ブリスターパック
【課題】気密性に優れながらも、商品を容易に取り出すことのできるブリスターパックを提供する。
【解決手段】化粧料容器2を収容する収容凹部12を有するブリスターケース4と、上記収容凹部12に対向する状態で上記ブリスターケース4の背部に配設され上記ブリスターケース4の一側から他側に向かってスライドさせる台紙3とを備えている。そして、上記ブリスターケース4の背面に上記収容凹部12の開口部を覆うようにしてフィルム5を剥離可能に貼着し、このフィルム5の一側端部と台紙3の一側端部とを連結し、上記台紙3を一側から他側に向かってスライドさせることにより上記フィルム5の一側端部を他側に引っ張って上記ブリスターケース4の背面から剥離させるように構成している。
【解決手段】化粧料容器2を収容する収容凹部12を有するブリスターケース4と、上記収容凹部12に対向する状態で上記ブリスターケース4の背部に配設され上記ブリスターケース4の一側から他側に向かってスライドさせる台紙3とを備えている。そして、上記ブリスターケース4の背面に上記収容凹部12の開口部を覆うようにしてフィルム5を剥離可能に貼着し、このフィルム5の一側端部と台紙3の一側端部とを連結し、上記台紙3を一側から他側に向かってスライドさせることにより上記フィルム5の一側端部を他側に引っ張って上記ブリスターケース4の背面から剥離させるように構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品,化粧品,日用品等の各種商品(液体や粉体等でもよい)を包装するのに用いられるブリスターパックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブリスターパックとして、図27に示すようなブリスターケースが提案されている。このブリスターケースは、歯ブラシ21用のブリスターケースであり、歯ブラシ21を収容するための収容突部22aを有するブリスタードーム22と、このブリスタードーム22の開口部を閉鎖する略平板状のブリスター台紙23とから構成されており、上記ブリスタードーム22がブリスター台紙23の正面部に形成されたホットメルト接着剤層(図示せず)に熱融着されて固定されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−192870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のブリスターケースでは、ブリスター台紙23の正面部にホットメルト接着剤層を介して熱融着されたブリスタードーム22から、ブリスター台紙23を引き剥がすときに、ブリスタードーム22,ブリスター台紙23の双方が撓みやすいため、ブリスタードーム22に沿ってブリスター台紙23を引っ張ってブリスタードーム22から剥がすことが難しく、歯ブラシ21を容易に取り出すことができないという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、気密性に優れながらも、商品を容易に取り出すことのできるブリスターパックの提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明のブリスターパックは、商品を収容する収容凹部を有するブリスターケースと、上記収容凹部に対向する状態で上記ブリスターケースの背部に配設され上記ブリスターケースの一側から他側に向かってスライドさせる台紙とを備え、上記ブリスターケースの背面に上記収容凹部の開口部を覆うようにしてシート材を剥離可能に貼着し、このシート材の一側端部と台紙の一側端部とを連結し、上記台紙を一側から他側に向かってスライドさせることにより上記シート材の一側端部を他側に引っ張って上記ブリスターケースの背面から剥離させるように構成したという構成をとる。
【発明の効果】
【0006】
すなわち、本発明のブリスターパックは、商品を収容する収容凹部を有するブリスターケースの背面に、上記収容凹部を覆うようにしてシート材を剥離可能に貼着し、このシート材の一側端部と、(上記収容凹部に対向する状態で上記ブリスターケースの背部に配設され上記ブリスターケースの一側から他側に向かってスライドさせる)台紙の一側端部とを連結し、上記台紙を一側から他側に向かってスライドさせることにより、上記シート材の一側端部を他側に引っ張って上記ブリスターケースの背面から剥離させるようにしている。このように、本発明のブリスターパックでは、台紙の他側端部を手指で引っ張る等して台紙をブリスターケースの一側から他側に向かってスライドさせることにより、シート材の一側端部をブリスターケースの他側に引っ張っているため、幅広の(例えば、ブリスターケースと同程度の横幅を有する)台紙でシート材をブリスターケースの背面に沿って略一直線状に引っ張ることができ、しかも、スライドしながらもブリスターケースの背部にある台紙で、ブリスターケースの撓みを防ぐこともでき、シート材をブリスターケースから容易に剥離させることができ、その結果、商品を容易に取り出すことができる。
【0007】
また、上記ブリスターケースに、その一側から他側に向かって延びる一対のガイド部が相対向状に形成され、これら両ガイド部に台紙がスライド自在に保持されていると、ブリスターケースの背面に貼着されたシート材を、このシート材の背部に配設された台紙で保護することができ、この台紙でシート材がブリスターケースから剥がれ落ちたり、他物に当たって破損したりするのを防ぐことができる。しかも、台紙をブリスターケースの背面に沿ってスライドさせやすくなり、その分シート材をブリスターケースの背面に沿って他側にスムーズに引っ張ることができ、シート材をブリスターケースの背面からさらに簡単に剥離させることができる。
【0008】
また、上記ブリスターケースの背面に、収容凹部の開口部の全体を覆うようにしてシート材を剥離可能に貼着していると、上記収容凹部の開口部の全体をシート材で閉塞して完全に気密性にすることができ、上記収容凹部に液体化粧料等の液体や粉末化粧料等の粉体を収容することもできる。このように、気密性に優れるうえ、上記したように、簡単に開封することができる。
【0009】
また、上記台紙の他側端部に、指を挿入しうる吊り下げ用穴部が穿設されていると、吊り下げ用穴部を利用し、これに指を挿入して台紙を引っ張ることができ、非常に便利である。しかも、吊り下げ用穴部を利用し、本発明のブリスターパックを吊り下げて使用した場合にも、台紙にシート材を介してブリスターケースが連結されており、商品の重さでブリスターケースが落下することがない。
【0010】
また、上記台紙の吊り下げ用穴部に対応する上記ブリスターケースの部分に吊り下げ用穴部が穿設されていると、本発明のブリスターパックを吊り下げ用フック等の吊り下げ手段に吊り下げた状態では、この吊り下げ手段が上記両穴部に挿通されているため、台紙を手指で引っ張る等してブリスターケースから剥離させることができない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0012】
図1〜図3は本発明のブリスターパックの一実施の形態を示している。これらの図において、1は化粧料(図示せず)が充填されたレフィル容器等の化粧料容器(商品)2を収納して吊り下げ展示するためのスライド式ブリスターパックであり、平板状厚紙製の台紙3と、透明プラスティック製のブリスターケース4と、上記台紙3の一側端部(この実施の形態では、左端縁部)に一体的に連結されたプラスティック製のフィルム(シート材)5とで構成されている。
【0013】
上記台紙3は、略長方形状に形成された平板状厚紙で構成されており、その他側端部(この実施の形態では、右端部)に、指先挿入用穴部を兼用する吊り下げ用穴部3aが穿設されている(図1および図2参照)。また、上記台紙3には、その左端縁部に、上記フィルム5の一側端部(この実施の形態では、左端縁部)の全面がホットメルト接着剤層等の接着剤層(図示せず)により接着,固定されている(図2参照)。
【0014】
上記ブリスターケース4は、図4〜図6に示すように、上記台紙3に対し、その一側から他側にかつ他側から一側に(この実施の形態では、左右方向に)スライド自在に装着されるものであり、平板部11と、この平板部11から表面側に一体的に突出形成された収容凹部12(この収容凹部12に、化粧料容器2が収容される)と、上記平板部11の前後両側部11a(図7〜図10参照)を裏面側に折り曲げることにより上記平板部11の左右両側に溝状隙間として形成された前後一対のスライド用係合部(ガイド部)13とが形成されている。そして、これら両スライド用係合部13に台紙3の前後両側縁部が左右方向にスライド自在に係合している。また、上記ブリスターケース4には、その右端部中央にU字状の切欠き凹部14が切欠き形成されている。このようなブリスターケース4は、例えば、透明なPVC(塩化ビニル樹脂)を用い、真空成形もしくは圧空成形により作製されたものである。
【0015】
上記フィルム5は、略長方形状に形成されたプラスティック製シート材(例えば、PET製フィルム等の合成樹脂製フィルム)で構成されている。なお、上記フィルム5のガスバリア性を向上させるため、上記フィルム5として、上記シート材の表裏両面の全面にアルミ箔等の金属箔を蒸着したものを使用することもできる。そして、上記フィルム5が、ブリスターケース4の収容凹部12の下端面開口部の全体を覆う状態で、ブリスターケース4の裏面の上記下端面開口部の外周部にヒートシール等により剥離自在に貼着,固定されている。また、上記フィルム5(の平板部11)の左端縁部の表面が台紙3の左端縁部の裏面に上記接着剤層により接着されて連結されており、これにより、裏からフィルム5が見えないため、見栄えがよいうえ、上記接着剤層を構成する接着剤をフィルム5の表面に1回塗布するだけで、ブリスターケース4に接着する接着剤層と、台紙3に接着する接着剤層との双方を形成することができ、製造工程数が減少し、製造が容易になる。
【0016】
上記の構成において、ブリスターパック1を作製する場合には、まず、ブリスターケース4の収容凹部12に化粧料容器2を収容し(図7および図8参照)、ついで、フィルム5およびこれに連結する台紙3を左右方向に向け、フィルム5で上記収容凹部12の下端面開口部の全体を覆うようにして、ブリスターケース4の裏面の上記下端面開口部の外周部にフィルム5をヒートシール等により剥離自在に貼着,固定し(図9参照)、つぎに、台紙3がブリスターケース4,フィルム5の裏面側に重り合うようにフィルム5を折り返し、フィルム5の折り返し部分がブリスターケース4の左端面に略面一となり、台紙3の右端面がブリスターケース4の右端面に略面一となるようにする(図10参照)。そののち、上記ブリスターケース4の前後両側部11aを加熱しながら折り返し、この折り返しにより前後一対のスライド用係合部13を形成し、これら両スライド用係合部13に台紙3の前後両側縁部がスライド自在に係合するようにする(図11参照)。これにより、上記ブリスターパック1を作製することができる。
【0017】
このようにして作製したブリスターパック1を、その吊り下げ用穴部3aを利用し、店内の壁面等に設けたフック等(図示せず)に吊り下げて展示することができる。この吊り下げ状態では、台紙3とブリスターケース4とはフィルム5を介して連結されており、化粧料容器2の重みによってもブリスターケース4がスライドして台紙3から落下することはない。また、ブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記フック等からブリスターパック1を取り外したのち、ブリスターケース4を一方の手で持ちながら、台紙3の吊り下げ用穴部3aに他方の指先を挿入して台紙3をブリスターケース4の一側から他側に向かって(この実施の形態では、右側方向に)引っ張ることを行う(図12および図13参照)。これにより、台紙3に引っ張られてフィルム5が右側方向に引っ張られるとともに、これに伴ってブリスターケース4の裏面から剥がれ、そのまま台紙3を右側方向に引っ張り続けると、ブリスターケース4の裏面の(収容凹部12の)下端面開口部の外周部からフィルム5が剥がれて上記下端面開口部が開口し、化粧料容器2を外部に取り出すことができる(図14および図15参照)。
【0018】
このように、上記実施の形態では、前後一対のスライド用係合部13で保持された幅広の台紙3を引っ張ってスライドさせることで、フィルム5を引っ張っているため、このフィルム5をブリスターケース4の裏面に沿って略一直線状に引っ張ることができ、しかも、スライドしながらもブリスターケース4の背部にある台紙3で、ブリスターケース4の撓みを防ぐこともでき、フィルム5をブリスターケース4から容易に剥離させることができる。しかも、上記フィルム5を台紙3で保護することができ、フィルム5がブリスターケース4から剥がれ落ちたり、他物に当たって破損したりするのを防ぐことができる。しかも、台紙3をブリスターケース4の裏面に沿ってスライドさせやすくなり、これにより、フィルム5をブリスターケース4の裏面に沿ってスムーズに引っ張ることができ、フィルム5をブリスターケース4の裏面からさらに簡単に剥離させることができる。
【0019】
図16〜図18は本発明のブリスターパックの他の実施の形態を示している。この実施の形態では、上記実施の形態において、上記ブリスターケース4の平板部11の右端部中央部分に、右端面が開口する隙間形成用凹部16が表面側に突出形成されており、この隙間形成用凹部16の上面平板部16aに、吊り下げ用フック等の吊り下げ手段を挿通しうる吊り下げ用穴部16bが穿設されている。また、上記隙間形成用凹部16に対応する上記台紙3の部分に、上記吊り下げ用穴部16bより大径に形成された(指先挿入用穴部を兼する)吊り下げ用穴部3aが穿設されている。このようなブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記吊り下げ手段からブリスターパック1を取り外したのち、上記実施の形態と同様にして、台紙3を手指等で引っ張ることを行う。なお、上記ブリスターケース4には切欠き凹部14が切欠き形成されていない。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0020】
この実施の形態でも、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、本発明のブリスターパックを吊り下げ手段に吊り下げた状態では、吊り下げ手段が上記両穴部3a,16bに挿通されているため、台紙3を手指等で引っ張ってブリスターケース4から剥離させることができない。しかも、上記台紙3の吊り下げ用穴部3aに手指を挿入したときに、上記ブリスターケース4の隙間形成用凹部16の内部に、指先を挿入しうる隙間があるため、指先を吊り下げ用穴部3aに押し込んで隙間形成用凹部16内に突入させることができ、台紙3を容易に引っ張ることができる。
【0021】
図19は本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、図1〜図15に示す実施の形態において、上記ブリスターケース4の平板部11の右端部中央部分に、吊り下げ手段を挿通しうる穴部4aが穿設されており、この穴部4aに対応する上記台紙3の部分に吊り下げ用穴部3a(この吊り下げ用穴部3aは指先挿入用穴部を兼用していない)が穿設されている。また、上記台紙3には、その右端縁中央部分から右方に向かって突片17が突出形成されており(図20参照)、この突片17を裏側に折り返して台紙3の裏面に当接させた状態で、上記吊り下げ用穴部3aに対応する部分に、この吊り下げ用穴部3aより大径に形成された(吊り下げ用穴部を兼用する)指先挿入用穴部17aが穿設されている。このようなブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記吊り下げ手段からブリスターパック1を取り外したのち、上記突片17を表面側に折り返し(図20参照)、その指先挿入用穴部17aに指先を挿入して台紙3を引っ張ることを行う(図21参照)。なお、上記ブリスターケース4には切欠き凹部14が切欠き形成されていない。それ以外の部分は、図1〜図15に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0022】
この実施の形態でも、図1〜図15に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、本発明のブリスターパックを吊り下げた状態では、吊り下げ手段が上記各穴部4a,3a,17aに挿通されているため、台紙3を手指等で引っ張ってブリスターケース4から剥離させることができない。
【0023】
図22は本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、図1〜図15に示す実施の形態において、上記ブリスターケース4の平板部11の右端部上下両側部分に上下一対の押さえ用突片4bが突出形成されており、裏面側に折り返して台紙3の右端面に当接させた状態で、この台紙3の右端面を抜け出し防止状に押さえるようにしている(図23参照)。このようなブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記吊り下げ手段からブリスターパック1を取り外したのち、上記両押さえ用突片4bに当たらないように、台紙3を少し奥側に折り曲げるようにして引っ張ることを行う。それ以外の部分は、図1〜図15に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0024】
この実施の形態でも、図1〜図15に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、上記両押さえ用突片4bにより台紙3の抜け出しを防止することができる。
【0025】
図24は本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、図1〜図15に示す実施の形態において、上記ブリスターケース4の平板部11の左端部中央部分に吊り下げ用穴部18が穿設されているとともに、この吊り下げ用穴部18に対応する上記フィルム5および台紙3の部分にそれぞれ吊り下げ用穴部(図示せず)が穿設されている。これら吊り下げ用穴部18は、ブリスターパック1の作製後に穿設してもよいし、ブリスターケース4,フィルム5および台紙3の作製時に予め穿設しておいてもよい。この実施の形態では、上記台紙3の右端部中央部分に形成された吊り下げ用穴部3bは、指先挿入用穴部として利用されており、吊り下げ用穴部としては利用されていない。このようなブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記吊り下げ手段からブリスターパック1を取り外したのち、図1〜図15に示す実施の形態と同様にして、台紙3を手指等で引っ張ることを行う。それ以外の部分は、図1〜図15に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0026】
この実施の形態でも、図1〜図15に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、本発明のブリスターパックを吊り下げた状態では、上記吊り下げ手段が上記各穴部18に挿通されているため、台紙3を手指等で引っ張ってブリスターケース4から剥離させることができない。
【0027】
図25は本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、図1〜図15に示す実施の形態において、上記ブリスターケース4の平板部11の右端部上下両側部分に上下一対の凸部19が裏面側に突出形成されており、これら両凸部19に対応する上記台紙3の部分に、上記各凸部19を挿通しうる上下一対の穴部19aが穿設されている(図26参照)。このようなブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記両凸部19に当たらないように、両凸部19を少し手前側に押すとともに、台紙3を少し奥側に折り曲げるようにしたのち、図1〜図15に示す実施の形態と同様にして、台紙3を手指等で引っ張ることを行う。それ以外の部分は、図1〜図15に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0028】
この実施の形態でも、図1〜図15に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、上記両凸部19によりブリスターパック1から台紙3が抜け出すのを防止することができる。
【0029】
なお、上記各実施の形態では、ブリスターケース4の材質をPVC(塩化ビニル樹脂)としたが、これに限定されるものではなく、A−PET(ポリエチレンテレフタレート),PP(ポリプロピレン),PS(ポリスチレン)等の他のプラスチックの材質でもよいし、プラスチック以外の材質でもよい。また、台紙1を厚紙製としたが、これに限定されるものではなく、プラスチック等の他の材質でもよい。
【0030】
また、商品として、化粧料容器2を用いているが、食品,日用品等の各種商品を用いてもよいし、ブリスターケース4の収容凹部12の下端面開口部の全体をフィルム5で塞いでいるため、上記収容凹部12に液体化粧料等の液体や粉末化粧料等の粉体を用いることもできる。また、商品として、食品,日用品等の固形物を用いる場合には、商品が収容凹部12から落ちないのであれば、フィルム5で上記収容凹部12の下端面開口部の全体を覆う必要はなく、一部だけを覆うようにしてもよい。
【0031】
また、ブリスターケース4の平板部11の前後両側部11aを裏面側に折り曲げることにより両スライド用係合部13を形成しているが、2つのスライド用係合部13をブリスターケース4とは別体に作製し、これらをブリスターケース4の平板部11の裏面に接着等で固定してもよい。また、台紙3とフィルム5とは別体に作製し、これらを接着して一体化しているが、両者を型成形等により一体成形してもよい。また、台紙3とブリスターケース4とフィルム5とを型成形等により一体成形することも考えられる。また、図16〜図18に示す実施の形態では、ブリスターケース4の平板部11に突出形成された隙間形成用凹部16が断面形状略コ字状に折り曲げ形成されているが、断面形状がなだらかに湾曲する湾曲状に形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のブリスターパックの一実施の形態を示す平面図である。
【図2】上記ブリスターパックの断面図である。
【図3】上記ブリスターパックの要部の断面図である。
【図4】台紙の平面図である。
【図5】上記台紙の断面図である。
【図6】上記台紙の要部の断面図である。
【図7】上記ブリスターパックの作製方法を示す斜視図である。
【図8】上記ブリスターパックの作製方法を示す斜視図である。
【図9】上記ブリスターパックの作製方法を示す斜視図である。
【図10】上記ブリスターパックの作製方法を示す斜視図である。
【図11】上記ブリスターパックの作製方法を示す斜視図である。
【図12】上記ブリスターパックの開封方法を示す斜視図である。
【図13】上記ブリスターパックの開封方法を示す断面図である。
【図14】上記ブリスターパックの開封方法を示す斜視図である。
【図15】上記ブリスターパックの開封方法を示す断面図である。
【図16】本発明のブリスターパックの他の実施の形態を示す斜視図である。
【図17】上記ブリスターパックの平面図である。
【図18】上記ブリスターパックの断面図である。
【図19】本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示す斜視図である。
【図20】上記ブリスターパックの開封方法を示す斜視図である。
【図21】上記ブリスターパックの開封方法を示す斜視図である。
【図22】本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示す斜視図である。
【図23】上記ブリスターパックの要部の断面図である。
【図24】本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示す斜視図である。
【図25】本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示す斜視図である。
【図26】上記ブリスターパックの要部の断面図である。
【図27】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
2 化粧料容器
3 台紙
4 ブリスターケース
5 フィルム
12 収容凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品,化粧品,日用品等の各種商品(液体や粉体等でもよい)を包装するのに用いられるブリスターパックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブリスターパックとして、図27に示すようなブリスターケースが提案されている。このブリスターケースは、歯ブラシ21用のブリスターケースであり、歯ブラシ21を収容するための収容突部22aを有するブリスタードーム22と、このブリスタードーム22の開口部を閉鎖する略平板状のブリスター台紙23とから構成されており、上記ブリスタードーム22がブリスター台紙23の正面部に形成されたホットメルト接着剤層(図示せず)に熱融着されて固定されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−192870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のブリスターケースでは、ブリスター台紙23の正面部にホットメルト接着剤層を介して熱融着されたブリスタードーム22から、ブリスター台紙23を引き剥がすときに、ブリスタードーム22,ブリスター台紙23の双方が撓みやすいため、ブリスタードーム22に沿ってブリスター台紙23を引っ張ってブリスタードーム22から剥がすことが難しく、歯ブラシ21を容易に取り出すことができないという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、気密性に優れながらも、商品を容易に取り出すことのできるブリスターパックの提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明のブリスターパックは、商品を収容する収容凹部を有するブリスターケースと、上記収容凹部に対向する状態で上記ブリスターケースの背部に配設され上記ブリスターケースの一側から他側に向かってスライドさせる台紙とを備え、上記ブリスターケースの背面に上記収容凹部の開口部を覆うようにしてシート材を剥離可能に貼着し、このシート材の一側端部と台紙の一側端部とを連結し、上記台紙を一側から他側に向かってスライドさせることにより上記シート材の一側端部を他側に引っ張って上記ブリスターケースの背面から剥離させるように構成したという構成をとる。
【発明の効果】
【0006】
すなわち、本発明のブリスターパックは、商品を収容する収容凹部を有するブリスターケースの背面に、上記収容凹部を覆うようにしてシート材を剥離可能に貼着し、このシート材の一側端部と、(上記収容凹部に対向する状態で上記ブリスターケースの背部に配設され上記ブリスターケースの一側から他側に向かってスライドさせる)台紙の一側端部とを連結し、上記台紙を一側から他側に向かってスライドさせることにより、上記シート材の一側端部を他側に引っ張って上記ブリスターケースの背面から剥離させるようにしている。このように、本発明のブリスターパックでは、台紙の他側端部を手指で引っ張る等して台紙をブリスターケースの一側から他側に向かってスライドさせることにより、シート材の一側端部をブリスターケースの他側に引っ張っているため、幅広の(例えば、ブリスターケースと同程度の横幅を有する)台紙でシート材をブリスターケースの背面に沿って略一直線状に引っ張ることができ、しかも、スライドしながらもブリスターケースの背部にある台紙で、ブリスターケースの撓みを防ぐこともでき、シート材をブリスターケースから容易に剥離させることができ、その結果、商品を容易に取り出すことができる。
【0007】
また、上記ブリスターケースに、その一側から他側に向かって延びる一対のガイド部が相対向状に形成され、これら両ガイド部に台紙がスライド自在に保持されていると、ブリスターケースの背面に貼着されたシート材を、このシート材の背部に配設された台紙で保護することができ、この台紙でシート材がブリスターケースから剥がれ落ちたり、他物に当たって破損したりするのを防ぐことができる。しかも、台紙をブリスターケースの背面に沿ってスライドさせやすくなり、その分シート材をブリスターケースの背面に沿って他側にスムーズに引っ張ることができ、シート材をブリスターケースの背面からさらに簡単に剥離させることができる。
【0008】
また、上記ブリスターケースの背面に、収容凹部の開口部の全体を覆うようにしてシート材を剥離可能に貼着していると、上記収容凹部の開口部の全体をシート材で閉塞して完全に気密性にすることができ、上記収容凹部に液体化粧料等の液体や粉末化粧料等の粉体を収容することもできる。このように、気密性に優れるうえ、上記したように、簡単に開封することができる。
【0009】
また、上記台紙の他側端部に、指を挿入しうる吊り下げ用穴部が穿設されていると、吊り下げ用穴部を利用し、これに指を挿入して台紙を引っ張ることができ、非常に便利である。しかも、吊り下げ用穴部を利用し、本発明のブリスターパックを吊り下げて使用した場合にも、台紙にシート材を介してブリスターケースが連結されており、商品の重さでブリスターケースが落下することがない。
【0010】
また、上記台紙の吊り下げ用穴部に対応する上記ブリスターケースの部分に吊り下げ用穴部が穿設されていると、本発明のブリスターパックを吊り下げ用フック等の吊り下げ手段に吊り下げた状態では、この吊り下げ手段が上記両穴部に挿通されているため、台紙を手指で引っ張る等してブリスターケースから剥離させることができない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0012】
図1〜図3は本発明のブリスターパックの一実施の形態を示している。これらの図において、1は化粧料(図示せず)が充填されたレフィル容器等の化粧料容器(商品)2を収納して吊り下げ展示するためのスライド式ブリスターパックであり、平板状厚紙製の台紙3と、透明プラスティック製のブリスターケース4と、上記台紙3の一側端部(この実施の形態では、左端縁部)に一体的に連結されたプラスティック製のフィルム(シート材)5とで構成されている。
【0013】
上記台紙3は、略長方形状に形成された平板状厚紙で構成されており、その他側端部(この実施の形態では、右端部)に、指先挿入用穴部を兼用する吊り下げ用穴部3aが穿設されている(図1および図2参照)。また、上記台紙3には、その左端縁部に、上記フィルム5の一側端部(この実施の形態では、左端縁部)の全面がホットメルト接着剤層等の接着剤層(図示せず)により接着,固定されている(図2参照)。
【0014】
上記ブリスターケース4は、図4〜図6に示すように、上記台紙3に対し、その一側から他側にかつ他側から一側に(この実施の形態では、左右方向に)スライド自在に装着されるものであり、平板部11と、この平板部11から表面側に一体的に突出形成された収容凹部12(この収容凹部12に、化粧料容器2が収容される)と、上記平板部11の前後両側部11a(図7〜図10参照)を裏面側に折り曲げることにより上記平板部11の左右両側に溝状隙間として形成された前後一対のスライド用係合部(ガイド部)13とが形成されている。そして、これら両スライド用係合部13に台紙3の前後両側縁部が左右方向にスライド自在に係合している。また、上記ブリスターケース4には、その右端部中央にU字状の切欠き凹部14が切欠き形成されている。このようなブリスターケース4は、例えば、透明なPVC(塩化ビニル樹脂)を用い、真空成形もしくは圧空成形により作製されたものである。
【0015】
上記フィルム5は、略長方形状に形成されたプラスティック製シート材(例えば、PET製フィルム等の合成樹脂製フィルム)で構成されている。なお、上記フィルム5のガスバリア性を向上させるため、上記フィルム5として、上記シート材の表裏両面の全面にアルミ箔等の金属箔を蒸着したものを使用することもできる。そして、上記フィルム5が、ブリスターケース4の収容凹部12の下端面開口部の全体を覆う状態で、ブリスターケース4の裏面の上記下端面開口部の外周部にヒートシール等により剥離自在に貼着,固定されている。また、上記フィルム5(の平板部11)の左端縁部の表面が台紙3の左端縁部の裏面に上記接着剤層により接着されて連結されており、これにより、裏からフィルム5が見えないため、見栄えがよいうえ、上記接着剤層を構成する接着剤をフィルム5の表面に1回塗布するだけで、ブリスターケース4に接着する接着剤層と、台紙3に接着する接着剤層との双方を形成することができ、製造工程数が減少し、製造が容易になる。
【0016】
上記の構成において、ブリスターパック1を作製する場合には、まず、ブリスターケース4の収容凹部12に化粧料容器2を収容し(図7および図8参照)、ついで、フィルム5およびこれに連結する台紙3を左右方向に向け、フィルム5で上記収容凹部12の下端面開口部の全体を覆うようにして、ブリスターケース4の裏面の上記下端面開口部の外周部にフィルム5をヒートシール等により剥離自在に貼着,固定し(図9参照)、つぎに、台紙3がブリスターケース4,フィルム5の裏面側に重り合うようにフィルム5を折り返し、フィルム5の折り返し部分がブリスターケース4の左端面に略面一となり、台紙3の右端面がブリスターケース4の右端面に略面一となるようにする(図10参照)。そののち、上記ブリスターケース4の前後両側部11aを加熱しながら折り返し、この折り返しにより前後一対のスライド用係合部13を形成し、これら両スライド用係合部13に台紙3の前後両側縁部がスライド自在に係合するようにする(図11参照)。これにより、上記ブリスターパック1を作製することができる。
【0017】
このようにして作製したブリスターパック1を、その吊り下げ用穴部3aを利用し、店内の壁面等に設けたフック等(図示せず)に吊り下げて展示することができる。この吊り下げ状態では、台紙3とブリスターケース4とはフィルム5を介して連結されており、化粧料容器2の重みによってもブリスターケース4がスライドして台紙3から落下することはない。また、ブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記フック等からブリスターパック1を取り外したのち、ブリスターケース4を一方の手で持ちながら、台紙3の吊り下げ用穴部3aに他方の指先を挿入して台紙3をブリスターケース4の一側から他側に向かって(この実施の形態では、右側方向に)引っ張ることを行う(図12および図13参照)。これにより、台紙3に引っ張られてフィルム5が右側方向に引っ張られるとともに、これに伴ってブリスターケース4の裏面から剥がれ、そのまま台紙3を右側方向に引っ張り続けると、ブリスターケース4の裏面の(収容凹部12の)下端面開口部の外周部からフィルム5が剥がれて上記下端面開口部が開口し、化粧料容器2を外部に取り出すことができる(図14および図15参照)。
【0018】
このように、上記実施の形態では、前後一対のスライド用係合部13で保持された幅広の台紙3を引っ張ってスライドさせることで、フィルム5を引っ張っているため、このフィルム5をブリスターケース4の裏面に沿って略一直線状に引っ張ることができ、しかも、スライドしながらもブリスターケース4の背部にある台紙3で、ブリスターケース4の撓みを防ぐこともでき、フィルム5をブリスターケース4から容易に剥離させることができる。しかも、上記フィルム5を台紙3で保護することができ、フィルム5がブリスターケース4から剥がれ落ちたり、他物に当たって破損したりするのを防ぐことができる。しかも、台紙3をブリスターケース4の裏面に沿ってスライドさせやすくなり、これにより、フィルム5をブリスターケース4の裏面に沿ってスムーズに引っ張ることができ、フィルム5をブリスターケース4の裏面からさらに簡単に剥離させることができる。
【0019】
図16〜図18は本発明のブリスターパックの他の実施の形態を示している。この実施の形態では、上記実施の形態において、上記ブリスターケース4の平板部11の右端部中央部分に、右端面が開口する隙間形成用凹部16が表面側に突出形成されており、この隙間形成用凹部16の上面平板部16aに、吊り下げ用フック等の吊り下げ手段を挿通しうる吊り下げ用穴部16bが穿設されている。また、上記隙間形成用凹部16に対応する上記台紙3の部分に、上記吊り下げ用穴部16bより大径に形成された(指先挿入用穴部を兼する)吊り下げ用穴部3aが穿設されている。このようなブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記吊り下げ手段からブリスターパック1を取り外したのち、上記実施の形態と同様にして、台紙3を手指等で引っ張ることを行う。なお、上記ブリスターケース4には切欠き凹部14が切欠き形成されていない。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0020】
この実施の形態でも、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、本発明のブリスターパックを吊り下げ手段に吊り下げた状態では、吊り下げ手段が上記両穴部3a,16bに挿通されているため、台紙3を手指等で引っ張ってブリスターケース4から剥離させることができない。しかも、上記台紙3の吊り下げ用穴部3aに手指を挿入したときに、上記ブリスターケース4の隙間形成用凹部16の内部に、指先を挿入しうる隙間があるため、指先を吊り下げ用穴部3aに押し込んで隙間形成用凹部16内に突入させることができ、台紙3を容易に引っ張ることができる。
【0021】
図19は本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、図1〜図15に示す実施の形態において、上記ブリスターケース4の平板部11の右端部中央部分に、吊り下げ手段を挿通しうる穴部4aが穿設されており、この穴部4aに対応する上記台紙3の部分に吊り下げ用穴部3a(この吊り下げ用穴部3aは指先挿入用穴部を兼用していない)が穿設されている。また、上記台紙3には、その右端縁中央部分から右方に向かって突片17が突出形成されており(図20参照)、この突片17を裏側に折り返して台紙3の裏面に当接させた状態で、上記吊り下げ用穴部3aに対応する部分に、この吊り下げ用穴部3aより大径に形成された(吊り下げ用穴部を兼用する)指先挿入用穴部17aが穿設されている。このようなブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記吊り下げ手段からブリスターパック1を取り外したのち、上記突片17を表面側に折り返し(図20参照)、その指先挿入用穴部17aに指先を挿入して台紙3を引っ張ることを行う(図21参照)。なお、上記ブリスターケース4には切欠き凹部14が切欠き形成されていない。それ以外の部分は、図1〜図15に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0022】
この実施の形態でも、図1〜図15に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、本発明のブリスターパックを吊り下げた状態では、吊り下げ手段が上記各穴部4a,3a,17aに挿通されているため、台紙3を手指等で引っ張ってブリスターケース4から剥離させることができない。
【0023】
図22は本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、図1〜図15に示す実施の形態において、上記ブリスターケース4の平板部11の右端部上下両側部分に上下一対の押さえ用突片4bが突出形成されており、裏面側に折り返して台紙3の右端面に当接させた状態で、この台紙3の右端面を抜け出し防止状に押さえるようにしている(図23参照)。このようなブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記吊り下げ手段からブリスターパック1を取り外したのち、上記両押さえ用突片4bに当たらないように、台紙3を少し奥側に折り曲げるようにして引っ張ることを行う。それ以外の部分は、図1〜図15に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0024】
この実施の形態でも、図1〜図15に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、上記両押さえ用突片4bにより台紙3の抜け出しを防止することができる。
【0025】
図24は本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、図1〜図15に示す実施の形態において、上記ブリスターケース4の平板部11の左端部中央部分に吊り下げ用穴部18が穿設されているとともに、この吊り下げ用穴部18に対応する上記フィルム5および台紙3の部分にそれぞれ吊り下げ用穴部(図示せず)が穿設されている。これら吊り下げ用穴部18は、ブリスターパック1の作製後に穿設してもよいし、ブリスターケース4,フィルム5および台紙3の作製時に予め穿設しておいてもよい。この実施の形態では、上記台紙3の右端部中央部分に形成された吊り下げ用穴部3bは、指先挿入用穴部として利用されており、吊り下げ用穴部としては利用されていない。このようなブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記吊り下げ手段からブリスターパック1を取り外したのち、図1〜図15に示す実施の形態と同様にして、台紙3を手指等で引っ張ることを行う。それ以外の部分は、図1〜図15に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0026】
この実施の形態でも、図1〜図15に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、本発明のブリスターパックを吊り下げた状態では、上記吊り下げ手段が上記各穴部18に挿通されているため、台紙3を手指等で引っ張ってブリスターケース4から剥離させることができない。
【0027】
図25は本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、図1〜図15に示す実施の形態において、上記ブリスターケース4の平板部11の右端部上下両側部分に上下一対の凸部19が裏面側に突出形成されており、これら両凸部19に対応する上記台紙3の部分に、上記各凸部19を挿通しうる上下一対の穴部19aが穿設されている(図26参照)。このようなブリスターパック1を開封して化粧料容器2を取り出す場合には、上記両凸部19に当たらないように、両凸部19を少し手前側に押すとともに、台紙3を少し奥側に折り曲げるようにしたのち、図1〜図15に示す実施の形態と同様にして、台紙3を手指等で引っ張ることを行う。それ以外の部分は、図1〜図15に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0028】
この実施の形態でも、図1〜図15に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、上記両凸部19によりブリスターパック1から台紙3が抜け出すのを防止することができる。
【0029】
なお、上記各実施の形態では、ブリスターケース4の材質をPVC(塩化ビニル樹脂)としたが、これに限定されるものではなく、A−PET(ポリエチレンテレフタレート),PP(ポリプロピレン),PS(ポリスチレン)等の他のプラスチックの材質でもよいし、プラスチック以外の材質でもよい。また、台紙1を厚紙製としたが、これに限定されるものではなく、プラスチック等の他の材質でもよい。
【0030】
また、商品として、化粧料容器2を用いているが、食品,日用品等の各種商品を用いてもよいし、ブリスターケース4の収容凹部12の下端面開口部の全体をフィルム5で塞いでいるため、上記収容凹部12に液体化粧料等の液体や粉末化粧料等の粉体を用いることもできる。また、商品として、食品,日用品等の固形物を用いる場合には、商品が収容凹部12から落ちないのであれば、フィルム5で上記収容凹部12の下端面開口部の全体を覆う必要はなく、一部だけを覆うようにしてもよい。
【0031】
また、ブリスターケース4の平板部11の前後両側部11aを裏面側に折り曲げることにより両スライド用係合部13を形成しているが、2つのスライド用係合部13をブリスターケース4とは別体に作製し、これらをブリスターケース4の平板部11の裏面に接着等で固定してもよい。また、台紙3とフィルム5とは別体に作製し、これらを接着して一体化しているが、両者を型成形等により一体成形してもよい。また、台紙3とブリスターケース4とフィルム5とを型成形等により一体成形することも考えられる。また、図16〜図18に示す実施の形態では、ブリスターケース4の平板部11に突出形成された隙間形成用凹部16が断面形状略コ字状に折り曲げ形成されているが、断面形状がなだらかに湾曲する湾曲状に形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のブリスターパックの一実施の形態を示す平面図である。
【図2】上記ブリスターパックの断面図である。
【図3】上記ブリスターパックの要部の断面図である。
【図4】台紙の平面図である。
【図5】上記台紙の断面図である。
【図6】上記台紙の要部の断面図である。
【図7】上記ブリスターパックの作製方法を示す斜視図である。
【図8】上記ブリスターパックの作製方法を示す斜視図である。
【図9】上記ブリスターパックの作製方法を示す斜視図である。
【図10】上記ブリスターパックの作製方法を示す斜視図である。
【図11】上記ブリスターパックの作製方法を示す斜視図である。
【図12】上記ブリスターパックの開封方法を示す斜視図である。
【図13】上記ブリスターパックの開封方法を示す断面図である。
【図14】上記ブリスターパックの開封方法を示す斜視図である。
【図15】上記ブリスターパックの開封方法を示す断面図である。
【図16】本発明のブリスターパックの他の実施の形態を示す斜視図である。
【図17】上記ブリスターパックの平面図である。
【図18】上記ブリスターパックの断面図である。
【図19】本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示す斜視図である。
【図20】上記ブリスターパックの開封方法を示す斜視図である。
【図21】上記ブリスターパックの開封方法を示す斜視図である。
【図22】本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示す斜視図である。
【図23】上記ブリスターパックの要部の断面図である。
【図24】本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示す斜視図である。
【図25】本発明のブリスターパックのさらに他の実施の形態を示す斜視図である。
【図26】上記ブリスターパックの要部の断面図である。
【図27】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
2 化粧料容器
3 台紙
4 ブリスターケース
5 フィルム
12 収容凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を収容する収容凹部を有するブリスターケースと、上記収容凹部に対向する状態で上記ブリスターケースの背部に配設され上記ブリスターケースの一側から他側に向かってスライドさせる台紙とを備え、上記ブリスターケースの背面に上記収容凹部の開口部を覆うようにしてシート材を剥離可能に貼着し、このシート材の一側端部と台紙の一側端部とを連結し、上記台紙を一側から他側に向かってスライドさせることにより上記シート材の一側端部を他側に引っ張って上記ブリスターケースの背面から剥離させるように構成したことを特徴とするブリスターパック。
【請求項2】
上記ブリスターケースに、その一側から他側に向かって延びる一対のガイド部が相対向状に形成され、これら両ガイド部に台紙がスライド自在に保持されている請求項1記載のブリスターパック。
【請求項3】
上記ブリスターケースの背面に、収容凹部の開口部の全体を覆うようにしてシート材を剥離可能に貼着している請求項1または2記載のブリスターパック。
【請求項4】
上記台紙の他側端部に、指を挿入しうる吊り下げ用穴部が穿設されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のブリスターパック。
【請求項5】
上記台紙の吊り下げ用穴部に対応する上記ブリスターケースの部分に吊り下げ用穴部が穿設されている請求項4記載のブリスターパック。
【請求項1】
商品を収容する収容凹部を有するブリスターケースと、上記収容凹部に対向する状態で上記ブリスターケースの背部に配設され上記ブリスターケースの一側から他側に向かってスライドさせる台紙とを備え、上記ブリスターケースの背面に上記収容凹部の開口部を覆うようにしてシート材を剥離可能に貼着し、このシート材の一側端部と台紙の一側端部とを連結し、上記台紙を一側から他側に向かってスライドさせることにより上記シート材の一側端部を他側に引っ張って上記ブリスターケースの背面から剥離させるように構成したことを特徴とするブリスターパック。
【請求項2】
上記ブリスターケースに、その一側から他側に向かって延びる一対のガイド部が相対向状に形成され、これら両ガイド部に台紙がスライド自在に保持されている請求項1記載のブリスターパック。
【請求項3】
上記ブリスターケースの背面に、収容凹部の開口部の全体を覆うようにしてシート材を剥離可能に貼着している請求項1または2記載のブリスターパック。
【請求項4】
上記台紙の他側端部に、指を挿入しうる吊り下げ用穴部が穿設されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のブリスターパック。
【請求項5】
上記台紙の吊り下げ用穴部に対応する上記ブリスターケースの部分に吊り下げ用穴部が穿設されている請求項4記載のブリスターパック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2006−168760(P2006−168760A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−361726(P2004−361726)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【Fターム(参考)】
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