プリズム前方光に対するエッジシャドウの減少方法
【課題】本願の実施形態は、モアレ干渉を低減するのと同時にエッジシャドウ効果による暗い領域を低減するように設計された光システムに関する。
【解決手段】例えば、光源、導光体及び方向転換特徴部の構成が、モアレ干渉を低減しつつディスプレイ全体にわたる光に向けられる。
【解決手段】例えば、光源、導光体及び方向転換特徴部の構成が、モアレ干渉を低減しつつディスプレイ全体にわたる光に向けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年6月4日出願の米国仮特許出願第61/058828号の優先権を主張し、その内容は参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本願の多様な実施形態はディスプレイ及びディスプレイ技術に係り、例えば、モアレ干渉を減少させるのと同時に、エッジシャドウ効果に起因する暗い領域を減少させるように設計されたディスプレイ用照明システムに関する。
【背景技術】
【0003】
微小電気機械システム(MEMS,Microelectromechanical System)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び、電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び/又は、他の微小機械加工プロセス(基板及び/又は堆積させた物質層の一部をエッチングしたり、電気的及び電気機械的装置を形成するための層を追加したりする)を用いて、形成され得る。MEMS装置の一種類は、干渉変調器と呼ばれる。本願において、干渉変調器、干渉光変調器という用語は、光干渉原理を用いて光を選択的に吸収及び/又は反射する装置を指称する。特定の実施形態において、干渉変調器は、一対の導電性板を備える。その一対の導電性板の一方又は両方は、その全体または一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号の印加に対して相対的に動くことができる。特定の実施形態において、一方の板は、基板上に堆積させた静止層を備え、他方の板は、空隙によって静止層から離隔された金属膜を備え得る。本願において詳述されるように、他方の板に対する一方の板の位置によって、干渉変調器に入射する光の光学干渉を変化させることができる。このような装置は広範な応用を有し、こうした種類の装置の特性を利用及び/又は変更する分野において有用であり、その特徴を、既存の製品を改善し、また、未だ開発されていない新規製品を創作するのに活かすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/254771号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1870635号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1832806号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/177405号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部実施形態では、照明装置が、光源と、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、入射した光を導光体の外に反射する導光体内の複数の方向転換特徴部とを備えて提供される。光源からその導光体の第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。導光体は、第二の端部に沿った重畳しない第一及び第二の領域を備える。導光体内の方向転換特徴部は、導光体の第一の端部に入射した光が導光体の第二の領域からよりも第一の領域からより効率的に反射されるように構成されるように、導光体の第二の端部においてほぼ第一の領域の方に向いている。光源が、導光体の第一の領域よりも導光体の第二の端部における第二の領域に向けてより多くの光を導光体内に向けるように構成されていていることによって、導光体にわたる光出力の均一性を増大させる。
【0006】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は、第二の端部に向けて伝播する。導光体は、幅及び厚さを有する。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備える。方向転換特徴部は、導光体の第一の端部に実質的に非平行である配向を有する。導光体の幅は、導光体の長さ方向の少なくとも一部に沿って減少する。
【0007】
一部実施形態では、照明装置が、長さ及び幅を有する空間光変調器のアレイと、第一及び第二の端部とその間の長さを有する導光体と、導光体の第一の側部に配置された複数の光転換特徴部とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は、第二の端部に向けて伝播する。導光体は幅及び厚さを有する。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備え、方向転換特徴部は、導光体の第一の端部に実質的に非平行である配向を有する。導光体の幅は、空間変調器のアレイの幅よりも大きい。
【0008】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。導光体は幅及び厚さを有する。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備える。各方向転換特徴部は複数の線形セグメントを備える。その複数のセグメントの少なくとも一つの第一のセグメントは、その複数のセグメントの少なくとも一つの第二のセグメントに対して傾いて配向されている。セグメントは二つよりも多くの他の方向転換特徴部とは交差しない。
【0009】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、複数の斜めの方向転換素子とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。各斜めの方向転換素子は、導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部を備える。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備える。
【0010】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、複数の斜めの方向転換素子とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。各斜めの方向転換素子は、導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部を備える。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備える。各斜めの方向転換素子の方向転換特徴部の一つの側部は、導光体の長さ方向に非垂直及び非平行である直線に沿って配置されている。斜めの方向転換素子の方向転換特徴部の配向は、個々の斜めの方向転換素子の配向とは異なる。
【0011】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備える。方向転換特徴部は、導光体の長さ方向に直交する線形経路を備える。方向転換特徴部は、第一の長さを有する。方向転換特徴部は、他の方向転換特徴部、又は導光体の端部若しくはエッジに接触しない二つの端部を有する。第一の長さは、個々の方向転換特徴部が裸眼の人間の眼によって識別不能であるように構成される。
【0012】
一部実施形態では、照明装置が、光を発生させるための光生成手段と、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光のための導光手段と、入射光を導光手段の外に反射する導光手段内の光を方向転換させるための複数の光方向転換手段とを備えて提供される。光生成手段から導光手段の第一の端部に入射した光は、第二の端部に向けて伝播する。導光手段は、第二の端部に沿って重畳しない第一及び第二の領域を備える。導光手段内の光方向転換手段は、導光手段の第一の端部に入射した光が導光手段の第二の領域よりも第一の領域からより効率的に反射されるように構成されるように、導光手段の第二の端部においてほぼ第一の領域の方を向いている。光生成手段は、導光手段の第一の領域に向けてよりも導光手段の第二の端部において第二の領域に向けて導光手段内により多くの光を向けるように構成されていることによって、導光手段にわたる光出力の均一性を増大させる。
【0013】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光のための導光手段と、導光手段の第一の側部に配置された光を方向転換させるための複数の光方向転換手段とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は、第二の端部に向けて伝播する。導光手段は幅及び厚さを有する。光方向転換手段は、入射光を導光手段の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備える。各光方向転換手段は複数の線形のセグメントを備える。複数のセグメントの少なくとも一つの第一のセグメントは、複数のセグメントの少なくとも一つの第二のセグメントに対して傾いて配向されている。セグメントは二つよりも多くの他のセグメントとは交差しない。
【0014】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光のための導光手段と、光を方向決めするための複数の斜めの光方向決め手段とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。各斜めの光方向決め手段は、導光手段の第一の側部に配置された光を方向転換させるための複数の光方向転換手段を備える。光方向転換手段は、入射光を導光手段の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備える。
【0015】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光のための導光手段と、導光手段の第一の側部に配置された光を方向転換させるための複数の光方向転換手段とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。光方向転換手段は、入射光を導光手段の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備える。光方向転換手段は、導光手段の長さ方向に直交する線形経路を備える。光方向転換手段は、第一の長さを有する。光方向転換手段は、他の光方向転換手段と、又は、導光手段の端部若しくはエッジと接触しない二つの端部を有する。第一の長さは、個々の光方向転換手段が裸眼の人間の眼によって識別不能であるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一番目の干渉変調器の可動反射層が緩和位置にあり、二番目の干渉変調器の可動反射層が作動位置にある干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を示す等角図である。
【図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組み込む電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉変調器の実施形態の一例に対する可動ミラーの位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用可能な行及び列の電圧の組の図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調器ディスプレイの表示データのフレームを描くために使用可能な行及び列の信号用のタイミング図の一例を示す。
【図5B】図2の3×3干渉変調器ディスプレイの表示データのフレームを描くために使用可能な行及び列の信号用のタイミング図の一例を示す。
【図6A】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】干渉変調器の代替実施形態の断面図である。
【図7C】干渉変調器の他の代替実施形態の断面図である。
【図7D】干渉変調器の更に他の代替実施形態の断面図である。
【図7E】干渉変調器の更なる代替実施形態の断面図である。
【図8】方向転換特徴部を有する導光体を備えた照明システムを示す。導光体が、行及び列に配置された画素を有する画素アレイ(列は、垂直に配置された方向転換特徴部と略平行である)と重畳することによって、モアレパターンが生じ得る。
【図9】画素アレイに対して回転させた方向転換特徴部を有する導光体を備えた照明システムを示す。画素アレイに対する導光体の回転は、“エッジシャドウ効果”と称される効果をもたらす。
【図10】画素アレイのアクティブエリアを超えて延伸している導光体及び光バーを備えた照明システム(エッジシャドウ効果を低減し得る)を示す。
【図11】画素アレイのアクティブエリアを超えて延伸している導光体及び光バーを備えた照明システムを示し、ここで、導光体は、第二の端部の幅よりも幅広である第一の端部の幅を有し、第一の端部は第二の端部よりも光バーの近くある。
【図12】サイドローブによって生成される非対称分布を有する光源を備えた照明システムを示す。
【図13A】複数のセグメントを備えた光方向転換特徴部を備えた導光体を示し、セグメントの少なくとも一つは少なくとも一つの他のセグメントに対して傾いて配向されている。
【図13B】複数のセグメントを備えた光方向転換特徴部を備えた導光体を示し、セグメントの少なくとも一つは少なくとも一つの他のセグメントに対して傾いて配向されている。
【図13C】複数のセグメントを備えた光方向転換特徴部を備えた導光体を示し、セグメントの少なくとも一つは少なくとも一つの他のセグメントに対して傾いて配向されている。
【図13D】複数のセグメントを備えた光方向転換特徴部を備えた導光体を示し、セグメントの少なくとも一つは少なくとも一つの他のセグメントに対して傾いて配向されている。
【図14】複数の斜めの方向転換素子を備えた導光体を示し、各斜めの方向転換素子は複数の方向転換特徴部を備える。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な記載は、特定の実施形態に対するものである。しかしながら、本願の教示は、多種多様な方法で応用可能である。本説明においては、全体にわたり同様の部分には同様の参照符号を付した図面を参照する。動的な画像(例えば、ビデオ)又は静的な画像(例えば、静止画)や、文字又は図表の画像を表示するように設計されているあらゆる装置において、本実施形態を実装可能である。更に、携帯電話、無線装置、PDA、携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、置時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(例えば、走行距離計等)、コックピット制御機器及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車の後方ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電光掲示板または電光サイン、プロジェクタ、建築物、パッケージング、審美的構造(例えば、宝石に対する画像表示)等の多種多様な電子機器において又はこれらに関連して、本実施形態を実施可能であるが、これらに限定されるものではない。本願で説明されるものと同様の構造のMEMS装置を、電子スイッチ装置等のディスプレイ以外の応用においても使用可能である。
【0018】
一部実施形態において、照明システムは光源及び導光体を備える。光源からの光は、導光体に入射して、広範な領域にわたって広がり、導光体内の複数の方向転換特徴部によってディスプレイ素子のアレイ上に向けられ得る。しかしながら、導光体とディスプレイ素子のアレイとの重ね合わせがモアレ干渉を生じさせ得る。導光体の方向転換特徴部をアレイに対して回転させて干渉を低減することができるが、通常、暗い領域がディスプレイの或る領域に生じる。本願で開示される実施形態は、暗い領域を低減することができる光源及び/又は導光体の構成に関する。本願で開示される更なる実施形態は、暗い領域を低減することができる導光体の方向転換特徴部の構成に関する。
【0019】
干渉MEMSディスプレイ素子を備えた干渉変調器ディスプレイの一実施形態を、図1に示す。この装置において、画素は、明状態または暗状態のどちらかである。明(“緩和”、“オープン”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分を使用者に反射する。暗(“作動”、“クローズ”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の僅かしか使用者に反射しない。実施形態に応じて、“オン”及び“オフ”状態の光の反射性を逆にしてもよい。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成可能であり、白黒に加えてカラーディスプレイが可能である。
【0020】
図1は、画像ディスプレイの一続きの画素の内の二つの隣接する画素を示す等角図である。ここで、各画素は、MEMS干渉変調器を備えている。一部実施形態では、干渉変調器ディスプレイは、これら干渉変調器の行列のアレイを備える。各干渉変調器は、互いに可変で制御可能な距離に配置された一対の反射層を含み、少なくとも一つの可変寸法を備えた共鳴光学ギャップを形成する。一実施形態において、反射層の一方は、二つの位置の間を移動し得る。第一の位置(緩和位置と称する)では、可動反射層は、固定された部分反射層から比較的離れた位置に在る。第二位置(作動位置と称する)では、可動反射層は、部分反射層により近づいて隣接する位置に在る。これら二つの層から反射される入射光は、可動反射層の位置に応じて、建設的にまたは破壊的に干渉して、各画素に対して全体的な反射状態または非反射状態のどちらかがもたらされる。
【0021】
図1に示される画素アレイの一部は、二つの隣接する干渉変調器12a及び12bを含む。左側の干渉変調器12aでは、可動反射層14aが、光学積層体16a(部分反射層を含む)から所定の距離離れた緩和位置で示されている。右側の干渉変調器12bでは、可動反射層14bが、光学積層体16bに隣接した作動位置で示されている。
【0022】
本願において、光学積層体16a及び16b(まとめて光学積層体16と称する)は典型的に複数の結合層を備え、インジウム錫酸化物(ITO,indium tin oxide)等の電極層、クロム等の部分反射層、及び、透明誘電体を含み得る。従って、光学積層体16は、導電性であり、部分的には透明で部分的には反射性であり、例えば、透明基板20上に上述の層を一層以上堆積させることによって、製造可能である。部分反射層は、多様な金属、半導体、誘電体等の部分反射性である多様な物質から形成可能である。部分反射層は一層以上の物質層で形成可能であり、各層は単一の物質または複数の物質の組み合わせで形成可能である。
【0023】
一部実施形態では、光学積層体16の層が平行なストリップにパターニングされて、以下で説明するようなディスプレイ装置の行電極を形成し得る。可動反射層14a、14bは、ポスト18の上面と、ポスト18間に堆積させた介在犠牲物質の上面とに堆積させた列を形成する堆積金属層(一層または複数層)の一続きの平行なストリップ(16a及び16bの行電極に直交する)として形成され得る。犠牲物質がエッチングされると、画定されたギャップ19によって、可動反射層14a、14bが光学積層体16a、16bから離隔される。反射層14用には、アルミニウム等の高導電性及び反射性物質を使用可能であり、そのストリップが、ディスプレイ装置の列電極を形成し得る。図1は縮尺どおりではない点に留意されたい。一部実施形態では、ポスト18間の間隔が10〜100μmのオーダとなり得る一方で、ギャップ19が1000オングストローム未満のオーダとなり得る。
【0024】
電圧が印加されていないと、図1の画素12aに示されるように、可動反射層14aと光学積層体16aとの間にギャップ19が残ったままであり、可動反射層14aは、機械的に緩和状態にある。一方で、選択された行と列に電位(電圧)の差が印加されると、対応する画素の行電極と列電極の交差する部分に形成されるキャパシタが帯電して、静電力が電極を互いに引き寄せる。電圧が十分に高いと、可動反射層14が変形して、光学積層体16に押し付けられる。光学積層体16内の誘電体層(図1に示さず)は、短絡を防止して、図1の右側の作動画素12bに示されるように、層14と層16との間の間隔を制御することができる。印加される電位差の極性に関わり無く、挙動は同じである。
【0025】
図2から図5は、ディスプレイ応用における干渉変調器のアレイを用いるためのプロセス及びシステムの一例を示す。
【0026】
図2は、干渉変調器を組み込み得る電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。電子装置はプロセッサ21を含み、そのプロセッサ21は、ARM(登録商標)、Pentium(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)等の汎用のシングルチップまたはマルチチップのマイクロプロセッサであり、又は、デジタル信号プロセッサや、マイクロコントローラやプログラマブルゲートアレイ等の専用マイクロプロセッサであり得る。従来技術のように、プロセッサ21は、一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得る。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、eメールプログラムや、他のソフトウェアアプリケーション等の一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
【0027】
一実施形態では、プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するようにも構成されている。一実施形態では、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に示されるアレイの断面図は、図2の線1‐1に沿って示されている。図2には明確性のため、干渉変調器の3×3のアレイが示されているが、ディスプレイアレイ30は多数の干渉変調器を含み得て、また、列と行とで異なる数の干渉変調器を含み得る(例えば行毎に130画素で、列毎に190画素)ことには留意されたい。
【0028】
図3は、図1の干渉変調器の例示的な実施形態に対する可動ミラー位置対印加電圧のダイアグラムを示す。MEMS干渉変調器に対しては、行/列の作動プロトコルは、図3に示されるような装置のヒステリシス特性を利用し得る。干渉変調器は、例えば、可動層を緩和状態から作動状態に変形させるのに、10ボルトの電位差を必要とし得る。一方で、この値よりも電圧が減少すると、電圧が10ボルト未満に下がっても、可動層がその状態を維持する。図3の例示的な実施形態では、可動層は、電圧が2ボルト未満に下がるまで完全には緩和しない。従って、電圧範囲(図3に示される例では略3から7V)が存在し、装置が緩和状態又は作動状態のどちらかで安定している印加電圧のウィンドウが存在する。これを本願では、“ヒステリシスウィンドウ”または“安定ウィンドウ”と称する。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイに対しては、行/列の作動プロトコルを以下のように構成可能である。即ち、行のストローブ中には、作動されるべきストローブ行の画素が略10ボルトの電圧の差に晒されて、緩和されるべき画素がゼロボルトに近い電圧の差に晒されるように構成可能である。ストローブ後には、画素が略5ボルトの安定状態又はバイアス電圧の差に晒されて、画素が、行のストローブによって与えられた状態を保つ。描かれた後には、各画素は、本実施例では3〜7ボルトの“安定ウィンドウ”内の電位差を見る。この特徴は、図1に示される画素構造を、同一の印加電圧条件の下において、作動または緩和の既存状態のどちらかで安定させる。干渉変調器の各画素(作動又は緩和状態)は本質的に、固定反射層及び可動反射層によって形成されたキャパシタであるので、ほぼ電力消費無く、ヒステリシスウィンドウ内の電圧において、この安定状態を保持することができる。印加電位が固定されていれば、本質的に電流は画素内に流れない。
【0029】
後述のように、典型的な応用では、画像のフレームは、第1番目の行の作動画素の所望の組に従った列電極の組にわたるデータ信号(それぞれ特定の電圧レベルを有する)の組を送信することによって、生成され得る。その後、行パルスが第1番目の行の電極に印加されて、データ信号の組に対応する画素を作動させる。その後、第2番目の行の作動画素の所望の組に対応するために、データ信号の組を変更する。その後、パルスが第2番目の行の電極に印加されて、データ信号に従って第2番目の行の適切な画素を作動させる。第1番目の行の画素は、第2番目の行のパルスによって影響されず、第1番目の行のパルスの間に設定された状態のままである。このことが、一続きの行全体に対して逐次的に反復されて、フレームを生成する。一般的に、秒毎の所望のフレーム数でこのプロセスを連続的に反復することによって、フレームがリフレッシュされ及び/又は新しい画像に更新される。画像のフレームを生成するための画素アレイの行電極及び列電極を駆動する多種多様なプロトコルが使用可能である。
【0030】
図4及び図5は、図2の3×3アレイ上に表示フレームを生成する作動プロトコルとして考えられるものの一つを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に対して使用され得る列及び行の電圧レベルの組として考えられるものの一つを示す。図4の実施形態において、画素を作動させることには、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を+ΔVに設定することが含まれ、それぞれ−5ボルトと+5ボルトに対応し得る。画素の緩和は、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を同じ+ΔVに設定して、画素に対する電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。行の電圧がゼロボルトに保たれている行においては、列が+Vバイアスであるか−Vバイアスであるかに関わらず、画素は元々の状態で安定である。また、図4に示されるように、上述のものとは逆極性の電圧も使用可能である。例えば、画素を作動させることは、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を−ΔVに設定することを含むことができる。この実施形態では、画素の緩和は、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を同じ−ΔVに設定して、画素に対して電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。
【0031】
図5Bは、図2の3×3アレイに印加される一続きの行及び列の信号を示すタイミング図であり、図5Aに示される表示配置がもたらされる。ここで、作動画素は非反射性である。図5Aに示されるフレームを描く前においては、画素はいずれの状態であってもよく、この例では、全ての行は最初0ボルトであり、全ての列は+5ボルトである。これらの印加電圧に対しては、全ての画素は、作動又は緩和のその時点での状態で安定である。
【0032】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)、(3,3)が作動している。これを達成するためには、行1に対する“ライン時間”中に、列1及び列2は−5ボルトに設定され、列3は+5ボルトに設定される。全ての画素が3〜7ボルトの安定ウィンドウ内のままであるので、これによっては、いずれの画素の状態も変化しない。その後、行1が、0から5ボルトに上がりゼロに戻るパルスで、ストローブされる。これによって、(1,1)及び(1,2)の画素を作動させて、(1,3)の画素を緩和する。アレイの他の画素は影響を受けない。要求どおりに行2を設定するため、列2を−5ボルトに設定し、列1及び列3を+5ボルトに設定する。その後、行2に印加される同じストローブによって、画素(2,2)を作動させて、画素(2,1)及び(2,3)を緩和する。ここでも、アレイの他の画素は影響を受けない。同様に、列2及び列3を−5ボルトに設定して、列1を+5ボルトに設定することによって、行3を設定する。行3のストローブは、行3の画素を図5Aに示されるように設定する。フレームを描いた後において、行の電位はゼロであり、列の電位は+5又は−5ボルトのどちらかを保つことができ、そうして、ディスプレイは図5Aの配置で安定である。同じ手順を、数十又は数百の行列のアレイに対して用いることができる。また、行及び列の作動を実施するために用いられるタイミング、シーケンス及び電圧レベルは、上述の基本原理内において多様に変更可能であり、上述の例は単に例示的なものであり、何らかの作動電圧方法を本願のシステム及び方法で使用可能である。
【0033】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ装置40の一実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は例えば携帯電話である。しかしながら、ディスプレイ装置40の同一の構成要素又はその僅かな変形体は、テレビや携帯型メディアプレーヤー等の多種多様なディスプレイ装置の実例にもなる。
【0034】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力装置48と、マイク46とを含む。ハウジング41は、多種多様な製造方法のいずれかによって一般的には形成され、射出成形、真空成形が挙げられる。また、ハウジング41は、多種多様な物質のいずれかから形成可能であり、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、それらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ハウジング41は、取り外し可能部(図示せず)を含む。該取り外し可能部は、色の異なる又は異なるロゴや画像やシンボルを含む他の取り外し可能部と交換可能である。
【0035】
例示的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、多種多様なディスプレイのいずれかであり得て、本願で説明されるような双安定性(bi−stable)ディスプレイが含まれる。他の実施形態では、ディスプレイ30は、当業者に周知なように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、TFT LCD等のフラットパネルディスプレイや、CRTや他のチューブデバイス等の非フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、本願の実施形態を説明するために、ディスプレイ30は、本願で説明されるような干渉変調器ディスプレイを含む。
【0036】
図6Bに、例示的なディスプレイ装置40の一実施形態の構成要素を概略的に示す。図示されている例示的なディスプレイ装置40は、ハウジング41を含み、また、それに少なくとも部分的に封入される追加の構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態では、例示的なディスプレイ装置40は、送受信機47に結合されているアンテナ43を含むネットワークインターフェイス27を備える。送受信機47はプロセッサ21に接続されていて、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続されている。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば信号をフィルタリングする)ように構成可能である。調整ハードウェア52は、スピーカー45及びマイク46に接続されている。また、プロセッサ21は、入力装置48及びドライバ制御装置29にも接続されている。ドライバ制御装置29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されている。アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合されている。電源50は、この特定の例示的なディスプレイ装置40の構成に必要とされるような全ての構成要素に電力を供給する。
【0037】
ネットワークインターフェイス27は、アンテナ43及び送受信機47を含み、例示的なディスプレイ装置40が、ネットワーク上の一つ以上の装置と通信できるようになっている。一実施形態では、ネットワークインターフェイス27は、プロセッサ21の要求を軽減するためにある程度の処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号の送受信用として当業者に知られているアンテナのいずれかである。一実施形態では、アンテナは、IEEE802.11規格(IEEE802.11(a)、(b)又は(g)を含む)に準拠したRF信号を送受信する。他の実施形態では、アンテナは、BLUETOOTH(登録商標)規格に準拠したRF信号を送受信する。携帯電話の場合には、CDMA、GSM(登録商標)、AMPS、W‐CDMA等の無線携帯電話ネットワーク内で通信するために用いられる周知の信号を受信するようにアンテナが設計されている。送受信機47は、アンテナ43から受信した信号を前処理して、その後、信号がプロセッサ21によって受信されて、更に処理されるようにし得る。また、送受信機47は、プロセッサ21から受信した信号も処理して、その後、信号が、アンテナ43を介して例示的なディスプレイ装置40から送信されるようにし得る。
【0038】
代替的な一実施形態では、送受信機47が、受信機に交換可能である。更に他の代替的な実施形態では、ネットワークインターフェイス27が、プロセッサ21に送信されるべき画像データを記憶すること又は発生させることが可能な画像ソースに交換可能である。例えば、画像ソースは、画像データを含むDVDやハードディスクドライブや、画像データを発生するソフトウェアモジュールであり得る。
【0039】
プロセッサ21は一般的に、例示的なディスプレイ装置40の動作全体を制御する。プロセッサ21は、データ(ネットワークインターフェイス27や画像ソースからの圧縮画像データ等)を受信し、そのデータを生の画像データに処理するか、又は、生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。その後、プロセッサ21は、記憶用のフレームバッファ28に又はドライバ制御装置29に処理されたデータを送信する。生データは典型的に、画像内の各位置において画像特性を識別する情報を称する。例えば、このような画像特性は、色、彩度、グレイスケールレベルを含み得る。
【0040】
一実施形態では、プロセッサ21は、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するマイクロ制御装置、CPU、又は、論理ユニットを含む。調整ハードウェア52は一般的に、スピーカー45に信号を送信するための、また、マイク46から信号を受信するためのアンプ及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、例示的なディスプレイ装置40内の個別の構成要素であってもよく、プロセッサ21や他の構成要素に組み込まれたものであってもよい。
【0041】
ドライバ制御装置29は、プロセッサ21が発生させた生の画像データを、プロセッサから直接、又は、フレームバッファ28から受信し、アレイドライバ22に対する高速送信用に適切な生の画像データに再フォーマットする。特に、ドライバ制御装置29は、生の画像データを、ラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマットして、データフローが、ディスプレイアレイ30にわたる走査に適した時間オーダを有するようになる。その後、ドライバ制御装置29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送信する。LCD制御装置等のドライバ制御装置29は、独立型の集積回路(IC,integrated circuit)としてシステムプロセッサ21に附随していることが多いが、このような制御装置は多種多様な方法で実装可能である。このような制御装置は、ハードウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、アレイドライバ22と共にハードウェア内に完全に集積可能でもある。
【0042】
典型的には、アレイドライバ22は、ドライバ制御装置29からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、波形の並列的な組に再フォーマットする。この波形の並列的な組は、ディスプレイの画素のx‐yマトリクスによってもたらされる数百の(数千のこともある)リードに対して、一秒間に何度も印加される。
【0043】
一実施形態では、ドライバ制御装置29、アレイドライバ22及びディスプレイアレイ30は、本願で説明されるあらゆる種類のディスプレイに対しても適合するものである。例えば、一実施形態では、ドライバ制御装置29は、従来のディスプレイ制御装置、又は、双安定性ディスプレイ制御装置(例えば、干渉変調器制御装置)である。他の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバ、又は、双安定性ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバ制御装置29は、アレイドライバ22と集積される。このような実施形態は、携帯電話、腕時計、他の小型ディスプレイ等の高集積システムにおいて一般的である。更に他の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイ、または、双安定性ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0044】
入力装置48によって、使用者が例示的なディスプレイ装置40の動作を制御することが可能になる。一実施形態では、入力装置48は、キーパッド(QWERTYキーボードや電話のキーパッド等)、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、感圧又は感熱膜を含む。一実施形態では、マイク46が、例示的なディスプレイ装置40用の入力装置になる。マイク46を用いて装置にデータを入力する場合には、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するために、使用者によって音声命令が提供され得る。
【0045】
電源50は、当該分野で周知の多種多様なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、一実施形態では、電源50は、ニッケル・カドミウム電池やリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。他の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、又は、太陽電池であり、プラスチック太陽電池や太陽電池ペイントが挙げられる。他の実施形態では、電源50は、壁コンセントから電力を供給されるように構成されている。
【0046】
一部実施形態では、上述のように、電子ディスプレイシステム内の複数の位置に配置可能なドライバ制御装置に、制御プログラム可能性が備わっている。場合によっては、制御プログラム可能性は、アレイドライバ22に備わっている。上述の最適化は、如何なる数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素においても、また、多種多様な構成においても実施可能である。
【0047】
上述の原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は、多種多様なものであり得る。例えば、図7A〜図7Eは、可動反射層14とその支持構造体の五つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、金属物質のストリップ14が、直交して延伸する支持体18の上に堆積されている。図7Bでは、各干渉変調器の可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、テザー32に対して、角でのみ支持体に取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、フレキシブル金属を含み得る変形可能層34から懸架されている。変形可能層34は、該変形可能層34の周囲において、基板20に直接的又は間接的に接続する。この接続は、本願において、支持ポストと称される。図7Dに示される実施形態は、支持ポストプラグ42を有する。この支持ポストプラグの上に、変形可能層34が横たわる。図7A〜7Cのように、可動反射層14はギャップ上に懸架されている。しかしながら、変形可能層34と光学積層体16との間のホールを充填することによって、変形可能層34が支持ポストを形成してはいない。むしろ、支持ポストは、支持ポストプラグ42を形成するために用いられる平坦化物質から形成される。図7Eに示される実施形態は、図7Dに示される実施形態をベースにしたものであるが、図7A〜図7Cに示される実施形態、並びに、図示されていない追加の実施形態のいずれにおいても機能し得るものである。図7Eに示される実施形態では、金属又は他の導電性物質の追加的な層が用いられて、バス構造44を形成している。これによって、信号が、干渉変調器の背面に沿ってルーティングすることが可能になり、基板20上に形成しなければならなかった多数の電極を省略することが可能になる。
【0048】
図7に示されるような実施形態では、干渉変調器は、直視型装置として機能し、画像は透明基板20の前面から視られ、その反対側に変調器が配置されている。こうした実施形態では、反射層14は、変形可能層34を含む基板20に対向する反射層の側において、干渉変調器の一部を光学的に遮蔽する。これによって、遮蔽された領域を、画像の質に悪影響を与えずに、構成及び動作させることが可能になる。例えば、このような遮蔽によって、変調器の光学的特性を変調器の電気機械的特性(アドレシングや該アドレシングの結果による移動等)から分離する性能を提供する図7Eのバス構造44が可能になる。この分離可能な変調器の設計によって、変調器の電気機械的側面及び光学的側面用に用いられる構造設計及び物質が、互いに独立に選択され、また、機能することが可能になる。更に、図7C〜図7Eに示される実施形態は、反射層14の光学的特性をその機械的特性から切り離すこと(このことは、変形可能層34によって達成される)に因る追加的な利点を有する。これによって、光学的特性に関して、反射層14に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になり、また、所望の機械的特性に関して、変形可能層34に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になる。
【0049】
図8に示されるように、一部実施形態では、照明システム800は、発光体(光エミッタ)805及び導光体(光ガイド)810を備えた光源を備える。一部実施形態では、発光体805には、点光源(例えば発光ダイオード(LED))からの光を線光源に変換するように構成された光バー815が伴う。光源は更に光バー815を備え得る。光バー815は、全内部反射によって導光を行う実質的に光透過性の物質を備える。発光体805から光バー815に入射した光は、バーの長さ方向に沿って伝播し、例えば光バー815の長さ方向に沿って配置されたエクストラクタ(抽出体)によって、バーの長さ方向にわたってバーから出射する。出射光は、導光体810の第一の端部810aに入射して、第二の端部810b(第一の端部810の反対側の端部であり得る)に向けて伝わる。また、導光体810も、全内部反射によって導光を行う実質的に光透過性の物質を備える。光バー815は、光バー815の長さ方向にわたって出射する光が導光体810の幅方向にわたって入射するように、導光体810の第一の端部810aに実質的に平行であり得る。結果として、光は広範な領域にわたって広がり、導光体810の後方の(例えば下方の)ディスプレイ素子のアレイ820上に向けられる。(図8では、導光体810がディスプレイ素子のアレイ820の上方に重ね合わせられているため、ライン820がディスプレイ素子のアレイの位置を示すものとして図示されているが、ディスプレイ素子自体は図示されていない。)その上部に方向転換特徴部825を有する導光体810を用いて、ディスプレイ素子820上に光を向けることができる。方向転換特徴部825は、導光体810の第一の端部810aに入射した光の少なくとも実質的な部分を方向転換させて、光の一部を導光体810の第二の反対側の外に向けるように構成されている。方向転換特徴部は例えばプリズム特徴部を備え得る。方向転換特徴部825は、全内部反射によって光を反射する傾斜側壁を含み得る。例えば導光体内に溝を備える方向転換特徴部825は、平面状の傾斜側壁(ファセット)を含み得る。方向転換特徴部は、連続的であるか、又は、人間の目には連続的であるように見られ得る。方向転換特徴部は、導光体810の幅方向にわたって及び/又はディスプレイ素子のマトリクス820の幅方向にわたって延伸し得る。溝は、界面を形成する物質で充填され得て、一部実施形態では、その界面は一つ以上のファセットを形成する。光バー815から出射した光は、導光体810のエッジ内に結合されて、導光体810内部を伝播する。方向転換特徴部825は、導光体810から複数のディスプレイ素子820(例えば空間光変調器及び/又は干渉変調器を備える)に対応する領域にわたって光を出射させる。
【0050】
図8では、導光体810の方向転換特徴部は周期的(例えばy方向に)である。方向転換特徴部825は、図示されるように互いに平行であり得る。一部実施形態では、方向転換特徴部は、例えば半周期的であるか、非周期的である。光方向転換特徴部は、図8に示される例の垂直方向(x方向)に延伸し、水平方向(y方向)において周期的である。複数のディスプレイ素子820は、列及び行に配置された(例えばそれぞれy方向及びx方向に配置された)ディスプレイ素子のアレイを備え得る。従って、図8において、ディスプレイ素子820も周期的(例えばx方向及びy方向に)である。一部実施形態では、ディスプレイ素子は、例えば半周期的であるか、非周期的である。周期的な方向転換特徴部を備えた導光体810と画素のアレイ(これもまた周期的である)との重ね合わせはモアレ干渉を生じさせ得る。周知のように、周期的構造が重ね合わせられると、モアレパターンと称される干渉縞が形成され得る。モアレ干渉パターンは、気を散らせて、ディスプレイの不快な視覚効果となり得る。そのパターンは、ディスプレイの均一性及び/又はコントラストを損ない得る。この問題は、画素アレイ820に対する導光体810の方向転換特徴部の配向を調節することによって、減少又は排除可能である。例えば、導光体810の方向転換特徴部を、その方向転換特徴部825がディスプレイ素子の行又は列に平行ではない角度で延伸するように配置することができる。
【0051】
図9は、導光体810の方向転換特徴部825(光方向転換素子を備える)を垂直方向から反時計回りに回転させた照明システム900を示す。従って、導光体810の方向転換特徴部825は光バー815の長さ方向に非平行である。これによって、方向転換特徴部825が、画素アレイ820の行及び/又は列に対して非平行及び/又は非直交となり得る。この回転は、モアレ干渉パターンを無視できるレベルに減少させるのに十分なものである。しかしながら、画素アレイ820に対して方向転換特徴部825を回転させることは、導光体810に入射した光が、導光体の810の他の領域よりも、導光体810の一つの領域からより効率的に反射されるようにし得て、ディスプレイを実質的に法線角度で視た際に、或る領域(例えばコーナー)において暗い領域(例えば三角形の領域)を発生させ得る。このアーティファクトを、本願において“エッジシャドウ効果”と称する。この効果は典型的には、導光体からの法線に対して視野角が増大するにつれて、明らかになってくる。20°よりも大きな角度は、より顕著な効果を生じさせ得る。図9に示される例では、暗い三角形の領域1005が、ディスプレイの右下のコーナーに存在している。特定の科学的理論を認めるものではないが、このアーティファクトが生じる理由として考えられるものの一つは、光方向転換特徴部の配向に対してより垂直に伝播する光が、導光体から出て視野円錐内により効果的に方向転換されるからである。光バー及び導光体のファセットの配向及び幾何学的形状のせいで、暗い三角形の領域1005内に光方向転換特徴部の配向に垂直に伝播する光は少ない。
【0052】
図10は、導光体810及び光バー815が画素アレイ820のアクティブエリアを超えて延伸する実施形態を示す。図示される実施形態では、方向転換特徴部825は、導光体810の第一の端部810aに非平行である。アクティブエリアとは、光を変調することができるアレイ820の領域のことを称する。干渉変調器に対しては、このアクティブエリアは、光が変調されて視聴者に戻るように反射される領域に対応し得て、つまり、視聴者が視認できる変調領域に対応し得る。ディスプレイ素子のアレイ又は画素アレイ820は長さ及び幅によって特徴付けられ、ここで、幅は、光バー815の長軸に沿って(図10の上下方向に)測られる距離であり、長さは、光バー815の長軸に垂直な方向に沿って(図10の左右方向に)測られる距離である。幅及び長さとの用語は、単に便宜上選択されたものであり、対応する方向を別の名前で呼ぶことがある。同様に、導光体810は、同様の方向の長さ及び幅によって特徴付けられる。光バー815は長さによって特徴付けられ、その長さは、光バー815の長軸に沿って(図10の上下方向に)測られる距離である。この場合、光バーの長さは導光体の幅に略等しい。
【0053】
一実施形態では、光バー815の長さ及び導光体810の幅は、画素アレイ820のアクティブエリアの幅よりも大きい。一例では、導光体810の長さが画素アレイ820のアクティブエリアの長さよりも大きいが、他の例では、実質的に同一である。光バー815及び導光体810が画素アレイ820の空間的広がりを超えて延伸して、暗い三角形の領域1005をディスプレイ素子のアレイの広がりを超えるように移動させることができる。光バー815の長さ及び/又は導光体810の幅は、画素アレイ820のアクティブエリアの幅よりも、略ΔW以上の値で大きくなり得て、ここでΔWは、画素アレイ820の長さ(L)と光方向転換特徴部の回転角θのタンジェントとの積として定義される。従って、一部実施形態では、光バー815の長さ及び/又は導光体810の幅が、画素アレイ820の幅よりも少なくとも略1%、2%、3%、5%、10%又は20%大きくなり得る。光バー815の長さ及び/又は導光体810の幅は、画素アレイ820の幅よりも少なくとも略1mm、2mm、3mm、5mm又は10mm大きくなり得る。例えば、光バー815が垂直に配向されて、方向転換特徴部825が垂直方向から反時計回りに回転(90°未満)されている場合、光バー815及び導光体810が下向きに延伸し得る。従って、十分な光が光バー815の延伸部分からファセットに対して垂直な方向に伝播して、暗くなる画素アレイ820のコーナーに到達する。従って、図10に示される例では、導光体810の幅が増大した結果として、水平より上の角度に向けられた光が、画素アレイ820の右下のコーナーの上方において、方向転換特徴部825に入射し得る。代わりに、光バー815が垂直に配向されて、方向転換特徴部825が垂直方向から時計回りに回転(90°未満)されている場合、光バー815及び導光体810が、画素アレイ820の右上のコーナー上において導光体810の一部に追加の光を提供するために上向きに延伸し得る。従って、この場合、導光体810の幅が増大した結果として、水平より下の角度に向けられた光が、右上のコーナーにおいて光方向転換特徴部に入射し得る。
【0054】
一部実施形態では、導光体810は実質的に矩形である。他の実施形態では、図11に示されるように、導光体は実質的に矩形ではない。非矩形の形状は、光を、延伸した光バー815から、エッジシャドウ効果により暗い領域1005’となる部分に向ける機能を果たし得る。また、非矩形の形状は、光を、光バー815から、暗い領域の方向転換特徴部825の長さ方向に対してより垂直な角度で暗い領域1005’に向ける機能も果たし得る。本実施形態は、光導光体810に必要とされる物質の量を削減することによって製造コストを削減し得るので、図10に示される実施形態よりも有利であり得る。光バー815に隣接する導光体810の第一の端部810aは、第一の端部810aの反対側の第二の端部810bよりも幅広であり得る。従って、導光体810の幅が、導光体810の少なくとも一部に沿って減少し得る。光バー815の長さ及び/又は導光体810の幅は、画素アレイ820のアクティブエリアの幅よりも、略ΔW以下の値で大きくなり得て、ここでΔWは、画素アレイ820の長さ(L)と方向転換特徴部825の回転角θのタンジェントとの積として定義される。従って、一部実施形態では、第一の端部810aは、第二の端部810bよりも少なくとも略0.5%、1%、2%、5%、10%、又は20%幅広となり得る。一部実施形態では、第一の端部810aは、第二の端部810bよりも少なくとも略1mm、2mm、3mm、5mm、又は10mm長い。一部実施形態では、導光体の長さ方向にわたる導光体の幅が、平均の幅に対する少なくも略1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、又は50%の変動によって特徴付けられる。また、光バー815の長さが、第二の端部810bにおける導光体の幅よりも長くなり得る。図11に示されるように、光バー815に近接する第一の端部810aにおける導光体810の幅が増大した結果として、暗くなる三角形の領域1005’において、水平より上に傾けられた角度に向けられた光は、光方向転換特徴部に入射し得る。
【0055】
図12に示されるように、光源は、エッジシャドウ効果により暗い領域1005’となる領域により多くの光を向ける非対称な光分布を提供するように構成され得る。従って、方向転換特徴部825が、モアレ縞を減少させるために本願で説明されるような配向を有し得て、光源が、均一な輝度を改善するために本実施形態(例えば、非対称な光分布を備える)で説明されるように構成され得る。一部実施形態では、非対称な光分布は、実質的に対称な光源と比較して暗くなる領域に向けて少なくとも略5%、10%、20%、30%、40%、50%、又は100%多くの光が向けられる分布を備える。一例では、導光体810は、重畳しない第一及び第二の(例えば上部及び下部)領域を備え、その双方は、第二の端部810bに沿って配置される。第一及び第二の領域は、図12の例に示されるような対向する右上及び右下のコーナー等のコーナーであり得る。特に、図12では、第一及び第二の領域はそれぞれ、導光体810の右下のコーナー、右上のコーナーに対応する。方向転換特徴部825は、その特徴部から導光体の上部の第二の領域よりも下部の第一の領域の方に向いた法線ベクトルを有するように配向され得るが、これは、エッジシャドウ効果の結果として三角形の暗い領域1005をもたらす可能性がある。しかしながら、図12に示されるように、光源は、右上のコーナーの暗くなる領域1005’により多くの光を向ける非対称な光分布を提供するように構成され得る。異なる方向のローブ835a及び835bは、光バー815からの光出力の非対称な分布を提供し得る。一例では、光は、一次ローブ835a及び二次ローブ835bにおいて導光体810内に放出される。一つのローブ(例えば二次ローブ835b)から放出された光830bは、暗くなる領域1005’に向けて伝播し得る。一つのローブ(例えば一次ローブ835a)から放出された光830aは、方向転換特徴部825に対して垂直な方向に伝播し得る。光源が他の領域よりも第二の領域1005’(例えば、暗い領域となってしまう領域)に向けてより多くの光を向けるように構成され得ることによって、導光体にわたる光出力の均一性が増大する。従って、光源は、導光体810の下部の第二の領域に向けてよりも導光体の上部の第一の領域1005’に向けて優先的に初期放出光830を向け得る。従って、ローブは右下のコーナーよりも右上のコーナーの方に向けられる。
【0056】
光バー815は、図12に示されるようなローブによって表される複数の方向に光830を放出するように構成され得る。第一のローブは、光バー815に隣接する導光体810の第一の端部810aに対して実質的に垂直に向けられ得る。第二(及び、例えば第三)のローブは、第一の端部810aに実質的に非垂直であり得る。場合によっては、第一のローブも、第一の端部810aに実質的に非垂直である。従って、光バー815から放出される平均光及び/又は最大の光強度の方向は、第一の端部810aに対して、光バー815の長さ方向に対して、導光体810の幅方向に対して、及び/又は、画素アレイ820の幅方向に対して、実質的に非垂直な方向内にあり得る。光バー815から放出される平均光は、エッジシャドウ効果によって暗い領域になってしまう領域に向けられ得る。他の光分布を備えた他の構成も可能である。
【0057】
一部実施形態では、導光体810は、異なる複数の方向に配向された部分又はセグメント825’を有する方向転換特徴部を備える。例えば、図13Aは、複数のセグメント825’(例えば線形のセグメント)を備えた複数の方向転換特徴部825を備えた導光体810を示す。直線経路の各部分において、導光体810の方向転換特徴部のセグメント825’は、垂直方向から反時計回り又は時計回りのいずれかに回転されている。例えば、第一のセグメントは、水平方向よりも上に10°の角度で傾いた法線ベクトルを有し得て、第二のセグメントは、水平方向よりも下に10°の角度で下降する法線ベクトルを有し得る。一部実施形態では、方向転換特徴部が二つよりも多くのセグメントを備える。
【0058】
一部実施形態では、図13A及び図13Cに示されるように、セグメント825’の配向が、異なる方向転換特徴部825に対して実質的に同様である。他の実施形態では、図13B及び図13Dに示されるように、セグメント825’の配向が、少なくとも二の方向転換特徴部825に対して異なる。図13B及び図13Dに示される実施形態では、方向転換特徴部825の二つのグループが存在し、各グループ内では、方向転換特徴部825の配向は実質的に同様である。場合によっては、導光体810は、方向転換特徴部825の二つよりも多くのグループを備え得る。方向転換特徴部825の第一のグループは、方向転換特徴部825の第二のグループの鏡像であり得る。
【0059】
各方向転換特徴部825は、図13A及び図13Dに示されるように二つのセグメント825’を備え得るか、又は、図13B及び図13Cに示されるように二つよりも多くのセグメント825’を備え得る。一部実施形態では、方向転換特徴部825当たりのセグメント825’の数が、異なる方向転換特徴部に対して変化する。一部実施形態では、導光体810は、複数のセグメント825’を備えた少なくとも一つの方向転換特徴部825と、単一の配向の少なくとも一つの方向転換特徴部825とを備える。セグメント825’は、セグメント825’の交点に頂点を形成するように構成され得る。図13A及び図13Dでは、各方向転換特徴部のセグメント825’は、横向きのV字型に配置されている。
【0060】
図13A〜図13Dはそれぞれ、異なる複数の部分又はセグメント825’を備えた複数の方向転換特徴部を備えた導光体810を示し、ここで、セグメント825’の配向は、方向転換特徴部の長さ方向にわたって変化する。例えば、図13B及び図13Cの例示的な導光体810に示される複数の方向転換特徴部は、四つの部分又はセグメント825a’〜d’を備える。方向転換特徴部内の少なくとも二つのセグメント825a’及び825b’は、二つの異なる方向に配向されていて、両方とも第一の端部810aに対して非平行である。図13Cに示される導光体では、二つのセグメント825a’及び825c’は、右上のコーナーの方に向いた法線ベクトルを有し、二つのセグメント825b’及び825d’は、右下のコーナーの方に向いた法線ベクトルを有する。方向転換特徴部内のセグメント825a’〜d’は、第一の配向のセグメント825a’〜dが第二の配向のセグメント825a’〜d’と交互にされて、ジグザグ形状の方向転換特徴部が生じるように配置され得る。多種多様な他の構成が可能である。
【0061】
図13A〜図13Dに示される実施形態では、光方向転換特徴部825の平均配向が、光バー815に隣接する導光体810の第一の端部810aに実質的に平行であり、また、導光体810の長さ方向に対して直交する。場合によっては、この平均配向は、導光体810の全てのセグメント825’にわたる平均配向である。従って、導光体810(一部実施形態ではディスプレイと重畳する)にわたる光方向転換特徴部825及び/又はセグメント825’の法線ベクトルの平均和は、実質的に第一の端部810aに対して直交し、及び/又は、導光体810の長さ方向に平行である。しかしながら、多様な実施形態において、異なるセクションの光方向転換特徴部が導光体810の第一の端部810aに対する或る角度で配向している場合、エッジシャドウ効果による暗い領域は、光方向転換特徴部825及び/又はセグメント825’の配向が平均すると導光体810の長さ方向にわたる光の伝播に垂直であるようにすることによって、低減又は除去可能である。
【0062】
図14は、複数の斜めに配向した方向転換素子405を備えた導光体810を示す。各方向転換素子は、複数の特徴部405’を備える。特徴部405’の配向は典型的に、方向転換素子405の配向とは異なる。一部実施形態では、特徴部405’は、垂直に、又は導光体810の第一のエッジ810aに平行な方向に配向される。各特徴部の長さは、方向転換素子405の長さと比較して、又は導光体の第一の端部810aの長さと比較して短い。一部実施形態では、各特徴部405’の長さは、人間の眼の分解能と同等又はそれ以下である。各特徴部405’の長さは、個々の特徴部405’が人間に見えなくて、方向転換素子405が連続的な線に見えるのに十分なほど短い。一例では、一つ以上又は全ての特徴部405’の長さは、個々の方向転換特徴部が裸眼の人間の眼には識別不能であるようなものである。裸眼の人間とは、拡大鏡や顕微鏡等の光学パワーを備えた光学システムを用いていない人間のことである。例えば、人間は、複数の別個の方向転換特徴部が存在しているのかを判断することができなかったり、単一の方向転換特徴部を隣接する方向転換特徴部と区別できなかったりする。方向転換特徴部405は、導光体810の幅の5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、又は0.01%未満の長さ(導光体810の第一の側部810aに平行な方向に)を有し得る。方向転換特徴部405’は、他の方向転換特徴部405’と、並びに/又は、導光体810の端部及び/若しくはエッジと接触しない二つの端部を有し得る。一部実施形態では、複数の方向転換素子405からの特徴部405’が行に配置される。
【0063】
各方向転換特徴部405’は露光部分を備え得る。露光部分は、垂直角で入射する光バーからの光を方向転換させることができる方向転換特徴部405’の部分である。図14に示される例では、各方向転換特徴部405’の露光部分は、方向転換特徴部405’の長さ全体である。しかしながら、全ての方向転換特徴部が下向きに実質的に長い場合、方向転換特徴部の下部が露光され得ない。何故ならば、方向転換素子405の隣接する方向転換特徴部405’が下部を遮り得るからである。一部実施形態では、斜めの方向転換素子の方向転換特徴部の一つのグループの露光部分の中心が、直線状に配置されるか、又は実質的に直線状である。直線は、対角線であるか、並びに/又は、導光体810の長さ方向に対して非垂直であるか及び/若しくは非平行である。一部実施形態では、斜めの方向転換素子の方向転換特徴部の側部の露光部分の中心が、直線状に配置されるか、又は実質的に直線状である。従って、方向転換特徴部405’の側部(方向転換特徴部の露光側部等)が直線に沿って配置され得る。複数の方向転換素子405を形成する方向転換特徴部405’は、複数の平行な直線に沿って配置され得る。少なくとも略10本の直線(及び10個の方向転換素子405)が含まれ得る。更に、少なくとも10個の方向転換特徴部405’が各方向転換素子に含まれ得る。一部実施形態では、斜めの方向転換素子が、導光体の長さ方向よりも導光体の幅方向の方に対して平行になる(幅方向には非平行ではあるが)。多様な実施形態において、例えば、斜めの方向転換素子405は、導光体の長さ方向に対して45°、50°、60°、70°、80°、又は90°よりも大きな角度で配向される。
【0064】
光は、導光体810の第一の端部810aから第二の端部810bに向けて、方向転換特徴部405’の垂直配向に対して実質的に垂直入射で伝播する。この構成は、光が方向転換特徴部405’の垂直配向に対して実質的に垂直入射に向けられるので(コーナーにおいても実質的に垂直入射)、エッジシャドウ効果を低減する。一方で、方向転換素子405の非平行な配向が、モアレ干渉パターンを減少又は除去し得る。
【0065】
一部実施形態では、本願で説明されるシステムが、例えばエッジシャドウ効果を更に低減するために拡散体を更に備え得る。従って、導光体810の方向転換特徴部のサイズ及び周期が、例えばエッジシャドウ効果を更に低減するために画素アレイ820のものとは異なる空間周波数を生じさせるように選択され得る。
【0066】
多種多様な他の代替構成も可能である。例えば、構成要素(例えば層)を、追加、削除、又は再配置し得る。同様に、処理及び方法の段階を追加、削除、又は並び換えし得る。また、本願では膜及び層との用語を使用してきたが、本願で使用されるこうした用語は、膜積層体及び多層構造を含む。このような膜積層体や多層構造は、接着剤を用いて他の構造に接着されたり、堆積や他の方法を用いて他の構造上に形成されたりし得る。
【0067】
特に、一部実施形態において、光の伝播又は方向転換特徴部の配向が、導光体の第一の端部810a、導光体810の長さ、又は光バー815の長さを参照して説明されている。例えば、方向転換特徴部は、導光体の第一の端部810aに平行で、導光体810の長さ方向に直交するものとして説明され得る。一部実施形態では、その方向は、光バー815の長さ方向に直交する方向、導光体810の長さ方向に平行な方向、画素アレイ820の長さ方向に平行な方向、導光体810の幅方向に直交する方向、画素アレイ820の幅方向に直交する方向、水平基準線、画素(例えば空間光変調器)の行に平行な方向、画素の列に直交する方向、画素アレイの境界に直交する方向であり得る。従って、他の実施形態は、上記列挙の方向を含み得る。同様に、導光体の第一の端部810aに平行な方向が、光バー815の長さ方向に平行な方向、導光体810の長さ方向に直交する方向、画素アレイ820の長さ方向に直交する方向、導光体810の幅方向に平行な方向、画素アレイ820の幅方向に平行な方向、垂直基準線、画素(例えば空間光変調器)の行に直交する方向、画素の列に平行な方向、画素アレイの境界に平行な方向ともなり得る。他の基準線、基準方向、又は他の基準を用いることもできて、多様な変形例が可能である。
【0068】
上述の詳細な説明は、多様な実施形態に適用されるものとして本発明の新規特徴を示し、説明し、指摘してきたが、本発明の精神から逸脱することなく、当業者によって、例示された装置又はプロセスの詳細及び形状の多様な省略、置換及び変更が行われ得ることは理解されたい。本発明の範囲は上記説明ではなくて添付の特許請求の範囲の記載によって定められるものである。特許請求の範囲の記載の等価物の意味及び範囲内にある全ての変更は、本発明の範囲内に包含されるものである。
【符号の説明】
【0069】
800 照明システム
810 導光体
810a 導光体の第一の端部
810b 導光体の第二の端部
815 光バー
820 画素アレイ
825 方向転換特徴部
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年6月4日出願の米国仮特許出願第61/058828号の優先権を主張し、その内容は参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本願の多様な実施形態はディスプレイ及びディスプレイ技術に係り、例えば、モアレ干渉を減少させるのと同時に、エッジシャドウ効果に起因する暗い領域を減少させるように設計されたディスプレイ用照明システムに関する。
【背景技術】
【0003】
微小電気機械システム(MEMS,Microelectromechanical System)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び、電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び/又は、他の微小機械加工プロセス(基板及び/又は堆積させた物質層の一部をエッチングしたり、電気的及び電気機械的装置を形成するための層を追加したりする)を用いて、形成され得る。MEMS装置の一種類は、干渉変調器と呼ばれる。本願において、干渉変調器、干渉光変調器という用語は、光干渉原理を用いて光を選択的に吸収及び/又は反射する装置を指称する。特定の実施形態において、干渉変調器は、一対の導電性板を備える。その一対の導電性板の一方又は両方は、その全体または一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号の印加に対して相対的に動くことができる。特定の実施形態において、一方の板は、基板上に堆積させた静止層を備え、他方の板は、空隙によって静止層から離隔された金属膜を備え得る。本願において詳述されるように、他方の板に対する一方の板の位置によって、干渉変調器に入射する光の光学干渉を変化させることができる。このような装置は広範な応用を有し、こうした種類の装置の特性を利用及び/又は変更する分野において有用であり、その特徴を、既存の製品を改善し、また、未だ開発されていない新規製品を創作するのに活かすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/254771号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1870635号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1832806号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/177405号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部実施形態では、照明装置が、光源と、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、入射した光を導光体の外に反射する導光体内の複数の方向転換特徴部とを備えて提供される。光源からその導光体の第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。導光体は、第二の端部に沿った重畳しない第一及び第二の領域を備える。導光体内の方向転換特徴部は、導光体の第一の端部に入射した光が導光体の第二の領域からよりも第一の領域からより効率的に反射されるように構成されるように、導光体の第二の端部においてほぼ第一の領域の方に向いている。光源が、導光体の第一の領域よりも導光体の第二の端部における第二の領域に向けてより多くの光を導光体内に向けるように構成されていていることによって、導光体にわたる光出力の均一性を増大させる。
【0006】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は、第二の端部に向けて伝播する。導光体は、幅及び厚さを有する。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備える。方向転換特徴部は、導光体の第一の端部に実質的に非平行である配向を有する。導光体の幅は、導光体の長さ方向の少なくとも一部に沿って減少する。
【0007】
一部実施形態では、照明装置が、長さ及び幅を有する空間光変調器のアレイと、第一及び第二の端部とその間の長さを有する導光体と、導光体の第一の側部に配置された複数の光転換特徴部とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は、第二の端部に向けて伝播する。導光体は幅及び厚さを有する。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備え、方向転換特徴部は、導光体の第一の端部に実質的に非平行である配向を有する。導光体の幅は、空間変調器のアレイの幅よりも大きい。
【0008】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。導光体は幅及び厚さを有する。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備える。各方向転換特徴部は複数の線形セグメントを備える。その複数のセグメントの少なくとも一つの第一のセグメントは、その複数のセグメントの少なくとも一つの第二のセグメントに対して傾いて配向されている。セグメントは二つよりも多くの他の方向転換特徴部とは交差しない。
【0009】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、複数の斜めの方向転換素子とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。各斜めの方向転換素子は、導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部を備える。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備える。
【0010】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、複数の斜めの方向転換素子とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。各斜めの方向転換素子は、導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部を備える。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備える。各斜めの方向転換素子の方向転換特徴部の一つの側部は、導光体の長さ方向に非垂直及び非平行である直線に沿って配置されている。斜めの方向転換素子の方向転換特徴部の配向は、個々の斜めの方向転換素子の配向とは異なる。
【0011】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光体と、導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。方向転換特徴部は、入射光を導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備える。方向転換特徴部は、導光体の長さ方向に直交する線形経路を備える。方向転換特徴部は、第一の長さを有する。方向転換特徴部は、他の方向転換特徴部、又は導光体の端部若しくはエッジに接触しない二つの端部を有する。第一の長さは、個々の方向転換特徴部が裸眼の人間の眼によって識別不能であるように構成される。
【0012】
一部実施形態では、照明装置が、光を発生させるための光生成手段と、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光のための導光手段と、入射光を導光手段の外に反射する導光手段内の光を方向転換させるための複数の光方向転換手段とを備えて提供される。光生成手段から導光手段の第一の端部に入射した光は、第二の端部に向けて伝播する。導光手段は、第二の端部に沿って重畳しない第一及び第二の領域を備える。導光手段内の光方向転換手段は、導光手段の第一の端部に入射した光が導光手段の第二の領域よりも第一の領域からより効率的に反射されるように構成されるように、導光手段の第二の端部においてほぼ第一の領域の方を向いている。光生成手段は、導光手段の第一の領域に向けてよりも導光手段の第二の端部において第二の領域に向けて導光手段内により多くの光を向けるように構成されていることによって、導光手段にわたる光出力の均一性を増大させる。
【0013】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光のための導光手段と、導光手段の第一の側部に配置された光を方向転換させるための複数の光方向転換手段とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は、第二の端部に向けて伝播する。導光手段は幅及び厚さを有する。光方向転換手段は、入射光を導光手段の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備える。各光方向転換手段は複数の線形のセグメントを備える。複数のセグメントの少なくとも一つの第一のセグメントは、複数のセグメントの少なくとも一つの第二のセグメントに対して傾いて配向されている。セグメントは二つよりも多くの他のセグメントとは交差しない。
【0014】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光のための導光手段と、光を方向決めするための複数の斜めの光方向決め手段とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。各斜めの光方向決め手段は、導光手段の第一の側部に配置された光を方向転換させるための複数の光方向転換手段を備える。光方向転換手段は、入射光を導光手段の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備える。
【0015】
一部実施形態では、照明装置が、第一及び第二の端部とその間の長さとを有する導光のための導光手段と、導光手段の第一の側部に配置された光を方向転換させるための複数の光方向転換手段とを備えて提供される。第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播する。光方向転換手段は、入射光を導光手段の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備える。光方向転換手段は、導光手段の長さ方向に直交する線形経路を備える。光方向転換手段は、第一の長さを有する。光方向転換手段は、他の光方向転換手段と、又は、導光手段の端部若しくはエッジと接触しない二つの端部を有する。第一の長さは、個々の光方向転換手段が裸眼の人間の眼によって識別不能であるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一番目の干渉変調器の可動反射層が緩和位置にあり、二番目の干渉変調器の可動反射層が作動位置にある干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を示す等角図である。
【図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組み込む電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉変調器の実施形態の一例に対する可動ミラーの位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用可能な行及び列の電圧の組の図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調器ディスプレイの表示データのフレームを描くために使用可能な行及び列の信号用のタイミング図の一例を示す。
【図5B】図2の3×3干渉変調器ディスプレイの表示データのフレームを描くために使用可能な行及び列の信号用のタイミング図の一例を示す。
【図6A】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】干渉変調器の代替実施形態の断面図である。
【図7C】干渉変調器の他の代替実施形態の断面図である。
【図7D】干渉変調器の更に他の代替実施形態の断面図である。
【図7E】干渉変調器の更なる代替実施形態の断面図である。
【図8】方向転換特徴部を有する導光体を備えた照明システムを示す。導光体が、行及び列に配置された画素を有する画素アレイ(列は、垂直に配置された方向転換特徴部と略平行である)と重畳することによって、モアレパターンが生じ得る。
【図9】画素アレイに対して回転させた方向転換特徴部を有する導光体を備えた照明システムを示す。画素アレイに対する導光体の回転は、“エッジシャドウ効果”と称される効果をもたらす。
【図10】画素アレイのアクティブエリアを超えて延伸している導光体及び光バーを備えた照明システム(エッジシャドウ効果を低減し得る)を示す。
【図11】画素アレイのアクティブエリアを超えて延伸している導光体及び光バーを備えた照明システムを示し、ここで、導光体は、第二の端部の幅よりも幅広である第一の端部の幅を有し、第一の端部は第二の端部よりも光バーの近くある。
【図12】サイドローブによって生成される非対称分布を有する光源を備えた照明システムを示す。
【図13A】複数のセグメントを備えた光方向転換特徴部を備えた導光体を示し、セグメントの少なくとも一つは少なくとも一つの他のセグメントに対して傾いて配向されている。
【図13B】複数のセグメントを備えた光方向転換特徴部を備えた導光体を示し、セグメントの少なくとも一つは少なくとも一つの他のセグメントに対して傾いて配向されている。
【図13C】複数のセグメントを備えた光方向転換特徴部を備えた導光体を示し、セグメントの少なくとも一つは少なくとも一つの他のセグメントに対して傾いて配向されている。
【図13D】複数のセグメントを備えた光方向転換特徴部を備えた導光体を示し、セグメントの少なくとも一つは少なくとも一つの他のセグメントに対して傾いて配向されている。
【図14】複数の斜めの方向転換素子を備えた導光体を示し、各斜めの方向転換素子は複数の方向転換特徴部を備える。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な記載は、特定の実施形態に対するものである。しかしながら、本願の教示は、多種多様な方法で応用可能である。本説明においては、全体にわたり同様の部分には同様の参照符号を付した図面を参照する。動的な画像(例えば、ビデオ)又は静的な画像(例えば、静止画)や、文字又は図表の画像を表示するように設計されているあらゆる装置において、本実施形態を実装可能である。更に、携帯電話、無線装置、PDA、携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、置時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(例えば、走行距離計等)、コックピット制御機器及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車の後方ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電光掲示板または電光サイン、プロジェクタ、建築物、パッケージング、審美的構造(例えば、宝石に対する画像表示)等の多種多様な電子機器において又はこれらに関連して、本実施形態を実施可能であるが、これらに限定されるものではない。本願で説明されるものと同様の構造のMEMS装置を、電子スイッチ装置等のディスプレイ以外の応用においても使用可能である。
【0018】
一部実施形態において、照明システムは光源及び導光体を備える。光源からの光は、導光体に入射して、広範な領域にわたって広がり、導光体内の複数の方向転換特徴部によってディスプレイ素子のアレイ上に向けられ得る。しかしながら、導光体とディスプレイ素子のアレイとの重ね合わせがモアレ干渉を生じさせ得る。導光体の方向転換特徴部をアレイに対して回転させて干渉を低減することができるが、通常、暗い領域がディスプレイの或る領域に生じる。本願で開示される実施形態は、暗い領域を低減することができる光源及び/又は導光体の構成に関する。本願で開示される更なる実施形態は、暗い領域を低減することができる導光体の方向転換特徴部の構成に関する。
【0019】
干渉MEMSディスプレイ素子を備えた干渉変調器ディスプレイの一実施形態を、図1に示す。この装置において、画素は、明状態または暗状態のどちらかである。明(“緩和”、“オープン”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分を使用者に反射する。暗(“作動”、“クローズ”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の僅かしか使用者に反射しない。実施形態に応じて、“オン”及び“オフ”状態の光の反射性を逆にしてもよい。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成可能であり、白黒に加えてカラーディスプレイが可能である。
【0020】
図1は、画像ディスプレイの一続きの画素の内の二つの隣接する画素を示す等角図である。ここで、各画素は、MEMS干渉変調器を備えている。一部実施形態では、干渉変調器ディスプレイは、これら干渉変調器の行列のアレイを備える。各干渉変調器は、互いに可変で制御可能な距離に配置された一対の反射層を含み、少なくとも一つの可変寸法を備えた共鳴光学ギャップを形成する。一実施形態において、反射層の一方は、二つの位置の間を移動し得る。第一の位置(緩和位置と称する)では、可動反射層は、固定された部分反射層から比較的離れた位置に在る。第二位置(作動位置と称する)では、可動反射層は、部分反射層により近づいて隣接する位置に在る。これら二つの層から反射される入射光は、可動反射層の位置に応じて、建設的にまたは破壊的に干渉して、各画素に対して全体的な反射状態または非反射状態のどちらかがもたらされる。
【0021】
図1に示される画素アレイの一部は、二つの隣接する干渉変調器12a及び12bを含む。左側の干渉変調器12aでは、可動反射層14aが、光学積層体16a(部分反射層を含む)から所定の距離離れた緩和位置で示されている。右側の干渉変調器12bでは、可動反射層14bが、光学積層体16bに隣接した作動位置で示されている。
【0022】
本願において、光学積層体16a及び16b(まとめて光学積層体16と称する)は典型的に複数の結合層を備え、インジウム錫酸化物(ITO,indium tin oxide)等の電極層、クロム等の部分反射層、及び、透明誘電体を含み得る。従って、光学積層体16は、導電性であり、部分的には透明で部分的には反射性であり、例えば、透明基板20上に上述の層を一層以上堆積させることによって、製造可能である。部分反射層は、多様な金属、半導体、誘電体等の部分反射性である多様な物質から形成可能である。部分反射層は一層以上の物質層で形成可能であり、各層は単一の物質または複数の物質の組み合わせで形成可能である。
【0023】
一部実施形態では、光学積層体16の層が平行なストリップにパターニングされて、以下で説明するようなディスプレイ装置の行電極を形成し得る。可動反射層14a、14bは、ポスト18の上面と、ポスト18間に堆積させた介在犠牲物質の上面とに堆積させた列を形成する堆積金属層(一層または複数層)の一続きの平行なストリップ(16a及び16bの行電極に直交する)として形成され得る。犠牲物質がエッチングされると、画定されたギャップ19によって、可動反射層14a、14bが光学積層体16a、16bから離隔される。反射層14用には、アルミニウム等の高導電性及び反射性物質を使用可能であり、そのストリップが、ディスプレイ装置の列電極を形成し得る。図1は縮尺どおりではない点に留意されたい。一部実施形態では、ポスト18間の間隔が10〜100μmのオーダとなり得る一方で、ギャップ19が1000オングストローム未満のオーダとなり得る。
【0024】
電圧が印加されていないと、図1の画素12aに示されるように、可動反射層14aと光学積層体16aとの間にギャップ19が残ったままであり、可動反射層14aは、機械的に緩和状態にある。一方で、選択された行と列に電位(電圧)の差が印加されると、対応する画素の行電極と列電極の交差する部分に形成されるキャパシタが帯電して、静電力が電極を互いに引き寄せる。電圧が十分に高いと、可動反射層14が変形して、光学積層体16に押し付けられる。光学積層体16内の誘電体層(図1に示さず)は、短絡を防止して、図1の右側の作動画素12bに示されるように、層14と層16との間の間隔を制御することができる。印加される電位差の極性に関わり無く、挙動は同じである。
【0025】
図2から図5は、ディスプレイ応用における干渉変調器のアレイを用いるためのプロセス及びシステムの一例を示す。
【0026】
図2は、干渉変調器を組み込み得る電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。電子装置はプロセッサ21を含み、そのプロセッサ21は、ARM(登録商標)、Pentium(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)等の汎用のシングルチップまたはマルチチップのマイクロプロセッサであり、又は、デジタル信号プロセッサや、マイクロコントローラやプログラマブルゲートアレイ等の専用マイクロプロセッサであり得る。従来技術のように、プロセッサ21は、一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得る。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、eメールプログラムや、他のソフトウェアアプリケーション等の一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
【0027】
一実施形態では、プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するようにも構成されている。一実施形態では、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に示されるアレイの断面図は、図2の線1‐1に沿って示されている。図2には明確性のため、干渉変調器の3×3のアレイが示されているが、ディスプレイアレイ30は多数の干渉変調器を含み得て、また、列と行とで異なる数の干渉変調器を含み得る(例えば行毎に130画素で、列毎に190画素)ことには留意されたい。
【0028】
図3は、図1の干渉変調器の例示的な実施形態に対する可動ミラー位置対印加電圧のダイアグラムを示す。MEMS干渉変調器に対しては、行/列の作動プロトコルは、図3に示されるような装置のヒステリシス特性を利用し得る。干渉変調器は、例えば、可動層を緩和状態から作動状態に変形させるのに、10ボルトの電位差を必要とし得る。一方で、この値よりも電圧が減少すると、電圧が10ボルト未満に下がっても、可動層がその状態を維持する。図3の例示的な実施形態では、可動層は、電圧が2ボルト未満に下がるまで完全には緩和しない。従って、電圧範囲(図3に示される例では略3から7V)が存在し、装置が緩和状態又は作動状態のどちらかで安定している印加電圧のウィンドウが存在する。これを本願では、“ヒステリシスウィンドウ”または“安定ウィンドウ”と称する。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイに対しては、行/列の作動プロトコルを以下のように構成可能である。即ち、行のストローブ中には、作動されるべきストローブ行の画素が略10ボルトの電圧の差に晒されて、緩和されるべき画素がゼロボルトに近い電圧の差に晒されるように構成可能である。ストローブ後には、画素が略5ボルトの安定状態又はバイアス電圧の差に晒されて、画素が、行のストローブによって与えられた状態を保つ。描かれた後には、各画素は、本実施例では3〜7ボルトの“安定ウィンドウ”内の電位差を見る。この特徴は、図1に示される画素構造を、同一の印加電圧条件の下において、作動または緩和の既存状態のどちらかで安定させる。干渉変調器の各画素(作動又は緩和状態)は本質的に、固定反射層及び可動反射層によって形成されたキャパシタであるので、ほぼ電力消費無く、ヒステリシスウィンドウ内の電圧において、この安定状態を保持することができる。印加電位が固定されていれば、本質的に電流は画素内に流れない。
【0029】
後述のように、典型的な応用では、画像のフレームは、第1番目の行の作動画素の所望の組に従った列電極の組にわたるデータ信号(それぞれ特定の電圧レベルを有する)の組を送信することによって、生成され得る。その後、行パルスが第1番目の行の電極に印加されて、データ信号の組に対応する画素を作動させる。その後、第2番目の行の作動画素の所望の組に対応するために、データ信号の組を変更する。その後、パルスが第2番目の行の電極に印加されて、データ信号に従って第2番目の行の適切な画素を作動させる。第1番目の行の画素は、第2番目の行のパルスによって影響されず、第1番目の行のパルスの間に設定された状態のままである。このことが、一続きの行全体に対して逐次的に反復されて、フレームを生成する。一般的に、秒毎の所望のフレーム数でこのプロセスを連続的に反復することによって、フレームがリフレッシュされ及び/又は新しい画像に更新される。画像のフレームを生成するための画素アレイの行電極及び列電極を駆動する多種多様なプロトコルが使用可能である。
【0030】
図4及び図5は、図2の3×3アレイ上に表示フレームを生成する作動プロトコルとして考えられるものの一つを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に対して使用され得る列及び行の電圧レベルの組として考えられるものの一つを示す。図4の実施形態において、画素を作動させることには、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を+ΔVに設定することが含まれ、それぞれ−5ボルトと+5ボルトに対応し得る。画素の緩和は、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を同じ+ΔVに設定して、画素に対する電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。行の電圧がゼロボルトに保たれている行においては、列が+Vバイアスであるか−Vバイアスであるかに関わらず、画素は元々の状態で安定である。また、図4に示されるように、上述のものとは逆極性の電圧も使用可能である。例えば、画素を作動させることは、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を−ΔVに設定することを含むことができる。この実施形態では、画素の緩和は、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を同じ−ΔVに設定して、画素に対して電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。
【0031】
図5Bは、図2の3×3アレイに印加される一続きの行及び列の信号を示すタイミング図であり、図5Aに示される表示配置がもたらされる。ここで、作動画素は非反射性である。図5Aに示されるフレームを描く前においては、画素はいずれの状態であってもよく、この例では、全ての行は最初0ボルトであり、全ての列は+5ボルトである。これらの印加電圧に対しては、全ての画素は、作動又は緩和のその時点での状態で安定である。
【0032】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)、(3,3)が作動している。これを達成するためには、行1に対する“ライン時間”中に、列1及び列2は−5ボルトに設定され、列3は+5ボルトに設定される。全ての画素が3〜7ボルトの安定ウィンドウ内のままであるので、これによっては、いずれの画素の状態も変化しない。その後、行1が、0から5ボルトに上がりゼロに戻るパルスで、ストローブされる。これによって、(1,1)及び(1,2)の画素を作動させて、(1,3)の画素を緩和する。アレイの他の画素は影響を受けない。要求どおりに行2を設定するため、列2を−5ボルトに設定し、列1及び列3を+5ボルトに設定する。その後、行2に印加される同じストローブによって、画素(2,2)を作動させて、画素(2,1)及び(2,3)を緩和する。ここでも、アレイの他の画素は影響を受けない。同様に、列2及び列3を−5ボルトに設定して、列1を+5ボルトに設定することによって、行3を設定する。行3のストローブは、行3の画素を図5Aに示されるように設定する。フレームを描いた後において、行の電位はゼロであり、列の電位は+5又は−5ボルトのどちらかを保つことができ、そうして、ディスプレイは図5Aの配置で安定である。同じ手順を、数十又は数百の行列のアレイに対して用いることができる。また、行及び列の作動を実施するために用いられるタイミング、シーケンス及び電圧レベルは、上述の基本原理内において多様に変更可能であり、上述の例は単に例示的なものであり、何らかの作動電圧方法を本願のシステム及び方法で使用可能である。
【0033】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ装置40の一実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は例えば携帯電話である。しかしながら、ディスプレイ装置40の同一の構成要素又はその僅かな変形体は、テレビや携帯型メディアプレーヤー等の多種多様なディスプレイ装置の実例にもなる。
【0034】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力装置48と、マイク46とを含む。ハウジング41は、多種多様な製造方法のいずれかによって一般的には形成され、射出成形、真空成形が挙げられる。また、ハウジング41は、多種多様な物質のいずれかから形成可能であり、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、それらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ハウジング41は、取り外し可能部(図示せず)を含む。該取り外し可能部は、色の異なる又は異なるロゴや画像やシンボルを含む他の取り外し可能部と交換可能である。
【0035】
例示的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、多種多様なディスプレイのいずれかであり得て、本願で説明されるような双安定性(bi−stable)ディスプレイが含まれる。他の実施形態では、ディスプレイ30は、当業者に周知なように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、TFT LCD等のフラットパネルディスプレイや、CRTや他のチューブデバイス等の非フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、本願の実施形態を説明するために、ディスプレイ30は、本願で説明されるような干渉変調器ディスプレイを含む。
【0036】
図6Bに、例示的なディスプレイ装置40の一実施形態の構成要素を概略的に示す。図示されている例示的なディスプレイ装置40は、ハウジング41を含み、また、それに少なくとも部分的に封入される追加の構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態では、例示的なディスプレイ装置40は、送受信機47に結合されているアンテナ43を含むネットワークインターフェイス27を備える。送受信機47はプロセッサ21に接続されていて、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続されている。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば信号をフィルタリングする)ように構成可能である。調整ハードウェア52は、スピーカー45及びマイク46に接続されている。また、プロセッサ21は、入力装置48及びドライバ制御装置29にも接続されている。ドライバ制御装置29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されている。アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合されている。電源50は、この特定の例示的なディスプレイ装置40の構成に必要とされるような全ての構成要素に電力を供給する。
【0037】
ネットワークインターフェイス27は、アンテナ43及び送受信機47を含み、例示的なディスプレイ装置40が、ネットワーク上の一つ以上の装置と通信できるようになっている。一実施形態では、ネットワークインターフェイス27は、プロセッサ21の要求を軽減するためにある程度の処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号の送受信用として当業者に知られているアンテナのいずれかである。一実施形態では、アンテナは、IEEE802.11規格(IEEE802.11(a)、(b)又は(g)を含む)に準拠したRF信号を送受信する。他の実施形態では、アンテナは、BLUETOOTH(登録商標)規格に準拠したRF信号を送受信する。携帯電話の場合には、CDMA、GSM(登録商標)、AMPS、W‐CDMA等の無線携帯電話ネットワーク内で通信するために用いられる周知の信号を受信するようにアンテナが設計されている。送受信機47は、アンテナ43から受信した信号を前処理して、その後、信号がプロセッサ21によって受信されて、更に処理されるようにし得る。また、送受信機47は、プロセッサ21から受信した信号も処理して、その後、信号が、アンテナ43を介して例示的なディスプレイ装置40から送信されるようにし得る。
【0038】
代替的な一実施形態では、送受信機47が、受信機に交換可能である。更に他の代替的な実施形態では、ネットワークインターフェイス27が、プロセッサ21に送信されるべき画像データを記憶すること又は発生させることが可能な画像ソースに交換可能である。例えば、画像ソースは、画像データを含むDVDやハードディスクドライブや、画像データを発生するソフトウェアモジュールであり得る。
【0039】
プロセッサ21は一般的に、例示的なディスプレイ装置40の動作全体を制御する。プロセッサ21は、データ(ネットワークインターフェイス27や画像ソースからの圧縮画像データ等)を受信し、そのデータを生の画像データに処理するか、又は、生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。その後、プロセッサ21は、記憶用のフレームバッファ28に又はドライバ制御装置29に処理されたデータを送信する。生データは典型的に、画像内の各位置において画像特性を識別する情報を称する。例えば、このような画像特性は、色、彩度、グレイスケールレベルを含み得る。
【0040】
一実施形態では、プロセッサ21は、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するマイクロ制御装置、CPU、又は、論理ユニットを含む。調整ハードウェア52は一般的に、スピーカー45に信号を送信するための、また、マイク46から信号を受信するためのアンプ及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、例示的なディスプレイ装置40内の個別の構成要素であってもよく、プロセッサ21や他の構成要素に組み込まれたものであってもよい。
【0041】
ドライバ制御装置29は、プロセッサ21が発生させた生の画像データを、プロセッサから直接、又は、フレームバッファ28から受信し、アレイドライバ22に対する高速送信用に適切な生の画像データに再フォーマットする。特に、ドライバ制御装置29は、生の画像データを、ラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマットして、データフローが、ディスプレイアレイ30にわたる走査に適した時間オーダを有するようになる。その後、ドライバ制御装置29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送信する。LCD制御装置等のドライバ制御装置29は、独立型の集積回路(IC,integrated circuit)としてシステムプロセッサ21に附随していることが多いが、このような制御装置は多種多様な方法で実装可能である。このような制御装置は、ハードウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、アレイドライバ22と共にハードウェア内に完全に集積可能でもある。
【0042】
典型的には、アレイドライバ22は、ドライバ制御装置29からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、波形の並列的な組に再フォーマットする。この波形の並列的な組は、ディスプレイの画素のx‐yマトリクスによってもたらされる数百の(数千のこともある)リードに対して、一秒間に何度も印加される。
【0043】
一実施形態では、ドライバ制御装置29、アレイドライバ22及びディスプレイアレイ30は、本願で説明されるあらゆる種類のディスプレイに対しても適合するものである。例えば、一実施形態では、ドライバ制御装置29は、従来のディスプレイ制御装置、又は、双安定性ディスプレイ制御装置(例えば、干渉変調器制御装置)である。他の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバ、又は、双安定性ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバ制御装置29は、アレイドライバ22と集積される。このような実施形態は、携帯電話、腕時計、他の小型ディスプレイ等の高集積システムにおいて一般的である。更に他の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイ、または、双安定性ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0044】
入力装置48によって、使用者が例示的なディスプレイ装置40の動作を制御することが可能になる。一実施形態では、入力装置48は、キーパッド(QWERTYキーボードや電話のキーパッド等)、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、感圧又は感熱膜を含む。一実施形態では、マイク46が、例示的なディスプレイ装置40用の入力装置になる。マイク46を用いて装置にデータを入力する場合には、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するために、使用者によって音声命令が提供され得る。
【0045】
電源50は、当該分野で周知の多種多様なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、一実施形態では、電源50は、ニッケル・カドミウム電池やリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。他の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、又は、太陽電池であり、プラスチック太陽電池や太陽電池ペイントが挙げられる。他の実施形態では、電源50は、壁コンセントから電力を供給されるように構成されている。
【0046】
一部実施形態では、上述のように、電子ディスプレイシステム内の複数の位置に配置可能なドライバ制御装置に、制御プログラム可能性が備わっている。場合によっては、制御プログラム可能性は、アレイドライバ22に備わっている。上述の最適化は、如何なる数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素においても、また、多種多様な構成においても実施可能である。
【0047】
上述の原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は、多種多様なものであり得る。例えば、図7A〜図7Eは、可動反射層14とその支持構造体の五つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、金属物質のストリップ14が、直交して延伸する支持体18の上に堆積されている。図7Bでは、各干渉変調器の可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、テザー32に対して、角でのみ支持体に取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、フレキシブル金属を含み得る変形可能層34から懸架されている。変形可能層34は、該変形可能層34の周囲において、基板20に直接的又は間接的に接続する。この接続は、本願において、支持ポストと称される。図7Dに示される実施形態は、支持ポストプラグ42を有する。この支持ポストプラグの上に、変形可能層34が横たわる。図7A〜7Cのように、可動反射層14はギャップ上に懸架されている。しかしながら、変形可能層34と光学積層体16との間のホールを充填することによって、変形可能層34が支持ポストを形成してはいない。むしろ、支持ポストは、支持ポストプラグ42を形成するために用いられる平坦化物質から形成される。図7Eに示される実施形態は、図7Dに示される実施形態をベースにしたものであるが、図7A〜図7Cに示される実施形態、並びに、図示されていない追加の実施形態のいずれにおいても機能し得るものである。図7Eに示される実施形態では、金属又は他の導電性物質の追加的な層が用いられて、バス構造44を形成している。これによって、信号が、干渉変調器の背面に沿ってルーティングすることが可能になり、基板20上に形成しなければならなかった多数の電極を省略することが可能になる。
【0048】
図7に示されるような実施形態では、干渉変調器は、直視型装置として機能し、画像は透明基板20の前面から視られ、その反対側に変調器が配置されている。こうした実施形態では、反射層14は、変形可能層34を含む基板20に対向する反射層の側において、干渉変調器の一部を光学的に遮蔽する。これによって、遮蔽された領域を、画像の質に悪影響を与えずに、構成及び動作させることが可能になる。例えば、このような遮蔽によって、変調器の光学的特性を変調器の電気機械的特性(アドレシングや該アドレシングの結果による移動等)から分離する性能を提供する図7Eのバス構造44が可能になる。この分離可能な変調器の設計によって、変調器の電気機械的側面及び光学的側面用に用いられる構造設計及び物質が、互いに独立に選択され、また、機能することが可能になる。更に、図7C〜図7Eに示される実施形態は、反射層14の光学的特性をその機械的特性から切り離すこと(このことは、変形可能層34によって達成される)に因る追加的な利点を有する。これによって、光学的特性に関して、反射層14に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になり、また、所望の機械的特性に関して、変形可能層34に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になる。
【0049】
図8に示されるように、一部実施形態では、照明システム800は、発光体(光エミッタ)805及び導光体(光ガイド)810を備えた光源を備える。一部実施形態では、発光体805には、点光源(例えば発光ダイオード(LED))からの光を線光源に変換するように構成された光バー815が伴う。光源は更に光バー815を備え得る。光バー815は、全内部反射によって導光を行う実質的に光透過性の物質を備える。発光体805から光バー815に入射した光は、バーの長さ方向に沿って伝播し、例えば光バー815の長さ方向に沿って配置されたエクストラクタ(抽出体)によって、バーの長さ方向にわたってバーから出射する。出射光は、導光体810の第一の端部810aに入射して、第二の端部810b(第一の端部810の反対側の端部であり得る)に向けて伝わる。また、導光体810も、全内部反射によって導光を行う実質的に光透過性の物質を備える。光バー815は、光バー815の長さ方向にわたって出射する光が導光体810の幅方向にわたって入射するように、導光体810の第一の端部810aに実質的に平行であり得る。結果として、光は広範な領域にわたって広がり、導光体810の後方の(例えば下方の)ディスプレイ素子のアレイ820上に向けられる。(図8では、導光体810がディスプレイ素子のアレイ820の上方に重ね合わせられているため、ライン820がディスプレイ素子のアレイの位置を示すものとして図示されているが、ディスプレイ素子自体は図示されていない。)その上部に方向転換特徴部825を有する導光体810を用いて、ディスプレイ素子820上に光を向けることができる。方向転換特徴部825は、導光体810の第一の端部810aに入射した光の少なくとも実質的な部分を方向転換させて、光の一部を導光体810の第二の反対側の外に向けるように構成されている。方向転換特徴部は例えばプリズム特徴部を備え得る。方向転換特徴部825は、全内部反射によって光を反射する傾斜側壁を含み得る。例えば導光体内に溝を備える方向転換特徴部825は、平面状の傾斜側壁(ファセット)を含み得る。方向転換特徴部は、連続的であるか、又は、人間の目には連続的であるように見られ得る。方向転換特徴部は、導光体810の幅方向にわたって及び/又はディスプレイ素子のマトリクス820の幅方向にわたって延伸し得る。溝は、界面を形成する物質で充填され得て、一部実施形態では、その界面は一つ以上のファセットを形成する。光バー815から出射した光は、導光体810のエッジ内に結合されて、導光体810内部を伝播する。方向転換特徴部825は、導光体810から複数のディスプレイ素子820(例えば空間光変調器及び/又は干渉変調器を備える)に対応する領域にわたって光を出射させる。
【0050】
図8では、導光体810の方向転換特徴部は周期的(例えばy方向に)である。方向転換特徴部825は、図示されるように互いに平行であり得る。一部実施形態では、方向転換特徴部は、例えば半周期的であるか、非周期的である。光方向転換特徴部は、図8に示される例の垂直方向(x方向)に延伸し、水平方向(y方向)において周期的である。複数のディスプレイ素子820は、列及び行に配置された(例えばそれぞれy方向及びx方向に配置された)ディスプレイ素子のアレイを備え得る。従って、図8において、ディスプレイ素子820も周期的(例えばx方向及びy方向に)である。一部実施形態では、ディスプレイ素子は、例えば半周期的であるか、非周期的である。周期的な方向転換特徴部を備えた導光体810と画素のアレイ(これもまた周期的である)との重ね合わせはモアレ干渉を生じさせ得る。周知のように、周期的構造が重ね合わせられると、モアレパターンと称される干渉縞が形成され得る。モアレ干渉パターンは、気を散らせて、ディスプレイの不快な視覚効果となり得る。そのパターンは、ディスプレイの均一性及び/又はコントラストを損ない得る。この問題は、画素アレイ820に対する導光体810の方向転換特徴部の配向を調節することによって、減少又は排除可能である。例えば、導光体810の方向転換特徴部を、その方向転換特徴部825がディスプレイ素子の行又は列に平行ではない角度で延伸するように配置することができる。
【0051】
図9は、導光体810の方向転換特徴部825(光方向転換素子を備える)を垂直方向から反時計回りに回転させた照明システム900を示す。従って、導光体810の方向転換特徴部825は光バー815の長さ方向に非平行である。これによって、方向転換特徴部825が、画素アレイ820の行及び/又は列に対して非平行及び/又は非直交となり得る。この回転は、モアレ干渉パターンを無視できるレベルに減少させるのに十分なものである。しかしながら、画素アレイ820に対して方向転換特徴部825を回転させることは、導光体810に入射した光が、導光体の810の他の領域よりも、導光体810の一つの領域からより効率的に反射されるようにし得て、ディスプレイを実質的に法線角度で視た際に、或る領域(例えばコーナー)において暗い領域(例えば三角形の領域)を発生させ得る。このアーティファクトを、本願において“エッジシャドウ効果”と称する。この効果は典型的には、導光体からの法線に対して視野角が増大するにつれて、明らかになってくる。20°よりも大きな角度は、より顕著な効果を生じさせ得る。図9に示される例では、暗い三角形の領域1005が、ディスプレイの右下のコーナーに存在している。特定の科学的理論を認めるものではないが、このアーティファクトが生じる理由として考えられるものの一つは、光方向転換特徴部の配向に対してより垂直に伝播する光が、導光体から出て視野円錐内により効果的に方向転換されるからである。光バー及び導光体のファセットの配向及び幾何学的形状のせいで、暗い三角形の領域1005内に光方向転換特徴部の配向に垂直に伝播する光は少ない。
【0052】
図10は、導光体810及び光バー815が画素アレイ820のアクティブエリアを超えて延伸する実施形態を示す。図示される実施形態では、方向転換特徴部825は、導光体810の第一の端部810aに非平行である。アクティブエリアとは、光を変調することができるアレイ820の領域のことを称する。干渉変調器に対しては、このアクティブエリアは、光が変調されて視聴者に戻るように反射される領域に対応し得て、つまり、視聴者が視認できる変調領域に対応し得る。ディスプレイ素子のアレイ又は画素アレイ820は長さ及び幅によって特徴付けられ、ここで、幅は、光バー815の長軸に沿って(図10の上下方向に)測られる距離であり、長さは、光バー815の長軸に垂直な方向に沿って(図10の左右方向に)測られる距離である。幅及び長さとの用語は、単に便宜上選択されたものであり、対応する方向を別の名前で呼ぶことがある。同様に、導光体810は、同様の方向の長さ及び幅によって特徴付けられる。光バー815は長さによって特徴付けられ、その長さは、光バー815の長軸に沿って(図10の上下方向に)測られる距離である。この場合、光バーの長さは導光体の幅に略等しい。
【0053】
一実施形態では、光バー815の長さ及び導光体810の幅は、画素アレイ820のアクティブエリアの幅よりも大きい。一例では、導光体810の長さが画素アレイ820のアクティブエリアの長さよりも大きいが、他の例では、実質的に同一である。光バー815及び導光体810が画素アレイ820の空間的広がりを超えて延伸して、暗い三角形の領域1005をディスプレイ素子のアレイの広がりを超えるように移動させることができる。光バー815の長さ及び/又は導光体810の幅は、画素アレイ820のアクティブエリアの幅よりも、略ΔW以上の値で大きくなり得て、ここでΔWは、画素アレイ820の長さ(L)と光方向転換特徴部の回転角θのタンジェントとの積として定義される。従って、一部実施形態では、光バー815の長さ及び/又は導光体810の幅が、画素アレイ820の幅よりも少なくとも略1%、2%、3%、5%、10%又は20%大きくなり得る。光バー815の長さ及び/又は導光体810の幅は、画素アレイ820の幅よりも少なくとも略1mm、2mm、3mm、5mm又は10mm大きくなり得る。例えば、光バー815が垂直に配向されて、方向転換特徴部825が垂直方向から反時計回りに回転(90°未満)されている場合、光バー815及び導光体810が下向きに延伸し得る。従って、十分な光が光バー815の延伸部分からファセットに対して垂直な方向に伝播して、暗くなる画素アレイ820のコーナーに到達する。従って、図10に示される例では、導光体810の幅が増大した結果として、水平より上の角度に向けられた光が、画素アレイ820の右下のコーナーの上方において、方向転換特徴部825に入射し得る。代わりに、光バー815が垂直に配向されて、方向転換特徴部825が垂直方向から時計回りに回転(90°未満)されている場合、光バー815及び導光体810が、画素アレイ820の右上のコーナー上において導光体810の一部に追加の光を提供するために上向きに延伸し得る。従って、この場合、導光体810の幅が増大した結果として、水平より下の角度に向けられた光が、右上のコーナーにおいて光方向転換特徴部に入射し得る。
【0054】
一部実施形態では、導光体810は実質的に矩形である。他の実施形態では、図11に示されるように、導光体は実質的に矩形ではない。非矩形の形状は、光を、延伸した光バー815から、エッジシャドウ効果により暗い領域1005’となる部分に向ける機能を果たし得る。また、非矩形の形状は、光を、光バー815から、暗い領域の方向転換特徴部825の長さ方向に対してより垂直な角度で暗い領域1005’に向ける機能も果たし得る。本実施形態は、光導光体810に必要とされる物質の量を削減することによって製造コストを削減し得るので、図10に示される実施形態よりも有利であり得る。光バー815に隣接する導光体810の第一の端部810aは、第一の端部810aの反対側の第二の端部810bよりも幅広であり得る。従って、導光体810の幅が、導光体810の少なくとも一部に沿って減少し得る。光バー815の長さ及び/又は導光体810の幅は、画素アレイ820のアクティブエリアの幅よりも、略ΔW以下の値で大きくなり得て、ここでΔWは、画素アレイ820の長さ(L)と方向転換特徴部825の回転角θのタンジェントとの積として定義される。従って、一部実施形態では、第一の端部810aは、第二の端部810bよりも少なくとも略0.5%、1%、2%、5%、10%、又は20%幅広となり得る。一部実施形態では、第一の端部810aは、第二の端部810bよりも少なくとも略1mm、2mm、3mm、5mm、又は10mm長い。一部実施形態では、導光体の長さ方向にわたる導光体の幅が、平均の幅に対する少なくも略1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、又は50%の変動によって特徴付けられる。また、光バー815の長さが、第二の端部810bにおける導光体の幅よりも長くなり得る。図11に示されるように、光バー815に近接する第一の端部810aにおける導光体810の幅が増大した結果として、暗くなる三角形の領域1005’において、水平より上に傾けられた角度に向けられた光は、光方向転換特徴部に入射し得る。
【0055】
図12に示されるように、光源は、エッジシャドウ効果により暗い領域1005’となる領域により多くの光を向ける非対称な光分布を提供するように構成され得る。従って、方向転換特徴部825が、モアレ縞を減少させるために本願で説明されるような配向を有し得て、光源が、均一な輝度を改善するために本実施形態(例えば、非対称な光分布を備える)で説明されるように構成され得る。一部実施形態では、非対称な光分布は、実質的に対称な光源と比較して暗くなる領域に向けて少なくとも略5%、10%、20%、30%、40%、50%、又は100%多くの光が向けられる分布を備える。一例では、導光体810は、重畳しない第一及び第二の(例えば上部及び下部)領域を備え、その双方は、第二の端部810bに沿って配置される。第一及び第二の領域は、図12の例に示されるような対向する右上及び右下のコーナー等のコーナーであり得る。特に、図12では、第一及び第二の領域はそれぞれ、導光体810の右下のコーナー、右上のコーナーに対応する。方向転換特徴部825は、その特徴部から導光体の上部の第二の領域よりも下部の第一の領域の方に向いた法線ベクトルを有するように配向され得るが、これは、エッジシャドウ効果の結果として三角形の暗い領域1005をもたらす可能性がある。しかしながら、図12に示されるように、光源は、右上のコーナーの暗くなる領域1005’により多くの光を向ける非対称な光分布を提供するように構成され得る。異なる方向のローブ835a及び835bは、光バー815からの光出力の非対称な分布を提供し得る。一例では、光は、一次ローブ835a及び二次ローブ835bにおいて導光体810内に放出される。一つのローブ(例えば二次ローブ835b)から放出された光830bは、暗くなる領域1005’に向けて伝播し得る。一つのローブ(例えば一次ローブ835a)から放出された光830aは、方向転換特徴部825に対して垂直な方向に伝播し得る。光源が他の領域よりも第二の領域1005’(例えば、暗い領域となってしまう領域)に向けてより多くの光を向けるように構成され得ることによって、導光体にわたる光出力の均一性が増大する。従って、光源は、導光体810の下部の第二の領域に向けてよりも導光体の上部の第一の領域1005’に向けて優先的に初期放出光830を向け得る。従って、ローブは右下のコーナーよりも右上のコーナーの方に向けられる。
【0056】
光バー815は、図12に示されるようなローブによって表される複数の方向に光830を放出するように構成され得る。第一のローブは、光バー815に隣接する導光体810の第一の端部810aに対して実質的に垂直に向けられ得る。第二(及び、例えば第三)のローブは、第一の端部810aに実質的に非垂直であり得る。場合によっては、第一のローブも、第一の端部810aに実質的に非垂直である。従って、光バー815から放出される平均光及び/又は最大の光強度の方向は、第一の端部810aに対して、光バー815の長さ方向に対して、導光体810の幅方向に対して、及び/又は、画素アレイ820の幅方向に対して、実質的に非垂直な方向内にあり得る。光バー815から放出される平均光は、エッジシャドウ効果によって暗い領域になってしまう領域に向けられ得る。他の光分布を備えた他の構成も可能である。
【0057】
一部実施形態では、導光体810は、異なる複数の方向に配向された部分又はセグメント825’を有する方向転換特徴部を備える。例えば、図13Aは、複数のセグメント825’(例えば線形のセグメント)を備えた複数の方向転換特徴部825を備えた導光体810を示す。直線経路の各部分において、導光体810の方向転換特徴部のセグメント825’は、垂直方向から反時計回り又は時計回りのいずれかに回転されている。例えば、第一のセグメントは、水平方向よりも上に10°の角度で傾いた法線ベクトルを有し得て、第二のセグメントは、水平方向よりも下に10°の角度で下降する法線ベクトルを有し得る。一部実施形態では、方向転換特徴部が二つよりも多くのセグメントを備える。
【0058】
一部実施形態では、図13A及び図13Cに示されるように、セグメント825’の配向が、異なる方向転換特徴部825に対して実質的に同様である。他の実施形態では、図13B及び図13Dに示されるように、セグメント825’の配向が、少なくとも二の方向転換特徴部825に対して異なる。図13B及び図13Dに示される実施形態では、方向転換特徴部825の二つのグループが存在し、各グループ内では、方向転換特徴部825の配向は実質的に同様である。場合によっては、導光体810は、方向転換特徴部825の二つよりも多くのグループを備え得る。方向転換特徴部825の第一のグループは、方向転換特徴部825の第二のグループの鏡像であり得る。
【0059】
各方向転換特徴部825は、図13A及び図13Dに示されるように二つのセグメント825’を備え得るか、又は、図13B及び図13Cに示されるように二つよりも多くのセグメント825’を備え得る。一部実施形態では、方向転換特徴部825当たりのセグメント825’の数が、異なる方向転換特徴部に対して変化する。一部実施形態では、導光体810は、複数のセグメント825’を備えた少なくとも一つの方向転換特徴部825と、単一の配向の少なくとも一つの方向転換特徴部825とを備える。セグメント825’は、セグメント825’の交点に頂点を形成するように構成され得る。図13A及び図13Dでは、各方向転換特徴部のセグメント825’は、横向きのV字型に配置されている。
【0060】
図13A〜図13Dはそれぞれ、異なる複数の部分又はセグメント825’を備えた複数の方向転換特徴部を備えた導光体810を示し、ここで、セグメント825’の配向は、方向転換特徴部の長さ方向にわたって変化する。例えば、図13B及び図13Cの例示的な導光体810に示される複数の方向転換特徴部は、四つの部分又はセグメント825a’〜d’を備える。方向転換特徴部内の少なくとも二つのセグメント825a’及び825b’は、二つの異なる方向に配向されていて、両方とも第一の端部810aに対して非平行である。図13Cに示される導光体では、二つのセグメント825a’及び825c’は、右上のコーナーの方に向いた法線ベクトルを有し、二つのセグメント825b’及び825d’は、右下のコーナーの方に向いた法線ベクトルを有する。方向転換特徴部内のセグメント825a’〜d’は、第一の配向のセグメント825a’〜dが第二の配向のセグメント825a’〜d’と交互にされて、ジグザグ形状の方向転換特徴部が生じるように配置され得る。多種多様な他の構成が可能である。
【0061】
図13A〜図13Dに示される実施形態では、光方向転換特徴部825の平均配向が、光バー815に隣接する導光体810の第一の端部810aに実質的に平行であり、また、導光体810の長さ方向に対して直交する。場合によっては、この平均配向は、導光体810の全てのセグメント825’にわたる平均配向である。従って、導光体810(一部実施形態ではディスプレイと重畳する)にわたる光方向転換特徴部825及び/又はセグメント825’の法線ベクトルの平均和は、実質的に第一の端部810aに対して直交し、及び/又は、導光体810の長さ方向に平行である。しかしながら、多様な実施形態において、異なるセクションの光方向転換特徴部が導光体810の第一の端部810aに対する或る角度で配向している場合、エッジシャドウ効果による暗い領域は、光方向転換特徴部825及び/又はセグメント825’の配向が平均すると導光体810の長さ方向にわたる光の伝播に垂直であるようにすることによって、低減又は除去可能である。
【0062】
図14は、複数の斜めに配向した方向転換素子405を備えた導光体810を示す。各方向転換素子は、複数の特徴部405’を備える。特徴部405’の配向は典型的に、方向転換素子405の配向とは異なる。一部実施形態では、特徴部405’は、垂直に、又は導光体810の第一のエッジ810aに平行な方向に配向される。各特徴部の長さは、方向転換素子405の長さと比較して、又は導光体の第一の端部810aの長さと比較して短い。一部実施形態では、各特徴部405’の長さは、人間の眼の分解能と同等又はそれ以下である。各特徴部405’の長さは、個々の特徴部405’が人間に見えなくて、方向転換素子405が連続的な線に見えるのに十分なほど短い。一例では、一つ以上又は全ての特徴部405’の長さは、個々の方向転換特徴部が裸眼の人間の眼には識別不能であるようなものである。裸眼の人間とは、拡大鏡や顕微鏡等の光学パワーを備えた光学システムを用いていない人間のことである。例えば、人間は、複数の別個の方向転換特徴部が存在しているのかを判断することができなかったり、単一の方向転換特徴部を隣接する方向転換特徴部と区別できなかったりする。方向転換特徴部405は、導光体810の幅の5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、又は0.01%未満の長さ(導光体810の第一の側部810aに平行な方向に)を有し得る。方向転換特徴部405’は、他の方向転換特徴部405’と、並びに/又は、導光体810の端部及び/若しくはエッジと接触しない二つの端部を有し得る。一部実施形態では、複数の方向転換素子405からの特徴部405’が行に配置される。
【0063】
各方向転換特徴部405’は露光部分を備え得る。露光部分は、垂直角で入射する光バーからの光を方向転換させることができる方向転換特徴部405’の部分である。図14に示される例では、各方向転換特徴部405’の露光部分は、方向転換特徴部405’の長さ全体である。しかしながら、全ての方向転換特徴部が下向きに実質的に長い場合、方向転換特徴部の下部が露光され得ない。何故ならば、方向転換素子405の隣接する方向転換特徴部405’が下部を遮り得るからである。一部実施形態では、斜めの方向転換素子の方向転換特徴部の一つのグループの露光部分の中心が、直線状に配置されるか、又は実質的に直線状である。直線は、対角線であるか、並びに/又は、導光体810の長さ方向に対して非垂直であるか及び/若しくは非平行である。一部実施形態では、斜めの方向転換素子の方向転換特徴部の側部の露光部分の中心が、直線状に配置されるか、又は実質的に直線状である。従って、方向転換特徴部405’の側部(方向転換特徴部の露光側部等)が直線に沿って配置され得る。複数の方向転換素子405を形成する方向転換特徴部405’は、複数の平行な直線に沿って配置され得る。少なくとも略10本の直線(及び10個の方向転換素子405)が含まれ得る。更に、少なくとも10個の方向転換特徴部405’が各方向転換素子に含まれ得る。一部実施形態では、斜めの方向転換素子が、導光体の長さ方向よりも導光体の幅方向の方に対して平行になる(幅方向には非平行ではあるが)。多様な実施形態において、例えば、斜めの方向転換素子405は、導光体の長さ方向に対して45°、50°、60°、70°、80°、又は90°よりも大きな角度で配向される。
【0064】
光は、導光体810の第一の端部810aから第二の端部810bに向けて、方向転換特徴部405’の垂直配向に対して実質的に垂直入射で伝播する。この構成は、光が方向転換特徴部405’の垂直配向に対して実質的に垂直入射に向けられるので(コーナーにおいても実質的に垂直入射)、エッジシャドウ効果を低減する。一方で、方向転換素子405の非平行な配向が、モアレ干渉パターンを減少又は除去し得る。
【0065】
一部実施形態では、本願で説明されるシステムが、例えばエッジシャドウ効果を更に低減するために拡散体を更に備え得る。従って、導光体810の方向転換特徴部のサイズ及び周期が、例えばエッジシャドウ効果を更に低減するために画素アレイ820のものとは異なる空間周波数を生じさせるように選択され得る。
【0066】
多種多様な他の代替構成も可能である。例えば、構成要素(例えば層)を、追加、削除、又は再配置し得る。同様に、処理及び方法の段階を追加、削除、又は並び換えし得る。また、本願では膜及び層との用語を使用してきたが、本願で使用されるこうした用語は、膜積層体及び多層構造を含む。このような膜積層体や多層構造は、接着剤を用いて他の構造に接着されたり、堆積や他の方法を用いて他の構造上に形成されたりし得る。
【0067】
特に、一部実施形態において、光の伝播又は方向転換特徴部の配向が、導光体の第一の端部810a、導光体810の長さ、又は光バー815の長さを参照して説明されている。例えば、方向転換特徴部は、導光体の第一の端部810aに平行で、導光体810の長さ方向に直交するものとして説明され得る。一部実施形態では、その方向は、光バー815の長さ方向に直交する方向、導光体810の長さ方向に平行な方向、画素アレイ820の長さ方向に平行な方向、導光体810の幅方向に直交する方向、画素アレイ820の幅方向に直交する方向、水平基準線、画素(例えば空間光変調器)の行に平行な方向、画素の列に直交する方向、画素アレイの境界に直交する方向であり得る。従って、他の実施形態は、上記列挙の方向を含み得る。同様に、導光体の第一の端部810aに平行な方向が、光バー815の長さ方向に平行な方向、導光体810の長さ方向に直交する方向、画素アレイ820の長さ方向に直交する方向、導光体810の幅方向に平行な方向、画素アレイ820の幅方向に平行な方向、垂直基準線、画素(例えば空間光変調器)の行に直交する方向、画素の列に平行な方向、画素アレイの境界に平行な方向ともなり得る。他の基準線、基準方向、又は他の基準を用いることもできて、多様な変形例が可能である。
【0068】
上述の詳細な説明は、多様な実施形態に適用されるものとして本発明の新規特徴を示し、説明し、指摘してきたが、本発明の精神から逸脱することなく、当業者によって、例示された装置又はプロセスの詳細及び形状の多様な省略、置換及び変更が行われ得ることは理解されたい。本発明の範囲は上記説明ではなくて添付の特許請求の範囲の記載によって定められるものである。特許請求の範囲の記載の等価物の意味及び範囲内にある全ての変更は、本発明の範囲内に包含されるものである。
【符号の説明】
【0069】
800 照明システム
810 導光体
810a 導光体の第一の端部
810b 導光体の第二の端部
815 光バー
820 画素アレイ
825 方向転換特徴部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する導光体と、
前記導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光が第二の端部に向けて伝播し、前記導光体が幅及び厚さを有し、
前記方向転換特徴部が、入射光を前記導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備え、前記方向転換特徴部のそれぞれが複数の線形のセグメントを備え、前記複数のセグメントの少なくとも一つの第一のセグメントが前記複数のセグメントの少なくとも一つの第二のセグメントに対して傾いて配向されていて、
前記セグメントが、二つよりも多くの他の方向転換特徴部と交差しない、照明装置。
【請求項2】
長さを有する出力領域であって、該出力領域から前記導光体の前記第一の端部に向けて光を放出するように構成されている出力領域を有する光源を更に備えた請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記方向転換特徴部が、光バーの長さ方向に実質的に非平行である方向に配向されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記セグメントが、前記導光体の幅方向に実質的に非平行である方向に配向されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記セグメントがV字型に配置されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記複数の方向転換特徴部が、傾いて配置されてV字型を形成するように交差して互いに配置されているセグメントの対を備えた少なくとも一つの方向転換特徴部を備える、請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記複数のセグメントがジグザグ型である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
第一のセグメントが第二のセグメントと交差する、請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記方向転換特徴部の一つ以上が、前記導光体の第一のエッジから前記導光体の第二のエッジまで延伸していて、前記第一のエッジ及び前記第二のエッジが前記第一の端部及び前記第二の端部に実質的に非平行である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項10】
前記導光体の第一のエッジから前記導光体の第二のエッジまで延伸している前記方向転換特徴部の一つ以上のうち少なくとも一つが、二つ以上の線形の方向転換特徴部のセグメントを備え、前記二つ以上の線形の方向転換特徴部のセグメントが端から端まで配置されている、請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記方向転換特徴部の一つ以上のうち少なくとも一つが、第一の方向に配向された第一の線形の方向転換特徴部のセグメントと、第二の方向に配向された第二の線形の方向転換特徴部のセグメントとを備え、前記第一の方向が前記第二の方向と実質的に異なる、請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
前記方向転換特徴部が互いに交差しない、請求項1に記載の照明装置。
【請求項13】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する導光体と、
複数の斜めの方向転換素子と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光が第二の端部に向けて伝播し、
前記斜めの方向転換素子のそれぞれが、前記導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部を備え、前記方向転換特徴部が、入射光を前記導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備え、
前記斜めの方向転換素子のそれぞれの前記方向転換特徴部の一つの側部が、前記導光体の長さ方向に対して非垂直及び非平行である直線に沿って配置されていて、
前記斜めの方向転換素子の前記方向転換特徴部の配向が、個々の前記斜めの方向転換素子の配向とは異なる、照明装置。
【請求項14】
前記方向転換特徴部が前記導光体の長さ方向に対して実質的に直交する、請求項13に記載の照明装置。
【請求項15】
前記方向転換特徴部の側部の中心が前記直線に沿って配置されている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項16】
前記方向転換特徴部の露光部分の中心が前記直線に沿って配置されていて、該露光部分が、前記導光体の第一の端部に対して露光される部分である、請求項13に記載の照明装置。
【請求項17】
前記斜めの方向転換素子のそれぞれの前記方向転換特徴部が、前記導光体の前記第一の側部に対して実質的に垂直な方向において前記斜めの方向転換素子の隣接する方向転換特徴部からずらされている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項18】
前記斜めの方向転換素子が互いに平行である、請求項13に記載の照明装置。
【請求項19】
前記斜めの方向転換素子内の連続する方向転換特徴部が、前記導光体の前記第一の側部に平行な方向に沿って重畳しない、請求項13に記載の照明装置。
【請求項20】
前記方向転換特徴部が、前記導光体の幅方向に実質的に平行である方向に配向されている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項21】
前記方向転換特徴部が、前記導光体の長さ方向に実質的に直交する方向に配向されている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項22】
空間光変調器のアレイを更に備え、該アレイが長さ及び幅を有する、請求項13に記載の照明装置。
【請求項23】
前記方向転換特徴部の配向が、前記空間光変調器のアレイの幅方向に実質的に平行である、請求項22に記載の照明装置。
【請求項24】
前記斜めの方向転換素子が、前記導光体の長さ方向に対して45°よりも大きな角度で配向されている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項25】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する導光体と、
前記導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光が第二の端部に向けて伝播し、
前記方向転換特徴部が、入射光を前記導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備え、前記方向転換特徴部が、前記導光体の長さ方向に直交する線形経路を備え、前記方向転換特徴部が第一の長さを備え、前記方向転換特徴部が、他の方向転換特徴部又は前記導光体の端部若しくはエッジと接触しない二つの端部を有し、
前記第一の長さが、個々の前記方向転換特徴部が裸眼の人間の眼によって識別不能であるように構成されている、照明装置。
【請求項26】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する、導光のための導光手段と、
前記導光手段の第一の側部に配置された、光を方向転換させるための複数の光方向転換手段と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光が第二の端部に沿って伝播し、前記導光手段が幅及び厚さを有し、
前記光方向転換手段が、入射光を前記導光手段の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備え、前記光方向転換手段のそれぞれが、複数の線形のセグメントを備え、前記複数のセグメントの少なくとも一つの第一のセグメントが、前記複数のセグメントの少なくとも一つの第二のセグメントに対して傾いて配向されていて、
前記セグメントが二つよりも多くの他のセグメントと交差しない、照明装置。
【請求項27】
前記導光手段が導光体を備え、前記光方向転換手段が光方向転換特徴部を備える、請求項26に記載の照明装置。
【請求項28】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する、導光のための導光手段と、
光を方向決めするための複数の斜めの光方向決め手段と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播し、
前記斜めの光方向決め手段のそれぞれが、前記導光手段の第一の側部に配置された光を方向転換させるための複数の光方向転換手段を備え、前記光方向転換手段が、入射光を前記導光手段の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備える、照明装置。
【請求項29】
前記導光手段が導光体を備え、前記光反射手段が傾斜側壁を備え、前記光方向転換手段が光方向転換特徴部を備え、前記斜めの光方向決め手段が、前記導光体の長さ方向に非垂直及び非平行な方向転換特徴部を備える、請求項28に記載の照明装置。
【請求項30】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する、導光のための導光手段と、
前記導光手段の第一の側部に配置された、光を方向転換させるための複数の光方向転換手段と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光が第二の端部に向けて伝播し、
前記光方向転換手段が、入射光を前記導光体の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備え、前記光方向転換手段が、前記導光手段の長さ方向に直交する線形経路を備え、前記光方向転換手段が第一の長さを有し、前記光方向転換手段が、他の光方向転換手段又は前記導光手段の端部若しくはエッジに接触しない二つの端部を有し、
前記第一の長さが、個々の前記光方向転換手段が裸眼の人間の眼によって識別不能であるように構成されている、照明装置。
【請求項31】
前記導光手段が導光体を備え、前記光方向転換手段が光方向転換特徴部を備え、前記光反射手段が傾斜側壁を備える、請求項30に記載の照明装置。
【請求項1】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する導光体と、
前記導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光が第二の端部に向けて伝播し、前記導光体が幅及び厚さを有し、
前記方向転換特徴部が、入射光を前記導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備え、前記方向転換特徴部のそれぞれが複数の線形のセグメントを備え、前記複数のセグメントの少なくとも一つの第一のセグメントが前記複数のセグメントの少なくとも一つの第二のセグメントに対して傾いて配向されていて、
前記セグメントが、二つよりも多くの他の方向転換特徴部と交差しない、照明装置。
【請求項2】
長さを有する出力領域であって、該出力領域から前記導光体の前記第一の端部に向けて光を放出するように構成されている出力領域を有する光源を更に備えた請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記方向転換特徴部が、光バーの長さ方向に実質的に非平行である方向に配向されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記セグメントが、前記導光体の幅方向に実質的に非平行である方向に配向されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記セグメントがV字型に配置されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記複数の方向転換特徴部が、傾いて配置されてV字型を形成するように交差して互いに配置されているセグメントの対を備えた少なくとも一つの方向転換特徴部を備える、請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記複数のセグメントがジグザグ型である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
第一のセグメントが第二のセグメントと交差する、請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記方向転換特徴部の一つ以上が、前記導光体の第一のエッジから前記導光体の第二のエッジまで延伸していて、前記第一のエッジ及び前記第二のエッジが前記第一の端部及び前記第二の端部に実質的に非平行である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項10】
前記導光体の第一のエッジから前記導光体の第二のエッジまで延伸している前記方向転換特徴部の一つ以上のうち少なくとも一つが、二つ以上の線形の方向転換特徴部のセグメントを備え、前記二つ以上の線形の方向転換特徴部のセグメントが端から端まで配置されている、請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記方向転換特徴部の一つ以上のうち少なくとも一つが、第一の方向に配向された第一の線形の方向転換特徴部のセグメントと、第二の方向に配向された第二の線形の方向転換特徴部のセグメントとを備え、前記第一の方向が前記第二の方向と実質的に異なる、請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
前記方向転換特徴部が互いに交差しない、請求項1に記載の照明装置。
【請求項13】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する導光体と、
複数の斜めの方向転換素子と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光が第二の端部に向けて伝播し、
前記斜めの方向転換素子のそれぞれが、前記導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部を備え、前記方向転換特徴部が、入射光を前記導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備え、
前記斜めの方向転換素子のそれぞれの前記方向転換特徴部の一つの側部が、前記導光体の長さ方向に対して非垂直及び非平行である直線に沿って配置されていて、
前記斜めの方向転換素子の前記方向転換特徴部の配向が、個々の前記斜めの方向転換素子の配向とは異なる、照明装置。
【請求項14】
前記方向転換特徴部が前記導光体の長さ方向に対して実質的に直交する、請求項13に記載の照明装置。
【請求項15】
前記方向転換特徴部の側部の中心が前記直線に沿って配置されている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項16】
前記方向転換特徴部の露光部分の中心が前記直線に沿って配置されていて、該露光部分が、前記導光体の第一の端部に対して露光される部分である、請求項13に記載の照明装置。
【請求項17】
前記斜めの方向転換素子のそれぞれの前記方向転換特徴部が、前記導光体の前記第一の側部に対して実質的に垂直な方向において前記斜めの方向転換素子の隣接する方向転換特徴部からずらされている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項18】
前記斜めの方向転換素子が互いに平行である、請求項13に記載の照明装置。
【請求項19】
前記斜めの方向転換素子内の連続する方向転換特徴部が、前記導光体の前記第一の側部に平行な方向に沿って重畳しない、請求項13に記載の照明装置。
【請求項20】
前記方向転換特徴部が、前記導光体の幅方向に実質的に平行である方向に配向されている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項21】
前記方向転換特徴部が、前記導光体の長さ方向に実質的に直交する方向に配向されている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項22】
空間光変調器のアレイを更に備え、該アレイが長さ及び幅を有する、請求項13に記載の照明装置。
【請求項23】
前記方向転換特徴部の配向が、前記空間光変調器のアレイの幅方向に実質的に平行である、請求項22に記載の照明装置。
【請求項24】
前記斜めの方向転換素子が、前記導光体の長さ方向に対して45°よりも大きな角度で配向されている、請求項13に記載の照明装置。
【請求項25】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する導光体と、
前記導光体の第一の側部に配置された複数の方向転換特徴部と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光が第二の端部に向けて伝播し、
前記方向転換特徴部が、入射光を前記導光体の第二の側部の外に反射する傾斜側壁を備え、前記方向転換特徴部が、前記導光体の長さ方向に直交する線形経路を備え、前記方向転換特徴部が第一の長さを備え、前記方向転換特徴部が、他の方向転換特徴部又は前記導光体の端部若しくはエッジと接触しない二つの端部を有し、
前記第一の長さが、個々の前記方向転換特徴部が裸眼の人間の眼によって識別不能であるように構成されている、照明装置。
【請求項26】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する、導光のための導光手段と、
前記導光手段の第一の側部に配置された、光を方向転換させるための複数の光方向転換手段と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光が第二の端部に沿って伝播し、前記導光手段が幅及び厚さを有し、
前記光方向転換手段が、入射光を前記導光手段の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備え、前記光方向転換手段のそれぞれが、複数の線形のセグメントを備え、前記複数のセグメントの少なくとも一つの第一のセグメントが、前記複数のセグメントの少なくとも一つの第二のセグメントに対して傾いて配向されていて、
前記セグメントが二つよりも多くの他のセグメントと交差しない、照明装置。
【請求項27】
前記導光手段が導光体を備え、前記光方向転換手段が光方向転換特徴部を備える、請求項26に記載の照明装置。
【請求項28】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する、導光のための導光手段と、
光を方向決めするための複数の斜めの光方向決め手段と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光は第二の端部に向けて伝播し、
前記斜めの光方向決め手段のそれぞれが、前記導光手段の第一の側部に配置された光を方向転換させるための複数の光方向転換手段を備え、前記光方向転換手段が、入射光を前記導光手段の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備える、照明装置。
【請求項29】
前記導光手段が導光体を備え、前記光反射手段が傾斜側壁を備え、前記光方向転換手段が光方向転換特徴部を備え、前記斜めの光方向決め手段が、前記導光体の長さ方向に非垂直及び非平行な方向転換特徴部を備える、請求項28に記載の照明装置。
【請求項30】
第一の端部と、第二の端部と、該第一の端部と該第二の端部との間の長さとを有する、導光のための導光手段と、
前記導光手段の第一の側部に配置された、光を方向転換させるための複数の光方向転換手段と、を備えた照明装置であって、
前記第一の端部に入射した光が第二の端部に向けて伝播し、
前記光方向転換手段が、入射光を前記導光体の第二の側部の外に反射するための光反射手段を備え、前記光方向転換手段が、前記導光手段の長さ方向に直交する線形経路を備え、前記光方向転換手段が第一の長さを有し、前記光方向転換手段が、他の光方向転換手段又は前記導光手段の端部若しくはエッジに接触しない二つの端部を有し、
前記第一の長さが、個々の前記光方向転換手段が裸眼の人間の眼によって識別不能であるように構成されている、照明装置。
【請求項31】
前記導光手段が導光体を備え、前記光方向転換手段が光方向転換特徴部を備え、前記光反射手段が傾斜側壁を備える、請求項30に記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【公開番号】特開2013−48114(P2013−48114A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−259567(P2012−259567)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2011−512594(P2011−512594)の分割
【原出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−259567(P2012−259567)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2011−512594(P2011−512594)の分割
【原出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】
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