ブロック成形装置
【課題】成形されたブロックにクラックが生じたりブロックが分断することもなく、さらに多量な硬化剤を使用することなく、短時間で大量のブロックを成形可能なブロック成形装置を提供する。
【解決手段】本発明のブロック成形装置は、ブロック原材料を導入するための原材料導入部3と、ブロック原材料を細密充填するための型枠2と、前記原材料導入部3を介して投入されるブロック原材料を分散および揺動させると共に、型枠2内に充填させるための原材料分散揺動具4と、原材料分散揺動具4を上下運動を伴った往復動をさせるための原材料分散揺動具動作機構5とを有している。
【解決手段】本発明のブロック成形装置は、ブロック原材料を導入するための原材料導入部3と、ブロック原材料を細密充填するための型枠2と、前記原材料導入部3を介して投入されるブロック原材料を分散および揺動させると共に、型枠2内に充填させるための原材料分散揺動具4と、原材料分散揺動具4を上下運動を伴った往復動をさせるための原材料分散揺動具動作機構5とを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性を有する粉体または固形粒子体等からなるブロック原材料より、ブロックを成形する際に使用して好適なブロック成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、粉体または固形粒子体等からなるブロック原材料を用いてブロックを成形する場合、プレス成形したり、多量の硬化剤(例えばセメントや樹脂材料など)をブロック原材料に混合等してブロック化している。
【0003】
しかし、プレスによってブロック化すると粒度分布が区々となり、それが原因となってブロックにクラックが生じたり、分断してしまうことがあった。さらに、硬化させるために相当量の硬化剤は使用すると、養生に時間を要すると共にコスト高の要因ともなっていた。
【0004】
本願発明者は、そのような問題点を解決するものとして、土導入口と、土を細密充填するための型枠と、前記土導入口の下方に配され、土を前記型枠内に落下させると共に、前記土導入口から落下してくる土を分散および揺動させるための土分散揺動具と、該土分散揺動具を上下運動を伴った往復動させるための土分散揺動具動作機構とを有していることを特徴とする土ブロック製造装置を提案した。
【特許文献1】特願2005−117627号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、そのようなブロック製造装置に他の態様を追加するものであり、すなわち、本発明の課題は、成形されたブロックにクラックが生じたりブロックが分断することもなく、さらに多量な硬化剤を使用することなく、短時間で大量のブロックを成形可能なブロック成形装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のブロック成形装置は、ブロック原材料を導入するための原材料導入部と、ブロック原材料を細密充填するための型枠と、前記原材料導入部を介して投入されるブロック原材料を分散および揺動させると共に、前記型枠内に充填させるための原材料分散揺動具と、該原材料分散揺動具を上下運動を伴った往復動をさせるための原材料分散揺動具動作機構とを有していることを特徴とするブロック成形装置である。前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を山なりの軌跡を描いて往復動させるものであることが好ましい。前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を谷なりの軌跡を描いて往復動させるものであってもよい。前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を山なりおよび谷なりを組み合わせた軌跡を描いて往復動させるものであってもよい。前記型枠は、底板を適宜位置にて停止可能な昇降手段を有していることが好ましい。前記原材料分散揺動具は、前記原材料分散揺動具動作機構の揺動本体に固定するための上部フランジと、該上部フランジに架設された架設部とを有し、当該架設部は、前記上部フランジの延在方向に対して斜め方向に延在するように設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
請求項1ないし4に記載のブロック成形装置によれば、ブロック原材料が分散および揺動されながら型枠内に充填され形成されるため、ブロック原材料と型枠との衝撃加速度が緩和され粒度分布が偏らず略均一なブロックとなり、その結果、クラックが発生したり分断することがないブロックとなる。さらに、ブロック原材料の分散および揺動により細密充填されて形成される(換言すれば自己組織化現象を発生させるように充填形成される)ため、多量な硬化剤を要せず緻密に塊状化したブロックが成形できる。
請求項5に記載のブロック成形装置によれば、所望の厚さのブロックを成形できる。
請求項6に記載のブロック成形装置によれば、スリットより落下するブロック原材料を型枠内においてより広域に分散できると共に、架設部の下面により若干押圧されるブロック原材料の上面に縞模様が形成されることも回避され、粒度分布がより均一なブロックが形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
このように、本発明のブロック成形装置は、多量の硬化剤を使用することなく、粒度分布が略均一化された状態で緻密化されたブロックの成形を実現したものである。
【実施例1】
【0009】
図1は本発明のブロック成形装置の一実施例の正面概略図であり、図2は図1に示したブロック成形装置の左側面概略図であり、図3は図1に示したブロック成形装置において、原材料導入部(ホッパー)を除去した状態の平面概略図であり、図4は図1に示したブロック成形装置の原材料分散揺動具の斜視図であり、図5は図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図であり、図6は図5に示した動作時の一部平面拡大図であり、図7は図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図であり、図8は図7に示した動作時の一部平面拡大図であり、図9は図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図であり、図10は図9に示した動作時の一部平面拡大図である。以下、この実施例のブロック成形装置1の構成を作用と共に詳述する。
【0010】
本発明のブロック成形装置は、波が砂を巻き上げながら(砂を分散および揺動させながら)、砂同士の摩擦を緩和させ緻密化した砂浜を形成する原理を利用して、緻密化したブロックを成形するブロック成形装置として構成したものであり、ブロック原材料を導入するための原材料導入部3と、ブロック原材料を細密充填するための型枠2と、前記原材料導入部3から投入されるブロック原材料を分散および揺動させると共に、型枠2内に充填させるための原材料分散揺動具4と、原材料分散揺動具4を上下運動を伴った往復動させるための原材料分散揺動具動作機構5とを有している。
【0011】
すなわち、ブロック成形装置1は、ブロック原材料の分散および揺動を機械的に実現した装置であり、より具体的には、落下するブロック原材料を細密充填するための型枠2と、ブロック原材料を導入するためのホッパー3(原材料導入部)と、ホッパー3の下方に配され、ホッパー3から落下してくるブロック原材料を分散および揺動させるための原材料分散揺動具4と、原材料分散揺動具を垂直方向および水平方向に移動させるための原材料分散揺動具動作機構5とを有している。
【0012】
型枠2は、図3に示すように、基台6に4つ連設(ただし、図3では2つの型枠のみが現れている)されており、この型枠2内に、後述するホッパー3よりブロック原材料が落下して細密充填しブロック10が形成される。具体的には、型枠2は、図1に示すように、基台6中に構成されており、第1駆動手段(モーター)7により、図3中左右方向に毎分1.5mの速度で往復運動可能に構成されている。そして、ブロック原材料が型枠2内に充填されて、図3中左側に移動する際に型枠2の底板2aが押し上げられ、図2に示すように、ブロック10が上昇して脱型される。
【0013】
ホッパー3は、ブロック原材料の導入部であり、図1または図2に示すように、ブロック成形装置1の中央部付近の上部に取り付けられて、上方に向かって開口している。ブロック原材料は、このホッパー3の上端開口より投入してもよいが、コンベア機構(図示しない)に積載して投入してもよい。
【0014】
原材料分散揺動具4は、ホッパー3より落下してくるブロック原材料を分散および揺動するためのものであり、図4および図6に示すように、揺動本体12に固定するための上部フランジ4aと、両側壁4bと、両側壁4bの下部に架設され、上部フランジ4aの延在方向に対して直交する方向に延在する3本の架設部4cと、架設部4c間に設けられ、上部フランジ4aの延在方向に対して直交する方向に延在する2つのスリット4dとから構成されている。なお、この実施例の原材料分散揺動具4は、両側壁4bを有しているが、この両側壁4bがなく、上部フランジ4aに直接、架設部4cが設けられたものでもよい。
【0015】
原材料分散揺動具動作機構5は、原材料分散揺動具4を垂直および水平方向に移動させるための機構であり、図6に示すように、第2駆動手段(モーター)8と、モーター8の回転軸8aと、回転軸8aに固定された円盤8bと、円盤8bにクランクピンを介して一端が取り付けられたアーム9と、アーム9の他端が一端側に取り付けられ平面視矩形に形成された揺動本体12と、揺動本体12と装置本体フレーム13との間で四方にそれぞれ配され、装置本体フレーム13側のピンを軸として回動可能なクランクアーム11とから構成されている。
【0016】
そして、このような原材料分散揺動具動作機構5において、第2駆動手段(モーター)8を駆動させると、図6または図10に示すように、円盤8bが一回転する毎にアーム9が水平方向に往復運動する。このアーム9の往復動に伴って揺動本体12も往復動するが、クランクアーム11が装置本体フレーム側のピンを軸として回動するため、揺動本体12は若干の上下運動を伴った往復運動をする。この揺動本体12の動作に伴って揺動本体12に固定された原材料分散揺動具4も垂直および水平方向への運動を行う。なお、この実施例の装置では、モーターの回転数は50rpmで、原材料分散揺動具4の垂直方向の移動距離40mm、水平方向の移動距離160mmに設定されている。
【0017】
図5および図6は、原材料分散揺動具4がh方向(モータ8に近づく方向)の最端に位置している状態を示しており、原材料分散揺動具4は、図5に示すように、型枠2の水平方向一端側付近に位置すると共に、その下端面が型枠2の最上面に位置している。また、図7および図8は、原材料分散揺動具4が型枠2の中央付近に位置している状態(図7参照)を示しており、その下端面がm方向に上昇し型枠2の最上面より40mm上方に位置している。さらに、図9および図10は、原材料分散揺動具4がJ方向(モータ8から遠ざかる方向)の最端に位置している状態を示しており、原材料分散揺動具4は、図9に示すように型枠2の水平方向他端側付近に位置すると共に、その下端面が型枠2の最上面に位置している。
【0018】
すなわち、上記構造により、原材料分散揺動具4は、山なりな円弧状軌跡を描く水平方向往復運動を1分間に50回繰り返す揺動運動を行うため、ホッパー3から落下するブロック原材料を、一部はスリット4d等を通過してそのまま型枠2内に落下させ、一部は架設部4cの上面(水平方向に沿って延在する平面に形成されている)に載置して水平方向や垂直方向に揺動させ、さらに、型枠2内に落下した原材料が型枠2の最上面を越えた場合は、架設部4cの下面で分散させたり若干押圧したりして、ブロック原材料の粒度分布が略均一化(最適化)されるように作用しながら、充填と圧縮が同時になされ細密充填される。換言すれば、この実施例のブロック成形装置1は、単にブロック原材料を水平方向に振動させて振り分けるのではなく、水平方向に延在する平板状に形成された架設部4cが垂直方向および水平方向に移動することにより、その上面に土が載置し、土等が巻き上げられるように分散および揺動されるため緻密化される。
【0019】
なお、ブロック原材料としては、ある程度の流動性を有するものであればどのようなものでもよく、例えば、主原料としてて、土、砂、灰、瓦礫、粉砕コンクリート、粉砕アスファルト、鉄スラグ、銅スラグ、焼却灰、石炭滓、汚泥、石膏ボード屑、食物残さやアスベストを炭化した物などである。また、ブロック内に生物由来材料(生物として生起したものの構成材を広く含む概念)を混入させてもよく、この生物由来材料としては、例えば、菌、種子、大鋸屑、木屑、炭、刈り取った芝、昆虫の幼虫、籾殻、繁殖した芝マットなどが挙げられる。さらに、ブロックの目的、混入物の種類に対応させて、成長促進剤または成長調整剤、土壌改良剤、腐敗促進剤、有機肥料、各種バインダー、少量のセメントやなど硬化剤などを使用してもよい。また、本発明のブロック成形装置は、ブロック原材料が細密充填され緻密化されるため、ブロック成形中に、ブロック原材料の種類や粒度を適宜変更することで段階的に硬さの異なるブロックを成形したり、断面に地層を備えたブロックを成形することも可能である。
【0020】
また、この実施例の原材料分散揺動具動作機構5は、原材料分散揺動具4を、山なりな円弧状軌跡を描く水平方向往復運動をさせるものであるが、本願でいう「原材料分散揺動具を上下運動を伴った往復動をさせるための原材料分散揺動具動作機構」には、原材料分散揺動具を上下方向(垂直方向)に往復動させるものも含まれる。
【0021】
つぎに、図11ないし図13に示した本発明のブロック成形装置の他の実施例について説明する。
この実施例は、原材料分散揺動具動作機構のみが、前述したブロック成形装置1と相違するものであるため、原材料分散揺動具動作機構以外については説明を省略する。
この実施例の原材料分散揺動具動作機構20は、原材料分散揺動具4を山なりの円弧状軌跡を描く水平方向往復運動させるものである点では、ブロック成形装置1の原材料分散揺動具動作機構5と同様であるが、構造がより簡素化されている。
【0022】
具体的には、原材料分散揺動具動作機構20は、図11または図12に示すように、第2駆動手段(モーター)8と、モーター8の回転軸8aと、回転軸8aに固定された円盤8bと、円盤8bの周縁付近に突設されたピン26と、第2駆動手段(モーター)8の外壁に設けられたリンク用軸部23と、リンク用軸部23を挿嵌する軸穴24とを備えリンク用軸部23を中心として回転可能に取り付けられたリンク21とからなっている。また、このリンク21には、長手方向に沿って長孔22が形成されており、この長孔22内をピン26が移動可能に配されている。さらに、リンク21の上端付近には、図12に示すように、原材料分散揺動具4が、取付け用ピン25を介して左右両回りに回動可能に取り付けられている。
【0023】
そして、このような原材料分散揺動具動作機構20において、第2駆動手段(モーター)8を駆動させると、まず、図12に示す状態では、ピン26が長孔22内の最上部に位置し、原材料分散揺動具4も最上部に位置する。つぎに、円盤8bが90度回転すると、図13の左側の状態となり、リンク21は図中左側に向かって傾斜し、それに伴って原材料分散揺動具4は左側に移動すると共に若干降下する。さらに、円盤8bが90度回転すると、図13の中央の状態となり、ピン26が長孔22内の最下部に位置し、原材料分散揺動具4は再度最上部に位置する。さらに、円盤8bが90度回転すると、リンク21は図中右側に向かって傾斜し、それに伴って原材料分散揺動具4は右側に移動すると共に若干降下する。そして、円盤8bが一回転する毎に、原材料分散揺動具4は、山なりな円弧状軌跡を描く水平方向往復運動を行うように構成されている。なお、この実施例の原材料分散揺動具4は、取付け用ピン25を介して片側だけがリンク21に保持されているが、両側が保持されていてもよい。
【0024】
さらに、図14ないし図16に示した本発明のブロック成形装置の他の実施例について説明する。
この実施例も、原材料分散揺動具動作機構のみが、前述したブロック成形装置1と相違するものであるため、原材料分散揺動具動作機構以外については説明を省略する。
この実施例の原材料分散揺動具動作機構30は、前述した原材料分散揺動具動作機構20と同様の回転機構を用いるものであるが、原材料分散揺動具4を谷なりな円弧状軌跡を描く水平方向往復運動させるものである点で異なり、そのため、モーター8の下方に原材料分散揺動具4が配されている。
【0025】
具体的には、原材料分散揺動具動作機構30は、図14または図15に示すように、第2駆動手段(モーター)8と、モーター8の回転軸8aと、回転軸8aに固定された円盤8bと、円盤8bの周縁付近に突設されたピン36と、第2駆動手段(モーター)8の外壁に設けられたリンク用軸部33と、リンク用軸部33を挿嵌する軸穴34とを備えリンク用軸部33を中心として回転可能に取り付けられたリンク31とからなっている。また、このリンク31には、長手方向に沿って長孔32が形成されており、この長孔32内をピン36が移動可能に配されている。さらに、リンク31の下端付近には、図15に示すように、原材料分散揺動具4が、取付け用ピン35を介して左右両回りに回動可能に取り付けられている。
【0026】
そして、このような原材料分散揺動具動作機構30において、第2駆動手段(モーター)8を駆動させると、まず、図15に示す状態では、ピン36が長孔32内の最上部に位置し、原材料分散揺動具4は最下部に位置する。つぎに、円盤8bが90度回転すると、図16の左側の状態となり、リンク31は図中右側に向かって傾斜し、それに伴って原材料分散揺動具4は左側に移動すると共に最上部に位置する。さらに、円盤8bが90度回転すると、図16の中央の状態となり、ピン36が長孔32内の最下部に位置し、原材料分散揺動具4は再度最下部に位置する。さらに、円盤8bが90度回転すると、リンク31は図中左側に向かって傾斜し、それに伴って原材料分散揺動具4は右側に移動すると共に最上部に位置する。そして、円盤8bが一回転する毎に、原材料分散揺動具4は、谷なりな円弧状軌跡を描く水平方向往復運動を行うように構成されている。なお、この実施例の原材料分散揺動具4は、取付け用ピン35を介して片側だけがリンク31に保持されているが、両側が保持されていてもよい。
【0027】
さらに、図17ないし図19に示した本発明のブロック成形装置の他の実施例について説明する。
この実施例も、原材料分散揺動具動作機構のみが、前述したブロック成形装置1と相違するものであるため、原材料分散揺動具動作機構以外については説明を省略する。
この実施例の原材料分散揺動具動作機構40は、原材料分散揺動具4が略楕円の軌跡を描くことにより、上下運動(垂直方向への移動を)すると共に、水平方向に往復運動させるものである。
【0028】
具体的には、原材料分散揺動具動作機構40は、図17または図18に示すように、第2駆動手段(モーター)8と、モーター8の回転軸8aと、回転軸8aに固定された円盤8bと、円盤8bの周縁付近に突設された延出ピン46と、第2駆動手段(モーター)8の外壁に突設されたピン43と、リンク41A,41Bとからなっている。このリンク41A,42Bの一端側には延出ピン46を挿嵌する挿嵌穴が設けられ、リンク41A,41Bの中央付近には、長手方向に沿って長孔42が形成されており、この長孔42内をピン43が移動可能に配されている。さらに、リンク41A,41Bの他端側には、図17または図18に示すように、原材料分散揺動具4が、取付け用ピン45a,45bを介して左右両回りに回動可能に取り付けられている。
【0029】
そして、このような原材料分散揺動具動作機構40において、第2駆動手段(モーター)8を駆動させると、まず、図18に示す状態では、延出ピン46が最上部に位置し、ピン43が長孔42内の中間部付近に位置して、リンク41A,41Bは他端側を下方にして傾斜し、原材料分散揺動具4を最下部に位置させる。つぎに、円盤8bが90度右回りに回転すると、図19の上側の図の状態となり、延出ピン46が最も右側に位置し、ピン43が長孔42内の最も左側に位置して、リンク41A,41Bは水平方向に延在して、原材料分散揺動具4を最も右側に位置させる。さらに、円盤8bが90度右回りに回転すると、図19の中央の図の状態となり、延出ピン46が最下部に位置し、ピン43が長孔42内の中間部付近に位置して、リンク41A,41Bは他端側を上方にして傾斜し、原材料分散揺動具4を最上部に位置させる。さらに、円盤8bが90度右回りに回転すると、図19の下側の図の状態となり、延出ピン46が最も左側に位置し、ピン43が長孔42内の最も右側に位置して、リンク41A,41Bは水平方向に延在して、原材料分散揺動具4を最も左側に位置させる。そして、円盤8bが一回転する毎に、原材料分散揺動具4は、略楕円の軌跡を描き、上下運動(垂直方向への移動を)すると共に、水平方向に往復運動を行うように構成されている。
【0030】
すなわち、本発明のブロック成形装置には、原材料分散揺動具動作機構が、原材料分散揺動具を山なりおよび谷なりを組み合わせた軌跡を描いて往復動させるものも含むものであり、そのような原材料分散揺動具を山なりおよび谷なりを組み合わせた軌跡を描いて往復動させるものとしては、原材料分散揺動具動作機構40のように、原材料分散揺動具4が略楕円の軌跡を描くものの他、略円の軌跡を描くもの、例えば軸カムなどを用いて八の字の軌跡を描くもの、例えばロボットアームなどを用いて原材料分散揺動具を山なりおよび谷なりを組み合わせた変則的軌跡を描くものなどが広く包含される。
【0031】
さらに、図20ないし図22に示した本発明のブロック成形装置の他の実施例について説明する。
この実施例は、型枠2が底板2aを適宜位置にて停止可能な昇降手段51を有している点のみ、前述したブロック成形装置1と相違するものである。ブロック成形装置1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0032】
具体的には、この実施例の型枠2は、図20に示すように、基台6内に4つ水平方向に連設されており、これら型枠2内には底板2aがそれぞれ設けられている。底板2aの下部には昇降手段51がそれぞれ設けられており、この昇降手段51は、図21に示すように、底板2aの下部中央付近に配設されたシリンダー52と、その両側にそれぞれ配設されたガイドポスト53,54とから構成されている。
【0033】
そして、シリンダー52のピストンロッド52aの先端およびガイドシャフト53a,54bの先端は底板2aの下面側にそれぞれ固定されており、ピストンロッド52aの伸縮に伴って底板2aが昇降するように構成されている。より具体的には、ピストンロッド52aが最も収縮した状態では底板2aは最下位に位置し、ピストンロッド52aが最も伸長した状態では底板2aの上面は基台6の上面と面一となり成形されたブロック10を脱型させる。ガイドポスト53,54は、底板2aが水平方向を保持した状態で昇降可能とするためのものであり、ピストンロッド52aの伸縮に同期してガイドシャフト53a,54bがそれぞれ伸縮し底板2aを支持するように構成されている。また、底板2aはピストンロッド52aの伸長を位置制御することにより所望位置にて停止可能に構成されている(図22参照)。これにより、所望の厚さのブロック成形が可能となる。
【0034】
さらに、図23に示した本発明のブロック成形装置の他の実施例について説明する。
この実施例は、原材料分散揺動具14の形態のみが、前述したブロック成形装置1の原材料分散揺動具4と相違するものである。
【0035】
具体的には、この実施例の原材料分散揺動具14は、図23に示すように、揺動本体12に固定するための上部フランジ14aと、両側壁14bと、両側壁14bの下部に架設された3本の架設部14cと、架設部14c間に設けられた2つのスリット14dとから構成されている。そして、これら架設部14cは上部フランジ14aの延在方向に対して直交する方向に延在するのではなく、上部フランジ14aの延在方向に対して斜め方向に延在するように設けられ、それに伴ってスリット14dも上部フランジ14aの延在方向に対して斜め方向に延在するように構成されている。これにより、スリット14dより落下するブロック原材料は型枠2内により広域に分散されると共に、架設部14cの下面により若干押圧されるブロック原材料の上面に縞模様が形成されることも回避され、粒度分布または硬度がより均一なブロックが形成される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のブロック成形装置の一実施例の正面概略図である。
【図2】図1に示したブロック成形装置の左側面概略図である。
【図3】図1に示したブロック成形装置において、原材料導入部(ホッパー)を除去した状態の平面概略図である。
【図4】図1に示したブロック成形装置の原材料分散揺動具の斜視図である。
【図5】図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図である。
【図6】図5に示した動作時の一部平面拡大図である。
【図7】図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図である。
【図8】図7に示した動作時の一部平面拡大図である。
【図9】図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図である。
【図10】図9に示した動作時の一部平面拡大図である。
【図11】本発明のブロック成形装置の他の実施例における原材料分散揺動具動作機構を説明するための平面概略図である。
【図12】図11の右側面図である。
【図13】図11に示した原材料分散揺動具動作機構の動作を説明するための説明図である。
【図14】本発明のブロック成形装置の他の実施例における原材料分散揺動具動作機構を説明するための平面概略図である。
【図15】図14の右側面図である。
【図16】図14に示した原材料分散揺動具動作機構の動作を説明するための説明図である。
【図17】本発明のブロック成形装置の他の実施例における原材料分散揺動具動作機構を説明するための平面概略図である。
【図18】図17の正面図である。
【図19】図17に示した原材料分散揺動具動作機構の動作を説明するための説明図である。
【図20】本発明のブロック成形装置の他の実施例における型枠付近の左側面概略図である。
【図21】図20のA−A線断面図である。
【図22】図20に示した型枠の作用を説明するための縦断面図である。
【図23】本発明のブロック成形装置の他の実施例における原材料分散揺動具の平面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ブロック成形装置
2 型枠
3 原材料導入部(ホッパー)
4 原材料分散揺動具
5 原材料分散揺動具動作機構
6 基台
7 第1駆動手段
8 第2駆動手段
9 アーム
10 ブロック
11 クランクアーム
12 揺動本体
13 装置フレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性を有する粉体または固形粒子体等からなるブロック原材料より、ブロックを成形する際に使用して好適なブロック成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、粉体または固形粒子体等からなるブロック原材料を用いてブロックを成形する場合、プレス成形したり、多量の硬化剤(例えばセメントや樹脂材料など)をブロック原材料に混合等してブロック化している。
【0003】
しかし、プレスによってブロック化すると粒度分布が区々となり、それが原因となってブロックにクラックが生じたり、分断してしまうことがあった。さらに、硬化させるために相当量の硬化剤は使用すると、養生に時間を要すると共にコスト高の要因ともなっていた。
【0004】
本願発明者は、そのような問題点を解決するものとして、土導入口と、土を細密充填するための型枠と、前記土導入口の下方に配され、土を前記型枠内に落下させると共に、前記土導入口から落下してくる土を分散および揺動させるための土分散揺動具と、該土分散揺動具を上下運動を伴った往復動させるための土分散揺動具動作機構とを有していることを特徴とする土ブロック製造装置を提案した。
【特許文献1】特願2005−117627号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、そのようなブロック製造装置に他の態様を追加するものであり、すなわち、本発明の課題は、成形されたブロックにクラックが生じたりブロックが分断することもなく、さらに多量な硬化剤を使用することなく、短時間で大量のブロックを成形可能なブロック成形装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のブロック成形装置は、ブロック原材料を導入するための原材料導入部と、ブロック原材料を細密充填するための型枠と、前記原材料導入部を介して投入されるブロック原材料を分散および揺動させると共に、前記型枠内に充填させるための原材料分散揺動具と、該原材料分散揺動具を上下運動を伴った往復動をさせるための原材料分散揺動具動作機構とを有していることを特徴とするブロック成形装置である。前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を山なりの軌跡を描いて往復動させるものであることが好ましい。前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を谷なりの軌跡を描いて往復動させるものであってもよい。前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を山なりおよび谷なりを組み合わせた軌跡を描いて往復動させるものであってもよい。前記型枠は、底板を適宜位置にて停止可能な昇降手段を有していることが好ましい。前記原材料分散揺動具は、前記原材料分散揺動具動作機構の揺動本体に固定するための上部フランジと、該上部フランジに架設された架設部とを有し、当該架設部は、前記上部フランジの延在方向に対して斜め方向に延在するように設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
請求項1ないし4に記載のブロック成形装置によれば、ブロック原材料が分散および揺動されながら型枠内に充填され形成されるため、ブロック原材料と型枠との衝撃加速度が緩和され粒度分布が偏らず略均一なブロックとなり、その結果、クラックが発生したり分断することがないブロックとなる。さらに、ブロック原材料の分散および揺動により細密充填されて形成される(換言すれば自己組織化現象を発生させるように充填形成される)ため、多量な硬化剤を要せず緻密に塊状化したブロックが成形できる。
請求項5に記載のブロック成形装置によれば、所望の厚さのブロックを成形できる。
請求項6に記載のブロック成形装置によれば、スリットより落下するブロック原材料を型枠内においてより広域に分散できると共に、架設部の下面により若干押圧されるブロック原材料の上面に縞模様が形成されることも回避され、粒度分布がより均一なブロックが形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
このように、本発明のブロック成形装置は、多量の硬化剤を使用することなく、粒度分布が略均一化された状態で緻密化されたブロックの成形を実現したものである。
【実施例1】
【0009】
図1は本発明のブロック成形装置の一実施例の正面概略図であり、図2は図1に示したブロック成形装置の左側面概略図であり、図3は図1に示したブロック成形装置において、原材料導入部(ホッパー)を除去した状態の平面概略図であり、図4は図1に示したブロック成形装置の原材料分散揺動具の斜視図であり、図5は図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図であり、図6は図5に示した動作時の一部平面拡大図であり、図7は図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図であり、図8は図7に示した動作時の一部平面拡大図であり、図9は図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図であり、図10は図9に示した動作時の一部平面拡大図である。以下、この実施例のブロック成形装置1の構成を作用と共に詳述する。
【0010】
本発明のブロック成形装置は、波が砂を巻き上げながら(砂を分散および揺動させながら)、砂同士の摩擦を緩和させ緻密化した砂浜を形成する原理を利用して、緻密化したブロックを成形するブロック成形装置として構成したものであり、ブロック原材料を導入するための原材料導入部3と、ブロック原材料を細密充填するための型枠2と、前記原材料導入部3から投入されるブロック原材料を分散および揺動させると共に、型枠2内に充填させるための原材料分散揺動具4と、原材料分散揺動具4を上下運動を伴った往復動させるための原材料分散揺動具動作機構5とを有している。
【0011】
すなわち、ブロック成形装置1は、ブロック原材料の分散および揺動を機械的に実現した装置であり、より具体的には、落下するブロック原材料を細密充填するための型枠2と、ブロック原材料を導入するためのホッパー3(原材料導入部)と、ホッパー3の下方に配され、ホッパー3から落下してくるブロック原材料を分散および揺動させるための原材料分散揺動具4と、原材料分散揺動具を垂直方向および水平方向に移動させるための原材料分散揺動具動作機構5とを有している。
【0012】
型枠2は、図3に示すように、基台6に4つ連設(ただし、図3では2つの型枠のみが現れている)されており、この型枠2内に、後述するホッパー3よりブロック原材料が落下して細密充填しブロック10が形成される。具体的には、型枠2は、図1に示すように、基台6中に構成されており、第1駆動手段(モーター)7により、図3中左右方向に毎分1.5mの速度で往復運動可能に構成されている。そして、ブロック原材料が型枠2内に充填されて、図3中左側に移動する際に型枠2の底板2aが押し上げられ、図2に示すように、ブロック10が上昇して脱型される。
【0013】
ホッパー3は、ブロック原材料の導入部であり、図1または図2に示すように、ブロック成形装置1の中央部付近の上部に取り付けられて、上方に向かって開口している。ブロック原材料は、このホッパー3の上端開口より投入してもよいが、コンベア機構(図示しない)に積載して投入してもよい。
【0014】
原材料分散揺動具4は、ホッパー3より落下してくるブロック原材料を分散および揺動するためのものであり、図4および図6に示すように、揺動本体12に固定するための上部フランジ4aと、両側壁4bと、両側壁4bの下部に架設され、上部フランジ4aの延在方向に対して直交する方向に延在する3本の架設部4cと、架設部4c間に設けられ、上部フランジ4aの延在方向に対して直交する方向に延在する2つのスリット4dとから構成されている。なお、この実施例の原材料分散揺動具4は、両側壁4bを有しているが、この両側壁4bがなく、上部フランジ4aに直接、架設部4cが設けられたものでもよい。
【0015】
原材料分散揺動具動作機構5は、原材料分散揺動具4を垂直および水平方向に移動させるための機構であり、図6に示すように、第2駆動手段(モーター)8と、モーター8の回転軸8aと、回転軸8aに固定された円盤8bと、円盤8bにクランクピンを介して一端が取り付けられたアーム9と、アーム9の他端が一端側に取り付けられ平面視矩形に形成された揺動本体12と、揺動本体12と装置本体フレーム13との間で四方にそれぞれ配され、装置本体フレーム13側のピンを軸として回動可能なクランクアーム11とから構成されている。
【0016】
そして、このような原材料分散揺動具動作機構5において、第2駆動手段(モーター)8を駆動させると、図6または図10に示すように、円盤8bが一回転する毎にアーム9が水平方向に往復運動する。このアーム9の往復動に伴って揺動本体12も往復動するが、クランクアーム11が装置本体フレーム側のピンを軸として回動するため、揺動本体12は若干の上下運動を伴った往復運動をする。この揺動本体12の動作に伴って揺動本体12に固定された原材料分散揺動具4も垂直および水平方向への運動を行う。なお、この実施例の装置では、モーターの回転数は50rpmで、原材料分散揺動具4の垂直方向の移動距離40mm、水平方向の移動距離160mmに設定されている。
【0017】
図5および図6は、原材料分散揺動具4がh方向(モータ8に近づく方向)の最端に位置している状態を示しており、原材料分散揺動具4は、図5に示すように、型枠2の水平方向一端側付近に位置すると共に、その下端面が型枠2の最上面に位置している。また、図7および図8は、原材料分散揺動具4が型枠2の中央付近に位置している状態(図7参照)を示しており、その下端面がm方向に上昇し型枠2の最上面より40mm上方に位置している。さらに、図9および図10は、原材料分散揺動具4がJ方向(モータ8から遠ざかる方向)の最端に位置している状態を示しており、原材料分散揺動具4は、図9に示すように型枠2の水平方向他端側付近に位置すると共に、その下端面が型枠2の最上面に位置している。
【0018】
すなわち、上記構造により、原材料分散揺動具4は、山なりな円弧状軌跡を描く水平方向往復運動を1分間に50回繰り返す揺動運動を行うため、ホッパー3から落下するブロック原材料を、一部はスリット4d等を通過してそのまま型枠2内に落下させ、一部は架設部4cの上面(水平方向に沿って延在する平面に形成されている)に載置して水平方向や垂直方向に揺動させ、さらに、型枠2内に落下した原材料が型枠2の最上面を越えた場合は、架設部4cの下面で分散させたり若干押圧したりして、ブロック原材料の粒度分布が略均一化(最適化)されるように作用しながら、充填と圧縮が同時になされ細密充填される。換言すれば、この実施例のブロック成形装置1は、単にブロック原材料を水平方向に振動させて振り分けるのではなく、水平方向に延在する平板状に形成された架設部4cが垂直方向および水平方向に移動することにより、その上面に土が載置し、土等が巻き上げられるように分散および揺動されるため緻密化される。
【0019】
なお、ブロック原材料としては、ある程度の流動性を有するものであればどのようなものでもよく、例えば、主原料としてて、土、砂、灰、瓦礫、粉砕コンクリート、粉砕アスファルト、鉄スラグ、銅スラグ、焼却灰、石炭滓、汚泥、石膏ボード屑、食物残さやアスベストを炭化した物などである。また、ブロック内に生物由来材料(生物として生起したものの構成材を広く含む概念)を混入させてもよく、この生物由来材料としては、例えば、菌、種子、大鋸屑、木屑、炭、刈り取った芝、昆虫の幼虫、籾殻、繁殖した芝マットなどが挙げられる。さらに、ブロックの目的、混入物の種類に対応させて、成長促進剤または成長調整剤、土壌改良剤、腐敗促進剤、有機肥料、各種バインダー、少量のセメントやなど硬化剤などを使用してもよい。また、本発明のブロック成形装置は、ブロック原材料が細密充填され緻密化されるため、ブロック成形中に、ブロック原材料の種類や粒度を適宜変更することで段階的に硬さの異なるブロックを成形したり、断面に地層を備えたブロックを成形することも可能である。
【0020】
また、この実施例の原材料分散揺動具動作機構5は、原材料分散揺動具4を、山なりな円弧状軌跡を描く水平方向往復運動をさせるものであるが、本願でいう「原材料分散揺動具を上下運動を伴った往復動をさせるための原材料分散揺動具動作機構」には、原材料分散揺動具を上下方向(垂直方向)に往復動させるものも含まれる。
【0021】
つぎに、図11ないし図13に示した本発明のブロック成形装置の他の実施例について説明する。
この実施例は、原材料分散揺動具動作機構のみが、前述したブロック成形装置1と相違するものであるため、原材料分散揺動具動作機構以外については説明を省略する。
この実施例の原材料分散揺動具動作機構20は、原材料分散揺動具4を山なりの円弧状軌跡を描く水平方向往復運動させるものである点では、ブロック成形装置1の原材料分散揺動具動作機構5と同様であるが、構造がより簡素化されている。
【0022】
具体的には、原材料分散揺動具動作機構20は、図11または図12に示すように、第2駆動手段(モーター)8と、モーター8の回転軸8aと、回転軸8aに固定された円盤8bと、円盤8bの周縁付近に突設されたピン26と、第2駆動手段(モーター)8の外壁に設けられたリンク用軸部23と、リンク用軸部23を挿嵌する軸穴24とを備えリンク用軸部23を中心として回転可能に取り付けられたリンク21とからなっている。また、このリンク21には、長手方向に沿って長孔22が形成されており、この長孔22内をピン26が移動可能に配されている。さらに、リンク21の上端付近には、図12に示すように、原材料分散揺動具4が、取付け用ピン25を介して左右両回りに回動可能に取り付けられている。
【0023】
そして、このような原材料分散揺動具動作機構20において、第2駆動手段(モーター)8を駆動させると、まず、図12に示す状態では、ピン26が長孔22内の最上部に位置し、原材料分散揺動具4も最上部に位置する。つぎに、円盤8bが90度回転すると、図13の左側の状態となり、リンク21は図中左側に向かって傾斜し、それに伴って原材料分散揺動具4は左側に移動すると共に若干降下する。さらに、円盤8bが90度回転すると、図13の中央の状態となり、ピン26が長孔22内の最下部に位置し、原材料分散揺動具4は再度最上部に位置する。さらに、円盤8bが90度回転すると、リンク21は図中右側に向かって傾斜し、それに伴って原材料分散揺動具4は右側に移動すると共に若干降下する。そして、円盤8bが一回転する毎に、原材料分散揺動具4は、山なりな円弧状軌跡を描く水平方向往復運動を行うように構成されている。なお、この実施例の原材料分散揺動具4は、取付け用ピン25を介して片側だけがリンク21に保持されているが、両側が保持されていてもよい。
【0024】
さらに、図14ないし図16に示した本発明のブロック成形装置の他の実施例について説明する。
この実施例も、原材料分散揺動具動作機構のみが、前述したブロック成形装置1と相違するものであるため、原材料分散揺動具動作機構以外については説明を省略する。
この実施例の原材料分散揺動具動作機構30は、前述した原材料分散揺動具動作機構20と同様の回転機構を用いるものであるが、原材料分散揺動具4を谷なりな円弧状軌跡を描く水平方向往復運動させるものである点で異なり、そのため、モーター8の下方に原材料分散揺動具4が配されている。
【0025】
具体的には、原材料分散揺動具動作機構30は、図14または図15に示すように、第2駆動手段(モーター)8と、モーター8の回転軸8aと、回転軸8aに固定された円盤8bと、円盤8bの周縁付近に突設されたピン36と、第2駆動手段(モーター)8の外壁に設けられたリンク用軸部33と、リンク用軸部33を挿嵌する軸穴34とを備えリンク用軸部33を中心として回転可能に取り付けられたリンク31とからなっている。また、このリンク31には、長手方向に沿って長孔32が形成されており、この長孔32内をピン36が移動可能に配されている。さらに、リンク31の下端付近には、図15に示すように、原材料分散揺動具4が、取付け用ピン35を介して左右両回りに回動可能に取り付けられている。
【0026】
そして、このような原材料分散揺動具動作機構30において、第2駆動手段(モーター)8を駆動させると、まず、図15に示す状態では、ピン36が長孔32内の最上部に位置し、原材料分散揺動具4は最下部に位置する。つぎに、円盤8bが90度回転すると、図16の左側の状態となり、リンク31は図中右側に向かって傾斜し、それに伴って原材料分散揺動具4は左側に移動すると共に最上部に位置する。さらに、円盤8bが90度回転すると、図16の中央の状態となり、ピン36が長孔32内の最下部に位置し、原材料分散揺動具4は再度最下部に位置する。さらに、円盤8bが90度回転すると、リンク31は図中左側に向かって傾斜し、それに伴って原材料分散揺動具4は右側に移動すると共に最上部に位置する。そして、円盤8bが一回転する毎に、原材料分散揺動具4は、谷なりな円弧状軌跡を描く水平方向往復運動を行うように構成されている。なお、この実施例の原材料分散揺動具4は、取付け用ピン35を介して片側だけがリンク31に保持されているが、両側が保持されていてもよい。
【0027】
さらに、図17ないし図19に示した本発明のブロック成形装置の他の実施例について説明する。
この実施例も、原材料分散揺動具動作機構のみが、前述したブロック成形装置1と相違するものであるため、原材料分散揺動具動作機構以外については説明を省略する。
この実施例の原材料分散揺動具動作機構40は、原材料分散揺動具4が略楕円の軌跡を描くことにより、上下運動(垂直方向への移動を)すると共に、水平方向に往復運動させるものである。
【0028】
具体的には、原材料分散揺動具動作機構40は、図17または図18に示すように、第2駆動手段(モーター)8と、モーター8の回転軸8aと、回転軸8aに固定された円盤8bと、円盤8bの周縁付近に突設された延出ピン46と、第2駆動手段(モーター)8の外壁に突設されたピン43と、リンク41A,41Bとからなっている。このリンク41A,42Bの一端側には延出ピン46を挿嵌する挿嵌穴が設けられ、リンク41A,41Bの中央付近には、長手方向に沿って長孔42が形成されており、この長孔42内をピン43が移動可能に配されている。さらに、リンク41A,41Bの他端側には、図17または図18に示すように、原材料分散揺動具4が、取付け用ピン45a,45bを介して左右両回りに回動可能に取り付けられている。
【0029】
そして、このような原材料分散揺動具動作機構40において、第2駆動手段(モーター)8を駆動させると、まず、図18に示す状態では、延出ピン46が最上部に位置し、ピン43が長孔42内の中間部付近に位置して、リンク41A,41Bは他端側を下方にして傾斜し、原材料分散揺動具4を最下部に位置させる。つぎに、円盤8bが90度右回りに回転すると、図19の上側の図の状態となり、延出ピン46が最も右側に位置し、ピン43が長孔42内の最も左側に位置して、リンク41A,41Bは水平方向に延在して、原材料分散揺動具4を最も右側に位置させる。さらに、円盤8bが90度右回りに回転すると、図19の中央の図の状態となり、延出ピン46が最下部に位置し、ピン43が長孔42内の中間部付近に位置して、リンク41A,41Bは他端側を上方にして傾斜し、原材料分散揺動具4を最上部に位置させる。さらに、円盤8bが90度右回りに回転すると、図19の下側の図の状態となり、延出ピン46が最も左側に位置し、ピン43が長孔42内の最も右側に位置して、リンク41A,41Bは水平方向に延在して、原材料分散揺動具4を最も左側に位置させる。そして、円盤8bが一回転する毎に、原材料分散揺動具4は、略楕円の軌跡を描き、上下運動(垂直方向への移動を)すると共に、水平方向に往復運動を行うように構成されている。
【0030】
すなわち、本発明のブロック成形装置には、原材料分散揺動具動作機構が、原材料分散揺動具を山なりおよび谷なりを組み合わせた軌跡を描いて往復動させるものも含むものであり、そのような原材料分散揺動具を山なりおよび谷なりを組み合わせた軌跡を描いて往復動させるものとしては、原材料分散揺動具動作機構40のように、原材料分散揺動具4が略楕円の軌跡を描くものの他、略円の軌跡を描くもの、例えば軸カムなどを用いて八の字の軌跡を描くもの、例えばロボットアームなどを用いて原材料分散揺動具を山なりおよび谷なりを組み合わせた変則的軌跡を描くものなどが広く包含される。
【0031】
さらに、図20ないし図22に示した本発明のブロック成形装置の他の実施例について説明する。
この実施例は、型枠2が底板2aを適宜位置にて停止可能な昇降手段51を有している点のみ、前述したブロック成形装置1と相違するものである。ブロック成形装置1と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0032】
具体的には、この実施例の型枠2は、図20に示すように、基台6内に4つ水平方向に連設されており、これら型枠2内には底板2aがそれぞれ設けられている。底板2aの下部には昇降手段51がそれぞれ設けられており、この昇降手段51は、図21に示すように、底板2aの下部中央付近に配設されたシリンダー52と、その両側にそれぞれ配設されたガイドポスト53,54とから構成されている。
【0033】
そして、シリンダー52のピストンロッド52aの先端およびガイドシャフト53a,54bの先端は底板2aの下面側にそれぞれ固定されており、ピストンロッド52aの伸縮に伴って底板2aが昇降するように構成されている。より具体的には、ピストンロッド52aが最も収縮した状態では底板2aは最下位に位置し、ピストンロッド52aが最も伸長した状態では底板2aの上面は基台6の上面と面一となり成形されたブロック10を脱型させる。ガイドポスト53,54は、底板2aが水平方向を保持した状態で昇降可能とするためのものであり、ピストンロッド52aの伸縮に同期してガイドシャフト53a,54bがそれぞれ伸縮し底板2aを支持するように構成されている。また、底板2aはピストンロッド52aの伸長を位置制御することにより所望位置にて停止可能に構成されている(図22参照)。これにより、所望の厚さのブロック成形が可能となる。
【0034】
さらに、図23に示した本発明のブロック成形装置の他の実施例について説明する。
この実施例は、原材料分散揺動具14の形態のみが、前述したブロック成形装置1の原材料分散揺動具4と相違するものである。
【0035】
具体的には、この実施例の原材料分散揺動具14は、図23に示すように、揺動本体12に固定するための上部フランジ14aと、両側壁14bと、両側壁14bの下部に架設された3本の架設部14cと、架設部14c間に設けられた2つのスリット14dとから構成されている。そして、これら架設部14cは上部フランジ14aの延在方向に対して直交する方向に延在するのではなく、上部フランジ14aの延在方向に対して斜め方向に延在するように設けられ、それに伴ってスリット14dも上部フランジ14aの延在方向に対して斜め方向に延在するように構成されている。これにより、スリット14dより落下するブロック原材料は型枠2内により広域に分散されると共に、架設部14cの下面により若干押圧されるブロック原材料の上面に縞模様が形成されることも回避され、粒度分布または硬度がより均一なブロックが形成される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のブロック成形装置の一実施例の正面概略図である。
【図2】図1に示したブロック成形装置の左側面概略図である。
【図3】図1に示したブロック成形装置において、原材料導入部(ホッパー)を除去した状態の平面概略図である。
【図4】図1に示したブロック成形装置の原材料分散揺動具の斜視図である。
【図5】図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図である。
【図6】図5に示した動作時の一部平面拡大図である。
【図7】図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図である。
【図8】図7に示した動作時の一部平面拡大図である。
【図9】図1に示したブロック成形装置における成形時の特徴的動作を示す一部拡大正面図である。
【図10】図9に示した動作時の一部平面拡大図である。
【図11】本発明のブロック成形装置の他の実施例における原材料分散揺動具動作機構を説明するための平面概略図である。
【図12】図11の右側面図である。
【図13】図11に示した原材料分散揺動具動作機構の動作を説明するための説明図である。
【図14】本発明のブロック成形装置の他の実施例における原材料分散揺動具動作機構を説明するための平面概略図である。
【図15】図14の右側面図である。
【図16】図14に示した原材料分散揺動具動作機構の動作を説明するための説明図である。
【図17】本発明のブロック成形装置の他の実施例における原材料分散揺動具動作機構を説明するための平面概略図である。
【図18】図17の正面図である。
【図19】図17に示した原材料分散揺動具動作機構の動作を説明するための説明図である。
【図20】本発明のブロック成形装置の他の実施例における型枠付近の左側面概略図である。
【図21】図20のA−A線断面図である。
【図22】図20に示した型枠の作用を説明するための縦断面図である。
【図23】本発明のブロック成形装置の他の実施例における原材料分散揺動具の平面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ブロック成形装置
2 型枠
3 原材料導入部(ホッパー)
4 原材料分散揺動具
5 原材料分散揺動具動作機構
6 基台
7 第1駆動手段
8 第2駆動手段
9 アーム
10 ブロック
11 クランクアーム
12 揺動本体
13 装置フレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック原材料を導入するための原材料導入部と、ブロック原材料を細密充填するための型枠と、前記原材料導入部を介して投入されるブロック原材料を分散および揺動させると共に、前記型枠内に充填させるための原材料分散揺動具と、該原材料分散揺動具を上下運動を伴った往復動をさせるための原材料分散揺動具動作機構とを有していることを特徴とするブロック成形装置。
【請求項2】
前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を山なりの軌跡を描いて往復動させるものである請求項1に記載のブロック成形装置。
【請求項3】
前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を谷なりの軌跡を描いて往復動させるものである請求項1に記載のブロック成形装置。
【請求項4】
前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を山なりおよび谷なりを組み合わせた軌跡を描いて往復動させるものである請求項1に記載のブロック成形装置。
【請求項5】
前記型枠は、底板を適宜位置にて停止可能な昇降手段を有している請求項1ないし4のいずれかに記載のブロック成形装置。
【請求項6】
前記原材料分散揺動具は、前記原材料分散揺動具動作機構の揺動本体に固定するための上部フランジと、該上部フランジに架設された架設部とを有し、当該架設部は、前記上部フランジの延在方向に対して斜め方向に延在するように設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載のブロック成形装置。
【請求項1】
ブロック原材料を導入するための原材料導入部と、ブロック原材料を細密充填するための型枠と、前記原材料導入部を介して投入されるブロック原材料を分散および揺動させると共に、前記型枠内に充填させるための原材料分散揺動具と、該原材料分散揺動具を上下運動を伴った往復動をさせるための原材料分散揺動具動作機構とを有していることを特徴とするブロック成形装置。
【請求項2】
前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を山なりの軌跡を描いて往復動させるものである請求項1に記載のブロック成形装置。
【請求項3】
前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を谷なりの軌跡を描いて往復動させるものである請求項1に記載のブロック成形装置。
【請求項4】
前記原材料分散揺動具動作機構は、前記原材料分散揺動具を山なりおよび谷なりを組み合わせた軌跡を描いて往復動させるものである請求項1に記載のブロック成形装置。
【請求項5】
前記型枠は、底板を適宜位置にて停止可能な昇降手段を有している請求項1ないし4のいずれかに記載のブロック成形装置。
【請求項6】
前記原材料分散揺動具は、前記原材料分散揺動具動作機構の揺動本体に固定するための上部フランジと、該上部フランジに架設された架設部とを有し、当該架設部は、前記上部フランジの延在方向に対して斜め方向に延在するように設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載のブロック成形装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2008−132770(P2008−132770A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273492(P2007−273492)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000138004)株式会社メイハン (4)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000138004)株式会社メイハン (4)
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