プリンタ排出紙収納装置
【課題】盤面に取り付けられたプリンタから吐き出されるプリンタ用紙を用紙の排出力と自己復元力により自然に巻取り状態で収納可能とする。
【解決手段】 この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は、監視盤の盤面に配置されたプリンタから排出されたロールタイプのプリンタ用紙を巻き取り状態で収納するプリンタ排出紙収納装置10は、プリンタ8を配置する盤面2のプリンタ取付開口部9に装着される取付枠15と、取付枠15をプリンタ取付開口部9に対し着脱自在に固定する固定部材としてのマグネットゴムシート18と、取付枠15と一体に形成され、内面がプリンタ8の用紙排出口12の上部から前方斜め下方に延在して先端で円弧状に湾曲した後にプリンタ取付開口部9の下縁に戻るロール形状を備えた巻取部17と、用紙巻取部17の内側下部に起立されてプリンタ8側から巻取部17を仕切る仕切り壁21とを備える。
【解決手段】 この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は、監視盤の盤面に配置されたプリンタから排出されたロールタイプのプリンタ用紙を巻き取り状態で収納するプリンタ排出紙収納装置10は、プリンタ8を配置する盤面2のプリンタ取付開口部9に装着される取付枠15と、取付枠15をプリンタ取付開口部9に対し着脱自在に固定する固定部材としてのマグネットゴムシート18と、取付枠15と一体に形成され、内面がプリンタ8の用紙排出口12の上部から前方斜め下方に延在して先端で円弧状に湾曲した後にプリンタ取付開口部9の下縁に戻るロール形状を備えた巻取部17と、用紙巻取部17の内側下部に起立されてプリンタ8側から巻取部17を仕切る仕切り壁21とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災受信機等の監視盤の盤面に取り付けられたプリンタから排出されたプリンタ用紙を巻取り状態で収納するプリンタ排出紙収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防災受信機にあっては、盤面にプリンタを取り付け、火災受信情報、障害受信情報、点検情報などの火災報知設備の運用に必要な情報を打ち出すようにしている。
【0003】
図10は従来の火災受信機100であり、盤面101には火災、ガス漏れなどの代表表示灯、地区表示灯、ディスプレイを備えた表示部102と各種の操作スイッチを備えた操作部103が設けられ、その下にプリンタ104を取り付けている。プリンタ104はロールタイプのプリンタ用紙105を使用している。
【特許文献1】実願昭58−66424号のマイクロフィルム(実開昭59−171951)
【特許文献2】実願昭59−41886号のマイクロフィルム(実開昭60−1542149)
【特許文献3】特開平10−194533号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の火災受信機にあっては、盤面101に取り付けているプリンタ104には、排出された印刷済みのプリンタ用紙105を収納する装置がなく、プリント用紙105は出しっぱなし状態になっていることが多く、見栄えが良くない。
【0005】
この問題を解決するためには、例えば電気モータを使用した市販の自動巻取り装置を使用すれば良いが、自動巻取り装置が高価であり、また消費電力が増加し、自動巻取り装置を含めてプリンタを盤面に取付ける構造変更の問題で採用されにくい状況にある。
【0006】
またプリンタ用紙を収納する簡単な方法として、図11のように、プリンタ104の下に受け箱106を設けることもあるが、あくまで一時的にプリンタ用紙105を納めておくだけであり、プリンタ用紙105を巻き取ることはできないため、プリンタ104から排紙される量が多いとプリンタ用紙105が受け箱106から溢れ出してしまう問題がある。
【0007】
本発明は、盤面に取り付けられたプリンタから排出されるプリンタ用紙を排出力と用紙の自己回復力により自然巻取り状態で収納可能とするプリンタ排出紙収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は、監視盤の盤面に配置されたプリンタから排出されたロールタイプのプリンタ用紙を巻き取り状態で収納するプリンタ排出紙収納装置に於いて、プリンタを配置する盤面のプリンタ取付開口部に装着される取付枠と、取付枠をプリンタ取付開口部に対し着脱自在に固定する固定部材と、取付枠と一体に形成され、内面がプリンタの用紙排出口の上部から前方斜め下方に延在して先端で円弧状に湾曲した後にプリンタ取付開口部の下縁に戻るロール形状を備えた用紙巻取部と、用紙巻取部の内側下部に起立されてプリンタ側から用紙巻取部内を仕切る仕切り壁とを備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで固定部材はシート状の磁石部材、粘着テープ又はファスナーテープである。また仕切り壁は、盤面のプリンタ取付開口部からのプリンタ部位の飛出し量に対応した用紙巻取部の内部位置に起立する。用紙巻取部は、プリンタから排出されたプリンタ用紙の印刷内容を視認する透明窓を上部に設ける。更に、取付枠は、下側枠部分に、指先を掛ける隙間を開口した取外部を形成する。
【0010】
本発明のプリンタ排出紙収納装置の取付枠、用紙巻取り部及び仕切り壁は薄肉の合成樹脂で形成される。また本発明のプリンタ排出紙収納装置の取付枠、用紙巻取り部及び仕切り壁は硬紙で形成するようにしても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ロールタイプのプリンタ用紙がプリンタから排出される力とロール状に戻る自己回復力を利用し、内面を円弧状とした巻取部に排出させることで、用紙が内面の円弧状の軌道に沿って自然に巻き込まれ、機械的や電気的な力を必要とすることなく排出紙を巻き取り状態として収納することができる。
【0012】
また盤面のプリンタ取付開口部に対し取付枠によりマグネットやファスナーテープ等の固定部材により着脱自在としているため、プリンタのサイズが多少異なっても、火災受信機に使用されているプリンタであれば、どのようなプリンタについても、後付けにより簡単に取り付けることができる。
【0013】
また巻取部の上部に透明窓を設けていることで、巻き取られる寸前までのプリンタ排出紙上の印刷内容をそのまま読取ることができる。
【0014】
更に本発明のプリンタ排出紙収納装置は、合成樹脂シートの真空成型又は圧縮空気成型や、硬紙の切り貼り等といった安価な材料により簡単に製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明のプリンタ排出紙収納装置を取り付けた火災受信機の説明図である。図1において、火災受信機1は前部となる盤面2に、火災代表灯3、ガス漏れ代表灯4、諸表示部5、ディスプレイ6、各種操作スイッチを備えた操作部7を設け、その下にプリンタ8を取り付けている。
【0016】
プリンタ8は盤面2に開口形成したプリンタ取付開口部9に収まるように取り付けられており、プリンタ取付開口部9に対し本発明のプリンタ排出収納装置10を取付け、プリンタ8から排出されるプリンタ用紙を巻き取り状態で収納するようにしている。
【0017】
図2は本発明によるプリンタ排出紙収納装置の実施形態を盤面に飛び出しのあるプリンタと共に示した説明図である。
【0018】
図2において、プリンタ8はプリンタ本体14の前方にプリンタカバー13を装着しており、プリンタ本体14の下側にはロール紙収納部11が形成されている。プリンタカバー13には用紙排出口12が設けられ、ロール紙収納部11に収納されているプリンタ用紙の送り出しを行いながら印刷を行い、印刷の済んだ用紙が用紙排出口12から排出される。
【0019】
用紙排出口12の下側のロール紙収納部11に対する前柄の部分は、扉11aとなっており、扉11aは下側をヒンジとして前方に開くことができ、扉11aを開いた状態でロール状のプリンタ用紙をロール紙収納部11に収納し、用紙排出口12から先端を取り出した状態で扉11aを閉じることで、プリンタ8に対しプリンタ用紙をセットすることができる。
【0020】
ここでプリンタ8にあっては、プリンタ本体14の奥行き位置方向の寸を含め全体の小型化を図っており、これに伴いロール収納位置の奥行寸法も抑えることで、ロール紙収納部11の一部がプリンタカバー13の下部の扉11aの部分で前方に飛び出した飛出部11bを形成している。
【0021】
このようなプリンタ8を図1の火災受信機1の盤面2に設けたプリンタ取付開口部9に取り付けた場合、盤面2の位置から前方に飛出部11bが飛び出して配置されることになる。
【0022】
図2のプリンタ8の前方を覆うように取り付けられる本発明のプリンタ排出紙収納装置10は、矩形の取付枠15に続いて前方に台形状に張り出した本体16を一体に形成しており、本体16に対してはさらに前方に巻取部17を張り出している。即ち、巻取部17は、その内面がプリンタ8にプリンタ排出紙収納装置10を取り付けた状態で、用紙排出口12の上方から前方斜め下方に延在して、先端で円弧状に湾曲した後にプリンタ取付開口部9(図1参照)に戻るロール形状を備えている。
【0023】
この実施形態において、取付枠15、本体16及び巻取部17は透明な合成樹脂シートの真空形成或いは圧縮空気による形成で製作された透明体であるが、取付枠15、本体16及び巻取部17が透明体でなかった場合には、巻取部17に破線で示す上部から内部を見ることのできる上部に透明窓19を形成する。
【0024】
このような透明窓19を形成することでプリンタ8の用紙排出口12から排出された排出用紙に印刷されている印刷内容を巻取部17の内部における巻取り寸前まで外部から見ることができる。
【0025】
取付枠15の裏側には図1に示した火災受信機1の盤面2に形成したプリンタ取付開口部9に対し、着脱自在な固定部材として、この実施形態にあってはマグネットゴムシート18を設けている。
【0026】
即ち、図1の火災受信機1の盤面には金属製の扉で作られていることから、ここに取り付けたプリンタ取付開口部9に対し本発明のプリンタ排出紙収納装置10を着脱自在に取り付ける固定部材としてマグネットゴムシート18を使用する。
【0027】
取付枠15の裏側に設けられて盤面2に対し着脱自在とされる固定部材としては、マグネットゴムシート18に以外に、ファスナーテープや粘着テープなど適宜の着脱自在な取固定部材が使用できる。すなわち取り付ける盤面2がスチール系の金属材であった場合にはマグネットゴムシート18が有効であるが、プラスチックなどの合成樹脂のような場合には粘着テープやファスナーテープを使用することになる。
【0028】
このように取付枠15の裏側にマグネットゴムシート18が設けられていることで、本発明のプリンタ排出紙収納装置10はプリンタ8を取り付けている盤面2のプリンタ取付開口部9に対し、必要に応じて簡単に着脱することができる。即ち、プリンタ8から排出された排出紙が巻取部17の中にたまって、それ以上、収納できなくなった場合には、マグネットゴムシート18で装着しているプリンタ排出紙収納装置10を取り外し、排出用紙を取り出してプリンタ8から切り離すことになる。
【0029】
図3は図2のプリンタ排出紙収納装置10に巻取り状態で排出されたプリンタ排出装置の説明図である。図3において、プリンタ8の前面に取付けた本発明のプリンタ排出紙収納装置10に対しては、プリンタ8から排出された印刷済みのプリンタ排出紙20が送り込まれ、プリンタ排出用紙20の先端は巻取部17の前面のロール形状にそって下向きに送り出されることで巻き込まれ、同時にプリンタ排出紙20はロール紙を使用していることから、ロール紙としての自己回復力により巻き込まれ、巻取部17の内部で自然にプリンタ排出紙20は巻取り状態で収納される。
【0030】
図4及び図5は図2に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置の説明図であり、図4(A)に側面断面図を示しており、図4(B)に正面図を示し、さらに図5に平面図を示している。
【0031】
図4(A)において、マグネットゴムシート18により盤面2のプリンタ取付開口部9に取付られた本発明のプリンタ排出紙収納装置10は、本体16から前方に突出した円弧状の巻取部17を有すると共に、巻取部17の下部内側のプリンタ8側に仕切壁21を起立している。
【0032】
仕切壁21はプリンタ8の盤面2からの飛出部11bに対応して設けられており、仕切壁21を形成することで巻取部17の内部をプリンタ8側から仕切っている。仕切壁21を設けたことで、プリンタ8から排出された排出紙20をその排出力と、ロール紙による自己回復力により滑らかに巻取部17の内面ロール形状にそって自然巻取状態で収納することができる。
【0033】
もし仕切壁21がなかった場合にはプリンタ8から排出された排出紙20の先端は巻取部17の円弧上のロール面に沿って下方に移動した後、プリンタ8の飛出部11bの下側に当り、自然な巻取りができなくなる。しかし本発明にあっては、巻取部17の下部の飛出部11bの手前となる位置に仕切壁21を形成しているため、巻取部17の円弧状の内面にそって送りだされたプリンタ排出紙20は、仕切壁21に当って上方に屈曲しながら内側に巻き込まれ、プリンタ8の飛出部11bに邪魔されることなく自然な巻取りを行なうことができる。
【0034】
また仕切壁21は、プリンタ排出紙収納装置10を盤面2から取り外した際に、巻取り状態で収納しているプリンタ排出紙20が脱落するのを防いでいる。
【0035】
プリンタ排出用紙収納部10は取付枠15の下端には、指先が入る程度の隙間を形成した取外部22を形成しており、盤面2からプリンタ排出紙収納装置10を取り外したい場合には、取外部22に指をかけて手前に引き剥がすことで、簡単に盤面2から取り外すことができる。
【0036】
仕切壁21は弾力性を有するやわらかい部材で構成すれば、飛出部11bに仕切壁21の表面に接触して隙間ができず、プリンタ排出紙が隙間にはさまることなく、正しく巻取ることができる。また、仕切壁21が弾力性を有することで飛出部11bの高さが異なる各種のプリンタにも対応することができる。
【0037】
図6は図2に示したプリンタ排出紙収納装置10を前面に飛び出しのない他のプリンタ装置に取り付けた場合の説明図であり、図6(A)が側面断面図、図6(B)が正面図となる。図6(A)において、この実施形態におけるプリンタ22は図4(A)に示した構造のプリンタに比べるとサイズが大型であり、ロール紙は完全にプリンタ本体23内に収納されているため、プリンタ22の前方に図4のプリンタ22のような飛び出し部11bは持たず、フラットとなっている。
【0038】
またプリンタ22はそのサイズが大きく、図6(B)の正面図から明らかなように本発明のプリンタ排出紙収納装置10の高さ方向の寸法に対し、プリンタ8の高さ方向の寸法の方が大きくなっている。
【0039】
このような前面に飛び出しがなく、またサイズの大きなプリンタ22についても本発明のプリンタ排出紙収納装置10をそのまま取り付けることができる。すなわち図4のプリンタ8と図6のプリンタ22では、サイズや前面の飛び出しの有無について相違はあるが使用するロール紙は同サイズのものを使用しており、従ってプリンタ8の用紙排出口12も図6のプリンタ22の用紙排出口24も同一サイズとなっている。
【0040】
このようにプリンタ8,22の用紙排出口12,24が同一サイズであれば、プリンタ8,22のサイズの大小にかかわらず本発明のプリンタ排出紙収納装置10をそのまま使用することができる。仕切壁21は弾力性を有するためプリンタ22の表面に接触し、仕切壁21とプリンタ22表面の間に隙間ができず、プリンタ排出紙がつまらず、確実に巻取ることができる。
【0041】
本発明のプリンタ排出紙収納装置10を取付可能なプリンタとしては、図6(B)のように巻取部17の内部横幅W1に対し、用紙排出部24から排出されるプリンタ排出紙20の横幅W2が小さい関係にあれば、この関係にある全てのプリンタに対し、本発明のプリンタ排出紙収納装置10を使用することができる。
【0042】
より具体的には、本発明のプリンタ排出紙収納装置10における巻取部17の内部の横幅W1として、取り付けが予想されるプリンタで使用しているロール紙の横幅W2をすべて含むような寸法に製作しておくことで、予想されるあらゆるプリンタにつき、本発明のプリンタ排出紙収納装置10を使用することができる。
【0043】
図7は硬紙で製作された本発明のプリンタ排出紙収納装置の他の実施形態を前面に飛び出しのあるプリンタと共に示した説明図である。
【0044】
図7において、プリンタ8は図2と同じものであり、小型化を図ることでロール紙収納部の一部が前方の扉11aの部分でロール状に飛び出した飛出部11bを持っている。このようなプリンタ8に対し取り付けられる本発明のプリンタ排出紙収納装置25は、この実施形態にあっては、硬紙或いは厚紙を切り貼りすることで製作されている。
【0045】
硬紙で製作されたプリンタ排出紙収納装置25は、矩形の箱型形状を持つ本体26の上部及び前部を切り抜いて開放し、その中に円弧状のロール形状を内側に持つように、ほぼ半円柱に巻きまわした形状の巻取部30を収納している。
【0046】
本体26の後部には取付枠27が屈曲形成されており、取付枠27の裏面側に盤面に対し着脱自在の固定部材としてマグネットゴムシート28を設けている。また巻取部30の上部には透明窓31が形成されており、巻取部30の中に排出されて巻き取られたプリンタ排出紙の印字内容を外部から見ることができるようにしている。
【0047】
図8は図7に示したプリンタ排出紙収納装置25の説明図であり、図8(A)が側面断面図であり、図8(B)が正面図である。さらに図9に平面図を示している。
【0048】
図8(A)において、厚紙で製作されたプリンタ排出紙収納装置25は、箱型の本体26の内部に円弧状にまいた巻取部30を収納しており、巻取部30に対するプリンタ8側の飛出部11bの手前には仕切壁32を起立している。また仕切壁32を起立した下側の部分は指先をいれる隙間となっており、この隙間がプリンタ排出紙収納装置25を盤面2から取り外す際の取外部33を形成している。仕切壁32は飛出部11bの表面側に傾斜していると、排出紙が正しく収納されやすい。
【0049】
この図8(A)の断面図から明らかなように、プリンタ8から排出されたプリンタ排出紙20はその先端が巻取部30の円弧状の内面にそって排出力とロール紙としての自己回復力により下方に移動しながら内側に巻き込まれ、プリンタ排出紙20の先端は下端を過ぎた後、仕切壁32に案内されて上方に巻き上げられた後、再び前方に巻き込まれ、プリンタ8からの排出力とロール紙のもつ自己回復力で自然巻取り状態で滑らかに収納される。
【0050】
またプリンタ排出紙20の収納状態において印字内容
見たい場合には、図9の平面図から明らかなように、巻取部30の上部側が透明窓31となっているため、この透明窓31を通してプリンタ8から排出されたプリンタ排出紙20のプリンタ内容を読み取ることができる。また図7乃至図9に示した硬紙で製作されたプリンタ排出紙収納装置25にあっては、材料コストが極めて安く、また軽量であることから取付が容易になる利点を備えている。
【0051】
さらに図4(A)のプリンタ排出紙収納装置10及び図8(A)のプリンタ排出紙収納装置25のいずれにあっても、巻取部17,30の内部に仕切壁21,32を起立しているため、下部の取り外し部22,33に指をいれて盤面2から取り外した場合、内部に巻取り状態で収納しているプリンタ排出紙20が脱落してしまうことがなく、巻取部17,30にプリンタ排出紙20を収納した状態でプリンタ8,22の用紙排出口12,24から切り離して用紙を取り出すことができる。
【0052】
また図4(A)の合成樹脂製のプリンタ排出紙収納装置10及び図8(A)の硬紙で作られたプリンタ排出紙収納装置25のいずれにあっても、巻取部17,30に収納できるプリンタ排出紙20の長さは最大で10乃至15メートル程度で十分な収納量を確保することができる。
【0053】
さらに図7乃至図9に示した硬紙で製作されたプリンタ排出紙収納装置25にあっては、そのコストが安価であることから巻取部30にプリンタ排出紙20がいっぱいになった場合には、盤面から取り外してプリンタ8からプリンタ排出紙20を切り離し、プリンタ排出紙20を収納したまま保管し、新たな硬紙で作られたプリンタ排出紙収納装置25を交換して使うような運用の仕方も可能である。
【0054】
これによってプリンタ排出紙収納装置25はプリンタ8から排出されたプリンタ排出紙20の収納と同時に収納の保管にも利用することができる。特に硬紙で作られたプリンタ排出紙収納装置25はテッシュケースと同等な箱型形状であることから、収納時の積み上げが容易で、収納がより適切にできる。
【0055】
尚、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、さらに上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のプリンタ排出紙収納装置を取り付けた火災受信機の説明図
【図2】本発明のプリンタ排出紙収納装置の実施形態を前面に飛び出しのあるプリンタと共に示した説明図
【図3】図2のプリンタ排出紙収納装置に巻取り状態で収納されたプリンタ排出紙の説明図
【図4】図2に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置の側面断面及び正面の説明図
【図5】図2に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置の平面図
【図6】図2に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置を全面に飛び出しのない他のプリンタ装置に取り付けた場合の側面断面及び正面の説明図
【図7】硬紙で製作された本発明のプリンタ排出紙収納装置の他の実施形態を全面に飛び出しのあるプリンタと共に示した説明図
【図8】図7に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置の側面断面及び正面の説明図
【図9】図7に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置の平面図
【図10】プリンタを取り付けた従来の火災受信機の説明図
【図11】プリンタに受け箱を取り付けた従来の火災受信機の説明図
【符号の説明】
【0057】
1:火災受信機
2:盤面
3:火災代表灯
4:ガス漏れ代表灯
5:諸表示灯
6:ディスプレイ
7:操作部
8,22:プリンタ
9:プリンタ取付開口部
10,25:プリンタ排出紙収納装置
11:ロール紙収納部
11a:扉
11b:飛出部
12,24:用紙排出口
13:プリンタカバー
14,23:プリンタ本体
15:取付枠
16,26:本体
17,30:巻取部
18,28:マグネットゴムシート
19,31:透明窓
20:プリンタ排出紙
21,32:仕切壁
22,33:取外部
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災受信機等の監視盤の盤面に取り付けられたプリンタから排出されたプリンタ用紙を巻取り状態で収納するプリンタ排出紙収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防災受信機にあっては、盤面にプリンタを取り付け、火災受信情報、障害受信情報、点検情報などの火災報知設備の運用に必要な情報を打ち出すようにしている。
【0003】
図10は従来の火災受信機100であり、盤面101には火災、ガス漏れなどの代表表示灯、地区表示灯、ディスプレイを備えた表示部102と各種の操作スイッチを備えた操作部103が設けられ、その下にプリンタ104を取り付けている。プリンタ104はロールタイプのプリンタ用紙105を使用している。
【特許文献1】実願昭58−66424号のマイクロフィルム(実開昭59−171951)
【特許文献2】実願昭59−41886号のマイクロフィルム(実開昭60−1542149)
【特許文献3】特開平10−194533号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の火災受信機にあっては、盤面101に取り付けているプリンタ104には、排出された印刷済みのプリンタ用紙105を収納する装置がなく、プリント用紙105は出しっぱなし状態になっていることが多く、見栄えが良くない。
【0005】
この問題を解決するためには、例えば電気モータを使用した市販の自動巻取り装置を使用すれば良いが、自動巻取り装置が高価であり、また消費電力が増加し、自動巻取り装置を含めてプリンタを盤面に取付ける構造変更の問題で採用されにくい状況にある。
【0006】
またプリンタ用紙を収納する簡単な方法として、図11のように、プリンタ104の下に受け箱106を設けることもあるが、あくまで一時的にプリンタ用紙105を納めておくだけであり、プリンタ用紙105を巻き取ることはできないため、プリンタ104から排紙される量が多いとプリンタ用紙105が受け箱106から溢れ出してしまう問題がある。
【0007】
本発明は、盤面に取り付けられたプリンタから排出されるプリンタ用紙を排出力と用紙の自己回復力により自然巻取り状態で収納可能とするプリンタ排出紙収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は、監視盤の盤面に配置されたプリンタから排出されたロールタイプのプリンタ用紙を巻き取り状態で収納するプリンタ排出紙収納装置に於いて、プリンタを配置する盤面のプリンタ取付開口部に装着される取付枠と、取付枠をプリンタ取付開口部に対し着脱自在に固定する固定部材と、取付枠と一体に形成され、内面がプリンタの用紙排出口の上部から前方斜め下方に延在して先端で円弧状に湾曲した後にプリンタ取付開口部の下縁に戻るロール形状を備えた用紙巻取部と、用紙巻取部の内側下部に起立されてプリンタ側から用紙巻取部内を仕切る仕切り壁とを備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで固定部材はシート状の磁石部材、粘着テープ又はファスナーテープである。また仕切り壁は、盤面のプリンタ取付開口部からのプリンタ部位の飛出し量に対応した用紙巻取部の内部位置に起立する。用紙巻取部は、プリンタから排出されたプリンタ用紙の印刷内容を視認する透明窓を上部に設ける。更に、取付枠は、下側枠部分に、指先を掛ける隙間を開口した取外部を形成する。
【0010】
本発明のプリンタ排出紙収納装置の取付枠、用紙巻取り部及び仕切り壁は薄肉の合成樹脂で形成される。また本発明のプリンタ排出紙収納装置の取付枠、用紙巻取り部及び仕切り壁は硬紙で形成するようにしても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ロールタイプのプリンタ用紙がプリンタから排出される力とロール状に戻る自己回復力を利用し、内面を円弧状とした巻取部に排出させることで、用紙が内面の円弧状の軌道に沿って自然に巻き込まれ、機械的や電気的な力を必要とすることなく排出紙を巻き取り状態として収納することができる。
【0012】
また盤面のプリンタ取付開口部に対し取付枠によりマグネットやファスナーテープ等の固定部材により着脱自在としているため、プリンタのサイズが多少異なっても、火災受信機に使用されているプリンタであれば、どのようなプリンタについても、後付けにより簡単に取り付けることができる。
【0013】
また巻取部の上部に透明窓を設けていることで、巻き取られる寸前までのプリンタ排出紙上の印刷内容をそのまま読取ることができる。
【0014】
更に本発明のプリンタ排出紙収納装置は、合成樹脂シートの真空成型又は圧縮空気成型や、硬紙の切り貼り等といった安価な材料により簡単に製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明のプリンタ排出紙収納装置を取り付けた火災受信機の説明図である。図1において、火災受信機1は前部となる盤面2に、火災代表灯3、ガス漏れ代表灯4、諸表示部5、ディスプレイ6、各種操作スイッチを備えた操作部7を設け、その下にプリンタ8を取り付けている。
【0016】
プリンタ8は盤面2に開口形成したプリンタ取付開口部9に収まるように取り付けられており、プリンタ取付開口部9に対し本発明のプリンタ排出収納装置10を取付け、プリンタ8から排出されるプリンタ用紙を巻き取り状態で収納するようにしている。
【0017】
図2は本発明によるプリンタ排出紙収納装置の実施形態を盤面に飛び出しのあるプリンタと共に示した説明図である。
【0018】
図2において、プリンタ8はプリンタ本体14の前方にプリンタカバー13を装着しており、プリンタ本体14の下側にはロール紙収納部11が形成されている。プリンタカバー13には用紙排出口12が設けられ、ロール紙収納部11に収納されているプリンタ用紙の送り出しを行いながら印刷を行い、印刷の済んだ用紙が用紙排出口12から排出される。
【0019】
用紙排出口12の下側のロール紙収納部11に対する前柄の部分は、扉11aとなっており、扉11aは下側をヒンジとして前方に開くことができ、扉11aを開いた状態でロール状のプリンタ用紙をロール紙収納部11に収納し、用紙排出口12から先端を取り出した状態で扉11aを閉じることで、プリンタ8に対しプリンタ用紙をセットすることができる。
【0020】
ここでプリンタ8にあっては、プリンタ本体14の奥行き位置方向の寸を含め全体の小型化を図っており、これに伴いロール収納位置の奥行寸法も抑えることで、ロール紙収納部11の一部がプリンタカバー13の下部の扉11aの部分で前方に飛び出した飛出部11bを形成している。
【0021】
このようなプリンタ8を図1の火災受信機1の盤面2に設けたプリンタ取付開口部9に取り付けた場合、盤面2の位置から前方に飛出部11bが飛び出して配置されることになる。
【0022】
図2のプリンタ8の前方を覆うように取り付けられる本発明のプリンタ排出紙収納装置10は、矩形の取付枠15に続いて前方に台形状に張り出した本体16を一体に形成しており、本体16に対してはさらに前方に巻取部17を張り出している。即ち、巻取部17は、その内面がプリンタ8にプリンタ排出紙収納装置10を取り付けた状態で、用紙排出口12の上方から前方斜め下方に延在して、先端で円弧状に湾曲した後にプリンタ取付開口部9(図1参照)に戻るロール形状を備えている。
【0023】
この実施形態において、取付枠15、本体16及び巻取部17は透明な合成樹脂シートの真空形成或いは圧縮空気による形成で製作された透明体であるが、取付枠15、本体16及び巻取部17が透明体でなかった場合には、巻取部17に破線で示す上部から内部を見ることのできる上部に透明窓19を形成する。
【0024】
このような透明窓19を形成することでプリンタ8の用紙排出口12から排出された排出用紙に印刷されている印刷内容を巻取部17の内部における巻取り寸前まで外部から見ることができる。
【0025】
取付枠15の裏側には図1に示した火災受信機1の盤面2に形成したプリンタ取付開口部9に対し、着脱自在な固定部材として、この実施形態にあってはマグネットゴムシート18を設けている。
【0026】
即ち、図1の火災受信機1の盤面には金属製の扉で作られていることから、ここに取り付けたプリンタ取付開口部9に対し本発明のプリンタ排出紙収納装置10を着脱自在に取り付ける固定部材としてマグネットゴムシート18を使用する。
【0027】
取付枠15の裏側に設けられて盤面2に対し着脱自在とされる固定部材としては、マグネットゴムシート18に以外に、ファスナーテープや粘着テープなど適宜の着脱自在な取固定部材が使用できる。すなわち取り付ける盤面2がスチール系の金属材であった場合にはマグネットゴムシート18が有効であるが、プラスチックなどの合成樹脂のような場合には粘着テープやファスナーテープを使用することになる。
【0028】
このように取付枠15の裏側にマグネットゴムシート18が設けられていることで、本発明のプリンタ排出紙収納装置10はプリンタ8を取り付けている盤面2のプリンタ取付開口部9に対し、必要に応じて簡単に着脱することができる。即ち、プリンタ8から排出された排出紙が巻取部17の中にたまって、それ以上、収納できなくなった場合には、マグネットゴムシート18で装着しているプリンタ排出紙収納装置10を取り外し、排出用紙を取り出してプリンタ8から切り離すことになる。
【0029】
図3は図2のプリンタ排出紙収納装置10に巻取り状態で排出されたプリンタ排出装置の説明図である。図3において、プリンタ8の前面に取付けた本発明のプリンタ排出紙収納装置10に対しては、プリンタ8から排出された印刷済みのプリンタ排出紙20が送り込まれ、プリンタ排出用紙20の先端は巻取部17の前面のロール形状にそって下向きに送り出されることで巻き込まれ、同時にプリンタ排出紙20はロール紙を使用していることから、ロール紙としての自己回復力により巻き込まれ、巻取部17の内部で自然にプリンタ排出紙20は巻取り状態で収納される。
【0030】
図4及び図5は図2に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置の説明図であり、図4(A)に側面断面図を示しており、図4(B)に正面図を示し、さらに図5に平面図を示している。
【0031】
図4(A)において、マグネットゴムシート18により盤面2のプリンタ取付開口部9に取付られた本発明のプリンタ排出紙収納装置10は、本体16から前方に突出した円弧状の巻取部17を有すると共に、巻取部17の下部内側のプリンタ8側に仕切壁21を起立している。
【0032】
仕切壁21はプリンタ8の盤面2からの飛出部11bに対応して設けられており、仕切壁21を形成することで巻取部17の内部をプリンタ8側から仕切っている。仕切壁21を設けたことで、プリンタ8から排出された排出紙20をその排出力と、ロール紙による自己回復力により滑らかに巻取部17の内面ロール形状にそって自然巻取状態で収納することができる。
【0033】
もし仕切壁21がなかった場合にはプリンタ8から排出された排出紙20の先端は巻取部17の円弧上のロール面に沿って下方に移動した後、プリンタ8の飛出部11bの下側に当り、自然な巻取りができなくなる。しかし本発明にあっては、巻取部17の下部の飛出部11bの手前となる位置に仕切壁21を形成しているため、巻取部17の円弧状の内面にそって送りだされたプリンタ排出紙20は、仕切壁21に当って上方に屈曲しながら内側に巻き込まれ、プリンタ8の飛出部11bに邪魔されることなく自然な巻取りを行なうことができる。
【0034】
また仕切壁21は、プリンタ排出紙収納装置10を盤面2から取り外した際に、巻取り状態で収納しているプリンタ排出紙20が脱落するのを防いでいる。
【0035】
プリンタ排出用紙収納部10は取付枠15の下端には、指先が入る程度の隙間を形成した取外部22を形成しており、盤面2からプリンタ排出紙収納装置10を取り外したい場合には、取外部22に指をかけて手前に引き剥がすことで、簡単に盤面2から取り外すことができる。
【0036】
仕切壁21は弾力性を有するやわらかい部材で構成すれば、飛出部11bに仕切壁21の表面に接触して隙間ができず、プリンタ排出紙が隙間にはさまることなく、正しく巻取ることができる。また、仕切壁21が弾力性を有することで飛出部11bの高さが異なる各種のプリンタにも対応することができる。
【0037】
図6は図2に示したプリンタ排出紙収納装置10を前面に飛び出しのない他のプリンタ装置に取り付けた場合の説明図であり、図6(A)が側面断面図、図6(B)が正面図となる。図6(A)において、この実施形態におけるプリンタ22は図4(A)に示した構造のプリンタに比べるとサイズが大型であり、ロール紙は完全にプリンタ本体23内に収納されているため、プリンタ22の前方に図4のプリンタ22のような飛び出し部11bは持たず、フラットとなっている。
【0038】
またプリンタ22はそのサイズが大きく、図6(B)の正面図から明らかなように本発明のプリンタ排出紙収納装置10の高さ方向の寸法に対し、プリンタ8の高さ方向の寸法の方が大きくなっている。
【0039】
このような前面に飛び出しがなく、またサイズの大きなプリンタ22についても本発明のプリンタ排出紙収納装置10をそのまま取り付けることができる。すなわち図4のプリンタ8と図6のプリンタ22では、サイズや前面の飛び出しの有無について相違はあるが使用するロール紙は同サイズのものを使用しており、従ってプリンタ8の用紙排出口12も図6のプリンタ22の用紙排出口24も同一サイズとなっている。
【0040】
このようにプリンタ8,22の用紙排出口12,24が同一サイズであれば、プリンタ8,22のサイズの大小にかかわらず本発明のプリンタ排出紙収納装置10をそのまま使用することができる。仕切壁21は弾力性を有するためプリンタ22の表面に接触し、仕切壁21とプリンタ22表面の間に隙間ができず、プリンタ排出紙がつまらず、確実に巻取ることができる。
【0041】
本発明のプリンタ排出紙収納装置10を取付可能なプリンタとしては、図6(B)のように巻取部17の内部横幅W1に対し、用紙排出部24から排出されるプリンタ排出紙20の横幅W2が小さい関係にあれば、この関係にある全てのプリンタに対し、本発明のプリンタ排出紙収納装置10を使用することができる。
【0042】
より具体的には、本発明のプリンタ排出紙収納装置10における巻取部17の内部の横幅W1として、取り付けが予想されるプリンタで使用しているロール紙の横幅W2をすべて含むような寸法に製作しておくことで、予想されるあらゆるプリンタにつき、本発明のプリンタ排出紙収納装置10を使用することができる。
【0043】
図7は硬紙で製作された本発明のプリンタ排出紙収納装置の他の実施形態を前面に飛び出しのあるプリンタと共に示した説明図である。
【0044】
図7において、プリンタ8は図2と同じものであり、小型化を図ることでロール紙収納部の一部が前方の扉11aの部分でロール状に飛び出した飛出部11bを持っている。このようなプリンタ8に対し取り付けられる本発明のプリンタ排出紙収納装置25は、この実施形態にあっては、硬紙或いは厚紙を切り貼りすることで製作されている。
【0045】
硬紙で製作されたプリンタ排出紙収納装置25は、矩形の箱型形状を持つ本体26の上部及び前部を切り抜いて開放し、その中に円弧状のロール形状を内側に持つように、ほぼ半円柱に巻きまわした形状の巻取部30を収納している。
【0046】
本体26の後部には取付枠27が屈曲形成されており、取付枠27の裏面側に盤面に対し着脱自在の固定部材としてマグネットゴムシート28を設けている。また巻取部30の上部には透明窓31が形成されており、巻取部30の中に排出されて巻き取られたプリンタ排出紙の印字内容を外部から見ることができるようにしている。
【0047】
図8は図7に示したプリンタ排出紙収納装置25の説明図であり、図8(A)が側面断面図であり、図8(B)が正面図である。さらに図9に平面図を示している。
【0048】
図8(A)において、厚紙で製作されたプリンタ排出紙収納装置25は、箱型の本体26の内部に円弧状にまいた巻取部30を収納しており、巻取部30に対するプリンタ8側の飛出部11bの手前には仕切壁32を起立している。また仕切壁32を起立した下側の部分は指先をいれる隙間となっており、この隙間がプリンタ排出紙収納装置25を盤面2から取り外す際の取外部33を形成している。仕切壁32は飛出部11bの表面側に傾斜していると、排出紙が正しく収納されやすい。
【0049】
この図8(A)の断面図から明らかなように、プリンタ8から排出されたプリンタ排出紙20はその先端が巻取部30の円弧状の内面にそって排出力とロール紙としての自己回復力により下方に移動しながら内側に巻き込まれ、プリンタ排出紙20の先端は下端を過ぎた後、仕切壁32に案内されて上方に巻き上げられた後、再び前方に巻き込まれ、プリンタ8からの排出力とロール紙のもつ自己回復力で自然巻取り状態で滑らかに収納される。
【0050】
またプリンタ排出紙20の収納状態において印字内容
見たい場合には、図9の平面図から明らかなように、巻取部30の上部側が透明窓31となっているため、この透明窓31を通してプリンタ8から排出されたプリンタ排出紙20のプリンタ内容を読み取ることができる。また図7乃至図9に示した硬紙で製作されたプリンタ排出紙収納装置25にあっては、材料コストが極めて安く、また軽量であることから取付が容易になる利点を備えている。
【0051】
さらに図4(A)のプリンタ排出紙収納装置10及び図8(A)のプリンタ排出紙収納装置25のいずれにあっても、巻取部17,30の内部に仕切壁21,32を起立しているため、下部の取り外し部22,33に指をいれて盤面2から取り外した場合、内部に巻取り状態で収納しているプリンタ排出紙20が脱落してしまうことがなく、巻取部17,30にプリンタ排出紙20を収納した状態でプリンタ8,22の用紙排出口12,24から切り離して用紙を取り出すことができる。
【0052】
また図4(A)の合成樹脂製のプリンタ排出紙収納装置10及び図8(A)の硬紙で作られたプリンタ排出紙収納装置25のいずれにあっても、巻取部17,30に収納できるプリンタ排出紙20の長さは最大で10乃至15メートル程度で十分な収納量を確保することができる。
【0053】
さらに図7乃至図9に示した硬紙で製作されたプリンタ排出紙収納装置25にあっては、そのコストが安価であることから巻取部30にプリンタ排出紙20がいっぱいになった場合には、盤面から取り外してプリンタ8からプリンタ排出紙20を切り離し、プリンタ排出紙20を収納したまま保管し、新たな硬紙で作られたプリンタ排出紙収納装置25を交換して使うような運用の仕方も可能である。
【0054】
これによってプリンタ排出紙収納装置25はプリンタ8から排出されたプリンタ排出紙20の収納と同時に収納の保管にも利用することができる。特に硬紙で作られたプリンタ排出紙収納装置25はテッシュケースと同等な箱型形状であることから、収納時の積み上げが容易で、収納がより適切にできる。
【0055】
尚、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、さらに上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のプリンタ排出紙収納装置を取り付けた火災受信機の説明図
【図2】本発明のプリンタ排出紙収納装置の実施形態を前面に飛び出しのあるプリンタと共に示した説明図
【図3】図2のプリンタ排出紙収納装置に巻取り状態で収納されたプリンタ排出紙の説明図
【図4】図2に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置の側面断面及び正面の説明図
【図5】図2に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置の平面図
【図6】図2に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置を全面に飛び出しのない他のプリンタ装置に取り付けた場合の側面断面及び正面の説明図
【図7】硬紙で製作された本発明のプリンタ排出紙収納装置の他の実施形態を全面に飛び出しのあるプリンタと共に示した説明図
【図8】図7に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置の側面断面及び正面の説明図
【図9】図7に示した本発明のプリンタ排出紙収納装置の平面図
【図10】プリンタを取り付けた従来の火災受信機の説明図
【図11】プリンタに受け箱を取り付けた従来の火災受信機の説明図
【符号の説明】
【0057】
1:火災受信機
2:盤面
3:火災代表灯
4:ガス漏れ代表灯
5:諸表示灯
6:ディスプレイ
7:操作部
8,22:プリンタ
9:プリンタ取付開口部
10,25:プリンタ排出紙収納装置
11:ロール紙収納部
11a:扉
11b:飛出部
12,24:用紙排出口
13:プリンタカバー
14,23:プリンタ本体
15:取付枠
16,26:本体
17,30:巻取部
18,28:マグネットゴムシート
19,31:透明窓
20:プリンタ排出紙
21,32:仕切壁
22,33:取外部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視盤の盤面に配置されたプリンタから排出されたロールタイプのプリンタ用紙を巻き取り状態で収納するプリンタ排出紙収納装置に於いて、
前記プリンタを配置する盤面のプリンタ取付開口部に装着される取付枠と、
前記取付枠を前記プリンタ取付開口部に対し着脱自在に固定する固定部材と、
前記取付枠と一体に形成され、内面が前記プリンタの用紙排出口の上部から前方斜め下方に延在して先端で円弧状に湾曲した後に前記プリンタ取付開口部の下縁に戻るロール形状を備えた用紙巻取部と、
前記用紙巻取部の内側下部に起立されてプリンタ側から前記用紙巻取部内を仕切る仕切壁と、
を備えたことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項2】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記固定部材はシート状の磁石部材、粘着テープ又はファスナーテープであることを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項3】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記仕切り壁は、前記盤面のプリンタ取付開口部からのプリンタ部位の飛出し量に対応した前記用紙巻取部の内部位置に起立したことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項4】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記用紙巻取部は、前記プリンタから排出されたプリンタ用紙の印刷内容を視認する透明窓を上部に設けたことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項5】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記取付枠は、下側枠部分に、指先を掛ける隙間を開口した取外部を形成したことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項6】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記取付枠、用紙巻取部及び仕切壁は薄肉の合成樹脂で形成されたことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項7】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記取付枠、用紙巻取部及び仕切壁は硬紙で形成されたことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項1】
監視盤の盤面に配置されたプリンタから排出されたロールタイプのプリンタ用紙を巻き取り状態で収納するプリンタ排出紙収納装置に於いて、
前記プリンタを配置する盤面のプリンタ取付開口部に装着される取付枠と、
前記取付枠を前記プリンタ取付開口部に対し着脱自在に固定する固定部材と、
前記取付枠と一体に形成され、内面が前記プリンタの用紙排出口の上部から前方斜め下方に延在して先端で円弧状に湾曲した後に前記プリンタ取付開口部の下縁に戻るロール形状を備えた用紙巻取部と、
前記用紙巻取部の内側下部に起立されてプリンタ側から前記用紙巻取部内を仕切る仕切壁と、
を備えたことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項2】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記固定部材はシート状の磁石部材、粘着テープ又はファスナーテープであることを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項3】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記仕切り壁は、前記盤面のプリンタ取付開口部からのプリンタ部位の飛出し量に対応した前記用紙巻取部の内部位置に起立したことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項4】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記用紙巻取部は、前記プリンタから排出されたプリンタ用紙の印刷内容を視認する透明窓を上部に設けたことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項5】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記取付枠は、下側枠部分に、指先を掛ける隙間を開口した取外部を形成したことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項6】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記取付枠、用紙巻取部及び仕切壁は薄肉の合成樹脂で形成されたことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【請求項7】
請求項1記載のプリンタ排出紙収納装置に於いて、前記取付枠、用紙巻取部及び仕切壁は硬紙で形成されたことを特徴とするプリンタ排出紙収納装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−103078(P2006−103078A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291014(P2004−291014)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】
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