説明

プラグ部品およびジャック部品とそれらを受けるアダプタハウジングとを伴う差込み接続体

a.導電性の金属からなる複数の雌接点または雄接点(11、12)を囲むプラグハウジング(9)およびジャックハウジング(10)を伴って、互いにプラグ接続できる対応する差込み前面を有するプラグ部品(6)およびジャック部品(7)と、b.好ましくは互いにプラグ接続可能で、好ましくは相互にロック可能な、特に係止可能または螺合可能なアダプタハウジング(4、5)であって、プラグ部品(6)およびジャック部品(7)を挿入できるアダプタハウジング(4、5)と、を有し、c.プラグハウジング(9)および/またはジャックハウジング(10)が接点支持体(17、117)を有し、接点支持体には接点(11、12)を事前に組み付けることができ、接点ホルダ(21、121)上の接点支持体を、接点(11、12)の事前組付け後に、接点と共に事前組付け位置から最終組付け位置へ移動させることができる、差込み接続体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、請求項1の前文に係る差込み接続体に関する。
【背景技術】
【0002】
この典型的な種類のアダプタは、例えばIP65またはIP67などの差込み部品に適用できる保護等級よりも高い保護等級を達成することで、該アダプタに用いられる差込み部品を、例えば製造プラントまたは車両のような粗雑な環境において使用可能にする。
【0003】
電話プラグのための典型的な構成が米国特許第4,349,236号明細書(Bell Telephone Laboratories)から知られている。
【0004】
環境分類により生じる高い要件を満たすという発想は、IEC 61067−3−106 Variant 4、EN 50173−1−:2005、ISO/IEC 24702、および、IEC 61918において更に発展されまたは定着された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
独国特許第10236275号明細書はこれらの基準を満たすことができる可能性を示している。無論、この既知の構造は、それが電気信号の伝送のみに適しており、一般に、例えば光ファイバ導波管技術(例えば、特に7.35mmの間隔のSC−Simplex挿入体を伴う)で使用されるような他のプラグ部品においてもこの解決策を使用可能とするためには、それが大きなスペースを必要とするという問題を伴う。また、既知の構造は、実際には光学的態様で対処できない機械的および化学的な応力に関して更に改良されるべきである。
【0006】
以下は、典型的な欧州特許出願公開第1786071号明細書において、この問題を解決するために提案されている。すなわち、受入れハウジングは、プラグ部品のための前側受け部と、ケーブルダクトのためのナットに螺合する目的で軸方向長さの一部を覆うように延びる雄ねじを有する直接に個別に隣接する円筒部とを有する。ナットは、その軸方向長さの一部を覆うように延びる雌ねじと、ねじ端部を覆うように軸方向外側に延びるスリーブ部とを更に有し、上記スリーブ部は、円筒部の外径よりも若干大きい内径を有し、それにより、スリーブ部の内径と円筒部の外径との間に、差込み前面の方向で開放し且つねじの螺合により他端が軸方向に閉じられるリング形状の空間が形成され、上記リング形状の空間内に摺動スリーブまたは摺動スリーブとナットとの間に配置されるアダプタスリーブのスリーブ部が係合する。
【0007】
この構造は有効であることが分かっている。しかし、簡単な態様で且つ補助的なアダプタハウジングを伴っても伴わなくても使用され得る、付加的な、場合により普遍的に有用な差込み接続体を形成する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、請求項1の対象によって上記問題を解決した。有利な発展が従属請求項において見出される。
【0009】
本発明は、第1のプラグコネクタ部品と第2のプラグコネクタ部品とを伴う差込み接続体をもたらし、これらのプラグコネクタ部品は、いずれの場合にも、互いに突き合わせられ且つ好ましくは互いにロックされ得るアダプタハウジングを有し、特に、アダプタハウジングは、互いにロック可能でありまたはプラグ接続可能であり、また、互いに突き合わせられ得るプラグ部品およびジャック部品の形態で使用される。この場合、プラグ部品およびジャック部品は、プラグハウジングおよびジャックハウジングを伴って、互いに突き合わせられ得る対応する差込み前面を有し、上記ハウジングは、導電性の金属からなる複数の雌接点および雄接点を有する。本発明は、特に、さらに高いシール効果を得るためにプラグ部品およびジャック部品のためのアダプタ保護ハウジングを伴う差込み接続体のモデルを含んでいる。
【0010】
請求項1の特徴によれば、プラグハウジングおよび/またはジャックハウジングが接点支持体を有し、上記接点支持体には接点の少なくとも一部(すなわち、少なくとも1つまたは幾つかの接点)または全ての接点(11、12)が事前に組み付けられ、好ましくは、接点ホルダ上で、1または複数の接点の事前組付け後に、接点と共に、接点の組付けのための事前組付け位置から最終組付け位置へ移動させることができる。この構成の特定の利点は、このようにして達成され得る接点の容易で確実な組付けにあり、接点は、接点支持体上でケーブルの導体端部に最初に取り付けられ、例えば圧着されるピン型のジャック接点として形成されるのが好ましく、接点支持体は、接点と共に最終組付け位置へ移動させることができ、特にシフトさせることができる。
【0011】
これは、接点支持体をプラグ接続方向で軸方向に互いにオフセットされた2つの位置で接点ホルダにロックさせることができるという点において、特に簡単で信頼できる態様で行なうことができる。
【0012】
好ましい実施形態によれば、プラグハウジングおよびジャックハウジングが長方形断面を有し、それにより、好ましくは互いに平行に位置合わせされる電気接点の複数の列が設けられ、このようにして、信号、エネルギ、または、データのために使用できる、狭い空間内に多数の接点を有する特に接点差込みコネクタがもたらされる。
【0013】
接点支持体がフレームの形状に形成され、および、接点支持体が、複数のガイドスリーブ状の好ましくは切込みにより制限を伴なって弾性的に広がることができる通路開口を有し、上記通路開口を接点の一部(少なくとも1つの接点)または全ての接点が通過し、それにより、1または複数の接点が通路開口に形状ロック態様(Durchgangsoeffnungen form)および/または強制ロック態様(kraftschluessig)により固定されると、実用的であり、また、簡単な構造を伴う。
【0014】
差込み接続体の安全性を更に高める他の変形例によれば、接点支持体と接点ホルダとの間のロックは、簡単な態様または多重な態様によりブロックすることができ、または、最終組付け位置でブロックされる。
【0015】
以下、図面を参照して、典型的な実施形態により本発明を更に詳しく説明するが、上記実施形態に関連して本発明の他の利点も明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】プラグ部品およびジャック部品と、それらをプラグ接続状態で取り囲むアダプタハウジングとを伴う差込み接続体の斜視図である。
【図2a】プラグ未接続状態にあるジャック部品を伴うアダプタハウジングを示している。
【図2b】プラグ接続状態にあるジャック部品を伴うアダプタハウジングを示している。
【図3a】プラグ未接続状態にあるプラグ部品を伴うアダプタハウジングを示している。
【図3b】プラグ接続状態にあるプラグ部品を伴うアダプタハウジングを示している。
【図4】図3a,bのプラグ部品の個別斜視図である。
【図5】マルチワイヤケーブルのケーブル端を伴う図4のプラグ部品の個別斜視図であって、このケーブルのワイヤにプラグ接点が固定された斜視図である。
【図6】図4のプラグ部品の組立工程を示している。
【図7】図4のプラグ部品の組立工程を示している。
【図8】図4のプラグ部品の組立工程を示している。
【図9a】図2a,bのジャック部品の2つの個別斜視図を示している。
【図9b】図2a,bのジャック部品の2つの個別斜視図を示している。
【図10】図9a,bのジャック部品の組立工程を示している。
【図11】図9a,bのジャック部品の組立工程を示している。
【図12】図9a,bのジャック部品の組立工程を示している。
【図13】図9a,bのジャック部品の組立工程を示している。
【図14】本発明の他の変形を示している。
【図15】本発明の他の変形を示している。
【図16】本発明の他の変形を示している。
【図17】本発明の他の変形を示している。
【図18】本発明の他の変形を示している。
【図19】本発明の他の変形を示している。
【図20】本発明の他の変形を示している。
【図21】本発明の他の変形を示している。
【図22】本発明の他の変形を示している。
【図23】本発明の他の変形を示している。
【図24a】本発明の他の変形の組立てを一連の工程で示している。
【図24b】本発明の他の変形の組立てを一連の工程で示している。
【図24c】本発明の他の変形の組立てを一連の工程で示している。
【図24d】本発明の他の変形の組立てを一連の工程で示している。
【図24e】本発明の他の変形の組立てを一連の工程で示している。
【図24f】本発明の他の変形の組立てを一連の工程で示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜3は、組み合わせて、第1のプラグコネクタ部品2と第2のプラグコネクタ部品3とを伴う差込み接続体1を示しており、これらのプラグコネクタ部品は、いずれの場合にも、互いにプラグ接続され得るまたは一括してロックされ得るアダプタハウジング4、5を有し(特に、アダプタハウジングは、互いに係止されまたは螺合され得る)。また、アダプタハウジングは、プラグ接続され得るプラグおよびジャック部品6、7に挿入される(図2a、bおよび図4;図3a、b)。
【0018】
一方のアダプタハウジング(具体的には、アダプタハウジング5)は、ここではフランジ8を備えており、したがって、例えばハウジング(ここには図示せず)の切れ目またはプレート等に取り付けるのに適している。
【0019】
プラグ部品6およびジャック部品7はプラグハウジング9およびジャックハウジング10とプラグ接続され得る対応する差込み前面を有し、プラグハウジング9およびジャックハウジング10は、プラグハウジング9をジャックハウジング10内に押し込むことができるように形成される。これにより、我々は用語「プラグおよびジャック部品」を得る。プラグハウジング9は、ジャックハウジング10の複数の雄接点12とプラグ接続され得る導電性の金属からなる複数の雌接点11を備える(図5、6および図9a、10、12、13)。雌接点がジャックハウジングにあり且つ対応する雄接点がプラグハウジングにある逆の構成または混合した構成(ここには図示せず)も想起できる。
【0020】
プラグハウジング9およびジャックハウジング10は、ここでは、いずれの場合にも、長方形断面を伴うコンパクトな形状を有し、それにより、好ましくは電気接点11、12の幾つかの互い平行に位置合わせされた列が設けられる。特に好ましい実施形態において、我々は、3接点×2列および4接点×1列からなる3列の10個の接点11、12を設け、これらの接点は、データの伝送、電力ライン、および/または、信号の伝送のために使用できる。
【0021】
狭い空間内の複数の接点11、12により、差込み接続体1は、オートメーション技術で直面する問題に極めて適している。
【0022】
好ましくは、アダプタハウジング4、5(例えば、対応するシール等を備える)は、例えばIP65またはそれ以上の比較的高いタイプの保護を行なうように設計されている。一方、アダプタハウジング4、5が無くても互いにプラグ接続され得る内部のプラグおよびジャック部品6、7は、IP20などの低いタイプの保護を行なうように設計されており、それにより、アダプタハウジング4、5を用いることで、例えば工業生産における粗雑な環境でも差込み接続体1を使用できる。
【0023】
アダプタハウジング4、5の構造は前述した従来技術の態様で形成することができ、特にプラグ部品6およびジャック部品7は、例えば図3から分かるように、アダプタハウジング4、5に係止され、アダプタハウジング4の対応する係止凹部14と係止する、プラグハウジング9の係止突出部13がアダプタハウジングへ向けて延びている。
【0024】
プラグおよびジャック部品6、7の設計構造は特に興味深い。
【0025】
図4はプラグ接続状態にあるプラグ部品6の個別図を示しており、図5はプラグ部品6の分解図を示している。ここで、我々は、複数部品からなるプラグハウジング9の構成を容易に認識できる。
【0026】
プラグハウジング9は、幾つかの導体15を有するケーブル16の端部に取り付けられるようになっており、それにより、この場合、我々は、導体15の端部に、好ましくは圧着工程を用いてスリーブ状のジャック接点11を取り付ける。
【0027】
ジャック接点11の保持のため、我々は、フレーム状の接点支持体17(図5)を使用し、上記接点支持体17は好ましくは合成物質から成り、接点支持体17内または接点支持体17上には、雌接点11に対応する数で、多数のガイドスリーブ状の通過開口18が、好ましくはそれらの軸方向長さの一部にわたって2つの外周ポイントに径方向の切込みを伴って形成され、したがって、通過開口18を限れられた範囲で弾性的に広げることができる。上記通過開口18は雌接点11が通過するブリッジ18aを有しており、それにより、ジャック接点の自由端(導体15から離れた側の自由端)がダクト開口から突出する。
【0028】
ダクト開口18内および/またはブリッジ18a上には、クランプによりまたは好ましくは係止により行なわれる、形状ロック態様および/または強制ロック態様で雌接点11が固定され、この目的のため、ジャック接点11の外周およびダクト開口18には対応する係止手段19(図7b、c)を設けることができ、上記係止手段は、この場合も先と同様に、接点11の凹部および対応する係止縁(具体的にはブリッジ18aの係止縁)として形成できる。ダクト開口および/またはブリッジ18aをテーパ状にすることもでき、それら自体が自由端により係止縁19を形成して、事前係止効果を確保する。
【0029】
組立てを簡単にするため、接点支持体17は、移動可能に(この場合、摺動態様で)ダクト開口22(図5〜7)を有する接点ホルダ21上に配置され、差込み方向Xで互いに軸方向にオフセットされた2つの位置で接点ホルダ21に係止することができ、それにより、これらの2つの係止位置のうちの一方では、他方の係止位置よりも大きい距離で接点ホルダ21のダクト22から隔てられる。
【0030】
また、接点ホルダ21は、好ましくは、合成物質から成るとともに、雌接点11の数に対応する数のダクト開口22を有し、上記ダクト開口22は雌接点11の開口と同一平面上にある。
【0031】
接点支持体17は、接点ホルダ21からさらに大きく隔てられた位置で事前係止させることができる(図6)。この「事前組付け位置または事前係止位置」は、雌接点11を有する導体端部15を簡単な態様で素早く且つ確実に事前に組付けるようになっており、その目的のため、導体端部15がダクト開口18に押し通される。
【0032】
このように事前に組み付けされた接点支持体17は、その後、ダクト開口22を有する接点ホルダ21の断面の方向で、雌接点11と共に第2の係止位置へシフトされて移動される。
【0033】
これは様々な方法で行なうことができる。例えば、2つの構造部品17、21のうちの一方の係止フック23(この場合、4つの係止フック)が十分な長さを有し、それにより、接点支持体17または接点ホルダ21を、2つの構造部品のうちの他方にある互いに軸方向にオフセットされた2つの係止凹部24a、bで互いに係止させることができ(図6a、b、c)、または、特に、異なる度合いまでシフトしないように固定され得る構造(ここには図示せず)で、様々な位置に異なる係止手段が設けられる。
【0034】
導体5の事前組付け後に、接点支持体は、図6に示される「事前係止位置」から図7に示される「係止位置」へ簡単に押し込まれる。
【0035】
ダクト開口のガイドスリーブ状のブリッジ18aは、この状態で接点ホルダ21の漏斗部20または幾つかの対応する輪郭部に入り込み、それにより、接点ホルダ21を貫通するブリッジ18の外側への拡大を防止できるとともに、このようにして接点支持体17でのジャック接点11の係止をロックするように形成することができる。
【0036】
このように組み付けられたプラグハウジング9は、遮蔽板金の1つの部片または幾つかの部片27から成る遮蔽ハウジング26内に収容することができる。
【0037】
プラグ部品6は、このようにアダプタハウジング4内に直接に挿入され、またはその軸方向長さにわたって延びる突出部28(図8)などの補助部品を使用して、または中間ハウジングを使用して挿入されることが更に考えられる。ここでは、突出部28が遮蔽ハウジング26に強固に係止され、その目的のため、我々は、先と同様、係止フック29および係止凹部30などの対応する係止手段を使用する。
【0038】
ケーブルのための牽引リリーフを設けることが更に有益であり、これは、(プラグ部品2の)ケーブル螺合接続体25(図1)によって簡単な構造で行なうことができる。
【0039】
係止フック23は、ダクト穴を有する接点ホルダ21に対して接点支持体17が軸方向でより近くなる最終係止位置でブロックされることが好ましい。この機能は、例えば、組付け位置で、遮蔽板金部片27が係止フック23の外周に関して覆うことにより係止フック23が係止凹部24から移動できないように遮蔽板金部片27を形成することで(ジャック部品に関して説明される図15に類似する)、遮蔽ハウジング26を用いて実施できる。ジャックハウジング10は対応する構造を有する。
【0040】
ジャックハウジング10(図9a、b;図10a、b)は、同様に、幾つかの導体115を有するケーブル116の端部に取り付けられるようになっており、それにより、導体115の端部に、我々は、いずれの場合にも、特に、先と同様に好ましくは圧着によってピン接点(より一般的には「雄接点」)12を取り付ける(図10〜12)。
【0041】
ピン接点112を保持するため、我々は、先と同様に好ましくは合成物質から成るフレーム状の接点支持体117を使用し、接点支持体117には、雄接点12の数に対応する数のガイドスリーブ状のダクト開口118(場合によりブリッジ118aを備える)が形成される。ダクト開口118は、好ましくは切込みにより限れられた範囲で弾性的に広がることができ、また、ダクト開口118を雄接点12が通過し、それにより、自由端(導体115から離れた側の自由端)が、ブリッジ118aを有するダクト開口118から事前係止態様で突出する。
【0042】
雄接点12は、クランプによりまたは好ましくは係止により、形状ロック態様および/または強制ロック態様でダクト開口118に固定され、この目的のため、接点12の外周およびダクト開口118またはそれらのブリッジ118aには対応する係止手段119(図12)を設けることができ、上記係止手段は、この場合も先と同様に、接点11の凹部および対応する係止縁として形成できる。ダクト開口118またはそのブリッジ118aをテーパ状にすることもでき、それら自体が自由端により係止縁を形成できる。
【0043】
組立てを簡単にするため、接点支持体117は、移動可能に(それがシフトされ得るような態様で)接点ホルダ121上に配置され(図10、11、12)、差込み方向Xで互いに軸方向にオフセットされた2つの位置で接点ホルダ121に係止することができ、それにより、これらの2つの係止位置のうちの一方では、接点ホルダ121までの間隔が他方の係止位置の場合よりも大きくなる。
【0044】
また、接点ホルダ121は、好ましくは、合成物質から成るとともに、雄接点12の数に対応する数のダクト開口122を有し、上記ダクト開口122は接点12の開口と同一平面上にある。
【0045】
接点支持体117は、接点ホルダ121からさらに大きく隔てられた位置で事前係止させることができる。この「事前係止位置」は、雄接点12を有する導体端部115を素早く簡単な方法で確実に事前に組み付けるために使用され、その目的のため、導体端部115がダクト開口118に押し通される。
【0046】
このように事前に組み付けられた接点支持体117は、その後、ダクト開口122を有する接点ホルダ121の断面の方向で、接点12と共にシフトされた後、第2の係止位置へ移動され、それにより、雄接点12の端部がダクト開口122を通過する。
【0047】
これは様々な方法で行なうことができる。例えば、互いに軸方向にオフセットされた2つの係止凹部124a、bで2つの構造部品117、121のうちの一方の係止フック12(この場合、4つの係止フック)が十分な長さを有し、その場合、接点支持体117または接点ホルダ121を2つの構造部品に係止させることができ(図10)、または、異なる位置のための異なる係止手段、特に、想定し得るシフトをしないように確実に保持するように厚さを変化させた構造を有する手段(ここには図示せず)が設けられる。
【0048】
ダクト開口のガイドスリーブ状のブリッジ118aは、この状態で接点ホルダ121の漏斗部120または同様の対応する輪郭部に入り込み、それにより、ブリッジ118aの外側への拡大を防止できるとともに、このようにして接点支持体117でのピン接点10の係止を適切にロックできるように設計することができる。
【0049】
導体115の事前組付け後、接点支持体117は、「事前係止位置」から「係止位置」へシフトされる(図12、13)。
【0050】
このように組み付けられたジャックハウジング10は、1つのまたはこの場合には2つの(またはそれ以上の)遮蔽板金部片127から成る遮蔽ハウジング126内に保持させることができる。
【0051】
ジャックハウジング10の組付け輪郭部131上のケーブルバインダ132により簡単な構造で行なうことができる、ここではケーブル116のための牽引リリーフを設けることが更に有利である(図9b)。
【0052】
係止フック123は、ダクト開口を有する接点ホルダ121に対して接点支持体117が軸方向でより近くなる最終係止位置でブロックされることが好ましい。この機能は、例えば、組付け位置で遮蔽板金部片127が係止フック123の外周に関して覆うことにより係止フックが係止凹部124a、bから移動できないように遮蔽板金部片127を設計することで、遮蔽ハウジング126を用いて実施できる(図15)。
【0053】
遮蔽板金部片27、127は、それらをプラグまたはジャックハウジング9、10上の係止手段にスナップ止めでき、その後にそれらが再び上記係止手段に係止されるように設計されるのが好ましい。遮蔽ハウジング126または上記ハウジングの一部を、移動可能な態様で形成することもでき、また、ブロック位置で、その位置に対して押し込んだり、押し出したりもできる。この場合、ブロック位置へのシフト移動中に、遮蔽ハウジング126または上記ハウジングの一部が、クリップ134のアンダーカットまたはスリット133等に係合すると更に非常に有利であり、それにより、それ自体(係止フック128を固定する)が外側へ向けて曲がらないように固定され、そのため、簡単且つ有利な態様で、我々は、いわば、係止フック123のための一種の「マルチ」ロック位置を構成できる(図16〜19)。
【0054】
プラグハウジング9またはジャックハウジング10の凹部126と係合する板金クリップ135は、遮蔽ハウジング自体をシフトさせないように固定することができる(図19)。
【0055】
図20は、遮蔽ハウジング126をどのようにしてシフトさせることができるのかを特に明確に示している。
【0056】
ここで、遮蔽ハウジング126は、遮蔽板金部片127と亜鉛/ダイカスト下側部品139とから形成され、下側部品139上にペグ137を使用して接点ホルダ121をセットできる。
【0057】
また、接点支持体117を接点ホルダ121および亜鉛/ダイカスト下側部品136に対して相対的にシフトさせることができる。遮蔽板金127の実際の部片は、接点ホルダ121上の接点支持体117と共に移動可能な態様で案内され、したがって、先と同様、取扱いおよび組付けが更に容易になる。遮蔽板金127は、図22aに示される事前組付け位置から、それを接点ホルダ121に係止させることができる(係止手段138)図22bに示される最終組付け位置へ移動させることができる。
【0058】
図23は、プラグハウジング9(および/またはジャックハウジング)上に上記ハウジングに対して揺動させることができる外側遮蔽板金部片31、32を配置した変形例を示しており、板金部片31、32は、図22a、bに示される角度を伴う「上向き」位置から、それがプラグハウジング9に直接に当接するように内側揺動位置へ揺動させることができる。
【0059】
上向き揺動状態で差込み前面から離た側の遮蔽板金部片31、32は、互いに広がる角度を形成し、それにより、ジャックをプラグに差込み接続することが容易になる。
【0060】
揺動状態において、接点支持体17の係止位置は再び接点ホルダ21にロックされる。揺動能力を得るため、側面図でU字状断面を有する遮蔽板金部片31、32は、それらの側面に沿ってプラグハウジング9のペグ34に対応する長手方向穴33を有する。この場合、反対側に更なる係止穴/ペグ構成35、36が設けられ、この種の構成に対応して、開放位置および係止位置が個別の係止態様で固定される。
【0061】
板金部片の対応する構成がジャック部品に設けられることが好ましい(図示せず)。
【0062】
前述したように、接点支持体17、117は、複数のガイドスリーブ状の、好ましくは切込みにより制限を伴って弾性的に広がることができるダクト開口18、118を有しており、この開口を接点が通過する。しかしながら、接点12の一部だけが対応するダクト開口218を通過することも考えられる。図24は対応する構造を示している。ここでは、接点支持体217が接点12の3つの列R1、R2、R3を有する。全ての接点を接点支持体217に事前に組み付けることができる。ここでは、図24aから分かるように、接点の中央の列だけが接点支持体217のダクト開口218を通過する。
【0063】
他の接点12は溝219内に配置され、溝の外周は閉じられない。この場合、これらの接点12は、事前に組み付けられた態様で、好ましくはそれらがダクト開口に固定された態様と同様の態様で保持される。したがって、2つの外側接点列の接点は、それらが対応する溝219に挿入されることから、特に簡単な態様で外側から組み付けることができる(図1a、b、c)。
【0064】
その後、この事前に組み付けられたユニットは、対応する形状の接点ホルダ221に押し込まれ、そこで係止される(図4d)。この場合、この事前に組み付けられた構成に対して、遮蔽板金部片227と、好ましくは下側部品239(特に、亜鉛/ダイカストモデル)を取り付けることができる(図24d、e、f)。このユニットは、最終的に、アダプタスリーブ(図示せず)内に配置することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 差込み接続体
2 第1のプラグコネクタ部品
3 第2のプラグコネクタ部品
4、5 アダプタハウジング
6、7 プラグおよびジャック部品
8 フランジ
9 プラグハウジング
10 ジャックハウジング
11 雌接点
12 雄接点
13、113 係止突出部
14、114 係止凹部
15、115 導体
20、120 漏斗部
17、117、217 接点支持体
18、118、228 ダクト開口
19、20、119 係止手段
21、121、221 接点ホルダ
22、122 ダクト開口
23、123 係止フック
24a、b、124a、b 係止凹部
25 ケーブル螺合接続体
26、27、126、127、227 遮蔽ハウジング、板金部片
28 突出部
29 係止フック
30 係止凹部
31、32 遮蔽板金部片
33 長手方向穴
34 ペグ
35、36 係止穴/ペグ構成
131 組付け輪郭部
132 ケーブルバインダ
133 スリット
134 クリップ
135 板金クリップ
136 凹部
137 ペグ
138 係止手段
19、239 亜鉛/ダイカスト下側部品
R1、R2、R3 列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.導電性の金属からなる複数の雌接点または雄接点(11、12)を囲むプラグハウジング(9)およびジャックハウジング(10)を伴って、互いにプラグ接続できる対応する差込み前面を有するプラグ部品(6)およびジャック部品(7)と、
b.好ましくはいずれの場合にも互いにプラグ接続可能で、好ましくは相互にロック可能な、特に係止可能または螺合可能なアダプタハウジング(4、5)であって、前記プラグ部品(6)および前記ジャック部品(7)を挿入できるアダプタハウジング(4、5)と、
を有する差込み接続体(1)において、
c.前記プラグハウジング(9)および/または前記ジャックハウジング(10)が接点支持体(17、117)を有し、前記接点支持体には接点(11、12)の少なくとも一部または全てを事前に組み付けることができ、接点ホルダ(21、121)上の前記接点支持体を、前記接点(11、12)の事前組付け後に、前記接点と共に最終組付け位置へ移動させることができることを特徴とする差込み接続体。
【請求項2】
前記接点支持体(17、117)をプラグ接続方向で軸方向に互いにオフセットされた少なくとも2つの位置で前記接点ホルダ(21、121)に係止させることができることを特徴とする請求項1に記載の差込み接続体。
【請求項3】
前記プラグハウジング(9)および前記ジャックハウジング(10)が長方形断面を有し、それにより、好ましくは互いに平行に位置合わせされる電気接点(11、12)の複数の列が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の差込み接続体。
【請求項4】
前記接点支持体(17、117)がフレームの形状に形成されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の差込み接続体。
【請求項5】
前記接点支持体(17)が、複数のガイドスリーブ状の、好ましくは切込みにより制限を伴って弾性的に広がることができるダクト開口(18)を有し、前記ダクト開口を前記接点(11、12)の一部または全てが通過することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の差込み接続体。
【請求項6】
前記接点(11、12)が、形状ロック態様および/または強制ロック態様で前記ダクト開口(18、118)に固定されることを特徴とする請求項5に記載の差込み接続体。
【請求項7】
a.前記接点支持体(17、117)が、プラグ接続方向で互いに軸方向にオフセットされる係止凹部(124a、b)を有し、
b.前記接点ホルダ(21、121)が、個別の軸方向位置で前記係止凹部(124a、b)に係止され得る係止フック(123)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の差込み接続体。
【請求項8】
前記接点ホルダ(21、121)が、少なくとも1つまたは前記接点(11、12)の数に対応する数のダクト開口(22、122)を有し、前記ダクト開口が前記接点(11、12)と同一平面上にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の差込み接続体。
【請求項9】
前記ダクト開口(18、118)にブリッジ(18a、118a)が形成され、前記ブリッジが、前記接点ホルダ(21、121)の対応する輪郭部、特に漏斗部(20、120)に入り込み、この状態で前記ブリッジ(18a、118a)の拡大を防止でき、このようにして前記接点支持体(17、112)での前記接点(11、12)のロックが固定されるように形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の差込み接続体。
【請求項10】
前記プラグハウジング(9)および/または前記ジャックハウジングが遮蔽ハウジング(26、126)によって全体的にまたは部分的に囲まれることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の差込み接続体。
【請求項11】
前記遮蔽ハウジング(26、126)が、1または複数の遮蔽板金部片(27、127)および/またはダイカスト部品(139)および1または複数の遮蔽板金部片(127)から成ることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の差込み接続体。
【請求項12】
前記接点支持体(17、117)と前記接点ホルダ(21、121)との間のロック(123、124)を最終組付け位置で簡単な態様または多重な態様によりブロックできることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の差込み接続体。
【請求項13】
前記接点支持体(17、117)と前記接点ホルダ(21、121)との間のロック(123、124)を最終組付け位置で遮蔽ハウジング(126)によりブロックできることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の差込み接続体。
【請求項14】
前記プラグハウジング(9)が前記雌接点(11)を取り囲み、前記ジャックハウジング(10)が前記雄接点(12)を取り囲み、前記プラグハウジング(9)を前記ジャックハウジング(10)に押し込むことができることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の差込み接続体。
【請求項15】
遮蔽板金部片(31、32)が前記プラグハウジング(9)の外側および/または前記ジャックハウジング上に配置され、前記板金部片を前記プラグハウジングに対して揺動させることができ、前記板金部片を角度のある上向き揺動位置から前記プラグハウジング(9)上の内側揺動位置へ揺動させることができることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の差込み接続体。
【請求項16】
前記接点支持体(217)には1または複数の開放溝(229)が更に形成され、前記開放溝内に1または複数の前記接点を事前組付け態様で挿入できることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の差込み接続体。


【図1】
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【図2a)】
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【図2b)】
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【図3a)】
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【図3b)】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a)】
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【図7b)】
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【図7c)】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12a)】
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【図12b)】
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【図13】
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【図14a)】
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【図14b)】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20a)】
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【図20b)】
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【図21】
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【図22a)】
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【図22b)】
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【図23a)】
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【図23b)】
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【図23c)】
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【図23d)】
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【図23e)】
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【図24a)】
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【図24b)】
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【図24c)】
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【図24d)】
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【図24e)】
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【図24f)】
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【公表番号】特表2012−506606(P2012−506606A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532594(P2011−532594)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063418
【国際公開番号】WO2010/046293
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(505422464)ワイドミュラー インターフェース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (29)
【氏名又は名称原語表記】Weidmueller Interface GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Klingenbergstrasse 16, D−32758 Detmold, Germany
【Fターム(参考)】