説明

プラスチック上の刻印の密封

本発明は、プラスチック表面上にレーザーにより、好ましくは間接的に設けられたプラスチック刻印の密封に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック表面上にレーザーにより、好ましくは間接的に設けられた、プラスチック上の刻印の密封に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の波長のレーザー光線を利用して、材料および製品に永久的にマークおよび刻印することができる。
【0003】
以下の「刻印」という用語は、レーザーによる任意のタイプの標識、すなわち、刻印、マーキング、コーディング等を意味する。
【0004】
「着色されたレーザー刻印」は、全ての着色および非着色顔料または染料(黒色、白色および全ての灰色陰影を含む全ての色)を用いるプラスチックの刻印を意味する。
【0005】
マーキングおよび/または刻印は、レーザーエネルギーの作用により
1.材料そのものの上に(直接刻印)、または
2.外部から刻印すべき材料に転移される刻印媒体上に(間接刻印)
実施される。
【0006】
すなわち、刻印法1)においては、例えば、金属はレーザー照射に反応して種々に色が変化し、木材は照射領域において暗色化(炭化)し、例えばPVCのようなプラスチックは、プラスチックの色に依り淡色化または暗色化(起泡、炭化)を示す。
【0007】
プラスチックにおいて、これらの効果は、しばしば、レーザー感受性顔料の添加により、増強され、または起こされる。通常、白色および黒色または種々の灰色および褪せた陰影しか達成することができず、またマスターバッチ中のプラスチック材料全体にレーザー感受性顔料を加えなくてはならないという不利益がある。
【0008】
刻印法2)においては、適当なエネルギーおよび波長のレーザー光線(例えば、IRレーザー)が刻印媒体に照射され、これが刻印すべき材料に接触すると、刻印媒体がその材料に移されそこに固定される。材料を、適当な着色および非着色顔料または染料混合物、懸濁物、ペーストまたはレーザーフィルムもしくはテープを用いて間接的に刻印することができる。このようにして、コントラストの高い着色および黒色/白色刻印が可能である。刻印に実際に必要とされるレーザー感受性顔料の量は、例えば、マスターバッチ添加(刻印法1)の場合に比べ、かなり少ないか、あるいはある特定の用途においては必要とされない。
【0009】
ガラスフリットまたはガラスフリット前駆体をレーザーエネルギー吸収剤と共に含み、所望の色に応じて無機および有機顔料、金属酸化物、有機金属物質または金属粉末がそこに添加される刻印媒体が、一般的に、当業者に知られている。このタイプのプロセスが、例えば、WO99/16625、US6,238,847、US6,313,436およびWO99/25562に記載されている。
【0010】
例えば、噴霧、ブラッシング、拡散、静電帯電等により、顔料および/または染料混合物を、直接、刻印すべき媒体に、またはテープ、フィルム等のような支持基材に適用した後、必要なレーザーエネルギー(cwモードで1〜30W出力)またはレーザーエネルギー密度(パルスモードで100W/cm2〜3GW/cm2)での照射および刻印が実施される。このようにして、ガラス、セラミック、金属、石、プラスチックおよび複合物を刻印することができる。このタイプの刻印法が、例えば、WO03/035411、WO03/080334およびWO03/080335に記載されている。
【0011】
EP1279517A1およびDE19942316A1が、特にプラスチックの着色レーザーマーキングおよび刻印のための、ガラス顔料とプラスチック顆粒とのレーザー感受性混合物を記載している。
【0012】
これらのプロセスにおいて製造されるプラスチックの間接的レーザー刻印における本質的不利益は、刻印領域における非常に高い局所的顔料または染料濃度であり、これは、しばしば、不鮮明化された鋭くない刻印を与え、後に、風解またはブリーディングすることもある。これは、特に、有機顔料または染料の使用の場合にあてはまる。
【0013】
従来のプラスチックの着色においては、有機顔料について0.5%以上の最大顔料濃度、無機顔料について2%以上の最大顔料濃度が用いられているが、例えばWO99/16625によるレーザー刻印されたプラスチック領域における顔料濃度は、20%をはるかに超える。
【0014】
この過剰顔料使用のために、刻印されたプラスチックおよびその後の使用温度に依り、顔料または染料がプラスチック表面に移行する所謂風解が生じる。
【0015】
刻印が他の材料に接触し、過剰の顔料または染料がこれらの材料中に移動する場合、ブリーディングという用語を用いる。
【0016】
この過剰顔料使用のために、さらなるその後の清浄化および乾燥段階が必要になり、これは、特に、最終段階として生成物を刻印するインライン製造プロセスにおいて、技術的に望ましくないか許容できない。
【0017】
さらに、刻印が、例えば環境の影響等により、使用中に、ブリーディングし、風解しまたは褪せる。
【0018】
食品、薬剤包装、玩具、医療製品等の刻印のような特定用途には、このようにブリーディングまたは風解する刻印は全く使用することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、本発明の目的は、端部の鮮鋭度が高く環境影響への耐性が高い、プラスチック表面上に好ましくは間接的に設けられる、プラスチックの非風解性非ブリーディング性レーザー刻印を達成することにある。
【0020】
驚くべきことに、レーザーを用いて有色刻印されたプラスチックの風解またはブリーディングが、刻印操作中に刻印領域を密封することにより抑制されることが発見された。密封は、好ましくはガラス転移温度が90℃以上、特に、100〜120℃であるポリマーの透明層を利用して成される。このポリマー層は、分離した層すなわち包囲物として適用し、着色剤を密封することができる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、プラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印を設ける方法であって、そのプラスチック中の刻印領域の着色剤および/または吸収剤(レーザー感受性顔料)のブリーディングまたは風解を、刻印プロセスそれ自体中またはその直後にレーザー刻印領域を透明ポリマーで密封することにより防止することを特徴とする方法に関する。
【0022】
従来技術と比べて、本発明の方法は、以下の特徴を有する。
【0023】
顔料または染料の不鮮明化および/またはその後のブリーディング/風解が防止される。
【0024】
実際の刻印プロセスの後の望ましくない清浄化段階が不必要である。
【0025】
その後の使用中の刻印の色定着が確保される。
【0026】
密封用のポリマー層は、レーザー刻印を含む1段階プロセス中の第1段階においてまたは2段階プロセスにおいて生じた刻印に適用することができる。図1〜12に示すようなレーザーシステムが特に適していることが判明した。
【0027】
レーザーを用いるプラスチックの刻印は、好ましくは、例えば、WO99/16625または未公開DE10352857に記載のような間接刻印により実施される。プラスチックは、レーザーエネルギーによりプラスチック基材中に刻印媒体を導入することにより有色刻印される。刻印媒体は、支持フィルムから分離され、次に、されに暖められそれにより局部的に軟化されたプラスチック表面に、永続的に結合する。
[1段階プロセス]
図1〜6は、本発明によるプロセスにおける1段階プロセスを模式的に示す。図1において、層システムは、レーザー光に透過性の耐久性支持層(1)、レーザー感受性エネルギー吸収剤層(2)、分離層(3)、分離している密封層(4)および、最後に、刻印媒体(5)からなり、後者は顔料および/または染料を含んでいる。この層システムの刻印媒体側が、刻印すべきプラスチックに当接される。
【0028】
別法として、着色剤そのものを密封性ポリマー層で被覆してもよいし、またはポリマーマトリクス(6)中に埋設してもよい(図2、4,6)。
【0029】
さらに、支持層にエネルギー吸収剤を混入することもできる(図3、4における層7)。
【0030】
この1段階プロセスにおいて、密封されたプラスチックの刻印は、適当なレーザーを用いて作られる。この目的に必要なエネルギーは、エネルギー吸収剤層(2,7)を介して分離層(3)に移され、これにより、密封層(4)および刻印媒体(5)または密封着色剤(6)が軟化されプラスチックに移される。ここで、レーザーエネルギーは、プラスチックが、さらに、刻印領域において軟化し、密封層(4)または密封着色剤(6)への強力な結合を形成するように選択しなければならない。
【0031】
自己吸収性プラスチック(例えば、暗着色プラスチック、密封性ポリマーに優れた親和性を有するプラスチック)におけるようなある特定の用途において、さらなる吸収剤が無くとも刻印は良好である(図5、6)。
[2段階プロセス]
2段階プロセスにおいては、刻印操作は、その後の密封から分離される。第1段階において、刻印が設けられる。これは、図7〜10に示されるような層構造により行うことができる。
【0032】
エネルギー吸収剤は、レーザー光に透過性の適当な支持フィルム(1)に分離層(2)として適用され(図7)、または、支持フィルム(7)中に混入され(図8)、あるいは自己吸収性プラスチックの場合は不必要であり(図9)、刻印媒体(5)は分離層として適用される(図7〜9)、または、刻印媒体(5)とエネルギー吸収剤(2)との混合物からなる層として適用される(図10)。
【0033】
適当なレーザーにより、必要なエネルギーが、エネルギー吸収剤層(2、7)を介して、刻印媒体(5)およびプラスチックに移され、または、直接、層(8)を介してプラスチックに移される。刻印媒体(5)は、軟化したプラスチックに移され、プラスチックの刻印が成される。
【0034】
第2段階において、レーザー光に透過性の耐久性支持層(1)、レーザー感受性エネルギー吸収剤層(2、あるいは7に混入される)、分離層(3)および密封層(4)からなる層構造(図11、12)により密封が形成される。
【0035】
適当なレーザーにより、必要なエネルギーが、エネルギー吸収剤層(2、7)を介して分離層(3)に移され、これにより、密封層(4)が軟化されプラスチックに移される。レーザーエネルギーは、プラスチックが刻印領域において再び軟化し、密封層に強力な結合を形成するように選択しなければならない。
【0036】
支持層(1)のための適当な材料は、前記波長範囲のレーザー光に対して理想的には透過性および/または半透過性であると共に、レーザー光との相互作用により損傷または破壊されない全ての材料である。
【0037】
適当な材料は、例えば、ガラスおよびプラスチックであり、理想的には、フィルム、テープまたはシートの状態で用いられ、好ましくは、層の厚さが5〜250μm、特に10〜150μm、特に好ましくは15〜75μmである。
【0038】
適当なプラスチックは、好ましくは熱可塑性材料である。特に、プラスチックは、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル−エステル、ポリエーテル−エステル、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート(ASA)、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン、およびそれらのコポリマーおよび/または混合物からなる。
【0039】
前記プラスチックのうち、特に好ましいのは、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリイミドである。
【0040】
特に、三次元プラスチック部分または表面の刻印およびマーキングのためには、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルおよびポリアミドからなる未延伸アモルファスプラスチック支持フィルムが適している。
【0041】
使用することができるエネルギー吸収剤は、前記波長範囲においてレーザー光エネルギーを適当な程度に吸収し、それを熱エネルギーに変換する全ての材料である。
【0042】
マーキングのための適当なエネルギー吸収剤は、好ましくは、炭素、カーボンブラック、アントラセン、IR吸収性着色剤、例えば、ペリレン/リレン、ペンタエリスリトール、燐酸塩、例えば、燐酸水酸化銅、硫化物、例えば、モリブデンジスルフィド、酸化物、例えば、酸化アンチモン(III)、Fe23およびTiO2、オキシ塩化ビスマス、薄片状物質、特に、例えば、合成または天然雲母、タルク、カオリン、ガラス薄片、SiO2薄片または合成支持体非含有薄片のような葉状珪酸塩を含む透過性または半透過性基材に基づく。薄片状金属酸化物、例えば、薄片状酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化珪素、LCP(液晶ポリマー)、ホログラフィー顔料、導電性顔料または被覆グラファイト薄片も適している。
【0043】
用いることができる薄片状顔料は、非被覆または一以上の金属酸化物層で被覆されてもよい金属粉末でもあり、好ましくは、例えば、Al、Cu、Cr、Fe、Au、Agおよびスチール薄片である。例えば、Al、Feまたはスチール薄片のような腐食感受性金属薄片を非被覆状態で用いる場合、これらは、好ましくは、保護性ポリマー層で被覆される。
【0044】
薄片状基材以外に、例えば、Al、Cu、Cr、Fe、Au、Agおよび/またはFeを含む球状顔料を用いることもできる。
【0045】
特に好ましい基材は、一以上の金属酸化物で被覆された雲母薄片である。ここで用いられる金属酸化物は、特に二酸化チタン、酸化アンチモン(III)、酸化亜鉛、酸化錫および/または二酸化ジルコニウムのような無色高屈折率金属酸化物、および、例えば酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化コバルト、特に酸化鉄(Fe23、Fe34)のような着色金属酸化物の両方である。用いられるエネルギー吸収剤は、特に好ましくは、酸化アンチモン(III)の単独または、酸化錫との組み合わせである。
【0046】
これらの基材は公知であり、大部分については、例えば、メルクKGaAからイリオジン(登録商標)レーザーフレアの商品名で市販されている、および/または、当業者に知られている標準的プロセスにより調製することができる。
【0047】
透過性または半透過性薄片状基材に基づく顔料が、例えば、独国特許および特許出願14 67 468、19 59 998、20 09 566、22 14 454、22 15 191、22 44 298、23 13 331、25 22 572、31 37 808、31 37 809、31 51 343、31 51 354、31 51 355、32 11 602、32 35 017、38 42 330および44 41 223に記載されている。
【0048】
被覆SiO2薄片が、例えば、WO93/08237(湿式化学的被覆)およびDE−A 196 14 637(CVDプロセス)に開示されている。
【0049】
葉状珪酸塩に基づく多層顔料が、例えば、DE−A 196 18 569、DE−A 196 38 708、DE−A 197 07 806およびDE−A 198 03 550に開示されている。特に好ましいのは、以下の構造を有する多層顔料である。
【0050】
雲母+TiO2+SiO2+TiO2
雲母+TiO2+SiO2+TiO2/Fe23
雲母+TiO2+SiO2+(Sn,Sb)O2
SiO2薄片+TiO2+SiO2+TiO2
特に好ましいレーザー光吸収性物質は、アントラセン、ペリレン/リレン、例えば、第三および第四リレンテトラカルボキシジイミド、ペンタエリスリトール、燐酸水酸化銅、モリブデンジスルフィド、酸化アンチモン(III)、オキシ塩化ビスマス、炭素、カーボンブラック、アンチモン、Sn(Sb)O2、TiO2、珪酸塩、SiO2薄片、金属酸化物被覆雲母および/またはSiO2薄片、導電性顔料、硫化物、燐酸塩、BiOCl、またはそれらの混合物である。
【0051】
エネルギー吸収剤は、二以上の成分の混合物でもよい。本発明によれば、これが、支持体(1)に層(2)として適用される(図1、2、5,8)、または、支持層に2〜50重量%の割合で混入される(図3、4、6、9)。
【0052】
これらのエネルギー吸収剤が既に添加剤としてまたはプラスチックを着色するために用いられている場合、刻印テープ中にエネルギー吸収剤を用いない刻印を、図5、6および9による対応する条件下に行うことができる。
【0053】
刻印媒体(5)は、ペーストとして、または支持体を有する層として適用することができる。刻印媒体は、本質的に、着色剤、バインダーおよび、好ましくは溶解状態のまたは粒子状の任意のポリマー成分、および添加剤からなる。
【0054】
刻印には、有機着色剤と無機着色剤の両方とも適している。適当な着色剤は、レーザー照射中に分解しない、当業者に知られている全ての着色剤である。着色剤は、二以上の物質の混合物でもよい。刻印媒体中の着色剤の割合は、刻印媒体の合計重量(着色剤+バインダー+溶媒+任意のポリマー成分)に基づいて、好ましくは0.1〜30重量%、特に0.2〜20重量%、および非常に特に好ましくは0.5〜10重量%である。
【0055】
適当な着色剤は、当業者に知られている全ての有機および無機の染料および顔料である。特に適しているのは、アゾ顔料および染料、例えば、モノおよびジアゾ顔料および染料、多環式顔料および染料、例えば、ペリノン、ペリレン、アントラキノン、フラバンスロン、イソインドリノン、ピランスロン、アントラピリミジン、キナクリドン、チオインジゴ、ジオキサジン、インダンスロノン、ジケト−ピロロ−ピロール、キノフタロン、金属錯化顔料および染料、例えば、フタロシアニン、アゾ、アゾメチン、ジオキシムおよびイソインドリノン錯体、金属顔料、酸化物および酸化物水酸化物顔料、酸化物混合相顔料、金属塩顔料、例えば、クロム酸塩およびクロム酸塩−モリブデン酸塩混合相顔料、炭酸塩顔料、硫化物および硫化物−セレニウム顔料、複合塩顔料および珪酸塩顔料である。
【0056】
前記着色剤のうち、特に好ましいのは、銅フタロシアニン、ジオキサジン、アントラキノン、モノアゾおよびジアゾ顔料、ジケトピロロピロール、多環式顔料、アントラピリミジン、キナクリドン、キノフタロン、ペリノン、ペリレン、アクリジン、アゾ顔料、フタロシアニン、キサンテン、フェナジン、着色酸化物および酸化物水酸化物顔料、酸化物混合相顔料、硫化物および硫化物−セレニウム顔料、炭酸塩顔料、クロム酸塩およびクロム酸塩−モリブデン酸塩混合相顔料、複合塩顔料および珪酸塩顔料である。
【0057】
2段階プロセス(図10)用の着色剤/吸収剤比は、好ましくは10:1〜1:10、特に5:1〜1:5、非常に特に好ましくは4:1〜1:4である。
【0058】
接着性を向上させるために、ポリマー成分を刻印媒体に添加することができる。これは、好ましくは、低溶融性ポリマー、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアセタールおよび、前記ポリマーのコポリマー、および、塩化ビニル、ジカルボキシレートおよび酢酸ビニルまたはヒドロキシもしくはメチルアクリレートのターポリマー、あるいはそれらの混合物からなる。ポリマー成分は、刻印媒体に溶解してよい、または微粉末として溶解していない状態であってよい。粒径は、好ましくは10nm〜100μm、特に100nm〜50μm、非常に特に好ましくは500nm〜5μmである。異なるポリマー粒子の混合物を用いることもでき、粒径と化学的組成との両方が異なることができる。
【0059】
刻印媒体は、好ましくは、着色剤+バインダー+溶媒+ポリマー成分を含む着色ペーストの合計重量を基準に、10〜50重量%、特に15〜40重量%、非常に特に好ましくは20〜35重量%のポリマーを含む。
【0060】
ポリマー成分/着色剤比は、好ましくは、200:1〜1:1、特に100:1〜2:1、非常に特に好ましくは70:1〜3:1である。
【0061】
さらなる成分として、刻印媒体はバインダーを含む。バインダーにより、例えば、ガラスまたはプラスチック製の理想的にはフィルム、テープまたはシート状である材料に刻印層を均質に適用することが可能になる。
【0062】
当業者に知られている全てのバインダーが適しており、特に、セルロース、セルロース誘導体、例えば、硝酸セルロース、酢酸セルロース、加水分解/アセタール化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレンおよびその誘導体、ポリアクリレート、およびエチレン/酢酸エチレンのコポリマー、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイソブチレンおよびポリアミドが適している。
【0063】
添加した添加剤により、刻印中の刻印媒体(5)とプラスチックとの密接が容易になり、刻印媒体(5)と密封層(4)との間で強力な結合が形成される。添加剤は、好ましくは、ポリ酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、エチルおよびブチル、不飽和ポリエステル樹脂またはそれらの混合物のポリマーおよびコポリマーからなる。
【0064】
分離層(3)は、好ましくは、エステルワックスおよびポリビニルアルコールから形成される。分離層は、加温時に、密封層を容易にかつ完全(損傷無く)にテープから解放しなければならない。
【0065】
密封層(4)は、ポリマー、好ましくは、ガラス転移温度が90℃以上のもの、特に、スチレンのポリマー、メタクリル酸メチルまたはヒドロキシ官能アクリレートのポリマー、PEワックスおよび分散剤、ポリフッ化ビニル、およびバインダーとしてのニトロセスロースからなることができる。
【0066】
多層システムの層厚は、好ましくは
支持層(1,7): 5〜250μm、好ましくは15〜75μm
エネルギー吸収剤層(2): 0.5〜150μm、好ましくは1.0〜120μm
分離層(3): 0.1〜1μm、好ましくは0.2〜0.9μm
密封層(4): 1〜10μm、好ましくは4〜9μm
刻印層(5,6): 1〜150μm、好ましくは15〜100μm
刻印媒体およびエネルギー吸収剤を含む層(8): 10〜150μm、好ましくは15〜100μm
である。
【0067】
多層システムの層厚は、過剰に厚い層システムの場合、鮮鋭な端部のあるマーキングおよびマーキングの完全な密封が確保されないので、合計厚さで10〜350μm、好ましくは10〜250μm、特に12〜100μmを外れるべきでない。
【0068】
前記多層システムは、プラスチックの上に載せられ、必要な接触圧力により、例えば機械的に、蒸気により、または所望により添加される熱活性化添加剤により、刻印すべき領域に密に接触する。刻印は、適当なレーザーを用いて、光線偏向法またはマスク法により行われる。
【0069】
プラスチックのタイプに依存して、当業者に知られている全てのレーザーを刻印のために用いることができる。レーザーパラメーターは、特定の用途に依存し、当業者により容易に決めることができる。
【0070】
レーザーを用いる刻印は、被検体をレーザー、好ましくは、Nd:YAGまたはNd:YVO4レーザーの光線経路に導入することにより成される。さらに、エキシマレーザーを用いる、例えばマスク法による刻印も可能である。しかしながら、用いられるレーザー光吸収性物質の高吸収領域に波長を有する従来タイプのレーザーを用いて、所望の結果を達成することもできる。得られるマーキングは、照射時間(または、パルスレーザーの場合、パルスの数)、およびレーザーの照射出力および用いられるプラスチックシステムにより決められる。用いられるレーザーの出力は、特定の用途に依存し、各々の場合に当業者が容易に決めることができる。
【0071】
用いられるレーザーは、波長が、通常、157nm〜10.6μm、好ましくは、532nm〜10.6μmである。ここで、CO2レーザー(10.6μm)およびNd:YAGレーザー(それぞれ、1064および532nm)またはパルスUVレーザーを例として述べることができる。エキシマレーザーは以下の波長を有する:F2エキシマレーザー(157nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、KrClエキシマレーザー(222nm)、KrFエキシマレーザー(248nm)、XeClエキシマレーザー(308nm)、XeFエキシマレーザー(351nm)、波長が335nm(波長三倍)または265nm(波長四倍)の周波数増幅Nd:YAGレーザー。特に好ましいのは、Nd:YAGレーザー(それぞれ、1064および532nm)およびCO2レーザーの使用である。用いられるレーザーのエネルギー密度は、通常、0.3mJ/cm2〜50J/cm2、好ましくは0.3mJ/cm2〜10J/cm2である。
【0072】
刻印は、好ましくは、1064nm、532nmまたは808〜980nmの種々のレーザー波長のNd:YAGレーザー、Nd:VO4レーザーまたはCO2レーザーを用いて行われる。標識は、cw(連続波)モードおよびパルスモードの両方で可能である。刻印レーザーの適当な出力範囲は、20〜100ワットであり、パルス波長は好ましくは1〜100Hzの範囲である。
【0073】
本発明によるプロセスにおいて用いることができるそれぞれのレーザーは、市販されている。
【0074】
本発明によるプラスチック刻印は、プラスチックが今まで印刷、型押しまたは彫刻により刻印されていた全ての場合において、または、色堅牢性でなく永続的でない刻印/マーキングまたは刻印/マーキングが全くできない、またはプラスチックそのものの中のレーザー感受性顔料を用いる刻印/マーキングのみが今まで可能であった全ての場合において、用いることができる。これは、線状プラスチック、または熱不安定的に架橋するもの、例えば、ポリオレフィン、ビニルポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネートに、一部の場合には、ポリウレタンおよびアイオノマーにも関する。
【0075】
本発明による刻印法の利点は、色堅牢性、永続性およびフレキシビリティー/個体性である、すなわち、標識付けを、マスク、クリッシュまたはスタンプを用いずに行うことができる。
【0076】
任意のタイプおよび形状のプラスチック、例えば、
包装産業(バッチナンバー、使用期限、製造日付、注意事項)、
証券分野(偽造防止符号化および標識付け)、
自動車および航空機産業(ケーブル、プラグ、スイッチ、コンテナ、機能性パーツ、ホース、蓋、ハンドル、レバー等)、
医療技術(装備、インストルメント、インプラント)、
農業(動物の耳のマーキング)、
電気エンジニアリング/エレクトロニクス(ケーブル、プラグ、スイッチ、機能性パーツ、タイププレート、等級プレート)、
装飾分野(ロゴ、全てのタイプの装備のためのモデル指示、コンテナ、玩具、ツール、個々のマーキング)
におけるプラスチックを、マーキングおよび/または刻印することができる。
【0077】
本発明は、本発明の方法により有色マーキングまたは刻印されると共にそのマーキングが密封されたプラスチックにも関する。
【0078】
以下の実施例により本発明を説明するが、限定するものではない。
【実施例】
【0079】
個々の層システムを、ポリエステル支持フィルムまたは先行層に対して層厚に依り、ドクターブレードを用いて、または印刷ロールを用いてグラビア印刷もしくはスクリーン印刷により適用し、乾燥する。
【0080】
実施例1
エネルギー吸収剤層(2)の製造
酢酸エチル 18.5g
ニトロセルロース 1.5g
Sn(Sb)O2(d50価<1.1μm)(デュポン社製) 2.0g
ニトロセルロースを、最初に導入された酢酸エチル溶媒に溶解し、充分に攪拌する(ウルトラトゥラックス、2000rpm)。続いて、エネルギー吸収剤であるSb−ドープSnO2を、攪拌混入し、均質ペーストを製造する。エネルギー吸収剤の量は、着色剤のエネルギー吸収、および標識すべきプラスチックに依存するので、それに従って決定すべきである。
【0081】
実施例2
エネルギー吸収剤層(2)の製造
酢酸エチル 18.5g
ニトロセルロース 1.5g
ガスブラック(デグッサ社製のスペシャルブラック6)(d50価<17nm) 2.0g
実施例1と同様に加工を行う。用いられる吸収剤はガスブラックである。
【0082】
実施例3
エネルギー吸収剤層(7)の製造
既にエネルギー吸収剤が混入されている支持フィルム(7)として、効果的エネルギー吸収剤含量、例えば、カーボンブラック含量が1〜10%を含む、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、PETのフラットフィルムまたはこれらの複合体を押し出すまたは吹き出す。
【0083】
実施例4
分離層(3)の製造
トルエン 19.9g
エステルワックス 0.1g
PEワックスを、トルエンに溶解し、充分に攪拌する。
【0084】
実施例5
密封層(4)の製造
メチルエチルケトン 8.0g
トルエン 4.6g
シクロヘキサノン 2.0g
PMMA(Tg:122℃)(デグッサ社製) 3.9g
PEワックス 1.5g
PEワックスおよびPMMAを溶媒混合物に溶解し、ディゾルバーを用いて均質化する。
【0085】
実施例6
密封層(4)の製造
キシレン 8.0g
ポリスチレン 4.0g
PEワックス 2.0g
PEワックスおよびポリスチレンをキシレンに溶解し、ディゾルバーを用いて均質化する。
【0086】
実施例7
密封層(4)の製造
酢酸n−ブチル 40.0g
ポリスチレン 10.0g
エチルセルロース 0.5g
UV安定化剤 0.5g
エチルセルロース、ポリスチレンおよびUV安定化剤を酢酸n−ブチルに溶解し、ディゾルバーを用いて均質化する。
【0087】
実施例8
ポリマー含有刻印媒体(5)の調製
酢酸エチル 20.0g
ニトロセルロース 2.0g
ポリプロピレン粉末(d50<50mm)(例えば、コースィレンPB0580、デュポン社製) 6.0g
Cuフタロシアニン 2.0g
UV安定化剤(ベンゾトリアゾール誘導体) 1.0g
ニトロセルロースを、最初に導入された酢酸エチル溶媒に溶解し、充分に攪拌する。続いて、ポリプロピレン粉末、着色剤である銅フタロシアニンおよびUV安定化剤を、攪拌混入し、均質ペーストを製造する。必要であれば、ペースト均質性を向上させるために3本ロールミルを用いる。
【0088】
ペーストを、例えばドクターブレードを用いてポリエステルフィルム上に被覆し、乾燥する。
【0089】
実施例9
ポリマー含有刻印媒体(5)の調製
メチルエチルケトン 25.0g
トルエン 34.0g
PVC−PVAcコポリマー 12.0g
ポリウレタン 16.0g
酸化チタン 0.5g
実施例8と同様に加工を行う。用いられる着色剤は二酸化チタンである。
【0090】
実施例10
ポリマー含有刻印媒体(5)の調製
酢酸n−ブチル 35.0g
ポリスチレン 6.0g
ニトロセルロース 2.0g
Cuフタロシアニン 2.0g
実施例8と同様に加工を行う。用いられる着色剤はCuフタロシアニンである。
【0091】
実施例11
刻印媒体(5)およびエネルギー吸収剤(2)からの層(8)の製造
酢酸エチル 20.0g
ニトロセルロース 2.0g
イルガジンレッド 6.0g
Sn(Sb)O2 1.2g
実施例7と同様に加工を行う。用いられる着色剤はイルガジンレッドであり、用いられる吸収剤はSn(Sb)O2である。
【0092】
実施例12
マーキング実験および結果
【0093】
【表1】

【0094】
Nd−YVO4、20W出力
1064nm、100kHzパルス波長
【0095】
【表2】

【0096】
Nd−YVO4、10W出力
1064nm、50kHzパルス波長
【0097】
【表3】

【0098】
Nd−YVO4、6W出力
532nm、50〜60kHzパルス波長
【0099】
【表4】

【0100】
Nd:YAG、10W出力
1064nm、50〜60kHzパルス波長
実施例13
ブリーディング/風解への影響に関する、密封した場合と密封しない場合のマーキングの比較
【0101】
【表5】

【0102】
ブリーディング後の密封しない場合のマーキング
【0103】
【表6】

【0104】
マーキングに接触していたフィルム上のブリーディング
【0105】
【表7】

【0106】
密封した場合のマーキング
【0107】
【表8】

【0108】
ブリーディングしない証拠
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の方法における一段階プロセスを模式的に示す図である。
【図2】本発明の方法における一段階プロセスを模式的に示す図である。
【図3】本発明の方法における一段階プロセスを模式的に示す図である。
【図4】本発明の方法における一段階プロセスを模式的に示す図である。
【図5】本発明の方法における一段階プロセスを模式的に示す図である。
【図6】本発明の方法における一段階プロセスを模式的に示す図である。
【図7】本発明の方法における二段階プロセスの刻印操作を模式的に示す図である。
【図8】本発明の方法における二段階プロセスの刻印操作を模式的に示す図である。
【図9】本発明の方法における二段階プロセスの刻印操作を模式的に示す図である。
【図10】本発明の方法における二段階プロセスの刻印操作を模式的に示す図である。
【図11】本発明の方法における二段階プロセスの密封操作を模式的に示す図である。
【図12】本発明の方法における二段階プロセスの密封操作を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0110】
1 支持層
2 エネルギー吸収剤層
3 分離層
4 密封層
5 刻印媒体
6 密封着色剤
7 エネルギー吸収剤層
8 層(エネルギー吸収剤および刻印媒体を含む)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印および/またはマーキングを設ける方法であって、そのプラスチック中の着色剤および/または吸収剤のブリーディングまたは風解を、刻印プロセス中またはその直後にレーザー刻印領域を透明ポリマーで密封することにより防止することを特徴とする方法。
【請求項2】
ポリマーのガラス転移温度が90℃以上である、請求項1に記載のプラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印および/またはマーキングを設ける方法。
【請求項3】
前記密封する層が、スチレンのポリマー、塩化ビニルのポリマー、メタクリル酸メチルもしくはヒドロキシ官能性アクリレートのポリマー、またはポリフッ化ビニルからなる、請求項1または2に記載のプラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印および/またはマーキングを設ける方法。
【請求項4】
前記ポリマーの層の厚さが1〜10μmである、請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印および/またはマーキングを設ける方法。
【請求項5】
前記マーキングが間接的刻印プロセスにより行われる、請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印および/またはマーキングを設ける方法。
【請求項6】
前記刻印がレーザーを用いて行われるのと一緒に密封が一段階で行われる、請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印および/またはマーキングを設ける方法。
【請求項7】
二段階プロセスにおいて、まず、レーザーを用いて刻印を行い、直ぐに続いて、第2段階において、刻印領域の密封を行う、請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印および/またはマーキングを設ける方法。
【請求項8】
少なくとも3つの上部層を有する層システムを用い、ここで第1の層が、レーザー光に対して透過性であると共にそこにレーザー光感受性エネルギー吸収剤層が適用されているかまたはその中にエネルギー吸収剤が混入されている支持フィルムであり、続いて、分離層および密封層が設けられ、最終層として、着色剤および所望によりポリマー成分を含んでいる刻印媒体または既に密封ポリマーを含んでいる刻印媒体が設けられ、その刻印媒体が、刻印/マーキング中にレーザー光の作用下にプラスチック表面中に導入されている、請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印および/またはマーキングを設ける方法。
【請求項9】
レーザー光に対して透過性である支持フィルム、エネルギー吸収剤層および分離層としての刻印媒体からなる層システム、または支持フィルムおよび刻印媒体とエネルギー吸収剤との混合物からなる層からなる層システム、またはエネルギー吸収剤が混入される支持フィルムおよび刻印媒体からなる層システムを用いて刻印を実施し、その層システムをレーザーを用いてマークし、その間に刻印媒体を軟化したプラスチックに移し、第2の段階において、レーザー光に対して透過性である支持層、レーザー感受性吸収剤層またはエネルギー吸収剤が混入される支持フィルム、分離層および密封層からなる層システムを用いて密封を実施し、レーザーを用いて露光し、その間に、必要なエネルギーを、エネルギー吸収剤層を介して分離層に移し、それにより、密封層を軟化させてプラスチックに移動させる、請求項7に記載のプラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印および/またはマーキングを設ける方法。
【請求項10】
少なくとも3つの上部層を有する層システムを用い、ここで第1の層は、レーザー光に対して透過性である自己吸収性支持フィルムであり、そこに、分離層および密封層および、最終層として、着色剤および所望によりポリマー成分を含む刻印媒体が設けられ、または既に密封ポリマーを含む刻印媒体が続いて適用され、その刻印媒体が、刻印/マーキング中にレーザー光の作用下にプラスチック表面に混入される、請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印および/またはマーキングを設ける方法。
【請求項11】
刻印のために、レーザー光に対して透過性である自己吸収性支持フィルムおよび、刻印媒体とエネルギー吸収剤との混合物からなる層からなる層システム、またはエネルギー吸収剤が混入される支持フィルムおよび刻印媒体からなる層システムを用い、その層システムをレーザーを用いてマークし、その間に刻印媒体を軟化したプラスチックに移し、第2の段階において、レーザー光に対して透過性である支持層、レーザー感受性吸収剤層またはその中にエネルギー吸収剤が混入される支持フィルム、分離層および密封層からなる層システムを用いて密封を実施し、レーザーを用いて露光し、その間に、必要なエネルギーを、エネルギー吸収剤層を介して分離層に移し、それにより、密封層を軟化させプラスチックに移動させる、請求項7に記載のプラスチックに永久的かつ耐摩耗性の着色された刻印および/またはマーキングを設ける方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の方法による密封されたマーキングおよび/または刻印を有するプラスチック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−530321(P2007−530321A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505417(P2007−505417)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002634
【国際公開番号】WO2005/097514
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】