説明

フローティングナット

【課題】軸方向の小型化を容易にすることができるフローティングナットを提供する。
【解決手段】フローティングナット1は、板状のナット2と、ナット2を保持する保持部材3とを備える。保持部材3は、第1透孔320と、ネジ孔20よりも大きい第2透孔327とを有する本体部、および軸方向Zへナット2を本体部に押圧する押圧部を備える。押圧部とナット2との間には、係合凸部と係合凹部とで構成し、ネジ孔20が第2透孔327を通じて表面側に見えるように保持部材3に対するナット2の位置を決める位置決め手段を設けてある。位置決め手段によって保持部材3に対するナット2の縦方向Yおよび横方向Xへの位置を決定した状態では、第1透孔320を通じて表面側に現れる突起部21を設けてある。突起部21は、ネジ孔20が第2透孔327の周縁部329に近接した場合には、第1透孔320の周縁部321に当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フローティングナットの改良に関し、さらに詳しくは、縦方向および横方向を有し、縦方向および横方向にそれぞれ直交する軸方向に沿うネジ孔を有するナットと、ナットが軸方向へ移動することを規制しつつ、縦方向および横方向へ移動することを許容するようにナットを保持する保持部材とを備えるフローティングナットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナットと、ナットを保持する保持部材とを備えるフローティングナットは公知である。例えば、特許文献1には、縦方向および横方向を有し、縦方向および横方向にそれぞれ直交する軸方向に沿うネジ孔を有するナットと、ナットが軸方向へ移動することを規制しつつ、縦方向および横方向へ移動することを許容するようにナットを保持するリテーナとを備えるフローティングナットが開示されている。
【0003】
リテーナは、ネジ孔よりも縦方向および横方向に大きい透孔を有する本体部と、軸方向において本体部に対向する対向部と、前記対向部と前記本体部とを連結する連結部とを備えている。前記対向部の先端には、軸方向において、ナットを本体部に押圧する板バネを形成してある。リテーナは、板バネによって、ナットが軸方向に移動することを規制し、連結部によってナットが縦方向に移動することを規制している。
【0004】
ナットは、前記ネジ孔の周囲にボス部を有している。前記ボス部は、前記軸方向において、リテーナの対向部よりも裏面側に突出するように形成してあり、ナットが保持部材に対して横方向に移動した場合、前記ボス部が前記対向部に当接することによって、ネジ孔が、透孔の周縁部に隠れることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−14189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ボス部は、軸方向において、リテーナの対向部よりも裏面側に突出するように形成してあるため、このフローティングナットでは、軸方向の小型化を図ることが困難である課題があった。
【0007】
そこで、この発明では、軸方向の小型化を容易にすることができるフローティングナットの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための、本発明は、縦方向および横方向を有し、前記縦方向および前記横方向にそれぞれ直交する軸方向に沿うネジ孔を有する板状のナットと、前記ナットが前記軸方向へ移動することを規制しつつ、前記縦方向および前記横方向へ移動することを許容するように前記ナットを保持する保持部材とを備えるフローティングナットの改良にかかわる。
【0009】
本発明の特徴は、以下の事項を含む。前記保持部材は、第1透孔と、前記ネジ孔よりも大きい第2透孔とを有する本体部、および前記軸方向へ前記ナットを前記本体部に押圧する押圧部を備える。前記押圧部と前記ナットとの間には、係合凸部と係合凹部とで構成し、前記ネジ孔が前記第2透孔を通じて表面側に見えるように前記保持部材に対する前記ナットの前記縦方向および前記横方向への位置を決める位置決め手段を設けてある。前記ナットには、前記表面側から突出し、前記位置決め手段によって前記保持部材に対する前記ナットの前記縦方向および前記横方向への位置を決定した状態では、前記第1透孔を通じて前記表面側に現れる突起部を設けてある。前記突起部は、前記ネジ孔が前記第2透孔の周縁部に近接した場合には、前記第1透孔の周縁部に当接する。
【0010】
上記段落[0009],[0010]に開示した本発明は、少なくとも下記の実施形態を含むことができる。
【0011】
(1)前記係合凸部は前記押圧部に形成してある一方、前記係合凹部は前記ナットの裏面側に形成してある。前記係合凹部の位置と前記突起部の位置とが前記縦方向および前記横方向において合致する。
【0012】
(2)前記ナットは、前記ネジ孔、前記突起部、および前記係合凹部を除いて前記表面側および前記裏面側を平坦に形成してある。
【0013】
(3)前記第2透孔は、前記ネジ孔と相似形の円形状に形成してある一方、前記第1透孔は、前記円形状の第2透孔の軸心から径外方向に延びるように連続する態様で形成してある。
【0014】
(4)前記突起部の前記軸方向の寸法が、前記本体部の前記軸方向の寸法よりも小さい。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係るフローティングナットによれば、ナットと保持部材の押圧部との間には、係合凸部と係合凹部とで構成し、ネジ孔が第2透孔を通じて表面側に見えるように保持部材に対するナットの縦方向および横方向への位置を決める位置決め手段を設けてあるため、係合凸部と係合凹部とが係合した場合には、保持部材に対するナットの縦方向および横方向の位置を決定することができる一方、係合凸部と係合凹部との係合が解除された場合には、保持部材に対してナットを縦方向および横方向へ移動することができる。加えて、ナットには、表面側から突出し、位置決め手段によって保持部材に対するナットの縦方向および横方向への位置を決定した状態では、第1透孔を通じて表面側に現れる突起部を設け、その突起部は、ネジ孔が第2透孔の周縁部に近接した場合には、第1透孔の周縁部に当接するため、ネジ孔が第2透孔に隠れることを防止することができる。しかも、第1透孔の内部に配置した突起部と、第1透孔の周縁部との当接によって、ネジ孔が第2透孔の周縁部に隠れることを防止するため、ナットの表面側における保持部材が位置する空間を有効利用することができるからナットおよび保持部材の軸方向の寸法が大きくなることがない。よって、フローティングナットの軸方向の小型化を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフローティングナットを裏面側から見た斜視図。
【図2】フローティングナットを表面側から見た斜視図。
【図3】図1のIII−III線における断面図。
【図4】ナットを表面側から見た斜視図。
【図5】図4のV−V線における断面図。
【図6】突起部および係合凹部を形成する工程を示す説明図。
【図7】保持部材を裏面側から見た斜視図。
【図8】保持部材を表面側から見た斜視図。
【図9】図7のIX−IX線における断面図。
【図10】位置決定状態におけるナットと保持部材との配置を示す説明図。
【図11】位置決定状態から保持部材に対してナットが縦方向に相対的に移動した状態を示す説明図。
【図12】位置決定状態から保持部材に対してナットが横方向に相対的に移動した状態を示す説明図。
【図13】フローティングナットの使用状態を示す説明図。
【図14】本発明の第2実施形態に係るフローティングナットを裏面側から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面を参照し、この発明に係るフローティングナットの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0018】
<第1実施形態>
図1は、この発明にかかる第1実施形態のフローティングナット1の裏面側からの斜視図であり、図2は、そのフローティングナット1の表面側からの斜視図であり、図3は、図1におけるIII−III線における断面図である。図中、Xは横方向を示し、Yは横方向Xと直交する縦方向を示し、Zは横方向Xおよび縦方向Yとそれぞれ直交する軸方向を示す。フローティングナット1は、ナット2と保持部材3との2つの部品によって構成されている。
【0019】
フローティングナット1はナット2を含む。このナット2は、図4に示すように、略矩形板状を有する。ナット2は、例えばステンレス等の金属によって形成してあって、図4および図5に示すように、軸方向Zに沿うネジ孔20を有する。ナット2の表面側には一対の突起部21を有する一方、ナット2の裏面側には一対の係合凹部22を有する。図4中、Pは、ナット2の横方向Xの寸法を二等分する縦方向仮想中心線であり、Qは、ナット2の縦方向Yの寸法を二等分する横方向仮想中心線である。突起部21および係合凹部22は、縦方向仮想中心線Pおよび横方向仮想中心線Qに関して対称となる態様であってネジ孔20の両側に配置してある。
【0020】
突起部21および係合凹部22は、例えば、図6に示すように、2つの凹部40を有するダイ41の上部に、ネジ孔20を有するナット2を置いた状態で、2つのボス42を有するパンチ43を軸方向Zに沿って上方から下方に向けて打ちつける半抜き加工によって同時に形成してある。ナット2は、突起部21、係合凹部22、およびネジ孔20を除いて表面側および裏面側を平坦に形成してある。
【0021】
フローティングナット1は、さらに保持部材3を含む。保持部材3は、ステンレス等の金属によって形成してあって、図7〜図9に示すように、本体部31と、軸方向Zにおいて本体部31に対向する対向部35と、本体部31と対向部35とを連結する一対の連結部39とを備えている。
【0022】
本体部31は、略矩形状に形成してあって、一対の第1透孔320および第2透孔327を有する。第2透孔327は、図2に示すように、フローティングナット1を表面側から見た場合、その面積が、ネジ孔20の面積よりも大きく、ネジ孔20と相似形の円形を有する。一対の第1透孔320は、円形の第2透孔327の軸心328(図10参照)から径外方向に連続して延びていて、縦方向仮想中心線Pに関して対称となるように、第2透孔327の両側に配置してある。
【0023】
本体部31は、図9に示すように、その軸方向Zの寸法L8が、図5に示す突起部21の軸方向Zの寸法L7よりも大きい。換言すれば、突起部21の軸方向Zの寸法L7が、本体部31の軸方向Zの寸法L8よりも小さい。
【0024】
本体部31は、図7に示すように、横方向Xの両側から互いに離間するように延びる一対の突出部33を備えている。突出部33は、横方向Xにおいて、本体部31における第1透孔320を配置した部位の強度が低下することを防止するため、第1透孔320の両側に配置してある。突出部33は、フローティングナット1を後述する対象物である側壁パネル61に取り付けるための貫通孔34を有する。貫通孔34は、軸方向Zに沿って雌ネジ34aを有する。
【0025】
対向部35は、ナット2が、本体部31から離間することを規制する一対の規制部36と、ナット2を本体部31に押圧する一対の押圧部37とを備えている。規制部36および押圧部37は、軸方向Zにおいて、本体部31から離間する連結部39の端部39aから、本体部31に対向するように延びている。
【0026】
図9に示す軸方向Zにおける本体部31と規制部36との離間距離L1は、これら本体部31と規制部36との間にナット2が配置できるように、図5に示すナット2の軸方向Zの寸法L2よりもわずかに大きい。
【0027】
各押圧部37は、軸方向Zにおいてナット2を本体部31に押圧する板バネである。各押圧部37の先端は、軸方向Zにおいて、第1透孔320に近接する方向へ向けて突出する係合凸部38を有する。
【0028】
係合凸部38と係合凹部22とは、図2に示すように、ネジ孔20が第2透孔327を通じて表面側に見えるように保持部材3に対するナット2の縦方向Yおよび横方向Xへの位置を決める位置決め手段50を構成する(図3参照)。
【0029】
位置決め手段50によって、保持部材3に対するナット2の位置を決めた位置決め状態では、図10に示すように、第2透孔327の軸心328と、ネジ孔20の軸心200とが合致して、第2透孔327を通じてネジ孔20が表面側に現れるとともに、第1透孔320を通じて突起部21が表面側にそれぞれ現れる。
【0030】
位置決め状態での縦方向Yにおいて、突起部21の周縁部210と、第1透孔320の周縁部321との離間距離L3は、ネジ孔20の周縁部201と、第2透孔327の周縁部329との離間距離L4よりも小さい。よって、図11に示すように、保持部材3に対してナット2が縦方向Yに移動してネジ孔20が第2透孔327の周縁部329に近接した場合、突起部21の周縁部210が、第1透孔320の周縁部321に当接するため、ネジ孔20が第2透孔327の周縁部329によって覆われることはない。
【0031】
図10に示す位置決め状態での横方向Xにおいて、突起部21の周縁部210と、第1透孔320の周縁部321との離間距離L5は、ネジ孔20の周縁部201と、第2透孔327の周縁部329との離間距離L6よりも小さい。よって、図12に示すように、保持部材3に対してナット2が横方向Xに移動してネジ孔20が第2透孔327の周縁部329に近接した場合、突起部21の周縁部210が、第1透孔320の周縁部321に当接する。
【0032】
この発明に係るフローティングナット1によれば、ナット2と保持部材3の押圧部37との間には、係合凸部38と係合凹部22とで構成し、第2透孔327を通じて表面側にネジ孔20が見えるように保持部材3に対するナット2の縦方向Yおよび横方向Xへの位置を決める位置決め手段50を設けてあるため、係合凸部38と係合凹部22とが係合した場合には、保持部材3に対するナット2の位置を決定することができる一方、係合凸部38と係合凹部22との係合が解除された場合には、保持部材3に対してナット2が縦方向Yおよび横方向Xへ移動することができる。
【0033】
加えて、ナット2には、その表面側から突出し、位置決め手段50によって保持部材3に対するナット2の縦方向Yおよび横方向Xへの位置を決定した状態では、第1透孔320を通じて表面側に現れる突起部21を設け、その突起部21は、ネジ孔20が第2透孔327の周縁部329に近接した場合には、第1透孔320の周縁部321に当接するため、ネジ孔20が第2透孔327の周縁部329に隠れることを防止することができる。しかも、第1透孔320の内部に配置した突起部21と、第1透孔320の周縁部321との当接によって、ネジ孔20が第2透孔327の周縁部329に隠れることを防止するため、ナット2の表面側における保持部材3が位置する空間を有効利用することができるからナット2および保持部材3の軸方向Zの寸法が大きくなることがない。よって、フローティングナット1の軸方向Zの小型化を容易にすることができる。
【0034】
さらに、ナット2の裏面側の係合凹部22の位置と、ナット2の表面側の突起部21の位置とが縦方向Yおよび横方向Xにおいて合致するため、係合凹部22および突起部21を半抜き加工によって容易に形成することができる。
【0035】
また、第1透孔320と第2透孔327とを連続する態様で本体部31に形成してあるため、例えば、打ち抜き加工によって、第1透孔320と第2透孔327とを同時に形成することができるため、これら透孔320,327の形成を容易にすることができる。
【0036】
このようなフローティングナット1は、図13に示すように、例えば取り付け金具63を介して電車の側壁パネル61に手すり62を取り付ける際に使用する。具体的には、ネジ64によって取り付け金具63を側壁パネル61に取り付ける際、側壁パネル61の貫通孔61aと、取り付け金具63の貫通孔63aとの相対的な位置が、寸法誤差などによって合致しない場合がある。
【0037】
このような場合には、側壁パネル61の貫通孔61aを所定の寸法よりも大きく形成し、かつ側壁パネル61に貫通孔65を形成して、先ず、側壁パネル61の貫通孔65と、フローティングナット1の貫通孔34とを合致させる。
【0038】
次に、ネジ66の先端を貫通孔65に挿入し、ネジ66の先端を雌ネジ34aに螺号して、ネジ66によってフローティングナット1を側壁パネル61に取り付ける。
【0039】
次いで、取り付け金具63の貫通孔63aと、側壁パネル61の貫通孔61aとを合致させる。この際、貫通孔61aと、貫通孔63aとが合致しなくても、フローティングナット1の係合凸部38と係合凹部22との係合を解除して、保持部材3に対してナット2を縦方向Yおよび横方向Xへ移動することができる。よって、保持部材3に対してナット2を移動することにより、取り付け金具63の貫通孔63aと、ナット2のネジ孔20とを合致させることができ、フローティングナット1を介して取り付け金具63を側壁パネル61に容易に取り付けることができる。
【0040】
<第2実施形態>
図14は、この発明に係る第2実施形態のフローティングナット100の裏面側からの斜視図である。本実施形態の基本的構成は、第1実施形態と同様であるので、同一の箇所には、第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略して相違する点についてのみ以下に説明する。
【0041】
このフローティングナット100は、ネジ孔20の周縁部201にボス29を設けてある。ボス29は、ナット2の裏面側から突出する態様であって、軸方向Zに延びるように形成してある。
【0042】
このフローティングナット100によれば、ネジ孔20の周縁部201に、ナット2の裏面側から突出する態様であって、軸方向Zに延びるボス29を形成してあるため、フローティングナット1に締結するネジ64との締結を確実にすることができる。
【0043】
なお、フローティングナット1,100は、この発明の範囲で適宜変更することができ、上記実施形態に限定されることはない。例えば、上記実施形態では、ナット2として矩形板状のもので説明したが、形状は適宜変更することができる。また、ナット2および保持部材3を金属で形成する例を示したが、例えば熱可塑性または熱硬化性の合成樹脂等で形成することもできる。
【0044】
また、上記実施形態には、第1透孔320と第2透孔327とを連続する態様で本体部31に形成したもので説明したが、第1透孔320と第2透孔327とは個別に本体部31に形成してもよい。
【0045】
さらに、上記実施形態には、一対の第1透孔320を本体部31に形成したもので説明したが、第1透孔320の数は、2つに限られず、3つ以上形成してもよいし、1つ形成してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 フローティングナット
2 ナット
3 保持部材
20 ネジ孔
21 突起部
22 係合凹部
31 本体部
38 係合凸部
50 位置決め手段
100 フローティングナット
320 第1透孔
321 周縁部
327 第2透孔
329 周縁部
X 横方向
Y 縦方向
Z 軸方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向および横方向を有し、前記縦方向および前記横方向にそれぞれ直交する軸方向に沿うネジ孔を有する板状のナットと、前記ナットが前記軸方向へ移動することを規制しつつ、前記縦方向および前記横方向へ移動することを許容するように前記ナットを保持する保持部材とを備えるフローティングナットであって、
前記保持部材は、第1透孔と、前記ネジ孔よりも大きい第2透孔とを有する本体部、および前記軸方向へ前記ナットを前記本体部に押圧する押圧部を備え、
前記押圧部と前記ナットとの間には、係合凸部と係合凹部とで構成し、前記ネジ孔が前記第2透孔を通じて表面側に見えるように前記保持部材に対する前記ナットの前記縦方向および前記横方向への位置を決める位置決め手段を設け、
前記ナットには、前記表面側から突出し、前記位置決め手段によって前記保持部材に対する前記ナットの前記縦方向および前記横方向への位置を決定した状態では、前記第1透孔を通じて前記表面側に現れる突起部を設け、
前記突起部は、前記ネジ孔が前記第2透孔の周縁部に近接した場合には、前記第1透孔の周縁部に当接することを特徴とするフローティングナット。
【請求項2】
前記係合凸部は前記押圧部に形成してある一方、前記係合凹部は前記ナットの裏面側に形成してあり、
前記係合凹部の位置と前記突起部の位置とが、前記縦方向および前記横方向において合致する請求項1に記載のフローティングナット。
【請求項3】
前記ナットは、前記ネジ孔、前記突起部、および前記係合凹部を除いて前記表面側および裏面側を平坦に形成してある請求項1または2に記載のフローティングナット。
【請求項4】
前記第2透孔は、前記ネジ孔と相似形の円形状に形成してある一方、前記第1透孔は、前記円形状の第2透孔の軸心から径外方向に延びるように連続する態様で形成してある請求項1〜3のいずれかに記載のフローティングナット。
【請求項5】
前記突起部の前記軸方向の寸法が、前記本体部の前記軸方向の寸法よりも小さい請求項1〜4のいずれかに記載のフローティングナット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−113391(P2013−113391A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260948(P2011−260948)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000152169)株式会社栃木屋 (50)