説明

プラズマ処理装置

【課題】大気圧近傍の圧力雰囲気下において、ダメージフリーで被処理基材の洗浄、改質処理を行うプラズマ生成用電極を提供する。
【解決手段】被処理基材6に対して平行に配置される一対の平板電極1,2間に交番電界を印加して、放電プラズマを生成せしめるプラズマ生成用電極において、被処理基材6に近い側の電極を多数のガス吹出し部を設けた接地電極1とし、放電プラズマで生成した反応ガスを被処理基材へ照射する構造とし、かつ、接地電極1上部に一定の間隙を隔てて配置される高圧電極2の金属面が、被処理基材6とは直接対向しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス、金属、半導体、プラスチック、繊維表面等のプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から大気圧近傍圧力下で、一対の対向電極間に立ち上がりの速いパルス状電界を印加することで生成したプラズマによる被処理基材の表面処理が行われている(特許文献1参照)。
【0003】
このような手法は、電極間で生成される放電プラズマが、フィラメント状のアーク放電に移行する前に放電を維持する電界を休止させることで、空間的に均一なグロー状の放電プラズマを生成するものであるが、被処理基材が直接放電プラズマの電界中に曝されるため、特に部分的に導電性パターニングされたガラスや半導体形成された基板では、電界によるチャージアップダメージを引き起こすといった事例が数多く存在した。
【0004】
また、別の方法として、一対の対向電極間にプラズマを生成し、そのプラズマをプラズマ発生空間外に吹き付けて被処理基材を処理するリモート方式の処理手法が提案されているが、このようなリモート処理方式でも、一対の電極の間隙からの漏れ電磁界によって、被処理基材の帯電や静電ダメージを生ずる恐れがあった(特許文献2参照)。
【0005】
さらに、このようなプラズマ装置の応用用途としては、近年大型化が進んでいる液晶、PDP、有機ELなどのフラットパネルディスプレイ用基板の洗浄や表面改質が挙げられるが、上記のような処理基材へのダメージの問題に加え、大型化する基板に対応して、プラズマ生成用電極を新たに大型化するコスト的に大きな問題があった。
【特許文献1】特開平10−154598号公報
【特許文献2】特開2003−338398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ダメージフリーで被処理基材の洗浄、改質処理を行うプラズマ生成用電極、および、被処理基材の寸法、材質に応じて容易にその処理面積を変更可能なプラズマ処理装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面は、平板状の被処理基材に対して一定の間隔を経て平行配置される一対の平板電極を備え、大気圧近傍圧力雰囲気下で一対の平板電極間に交番電界を印加して放電プラズマを生成せしめ、プラズマ内の反応ガスを被処理基材に作用させるプラズマ処理装置であって、被処理基材に近い側の電極を接地電極とし、かつ、他方の側の高圧電極面が被処理基材とは直接対向しないように配置されるプラズマ処理装置である。さらに、接地電極に多数のガス吹出し孔を設けるとともに一対の平板電極間を一体化することによって1つの電極ユニットを構成し、電極ユニット内部で生成した放電プラズマ内の反応ガスを多数のガス吹出し孔から被処理基材へ吹き付ける構成とした。
【0008】
また、上記第1の側面において該一対の平板電極の一方である接地電極が金属単体、若しくは固体誘電体が密着された金属、他方の高圧電極は固体誘電体に密着配置された金属からなり、一対の平板電極間における固体誘電体の厚みを0.1mm〜10mm、及び比誘電率が5〜200の範囲内の材質で構成した。さらに、固体誘電体の厚みを0.5mm〜2mmとするのが望ましい。また、多数のガス吹出し孔の各々の孔径が0.1mm〜5mmの範囲内であり、多数のガス吹出し孔の配列について、長手方向が5mm〜300mmの範囲内の任意の位置に配置される構成とした。
【0009】
さらに、上記第1の側面において、高圧電極と接地電極間に配置された固体誘電体を備え、固体誘電体には接地電極側に貫通するガス導入孔が設けられ、固体誘電体は外周部に設けられた枠領域及びガス導入孔が設けられるガス導入孔領域を残して他の領域が陥没した形状を有し、高圧電極が他の領域の少なくとも一部分に略一致する形状を有するとともに、他の領域に挿入される構造とした。
【0010】
また、上記第1の側面において、高圧電極が放電ガスの供給流路となる一方向のガス流通方向に対して少なくとも2系統以上の空隙を介して分割され、2系統のガス供給路のうち少なくとも1系統のガス供給流路に主放電ガスとは異なる種類の補助ガスが供給される構成とした。ここで、主放電ガスが窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン若しくはキセノンの何れか1種類又はこれらの混合ガスから選ばれる希ガスであり、補助ガスが酸素単体又は酸素を主成分とする気体であり、補助ガスの供給量が主放電ガスの供給量の0.01〜1wt%の範囲内となるようにした。さらに、ガス供給流路を形成する空隙に、供給ガスの逆流防止機構を具備した。
【0011】
ここで、一対の平板電極間に印加される交番電界の周波数を1k〜100MHzとして、一対の平板電極間に印加される電界強度を0.1k〜5kV/mmとし、かつ、電極単位面積当たりの投入電力を0.05〜10W/mmとした。
【0012】
またさらに、上記第1の側面において、接地電極に多数のガス吹出し部を設けるとともに一対の平板電極間を一体化することによって構成された電極ユニットを複数備え、各電極ユニットについて、電極ユニット内部で生成した放電プラズマ内の反応ガスを多数のガス吹出し孔から被処理基材へ吹き付けるよう構成し、被処理基材がガス吹出し孔の下部を通過するように搬送される場合に、複数の電極ユニットに亘って配された吹出し孔が被処理基材の搬送方向から見て均一に配列されるようにした。
さらに、電極ユニット各々に対して独立して交番電界を印加するための複数の電源、及び各電源の出力周波数又は出力電力を制御する制御手段を備え、各電源の出力位相、出力周波数及び/又は出力電力が等しくなるように制御手段によって制御するようにした。
【0013】
また、電極ユニット各々に対して独立して交番電界を印加するための複数の電源、及び各電源の出力周波数又は出力電力を制御する制御手段、各々の平板電極間で生成されるプラズマからの特定波長の発光を受光する受光モニター、及び受光モニターで受光された発光強度を制御手段へ演算フィードバックするフィードバック手段を備え、発光強度が所定の範囲の値になるように各電源の出力を制御する構成とした。ここで、受光モニターによってモニターされる受光の波長域を200nm〜1000nmとした。
また、電極ユニット各々に対して独立して交番電界を印加するための複数の電源、及び各電源の出力周波数又は出力電力を制御する制御手段、各々の平板電極間で発生する電界強度を測定する検出器、及び検出器で検出された電界強度を制御手段へ演算フィードバックするフィードバック手段を備え、電界強度が所定の範囲の値になるように各電源の出力を制御するようにした。
【0014】
さらに、上記第1の側面において、一対の平板電極各々の温度を20〜100℃に保持する温度調節機構を具備した。
【0015】
本発明の第2の側面は、接地電極及び高圧電極からなる少なくとも一対の平板電極、並びに平板状の被処理基材を搬送する搬送手段を備えたプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法であって、少なくとも一対の平板電極によって大気圧近傍圧力雰囲気下で電極間に主放電ガスおよび補助ガスが供給された後、交番電界を印加して放電プラズマを生成するステップ、生成した放電プラズマ内の反応ガスを接地電極に設けられた複数のガス吹出し孔から吹き付けるステップ、及び搬送手段によって被処理基材をガス吹出し孔近傍に通過させるとともに被処理基材を高圧電極に直接対向しないように搬送するステップからなるプラズマ処理方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、一対の電極の間隙からの漏れ電磁界による処理基材へのダメージを効果的に防止する信頼性の高いプラズマ処理装置を提供することができる。
また、一対の電極間のアーク放電による電極の破損を効果的に防止する構成を簡単な構造で得ることができるので生産性を向上することができる。
さらに、複数の電極ユニットを用いて大型の処理基材を処理する場合や、複数の処理基材を複数回にわたって処理する場合でも、均一かつ再現性の高い処理が可能となり、処理精度を高めることができる。
またさらに、上記のような効果を特殊な電源や装置を用いることなく達成できるので、低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係るプラズマ生成用電極およびプラズマ処理装置は、大気圧近傍圧力下において、一対の平板電極間に交番電界を印加して、放電プラズマを生成せしめるプラズマ生成用電極に対して被処理基材が平行に配置され、被処理基材に近い側の電極を多数のガス吹出し部を設けた接地電極とし、放電プラズマで生成した反応ガスを被処理基材へ吹き付ける構造とし、かつ、接地電極上部に一定の間隙を隔てて配置される高圧電極金属面が、被処理基材とは直接対向しないようにすることで被処理基材の帯電およびダメージを低減する。また、一対の平板電極で構成される電極ユニットを複数、任意の位置に配列することで、異なる寸法や異なる表面状態の被処理基材に応じて、目的とする表面処理を容易に変更可能である。また、プラズマからの発光を制御電源にフィードバックし、電源出力を一定に調整する機構が具備されており、分割された電極ユニットにおいても常に再現性の高い、安定した処理を行えるようにするものである。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
【0018】
実施例1.
図1から図3は、実施例1に係る電極ユニットの構成を示す図である。図1は電極ユニットの構成を説明する鳥瞰図、図2(a)は電極ユニットを長手方向に対して垂直に切る断面図、図3は電極ユニットの上面図である。
図1に示すように、電極ユニットは接地電極1、高圧電極2、固体誘電体3及びスペーサ4からなる。接地電極1は複数のガス吹出し孔1aを有し、固体誘電体3には3系統のガス導入孔3a、3b及び3cがガス導入部3e、3f及び3gにそれぞれ複数個設けられている。固定誘電体3はセラミック等で形成され、外周の枠部3dと各ガス導入孔が形成されるガス導入部3e、3f及び3gの高さが残りの部分(底面)に対して高くなっている。言い換えると、固体誘電体3は枠部3dとガス導入部3e、3f及び3g以外の部分が窪んだ形状を有している。そして、図3に示すように、高圧電極2がこの窪んだ部分の形状に略一致する形状を有している。
【0019】
図2(a)に示すように、接地電極1の上にスペーサ4によって所定の間隔を開けて固体誘電体3が配置され、上記で説明したように固体誘電体3によって画定される配置に高圧電極2が配置され、接地電極1と高圧電極2が一対の平板電極を構成している。そして、接地電極1と高圧電極2が電源5に接続される。尚、被処理物への金属飛散が問題となるような表面処理においては、接地電極1の放電面および複数のガス吹出し孔1aを固体誘電体で形成した図2(c)に示すような構造を選択することも可能である。
3系統のガス導入孔3a、3b及び3cから導入されるガスは高圧電極2と接地電極1によって形成される空間、厳密には固体誘電体3と接地電極1との間に形成される空間で励起されるとともに合流され、複数のガス吹出し孔1aを通って接地電極1の下部を通過する被処理基材6に吹き付けられる。被処理基材6の材質は、ガラス、金属、半導体、プラスチック、繊維等であればよい。
【0020】
次に動作について説明する。
まず、放電ガスがガス導入孔3a、3b及び/又は3cから導入される。一方、接地電極1と高圧電極2間には交番する高電圧が印加され、導入されたガスは、接地電極1と高圧電極2の間の空間を通過する際、両電極間の電界によって励起されてプラズマが発生する。このプラズマ内の反応ガスがガス吹出し孔1aから、その下部を搬送機構7によって矢印の方向に搬送される被処理基材6に吹き付けられ、被処理基材6が処理される。この構成によると、被処理基材6の搬送過程で、被処理基材6が高圧電極2と対向する瞬間がない。
【0021】
図2(a)に示すように、本実施例では、高圧電極2と被処理基材6との間に接地電極1が介在する構成、即ち、直接対向しない構成となっている。この構成により、高圧電極2と接地電極1との間に発生する電界やグロー放電(最悪の場合はアーク放電)による影響が被処理基材6へ及ばないようにしてダメージフリーの構成となっている。また、低電位側の電極である接地電極1が接地されているため、被処理基材6を含む空間に接地電極1と対地間で電界が発生することもなく、処理の信頼性をより高める構成となっている。
【0022】
本実施形態においては、ガス導入部を3系統設け、3系統のうちの少なくとも1系統からは主放電ガスとなる希ガスが導入される。なお、用いる希ガスは窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン若しくはキセノンの何れか1種類又はこれらの混合ガスから選択される。ランニングコストと入手性の良さを考慮すると、選択される希ガスは、望ましくは窒素、アルゴン、およびこれらの混合ガス、より望ましくは窒素である。
他の系統からは主放電ガスとは異なる補助ガスが導入される。補助ガスには酸素単体又は酸素を主成分とする気体が用いられ、補助ガスの供給量が希ガスの供給量の0.01〜1wt%の範囲内であるのが望ましい。さらに、主放電ガス又は補助ガスの少なくとも何れか一方を混合前に個別に励起することが望ましい。主放電ガスと補助ガスとを混合して同時に電極間に供給すると、一方のガス種が十分励起されず、電極から吹き出すガスの反応性が低下し、処理時間が長くなってしまう恐れがある。また、これを改善するためには高出力電源が必要となり、装置コストが非常に高価なものになる不利益がある。このため、本実施例においては、主放電ガス又は補助ガスがその導入孔に最も近い電極間空間で一旦励起された後、他の系統から供給するガスに混合される。この際、酸素を主成分とする補助ガスは、交番電界による直接的な励起、イオン化、又は準安定励起状態の希ガスとの弾性衝突、非弾性衝突によって、さらに高いエネルギーの励起、電離状態の酸素原子、酸素分子、又は、不対電子を有する酸素ラジカル等の活性状態になり、高い反応性を有する活性ガスとして、吹出し孔1aから被処理基材に向かって吹き付けられるように構成されている。尚、図2(c)に示すように、接地電極をガス導入孔側方にも配置し、主放電ガスと補助ガスを分割した個別の電極で各々励起した後、混合するような構成を選択することも可能である。
【0023】
さらに、上記のように主放電ガスと補助ガスはその流入量に差があることから、ガスを合流する際、流入量の多いガスが他のガスの流路に逆流する恐れがあるため、図2(a)の一部分の拡大図である図4に示すように、各流路に弁等の逆流防止機構8を設けることが望ましい。
【0024】
固体誘電体3は接地電極1と高圧電極2間の放電がアーク放電に移行しないようにするためのものである。従って、固体誘電体3は接地電極1と高圧電極2との間に介在するように配置すればよいが、本実施形態においては、さらに、枠部3dによって高圧電極2から接地電極1へ固体誘電体3の表面を介して回り込む沿面ブレークダウンによるアーク放電を防止している。また、ガス導入部3e、3f及び3gを所定の高さにすることによって高圧電極2からガス導入孔3a、3b及び3c表面を介して接地電極1に到達する沿面放電を防止している。このように、固体誘電体3の形状を機能的に形成することによって、より完全に不要な沿面放電を防止して電極の破損を防止することができる。また、固体誘電体3の製造工程を考えた場合、直方体の固体誘電体にガス導入孔を貫通し、枠部3dとガス導入部3e、3f及び3gを残して他の部分を削り加工するだけで固体誘電体3が形成されることから、本実施例に示す固体誘電体3は製造が容易である。さらに、高圧電極2と固体誘電体3との組立工程を考えた場合、高圧電極2を固体誘電体3の形状に誘導的に挿入するだけでよいので、この組み立てにおいても生産性がよいという利点がある。
【0025】
なお、本実施例においては固体誘電体3に高圧電極2を挿入するための陥没部を形成するようにしたが、図2(b)に示すように、高圧電極が埋没されるように、挿入後の高圧電極2の上部が固体誘電体や絶縁部材で覆われる構成にしてもよい。
【0026】
電極ユニットの各部寸法は以下の観点から決定されることが望ましい。
まず、固体誘電体3の底部の厚みについて、アーク防止効果又は電極間の電界による誘電体層の破壊防止の観点から少なくとも0.1mm以上の厚みが必要になる。さらに、より信頼性を高めるために0.5mm以上であることが望ましい。また、この厚みが大きくなると電極間に印加すべき電圧が増加する。ここで、入手できる電源構成やその他の部材の信頼性の観点から、この厚みは10mm以下である必要がある。さらに、より出力の小さい安価な電源(例えば、出力電力1.5kW以下)、トランス(出力電圧20kV以下)で構成する場合、この厚みは2mm以下であることが望ましい。
固体誘電体3の比誘電率は5〜200の範囲であれば所望のアーク防止特性を得られる。このような範囲の中でも誘電損による発熱ロスや耐プラズマ性の観点から、比誘電率10程度のアルミナが特に好ましい。
【0027】
次に、ガス吹出し孔1aの孔径について、充分なガス流通を得るためにφ0.1以上が望ましく、放電電界の漏れによる基材の損傷を防止するためにはφ5以下であることが望ましい。また、全体の配列における長手方向の長さについて、実用上、一般的な被処理基材6の大きさを考慮した場合に、処理効率を上げるためには10mm以上であることが望ましく、1つの電極ユニットに印加する電力を妥当な範囲内(例えば、1.5kW以下)にするために300mm以下であることが望ましい。なお、実施例の図面においては、複数のガス吹出し孔はその列において一直線上に配置されているが、例えば、1つおきにオフセットするようなジグザグ状に配置したり複数列に配列したりするなど、その配置は吹出しの均一性を保つ範囲で適宜変更可能である。
【0028】
なお、高圧電極2の端部に電荷が集中しないようにするため、図1に示すように、端部の肉厚をその他の部分よりも薄くしている。また、この肉厚の薄い部分に電源からのリード線を接続する端子が設けられるので、端部の肉厚が薄いことは端子を設ける加工を容易にでき、端子エッジ部による電荷集中を防止できる利点もある。
【0029】
電極間に印加される電界の周波数については以下の考察がなされる。ここで、現実の実施を考えた場合、一例として、図5のような電源構成が考えられる。同図に示すように、電源5は電圧源5aとトランス5bからなる。電圧源5aで発生させた所望の周波数の交番電圧をトランス5bにより昇圧し、電極ユニットの接地電極1と高圧電極2に印加する。一般に印加される交番電界の周波数は、より高い方がプラズマ密度を増加することができ、プラズマでの電力消費を効率よく得ることができる。しかし、ある周波数を超えると、トランス及びその他の部材(特にトランス)のインピーダンスを補償するインピーダンスマッチングの回路が必要になってしまう。また、高周波・高電圧(高電力)に対応するトランスは非常に高価なものであるため、装置全体のコストが増大してしまう。上記の観点から、一般に入手できる電圧源やトランスを用いて装置を構成する場合、電極間に印加される電界の周波数(即ち、電源5の出力周波数)が、1k〜100MHzの範囲内であることが望ましい。
【0030】
電極間に印加される電界の電界強度は、0.1k〜5kV/mmの範囲内であることが望ましい。設定される電界強度は、電極間距離、固体誘電体の厚みなどの物理的条件や、実施される表面処理によって適宜決定されるが、電界強度が0.1kV/mm未満であると、電極間に供給されるガスが十分励起されないため、放電自体の持続が困難となる場合があり、5kV/mmを超えるとアーク放電が発生し易くなる。また、電極単位面積の投入電力は0.05〜10W/mmであることが望ましい。投入電力が0.05W/mm未満では活性な反応ガスを生成できず、搬送される基材に対して十分な処理を行うことができない場合があり、10W/mmを超える電力を投入しても、それ以上の処理効果が得られないためである。
【0031】
次に、電源及び処理基材搬送を含めた具体的態様の例を示す。電源5を出力周波数20kHz、出力電力500Wとし、一方の供給流路からは純窒素30リットル/分、他方のガス供給路からは純酸素を0.003リットル/分の流量で供給し、電極間にプラズマ生成を行った。
そして、電極ユニット下部にCorning社製#1737アルミノシリケートガラスを照射距離3mmの位置に、搬送速度2m/分のコンベア(搬送手段)で搬送し、処理を行った。
【0032】
その結果、未処理基材の接触角が42.5であったのに対し、処理後は4.5℃と高速で良好な濡れ性改善処理が達成された。なお、接触角とは、固体表面に液体を滴下したとき、液層が固体表面を覆う、即ち、濡れの状態を表す指標であり、固体表面と液体表面接線のなす角のことをいう。この接触角は、一般的に接触角計を用いて測定され、純水による固体表面の濡れを定量的に表す量として用いられる。
【0033】
他の具体例を示す。電源5を出力周波数2MHz、出力電力200Wとし、一方の供給流路からはアルゴン20リットル/分、他方のガス供給路からは純酸素を0.001リットル/分の流量で供給し、電極間にプラズマ生成を行った。
そして、電極ユニット下部にCorning社製#1737アルミノシリケートガラスを照射距離5mmの位置に、搬送速度3m/分のコンベア(搬送手段)で搬送し、処理を行った。
その結果、未処理基材の接触角が42.5度であったのに対し、処理後は接触角が7.6°まで減少し、良好な濡れ性改善処理が達成された。
【0034】
以上より、製造容易でかつ信頼性の高いプラズマ処理装置を構成することができるとともに、処理基材に対してダメージフリーとして良好な処理性能を得ることができる。
【0035】
実施例2.
実施例1では単一の電極ユニットで基材の処理を行う例を示したが、本実施例においては複数の電極ユニットを用いてプラズマ処理装置を構成する例を示す。大型の処理基材を処理する場合、原理的には電極ユニット自体を大型にすれば処理は可能である。しかし、現実の実施を考慮した場合、実施例1において吹出し孔の配列の長さに関して説明したように、電極ユニットに印加できる電力がある範囲を超えると一般に入手できる電源(例えば、定格出力1.5kW程度かそれ以下)で装置を構成することはできず、装置全体が非常に高価なものとなってしまう不利益がある。そこで、本実施例においては、電極ユニットを小分けし、言い換えると、複数の電極ユニットを配列し、各電極ユニットに対して一般に入手できる程度の出力電力の電源を接続する構成とした。
【0036】
図6は複数の電極ユニット11〜17を配列したものを示す。比較的大型の被処理基材18を電極ユニット11、13、15及び17からなる第1の配列と12、14及び16からなる第2の配列の下部を矢印の方向に搬送する。処理基材の進行方向から第1及び第2の配列を見た場合、第2の配列における電極ユニット12、14及び16が吹き付けできない部分を、第1の配列における電極ユニット11、13、15及び17が吹き付ける構成となっている。厳密には、処理基材の進行方向から見た吹出し孔の配列に着目すると、各電極ユニットに属する多数の吹出し孔が、処理基材18の搬送方向から見て均一に配置される構成としている。これにより、大型な処理基材18に隙間なく吹き付けを行うことができ、処理の均一性を確保できる。
【0037】
図7は各電極ユニットに対する電源構成を示す図である。なお、説明の便宜のため、3つの電極ユニットについてブロック図を示すが、電極ユニットの数はいくつであってもよい(例えば、図6に適用する場合は7個となる)。また、個々の電極ユニットの構成及び動作並びに個々の電源の動作は実施例1のものと同様であるので説明を省略する。各電極ユニット21、22及び23に対してそれぞれ個別の電源24、25及び26が接続され、電源24、25及び26に対して1つの制御回路27が接続されている。制御回路27は電源24、25及び26の出力周波数、出力波形の位相及び/又は出力電力を同一にするように制御するものである。
【0038】
これにより、各電極ユニット21、22及び23の電極間に発生する電界位相、電界強度及び印加電力がほぼ同一のものとなり、処理対象が各電極ユニットに跨る大型処理基材に対しても均一な処理が可能となる。
【0039】
実施例3.
実施例2においては、オープンループで電源を制御するものを示したが、実施例3においては、フィードバックを用いてより処理精度や再現性を高める例を示す。
図8は各電極ユニットに対する電源構成を示す図である。電極ユニット21、22及び23、並びに電源24、25及び26は実施例2のものと同様であるので説明を省略する。受光モニター28、29及び30が各電極ユニット21、22及び23にそれぞれ設けられ、それぞれの電極ユニットにおける電極間で生成されるプラズマからの特定波長の発光を受光する。ここで、受光モニターによってモニターされる受光の波長域は200nm〜1000nmとする。各受光モニターは受光した発光強度を、フィードバック回路31を介して制御回路27へフィードバックする。このフィードバックによって特定波長の発光強度が所定の範囲内になるように各電源の出力が制御される。尚、この特定波長の発光強度とは、各種文献等から既知の単一スペクトル、もしくは、複数スペクトル発光のピーク強度を意味している。このような既知スペクトルとしては、例えば、窒素の第2正帯バンドスペクトル、なかでも振動励起準位(0,0)遷移に伴う337.1nmの波長光などが利用できるが、上記波長範囲内であれば特に限定されず、目的に応じて任意に選択可能である。さらに、ここでは、図示されないが、放電による受光部の破損や消耗を防止する目的で、電極部の一部には石英やサファイア、もしくは、各種のフッ素化合物、酸化物、窒化物などから選ばれる固体結晶、または非晶質体の窓が設けられている。この窓には上記の材質をそのまま用いる以外に、その表面に単層または2層以上の多層薄膜を形成することでバンドパスフィルターの機能をもたせ、特定波長域のみを透過させるようにしたものを用いることが可能である。
【0040】
なお、フィードバック回路31はエラーアンプのような電気回路的な帰還回路であってもよいし、メモリに記憶された参照テーブルによって入力発光強度から指令出力電力を導出するような計算機であってもよい。
【0041】
上記の構成により、電極ユニットを多数配列しても、各電極ユニット間でのプラズマの発生状態のばらつき、及び各電極ユニットについての経時的なばらつきをなくすことができる。これにより、処理対象が各電極ユニットに跨る大型処理基材に対しても均一な処理が可能となるとともに、複数の処理基材を処理する場合でも処理の再現性を確保することができる。しかも、特殊な電源を用いることなく安価に装置全体を構成できる。
【0042】
また、本実施例の構成では大型の処理基材を処理することができる一方、中型の大きさの処理基材を搬送したり、小型の処理基材を数列に分けて搬送したりする場合にも使用できる。この場合、処理したい領域を覆う電極ユニットのみを動作させればよいので、無駄なガスや電力を投入しなくても済む。従って、処理基材のサイズや数量に合わせて各電極ユニットの動作/停止をすればよいので、種々のサイズの処理基材に柔軟に対応することができる。
また、本実施例の本来の目的は処理の均一性や再現性を確保することであるが、各電極ユニットに対してフィードバック系が構成されているので、本来の目的とは逆に電極ユニット間で異なる制御を自在に適用することもできる。即ち、複数列で搬送される処理基材に対して、異なる印加電界、印加周波数等の異なる処理を施すこともできる。
【0043】
実施例4.
実施例3では受光モニターの使用により、発生しているプラズマの特定波長における受光強度をフィードバックする構成としたが、電極間で発生している電界をフィードバックする構成としてもよい。図8における受光モニター28、29及び30の代わりに電界強度検出器を設け、それぞれの電極ユニット21、22及び23における電極間で発生する電界強度を測定する。この電界強度の測定値をフィードバック回路31を介して制御回路27へフィードバックすることによって各電極ユニットの電極間電界が所定値になるように各電源の出力が制御される。
【0044】
上記の構成により、実施例2の場合と同様に、電極ユニットを多数配列しても、各電極ユニット間でのプラズマの発生状態にばらつき及び経時的ばらつきをなくして、処理の均一性及び再現性を確保することができる。
【0045】
実施例5.
実施例3及び4では、電源の出力を適切に制御するものを示したが、本実施例では電極ユニットの温度を適切に制御する実施例を示す。
一般に、電極ユニットを構成する電極の温度が100℃を超えると電極間でアーク放電が発生しやすくなり、固体誘電体が破損する恐れがある。従って、その温度を100℃以下に維持するのが望ましく、更にアーク放電回避の確実性を増すために50℃以下に維持するのが望ましい。また、その温度が20℃を下回る場合は電極に結露が発生しやすくなるため、それを20℃以上とするのが望ましい。
【0046】
図9は本実施例によるプラズマ処理装置のブロック図を示すものである。図において電極ユニット21及び電源24は実施例2〜4のものと同様である。温度センサ32が電極ユニット21に設けられ、電極ユニット21を構成する部材の何れかの温度を測定し、その測定値を制御回路33に入力する。制御回路33は入力値に応じて温度調整機構34の運転状態を決定する。制御回路33からの出力に応じて温度調節機構34が電極ユニット21を冷却若しくは加熱するか、又は運転しない。制御回路33において、温度センサ32がいずれかの電極の温度を直接測定する場合はその温度に基づいて、又は間接的に(例えば、固体誘電体3の温度を)測定する場合は対応する換算された電極の温度に基づいて温度制御機構34への命令を決定する。本実施例では、測定された又は換算されたいずれかの電極の温度が100℃を超えた場合、温度制御機構34は電極ユニットを冷却するよう動作し、20℃を下回った場合は加熱するように動作する。また、測定された又は換算されたいずれかの電極の温度が50℃を超えた場合に電極ユニットを冷却するよう動作させてもよい。さらに、20℃以上100℃以下の所望の温度でほぼ一定になるようにフィードバック制御してもよい。
【0047】
なお、各部温度の測定方法は接触(例えば、熱電対やサーミスタによる検知等)又は非接触(例えば、赤外線による検知等)を問わずどのようなものであってもよい。また、冷却/加熱方法は、対流(例えば、冷風/温風による空調等)又は熱伝導(冷水/温水パイプの接触による放熱等)等どのようなものであってもよい。また、温度センサを設けずに、電極ユニットをフィードフォワード的に冷却又は加熱してその温度が略一定になるようにしてもよい。
【0048】
上記の構成により、電極ユニット内の温度を適切に維持し、アーク放電や結露を確実に防止することができる。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内において、例えば以下のように変更することも可能である。
(1)上記実施例においては、ガス吹出し孔1aを2系統にしてある都合、ガス導入系を3系統としたが、系統数の増減は適宜変更可能である。
(2)実施例1においては、図10(a)に示すように直方体の電極ユニットにガス吹出し孔を直線的に配列するようにしてもよいし、図10(b)に示すように電極ユニットを円筒形状にしてガス吹出し孔1aを接地電極面の円周上に配列してシャワーヘッド型としてもよい。また、図示したようにガス吹出し孔を円周全域に配置してもよいし、半円又は円弧の一部に配列するようにしてもよい。
(3)図6において、各電極ユニットを2列に配列する構成を示したが、処理基材の搬送方向から見て隙間なく吹出し孔が配置されていれば、3列以上に分けて電極ユニットを配置してもよい。
(4)実施例3及び4では複数の電極ユニットについて各種特性をフィードバックする例を示したが、単体の電極ユニット使用時に同様のフィードバックを用いて処理精度を高めてもよい。
(5)上記各実施例における交番電界の波形は、高圧トランス、負荷との共振によって容易に得られる正弦波を想定しているが、矩形波、三角波、パルス波、又はその他の合成波形であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施例によるプラズマ処理装置に用いる電極ユニットを示す鳥瞰図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図1の上面図である。
【図4】図2の一部分の拡大図である。
【図5】一般的な電源構成を説明する図である。
【図6】本発明の第2の実施例の電極ユニットの配置を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例によるプラズマ処理装置のブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施例によるプラズマ処理装置のブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施例によるプラズマ処理装置のブロック図である。
【図10】本発明のガス吹出し孔側から見た電極ユニットを示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1.接地電極
1a.吹出し孔
2.高圧電極
3.固体誘電体
3a−c.ガス導入孔
3d.枠部
3f−g.ガス導入部
4.スペーサ
5.電源
6.被処理基材
7.搬送機構
8.逆流防止機構
11−17.電極ユニット
18.被処理基材
21−23.電極ユニット
24−26.電源
27.制御回路
28−30.受光モニター
31.フィードバック回路
32.温度センサ
33.制御回路
34.温度調節機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の被処理基材に対して一定の間隔を経て平行配置される一対の平板電極を備え、大気圧近傍圧力雰囲気下で該一対の平板電極間に交番電界を印加して放電プラズマを生成せしめ、該プラズマ内の反応ガスを該被処理基材に作用させるプラズマ処理装置であって、
該被処理基材に近い側の電極を接地電極とし、かつ、他方の側の高圧電極面が該被処理基材とは直接対向しないように配置され、該接地電極に多数のガス吹出し孔を設けるとともに該一対の平板電極間を一体化することによって1つの電極ユニットを構成し、該電極ユニット内部で生成した放電プラズマ内の反応ガスを該多数のガス吹出し孔から該被処理基材へ吹き付ける構成としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
請求項1記載のプラズマ処理装置において、該一対の平板電極の一方である接地電極は金属単体、又は、固体誘電体が密着された金属、他方の高圧電極は固体誘電体に密着配置された金属からなり、該一対の平板電極間における該固体誘電体の厚みが0.1mm以上10mm以下、及び比誘電率が5以上200以下の範囲内の材質であることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項3】
請求項1記載のプラズマ処理装置において、該多数のガス吹出し孔の各々の孔径が0.1mm以上5mm以下の範囲内であり、該多数のガス吹出し孔の配列について、長手方向が5mm以上300mm以下の範囲内の任意の位置に配置されることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項4】
請求項1記載のプラズマ処理装置であって、さらに、該高圧電極と該接地電極間に配置された固体誘電体を備え、
該固体誘電体には該接地電極側に貫通するガス導入孔が設けられ、
該固体誘電体は外周部に設けられた枠領域、及び該ガス導入孔が設けられるガス導入領域を残して他の領域が陥没した形状を有し、
該高圧電極が該他の領域の少なくとも一部分に略一致する形状を有するとともに、該他の領域に挿入される構造であることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項5】
請求項1記載のプラズマ処理装置において、該高圧電極が放電ガスの供給流路となる一方向のガス流通方向に対して少なくとも2系統以上の空隙を介して分割され、該2系統のガス供給路のうち、少なくとも1系統のガス供給流路に主放電ガスとは異なる種類の補助ガスが供給され、さらに該ガス供給流路を形成する空隙に供給ガスの逆流防止機構が具備されたことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項6】
請求項5記載のプラズマ処理装置において、該主放電ガスが窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン若しくはキセノンの何れか1種類又はこれらの混合ガスから選ばれる希ガスであり、該補助ガスが酸素単体又は酸素を主成分とする気体であり、該補助ガスの供給量が該主放電ガスの供給量の0.01wt%以上1wt%以下の範囲内であることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6いずれか一項に記載のプラズマ処理装置において、該一対の平板電極間に印加される交番電界の周波数が1kHz以上100MHz以下であることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7いずれか一項に記載のプラズマ処理装置において、該一対の平板電極間に印加される電界強度が0.1kV/mm以上5kV/mm以下であり、かつ、電極単位面積当たりの投入電力が0.05W/mm以上10W/mm以下であることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項9】
請求項1記載のプラズマ処理装置であって、該接地電極に多数のガス吹出し部を設けるとともに該一対の平板電極間を一体化することによって構成された電極ユニットを複数備え、
各電極ユニットについて、該電極ユニット内部で生成した放電プラズマ内の反応ガスが該多数のガス吹出し孔から該被処理基材へ吹き付けられるよう構成され、
該被処理基材が該ガス吹出し孔の下部を通過するように搬送される場合に、該複数の電極ユニットに亘って配された吹出し孔が、該被処理基材の搬送方向から見て均一に配列されることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項10】
請求項9記載のプラズマ処理装置であって、さらに、
該電極ユニット各々に対して独立して交番電界を印加するための複数の電源、及び各電源の出力周波数又は出力電力を制御する制御手段を備え、
各電源の出力位相、出力周波数及び/又は出力電力が等しくなるように該制御手段によって制御されることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項11】
請求項10記載のプラズマ処理装置であって、さらに、該電極ユニット各々に対して独立して交番電界を印加するための複数の電源、及び各電源の出力周波数又は出力電力を制御する制御手段、各々の該平板電極間で生成されるプラズマからの特定波長の発光を受光する受光モニター、及び該受光モニターで受光された発光強度を該制御手段へ演算フィードバックするフィードバック手段を備え、該発光強度が所定の範囲の値になるように各電源の出力が制御されることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11いずれか一項に記載のプラズマ処理装置であって、さらに、該一対の平板電極各々の温度を20℃以上100℃以下に保持する温度調節機構を具備したことを特徴とするプラズマ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−26981(P2007−26981A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209693(P2005−209693)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)