ブラジャーなどのバック部を有する衣類
【課題】 バック布に凹凸部がなくて薄く形成されており、バック布には雄、雌係止具の頭部のみが外面に現れるだけで、プレーンでスッキリとしたおしゃれな外観で、着用時において違和感を生じることのない着心地のよいブラジャーなどのバック部を有する衣類を提供すること。
【解決手段】脇下部から背中部にかけて溶着するバック布4に設けた雄、雌係止具12、16により着脱自在になるブラジャーなどのバック部を有する衣類である。バック布4の内面部に雄、雌係止具12、16を一体的に取付ける。雄、雌係止具12,16の頭部12a、16aを切目13から露出している。
【解決手段】脇下部から背中部にかけて溶着するバック布4に設けた雄、雌係止具12、16により着脱自在になるブラジャーなどのバック部を有する衣類である。バック布4の内面部に雄、雌係止具12、16を一体的に取付ける。雄、雌係止具12,16の頭部12a、16aを切目13から露出している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラジャー、ブラスリップ、ボディスーツ、水着などのようにバック布を有し、その締め付け作用で脇下部から背中部にかけて密着して固定するバック部を有する衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バック布を有する代表的な衣類であるブラジャーは、一般的に左右のカップ布と、そのカップ布の下端部に縫着する土台布と、脇下部から背中部にかけて密着固定される左右のバック布と、肩紐とから構成されている。
【0003】
上記の各部材によって構成されるブラジャーは、バック布に取付けられたフック金具とアイ金具との係脱によって着脱自在にしてある。このフック金具とアイ金具は、バック布とは別体の比較的厚いテープ生地に縫い付けられている。すなわち、一方のバック布の一端部に、一定間隔毎で複数列に取付けられたアイ金具のテープ生地が縫着されると共に、そのアイ金具と係止するフック金具が取付けられたフックテープ生地が他方のバック布の一端部に縫着されており、このフック金具とアイ金具の係脱によって着脱自在にしてある。
【0004】
アイ金具が取付けられたテープは、ブラジャーを着用する時に、着用者のバストサイズの大小に応じて調整できるように、テープ生地の表面にアイ金具の取付け基部を隠す被覆布とアイ金具が上段、中段、下段の3段に取付けられており、上段の被覆布は基布テープの表面に縫着され、中段の被覆布は上段の被覆布に縫着され、下段の被覆布は中段の被覆布に縫着されており、その係脱位置を変えることにより、締め付け具合を調整できるようになっていて、テープは下段になるほど厚くなるアイテープが知られている。(例えば、特許文献1)
【0005】
上記のアイテープは複数枚の被覆布を重合して厚くなっているから、縫製作業する前に折り目付け加工など縫着しやすくするための準備を必要とし、時間と手間がかかり、かつ、その縫製作業は熟練した者でなければできなかった。また、ミシン縫製の縫糸がテープの表裏面に現れ、その縫糸が肌に接触すると違和感を覚えたり、縫糸の表面に生じた凹面および凸面が肌に接触すると肌荒れを生じたり、痒みを生じることがあった。さらに、薄いアウターウエアーを着用すると、外面からその肉厚部分の盛り上がりが見えて不体裁になると言った問題点があった。
【0006】
そのような欠点を解消するものとして、フック・アイ金具を比較的薄いテープ生地に取付け、その薄いテープ生地をバック布に縫着するのでなく、熱接着フィルムによる熱溶着で接合するタイプのフック・アイテープが知られている。このフック・アイテープの外面には縫着による縫糸が現れないので外観優美になり、生地厚さの硬直感も少なく、着心地も悪いことはないので好評を得ている。(例えば、特許文献2)
【特許文献1】特開2002−28009号公報
【特許文献2】登録実用新案第3104261号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献2の熱接着フィルムによるタイプのフック・アイテープは、バック布の一端部の外表面に接合されるので、外面に現れることになり外観が不体裁であった。また、バック布の部分とフック・アイテープを重ね合わせた所とでは段差が付き凹凸部ができることから、装着した時に違和感が生じる問題点があった。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決することを課題として研究開発されたもので、バック布の外面にフック・アイテープがなくて凹凸部を生じることがなくなると共に、薄く形成されており、バック布には雄、雌係止具の頭部のみが外面に現れるだけで、プレーンでスッキリとしたおしゃれな外観に仕上がり、かつ、着用時において違和感を生じることのない着心地のよいブラジャーなどのバック部を有する衣類を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本発明は、脇下部から背中部にかけて密着するバック布に設けた雄、雌係止具により着脱自在になるブラジャーなどのバック部を有する衣類において、バック布の内面部に雄、雌係止具を一体的に取付け、その雄、雌係止具の頭部を切目から露出していることを特徴とするブラジャーなどのバック部を有する衣類を開発し、採用した。
【0010】
また、本発明では、上記のように構成したブラジャーなどのバック部を有する衣類において、バック布は伸縮性表生地と伸縮性裏生地を熱接着フィルムで熱溶着した薄い生地であるブラジャーなどのバック部を有する衣類、およびバック布は雄、雌係止具の取付け部において凹凸の段差がないように形成されているブラジャーなどのバック部を有する衣類、および熱接着フィルムは長手方向に沿って開口部を設けてあるブラジャーなどのバック部を有する衣類、および雄、雌係止具はフックとアイよりなる係止具であるブラジャーなどのバック部を有する衣類を開発し、採用した。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、雄、雌係止具がバック布の内面部で一体化されていると共に、雄、雌係止具の頭部のみがバック布の外面に現れるだけであり、従来のフック・アイテープのように、段差による凹凸部がなく、全体が同じ厚さで薄く形成されているから、着用者の肌への食い込みや部分的な圧迫による不快感がなくなり、適度の締め付け力で身体に密着してずり上がりなどなく着心地が良好になる。また、バック布の外観がスマートですっきりとした優美な外観になる。さらに、薄いアウターを着用しても目立つことがない。また、熱接着フィルムには長さ方向に窓部を設けてあるから、表生地と裏生地を接合した時の通気性を損なうことがなく着用感が良く、伸縮性や強度性をも自在に変更できる便利さがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態をバック部を有する衣類の代表的なブラジャーの例で説明する。図1に示すように、ブラジャー本体1は、両乳房を覆う左右一対のカップ布2と、この両カップ布2と連結する土台布3と、カップ布2の脇側から背中部にあてがわれるバック布4と、カップ布2の上端とバック布4の上辺を連結するストラップ5とで構成されている。
【0013】
上記のカップ布2、土台布3、ストラップ5はいずれも従来の公知のものと変わらないことから説明は省略し、バック布4について説明をする。すなわち、図3〜図5に示すように、背中部に沿う部分が細帯体6に形成されており、その細帯体6から正面部のカップ布2に向かって上下辺が徐々に幅広くなるように形成され、その先端部をカップ布2の側縁部と縫着する弧状面7に形成されており、上辺部にはストラップ5を繋着する突出片8を有する形状になっている。
【0014】
このバック布4は横方向および縦方向の両方向に伸縮性を有するが、横方向により大きな伸縮性を有する伸縮性経編生地、例えばパワーネットなどが適しており、上下辺および両側辺はホツレを生じない縁になっており、表生地9と裏生地10の間にウレタンエラストマーフィルム11を介して熱溶着され厚さが1.0mm程度の薄い生地に仕上がっている。
【0015】
左側バック布4aは、図4に示すように、細帯体6の一端部にアイ金具12の頭部のループ部12aが表生地9に設けた一定間隔毎の縦切目13から突出している。すなわち、図3に示すように、表生地9と裏生地10の間に、ウレタンエラストマーフィルム11および図9,10に示すアイ金具12の脚部12bが縫糸で取付けられたテープ布14、そのテープ布14と同形同大の方形状のウレタンエラストマーフィルム15を配し、アイ金具12のループ部12aを表生地9に設けた縦切目13からループ部12aのみを露出させ、表生地9の表面からアイロンなどで加熱して一体的にするものである。
【0016】
一方、右側バック布4bは、図5に示すように、細帯体6の一端部にフック金具16の頭部のフック部16aが裏生地10に設けた縦切目13から露出している。すなわち、図3に示すように、表生地9と裏生地10の間に、ウレタンエラストマーフィルム15および図11,12に示すフック金具16の脚部16bを覆う覆布14aとフック金具16の脚部16aが縫糸で取付けられたテープ布14、そのテープ布14と同形同大の方形状のウレタンエラストマーフィルム15を配し、フック金具16のフック部16aを裏生地10に設けた縦切目13からフック16aのみを露出させ、表生地9の表面からアイロンなどで加熱して一体的にする。
【0017】
表生地9と裏生地10を接合一体化するウレタンエラストマーフィルム11は、図13,図14に示すように、バック布4と略同形同大であり、図13に示すように、長手方向に沿って長い開口部17を設けるか、あるいは図14に示すように、長手方向に沿って複数個の開口部17,17……17を設ける場合があり、表生地9と裏生地10が接合一体化した時に、その開口部17の存在により、その部分が溶着されず、通気性を阻害することがなくなると共に、伸縮性およびパワーを自在に変更できるようになっている。
【0018】
上記のように構成された本発明に係るブラジャーなどのバック部を有する衣類の代表的なブラジャーの使用状態を作用、効果と共に説明すれば、左バック布4aの一側端の表生地9と裏生地10との間に、アイ金具12を取付けたテープ布14を介在させ、表生地9と裏生地10の間にウレタンエラストマーフィルム11を挟んでアイロンなどで表面布2の上面から押圧することにより、表生地9と裏生地10が熱溶着され、その内面に介在するアイ金具12も一体化される。そして、テープ布14が表生地9と裏生地10で隠れることになり、外面に現れることがないのでスッキリとした優美な外観になる。
【0019】
また、表生地9と裏生地10を熱溶着して一体化されたバック布4の生地厚さは1.0mm程度の薄い生地であると共に、縦横特に横方向に大きな伸縮性を有しているから、脇下部から背中部にかけての締め付けが適度であり、身体の運動時においても位置ズレがなくピッタリとフィットする。
【0020】
さらに、バック布にはフック、アイ金具の取付け位置においても凹凸部が生じることなく段差が殆どないことから、着用した時の肌当たりが良くて着け心地がよく、圧迫感や違和感が生じることがない。
【0021】
なお、前記実施の形態においては、アイ金具12を左右に2個取り付けると共に、長さ方向に3段設けた場合について説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、1段の場合や2段の場合もあり、発明の目的を達成でき、かつ発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更が可能であることは当然のことである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、ブラジャーに限らず、ブラスリップ、ボディスーツ、水着などのバック布を有する衣類全般に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ブラジャーの正面図である。
【図2】バック部の背面図である。
【図3】バック部の要部の分解図である。
【図4】左側バック布の正面図である。
【図5】右側バック布の正面図である。
【図6】図4のA−A線拡大断面図である。
【図7】図5のB−B線拡大断面図である。
【図8】図4のC−C線断面図である。
【図9】アイテープの正面図である。
【図10】図9のD−D線断面図である。
【図11】フックテープの正面図である。
【図12】図10のE−E線断面図である。
【図13】熱接着フィルムの正面図である。
【図14】別の熱接着フィルムの正面図である
【符号の説明】
【0024】
4 バック布
9 表生地
10 裏生地
11 熱接着フィルム
12 雌係止具
12a 頭部
13 切目
16 雄係止具
16a 頭部
17 開口部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラジャー、ブラスリップ、ボディスーツ、水着などのようにバック布を有し、その締め付け作用で脇下部から背中部にかけて密着して固定するバック部を有する衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バック布を有する代表的な衣類であるブラジャーは、一般的に左右のカップ布と、そのカップ布の下端部に縫着する土台布と、脇下部から背中部にかけて密着固定される左右のバック布と、肩紐とから構成されている。
【0003】
上記の各部材によって構成されるブラジャーは、バック布に取付けられたフック金具とアイ金具との係脱によって着脱自在にしてある。このフック金具とアイ金具は、バック布とは別体の比較的厚いテープ生地に縫い付けられている。すなわち、一方のバック布の一端部に、一定間隔毎で複数列に取付けられたアイ金具のテープ生地が縫着されると共に、そのアイ金具と係止するフック金具が取付けられたフックテープ生地が他方のバック布の一端部に縫着されており、このフック金具とアイ金具の係脱によって着脱自在にしてある。
【0004】
アイ金具が取付けられたテープは、ブラジャーを着用する時に、着用者のバストサイズの大小に応じて調整できるように、テープ生地の表面にアイ金具の取付け基部を隠す被覆布とアイ金具が上段、中段、下段の3段に取付けられており、上段の被覆布は基布テープの表面に縫着され、中段の被覆布は上段の被覆布に縫着され、下段の被覆布は中段の被覆布に縫着されており、その係脱位置を変えることにより、締め付け具合を調整できるようになっていて、テープは下段になるほど厚くなるアイテープが知られている。(例えば、特許文献1)
【0005】
上記のアイテープは複数枚の被覆布を重合して厚くなっているから、縫製作業する前に折り目付け加工など縫着しやすくするための準備を必要とし、時間と手間がかかり、かつ、その縫製作業は熟練した者でなければできなかった。また、ミシン縫製の縫糸がテープの表裏面に現れ、その縫糸が肌に接触すると違和感を覚えたり、縫糸の表面に生じた凹面および凸面が肌に接触すると肌荒れを生じたり、痒みを生じることがあった。さらに、薄いアウターウエアーを着用すると、外面からその肉厚部分の盛り上がりが見えて不体裁になると言った問題点があった。
【0006】
そのような欠点を解消するものとして、フック・アイ金具を比較的薄いテープ生地に取付け、その薄いテープ生地をバック布に縫着するのでなく、熱接着フィルムによる熱溶着で接合するタイプのフック・アイテープが知られている。このフック・アイテープの外面には縫着による縫糸が現れないので外観優美になり、生地厚さの硬直感も少なく、着心地も悪いことはないので好評を得ている。(例えば、特許文献2)
【特許文献1】特開2002−28009号公報
【特許文献2】登録実用新案第3104261号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献2の熱接着フィルムによるタイプのフック・アイテープは、バック布の一端部の外表面に接合されるので、外面に現れることになり外観が不体裁であった。また、バック布の部分とフック・アイテープを重ね合わせた所とでは段差が付き凹凸部ができることから、装着した時に違和感が生じる問題点があった。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決することを課題として研究開発されたもので、バック布の外面にフック・アイテープがなくて凹凸部を生じることがなくなると共に、薄く形成されており、バック布には雄、雌係止具の頭部のみが外面に現れるだけで、プレーンでスッキリとしたおしゃれな外観に仕上がり、かつ、着用時において違和感を生じることのない着心地のよいブラジャーなどのバック部を有する衣類を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本発明は、脇下部から背中部にかけて密着するバック布に設けた雄、雌係止具により着脱自在になるブラジャーなどのバック部を有する衣類において、バック布の内面部に雄、雌係止具を一体的に取付け、その雄、雌係止具の頭部を切目から露出していることを特徴とするブラジャーなどのバック部を有する衣類を開発し、採用した。
【0010】
また、本発明では、上記のように構成したブラジャーなどのバック部を有する衣類において、バック布は伸縮性表生地と伸縮性裏生地を熱接着フィルムで熱溶着した薄い生地であるブラジャーなどのバック部を有する衣類、およびバック布は雄、雌係止具の取付け部において凹凸の段差がないように形成されているブラジャーなどのバック部を有する衣類、および熱接着フィルムは長手方向に沿って開口部を設けてあるブラジャーなどのバック部を有する衣類、および雄、雌係止具はフックとアイよりなる係止具であるブラジャーなどのバック部を有する衣類を開発し、採用した。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、雄、雌係止具がバック布の内面部で一体化されていると共に、雄、雌係止具の頭部のみがバック布の外面に現れるだけであり、従来のフック・アイテープのように、段差による凹凸部がなく、全体が同じ厚さで薄く形成されているから、着用者の肌への食い込みや部分的な圧迫による不快感がなくなり、適度の締め付け力で身体に密着してずり上がりなどなく着心地が良好になる。また、バック布の外観がスマートですっきりとした優美な外観になる。さらに、薄いアウターを着用しても目立つことがない。また、熱接着フィルムには長さ方向に窓部を設けてあるから、表生地と裏生地を接合した時の通気性を損なうことがなく着用感が良く、伸縮性や強度性をも自在に変更できる便利さがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態をバック部を有する衣類の代表的なブラジャーの例で説明する。図1に示すように、ブラジャー本体1は、両乳房を覆う左右一対のカップ布2と、この両カップ布2と連結する土台布3と、カップ布2の脇側から背中部にあてがわれるバック布4と、カップ布2の上端とバック布4の上辺を連結するストラップ5とで構成されている。
【0013】
上記のカップ布2、土台布3、ストラップ5はいずれも従来の公知のものと変わらないことから説明は省略し、バック布4について説明をする。すなわち、図3〜図5に示すように、背中部に沿う部分が細帯体6に形成されており、その細帯体6から正面部のカップ布2に向かって上下辺が徐々に幅広くなるように形成され、その先端部をカップ布2の側縁部と縫着する弧状面7に形成されており、上辺部にはストラップ5を繋着する突出片8を有する形状になっている。
【0014】
このバック布4は横方向および縦方向の両方向に伸縮性を有するが、横方向により大きな伸縮性を有する伸縮性経編生地、例えばパワーネットなどが適しており、上下辺および両側辺はホツレを生じない縁になっており、表生地9と裏生地10の間にウレタンエラストマーフィルム11を介して熱溶着され厚さが1.0mm程度の薄い生地に仕上がっている。
【0015】
左側バック布4aは、図4に示すように、細帯体6の一端部にアイ金具12の頭部のループ部12aが表生地9に設けた一定間隔毎の縦切目13から突出している。すなわち、図3に示すように、表生地9と裏生地10の間に、ウレタンエラストマーフィルム11および図9,10に示すアイ金具12の脚部12bが縫糸で取付けられたテープ布14、そのテープ布14と同形同大の方形状のウレタンエラストマーフィルム15を配し、アイ金具12のループ部12aを表生地9に設けた縦切目13からループ部12aのみを露出させ、表生地9の表面からアイロンなどで加熱して一体的にするものである。
【0016】
一方、右側バック布4bは、図5に示すように、細帯体6の一端部にフック金具16の頭部のフック部16aが裏生地10に設けた縦切目13から露出している。すなわち、図3に示すように、表生地9と裏生地10の間に、ウレタンエラストマーフィルム15および図11,12に示すフック金具16の脚部16bを覆う覆布14aとフック金具16の脚部16aが縫糸で取付けられたテープ布14、そのテープ布14と同形同大の方形状のウレタンエラストマーフィルム15を配し、フック金具16のフック部16aを裏生地10に設けた縦切目13からフック16aのみを露出させ、表生地9の表面からアイロンなどで加熱して一体的にする。
【0017】
表生地9と裏生地10を接合一体化するウレタンエラストマーフィルム11は、図13,図14に示すように、バック布4と略同形同大であり、図13に示すように、長手方向に沿って長い開口部17を設けるか、あるいは図14に示すように、長手方向に沿って複数個の開口部17,17……17を設ける場合があり、表生地9と裏生地10が接合一体化した時に、その開口部17の存在により、その部分が溶着されず、通気性を阻害することがなくなると共に、伸縮性およびパワーを自在に変更できるようになっている。
【0018】
上記のように構成された本発明に係るブラジャーなどのバック部を有する衣類の代表的なブラジャーの使用状態を作用、効果と共に説明すれば、左バック布4aの一側端の表生地9と裏生地10との間に、アイ金具12を取付けたテープ布14を介在させ、表生地9と裏生地10の間にウレタンエラストマーフィルム11を挟んでアイロンなどで表面布2の上面から押圧することにより、表生地9と裏生地10が熱溶着され、その内面に介在するアイ金具12も一体化される。そして、テープ布14が表生地9と裏生地10で隠れることになり、外面に現れることがないのでスッキリとした優美な外観になる。
【0019】
また、表生地9と裏生地10を熱溶着して一体化されたバック布4の生地厚さは1.0mm程度の薄い生地であると共に、縦横特に横方向に大きな伸縮性を有しているから、脇下部から背中部にかけての締め付けが適度であり、身体の運動時においても位置ズレがなくピッタリとフィットする。
【0020】
さらに、バック布にはフック、アイ金具の取付け位置においても凹凸部が生じることなく段差が殆どないことから、着用した時の肌当たりが良くて着け心地がよく、圧迫感や違和感が生じることがない。
【0021】
なお、前記実施の形態においては、アイ金具12を左右に2個取り付けると共に、長さ方向に3段設けた場合について説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、1段の場合や2段の場合もあり、発明の目的を達成でき、かつ発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更が可能であることは当然のことである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、ブラジャーに限らず、ブラスリップ、ボディスーツ、水着などのバック布を有する衣類全般に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ブラジャーの正面図である。
【図2】バック部の背面図である。
【図3】バック部の要部の分解図である。
【図4】左側バック布の正面図である。
【図5】右側バック布の正面図である。
【図6】図4のA−A線拡大断面図である。
【図7】図5のB−B線拡大断面図である。
【図8】図4のC−C線断面図である。
【図9】アイテープの正面図である。
【図10】図9のD−D線断面図である。
【図11】フックテープの正面図である。
【図12】図10のE−E線断面図である。
【図13】熱接着フィルムの正面図である。
【図14】別の熱接着フィルムの正面図である
【符号の説明】
【0024】
4 バック布
9 表生地
10 裏生地
11 熱接着フィルム
12 雌係止具
12a 頭部
13 切目
16 雄係止具
16a 頭部
17 開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脇下部から背中部にかけて密着するバック布に設けた雄、雌係止具により着脱自在になるブラジャーなどのバック部を有する衣類において、バック布の内面部に雄、雌係止具を一体的に取付け、その雄、雌係止具の頭部を切目から露出していることを特徴とするブラジャーなどのバック部を有する衣類。
【請求項2】
前記バック布は伸縮性表生地と伸縮性裏生地を熱接着フィルムで熱溶着した薄い生地である請求項1記載のブラジャーなどのバック部を有する衣類。
【請求項3】
前記バック布は雄、雌係止具の取付け部において凹凸の段差がないように形成されている請求項1または2記載のブラジャーなどのバック部を有する衣類。
【請求項4】
前記熱接着フィルムは長手方向に沿って開口部を設けてある請求項1から3のいずれか一つに記載のブラジャーなどのバック部を有する衣類。
【請求項5】
前記雄、雌係止具はフックとアイよりなる係止具である請求項1から4のいずれか一つに記載のブラジャーなどのバック部を有する衣類。
【請求項1】
脇下部から背中部にかけて密着するバック布に設けた雄、雌係止具により着脱自在になるブラジャーなどのバック部を有する衣類において、バック布の内面部に雄、雌係止具を一体的に取付け、その雄、雌係止具の頭部を切目から露出していることを特徴とするブラジャーなどのバック部を有する衣類。
【請求項2】
前記バック布は伸縮性表生地と伸縮性裏生地を熱接着フィルムで熱溶着した薄い生地である請求項1記載のブラジャーなどのバック部を有する衣類。
【請求項3】
前記バック布は雄、雌係止具の取付け部において凹凸の段差がないように形成されている請求項1または2記載のブラジャーなどのバック部を有する衣類。
【請求項4】
前記熱接着フィルムは長手方向に沿って開口部を設けてある請求項1から3のいずれか一つに記載のブラジャーなどのバック部を有する衣類。
【請求項5】
前記雄、雌係止具はフックとアイよりなる係止具である請求項1から4のいずれか一つに記載のブラジャーなどのバック部を有する衣類。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−200084(P2006−200084A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−14136(P2005−14136)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000138554)株式会社ユタックス (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000138554)株式会社ユタックス (18)
【Fターム(参考)】
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