プラント建設工程作成支援システム、プラント建設工程作成支援方法およびプログラム
【課題】
プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合において、作業の手戻りが発生し、よって効率が低下する。
【解決手段】
プラントの建設工程および当該プラントの建屋の建築工程の作成を支援するプラント建設工程作成支援システム10は、機器仕様保持手段22と、建屋情報保持手段21と、クレーン仕様保持手段23と、この機器をこの各作業区画のいずれかに干渉を回避して搬入する経路を算出する搬入経路作成手段14と、概略の建屋の建築工程を取得したならば、クレーンによる機器の搬入の際にクレーンや機器との干渉を回避する対象である各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、建屋の建築工程が更新されたならば、各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる建築工程割当手段13とを備えている。
プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合において、作業の手戻りが発生し、よって効率が低下する。
【解決手段】
プラントの建設工程および当該プラントの建屋の建築工程の作成を支援するプラント建設工程作成支援システム10は、機器仕様保持手段22と、建屋情報保持手段21と、クレーン仕様保持手段23と、この機器をこの各作業区画のいずれかに干渉を回避して搬入する経路を算出する搬入経路作成手段14と、概略の建屋の建築工程を取得したならば、クレーンによる機器の搬入の際にクレーンや機器との干渉を回避する対象である各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、建屋の建築工程が更新されたならば、各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる建築工程割当手段13とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラント建設に於いてクレーンを用いた機器の搬入計画を立案する際、搬入先の建屋に於ける建築工程の作成を支援するプラント建設工程作成支援システム、プラント建設工程作成支援方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電力需要の増大にもとづき、原子力発電所などに代表される発電所に対する要求が全世界的に高まってきている。このため、発電所の建設は国内外を問わず行われるようになり、件数も増大している。発電所などに代表されるプラントの建設に於いては、予定地の地盤整備、建屋の建築、機器の搬入、据付、配管など様々な種類の作業が並行して行われる。またこれらの作業は、建築、土木、製造など異なる事業主体が合意を形成し、それぞれの事業主体の指揮のもとに実施している。
【0003】
建設作業を実施するまでには、設計、調達、および、建設という三種類の作業段階を経る。先ず、設計の段階では、それぞれの事業主体間での検討に基づき、プラント建屋、および、内部の設計の他、建屋内部に据え付ける機器のレイアウト、搬入手順、スケジュール設定、搬入前の仮置き場所設定、搬入用重機の種別設定や稼動範囲設定などを行う。調達の段階では、設計段階で要求された資材、機材などを調達する。この際、定められたスケジュールに従って建設場所に資材類が搬入されるよう作業を行う。建設の段階では、設計段階で定められた搬入手順をもとに、重機類を用いて作業を行う。重機などを稼動させるのは、他の事業主体との干渉が発生しないように、設計段階で定められた稼動範囲内とする。例えば、クレーンを使ってプラントの構成機器を建屋内に搬入する場合は、プラントの敷地であるヤード上に存在する仮置き領域に配置した機器を、クレーン稼働領域内のみを移動するクレーンを用いて、建屋内に搬入する。
【0004】
このように、各段階での手戻りを減らし全体の作業実施を円滑化させるには、効率的で精度の高い作業計画を、設計の段階にて実現することが必要となる。従来、このような作業計画は、熟練者が担当することが多かった。しかし、近年の発電所の要求の高まりに伴い、プラントの設計件数が増加しているため、熟練者以外でも効率的な作業計画を作成できることが要求されている。
【0005】
発電所に代表されるプラント建設計画を作成するに当たり、計画者は、設計の段階で、クレーンなどの重機を用いた建屋への機器の搬入手順を検討し、搬入計画書を作成する。計画者は、設計の段階で、クレーンによる機器の搬入作業を着実に実行するため、クレーン本体や搬入中の機器が、建屋の壁や床と干渉しない搬入経路を策定することが必須である。
【0006】
一般的には、プラント建設作業の期間を削減するため、建屋の建築作業と、建屋への機器の搬入作業とを並行して行うことが多い。機器の搬入作業時期によって建屋の形状は変化するので、建屋の壁や床との干渉を回避する搬入経路を策定するには、機器の搬入作業時期に於ける建屋の建築状況の把握が必要となる。
【0007】
プラント建設計画に於いては、具体的な作業が始まる前に、搬入経路の作成などを行う。具体的な作業が始まっていないため、建築工程に於いて立案時に定めている内容、数値などの情報を用いて、これらの計画を立案する。
【0008】
プラント建設計画に於いては、初期の建設計画は概要にとどまり、建設計画が進行するにつれて詳細化されていく。例えば、建屋の建築工程に於いて、建築作業期間はフロアごとに概要の値を設定しておき、他の工程との連携にもとづいて、フロアの中の東西南北の作業区画に分類して、それぞれの建築作業期間を設定する。さらに建設計画が進み、より細かい作業区画ごとに、異なる建築作業期間を設定する、といった詳細化を行う。この場合、搬入経路の策定を行うには、詳細化された新たな作業区画が、機器の搬入作業時期に於いて干渉の回避を検討する対象となる。建築作業を行っている作業区画、もしくは建築作業が完了して建築物が存在している作業区画に対しては、クレーンや機器は干渉を回避するよう動作する必要がある。
【0009】
作業区画は、CAD(Computer Aided Design)上では地理的な空間を占有する形状を意味する。一方、建築作業期間は、作業の開始時間と作業の終了時間によって定義される作業期間を意味する。作業区画に対して建築作業期間を設定する場合、CAD上の形状に対して作業期間情報を関連付ける。
【0010】
従来技術では、建設計画を立案する際、設計用のプラントモデルからプラントを構成する要素モデルを生成し、これに作業区画を関連付ける手法を用いている。さらにプラント要素モデルに於ける或る作業区画に対して、建設に関わる作業モデルを割り当てることにより、その作業区画に於ける個別の作業モデルを生成する。個別の作業モデルにより、対応する作業区画に於ける作業の開始時期と終了時期とを示すことができ、これを用いて、特定の時期に於ける建屋の建築状況を取得することが可能となる。この建築状況を利用することで、搬入作業に於ける経路を的確に表現することが可能となる。
【0011】
その他の従来技術では、建屋への機器の配置を計画する際、機器の物理的な接続要素データの他、接続するために必要となるラックなどに関する接続経路データを同時に保持することにより、具体的な建築作業に即した設計作業を行うものが知られている。また、騒音の発生など、図面には表れない検討項目を利用者指定範囲データとして利用者が設定することにより、具体的な建築作業に即した設計作業を行うものが知られている。
特許文献1には、個別の作業モデルを用いることで、作業区画に対して作業の開始時期、および作業の完了時期(終了時期)を設定可能とする発明が開示されている。
特許文献2には、利用者が設定した利用者指定範囲データを用いることで、具体的な建築作業に即した設計作業を行うことを可能とする発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−115096号公報
【特許文献2】特開2007−164771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1の発明では、プラント建設計画の進行に伴い、作業期間情報を設定する対象となる作業区画がより細かく区分された場合、区分後の全て新たな作業区画に対して、改めて作業の開始時期と作業の終了時期とを設定する必要があり、計画作業の効率を低下させるという課題を有している。
【0014】
特許文献2の発明では、プラント建設計画の進行に伴い、作業区画がより細かく区分された場合、接続経路データなどを改めて入力する必要があり、計画作業の効率を低下させるという課題を有している。また、利用者指定範囲データは空間的な配置を示す情報であり、この情報だけでは、時間的な建築作業の状況変化を示すのは困難である。
【0015】
そこで、本発明は、プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合でも作業の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することを可能とするプラント建設工程作成支援システム、プラント建設工程作成支援方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決し、本発明の目的を達成するために、以下のように構成した。
すなわち、本発明のプラント建設工程作成支援システムは、プラントの建設工程および当該プラントの建屋の建築工程の作成を支援するプラント建設工程作成支援システムであって、機器の仕様を保持する機器仕様保持手段と、前記建屋、および、当該建屋を細分化した各作業区画の情報を保持する建屋情報保持手段と、概略の建屋の建築工程を取得したならば、前記各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、前記建屋の建築工程が更新されたならば、前記各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる建築工程割当手段とを備え、前記建築工程割当手段は、前記建築工程の更新前に存在する旧作業区画と重なる場所に新作業区画を入力する場合には、前記建築工程が更新されたならば、前記旧作業区画の作業期間情報を前記新作業区画の作業期間情報に割り当てることを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プラント建設計画の進行に伴って作業区画が細分化された場合でも作業の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムを示す図である。
【図2】第1の実施形態に於けるヤードのレイアウトの例を示す図である。
【図3】第1の実施形態に於ける建屋の作業区画設定の例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に於ける作業区画作成画面の例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に於ける作業期間情報設定ダイアログの例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報の例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムの処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に於ける対応工区情報取得処理を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報(その1)を示す図である。
【図11】第2の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報(その2)を示す図である。
【図12】第2の実施形態に於ける警告ダイアログを示す図である。
【図13】第2の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施形態に於ける対応工区情報取得処理(その1)を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施形態に於ける対応工区情報取得処理(その2)を示すフローチャートである。
【図16】第3の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムを示す図である。
【図17】第3の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報を示す図である。
【図18】第3の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
【図19】第3の実施形態に於ける水平方向に隣接する作業区画による作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以降、本発明を実施するための形態(「本実施形態」という)を、図等を参照して詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施形態の構成)
図1は、第1の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムを示す図である。
プラント建設工程作成支援システム10は、入力手段11と、作業区画作成手段12と、建築工程割当手段13と、搬入経路作成手段14と、対応工区検出手段17と、干渉検出手段18と、出力手段19と、建屋情報保持手段21と、機器仕様保持手段22と、クレーン仕様保持手段23とを有している。プラント建設工程作成支援システム10は、プラントの建設工程および当該プラントの建屋の建築工程の作成を支援する。
【0021】
入力手段11は、例えばキーボードやマウスなどの入力機器であり、利用者からの入力を受け付け、作業区画作成手段12と建築工程割当手段13とに指示入力を送出する。
【0022】
作業区画作成手段12は、入力手段11を介して作業区画を入力し、CAD上に形状として存在する建屋に対し、建築作業を行う際の空間的単位となる作業工区を設定し、設定した作業工区の情報を出力する。
【0023】
建築工程割当手段13は、入力手段11を介して建築工程を入力し、作業区画作成手段12の作成した作業区画に対して、建築作業の開始時期と終了時期を具備する作業期間情報を割り当て、割り当てた作業期間情報を含んだ建築工程を出力する建築工程割当処理を行う。建築工程割当手段13は更に、プラント建設計画の進行に伴う作業区画の詳細化が行われる前の作業区画と、作業区画の詳細化が行われた後の作業区画の両方に対して、作業期間情報を割り当て、割り当てた作業期間情報を含んだ建築工程を出力する。
建築工程割当手段13は、概略の建屋の建築工程を取得したならば、クレーンによる機器の搬入の際に、これらクレーンや機器との干渉を回避する対象である各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、建屋の建築工程が更新されたならば、これら各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる。
【0024】
搬入経路作成手段14は、機器仕様保持手段22が保持する各機器の仕様と、建屋情報保持手段21が保持する建屋形状の情報に基づき、各機器の搬入作業が行われる時期を算出する搬入経路作成処理を行う。搬入経路作成手段14は、各機器の搬入作業時期に於ける建設中の建屋形状を、作業区画作成手段12にて作成した作業区画と、建築工程割当手段13によって割り当てた建屋の建築工程とを用いて取得する。搬入経路作成手段14は更に、干渉検出手段18によって、建屋形状、機器の形状、および、クレーン仕様保持手段23の保持するクレーン形状との間で干渉が発生しているか否かを判定する。この判定を基に、干渉を発生させずに機器の搬入を行う搬入経路を作成し、出力手段19に出力する。
【0025】
干渉検出手段18は、CAD上に設定した建屋、機器、およびクレーンにより、建屋の内部へ機器を搬入する際、搬入経路上で建屋、機器、およびクレーン相互間で干渉が発生しているか否かを検出し、この干渉検出結果を出力する。
【0026】
対応工区検出手段17は、建設工程の詳細化前に存在している旧作業区画と、建設工程の詳細化後に当該旧作業区画と同位置に存在している新作業区画との対応を検出し、前記旧作業区画の作業期間情報を前記新作業区画に割り当て、割り当てた作業期間情報を送出する。同時に、旧作業区画を、搬入経路作成手段14に於ける干渉検出の対象から除外する。
【0027】
出力手段19は、例えば、ディスプレイまたはプリンタである画像出力装置、または、画像データを記録可能な光学ドライブ装置である補助記憶装置である。出力手段19は、搬入経路作成手段14が出力した搬入経路、建屋形状、機器形状、クレーン形状、および、搬入経路に沿った機器とクレーンの移動の様子などを画像に変換し、この画像を利用者に対して出力する。
【0028】
建屋情報保持手段21は、建屋の情報、または、この建屋を細分化した作業区画の情報、例えば、これらの形状、位置、高さなどの情報を保持し、要求に応じてこれらの情報を入出力する。建屋情報保持手段21は、例えばハードディスク装置やフラッシュメモリなどの記憶装置によって、建屋、および、この建屋を細分化した各作業区画の情報を保持するデータベースである。
【0029】
機器仕様保持手段22は、クレーンを用いて建屋へ搬入する機器の仕様、例えば形状や質量、搬入時期といった情報を保持し、要求に応じてこれらの情報を入出力する。機器仕様保持手段22は、建屋情報保持手段21と同様に記憶装置によって、機器の仕様を保持するデータベースである。
【0030】
クレーン仕様保持手段23は、建屋へ機器を搬入する際に用いる重機であるクレーンの仕様、例えば形状や定格荷重などの情報を保持し、要求に応じてこれらの情報を入出力する。クレーン仕様保持手段23は、機器仕様保持手段22や建屋情報保持手段21と同様に記憶装置によって、クレーンの仕様を保持するデータベースである。
【0031】
図2は、第1の実施形態に於けるヤードのレイアウトの例を示す図である。
ヤード30上には、プラント建設の対象である建屋31と、仮置き領域32とクレーン稼働領域33が設けられている。
建屋31は、建築作業を効率化するため、複数の作業区画に分けられている。図2に示す建屋31は、建設工程の詳細化前に存在している旧作業区画1(31−1)、旧作業区画2(31−2)、旧作業区画3(31−3)、旧作業区画4(31−4)の4個の作業区画に分割されている。
【0032】
仮置き領域32は、搬入対象機器を建屋31へ搬入する前に、一時的に配置しておく領域である。クレーン稼働領域33は、クレーンが搬入作業を行う際に稼働する領域である。
【0033】
図3(a)〜(c)は、第1の実施形態に於ける建屋の作業区画設定の例を示す図である。図3(a)は、工程1に於ける作業区画設定を示している。図3(b)は、工程2に於ける作業区画設定を示している。図3(c)は、工程3に於ける作業区画設定を示している。
工程1は、プラント建設計画の初期の工程である。工程2は、工程1の後工程である。工程3は、工程2の後工程である。
【0034】
図3(a)に示すように、プラント建設計画の初期である工程1に於いて、建屋31は、概要の作業区画のみが設定されている。建築工程の更新に伴い、建屋31の作業工程は、徐々に詳細に細分化されて設定される。図3(a)に示す工程1に於いて、建屋31の一つのフロアは、全て一つの作業区画31−0に設定される。
図3(b)に示すように、工程1の後工程である工程2に於いて、建屋31の一つのフロアは、詳細な4個の作業区画31−1〜31−4に設定される。
図3(c)に示すように、工程2の後工程である工程3に於いて、建屋31の一つのフロアは、更に詳細な10個の作業区画31−11〜31−20に設定される。
【0035】
図4は、第1の実施形態に於ける作業区画作成画面の例を示す図である。
作業区画作成画面40は、例えばディスプレイである出力手段19に出力される。作業区画作成画面40は、右上に作業区画操作用ツール50を備え、中央部に作業区画を作成する対象である建屋31の形状を表示する。この作業区画作成画面40は、矢印状のマウスカーソル41によって操作可能である。
【0036】
作業区画操作用ツール50は、上部に直方体区画設定ツール51と、円筒形区画設定ツール52とを備え、中央部に並行移動ツール53と、回転移動ツール54と、拡大/縮小ツール55とを備え、下部に形状/作業期間情報設定ツール56を備えている。
【0037】
直方体区画設定ツール51は、直方体の作業区画を新たに作成する。円筒形区画設定ツール52は、円筒形の作業区画を新たに作成する。並行移動ツール53は、選択した作業区画を並行移動する。回転移動ツール54は、選択した作業区画を回転移動する。拡大/縮小ツール55は、選択した作業区画を拡大または縮小する。形状/作業期間情報設定ツール56は、選択した作業区画の刑状または作業期間情報を設定する。
【0038】
図4に示す作業区画操作用ツール50は、直方体区画設定ツール51が選択されている。利用者は、マウスなどのポインティングデバイスを用いて、作業区画作成画面40が表示している空間上に、作業区画直方体31−n(nは自然数)を配置する。この作業区画直方体31−nを、システムを利用する際の作業区画として設定する。このようにして、必要な作業区画をすべて設定する。その後、利用者は、形状/作業期間情報設定ツール56を選択して、各作業工区において建築作業を行う期間、すなわち、作業期間情報を設定する。
【0039】
図5は、第1の実施形態に於ける作業期間情報設定ダイアログの例を示す図である。
図5に示す作業区画作成画面40は、図4に示す作業区画作成画面40と同様に、右上に作業区画操作用ツール50を備え、中央部に作業区画を作成する対象である建屋31の形状を表示すると共に、更に最前面に作業期間情報設定ダイアログ60を表示している。
【0040】
作業期間情報設定ダイアログ60は、作業期間情報設定対象区画61と、作業期間設定スライダ62と、開始時期表示設定部63と、終了時期表示設定部64と、OKボタン65と、キャンセルボタン66とを具備している。
作業期間情報設定対象区画61は、作業期間情報を設定する対象となる作業区画名を示す。図5では、「新作業区画1」が表示されている。
【0041】
作業期間設定スライダ62は、作業期間情報を設定するスライド・バーである。右方向が時間の進行方向を示し、斜線部が作業期間を示している。斜線部の左側の矩形をマウスでドラッグすることにより、作業期間情報に含まれる開始時期を設定可能である。斜線部の右側の矩形をマウスでドラッグすることにより、作業期間情報に含まれる終了時期を設定可能である。
【0042】
開始時期表示設定部63は、開始時期を表示する開始時期表示ボックス63bと、開始時期を微調整する作業期間微調整ボタン63a−1〜63a−4とを具えている。
【0043】
作業期間微調整ボタン63a−1は、開始時期を1週間前に調整する。作業期間微調整ボタン63a−2は、開始時期を1日前に調整する。作業期間微調整ボタン63a−3は、開始時期を1日後に調整する。作業期間微調整ボタン63a−4は、開始時期を1週間後に調整する。
【0044】
終了時期表示設定部64は、終了時期を表示する終了時期表示ボックス64bと、終了時期を微調整する作業期間微調整ボタン64a−1〜64a−4とを具えている。作業期間微調整ボタン64a−1〜64a−4の機能は、作業期間微調整ボタン63a−1〜63a−4の機能と同様である。
OKボタン65のクリックにより、設定した作業期間が反映される。キャンセルボタン66のクリックにより、設定した作業期間が破棄される。
【0045】
建築工程割当手段13は、入力手段11と作業区画作成画面40を介して設定対象の作業区画を取得し、作業期間情報設定ダイアログ60を介して作業の開始時期と終了時期とを取得し、作業の開始時期と終了時期の組み合わせを有する作業期間情報を設定対象の作業区画の属性に設定して、建屋情報保持手段21に保持する。
【0046】
図6(a),(b)は、第1の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報の例を示す図である。
図6(a)は、第1の実施形態に於ける作業区画の空間的配置情報の例が斜視図で示されている。直方体である建屋31は、旧作業区画1(31−1)〜旧作業区画4(31−4)に分割されている。この旧作業区画1(31−1)と旧作業区画2(31−2)に重なるように、新作業区画1(31−11)が設定されている。
【0047】
図6(b)は、第1の実施形態に於ける作業区画の作業期間情報を示すガントチャートの例である。作業期間情報は全て、右方向が時間の進行方向を示している。
旧作業区画1(31−1)は、作業期間情報70−1に於いて建築作業が行われる。以下同様に、旧作業区画2(31−2)は、作業期間情報70−2に於いて建築作業が行われる。旧作業区画3(31−3)は、作業期間情報70−3に於いて建築作業が行われる。旧作業区画4(31−4)は、作業期間情報70−4に於いて建築作業が行われる。
【0048】
新作業区画1(31−11)は、作業期間情報70−11に於いて建築作業が行われる。新作業区画1(31−11)の作業期間情報70−11は、この新作業区画1(31−11)と重なる旧作業区画1(31−1)と旧作業区画2(31−2)の最先の開始時期と最遅の終了時期で構成される。
【0049】
(第1の実施形態の動作)
図7は、第1の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムの処理を示すフローチャートである。
処理が開始すると、ステップS10に於いて、作業区画作成手段12は、図6(a)に示すように、入力手段11を介して作業区画の入力を取得して作業区画を作成し、建築工程割当手段13と対応工区検出手段17に出力する。
ステップS11に於いて、後述する図8に示す、当該作業区画に対する作業期間情報設定処理を行う。この作業期間情報設定処理は、例えば図6(b)のガントチャートの例で示される。
ステップS12に於いて、搬入経路作成手段14は、建築工程割当手段13から、各作業区画の作業期間情報を取得する。
ステップS13に於いて、搬入経路作成手段14は、干渉検出手段18により干渉が発生しない機器の搬入経路を作成する。
【0050】
ステップS14に於いて、搬入経路作成手段14は、干渉が発生するか否かを判断する。干渉が発生するならば(Yes)、ステップS15の処理を行う。干渉が発生しないならば(No)、ステップS16の処理を行う。
ステップS15に於いて、搬入経路作成手段14は、搬入経路が作成できない旨を出力手段19に出力し、ステップS17の処理を行う。
ステップS16に於いて、搬入経路作成手段14は、算出結果である搬入経路を、出力手段19に出力し、ステップS17の処理を行う。
【0051】
ステップS18に於いて、入力手段11は、作業区画の作成終了に係るメニュー(以下、「終了メニュー」という。)が選択されたか否かを判断する。終了メニューが選択されたならば、図7の処理を終了する。終了メニューが選択されていないならば、ステップS18の処理を行う。
ステップS18に於いて、搬入経路作成手段14は、経路が作成されたか否かを判断する。経路が作成されたならば(Yes)、ステップS19の処理を行う。経路が作成されなかったならば(No)、ステップS20の処理を行う。
ステップS19に於いて、搬入経路作成手段14は、建築工程が全て更新されたか否かを判断する。建築工程が全て更新されたならば(Yes)、ステップS10の処理に戻る。建築工程が全て更新されていなかったならば(No)、ステップS12の処理に戻る。
ステップS20に於いて、搬入経路作成手段14は、搬入経路作成に係る機器仕様および/またはクレーン仕様を更新し、ステップS12の処理に戻る。
【0052】
図8は、第1の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
処理が開始すると、ステップS30に於いて、後述する図9に示す対応工区情報取得処理を行い、作業期間情報を出力する。
ステップS31に於いて、建築工程割当手段13は、対応工区検出手段17から取得した作業期間情報を、新作業区画に割り当てる
ステップS32に於いて、建築工程割当手段13は、当該新作業区画に係る作業期間情報設定ダイアログ60(図5参照)を表示し、ユーザの入力を待つ。
ステップS33に於いて、作業期間情報設定ダイアログ60に入力された情報により、当該新作業区画の作業期間情報を更新する。
ステップS34に於いて、建築工程割当手段13は、当該新作業区画の作業期間情報を建屋情報保持手段21に保存し、図8の処理を終了する。
【0053】
図9は、第1の実施形態に於ける対応工区情報取得処理を示すフローチャートである。
処理が開始すると、ステップS50に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と旧作業区画との関係を検出する。(図6(a)参照)
ステップS51に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画があるか否かを判断する。当該新作業区画と重なる旧作業区画があるならば(Yes)、ステップS52の処理を行う。当該新作業区画と重なる旧作業区画が無いならば(No)、図9の処理を終了する。図6(a)に示す例に於いて、ステップS51の処理はYesに分岐する。
【0054】
ステップS52に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画の作業期間情報があるか否かを判断する。当該新作業区画と重なる旧作業区画の作業期間情報があるならば(Yes)、ステップS53の処理を行う。当該新作業区画と重なる旧作業区画の作業期間情報が無いならば(No)、図9の処理を終了する。図6(a)に示す例に於いて、ステップS52の処理はYesに分岐する。
【0055】
ステップS53に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画が複数であるか否かを判断する。当該新作業区画と重なる旧作業区画が複数でないならば(No),ステップS54の処理を行う。当該新作業区画と重なる旧作業区画が複数であるならば(Yes),ステップS55の処理を行う。図6(a)に示す例に於いて、ステップS53の処理はYesに分岐する。
【0056】
ステップS54に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画の作業期間情報を出力する。ステップS54の処理が終了したならば、図9の処理を終了する。
【0057】
ステップS55に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画のうち、最先の開始時期と、最遅の終了時期とを有する作業期間情報を出力する(図6(b)参照)。ステップS55の処理が終了したならば、図9の処理を終了する。
建築工程割当手段13は、前記建築工程の更新前に存在する旧作業区画と重なる場所に新作業区画を入力する場合には、建築工程が更新されたならば、図9に示す対応工区情報取得処理を呼び出すことにより、旧作業区画の作業期間情報を新作業区画の作業期間情報に割り当てる。
建築工程割当手段13は更に、新作業区画と重なる旧作業区画が複数の場合には、建築工程が更新されたならば、これら複数の旧作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを新作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、これら複数の旧作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを前記新作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てる。
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)のような効果がある。
【0058】
(A) プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合、対応工区検出手段17を用いて、新作業区画に、これと重なる旧作業区画に関する作業期間情報を引き継がせている。これにより、プラント建設計画の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することが可能である。
【0059】
(第2の実施形態の構成)
第2の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システム10は、図1に示す第1の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システム10と同様の構成を有している。
図10(a),(b)は、第2の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報(その1)を示す図である。図6(a),(b)に示す作業区画と作業期間情報と同一の要素には同一の符号が付与されている。
【0060】
図10(a)は、第2の実施形態に於ける作業区画の空間的配置情報の例が斜視図で示されている。建屋31Aは、前述する図6(a)に示す旧作業区画1(31−1)〜旧作業区画4(31−4)に加えて更に、旧作業区画5(31−5)と新作業区画2(31−12)とを有している。
この旧作業区画5(31−5)の上側で、かつ旧作業区画3(31−3)に水平方向に隣接するように、新作業区画2(31−12)が設定されている。
【0061】
図10(b)は、第2の実施形態に於ける作業区画の作業期間情報を示すガントチャートの例である。作業期間情報は全て、右方向が時間の進行方向を示している。
図10(b)は、図6に示す第1の実施形態に於ける作業期間情報70−1〜70−4に加えて更に、旧作業区画5(31−5)の作業期間情報70−5と、新作業区画2(31−12)の作業期間情報70−12とを示している。
【0062】
新作業区画2(31−12)の作業期間情報70−12の開始時期は、旧作業区画5(31−5)の作業期間情報70−5の終了時期よりも後で、かつ、旧作業区画3(31−3)の開始時期よりも後に設定されている。即ち、図10(b)に示す例では、作業期間情報70−12の開始時期は、作業期間情報70−5の終了時期よりも後に設定されている。新作業区画2(31−12)の作業期間情報70−12の終了時期は、旧作業区画3(31−3)の終了時期に設定されている。
このとき、上側の新作業区画2(31−12)よりも、下側の旧作業区画5(31−5)を先に建築する工程になっており、建築工程は整合している。更に、新作業区画2(31−12)は、水平方向に隣接する旧作業区画3(31−3)の作業期間に影響を受ける。したがって、新作業区画2(31−12)は、この旧作業区画3(31−3)の作業期間情報を引き継いでいる。
【0063】
図11(a),(b)は、第2の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報(その2)を示す図である。図6(a),(b)に示す作業区画と作業期間情報と同一の要素には同一の符号が付与されている。
【0064】
図11(a)は、第2の実施形態に於ける作業区画の空間的配置情報の例が斜視図で示されている。建屋31Bは、図6(a)に示す旧作業区画1(31−1)〜旧作業区画4(31−4)に加えて更に、旧作業区画6(31−6)と新作業区画3(31−13)とを有している。
この旧作業区画6(31−6)の上側で、かつ旧作業区画2(31−2)に水平方向に隣接するように、新作業区画3(31−13)が設定されている。
【0065】
図11(b)は、第2の実施形態に於ける作業区画の作業期間情報を示すガントチャートの例である。作業期間情報は全て、右方向が時間の進行方向を示している。
図11(b)は、図6に示す第1の実施形態に於ける作業期間情報70−1〜70−4に加えて更に、旧作業区画6(31−6)の作業期間情報70−6と、新作業区画3(31−13)の作業期間情報70−13とを示している。
新作業区画3(31−13)の作業期間情報70−13の開始時期は、旧作業区画6(31−6)の終了時期よりも前に設定されている。このとき、上側の新作業区画3(31−13)よりも、下側の旧作業区画6(31−6)を後に建築する工程になっており、建築工程に矛盾が発生している。
更に、新作業区画3(31−13)の作業期間情報70−13は、水平方向に隣接する旧作業区画2(31−2)の作業期間情報70−2が引き継がれていない。
【0066】
図12は、第2の実施形態に於ける警告ダイアログを示す図である。
作業区画作成画面40は、右上に作業区画操作用ツール50を備え、中央部に作業区画を作成する対象である建屋31Bの形状を表示すると共に、その前面に作業期間情報設定ダイアログ60を表示し、最前面に警告ダイアログ80を表示している。この警告ダイアログ80は、作業時期範囲外の警告である。
【0067】
この警告ダイアログ80には、「上側の作業区画よりも下側の作業区画を後に建築する工程になっています。作業期間情報を修正してください。」の文言が表示され、その下部には、警告対象作業区画メッセージ81を示す「対象:旧作業区画6と新作業区画3」の文言が表示され、OKボタン82が表示されている。
【0068】
ユーザは、この警告ダイアログ80により、上側の作業区画の作業期間情報と、下側の作業区画の作業期間情報とを有する建築工程に矛盾が発生していた場合を検知し、この矛盾を修正可能である。
【0069】
(第2の実施形態の動作)
図13は、第2の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。図8に示す第1の実施形態に於けるフローチャートと同一の要素には同一の符号が付与されている。
【0070】
処理が開始すると、ステップS30Aに於いて、第1の実施形態のステップS30の対応工区情報取得処理とは異なる対応工区情報取得処理を行う。この対応工区情報取得処理は、後述する図14〜図15に示す。
【0071】
ステップS31に於いて、第1の実施形態のステップS31の処理と同様に、建築工程割当手段13は、対応工区検出手段17が出力した作業期間情報を、新作業区画に割り当てる
ステップS31aに於いて、建築工程割当手段13は、開始時期を、下側の旧作業区画の終了時期以降とする。
ステップS32〜S33に於ける処理は、第1の実施形態のステップS32〜S33の処理と同様である。
【0072】
ステップS33aに於いて、建築工程割当手段13は、当該新作業区画の開始時期が下側(建物の下側)の旧作業区画の終了時期より前か否かを判定する。当該新作業区画の開始時期が下側の旧作業区画の終了時期より前であったならば(Yes)、工程に矛盾が発生しているので、ステップS33bの処理を行う。当該新作業区画の開始時期が下側の旧作業区画の終了時期より前でなかったならば(No)、ステップS34の処理を行う。
ステップS33bに於いて、建築工程割当手段13は、警告ダイアログ80を表示し、OKボタン82がクリックされたならば、ステップS33の処理に戻る。
ステップS34に於ける処理は、第1の実施形態のステップS34の処理と同様である。ステップS34の処理が終了したならば、図13の処理を終了する。
【0073】
図14は、第2の実施形態に於ける対応工区情報取得処理(その1)を示すフローチャートである。図9に示す第1の実施形態に於けるフローチャートと同一の要素には同一の符号が付与されている。
処理が開始したのち、ステップS50の処理は、第1の実施形態のステップS50の処理と同様である。
【0074】
ステップS51に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画があるか否かを判断する。当該新作業区画と重なる旧作業区画があるならば(Yes)、ステップS52の処理を行う。当該新作業区画と重なる旧作業区画が無いならば(No)、後述する図15に示すノード1の処理を行う。
以下、ステップS52〜S55の処理は、第1の実施形態のステップS52〜S55の処理と同様である。
【0075】
図15は、第2の実施形態に於ける対応工区情報取得処理(その2)を示すフローチャートである。
ノード1に遷移すると、ステップS60に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の下側(建物の下側)に位置する旧作業区画を検出する。
ステップS61に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画があるか否かを判断する。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画があるならば(Yes)、ステップS62の処理を行う。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画が無いならば(No)、図15の処理を終了する。
【0076】
ステップS62に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画の作業期間情報があるか否かを判断する。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画の作業期間情報があるならば(Yes)、ステップS63の処理を行う。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画の作業期間情報が無いならば(No)、図15の処理を終了する。
【0077】
ステップS63に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画が複数であるか否かを判断する。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画が複数でないならば(No),ステップS64の処理を行う。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画が複数であるならば(Yes),ステップS65の処理を行う。
【0078】
ステップS64に於いて、対応工区検出手段17は、下側の旧作業区画の終了時期を出力する。ステップS64の処理が終了したならば、ステップS71の処理を行う。
【0079】
ステップS65に於いて、対応工区検出手段17は、下側の旧作業区画のうち、最遅の終了時期を出力する。ステップS65の処理が終了したならば、ステップS71の処理を行う。
【0080】
ステップS71に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画があるか否かを判断する。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画があるならば(Yes)、ステップS72の処理を行う。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画が無いならば(No)、図15の処理を終了する。
【0081】
ステップS72に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画の作業期間情報があるか否かを判断する。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画の作業期間情報があるならば(Yes)、ステップS73の処理を行う。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画の作業期間情報が無いならば(No)、図15の処理を終了する。
【0082】
ステップS73に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画が複数であるか否かを判断する。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画が複数でないならば(No),ステップS74の処理を行う。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画が複数であるならば(Yes),ステップS75の処理を行う。
【0083】
ステップS74に於いて、対応工区検出手段17は、隣接する旧作業区画の作業期間情報を出力する。ステップS74の処理が終了したならば、図15の処理を終了する。
【0084】
ステップS75に於いて、対応工区検出手段17は、隣接する旧作業区画のうち、最先の開始時期と、最遅の終了時期とを有する作業期間情報を出力する。ステップS75の処理が終了したならば、図15の処理を終了する。
【0085】
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(B),(C)のような効果がある。
(B) プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合、対応工区検出手段17を用いて、新作業区画と重なる旧作業区画が無く、かつ、この新作業区画の下側に位置する旧作業区画が存在する場合を検出し、この新作業区画の開始時期を、この旧作業区画の終了時期より後に設定している。これにより、プラント建設計画の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することが可能である。
【0086】
(C) プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合、対応工区検出手段17を用いて、新作業区画と重なる旧作業区画が無く、かつ、この新作業区画の下側に位置する旧作業区画が存在する場合を検出し、この新作業区画の開始時期を、この旧作業区画の終了時期より後に設定している。更に、この新作業区画に隣接する旧作業区画が存在する場合、この新作業区画に、この旧作業区画に関する作業期間情報を引き継がせている。これにより、プラント建設計画の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することが可能である。
【0087】
(第3の実施形態の構成)
図16は、第3の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムを示す図である。第1の実施形態を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0088】
本実施形態のプラント建設工程作成支援システム10Bは、図1に示すプラント建設工程作成支援システム10に加えて更に、配置/工程抽出手段15と、作業期間算出手段16とを有している。
【0089】
配置/工程抽出手段15は、搬入経路作成手段14より入力した建屋に関する情報から、作業区画の配置と建築工程、および、その対応付けを抽出して、作業期間算出手段16に送出する。
【0090】
作業期間算出手段16は、建設工程の詳細化後に於ける新作業区画を作業区画作成手段12から得て、この新作業区画に初期値として割り当てる作業期間情報を、配置/工程抽出手段15より入力した建築工程から算出し、作業期間情報を割り当てた新作業区画を出力する。
【0091】
図17(a),(b)は、第3の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報を示す図である。
図17(a)は、第3の実施形態に於ける作業区画の空間的配置情報の例が斜視図で示されている。直方体である建屋31Cは、新作業区画4(31−14)〜新作業期間8(31−18)に分割されている。新作業区画8(31−18)の水平方向全てに隣接するように、新作業区画4(31−14)〜新作業区画7(31−17)が設定されている。
【0092】
図17(b)は、第3の実施形態に於ける作業区画の作業期間情報を示すガントチャートの例である。作業期間情報は全て、右方向が時間の進行方向を示している。
新作業区画4(31−14)は、作業期間情報70−14に於いて建築作業が行われる。以下同様に、新作業区画5(31−15)は、作業期間情報70−15に於いて建築作業が行われる。新作業区画6(31−16)は、作業期間情報70−16に於いて建築作業が行われる。新作業区画7(31−17)は、作業期間情報70−17に於いて建築作業が行われる。
【0093】
このとき、新たに設定した新作業区画8(31−18)は、水平方向全てに隣接する新作業区画4(31−14)〜新作業区画7(31−17)が更新されている。新作業区画4(31−14)〜新作業区画7(31−17)のうち、最先である作業期間情報70−15の開始時期が、新作業区画8(31−18)の開始時期に設定される。新作業区画4(31−14)〜新作業区画7(31−17)のうち、最遅である作業期間情報70−17の終了時期が、新作業区画8(31−18)の終了時期に設定される。
新作業区画8(31−18)の作業は、水平方向全てに隣接する新作業区画4(31−14)〜新作業区画7(31−17)の作業によって、影響を受けるためである。
【0094】
(第3の実施形態の動作)
図18は、第3の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。図13に示す第2の実施形態に於けるフローチャートと同一の要素には同一の符号が付与されている。
処理が開始したのち、ステップS30A〜S33aの処理は、第2の実施形態のステップS30A〜S33aの処理と同様である。
ステップS33cに於いて、水平方向に隣接する作業区画による作業期間情報設定処理を行う。この作業期間情報設定処理の詳細は、後述する図19に示されている。
ステップS34に於ける処理は、第2の実施形態のステップS34の処理と同様である。ステップS34の処理が終了したならば、図18の処理を終了する。
【0095】
図19は、第3の実施形態に於ける水平方向に隣接する作業区画による作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
図19の処理が開始すると、ステップS80〜S86の処理を、全ての作業区画について繰り返す。
ステップS81に於いて、配置/工程抽出手段15は、当該作業区画(第1の作業区画)に対して水平方向に全て隣接する第2の作業区画を検出する。
【0096】
ステップS82に於いて、配置/工程抽出手段15は、第2の作業区画を検出したか否かを判断する。第2の作業区画を検出したならば(Yes)、ステップS83の処理を行う。第2の作業区画を検出しなかったならば(No)、ステップS86の処理を行う。
【0097】
ステップS83に於いて、配置/工程抽出手段15は、第2の作業区画が全て更新されたか否かを判断する。第2の作業区画が全て更新されたならば(Yes)、ステップS84の処理を行う。第2の作業区画が全て更新されていなかったならば(No)、ステップS86の処理を行う。
ステップS84に於いて、作業期間算出手段16は、第2の作業区画の最先の開始時期を、当該作業区画の開始時期に設定する。
ステップS85に於いて、作業期間算出手段16は、第2の作業区画の最遅の終了時期を、当該作業区画の終了時期に設定する。
【0098】
ステップS86に於いて、全ての作業区画について処理を繰り返していなかったならば、ステップS80の処理に戻る。全ての作業区画について処理を繰り返していたならば、図19の処理を終了する。
建築工程割当手段13は、第1の作業区画に対して水平方向に隣接する全ての第2の作業区画の作業期間情報を利用者が更新した場合、作業期間算出手段16により、これら第2の作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを取得し、第1の作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、これら第2の作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを取得して、第1の作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てている。
【0099】
(第3の実施形態の効果)
以上説明した第3の実施形態では、次の(D)のような効果がある。
(D) プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合、対応工区検出手段17を用いて、第1の作業区画に、これに対して水平方向に全て隣接する第2の作業区画に関する作業期間情報を引き継がせている。これにより、プラント建設計画の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することが可能である。
【0100】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)のようなものがある。
【0101】
(a) 第1〜第3の実施形態では、プラント建設工程作成支援システム10,10Bによって処理が行われている。しかし、これに限られず、マウスやキーボードなどの入力手段11と、ディスプレイなどの出力手段19とを備えたコンピュータに、このプラント建設工程作成支援方法を行わせるためのプラント建設工程作成支援プログラムであっても良い。
【符号の説明】
【0102】
10,10B プラント建設工程作成支援システム
11 入力手段
12 作業区画作成手段
13 建築工程割当手段
14 搬入経路作成手段
15 配置/工程抽出手段
16 作業期間算出手段
17 対応工区検出手段
18 干渉検出手段
19 出力手段
21 建屋情報保持手段
22 機器仕様保持手段
23 クレーン仕様保持手段
31,31A,31B,31C 建屋
31 建屋
40 作業区画作成画面
50 作業区画操作用ツール
60 作業期間情報設定ダイアログ
70−1〜70−18 作業期間情報
81 警告ダイアログ
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラント建設に於いてクレーンを用いた機器の搬入計画を立案する際、搬入先の建屋に於ける建築工程の作成を支援するプラント建設工程作成支援システム、プラント建設工程作成支援方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電力需要の増大にもとづき、原子力発電所などに代表される発電所に対する要求が全世界的に高まってきている。このため、発電所の建設は国内外を問わず行われるようになり、件数も増大している。発電所などに代表されるプラントの建設に於いては、予定地の地盤整備、建屋の建築、機器の搬入、据付、配管など様々な種類の作業が並行して行われる。またこれらの作業は、建築、土木、製造など異なる事業主体が合意を形成し、それぞれの事業主体の指揮のもとに実施している。
【0003】
建設作業を実施するまでには、設計、調達、および、建設という三種類の作業段階を経る。先ず、設計の段階では、それぞれの事業主体間での検討に基づき、プラント建屋、および、内部の設計の他、建屋内部に据え付ける機器のレイアウト、搬入手順、スケジュール設定、搬入前の仮置き場所設定、搬入用重機の種別設定や稼動範囲設定などを行う。調達の段階では、設計段階で要求された資材、機材などを調達する。この際、定められたスケジュールに従って建設場所に資材類が搬入されるよう作業を行う。建設の段階では、設計段階で定められた搬入手順をもとに、重機類を用いて作業を行う。重機などを稼動させるのは、他の事業主体との干渉が発生しないように、設計段階で定められた稼動範囲内とする。例えば、クレーンを使ってプラントの構成機器を建屋内に搬入する場合は、プラントの敷地であるヤード上に存在する仮置き領域に配置した機器を、クレーン稼働領域内のみを移動するクレーンを用いて、建屋内に搬入する。
【0004】
このように、各段階での手戻りを減らし全体の作業実施を円滑化させるには、効率的で精度の高い作業計画を、設計の段階にて実現することが必要となる。従来、このような作業計画は、熟練者が担当することが多かった。しかし、近年の発電所の要求の高まりに伴い、プラントの設計件数が増加しているため、熟練者以外でも効率的な作業計画を作成できることが要求されている。
【0005】
発電所に代表されるプラント建設計画を作成するに当たり、計画者は、設計の段階で、クレーンなどの重機を用いた建屋への機器の搬入手順を検討し、搬入計画書を作成する。計画者は、設計の段階で、クレーンによる機器の搬入作業を着実に実行するため、クレーン本体や搬入中の機器が、建屋の壁や床と干渉しない搬入経路を策定することが必須である。
【0006】
一般的には、プラント建設作業の期間を削減するため、建屋の建築作業と、建屋への機器の搬入作業とを並行して行うことが多い。機器の搬入作業時期によって建屋の形状は変化するので、建屋の壁や床との干渉を回避する搬入経路を策定するには、機器の搬入作業時期に於ける建屋の建築状況の把握が必要となる。
【0007】
プラント建設計画に於いては、具体的な作業が始まる前に、搬入経路の作成などを行う。具体的な作業が始まっていないため、建築工程に於いて立案時に定めている内容、数値などの情報を用いて、これらの計画を立案する。
【0008】
プラント建設計画に於いては、初期の建設計画は概要にとどまり、建設計画が進行するにつれて詳細化されていく。例えば、建屋の建築工程に於いて、建築作業期間はフロアごとに概要の値を設定しておき、他の工程との連携にもとづいて、フロアの中の東西南北の作業区画に分類して、それぞれの建築作業期間を設定する。さらに建設計画が進み、より細かい作業区画ごとに、異なる建築作業期間を設定する、といった詳細化を行う。この場合、搬入経路の策定を行うには、詳細化された新たな作業区画が、機器の搬入作業時期に於いて干渉の回避を検討する対象となる。建築作業を行っている作業区画、もしくは建築作業が完了して建築物が存在している作業区画に対しては、クレーンや機器は干渉を回避するよう動作する必要がある。
【0009】
作業区画は、CAD(Computer Aided Design)上では地理的な空間を占有する形状を意味する。一方、建築作業期間は、作業の開始時間と作業の終了時間によって定義される作業期間を意味する。作業区画に対して建築作業期間を設定する場合、CAD上の形状に対して作業期間情報を関連付ける。
【0010】
従来技術では、建設計画を立案する際、設計用のプラントモデルからプラントを構成する要素モデルを生成し、これに作業区画を関連付ける手法を用いている。さらにプラント要素モデルに於ける或る作業区画に対して、建設に関わる作業モデルを割り当てることにより、その作業区画に於ける個別の作業モデルを生成する。個別の作業モデルにより、対応する作業区画に於ける作業の開始時期と終了時期とを示すことができ、これを用いて、特定の時期に於ける建屋の建築状況を取得することが可能となる。この建築状況を利用することで、搬入作業に於ける経路を的確に表現することが可能となる。
【0011】
その他の従来技術では、建屋への機器の配置を計画する際、機器の物理的な接続要素データの他、接続するために必要となるラックなどに関する接続経路データを同時に保持することにより、具体的な建築作業に即した設計作業を行うものが知られている。また、騒音の発生など、図面には表れない検討項目を利用者指定範囲データとして利用者が設定することにより、具体的な建築作業に即した設計作業を行うものが知られている。
特許文献1には、個別の作業モデルを用いることで、作業区画に対して作業の開始時期、および作業の完了時期(終了時期)を設定可能とする発明が開示されている。
特許文献2には、利用者が設定した利用者指定範囲データを用いることで、具体的な建築作業に即した設計作業を行うことを可能とする発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−115096号公報
【特許文献2】特開2007−164771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1の発明では、プラント建設計画の進行に伴い、作業期間情報を設定する対象となる作業区画がより細かく区分された場合、区分後の全て新たな作業区画に対して、改めて作業の開始時期と作業の終了時期とを設定する必要があり、計画作業の効率を低下させるという課題を有している。
【0014】
特許文献2の発明では、プラント建設計画の進行に伴い、作業区画がより細かく区分された場合、接続経路データなどを改めて入力する必要があり、計画作業の効率を低下させるという課題を有している。また、利用者指定範囲データは空間的な配置を示す情報であり、この情報だけでは、時間的な建築作業の状況変化を示すのは困難である。
【0015】
そこで、本発明は、プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合でも作業の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することを可能とするプラント建設工程作成支援システム、プラント建設工程作成支援方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決し、本発明の目的を達成するために、以下のように構成した。
すなわち、本発明のプラント建設工程作成支援システムは、プラントの建設工程および当該プラントの建屋の建築工程の作成を支援するプラント建設工程作成支援システムであって、機器の仕様を保持する機器仕様保持手段と、前記建屋、および、当該建屋を細分化した各作業区画の情報を保持する建屋情報保持手段と、概略の建屋の建築工程を取得したならば、前記各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、前記建屋の建築工程が更新されたならば、前記各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる建築工程割当手段とを備え、前記建築工程割当手段は、前記建築工程の更新前に存在する旧作業区画と重なる場所に新作業区画を入力する場合には、前記建築工程が更新されたならば、前記旧作業区画の作業期間情報を前記新作業区画の作業期間情報に割り当てることを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プラント建設計画の進行に伴って作業区画が細分化された場合でも作業の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムを示す図である。
【図2】第1の実施形態に於けるヤードのレイアウトの例を示す図である。
【図3】第1の実施形態に於ける建屋の作業区画設定の例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に於ける作業区画作成画面の例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に於ける作業期間情報設定ダイアログの例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報の例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムの処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態に於ける対応工区情報取得処理を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報(その1)を示す図である。
【図11】第2の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報(その2)を示す図である。
【図12】第2の実施形態に於ける警告ダイアログを示す図である。
【図13】第2の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施形態に於ける対応工区情報取得処理(その1)を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施形態に於ける対応工区情報取得処理(その2)を示すフローチャートである。
【図16】第3の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムを示す図である。
【図17】第3の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報を示す図である。
【図18】第3の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
【図19】第3の実施形態に於ける水平方向に隣接する作業区画による作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以降、本発明を実施するための形態(「本実施形態」という)を、図等を参照して詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施形態の構成)
図1は、第1の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムを示す図である。
プラント建設工程作成支援システム10は、入力手段11と、作業区画作成手段12と、建築工程割当手段13と、搬入経路作成手段14と、対応工区検出手段17と、干渉検出手段18と、出力手段19と、建屋情報保持手段21と、機器仕様保持手段22と、クレーン仕様保持手段23とを有している。プラント建設工程作成支援システム10は、プラントの建設工程および当該プラントの建屋の建築工程の作成を支援する。
【0021】
入力手段11は、例えばキーボードやマウスなどの入力機器であり、利用者からの入力を受け付け、作業区画作成手段12と建築工程割当手段13とに指示入力を送出する。
【0022】
作業区画作成手段12は、入力手段11を介して作業区画を入力し、CAD上に形状として存在する建屋に対し、建築作業を行う際の空間的単位となる作業工区を設定し、設定した作業工区の情報を出力する。
【0023】
建築工程割当手段13は、入力手段11を介して建築工程を入力し、作業区画作成手段12の作成した作業区画に対して、建築作業の開始時期と終了時期を具備する作業期間情報を割り当て、割り当てた作業期間情報を含んだ建築工程を出力する建築工程割当処理を行う。建築工程割当手段13は更に、プラント建設計画の進行に伴う作業区画の詳細化が行われる前の作業区画と、作業区画の詳細化が行われた後の作業区画の両方に対して、作業期間情報を割り当て、割り当てた作業期間情報を含んだ建築工程を出力する。
建築工程割当手段13は、概略の建屋の建築工程を取得したならば、クレーンによる機器の搬入の際に、これらクレーンや機器との干渉を回避する対象である各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、建屋の建築工程が更新されたならば、これら各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる。
【0024】
搬入経路作成手段14は、機器仕様保持手段22が保持する各機器の仕様と、建屋情報保持手段21が保持する建屋形状の情報に基づき、各機器の搬入作業が行われる時期を算出する搬入経路作成処理を行う。搬入経路作成手段14は、各機器の搬入作業時期に於ける建設中の建屋形状を、作業区画作成手段12にて作成した作業区画と、建築工程割当手段13によって割り当てた建屋の建築工程とを用いて取得する。搬入経路作成手段14は更に、干渉検出手段18によって、建屋形状、機器の形状、および、クレーン仕様保持手段23の保持するクレーン形状との間で干渉が発生しているか否かを判定する。この判定を基に、干渉を発生させずに機器の搬入を行う搬入経路を作成し、出力手段19に出力する。
【0025】
干渉検出手段18は、CAD上に設定した建屋、機器、およびクレーンにより、建屋の内部へ機器を搬入する際、搬入経路上で建屋、機器、およびクレーン相互間で干渉が発生しているか否かを検出し、この干渉検出結果を出力する。
【0026】
対応工区検出手段17は、建設工程の詳細化前に存在している旧作業区画と、建設工程の詳細化後に当該旧作業区画と同位置に存在している新作業区画との対応を検出し、前記旧作業区画の作業期間情報を前記新作業区画に割り当て、割り当てた作業期間情報を送出する。同時に、旧作業区画を、搬入経路作成手段14に於ける干渉検出の対象から除外する。
【0027】
出力手段19は、例えば、ディスプレイまたはプリンタである画像出力装置、または、画像データを記録可能な光学ドライブ装置である補助記憶装置である。出力手段19は、搬入経路作成手段14が出力した搬入経路、建屋形状、機器形状、クレーン形状、および、搬入経路に沿った機器とクレーンの移動の様子などを画像に変換し、この画像を利用者に対して出力する。
【0028】
建屋情報保持手段21は、建屋の情報、または、この建屋を細分化した作業区画の情報、例えば、これらの形状、位置、高さなどの情報を保持し、要求に応じてこれらの情報を入出力する。建屋情報保持手段21は、例えばハードディスク装置やフラッシュメモリなどの記憶装置によって、建屋、および、この建屋を細分化した各作業区画の情報を保持するデータベースである。
【0029】
機器仕様保持手段22は、クレーンを用いて建屋へ搬入する機器の仕様、例えば形状や質量、搬入時期といった情報を保持し、要求に応じてこれらの情報を入出力する。機器仕様保持手段22は、建屋情報保持手段21と同様に記憶装置によって、機器の仕様を保持するデータベースである。
【0030】
クレーン仕様保持手段23は、建屋へ機器を搬入する際に用いる重機であるクレーンの仕様、例えば形状や定格荷重などの情報を保持し、要求に応じてこれらの情報を入出力する。クレーン仕様保持手段23は、機器仕様保持手段22や建屋情報保持手段21と同様に記憶装置によって、クレーンの仕様を保持するデータベースである。
【0031】
図2は、第1の実施形態に於けるヤードのレイアウトの例を示す図である。
ヤード30上には、プラント建設の対象である建屋31と、仮置き領域32とクレーン稼働領域33が設けられている。
建屋31は、建築作業を効率化するため、複数の作業区画に分けられている。図2に示す建屋31は、建設工程の詳細化前に存在している旧作業区画1(31−1)、旧作業区画2(31−2)、旧作業区画3(31−3)、旧作業区画4(31−4)の4個の作業区画に分割されている。
【0032】
仮置き領域32は、搬入対象機器を建屋31へ搬入する前に、一時的に配置しておく領域である。クレーン稼働領域33は、クレーンが搬入作業を行う際に稼働する領域である。
【0033】
図3(a)〜(c)は、第1の実施形態に於ける建屋の作業区画設定の例を示す図である。図3(a)は、工程1に於ける作業区画設定を示している。図3(b)は、工程2に於ける作業区画設定を示している。図3(c)は、工程3に於ける作業区画設定を示している。
工程1は、プラント建設計画の初期の工程である。工程2は、工程1の後工程である。工程3は、工程2の後工程である。
【0034】
図3(a)に示すように、プラント建設計画の初期である工程1に於いて、建屋31は、概要の作業区画のみが設定されている。建築工程の更新に伴い、建屋31の作業工程は、徐々に詳細に細分化されて設定される。図3(a)に示す工程1に於いて、建屋31の一つのフロアは、全て一つの作業区画31−0に設定される。
図3(b)に示すように、工程1の後工程である工程2に於いて、建屋31の一つのフロアは、詳細な4個の作業区画31−1〜31−4に設定される。
図3(c)に示すように、工程2の後工程である工程3に於いて、建屋31の一つのフロアは、更に詳細な10個の作業区画31−11〜31−20に設定される。
【0035】
図4は、第1の実施形態に於ける作業区画作成画面の例を示す図である。
作業区画作成画面40は、例えばディスプレイである出力手段19に出力される。作業区画作成画面40は、右上に作業区画操作用ツール50を備え、中央部に作業区画を作成する対象である建屋31の形状を表示する。この作業区画作成画面40は、矢印状のマウスカーソル41によって操作可能である。
【0036】
作業区画操作用ツール50は、上部に直方体区画設定ツール51と、円筒形区画設定ツール52とを備え、中央部に並行移動ツール53と、回転移動ツール54と、拡大/縮小ツール55とを備え、下部に形状/作業期間情報設定ツール56を備えている。
【0037】
直方体区画設定ツール51は、直方体の作業区画を新たに作成する。円筒形区画設定ツール52は、円筒形の作業区画を新たに作成する。並行移動ツール53は、選択した作業区画を並行移動する。回転移動ツール54は、選択した作業区画を回転移動する。拡大/縮小ツール55は、選択した作業区画を拡大または縮小する。形状/作業期間情報設定ツール56は、選択した作業区画の刑状または作業期間情報を設定する。
【0038】
図4に示す作業区画操作用ツール50は、直方体区画設定ツール51が選択されている。利用者は、マウスなどのポインティングデバイスを用いて、作業区画作成画面40が表示している空間上に、作業区画直方体31−n(nは自然数)を配置する。この作業区画直方体31−nを、システムを利用する際の作業区画として設定する。このようにして、必要な作業区画をすべて設定する。その後、利用者は、形状/作業期間情報設定ツール56を選択して、各作業工区において建築作業を行う期間、すなわち、作業期間情報を設定する。
【0039】
図5は、第1の実施形態に於ける作業期間情報設定ダイアログの例を示す図である。
図5に示す作業区画作成画面40は、図4に示す作業区画作成画面40と同様に、右上に作業区画操作用ツール50を備え、中央部に作業区画を作成する対象である建屋31の形状を表示すると共に、更に最前面に作業期間情報設定ダイアログ60を表示している。
【0040】
作業期間情報設定ダイアログ60は、作業期間情報設定対象区画61と、作業期間設定スライダ62と、開始時期表示設定部63と、終了時期表示設定部64と、OKボタン65と、キャンセルボタン66とを具備している。
作業期間情報設定対象区画61は、作業期間情報を設定する対象となる作業区画名を示す。図5では、「新作業区画1」が表示されている。
【0041】
作業期間設定スライダ62は、作業期間情報を設定するスライド・バーである。右方向が時間の進行方向を示し、斜線部が作業期間を示している。斜線部の左側の矩形をマウスでドラッグすることにより、作業期間情報に含まれる開始時期を設定可能である。斜線部の右側の矩形をマウスでドラッグすることにより、作業期間情報に含まれる終了時期を設定可能である。
【0042】
開始時期表示設定部63は、開始時期を表示する開始時期表示ボックス63bと、開始時期を微調整する作業期間微調整ボタン63a−1〜63a−4とを具えている。
【0043】
作業期間微調整ボタン63a−1は、開始時期を1週間前に調整する。作業期間微調整ボタン63a−2は、開始時期を1日前に調整する。作業期間微調整ボタン63a−3は、開始時期を1日後に調整する。作業期間微調整ボタン63a−4は、開始時期を1週間後に調整する。
【0044】
終了時期表示設定部64は、終了時期を表示する終了時期表示ボックス64bと、終了時期を微調整する作業期間微調整ボタン64a−1〜64a−4とを具えている。作業期間微調整ボタン64a−1〜64a−4の機能は、作業期間微調整ボタン63a−1〜63a−4の機能と同様である。
OKボタン65のクリックにより、設定した作業期間が反映される。キャンセルボタン66のクリックにより、設定した作業期間が破棄される。
【0045】
建築工程割当手段13は、入力手段11と作業区画作成画面40を介して設定対象の作業区画を取得し、作業期間情報設定ダイアログ60を介して作業の開始時期と終了時期とを取得し、作業の開始時期と終了時期の組み合わせを有する作業期間情報を設定対象の作業区画の属性に設定して、建屋情報保持手段21に保持する。
【0046】
図6(a),(b)は、第1の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報の例を示す図である。
図6(a)は、第1の実施形態に於ける作業区画の空間的配置情報の例が斜視図で示されている。直方体である建屋31は、旧作業区画1(31−1)〜旧作業区画4(31−4)に分割されている。この旧作業区画1(31−1)と旧作業区画2(31−2)に重なるように、新作業区画1(31−11)が設定されている。
【0047】
図6(b)は、第1の実施形態に於ける作業区画の作業期間情報を示すガントチャートの例である。作業期間情報は全て、右方向が時間の進行方向を示している。
旧作業区画1(31−1)は、作業期間情報70−1に於いて建築作業が行われる。以下同様に、旧作業区画2(31−2)は、作業期間情報70−2に於いて建築作業が行われる。旧作業区画3(31−3)は、作業期間情報70−3に於いて建築作業が行われる。旧作業区画4(31−4)は、作業期間情報70−4に於いて建築作業が行われる。
【0048】
新作業区画1(31−11)は、作業期間情報70−11に於いて建築作業が行われる。新作業区画1(31−11)の作業期間情報70−11は、この新作業区画1(31−11)と重なる旧作業区画1(31−1)と旧作業区画2(31−2)の最先の開始時期と最遅の終了時期で構成される。
【0049】
(第1の実施形態の動作)
図7は、第1の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムの処理を示すフローチャートである。
処理が開始すると、ステップS10に於いて、作業区画作成手段12は、図6(a)に示すように、入力手段11を介して作業区画の入力を取得して作業区画を作成し、建築工程割当手段13と対応工区検出手段17に出力する。
ステップS11に於いて、後述する図8に示す、当該作業区画に対する作業期間情報設定処理を行う。この作業期間情報設定処理は、例えば図6(b)のガントチャートの例で示される。
ステップS12に於いて、搬入経路作成手段14は、建築工程割当手段13から、各作業区画の作業期間情報を取得する。
ステップS13に於いて、搬入経路作成手段14は、干渉検出手段18により干渉が発生しない機器の搬入経路を作成する。
【0050】
ステップS14に於いて、搬入経路作成手段14は、干渉が発生するか否かを判断する。干渉が発生するならば(Yes)、ステップS15の処理を行う。干渉が発生しないならば(No)、ステップS16の処理を行う。
ステップS15に於いて、搬入経路作成手段14は、搬入経路が作成できない旨を出力手段19に出力し、ステップS17の処理を行う。
ステップS16に於いて、搬入経路作成手段14は、算出結果である搬入経路を、出力手段19に出力し、ステップS17の処理を行う。
【0051】
ステップS18に於いて、入力手段11は、作業区画の作成終了に係るメニュー(以下、「終了メニュー」という。)が選択されたか否かを判断する。終了メニューが選択されたならば、図7の処理を終了する。終了メニューが選択されていないならば、ステップS18の処理を行う。
ステップS18に於いて、搬入経路作成手段14は、経路が作成されたか否かを判断する。経路が作成されたならば(Yes)、ステップS19の処理を行う。経路が作成されなかったならば(No)、ステップS20の処理を行う。
ステップS19に於いて、搬入経路作成手段14は、建築工程が全て更新されたか否かを判断する。建築工程が全て更新されたならば(Yes)、ステップS10の処理に戻る。建築工程が全て更新されていなかったならば(No)、ステップS12の処理に戻る。
ステップS20に於いて、搬入経路作成手段14は、搬入経路作成に係る機器仕様および/またはクレーン仕様を更新し、ステップS12の処理に戻る。
【0052】
図8は、第1の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
処理が開始すると、ステップS30に於いて、後述する図9に示す対応工区情報取得処理を行い、作業期間情報を出力する。
ステップS31に於いて、建築工程割当手段13は、対応工区検出手段17から取得した作業期間情報を、新作業区画に割り当てる
ステップS32に於いて、建築工程割当手段13は、当該新作業区画に係る作業期間情報設定ダイアログ60(図5参照)を表示し、ユーザの入力を待つ。
ステップS33に於いて、作業期間情報設定ダイアログ60に入力された情報により、当該新作業区画の作業期間情報を更新する。
ステップS34に於いて、建築工程割当手段13は、当該新作業区画の作業期間情報を建屋情報保持手段21に保存し、図8の処理を終了する。
【0053】
図9は、第1の実施形態に於ける対応工区情報取得処理を示すフローチャートである。
処理が開始すると、ステップS50に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と旧作業区画との関係を検出する。(図6(a)参照)
ステップS51に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画があるか否かを判断する。当該新作業区画と重なる旧作業区画があるならば(Yes)、ステップS52の処理を行う。当該新作業区画と重なる旧作業区画が無いならば(No)、図9の処理を終了する。図6(a)に示す例に於いて、ステップS51の処理はYesに分岐する。
【0054】
ステップS52に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画の作業期間情報があるか否かを判断する。当該新作業区画と重なる旧作業区画の作業期間情報があるならば(Yes)、ステップS53の処理を行う。当該新作業区画と重なる旧作業区画の作業期間情報が無いならば(No)、図9の処理を終了する。図6(a)に示す例に於いて、ステップS52の処理はYesに分岐する。
【0055】
ステップS53に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画が複数であるか否かを判断する。当該新作業区画と重なる旧作業区画が複数でないならば(No),ステップS54の処理を行う。当該新作業区画と重なる旧作業区画が複数であるならば(Yes),ステップS55の処理を行う。図6(a)に示す例に於いて、ステップS53の処理はYesに分岐する。
【0056】
ステップS54に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画の作業期間情報を出力する。ステップS54の処理が終了したならば、図9の処理を終了する。
【0057】
ステップS55に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画のうち、最先の開始時期と、最遅の終了時期とを有する作業期間情報を出力する(図6(b)参照)。ステップS55の処理が終了したならば、図9の処理を終了する。
建築工程割当手段13は、前記建築工程の更新前に存在する旧作業区画と重なる場所に新作業区画を入力する場合には、建築工程が更新されたならば、図9に示す対応工区情報取得処理を呼び出すことにより、旧作業区画の作業期間情報を新作業区画の作業期間情報に割り当てる。
建築工程割当手段13は更に、新作業区画と重なる旧作業区画が複数の場合には、建築工程が更新されたならば、これら複数の旧作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを新作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、これら複数の旧作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを前記新作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てる。
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)のような効果がある。
【0058】
(A) プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合、対応工区検出手段17を用いて、新作業区画に、これと重なる旧作業区画に関する作業期間情報を引き継がせている。これにより、プラント建設計画の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することが可能である。
【0059】
(第2の実施形態の構成)
第2の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システム10は、図1に示す第1の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システム10と同様の構成を有している。
図10(a),(b)は、第2の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報(その1)を示す図である。図6(a),(b)に示す作業区画と作業期間情報と同一の要素には同一の符号が付与されている。
【0060】
図10(a)は、第2の実施形態に於ける作業区画の空間的配置情報の例が斜視図で示されている。建屋31Aは、前述する図6(a)に示す旧作業区画1(31−1)〜旧作業区画4(31−4)に加えて更に、旧作業区画5(31−5)と新作業区画2(31−12)とを有している。
この旧作業区画5(31−5)の上側で、かつ旧作業区画3(31−3)に水平方向に隣接するように、新作業区画2(31−12)が設定されている。
【0061】
図10(b)は、第2の実施形態に於ける作業区画の作業期間情報を示すガントチャートの例である。作業期間情報は全て、右方向が時間の進行方向を示している。
図10(b)は、図6に示す第1の実施形態に於ける作業期間情報70−1〜70−4に加えて更に、旧作業区画5(31−5)の作業期間情報70−5と、新作業区画2(31−12)の作業期間情報70−12とを示している。
【0062】
新作業区画2(31−12)の作業期間情報70−12の開始時期は、旧作業区画5(31−5)の作業期間情報70−5の終了時期よりも後で、かつ、旧作業区画3(31−3)の開始時期よりも後に設定されている。即ち、図10(b)に示す例では、作業期間情報70−12の開始時期は、作業期間情報70−5の終了時期よりも後に設定されている。新作業区画2(31−12)の作業期間情報70−12の終了時期は、旧作業区画3(31−3)の終了時期に設定されている。
このとき、上側の新作業区画2(31−12)よりも、下側の旧作業区画5(31−5)を先に建築する工程になっており、建築工程は整合している。更に、新作業区画2(31−12)は、水平方向に隣接する旧作業区画3(31−3)の作業期間に影響を受ける。したがって、新作業区画2(31−12)は、この旧作業区画3(31−3)の作業期間情報を引き継いでいる。
【0063】
図11(a),(b)は、第2の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報(その2)を示す図である。図6(a),(b)に示す作業区画と作業期間情報と同一の要素には同一の符号が付与されている。
【0064】
図11(a)は、第2の実施形態に於ける作業区画の空間的配置情報の例が斜視図で示されている。建屋31Bは、図6(a)に示す旧作業区画1(31−1)〜旧作業区画4(31−4)に加えて更に、旧作業区画6(31−6)と新作業区画3(31−13)とを有している。
この旧作業区画6(31−6)の上側で、かつ旧作業区画2(31−2)に水平方向に隣接するように、新作業区画3(31−13)が設定されている。
【0065】
図11(b)は、第2の実施形態に於ける作業区画の作業期間情報を示すガントチャートの例である。作業期間情報は全て、右方向が時間の進行方向を示している。
図11(b)は、図6に示す第1の実施形態に於ける作業期間情報70−1〜70−4に加えて更に、旧作業区画6(31−6)の作業期間情報70−6と、新作業区画3(31−13)の作業期間情報70−13とを示している。
新作業区画3(31−13)の作業期間情報70−13の開始時期は、旧作業区画6(31−6)の終了時期よりも前に設定されている。このとき、上側の新作業区画3(31−13)よりも、下側の旧作業区画6(31−6)を後に建築する工程になっており、建築工程に矛盾が発生している。
更に、新作業区画3(31−13)の作業期間情報70−13は、水平方向に隣接する旧作業区画2(31−2)の作業期間情報70−2が引き継がれていない。
【0066】
図12は、第2の実施形態に於ける警告ダイアログを示す図である。
作業区画作成画面40は、右上に作業区画操作用ツール50を備え、中央部に作業区画を作成する対象である建屋31Bの形状を表示すると共に、その前面に作業期間情報設定ダイアログ60を表示し、最前面に警告ダイアログ80を表示している。この警告ダイアログ80は、作業時期範囲外の警告である。
【0067】
この警告ダイアログ80には、「上側の作業区画よりも下側の作業区画を後に建築する工程になっています。作業期間情報を修正してください。」の文言が表示され、その下部には、警告対象作業区画メッセージ81を示す「対象:旧作業区画6と新作業区画3」の文言が表示され、OKボタン82が表示されている。
【0068】
ユーザは、この警告ダイアログ80により、上側の作業区画の作業期間情報と、下側の作業区画の作業期間情報とを有する建築工程に矛盾が発生していた場合を検知し、この矛盾を修正可能である。
【0069】
(第2の実施形態の動作)
図13は、第2の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。図8に示す第1の実施形態に於けるフローチャートと同一の要素には同一の符号が付与されている。
【0070】
処理が開始すると、ステップS30Aに於いて、第1の実施形態のステップS30の対応工区情報取得処理とは異なる対応工区情報取得処理を行う。この対応工区情報取得処理は、後述する図14〜図15に示す。
【0071】
ステップS31に於いて、第1の実施形態のステップS31の処理と同様に、建築工程割当手段13は、対応工区検出手段17が出力した作業期間情報を、新作業区画に割り当てる
ステップS31aに於いて、建築工程割当手段13は、開始時期を、下側の旧作業区画の終了時期以降とする。
ステップS32〜S33に於ける処理は、第1の実施形態のステップS32〜S33の処理と同様である。
【0072】
ステップS33aに於いて、建築工程割当手段13は、当該新作業区画の開始時期が下側(建物の下側)の旧作業区画の終了時期より前か否かを判定する。当該新作業区画の開始時期が下側の旧作業区画の終了時期より前であったならば(Yes)、工程に矛盾が発生しているので、ステップS33bの処理を行う。当該新作業区画の開始時期が下側の旧作業区画の終了時期より前でなかったならば(No)、ステップS34の処理を行う。
ステップS33bに於いて、建築工程割当手段13は、警告ダイアログ80を表示し、OKボタン82がクリックされたならば、ステップS33の処理に戻る。
ステップS34に於ける処理は、第1の実施形態のステップS34の処理と同様である。ステップS34の処理が終了したならば、図13の処理を終了する。
【0073】
図14は、第2の実施形態に於ける対応工区情報取得処理(その1)を示すフローチャートである。図9に示す第1の実施形態に於けるフローチャートと同一の要素には同一の符号が付与されている。
処理が開始したのち、ステップS50の処理は、第1の実施形態のステップS50の処理と同様である。
【0074】
ステップS51に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画と重なる旧作業区画があるか否かを判断する。当該新作業区画と重なる旧作業区画があるならば(Yes)、ステップS52の処理を行う。当該新作業区画と重なる旧作業区画が無いならば(No)、後述する図15に示すノード1の処理を行う。
以下、ステップS52〜S55の処理は、第1の実施形態のステップS52〜S55の処理と同様である。
【0075】
図15は、第2の実施形態に於ける対応工区情報取得処理(その2)を示すフローチャートである。
ノード1に遷移すると、ステップS60に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の下側(建物の下側)に位置する旧作業区画を検出する。
ステップS61に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画があるか否かを判断する。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画があるならば(Yes)、ステップS62の処理を行う。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画が無いならば(No)、図15の処理を終了する。
【0076】
ステップS62に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画の作業期間情報があるか否かを判断する。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画の作業期間情報があるならば(Yes)、ステップS63の処理を行う。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画の作業期間情報が無いならば(No)、図15の処理を終了する。
【0077】
ステップS63に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画が複数であるか否かを判断する。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画が複数でないならば(No),ステップS64の処理を行う。当該新作業区画の下側に位置する旧作業区画が複数であるならば(Yes),ステップS65の処理を行う。
【0078】
ステップS64に於いて、対応工区検出手段17は、下側の旧作業区画の終了時期を出力する。ステップS64の処理が終了したならば、ステップS71の処理を行う。
【0079】
ステップS65に於いて、対応工区検出手段17は、下側の旧作業区画のうち、最遅の終了時期を出力する。ステップS65の処理が終了したならば、ステップS71の処理を行う。
【0080】
ステップS71に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画があるか否かを判断する。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画があるならば(Yes)、ステップS72の処理を行う。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画が無いならば(No)、図15の処理を終了する。
【0081】
ステップS72に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画の作業期間情報があるか否かを判断する。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画の作業期間情報があるならば(Yes)、ステップS73の処理を行う。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画の作業期間情報が無いならば(No)、図15の処理を終了する。
【0082】
ステップS73に於いて、対応工区検出手段17は、当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画が複数であるか否かを判断する。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画が複数でないならば(No),ステップS74の処理を行う。当該新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画が複数であるならば(Yes),ステップS75の処理を行う。
【0083】
ステップS74に於いて、対応工区検出手段17は、隣接する旧作業区画の作業期間情報を出力する。ステップS74の処理が終了したならば、図15の処理を終了する。
【0084】
ステップS75に於いて、対応工区検出手段17は、隣接する旧作業区画のうち、最先の開始時期と、最遅の終了時期とを有する作業期間情報を出力する。ステップS75の処理が終了したならば、図15の処理を終了する。
【0085】
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(B),(C)のような効果がある。
(B) プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合、対応工区検出手段17を用いて、新作業区画と重なる旧作業区画が無く、かつ、この新作業区画の下側に位置する旧作業区画が存在する場合を検出し、この新作業区画の開始時期を、この旧作業区画の終了時期より後に設定している。これにより、プラント建設計画の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することが可能である。
【0086】
(C) プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合、対応工区検出手段17を用いて、新作業区画と重なる旧作業区画が無く、かつ、この新作業区画の下側に位置する旧作業区画が存在する場合を検出し、この新作業区画の開始時期を、この旧作業区画の終了時期より後に設定している。更に、この新作業区画に隣接する旧作業区画が存在する場合、この新作業区画に、この旧作業区画に関する作業期間情報を引き継がせている。これにより、プラント建設計画の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することが可能である。
【0087】
(第3の実施形態の構成)
図16は、第3の実施形態に於けるプラント建設工程作成支援システムを示す図である。第1の実施形態を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0088】
本実施形態のプラント建設工程作成支援システム10Bは、図1に示すプラント建設工程作成支援システム10に加えて更に、配置/工程抽出手段15と、作業期間算出手段16とを有している。
【0089】
配置/工程抽出手段15は、搬入経路作成手段14より入力した建屋に関する情報から、作業区画の配置と建築工程、および、その対応付けを抽出して、作業期間算出手段16に送出する。
【0090】
作業期間算出手段16は、建設工程の詳細化後に於ける新作業区画を作業区画作成手段12から得て、この新作業区画に初期値として割り当てる作業期間情報を、配置/工程抽出手段15より入力した建築工程から算出し、作業期間情報を割り当てた新作業区画を出力する。
【0091】
図17(a),(b)は、第3の実施形態に於ける作業区画と作業期間情報を示す図である。
図17(a)は、第3の実施形態に於ける作業区画の空間的配置情報の例が斜視図で示されている。直方体である建屋31Cは、新作業区画4(31−14)〜新作業期間8(31−18)に分割されている。新作業区画8(31−18)の水平方向全てに隣接するように、新作業区画4(31−14)〜新作業区画7(31−17)が設定されている。
【0092】
図17(b)は、第3の実施形態に於ける作業区画の作業期間情報を示すガントチャートの例である。作業期間情報は全て、右方向が時間の進行方向を示している。
新作業区画4(31−14)は、作業期間情報70−14に於いて建築作業が行われる。以下同様に、新作業区画5(31−15)は、作業期間情報70−15に於いて建築作業が行われる。新作業区画6(31−16)は、作業期間情報70−16に於いて建築作業が行われる。新作業区画7(31−17)は、作業期間情報70−17に於いて建築作業が行われる。
【0093】
このとき、新たに設定した新作業区画8(31−18)は、水平方向全てに隣接する新作業区画4(31−14)〜新作業区画7(31−17)が更新されている。新作業区画4(31−14)〜新作業区画7(31−17)のうち、最先である作業期間情報70−15の開始時期が、新作業区画8(31−18)の開始時期に設定される。新作業区画4(31−14)〜新作業区画7(31−17)のうち、最遅である作業期間情報70−17の終了時期が、新作業区画8(31−18)の終了時期に設定される。
新作業区画8(31−18)の作業は、水平方向全てに隣接する新作業区画4(31−14)〜新作業区画7(31−17)の作業によって、影響を受けるためである。
【0094】
(第3の実施形態の動作)
図18は、第3の実施形態に於ける作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。図13に示す第2の実施形態に於けるフローチャートと同一の要素には同一の符号が付与されている。
処理が開始したのち、ステップS30A〜S33aの処理は、第2の実施形態のステップS30A〜S33aの処理と同様である。
ステップS33cに於いて、水平方向に隣接する作業区画による作業期間情報設定処理を行う。この作業期間情報設定処理の詳細は、後述する図19に示されている。
ステップS34に於ける処理は、第2の実施形態のステップS34の処理と同様である。ステップS34の処理が終了したならば、図18の処理を終了する。
【0095】
図19は、第3の実施形態に於ける水平方向に隣接する作業区画による作業期間情報設定処理を示すフローチャートである。
図19の処理が開始すると、ステップS80〜S86の処理を、全ての作業区画について繰り返す。
ステップS81に於いて、配置/工程抽出手段15は、当該作業区画(第1の作業区画)に対して水平方向に全て隣接する第2の作業区画を検出する。
【0096】
ステップS82に於いて、配置/工程抽出手段15は、第2の作業区画を検出したか否かを判断する。第2の作業区画を検出したならば(Yes)、ステップS83の処理を行う。第2の作業区画を検出しなかったならば(No)、ステップS86の処理を行う。
【0097】
ステップS83に於いて、配置/工程抽出手段15は、第2の作業区画が全て更新されたか否かを判断する。第2の作業区画が全て更新されたならば(Yes)、ステップS84の処理を行う。第2の作業区画が全て更新されていなかったならば(No)、ステップS86の処理を行う。
ステップS84に於いて、作業期間算出手段16は、第2の作業区画の最先の開始時期を、当該作業区画の開始時期に設定する。
ステップS85に於いて、作業期間算出手段16は、第2の作業区画の最遅の終了時期を、当該作業区画の終了時期に設定する。
【0098】
ステップS86に於いて、全ての作業区画について処理を繰り返していなかったならば、ステップS80の処理に戻る。全ての作業区画について処理を繰り返していたならば、図19の処理を終了する。
建築工程割当手段13は、第1の作業区画に対して水平方向に隣接する全ての第2の作業区画の作業期間情報を利用者が更新した場合、作業期間算出手段16により、これら第2の作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを取得し、第1の作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、これら第2の作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを取得して、第1の作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てている。
【0099】
(第3の実施形態の効果)
以上説明した第3の実施形態では、次の(D)のような効果がある。
(D) プラント建設計画の進行に伴い作業区画が細分化された場合、対応工区検出手段17を用いて、第1の作業区画に、これに対して水平方向に全て隣接する第2の作業区画に関する作業期間情報を引き継がせている。これにより、プラント建設計画の手戻りを発生させず、効率の低下を抑止することが可能である。
【0100】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)のようなものがある。
【0101】
(a) 第1〜第3の実施形態では、プラント建設工程作成支援システム10,10Bによって処理が行われている。しかし、これに限られず、マウスやキーボードなどの入力手段11と、ディスプレイなどの出力手段19とを備えたコンピュータに、このプラント建設工程作成支援方法を行わせるためのプラント建設工程作成支援プログラムであっても良い。
【符号の説明】
【0102】
10,10B プラント建設工程作成支援システム
11 入力手段
12 作業区画作成手段
13 建築工程割当手段
14 搬入経路作成手段
15 配置/工程抽出手段
16 作業期間算出手段
17 対応工区検出手段
18 干渉検出手段
19 出力手段
21 建屋情報保持手段
22 機器仕様保持手段
23 クレーン仕様保持手段
31,31A,31B,31C 建屋
31 建屋
40 作業区画作成画面
50 作業区画操作用ツール
60 作業期間情報設定ダイアログ
70−1〜70−18 作業期間情報
81 警告ダイアログ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの建設工程および当該プラントの建屋の建築工程の作成を支援するプラント建設工程作成支援システムであって、
機器の仕様を保持する機器仕様保持手段と、
前記建屋、および、当該建屋を細分化した各作業区画の情報を保持する建屋情報保持手段と、
概略の建屋の建築工程を取得したならば、前記各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、前記建屋の建築工程が更新されたならば、前記各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる建築工程割当手段と
を備え、
前記建築工程割当手段は、前記建築工程の更新前に存在する旧作業区画と重なる場所に新作業区画を入力する場合には、前記建築工程が更新されたならば、前記旧作業区画の作業期間情報を前記新作業区画の作業期間情報に割り当てる
ことを特徴とするプラント建設工程作成支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のプラント建設工程作成支援システムは更に、
前記機器を前記建屋に搬入するクレーンの仕様を保持するクレーン仕様保持手段と、
前記機器の仕様、前記建屋の情報、前記各作業区画の情報、および、前記クレーンの仕様に基づき、前記機器を前記各作業区画のいずれかに干渉を回避して搬入する経路を算出する搬入経路作成手段と、
を備えることを特徴とするプラント建設工程作成支援システム。
【請求項3】
前記建築工程割当手段は更に、
前記旧作業区画が複数の場合には、
前記建築工程が更新されたならば、この複数の旧作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを前記新作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、前記複数の旧作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを前記新作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項4】
前記建築工程割当手段は更に、
前記建築工程の更新前に存在するいずれの旧作業区画とも重ならない場所に新作業区画を設定する場合には、
前記新作業区画の下側の旧作業区画が存在するならば、前記新作業区画の開始時期を、前記下側の旧作業区画の終了時期よりも後に設定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項5】
前記建築工程割当手段は更に、
前記新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画が存在するならば、前記隣接する旧作業区画の作業期間情報を、前記新作業区画の作業期間情報に割り当てる
ことを特徴とする請求項4に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項6】
前記建築工程割当手段は更に、
前記新作業区画の作業時期情報を更新した際に、
更新後の作業時期情報の開始時期が、前記下側の旧作業区画の終了時期よりも前だったならば、作業時期範囲外の警告を表示する
ことを特徴とする請求項5に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項7】
前記建築工程割当手段は更に、
第1の作業区画に対して水平方向に隣接する全ての第2の作業区画の作業期間情報を利用者が更新した場合に、
前記第2の作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを前記第1の作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、前記第2の作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを前記第1の作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項8】
プラントの建設工程および当該プラントの建屋の建築工程の作成を支援するプラント建設工程作成支援システムが行うプラント建設工程作成支援方法であって、
概略の建屋の建築工程を取得したならば、当該建屋を細分化した各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、前記建築工程が更新されたならば、前記各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる建築工程割当処理と、
を行い、
前記建築工程割当処理は更に、
前記建築工程の更新前に存在する旧作業区画と重なる場所に新作業区画を入力する場合には、
前記建築工程が更新されたならば、前記旧作業区画の作業期間情報を前記新作業区画の作業期間情報に割り当てる処理
を行うことを特徴とするプラント建設工程作成支援方法。
【請求項9】
請求項8に記載のプラント建設工程作成支援方法は更に、
機器の仕様、前記建屋の情報、当該建屋を細分化した各作業区画の情報、および、クレーンの仕様に基づき、前記機器を前記各作業区画のいずれかに干渉を回避して搬入する経路を算出する搬入経路作成処理を有し、
前記建築工程割当処理は、
概略の建屋の建築工程を取得したならば、前記クレーンによる前記機器の搬入の際に前記クレーンや前記機器との干渉を回避する対象である前記各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、前記建築工程が更新されたならば、前記各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる
ことを特徴とするプラント建設工程作成支援方法。
【請求項10】
前記建築工程割当処理は更に、
前記旧作業区画が複数の場合には、
前記建築工程が更新されたならば、この複数の旧作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを前記新作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、前記複数の旧作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを前記新作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てる処理
を行うことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のプラント建設工程作成支援方法。
【請求項11】
前記建築工程割当処理は更に、
前記建築工程の更新前に存在するいずれの旧作業区画とも重ならない場所に新作業区画を設定する場合には、
前記新作業区画の下側の旧作業区画が存在するならば、前記新作業区画の開始時期を、前記下側の旧作業区画の終了時期よりも後に設定する処理
を行うことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のプラント建設工程作成支援方法。
【請求項12】
前記建築工程割当処理は更に、
水平方向に隣接する旧作業区画が存在するならば、前記隣接する旧作業区画の作業期間情報を、前記新作業区画の作業期間情報に割り当てる処理
を行うことを特徴とする請求項11に記載のプラント建設工程作成支援方法。
【請求項13】
前記建築工程割当処理は更に、
前記新作業区画の作業時期情報を更新した際に、
更新後の作業時期情報の開始時期が、前記下側の旧作業区画の終了時期よりも前だったならば、作業時期範囲外の警告を表示する
ことを特徴とする請求項12に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項14】
前記建築工程割当処理は更に、
第1の作業区画に対して水平方向に隣接する全ての第2の作業区画の作業期間情報を利用者が更新した場合に、
前記第2の作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを前記第1の作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、前記第2の作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを前記第1の作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てる処理
を行うことを特徴とする請求項8ないし請求項13のいずれか1項に記載のプラント建設工程作成支援方法。
【請求項15】
請求項8ないし請求項14のいずれか1項に記載のプラント建設工程作成支援方法を、前記プラント建設工程作成支援システムであるコンピュータに行わせるためのプラント建設工程作成支援プログラム。
【請求項1】
プラントの建設工程および当該プラントの建屋の建築工程の作成を支援するプラント建設工程作成支援システムであって、
機器の仕様を保持する機器仕様保持手段と、
前記建屋、および、当該建屋を細分化した各作業区画の情報を保持する建屋情報保持手段と、
概略の建屋の建築工程を取得したならば、前記各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、前記建屋の建築工程が更新されたならば、前記各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる建築工程割当手段と
を備え、
前記建築工程割当手段は、前記建築工程の更新前に存在する旧作業区画と重なる場所に新作業区画を入力する場合には、前記建築工程が更新されたならば、前記旧作業区画の作業期間情報を前記新作業区画の作業期間情報に割り当てる
ことを特徴とするプラント建設工程作成支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のプラント建設工程作成支援システムは更に、
前記機器を前記建屋に搬入するクレーンの仕様を保持するクレーン仕様保持手段と、
前記機器の仕様、前記建屋の情報、前記各作業区画の情報、および、前記クレーンの仕様に基づき、前記機器を前記各作業区画のいずれかに干渉を回避して搬入する経路を算出する搬入経路作成手段と、
を備えることを特徴とするプラント建設工程作成支援システム。
【請求項3】
前記建築工程割当手段は更に、
前記旧作業区画が複数の場合には、
前記建築工程が更新されたならば、この複数の旧作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを前記新作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、前記複数の旧作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを前記新作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項4】
前記建築工程割当手段は更に、
前記建築工程の更新前に存在するいずれの旧作業区画とも重ならない場所に新作業区画を設定する場合には、
前記新作業区画の下側の旧作業区画が存在するならば、前記新作業区画の開始時期を、前記下側の旧作業区画の終了時期よりも後に設定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項5】
前記建築工程割当手段は更に、
前記新作業区画の水平方向に隣接する旧作業区画が存在するならば、前記隣接する旧作業区画の作業期間情報を、前記新作業区画の作業期間情報に割り当てる
ことを特徴とする請求項4に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項6】
前記建築工程割当手段は更に、
前記新作業区画の作業時期情報を更新した際に、
更新後の作業時期情報の開始時期が、前記下側の旧作業区画の終了時期よりも前だったならば、作業時期範囲外の警告を表示する
ことを特徴とする請求項5に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項7】
前記建築工程割当手段は更に、
第1の作業区画に対して水平方向に隣接する全ての第2の作業区画の作業期間情報を利用者が更新した場合に、
前記第2の作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを前記第1の作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、前記第2の作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを前記第1の作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項8】
プラントの建設工程および当該プラントの建屋の建築工程の作成を支援するプラント建設工程作成支援システムが行うプラント建設工程作成支援方法であって、
概略の建屋の建築工程を取得したならば、当該建屋を細分化した各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、前記建築工程が更新されたならば、前記各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる建築工程割当処理と、
を行い、
前記建築工程割当処理は更に、
前記建築工程の更新前に存在する旧作業区画と重なる場所に新作業区画を入力する場合には、
前記建築工程が更新されたならば、前記旧作業区画の作業期間情報を前記新作業区画の作業期間情報に割り当てる処理
を行うことを特徴とするプラント建設工程作成支援方法。
【請求項9】
請求項8に記載のプラント建設工程作成支援方法は更に、
機器の仕様、前記建屋の情報、当該建屋を細分化した各作業区画の情報、および、クレーンの仕様に基づき、前記機器を前記各作業区画のいずれかに干渉を回避して搬入する経路を算出する搬入経路作成処理を有し、
前記建築工程割当処理は、
概略の建屋の建築工程を取得したならば、前記クレーンによる前記機器の搬入の際に前記クレーンや前記機器との干渉を回避する対象である前記各作業区画に対して仮の作業期間情報を割り当て、前記建築工程が更新されたならば、前記各作業区画に対して詳細な作業期間情報を割り当てる
ことを特徴とするプラント建設工程作成支援方法。
【請求項10】
前記建築工程割当処理は更に、
前記旧作業区画が複数の場合には、
前記建築工程が更新されたならば、この複数の旧作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを前記新作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、前記複数の旧作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを前記新作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てる処理
を行うことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のプラント建設工程作成支援方法。
【請求項11】
前記建築工程割当処理は更に、
前記建築工程の更新前に存在するいずれの旧作業区画とも重ならない場所に新作業区画を設定する場合には、
前記新作業区画の下側の旧作業区画が存在するならば、前記新作業区画の開始時期を、前記下側の旧作業区画の終了時期よりも後に設定する処理
を行うことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のプラント建設工程作成支援方法。
【請求項12】
前記建築工程割当処理は更に、
水平方向に隣接する旧作業区画が存在するならば、前記隣接する旧作業区画の作業期間情報を、前記新作業区画の作業期間情報に割り当てる処理
を行うことを特徴とする請求項11に記載のプラント建設工程作成支援方法。
【請求項13】
前記建築工程割当処理は更に、
前記新作業区画の作業時期情報を更新した際に、
更新後の作業時期情報の開始時期が、前記下側の旧作業区画の終了時期よりも前だったならば、作業時期範囲外の警告を表示する
ことを特徴とする請求項12に記載のプラント建設工程作成支援システム。
【請求項14】
前記建築工程割当処理は更に、
第1の作業区画に対して水平方向に隣接する全ての第2の作業区画の作業期間情報を利用者が更新した場合に、
前記第2の作業区画の作業期間情報の開始時期のうち最先のものを前記第1の作業区画の作業期間情報の開始時期に割り当て、前記第2の作業区画の作業期間情報の終了時期のうち最遅のものを前記第1の作業区画の作業期間情報の終了時期に割り当てる処理
を行うことを特徴とする請求項8ないし請求項13のいずれか1項に記載のプラント建設工程作成支援方法。
【請求項15】
請求項8ないし請求項14のいずれか1項に記載のプラント建設工程作成支援方法を、前記プラント建設工程作成支援システムであるコンピュータに行わせるためのプラント建設工程作成支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−242981(P2012−242981A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110978(P2011−110978)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
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