プラズマディスプレイパネル
【課題】製造工程を簡素化することのできるプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】本発明のプラズマディスプレイパネルは、相互に離れて対向配置されている前面基板110及び背面基板120と、前面基板と背面基板との間に積層されて複数の放電空間を形成する第1電極シート130及び第2電極シート140とを備え、第1電極シート130は、第1方向に配列された放電空間を形成している複数の第1金属放電電極135と、第1金属放電電極135と同種の金属の酸化物から形成されて第1金属放電電極135を相互に絶縁する絶縁層131とを備え、第2電極シート140は、第2方向に配列された放電空間を形成している複数の第2金属放電電極145と、第2金属放電電極145と同種の金属の酸化物から形成されて第2金属放電電極145を相互に絶縁する絶縁層141とを備えていることを特徴とする。
【解決手段】本発明のプラズマディスプレイパネルは、相互に離れて対向配置されている前面基板110及び背面基板120と、前面基板と背面基板との間に積層されて複数の放電空間を形成する第1電極シート130及び第2電極シート140とを備え、第1電極シート130は、第1方向に配列された放電空間を形成している複数の第1金属放電電極135と、第1金属放電電極135と同種の金属の酸化物から形成されて第1金属放電電極135を相互に絶縁する絶縁層131とを備え、第2電極シート140は、第2方向に配列された放電空間を形成している複数の第2金属放電電極145と、第2金属放電電極145と同種の金属の酸化物から形成されて第2金属放電電極145を相互に絶縁する絶縁層141とを備えていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス放電を利用して画像を具現するプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)及びその製造方法に係り、高発光効率を有しつつ、実用化するための量産製造に適した構造に改善されたPDPに関する。
【背景技術】
【0002】
平板ディスプレイ装置であって、PDPを採用した装置は、大画面でありながらも、高画質、軽量化及び広視野角を実現させた優れた特性を有しており、他の平板ディスプレイ装置に比べて製造方法が簡単であり、大型化が容易なので、次世代の大型平板ディスプレイ装置として注目されている。
【0003】
このようなPDPは、印加される放電電圧によって直流(DC:Direct Current)型、交流(AC:Alternative Current)型及び混合型に分類され、放電構造によって対向放電型及び面放電型に分類される。現在、国内外で生産されているほとんどのPDPは、3電極面放電型PDPである。
【0004】
最近、3電極面放電型構造で不回避なものと考えられていた蛍光体の劣化、可視光の透過率の低下、発光効率の低下などの諸般の問題点を解決するために、新たな構造のPDPに関する研究が活発に進められている。
【0005】
そのうち、図1には、特許文献1に開示されているPDPの分解斜視図を示している。開示されたPDPは、相互に所定間隔をおいて対向して配置されている前面基板10及び背面基板20と、基板10,20の間で放電空間Sを区画するために、垂直に整列されている前方隔壁31及び後方隔壁24とを備えている。前方隔壁31内には、放電空間S内に表示放電を起こすために上下に離れて配置されている第1金属放電電極35及び第2金属放電電極45が埋め込まれている。前方隔壁31は、金属放電電極35,45が埋め込まれてイオン衝撃による電極損傷を防止し、放電に有利な環境を提供するための誘電物質から構成されている。後方隔壁24によって区画された領域内には、蛍光体25が塗布されている。また、背面基板20上には、金属放電電極35,45と交差する方向に延びるアドレス電極22が配置され、背面基板20と後方隔壁24との間には、アドレス電極22を埋め込むための誘電体層21が配置されている。
【0006】
図1に示したPDPでは、放電空間Sを限定する側壁を通じて放電が行われるので、背面基板20側に塗布された蛍光体25がイオン衝撃によって劣化する恐れがほとんどなく、前面基板10側で不透明な電極要素が排除されて可視光の上方透過率が向上し、放電空間Sの全ての側壁を通じて放電がなされ、放電空間Sの中央にプラズマを集中させ、紫外線の生成を画期的に増加させることができる。
【0007】
しかし、このようなPDPでは、金属放電電極35,45が隔壁31内に埋め込まれているという特有の構造により、従来の製造技法では量産製造に限界があり、製造上の問題によってまだ実用化されていないのが実情である。
【特許文献1】韓国公開特許第2005−0104003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、高発光効率を有しつつも、実用化のための量産製造に適した新たな構造のPDPを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的及びその他の目的を達成するために、本発明のPDPは、相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を形成する開口を有する複数の電極シートとを備えたPDPであって、前記電極シートは、一列に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の金属放電電極と、前記金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、前記金属放電電極の間に一体に形成され、前記金属放電電極と同種の金属の酸化物で形成された絶縁部材とを備えていることを特徴とする。
【0010】
一方、本発明の他の側面によるPDPは、相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を形成するための開口を有する第1電極シート及び第2電極シートとを備えているPDPであって、前記第1電極シートは、第1方向に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の第1金属放電電極と、前記第1金属放電電極の間に配置され、前記第1金属放電電極との間に垂直な段差をなし、前記第1金属放電電極と同種の金属の酸化物から形成されて前記第1金属放電電極を相互に絶縁する第1電極シート絶縁層とを備え、前記第2電極シートは、第2方向に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の第2金属放電電極と、前記第2金属放電電極の間に配置され、前記第2金属放電電極との間に垂直な段差をなし、前記第2金属放電電極と同種の金属の酸化物から形成されて前記第2金属放電電極を相互に絶縁する第2電極シート絶縁層とを備えていることを特徴とする。
【0011】
一方、本発明のさらに他の側面によるPDPは、相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を形成するための開口を有する第1電極シート及び第2電極シートとを備えているPDPであって、前記第1電極シートは、一列に配列された前記放電空間を取り囲む放電部と、前記放電部を相互に電気的に連結する第1電極シート通電部とを備えた第1金属放電電極と、前記第1金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、隣接する前記第1金属放電電極の間に一体に形成され、前記第1電極シート通電部よりも幅の狭い少なくとも一つの第1電極シートブリッジとを備え、前記第2電極シートは、一列に配列された前記放電空間を取り囲む放電部と、前記放電部を相互に電気的に連結する第2電極シート通電部とを備えた第2金属放電電極と、前記第2金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、隣接する前記第2金属放電電極の間に形成され、前記第2電極シート通電部よりも幅の狭い少なくとも一つの第2電極シートブリッジとを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、金属放電電極のパターンが形成された金属シートを酸化処理して金属放電電極の表面に従来あった誘電体層に代わる酸化被膜を一括して形成するので、誘電体層を形成するための別途の工程が不要になる。特に、放電空間を取り囲んで延びる電極配置を備え、量産製造に適した新たな構造のディスプレイパネルを提示することによって、従来の高効率のディスプレイパネルが有する製造上の限界を克服し、実用化を早めることができる。
【0013】
また、最終的に通電が必要な部分と絶縁が必要な部分との間で厚さや幅などの形状の数値に差を設けることによって、選択的に酸化することができ、別途のパターニングなしに金属シートの全体領域に対して同じ酸化条件で酸化しても、一部の領域はそのまま伝導性を維持し、他の部分は酸化によって絶縁されるので、製造工程のステップ数を最小化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本明細書に添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態に係るPDPについて詳細に説明する。
【0015】
図2には、本発明の一実施形態に係るPDPの分解斜視図を示しており、図3には、図2のIII−III線の垂直断面図を示している。但し、前記垂直断面図では、説明の便宜のために、下部の第2電極シート140を図2のIII’−III’の断面構造で示している。また、図4には、図2の金属放電電極135,145に対する拡大斜視図を示している。
【0016】
図示したPDPは、相互に所定の間隔をおいて対向して配置されている前面基板110及び背面基板120を備え、基板110,120の間には、相互に対面して配置されて共に複数の放電空間Sを形成する第1電極シート130及び第2電極シート140が介在している。前面基板110は、所定の画像を具現する画像表示面側となり、このために、透光性に優れたガラス素材のガラス基板で形成されている。
【0017】
第1電極シート130及び第2電極シート140は、元素材である金属シートに所定の電極パターンを形成した後、酸化処理を経てその一部を絶縁化した一体型シートである。以下では、第1電極シート130及び第2電極シート140の構造についてさらに詳細に説明する。
【0018】
第1電極シート130には、縦横に配列された複数の放電空間Sが形成されている。ここで、放電空間Sとは、表示放電を起こすための所定の電界が形成され、放電の結果として励起される放電ガスが満たされる空間を意味する。本発明では、第1電極シート130及び第2電極シート140が上下に対面して配置されて共に放電空間Sを形成するので、第1及び第2電極シート130,140によって形成された上部及び下部空間は、放電空間Sの一部となる。但し、本明細書を通じて、説明の便宜のために、各シート130,140によって形成された上部または下部空間を放電空間Sと称する場合があるが、厳格な意味で各シート130,140に形成された空間は、放電空間Sの一部を構成する。
【0019】
第1及び第2電極シート130,140に円形の開口パターンが形成されることによって、各放電空間Sは、円柱の形態を有する。これとは異なり、各電極シート130,140に多角形の開口パターンを形成することによって、各放電空間Sを、六面体を含む多様な多面体構造に形成することも可能であり、それ以外にも、その内部に放電ガスを収容できる構造であれば、特別の形態に限定されるわけではない。
【0020】
第1電極シート130は、一列に配列された放電空間Sを取り囲み、一方向(x方向)に延びる複数の第1金属放電電極135を備えている。第1金属放電電極135は、放電空間Sを取り囲み、放電に参加する放電部135aと、放電部135aを相互電気的に連結し、放電部135aに駆動電源を供給するための通電部135bとを備えている。放電部135aは、実施形態に応じて対応した形状で放電空間Sを限定するので、具体的な実施形態によって多様な形状の放電空間Sを形成するために、その形状を適切に変形することができる。
【0021】
図面で例示した第1金属放電電極135は、放電空間Sの側面を完全に取り囲んでいるが、例えば、放電電流を制限するために、放電空間Sの一部のみを取り囲むように形成することも可能である。このとき、金属放電電極135は、その一部が開放された形態に形成され、開放された部分は、金属放電電極135を除いた電極シート130の領域のように、金属放電電極135と垂直に段差が形成された絶縁層131で構成することができる。
【0022】
外部電源と接続された一端部を通じて金属放電電極135に駆動電圧が印加されると、放電部135aに取り囲まれた放電空間S内では、放電開始のための所定の電界が形成される。金属放電電極135は、自体抵抗による発熱損失を最小限にするために、電気伝導性に優れた金属素材で形成されることが望ましく、例えば、アルミニウム素材で形成することができる。
【0023】
一方、第1金属放電電極135の外面には、陽極処理などの酸化処理を通じて所定の厚さToに酸化被膜135tが形成されており、この酸化被膜135tによって取り囲まれた金属放電電極135のほとんどは、酸化されずに電気伝導性を維持したコア部分135cとして残っている。第1金属放電電極135は、酸化被膜135tによって外部環境から電気的に絶縁されている。例えば、酸化被膜135tは、金属放電電極135の素材であるアルミニウム(Al)が酸化された絶縁性アルミナ(Al2O3)によって形成することができる。放電空間Sと接する表面に形成された酸化被膜135tは、放電に参加する荷電粒子との衝突による電極損傷を防止する一種の保護膜としての機能を行い、従来の金属放電電極を埋め込んで放電に有利な条件を提供する誘電体層と同様の役割を行う。金属放電電極135を保護する酸化被膜135tは、耐電圧特性を考慮して十分な厚さに形成されることが望ましく、酸化被膜135tの厚さToは、酸化工程時の印加電流、電解溶液の選択、工程時間などの工程条件を制御することによって最適化することがきる。一方、第1金属放電電極135の表面が酸化被膜135tで被覆されることによって、その下方に置かれた第2金属放電電極145との間の電気的な短絡を防止することもできる。
【0024】
各第1金属放電電極135の間には、金属放電電極135と一体に形成された絶縁層131が形成されている。第1金属放電電極135は、絶縁層131を通じて相互構造的に支持されており、電極シート130の全体的な波や曲げ変形が防止され、生産工程上の取扱いの便宜性を図ることができる。図示したように、絶縁層131は、金属放電電極135を除いた電極シート130の全域を構成している。但し、表面を通じて酸化が進められる陽極処理工程の特性上、酸化処理を促進するために、絶縁層131の一部に開口を形成する場合もある。このとき、開口されて露出した側面を通じても酸化が進められる。
【0025】
絶縁層131は、第1金属放電電極135を構造的に相互に支持しつつ、金属放電電極135の間を電気的に絶縁させている。このために、絶縁層131は、電気絶縁性の素材から形成されているが、第1金属放電電極135と同じ金属素材を酸化処理して得られる金属酸化物から形成することが望ましい。例えば、電極パターンが形成されたアルミニウムシートを陽極処理することによって、絶縁層131に対応する部分を絶縁化すれば、絶縁層131は、アルミニウム(Al)に対する酸化物であるアルミナ(Al2O3)から形成することができる。
【0026】
絶縁層131は、第1金属放電電極135と垂直な段差を形成して相対的に薄い厚さTiで形成されている。例えば、絶縁層131は、第1金属放電電極135と上下両側に段差d1,d2を形成し、薄い厚さTiで形成されている。絶縁層131の厚さTiは、具体的な陽極処理の工程条件によって決定することができるが、陽極処理を通じてその表面から内部に酸化が進められる過程で、絶縁層131に対応する部分が完全に酸化される程度に十分に薄く形成されることが望ましい。もし、絶縁層131の厚さTiがこれよりも厚く形成されれば、第1金属放電電極135を相互に連結する絶縁層131の内部が酸化されず、そのまま電気伝導性を維持して、異なる電気的な信号を導通している金属放電電極135同士が絶縁層131を通じて短絡されてしまうので、工程マージンを含んで十分に薄く設けることが必要である。厚さの異なる金属放電電極135及び絶縁層131の構造を形成するために、例えば、元素材であるアルミニウム電極シートにおいて、絶縁層131の部分を両面からエッチングして、金属放電電極135と両面に段差を付けた構造を作る。このとき、一方の面と他方の面において、絶縁層131と金属放電電極135との間の段差d1,d2を同等に設計すれば、両面エッチング作業を対称的に行うことができ、特に裏表を区別する必要がなくなって、作業の便宜性を図ることができる。
【0027】
一方、金属放電電極135と絶縁層131との間の垂直段差d1,d2は、異なる厚さに設計してもよく、同じ酸化条件に露出しても金属放電電極135は伝導性を維持するが、絶縁層131は、その内部まで完全に絶縁化される。ここで、垂直段差d1,d2の付随的な効果として、絶縁層131の上下に段差空間gを形成することができ、この段差空間gは放電空間S内から不純ガスを排気し、放電ガスを充填する過程において、これらのガスの排気路及び流入路として利用することができる。これにより、排気−封入工程に要する時間を短縮できることはもとより、放電空間S内に不純ガスを残さず、放電ガスの純度を高く維持できて放電の安定性を向上させることができる。
【0028】
第1電極シート130の下側には、第1電極シート130と対面する第2電極シート140が配置される。第2電極シート140は、前述した第1電極シート130と類似の構成にすることができる。さらに具体的に説明すれば、第2電極シート140には、一定の配列で複数の放電空間Sが形成されており、放電空間Sを取り囲んで一方向に延びる複数の第2金属放電電極145が形成されている。第2金属放電電極145は、放電空間Sを取り囲む放電部145a及び放電部145aを電気的に接続する通電部145bを備えている。第2金属放電電極145は、x方向に延びる第1金属放電電極135と交差するy方向に延びている。このような配置となっているのはPM(Passive Matrix)駆動方式において、一方の金属放電電極はアドレス電極としての機能を行い、他方の金属放電電極は走査電極としての機能を行うことにより、表示放電を起こす放電空間に対して選択動作を可能にするためである。例えば、第1金属放電電極135は走査電極として、第2金属放電電極145はアドレス電極として駆動されるようにすることが可能である。但し、電極構造によって本発明の技術的な範囲が制限されるわけではなく、第1及び第2金属放電電極135,145を平行に延びるように配列し、金属放電電極135,145と交差する方向に延びる別途のアドレス電極を備えた電極構造についても、本発明の技術的思想を同一に適用することができる。このとき、金属放電電極135,145のうち、一方の金属放電電極が走査電極としての機能を行い、アドレス電極と共に放電空間の選択のためのアドレス放電を起こすようにすることができる。
【0029】
第2金属放電電極145は、その間の領域を形成する絶縁層141によって相互に支持及び絶縁され、この絶縁層141は、第2金属放電電極145との間に段差d1,d2が形成されるように薄く、その厚さはTiとなる。さらに具体的に説明すると、絶縁層141は、第2金属放電電極145の上端から段差d1だけ下方に形成され、また第2金属放電電極145の下端から段差d2だけ上方に形成されて、その厚さはTiとなるように構成されている。一方、図面に示していないが、第1及び第2電極シート130,140は、例えば、非導電性の誘電体接着層を介在させて対面するように結合されている。
【0030】
前面基板110と対向して配置される背面基板120は、前面基板110と同様に、ガラスを主素材とするガラス基板として提供することができる。背面基板120の内側面で放電空間Sと対応する位置には、グルーブ120`が形成されており、このグルーブ120`に沿って蛍光体125が塗布されている。グルーブ120`は、蛍光体125の塗布領域を区画し、塗布面積を増大するために形成されたものである。蛍光体125は、フルカラーのディスプレイを具現するために、異なる色相で設けられている。例えば、光の3原色でカラー画像を具現する場合、赤色、緑色及び青色の蛍光体125が交互にグルーブ120`内に塗布され、各放電空間Sでは、塗布された蛍光体125の種類によって、赤色、緑色または青色の単色光が放出され、これらが集まって一つのカラー画像を構成する。
【0031】
第1金属放電電極135及び第2金属放電電極145は、共に放電空間S内に表示放電を起こすためのものであって、例えば、第1及び第2金属放電電極135,145に相互に逆の極性に変化する交流電圧を印加することによって放電を起こし、その結果、放電空間Sに充填されている放電ガスが励起されて紫外線が生成される。生成された紫外線は、蛍光体125を通じてユーザが認識できる可視光に変換され、この可視光が前面基板110を透過して所定の画像を構成する。
【0032】
図5は、図2に示したPDPの変形例に適用される電極シートの平面構造を示す図面である。図示した電極シート150は、図2の第1電極シート130または第2電極シート140に該当する。図示した電極シート150は、所定の間隔をおいて一方向に沿って配列された複数の金属放電電極155と、金属放電電極155の間の領域を構成する絶縁層151とを備えて形成されている。各金属放電電極155は、放電空間Sを取り囲みつつ、その長手方向に沿って連続的に配列された複数の放電部155aで構成されている。すなわち、隣接した放電部155aが一部の領域で相互に重畳され、別途の通電部を設けることなく、直接に連結されているという点が前述した電極構造と異なっている。
【0033】
図6は、図3に示したPDPの変形例に関する垂直断面構造を示している。参照までに、前記と同じ機能を行う事実上同じ部材については、同じ図面符号を付与した。図示したPDPは、前面基板110及び背面基板120と、基板110,120の間で相互に対面するように配置されている第1電極シート130及び第2電極シート140とを備えている。各電極シート130,140には、放電空間Sを限定し、放電空間S内に表示放電を起こす金属放電電極135,145が形成されており、金属放電電極135,145の間には、絶縁層131,141が形成されている。絶縁層131,141は、その厚さTiの全体が酸化されるように、金属放電電極135,145よりも薄く形成される。特に、本実施形態では、絶縁層131,141は、金属放電電極135,145の一方の面との間に厚さ方向に段差d3を形成するが、金属放電電極135,145の他方の面との間には同じ高さの平坦な面を構成する。これは、図3に示した実施形態で、金属放電電極135,145の両面との間に段差d1,d2を形成する絶縁層131,141とは、構造上差別されるものであり、絶縁層131,141の厚さTiを同じレベルに合せるために、本実施形態の段差d3は、図3に示した段差d1またはd2の2倍に設計される。
【0034】
以下では、図6に示したPDPの製造方法について、図7Aないし図7Iを参照して、工程ステップ別に説明する。
【0035】
まず、図7Aに示すように、第1電極シートの元素材となる金属シートを準備するが、例えば、伝導性及び酸素との親和力が高くて酸化度に優れたアルミニウムシート130`を用意することができる。次いで、図7Bに示すように、提供されたアルミニウムシート130`の上下両側の面にそれぞれ第1及び第2ホトレジストP1,P2を塗布する。このホトレジストP1,P2は、UVなどの照射光に露出されると、化学的な反応を通じて硬化する感光性樹脂材から形成されている。
【0036】
次いで、図7Cに示すように、露光マスクM1を通じて上側の第1ホトレジストP1に対して選択的にUV光を照射する露光過程を行い、続いて現像過程を通じて、所定のパターンが形成された第1PRマスクPR1を形成する。第1PRマスクPR1は、金属放電電極部分W1に対応するパターンを有し、該当部分W1をカバーする。次いで、図7Dに示すように、前述した工程と類似した工程を行い、露光マスクM2を通じて下側の第2ホトレジストP2に対して露光及び現像過程を進めて、所定のパターンが形成された第2PRマスクPR2を形成する。このように得られた第2PRマスクPR2は、金属放電電極部分W1及び金属放電電極の間の部分W2に対応したパターンを有し、該当領域W1,W2をカバーする。アルミニウムシート130`の上面及び下面にそれぞれ形成された第1PRマスクPR1及び第2PRマスクPR2は、相互に垂直に整列されていることが望ましい。後述するエッチング工程では、第1PRマスクPR1及び第2PRマスクPR2を通じてアルミニウムシート130`を両面からエッチングして放電空間S及び金属放電電極135を形成するが、第1PRマスクPR1及び第2PRマスクPR2が不正確に整列されてミスアラインが発生していると、放電空間Sや金属放電電極135が上下にずれて形成されるので、パネルの表示機能が低下する恐れがあるため、垂直に整列させることが必要である。
【0037】
次いで、図7E及び図7Fに示すように、第1PRマスクPR1をエッチング防止膜として、アルミニウムシート130`の上面に対してエッチングを実施する。上面エッチングによって、放電空間部分W3及び金属放電電極の間の部分W2が選択的にエッチングされる。金属放電電極の間の部分W2は、ハーフエッチングされて金属放電電極部分W1との間に垂直な段差を形成する。
【0038】
次いで、図7E及び図7Fに示すように、第2PRマスクPR2をエッチング防止膜として、アルミニウムシート130`の下面に対してエッチングを実施する。下面エッチングを通じて、放電空間部分W3が選択的にエッチングされる。このとき、下面エッチングは、放電空間部分W3が完全に貫通するまで進められ、上面から下面までつながるフルエッチングを通じて完成した形状の放電空間Sが得られる。次いで、効用がなくなった第1PRマスクPR1及び第2PRマスクPR2を剥離すれば、図7Gに示すような構造の電極シート130が得られる。前述したエッチング過程を通じて残された一部135`は、金属放電電極を構成し、他の一部131`は、金属放電電極の間の絶縁層を構成する。
【0039】
次いで、図7Hに示すように、電極シート130に対して公知の酸化処理を通じてその表面に酸化被膜を形成するための陽極処理工程が進められる。この陽極処理工程では、例えば、H2SO4などの酸性電解溶液の中でアルミニウムシートを陽極(+)とし、触媒として作用するPt、Ni、カーボン素材を陰極(−)として直流電源を通電すれば、電気化学的な反応を通じてアルミニウム表面から内部に酸化が進められて酸化被膜135tが形成される。酸素が浸透して酸化される厚さToは、陽極処理の具体的な工程条件、例えば、電解溶液の種類や工程時間、直流電圧の強度を調整して最適に制御することができるが、例えば、1〜50μmの範囲に調節できる。電極シート130の表面に沿って生成される酸化被膜135tは、アルミナ(Al2O3)からなり、絶縁性を有するセラミック素材となる。ここで、相対的に薄く形成された金属放電電極の間の部分は、その内部まで完全に酸化が進められて絶縁化され、金属放電電極135を相互に支持して絶縁する絶縁層131を構成する。
【0040】
一方、前述した工程を反復して行うことによって、事実上同一に構成されたさらに他の電極シートが得られる。その後、図7Iに示すように、電極シート130,140を相互対称に上下に配置し、絶縁性接着剤165を利用して対面するように結合させる。但し、電極シート130,140が接着剤165を通じて相互に直接結合されなくても、後述するように、前面基板110と背面基板120との結合力によって電極シート130,140間の積層構造を維持できるので、接着剤165は必須なものではない。
【0041】
次いで、電極シート130,140の上下面に配置される前面基板110及び背面基板120を準備する。前面基板110及び背面基板120は、ガラスを主素材とするガラス基板として提供することができる。次いで、背面基板120に一定の間隔でグルーブ120`を形成し、形成されたグルーブ120`内に蛍光体125を塗布する。このとき、グルーブ120`は、電極シート130,140に形成された放電空間Sに対応するように一定の間隔をおいて設けられている。最後に、電極シート130,140を介して前面基板110及び背面基板120を垂直に整列させた後、枠に沿って塗布されたフリットシーリング剤115を通じて相互対面するように結合する。
【0042】
一方、前述したPDPの製造方法では、金属放電電極135の間の部分W2を薄く形成するために、一方の面のみがハーフエッチングされ、他方の面はエッチングされない単面エッチング方式を利用している(図6及び図7Fを参照)。これとは異なり、図3に示した電極シート130を製造するためには、金属放電電極135の間の部分W2に一方の面と他方の面の両方からエッチングする両面エッチング方式を採用して初めて両面に段差d1,d2を形成することができる。両面エッチング時、放電空間部分W3は、アルミニウムシート130`を貫通するように深いエッチングを実施し、金属放電電極の間の部分W2は、シート130`を貫通せずに金属放電電極135との間に垂直な段差d1,d2のみが形成されるように浅くエッチングして、図3に示した構造の電極シート130を形成する。
【0043】
従来の3電極面放電構造では、金属放電電極が基板上に支持されるという構造の特性上、誘電体ペーストを基板上に単純に塗布するだけで金属放電電極を覆う誘電体層を簡単に形成できるが、図1に示したように、放電空間Sを取り囲むように上下に金属放電電極35,45を配置した構造では、金属放電電極35,45を覆うように誘電体層31が形成される。このような構造は、公知の製造工法に依存して製造する場合、工程ステップが増加するか、または高コストの設備が要求されるなどコストの増加は避けられず、あるいは特殊に考案された新たな製造方法の開発を必要とする。
【0044】
本発明では、金属放電電極135のパターンが形成された電極シート130を酸化処理して、金属放電電極135の表面に、従来の誘電体層に代わる酸化被膜135tを一括に形成するので、自動化に適した単純な工程を通じて前記の製造上の問題点を解決している。特に、金属放電電極135の部分と絶縁層131の部分との厚さに差を設けることによって、選択的な酸化のための別途のパターニングをすることなしに電極シート130全体に対して同じ酸化条件を付加しても、金属放電電極135の部分は、伝導性をそのまま維持し、絶縁層131の部分は、酸化によって絶縁化されるので、製造工程ステップを最小化することができる。
【0045】
図8には、本発明の第2の実施形態に係るPDPの分解斜視図を示しており、図9には、図8のIX−IX線の垂直断面構造を示している。但し、説明の便宜のために、下部の第2電極シート240は、図8のIX’−IX’線の断面構造で示している。また、図10には、図8の電極シートの一部についての拡大斜視図を示しており、図11には、電極シートの平面構造を示している。図示したPDPは、相互に対向して配置された前面基板210及び背面基板220と、基板210,220の間に対面するように配置されて共に放電空間Sを形成する第1電極シート230及び第2電極シート240とを備えている。第1及び第2電極シート230,240は、元素材となる金属シートに所定のパターンで金属放電電極235,245及びこれらを相互につなぐブリッジ231,241を形成した後に、酸化処理を通じてブリッジ231,241の部分を絶縁化した一体型構造のシートである。元素材となる金属シートは、金属放電電極の自体抵抗による電源損失を考慮して電気伝導性が高く、かつ酸化処理を通じて絶縁化が相対的に容易なアルミニウムシートが提供される。
【0046】
これをさらに具体的に説明すれば、第1電極シート230は、一列に配列された放電空間Sを取り囲んでx方向に延びる複数の第1金属放電電極235を備えている。この第1金属放電電極235は、放電空間Sを取り囲む放電部235aと、放電部235aの間を電気的に連結する通電部235bとを備えている。放電部235aは、放電空間Sを取り囲んで独立な発光領域に区画する。また、放電部235aは、対をなす他の放電部245aと共に該当する放電空間Sにおいて表示放電を起こしている。図面に例示した放電部235aは、四角形の枠形状に形成されているので、放電部235aに沿って鋭いエッジ部が形成されると、局部的にエッジ部に電界が集中し、放電部235aを覆っている酸化被膜235tが損傷されるなどの耐久性の低下が生じるので、放電部235aのコーナー部位は、丸目に形成することが望ましい。放電部235aの形状は、多角形の枠形状や、円形環、楕円形の環形状など、必要に応じて多様に変形することができ、これにより、放電部235aによって限定される放電空間Sも対応した形状に変形される。
【0047】
通電部235bは、所定の間隔で離れている放電部235aをx方向に相互に通電し、その方向に配列された一列の放電部235aが同じ駆動信号を共有して一つの金属放電電極235となるように連結している。通電部235bは、当然に電気伝導性を有していなければならないので、陽極処理によって電極シート230の一部領域を絶縁化させる時に、その表面は酸化されて伝導性を失っても、内部のコア部分235cは酸化されず、そのまま伝導性を維持できるように十分に広い幅W3に形成することが望ましい。すなわち、陽極処理の工程条件を検討して、少なくとも工程終了時点までに幅方向に沿って酸素が浸透できず、したがって、伝導性がそのまま維持されるコア部分235cが残るように、通電部235bの幅W3を広く形成することが必要である。このとき、駆動効率を考慮して実質的に通電部235bの機能を発揮するコア部分235cは、十分な断面積が確保されていることが望ましい。一方、酸化処理の結果、第1金属放電電極235の表面に沿って、所定の厚さToに酸化被膜235tが形成されている。放電セルを取り囲む金属放電電極235の表面に形成された酸化被膜235tは、放電によるイオン衝撃から金属放電電極235を保護する役割を行う。垂直に整列した第1金属放電電極235及び第2金属放電電極245は、酸化被膜235tによって電気的に絶縁されている。
【0048】
隣接した第1金属放電電極235は、その間を連結するブリッジ231を通じて相互に構造的に支持されている。ブリッジ231は、金属放電電極235の間を相互に連結して電極シート230の波や曲げ変形を防止する。ブリッジ231は、x方向に延びる金属放電電極235と交差する方向に延びており、例えば、金属放電電極235と直交するy方向に延ばすことができる。一方、電極シート230に要求される支持強度を考慮して、一つ以上の複数のブリッジ231を所定の間隔をおいて平行に形成することも可能である。
【0049】
ブリッジ231は、絶縁性酸化物からなり、隣接した金属放電電極235を相互に絶縁し、異なる駆動信号が導通している金属放電電極235が電気的に短絡することを防止する。このように放電空間Sを取り囲む放電部235aは、x方向には通電部235bによって相互に通電され、y方向にはブリッジ231によって相互に絶縁されている。ブリッジ231は、隣接した放電部235aの間に形成される。但し、ブリッジ231は、隣接した金属放電電極235の間で絶縁及び支持の目的を達成できるかぎり、通電部235bの間に形成される場合もある。
【0050】
ブリッジ231の幅W1,W2は、表面から進められる酸化処理工程の特性上、酸化が幅方向に沿って十分に内部に進んで、ブリッジ231の全部が絶縁化される程度に狭く形成されることが望ましい。同じ酸化条件に露出される通電部235bは、伝導性をそのまま維持するコア領域235cを有する一方、ブリッジ231は、その全部が酸化を通じて絶縁化されなければならないので、通電部235bの幅W3とブリッジの幅W1,W2との間には、以下の関係が成立する。
【0051】
W3>W1
W3>W2
また、電解溶液に露出した外面を通じて酸化が進められるので、同じ体積に対して表面積の広い部材が酸化され易くなる。したがって、通電部235bの単位体積当りの表面積Sv3とブリッジ231の単位体積当りの表面積Sv1とを比較する場合、以下のような関係が成立する。
【0052】
Sv3<Sv1
図面に例示した実施形態では、ブリッジ231の一対が相互に離れて平行に形成されることにより、その間の開口した部位を通じてブリッジ231の側面を通じて酸化を進めることができる。一つのブリッジ231が広い幅で形成される場合よりも、相互に離れた狭い幅のブリッジ231が複数個形成されている場合のほうが全体の表面積を増大させ、酸化作用の促進にさらに有利になる。前者及び後者の場合に、ブリッジ231の全体の合算幅が同一であれば、電極シート230の支持強度は、同等に維持することができる。
【0053】
第1電極シート230と垂直に整列した第2電極シート240は、基本的には第1電極シート230と類似した構造を有する。すなわち、第2電極シート240には、縦横に配列された複数の放電空間Sが形成され、放電空間Sを取り囲むように一方向に沿って延びた複数の第2金属放電電極245が配置されている。第2金属放電電極245は、第1金属放電電極235と交差する方向、例えば、第1金属放電電極と直交するy方向に延びている。金属放電電極245は、放電空間Sを区画して放電に直接参加する放電部245aと、放電部245aをy方向に相互に電気的に連結する通電部245bとを備えている。相互に交差するように配列された第1金属放電電極235及び第2金属放電電極245を通じて、表示放電が起きる放電空間Sに対する選択動作が可能になる。第2金属放電電極245は、これらの間をつなぐブリッジ241を通じて構造的に相互に支持され、電気的に絶縁されている。ブリッジ241は、放電部245aの間でx方向に延びている。このように放電空間Sを取り囲む放電部245aは、y方向には通電部245bによって相互に通電され、x方向にはブリッジ241によって相互に絶縁されている。
【0054】
一方、前面基板210及び背面基板220は、ガラス素材からなるガラス基板として提供され、背面基板220の内側の面には、放電空間Sに対応するように一定の間隔をおいて複数のグルーブ220`が形成されている。このグルーブ220`内には、蛍光体225が塗布されている。図面に示していないが、背面基板220と共に前面基板210にも蛍光体225が配置され、このために、前面基板210にも蛍光体225の塗布領域を区画するためのグルーブが形成される。この場合、各放電空間Sの上下に対応した位置に何れも蛍光体225を配置することによって、放電の結果として生成された紫外線が前面基板210を通じて外部に流出し、そのまま無用に捨てられることを防止できるので、紫外線−可視光変換効率及びこれによるPDPの駆動効率を向上させることができる。
【0055】
図面に例示した実施形態では、第1金属放電電極235及び第2金属放電電極245が相互に交差する方向に延びているが、これとは異なり、第1及び第2金属放電電極235,245が相互に平行に延びるように配置され、この場合には、前面基板210側または背面基板220側に金属放電電極235,245と交差する方向に延びる別途のアドレス電極(図示せず)が配置されることが望ましい。
【0056】
一方、図8に示したPDPも、図7Aないし図7Iに示した製造方法と類似した工程を経て製造することができる。但し、図示した製造工程では、絶縁層部分W2に段差を形成するために一面エッチングが適用されているが、本PDPの製造時には、元素材の両側の面に対して同じ金属放電電極及びブリッジパターンを形成するために、両面エッチングのみが適用されるという点で差がある。
【0057】
一方、本発明の技術的範囲は、前面基板210と背面基板220との間に配置されて放電空間Sを区画する電極シート230,240の数によって限定されず、その技術的な原理は、十分な放電空間を確保するために任意の数の電極シートを備えた構造に対しても同一に適用される。
【0058】
本発明は、図面に示した実施形態を参照して説明したが、それは、例示的なものに過ぎず、当業者であれば、これらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということは分かるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、PDP関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】韓国公開特許第2005−0104003号公報に開示されているPDPの分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るPDPの構造を示す分解斜視図である。
【図3】図2のIII−III線及びIII'−III'線の垂直断面図である。
【図4】図2に示した金属放電電極の拡大斜視図である。
【図5】図2に示した電極シートの変形した構造を示す平面図である。
【図6】図3の変形例に係るPDPの垂直断面図である。
【図7A】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7B】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7C】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7D】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7E】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7F】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7G】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7H】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7I】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るPDPの構造を示す分解斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線及びIX'−IX'線の垂直断面図である。
【図10】図9に示した第1及び第2電極シートの拡大斜視図である。
【図11】図8に示した第1及び第2電極シートの平面図である。
【符号の説明】
【0061】
110,210 前面基板
120,220 背面基板
120`,220` グルーブ
125,225 蛍光体
130,230 第1電極シート
131,141 絶縁層
135,235 第1金属放電電極
135a,235a 放電部
135b,235b 通電部
135c 金属放電電極のコア部分
135t 酸化被膜
140,240 第2電極シート
140a,240a 放電部
140b,240b 通電部
231,241 ブリッジ
160 絶縁性接着剤
S 放電空間
W1 金属放電電極部分
W2 金属放電電極間部分
W3 放電空間部分
PR1 第1 PRマスク
PR2 第2 PRマスク
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス放電を利用して画像を具現するプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)及びその製造方法に係り、高発光効率を有しつつ、実用化するための量産製造に適した構造に改善されたPDPに関する。
【背景技術】
【0002】
平板ディスプレイ装置であって、PDPを採用した装置は、大画面でありながらも、高画質、軽量化及び広視野角を実現させた優れた特性を有しており、他の平板ディスプレイ装置に比べて製造方法が簡単であり、大型化が容易なので、次世代の大型平板ディスプレイ装置として注目されている。
【0003】
このようなPDPは、印加される放電電圧によって直流(DC:Direct Current)型、交流(AC:Alternative Current)型及び混合型に分類され、放電構造によって対向放電型及び面放電型に分類される。現在、国内外で生産されているほとんどのPDPは、3電極面放電型PDPである。
【0004】
最近、3電極面放電型構造で不回避なものと考えられていた蛍光体の劣化、可視光の透過率の低下、発光効率の低下などの諸般の問題点を解決するために、新たな構造のPDPに関する研究が活発に進められている。
【0005】
そのうち、図1には、特許文献1に開示されているPDPの分解斜視図を示している。開示されたPDPは、相互に所定間隔をおいて対向して配置されている前面基板10及び背面基板20と、基板10,20の間で放電空間Sを区画するために、垂直に整列されている前方隔壁31及び後方隔壁24とを備えている。前方隔壁31内には、放電空間S内に表示放電を起こすために上下に離れて配置されている第1金属放電電極35及び第2金属放電電極45が埋め込まれている。前方隔壁31は、金属放電電極35,45が埋め込まれてイオン衝撃による電極損傷を防止し、放電に有利な環境を提供するための誘電物質から構成されている。後方隔壁24によって区画された領域内には、蛍光体25が塗布されている。また、背面基板20上には、金属放電電極35,45と交差する方向に延びるアドレス電極22が配置され、背面基板20と後方隔壁24との間には、アドレス電極22を埋め込むための誘電体層21が配置されている。
【0006】
図1に示したPDPでは、放電空間Sを限定する側壁を通じて放電が行われるので、背面基板20側に塗布された蛍光体25がイオン衝撃によって劣化する恐れがほとんどなく、前面基板10側で不透明な電極要素が排除されて可視光の上方透過率が向上し、放電空間Sの全ての側壁を通じて放電がなされ、放電空間Sの中央にプラズマを集中させ、紫外線の生成を画期的に増加させることができる。
【0007】
しかし、このようなPDPでは、金属放電電極35,45が隔壁31内に埋め込まれているという特有の構造により、従来の製造技法では量産製造に限界があり、製造上の問題によってまだ実用化されていないのが実情である。
【特許文献1】韓国公開特許第2005−0104003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、高発光効率を有しつつも、実用化のための量産製造に適した新たな構造のPDPを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的及びその他の目的を達成するために、本発明のPDPは、相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を形成する開口を有する複数の電極シートとを備えたPDPであって、前記電極シートは、一列に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の金属放電電極と、前記金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、前記金属放電電極の間に一体に形成され、前記金属放電電極と同種の金属の酸化物で形成された絶縁部材とを備えていることを特徴とする。
【0010】
一方、本発明の他の側面によるPDPは、相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を形成するための開口を有する第1電極シート及び第2電極シートとを備えているPDPであって、前記第1電極シートは、第1方向に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の第1金属放電電極と、前記第1金属放電電極の間に配置され、前記第1金属放電電極との間に垂直な段差をなし、前記第1金属放電電極と同種の金属の酸化物から形成されて前記第1金属放電電極を相互に絶縁する第1電極シート絶縁層とを備え、前記第2電極シートは、第2方向に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の第2金属放電電極と、前記第2金属放電電極の間に配置され、前記第2金属放電電極との間に垂直な段差をなし、前記第2金属放電電極と同種の金属の酸化物から形成されて前記第2金属放電電極を相互に絶縁する第2電極シート絶縁層とを備えていることを特徴とする。
【0011】
一方、本発明のさらに他の側面によるPDPは、相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を形成するための開口を有する第1電極シート及び第2電極シートとを備えているPDPであって、前記第1電極シートは、一列に配列された前記放電空間を取り囲む放電部と、前記放電部を相互に電気的に連結する第1電極シート通電部とを備えた第1金属放電電極と、前記第1金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、隣接する前記第1金属放電電極の間に一体に形成され、前記第1電極シート通電部よりも幅の狭い少なくとも一つの第1電極シートブリッジとを備え、前記第2電極シートは、一列に配列された前記放電空間を取り囲む放電部と、前記放電部を相互に電気的に連結する第2電極シート通電部とを備えた第2金属放電電極と、前記第2金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、隣接する前記第2金属放電電極の間に形成され、前記第2電極シート通電部よりも幅の狭い少なくとも一つの第2電極シートブリッジとを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、金属放電電極のパターンが形成された金属シートを酸化処理して金属放電電極の表面に従来あった誘電体層に代わる酸化被膜を一括して形成するので、誘電体層を形成するための別途の工程が不要になる。特に、放電空間を取り囲んで延びる電極配置を備え、量産製造に適した新たな構造のディスプレイパネルを提示することによって、従来の高効率のディスプレイパネルが有する製造上の限界を克服し、実用化を早めることができる。
【0013】
また、最終的に通電が必要な部分と絶縁が必要な部分との間で厚さや幅などの形状の数値に差を設けることによって、選択的に酸化することができ、別途のパターニングなしに金属シートの全体領域に対して同じ酸化条件で酸化しても、一部の領域はそのまま伝導性を維持し、他の部分は酸化によって絶縁されるので、製造工程のステップ数を最小化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本明細書に添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態に係るPDPについて詳細に説明する。
【0015】
図2には、本発明の一実施形態に係るPDPの分解斜視図を示しており、図3には、図2のIII−III線の垂直断面図を示している。但し、前記垂直断面図では、説明の便宜のために、下部の第2電極シート140を図2のIII’−III’の断面構造で示している。また、図4には、図2の金属放電電極135,145に対する拡大斜視図を示している。
【0016】
図示したPDPは、相互に所定の間隔をおいて対向して配置されている前面基板110及び背面基板120を備え、基板110,120の間には、相互に対面して配置されて共に複数の放電空間Sを形成する第1電極シート130及び第2電極シート140が介在している。前面基板110は、所定の画像を具現する画像表示面側となり、このために、透光性に優れたガラス素材のガラス基板で形成されている。
【0017】
第1電極シート130及び第2電極シート140は、元素材である金属シートに所定の電極パターンを形成した後、酸化処理を経てその一部を絶縁化した一体型シートである。以下では、第1電極シート130及び第2電極シート140の構造についてさらに詳細に説明する。
【0018】
第1電極シート130には、縦横に配列された複数の放電空間Sが形成されている。ここで、放電空間Sとは、表示放電を起こすための所定の電界が形成され、放電の結果として励起される放電ガスが満たされる空間を意味する。本発明では、第1電極シート130及び第2電極シート140が上下に対面して配置されて共に放電空間Sを形成するので、第1及び第2電極シート130,140によって形成された上部及び下部空間は、放電空間Sの一部となる。但し、本明細書を通じて、説明の便宜のために、各シート130,140によって形成された上部または下部空間を放電空間Sと称する場合があるが、厳格な意味で各シート130,140に形成された空間は、放電空間Sの一部を構成する。
【0019】
第1及び第2電極シート130,140に円形の開口パターンが形成されることによって、各放電空間Sは、円柱の形態を有する。これとは異なり、各電極シート130,140に多角形の開口パターンを形成することによって、各放電空間Sを、六面体を含む多様な多面体構造に形成することも可能であり、それ以外にも、その内部に放電ガスを収容できる構造であれば、特別の形態に限定されるわけではない。
【0020】
第1電極シート130は、一列に配列された放電空間Sを取り囲み、一方向(x方向)に延びる複数の第1金属放電電極135を備えている。第1金属放電電極135は、放電空間Sを取り囲み、放電に参加する放電部135aと、放電部135aを相互電気的に連結し、放電部135aに駆動電源を供給するための通電部135bとを備えている。放電部135aは、実施形態に応じて対応した形状で放電空間Sを限定するので、具体的な実施形態によって多様な形状の放電空間Sを形成するために、その形状を適切に変形することができる。
【0021】
図面で例示した第1金属放電電極135は、放電空間Sの側面を完全に取り囲んでいるが、例えば、放電電流を制限するために、放電空間Sの一部のみを取り囲むように形成することも可能である。このとき、金属放電電極135は、その一部が開放された形態に形成され、開放された部分は、金属放電電極135を除いた電極シート130の領域のように、金属放電電極135と垂直に段差が形成された絶縁層131で構成することができる。
【0022】
外部電源と接続された一端部を通じて金属放電電極135に駆動電圧が印加されると、放電部135aに取り囲まれた放電空間S内では、放電開始のための所定の電界が形成される。金属放電電極135は、自体抵抗による発熱損失を最小限にするために、電気伝導性に優れた金属素材で形成されることが望ましく、例えば、アルミニウム素材で形成することができる。
【0023】
一方、第1金属放電電極135の外面には、陽極処理などの酸化処理を通じて所定の厚さToに酸化被膜135tが形成されており、この酸化被膜135tによって取り囲まれた金属放電電極135のほとんどは、酸化されずに電気伝導性を維持したコア部分135cとして残っている。第1金属放電電極135は、酸化被膜135tによって外部環境から電気的に絶縁されている。例えば、酸化被膜135tは、金属放電電極135の素材であるアルミニウム(Al)が酸化された絶縁性アルミナ(Al2O3)によって形成することができる。放電空間Sと接する表面に形成された酸化被膜135tは、放電に参加する荷電粒子との衝突による電極損傷を防止する一種の保護膜としての機能を行い、従来の金属放電電極を埋め込んで放電に有利な条件を提供する誘電体層と同様の役割を行う。金属放電電極135を保護する酸化被膜135tは、耐電圧特性を考慮して十分な厚さに形成されることが望ましく、酸化被膜135tの厚さToは、酸化工程時の印加電流、電解溶液の選択、工程時間などの工程条件を制御することによって最適化することがきる。一方、第1金属放電電極135の表面が酸化被膜135tで被覆されることによって、その下方に置かれた第2金属放電電極145との間の電気的な短絡を防止することもできる。
【0024】
各第1金属放電電極135の間には、金属放電電極135と一体に形成された絶縁層131が形成されている。第1金属放電電極135は、絶縁層131を通じて相互構造的に支持されており、電極シート130の全体的な波や曲げ変形が防止され、生産工程上の取扱いの便宜性を図ることができる。図示したように、絶縁層131は、金属放電電極135を除いた電極シート130の全域を構成している。但し、表面を通じて酸化が進められる陽極処理工程の特性上、酸化処理を促進するために、絶縁層131の一部に開口を形成する場合もある。このとき、開口されて露出した側面を通じても酸化が進められる。
【0025】
絶縁層131は、第1金属放電電極135を構造的に相互に支持しつつ、金属放電電極135の間を電気的に絶縁させている。このために、絶縁層131は、電気絶縁性の素材から形成されているが、第1金属放電電極135と同じ金属素材を酸化処理して得られる金属酸化物から形成することが望ましい。例えば、電極パターンが形成されたアルミニウムシートを陽極処理することによって、絶縁層131に対応する部分を絶縁化すれば、絶縁層131は、アルミニウム(Al)に対する酸化物であるアルミナ(Al2O3)から形成することができる。
【0026】
絶縁層131は、第1金属放電電極135と垂直な段差を形成して相対的に薄い厚さTiで形成されている。例えば、絶縁層131は、第1金属放電電極135と上下両側に段差d1,d2を形成し、薄い厚さTiで形成されている。絶縁層131の厚さTiは、具体的な陽極処理の工程条件によって決定することができるが、陽極処理を通じてその表面から内部に酸化が進められる過程で、絶縁層131に対応する部分が完全に酸化される程度に十分に薄く形成されることが望ましい。もし、絶縁層131の厚さTiがこれよりも厚く形成されれば、第1金属放電電極135を相互に連結する絶縁層131の内部が酸化されず、そのまま電気伝導性を維持して、異なる電気的な信号を導通している金属放電電極135同士が絶縁層131を通じて短絡されてしまうので、工程マージンを含んで十分に薄く設けることが必要である。厚さの異なる金属放電電極135及び絶縁層131の構造を形成するために、例えば、元素材であるアルミニウム電極シートにおいて、絶縁層131の部分を両面からエッチングして、金属放電電極135と両面に段差を付けた構造を作る。このとき、一方の面と他方の面において、絶縁層131と金属放電電極135との間の段差d1,d2を同等に設計すれば、両面エッチング作業を対称的に行うことができ、特に裏表を区別する必要がなくなって、作業の便宜性を図ることができる。
【0027】
一方、金属放電電極135と絶縁層131との間の垂直段差d1,d2は、異なる厚さに設計してもよく、同じ酸化条件に露出しても金属放電電極135は伝導性を維持するが、絶縁層131は、その内部まで完全に絶縁化される。ここで、垂直段差d1,d2の付随的な効果として、絶縁層131の上下に段差空間gを形成することができ、この段差空間gは放電空間S内から不純ガスを排気し、放電ガスを充填する過程において、これらのガスの排気路及び流入路として利用することができる。これにより、排気−封入工程に要する時間を短縮できることはもとより、放電空間S内に不純ガスを残さず、放電ガスの純度を高く維持できて放電の安定性を向上させることができる。
【0028】
第1電極シート130の下側には、第1電極シート130と対面する第2電極シート140が配置される。第2電極シート140は、前述した第1電極シート130と類似の構成にすることができる。さらに具体的に説明すれば、第2電極シート140には、一定の配列で複数の放電空間Sが形成されており、放電空間Sを取り囲んで一方向に延びる複数の第2金属放電電極145が形成されている。第2金属放電電極145は、放電空間Sを取り囲む放電部145a及び放電部145aを電気的に接続する通電部145bを備えている。第2金属放電電極145は、x方向に延びる第1金属放電電極135と交差するy方向に延びている。このような配置となっているのはPM(Passive Matrix)駆動方式において、一方の金属放電電極はアドレス電極としての機能を行い、他方の金属放電電極は走査電極としての機能を行うことにより、表示放電を起こす放電空間に対して選択動作を可能にするためである。例えば、第1金属放電電極135は走査電極として、第2金属放電電極145はアドレス電極として駆動されるようにすることが可能である。但し、電極構造によって本発明の技術的な範囲が制限されるわけではなく、第1及び第2金属放電電極135,145を平行に延びるように配列し、金属放電電極135,145と交差する方向に延びる別途のアドレス電極を備えた電極構造についても、本発明の技術的思想を同一に適用することができる。このとき、金属放電電極135,145のうち、一方の金属放電電極が走査電極としての機能を行い、アドレス電極と共に放電空間の選択のためのアドレス放電を起こすようにすることができる。
【0029】
第2金属放電電極145は、その間の領域を形成する絶縁層141によって相互に支持及び絶縁され、この絶縁層141は、第2金属放電電極145との間に段差d1,d2が形成されるように薄く、その厚さはTiとなる。さらに具体的に説明すると、絶縁層141は、第2金属放電電極145の上端から段差d1だけ下方に形成され、また第2金属放電電極145の下端から段差d2だけ上方に形成されて、その厚さはTiとなるように構成されている。一方、図面に示していないが、第1及び第2電極シート130,140は、例えば、非導電性の誘電体接着層を介在させて対面するように結合されている。
【0030】
前面基板110と対向して配置される背面基板120は、前面基板110と同様に、ガラスを主素材とするガラス基板として提供することができる。背面基板120の内側面で放電空間Sと対応する位置には、グルーブ120`が形成されており、このグルーブ120`に沿って蛍光体125が塗布されている。グルーブ120`は、蛍光体125の塗布領域を区画し、塗布面積を増大するために形成されたものである。蛍光体125は、フルカラーのディスプレイを具現するために、異なる色相で設けられている。例えば、光の3原色でカラー画像を具現する場合、赤色、緑色及び青色の蛍光体125が交互にグルーブ120`内に塗布され、各放電空間Sでは、塗布された蛍光体125の種類によって、赤色、緑色または青色の単色光が放出され、これらが集まって一つのカラー画像を構成する。
【0031】
第1金属放電電極135及び第2金属放電電極145は、共に放電空間S内に表示放電を起こすためのものであって、例えば、第1及び第2金属放電電極135,145に相互に逆の極性に変化する交流電圧を印加することによって放電を起こし、その結果、放電空間Sに充填されている放電ガスが励起されて紫外線が生成される。生成された紫外線は、蛍光体125を通じてユーザが認識できる可視光に変換され、この可視光が前面基板110を透過して所定の画像を構成する。
【0032】
図5は、図2に示したPDPの変形例に適用される電極シートの平面構造を示す図面である。図示した電極シート150は、図2の第1電極シート130または第2電極シート140に該当する。図示した電極シート150は、所定の間隔をおいて一方向に沿って配列された複数の金属放電電極155と、金属放電電極155の間の領域を構成する絶縁層151とを備えて形成されている。各金属放電電極155は、放電空間Sを取り囲みつつ、その長手方向に沿って連続的に配列された複数の放電部155aで構成されている。すなわち、隣接した放電部155aが一部の領域で相互に重畳され、別途の通電部を設けることなく、直接に連結されているという点が前述した電極構造と異なっている。
【0033】
図6は、図3に示したPDPの変形例に関する垂直断面構造を示している。参照までに、前記と同じ機能を行う事実上同じ部材については、同じ図面符号を付与した。図示したPDPは、前面基板110及び背面基板120と、基板110,120の間で相互に対面するように配置されている第1電極シート130及び第2電極シート140とを備えている。各電極シート130,140には、放電空間Sを限定し、放電空間S内に表示放電を起こす金属放電電極135,145が形成されており、金属放電電極135,145の間には、絶縁層131,141が形成されている。絶縁層131,141は、その厚さTiの全体が酸化されるように、金属放電電極135,145よりも薄く形成される。特に、本実施形態では、絶縁層131,141は、金属放電電極135,145の一方の面との間に厚さ方向に段差d3を形成するが、金属放電電極135,145の他方の面との間には同じ高さの平坦な面を構成する。これは、図3に示した実施形態で、金属放電電極135,145の両面との間に段差d1,d2を形成する絶縁層131,141とは、構造上差別されるものであり、絶縁層131,141の厚さTiを同じレベルに合せるために、本実施形態の段差d3は、図3に示した段差d1またはd2の2倍に設計される。
【0034】
以下では、図6に示したPDPの製造方法について、図7Aないし図7Iを参照して、工程ステップ別に説明する。
【0035】
まず、図7Aに示すように、第1電極シートの元素材となる金属シートを準備するが、例えば、伝導性及び酸素との親和力が高くて酸化度に優れたアルミニウムシート130`を用意することができる。次いで、図7Bに示すように、提供されたアルミニウムシート130`の上下両側の面にそれぞれ第1及び第2ホトレジストP1,P2を塗布する。このホトレジストP1,P2は、UVなどの照射光に露出されると、化学的な反応を通じて硬化する感光性樹脂材から形成されている。
【0036】
次いで、図7Cに示すように、露光マスクM1を通じて上側の第1ホトレジストP1に対して選択的にUV光を照射する露光過程を行い、続いて現像過程を通じて、所定のパターンが形成された第1PRマスクPR1を形成する。第1PRマスクPR1は、金属放電電極部分W1に対応するパターンを有し、該当部分W1をカバーする。次いで、図7Dに示すように、前述した工程と類似した工程を行い、露光マスクM2を通じて下側の第2ホトレジストP2に対して露光及び現像過程を進めて、所定のパターンが形成された第2PRマスクPR2を形成する。このように得られた第2PRマスクPR2は、金属放電電極部分W1及び金属放電電極の間の部分W2に対応したパターンを有し、該当領域W1,W2をカバーする。アルミニウムシート130`の上面及び下面にそれぞれ形成された第1PRマスクPR1及び第2PRマスクPR2は、相互に垂直に整列されていることが望ましい。後述するエッチング工程では、第1PRマスクPR1及び第2PRマスクPR2を通じてアルミニウムシート130`を両面からエッチングして放電空間S及び金属放電電極135を形成するが、第1PRマスクPR1及び第2PRマスクPR2が不正確に整列されてミスアラインが発生していると、放電空間Sや金属放電電極135が上下にずれて形成されるので、パネルの表示機能が低下する恐れがあるため、垂直に整列させることが必要である。
【0037】
次いで、図7E及び図7Fに示すように、第1PRマスクPR1をエッチング防止膜として、アルミニウムシート130`の上面に対してエッチングを実施する。上面エッチングによって、放電空間部分W3及び金属放電電極の間の部分W2が選択的にエッチングされる。金属放電電極の間の部分W2は、ハーフエッチングされて金属放電電極部分W1との間に垂直な段差を形成する。
【0038】
次いで、図7E及び図7Fに示すように、第2PRマスクPR2をエッチング防止膜として、アルミニウムシート130`の下面に対してエッチングを実施する。下面エッチングを通じて、放電空間部分W3が選択的にエッチングされる。このとき、下面エッチングは、放電空間部分W3が完全に貫通するまで進められ、上面から下面までつながるフルエッチングを通じて完成した形状の放電空間Sが得られる。次いで、効用がなくなった第1PRマスクPR1及び第2PRマスクPR2を剥離すれば、図7Gに示すような構造の電極シート130が得られる。前述したエッチング過程を通じて残された一部135`は、金属放電電極を構成し、他の一部131`は、金属放電電極の間の絶縁層を構成する。
【0039】
次いで、図7Hに示すように、電極シート130に対して公知の酸化処理を通じてその表面に酸化被膜を形成するための陽極処理工程が進められる。この陽極処理工程では、例えば、H2SO4などの酸性電解溶液の中でアルミニウムシートを陽極(+)とし、触媒として作用するPt、Ni、カーボン素材を陰極(−)として直流電源を通電すれば、電気化学的な反応を通じてアルミニウム表面から内部に酸化が進められて酸化被膜135tが形成される。酸素が浸透して酸化される厚さToは、陽極処理の具体的な工程条件、例えば、電解溶液の種類や工程時間、直流電圧の強度を調整して最適に制御することができるが、例えば、1〜50μmの範囲に調節できる。電極シート130の表面に沿って生成される酸化被膜135tは、アルミナ(Al2O3)からなり、絶縁性を有するセラミック素材となる。ここで、相対的に薄く形成された金属放電電極の間の部分は、その内部まで完全に酸化が進められて絶縁化され、金属放電電極135を相互に支持して絶縁する絶縁層131を構成する。
【0040】
一方、前述した工程を反復して行うことによって、事実上同一に構成されたさらに他の電極シートが得られる。その後、図7Iに示すように、電極シート130,140を相互対称に上下に配置し、絶縁性接着剤165を利用して対面するように結合させる。但し、電極シート130,140が接着剤165を通じて相互に直接結合されなくても、後述するように、前面基板110と背面基板120との結合力によって電極シート130,140間の積層構造を維持できるので、接着剤165は必須なものではない。
【0041】
次いで、電極シート130,140の上下面に配置される前面基板110及び背面基板120を準備する。前面基板110及び背面基板120は、ガラスを主素材とするガラス基板として提供することができる。次いで、背面基板120に一定の間隔でグルーブ120`を形成し、形成されたグルーブ120`内に蛍光体125を塗布する。このとき、グルーブ120`は、電極シート130,140に形成された放電空間Sに対応するように一定の間隔をおいて設けられている。最後に、電極シート130,140を介して前面基板110及び背面基板120を垂直に整列させた後、枠に沿って塗布されたフリットシーリング剤115を通じて相互対面するように結合する。
【0042】
一方、前述したPDPの製造方法では、金属放電電極135の間の部分W2を薄く形成するために、一方の面のみがハーフエッチングされ、他方の面はエッチングされない単面エッチング方式を利用している(図6及び図7Fを参照)。これとは異なり、図3に示した電極シート130を製造するためには、金属放電電極135の間の部分W2に一方の面と他方の面の両方からエッチングする両面エッチング方式を採用して初めて両面に段差d1,d2を形成することができる。両面エッチング時、放電空間部分W3は、アルミニウムシート130`を貫通するように深いエッチングを実施し、金属放電電極の間の部分W2は、シート130`を貫通せずに金属放電電極135との間に垂直な段差d1,d2のみが形成されるように浅くエッチングして、図3に示した構造の電極シート130を形成する。
【0043】
従来の3電極面放電構造では、金属放電電極が基板上に支持されるという構造の特性上、誘電体ペーストを基板上に単純に塗布するだけで金属放電電極を覆う誘電体層を簡単に形成できるが、図1に示したように、放電空間Sを取り囲むように上下に金属放電電極35,45を配置した構造では、金属放電電極35,45を覆うように誘電体層31が形成される。このような構造は、公知の製造工法に依存して製造する場合、工程ステップが増加するか、または高コストの設備が要求されるなどコストの増加は避けられず、あるいは特殊に考案された新たな製造方法の開発を必要とする。
【0044】
本発明では、金属放電電極135のパターンが形成された電極シート130を酸化処理して、金属放電電極135の表面に、従来の誘電体層に代わる酸化被膜135tを一括に形成するので、自動化に適した単純な工程を通じて前記の製造上の問題点を解決している。特に、金属放電電極135の部分と絶縁層131の部分との厚さに差を設けることによって、選択的な酸化のための別途のパターニングをすることなしに電極シート130全体に対して同じ酸化条件を付加しても、金属放電電極135の部分は、伝導性をそのまま維持し、絶縁層131の部分は、酸化によって絶縁化されるので、製造工程ステップを最小化することができる。
【0045】
図8には、本発明の第2の実施形態に係るPDPの分解斜視図を示しており、図9には、図8のIX−IX線の垂直断面構造を示している。但し、説明の便宜のために、下部の第2電極シート240は、図8のIX’−IX’線の断面構造で示している。また、図10には、図8の電極シートの一部についての拡大斜視図を示しており、図11には、電極シートの平面構造を示している。図示したPDPは、相互に対向して配置された前面基板210及び背面基板220と、基板210,220の間に対面するように配置されて共に放電空間Sを形成する第1電極シート230及び第2電極シート240とを備えている。第1及び第2電極シート230,240は、元素材となる金属シートに所定のパターンで金属放電電極235,245及びこれらを相互につなぐブリッジ231,241を形成した後に、酸化処理を通じてブリッジ231,241の部分を絶縁化した一体型構造のシートである。元素材となる金属シートは、金属放電電極の自体抵抗による電源損失を考慮して電気伝導性が高く、かつ酸化処理を通じて絶縁化が相対的に容易なアルミニウムシートが提供される。
【0046】
これをさらに具体的に説明すれば、第1電極シート230は、一列に配列された放電空間Sを取り囲んでx方向に延びる複数の第1金属放電電極235を備えている。この第1金属放電電極235は、放電空間Sを取り囲む放電部235aと、放電部235aの間を電気的に連結する通電部235bとを備えている。放電部235aは、放電空間Sを取り囲んで独立な発光領域に区画する。また、放電部235aは、対をなす他の放電部245aと共に該当する放電空間Sにおいて表示放電を起こしている。図面に例示した放電部235aは、四角形の枠形状に形成されているので、放電部235aに沿って鋭いエッジ部が形成されると、局部的にエッジ部に電界が集中し、放電部235aを覆っている酸化被膜235tが損傷されるなどの耐久性の低下が生じるので、放電部235aのコーナー部位は、丸目に形成することが望ましい。放電部235aの形状は、多角形の枠形状や、円形環、楕円形の環形状など、必要に応じて多様に変形することができ、これにより、放電部235aによって限定される放電空間Sも対応した形状に変形される。
【0047】
通電部235bは、所定の間隔で離れている放電部235aをx方向に相互に通電し、その方向に配列された一列の放電部235aが同じ駆動信号を共有して一つの金属放電電極235となるように連結している。通電部235bは、当然に電気伝導性を有していなければならないので、陽極処理によって電極シート230の一部領域を絶縁化させる時に、その表面は酸化されて伝導性を失っても、内部のコア部分235cは酸化されず、そのまま伝導性を維持できるように十分に広い幅W3に形成することが望ましい。すなわち、陽極処理の工程条件を検討して、少なくとも工程終了時点までに幅方向に沿って酸素が浸透できず、したがって、伝導性がそのまま維持されるコア部分235cが残るように、通電部235bの幅W3を広く形成することが必要である。このとき、駆動効率を考慮して実質的に通電部235bの機能を発揮するコア部分235cは、十分な断面積が確保されていることが望ましい。一方、酸化処理の結果、第1金属放電電極235の表面に沿って、所定の厚さToに酸化被膜235tが形成されている。放電セルを取り囲む金属放電電極235の表面に形成された酸化被膜235tは、放電によるイオン衝撃から金属放電電極235を保護する役割を行う。垂直に整列した第1金属放電電極235及び第2金属放電電極245は、酸化被膜235tによって電気的に絶縁されている。
【0048】
隣接した第1金属放電電極235は、その間を連結するブリッジ231を通じて相互に構造的に支持されている。ブリッジ231は、金属放電電極235の間を相互に連結して電極シート230の波や曲げ変形を防止する。ブリッジ231は、x方向に延びる金属放電電極235と交差する方向に延びており、例えば、金属放電電極235と直交するy方向に延ばすことができる。一方、電極シート230に要求される支持強度を考慮して、一つ以上の複数のブリッジ231を所定の間隔をおいて平行に形成することも可能である。
【0049】
ブリッジ231は、絶縁性酸化物からなり、隣接した金属放電電極235を相互に絶縁し、異なる駆動信号が導通している金属放電電極235が電気的に短絡することを防止する。このように放電空間Sを取り囲む放電部235aは、x方向には通電部235bによって相互に通電され、y方向にはブリッジ231によって相互に絶縁されている。ブリッジ231は、隣接した放電部235aの間に形成される。但し、ブリッジ231は、隣接した金属放電電極235の間で絶縁及び支持の目的を達成できるかぎり、通電部235bの間に形成される場合もある。
【0050】
ブリッジ231の幅W1,W2は、表面から進められる酸化処理工程の特性上、酸化が幅方向に沿って十分に内部に進んで、ブリッジ231の全部が絶縁化される程度に狭く形成されることが望ましい。同じ酸化条件に露出される通電部235bは、伝導性をそのまま維持するコア領域235cを有する一方、ブリッジ231は、その全部が酸化を通じて絶縁化されなければならないので、通電部235bの幅W3とブリッジの幅W1,W2との間には、以下の関係が成立する。
【0051】
W3>W1
W3>W2
また、電解溶液に露出した外面を通じて酸化が進められるので、同じ体積に対して表面積の広い部材が酸化され易くなる。したがって、通電部235bの単位体積当りの表面積Sv3とブリッジ231の単位体積当りの表面積Sv1とを比較する場合、以下のような関係が成立する。
【0052】
Sv3<Sv1
図面に例示した実施形態では、ブリッジ231の一対が相互に離れて平行に形成されることにより、その間の開口した部位を通じてブリッジ231の側面を通じて酸化を進めることができる。一つのブリッジ231が広い幅で形成される場合よりも、相互に離れた狭い幅のブリッジ231が複数個形成されている場合のほうが全体の表面積を増大させ、酸化作用の促進にさらに有利になる。前者及び後者の場合に、ブリッジ231の全体の合算幅が同一であれば、電極シート230の支持強度は、同等に維持することができる。
【0053】
第1電極シート230と垂直に整列した第2電極シート240は、基本的には第1電極シート230と類似した構造を有する。すなわち、第2電極シート240には、縦横に配列された複数の放電空間Sが形成され、放電空間Sを取り囲むように一方向に沿って延びた複数の第2金属放電電極245が配置されている。第2金属放電電極245は、第1金属放電電極235と交差する方向、例えば、第1金属放電電極と直交するy方向に延びている。金属放電電極245は、放電空間Sを区画して放電に直接参加する放電部245aと、放電部245aをy方向に相互に電気的に連結する通電部245bとを備えている。相互に交差するように配列された第1金属放電電極235及び第2金属放電電極245を通じて、表示放電が起きる放電空間Sに対する選択動作が可能になる。第2金属放電電極245は、これらの間をつなぐブリッジ241を通じて構造的に相互に支持され、電気的に絶縁されている。ブリッジ241は、放電部245aの間でx方向に延びている。このように放電空間Sを取り囲む放電部245aは、y方向には通電部245bによって相互に通電され、x方向にはブリッジ241によって相互に絶縁されている。
【0054】
一方、前面基板210及び背面基板220は、ガラス素材からなるガラス基板として提供され、背面基板220の内側の面には、放電空間Sに対応するように一定の間隔をおいて複数のグルーブ220`が形成されている。このグルーブ220`内には、蛍光体225が塗布されている。図面に示していないが、背面基板220と共に前面基板210にも蛍光体225が配置され、このために、前面基板210にも蛍光体225の塗布領域を区画するためのグルーブが形成される。この場合、各放電空間Sの上下に対応した位置に何れも蛍光体225を配置することによって、放電の結果として生成された紫外線が前面基板210を通じて外部に流出し、そのまま無用に捨てられることを防止できるので、紫外線−可視光変換効率及びこれによるPDPの駆動効率を向上させることができる。
【0055】
図面に例示した実施形態では、第1金属放電電極235及び第2金属放電電極245が相互に交差する方向に延びているが、これとは異なり、第1及び第2金属放電電極235,245が相互に平行に延びるように配置され、この場合には、前面基板210側または背面基板220側に金属放電電極235,245と交差する方向に延びる別途のアドレス電極(図示せず)が配置されることが望ましい。
【0056】
一方、図8に示したPDPも、図7Aないし図7Iに示した製造方法と類似した工程を経て製造することができる。但し、図示した製造工程では、絶縁層部分W2に段差を形成するために一面エッチングが適用されているが、本PDPの製造時には、元素材の両側の面に対して同じ金属放電電極及びブリッジパターンを形成するために、両面エッチングのみが適用されるという点で差がある。
【0057】
一方、本発明の技術的範囲は、前面基板210と背面基板220との間に配置されて放電空間Sを区画する電極シート230,240の数によって限定されず、その技術的な原理は、十分な放電空間を確保するために任意の数の電極シートを備えた構造に対しても同一に適用される。
【0058】
本発明は、図面に示した実施形態を参照して説明したが、それは、例示的なものに過ぎず、当業者であれば、これらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということは分かるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、PDP関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】韓国公開特許第2005−0104003号公報に開示されているPDPの分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るPDPの構造を示す分解斜視図である。
【図3】図2のIII−III線及びIII'−III'線の垂直断面図である。
【図4】図2に示した金属放電電極の拡大斜視図である。
【図5】図2に示した電極シートの変形した構造を示す平面図である。
【図6】図3の変形例に係るPDPの垂直断面図である。
【図7A】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7B】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7C】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7D】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7E】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7F】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7G】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7H】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図7I】PDPの製造方法を工程ステップ別に示す垂直断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るPDPの構造を示す分解斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線及びIX'−IX'線の垂直断面図である。
【図10】図9に示した第1及び第2電極シートの拡大斜視図である。
【図11】図8に示した第1及び第2電極シートの平面図である。
【符号の説明】
【0061】
110,210 前面基板
120,220 背面基板
120`,220` グルーブ
125,225 蛍光体
130,230 第1電極シート
131,141 絶縁層
135,235 第1金属放電電極
135a,235a 放電部
135b,235b 通電部
135c 金属放電電極のコア部分
135t 酸化被膜
140,240 第2電極シート
140a,240a 放電部
140b,240b 通電部
231,241 ブリッジ
160 絶縁性接着剤
S 放電空間
W1 金属放電電極部分
W2 金属放電電極間部分
W3 放電空間部分
PR1 第1 PRマスク
PR2 第2 PRマスク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、
前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を共に形成するための開口を有する複数の電極シートとを備えたプラズマディスプレイパネルであって、
前記電極シートは、
一列に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の金属放電電極と、
前記金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、前記金属放電電極の間に一体に形成され、前記金属放電電極と同種の金属の酸化物で形成された絶縁部材と
を備えていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記金属放電電極は、導電性のアルミニウム素材から形成され、前記絶縁部材は、絶縁性のアルミナから形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記金属放電電極は、外面に沿って酸化被膜が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、
前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を共に形成するための開口を有する第1電極シート及び第2電極シートとを備えているプラズマディスプレイパネルであって、
前記第1電極シートは、
第1方向に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の第1金属放電電極と、
前記第1金属放電電極の間に配置され、前記第1金属放電電極との間に垂直な段差をなし、前記第1金属放電電極と同種の金属の酸化物から形成されて前記第1金属放電電極を相互に絶縁する第1電極シート絶縁層とを備え、
前記第2電極シートは、
第2方向に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の第2金属放電電極と、
前記第2金属放電電極の間に配置され、前記第2金属放電電極との間に垂直な段差をなし、前記第2金属放電電極と同種の金属の酸化物から形成されて前記第2金属放電電極を相互に絶縁する第2電極シート絶縁層とを備えていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
前記第1及び第2金属放電電極は、導電性のアルミニウム素材から形成され、前記第1及び第2電極シート絶縁層は、絶縁性のアルミナ素材から形成されていることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極は、その表面に沿って絶縁性の酸化被膜が形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記第1及び第2金属放電電極は、前記放電空間を取り囲んで放電に直接参加する放電部と、前記放電部を相互に電気的に連結する通電部とを備えていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極は、相互に交差する方向にそれぞれ延びていることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】
前記第1及び第2電極シート絶縁層は、それぞれ前記第1及び第2金属放電電極よりも薄く形成されていることを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】
前記第1電極シート絶縁層の一面は、隣接した前記第1金属放電電極との間に垂直な段差を形成し、前記第1電極シート絶縁層の他面は、隣接した前記第1金属放電電極との間に平坦な面を形成しており、
前記第2電極シート絶縁層の一面は、隣接した前記第2金属放電電極との間に垂直な段差を形成し、前記第2電極シート絶縁層の他面は、隣接した前記第2金属放電電極との間に平坦な面を形成していることを特徴とする請求項4乃至請求項9のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項11】
前記第1電極シート絶縁層の上下両面は、隣接した前記第1金属放電電極と垂直な段差を形成し、
前記第2電極シート絶縁層の上下両面は、隣接した前記第2金属放電電極と垂直な段差を形成していることを特徴とする請求項4乃至請求項9のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項12】
前記第1電極シート絶縁層は、前記第1電極シート上の前記第1金属放電電極が存在しない位置に形成され、
前記第2電極シート絶縁層は、前記第2電極シート上の前記第2金属放電電極が存在しない位置に形成されていることを特徴とする請求項4乃至請求項11のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項13】
前記背面基板には、前記放電空間に対応するように所定間隔をおいて複数のグルーブが形成され、前記グルーブ内には、蛍光体が塗布されていることを特徴とする請求項4乃至請求項12のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項14】
前記前面基板にも蛍光体の塗布領域を区画するためのグルーブが前記放電空間に対応するように形成されていることを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項15】
前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間は、結合を媒介する絶縁性接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項4乃至請求項14のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項16】
相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、
前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を共に形成するための開口を有する第1電極シート及び第2電極シートとを備えているプラズマディスプレイパネルであって、
前記第1電極シートは、
一列に配列された前記放電空間を取り囲む放電部と、前記放電部を相互に電気的に連結する第1電極シート通電部とを備えた第1金属放電電極と、
前記第1金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、隣接する前記第1金属放電電極の間に形成され、前記第1電極シート通電部よりも幅の狭い少なくとも一つの第1電極シートブリッジとを備え、
前記第2電極シートは、
一列に配列された前記放電空間を取り囲む放電部と、前記放電部を相互に電気的に連結する第2電極シート通電部とを備えた第2金属放電電極と、
前記第2金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、隣接する前記第2金属放電電極の間に形成され、前記第2電極シート通電部よりも幅の狭い少なくとも一つの第2電極シートブリッジとを備えていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項17】
前記第1電極シートブリッジ及び前記第2電極シートブリッジは、それぞれ前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極を構成する金属素材の酸化物で形成されていることを特徴とする請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項18】
前記第1及び第2金属放電電極は、導電性のアルミニウム素材から形成され、前記第1及び第2電極シートブリッジは、絶縁性のアルミナ素材で形成されていることを特徴とする請求項16または請求項17に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項19】
前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極は、その表面に沿って絶縁性の酸化被膜が形成されていることを特徴とする請求項16乃至請求項18のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項20】
前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極は、相互に交差する方向にそれぞれ延びていることを特徴とする請求項16乃至請求項19のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項21】
前記第1電極シートブリッジ及び前記第2電極シートブリッジは、それぞれ前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極と直交する方向に延びていることを特徴とする請求項16乃至請求項20のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項22】
前記第1電極シートブリッジは、隣接した前記第1金属放電電極の間に配置され、
前記第2電極シートブリッジは、隣接した前記第2金属放電電極の間に配置されていることを特徴とする請求項16乃至請求項21のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項23】
前記第1電極シートブリッジが前記第1金属放電電極の間に配置され、前記第2電極シートブリッジが前記第2金属放電電極の間に配置され、
前記第1及び第2電極シートブリッジは、隣接した少なくとも二つ以上のブリッジが一つの単位をなして平行に一定間隔をおいて並び、反復して配列されていることを特徴とする請求項16乃至請求項22のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項24】
前記第1電極シートの放電部は、前記第1電極シート通電部が延びる第1方向に通電され、前記第1電極シートブリッジが延びる第2方向に絶縁され、
前記第2電極シートの放電部は、前記第2電極シート通電部が延びる第2方向に通電され、前記第2電極シートブリッジが延びる第1方向に絶縁されていることを特徴とする請求項16乃至請求項23のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項25】
前記背面基板には、前記放電空間に対応するように所定の間隔をおいて複数のグルーブが形成され、前記グルーブ内には、蛍光体が塗布されていることを特徴とする請求項16乃至請求項24のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項26】
前記前面基板にも前記蛍光体の塗布領域を区画するためのグルーブが放電空間に対応するように形成されていることを特徴とする請求項25に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項27】
前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間は、結合を媒介する絶縁性接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項16乃至請求項26のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項28】
前記第1及び第2シートブリッジの単位体積当りの表面積は、前記放電部の単位体積当りの表面積よりも大きいことを特徴とする請求項16乃至請求項27のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項1】
相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、
前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を共に形成するための開口を有する複数の電極シートとを備えたプラズマディスプレイパネルであって、
前記電極シートは、
一列に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の金属放電電極と、
前記金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、前記金属放電電極の間に一体に形成され、前記金属放電電極と同種の金属の酸化物で形成された絶縁部材と
を備えていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記金属放電電極は、導電性のアルミニウム素材から形成され、前記絶縁部材は、絶縁性のアルミナから形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記金属放電電極は、外面に沿って酸化被膜が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、
前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を共に形成するための開口を有する第1電極シート及び第2電極シートとを備えているプラズマディスプレイパネルであって、
前記第1電極シートは、
第1方向に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の第1金属放電電極と、
前記第1金属放電電極の間に配置され、前記第1金属放電電極との間に垂直な段差をなし、前記第1金属放電電極と同種の金属の酸化物から形成されて前記第1金属放電電極を相互に絶縁する第1電極シート絶縁層とを備え、
前記第2電極シートは、
第2方向に配列された前記開口の少なくとも一部を取り囲んで前記放電空間を形成して延び、相互に分離している複数の第2金属放電電極と、
前記第2金属放電電極の間に配置され、前記第2金属放電電極との間に垂直な段差をなし、前記第2金属放電電極と同種の金属の酸化物から形成されて前記第2金属放電電極を相互に絶縁する第2電極シート絶縁層とを備えていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
前記第1及び第2金属放電電極は、導電性のアルミニウム素材から形成され、前記第1及び第2電極シート絶縁層は、絶縁性のアルミナ素材から形成されていることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極は、その表面に沿って絶縁性の酸化被膜が形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記第1及び第2金属放電電極は、前記放電空間を取り囲んで放電に直接参加する放電部と、前記放電部を相互に電気的に連結する通電部とを備えていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極は、相互に交差する方向にそれぞれ延びていることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】
前記第1及び第2電極シート絶縁層は、それぞれ前記第1及び第2金属放電電極よりも薄く形成されていることを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】
前記第1電極シート絶縁層の一面は、隣接した前記第1金属放電電極との間に垂直な段差を形成し、前記第1電極シート絶縁層の他面は、隣接した前記第1金属放電電極との間に平坦な面を形成しており、
前記第2電極シート絶縁層の一面は、隣接した前記第2金属放電電極との間に垂直な段差を形成し、前記第2電極シート絶縁層の他面は、隣接した前記第2金属放電電極との間に平坦な面を形成していることを特徴とする請求項4乃至請求項9のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項11】
前記第1電極シート絶縁層の上下両面は、隣接した前記第1金属放電電極と垂直な段差を形成し、
前記第2電極シート絶縁層の上下両面は、隣接した前記第2金属放電電極と垂直な段差を形成していることを特徴とする請求項4乃至請求項9のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項12】
前記第1電極シート絶縁層は、前記第1電極シート上の前記第1金属放電電極が存在しない位置に形成され、
前記第2電極シート絶縁層は、前記第2電極シート上の前記第2金属放電電極が存在しない位置に形成されていることを特徴とする請求項4乃至請求項11のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項13】
前記背面基板には、前記放電空間に対応するように所定間隔をおいて複数のグルーブが形成され、前記グルーブ内には、蛍光体が塗布されていることを特徴とする請求項4乃至請求項12のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項14】
前記前面基板にも蛍光体の塗布領域を区画するためのグルーブが前記放電空間に対応するように形成されていることを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項15】
前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間は、結合を媒介する絶縁性接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項4乃至請求項14のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項16】
相互に離れて対向配置されている前面基板及び背面基板と、
前記前面基板と前記背面基板との間に積層され、複数の放電空間を共に形成するための開口を有する第1電極シート及び第2電極シートとを備えているプラズマディスプレイパネルであって、
前記第1電極シートは、
一列に配列された前記放電空間を取り囲む放電部と、前記放電部を相互に電気的に連結する第1電極シート通電部とを備えた第1金属放電電極と、
前記第1金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、隣接する前記第1金属放電電極の間に形成され、前記第1電極シート通電部よりも幅の狭い少なくとも一つの第1電極シートブリッジとを備え、
前記第2電極シートは、
一列に配列された前記放電空間を取り囲む放電部と、前記放電部を相互に電気的に連結する第2電極シート通電部とを備えた第2金属放電電極と、
前記第2金属放電電極を相互に支持及び絶縁するために、隣接する前記第2金属放電電極の間に形成され、前記第2電極シート通電部よりも幅の狭い少なくとも一つの第2電極シートブリッジとを備えていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項17】
前記第1電極シートブリッジ及び前記第2電極シートブリッジは、それぞれ前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極を構成する金属素材の酸化物で形成されていることを特徴とする請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項18】
前記第1及び第2金属放電電極は、導電性のアルミニウム素材から形成され、前記第1及び第2電極シートブリッジは、絶縁性のアルミナ素材で形成されていることを特徴とする請求項16または請求項17に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項19】
前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極は、その表面に沿って絶縁性の酸化被膜が形成されていることを特徴とする請求項16乃至請求項18のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項20】
前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極は、相互に交差する方向にそれぞれ延びていることを特徴とする請求項16乃至請求項19のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項21】
前記第1電極シートブリッジ及び前記第2電極シートブリッジは、それぞれ前記第1金属放電電極及び前記第2金属放電電極と直交する方向に延びていることを特徴とする請求項16乃至請求項20のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項22】
前記第1電極シートブリッジは、隣接した前記第1金属放電電極の間に配置され、
前記第2電極シートブリッジは、隣接した前記第2金属放電電極の間に配置されていることを特徴とする請求項16乃至請求項21のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項23】
前記第1電極シートブリッジが前記第1金属放電電極の間に配置され、前記第2電極シートブリッジが前記第2金属放電電極の間に配置され、
前記第1及び第2電極シートブリッジは、隣接した少なくとも二つ以上のブリッジが一つの単位をなして平行に一定間隔をおいて並び、反復して配列されていることを特徴とする請求項16乃至請求項22のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項24】
前記第1電極シートの放電部は、前記第1電極シート通電部が延びる第1方向に通電され、前記第1電極シートブリッジが延びる第2方向に絶縁され、
前記第2電極シートの放電部は、前記第2電極シート通電部が延びる第2方向に通電され、前記第2電極シートブリッジが延びる第1方向に絶縁されていることを特徴とする請求項16乃至請求項23のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項25】
前記背面基板には、前記放電空間に対応するように所定の間隔をおいて複数のグルーブが形成され、前記グルーブ内には、蛍光体が塗布されていることを特徴とする請求項16乃至請求項24のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項26】
前記前面基板にも前記蛍光体の塗布領域を区画するためのグルーブが放電空間に対応するように形成されていることを特徴とする請求項25に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項27】
前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間は、結合を媒介する絶縁性接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項16乃至請求項26のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項28】
前記第1及び第2シートブリッジの単位体積当りの表面積は、前記放電部の単位体積当りの表面積よりも大きいことを特徴とする請求項16乃至請求項27のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−98150(P2008−98150A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223122(P2007−223122)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
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