した後側のフレーム部材32と、支持体3どうしを連結する左右方向に配置した上下のフレーム部材5B,5Cとの関係を示すものであって、図(A)は分離状態を後左上方向から見た斜視図、図(B)は分離状態を示す左側面図、図(C)は連結状態を示す斜視図、図(D)は連結状態を示す左側面図である。
【図19】左右両側の支持体2(2A,2B)を示す斜視図であって、図(A)は各フレーム部材及びネジを分離した状態の全体図、図(B)は前側上端の連結箇所を分離した状態の拡大図である。
【図20】支持体3(3A,3B,3C)を構成する上下方向に配置した後側のフレーム部材32と、支持体3どうしを連結する左右方向に配置した上下のフレーム部材5B,5Cとの関係の別態様を示す斜視図であって、後側のフレーム部材32を中間省略すると共に上方のフレーム部材5Bを破断したものである。
【図21】フレーム型キャビネット1の前側上端及び前側中間の左右方向に配置する各フレーム部材4,6Aと支持体3Aとの関係を示す斜視図であって、図(A)は各フレーム部材4,6Aと支持体3Aとを分離した状態を示し、図(B)は各フレーム部材4,6Aと支持体3Aとを連結した状態を示すものである。
【図22】フレーム型キャビネット1の左側寄りに左右方向へ配置するフレーム部材6Aを支持体3Aの前側縦フレーム部材31に連結する前の状態を拡大して示すものであって、図(A)は平面図、図(B)は右側面図である。
【図23】フレーム型キャビネット1の左側寄りに左右方向へ配置するフレーム部材6Aを支持体3Aの前側縦フレーム部材31に連結した状態を拡大して示すものであって、図(A)は平面図、図(B)は右側面図である。
【図24】フレーム型キャビネット1の前側上端に左右方向へ配置するフレーム部材4と支持体3A,3Bとの関係を拡大して示すものであって、図(A)は二つの支持体3A,3Bの間にフレーム部材4の凸部4cを連結する前の状態を中間省略して示す平面図、図(B)は支持体3Bにフレーム部材4を連結する前の状態を示す右側面図、図(C)は支持体3Bにフレーム部材4を連結した状態を示す右側面図である。
【図25】フレーム型キャビネット1の前側上端に左右方向へ配置するフレーム部材4と支持体3A,3Bとの連結状態を中間省略して示す正面図である。
【図26】フレーム型キャビネット1の前側上端に左右方向へ配置するフレーム部材4の別態様を示すものであって、図(A)はフレーム部材4の凹部4e(4f)と凸部4c(4d)との境界近辺を示す正面図、図(B)は接合部の右側面図である。
【図27】支持体2,3に対する蹴込み板7の連結構造を示す右側面図である。
【図28】支持体3(3B,3C)のフレーム部材33B(33C)と引出し案内具40,40との関係を示す正面図であって、図(A)はフレーム部材33B(33C)に引出し案内具40の各引出し用受けレール41を取付ける前の状態を示し、図(B)はフレーム部材33B(33C)に取付けた各引出し用受けレール41に引出し42の片側を支持させた状態を示すものである。
【図29】フレーム型キャビネット1に引出し用受けレール41を取付けた状態の正面図である。
【図30】フレーム型キャビネット1に引出し用受けレール41を取付けた状態の一部を拡大し、引出し案内具40を介して装着した引出し42D,42E,42Fをその前板を図示省略して示す正面図である。
【図31】フレーム型キャビネット1に総ての引出し42(42A〜42F)を配置した状態を示す正面図である。
【図32】図31のa−a線で断面して拡大した右側面図である。
【図33】図32中の「イ」箇所の拡大図である。
【図34】図(A)はフレーム型キャビネットに左右の外側板47,48、天板46、コンロ44、食洗機45及び引出し42(32A〜32F),43を配置したキッチン設備を示す正面図、図(B)は図(A)中の「b」箇所の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るフレーム型キャビネットの配置構造(以下、「本発明配置構造」と言う。)を図1乃至図34に示す実施形態に基づいて説明する。
【0015】
本発明配置構造が適用される室内Rは、図1及び図2に示す如く、床面Fとでコーナー部を形成する室内壁面Wa,Wbの下端にフロア用幅木Kを取り付け、幅木Kの上方に室内壁面Wb,Wbに沿って幅木厚み寸法Kt相当分の空間Q(左側室内壁面Waに面する空間Qaと後側室内壁面Wbに面する空間Qb)が形成されている。室内壁面Wa,Wbで形成される内隅部に配置されて本発明配置構造を形成するフレーム型キャビネット1は、図14及び図15に示す如く、左右幅が狭い支持体2(2A,2B)及び左右幅が広い支持体3(3A,3B,3C)を左右方向へ適宜間隔で配置し、これら支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の上下方向に配置した前側縦フレーム部材21,31,31,31,21どうし及び後側縦フレーム部材22,32,32,32,22どうしを、左右方向に配置した前上方の左右方向横フレーム部材4、前下方の左右方向横フレーム部材5A、後上方の左右方向横フレーム部材5B及び後下方の左右方向横フレーム部材5Cで連結し、支持体2A,3A,3Bの前側縦フレーム部材21,31,31の上下中間を左右方向横フレーム部材6Aで連結し、支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31の上下中間を左右方向横フレーム部材6Bで連結し、支持体3C,2Bの前側縦フレーム部材31,21の上下中間を左右方向横フレーム部材6Cで連結したものである。また、フレーム型キャビネット1は、前上方の左右方向横フレーム部材4と上下中間の左右方向横フレーム部材6Aとの間の左寄りに縦フレーム部材8を配置し、両フレーム部材4,6Aに縦フレーム部材8の上下両端側を縦フレーム部材8の後方からネジ固定してある。
【0016】
前記フレーム型キャビネット1を構成する支持体2(2A,2B)のうち左側の室内壁面Waに接近する左側の支持体2Aは、図1,図2及び図14に示す如く、前側縦フレーム部材21に着脱自在に嵌着する蓋体17と、後側縦フレーム部材22に着脱自在に嵌着する蓋体19とを備えている。また、室内空間Rに臨む右側の支持体2Bは、前側縦フレーム部材21に着脱自在に嵌着する蓋体15と、後側縦フレーム部材22に着脱自在に嵌着する蓋体19とを備えている。更に、左右の支持体2A,2Bの間に配置される支持体3A,3B,3Cの各々は、前側縦フレーム部材31に着脱自在に嵌着する蓋体16(16A,16B,16C)と、後側縦フレーム部材32に着脱自在に嵌着する蓋体20とを備えている。これら蓋体15,16,17,19,20は、アルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の所定横断面形状の長尺素材を所定長さ寸法に切断して成形されている。
【0017】
前記左側の室内壁面Waに接近する左側の支持体2Aに備えられる前側の蓋体17は、図4及び図5(A)に示す如く、前側縦フレーム21の左右幅寸法21wと同一の左右幅寸法とした蓋本体部17bと、蓋本体部17bの裏側から突設した係止部17a,17aと、蓋本体部17bから延設されて幅木Kの厚み寸法Kt(例えば、Kt=5〜10mm)より大きい左右幅寸法17w(例えば、17w=11mm)の覆い部17cとを長手方向に沿って備えている。室内空間Rに臨む右側の支持体2Bに備えられる前側の蓋体15は、前側縦フレーム21の左右幅寸法21wと同一の左右幅寸法とした蓋本体部15bと、蓋本体部15bの裏側から突設した係止部15a,15aとを長手方向に沿って備えている。
【0018】
前記支持体2A,2Bの後側の蓋体19は、図4及び図8(A)に示す如く、後側縦フレーム22の左右幅寸法22w(前側縦フレーム21の左右幅寸法21wと同一寸法である)と同一の左右幅寸法とした蓋本体部19bと、蓋本体部19bの裏側から突設した係止部19a,19aと、蓋本体部19bから突設された埋め部19cとを長手方向に沿って備えている。埋め部19cは、その表面となる蓋表面19dが、幅木Kの上方に室内壁面Wbに沿って形成される幅木厚み寸法Kt相当分の空間Qbへ突出して室内壁面Wbに当接又は接近させるようになっており、後側縦フレーム部材22と室内壁面Wbの間の隙間を埋めるようになっている。埋め部19cにおける蓋本体部19bから蓋表面19dまでの突出寸法19wは、幅木Kの厚み寸法Kt(例えば、Kt=5〜10mm)より大きい寸法(例えば、19w=11mm)としてある。後側縦フレーム22に嵌着した蓋体19は、図8(A)に示す如く、床面Fから幅木Kの高さ寸法Khより上方に配置され、蓋体下端が幅木Kに当接しないようになっている。
【0019】
前記蓋体19は、蓋本体部19b及び埋め部19cで囲まれた内側を中空にして軽量化を図っているが、これに限定するものではなく、図示は省略したが、内側を中実にして蓋本体部19b及び埋め部19cを一枚もので形成することもある。また、蓋体19は、別態様である図6に示す如く、左右中間を省略した左右の蓋本体部19b,19bと、蓋本体部19b,19bの裏側から突設した係止部19a,19aと、蓋本体部19bから突設された埋め部19cとを長手方向に沿って備えたものを用いることも可能である。更に、蓋体19は、別態様である図7に示す如く、蓋本体部19bと、蓋本体部19bの裏側から突設した係止部19a,19aと、蓋本体部19bに貼着した一層又は複数層(本例では3層)からなる埋め部19cとを長手方向に沿って備えたものを用いることも可能である。埋め部19cを複数層で形成したときには、重ね合わせる層の枚数を調整することで、幅木Kの厚み寸法Ktに対応した厚み寸法とすことができる。
【0020】
前記支持体3(3A,3B,3C)に備えられる前側の蓋体16(16A,16B,16C)は、図17に示す如く、前側縦フレーム31の左右幅寸法31wと同一の左右幅寸法とした蓋本体部16bと、蓋本体部16bの裏側から突設した係止部16a,16aとを長手方向に沿って備えている。前記支持体3(3A,3B,3C)に備えられる後側の蓋体20は、後側縦フレーム32の左右幅寸法32w(前側縦フレーム31の左右幅寸法31wと同一寸法である)と同一の左右幅寸法とした蓋本体部20bと、蓋本体部20bから突設された埋め部20cとを長手方向に沿って備え、嵌着したときの後側縦フレーム部材32の左右の側片32cの開口側先端縁32c−1から蓋表面20dまでの突出寸法20wが幅木Kの厚み寸法Kt(例えば、Kt=5〜10mm)より大きい寸法(例えば、19w=11mm)とし、フレーム型キャビネット1を配置したときの蓋表面20dを後側の室内壁面Wbに当接又は接近させることで、幅木Kの上方に室内壁面Wbに沿って形成される空間Qbの一部を埋め部20cで埋めるようにしてある。後側縦フレーム32に嵌着した蓋体20は、図10(A),図11(A)及び図12(A)に示す如く、床面Fから幅木Kの高さ寸法Khより上方に配置され、蓋体下端が幅木Kに当接しないようになっている。なお、蓋体20は、前記蓋体19(図5参照)と左右幅寸法が異なるだけであり、図6又は図7に示す別態様の前記蓋体19の左右幅寸法を変更したものを用いることも可能である。
【0021】
左右幅の広い支持体3(3A,3B,3C)は、図15〜図17に示す如く、上下方向に配置した棒状の前側縦フレーム部材31と後側縦フレーム部材32の間に、前後方向に配置した上方、中間及び下方側の棒状の前後方向横フレーム部材33(33A,33B,33C)を横架し、前側縦フレーム部材31(32)と横フレーム部材33とを突き合わせた状態で両フレーム部材どうしをネジ(タッピングネジ)18で連結固定して枠組したものである。一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)は、アルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法で切断して、上下端側等にカッター等で切除して切欠き部31a,31b(32a,32b)を形成したものであり、対向する二つの側片31c,31c(32c,32c)の中間部どうしを中仕切となる連結片31d(32d)で連結し、二つの側片31c,31c(32c,32c)の奥側の側縁どうしを連結片31e(32e)で連結すると共に、二つの側片31c,31c(32c,32c)の手前側の側縁どうしの間を開口31h(32h)したものであって、連結片31e(32e)の連結側外側面に長手方向(上下方向)に沿って直線筋状に延びる凸部31f(32f)を設けてある。縦フレーム部材31(32)は、前後方向横フレーム部材33(33A,33B,33C)とネジ固定するために、適当個数のネジ孔14を所定位置に設けてある。ネジ孔14は、連結片31d(32d)に穿設したネジ全体挿通孔14aと、連結片31e(32e)に穿設したネジ部挿通孔14bとからなる。更に、縦フレーム部材31(32)は、二つの側片31c,31c(32c,32c)の各手前内側に、蓋体16(20)を嵌着するための係合部31g(32g)が上下方向に沿って形成されている。他方のフレーム部材である前後方向横フレーム部材33は、ネジ18が螺着するネジ受け部33a,33aを内側に設けたアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等からなる中空四角柱状素材を所定長さ寸法で切断したものであり、両端の各突き合わせ端面(小口面)33bの上下縁に凹部33c,33cを設け、前記縦フレーム部材31(32)の凸部31f(32f)と嵌合するようにしてある。
【0022】
前記支持体3(3A,3B,3C)は、図17及び図16に示す如く、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の凸部31f(32f)と他方のフレーム部材である横フレーム部材33の凹部33c,33cを嵌合させた状態で、縦フレーム部材31(32)の各ネジ孔14を挿通して横フレーム部材33のネジ受け部33aに螺着したネジ18で、縦フレーム部材31(32)と横フレーム部材33とを連結固定すると共に、縦フレーム部材31(32)の蓋用係合部31g(32g)に蓋体16(20)の係止部16a,16a(20a,20a)を嵌着して、縦フレーム部材31(32)のネジ孔14及びネジ18を蓋体16(20)で覆ってある。各ネジ18は、その頭部を縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)に当接することで、連結片31e(32e)を前後方向横フレーム部材33の各突き合わせ端面(小口面)33bに圧着させてある。なお、各ネジ18は、図示は省略したが、その頭部を縦フレーム部材31(32)の連結片31d(32d)に当接することで、連結片31e(32e)を前後方向横フレーム部材33の各突き合わせ端面(小口面)33bに圧着させることも可能である。この場合のネジ孔14は、連結片31d(32d)及び連結片31e(32e)に、頭部を挿通させることなくネジ部のみを挿通させるネジ部挿通孔14bを穿設することになる。
【0023】
前記支持体3(3A,3B,3C)は、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)の連結側外側面に凸部31f(32f)を設けると共に、他方のフレーム部材である横フレーム部材32の両端の上下縁に凹部31c(32c)を設けてあるが、これに限定するものではなく、図示は省略したが、縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)の連結側外側面に凹部を設けると共に、横フレーム部材32の両側の突き合わせ端面の上下縁に凸部を設け、凹部と凸部を嵌合させるようにすることも勿論可能である。
【0024】
左右幅の狭い支持体2(2A,2B)、図13、図14及び図19に示す如く、上下方向沿って配置した棒状の前側縦フレーム部材21と後側縦フレーム部材22の間に、前後方向に配置した上方、中間及び下方側の前後方向横フレーム部材23A,23B,23Cを横架し、前側縦フレーム部材21(22)と横フレーム部材23とを突き合わせた状態でフレーム部材どうしをネジ18で連結固定して枠組したものである。一方のフレーム部材である縦フレーム部材21(22)及び他方のフレーム部材である横フレーム部材23は、前記左右幅の広い前記支持体3の縦フレーム部材31(32)及び横フレーム部材33と同様にアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材から成形されており、幅寸法を縦フレーム部材31(32)及び横フレーム部材33の半分としてある。幅寸法を半分とするのは、幅広の支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材31が各支持体3の左右両側に配置した引出し42(42A,42C,42D,42F)(図31参照)の両方の前板で覆われるに対して、幅狭の支持体2(2A,2B)の前側縦フレーム部材21が左右の何れか一方に配置した引出し42(42A,42E,42F)の前板のみでしか覆われないためである。なお、左右の支持体2(2A,2B)は、支持体3(3A,3B,3C)の左右幅寸法と同一の左右幅寸法としたものを採用することも勿論可能である。
【0025】
前述の如く支持体3は、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の凸部31f(32f)又は凹部(図示略)と他方のフレーム部材である横フレーム部材33の凹部32c又は凸部(図示略)を嵌合させた状態で、縦フーム部材31(32)と横フレーム部材33どうしを突き合わせた状態でネジ18で固定することで、両方のフレーム部材どうしを左右方向(凸部31f(32f)の延設方向と直交する方向)について正確に位置決めして簡単に連結できることから、ジョイント金具を用いる従来に比べて連結作業工数を低減できる効果を奏する。また、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)の連結側外側面に長手方向に沿って直線状に延びる凸部31f(32f)又は凹部(図示略)を設けてあるので、連結側外側面の長手方向(上下方向)の選択した位置に他方のフレーム部材である横フレーム部材33の端面を突き合わせて簡単にネジ固定して連結できる効果を奏する。また、前記支持体2についても、支持体3の上記効果と同様の効果を奏することは勿論である。
【0026】
前記支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21どうしを左右方向に通して連結しするための前上方の左右方向横フレーム部材4は、図3、図14、図21及び図24に示す如く、上面4aを左右方向へ直線状の平面とすると共に、下面について機器(コンロや食洗機等)設置領域S1,S2(図31参照)に面する部分が他の領域に面する部分よりも高い位置となる凹凸形状とし、機器設置領域に面する凹部4e,4fと他の領域に面する凸部4b,4c,4dを形成してある。横フレーム部材4は、凹部4e,4f及び凸部4b,4c,4dに共通して備わる上半部4hと、凸部4b,4c,4dを形成する下半部4j(図24(B)参照)とを一体に形成したものであり、長手方向全域に一様に上半部4h及び下半部4jを備えるアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法に切断すると共に、下半部4jの所定箇所をカッター等で切除して凹部4e,4fを形成したものである。上半部4hは、図24に示す如く、内側にネジ受け部4kを設けた中空四角柱状に形成され、下半部4jは、上半部4hの前後下端縁から下方へ延設した前片4m及び後片4nの両下端縁を下片4qで連接すると共に内側にネジ受け部4k,4kを設け中空柱状に形成されている。横フレーム部材4は、下半部4jの前片4mに、上下縁の平坦部4r,4sの間に左右方向へ延びる指差込み用凹部4tを形成してある。
【0027】
前記左右方向横フレーム部材4と支持体2(2A,2B)との連結固定は、図13(D)及び図14に示す如く、横フレーム部材4の左右両端側の上半部4h及び下半部4jを備えた端面を、支持体2(2A,2B)の前側縦フレーム部材21の上端側の側面に当接すると共に、前側縦フレーム部材21の複数個のネジ孔14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の各ネジ受け部4kに螺着して行っている。支持体2(2A,2B)は、縦フレーム部材21,22の係合部21g,22g(図19参照)に化粧板となる蓋板15を着脱自在に装着することで、ネジ孔14及びネジ18を覆い隠すようにしてある。
【0028】
前記横フレーム部材4と支持体3A,3Bとの連結固定は、図14、図21、図24及び図25に示す如く、支持体3A,3Bの各前側縦フレーム部材31の上端側に形成した切欠き部31aに横フレーム部材4の凹部4e,4fを形成する上半部4hを嵌合すると共に、横フレーム部材4の凸部4cを形成する下半部4jの左右両端の突出端面4g,4gを支持体3A,3Bの各前側縦フレーム部材31の側片31cに当接して、各前側縦フレーム部材31の側片31c,31cに設けたネジ孔14,14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の下半部4jの各ネジ受け部4kに螺着し、一方の側片31cと横フレーム部材4をネジ固定して行っている。横フレーム部材4と支持体3A,3Bとの連結固定は、左右方向横フレーム部材4の凸部4cの突出端面4gを前側縦フレーム部材31の左右何れか一方の側面に当接させてネジ固定したので、横フレーム部材4を前側縦フレーム部材31に確実に固定できると共に、固定ネジが手前側からは見え難い前側縦フレーム部材31の側面からネジ18をねじ込んで行っているので、手前側からは目立ち難くネジ固定することができる。なお、横フレーム部材4の上半部4hと支持体3A,3Bのネジ固定は、支持体3A,3Bの各前側縦フレーム部材31の後側からのネジ固定を上方の横フレーム部材32が邪魔しているため行わず、また、横フレーム部材4の上半部4hの前面からのネジ固定もネジ頭部が露出して見栄えが悪いために勿論行っていない。
【0029】
前記横フレーム部材4と支持体3Cとの連結固定は、図14に示す如く、支持体3Cの前側縦フレーム部材31の上端側に形成した切欠き部31a(図15参照)に横フレーム部材4の凹部4fを形成する上半部4hを嵌合すると共に横フレーム部材4の凸部4dを形成する下半部4jの左両端の突出端面4gを支持体3Cの前側縦フレーム部材31に当接すると共に、図24に示す前記支持体3Aとの連結固定の場合と同様に、前側縦フレーム部材31のネジ孔14,14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の下半部4jの各ネジ受け部4kに螺着して行っている。
【0030】
前記横フレーム部材4は、下面について機器設置領域S1,S2に面する部分が他の領域に面する部分よりも高い位置となる凹凸形状となっているので、手前側から見て覆い隠すことができる上下方向の寸法について、その他の領域に面する凸部4b,4c,4dの部分に比べて機器設置領域S1,S2に面する凹部4e,4fの部分の方を小さくして機器設置に必要な設置高さ寸法を確保できるようにして、従来の左右方向横フレーム部材のように上下寸法が同一のままでは設置が困難なコンロや食洗機等の機器を機器設置領域S1,S2に設置させることが可能となり、また、その他の領域に面する凸部4b,4c,4dの部分の上下方向の寸法を大きくできることで、引き出し42B,42Eの前板表側から前板裏側へ指先を差し込む手掛け部を備えたキッチン用キャビネット1の実現についても対処できる。また、図32に示す如く、指差込み用凹部4tへ差し込んだ指先を引出し42Bの前板42Baの上縁側に容易に引っ掛けることができるので、引出し42Bの引き出し操作をし易くするできる(引出し42E(図31参照)についても同様である)。
【0031】
前記横フレーム部材4は、図14に示す如く、左側の凸部4bと凹部4eとの境界部に縦フレーム部材8を連結してある。縦フレーム部材8は、支持フレーム3の前側縦フレーム部材31の素材と同一のアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法に切断して成形されており、切欠き部8aに横フレーム部材4の凹部4eを形成する上半部4hを嵌合すると共に、横フレーム部材4の凸部4bの右端の突出端面4gを当接し、図24に示す前記支持体3Bとの連結固定の場合と同様に、ネジ孔14,14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の突出部4bの各ネジ受け部4kに螺着して連結してある。
【0032】
前記横フレーム部材4は、図14に示す如く、凹部4e,4f及び凸部4b,4c,4dに共通して備わる上半部4hと、凸部4b,4c,4dを形成する下半部4jとを一体成形したものに限定するものではなく、図26に示す如く、上半部4hと下半部4jを別体のアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材から成形し、一本の上半部4hと凸部4b,4c,4dを形成する各下半部4jをネジ18で連結して一体化したものを用いることも可能である。別体の上半部4h及び下半部4jは、突合わせ面どうしに左右長手方向へ延びる凹凸嵌合部4v,4wを形成し、凹凸嵌合部4v,4wを嵌合させて前後方向の位置決めをしている。
【0033】
図1及び図14に示すフレーム型キャビネット1の支持体2A,3A,3Bの前側縦フレーム部材21,31,31の上下方向の中間を連結する左右方向横フレーム部材6A、支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31の上下方向の中間を連結する左右方向横フレーム部材6B及び支持体3C,2Bの前側縦フレーム部材31,21の上下方向の中間を連結する左右方向横フレーム部材6Cは、図22(B)の横フレーム部材6Aの横断面形状と同一横断面形状のアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さに切断したものを用いる。長尺素材は、上片6aの前後中間から下方へ延長した後片6b及び上片6aの前縁から下方へ延長した前片6cの両下端縁を下片6dで連接すると共に内側に左右方向へ延びる複数本のネジ受け部6kを設け、各片6a,6b,6c,6dで囲まれた中空柱状部6hとなっており、前片6cの上下縁の平坦部6e,6fの間に左右方向へ延びる指差込み用凹部6gを形成してある。なお、長尺素材6は、上片6aに後片6bから突出する後半部6a−1を形成してあるが、この後半部6a−1を無くした中空柱状部6hのみのものを用いることもある。
【0034】
図1に示す如く、フレーム型キャビネット1の左側寄りに配置した左右方向横フレーム部材6Aは、左右両端面を支持体2A,3Bの前側縦フレーム部材21,31に当接し、縦フレーム部材21,31に穿設したネジ孔14へ挿通したネジ18で連結固定され(図11及び図13参照)、また、左右の中間部を食い込ませるようにして支持体3Aの前側縦フレーム部材31へ連結してある。
【0035】
横フレーム部材6Aと支持体3Aの前側縦フレーム部材31とを連結する連結構造60は、図21〜図23に示す如く、前側縦フレーム部材(特許請求の範囲に記載の「第1のフレーム部材」に相当する。以下、単に「第1のフレーム部材」という。)31に前述の如く内部に連結片31dを設けると共に、前側縦フレーム部材31の側片31c,31cの連結箇所にカッター等で切除して連結片31dへ至る切欠き部31jを設け、また、横フレーム部材(特許請求の範囲に記載の「第2のフレーム部材」に相当する。以下、単に「第2のフレーム部材」という。)6Aの上片6aの後半部6a−1にカッター等で切除して後片6bへ至る切欠き部6jを設け、前側縦フレーム部材31の切欠き部31jに横フレーム部材6Aの中空柱状部6hを嵌合させ、前側縦フレーム部材31の連結片31e及び連結片31dに設けたネジ孔14,14へ挿通したネジ18,18で前側縦フレーム部材31の連結片31dと横フレーム部材6Aの後片6bをネジ止め固定し、前側縦フレーム部材31の蓋用係合部31g,31gに蓋体16(16B,16C)の係止部16a,16aを嵌着してある。連結構造60は、横フレーム部材6Aの前側上下の平坦部6e,6fと蓋体16(16B,16C)の表面とを面一にすると共に、上片6aの後端縁を前側縦フレーム部材31の連結片31eの表面と面一にして見栄え良くある(図23参照)。なお、横フレーム部材6Aの長尺素材について、上片6aの後半部6a−1を無くした中空柱状部6hだけのものを用いる場合には、切欠き部6jを設ける必要はない。
【0036】
前記連結構造60は、従来のジョイント金具や連結金具を用いることなく前側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)31と横フレーム部材(第2のフレーム部材)6Aとを連結できるので、従来に比べて連結作業工数を低減でき、また、前側縦フレーム部材31の切欠き部31jに横フレーム部材6Aを嵌合させて、両フレーム部材31,6Aどうしを、直接にネジ止め固定して強固に連結できるので、ガタ付きの生じにくい強固な構造を実現できる。また、連結構造60は、両フレーム部材31,6Aどうしを同一仮想平面上で直交して連結させることによって、第1のフレーム部材の厚み寸法分のスペースと第2のフレーム部材の厚み寸法分のスペースの両スペースが層状的に重なり合う連結構造の場合に比べて、意匠性にも優れ、フレームの占めるスペースを少なくできる。
【0037】
図14及び図12に示す如く、前記支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31の間の上下中間に配置した左右方向横フレーム部材6Bは、左右両端面を支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31に当接し、縦フレーム部材31,31に穿設したネジ孔14へ挿通したネジ18で連結固定してある。また、図14に示す如く、前記支持体3C,2Bの前側縦フレーム部材31,21の間の上下中間に配置した左右方向横フレーム部材6Cは、左右両端面を支持体3C,2Cの前側縦フレーム部材31,21に当接し、縦フレーム部材31,21に穿設したネジ孔14へ挿通したネジ18で連結固定してある。
【0038】
図8〜図14に示すフレーム型キャビネット1の支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21の下端寄り、後側縦フレーム部材21,32,32,32,21の上端寄り及び下端寄りを連結する前下方の左右方向横フレーム部材5A、後上方の左右方向横フレーム部材5B及び後下方の左右方向横フレーム部材5Cは、横断面が図8(D)、図9(A)(B)及び図20に示すアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法に切断したものを用いる。長尺素材は、内側に左右方向へ延びる複数本のネジ受け部5kを設けた中空四角柱状部5hから突設する板部5aを長手方向へ延設したものである。
【0039】
前記前下方の左右方向横フレーム部材5Aと支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21の下端寄りとを連結する連結構造61は、図19及び図16に示す如く、各前側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)21(31)の内部に中仕切となる連結片21d(31d)を設け、各前側縦フレーム部材21(31)の側片21c,21c(31c,31c)の下端寄りに、下端を開放するようにカッター等で切除して連結片21d(31d)へ至る段状の切欠き部21b(31b)を設けると共に、切欠き部21b(31b)から連結片21d(31d)に沿って上方へ向かってスリット状の切込み部21k(31k)を設け、図8(D)、図10〜図12及び図14に示すく如く、スリット状の切込み部21k(31k)に横フレーム部材(第2のフレーム部材)5Aの板部5aの一部を挿入すると共に切欠き部21b(31b)に横フレーム部材5Aの中空柱状部5hを嵌合させ、各前側縦フレーム部材21(31)の連結片21d(31d)と横フレーム部材5Aの板部5aをネジ18でネジ止め固定してある。このネジ止めは、板部5aの前側から下孔5b(図18(A)参照)へネジ18を挿入し、連結片21d(31d)に螺着して行われる。更に、連結構造61は、各前側縦フレーム部材21(31)の蓋用係合部21g(31g)に蓋体15又は17(16)の係止部15a,15a又は17a,17a(16a,16a)を嵌着して、横フレーム部材5の中空柱状部5hの前側表面と蓋体15又は17(16)の表面とを面一にして見栄えよくしてある。
【0040】
前記後上方の左右方向横フレーム部材5Bと支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の後側縦フレーム部材22,32,32,32,22の上端寄りとを連結する連結構造62は、図15に示す如く、各後側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)22(32)の内部に中仕切片22d(32d)を設けると共に、各後側縦フレーム部材22(32)の側片22c,22c(32c,32c)の上端寄りに、上端を開放するようにカッター等で切除して中仕切片22d(32d)へ至る段状の切欠き部22a(32a)を設けると共に、切欠き部22a(32a)から中仕切片22d(32d)に沿って下方へ向かってスリット状の切込み部22k(32k)を設け、図9(A)及び図18に示す如く、スリット状の切込み部22k(32k)に横フレーム部材(第2のフレーム部材)5Bの板部5aの一部を挿入すると共に切欠き部22a(32a)に横フレーム部材5Bの中空柱状部5hを嵌合させ、各後側縦フレーム部材22(32)の中仕切片22d(32d)と横フレーム部材5Bの板部5aをネジ18でネジ止め固定してある。更に、連結構造62は、各後側縦フレーム部材22(32)の蓋用係合部22g(32g)に蓋体19(20)の係止部19a,19a(20a,20a)を嵌着して、蓋体19(20)の表面を横フレーム部材5Bの中空柱状部5hの後側表面から後方へ突出させてある。
【0041】
前記後下方の左右方向横フレーム部材5Cと支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の後側縦フレーム部材22,32,32,32,22の下端寄りとを連結する連結構造63は、図15に示す如く、各後側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)22(32)の内部に中仕切片22d(32d)を設けると共に、各後側縦フレーム部材22(32)の側片22c,22c(32c,32c)の下端寄りに、下端を開放するようにカッター等で切除して中仕切片22d(32d)へ至る段状の切欠き部22b(32b)を設けると共に、切欠き部22b(32b)から中仕切片22d(32d)に沿って上方へ向かってスリット状の切込み部22k(32k)を設け、図9(B)及び図18に示す如く、スリット状の切込み部22k(32k)に横フレーム部材(第2のフレーム部材)5Cの板部5aの一部を挿入すると共に切欠き部22b(32b)に横フレーム部材5Cの中空柱状部5hを嵌合させ、各後側縦フレーム部材21(32)の連結片21d(31d)と横フレーム部材5Cの板部5aをネジ18でネジ止め固定してある。更に、連結構造63は、各後側縦フレーム部材22(32)の蓋用係合部22g(32g)に蓋体19(20)の係止部19a,19a(20a,20a)を嵌着して、蓋体19(20)の表面を横フレーム部材5Cの中空柱状部5hの後側表面から後方へ突出させ、中空柱状部5hの後側表面を幅木Kに接近又は当接させると共に、蓋体19(20)の表面を後側の室内壁面Wbに当接又は接近させてある。
【0042】
なお、横フレーム部材5B,5Cは、図20に示す如く、支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の隣接する支持体の左右間隔寸法を確保するために、板部5aの差込先端縁の所定位置に二個一組の位置決用切込み部5n,5nの複数組を各支持体2,3のスリット状の切込み部22k(32k)に対応する位置に設け、各組の位置決用切込み部5n,5nを後側縦フレーム部材22(32)の切込み部22k(32k)の奥側縁部に係合させることもある。横フレーム部材5Aについても同様に、図示は省略したが、二個一組の位置決用切込み部5n,5nの複数組を各支持体2,3に対応する位置に設け、各組の位置決用切込み部5n,5nを前側縦フレーム部材21(31)の切込み部21k(31k)の奥側縁部に係合させることもある。
【0043】
前記連結構造61,62及び63は、各後側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)21(32)のスリット状の切込み部21k,31k(22k,32k)に挿入する横フレーム部材5A(5B,5C)の板部5aが、横フレーム部材(第2のフレーム部材)5A(5B,5C)の部材長手方向に沿って設けた板部5aの一部からなるために変形し難く、この変形し難い板部5aの一部を後側縦フレーム部材21(32)の連結片21d(32d)にネジ止め固定することで、縦フレーム部材21(32)と横フレーム部材5A(5B,5C)の連結を強固にすることができる。
【0044】
前記支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21の下端寄りと蹴込み板7とを連結する連結構造64は、図14及び図15に示す如く、各前側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)21(31)の下端寄りに設けた前記切欠き部21b(31b)に、前記横フレーム部材5Aの下面に当接又は接近させるようにして蹴込み板(第2のフレーム部材)7を左右方向に配置し、図27に示す如く、各前側縦フレーム部材21(31)の下端寄り後側に設けたネジ孔14へ挿通したネジ50で、各前側縦フレーム部材21(31)の連結片21d(31d)に蹴込み板7をネジ固定して連結してある。なお、蹴込み板7は、連結する相手を総ての前側縦フレーム部材とする必要はなく、ガタ付きなく連結できる本数の前側縦フレーム部材を選択することができる。
【0045】
前記フレーム型キャビネット1は、図28〜図32に示す如く、備える引出し42(42A〜42F)を案内する引出し案内具40の引出し受けレール41を手間をかけずに所定高さ位置へ正確に固定できるレール固定構造65を採用している。このレール固定構造65は、前記支持体2(2A,2B)を構成する前後方向横フレーム部材23B,23C及び支持体3(3A,3B,3C)を構成する前後方向横フレーム部材33B,33Cの左右側面23k,33kに前後方向へ延びる上下位置決め用の嵌合部23m(図19参照),33m(図16参照)を設け、この嵌合部23m,33mに引出し受けレール41の被嵌合部41dを嵌着して引出し受けレール41の上下位置決めを行うと共に、前後方向横フレーム部材33B,33Cに引出し受けレール41をネジ49(図28及び図32参照)で取付け固定してある。
【0046】
前後方向横フレーム部材23B,23C(33B,33C)を得るためのアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等からなる中空四角柱状素材は、側面23k,33kに凹状又は凸状(図示省略)の嵌合部23m,33m(図19及び図16参照)を設けたものが用いられる。引出し受けレール41は、図28に示す如く、横フレーム部材23B,23C(33B,33C)に取付け固定されるキャリアレール41aと、引出し42を受け止める引出しレール41bと、キャリアレール41aと引出しレール41bの間にスライド可能に配置した中間レール4cとを備え、キャリアレール41aの側面に、この側面の長手方向(前後方向)に沿って凸状又は凹状(図示省略)の被嵌合部41dを設け、横フレーム部材23B,23C(33B,33C)の嵌合部23m,33mに被嵌合部41dを嵌着できるようにしてある。嵌合部23m,33mと被嵌合部41dの嵌め合いは、嵌着したときに、引出し受けレール41が横フレーム部材23B,23C(33B,33C)に対して上下方向にズレない程度としてある。引出し案内具40は、引出し受けレール41を覆い隠すためのカバー39を備え、引出し42(42A〜42F)を格納する空間に面する横フレーム部材23B,23C(33B,33C)の側面23k,33kに設けられる。
【0047】
引出し42(42A〜42F)は、図30に示す如く、左右両側が引出し受けレール41で支持されて前後移動自在に配置され、引出し43は、左右幅が狭いため、片側のみが引出し受けレール41で支持されて前後移動自在に配置される。
【0048】
フレーム型キャビネット1における引出し受けレール41の固定構造は、支持体支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21(31)び後側縦フレーム部22(32)に連結して所定の上下位置に配置した前後方向横フレーム部材23(23B,23C)、33(33B,33C)の上下位置決め用の嵌合部23m,33mに、引出し受けレール41の被嵌合部41dを嵌着して引出し受けレール41の上下位置決めをしているので、レール取付金具を用いる従来の固定構造に比べて、多くの手間をかけずに引出し受けレール41を所定高さ位置に正確に固定することができる。
【0049】
上述の如くフレーム型キャビネット1は、図14に示す如く、前後方向に対をなす縦部材としの二本の縦フレーム部材(第1のフレーム部材)21,22、(31,32)どうしを前後方向に配置した棒状の横フレーム部材(第3のフレーム部材)23(23A,23B,23C)、33(33A,33B,33C)で連結してなる複数の支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)を左右方向へ適宜間隔で配置し、これら支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の前側の縦フレーム部材21,31,31,31,21及び後側の縦フレーム部材22,32,32,32,22どうしを、前側の左右方向に配置した横フレーム部材(第2のフレーム部材)4,5A及び後側の左右方向に配置した横フレーム部材(第2のフレーム部材)5B,5Cで強固に連結することで、頑丈に組み立てられている。
【0050】
前記連結構造60は、棒状の第1のフレーム部材として上下方向に沿って配置した縦フレーム部材31と、棒状の第2のフレーム部材である左右方向に沿って配置した横フレーム部材6Aとを用いてキッチン用のフレーム型キャビネット1の一部を構成しているが、キッチン用に限定するものではなく、図示は省略したが、第1のフレーム部材を左右方向に沿って配置する共に第2のフレーム部材を上下方向に沿って配置し、第1のフレーム部材の内部に中仕切片を設けると共に、第1のフレーム部材の連結箇所に中仕切片へ至る切欠き部を設け、第1のフレーム部材の切欠き部に第2のフレーム部材を嵌合させ、第1のフレーム部材の中仕切片と第2のフレーム部材をネジ止め固定してフレーム型キャビネットの一部を構成するようにしてもよい。
【0051】
同様に、前記連結構造61,62,63は、棒状の第1のフレーム部材として上下方向に沿って配置した縦フレーム部材21(22)又は31(32)と、棒状の第2のフレーム部材である左右方向に沿って配置した横フレーム部材5A(5B,5C)とを用いてキッチン用のフレーム型キャビネット1の一部を構成しているが、キッチン用に限定するものではなく、図示は省略したが、第1のフレーム部材を左右方向に沿って配置する共に第2のフレーム部材を上下方向に沿って配置し、第1のフレーム部材の内部に中仕切片を設けると共に、第1のフレーム部材の連結箇所に中仕切片へ至る切欠き部を設け、第1のフレーム部材の切欠き部に第2のフレーム部材を嵌合させ、第1のフレーム部材の中仕切片と第2のフレーム部材をネジ止め固定してフレーム型キャビネットの一部を構成するようにしてもよい。
【0052】
前述の如く構成されたフレーム型キャビネット1は、図1,図2及び図4に示す如く、幅木Kが既に取り付けられいる左側の室内壁面Wa及び後側の室内壁面Wbの交差する内隅部へ配置されて本発明配置構造を形成する。配置されたフレーム型キャビネット1は、後下方の左右方向横フレーム部材5Cを、後側の室内壁面Wbに取り付けられている幅木Kに接近又は当接させる(図8(A),図9(B),図10(A),図11(A)及び図12(A)参照)。フレーム型キャビネット1の前下に蹴込み板7を取り付けるときには、図34(B)に示す如く、蹴込み板7の左端に切欠き部7aを設けて幅木Kとの衝突を回避するとよい。
【0053】
フレーム型キャビネット1に設けられている前・左側の蓋体17は、図4及び図13(D)に示す如く、覆い部17cの先端を左側の室内壁面Waに当接又は接近させ、前側縦フレーム部材21と室内壁面Waの間の隙間を覆い部17cで覆うことで、室内壁面Waとフレーム型キャビネット1の間の空間Qaを室内空間Rから見え難くして見栄えよくできる。また、後・右側側の蓋体19は、図2及び図4に示す如く、蓋表面19dを室内壁面Wbに当接又は接近させ、後側縦フレーム部材22と室内壁面Wbの間の隙間を埋め部19cで埋めることで、室内壁面Wbとフレーム型キャビネット1の間の空間Qbを室内空間Rから見え難くして見栄えよくできる。なお、右側に室内壁面Waがある室内レイアウトのときには、図示は省略したが図4の場合と左右対称となり、フレーム型キャビネット1の右側の支持体2Bの前に蓋体17を嵌着して、蓋体17の覆い部17cの先端を右側の室内壁面Waに当接又は接近させて、前側縦フレーム部材21と室内壁面Waの間の隙間を覆い部17cで覆うことで、右側の室内壁面Waとフレーム型キャビネット1の間の空間Qaを室内空間Rから見え難くして見栄えよくできる。
【0054】
フレーム型キャビネット1を後側の室内壁面Wbへ固定するときには、図4及び図17(B)に示す如く、複数個の蓋体19,20のうちの任意の蓋体19(20)の蓋表面19d(20d)を室内壁面Wbに当接させ、後側縦フレーム部材22(32)の連結片22d(32d)並びに蓋体19(20)の蓋本体部19b(20b)及び埋め部19c(20c)の各々に設けた挿通孔を通通させて室内壁面Wbへねじ込んだネジ24で、後側縦フレーム部材22(32)の連結片22d(32d)を室内壁面Wbに確実に固定して本発明配置構造とする。このネジ24のねじ込みにより生じた反力は、室内壁面Wbから蓋体19(20)の蓋表面19d(20d)、埋め部19c(20c)、蓋本体部19b(20b)及び後側縦フレーム22(32)の側片22c,22c(32c,32c)を介して連結片22d(32d)へ伝達される。
【産業上の利用可能性】
【0055】
前記フレーム型キャビネット1は、キッチン設備に用いる以外に、洗面器及び水栓を備えた洗面設備、または天板をカウンターとする収納庫等等に適用して、幅木Kの取り付けられた室内壁面Wa,Wbを有する室内に配置して本発明配置構造とすることもある。
【符号の説明】
【0056】
1…フレーム型キャビネット、2…支持体、3…支持体、15…蓋体、16…蓋体、17…蓋体、17c…覆い部、19…蓋体、19c…埋め部、18…ネジ、24…ネジ、20…蓋体、20c…埋め部、21…前側縦フレーム部材、21c…側片,21d…連結片、22…後側縦フレーム部材、22c…側片、22d…連結片、23…前後方向横フレーム部材、31…前側縦フレーム部材、32…後側縦フレーム部材、33…前後方向横フレーム部材、K…幅木、Kt…厚み寸法、Wa,Wb…室内壁面
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチン台や収納庫等を構成するために棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを、幅木を有する室内壁面に接近して配置する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、幅木を有する室内壁面に接近してフレーム型キッチンを配置する構造には、特許文献1に記載のフレーム型キッチンに関するものがある。このフレーム型キャビネット本体は、略正方形筒状の断面形状で上下方向へ延びる複数の縦フレーム部材と、これら縦フレーム部材で支持されるカウンターとを有するものであり、脚カバーを用いて次の手順で配置されるものである。まず、室内壁面と床面のコーナー部にフロア用幅木を取り付ける前に、縦フレーム部材からなる壁面当接脚が室内壁面に当接するようにフレーム型キッチン本体を床面に載置し、壁面当接脚の下端に有するレベルアジャスターを床面に固定する。次いで、各壁面当接脚の下端部に脚カバーを取り付け、その後に、脚カバーの保持部と室内壁面との間にキッチン用幅木を上方から挿し込み、釘などで室内壁面に固定する。最後に、最も外側に位置する壁面当接脚に至るまでの領域に、フロア用幅木を取り付ける(特許文献1の段落〔0025〕参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−29366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のフレーム型キッチンの配置構造は、フロア用幅木を取り付ける前にフレーム型キッチン本体を床面に載置して、縦フレーム部材からなる壁面当接脚を室内壁面に当接させ、壁面当接脚が室内壁面に当接していない箇所にフロア用幅木を取り付けるものである。そのため、従来のフレーム型キッチンの配置を室内壁面と床面のコーナー部にフロア用幅木が既に取り付けられている室内に適用したときは、縦フレーム部材からなる脚を室内壁面に当接させることができないために、次の様な問題点を生じることになる。
【0005】
第1の問題点は、脚と室内壁面との間に隙間が形成され、フレーム型キッチン本体の外側からこの隙間が見えて見栄えが悪いことである。
第2の問題点は、従来のフレーム型キッチン本体を室内壁面に固定するときに、縦フレーム部材からなる脚に設けた挿通孔へ挿通したネジを壁面にねじ込んで固定しようとしても、脚と室内壁面の間の隙間により、ネジの締めつけ力を脚から室内壁面へ伝達させることができず、確実に固定することができない。そのため、従来のフレーム型キッチン本体では、L字型金具等の接合金具を用いて室内壁面に固定しなければならず、接合金具の取り付けに手間を要すると共に接合金具の存在により見栄えを悪くする問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するために、室内壁面に幅木が既に取り付けられている室内に配置したときに縦フレーム部材と室内壁面との間に隙間が形成されても、外側からこの隙間が見え難くして見栄えよくできるフレーム型キャビネットの配置構造の提供を目的とする。また、本発明は、フレーム型キャビネットを室内壁面へ確実に固定できるフレーム型キャビネットの配置構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
室内壁面に幅木が既に取り付けられている室内に配置したときに縦フレーム部材と室内壁面との間に形成される隙間を外側から見え難くして見栄えよくするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、前側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる前側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して前側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、上記左右の側片の何れか一方の側片の外側面から左右方向に沿って幅木の厚み寸法以上に延長した覆い部が設けられ、覆い部の先端を室内壁面に当接又は接近させたことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造である。
【0008】
室内壁面に幅木が既に取り付けられている室内に配置したときに縦フレーム部材と室内壁面との間に形成される隙間を外側から見え難くして見栄えよくするために請求項2記載の本発明が採用した手段は、幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、後側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる後側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して後側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、幅木の上方に室内壁面に沿って形成される幅木厚み寸法相当分の空間へ突出する蓋表面を有する埋め部が設けられ、蓋表面を室内壁面に当接又は接近させたことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造である。
【0009】
フレーム型キャビネットを室内壁面へ確実に固定するために請求項3記載の本発明が採用した手段は、幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、後側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる後側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して後側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、幅木の上方に室内壁面に沿って形成される幅木厚み寸法相当分の空間へ突出する蓋表面を有する埋め部が設けられ、蓋表面を室内壁面に当接させ、後側縦フレーム部材の連結片及び蓋体の各々に設けられた挿通孔を通通して室内壁面へねじ込んだネジで、後側縦フレーム部材の連結片を室内壁面に連結固定したことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明に係るフレーム型キャビネットの配置構造は、幅木を有する室内壁面に接近してフレーム型キャビネットを配置したときに、前側縦フレーム部材と室内壁面の間の隙間を、先端を室内壁面に当接又は接近させた蓋体の覆い部で覆って外側から見え難くして、見栄えよくすることができる。
【0011】
請求項2記載の本発明に係るフレーム型キャビネットの配置構造は、幅木を有する室内壁面に接近してフレーム型キャビネットを配置したときに、後側縦フレーム部材と室内壁面の間の隙間を、蓋表面を室内壁面に当接又は接近させた蓋体の埋め部で埋めて外側から見え難くして、見栄えよくすることができる。
【0012】
請求項3記載の本発明に係るフレーム型キャビネットの配置構造は、後側縦フレーム部材の連結片を室内壁面にねじ込んだネジで連結することで、フレーム型キャビネットを室内壁面へ確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るフレーム型キャビネットの配置構造の実施の形態を示すものであって、室内壁面W及び幅木Kを二点鎖線で示す正面図正面図である。
【図2】フレーム型キャビネットの配置構造を示す平面図である。
【図3】フレーム型キャビネット1の前側上端に左右方向へ配置したフレーム部材4の正面図である。
【図4】配置状態のフレーム型キャビネット1の四隅を拡大して示す中間省略した平面図である。
【図5】図(A)は左側の支持体2Aのフレーム部材21,22,23、ネジ18及び蓋体17,19を分離した状態を示す中間省略した平面図、図(B)は右側の支持体2Bのフレーム部材21,22,23、ネジ18及び蓋体15,19を分離した状態を示す中間省略した平面図である。
【図6】左右側の支持体2(2A,2B)の後側の蓋体19の別態様を示す平面図であって、(A)はフレーム部材22と蓋体19を分離した状態を示し、(B)はフレーム部材22と蓋体19を接合した状態を示すものである。
【図7】左右側の支持体2(2A,2B)の後側の蓋体19の更に別態様を示す平面図であって、(A)はフレーム部材22と蓋体19を分離した状態を示し、(B)はフレーム部材22と蓋体19を接合した状態を示すものである。
【図8】図1のE−E線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「イ」箇所の拡大図、図(C)は図(A)中の「ロ」箇所の拡大図、図(D)は図(A)中の「ハ」箇所の拡大図である。
【図9】図(A)は図8(A)中の「ニ」箇所の拡大図、図(B)は図8(A)中の「ホ」箇所の拡大図である。
【図10】図1のG−G線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「イ」箇所の拡大図である。
【図11】図1のH−H線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「ヘ」箇所の拡大図、図(C)は図(A)中の「ハ」箇所の拡大図である。
【図12】図1のJ−J線で断面した右側面図であって、図(A)は全体図、図(B)は図(A)中の「ロ」箇所の拡大図である。
【図13】フレーム型キャビネット1の左側の支持体を示すものであって、図(A)は支持体2Aの左側面図、図(B)は図(A)中の「イ」箇所の拡大図、図(C)は図(A)中の「ロ」箇所の拡大図、図(D)は支持体2Aと横フレーム部材4との連結箇所を拡大して示す平面図である。
【図14】フレーム型キャビネット1の斜視図であって、蹴込み板7及び蓋体15,16(16A,16B,16C)を取付ける前の状態を示すものである。
【図15】フレーム型キャビネット1を構成する複数個の支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)を左右方向へ適宜間隔で配置した状態を示す斜視図である。
【図16】支持体3(3A,3B,3C)を示す斜視図であって、図(A)は各フレーム部材及びネジを分離した状態の全体図、図(B)は前側上端の連結箇所を分離した状態の拡大図、図(C)は前側上端の連結状態を示す拡大図である。
【図17】支持体3(3A,3B,3C)の縦フレーム部材31,32と横フレーム部材33との連結箇所を拡大し且つ一部破断して示す平面図であって、図(A)はフレーム部材31,32,33、ネジ18及び蓋体16を分離した状態を示し、図(B)はフレーム部材31,32,33どうしを連結し且つ蓋体16を取付けた状態を示すものである。
【図18】支持体3(3A,3B,3C)を構成する上下方向に配置した後側のフレーム部材32と、支持体3どうしを連結する左右方向に配置した上下のフレーム部材5B,5Cとの関係を示すものであって、図(A)は分離状態を後左上方向から見た斜視図、図(B)は分離状態を示す左側面図、図(C)は連結状態を示す斜視図、図(D)は連結状態を示す左側面図である。
【図19】左右両側の支持体2(2A,2B)を示す斜視図であって、図(A)は各フレーム部材及びネジを分離した状態の全体図、図(B)は前側上端の連結箇所を分離した状態の拡大図である。
【図20】支持体3(3A,3B,3C)を構成する上下方向に配置した後側のフレーム部材32と、支持体3どうしを連結する左右方向に配置した上下のフレーム部材5B,5Cとの関係の別態様を示す斜視図であって、後側のフレーム部材32を中間省略すると共に上方のフレーム部材5Bを破断したものである。
【図21】フレーム型キャビネット1の前側上端及び前側中間の左右方向に配置する各フレーム部材4,6Aと支持体3Aとの関係を示す斜視図であって、図(A)は各フレーム部材4,6Aと支持体3Aとを分離した状態を示し、図(B)は各フレーム部材4,6Aと支持体3Aとを連結した状態を示すものである。
【図22】フレーム型キャビネット1の左側寄りに左右方向へ配置するフレーム部材6Aを支持体3Aの前側縦フレーム部材31に連結する前の状態を拡大して示すものであって、図(A)は平面図、図(B)は右側面図である。
【図23】フレーム型キャビネット1の左側寄りに左右方向へ配置するフレーム部材6Aを支持体3Aの前側縦フレーム部材31に連結した状態を拡大して示すものであって、図(A)は平面図、図(B)は右側面図である。
【図24】フレーム型キャビネット1の前側上端に左右方向へ配置するフレーム部材4と支持体3A,3Bとの関係を拡大して示すものであって、図(A)は二つの支持体3A,3Bの間にフレーム部材4の凸部4cを連結する前の状態を中間省略して示す平面図、図(B)は支持体3Bにフレーム部材4を連結する前の状態を示す右側面図、図(C)は支持体3Bにフレーム部材4を連結した状態を示す右側面図である。
【図25】フレーム型キャビネット1の前側上端に左右方向へ配置するフレーム部材4と支持体3A,3Bとの連結状態を中間省略して示す正面図である。
【図26】フレーム型キャビネット1の前側上端に左右方向へ配置するフレーム部材4の別態様を示すものであって、図(A)はフレーム部材4の凹部4e(4f)と凸部4c(4d)との境界近辺を示す正面図、図(B)は接合部の右側面図である。
【図27】支持体2,3に対する蹴込み板7の連結構造を示す右側面図である。
【図28】支持体3(3B,3C)のフレーム部材33B(33C)と引出し案内具40,40との関係を示す正面図であって、図(A)はフレーム部材33B(33C)に引出し案内具40の各引出し用受けレール41を取付ける前の状態を示し、図(B)はフレーム部材33B(33C)に取付けた各引出し用受けレール41に引出し42の片側を支持させた状態を示すものである。
【図29】フレーム型キャビネット1に引出し用受けレール41を取付けた状態の正面図である。
【図30】フレーム型キャビネット1に引出し用受けレール41を取付けた状態の一部を拡大し、引出し案内具40を介して装着した引出し42D,42E,42Fをその前板を図示省略して示す正面図である。
【図31】フレーム型キャビネット1に総ての引出し42(42A〜42F)を配置した状態を示す正面図である。
【図32】図31のa−a線で断面して拡大した右側面図である。
【図33】図32中の「イ」箇所の拡大図である。
【図34】図(A)はフレーム型キャビネットに左右の外側板47,48、天板46、コンロ44、食洗機45及び引出し42(32A〜32F),43を配置したキッチン設備を示す正面図、図(B)は図(A)中の「b」箇所の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るフレーム型キャビネットの配置構造(以下、「本発明配置構造」と言う。)を図1乃至図34に示す実施形態に基づいて説明する。
【0015】
本発明配置構造が適用される室内Rは、図1及び図2に示す如く、床面Fとでコーナー部を形成する室内壁面Wa,Wbの下端にフロア用幅木Kを取り付け、幅木Kの上方に室内壁面Wb,Wbに沿って幅木厚み寸法Kt相当分の空間Q(左側室内壁面Waに面する空間Qaと後側室内壁面Wbに面する空間Qb)が形成されている。室内壁面Wa,Wbで形成される内隅部に配置されて本発明配置構造を形成するフレーム型キャビネット1は、図14及び図15に示す如く、左右幅が狭い支持体2(2A,2B)及び左右幅が広い支持体3(3A,3B,3C)を左右方向へ適宜間隔で配置し、これら支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の上下方向に配置した前側縦フレーム部材21,31,31,31,21どうし及び後側縦フレーム部材22,32,32,32,22どうしを、左右方向に配置した前上方の左右方向横フレーム部材4、前下方の左右方向横フレーム部材5A、後上方の左右方向横フレーム部材5B及び後下方の左右方向横フレーム部材5Cで連結し、支持体2A,3A,3Bの前側縦フレーム部材21,31,31の上下中間を左右方向横フレーム部材6Aで連結し、支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31の上下中間を左右方向横フレーム部材6Bで連結し、支持体3C,2Bの前側縦フレーム部材31,21の上下中間を左右方向横フレーム部材6Cで連結したものである。また、フレーム型キャビネット1は、前上方の左右方向横フレーム部材4と上下中間の左右方向横フレーム部材6Aとの間の左寄りに縦フレーム部材8を配置し、両フレーム部材4,6Aに縦フレーム部材8の上下両端側を縦フレーム部材8の後方からネジ固定してある。
【0016】
前記フレーム型キャビネット1を構成する支持体2(2A,2B)のうち左側の室内壁面Waに接近する左側の支持体2Aは、図1,図2及び図14に示す如く、前側縦フレーム部材21に着脱自在に嵌着する蓋体17と、後側縦フレーム部材22に着脱自在に嵌着する蓋体19とを備えている。また、室内空間Rに臨む右側の支持体2Bは、前側縦フレーム部材21に着脱自在に嵌着する蓋体15と、後側縦フレーム部材22に着脱自在に嵌着する蓋体19とを備えている。更に、左右の支持体2A,2Bの間に配置される支持体3A,3B,3Cの各々は、前側縦フレーム部材31に着脱自在に嵌着する蓋体16(16A,16B,16C)と、後側縦フレーム部材32に着脱自在に嵌着する蓋体20とを備えている。これら蓋体15,16,17,19,20は、アルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の所定横断面形状の長尺素材を所定長さ寸法に切断して成形されている。
【0017】
前記左側の室内壁面Waに接近する左側の支持体2Aに備えられる前側の蓋体17は、図4及び図5(A)に示す如く、前側縦フレーム21の左右幅寸法21wと同一の左右幅寸法とした蓋本体部17bと、蓋本体部17bの裏側から突設した係止部17a,17aと、蓋本体部17bから延設されて幅木Kの厚み寸法Kt(例えば、Kt=5〜10mm)より大きい左右幅寸法17w(例えば、17w=11mm)の覆い部17cとを長手方向に沿って備えている。室内空間Rに臨む右側の支持体2Bに備えられる前側の蓋体15は、前側縦フレーム21の左右幅寸法21wと同一の左右幅寸法とした蓋本体部15bと、蓋本体部15bの裏側から突設した係止部15a,15aとを長手方向に沿って備えている。
【0018】
前記支持体2A,2Bの後側の蓋体19は、図4及び図8(A)に示す如く、後側縦フレーム22の左右幅寸法22w(前側縦フレーム21の左右幅寸法21wと同一寸法である)と同一の左右幅寸法とした蓋本体部19bと、蓋本体部19bの裏側から突設した係止部19a,19aと、蓋本体部19bから突設された埋め部19cとを長手方向に沿って備えている。埋め部19cは、その表面となる蓋表面19dが、幅木Kの上方に室内壁面Wbに沿って形成される幅木厚み寸法Kt相当分の空間Qbへ突出して室内壁面Wbに当接又は接近させるようになっており、後側縦フレーム部材22と室内壁面Wbの間の隙間を埋めるようになっている。埋め部19cにおける蓋本体部19bから蓋表面19dまでの突出寸法19wは、幅木Kの厚み寸法Kt(例えば、Kt=5〜10mm)より大きい寸法(例えば、19w=11mm)としてある。後側縦フレーム22に嵌着した蓋体19は、図8(A)に示す如く、床面Fから幅木Kの高さ寸法Khより上方に配置され、蓋体下端が幅木Kに当接しないようになっている。
【0019】
前記蓋体19は、蓋本体部19b及び埋め部19cで囲まれた内側を中空にして軽量化を図っているが、これに限定するものではなく、図示は省略したが、内側を中実にして蓋本体部19b及び埋め部19cを一枚もので形成することもある。また、蓋体19は、別態様である図6に示す如く、左右中間を省略した左右の蓋本体部19b,19bと、蓋本体部19b,19bの裏側から突設した係止部19a,19aと、蓋本体部19bから突設された埋め部19cとを長手方向に沿って備えたものを用いることも可能である。更に、蓋体19は、別態様である図7に示す如く、蓋本体部19bと、蓋本体部19bの裏側から突設した係止部19a,19aと、蓋本体部19bに貼着した一層又は複数層(本例では3層)からなる埋め部19cとを長手方向に沿って備えたものを用いることも可能である。埋め部19cを複数層で形成したときには、重ね合わせる層の枚数を調整することで、幅木Kの厚み寸法Ktに対応した厚み寸法とすことができる。
【0020】
前記支持体3(3A,3B,3C)に備えられる前側の蓋体16(16A,16B,16C)は、図17に示す如く、前側縦フレーム31の左右幅寸法31wと同一の左右幅寸法とした蓋本体部16bと、蓋本体部16bの裏側から突設した係止部16a,16aとを長手方向に沿って備えている。前記支持体3(3A,3B,3C)に備えられる後側の蓋体20は、後側縦フレーム32の左右幅寸法32w(前側縦フレーム31の左右幅寸法31wと同一寸法である)と同一の左右幅寸法とした蓋本体部20bと、蓋本体部20bから突設された埋め部20cとを長手方向に沿って備え、嵌着したときの後側縦フレーム部材32の左右の側片32cの開口側先端縁32c−1から蓋表面20dまでの突出寸法20wが幅木Kの厚み寸法Kt(例えば、Kt=5〜10mm)より大きい寸法(例えば、19w=11mm)とし、フレーム型キャビネット1を配置したときの蓋表面20dを後側の室内壁面Wbに当接又は接近させることで、幅木Kの上方に室内壁面Wbに沿って形成される空間Qbの一部を埋め部20cで埋めるようにしてある。後側縦フレーム32に嵌着した蓋体20は、図10(A),図11(A)及び図12(A)に示す如く、床面Fから幅木Kの高さ寸法Khより上方に配置され、蓋体下端が幅木Kに当接しないようになっている。なお、蓋体20は、前記蓋体19(図5参照)と左右幅寸法が異なるだけであり、図6又は図7に示す別態様の前記蓋体19の左右幅寸法を変更したものを用いることも可能である。
【0021】
左右幅の広い支持体3(3A,3B,3C)は、図15〜図17に示す如く、上下方向に配置した棒状の前側縦フレーム部材31と後側縦フレーム部材32の間に、前後方向に配置した上方、中間及び下方側の棒状の前後方向横フレーム部材33(33A,33B,33C)を横架し、前側縦フレーム部材31(32)と横フレーム部材33とを突き合わせた状態で両フレーム部材どうしをネジ(タッピングネジ)18で連結固定して枠組したものである。一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)は、アルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法で切断して、上下端側等にカッター等で切除して切欠き部31a,31b(32a,32b)を形成したものであり、対向する二つの側片31c,31c(32c,32c)の中間部どうしを中仕切となる連結片31d(32d)で連結し、二つの側片31c,31c(32c,32c)の奥側の側縁どうしを連結片31e(32e)で連結すると共に、二つの側片31c,31c(32c,32c)の手前側の側縁どうしの間を開口31h(32h)したものであって、連結片31e(32e)の連結側外側面に長手方向(上下方向)に沿って直線筋状に延びる凸部31f(32f)を設けてある。縦フレーム部材31(32)は、前後方向横フレーム部材33(33A,33B,33C)とネジ固定するために、適当個数のネジ孔14を所定位置に設けてある。ネジ孔14は、連結片31d(32d)に穿設したネジ全体挿通孔14aと、連結片31e(32e)に穿設したネジ部挿通孔14bとからなる。更に、縦フレーム部材31(32)は、二つの側片31c,31c(32c,32c)の各手前内側に、蓋体16(20)を嵌着するための係合部31g(32g)が上下方向に沿って形成されている。他方のフレーム部材である前後方向横フレーム部材33は、ネジ18が螺着するネジ受け部33a,33aを内側に設けたアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等からなる中空四角柱状素材を所定長さ寸法で切断したものであり、両端の各突き合わせ端面(小口面)33bの上下縁に凹部33c,33cを設け、前記縦フレーム部材31(32)の凸部31f(32f)と嵌合するようにしてある。
【0022】
前記支持体3(3A,3B,3C)は、図17及び図16に示す如く、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の凸部31f(32f)と他方のフレーム部材である横フレーム部材33の凹部33c,33cを嵌合させた状態で、縦フレーム部材31(32)の各ネジ孔14を挿通して横フレーム部材33のネジ受け部33aに螺着したネジ18で、縦フレーム部材31(32)と横フレーム部材33とを連結固定すると共に、縦フレーム部材31(32)の蓋用係合部31g(32g)に蓋体16(20)の係止部16a,16a(20a,20a)を嵌着して、縦フレーム部材31(32)のネジ孔14及びネジ18を蓋体16(20)で覆ってある。各ネジ18は、その頭部を縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)に当接することで、連結片31e(32e)を前後方向横フレーム部材33の各突き合わせ端面(小口面)33bに圧着させてある。なお、各ネジ18は、図示は省略したが、その頭部を縦フレーム部材31(32)の連結片31d(32d)に当接することで、連結片31e(32e)を前後方向横フレーム部材33の各突き合わせ端面(小口面)33bに圧着させることも可能である。この場合のネジ孔14は、連結片31d(32d)及び連結片31e(32e)に、頭部を挿通させることなくネジ部のみを挿通させるネジ部挿通孔14bを穿設することになる。
【0023】
前記支持体3(3A,3B,3C)は、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)の連結側外側面に凸部31f(32f)を設けると共に、他方のフレーム部材である横フレーム部材32の両端の上下縁に凹部31c(32c)を設けてあるが、これに限定するものではなく、図示は省略したが、縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)の連結側外側面に凹部を設けると共に、横フレーム部材32の両側の突き合わせ端面の上下縁に凸部を設け、凹部と凸部を嵌合させるようにすることも勿論可能である。
【0024】
左右幅の狭い支持体2(2A,2B)、図13、図14及び図19に示す如く、上下方向沿って配置した棒状の前側縦フレーム部材21と後側縦フレーム部材22の間に、前後方向に配置した上方、中間及び下方側の前後方向横フレーム部材23A,23B,23Cを横架し、前側縦フレーム部材21(22)と横フレーム部材23とを突き合わせた状態でフレーム部材どうしをネジ18で連結固定して枠組したものである。一方のフレーム部材である縦フレーム部材21(22)及び他方のフレーム部材である横フレーム部材23は、前記左右幅の広い前記支持体3の縦フレーム部材31(32)及び横フレーム部材33と同様にアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材から成形されており、幅寸法を縦フレーム部材31(32)及び横フレーム部材33の半分としてある。幅寸法を半分とするのは、幅広の支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材31が各支持体3の左右両側に配置した引出し42(42A,42C,42D,42F)(図31参照)の両方の前板で覆われるに対して、幅狭の支持体2(2A,2B)の前側縦フレーム部材21が左右の何れか一方に配置した引出し42(42A,42E,42F)の前板のみでしか覆われないためである。なお、左右の支持体2(2A,2B)は、支持体3(3A,3B,3C)の左右幅寸法と同一の左右幅寸法としたものを採用することも勿論可能である。
【0025】
前述の如く支持体3は、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の凸部31f(32f)又は凹部(図示略)と他方のフレーム部材である横フレーム部材33の凹部32c又は凸部(図示略)を嵌合させた状態で、縦フーム部材31(32)と横フレーム部材33どうしを突き合わせた状態でネジ18で固定することで、両方のフレーム部材どうしを左右方向(凸部31f(32f)の延設方向と直交する方向)について正確に位置決めして簡単に連結できることから、ジョイント金具を用いる従来に比べて連結作業工数を低減できる効果を奏する。また、一方のフレーム部材である縦フレーム部材31(32)の連結片31e(32e)の連結側外側面に長手方向に沿って直線状に延びる凸部31f(32f)又は凹部(図示略)を設けてあるので、連結側外側面の長手方向(上下方向)の選択した位置に他方のフレーム部材である横フレーム部材33の端面を突き合わせて簡単にネジ固定して連結できる効果を奏する。また、前記支持体2についても、支持体3の上記効果と同様の効果を奏することは勿論である。
【0026】
前記支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21どうしを左右方向に通して連結しするための前上方の左右方向横フレーム部材4は、図3、図14、図21及び図24に示す如く、上面4aを左右方向へ直線状の平面とすると共に、下面について機器(コンロや食洗機等)設置領域S1,S2(図31参照)に面する部分が他の領域に面する部分よりも高い位置となる凹凸形状とし、機器設置領域に面する凹部4e,4fと他の領域に面する凸部4b,4c,4dを形成してある。横フレーム部材4は、凹部4e,4f及び凸部4b,4c,4dに共通して備わる上半部4hと、凸部4b,4c,4dを形成する下半部4j(図24(B)参照)とを一体に形成したものであり、長手方向全域に一様に上半部4h及び下半部4jを備えるアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法に切断すると共に、下半部4jの所定箇所をカッター等で切除して凹部4e,4fを形成したものである。上半部4hは、図24に示す如く、内側にネジ受け部4kを設けた中空四角柱状に形成され、下半部4jは、上半部4hの前後下端縁から下方へ延設した前片4m及び後片4nの両下端縁を下片4qで連接すると共に内側にネジ受け部4k,4kを設け中空柱状に形成されている。横フレーム部材4は、下半部4jの前片4mに、上下縁の平坦部4r,4sの間に左右方向へ延びる指差込み用凹部4tを形成してある。
【0027】
前記左右方向横フレーム部材4と支持体2(2A,2B)との連結固定は、図13(D)及び図14に示す如く、横フレーム部材4の左右両端側の上半部4h及び下半部4jを備えた端面を、支持体2(2A,2B)の前側縦フレーム部材21の上端側の側面に当接すると共に、前側縦フレーム部材21の複数個のネジ孔14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の各ネジ受け部4kに螺着して行っている。支持体2(2A,2B)は、縦フレーム部材21,22の係合部21g,22g(図19参照)に化粧板となる蓋板15を着脱自在に装着することで、ネジ孔14及びネジ18を覆い隠すようにしてある。
【0028】
前記横フレーム部材4と支持体3A,3Bとの連結固定は、図14、図21、図24及び図25に示す如く、支持体3A,3Bの各前側縦フレーム部材31の上端側に形成した切欠き部31aに横フレーム部材4の凹部4e,4fを形成する上半部4hを嵌合すると共に、横フレーム部材4の凸部4cを形成する下半部4jの左右両端の突出端面4g,4gを支持体3A,3Bの各前側縦フレーム部材31の側片31cに当接して、各前側縦フレーム部材31の側片31c,31cに設けたネジ孔14,14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の下半部4jの各ネジ受け部4kに螺着し、一方の側片31cと横フレーム部材4をネジ固定して行っている。横フレーム部材4と支持体3A,3Bとの連結固定は、左右方向横フレーム部材4の凸部4cの突出端面4gを前側縦フレーム部材31の左右何れか一方の側面に当接させてネジ固定したので、横フレーム部材4を前側縦フレーム部材31に確実に固定できると共に、固定ネジが手前側からは見え難い前側縦フレーム部材31の側面からネジ18をねじ込んで行っているので、手前側からは目立ち難くネジ固定することができる。なお、横フレーム部材4の上半部4hと支持体3A,3Bのネジ固定は、支持体3A,3Bの各前側縦フレーム部材31の後側からのネジ固定を上方の横フレーム部材32が邪魔しているため行わず、また、横フレーム部材4の上半部4hの前面からのネジ固定もネジ頭部が露出して見栄えが悪いために勿論行っていない。
【0029】
前記横フレーム部材4と支持体3Cとの連結固定は、図14に示す如く、支持体3Cの前側縦フレーム部材31の上端側に形成した切欠き部31a(図15参照)に横フレーム部材4の凹部4fを形成する上半部4hを嵌合すると共に横フレーム部材4の凸部4dを形成する下半部4jの左両端の突出端面4gを支持体3Cの前側縦フレーム部材31に当接すると共に、図24に示す前記支持体3Aとの連結固定の場合と同様に、前側縦フレーム部材31のネジ孔14,14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の下半部4jの各ネジ受け部4kに螺着して行っている。
【0030】
前記横フレーム部材4は、下面について機器設置領域S1,S2に面する部分が他の領域に面する部分よりも高い位置となる凹凸形状となっているので、手前側から見て覆い隠すことができる上下方向の寸法について、その他の領域に面する凸部4b,4c,4dの部分に比べて機器設置領域S1,S2に面する凹部4e,4fの部分の方を小さくして機器設置に必要な設置高さ寸法を確保できるようにして、従来の左右方向横フレーム部材のように上下寸法が同一のままでは設置が困難なコンロや食洗機等の機器を機器設置領域S1,S2に設置させることが可能となり、また、その他の領域に面する凸部4b,4c,4dの部分の上下方向の寸法を大きくできることで、引き出し42B,42Eの前板表側から前板裏側へ指先を差し込む手掛け部を備えたキッチン用キャビネット1の実現についても対処できる。また、図32に示す如く、指差込み用凹部4tへ差し込んだ指先を引出し42Bの前板42Baの上縁側に容易に引っ掛けることができるので、引出し42Bの引き出し操作をし易くするできる(引出し42E(図31参照)についても同様である)。
【0031】
前記横フレーム部材4は、図14に示す如く、左側の凸部4bと凹部4eとの境界部に縦フレーム部材8を連結してある。縦フレーム部材8は、支持フレーム3の前側縦フレーム部材31の素材と同一のアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法に切断して成形されており、切欠き部8aに横フレーム部材4の凹部4eを形成する上半部4hを嵌合すると共に、横フレーム部材4の凸部4bの右端の突出端面4gを当接し、図24に示す前記支持体3Bとの連結固定の場合と同様に、ネジ孔14,14へ挿通した各ネジ18を横フレーム部材4の突出部4bの各ネジ受け部4kに螺着して連結してある。
【0032】
前記横フレーム部材4は、図14に示す如く、凹部4e,4f及び凸部4b,4c,4dに共通して備わる上半部4hと、凸部4b,4c,4dを形成する下半部4jとを一体成形したものに限定するものではなく、図26に示す如く、上半部4hと下半部4jを別体のアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材から成形し、一本の上半部4hと凸部4b,4c,4dを形成する各下半部4jをネジ18で連結して一体化したものを用いることも可能である。別体の上半部4h及び下半部4jは、突合わせ面どうしに左右長手方向へ延びる凹凸嵌合部4v,4wを形成し、凹凸嵌合部4v,4wを嵌合させて前後方向の位置決めをしている。
【0033】
図1及び図14に示すフレーム型キャビネット1の支持体2A,3A,3Bの前側縦フレーム部材21,31,31の上下方向の中間を連結する左右方向横フレーム部材6A、支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31の上下方向の中間を連結する左右方向横フレーム部材6B及び支持体3C,2Bの前側縦フレーム部材31,21の上下方向の中間を連結する左右方向横フレーム部材6Cは、図22(B)の横フレーム部材6Aの横断面形状と同一横断面形状のアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さに切断したものを用いる。長尺素材は、上片6aの前後中間から下方へ延長した後片6b及び上片6aの前縁から下方へ延長した前片6cの両下端縁を下片6dで連接すると共に内側に左右方向へ延びる複数本のネジ受け部6kを設け、各片6a,6b,6c,6dで囲まれた中空柱状部6hとなっており、前片6cの上下縁の平坦部6e,6fの間に左右方向へ延びる指差込み用凹部6gを形成してある。なお、長尺素材6は、上片6aに後片6bから突出する後半部6a−1を形成してあるが、この後半部6a−1を無くした中空柱状部6hのみのものを用いることもある。
【0034】
図1に示す如く、フレーム型キャビネット1の左側寄りに配置した左右方向横フレーム部材6Aは、左右両端面を支持体2A,3Bの前側縦フレーム部材21,31に当接し、縦フレーム部材21,31に穿設したネジ孔14へ挿通したネジ18で連結固定され(図11及び図13参照)、また、左右の中間部を食い込ませるようにして支持体3Aの前側縦フレーム部材31へ連結してある。
【0035】
横フレーム部材6Aと支持体3Aの前側縦フレーム部材31とを連結する連結構造60は、図21〜図23に示す如く、前側縦フレーム部材(特許請求の範囲に記載の「第1のフレーム部材」に相当する。以下、単に「第1のフレーム部材」という。)31に前述の如く内部に連結片31dを設けると共に、前側縦フレーム部材31の側片31c,31cの連結箇所にカッター等で切除して連結片31dへ至る切欠き部31jを設け、また、横フレーム部材(特許請求の範囲に記載の「第2のフレーム部材」に相当する。以下、単に「第2のフレーム部材」という。)6Aの上片6aの後半部6a−1にカッター等で切除して後片6bへ至る切欠き部6jを設け、前側縦フレーム部材31の切欠き部31jに横フレーム部材6Aの中空柱状部6hを嵌合させ、前側縦フレーム部材31の連結片31e及び連結片31dに設けたネジ孔14,14へ挿通したネジ18,18で前側縦フレーム部材31の連結片31dと横フレーム部材6Aの後片6bをネジ止め固定し、前側縦フレーム部材31の蓋用係合部31g,31gに蓋体16(16B,16C)の係止部16a,16aを嵌着してある。連結構造60は、横フレーム部材6Aの前側上下の平坦部6e,6fと蓋体16(16B,16C)の表面とを面一にすると共に、上片6aの後端縁を前側縦フレーム部材31の連結片31eの表面と面一にして見栄え良くある(図23参照)。なお、横フレーム部材6Aの長尺素材について、上片6aの後半部6a−1を無くした中空柱状部6hだけのものを用いる場合には、切欠き部6jを設ける必要はない。
【0036】
前記連結構造60は、従来のジョイント金具や連結金具を用いることなく前側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)31と横フレーム部材(第2のフレーム部材)6Aとを連結できるので、従来に比べて連結作業工数を低減でき、また、前側縦フレーム部材31の切欠き部31jに横フレーム部材6Aを嵌合させて、両フレーム部材31,6Aどうしを、直接にネジ止め固定して強固に連結できるので、ガタ付きの生じにくい強固な構造を実現できる。また、連結構造60は、両フレーム部材31,6Aどうしを同一仮想平面上で直交して連結させることによって、第1のフレーム部材の厚み寸法分のスペースと第2のフレーム部材の厚み寸法分のスペースの両スペースが層状的に重なり合う連結構造の場合に比べて、意匠性にも優れ、フレームの占めるスペースを少なくできる。
【0037】
図14及び図12に示す如く、前記支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31の間の上下中間に配置した左右方向横フレーム部材6Bは、左右両端面を支持体3B,3Cの前側縦フレーム部材31,31に当接し、縦フレーム部材31,31に穿設したネジ孔14へ挿通したネジ18で連結固定してある。また、図14に示す如く、前記支持体3C,2Bの前側縦フレーム部材31,21の間の上下中間に配置した左右方向横フレーム部材6Cは、左右両端面を支持体3C,2Cの前側縦フレーム部材31,21に当接し、縦フレーム部材31,21に穿設したネジ孔14へ挿通したネジ18で連結固定してある。
【0038】
図8〜図14に示すフレーム型キャビネット1の支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21の下端寄り、後側縦フレーム部材21,32,32,32,21の上端寄り及び下端寄りを連結する前下方の左右方向横フレーム部材5A、後上方の左右方向横フレーム部材5B及び後下方の左右方向横フレーム部材5Cは、横断面が図8(D)、図9(A)(B)及び図20に示すアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等の長尺素材を所定長さ寸法に切断したものを用いる。長尺素材は、内側に左右方向へ延びる複数本のネジ受け部5kを設けた中空四角柱状部5hから突設する板部5aを長手方向へ延設したものである。
【0039】
前記前下方の左右方向横フレーム部材5Aと支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21の下端寄りとを連結する連結構造61は、図19及び図16に示す如く、各前側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)21(31)の内部に中仕切となる連結片21d(31d)を設け、各前側縦フレーム部材21(31)の側片21c,21c(31c,31c)の下端寄りに、下端を開放するようにカッター等で切除して連結片21d(31d)へ至る段状の切欠き部21b(31b)を設けると共に、切欠き部21b(31b)から連結片21d(31d)に沿って上方へ向かってスリット状の切込み部21k(31k)を設け、図8(D)、図10〜図12及び図14に示すく如く、スリット状の切込み部21k(31k)に横フレーム部材(第2のフレーム部材)5Aの板部5aの一部を挿入すると共に切欠き部21b(31b)に横フレーム部材5Aの中空柱状部5hを嵌合させ、各前側縦フレーム部材21(31)の連結片21d(31d)と横フレーム部材5Aの板部5aをネジ18でネジ止め固定してある。このネジ止めは、板部5aの前側から下孔5b(図18(A)参照)へネジ18を挿入し、連結片21d(31d)に螺着して行われる。更に、連結構造61は、各前側縦フレーム部材21(31)の蓋用係合部21g(31g)に蓋体15又は17(16)の係止部15a,15a又は17a,17a(16a,16a)を嵌着して、横フレーム部材5の中空柱状部5hの前側表面と蓋体15又は17(16)の表面とを面一にして見栄えよくしてある。
【0040】
前記後上方の左右方向横フレーム部材5Bと支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の後側縦フレーム部材22,32,32,32,22の上端寄りとを連結する連結構造62は、図15に示す如く、各後側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)22(32)の内部に中仕切片22d(32d)を設けると共に、各後側縦フレーム部材22(32)の側片22c,22c(32c,32c)の上端寄りに、上端を開放するようにカッター等で切除して中仕切片22d(32d)へ至る段状の切欠き部22a(32a)を設けると共に、切欠き部22a(32a)から中仕切片22d(32d)に沿って下方へ向かってスリット状の切込み部22k(32k)を設け、図9(A)及び図18に示す如く、スリット状の切込み部22k(32k)に横フレーム部材(第2のフレーム部材)5Bの板部5aの一部を挿入すると共に切欠き部22a(32a)に横フレーム部材5Bの中空柱状部5hを嵌合させ、各後側縦フレーム部材22(32)の中仕切片22d(32d)と横フレーム部材5Bの板部5aをネジ18でネジ止め固定してある。更に、連結構造62は、各後側縦フレーム部材22(32)の蓋用係合部22g(32g)に蓋体19(20)の係止部19a,19a(20a,20a)を嵌着して、蓋体19(20)の表面を横フレーム部材5Bの中空柱状部5hの後側表面から後方へ突出させてある。
【0041】
前記後下方の左右方向横フレーム部材5Cと支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の後側縦フレーム部材22,32,32,32,22の下端寄りとを連結する連結構造63は、図15に示す如く、各後側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)22(32)の内部に中仕切片22d(32d)を設けると共に、各後側縦フレーム部材22(32)の側片22c,22c(32c,32c)の下端寄りに、下端を開放するようにカッター等で切除して中仕切片22d(32d)へ至る段状の切欠き部22b(32b)を設けると共に、切欠き部22b(32b)から中仕切片22d(32d)に沿って上方へ向かってスリット状の切込み部22k(32k)を設け、図9(B)及び図18に示す如く、スリット状の切込み部22k(32k)に横フレーム部材(第2のフレーム部材)5Cの板部5aの一部を挿入すると共に切欠き部22b(32b)に横フレーム部材5Cの中空柱状部5hを嵌合させ、各後側縦フレーム部材21(32)の連結片21d(31d)と横フレーム部材5Cの板部5aをネジ18でネジ止め固定してある。更に、連結構造63は、各後側縦フレーム部材22(32)の蓋用係合部22g(32g)に蓋体19(20)の係止部19a,19a(20a,20a)を嵌着して、蓋体19(20)の表面を横フレーム部材5Cの中空柱状部5hの後側表面から後方へ突出させ、中空柱状部5hの後側表面を幅木Kに接近又は当接させると共に、蓋体19(20)の表面を後側の室内壁面Wbに当接又は接近させてある。
【0042】
なお、横フレーム部材5B,5Cは、図20に示す如く、支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の隣接する支持体の左右間隔寸法を確保するために、板部5aの差込先端縁の所定位置に二個一組の位置決用切込み部5n,5nの複数組を各支持体2,3のスリット状の切込み部22k(32k)に対応する位置に設け、各組の位置決用切込み部5n,5nを後側縦フレーム部材22(32)の切込み部22k(32k)の奥側縁部に係合させることもある。横フレーム部材5Aについても同様に、図示は省略したが、二個一組の位置決用切込み部5n,5nの複数組を各支持体2,3に対応する位置に設け、各組の位置決用切込み部5n,5nを前側縦フレーム部材21(31)の切込み部21k(31k)の奥側縁部に係合させることもある。
【0043】
前記連結構造61,62及び63は、各後側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)21(32)のスリット状の切込み部21k,31k(22k,32k)に挿入する横フレーム部材5A(5B,5C)の板部5aが、横フレーム部材(第2のフレーム部材)5A(5B,5C)の部材長手方向に沿って設けた板部5aの一部からなるために変形し難く、この変形し難い板部5aの一部を後側縦フレーム部材21(32)の連結片21d(32d)にネジ止め固定することで、縦フレーム部材21(32)と横フレーム部材5A(5B,5C)の連結を強固にすることができる。
【0044】
前記支持体2(2A,2B)及び支持体3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21,31,31,31,21の下端寄りと蹴込み板7とを連結する連結構造64は、図14及び図15に示す如く、各前側縦フレーム部材(第1のフレーム部材)21(31)の下端寄りに設けた前記切欠き部21b(31b)に、前記横フレーム部材5Aの下面に当接又は接近させるようにして蹴込み板(第2のフレーム部材)7を左右方向に配置し、図27に示す如く、各前側縦フレーム部材21(31)の下端寄り後側に設けたネジ孔14へ挿通したネジ50で、各前側縦フレーム部材21(31)の連結片21d(31d)に蹴込み板7をネジ固定して連結してある。なお、蹴込み板7は、連結する相手を総ての前側縦フレーム部材とする必要はなく、ガタ付きなく連結できる本数の前側縦フレーム部材を選択することができる。
【0045】
前記フレーム型キャビネット1は、図28〜図32に示す如く、備える引出し42(42A〜42F)を案内する引出し案内具40の引出し受けレール41を手間をかけずに所定高さ位置へ正確に固定できるレール固定構造65を採用している。このレール固定構造65は、前記支持体2(2A,2B)を構成する前後方向横フレーム部材23B,23C及び支持体3(3A,3B,3C)を構成する前後方向横フレーム部材33B,33Cの左右側面23k,33kに前後方向へ延びる上下位置決め用の嵌合部23m(図19参照),33m(図16参照)を設け、この嵌合部23m,33mに引出し受けレール41の被嵌合部41dを嵌着して引出し受けレール41の上下位置決めを行うと共に、前後方向横フレーム部材33B,33Cに引出し受けレール41をネジ49(図28及び図32参照)で取付け固定してある。
【0046】
前後方向横フレーム部材23B,23C(33B,33C)を得るためのアルミニウム押出成形素材や合成樹脂成形素材等からなる中空四角柱状素材は、側面23k,33kに凹状又は凸状(図示省略)の嵌合部23m,33m(図19及び図16参照)を設けたものが用いられる。引出し受けレール41は、図28に示す如く、横フレーム部材23B,23C(33B,33C)に取付け固定されるキャリアレール41aと、引出し42を受け止める引出しレール41bと、キャリアレール41aと引出しレール41bの間にスライド可能に配置した中間レール4cとを備え、キャリアレール41aの側面に、この側面の長手方向(前後方向)に沿って凸状又は凹状(図示省略)の被嵌合部41dを設け、横フレーム部材23B,23C(33B,33C)の嵌合部23m,33mに被嵌合部41dを嵌着できるようにしてある。嵌合部23m,33mと被嵌合部41dの嵌め合いは、嵌着したときに、引出し受けレール41が横フレーム部材23B,23C(33B,33C)に対して上下方向にズレない程度としてある。引出し案内具40は、引出し受けレール41を覆い隠すためのカバー39を備え、引出し42(42A〜42F)を格納する空間に面する横フレーム部材23B,23C(33B,33C)の側面23k,33kに設けられる。
【0047】
引出し42(42A〜42F)は、図30に示す如く、左右両側が引出し受けレール41で支持されて前後移動自在に配置され、引出し43は、左右幅が狭いため、片側のみが引出し受けレール41で支持されて前後移動自在に配置される。
【0048】
フレーム型キャビネット1における引出し受けレール41の固定構造は、支持体支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の前側縦フレーム部材21(31)び後側縦フレーム部22(32)に連結して所定の上下位置に配置した前後方向横フレーム部材23(23B,23C)、33(33B,33C)の上下位置決め用の嵌合部23m,33mに、引出し受けレール41の被嵌合部41dを嵌着して引出し受けレール41の上下位置決めをしているので、レール取付金具を用いる従来の固定構造に比べて、多くの手間をかけずに引出し受けレール41を所定高さ位置に正確に固定することができる。
【0049】
上述の如くフレーム型キャビネット1は、図14に示す如く、前後方向に対をなす縦部材としの二本の縦フレーム部材(第1のフレーム部材)21,22、(31,32)どうしを前後方向に配置した棒状の横フレーム部材(第3のフレーム部材)23(23A,23B,23C)、33(33A,33B,33C)で連結してなる複数の支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)を左右方向へ適宜間隔で配置し、これら支持体2(2A,2B)、3(3A,3B,3C)の前側の縦フレーム部材21,31,31,31,21及び後側の縦フレーム部材22,32,32,32,22どうしを、前側の左右方向に配置した横フレーム部材(第2のフレーム部材)4,5A及び後側の左右方向に配置した横フレーム部材(第2のフレーム部材)5B,5Cで強固に連結することで、頑丈に組み立てられている。
【0050】
前記連結構造60は、棒状の第1のフレーム部材として上下方向に沿って配置した縦フレーム部材31と、棒状の第2のフレーム部材である左右方向に沿って配置した横フレーム部材6Aとを用いてキッチン用のフレーム型キャビネット1の一部を構成しているが、キッチン用に限定するものではなく、図示は省略したが、第1のフレーム部材を左右方向に沿って配置する共に第2のフレーム部材を上下方向に沿って配置し、第1のフレーム部材の内部に中仕切片を設けると共に、第1のフレーム部材の連結箇所に中仕切片へ至る切欠き部を設け、第1のフレーム部材の切欠き部に第2のフレーム部材を嵌合させ、第1のフレーム部材の中仕切片と第2のフレーム部材をネジ止め固定してフレーム型キャビネットの一部を構成するようにしてもよい。
【0051】
同様に、前記連結構造61,62,63は、棒状の第1のフレーム部材として上下方向に沿って配置した縦フレーム部材21(22)又は31(32)と、棒状の第2のフレーム部材である左右方向に沿って配置した横フレーム部材5A(5B,5C)とを用いてキッチン用のフレーム型キャビネット1の一部を構成しているが、キッチン用に限定するものではなく、図示は省略したが、第1のフレーム部材を左右方向に沿って配置する共に第2のフレーム部材を上下方向に沿って配置し、第1のフレーム部材の内部に中仕切片を設けると共に、第1のフレーム部材の連結箇所に中仕切片へ至る切欠き部を設け、第1のフレーム部材の切欠き部に第2のフレーム部材を嵌合させ、第1のフレーム部材の中仕切片と第2のフレーム部材をネジ止め固定してフレーム型キャビネットの一部を構成するようにしてもよい。
【0052】
前述の如く構成されたフレーム型キャビネット1は、図1,図2及び図4に示す如く、幅木Kが既に取り付けられいる左側の室内壁面Wa及び後側の室内壁面Wbの交差する内隅部へ配置されて本発明配置構造を形成する。配置されたフレーム型キャビネット1は、後下方の左右方向横フレーム部材5Cを、後側の室内壁面Wbに取り付けられている幅木Kに接近又は当接させる(図8(A),図9(B),図10(A),図11(A)及び図12(A)参照)。フレーム型キャビネット1の前下に蹴込み板7を取り付けるときには、図34(B)に示す如く、蹴込み板7の左端に切欠き部7aを設けて幅木Kとの衝突を回避するとよい。
【0053】
フレーム型キャビネット1に設けられている前・左側の蓋体17は、図4及び図13(D)に示す如く、覆い部17cの先端を左側の室内壁面Waに当接又は接近させ、前側縦フレーム部材21と室内壁面Waの間の隙間を覆い部17cで覆うことで、室内壁面Waとフレーム型キャビネット1の間の空間Qaを室内空間Rから見え難くして見栄えよくできる。また、後・右側側の蓋体19は、図2及び図4に示す如く、蓋表面19dを室内壁面Wbに当接又は接近させ、後側縦フレーム部材22と室内壁面Wbの間の隙間を埋め部19cで埋めることで、室内壁面Wbとフレーム型キャビネット1の間の空間Qbを室内空間Rから見え難くして見栄えよくできる。なお、右側に室内壁面Waがある室内レイアウトのときには、図示は省略したが図4の場合と左右対称となり、フレーム型キャビネット1の右側の支持体2Bの前に蓋体17を嵌着して、蓋体17の覆い部17cの先端を右側の室内壁面Waに当接又は接近させて、前側縦フレーム部材21と室内壁面Waの間の隙間を覆い部17cで覆うことで、右側の室内壁面Waとフレーム型キャビネット1の間の空間Qaを室内空間Rから見え難くして見栄えよくできる。
【0054】
フレーム型キャビネット1を後側の室内壁面Wbへ固定するときには、図4及び図17(B)に示す如く、複数個の蓋体19,20のうちの任意の蓋体19(20)の蓋表面19d(20d)を室内壁面Wbに当接させ、後側縦フレーム部材22(32)の連結片22d(32d)並びに蓋体19(20)の蓋本体部19b(20b)及び埋め部19c(20c)の各々に設けた挿通孔を通通させて室内壁面Wbへねじ込んだネジ24で、後側縦フレーム部材22(32)の連結片22d(32d)を室内壁面Wbに確実に固定して本発明配置構造とする。このネジ24のねじ込みにより生じた反力は、室内壁面Wbから蓋体19(20)の蓋表面19d(20d)、埋め部19c(20c)、蓋本体部19b(20b)及び後側縦フレーム22(32)の側片22c,22c(32c,32c)を介して連結片22d(32d)へ伝達される。
【産業上の利用可能性】
【0055】
前記フレーム型キャビネット1は、キッチン設備に用いる以外に、洗面器及び水栓を備えた洗面設備、または天板をカウンターとする収納庫等等に適用して、幅木Kの取り付けられた室内壁面Wa,Wbを有する室内に配置して本発明配置構造とすることもある。
【符号の説明】
【0056】
1…フレーム型キャビネット、2…支持体、3…支持体、15…蓋体、16…蓋体、17…蓋体、17c…覆い部、19…蓋体、19c…埋め部、18…ネジ、24…ネジ、20…蓋体、20c…埋め部、21…前側縦フレーム部材、21c…側片,21d…連結片、22…後側縦フレーム部材、22c…側片、22d…連結片、23…前後方向横フレーム部材、31…前側縦フレーム部材、32…後側縦フレーム部材、33…前後方向横フレーム部材、K…幅木、Kt…厚み寸法、Wa,Wb…室内壁面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、前側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる前側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して前側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、上記左右の側片の何れか一方の側片の外側面から左右方向に沿って幅木の厚み寸法以上に延長した覆い部が設けられ、覆い部の先端を室内壁面に当接又は接近させたことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造。
【請求項2】
幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、後側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる後側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して後側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、幅木の上方に室内壁面に沿って形成される幅木厚み寸法相当分の空間へ突出する蓋表面を有する埋め部が設けられ、蓋表面を室内壁面に当接又は接近させたことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造。
【請求項3】
幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、後側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる後側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して後側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、幅木の上方に室内壁面に沿って形成される幅木厚み寸法相当分の空間へ突出する蓋表面を有する埋め部が設けられ、蓋表面を室内壁面に当接させ、後側縦フレーム部材の連結片及び蓋体の各々に設けられた挿通孔を通通して室内壁面へねじ込んだネジで、後側縦フレーム部材の連結片を室内壁面に連結固定したことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造。
【請求項1】
幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、前側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる前側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して前側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、上記左右の側片の何れか一方の側片の外側面から左右方向に沿って幅木の厚み寸法以上に延長した覆い部が設けられ、覆い部の先端を室内壁面に当接又は接近させたことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造。
【請求項2】
幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、後側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる後側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して後側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、幅木の上方に室内壁面に沿って形成される幅木厚み寸法相当分の空間へ突出する蓋表面を有する埋め部が設けられ、蓋表面を室内壁面に当接又は接近させたことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造。
【請求項3】
幅木を有する室内壁面に接近して棒状のフレーム部材で組立てられたフレーム型キャビネットを配置する構造において、フレーム型キャビネットは、後側開口部を形成して対向する左右の側片を連結片で連結して上下方向へ延びる後側縦フレーム部材と、左右の側片に嵌着して後側開口部を覆う蓋体とを備え、蓋体は、幅木の上方に室内壁面に沿って形成される幅木厚み寸法相当分の空間へ突出する蓋表面を有する埋め部が設けられ、蓋表面を室内壁面に当接させ、後側縦フレーム部材の連結片及び蓋体の各々に設けられた挿通孔を通通して室内壁面へねじ込んだネジで、後側縦フレーム部材の連結片を室内壁面に連結固定したことを特徴とするフレーム型キャビネットの配置構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2010−162164(P2010−162164A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6958(P2009−6958)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]