説明

ブロー容器

【課題】胴部に広範囲にラベルが設けられていたとしても、該胴部を抵抗少なく容易に折り畳むことができ、胴部全体を均一に押潰すこと。
【解決手段】押潰し可能な容器であって、胴部6には、該胴部を折り畳み可能とさせる複数の折曲ライン15、30が形成されていると共にラベル40が設けられ、ラベル40が折曲ラインに対応する位置に、該折曲ラインの全長に亘って形成された弱化部41を有しているブロー容器1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押潰し可能なブロー容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
容器の胴部に形成された折曲ラインに沿って該胴部を折り畳むことで、容器軸方向に押潰すことができる容器として、例えば特許文献1に記載されている容器が知られている。
この容器は、横断面視正方形又は長方形に形成された胴部と、該胴部の上端縁から肩部を介して起立された口部と、を具備している。
そして胴部には、各方向に延びた複数の折目線が形成されており、例えば廃棄時にこれら各折目線に沿って胴部を折り曲げながら容器を容器軸方向に折り畳んで押潰すことができ、減容化を図ることが可能とされている。また、胴部には、例えば商品名や内容物の表示等を行うためにラベルが貼着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−326621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上記した従来の容器では、胴部に複数の折目線が形成されているため、フラットなパネル面が少なく、ラベルが折目線を跨いで貼着されている。そのため、ラベルの剛性によって胴部が折り畳み難くなってしまうものであった。通常、押潰しに対応した容器においては、スムーズに折り畳むことができるように胴部が薄肉に形成されている場合が多いが、上記したようにラベルが折目線を跨いで貼着されてしまうと、薄肉であってもラベルの剛性によって折り畳みが阻害され易かった。一方、表示性の観点から見ると、できるだけ広範囲に亘ってラベルを胴部に貼着されることが望まれる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、胴部に広範囲にラベルが設けられていたとしても、該胴部を抵抗少なく容易に折り畳むことができ、胴部全体を均一に押潰すことができるブロー容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
(1)本発明に係るブロー容器は、押潰し可能なブロー容器であって、胴部には、該胴部を折り畳み可能とさせる複数の折曲ラインが形成されていると共にラベルが設けられ、前記ラベルが、前記折曲ラインに対応する位置に、該折曲ラインの全長に亘って形成された弱化部を有していることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るブロー容器によれば、容器の胴部(例えば、容器の軸方向や径方向)に圧縮力が付与されると、該圧縮力によって胴部が複数の折曲ラインに沿って徐々に折れ曲がるので、胴部全体を折り畳むことができ、それによりブロー容器を押潰すことができる。
ところで、胴部には、貼着やインモールド成形等によってラベルが設けられているので、該胴部の折り畳みに伴ってラベルも折れ曲がるが、折曲ラインの全長に亘って弱化部を有しているので、該折曲ラインに沿った胴部の折れ曲がりを阻害し難い。従って、広範囲にラベルが設けられていたとしても、胴部を抵抗少なく容易に折り畳むことができるうえ、ラベルからの抵抗を受け難いので胴部全体を均一に押潰すことができる。
また、折曲ラインの全長に亘って弱化部を有しているので、上記折り畳み時に、ラベル自身に圧縮力や引張力等の応力が作用し難くなり、皺、弛みや破れ等が生じ難い。
【0008】
(2)本発明に係るブロー容器において、前記弱化部が、前記ラベルを貫通した開口が前記折曲ラインに沿って長穴状又は間欠的に形成され、前記折曲ラインを露出させる切欠き部であることが好ましい。
【0009】
この場合には、弱化部が折曲ラインを露出させる切欠き部であるので、胴部の折り畳み時に該胴部の折れ曲がりをより阻害し難く、さらに抵抗少なく胴部を折り畳み易い。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るブロー容器によれば、胴部に広範囲にラベルが設けられていたとしても、該胴部を抵抗少なく容易に折り畳むことができ、胴部全体を均一に押潰すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るブロー容器の実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示すブロー容器の側面図である。
【図3】図1に示すA−A断面図である。
【図4】図1に示すB−B断面図である。
【図5】図1に示すブロー容器を容器軸方向に押潰した状態を示す図である。
【図6】図2に示すブロー容器を容器軸方向に押潰した状態を示す図である。
【図7】本発明に係るブロー容器の変形例を示す正面図である。
【図8】本発明に係るブロー容器の別の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るブロー容器の実施形態について図面を参照して説明する。
(ブロー容器の構成)
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るブロー容器1は、ダイレクトブロー成形等の各種ブロー成形により形成され、後述する容器軸O方向に圧縮力が付与されることで押潰し可能とされた合成樹脂製の容器であり、図示しない内容物が充填される容器本体2と、容器本体2の内容物を注出する注出筒3と、を備え、これらが中心軸線を共通軸上に位置した状態で連設されている。
【0013】
以下、上記共通軸を容器軸Oといい、この容器軸Oに沿って注出筒3側を上側、容器本体2の底部側を下側とする。また、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0014】
容器本体2は、底部5と、底部5の外周縁に連設された胴部6と、胴部6の上端縁に連設された肩部7と、を備えている。
注出筒3は、肩部7の中央部から上方に向けて起立しており、円筒状に形成されている。この注出筒3の上端部には、破断可能な第1弱化部9を介して蓋体8が接続され、該蓋体8によって注出筒3は閉塞されている。蓋体8には、摘み片10と連結片11とが容器軸Oを挟んで径方向に向かい合うように接続されている。
【0015】
摘み片10は、径方向外方に向けて突出した板片であり、図示の例では開口10aが形成されたリング状とされ、指先を掛けながら把持することが可能とされている。但し、上記開口10aは必須なものではなく、単なる板片状にシンプルに形成されていても構わない。また、摘み片10の一部は、注出筒3に対しても破断可能な第2弱化部12を介して接続されている。
【0016】
連結片11は、蓋体8を容器本体2に対して連結する帯状部材であり、容器本体2の肩部7の上面から注出筒3の外周面に沿って概略L字状に形成されている。そして、連結片11の両端部は、蓋体8及び肩部7に対してそれぞれ接続されている。蓋体8は、この連結片11によって注出筒3からの取り外し時に脱落防止が図られている。
なお、連結片11において、前記両端部の間の部分が、注出筒3及び肩部7に対して破断可能な弱化部によって接続されていても構わない。
【0017】
胴部6は、横断面視矩形状のパネルユニット6A、6Bが容器軸O方向に2段に連設された多連式の胴部とされており、図3に示すように、これらパネルユニット6A、6Bの接続部分には両ユニット6A、6Bを上下に区分けする境界折曲ライン15が周方向に沿って間欠的に全周に亘って形成されている。なお、図示の例では、容器外方に突出する凸リブ(第1パネル面20内)と容器内方に突出する凹リブ(第2パネル面21内)との組み合わせによって境界折曲ライン15が形成されている。
【0018】
上記パネルユニット6A、6Bは、図1、図2及び図4に示すように、第1パネル面(パネル面)20と第2パネル面(パネル面)21とが周方向に交互に連設され、第1パネル面20及び第2パネル面21のそれぞれが容器軸Oを挟んで径方向に向かい合うように一対設けられることで、横断面視矩形状に形成されている。図示の例では、摘み片10と連結片11とが向かい合う方向に第2パネル面21が向かい合っている。
【0019】
以下、パネルユニット6A、6Bについて詳細に説明するが、上段側のパネルユニット6Aと下段側のパネルユニット6Bとは基本的な構成は同一であるため、下段側のパネルユニット6Bについてはその説明を省略し、上段側のパネルユニット6Aについて説明する。
【0020】
第1パネル面20には、容器軸O方向の中央部分において第1折曲ライン30が周方向に沿って直線状に形成されている。この際、第1折曲ライン30の両端部は、第1パネル面20と第2パネル面21との稜線Lに達しない長さとされている。
また、上記第1折曲ライン30の両端部の少なくとも一方を、稜線Lに繋がるように形成しても良い。
なお、本実施形態では、後述するカット面37によって稜線Lが面取りされているので、各図では稜線Lを仮想線として図示している。また、図示の例では、凹リブによって第1折曲ライン30が形成されている。更に、第1パネル面20は、図示の例では第2パネル面21側から見た側面視で第1折曲ライン30を中心として径方向内方に向けてV字状に窪んだ状態とされている(図2参照)。
【0021】
第2パネル面21には、第2折曲ライン31、第3折曲ライン32、第4折曲ライン33及び第5折曲ライン34の複数の折曲ラインが形成されている。なお、第2パネル面21は、図示の例では第1パネル面20側から見た側面視で第2折曲ライン31を頂辺として、径方向外方に向けて膨出した状態とされている(図1参照)。
【0022】
第2折曲ライン31は、第2パネル面21における周方向の中央部分において、容器軸O方向に沿って直線状に延びるように形成されている。この際、第2折曲ライン31の中央部は、上記した第1折曲ライン30に対して容器軸O方向の高さが略一致する部分に形成されている。
第3折曲ライン32は、第2折曲ライン31の上端部及び下端部からそれぞれ上方及び下方に向かうにしたがって漸次周方向に広がるように二又状に延びて形成されている。この際、第3折曲ライン32は、第1パネル面20と第2パネル面21との稜線Lに繋がるように形成されている。
なお、上記第3折曲ライン32を、稜線Lに繋がらないように形成しても良い。
【0023】
そして、肩部7と第2パネル面21との稜線と、第3折曲ライン32と、で囲まれる部分、及び境界折曲ライン15と、第3折曲ライン32と、で囲まれる部分は、側面視三角形状の非折曲パネル面35とされている。これに対して、第2パネル面21のうち非折曲パネル面35以外の面は、ブロー容器1の押潰し時に折り畳まれる面とされている。
【0024】
第4折曲ライン33及び第5折曲ライン34は、第2折曲ライン31を間にして周方向に並んで配設されると共に、第1パネル面20と第2パネル面21との稜線Lにおける、第1折曲ライン30に対して容器軸O方向の高さが一致する部分を起点として、該起点部分Sから第2折曲ライン31に向けて互いに逆方向に延びるように形成されている。
【0025】
より詳しくは、第4折曲ライン33は、上記起点部分Sから第2折曲ライン31に向けて周方向に延び、その延長線が第2折曲ライン31の略中間部で交差するように形成されている。一方、第5折曲ライン34は、上記起点部分Sから第2折曲ライン31に向かうにしたがって漸次容器軸O方向に広がるように二又状(例えば、V字状やY字状)に伸びて形成されている。そして、これら第5折曲ライン34と第2折曲ライン31との間には、側面視三角形状の折曲パネル面36が画成されている。
なお、図示の例では、凹リブによって第4折曲ライン33及び第5折曲ライン34が形成されている。また、第4折曲ライン33及び第5折曲ライン34の一部は、上記起点部分Sから第1折曲ライン30に向けて第1パネル面20側にも直線状に若干延びている。
【0026】
また、第1パネル面20と第2パネル面21との稜線Lには、上方及び下方から第4折曲ライン33及び第5折曲ライン34の上記起点部分Sに向けて漸次広がるテーパ状のカット面37が形成されて、面取りされている。
【0027】
ところで、上述したように下段側のパネルユニット6Bは、上記した上段側のパネルユニット6Aと基本的な構成は同一であるが、本実施形態では第4折曲ライン33及び第5折曲ライン34の形成位置が、両パネルユニット6A、6Bにおいて互い違いに配置されている。つまり、上段側のパネルユニット6Aの第4折曲ライン33と下段側のパネルユニット6Bの第5折曲ライン34とが容器軸O方向に並び、上段側のパネルユニット6Aの第5折曲ライン34と下段側のパネルユニット6Bの第4折曲ライン33とが容器軸O方向に並ぶように配置されている。
【0028】
また、本実施形態のブロー容器1では、図1に示すように、上段側のパネルユニット6Aにおける第1パネル面20、及び下段側のパネルユニット6Bにおける第1パネル面20に亘って、ラベル40が広範囲に設けられている。
なお、このラベル40としては、ブロー成形後に貼着されたタック(貼着)ラベルでも構わないし、ブロー成形時に容器と一体成形されたインモールドラベルでも構わない。更に、シュリンク(熱収縮)ラベルやストレッチ(伸縮)ラベルを用いても良い。
【0029】
ラベル40について詳細に説明すると、両パネルユニット6A、6Bにおける第1パネル面20の形状に対応して、側面視で縦長の長方形状に形成されている。そしてこのラベル40には、2つの第1折曲ライン30及び1つの境界折曲ライン15に対応する位置に、これら各折曲ライン15、30の全長に亘って弱化部41が形成されている。
図示の例では、上記弱化部41はラベル40を貫通した開口が上記各折曲ライン15、30に沿って長穴状に形成され、各折曲ライン15、30の全体を完全に露出させるスリット状の切欠き部とされている。また、ラベル40の外周縁部には、弱化部41の周方向の両端部に向けて括れ部42が形成されており、該括れ部42と弱化部41との間に位置する部分を幅狭にしている。つまりラベル40は、この幅狭とされた部分43によって容器軸O方向に繋がり、各折曲ライン15、30を避けながら第1パネル面20のフラットな部分に大きく重なるように設けられている。
なお、前記括れ部42は設けなくても良い。
【0030】
(ブロー容器の使用)
次に、上述したように構成されたブロー容器1の内容物を注出する場合について説明する。本実施形態では、図示しない本容器内に例えば粘度を有する内容物を注出して詰め替える場合を例にすると共に、その詰め替え時にブロー容器1を押潰しながら行う場合を例にして説明する。
【0031】
まず、摘み片10を把持しながら蓋体8を捩る等して第1弱化部9及び第2弱化部12を破断させ、該蓋体8を注出筒3から毟り取り、注出筒3を開放させる。次いで、ブロー容器1を倒立姿勢にした後、正立姿勢とされた本容器の注入筒内にブロー容器1の注出筒3を挿入させる。この際、ブロー容器1の肩部7が本容器の注入筒の開口端に当接するまで注出筒3を挿入し、ブロー容器1の姿勢を安定させることが好ましい。
【0032】
次いで、容器軸O方向に沿ってブロー容器1に圧縮力を付与することで、図5及び図6に示すようにブロー容器1を押潰し、該押潰しによって内容物を本容器側に押し出して内容物の詰め替え作業を行う。
なお、図5及び図6では、正立状態においてブロー容器1を押し潰している状態を図示している。
【0033】
上記押潰しについて詳細に説明すると、容器軸O方向に圧縮力が付与されると、該圧縮力によって第1パネル面20が第1折曲ライン30に沿って徐々に径方向内方に折れ曲がると共に、第2パネル面21が第2折曲ライン31〜第5折曲ライン34に沿って徐々に折れ曲がるので、上段側のパネルユニット6A及び下段側のパネルユニット6Bからなる胴部6の全体が折り畳まれて、容器軸O方向に押し潰されはじめる。
この際、第2パネル面21には、第2折曲ライン31を挟んで形状の異なる第4折曲ライン33及び第5折曲ライン34が形成されているので、第2折曲ライン31を挟んだ周方向の両側部分の折り畳まれ方が異なる。
【0034】
即ち、第2パネル面21のうち第4折曲ライン33が形成されている部分については、直線状に延びた第4折曲ライン33に沿って折れ曲がるので、徐々に第4折曲ライン33の延長線と第2折曲ライン31とが交差する部分に応力が集中しはじめる。一方、第2パネル面21のうち第5折曲ライン34が形成されている部分については、V字状に延びた第5折曲ライン34に沿って折れ曲がる。
そして、折り畳みが進行すると、上記した応力集中によって、第2折曲ライン31が第4折曲ライン33の延長線との交差部分を中心として、くの字状に第5折曲ライン34側に屈曲する(図6参照)。そのため、この屈曲ポイントを起点として折曲パネル面36を折り畳むことができ、これによって胴部6全体の折り畳みを速やかに進行させることができる。その結果、ブロー容器1を容器軸O方向に押潰すことができ、本容器への内容物の詰め替え作業を行うことができる。
【0035】
特に、折り畳みによって生じる応力を積極的に第2折曲ライン31に集中させることができ、それにより第2折曲ライン31を屈曲させて折れ曲がりの起点を決まった位置に作っている。そのため、折曲パネル面36を決まった位置で確実に折り畳むことができ、胴部6全体の折り畳みを安定に行うことが可能とされている。従って、残容積を極力残すことがなく均一に押潰すことができ、内容物を無駄に残すことなく本容器側に詰め替えることができる。
しかも、均一に押潰すことができるので、高粘度の内容物であっても容易に本容器側に押し出すことができ、詰め替え作業をスムーズに行い易い。また、残容積を極力残すことがなく均一に押潰すことができるので、ブロー容器1の廃棄時における減容化が可能となる。
【0036】
また、第1パネル面20と第2パネル面21との稜線Lがテーパ状のカット面37によって面取りされているので、第1パネル面20及び第2パネル面21を各折曲ライン31〜34に沿って折り畳み易い。従って、より抵抗少なくブロー容器1の押潰しを行うことができる。
また、上段側のパネルユニット6Aと下段側のパネルユニット6Bとで、第4折曲ライン33及び第5折曲ライン34の形成位置が互い違いに配置されているので、図6に示すように、折り畳み時、それぞれの第2折曲ライン31を反対方向に屈曲させることができる。従って、折り畳まれた折曲パネル面36の厚みが容器軸O方向に重なってしまうことを防止でき、バランス良くブロー容器1の押潰しを行うことができる。
【0037】
更に、図6に示すように、胴部6の折り畳みに伴ってラベル40も折れ曲がるが、第1折曲ライン30及び境界折曲ライン15の全長に亘って弱化部41を有しているので、これら各折曲ライン15、30に沿った第1パネル面20の折れ曲がりを阻害し難い。従って、両パネルユニット6A、6Bの第1パネル面20の例えば全体に亘ってラベル40が設けられていても、胴部6を抵抗少なく容易に折り畳むことができるうえ、ラベル40からの抵抗を受け難いので胴部6全体を均一に押潰すことができる。
【0038】
特に、本実施形態の場合には、弱化部41が第1折曲ライン30及び境界折曲ライン15を露出させる切欠き部であるうえ、弱化部41と括れ部42との間に位置する部分43が幅狭とされているので、上記作用効果を顕著に奏効し易い。
加えて、弱化部41を有していることで、折り畳み時に、ラベル40自身に圧縮力や引張力等の応力が作用し難くなり、皺、弛みや破れ等が生じ難い。そのため、明瞭なラベル表示を維持し易い。
【0039】
なお、上記実施形態において、両パネルユニット6A、6Bの第1パネル面20に対して、複数のラベルを第1折曲ライン30及び境界折曲ライン15を避けながら各別に貼着する等して設けることも可能であり、この場合であっても同様の作用効果を期待することができる。しかしながらこの場合には、複数のラベルを作製する等の手間がかかるので、生産効率上の観点から好ましくなく、上記したように1枚のラベル40内に弱化部41を設ける構成とすることが好ましい。
【0040】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【0041】
例えば、上記実施形態では、ブロー容器1を詰め替え容器として利用し、内容物を詰め替える際に押潰す場合を例に挙げて説明したが、この場合に限られるものではなく、例えば内容物が液状のものであって、ブロー容器1を傾ける等して内容物を詰め替え又は注出した後、廃棄する段階で押潰しても構わない。
また、横断面視矩形状の胴部6としたが、この形状に限定されるものではなく、例えば円筒状に形成されていても良い。
【0042】
また、パネルユニット6A、6Bを上下2段に連結することで胴部6を構成したが、パネルユニットを1段のみや、3段以上に連結しても構わない。この場合であっても、胴部6をパネルユニット毎に小分けして安定且つ確実に折り畳むことができるので、胴部6が長い大型の容器とされていてもスムーズな押潰しを行い易い。
【0043】
また、第1折曲ライン30〜第5折曲ライン34としては、凸リブ、凹リブ、又は段差を設けることで形成すれば良い。
また、注出筒3に対して破断可能な第1弱化部9を介して蓋体8を接続したが、キャップを注出筒3に螺着させる構成としても構わない。こうすることで、例えば廃棄時にブロー容器1を容器軸O方向に押潰した後にキャップを螺着させることで、押潰したままの状態を維持し易く、廃棄時により減容化を図り易い。
更に、前記各折曲ライン30〜34は、連続する直線状に限られず間欠の直線状に形成されても良く、各折曲ライン同士、或いは折曲ラインと稜線との接続部分を、連結、非連結のどちらで形成しても良い。
【0044】
また、上記実施形態では、弱化部41をスリット状の切欠部としたが、図7に示すように、ラベル40を貫通した開口を第1折曲ライン30及び境界折曲ライン15に沿って間欠的に形成することで、各ライン15、30を露出させるミシン目のような切欠き部を弱化部41としても構わない。この場合であっても同様の作用効果を奏効することができる。
【0045】
更には、弱化部41を切欠き部とするのではなく、図8に示すように、ラベル50における他の部分の厚みよりも厚みが薄い薄肉部分を弱化部51としても構わない。この場合、ラベル50を1枚で構成し、厚みの変化をつけることで弱化部51を形成しても構わないが、2枚のラベルを積層することで弱化部51を形成しても構わない。
【0046】
図示の例では、第1折曲ライン30及び境界折曲ライン15を覆うように第1パネル面20の略全面に亘って設けられた1枚目のラベル上に、2枚目のラベル52を第1折曲ライン30及び境界折曲ライン15を避けるように部分的に重ねることで、露出した1枚目のラベルの部分を弱化部51としている。
この場合であっても、同様の作用効果を奏効することができる。それに加え、第1折曲ライン30及び境界折曲ライン15を覆っている弱化部51の部分にもラベル内容を明示することが可能であるので、各折曲ライン15、30に影響されることなくラベル表示を行える。
なお、この場合において、1枚目のラベルとして2枚目のラベル52よりも剛性の低いものを用いることがより好ましい。
【符号の説明】
【0047】
O…容器軸
1…ブロー容器
6…胴部
30…第1折曲ライン(折曲ライン)
31…第2折曲ライン(折曲ライン)
32…第3折曲ライン(折曲ライン)
33…第4折曲ライン(折曲ライン)
34…第5折曲ライン(折曲ライン)
40、50…ラベル
41…ラベルの切欠き部(弱化部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押潰し可能なブロー容器であって、
胴部には、該胴部を折り畳み可能とさせる複数の折曲ラインが形成されていると共にラベルが設けられ、
前記ラベルは、前記折曲ラインに対応する位置に、該折曲ラインの全長に亘って形成された弱化部を有していることを特徴とするブロー容器。
【請求項2】
請求項1に記載のブロー容器において、
前記弱化部は、前記ラベルを貫通した開口が前記折曲ラインに沿って長穴状又は間欠的に形成され、前記折曲ラインを露出させる切欠き部であることを特徴とするブロー容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−10559(P2013−10559A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146054(P2011−146054)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】