説明

プリペイドカードに関連付けられた口座の状態をアクティブにする又は変化させるためのシステム及び方法

既存の販売時点装置ならびに既存のクレジットカード/デビットカードの受理ネットワーク及びプロセスを革新的に使用することによる、販売時点でプリペイドカードをアクティブにして資金提供するためのシステム及び方法。本発明は、小売店で広く使用されている販売時点端末における新たな/異なる技術の導入の必要性を不要にする。本発明は、工業規格のメッセージフォーマットを含む既存のクレジットカード及びチャージカードのシステム及びプロセスを使用して、販売者とプリペイドカードの発行者との間で資金及び手数料を清算し、それによって製品流通のための費用及び製品化までの時間をさらに低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許出願の相互参照)
本特許出願は、2003年7月15日出願の米国特許出願第60/487,627号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、商品及びサービスを購入するために使用されるプリペイドカード又はストアードバリューカードに関し、より具体的には、既存の販売時点(point−of−sale)端末にさらなる技術を付加することを必要とせずに、このようなカードに関連付けられた口座のバリュー(value)をアクティブにする又は変化させるためのシステム及び方法に関する。
【0003】
本発明は、支払いもしくは身分証明の方法としてクレジットカードもしくはデビットカードが受け付けられる任意の小売店、又はクレジットカード/デビットカード取引を承認もしくは捕捉する能力を有する装置が取り付けられ得る任意の小売店で、カードをアクティブにすること及び/又はカードに関連付けられた口座に特定量の資金もしくはポイントをロードすることによる、プリペイドカードの販売又は発行を可能にする。
【背景技術】
【0004】
(発明の背景)
ストアードバリューカード(例えば、プリペイドギフトカードなど)は当該分野で周知である。このようなカードは典型的には、そのカードを発行した金融機関で維持される口座に関連付けられる。本明細書中で使用される用語「カード」とは、いずれの特定のフォームファクタを指すものではないことが当業者によって理解される。むしろ、「カード」は、口座に関連付けられ得る任意の物理的又は仮想的デバイスであり得る。例えば、本明細書中で使用される用語「カード」は、伝統的なカード(例えば、CR80)又は任意の数の他のフォームファクタ(例えば、コンタクトレスフォブなど)を意味すると理解されるべきである。
【0005】
販売者又は商人から商品及びサービスを購入するためにカードを使用する前に、ストアードバリューカードの使用者は典型的には、そのカードに関連付けられた口座に合計金額をデポジットすなわち「保存」する。一旦そのカードが商品及びサービスを購入するために使用されると、その商品及びサービスの費用がその口座から引き落とされる。購入の費用が口座に記憶された金銭の合計を超える場合、デビット取引は通常、さらなる資金がその口座に加算されるまで、進めることができない。従って、ストアードバリューカードは、金融機関が、商人又は販売者に支払うことによって与信を拡大し、その後にカード所有者からの返済を求めるチャージカード/クレジットカードとは区別できる。
【0006】
プリペイドカードに関連付けられた口座のアクティベーション及び追跡は、いくつかの異なる方法で達成され得る。1つの一般に使用される方法においては、1つ以上のコンピュータプラットフォームを含む中央に位置するホストコンピュータシステムが、プリペイドカードを含む全ての取引を追跡する。カードのアクティベーションならびに全てのデビット及び資金提供取引は、種々の小売販売場所から、カード発行金融機関によって維持される中央に位置するホストコンピュータシステムへと伝えられる。カードをアクティブにするため、又はカードに関連付けられた口座に借方記入(debit)もしくは与信(credit)するために、カード発行者は、カード発行者のホストコンピュータシステムと通信する販売時点装置のネットワークをまず作り上げなくてはならない。販売時点端末を介したプリペイドカードの処理が、その端末に、このネットワークを通じてホストコンピュータシステムへとメッセージを伝送させ、このメッセージは、ホストコンピュータに情報を与え、プリペイド口座をアクティブ、与信又は借方記入する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
中央的に追跡されるプリペイドカードを実行することへの先行技術のアプローチは、このようなカードを管理する目的のためにカスタマイズされたハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでいた。例えば、プリペイドカードのための専用の販売時点端末が、プリペイドカードに関連付けられた特別なメッセージを生成するために使用され得る。特定の状況において、既存の販売時点端末は、顕著なハードウェア改変を行わずにプリペイドカードを適応させるように拡張され得るが、このような拡張可能な端末の場合でさえ、プリペイド口座を実行するためにホストコンピュータシステムによって使用される特別なメッセージをこれらの端末が生成するのを可能とするために、大規模なソフトウェア改変を必要とする。従って、販売時点で専用のハードウェア又はソフトウェアを必要とすることなく、あるいは、既存の販売時点端末への大規模な改変を必要とすることなく、プリペイドカードに関連付けられた口座の状態をアクティブにする及び/又は変化させるための改良されたシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、工業規格メッセージ(例えば、ISO/IEC 8583に記載されているようなもの)の使用を介してプリペイドカードの状態をアクティブにする及び変化させるためのシステム及び方法を含む。ほとんどの小売業者は、デビットカード/チャージカード/クレジットカード取引を処理するために販売時点端末を使用し、これらの端末は、小売業者からの入力に基づいて工業規格メッセージを生成及び受信する。
【0009】
例えば、販売者は、カード所有者のカードを端末のカード読取機に通し、請求すべき購入の量を端末に入力し、その取引がカード所有者の口座に対する請求を含んでいることを示すためにその端末上の適切なキーを押すことによって、販売のための支払いを受け付け得る。販売時点端末は、販売者からのこの入力を受け付け、適切な金融機関に伝送される工業規格電子メッセージを生成する。この電子メッセージは、例えば、カード番号、取引種別及び購入の量を含む。戻し(return)又は返金勘定の場合、販売者は同様にカードを読取機に通し、戻し又は返金勘定の量を入力し、その取引がカードに関連付けられた口座に支払われるべきであることを示すために適切なキーを押す。このような取引及びこのような取引に関連付けられた規格メッセージは周知である。
【0010】
本発明のシステム及びプロセスにおいて、プリペイドカードの状態をアクティブにする及び/又は変化させるために工業規格メッセージが使用される。例えば、殆どの販売時点端末において一般に実行される工業規格の資金提供、与信、戻し又は無効(void)の取引が、プリペイドカードに関連付けられた口座をアクティブにする及び/又はその口座にバリューをロードするために使用され得る。「バックオフィス」コンピューティングプラットフォームは、これらの工業規格メッセージを受信し、これらのメッセージがプリペイドカード又はストアードバリューカードの口座に関するものであることを検出し、文脈中のメッセージを解釈する。工業規格メッセージの使用によって、世界中で広く使用されている販売時点端末に対してハードウェア又はソフトウェアの改変は全く必要とされない。その代わり、中央に位置するバックオフィスコンピューティングプラットフォームだけを改変する必要がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(発明の詳細な説明)
ここで図面(図面中、同等の参照番号は同等の要素を参照する)を参照して、プリペイドカード取引ならびに通常の請求/与信取引を処理するために使用され得る例示的なネットワークのハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素が図1に示される。このネットワークは、商品及びサービスの販売者及び商人から離れたところに位置する1つ以上の販売時点端末100を含む。端末100は、キーパッド及び表示装置を典型的には備える電子デバイスである。カードを処理するために、これらの端末は典型的には、カード上の機械読み取り可能な媒体(例えば、磁気帯)を読み取ることができるカード読取機もまた備える。読み取り機械及び機械読み取り可能媒体の他の例としては、光学的及び電子的な記憶技術が挙げられる。いくつかの実施形態においては、この端末は、カード読取機の周辺に設計された特殊用途のデバイスであってもよいが、他の実施形態においては、この端末は、カード読取機が取り付けられた汎用パーソナルコンピュータであってもよい。他の実行及び実施形態(例えば、「カード」入力デバイスとしてのキーフォブ(key fob)の使用)が当業者に周知である。
【0012】
端末100は、カード発行金融機関によって維持される分散CAS(カード認証システム)プラットフォーム(「DCP」) 110として識別されるフロントエンドコンピューティングプラットフォームと通信する。端末とフロントエンドコンピューティングプラットフォームとの間の通信は、電子、無線及び/又は衛星通信接続を介する既存の通信ネットワークを通じて生じる。このフロントエンドプラットフォームDCP 110は、これもまたカード発行金融機関によって維持されるカード認証システム/取引処理フロントエンドプラットフォーム(「CAS/TPF」) 120とさらに通信している。次いで、CAS/TPFプラットフォーム 120は、ストアードバリューカード認証プラットフォーム(「SVCAP」) 140と通信しているバックエンドコンピューティングプラットフォーム(例えば、DCP 130)と通信している。バックエンドDCP 130及びSVCAP 140もまた、カード発行金融機関によって維持される。従って、フロントエンドDCP 130及びCAS/TPFプラットフォーム120は、ネットワークのフロントエンド構成要素として示され、一方、バックエンドDCP 130及びSVCAP 140は、バックエンド構成要素として示される。フロントエンドDCP及びバックエンドDCPならびにプラットフォームは、パーソナルコンピュータ、サーバ及びメインフレームのような任意の適切なコンピュータシステム中に組み込まれ得る。
【0013】
上記のコンピュータシステムは、可能性のある「バックオフィス」又はホストコンピューティングシステムの例示的な説明に過ぎず、他の構成が本発明を容易にするために使用され得ることが理解される。従って、フロントエンドDCP 110、CAS/TPF 120、バックエンドDCP 130及びSVCAP 140を備える上記システムは、本発明に対する限定として解釈されるべきではない。それよりもむしろ、関連するデータメッセージを処理するための任意の適切なコンピューティングプラットフォームが採用され得る。
【0014】
図2を参照して、本発明の教示に従ってプリペイドカードをアクティブにする及び/又は与信するために、このプロセスの第1の工程200において、プリペイドカードの状態をアクティブにする又は変化させることを望む顧客は、販売者又は商人に支払い(例えば、現金、個人小切手又はクレジットカード)を行う。顧客はまた、前からあるカードを販売者に提示してもよい。顧客が新たなプリペイドカードをアクティベーション中の場合、当初非アクティブのカードを販売者が所有し、アクティベーション後にその顧客に引き渡してもよい。この「カード」は、CR80規格のカードサイズ又はキーフォブが挙げられるがこれらに限定されない、任意の適切な形状又は形態を有し得る。
【0015】
プリペイドカードは、図1を参照して記載されるコンピュータプラットフォーム及びシステムを維持する責任を負う金融機関(以下、カード発行者)によって発行され得る。このカードは、カード発行者によって維持される口座と既に関連付けられていてもよいし、カードのアクティベーションを完了するために、カード発行者による新たな口座の初期設定を必要としてもよい。従って、カード使用者は、既存の口座に補充しても、新たな口座を初期設定してもよい。さらに、カードに加算されたバリューは、予め規定された量(すなわち、予め規定されたバリューのギフトカード、又は複数の増分に亘るバリュー範囲のカード)であってもよいし、顧客/カード使用者が望む量に従い変動してもよい。
【0016】
プロセスの第2の工程210において、販売者又は商人は、カード番号がカードから読み取られる間に、販売時点端末を介してプリペイドカードを処理する。カード番号は、ホストコンピュータシステム(例えば、図1と関連して記載されるようなもの)によって追跡される口座に関連付けられている。このシステムは、特定のカードを特定の口座と関連付けるために、カード番号を使用する。提供される金銭的な資金のバリューもまた、販売者又は商人によって販売時点端末へと入力される。第3の工程220において、販売者又は商人は与信取引機能をアクティブにする(これは、例えばキーパッド上の「与信(Credit)」と示されたボタンを押し下げることによって達成され得る)。
【0017】
販売時点端末によって実施される操作は周知であり、端末がそのためにプログラムされたデビットカード/チャージカード/クレジットカード取引に当てはまる。与信取引機能は、販売時点端末100からホストコンピュータシステムに送信されるべき与信メッセージを生成する。与信メッセージは典型的には、工業規格フォーマット(例えば、資金提供、与信、無効又は戻しのフォーマット)ならびに他のフォーマット(例えば、ISO/IEC 8583によって規定されるようなもの)である。与信メッセージはまた、カード番号及び提供された資金の量を識別する情報を含む。図1の実施形態において、フロントエンドDCP 110は、販売時点端末からメッセージを受信し、この与信メッセージをCAS/TPFプラットフォーム120に送信する。CAS/TPF 120はまた、さらなる処理のために、バックエンドDCP 130及びSVCAP 140上にデータメッセージを送信してもよい。ネットワークを介した与信メッセージの経路は、150で参照される矢印によって示されている。その後、ホストコンピュータシステムは、販売時点端末から受信されたデータメッセージを処理する。
【0018】
図1は、販売時点端末からホストコンピュータへの情報のリアルタイム伝送を一般的に示しているが、情報のバッチ処理もまた採用され得ることが当業者に理解される。すなわち、与信メッセージは、販売時点端末100からフロントエンドDCP 110へと即座に送信されてもよいし、バッチ処理のために与信メッセージは遅延されてもよい。後の処理において、販売者及び商人は、バッチとして一緒にまとめられ所定の頻度に従ってホストコンピュータに伝送される複数のデビット取引及び与信取引を金融機関に提出し得る。しかし、バッチ処理を介して与信メッセージを送信することは、記憶された資金が利用可能になる時点に関して遅延を生じる可能性がある。
【0019】
口座をアップデートするために、ホストコンピュータ上で作動しているソフトウェアは、提供された資金のバリューを指定された口座に入金することを意図するものとして、データメッセージを解釈する。ホストコンピュータは、その口座がストアードバリューカードに関するものであることをヒューリスティックに示し得る、メッセージそれ自体内部の情報(例えば、カード番号)に基づいてデータメッセージをそのように解釈し得る。カードに関連付けられた口座残高は、ホストコンピュータの一部でもあるコンピュータデータベース122に維持される。カード発行者による口座の与信は、図2中のプロセスの工程230に相当する。カード発行者は、別個の取引を介して販売者と資金の移転を清算する。カード発行者と販売者との間の清算は、定期的な所定の基準で生じてもよい。
【0020】
与信メッセージに含まれる情報がホストコンピュータ上に現在維持されているアクティブな口座に対応しない場合、ホストコンピュータ上で作動しているソフトウェアは、新たなプリペイドカードをアクティブにするための試みとしてこれを解釈する。その後、ホストコンピュータはカード番号を認証し、新たな口座を開設し、関連するプリペイドカードに対応するものとしてその口座を指定し、与信メッセージによって示された量をこの口座に入金する。顧客に発行された新たなプリペイドカードはこれによってアクティブにされる。
【0021】
別の実施形態において、新たなプリペイドカードを発行しアクティブにすることに関するさらなるセキュリティ及び保護を提供するために、ホストコンピュータによって受信された与信メッセージは、新たなカードの状態を「非アクティブ」から「アクティブ中」へと変化させるように、カード発行者のコンピュータシステムにきっかけを与えるだけでよい。カードを完全にアクティブにすることは、カード所有者をカード発行者とコンタクトさせておくような別のトリガーメカニズムを必要とする。これはまた、カード使用者についてのさらなる情報(例えば、既存の販売時点端末を介してカード発行者に伝送できない使用者の名前、住所及び電話番号)をカード発行者が得ることを可能にする。
【0022】
新たなプロセスの利点は、カード発行者の口座記録が、販売者もしくは商人とともに位置する及び/又は販売者もしくは商人に所有される販売時点端末及び他の構成要素を改変することを必要とせずに、与信を反映するようにアップデートされることである。別の利点は、プリペイドカードを、既存の販売時点端末を使用することによってアクティブにでき、新たな口座が開設できることである。新たなシステム及び方法を実行するために必要な全ての改変が、カード発行者によって維持される構成要素に対してなされる。
【0023】
図2の工程240によって示されるような新たなプロセスのさらなる実施形態において、バックエンド構成要素から販売時点端末まで「通知」メッセージを伝送するために、ネットワークが使用され得る。この通知メッセージは、カードに関連付けられた口座が与信されていることをカード所有者に伝える。さらなる実施形態において、この通知メッセージはまた、その口座に与信された量を証明し得る。
【0024】
通知メッセージを実行するために、例えばCAS/TPFプラットフォーム、バックエンドDCP及びSVCAPを備えるホストコンピュータは、ネットワーク中の既存の認証コード機能を使用する。具体的には、請求/与信取引を処理する場合、販売時点端末は、金融機関によって維持されるコンピュータプラットフォームへと、請求/与信口座情報とともに承認要求を送信する。ホストコンピュータは、それぞれの請求/与信口座が、取引を進めるのに充分な与信を有しているか否かを決定する。有している場合、このホストコンピュータは、取引を承認する認証コードを販売時点端末に伝送して返す認証コード機能を呼び出す。
【0025】
一旦フロントエンド及びバックエンドの構成要素が、与信されたバリューがそれぞれの口座中に記憶されたことを決定すると、ホストコンピュータは、認証コードを販売時点端末に伝送する責任を負うソフトウェアを呼び出す。ネットワーク構成要素を介した認証コードの伝送は、図1中に参照矢印152によって指示される。与信取引がストアードバリューカードについてちょうど処理されたことがわかっているので、販売者又は商人は、販売時点端末によって受信された認証コードを通知メッセージとして解釈できる。この販売者又は商人は、与信取引の完了をカード使用者に証明するために、カード使用者に通知メッセージを中継するだろう。
【0026】
本発明のシステム及び方法は、以下の実施例に記載されるように実施され得る。この議論の目的のために、販売者には、このソリューションと適合した様式でパッケージングされた非アクティブのプリペイドカードが提供され、顧客は店舗に入り、この販売者から定額のプリペイドカードを購入することを選択したものと仮定する。
【0027】
販売者は、与信取引として取引要求を準備し、既存の販売時点装置にプリペイドカードパッケージングを通す。この端末は、工業規格メッセージ(例えば、ISO/IEC 8583フォーマット)を生成し、このメッセージをホストシステムに伝送する。その後、図1に一般に示されるようなホストシステムは、この取引要求を受信し、メッセージの文脈及びコンピュータプラットフォームに記憶された情報に基づいて、特定の処理が必要とされることを決定する(アクティベーション)。プリペイドカードがアクティブにされ、プリペイドカードのバリューが、このプロダクトについて実施されているビジネスルールによって決定される。さらに、ホストプロダクト/システム所有者へ支払う義務があるか又はホストプロダクト/システム所有者が支払い義務を有する任意の販売者手数料は、この時点で記録されてもよいし、販売者からの次の予定されたバッチ処理まで延期されてもよい。
【0028】
その後、このホストコンピュータシステムは、工業規格の返信メッセージ(例えば、ISO/IEC 8583フォーマット)を使用して、販売者に成功したアクティベーションを示す。販売者は、顧客からプリペイドカードのバリュー(及び任意の他の手数料)を徴収し、顧客は、アクティブにされたプリペイドカード及び関連する領収書とともに店舗を去る。その後、顧客は、カード発行者の金融商品が受け付けられる任意の場所でこのカードを使用し得る。上記工程の順序は例示に過ぎず、改変してもよいことが留意される。例えば、販売者は、販売時点端末がメッセージをホストコンピュータシステムに伝送する前に支払いを要求してもよい。
【0029】
本明細書中で引用された刊行物、特許出願及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が参照により援用されることが個々にかつ具体的に示され、その全体が本明細書中に記載されているのと同じ程度まで、参照によって本明細書により援用される。本発明を説明する文脈で(特に、以下の特許請求の範囲の文脈で)、用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」ならびに類似の指示物の使用は、本明細書中で他のように示されるか文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含む(containing)」は、他のように示されない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「〜を含むがこれらに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中で他のように示されない限り、その範囲内に入る各別個の値を個々に言及する簡略な方法として働くことが単に意図されるに過ぎず、各別個の値は、本明細書中にそれが個々に列挙されているかのように明細書中に含まれる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で他のように示されるか文脈によって他のように明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書中に提供される任意及び全ての例又は例示的な語句(例えば、「例えば(such as)」)の使用は、単に本発明をよりよく明確にすることを意図しており、他のように特許請求されない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。いずれの明細書中の語句も、任意の特許請求されていない要素を本発明の実施に必須であることを示すものとして解釈されるべきではない。
【0030】
本発明者らが知る本発明を実施するための最良の形態を含む本発明の好ましい実施形態を、本明細書中に記載する。好ましい実施形態の変形物は、上記の説明を読めば当業者に明らかとなり得る。本発明者らは、当業者が適切な場合にこのような変形物を採用することを予測しており、本明細書中に具体的に記載されたものとは異なったやり方で本発明が実施されることを意図している。従って、本発明は、適用法によって許容される場合、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された対象の全ての改変物及び等価物を含む。さらに、その全ての可能な変形物での上記要素の任意の組み合わせは、本明細書中で他のように示されるか文脈によって他のように明らかに矛盾しない限り、本発明により包含される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、プリペイドカードもしくはストアードバリューカードが本発明のプロセスを実施することができるように構成されている以外は、カード処理/取引ネットワークに共通するハードウェア及びソフトウェア構成要素を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明のプロセスの工程を示す流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融カード発行者が金融口座を管理するための方法であって、
カードに関連付けられた口座を開設する工程であって、該カードは、商品及びサービスを該カードを支払いとして受け付ける商人から購入することを承認された末端使用者に発行される、工程、
該口座に関連付けられた口座限度額を決定する工程であって、該口座限度額は、使用のために末端使用者によって該口座に提供された資金の量に依存する、工程、及び
該口座限度額を増加させるために、該商人が該末端使用者から追加の資金を受け取ることを承認する工程であって、該商人は、資金提供、与信、戻し及び無効のフォーマットからなる金融工業規格メッセージフォーマットの群から選択されるフォーマットに従うメッセージを送信することによって増加の量を示す、工程
を含む、方法。
【請求項2】
端末の資金提供、与信、戻し又は無効の機能を前記商人が選択する際にメッセージを生成する販売時点端末を使用することによって、該商人が該メッセージを伝送する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工業規格メッセージフォーマットの受信の際に、前記カードが使用を承認されているか否かを決定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各末端使用者の口座に対する与信及び借方を追跡するために、各商人とともに口座を維持する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記商人とともに、該商人の口座の決済を定期的に実施する工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記カードのフォームファクタがCR80規格に従う、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カードのフォームファクタがキーフォブである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
金融カード発行者が金融口座を管理するためのコンピュータ化されたシステムであって、
カードに関連付けられた口座上の商品及びサービスの購入に関する情報を受信する第1のソフトウェアアプリケーションであって、該カードは末端使用者に発行される、第1のソフトウェアアプリケーション、
該口座に関連付けられた利用可能な与信の量に依存して、商品又はサービスの購入を承認する第2のソフトウェアアプリケーション、及び
資金提供、与信、戻し及び無効のフォーマットからなる金融工業規格メッセージフォーマットの群から選択されるフォーマットで商人から受信したメッセージ中に特定された量によって、関連付けられた利用可能な与信の量を増加させる第3のソフトウェアアプリケーション
を含む、システム。
【請求項9】
前記第1、第2及び第3のソフトウェアアプリケーションが、より大きなソフトウェアアプリケーションの構成要素である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1、第2及び第3のソフトウェアアプリケーションが、構成ソフトウェアアプリケーションから構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
金融取引に関連付けられた口座内の使用可能な資金の量を調整する方法であって、
口座所有者から資金を受け取る工程、
受け取った資金に関する情報を含む電子メッセージを販売時点端末を用いて生成する工程であって、該メッセージは、資金提供、与信、戻し及び無効のメッセージフォーマットからなる金融工業規格メッセージフォーマットの群から選択される、工程、及び
生成されたメッセージを、該口座を維持するカード発行者へ伝送させる工程
を含む、方法。
【請求項12】
前記口座が、口座所有者により携行され得るカードと関連付けられている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記口座所有者が人である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
プリペイドカードに関連付けられた口座中のバリューを確立する方法であって、
金融工業規格フォーマットのメッセージを受信する工程であって、該フォーマットは、プリペイドカードに再びバリューを与えるための命令としては必ずしも解釈されない、工程、
該メッセージを、プリペイドカードに関連付けられたバリューを増加させるものと解釈する工程、及び
該プリペイドカードに関連付けられたバリューの量を増加させる工程であって、該量は、該メッセージ内の情報によって決定される、工程
を含む、方法。
【請求項15】
前記プリペイドカードに関連付けられた資金の量が、再びバリューを与える工程の際にカード所有者がすぐにアクセス可能である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記解釈する工程が、前記メッセージ中の情報を、前記口座に関連付けられた以前の行動と比較する工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記メッセージの受信の際に前記口座を認証する工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
口座中のバリューを確立するためのシステムであって、金融工業規格フォーマットの電子メッセージを受信し、該メッセージをプリペイドカードに関連付けられたバリューを増加させるものと解釈するソフトウェアアプリケーションを含み、該フォーマットは、プリペイドカードに再びバリューを与えるための命令としては必ずしも解釈されず、増加量は、該メッセージ内の情報によって決定される、システム。
【請求項19】
金融カード発行者がプリペイドカードに関連付けられた金融口座を開設するための方法であって、
プリペイドカードに関連付けられた複数の口座を維持する工程、
資金提供、与信、戻し及び無効のメッセージフォーマットからなる金融工業規格メッセージフォーマットの群から選択されるフォーマットに従う電子メッセージを受信する工程であって、該メッセージはカード番号を特定する、工程、
該カード番号が、既存の複数の口座のうちの1つに対応するか否かを決定する工程、及び
該カード番号が既存の複数の口座のうちの1つに対応しない場合、該カード番号に対応する新たな口座を開設する工程
を含む、方法。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−531924(P2007−531924A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520309(P2006−520309)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/022639
【国際公開番号】WO2005/010679
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506015638)アメリカン エキスプレス トラベル リレイティッド サーヴィシズ カンパニー、インコーポレイティッド (1)
【Fターム(参考)】