説明

プライマリフライトディスプレイの可視性を改善するためのシステムおよび方法

【課題】プライマリフライトディスプレイの可視性を改善するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】航空機管理システムは、プライマリフライトディスプレイスクリーン100を表示する際に使用される。プライマリフライトディスプレイスクリーンは、予め定められた高さ(H)を有し、水平位置指示器(HSI)102を含む。航空機管理システムは、プロセッサおよびこのプロセッサに動作可能に結合されたメモリデバイスを含む。メモリデバイスは、プロセッサに航空機のためのHSIを表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令を含む。HSIは、三次元(3D)オブジェクトをシミュレートするために後方透視図を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、一般に、ディスプレイデバイスに関し、より具体的には、プライマリフライトディスプレイスクリーンの視覚解像度を改善するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくともいくつかの知られている航空機は、航空機乗組員、例えば、航空機の操縦士、副操縦士、および/またはナビゲータに対する連続飛行状態入力を含むプライマリフライトディスプレイシステムを含む。そのような情報は、通常、航空機の姿勢、高度、昇降速度、水平対気速度、および水平位置、例えば機首方位を含む。さらに、そのような情報は、状況認識の改善に貢献する。状況認識は、航空機乗組員、例えば、操縦士および副操縦士による、現在の飛行環境の複雑で動的な関連要素の連続した意識的認知と定義される。そのような要素は、他の航空機、天気状況、およびその知られている航空機の物理的状態を含んでよい。そのような状況認識はまた、時々刻々および出来事ごとに予測し、次いで適切に反応し、それらの認知に基づいて仕事を実行する能力を含んでよい。
【0003】
少なくともいくつかの知られているプライマリフライトディスプレイシステムは、限られた狭い空間の操縦室に設置される。そのようなプライマリフライトディスプレイシステムは、存在する空間制限に適した表示高を有するプライマリフライトディスプレイスクリーンを含んでよい。多くの知られているプライマリフライトディスプレイシステムは、統合フライトディスプレイスクリーンの中に配置された水平位置指示器を含む。そのような水平位置指示器は、利用可能な表示高の25%から50%、より一般的には約33%を使用することができる。それによって、水平位置指示器のサイズに比例して、航空機姿勢指示器、高度計、昇降計、および水平対気速度計など、その他の指示器が圧縮され、それによって、航空機乗組員に対するそれらの視覚解像度を低減し、したがって、航空機乗組員の状況認識に負の影響を及ぼす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0194602号明細書
【発明の概要】
【0005】
プライマリフライトディスプレイの表示高がより小さいものを使用する水平位置指示器を含み、それによって、その他の指示器にとって利用可能な高さを拡大し、航空機乗組員の状況認識を改善するプライマリフライトディスプレイが必要とされる。
【0006】
一実施形態では、航空機管理システムが提供される。航空機管理システムは、プライマリフライトディスプレイスクリーンを表示する。プライマリフライトディスプレイスクリーンは、予め定められた高さを有し、水平位置指示器(HSI)を含む。航空機管理システムは、プロセッサおよびプロセッサに動作可能に結合されたメモリデバイスを含む。メモリデバイスは、プロセッサに、航空機のためのHSIを表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令を含む。HSIは、三次元(3D)オブジェクトをシミュレートするために後方透視図を含む。
【0007】
他の実施形態では、航空機のための水平位置指示器(HSI)を表示する方法が提供される。航空機は、航空機管理システム(AMS)を含む。本方法は、プロセッサに動作可能に結合されたメモリデバイスを提供するステップを含む。メモリデバイスは、プロセッサに、予め定められた高さを有するプライマリフライトディスプレイスクリーンの少なくとも一部分を表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令を含む。本方法はまた、三次元(3D)オブジェクトをシミュレートするために後方透視図を有する水平位置指示器(HSI)を含むプライマリフライトディスプレイスクリーンの少なくとも一部分を表示するステップを含む。
【0008】
さらに他の実施形態では、航空機が提供される。航空機は操縦室を含む。航空機はまた、操縦室の中でプライマリフライトディスプレイスクリーンを表示する際に使用するための航空機管理システムを含む。プライマリフライトディスプレイスクリーンは、予め定められた高さを有し、水平位置指示器(HSI)を含む。航空機管理システムは、プロセッサおよびプロセッサに動作可能に結合されたメモリデバイスを含む。メモリデバイスは、プロセッサに、航空機のためのHSIを表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令を含む。HSIは、三次元(3D)オブジェクトをシミュレートするために後方透視図を含む。
【0009】
図1〜5は、本明細書に記載の方法およびシステムの例示的実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】例示的航空機管理システム(AMS)および例示的プライマリフライトディスプレイシステムを含む航空機の側面図である。
【図2】図1に示されているプライマリフライトディスプレイシステムによって生成される例示的水平位置指示器(HSI)を含む例示的プライマリフライトディスプレイスクリーンの概略図である。
【図3】図2に示されているHSIの概略図である。
【図4】図1に示されている航空機のための図2に示されているHSIを表示する例示的方法の流れ図である。
【図5】図4からの流れ図の続きである。
【図6】図1に示されている航空機で使用するのに適したAMSの簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載の例示的方法およびシステムは、プライマリフライトディスプレイスクリーンの水平の高さがより小さいものを使用する水平位置指示器(HSI)を提供することにより、知られているプライマリフライトディスプレイシステムの少なくともいくつかの欠点を克服する。本明細書に記載の表示されたHSIは、指示器が二次元(2D)ディスプレイ上で三次元(3D)オブジェクトのように見えるように角度が付けられる。表示されたHSIの透視図に角度を付けた結果として、航空機乗組員によって直接使用可能である表示されたHSIの一部分だけが示される。さらに、表示されたHSIの透視図に角度を付けた結果として、HSIの機首方位指示部は、航空機がその機首方位を変えるにつれて回転するように見え、それによって、プライマリフライトディスプレイスクリーン上にHSIの有用な部分を維持する。したがって、プライマリフライトディスプレイスクリーン上にHSIの有用な部分だけを維持して、使用されない部分を表示しないことは、残りの指示器を拡大してプライマリフライトディスプレイスクリーンの高さをより大きいパーセンテージで使用することを容易にする。さらに、表示されたHSIの3D画像特徴は、追加の指示特徴、例えば、他の航空機の相対高度を含む他の航空機の交通衝突回避システム(TCAS)からの指示がそこに含まれるのを容易にする。これらの利点は、航空機乗組員の状況認識の改善を容易にする。
【0012】
本明細書で使用される場合は、単数形で記載され、単語「a」または「an」がその前に付けられた要素またはステップは、複数の要素またはステップを排除することが明記されない限り、複数の要素またはステップを排除しないものと理解されたい。さらに、本発明の「一実施形態」を参照することは、記載された特徴をも包含する追加の実施形態の存在を排除すると解釈されることを意図するものではない。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態による航空機10の側面図である。航空機10は、胴体14に結合された1つまたは複数の推進エンジン12、胴体14に配置された操縦室16、胴体14から外に延びる主翼アセンブリ18、尾翼アセンブリ20、および着陸アセンブリ22を含む。航空機10はまた、プライマリフライトディスプレイスクリーン(図1に示さず)を表示し、複数の他のシステムおよびサブシステムが航空機10の適切な操縦を可能にすることを容易にする、飛行ビークル10のためのプライマリフライトディスプレイシステム26を含む航空機管理システム(AMS)24を含む。航空機10は、翼付の飛行機として例示されているが、AMS24およびプライマリフライトディスプレイシステム26の代替実施形態が、限定なしに、ヘリコプタを含む他の航空機の中に実装されてよい。
【0014】
図2は、プライマリフライトディスプレイシステム26によって表示された例示的水平位置指示器(HSI)102を含む例示的プライマリフライトディスプレイスクリーン100の概略図である。この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、垂直線形目盛106を有する対気速度計104、ポインタ108、およびポインタ108におけるデジタルリードアウト110を含む。システム26は、ムービングテープまたは回転ドラムのものと同様の動的動作を有する垂直線形表示によって表されるように対気速度計104を示すようにプログラムされ、それによって、目盛106は現在の数値が容易に見えるように上下に移動する。
【0015】
さらに、この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、垂直線形目盛122を有する高度計120、ポインタ124、ならびにフィート単位でのデジタルリードアウト126およびメートル単位でのデジタルリードアウト128を含む。システム26は、ムービングテープまたは回転ドラムのものと同様の動的動作を有する垂直線形表示によって表されるように高度計120を示すようにプログラムされ、それによって、目盛122は、現在の数値がいつでも容易に見え、ポインタ124の中心が目盛122に置かれるように上下に移動する。システム26は、ムービングテープまたは回転ドラムのものと同様の動的動作を有する垂直線形表示によって表されるようにデジタルリードアウト126を示し、それによって、リードアウト126における数値は、現在の数値が容易に見えるように上下に移動する。
【0016】
さらに、この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、昇降計130を含む。昇降計130は、上昇速度を表示するための上側部分132を含む。昇降計130はまた、降下速度を表示するための下側部分134を含む。昇降計130の部分132および134は、垂直目盛を表すように表示され、目盛の幅は部分132の最下部および部分134の最上部に向かって広くされ、部分132の最上部および部分134の最下部に向かって狭くされる。
【0017】
さらに、この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、対気速度計104と高度計120との間でスクリーン100の中央に配置された姿勢指示器140を含む。姿勢指示器140は、人工地平線142、航空機リファレンスシンボル144、ロールまたはバンクインジケータ146、およびピッチインジケータラダー148を含む。さらに、この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、ピッチインジケータラダー148のエリアに表示背景150を含む。表示背景150は、好ましくは、人工地平線142より上方の部分152および下方の部分154において別々の色をつけられる(図示せず)。代替として、部分152と154との視覚的区別を容易にするために合成視野システムが使用されてよい。さらに、この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、他の航空機のTCAS指示160を含む。
【0018】
この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、液晶ダイオード(LCD)デバイス(図示せず)上に示されている。しかし、スクリーン100は、限定なしに、陰極線管(CRT)デバイスを含む、本明細書に記載のプライマリフライトディスプレイシステム26の動作を可能にする任意のタイプのディスプレイデバイス上で示されるように構成されてよい。プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、スクリーンの高さHを画定する。
【0019】
図3は、水平位置指示器(HSI)102の概略図である。この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイシステム26(図1および2に示す)は、コンパス170が容易に3Dでへこんで見えるように、角度が付けられたように、またはへこんで見えるように構成されたコンパスデバイス170によって表されるようにHSI102をスクリーン100内に示すようにプログラムされる。コンパスデバイス170は、標準方位起点向首方向172(東(E)と南(S)だけを示す)および各方位起点向首方向172間の数値174を含む。コンパスデバイス170はまた、航空機乗組員に増分機首方位情報を提供するために、数値174と方位起点向首方向172との間に配置された複数の数値表示なし目盛176を含む。この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイシステム26は、航空機乗組員による視覚解像度を容易にするために、後方透視図で方位起点向首方向172、数値174、および数値表示なし目盛176を示す。
【0020】
さらに、この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイシステム26は、航空機10(図1に示す)の現在の機首方位に応じて標準的なコンパスと同じように回転するように見えるようにHSI102のコンパスデバイス170を示すようにプログラムされる。さらに、この例示的実施形態では、HSI102は、コンパスポインタ178を含む。
【0021】
この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイシステム26は、プライマリフライトディスプレイスクリーン100がそこで生成されるディスプレイデバイス(図示せず)のスクリーンによって画定される仮想平面に関して60°から70°までの範囲内の角度によって画定された後方透視図でHSI102を示すようにプログラムされる。代替として、本明細書に記載のHSI102の動作を可能にする任意の後退角度が使用される。さらに、この例示的実施形態では、選択された後退角度はプライマリフライトディスプレイシステム26の中にプログラムされており、航空機乗組員による調整は不可能である。
【0022】
さらに、この例示的実施形態では、HSI102は、スクリーンの高さH(図2に示す)の約10%未満を使用するように調整されサイジングされる。したがって、限定なしに、対気速度計104、高度計120、および姿勢指示器140を含む他の指示器は、スクリーンの高さHの残りの約90%を使用することができ、それによって、それらの指示の視覚解像度を改善する。HSI102の50%未満がプライマリフライトディスプレイスクリーン100上で見え、HSI102は航空機10の機首方位と共に回転する。さらに、見かけの後退の角度の数値、およびサイズ、ならびに方位起点向首方向172の方位、数値174、および数値表示なし目盛176は、航空機乗組員に対する十分な視覚解像度を容易にする。したがって、HSI102は、プライマリフライトディスプレイスクリーン100の解像度の全体的な改善を容易にし、それによって、航空機乗組員の状況認識の改善を容易にする。
【0023】
いくつかの代替実施形態では、スクリーンの高さHのHSI102ならびに指示器104、120、および140への配分は、それぞれ10%から90%までのそれぞれ異なる配分となるように構成される。例えば、構成表(図示せず)が、プライマリフライトディスプレイスクリーン100の任意の大きさに関してHSI102ならびに指示器104、120および140を表示するためにプライマリフライトディスプレイシステム26の電源投入時にメモリ304(図6に示す)にロードするようにプログラムされてよい。HSI102の後方透視図角度は自動的に調整される。さらに、いくつかの代替実施形態では、HSI102の任意の予め定められた部分がプライマリフライトディスプレイスクリーン100上で見える。
【0024】
この例示的実施形態では、HSI102は、他の航空機のTCAS指示180を含む。TCAS指示180は、別の航空機を表す上部の球状部分182を含む。TCAS指示180はまた、他の航空機の相対高度を表す下部の垂直線形部分184を含む。したがって、TCAS指示180は、HSI102上の他の航空機の3D表示を容易にする。
【0025】
図4および5は、航空機10(図1に示す)のためのHSI102(図3に示す)を表示する例示的方法200の流れ図である。この例示的実施形態では、方法200は、プロセッサ302に動作可能に結合されたメモリデバイス304(両方とも図6に示す)を提供するステップ202を含む。メモリデバイス304は、プロセッサ302に、予め定められた高さH(図2に示す)を有するプライマリフライトディスプレイスクリーン100(図2に示す)の少なくとも一部分を表示するように指令する(ステップ204)プログラムされたコンピュータ命令を含む。3Dオブジェクトをシミュレートするために後方透視図を有するHSI102を含むプライマリフライトディスプレイスクリーン100の少なくとも一部分が表示される(ステップ206)。
【0026】
いくつかの実施形態では、方法200はまた、プライマリフライトディスプレイスクリーン100の第1の部分をHSI102に配分するステップ208を含み、このステップ208は、HSI102がプライマリフライトディスプレイスクリーン100の高さHの約10%を占めるようにHSI102を表示するステップ210を含む。さらに、いくつかの実施形態では、方法200は、プライマリフライトディスプレイスクリーン100の第2の部分を、対気速度計104、高度計120、および姿勢指示器140(すべて図3に示す)を含む他の航空機指示器に配分するステップ212を含む。
【0027】
さらに、この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、コンパスの形でHSI102を表示する(ステップ214)。プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、方位起点向首方向172、数値174、および個別増分176(すべて図3に示す)を有するHSI102を表示し(ステップ216)、航空機10の機首方位に応じて、方位起点向首方向172、数値174、および個別増分176の回転運動をシミュレートする(ステップ218)。
【0028】
さらに、この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、TCAS画像180が別の航空機182の相対高度を表すほぼ垂直の部分184を含むように生成されたTCAS画像180をHSI102上に表示し(ステップ220)、それによって、プライマリフライトディスプレイスクリーン100上で3Dエフェクトをさらにシミュレートする。
【0029】
図6は、航空機10(図1に示す)で使用するための航空機管理システム24の簡略化された概略図である。この例示的実施形態では、AMS24は、プロセッサ302およびメモリ304を備えたコントローラ300を含む。プロセッサ302およびメモリ304は、バス306を介して入力/出力(I/O)ユニット308に通信可能に結合され、入力/出力(I/O)ユニットはまた、バス311または複数の専用バスを介して複数のサブシステム310に通信可能に結合される。様々な実施形態では、サブシステム310は、エンジンサブシステム312、通信サブシステム314、操縦室表示および入力サブシステム316、自動飛行サブシステム318、軌道リファレンスサブシステム(図示せず)、および/またはナビゲーションサブシステム320を含んでよい。列挙されなかった他のサブシステム、およびより多くのまたはより少ないサブシステムが存在してもよい。
【0030】
この例示的実施形態では、エンジンサブシステム312は、エンジン12(図1に示す)を使用して航空機10の速度を制御するために自動スロットル信号を生成するように構成される。コントローラ300は、AMS24の1つまたは複数のサブシステム310から入力信号を受信し、ガスタービンエンジンの推力、電子モータのトルクおよび/または速度、または内燃機関のパワー出力を制御するために使用され得る信号を生成するように構成される。自動飛行サブシステム318は、AMS24によって提供される飛行経路軌道を辿るように航空機10の経路を変える飛行面アクチュエータを制御するように構成される。ナビゲーションサブシステム320は、コントローラ300に現在の位置情報を提供する。通信サブシステム314は、航空交通管制官(ATC)と、ATCに信号を送信しATCから信号を受信するためのコントローラ300との間の通信を提供する。
【0031】
この例示的実施形態では、操縦室表示および入力サブシステム316は、ナビゲーション情報、航空機飛行パラメータ情報、燃料およびエンジン状態、ならびに他の情報が表示される操縦室ディスプレイを含む。そのような操縦室ディスプレイは、プライマリフライトディスプレイシステム26の一部分として、限定なしに、プライマリフライトディスプレイスクリーン100を含む。プライマリフライトディスプレイスクリーン100は、限定なしに、HSI102、対気速度計104、高度計120、および姿勢指示器140を表示する。
【0032】
図6はプライマリフライトディスプレイスクリーン100を表示するのに適した特定のアーキテクチャを例示するが、航空機管理システム(AMS)24およびプライマリフライトディスプレイシステム26のための他のアーキテクチャが使用されてもよい。
【0033】
この例示的実施形態では、プライマリフライトディスプレイスクリーン100を表示するためのコンピュータ命令は、航空機高度、機首方位、ロールまたはバンク、ピッチ、他の航空機に関するTCASデータ、および航空機10の適切な動作を可能にするために有用な他の情報と共に、メモリ304に常駐する。プライマリフライトディスプレイシステム26を含むAMS24がプライマリフライトディスプレイスクリーン100を表示するとき、AMS24は、ナビゲーションサブシステム320からの情報、およびメモリ304に格納されている航空機動作情報を使用する。そのような情報は、好都合には、操縦室表示および入力サブシステム316から入力され、および/または、非一時的コンピュータ可読媒体、例えば、そのような情報、オフボード制御システムから受信された信号、またはそれらの組合せを含むCD−ROMから入手され得る。
【0034】
コントローラ300は、スタンドアロンハードウェアデバイスに組み込まれてもよく、または、排他的に、AMS24もしくは他の航空機システム上で実行するファームウェアおよび/またはソフトウェア構成物でもよい。
【0035】
用語「プロセッサ」は、本明細書で使用される場合は、中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、および本明細書に記載の機能を実行することができる任意の他の回路またはプロセッサを表す。
【0036】
本明細書で使用される場合は、用語「ソフトウェア」および「ファームウェア」は互換可能であり、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、および不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含めて、プロセッサ302による実行のためにメモリに格納された任意のコンピュータプログラムを含む。上記のメモリタイプは、例示のみであり、したがって、コンピュータプログラムを格納するために使用可能なメモリのタイプに関して限定するものではない。
【0037】
上記の明細に基づいて理解されるであろうように、本開示の前述の実施形態は、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組合せもしくはサブセットを含むコンピュータプログラミングまたはエンジニアリング技法を使用して実施されることが可能であり、技術的効果は、統合プライマリフライトディスプレイスクリーンのスクリーンの高さの約10%未満を使用するように調整されサイジングされたコンピュータ生成HSIによって提供される。したがって、限定なしに、対気速度計、高度計、および姿勢指示器を含む他の指示器は、スクリーンの高さの残りの約90%を使用することができ、それによって、航空機乗組員に対するそれらの指示の視覚解像度を改善する。コンピュータ可読コード手段を有する任意のそのような結果としてのプログラムは、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の中に組み込まれても提供されてもよく、それによって、本開示の前述の実施形態によるコンピュータプログラム製品、すなわち製造物を作成する。コンピュータ可読媒体は、例えば、固定(ハード)ドライブ、ディスケット、光ディスク、磁気テープ、読出し専用メモリ(ROM)などの半導体メモリ、および/またはインターネットまたは他の通信ネットワークもしくはリンクなどの任意の送信/受信媒体でよいが、それらに限定されない。コンピュータコードを含む製造物は、直接1つまたは複数の媒体からのコードを実行するか、コードをある媒体から別の媒体にコピーするか、またはネットワークを介してコードを送信することにより、作成および/または使用されることが可能である。
【0038】
本明細書に記載のシステム、方法、および装置の例示的技術的効果は、(a)HSIのための見かけの後方透視図姿勢を生成するために2Dスクリーン上で3Dエフェクトを使用することにより、HSIのためのスクリーンスペースの量を低減すること、(b)対気速度計、高度計、および姿勢指示器などの他の指示器のためのスクリーンスペースの量を増大させること、(c)HSI上に追加の指示特徴、例えば、他の航空機の相対高度を含む、TCASからの他の航空機の指示が含まれるのを容易にすること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0039】
航空機での使用のための航空機管理システム(AMS)の中に組み込まれたプライマリフライトディスプレイシステムの前述の実施形態は、統合プライマリフライトディスプレイスクリーンのスクリーンの高さの約10%未満を使用するように調整されサイジングされた水平位置指示器を提供するための費用効率の高い信頼できる手段を提供する。したがって、限定なしに、対気速度計、高度計、および姿勢指示器を含む他の指示器は、スクリーンの高さの残りの約90%を使用することができ、それによって、航空機乗組員に対するそれらの指示の視覚解像度を改善する。より具体的には、本明細書に記載の方法およびシステムは、水平位置指示器のために見かけの後方透視図姿勢を生成するために2Dスクリーン上で3Dエフェクトを使用することにより水平位置指示器のためのスクリーンスペースの量を低減することを容易にする。さらに、そのような3Dエフェクトを表示することは、水平位置指示器の航空機乗組員に対する十分な解像度を提供することを容易にする。さらに、前述の方法およびシステムは、水平位置指示器上に追加の指示特徴、例えば、他の航空機の相対高度を含む他の航空機のTCASからの指示が、含まれるのを容易にする。その結果として、本明細書に記載の方法およびシステムは、航空機乗組員の状況認識を改善することを容易にし、費用効率の高い信頼できるやり方で航空機を操縦することを容易にする。
【0040】
航空機における使用のための航空機管理システムの中に組み込まれたプライマリフライトディスプレイシステムのための方法、システム、および装置の例示的実施形態が上記で詳細に説明されている。このシステム、方法、および装置は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されるのではなく、システムの構成要素および/または方法のステップは、本明細書に記載の他の構成要素および/またはステップとは独立して別々に利用されてよい。例えば、この方法はまた、他の航空機管理システムおよび方法と組み合わせて使用されてよく、本明細書に記載の航空機エンジンシステムおよび方法だけで実施されることに限定されない。もっと正確に言えば、例示的実施形態は、多くの他の航空機システムアプリケーションに関連して実施され利用されてよい。
【0041】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴が示されている図面もあれば、示されていない図面もあるが、これは便宜のためだけである。本発明の原理によれば、図面の任意の特徴は、任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照されても、および/または特許請求されてもよい。
【0042】
本明細書は、例を使用してベストモードを含む本発明を開示し、さらに、当業者なら誰でも任意のデバイスまたはシステムを作製し使用することおよび任意の組み込まれた方法を実行することを含めて本発明を実施することも可能にする。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の実施例を含んでよい。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言と実体のない相違を有する同等の構造要素を含む場合は、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0043】
10 航空機
12 エンジン
14 胴体
16 操縦室
18 主翼アセンブリ
20 尾翼アセンブリ
22 着陸アセンブリ
24 航空機管理システム(AMS)
26 プライマリフライトディスプレイシステム
100 プライマリフライトディスプレイスクリーン
102 水平位置指示器(HSI)
104 対気速度計
106 対気速度計垂直目盛
108 対気速度計ポインタ
110 対気速度計デジタルリードアウト
120 高度計
122 高度計垂直目盛
124 高度計ポインタ
126 高度計デジタルリードアウト(フィート)
128 高度計デジタルリードアウト(メートル)
130 昇降計
132 昇降計の上側部分
134 昇降計の下側部分
140 姿勢指示器
142 人工地平線
144 航空機リファレンスシンボル
146 ロールまたはバンクインジケータ
148 ピッチインジケータラダー
150 表示背景
152 人工地平線より上方の部分
154 人工地平線より下方の部分
160 TCAS指示
H スクリーンの高さ
170 コンパスデバイス
172 方位起点向首方向
174 数値
176 目盛
178 コンパスポインタ
180 TCAS指示
182 TCAS球状部分
184 TCAS高度部分
200 方法
202 プロセッサに動作可能に結合されたメモリデバイスを提供する
204 予め定められた高さH(図2に示す)を有するプライマリフライトディスプレイスクリーン100(図2に示す)の少なくとも一部分を表示するように指令する
206 3Dオブジェクトをシミュレートするために後方透視図を有するHSI102を含むプライマリフライトディスプレイスクリーン100の少なくとも一部分を表示する
208 プライマリフライトディスプレイスクリーン100の第1の部分をHSI102に配分する
210 HSI102がプライマリフライトディスプレイスクリーン100の高さの約10%を占めるようにHSI102を表示する
212 プライマリフライトディスプレイスクリーン100の第2の部分を、対気速度計104、高度計120、および姿勢指示器140(すべて図3に示す)を含めて他の航空機指示器に配分する
214 コンパスの形でHSI102を表示する
216 方位起点向首方向172、数値174、および個別増分176(すべて図3に示す)を有するHSI102を表示する
218 航空機10の機首方位に応じて、方位起点向首方向172、数値174、および個別増分176の回転運動をシミュレートする
220 TCAS画像180が別の航空機182の相対高度を表すほぼ垂直の部分184を含むように生成されたTCAS画像180をHSI102上に表示する
300 コントローラ
302 プロセッサ
304 メモリ
306 バス
308 I/Oユニット
310 サブシステム
311 バス
312 エンジンサブシステム
314 通信サブシステム
316 表示および入力サブシステム
318 自動飛行システム
320 ナビゲーションサブシステム
322 機首方位コマンド入力
324 対気速度ベクトルコマンド入力
326 垂直速度/飛行コマンド入力
328 高度ベクトルコマンド入力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマリフライトディスプレイスクリーン(100)を表示する際に使用するための航空機管理システム(24)であって、前記プライマリフライトディスプレイスクリーン(100)は、予め定められた高さ(H)を有し、水平位置指示器(HSI)(102)を備え、前記航空機管理システムは、プロセッサ(302)および前記プロセッサに動作可能に結合されたメモリデバイス(304)を備え、前記メモリデバイスは、前記プロセッサに航空機(10)のための前記HSIを表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令を備え、前記HSIは、三次元(3D)オブジェクトをシミュレートするために後方透視図を備える、航空機管理システム(24)。
【請求項2】
前記メモリデバイス(304)は、前記プロセッサ(302)に、前記プライマリフライトディスプレイスクリーン(100)の第1の部分が前記HSIに配分され、前記プライマリフライトディスプレイスクリーンの第2の部分が少なくとも1つの追加の航空機指示器(104/120/140)に配分されるように前記HSI(102)を表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令をさらに備える、請求項1記載の航空機管理システム(24)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの追加の航空機指示器(104/120/140)は、対気速度計(104)、高度計(120)、および姿勢指示器(140)のうちの少なくとも1つを備える、請求項2記載の航空機管理システム(24)。
【請求項4】
前記メモリデバイス(304)は、前記プロセッサ(302)に、前記HSIが前記プライマリフライトディスプレイスクリーン(100)の高さ(H)の予め定められた部分を占めて表示されるように前記HSI(102)を表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令をさらに備える、請求項2記載の航空機管理システム(24)。
【請求項5】
前記メモリデバイス(304)は、前記プロセッサ(302)に、前記HSIが複数の方位起点向首方向(172)、数値(174)、および個別増分(176)を備えるコンパスの形で表示されるように前記HSI(102)を表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令をさらに備える、請求項1記載の航空機管理システム(24)。
【請求項6】
前記メモリデバイス(304)は、前記プロセッサ(302)に、前記コンパスの予め定められた部分だけが前記プライマリフライトディスプレイスクリーン(100)上で見えるように前記HSIがコンパスの形で表示されるように前記HSI(102)を表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令をさらに備え、前記方位起点向首方向(172)、数値(174)、および個別増分(176)は、前記航空機(10)の機首方位に基づいて前記HSI上で移動し、それによって前記HSIの回転運動をシミュレートする、請求項5記載の航空機管理システム(24)。
【請求項7】
前記メモリデバイス(304)は、前記プロセッサ(302)に、前記HSI上で交通衝突回避システム(TCAS)画像(160)を表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令をさらに備え、前記TCAS画像は、別の航空機(182)の相対高度を表すほぼ垂直の部分(184)を備え、それによって前記プライマリフライトディスプレイスクリーン(100)上で3Dオブジェクトをさらにシミュレートする、請求項1記載の航空機管理システム(24)。
【請求項8】
航空機(10)であって、
操縦室(16)と、
前記操縦室の中でプライマリフライトディスプレイスクリーン(100)を表示する際に使用するための航空機管理システム(24)とを備え、前記プライマリフライトディスプレイスクリーンは、予め定められた高さ(H)を有し、水平位置指示器(HSI)(102)を備え、前記航空機管理システムは、プロセッサ(302)および前記プロセッサに動作可能に結合されたメモリデバイス(304)を備え、前記メモリデバイスは、前記プロセッサに前記航空機のための前記HSIを表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令を備え、前記HSIは、三次元(3D)オブジェクトをシミュレートするために後方透視図を備える、航空機(10)。
【請求項9】
前記メモリデバイス(304)は、前記プロセッサ(302)に、前記プライマリフライトディスプレイスクリーン(100)の第1の部分が前記HSIに配分され、前記プライマリフライトディスプレイスクリーンの第2の部分が少なくとも1つの追加の航空機指示器(104/120/140)に配分されるように前記HSI(102)を表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令をさらに備える、請求項8記載の航空機(10)。
【請求項10】
前記メモリデバイス(304)は、前記プロセッサ(302)に、前記プライマリフライトディスプレイスクリーン(100)の第1の部分が前記HSIに配分され、前記プライマリフライトディスプレイスクリーンの第2の部分が対気速度計(104)、高度計(120)、および姿勢指示器(140)のうちの少なくとも1つを備える少なくとも1つの追加の航空機指示器(104/120/140)に配分されるように前記HSI(102)を表示するように指令するプログラムされたコンピュータ命令をさらに備える、請求項8記載の航空機(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−236592(P2012−236592A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−108067(P2012−108067)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【出願人】(506388923)ジーイー・アビエイション・システムズ・エルエルシー (46)