説明

ブレーカ制御システム及びブレーカ又はリミッター

【課題】大地震による家屋の倒壊、損傷、ガス漏れ、配線や電気設備の故障、家電機器の使いっぱなしや散乱等が発生した場合において、停電復旧に伴う再送電後におこり得る電気火災を有効に防止することが出来るブレーカの制御システムを提供する。
【解決手段】屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器2に対して電力の供給状態を制御するブレーカ3と、当該ブレーカ3の導通状態と遮断状態を制御するブレーカ制御手段4とで構成され、且つ当該制御手段4は、停電状態発生有無検知手段6と停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段7とから構成されているブレーカ制御システム1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーカ制御システムに関するものであると共に、ブレーカ或はリミッターに関するものであり、特に詳しくは、構成が簡単で、安価でしかも、確実に地震発生時の火災の発生を防止することが可能なブレーカ制御システム及びブレーカ又はリミッター等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器に対して電力の供給状態を制御するブレーカとして、一般的に使用されているブレーカは、例えば、漏電時や過電流時には、ブレーカが自動的に作動して、供給電力がOFFとされるものであるが、漏電や過電流以外の事態の場合、特に、火災、風水害、落雷、人為的は破壊行為或いは地震などの発電所施設での故障、破壊或いは送電設備の故障或いは破壊等で停電が発生する場合や、地震等が発生した場合に、当該ブレーカに印加される異常振動に基づいて当該ブレーカを自動的にOFFにされる装置で実用に供されているものはなかった。
【0003】
例えば、特開2002−320685号公報に示す様な、上下に振動する重錘を利用して振動を検出し、ブレーカを遮断する装置(特許文献1)や、特開平9−245604号公報の様に、所定の皿部に搭載した球状体が地震等の振動によって当該皿部から落下した衝撃を利用してブレーカを遮断させる様に構成されたブレーカも知られている。(特許文献2)
【0004】
然しながら、かかる構成を有するブレーカは、高価である他、機構が複雑であるので、地震の際の振動を正確に検出して当該ブレーカを確実に遮断させることが不可能であったため、全国的に普及が行われていないのが現状である。
【0005】
一方、従来に於ける一般的なブレーカは、全国的に普及しているものの、その使用状況特に地震が発生した場合の各ユーザーの行動から、地震発生時の火災等の発生を防止することはかなり問題があることが判明した。
【0006】
即ち、例えば、地震が発生し、特に激しい地震が発生すると電力会社は電力供給を一時的に停止し、災害の発生を未然に防ぐ処置をとっているが電気は公共性の高いライフラインのため、一応の安全が確認されると、電力会社では、できるだけ早い時期に電力の供給を再開使用と試みることが多い。ところで非常に激しい地震の場合、電力の供給地域に全壊した住宅や半壊した住宅が発生する。そのため、住宅の全壊や半壊により、或いは全壊や半壊しなくとも住宅内で重量物が転倒することにより、使用中の電気器具がスイッチの入ったまま可燃性の物体の下敷きになって、スイッチが切れない場合がある。更には、電気配線が切断され短絡状態になっているものも発生する事になる。
【0007】
このような状態で、電力の供給が再開されると、上記のようなスイッチの入った状態の電気器具に電気が流れ、電気器具の故障や配線の短絡部或いは配線が他の物と接している部分では、漏電したり或いは異常に発熱したりする。
【0008】
一方、各家庭の住宅やビルには、電気と同様に都市ガスが供給されている。あるいはプロパンガスが設置されている。そして、これらの都市ガスやプロパンガスも激しい地震で配管が壊れてガス漏れが発生することとなる。このような状態のところに、上述のような電力の供給が再開され、電気器具にスイッチの入った状態で電気が流れて漏電したり或いは異常に発熱したりすると、漏出したガスを着火して終には住宅に火災を発生し、大災害をもたらすこととなる。
【0009】
又、別の観点からの調査によると、上記した従来のブレーカでは、通常過大電流が流れた場合に電流を遮断する動作するものであるが、大地震により商用電源が外線側で停電してしまった場合は、ブレーカに過大電流が流れないので遮断動作しない。
【0010】
更に、特に地震によって家屋が破損若しくは倒壊してしまった場合は、各家庭や各事務所に於けるユーザーはパニック状態になるであろうから、電気機器を片付けたり、使用中の機器を取り外したり或いは当該ブレーカを遮断状態に操作する余裕もなく避難してしまうことが考えられ、一方電力会社は、被災地域全般に対して停電被害の復旧作業を急ぐことになる。
【0011】
同様に、上記した地震とは異なる原因で停電が発生した場合でも同じ事態が発生する。
つまり、火災や水害或いは土砂災害等で、停電が発生した場合、ユーザーはブレーカを遮断せずに屋外に避難することが通常であり、その際に配線端末の電気製品やガス器具等が破壊されていたり、落下や転倒している場合もあり、かかる状態で、つまりブレーカが遮断動作していない状態で、電気の再送電があった場合、漏電、スパーク、火花放電等が考えられ、またガス漏れ等があればそれらが相まって火災発生の原因になり得ると言う問題が発生していることが明らかにされている。
【0012】
更には、従来から家庭或は事務所及び工場等の分電盤は、通常、電力会社が所有権を持ち、取り付け責任と管理責任とを有しているリミッターと各ユーザーが管理責任を負担しているブレーカとが結合されて構成されている。
【0013】
その為、一旦停電が発生すると、ユーザーは、自ら当該ブレーカをマニュアルで操作して電源の再入力を行う必要があり、一方電力会社は、当該リミッターの性能及びその管理に責任を有してはいるものの、当該リミッターは、通常は、ブレーカに供給される電圧若しくは電流を予め定められた値に設定する為のリミッター回路を有しているが、当該リミッターへの電力の供給制御或いはブレカーに対する電力の供給制御を行うようには構成されていない。
【0014】
従って、かかる事情を考慮すると、上記地震を含む各種の災害時に、一旦停電が発生した後、電力の供給を再開する場合には、電力会社の作業員が全ての家庭、事務所、工場等を一軒一軒訪問して、当該ブレーカが完全に遮断されているか否かを確認して回った後に、送電の再開をすれば問題はないが、その作業には膨大な時間と労力を要するものであり、現実的には、実施不可能と考えられている。
【0015】
【特許文献1】特開2002−320685号公報
【特許文献2】特開平9−245604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明の目的は、これらの問題点を除くためになされたものであって、地震各種の災害による家屋の倒壊、損傷、ガス漏れ、配線や電気設備の故障、家電機器の使いっぱなしや散乱等が発生した場合において、停電が発生し、その後当該停電の復旧に伴う再送電後におこり得る電気火災を有効に防止することが出来るブレーカ制御システム及びブレーカ及びリミッターを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る当該ブレーカの制御システム及びブレーカ制御装置は、上記目的を達成するために、以下に示す様な基本的技術構成を採用するものである。
即ち、本発明に係る第1の態様であるブレーカ制御システムは、屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器に対して電力の供給状態を制御するブレーカと、当該ブレーカの導通状態と遮断状態を制御するブレーカ制御手段とで構成され、当該ブレーカ制御手段は、停電が発生した場合、当該停電発生情報を適宜の記憶手段に記憶させておき、当該停電発生後に、当該停電が復旧し、通電が再開された場合に、当該ブレーカ制御手段は、当該ブレーカを遮断状態に設定する様に構成されているブレーカ制御システムである。
【0018】
又、本発明に於ける第2の態様としては、屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器に対して電力の供給状態を制御するブレーカであって、当該ブレーカは、その内部に、所定の電気機器に対して電力の供給状態を制御するブレーカスイッチ手段を有すると共に、当該ブレーカの内部若しくは外部に当該ブレーカスイッチ手段の導電状態と遮断状態とを選択的に制御するブレーカスイッチ制御手段を有しており、当該ブレーカスイッチ制御手段は、停電が発生した情報と停電発生後に当該停電が復旧して当該ブレーカに対する通電が再開された情報とに基づいて、当該ブレーカスイッチ手段を遮断状態に設定する様に構成されているブレーカであり、又、本発明に係る第3の態様としては、屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器に対して電力の供給状態を制御する機能を有し、その内部に所定の電気機器に対して電力の供給状態を制御するブレーカスイッチ手段が設けられているブレーカに接続されているリミッターであって、当該リミッターは、その内部に、当該ブレーカに対して所定の電力量を供給する機能を有するリミッター回路部と当該リミッターの導電状態と遮断状態とを制御するリミッタスイッチ手段を有しており、且つ当該リミッター内部若しくは外部に当該ブレーカスイッチ手段の導電状態と遮断状態とを直接的に或いは間接的に選択的に制御するか或いは当該ブレーカスイッチ手段を直接制御するリミッター側ブレーカスイッチ制御手段とを有しており、当該リミッター側ブレーカスイッチ制御手段は、停電が発生した情報と停電が復旧して通電が再開された情報に基づいて、当該ブレーカ若しくはリミッターを遮断状態に設定する様に構成されているリミッターである。
【発明の効果】
【0019】
本発明に於ける当該ブレーカ制御システム及び当該ブレーカ或は当該リミッターは、上記した様な技術構成を採用しているので、従来の地震センサーを搭載したブレーカを使用するブレーカ制御システムに比べて、簡易な構成で且つ安価でありながら、正確に且つ確実に何らかの原因で停電が発生し、その後、当該停電が復旧した際に発生する火災を防止することが可能となると共に、電力会社は、各ユーザーが所有しているブレーカ或はリミッター等が導通状態になっておらず、遮断状態になっているとの前提に立って、停電の復旧作業に集中することが可能となるので、当該災害時で発生した停電の回復作業時間を安全に且つ大幅に短縮させる事が可能となるブレーカ制御システムの提供が可能となる他、更には上記した従来の問題の解決に大きく貢献するブレーカ或はリミッターを提供する事が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明にかかるブレーカ制御システム、ブレーカ及びリミッターの具体例の構成を図面を参照しながらそれぞれ詳細に説明する。
即ち、図1は、本発明に係るブレーカ制御システムの一具体例の構成を示す図であって、図中、屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器2に対して電力の供給状態を制御するブレーカ3と、当該ブレーカ3の導通状態と遮断状態を制御するブレーカ制御手段4とで構成され、当該ブレーカ制御手段4は、停電が発生した場合、当該停電発生情報を適宜の記憶手段7に記憶させておき、当該停電発生後に当該停電が復旧し、通電が再開された場合に、当該ブレーカ制御手段4は、当該ブレーカ3を遮断状態に設定する様に構成されているブレーカ制御システム1が示されている。
【0021】
当該記憶手段7はその構成は特に限定されるものではないが、例えば電気的或いは機械的に当該情報を記憶できる構成であれば如何なるものでも使用可能である。
即ち、本発明に係る当該ブレーカ制御システム1では、上記した様に、地震を含むあらゆる災害発生時に於いて、電力会社の配線等の障害により停電が発生する事が多く、その際には、従来のブレーカ3では、停電になっても、当該ブレーカ3はそのまま通電の状態となっている為、電力会社が再送電した場合には、当該各ブレーカ3が通電状態のままであるから、そのまま屋内の電気機器に対して通電が行われることになる。
【0022】
然し、上記した様に、地震を含む各種の災害等で電気機器等が破壊されたり転倒している状態で電力が再通電された場合には、火災が発生することになる。
事実東京消防庁予報課の発表資料によると、先般の神戸淡路大震災では、約30%の火災が電気火災であり、その殆どが電力会社の再送電によるものと推測されている。
【0023】
その為、本発明に於ける当該ブレーカ制御システムでは、停電状態発生有無検知手段6及び停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段7等からなる電気式或いは機械式の停電検知機能を有する停電検知手段20を設け、停電が発生したか否かを常時検出する体制を構築し、如何なる原因による災害かは無関係に、当該災害が発生した場合に停電が発生したか否かを検出してその情報を一時的に適宜の記憶手段に格納しておき、停電発生後、当該停電が復旧して当該ブレーカに対する通電操作が再開された状態が検出された場合に、その両者の情報に基づいて、直ちに当該ブレーカ3を遮断状態にすることによって、電気火災等の発生を防止し、安全を確保する様にすることを基本的な技術思想とするものであり、又係る構成によって、大規模災害が発生した場合でも、電力会社が停電後に電力を再供給する場合、供給先の全てのリミッター或いはブレーカ及び電気機器の安全を確認する事を必要とせず、効率的な再送電操作を可能とするシステム及び装置を提供するものである。
【0024】
即ち、本発明に於いては、当該ブレーカ3は、それ自身に地震発生感知手段を有していてもよく、当該ブレーカ3の外部、例えば、ブレーカ制御手段4内に当該地震発生感知手段を有するものであっても良い。
【0025】
本発明に於ける当該ブレーカ制御手段4は、適宜のブレーカ制御部14を含んでおり、当該ブレーカ制御部14は、当該ブレーカ3内部に設けられているブレーカスイッチ手段15或は、当該ブレーカ3の外部に設けられており当該ブレーカ手段3への電力供給を制御し得る機能を有するリミッター手段16を直接的或は間接的に制御する様に構成されている事も望ましい具体例である。
【0026】
本具体例では、当該リミッター16は、図1の点線で示す16’の位置に設けられていても良い事は言うまでも無い。
即ち、本発明に於いては、当該ブレーカ3に対して通電が行われている状態にあるか、或いは通電が行われていない、いわゆる停電状態にある否かを判断するための停電状態発生有無検知手段6を適宜の検出手段12を介して当該ブレーカ3への電力供給配線11に直接又は間接的に接触する様にして配置し、例えば当該電力供給配線11の電圧或いは電流を適宜の公知の手段を用いて検出し、現時点で当該ブレーカ3が停電状態にあるか、通電状態にあるかを判断するものである。
【0027】
係る検出結果も適宜の記憶手段に記憶させておく事も望ましい。
本発明に於いては、更に、地震の発生により一旦発生した当該ブレーカ3に対する停電状態が、後の復旧作業によって、通電が再開され停電状態が解消された場合には、前記した様に、何らかの原因によって、当該ブレーカ3に対して通電が停止されて停電状態が発生した事の事実が確認されている場合にのみ、当該ブレーカの導通状態と遮断状態を制御するブレーカ制御手段4のブレーカ制御部14が、当該ブレーカ3を遮断状態に設定する様に駆動制御されるものである。
【0028】
この場合には、例えば、当該ブレーカ制御部14が、当該ブレーカ3のブレーカスイッチ手段15を直接ON/OFFするように作動するものであっても良い。
本発明に於ける当該停電復旧後の当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段7は、上記した検出手段12と同様の検出手段13を当該ブレーカ3への電力供給配線11に直接又は間接的に接触する様にして配置し、例えば当該電力供給配線11の電圧或いは電流を適宜の公知の手段を用いて検出し、現時点で停電復旧後の当該ブレーカへの通電が再開されたか否かを判断するものである。
【0029】
本発明に於いては、当該検出手段12と検出手段13とは別体に形成するものであっても良く或は何れか一つで兼用するものであっても良い。
そして、同様に電復旧後の当該ブレーカへの通電が再開されたか否かの情報も適宜の記憶手段7に記憶させておく事も好ましい。
【0030】
従って、当該通電状態の再開有無検知手段7は、当該停電状態発生有無検知手段6が停電を検知したという情報を受けた後に駆動される様に設定されている事が望ましい。
【0031】
つまり、本発明は、何らかの原因で停電があった場合、そのままの状態では、火災の発生につながる恐れは全くないものの、当該状態のまま、停電が復旧され、電力が再開された場合、多くのユーザーは、当該ブレーカ3が通電状態になっている事を忘れているか知らないでいることから、火災の発生の危険が極めて高い状態にあるので、当該停電が復旧し、通電が再開された時点で、当該ブレーカ3の作動状態を通電遮断状態に強制的に設定する事によって、当該ブレーカ3から先の電気機器類に電力が供給されない様に構成するものである。
【0032】
換言するならば、本発明に於いては、停電が発生したという情報と当該停電発生後、当該ブレーカ3に対して通電が再開されたと言う情報とが得られた場合には、当該ブレーカ3を遮断する様に構成したものである。
【0033】
一方、本発明に於いては、上記した各態様に於いて、当該ユーザーに、当該ブレーカが、停電が有った事実と、停電の原因が復旧された結果、現在では、ブレーカ3までの配線11には、正常な電力が供給されているが、当該ブレーカは安全確保の為、遮断されている旨をユーザーに報知する適宜の報知手段10が設けられている事が望ましい。
【0034】
当該報知手段10は、特に特定されるものではなく、音声方式、画像表示方式、光或は音による点滅或は断続的表示方式等を使用する事が可能である。
ユーザーは、当該報知情報を確認した後、屋内の電気機器製品の安全性を確認した後に、手動にて、当該制御手段4に設けられたリセット部、或は当該ブレーカ3に設けられたリセット部或は当該ブレーカスイッチ手段等を操作することによって、当該ブレーカ3を導通状態に復帰させる事が可能となる。
【0035】
本発明に於いては、上記した報知手段10のみでなく、個々の手段、例えば、当該停電状態発生有無検知手段6或は、停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段7等のそれぞれについて、特定の情報が検出された場合には、その都度、必要な情報を当該適宜の報知手段10を介してユーザーに対して報知する為の報知手段10を有している事も望ましい具体例である。
【0036】
又、本発明に於いては、当該ブレーカ制御手段4は、上記した当該停電状態発生有無検知手段6、及び通電状態の再開有無検知手段7から得られた各情報を適宜のアルゴリズムによって処理した結果を当該ブレーカ制御部14に伝達して、当該ブレーカ3の導電状態を遮断制御するものである。
【0037】
以下に、本発明に於ける当該ブレーカ制御システム1の構成に関する具体例を図面を参照しながら詳細に説明する。
即ち、上記したブレーカ制御システムの基本的技術思想を実現する為のブレーカ制御システム1の一具体例に於ける構成は、図1に示す通り、屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器2に対して電力の供給状態を制御するブレーカ3と、当該ブレーカ3の導通状態と遮断状態を制御するブレーカ制御手段4とで構成され、且つ当該制御手段4は、停電状態発生有無検知手段6及び停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段7とから構成されているブレーカ制御システム1が示されている。
【0038】
更に、本具体例では、当該停電状態発生有無検知手段6により感知された停電状態発生情報を記憶するための第1の記憶部71及び当該停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段7が検出した通電状態再開情報を記憶するための第2の記憶部72とを有している記憶手段73が設けられていることが望ましく、当該記憶手段73の各記憶情報から、停電が発生し、その後に当該ブレーカ3への通電が再開されたか否かを判断する判定手段21が設けられていることも望ましい。
【0039】
本発明に於いて、当該ブレーカ制御手段4の制御部14が、当該ブレーカ3を制御する場合の具体例としては、例えば、図3(A)及び図3(B)に示す従来公知のブレーカの主幹ブレーカ部32を通電状態或いは遮断状態の何れかの状態に設定されるように当該制御部14を介して制御するものであっても良く、或いは、当該ブレーカ3に設けられているリミッタ部31(図1の16)を同様な構成を有する当該制御部14を介して制御する様に構成されているものであっても良い。
【0040】
そして、当該ブレーカ制御手段4は,何らかの原因で停電が発生し、その後に当該ブレーカ3への通電が再開された場合にのみ、当該ブレーカ3を遮断状態に設定し、当該ブレーカ3より先の破壊若しくは損傷された配線短絡も含めた電気機器類に対して、電力が供給されない様に制御する様に構成されているものである。
【0041】
本発明に於いては、適宜の演算手段9を設けておき、当該停電状態発生有無検知手段通6から、停電発生情報と更には停電発生後に通電が再開されたという通電状態の再開有無検知手段7からの情報が入力された場合に、予め定められたアルゴリズムに従って、当該ブレーカ3を遮断すると言う制御信号が当該演算手段9より出力され当該制御信号を制御部14が受けて、当該ブレーカ3の適宜のスイッチ手段15或はリミッタ手段16を制御して当該ブレーカの通電状態を遮断状態に変更するものである。
【0042】
更に、本発明に於いては、当該演算手段9を所定の演算プログラム使用して一括的に制御するための所定のCPU17を含んでいるものである。
本発明に於ける当該報知手段10としては、特にその構成を特定するものではないが、ブザー等の音声情報、画像情報、光の点滅や連続発光等で発光状態を変化させる様な光情報等を主体とする機構を採用することが可能である。
【0043】
本発明に於いて、適宜の工事或は家屋の火災等が原因で停電が発生する場合では、屋内での電気機器は、破損したり転倒している事は少ないので、火災の発生の危険は少ないが、ユーザーの不注意による火災も有りうるので、上記と同様に復旧した際には、当該ブレーカを遮断して、ユーザーに手動でブレーカの導通を行わせる事が望ましい。
【0044】
又、上記した本発明に於ける当該ブレーカ制御装置1の操作手順の一具体例を図2を参照しながら詳細に説明する。
即ち、スタート後、ステップS1に於いて、停電が発生しているか否かが判断され、NOであればステップS1に戻り、YESであれば、ステップS2に進んで、当該停電発生情報を当該第1の記憶手段71に記憶させる。
【0045】
次いで、ステップS3に進んで当該停電後に復旧作業が進み、通電状態の再開有無検知手段7が、当該ブレーカ3に対する通電が再開された事を検知したか否かが判断され、NOであれば上記工程が繰り返されるがYESであれば、ステップS4に進んで、当該ブレーカ3に対する通電が再開された旨の情報を当該記憶手段72に記憶する。
【0046】
そして、ステップS5に進んで当該ブレーカをOFFさせるか否かが判断され、NOであればステップS1に戻り上記各工程が繰り返されるがYESであればステップS6に進んで当該ブレーカを遮断状態に設定する。
【0047】
次いで、ステップS7に進んで、通電が再開されているが当該ブレーカ本発明遮断状態になっている事をユーザーに報知し、ステップS8に於いて、当該ユーザーの手動よる当該ブレーカ3の通電処理操作が実行され、次いでENDとなる。
【0048】
尚、本発明に於ける当該演算手段9には、例えば、当該停電発生情報と当該ブレーカ3に対する通電再開の情報とから、当該ブレーカを遮断するか否かを判断する処理を実行するもので有っても良い。
【0049】
本発明に於いて、当該ブレーカ制御手段4が、当該ブレーカ3を制御する場合の他の具体例としては、上記した様に当該ブレーカ3に併設して設けられているリミッター16を同様な構成で制御する様に構成されているものであっても良い。
【0050】
例えば、当該リミッター16としては、通常当該リミッター16に設けられる当該ブレーカ3に対して所定の電力量を供給する機能を有するリミッター回路部18と、当該ブレーカスイッチ手段15の導電状態と遮断状態とを直接的に或いは間接的に選択的に制御するリミッタースイッチ手段19とを設けておき、当該ブレーカ制御手段4が、当該リミッタースイッチ手段19のON/OFFを制御する様に構成されているものであっても良い。
【0051】
当該リミッター16を上記した様に構成しておくことによって、前記具体例に於ける当該ブレーカ制御手段4が直接当該リミッター16のリミッタースイッチ手段19を制御して当該リミッター16から当該ブレーカ3への電力の供給を遮断させることも可能となる。
【0052】
そして、当該ブレーカ制御手段4は,停電が発生し、その後に当該ブレーカ3若しくはリミッター16への通電が再開された場合にのみ、当該ブレーカ3若しくはリミッター16への通電を遮断状態に設定し、当該ブレーカ3より先の破壊若しくは損傷された配線短絡も含めた電気機器類に対して、電力が供給されない様に制御する様に構成されているものである。
【0053】
次に、本発明に於ける別の具体例について図4及び図5を参照しながら詳細に説明する。
即ち、本具体例は、ブレーカ制御手段4を内蔵するブレーカ3或はリミッター16であり、当該ブレーカ3の具体的構成の一例としては、図4に示す様に、屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器に対して電力の供給状態を制御するブレーカ3であって、当該ブレーカ3は、その内部に、所定の電気機器2に対して電力の供給状態を制御するブレーカスイッチ手段15と当該ブレーカスイッチ手段の導電状態と遮断状態とを選択的に制御するブレーカスイッチ制御手段40とを有しており、当該ブレーカスイッチ制御手段40は、停電が発生した情報と停電発生後に当該停電が復旧して当該ブレーカに対する通電が再開された情報とに基づいて、当該ブレーカスイッチ手段15を遮断状態に設定する様に構成されているブレーカ3である。
【0054】
本具体例に於ける当該ブレーカスイッチ制御手段40は、停電状態発生有無検知手段6及び停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段7とから構成されているものである。
【0055】
本具体例に於ける当該ブレーカ制御手段40は、基本的には、図1に示すブレーカ制御手段4の構成と同じ構成を有するものである。
即ち、当該ブレーカスイッチ制御手段40は、停電状態発生有無検知手段6と停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段7とから構成されており、当該ブレーカスイッチ制御手段40の当該停電状態発生有無検知手段6が、停電状態の発生を検知した後、当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段7が当該ブレーカ3への通電を再開した事を検知した場合には、当該ブレーカ遮断機能を有するブレーカ制御部14が、当該ブレーカスイッチ手段15を遮断する様に構成されているものである。
【0056】
本具体例に於いては、当該ブレーカ3への通電状態の再開有無検知手段7が当該ブレーカ3への通電を再開した事を検知した後、当該ブレーカスイッチ手段15への導電状態が遮断された後に、当該ユーザーは、自らの操作によって当該ブレーカスイッチ手段15を導電状態とする様に当該ブレーカスイッチ手段を操作する事になる。
【0057】
又、本具体例に係る当該ブレーカ3には、報知手段10が設けられている事も好ましい具体例であり、当該報知手段10の構成及び機能は、図1に示す具体例の報知手段10の機能と同一である。
【0058】
又、本具体例に係る当該ブレーカ3には、消費電力量表示手段50が設けられている事も好ましく、これによってユーザーは、常時無駄な電力消費を監視することが可能となる。
【0059】
更に、本具体例によって、ブレーカ3の全体の寸法を最小にすることが可能となり、分電盤そのもののサイズを極小化出来るという利点がある。
本具体例を実現させた分電盤の具体例としては、図3に示す様な構成となる。
【0060】
一方、本発明の更に他の具体例としては、図5に示す様に、屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器2に対して電力の供給状態を制御する機能を有し、その内部に、所定の電気機器2に対して電力の供給状態を制御するブレーカスイッチ手段15が設けられているブレーカ3に接続されているリミッター16であって、当該リミッター16は、その内部に、当該ブレーカ3に対して所定の電力量を供給する機能を有するリミッター回路部18と当該リミッター16の導電状態と遮断状態とを制御するリミッタスイッチ手段19及び当該ブレーカスイッチ手段15の導電状態と遮断状態とを直接的に或いは間接的に選択的に制御するか或いは当該リミッタスイッチ手段19を直接制御するリミッター側ブレーカスイッチ制御手段41とを有しており、当該リミッター側ブレーカスイッチ制御手段41は、停電が発生した情報と停電発生後に当該停電が復旧して当該ブレーカ若しくは当該リミッターに対する通電が再開された情報とに基づいて、当該ブレーカスイッチ手段15若しくは当該リミッタースイッチ手段19を遮断状態に設定する様に構成されているリミッター16である。
【0061】
当該リミッター側ブレーカスイッチ制御手段41は、停電状態発生有無検知手段6及び停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段7とから構成されている。
【0062】
当該リミッター16には、更に当該ブレーカ3内部の当該ブレーカスイッチ手段15の導電状態と遮断状態とを選択的に直接的又は間接的に制御するか或いは当該リミッター16の導電状態を制御するリミッタスイッチ手段19が設けられている事が望ましい。
【0063】
当該リミッタースイッチ手段19は、当該リミッター側ブレーカスイッチ制御手段41によって制御される様に構成されている事も好ましい。
更に、本具体例に於いては、当該リミッター16への通電状態の再開有無検知手段7が当該リミッター16への通電を再開した事を検知した後、当該リミッタースイッチ手段19への導電状態が遮断された後に、当該ユーザーは、自らの操作によって当該リミッタースイッチ手段19を導電状態とする様に当該リミッタースイッチ手段19を操作するものである。
【0064】
又、本具体例に係る当該リミッター16には、報知手段10が設けられている事も好ましい具体例であり、当該報知手段10の構成及び機能は、図1に示す具体例の報知手段10の機能と同一である。
【0065】
更に、本具体例によって、リミッタ16の全体の寸法を最小にすることが可能となり、分電盤そのもののサイズを極小化出来るという利点がある他、電力会社は、災害発生時に停電が発生した場合に、各家庭、事務所、工場等の契約箇所の全てのリミッターを現場に赴いて検査する必要がなくなり、災害時の停電復旧作業を迅速化、効率化させるという効果がある。
【0066】
尚、当該リミッター16にリミッタスイッチ手段19が設けられている場合には、当該リミッター16は、その内部にリミッタ側ブレーカスイッチ制御手段41が設けられていなくとも、図1のブレーカ制御部14からの制御信号に基づいて当該リミッタスイッチ手段19が制御されるように構成されているものであっても良い。
【0067】
一般的に、電力会社とユーザーとの間では、住宅の電力を供給する契約方式にリミッター契約と負荷解約がある。
即ち、リミッター契約は60Aまでで、住宅の全負荷のトータル電流が60Aまでであればリミッター契約となる。その場合、リミッターは電力会社が取り付ける。但し取り付けスペースは電灯分電盤内に設ける。リミッターは電力会社の所有のものであり、ブレーカーはユーザーの所有となる。
【0068】
一方、60A以上は負荷契約となり、分電盤にリミッターのスペースはなく個人住宅の場合は、個人が取り付けた分電盤の配線遮断器の容量で契約する。もし60Aの場合は12kWの契約になる。
【0069】
そこで、電力会社が取り付けるリミッターにも再送電遮断機能を設ければ再送電遮断が可能である。その場合は大規模災害(地震等)が発生し、停電した場合再送電遮断機能があれば、電力復旧時各住戸内(マンションも含む)を点検する必要がないため、点検の人員も必要なく短時間で電力を復旧させることができる。
【0070】
又、本発明に於ける上記した停電発生情報及び停電復旧による電力供給の再開に関する情報等を記憶しておく手段としては、特に限定されるもではないが、例えば、以下に示される様な電子式記憶手段或いは機械式記憶手段等が使用出来る。
【0071】
図6は、本発明に於いて使用し得る電子式記憶手段を利用したブレーカの概観正面図を示しており、操作レバー74、漏電引き外しソレノイド75、L2相過電流遮断機構部76、漏電検知及び停電記憶電子回路77、テストボタン78、遮断レバー79、及びL1相過電流遮断機構部80とから構成されている。
【0072】
又、図7は、上記図6で示すブレーカ3の電子回路77とそれによって駆動される遮断ソレノイド81を含むブレーカ3が示されている。
係る電子式記憶手段の駆動方法の一例を説明するならば、先ず、停電が発生した場合、CPUの電源を電気二重層コンデンサーでバックアップして、フラッシュメモリーに停電したことを記憶する。フラッシュメモリーは電源が切れても記憶している。再送電された場合は、駆動回路を動作させ直ちに、遮断する。漏電ブレーカを手動で投入した場合はメモリーをクリアーにする。
【0073】
上記した電子式記憶手段を使用するブレーカ制御システムに於ける操作手順の一具体例としては、図9に示す様に、スタート後、ステップS101に於いて、停電が発生しているか否かが判断され、NOであればステップS101に戻り、YESであれば、ステップS102に進んで、当該停電発生情報を適宜の記憶手段に記憶させる。
【0074】
次いで、ステップS103に進んで電力会社が電力の再送電を開始したことが検知され、ステップS104に進んでブレーカを遮断する。
そして、ステップS105に進んで報知手段等によりユーザーが安全を確認した後、ステップS106に進み、ユーザーが手動操作によって当該ブレーカをONさせた後ステップS107に進んで当該記憶手段をリセットして当該記憶手段に記憶されている停電発生情報を削除してENDとなる。
【0075】
図8は、本発明に於いて使用し得る機械式記憶手段を利用したブレーカの概観正面図を示しており、操作レバー91、漏電引き外しソレノイド92、遮断レバー93、L2相過電流遮断機構部9、漏電検知電子回路95、テストボタン96、停電記憶ソレノイド97、及びL1相過電流遮断機構部98とから構成されている。
【0076】
係る機械式記憶手段の駆動方法の一例を説明するならば、先ず、通常は停電記憶ソレノイドが、通電で吸引されている。停電になった場合に停電記憶ソレノイドが開放され、遮断引き外しソレノイドの回路を電源側に接続する。電源が再送電された場合は、遮断引き外しソレノイドに電圧が印加され、直ちに遮断する。漏電ブレーカーを手動で投入した場合は停電記憶ソレノイド吸引され初期状態に復帰する。
【0077】
上記した機械式記憶手段の構成の一具体例としては、図10に示す様に、電源に接続されているソレノイド110と当該ソレノイド110に嵌入自在であって、その一端部にラッチ式押釦スイッチ113の押圧部114を押圧するラッチ式押釦スイッチ操作レバー部112とその一端部にスプリング111とが設けられているソレノイドコア部119と、押圧部114を有するラッチ式押釦スイッチ113と、当該ラッチ式押釦スイッチ113の出力信号に応答してON状態或いはOFF状態に選択的に設定されるブレーカ遮断回路115、当該ブレーカ遮断回路115の出力信号により作動するブレーカスイッチ手段116及び当該ブレーカスイッチ手段116に設けられた手動式ブレーカスイッチ118連動して作動し、当該ラッチ式押釦スイッチ113の押圧部114を押圧するリセットスイッチ117とから構成されている。
【0078】
係る機械式記憶手段に於ける作動としては、
(1)通常、つまり正常に通電が行われている場合では、当該ソレノイド110のコイルによる吸引磁力が作動しているので、当該ソレノイドコア部119は、当該スプリング111の吸引力に抗して当該ソレノイド110内に嵌入せしめられており、同時に当該ソレノイドコア部119に設けられている当該ラッチ式押釦スイッチ操作レバー部112は、当該ラッチ式押釦スイッチ113の押圧部114から離反している。
従って、係る状態では、当該ブレーカ遮断回路115は、OFF状態に選択的に設定されており、その結果当該ブレーカスイッチ手段116は、ON状態に維持されているので、当該ブレーカ3は正常に作動していることになる。
【0079】
(2)その後、何らかの原因で停電が発生すると、当該レノイド110のコイルによる吸引磁力が消失するので、当該ソレノイドコア部119は当該スプリング111の吸引力によって当該ソレノイド110から引出され、その結果、当該ラッチ式押釦スイッチ操作レバー部112は、当該リセットスイッチ117と共に或いは単独で当該ラッチ式押釦スイッチ113の押圧部114を押圧するので、当該ブレーカ遮断回路115は、ON状態に切り替えられ、当該ラッチ式押釦スイッチ113の押圧部114が次に押圧されるまで、この状態が保持される。
つまり、この状態で停電が発生したという情報が記憶されることになる。
係る状態では、ブレーカに電源が印加されていないので、当該ブレーカは機能していない状態にある。
【0080】
(3)その後、停電が復旧して電力の送電が再開された場合には、当該ソレノイドコア部119は、再び当該ソレノイド110の磁力により吸引されるので、当該ラッチ式押釦スイッチ操作レバー部112も当該リセットスイッチ117と共に或いは単独で当該ラッチ式押釦スイッチ113の押圧部114から離反することになる。
これと同時に、当該ブレーカにも通電が再開されるが、当該ブレーカ遮断回路115は、ON状態にあるので、通電再開と同時に当該ブレーカのスイッチ手段116は、OFF状態となり、当該ブレーカは遮断される。
【0081】
(4)その後、ユーザーが当該ブレーカのスイッチ手段116をON状態となるように手動で操作すると、当該スイッチ手段116と連動して作動する当該リセットスイッチ117がラッチ式押釦スイッチ113の押圧部114を押圧する事によって当該ブレーカ遮断回路115をOFF状態とすることにより、停電情報の記憶を消去してリセットされることになる。
【0082】
上記した機械式記憶手段を使用するブレーカ制御システムに於ける操作手順の一具体例としては、図11に示す様に、スタート後、ステップS111に於いて、停電が発生しているか否かが判断され、NOであればステップS111に戻り、YESであれば、ステップS112に進んで、停電記憶ソレノイドを動作させて、当該停電発生情報を適宜の記憶手段に記憶させる。
【0083】
次いで、ステップS113に進んで、ブレーカ遮断回路をON状態に切り替える操作が実行され、続いて、ステップS114で、電力会社が電力の再送電を開始したことが検知され、ステップS115で、ブレーカを遮断する。
【0084】
そして、ステップS116に進んで報知手段等によりユーザーが安全を確認した後、ステップS117に進み、ユーザーが手動操作によって当該ブレーカをONさせた後ステップS118に進んで当該記憶手段をリセットして当該記憶手段に記憶されている停電発生情報を削除してENDとなる。
【0085】
本発明に於けるブレーカ制御手段を内蔵したブレーカの具体例の構成は図12に示されており、又本発明に於けるリミッター側ブレーカ制御手段を内蔵したリミッターの具体例の構成は、図13に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】図1は、本発明に於けるブレーカ制御システムの一具体例の構成を示すブロックダイアグラムである。
【図2】図2は、本発明に於けるブレーカ制御システムの操作手順の一具体例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明に於いて使用されるブレーカ及びリミッターの一具体例の構成を示す図である。
【図4】図4は、本発明に於けるブレーカの一具体例に於ける構成例を示すブロックダイアグラムである。
【図5】図5は、本発明に於けるリミッタの一具体例に於ける構成例を示すブロックダイアグラムである。
【図6】図6は、本発明に於けるブレーカの一具体例の構成を示す正面図である。
【図7】図7は、図6に示すブレーカの回路構成図である。
【図8】図8は、本発明に於けるブレーカの他の具体例の構成を示す正面図である。
【図9】図9は、本発明に於いて使用されるブレーカの一具体例に於ける操作手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明に於いて使用される停電情報を記憶する他の記憶手段の例を示す図である。
【図11】図11は、本発明に於いて使用されるブレーカの他の具体例に於ける操作手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、本発明に於けるブレーカ制御手段を内蔵したブレーカの具体例の構成を示す図である。
【図13】図13は、本発明に於けるリミッター側ブレーカ制御手段を内蔵したリミッターの具体例の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
1. ブレーカ制御システム
2. 電気機器
3. ブレーカ
4. ブレーカ制御手段
6. 停電状態発生有無検知手段
7. 停電状態の復旧によるブレーカへの通電状態の再開有無検知手段
9. 演算手段
10. 報知手段
11. 電力供給配線
12. 通電検出手段
13. 通電検出手段
14. ブレーカ制御部
15. ブレーカ内のスイッチ手段
16. リミッタ手段
17. CPU
18. リミッター回路
19. リミッタースイッチ手段
20. 停電検出手段
21. 判定手段
40. ブレーカ内のブレーカ制御手段
41. リミッター側ブレーカ制御手段
50. 消費電力量表示手段
71. 第1の記憶部
72. 第2の記憶部
73. 記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器に対して電力の供給状態を制御するブレーカと、当該ブレーカの導通状態と遮断状態を制御するブレーカ制御手段とで構成され、当該ブレーカ制御手段は、停電が発生した場合、当該停電発生情報を適宜の記憶手段に記憶させておき、当該停電発生後に、当該停電が復旧し、通電が再開された場合に、当該ブレーカ制御手段は、当該ブレーカを遮断状態に設定する様に構成されている事を特徴とするブレーカ制御システム。
【請求項2】
当該停電発生情報を記憶する記憶手段は、当該停電発生情報を電気的或は機械的に記憶する様に構成されている事を特徴とする請求項1に記載のブレーカ制御システム。
【請求項3】
該ブレーカ制御手段は、当該ブレーカの外部或は内部に設けられている事を特徴とする請求項1又は2に記載のブレーカ制御システム。
【請求項4】
当該ブレーカ制御手段は、停電状態発生有無検知手段及び停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段及びブレーカ制御部とから構成されている事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のブレーカ制御システム。
【請求項5】
当該ブレーカは、ブレーカスイッチ手段を有している事を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のブレーカ制御システム。
【請求項6】
当該ブレーカ制御手段は、停電状態発生有無検知手段の停電状態発生情報と停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段の停電後に於ける通電状態の再開情報とに基づいて当該ブレーカの導通状態を遮断する様に構成されている事を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のブレーカ制御システム。
【請求項7】
当該ブレーカ制御手段に於ける当該ブレーカ制御部が、当該ブレーカスイッチ手段を制御する様に構成されている事を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のブレーカ制御システム。
【請求項8】
当該ブレーカ制御手段は、停電が復旧した際に当該ブレーカが遮断されている状態をユーザーに対して報知する為の報知手段を有している事を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のブレーカ制御システム。
【請求項9】
当該ブレーカ制御システムは、更に当該ブレーカに対する供給電力条件を制御するリミッタが設けられている事を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のブレーカ制御システム。
【請求項10】
当該リミッタには、当該ブレーカに供給される電力量を制限するリミッタ回路と当該ブレーカに供給される電力を遮断するリミッタスイッチ手段が設けられている事を特徴とする請求項9に記載のブレーカ制御システム。
【請求項11】
当該ブレーカ制御手段は当該リミッタの内部若しくは外部に設けられており、当該リッタ内の当該リミッタスイッチ手段若しくは当該ブレーカ内の当該ブレーカスイッチ手段を制御する様に構成されている事を特徴とする請求項9又は10に記載のブレーカ制御システム。
【請求項12】
当該ブレーカ制御手段の当該停電状態発生有無検知手段が、停電状態の発生を検知した後、当該ブレーカ制御手段の当該通電状態の再開有無検知手段が当該ブレーカ若しくはリミッターへの通電が再開された事を検知した場合には、当該ブレーカのブレーカスイッチ手段若しくはリミッタスイッチ手段を遮断状態にする様に構成されている事を特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載のブレーカ制御システム。
【請求項13】
屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器に対して電力の供給状態を制御するブレーカであって、当該ブレーカは、その内部に、所定の電気機器に対して電力の供給状態を制御するブレーカスイッチ手段を有すると共に、当該ブレーカの内部若しくは外部に当該ブレーカスイッチ手段の導電状態と遮断状態とを選択的に制御するブレーカスイッチ制御手段を有しており、当該ブレーカスイッチ制御手段は、停電が発生した情報と停電発生後に当該停電が復旧して当該ブレーカに対する通電が再開された情報とに基づいて、当該ブレーカスイッチ手段を遮断状態に設定する様に構成されている事を特徴とするブレーカ。
【請求項14】
当該ブレーカスイッチ制御手段は、停電状態発生有無検知手段及び停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段とから構成されている事を特徴とする請求項13に記載のブレーカ。
【請求項15】
屋内に於ける予め定められた区域内で使用される少なくとも一つの電気機器に対して電力の供給状態を制御する機能を有し、その内部に、所定の電気機器に対して電力の供給状態を制御するブレーカスイッチ手段が設けられているブレーカに接続されているリミッターであって、当該リミッターは、その内部に、当該ブレーカに対して所定の電力量を供給する機能を有するリミッター回路部と当該リミッターの導電状態と遮断状態とを制御するリミッタスイッチ手段を有しており、且つ当該リミッター内部若しくは外部に当該ブレーカスイッチ手段の導電状態と遮断状態とを直接的に或いは間接的に選択的に制御するか或いは当該リミッタスイッチ手段を直接制御するリミッター側ブレーカスイッチ制御手段とを有しており、当該リミッター側ブレーカスイッチ制御手段は、停電が発生した情報と停電発生後に当該停電が復旧して当該ブレーカ若しくは当該リミッターに対する通電が再開された情報とに基づいて、当該ブレーカスイッチ手段若しくは当該リミッタースイッチ手段を遮断状態に設定する様に構成されている事を特徴とするリミッター。
【請求項16】
当該リミッター側ブレーカスイッチ制御手段は、停電状態発生有無検知手段及び停電状態の復旧による当該ブレーカへの通電状態の再開有無検知手段とから構成されている事を特徴とする請求項15に記載のリミッター。
【請求項17】
当該リミッター側ブレーカスイッチ制御手段は、停電状態発生有無検知手段が、停電状態の発生を検知した後、当該リミッターへの通電状態の再開有無検知手段が、当該リミッター若しくは当該ブレーカに対する通電状態が再開された場合には、当該ブレーカスイッチ手段若しくは当該リミッタスイッチ手段の導電状態を遮断する様に構成されている事を特徴とする請求項15又は16に記載のリミッター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−124809(P2007−124809A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313996(P2005−313996)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(597143122)エムティテクノロジー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】