説明

プリンター

【課題】ロール紙幅が同一または異なる複数のロール紙を収納することができ、しかも装置をコンパクトにすることができるプリンターを提供しようとするものである。
【解決手段】計量ラベルをコアシャフト8に懸架してインナーフレームに枢着させて第1のロール紙収納部に収納させる。それから、支持部をガイドパネルの凹部の奥まで押し込んで、保持部24を時計方向に回転させると、凹部に支持部の全体を没入させた状態で保持する。そうすると、第1のロール紙収納部から計量ラベルが第2のロール紙収納部14のガイド部20をガイドとしてスムーズに移送されて印字部で印字され排出方向に発行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙幅が同一または異なるロール紙であっても複数のロール紙を収納することができるロール紙収納部を有するプリンターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーなどの小売店では、業者から仕入れた生鮮食料品(商品)をバックヤードでパック詰めして生鮮食料品に販売価格などの商品情報が表示された通常のラベルを貼付して店頭に陳列している。また、売れ残りを避けるために、閉店近い時間帯になると値下げ販売を行うタイムサービスが行われ、店内に陳列された商品のラベルに表示されたバーコードの一部が隠れるように値下げラベル(マークダウンラベルとも言う)を重ねて貼付している。一般的に、この値下げラベルも通常のラベルが使用されている。
【0003】
一方、精肉売り場などでは、計量された精肉などの重量に応じて店頭で価格設定が行われ、適宜決められた重量の肉または顧客が購入したい重量の肉がパック詰めされ、販売価格や単価などの商品情報が表示された計量ラベルが貼付されている。この計量ラベルは、計量装置に接続された計量プリンターで発行され、通常、計量ラベルは、通常のラベルよりも表示される商品情報量が多いため、通常のラベルと比較してラベル幅が広く、また、ラベル径も大きく重量も重くなっている。
【0004】
また、タイムサービス時に陳列された商品に貼付される通常の値下げラベルは、店内で発行されるため、軽量小型で持ち運びが容易なモバイルプリンターで発行されている。また、これらのモバイルプリンターには、種類が違ったラベルを発行できれば便利な場合がある。このような要求を満足する複数個のラベル収納部と印字機構を並設したモバイルプリンターが提案されている(特許文献1参照)。また、卓上型で複数個のラベル収納部と印字機構を備えたプリンターユニットを並設したラベルプリンターも提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−235942号公報
【特許文献2】特開2010−208319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および2に記載のプリンターは、ラベル収納部と印字機構をそれぞれ持っているので、装置が大きくなってしまうという問題があった。また、異なったラベルをいつも同時に使用する頻度も多くないため、使用効率が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑み、ロール紙幅が同一または異なる複数のロール紙を収納することができ、しかも装置をコンパクトにすることができるプリンターを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために請求項1に記載のプリンターは、ロール紙幅が同一または異なる少なくとも2つのロール紙を収納するロール紙収納部と、該ロール紙を移送する移送手段と、前記ロール紙に印字をする印字手段とを有するプリンターにおいて、ロール紙を収納する第1のロール紙収納部と、該第1のロール紙収納部の下流側に配設される第2のロール紙収納部と、該第2のロール紙収納部には、接離自在に幅方向に移動するロール紙支持機構を備え、該ロール紙支持機構には、ロール紙の両端を挟持するガイド部とロール紙を支持する支持部と、該ガイド部は前記第1のロール紙収納部に収納されるロール紙幅以上に大きく離間するとともに、前記支持部は前記ガイド部内に出没自在に移動し、前記支持部がガイド部内に没入している状態に保持する係止部とを備えているものである。
【0008】
また、上記の課題を解決するために請求項2に記載のプリンターは、前記第1のロール紙収納部には、ロール紙またはロール紙を懸架するコアシャフトが装着されていることを検出する第1の検出手段を備え、前記第2のロール紙収納部には、前記ガイド部が前記第1のロール紙収納部に収納されるロール紙幅以上に大きく開口していることを検出する第二の検出手段と、前記ガイド部には、前記支持部が前記ガイド部内に没入していることを検出する第3の検出手段を備えているものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載のプリンターは、ロール紙幅が同一または異なる少なくとも2つのロール紙を収納するロール紙収納部と、該ロール紙を移送する移送手段と、前記ロール紙に印字をする印字手段とを有するプリンターにおいて、ロール紙を収納する第1のロール紙収納部と、該第1のロール紙収納部の下流側に配設される第2のロール紙収納部と、該第2のロール紙収納部には、接離自在に幅方向に移動するロール紙支持機構を備え、該ロール紙支持機構には、ロール紙の両端を挟持するガイド部とロール紙を支持する支持部と、該ガイド部は前記第1のロール紙収納部に収納されるロール紙幅以上に大きく離間するとともに、前記支持部は前記ガイド部内に出没自在に移動し、前記支持部がガイド部内に没入している状態に保持する係止部とを備えているので、第1のロール紙収納部からロール紙幅の大きい計量ラベルを引き出して第2のロール紙収納部を介して移送させる時に、第2のロール紙収納部のガイド部を計量ラベル幅と同等か若干大きく離間させることができ、しかも、支持部が係止部によってガイド部内に没入している状態に保持させることができるので、ガイド部の挟持面に計量ラベルがガイドされ、干渉することなくスムーズに移送させることができる。また、1つの印字部で複数のロール紙を収納するロール紙収納部を備えているので、プリンターをコンパクトにすることができる。
【0010】
また、請求項2に記載のプリンターは、前記第1のロール紙収納部には、ロール紙またはロール紙を懸架するコアシャフトが装着されていることを検出する第1の検出手段を備え、前記第2のロール紙収納部には、前記ガイド部が前記第1のロール紙収納部に収納されるロール紙幅以上に大きく開口していることを検出する第二の検出手段と、前記ガイド部には、前記支持部が前記ガイド部内に没入していることを検出する第3の検出手段を備えているので、第1のロール紙収納部から計量ラベルを引き出して移送させる時に、第2のロール紙収納部の左右のガイド部間の距離が計量ラベル幅より小さくなってしまったり、左右の支持部がそれぞれのガイド部から突出してそれぞれの支持部間の距離が計量ラベル幅より小さくなってしまった時に、検出手段によって各センサーを検出することにより計量ラベルの移送ができなくなるので、第2のロール紙収納部内で計量ラベルがジャミングすることを事前に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。本実施の形態は、帯状の台紙に一定間隔をおいて仮着されたラベルが巻回されたロール紙が収納される2つのロール紙収納部を設けたクラムシェルタイプのプリンターについて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係るプリンターのカバーを開いた状態の全体斜視図である。図1において、プリンター1は、主として本体2とカバー3とから構成され、カバー3の上面の略中央部分には、入力データやプリンター1のステータスなどを示す表示パネル4が回動自在に設けられている。また、カバー3は、本体2の両サイドのサイドフレーム2aの前方部の上面に立設する一対の突出フレーム2bに枢着された枢軸5回りに回動自在となっている。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態に係る第1のロール紙収納部を図1から取り出した斜視図であって、(a)図は、コアシャフトだけが枢着された斜視図であり、(b)図は、コアシャフトに計量ラベルが懸架されて枢着された斜視図である。図2において、突出フレーム2bよりやや内方のサイドフレーム2aに中空のほぼ半円筒状のインナーフレーム2cが内設されている。インナーフレーム2cは、巻回された帯状の台紙に一定間隔をおいてラベルが仮着されたロール紙として、ロール紙幅が広くて重量の重い計量ラベル6を収納するように本体2の前方部に第1のロール紙収納部7が形成されている。一般的に、ロール紙幅が広くて重量の重い計量ラベル6は、コアシャフト8に懸架された状態で、コアシャフト8が回転自在にインナーフレーム2cに枢着されることによって第1のロール紙収納部7に収納される。
【0014】
インナーフレーム2cには、コアシャフト8が枢着されているかどうかを検出する第1の検出手段としての光学センサー9が設けられている。ここでは、コアシャフト8をインナーフレーム2cに枢着させた両端支持方式の場合について、コアシャフト8が枢着されているかどうかを検出する第1の検出手段としての光学センサー9を説明してあるが、第1のロール紙収納部7に計量ラベル6をドロップイン方式で収納した場合は、インナーフレーム2cの底面に第1の検出手段としての光学センサー9を配設して計量ラベル6が収納されているかどうかを検出することもできる。
【0015】
図1において、サーマルヘッド10がカバー3の内方に上下に伸縮自在に取り付けられる一方、サイドフレーム2aの上面の後方部(ロール紙が排出される方向または下流側)にプラテンローラ11が回転自在に設けられ、カバー3が閉じられた時にサーマルヘッド10がプラテンローラ11に弾接される。また、プラテンローラ11は、ステッピングモータ61によって伝達装置を介して回転駆動される。
【0016】
プラテンローラ11よりやや前方部(第1のロール紙収納部側または上流側)のサイドフレーム2aの上面に回動自在にフック12が左右一対設けられ、カバー3が回動してそれぞれのフック12に係合することによって本体2に閉じられる。また、解除レバー(図1の向こう側で隠れて見えない)を開放することによってそれぞれのフック12との係合が解かれカバー3が回動して開く。
【0017】
第1のロール紙収納部7に収納された計量ラベル6が引き出されてサーマルヘッド10とプラテンローラ11に挟持され、サーマルヘッド10に後述する制御部50の印字コントローラ58で生成された制御信号が印加されるとともに、プラテンローラ11がステッピングモータ61によって回転駆動されることによって計量ラベル6が印字されながら発行される。このように、主としてサーマルヘッド10とプラテンローラ11とで印字部が構成される。
【0018】
剥離フレーム13が、プラテンローラ11より後方部(下流側)に若干のスペースをもってサイドフレーム2aの上面に配設され、計量ラベル6の台紙が剥離フレーム13に鋭角に折り曲げられて台紙からラベルが剥離されてラベルが発行される。また、第1のロール紙収納部7のやや後方部(下流側)には、計量ラベル6とは別のロール紙を収納する第2のロール紙収納部14が本体2に内設され、第1のロール紙収納部7に収納される計量ラベル6のラベル幅以下の別のロール紙が第2のロール紙収納部14に収納される。
【0019】
図3は、本発明の実施の形態に係る第2のロール紙収納部を図1から取り出した斜視図である。図3において、第2のロール紙収納部14の背面フレーム15の略中心部に設けられたピニオン16に上下のラック17(上のラックは隠れて見えない)が歯合している。また、左右一対のガイドフレーム18が上下のラック17にそれぞれ取り付けられて一体となって連動し、プリンター1の中心部から幅方向へ左右対称に接離自在に移動する。
【0020】
手前側のガイドフレーム18のやや後方(下流側)の上面には、ガイドフレーム18を位置決めする位置決め機構19が設けられ、位置決め機構19を背面フレーム15の内面に設けられた鋸歯(図示していない)に係止させるとそれぞれのガイドフレーム18が位置決めされる。一方、係止を解除するとそれぞれのガイドプレート18がプリンター1の中心部から幅方向へ左右対称に接離自在に移動する。
【0021】
図4は、図3におけるA−A矢視の断面図であって、(a)図は、支持部がガイド部から突出している状態の断面図であり、(b)図は、(a)図におけるB−B矢視図である。また、図5は、図3におけるA−A矢視の断面図であって、(a)図は、支持部がガイド部に没入している状態の断面図であり、(b)図は、(a)図におけるC−C矢視図である。図4または図5において、計量ラベル6のラベル幅以下の別のロール紙の両端面をガイドする左右一対のガイド部20が対向するようにそれぞれのガイドフレーム18に回転自在に枢着され、一方、これらのガイドフレーム18の他面には、それぞれガイドパネル18aが嵌合されている。また、それぞれのガイドフレーム18は、スライド軸26を幅方向のガイドとして上下のラック17とピニオン16の歯合によって、プリンター1の幅方向に中心から左右に等距離接離自在に移動する。
【0022】
それぞれのガイド部20とガイドパネル18aの対向面には、略円筒形の凹部21がそれぞれ形成され、ロール紙を支持する支持部22がそれぞれ摺接しながら出没できるようになっている。一方、それぞれの支持部22の内方には、円周方向に等角度で軸方向に延出した3本のコレット22aが設けられ、それぞれのコレット22aの先端部がL字状に外方に突出した突出部22cが形成されている。また、それぞれのガイドパネル18aの中央部は、それぞれのコレット22aが摺接するように開口している。
【0023】
それぞれのガイドパネル18aとそれぞれの支持部22との間にそれぞれコイルバネ23が付勢され、それぞれのコイルバネ23の付勢力によってそれぞれのコレット22aの先端部がそれぞれのガイドパネル18aのフランジ部に当接し、一方、それぞれの支持部22がそれぞれの凹部21から突出する。この状態が図4に示されている。
【0024】
それぞれのガイドパネル18aの外面には、回転自在に係止部24がそれぞれ枢着され、それぞれの係止部24の中央部には、それぞれのコレット22aの突出部22cが摺接するように中空部が形成される一方、それぞれの係止部24の中空部の内方には、それぞれのコレット22aと若干の隙をもって円周方向に互い違いに、かつ、軸方向の一部にそれぞれ突出部24aが3か所形成されている。また、それぞれのコレット22aの軸方向の中央部から反時計方向の外周面には、それぞれの係止部24を時計方向に回転させた時に、突出部24aが係合するように溝部22bが形成されている。このように、主としてそれぞれのガイド部20、支持部22および係止部24からロール紙支持機構25が構成されている。
【0025】
それぞれの支持部22を凹部21に没入させる時は、手動でそれぞれの支持部22をコイルバネ23の付勢力に抗して凹部21の奥まで押し込んで、それぞれの係止部24を時計方向に回転させることによって、それぞれの溝部22bに突出部24aが係合してそれぞれの支持部22が凹部21にに完全に没入する。この時に、係止部24の下方に形成された被検出部24bが回転した位置を検出する第3の検出手段としての近接センサー28が設けられている。この状態が図5に示されている。また、それぞれのガイドフレーム18間の距離が計量ラベルの幅と同等か若干大きく離間した時に、一方のガイドフレーム18の外面の位置を検出する第二の検出手段としての近接センサー27が設けられている。
【0026】
次に、計量ラベル6を第1のロール紙収納部7に収納させて印字させる方法について説明する。先ず、解除レバーを開放することによってそれぞれのフック12との係合を解いてカバー3を回動させてオープンにし、図2の(b)に示されるように計量ラベル6をコアシャフト8に懸架してインナーフレーム2cに枢着させて第1のロール紙収納部7に収納させる。そうすると、光学センサー9が枢着されたコアシャフト8を検出する。
【0027】
それから、図4の(a)、(b)および図5の(a)、(b)に示されるように第2のロール紙収納部14内で対向しているそれぞれの支持部22をそれぞれのガイドパネル18aの凹部21の奥まで押し込んで、それぞれの保持部24を時計方向に回転させると、それぞれの溝部22bに突出部24aが係合してそれぞれの凹部21に支持部22の全体を没入させた状態で保持する。そうすると、近接センサー28が回転された被検出部24bを検出する。
【0028】
それから、位置決め機構19の係止を解除して、それぞれのガイド部20の間隔が計量ラベル6の幅と略同等か若干大きくなるように、それぞれのガイドフレーム18を離間させて位置決め機構19を係止させる。そうすると、近接センサー27が離間した一方のガイドフレーム18を検出する。それから、第1のロール紙収納部7に収納された計量ラベル6の先端を摘んで、第2のロール紙収納部14内で対向しているそれぞれのガイド部20をガイドとしてプラテンローラ11と剥離フレーム13の上面を介して計量ラベル6の排出位置まで引き出し、カバー3を回動させてそれぞれのフック12と係合させて閉じる。
【0029】
そうすると、計量ラベル6がプラテンローラ11とサーマルヘッド10とで挟持されるので、表示パネル4上で印字したい印字データを選択してEnterキー(実行キー)を押すと、サーマルヘッド10に制御部50の印字コントローラ58で生成された制御信号が印加されるとともに、プラテンローラ11がステッピングモータ61によって回転駆動されることにより計量ラベル6が印字されながら排出方向に発行される。
【0030】
図6は、本発明の実施の形態に係るプリンターの制御部の構成を示すブロック図である。図6において、プリンター1は制御部50によって制御される。ここで、制御部50について詳述する。制御部50は、主としてCPU51、ROM52、RAM53、EEPROM54、モータコントローラ57、印字コントローラ58、センサコントローラ59、外部インターフェース55、インターフェース56とで構成され、各部はバスライン60を介してCPU51に接続されている。
【0031】
CPU51は、ROM52に記憶されているプリンター1の各部を制御する制御プログラムや各種処理を行うためのアプリケーションプログラムによって、プリンター1の各部を制御したり各種処理を行ったりする。RAM53は、CPU51が各種処理を実行する上で印字データなどの必要なデータを一時的に記憶する。EEPROM54は、外部インターフェース59を介して供給された設定値などを記憶する。
【0032】
サーマルヘッド10は、列状に複数の発熱抵抗体が配列されるとともに、RAM53に記憶された印字データに対応して印字コントローラ58によって生成された制御信号がサーマルヘッド10の各発熱抵抗体に供給されることによって発熱して計量ラベル6に印字を行う。一方、モータコントローラ57は、パルス信号をステッピングモータ61に供給してプラテンローラ11を正逆方向に回転させる。すなわち、ステッピングモータ61が正回転した場合は、プラテンローラ11とサーマルヘッド10に挟持された計量ラベル6が印字されて排出方向へ発行され、一方、ステッピングモータ61が逆回転した場合は、次の計量ラベルの印字開始位置まで計量ラベル6を発行方向と逆方向にバックフィードさせる。
【0033】
センサーコントローラ59は、各種センサ9、27、38などからの検出信号をバスライン60を介してCPU51に供給する。外部インターフェース55は、パソコン(図示していない)と通信をすることによって、パソコン側で作成された印字データなどをRAM53に記憶する。また、制御部50の各部は、バスライン60を介してCPU51に接続されている。
【0034】
表示パネル4は、インターフェース56およびバスライン60を介してタッチ式液晶画面からの入力データをCPU51に供給したり、一方、CPU51からバスライン60およびインターフェース56を介して表示データをタッチ式液晶画面に表示する。
【0035】
図7は、本発明の実施の形態に係るロール紙の収納から印字までの動作を示すフローチャートである。図7を用いて、計量ラベル6が正常に第1のロール紙収納部7に収納され、計量ラベル6がスムーズに移送されて印字されるまでの動作について詳述する。先ず、コアシャフト8に計量ラベル6を懸架させた状態でインナーフレーム2cに枢着させると、光学センサー9がコアシャフト8を検出する(ステップS1)。そうすると、コアシャフト8に懸架された計量ラベル6が第1のロール紙収納部7に正常に収納されたと認識する。
【0036】
光学センサー9がコアシャフト8を検出したら、それぞれの凹部21の奥まで支持部22を手動で全体を押し込んでそれぞれの保持部24を時計方向に回転させると、近接センサー28が回転された被検出部24bを検出する(ステップS2)。そうすると、それぞれの支持部22が正常に凹部21に没入されたと認識する。ここで、近接センサー28が回転された被検出部24bを検出しない場合は、もう一度ステップS2の動作を繰り返す。
【0037】
近接センサー28が回転された被検出部24bを検出したら、位置決め機構19の係止を解除して、それぞれのガイド部20の間隔が計量ラベル6の幅と略同等か若干大きくなるように、それぞれのガイドフレーム18を離間させて位置決め機構19を係止させると、近接センサー27が一方のガイドフレーム18を検出する(ステップS3)。そうすると、それぞれのガイド部20の間隔が計量ラベル6の幅と略同等か若干大きく離間したと認識するので、それぞれのガイド部20をガイドとして計量ラベル6をスムーズに印字側に移送させることができる。
【0038】
近接センサー27が一方のガイドフレーム18を検出したら、表示パネル4で印字したい印字データを選択してEnterキーを押す(ステップS4)。そうすると、印字を開始し計量ラベル6が印字部で印字されて排出方向に発行される(ステップS5)。
【0039】
ステップS1において、光学センサー9がコアシャフト8を検出しない場合は、表示パネル4に第2のロール紙収納部14を使用するかどうかを表示する(ステップS6)。第2のロール紙収納部14を使用する場合は、YESを選択して第2のロール紙収納部14にロール紙をセットしてステップS4に進む。第2のロール紙収納部14を使用しない場合は、もう一度ステップS1の動作に戻る。
【0040】
第2のロール紙収納部14を使用するを選択した場合は、表示パネル4で印字したい印字データを選択してEnterキーを押す(ステップS4)。そうすると、印字を開始し計量ラベル6が印字されて排出方向に発行される(ステップS5)。
【0041】
本実施の形態では、ラベルの移送方向に位相をずらせて二つのロール紙収納部7、14を設けた場合について説明してあるが、ロール紙の走行方向に位相をずらせて三つ以上のロール紙収納部を設けたプリンターにも適用することができる。
【0042】
また、巻回された帯状の台紙に一定間隔をおいてラベルが仮着されたロール紙に印字するプリンター1について説明してあるが、これに限定されることなく、台紙のないジャーナル紙またはライナーレスラベルなどのロール紙に印字するプリンターにも広く適用することができる。
【0043】
また、第1のロール紙収納部7に計量ラベル6をコアシャフト8に懸架した両端支持方式の場合について説明してあるが、もちろん第1のロール紙収納部7にドロップイン方式で収納することもできる。また、第1のロール紙収納部7に計量ラベル6を収納しないで、第2のロール紙収納部14にロール紙を支持部22で支持した両端支持方式で収納することもでき、また、第2のロール紙収納部14にドロップイン方式で収納することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリンターのカバーを開いた状態の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る第1のロール紙収納部を図1から取り出した斜視図であって、(a)図は、コアシャフトだけが枢着された斜視図であり、(b)図は、コアシャフトに計量ラベルが懸架されて枢着された斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る第2のロール紙収納部を図1から取り出した斜視図である。
【図4】図3におけるA−A矢視の断面図であって、(a)図は、支持部がガイド部から突出している状態の断面図であり、(b)図は、(a)図におけるB−B矢視図である。
【図5】図5は、図3におけるA−A矢視の断面図であって、(a)図は、支持部がガイド部に没入している状態の断面図であり、(b)図は、(a)図におけるC−C矢視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るプリンターの制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るロール紙の収納から印字までの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1 プリンター
2 本体
2a サイドフレーム
2b 突出フレーム
2c インナーフレーム
3 カバー
4 表示パネル
5 枢軸
6 計量ラベル
7 第1のロール紙収納部
8 コアシャフト
9 光学センサー
10 サーマルヘッド
11 プラテンローラ
12 フック
13 剥離フレーム
14 第2のロール紙収納部
15 背面フレーム
16 ピニオン
17 ラック
18 ガイドフレーム
18a ガイドパネル
19 位置決め機構
20 ガイド部
21 凹部
22 支持部
22a コレット
22b 溝部
22c 突出部
23 コイルバネ
24 係止部
24a 突出部
24b 被検出部
25 ロール紙支持機構
26 スライド軸
27、28 近接センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙幅が同一または異なる少なくとも2つのロール紙を収納するロール紙収納部と、該ロール紙を移送する移送手段と、前記ロール紙に印字をする印字手段とを有するプリンターにおいて、
ロール紙を収納する第1のロール紙収納部と、該第1のロール紙収納部の下流側に配設される第2のロール紙収納部と、該第2のロール紙収納部には、接離自在に幅方向に移動するロール紙支持機構を備え、該ロール紙支持機構には、ロール紙の両端を挟持するガイド部とロール紙を支持する支持部と、該ガイド部は前記第1のロール紙収納部に収納されるロール紙幅以上に大きく離間するとともに、前記支持部は前記ガイド部内に出没自在に移動し、前記支持部がガイド部内に没入している状態に保持する係止部とを備えていることを特徴とするプリンター。
【請求項2】
前記第1のロール紙収納部には、ロール紙またはロール紙を懸架するコアシャフトが装着されていることを検出する第1の検出手段を備え、前記第2のロール紙収納部には、前記ガイド部が前記第1のロール紙収納部に収納されるロール紙幅以上に大きく開口していることを検出する第二の検出手段と、前記ガイド部には、前記支持部が前記ガイド部内に没入していることを検出する第3の検出手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のプリンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−78894(P2013−78894A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220256(P2011−220256)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【特許番号】特許第5114807号(P5114807)
【特許公報発行日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【出願人】(591110078)株式会社新盛インダストリーズ (18)
【Fターム(参考)】