プリンター

【課題】プリント紙が上向きに且つ印刷面が使用者に対して表側となるように排出されるプリンターを提供する。
【解決手段】プリント紙Ｐの排出口に、プリント紙の排出方向を上向きに規制し、案内する誘導板１６を付設した。これにより、プリント紙が比較的低い位置で排出される場合でも、使用者が膝をかがめることなく、プリント面を見ながらプリント紙を取り出すことが出来るので、自動精算機等に好適に使用しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、特に自動精算機等に好適なプリンターの改良に関する。
【背景技術】
【０００２】
図３は、病院やホテル等で従来使用されている自動精算機の概略構成を示す側面図である。この種自動精算機は、図に示すように、本体Ａの上部に、ＬＣＤ等よりなるタッチパネルＴＰとレシートプリンターＲＰとカードリーダーＣＲ等が、中間部には紙幣及び硬貨の入出金デバイスＣＤ等が、下部には請求明細書プリンターＤＰ等が格納されていて、使用者がタッチパネルＴＰにより所定の情報を入力して、ＤＣカードをカードリーダーＣＲに差し込むか或いは図示しない現金投入口より現金を投入すると、入出金デバイスＣＤで精算が行なわれて、レシートプリンターＲＰからレシートが排出されると共にＤＣカードとつり銭が戻され、請求明細書プリンターＤＰより請求明細書が排出されるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
ところで、上記従来の自動精算機では、排出される請求明細書プリント紙Ｐは、図１に示すように、先端が下に垂れ下がり印刷面が裏側になる状態で排出される上に、元々排出口が低い位置にあるため、使用者は膝をかがめて請求明細書プリント紙Ｐを摘み上げる姿勢を強要されるという欠点があった。
【０００４】
本発明は、この種従来の自動精算機の有する上記の如き欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プリント紙が上向きに且つ印刷面が使用者に対して表側となるように排出されるプリンターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するため、本発明によるプリンターは、プリント紙の排出口に、プリント紙の排出方向を上方に規制し案内する規制案内装置を付設したことを特徴とする。
【０００６】
本発明によれば、前記規制案内装置は、前記排出口に着脱自在に設置されることを特徴とする。
【０００７】
また、本発明によれば、前記規制案内装置は、プリント紙を前記排出口より上方へ案内する透明なプリント紙誘導部材を含んでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によれば、プリント紙が比較的低い位置で排出される場合でも、使用者が膝をかがめることなく、プリント面を見ながらプリント紙を取り出すことができるので、自動精算機等に好適に使用し得るプリンターを提供することができる。
また、本発明によれば、市販のプリンターをそのまま利用できるので、比較的廉価に提供できるという利点がある。
【発明を実施するために最良の形態】
【０００９】
以下、本発明の実施の形態を図示した実施例に基づき説明する。
図１は本発明にかかるプリンターの一実施例の斜視図、図２は自動精算機に設置した状態での本発明にかかるプリンターの要部側面図である。図中、１はプリント紙排出口１ａを有する請求明細書プリンターＤＰの本体ケースで、２は本体ケース１の両側壁にネジその他の適宜手段により離脱可能に取付けられた一対の支持板、３は支持板２，２間に横架された支持軸、４は起立した一対の側板４ａ，４ａが支持軸３に回動可能に支持され底板４ｂがプリント紙排出口１ａを覆うように本体ケース１上に載置され得る枠体、５は枠体４の底板４ｂ上に据付けられたモーター、６は枠体４の側板４ａから外側に突出したモーター５の主軸に固着されたプーリー、７は支持軸３の下方において枠体４の側板４ａ，４ａ間に回動可能に横架された回転軸、８は枠体４の側板４ａから外側に突出した回転軸７に固着されたプーリー、９は回転軸７に固着されていて周面の一部が枠体４の底板４ｂを突き抜けて下側に露出している間隔を置いて配置された一対のゴムローラー、１０は回転軸７から離間した位置で枠体４の側板４ａ，４ａ間に回動可能に横架された回転軸、１１は枠体４の側板４ａから外側に突出した回転軸１０に固着されたプーリー、１２は回転軸１０に固着されていて周面の一部が枠体４の底板４ｂを突き抜けて下側に露出している間隔を置いて配置されたスポンジ等の柔らかい材料からなる一対のローラー、１３はプーリー６，８及び１１間に張架されたベルトである。
【００１０】
更に、１４は枠体４の下側に位置するように支持板２，２間に取付けられた固定板、１５は固定板１４に固着された板バネ（図示せず）により回転可能に支持されていて一対のゴムローラー９，９にそれぞれ弾接するように間隔を置いて配置された一対の樹脂ローラー、１６は基端部が固定板１４に固着されていて断面形状が図２に示す如く上方に向けてほぼ弧状をなすように延出した透明なプリント紙誘導板である。この誘導板１６は、好ましくは、軟質のプラスチック板で造られていて、断面形状をある程度変更することができるようになっている。１７は枠体４の底板４ｂに取付けられていて検出子１７ａがプリンターＤＰの排出口１ａから出て来たプリント紙Ｐの先端により押されたときモーター５を起動せしめ得るように構成されたセンサー、１８は枠体４の底板４ｂに取付けられていて走行して来たプリント紙Ｐによる検出子１８ａの押圧が解除されて該検出子１８ａが図２に示す位置に戻ったときモーター５を停止せしめ得るように構成されたセンサーである。
【００１１】
なお、枠体４は、支持軸３の周りに図２に矢印で示す如く回動可能であるが、図２に示すようにプリンターＤＰの頂面上に載置されたとき、ローラー１２はプリンターＤＰの頂面に転接し、ローラー９はローラー１５に転接して、ローラー１２と共に駆動ローラーの役割を果たすようになり、ローラー１２とプリンターＤＰの間及びローラー９とローラー１５の間に破線図示の如く水平なプリント紙のための排出路を形成する。プリンターＤＰのプリント紙排出ローラー１ｂとローラー１２との間隔及びローラー１２とローラー９との間隔は、ほぼ等しく、何れもプリント紙の縦方向の長さよりも若干短くなるように選定されている。
【００１２】
本発明に係るプリンターは、上記の如く構成されているから、使用者がタッチパネルＴＰにより所要の操作を実行し、ＤＣカードか現金を挿入すれば、レシートプリンターＲＰよりレシートが送り出され、ＤＣカードやつり銭が返還され、請求明細書プリンターＤＰより請求明細書が次のようにして送り出される。即ち、プリンターＤＰのプリント紙排出ローラー１ｂより請求明細書が送り出されて、その先端縁がセンサー１７の検出子１７ａを押し動かして通過すると、モーター５が起動してベルト１３が図２において矢印方向に走行せしめられ、ローラー１２が時計回転せしめられる。
【００１３】
このとき、請求明細書即ちプリント紙の先端縁は、ローラー１２の位置に達してローラー１２とプリンターＤＰの頂面との間に引き込まれ、矢印方向へ送られて、時計回転しているローラー９と反時計回転せしめられているローラー１５との間に達する。この場合、センサー１７の位置をプリント紙の後端縁は通過して、検出子１７ａはその習性により図示の常態位置に戻るが、モーター５は回転し続けるように駆動回路が構成されているから、プリント紙の先端は、ローラー１２と１５の間に引き込まれて送り出される。
【００１４】
このようにして送り出されたプリント紙は、誘導板１６により規制され誘導されて、破線図示の径路に沿って上昇する。かくして、プリント紙の後端縁がセンサー１８の位置を通過すると、検出子１８ａがその習性により図示の常態位置に戻るため、モーター５は停止する。この場合、請求明細書はプリント面が外側にあるから、印刷の具合を確認できるのみならず、使用者は膝を曲げることなく、プリント紙即ち請求明細書を容易に摘み取ることができる。
【００１５】
以上の説明で明らかなように、支持板２，２及び枠体４とこれらに装着された全ての構成部品はユニットとして組立てられ、市販のプリンターにも着脱可能に取付け得るから、保守点検が容易であるのみならず、量産も容易であり、廉価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明にかかるプリンターの一実施例の斜視図である。
【図２】自動精算機に設置した状態での本発明にかかるプリンターの要部側面図である。
【図３】従来の自動精算機の概略構成である。
【符号の説明】
【００１７】
１本体ケース
１ａプリント紙排出口
１ｂプリント紙排出ローラー
２支持板
３支持軸
５モーター
６，８，１１プーリー
７，１０回転軸
９ゴムローラー
１２スポンジローラー
１３ベルト
１４固定板
１５樹脂ローラー
１６プリント紙誘導板
１７，１８センサー
１７ａ，１８ａ検出子
Ａ自動精算機の本体
ＴＰタッチパネル
ＲＰレシートプリンター
ＣＲカードリーダー
ＤＰ請求書明細書プリンター

【特許請求の範囲】
【請求項１】
プリント紙の排出口に、プリント紙の排出方向を規制し案内する規制案内装置を付設したことを特徴とするプリンター。
【請求項２】
前記規制案内装置は、前記排出口に着脱自在であることを特徴とする請求項１に記載のプリンター。
【請求項３】
前記規制案内装置は、プリント紙を前記排出口より上方へ案内する透明なプリント紙誘導部材を含んでいることを特徴とする請求項１又は２に記載のプリンター。

【図１】