プランター支持枠装置
【課題】構成簡単で施工自由度が高く、強固な緑化人工地盤を形成できるプランター支持枠装置の提供。
【解決手段】プランター支持枠装置は、複数の支柱上に設けられて側面に被嵌合連結部を有する支持板部材と、両端に支持板部材に着脱自在に嵌合される嵌合連結部を持つ連結部材とを備え、支持板部材と協働して構成され、間に支持空間を持つ少なくとも一つの支持枠体によって、プランター本体を支持空間内に受け入れて支持フランジを下から支持する。支持枠体は複数個を縦横に連続配置できる。
【効果】構造も施工も簡単で様々な支持基盤上に確実に支持でき、人の立入りが可能な緑化人工地盤を形成できる。
【解決手段】プランター支持枠装置は、複数の支柱上に設けられて側面に被嵌合連結部を有する支持板部材と、両端に支持板部材に着脱自在に嵌合される嵌合連結部を持つ連結部材とを備え、支持板部材と協働して構成され、間に支持空間を持つ少なくとも一つの支持枠体によって、プランター本体を支持空間内に受け入れて支持フランジを下から支持する。支持枠体は複数個を縦横に連続配置できる。
【効果】構造も施工も簡単で様々な支持基盤上に確実に支持でき、人の立入りが可能な緑化人工地盤を形成できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はプランター支持枠装置に関し、特にプランター等の植物栽培容器を行および列に並べて配置して支持するプランター支持枠装置に関するものである。この発明で「プランター」とは、いわゆるプランター、植木鉢、栽培用ポット等の植物の成長維持または植物の収容に適合する植物栽培用容器を意味する。
【背景技術】
【0002】
近年、屋上緑化が注目されているが、屋上緑化のためには、防水、灌漑、防根、軽量化等の問題が多く、これらを解決するためには相当に大きな費用が必要である。また、高層住宅の既存のベランダ等を緑化するためには、上述の問題を解決するために大がかりな工事が必要となる。大規模の工事をせずに既存の建物にも屋上緑化を施工できる簡易なシステムとして、屋上にプランターを並べて配置することも提案されている。また例えば折板屋根等の緑化の要望は多いが、上述の解決すべき多くの問題のために実用化できていないのが実情である。
【0003】
例えば特許文献1には、皿形のプランターを四方に繋げて配置して屋上に置くだけの屋上緑化システムが提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、プランターの周囲に金属製網目状のパネルを広げて伸ばし、プランターからの蔓状の植物がパネルに沿って伸びるようにした植物栽培用パネル部材と植物栽培装置が提案されている。
【0005】
さらに特許文献3には折版屋根の溝部分にプランターを収容して固定する緑化システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−147593号公報
【特許文献2】特開2004−97144号公報
【特許文献3】特開2000−262152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の屋上緑化システムのうち、屋上にプランターを置くだけのものでは、様々な原因でプランターが移動してしまうことがあり、また人がプランターの上に乗ることができない。網目状パネルをプランターから伸ばして植物をそれに絡ませるものにおいても、人工地盤の作用が無く、人が乗ることができず、固定されていないので移動する心配もある。折版屋根の溝部分を利用してプランターを支持するものは、比較的良好な支持が得られるが折版屋根の畝部分を植栽で覆うことが難しく、プランターおよび固定金具を折版屋根の寸法形状に合わせて用意しなければならない。
【0008】
従ってこの発明の目的は、簡単な構成でプランターを様々な種類の支持基体上に確実に支持でき、支持基体の表面を平面形のいかんに拘わらず実質的に完全に覆うことができて、人が立ち入ることのできる緑化された人工地盤を形成できるプランター支持枠装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の容器本体の外周部に支持フランジを持つプランター容器を受け入れて保持するプランター支持枠装置は、支持基体上に配置される複数の支柱と、上記支柱上で上記支持基盤から離間した高さ位置に設けられ、側面に被嵌合連結部を有する平板状の支持板部材と、両端に上記支持板部材の上記被嵌合連結部に着脱自在に嵌合される嵌合連結部を持ち、上記支持板部材を上記高さ位置で互いに連結して水平方向に支持するとともに、上記支持板部材と協働して少なくとも一つの支持枠体を構成して、間に形成された支持空間内に上記プランターの上記容器本体を受け入れて上記プランターの上記支持フランジを支持する連結部材とを備え、上記支持枠体は、行および列をなすように複数個を連続配置し得ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明のプランター支持枠装置によれば、簡単な構成でプランターを様々な種類の支持基体上に確実に支持でき、支持基体の表面を平面形のいかんに拘わらず実質的に完全に覆うことができて、人が立ち入ることのできる緑化された人工地盤を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態1を示す概略斜視図である。
【図2】図1のプランター支持枠装置の概略平面図である。
【図3】図1のプランター支持枠装置と共に使用できるプランターの概略斜視図である。
【図4】図1のプランター支持枠装置の支持枠体の連結を示す分解斜視図である。
【図5】図1のプランター支持枠装置の支持枠体を単体として示す概略平面図である。
【図6】図5支持枠体の分解平面図である。
【図7】図6の支持枠体の側面図である。
【図8】図1のプランター支持枠装置に使用できる蹴上げの概略斜視図である。
【図9】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態2を示す概略平面図である。
【図10】図9の長尺の支持板部材を示す概略平面図である。
【図11】図9の支持板部材の概略側面図である。
【図12】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態3を示す概略斜視図である。
【図13】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態4における連結部材を示す概略側面図である。図1のプランター支持枠装置と共に使用できるプランターの概略斜視図である。
【図14】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態5における支柱の長さが異なる場合の例を示す概略側面図である。
【図15】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態6における支柱の固定方法の一例を示す概略側面図である。
【図16】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態7における支柱の固定方法の別の例を示す概略側面図である。
【図17】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態8におけるプランターの支持の態様を示す概略平面図である。
【図18】図17の線XVIII−XVIIIに沿った断面図である。
【図19】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態9におけるプランターの支持の態様を示す概略平面図である。
【図20】図19の線XX−XXに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1〜7にはこの発明のプランター支持枠装置1の一実施形態を示し、図1はプランター支持枠装置1を建物のベランダ等の支持基体2上に設置した例を示す概略斜視図であり、図2は図1のプランター支持枠装置1だけを概略的に平面図で示す概略平面図であり、図3はプランターの一例を示す概略斜視図である。建物の床3と支持基体2との間にはアルミサッシ等の敷居4が設けられており、敷居4の外側が僅かに低いベランダの床すなわち支持基体2となり、支持基体2の周縁部からは欄干5が立ち上げられている。図示の例ではプランター支持枠装置1は敷居4と欄干5との間で床である支持基体2上に配置されている。
【0014】
プランター支持枠装置1は、この例ではベランダである支持基体2上に配置される複数の支柱6と、支柱6上で支持基体2から離間した高さ位置H1に設けられ、側面に被嵌合連結部7を有する平板状の支持板部材8と、両端に支持板部材8の被嵌合連結部7に着脱自在に嵌合される嵌合連結部9を持ち、支持板部材8をその高さ位置H1で互いに連結して水平方向に支持するとともに、支持板部材8と協働して少なくとも一つの支持枠体10を構成して、間に形成された支持空間11内に、図3に示すようなプランター12のプランター本体13を受け入れてプランター12の支持フランジ14を支持する連結部材15とを備えていて、支持枠体10は、図に示すように、行および列をなすように複数個を連続配置して互いに連結された集合体を構成し得るようにされている。
【0015】
図3にはこのプランター支持枠装置1によって支持できるプランター12の一例が示されている。プランター12は、頂面に開口16を持つ直方体の箱形のプランター本体13と、プランター本体13の外周部の全周を囲んで開口16に設けられた支持フランジ14とで構成されたものであり、市販されているものでもよい。プランター12は、そのプランター本体13が支持枠体10の支持空間11内に受け入れられて支持され、その支持フランジ14が支持板部材8と連結部材15とによって下から支持されている。
【0016】
図4には、プランター支持枠装置1の支柱6と、支持板部材8と、連結部材15との一例を斜視図で示してあり、図5〜7には、図4に示す支柱6によって支持され、支持板部材8と、連結部材15とによって構成される支持枠体10を単体として示してある。
【0017】
支柱6はゴム等の防振弾性体の台座17を持ち、台座17に対してネジ係合していて高さ調節ができるボルト18であり、上端部のネジ部に支持板部材8がネジ係合されていて、あるいは延長継手を接続可能にされていて、支持板部材8の高さ位置を調節できるようにしてある。
【0018】
支持板部材8は図示の例では正方形の平板であって、4つの側面にはそれぞれ被嵌合連結部7が設けられていて、この被嵌合連結部7に連結部材15の嵌合連結部9が選択的に着脱自在に嵌合連結できるようにしてある。図示の例では、支持板部材8の被嵌合連結部7と連結部材15の嵌合連結部9とは、段部19と庇部20とを互いに組み合わせて、段部19と庇部20との間に設けた突起部21と凹部22とを互いに嵌合させる継手を構成するものである。この被嵌合連結部7および嵌合連結部9は、図示はしてないが、突起と凹部との組合せ、ピンとピン穴との組み合わせ、ほぞとほぞ穴との組み合わせあるいは段部と庇部との組み合わせ等の着脱可能な嵌合継手構造でよい。
【0019】
連結部材15はそれぞれ長方形平面の板部材であり、支持板部材8と同様に、4つの側面にそれぞれ、支持板部材8の被嵌合連結部7に対応した構造の嵌合連結部9が設けてある。支持板部材8の幅と連結部材15の幅とは、ほぼ等しくされている。このような嵌合継手構造によれば、多数の支持板部材8と多数の連結部材15とを組み合わせて連結して、図1および2に示すように、多数の支持枠体10を縦横に並べたすなわち行および列に配置した集合体構造を構成することができる。
【0020】
図5には、このような支持枠体10の一つを取り出してその平面形を示す。支持枠体10は、正方形の頂点の位置に配置された4つの支持板部材8と、平方形の4辺となるように支持板部材8間を連結して、水平方向に支持するとともに、支持板部材8と協働して間にプランター12のプランター本体13の平面形と実質的に一致する正方形平面形の支持空間11を形成している。支持空間11内にはプランター12のプランター本体13を受け入れて水平方向に保持し、支持板部材8と連結部材15とで支持フランジ14を下方から支持することができる。
【0021】
図6には図5の支持枠体10を構成する個々の部品の関係を示す分解図であり、図7は図6の支持枠体10を支柱6と共に示してある。
【0022】
図8には、支柱6によって持ち上げられて段差のついた支持枠体10の下方の空間を外部から遮蔽して、異物が侵入するのを防ぐための防護壁あるいは蹴上げ23を示す。蹴上げ23は、例えば図1に示すプランター支持枠装置1において、支持枠体10の下方の空間が、四方を敷居、欄干あるいは壁などによって囲まれて閉塞されていない場合には、支持枠体10と共に用いるのが望ましい。また、この蹴上げ23は、支持枠体10を高さの異なる2つの位置に配置した場合には、2つのレベルの支持枠体10間に段差分の開口あるいは空間ができるので、この空間を外部に対して遮蔽するためにも使用できる。
【0023】
図8に示す蹴上げ23は、支持枠体10の縁部現れる支持板部材8の被嵌合連結部7と連結部材15の嵌合連結部9とのいずれにも嵌合連結できるように対応した形状の連結部24と、連結部24から下方に立ち下がり、下縁からスリット25が形成された壁部26と、壁部26のスリット25内に摺動式に入り込む立ち上がり部分27を持つベース28とを備えている。蹴上げ23はまた、防護すべき空間の高さが高い場合に備えて、壁部26とベース28との間に挿入される延長部分29を備えていて、必要に応じて延長部分29を使用できるようにしてある。蹴上げ23は、長さ方向(水平方向)に適当な長さで分割されていて、図4に示すものと同様の被嵌合連結部7と嵌合連結部9とにより着脱式に嵌合連結できるようにするのが望ましい。
【0024】
例えば図2に示すプランター支持枠装置1においては、多数の支持枠体10のうち、図で上から2番目、右から2番目の支持枠体10にはプランター12が設けられておらず、代わりに板部材30によって支持空間11がふさがれている。この板部材30は、周囲の側面に被嵌合連結部7と対応した嵌合連結部9が設けてあって、組み立て時に嵌合連結部を嵌合連結させて、板部材30の頂面を支持枠体10の頂面と面一にすることができる。板部材30は、支持枠体10の支持空間11内に保持される開口部を持たない板本体と、プランター12と同様の支持枠体10上に乗って支持されるフランジ部とを持つものであってもよい。このように、プランター12を少なくとも1つ板部材30で置き換えて、プランター12を設置しない板張り部分を設けることにより、椅子やテーブルを置くスペースとして利用したり、デザイン上の要求に応えることができる。
【0025】
このようなプランター支持枠装置1によれば、独立した支柱6が設けられているので、支持基体2に凹凸、傾斜あるいは段差があっても支柱の高さによって高さの相違を吸収でき、支持枠体10を選択的に連結させることによってプランター支持枠装置1の平面形を自由に設定することができ、支持枠体10の強度を適切に設定することができるので、簡単な構成でプランターを様々な種類の支持基盤上に確実に支持でき、支持基盤の表面を平面形のいかんに拘わらず実質的に完全に覆うことができて、人が立ち入ることのできる緑化された人工地盤を形成できる。
【0026】
実施の形態2.
図9〜11に示すプランター支持枠装置1においては、支柱6によって支持基体2から所定の高さに支持されて、連結部材15を嵌合連結させる支持板部材31が、複数個の支柱6に跨って設けられた長尺材である。この支持板部材31には、一本につき6個の支柱6が等間隔で設けられていて、短辺の側面にも長辺の側面にも連続して被嵌合連結部7が設けられている。支持板部材31の被嵌合連結部7は、長辺の側面に連続しているので、複数の支柱6に対応して設けられているとも言え、連結部材15が被嵌合連結部7に選択的に嵌合連結できるようにしてある。必要があれば支柱6と支柱6との間の部分の被嵌合連結部7にも連結部材15を嵌合連結することができる。
【0027】
このような長尺材の支持板部材31を用いても多数の支持枠体10を並べて配置した集合体を構成することができ、支持枠体10のそれぞれに図3に示すようなプランター12を置くことができる。
【0028】
実施の形態3.
図12に示すプランター支持枠装置32においては、所定長さの多数の支柱6によって支持基体2上に支持された支持板部材8と、支持板部材8によって支持された連結部材15とで構成されて同じ高さ位置H1にある一群の支持枠体10に加えて、支柱6よりも長い支柱33によって支持枠体10よりも高い位置H2に支持された別の一群の支持枠体10を備えている。すなわち、このプランター支持枠装置1においては、多数の支持枠体10が、支柱6によって支持されて第1の高さH1に配置された第1の支持枠体集合体34と、支柱6よりも長い支柱33によって支持されて第2の高さH2に配置された第2の支持枠体集合体35とに分けられている。
【0029】
第1の支持枠体集合体34と第2の支持枠体集合体35との間には段差があってそこに空間が形成されるため、これらの第1の支持枠体集合体34と第2の支持枠体集合体35との間の空間を外部から遮蔽する蹴上げ36を備えている。この蹴上げ36は、図8に示す蹴上げ21を用いることができる。
【0030】
実施の形態4.
図13には、プランター支持枠装置1あるいは32の行および列方向の寸法を任意にするために、長さの調整ができる連結部材37を側面図で示してある。この連結部材37は、両端38および39を持つスライド板40と、スライド板40の両端38および39にそれぞれ長さ方向にスリット41により勘合してスライド可能に設けられて、それぞれ支持板部材8に嵌合連結することのできる嵌合連結部9を有する2つの嵌合部分42とを備えている。その他は先に説明し、例えば図4に示す連結部材15と同様の構造である。スライド板40を嵌合部分42のスリット41内の適当な位置に置けば、連結部材37の長さを調整できる。このような長さ調節機構を持つ連結部材37を図4に示す連結部材15の代わりに使用すれば、支持板部材8と連結部材15との組み合わせによって定められる寸法以外の寸法にも十分に対応できる。
【0031】
実施の形態5.
図14にはプランター支持枠装置1を折版屋根43上に設置した例を示す。折版屋根43は、寸法によってはプランター支持枠装置1の支柱6を山部45だけにあるいは溝部47だけに設置することができない場合があるが、このプランター支持枠装置1においては、図14で左側の支柱6は図12の支柱6と同様のものであって、折版屋根43の構造材44で支持された山部45上に接着剤などで設置されていて、図14で右側の支柱33は図12の支柱33と同様のものであって、長さが長く、折版屋根43の構造材46で支持された山部45上に接着剤などで設置されている。
【0032】
実施の形態6.
図15には示すプランター支持枠装置1の支柱6は、構造材46上の折版屋根43の山部45上に設置されている。折版屋根43は、構造材46と山部45とを貫通して、ナット48で締結されたボルト49によって構造材46に結合され、上側のナット48とボルト49とが山部45の頂面よりも上に突出している。一方、支持板部材8に結合されている支柱6の台座17の底面には、支持基体2の突出部であるナット48とボルト49とを受け入れる嵌合凹部50が設けてあり、この嵌合凹部50とナット48およびボルト49とが嵌合して支柱6が折版屋根43に固定される。台座17がゴムあるいはプラスチック等の弾性体で作ると、嵌合がより確実になる。
【0033】
実施の形態7.
図16に示す支柱6は、台座17がフランジ51を持っていて、ボルト52によって支持基体2に固定できるようにしてある。ボルト52の代わりにアンカーボルトあるいはコンクリート釘などを用いることもできる。
【0034】
実施の形態8.
図17および18に示すプランター支持枠装置においては、支柱6によって支持された各支持枠体10上に図3に示すプランター12が支持フランジ14によって支持されている。各プランター12の支持フランジ14間の間隙は、格子状に組み合わせたスペーサ53によって埋められていて、プランター支持枠装置1の頂面に段差が生じないようにしてある。プランター支持枠装置1の周縁部には枠組み54が設けられている。スペーサ53は、図示の例では、互いに平行に配置した長尺材とその間に配置された短尺材とを組み合わせて格子状に構成されているが、どのような組み合わせによって格子状に組み合わせても良い。
【0035】
実施の形態9.
図19および20に示すプランター支持枠装置が支持しているプランター12は、プランター本体13から水平方向に延びて支持枠体10によって支持される支持フランジ14が、外縁部に全周に亘って設けられた立ち上がり部55を持っている。立ち上がり部55の水平方向位置、すなわち支持フランジ14の幅寸法は、立ち上がり部55の外表面が支持フランジ14を支持する連結部材15の長さ方向の中心線上に位置するように設定してある。
【0036】
従ってこのプランター12を支持枠体10によって支持した状態では、隣接のプランター12の立ち上がり部55が互いに接した状態となる。このような立ち上がり部55が設けてあるため、プランター12の植物を栽培できる部分が支持枠体10の上にまで拡張され、プランター12の相互間が立ち上がり部55の2枚分の厚さで隔てられているに過ぎない状態となり、例えばプランター12に芝56を植えた場合に、芝が殆ど切れ目無く実質的に一面に植えられている状態を実現できる。隣接のプランター12の立ち上がり部55の間の間隙は、状況に応じて間隙を設けて配置することもできる。
【0037】
以上に図示して説明したプランター支持枠装置はこの発明の実施の態様を単なる例として表したものであるので、様々な変形が可能であり、またそれぞれの実施態様の特徴を全てあるいは選択的に組み合わせて用いることもできる。例えば、プランターの支持フランジ14の側縁に図4に示すような嵌合連結部9を設けて、支持枠体10側の被嵌合連結部7に嵌合連結させることもできる。また、支柱6の高さは個々に選択することができるし、支柱6自体の高さをネジあるいは延長継手によって調節できるので、図示のような平坦な支持基体2だけでなく、岩場、階段状あるいは傾斜した基盤、折版屋根等の凹凸のある支持基体上にも適用でき、支持基体自体もベランダ、デッキ、屋上、屋根、コンクリート板、岩盤、岩場等の構造物や自然物であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明のプランター支持枠装置は、屋上緑化、ベランダ菜園、緑化人工地盤等に利用できるものである。
【符号の説明】
【0039】
1、32 プランター支持枠装置、2 支持基体、6 支柱、7 被嵌合連結部、8、31 支持板部材、9 嵌合連結部、10 支持枠体、11 支持空間、12 プランター、13 プランター本体、14 支持フランジ、15 連結部材、20 庇部、21 突起部、22 凹部、23、36 蹴上げ、30 板部材、33 長い支柱、34 第1の支持枠体集合体、35 第2の支持枠体集合体、37 連結部材、38、39 端、40 スライド板、42 嵌合部分、43 折板屋根、44 構造材、45 山部、46 構造材、47 溝部、48 ナット、49 ボルト、50 凹部、51 フランジ、52 締結具、53 スペーサ、54 枠組み、55 立ち上がり部、56 芝。
【技術分野】
【0001】
この発明はプランター支持枠装置に関し、特にプランター等の植物栽培容器を行および列に並べて配置して支持するプランター支持枠装置に関するものである。この発明で「プランター」とは、いわゆるプランター、植木鉢、栽培用ポット等の植物の成長維持または植物の収容に適合する植物栽培用容器を意味する。
【背景技術】
【0002】
近年、屋上緑化が注目されているが、屋上緑化のためには、防水、灌漑、防根、軽量化等の問題が多く、これらを解決するためには相当に大きな費用が必要である。また、高層住宅の既存のベランダ等を緑化するためには、上述の問題を解決するために大がかりな工事が必要となる。大規模の工事をせずに既存の建物にも屋上緑化を施工できる簡易なシステムとして、屋上にプランターを並べて配置することも提案されている。また例えば折板屋根等の緑化の要望は多いが、上述の解決すべき多くの問題のために実用化できていないのが実情である。
【0003】
例えば特許文献1には、皿形のプランターを四方に繋げて配置して屋上に置くだけの屋上緑化システムが提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、プランターの周囲に金属製網目状のパネルを広げて伸ばし、プランターからの蔓状の植物がパネルに沿って伸びるようにした植物栽培用パネル部材と植物栽培装置が提案されている。
【0005】
さらに特許文献3には折版屋根の溝部分にプランターを収容して固定する緑化システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−147593号公報
【特許文献2】特開2004−97144号公報
【特許文献3】特開2000−262152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の屋上緑化システムのうち、屋上にプランターを置くだけのものでは、様々な原因でプランターが移動してしまうことがあり、また人がプランターの上に乗ることができない。網目状パネルをプランターから伸ばして植物をそれに絡ませるものにおいても、人工地盤の作用が無く、人が乗ることができず、固定されていないので移動する心配もある。折版屋根の溝部分を利用してプランターを支持するものは、比較的良好な支持が得られるが折版屋根の畝部分を植栽で覆うことが難しく、プランターおよび固定金具を折版屋根の寸法形状に合わせて用意しなければならない。
【0008】
従ってこの発明の目的は、簡単な構成でプランターを様々な種類の支持基体上に確実に支持でき、支持基体の表面を平面形のいかんに拘わらず実質的に完全に覆うことができて、人が立ち入ることのできる緑化された人工地盤を形成できるプランター支持枠装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の容器本体の外周部に支持フランジを持つプランター容器を受け入れて保持するプランター支持枠装置は、支持基体上に配置される複数の支柱と、上記支柱上で上記支持基盤から離間した高さ位置に設けられ、側面に被嵌合連結部を有する平板状の支持板部材と、両端に上記支持板部材の上記被嵌合連結部に着脱自在に嵌合される嵌合連結部を持ち、上記支持板部材を上記高さ位置で互いに連結して水平方向に支持するとともに、上記支持板部材と協働して少なくとも一つの支持枠体を構成して、間に形成された支持空間内に上記プランターの上記容器本体を受け入れて上記プランターの上記支持フランジを支持する連結部材とを備え、上記支持枠体は、行および列をなすように複数個を連続配置し得ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明のプランター支持枠装置によれば、簡単な構成でプランターを様々な種類の支持基体上に確実に支持でき、支持基体の表面を平面形のいかんに拘わらず実質的に完全に覆うことができて、人が立ち入ることのできる緑化された人工地盤を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態1を示す概略斜視図である。
【図2】図1のプランター支持枠装置の概略平面図である。
【図3】図1のプランター支持枠装置と共に使用できるプランターの概略斜視図である。
【図4】図1のプランター支持枠装置の支持枠体の連結を示す分解斜視図である。
【図5】図1のプランター支持枠装置の支持枠体を単体として示す概略平面図である。
【図6】図5支持枠体の分解平面図である。
【図7】図6の支持枠体の側面図である。
【図8】図1のプランター支持枠装置に使用できる蹴上げの概略斜視図である。
【図9】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態2を示す概略平面図である。
【図10】図9の長尺の支持板部材を示す概略平面図である。
【図11】図9の支持板部材の概略側面図である。
【図12】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態3を示す概略斜視図である。
【図13】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態4における連結部材を示す概略側面図である。図1のプランター支持枠装置と共に使用できるプランターの概略斜視図である。
【図14】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態5における支柱の長さが異なる場合の例を示す概略側面図である。
【図15】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態6における支柱の固定方法の一例を示す概略側面図である。
【図16】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態7における支柱の固定方法の別の例を示す概略側面図である。
【図17】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態8におけるプランターの支持の態様を示す概略平面図である。
【図18】図17の線XVIII−XVIIIに沿った断面図である。
【図19】この発明のプランター支持枠装置の実施の形態9におけるプランターの支持の態様を示す概略平面図である。
【図20】図19の線XX−XXに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1〜7にはこの発明のプランター支持枠装置1の一実施形態を示し、図1はプランター支持枠装置1を建物のベランダ等の支持基体2上に設置した例を示す概略斜視図であり、図2は図1のプランター支持枠装置1だけを概略的に平面図で示す概略平面図であり、図3はプランターの一例を示す概略斜視図である。建物の床3と支持基体2との間にはアルミサッシ等の敷居4が設けられており、敷居4の外側が僅かに低いベランダの床すなわち支持基体2となり、支持基体2の周縁部からは欄干5が立ち上げられている。図示の例ではプランター支持枠装置1は敷居4と欄干5との間で床である支持基体2上に配置されている。
【0014】
プランター支持枠装置1は、この例ではベランダである支持基体2上に配置される複数の支柱6と、支柱6上で支持基体2から離間した高さ位置H1に設けられ、側面に被嵌合連結部7を有する平板状の支持板部材8と、両端に支持板部材8の被嵌合連結部7に着脱自在に嵌合される嵌合連結部9を持ち、支持板部材8をその高さ位置H1で互いに連結して水平方向に支持するとともに、支持板部材8と協働して少なくとも一つの支持枠体10を構成して、間に形成された支持空間11内に、図3に示すようなプランター12のプランター本体13を受け入れてプランター12の支持フランジ14を支持する連結部材15とを備えていて、支持枠体10は、図に示すように、行および列をなすように複数個を連続配置して互いに連結された集合体を構成し得るようにされている。
【0015】
図3にはこのプランター支持枠装置1によって支持できるプランター12の一例が示されている。プランター12は、頂面に開口16を持つ直方体の箱形のプランター本体13と、プランター本体13の外周部の全周を囲んで開口16に設けられた支持フランジ14とで構成されたものであり、市販されているものでもよい。プランター12は、そのプランター本体13が支持枠体10の支持空間11内に受け入れられて支持され、その支持フランジ14が支持板部材8と連結部材15とによって下から支持されている。
【0016】
図4には、プランター支持枠装置1の支柱6と、支持板部材8と、連結部材15との一例を斜視図で示してあり、図5〜7には、図4に示す支柱6によって支持され、支持板部材8と、連結部材15とによって構成される支持枠体10を単体として示してある。
【0017】
支柱6はゴム等の防振弾性体の台座17を持ち、台座17に対してネジ係合していて高さ調節ができるボルト18であり、上端部のネジ部に支持板部材8がネジ係合されていて、あるいは延長継手を接続可能にされていて、支持板部材8の高さ位置を調節できるようにしてある。
【0018】
支持板部材8は図示の例では正方形の平板であって、4つの側面にはそれぞれ被嵌合連結部7が設けられていて、この被嵌合連結部7に連結部材15の嵌合連結部9が選択的に着脱自在に嵌合連結できるようにしてある。図示の例では、支持板部材8の被嵌合連結部7と連結部材15の嵌合連結部9とは、段部19と庇部20とを互いに組み合わせて、段部19と庇部20との間に設けた突起部21と凹部22とを互いに嵌合させる継手を構成するものである。この被嵌合連結部7および嵌合連結部9は、図示はしてないが、突起と凹部との組合せ、ピンとピン穴との組み合わせ、ほぞとほぞ穴との組み合わせあるいは段部と庇部との組み合わせ等の着脱可能な嵌合継手構造でよい。
【0019】
連結部材15はそれぞれ長方形平面の板部材であり、支持板部材8と同様に、4つの側面にそれぞれ、支持板部材8の被嵌合連結部7に対応した構造の嵌合連結部9が設けてある。支持板部材8の幅と連結部材15の幅とは、ほぼ等しくされている。このような嵌合継手構造によれば、多数の支持板部材8と多数の連結部材15とを組み合わせて連結して、図1および2に示すように、多数の支持枠体10を縦横に並べたすなわち行および列に配置した集合体構造を構成することができる。
【0020】
図5には、このような支持枠体10の一つを取り出してその平面形を示す。支持枠体10は、正方形の頂点の位置に配置された4つの支持板部材8と、平方形の4辺となるように支持板部材8間を連結して、水平方向に支持するとともに、支持板部材8と協働して間にプランター12のプランター本体13の平面形と実質的に一致する正方形平面形の支持空間11を形成している。支持空間11内にはプランター12のプランター本体13を受け入れて水平方向に保持し、支持板部材8と連結部材15とで支持フランジ14を下方から支持することができる。
【0021】
図6には図5の支持枠体10を構成する個々の部品の関係を示す分解図であり、図7は図6の支持枠体10を支柱6と共に示してある。
【0022】
図8には、支柱6によって持ち上げられて段差のついた支持枠体10の下方の空間を外部から遮蔽して、異物が侵入するのを防ぐための防護壁あるいは蹴上げ23を示す。蹴上げ23は、例えば図1に示すプランター支持枠装置1において、支持枠体10の下方の空間が、四方を敷居、欄干あるいは壁などによって囲まれて閉塞されていない場合には、支持枠体10と共に用いるのが望ましい。また、この蹴上げ23は、支持枠体10を高さの異なる2つの位置に配置した場合には、2つのレベルの支持枠体10間に段差分の開口あるいは空間ができるので、この空間を外部に対して遮蔽するためにも使用できる。
【0023】
図8に示す蹴上げ23は、支持枠体10の縁部現れる支持板部材8の被嵌合連結部7と連結部材15の嵌合連結部9とのいずれにも嵌合連結できるように対応した形状の連結部24と、連結部24から下方に立ち下がり、下縁からスリット25が形成された壁部26と、壁部26のスリット25内に摺動式に入り込む立ち上がり部分27を持つベース28とを備えている。蹴上げ23はまた、防護すべき空間の高さが高い場合に備えて、壁部26とベース28との間に挿入される延長部分29を備えていて、必要に応じて延長部分29を使用できるようにしてある。蹴上げ23は、長さ方向(水平方向)に適当な長さで分割されていて、図4に示すものと同様の被嵌合連結部7と嵌合連結部9とにより着脱式に嵌合連結できるようにするのが望ましい。
【0024】
例えば図2に示すプランター支持枠装置1においては、多数の支持枠体10のうち、図で上から2番目、右から2番目の支持枠体10にはプランター12が設けられておらず、代わりに板部材30によって支持空間11がふさがれている。この板部材30は、周囲の側面に被嵌合連結部7と対応した嵌合連結部9が設けてあって、組み立て時に嵌合連結部を嵌合連結させて、板部材30の頂面を支持枠体10の頂面と面一にすることができる。板部材30は、支持枠体10の支持空間11内に保持される開口部を持たない板本体と、プランター12と同様の支持枠体10上に乗って支持されるフランジ部とを持つものであってもよい。このように、プランター12を少なくとも1つ板部材30で置き換えて、プランター12を設置しない板張り部分を設けることにより、椅子やテーブルを置くスペースとして利用したり、デザイン上の要求に応えることができる。
【0025】
このようなプランター支持枠装置1によれば、独立した支柱6が設けられているので、支持基体2に凹凸、傾斜あるいは段差があっても支柱の高さによって高さの相違を吸収でき、支持枠体10を選択的に連結させることによってプランター支持枠装置1の平面形を自由に設定することができ、支持枠体10の強度を適切に設定することができるので、簡単な構成でプランターを様々な種類の支持基盤上に確実に支持でき、支持基盤の表面を平面形のいかんに拘わらず実質的に完全に覆うことができて、人が立ち入ることのできる緑化された人工地盤を形成できる。
【0026】
実施の形態2.
図9〜11に示すプランター支持枠装置1においては、支柱6によって支持基体2から所定の高さに支持されて、連結部材15を嵌合連結させる支持板部材31が、複数個の支柱6に跨って設けられた長尺材である。この支持板部材31には、一本につき6個の支柱6が等間隔で設けられていて、短辺の側面にも長辺の側面にも連続して被嵌合連結部7が設けられている。支持板部材31の被嵌合連結部7は、長辺の側面に連続しているので、複数の支柱6に対応して設けられているとも言え、連結部材15が被嵌合連結部7に選択的に嵌合連結できるようにしてある。必要があれば支柱6と支柱6との間の部分の被嵌合連結部7にも連結部材15を嵌合連結することができる。
【0027】
このような長尺材の支持板部材31を用いても多数の支持枠体10を並べて配置した集合体を構成することができ、支持枠体10のそれぞれに図3に示すようなプランター12を置くことができる。
【0028】
実施の形態3.
図12に示すプランター支持枠装置32においては、所定長さの多数の支柱6によって支持基体2上に支持された支持板部材8と、支持板部材8によって支持された連結部材15とで構成されて同じ高さ位置H1にある一群の支持枠体10に加えて、支柱6よりも長い支柱33によって支持枠体10よりも高い位置H2に支持された別の一群の支持枠体10を備えている。すなわち、このプランター支持枠装置1においては、多数の支持枠体10が、支柱6によって支持されて第1の高さH1に配置された第1の支持枠体集合体34と、支柱6よりも長い支柱33によって支持されて第2の高さH2に配置された第2の支持枠体集合体35とに分けられている。
【0029】
第1の支持枠体集合体34と第2の支持枠体集合体35との間には段差があってそこに空間が形成されるため、これらの第1の支持枠体集合体34と第2の支持枠体集合体35との間の空間を外部から遮蔽する蹴上げ36を備えている。この蹴上げ36は、図8に示す蹴上げ21を用いることができる。
【0030】
実施の形態4.
図13には、プランター支持枠装置1あるいは32の行および列方向の寸法を任意にするために、長さの調整ができる連結部材37を側面図で示してある。この連結部材37は、両端38および39を持つスライド板40と、スライド板40の両端38および39にそれぞれ長さ方向にスリット41により勘合してスライド可能に設けられて、それぞれ支持板部材8に嵌合連結することのできる嵌合連結部9を有する2つの嵌合部分42とを備えている。その他は先に説明し、例えば図4に示す連結部材15と同様の構造である。スライド板40を嵌合部分42のスリット41内の適当な位置に置けば、連結部材37の長さを調整できる。このような長さ調節機構を持つ連結部材37を図4に示す連結部材15の代わりに使用すれば、支持板部材8と連結部材15との組み合わせによって定められる寸法以外の寸法にも十分に対応できる。
【0031】
実施の形態5.
図14にはプランター支持枠装置1を折版屋根43上に設置した例を示す。折版屋根43は、寸法によってはプランター支持枠装置1の支柱6を山部45だけにあるいは溝部47だけに設置することができない場合があるが、このプランター支持枠装置1においては、図14で左側の支柱6は図12の支柱6と同様のものであって、折版屋根43の構造材44で支持された山部45上に接着剤などで設置されていて、図14で右側の支柱33は図12の支柱33と同様のものであって、長さが長く、折版屋根43の構造材46で支持された山部45上に接着剤などで設置されている。
【0032】
実施の形態6.
図15には示すプランター支持枠装置1の支柱6は、構造材46上の折版屋根43の山部45上に設置されている。折版屋根43は、構造材46と山部45とを貫通して、ナット48で締結されたボルト49によって構造材46に結合され、上側のナット48とボルト49とが山部45の頂面よりも上に突出している。一方、支持板部材8に結合されている支柱6の台座17の底面には、支持基体2の突出部であるナット48とボルト49とを受け入れる嵌合凹部50が設けてあり、この嵌合凹部50とナット48およびボルト49とが嵌合して支柱6が折版屋根43に固定される。台座17がゴムあるいはプラスチック等の弾性体で作ると、嵌合がより確実になる。
【0033】
実施の形態7.
図16に示す支柱6は、台座17がフランジ51を持っていて、ボルト52によって支持基体2に固定できるようにしてある。ボルト52の代わりにアンカーボルトあるいはコンクリート釘などを用いることもできる。
【0034】
実施の形態8.
図17および18に示すプランター支持枠装置においては、支柱6によって支持された各支持枠体10上に図3に示すプランター12が支持フランジ14によって支持されている。各プランター12の支持フランジ14間の間隙は、格子状に組み合わせたスペーサ53によって埋められていて、プランター支持枠装置1の頂面に段差が生じないようにしてある。プランター支持枠装置1の周縁部には枠組み54が設けられている。スペーサ53は、図示の例では、互いに平行に配置した長尺材とその間に配置された短尺材とを組み合わせて格子状に構成されているが、どのような組み合わせによって格子状に組み合わせても良い。
【0035】
実施の形態9.
図19および20に示すプランター支持枠装置が支持しているプランター12は、プランター本体13から水平方向に延びて支持枠体10によって支持される支持フランジ14が、外縁部に全周に亘って設けられた立ち上がり部55を持っている。立ち上がり部55の水平方向位置、すなわち支持フランジ14の幅寸法は、立ち上がり部55の外表面が支持フランジ14を支持する連結部材15の長さ方向の中心線上に位置するように設定してある。
【0036】
従ってこのプランター12を支持枠体10によって支持した状態では、隣接のプランター12の立ち上がり部55が互いに接した状態となる。このような立ち上がり部55が設けてあるため、プランター12の植物を栽培できる部分が支持枠体10の上にまで拡張され、プランター12の相互間が立ち上がり部55の2枚分の厚さで隔てられているに過ぎない状態となり、例えばプランター12に芝56を植えた場合に、芝が殆ど切れ目無く実質的に一面に植えられている状態を実現できる。隣接のプランター12の立ち上がり部55の間の間隙は、状況に応じて間隙を設けて配置することもできる。
【0037】
以上に図示して説明したプランター支持枠装置はこの発明の実施の態様を単なる例として表したものであるので、様々な変形が可能であり、またそれぞれの実施態様の特徴を全てあるいは選択的に組み合わせて用いることもできる。例えば、プランターの支持フランジ14の側縁に図4に示すような嵌合連結部9を設けて、支持枠体10側の被嵌合連結部7に嵌合連結させることもできる。また、支柱6の高さは個々に選択することができるし、支柱6自体の高さをネジあるいは延長継手によって調節できるので、図示のような平坦な支持基体2だけでなく、岩場、階段状あるいは傾斜した基盤、折版屋根等の凹凸のある支持基体上にも適用でき、支持基体自体もベランダ、デッキ、屋上、屋根、コンクリート板、岩盤、岩場等の構造物や自然物であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明のプランター支持枠装置は、屋上緑化、ベランダ菜園、緑化人工地盤等に利用できるものである。
【符号の説明】
【0039】
1、32 プランター支持枠装置、2 支持基体、6 支柱、7 被嵌合連結部、8、31 支持板部材、9 嵌合連結部、10 支持枠体、11 支持空間、12 プランター、13 プランター本体、14 支持フランジ、15 連結部材、20 庇部、21 突起部、22 凹部、23、36 蹴上げ、30 板部材、33 長い支柱、34 第1の支持枠体集合体、35 第2の支持枠体集合体、37 連結部材、38、39 端、40 スライド板、42 嵌合部分、43 折板屋根、44 構造材、45 山部、46 構造材、47 溝部、48 ナット、49 ボルト、50 凹部、51 フランジ、52 締結具、53 スペーサ、54 枠組み、55 立ち上がり部、56 芝。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランター本体の外周部に支持フランジを持つプランターを受け入れて保持するプランター支持枠装置であって、
支持基体上に配置される複数の支柱と、
上記支柱上で上記支持基体から離間した高さ位置に設けられ、側面に被嵌合連結部を有する平板状の支持板部材と、
両端に上記支持板部材の上記被嵌合連結部に着脱自在に嵌合される嵌合連結部を持ち、上記支持板部材を上記高さ位置で互いに連結して水平方向に支持するとともに、上記支持板部材と協働して少なくとも一つの支持枠体を構成して、間に形成された支持空間内に上記プランター本体を受け入れて上記プランターの上記支持フランジを支持する連結部材とを備え、
上記支持枠体は、行および列をなすように複数個を連続配置し得ることを特徴とするプランター支持枠装置。
【請求項2】
上記支持板部材は、上記支柱上にそれぞれ設けられており、平面形が正方形であって、上記被嵌合連結部が4つの側面のすべてに設けられていて、上記連結部材が上記被嵌合連結部に選択的に嵌合連結できることを特徴とする請求項1に記載のプランター支持枠装置。
【請求項3】
上記支持板部材の幅と上記連結部材の幅とがほぼ等しいことを特徴とする請求項1あるいは2に記載のプランター支持枠装置。
【請求項4】
上記支持板部材の上記被嵌合連結部と上記連結部材の上記嵌合連結部とは、段部と庇部とを互い組み合わせて、段部と庇部との間に設けた突起部と凹部とを互いに弾性的に嵌合させる継手を構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項5】
上記支持板部材は、上記支柱上に複数個の上記支柱に跨って設けられた長尺材であることを特徴とする請求項1に記載のプランター支持枠装置。
【請求項6】
上記支持板部材の上記被嵌合連結部は、上記複数の支柱に対応して設けられていて、上記連結部材が上記被嵌合連結部に選択的に嵌合連結できることを特徴とする請求項5に記載のプランター支持枠装置。
【請求項7】
上記支持空間の平面形が上記プランター本体の平面形と実質的に一致する平面形であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項8】
上記支持板部材は高さ調節可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項9】
上記支柱が延長継手を備えていて高さ調節可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項10】
上記支柱は、上記支持基体上に置かれる弾性体の台座と、上記台座に支持されて上端部に上記支持板部材に螺合するねじ部を有するボルトとを備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項11】
上記被嵌合連結部および上記嵌合連結部は、突起と凹部との組合せ、ピンとピン穴との組み合わせ、ほぞとほぞ穴との組み合わせあるいは段部と庇部との組み合わせを有する構造であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項12】
上記支持枠体の下方の空間を外部から遮蔽する蹴上げを備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項13】
上記支柱によって支持された上記支持枠体によって構成された第1の支持枠体集合体と、上記支柱よりも長い支柱によって上記第1の支持枠体集合体よりも高い位置に支持された支持枠体によって構成された第2の支持枠体集合体とを備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の支持枠装置。
【請求項14】
上記第1の支持枠体集合体と上記第2の支持枠体集合体との間の空間を外部から遮蔽する蹴上げを備えたことを特徴とする請求項13に記載のプランター支持枠装置。
【請求項15】
上記プランターが、少なくとも1つだけ板部材で置き換えられていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項16】
上記支持基体が、ベランダ、デッキ、屋上、屋根、コンクリート板、岩盤、礫であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項17】
上記連結部材が、両端を持つスライド板と、上記スライド板の両端にそれぞれ長さ方向にスリットにより勘合してスライド可能に設けられて、それぞれ上記支持板部材に嵌合連結することのできる嵌合連結部を有する2つの嵌合部とを備えたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項18】
上記支柱の上記支持基体に対する固定を、締結具、接着剤、および上記支持基体の突起部との嵌合の少なくとも一つにより、行ったことを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項19】
上記プランターの上記支持フランジ間の間隙が、格子状に組み合わせたスペーサによって埋められていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項20】
上記プランターは、上記プランター本体から水平方向に延びて上記支持枠体によって支持される上記支持フランジが、外縁部に全周に亘って設けられた立ち上がり部を持っていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項1】
プランター本体の外周部に支持フランジを持つプランターを受け入れて保持するプランター支持枠装置であって、
支持基体上に配置される複数の支柱と、
上記支柱上で上記支持基体から離間した高さ位置に設けられ、側面に被嵌合連結部を有する平板状の支持板部材と、
両端に上記支持板部材の上記被嵌合連結部に着脱自在に嵌合される嵌合連結部を持ち、上記支持板部材を上記高さ位置で互いに連結して水平方向に支持するとともに、上記支持板部材と協働して少なくとも一つの支持枠体を構成して、間に形成された支持空間内に上記プランター本体を受け入れて上記プランターの上記支持フランジを支持する連結部材とを備え、
上記支持枠体は、行および列をなすように複数個を連続配置し得ることを特徴とするプランター支持枠装置。
【請求項2】
上記支持板部材は、上記支柱上にそれぞれ設けられており、平面形が正方形であって、上記被嵌合連結部が4つの側面のすべてに設けられていて、上記連結部材が上記被嵌合連結部に選択的に嵌合連結できることを特徴とする請求項1に記載のプランター支持枠装置。
【請求項3】
上記支持板部材の幅と上記連結部材の幅とがほぼ等しいことを特徴とする請求項1あるいは2に記載のプランター支持枠装置。
【請求項4】
上記支持板部材の上記被嵌合連結部と上記連結部材の上記嵌合連結部とは、段部と庇部とを互い組み合わせて、段部と庇部との間に設けた突起部と凹部とを互いに弾性的に嵌合させる継手を構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項5】
上記支持板部材は、上記支柱上に複数個の上記支柱に跨って設けられた長尺材であることを特徴とする請求項1に記載のプランター支持枠装置。
【請求項6】
上記支持板部材の上記被嵌合連結部は、上記複数の支柱に対応して設けられていて、上記連結部材が上記被嵌合連結部に選択的に嵌合連結できることを特徴とする請求項5に記載のプランター支持枠装置。
【請求項7】
上記支持空間の平面形が上記プランター本体の平面形と実質的に一致する平面形であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項8】
上記支持板部材は高さ調節可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項9】
上記支柱が延長継手を備えていて高さ調節可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項10】
上記支柱は、上記支持基体上に置かれる弾性体の台座と、上記台座に支持されて上端部に上記支持板部材に螺合するねじ部を有するボルトとを備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項11】
上記被嵌合連結部および上記嵌合連結部は、突起と凹部との組合せ、ピンとピン穴との組み合わせ、ほぞとほぞ穴との組み合わせあるいは段部と庇部との組み合わせを有する構造であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項12】
上記支持枠体の下方の空間を外部から遮蔽する蹴上げを備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項13】
上記支柱によって支持された上記支持枠体によって構成された第1の支持枠体集合体と、上記支柱よりも長い支柱によって上記第1の支持枠体集合体よりも高い位置に支持された支持枠体によって構成された第2の支持枠体集合体とを備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の支持枠装置。
【請求項14】
上記第1の支持枠体集合体と上記第2の支持枠体集合体との間の空間を外部から遮蔽する蹴上げを備えたことを特徴とする請求項13に記載のプランター支持枠装置。
【請求項15】
上記プランターが、少なくとも1つだけ板部材で置き換えられていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項16】
上記支持基体が、ベランダ、デッキ、屋上、屋根、コンクリート板、岩盤、礫であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項17】
上記連結部材が、両端を持つスライド板と、上記スライド板の両端にそれぞれ長さ方向にスリットにより勘合してスライド可能に設けられて、それぞれ上記支持板部材に嵌合連結することのできる嵌合連結部を有する2つの嵌合部とを備えたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項18】
上記支柱の上記支持基体に対する固定を、締結具、接着剤、および上記支持基体の突起部との嵌合の少なくとも一つにより、行ったことを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項19】
上記プランターの上記支持フランジ間の間隙が、格子状に組み合わせたスペーサによって埋められていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【請求項20】
上記プランターは、上記プランター本体から水平方向に延びて上記支持枠体によって支持される上記支持フランジが、外縁部に全周に亘って設けられた立ち上がり部を持っていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載のプランター支持枠装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−207100(P2010−207100A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53622(P2009−53622)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(509066503)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(509066503)
【Fターム(参考)】
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