プリンタ
【課題】印字ロールのセンタリングのための操作を特に必要としない操作性の良いプリンタを提供する。
【解決手段】印字ロールの第1端面に接触する第1ガイド11と、巻出軸10の先端部10F側に設けられ、印字ロールの第2端面に接触する第2ガイド12と、巻出軸10の軸方向Yに移動可能に取り付けられ、第1ガイド11に係合する第1係合部材16と、巻出軸10の軸方向Yに移動可能に取り付けられ、第2ガイド12に係合する第2係合部材17と、両係合部材16,17を互いに反対方向に同期して移動させるための伝達手段14とを備え、印字ロールが第2係合部材12に係合することなく印字ロールの第1端面が第1ガイド11に接触するまで印字ロールを巻出軸10に挿通可能であることを特徴とする。
【解決手段】印字ロールの第1端面に接触する第1ガイド11と、巻出軸10の先端部10F側に設けられ、印字ロールの第2端面に接触する第2ガイド12と、巻出軸10の軸方向Yに移動可能に取り付けられ、第1ガイド11に係合する第1係合部材16と、巻出軸10の軸方向Yに移動可能に取り付けられ、第2ガイド12に係合する第2係合部材17と、両係合部材16,17を互いに反対方向に同期して移動させるための伝達手段14とを備え、印字ロールが第2係合部材12に係合することなく印字ロールの第1端面が第1ガイド11に接触するまで印字ロールを巻出軸10に挿通可能であることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字ロールを装填するプリンタの特に印字ロールのホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品等に貼付されるラベルは、多種・多様になり、ラベルの幅も多種類に及んでいる。そのため、1台のラベルプリンタに複数種類のラベルを装填可能とし、ラベルの幅が変わる度ごとに、ラベル幅の変化に合わせてガイドを調整することで、ラベルロールのセンタリングを行っている。センタリングを行うことで、高速かつ高精度の印字が可能となる。
【0003】
こうした調整を可能とした装置としては、下記の特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平11−139638(要約、0028)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1の装置では、ラベルロールの装填後に操作つまみを回転させてセンタリングを行う必要があり、センタリングのための操作が面倒である。
【0005】
したがって、本発明の目的は印字ロールのセンタリングのための操作を特に必要としない操作性の良いプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、中心部が中空の円筒状に巻かれた印字ロールから印字用紙を巻出可能に保持する巻出軸と、前記巻出軸から巻き出された印字用紙に印字を行う印字部とを備えたプリンタであって、前記巻出軸の基端部側において前記巻出軸の軸方向に移動可能に設けられ、前記印字ロールの第1端面に接触する第1ガイドと、前記巻出軸の先端部側に着脱自在に設けられ、前記印字ロールの第2端面に接触する第2ガイドと、前記巻出軸の軸方向に移動可能に取り付けられ、前記第1ガイドに係合する第1係合部材と、前記巻出軸の軸方向に移動可能に取り付けられ、前記第2ガイドに係合する第2係合部材と、前記第1および第2係合部材を互いに反対方向に同期して移動させるための伝達手段とを備え、前記印字ロールが前記第2係合部材に係合することなく前記印字ロールの第1端面が前記第1ガイドに接触するまで前記印字ロールを前記巻出軸に挿通可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
幅広の印字ロールを装填する際には、印字ロールを巻出軸に挿通して該印字ロールを第1ガイドに当接させながら、印字ロールを基端部側に向って奥まで押し込む。前記挿通時に、印字ロールは第2係合部材に係合せず、かつ、第1ガイドを介して第1係合部材を基端部側に向かって移動させる。同時に、第1係合部材が基端部側に移動するのに同期して、第2係合部材が先端部側に向かって移動する。前記印字ロールの挿通後、第2ガイドを巻出軸に挿通すると、前記先端部側に移動した第2係合部材に第2ガイドが係合し、第2ガイドと共に第2係合部材が基端部側に向かって移動する。同時に、第2係合部材が移動するのに同期して、第1係合部材が先端部側に移動する。
【0008】
一方、幅狭の印字ロールを装填する際には、印字ロールを巻出軸に挿通して該印字ロールを第1ガイドに当接させる。前記挿通時に、印字ロールは第2係合部材に係合しない。前記印字ロールの挿通後、第2ガイドを巻出軸に挿通すると、第2係合部材に第2ガイドが係合し、第2ガイドと共に第2係合部材が基端部側に向かって移動する。同時に、第2係合部材が移動するのに同期して、第1係合部材が先端部側に移動する。
【0009】
このように、2つの係合部材が互いに同期して反対方向に移動し、かつ、前記各係合部材に各ガイドが係合しているので、印字ロールがセンタリングされて、高速・高精度の印字が可能となる。
また、第2係合部材が印字ロールに係合することなく第2ガイドに係合するので、印字ロールを第2ガイドと共に押し込むだけでセンタリングがなされる。したがって、印字ロール装填の操作時に、センタリングのための操作を何ら行う必要もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明における前記伝達手段は、前記第1ガイドを基端部側に押し込むと前記両係合部材を互いに離間する方向に移動させ、前記第2ガイドを介して第2係合部材を基端部側に押し込むと前記両係合部材を互いに接近する方向に移動させる。
【0011】
本発明においては、前記伝達手段は前記巻出軸内に収容され、円柱形の一部を切り欠いて形成された前記巻出軸の切欠部に前記第2係合部材が前記印字ロールの内周に係合しないように、かつ、前記第2ガイドに係合するように突設されているのが好ましい。
かかる態様によれば、巻出軸の一部を切り欠いて第2係合部材を突設することで、第2係合部材が通常の円筒形の紙管に係合せず、かつ、第2ガイドに係合する。
【0012】
本発明においては、前記第2係合部材の近傍において前記第2係合部材よりも径方向に突出し、前記印字ロールの内周に当接して当該印字ロールが前記第2係合部材に係合するのを防止する係合防止部を更に備えているのが好ましい。
かかる態様によれば、巻出軸の外径よりも大きい内径の印字ロールであっても、第2係合部材に係合することなく挿入できる。したがって、内径の大きい印字ロールの装填も容易となる。
【0013】
本発明においては、前記巻出軸の外径よりも径大で前記印字ロールの中空部に侵入して当接する第1および第2アタッチメントがそれぞれ前記第1および第2ガイドに設けられ、前記各アタッチメントが前記各ガイドの接触端面から外方に退避可能で、かつ、前記各ガイドから印字ロールに向かって突出した状態で固定可能であるのが好ましい。
かかる態様によれば、アタッチメントを用いて内径の異なる印字ロールの保持が可能となる。
【0014】
本発明においては、放射状に設けられた複数の爪からなり、前記印字ロールの中空部に侵入して当接すると共に侵入方向に行くに従い径小となる第1および第2アタッチメントが各々前記第1および第2ガイドに設けられ、前記第1アタッチメントと前記第2アタッチメントが軸方向にラップして配置可能とされるのが好ましい。
かかる態様によれば、内径が異なる印字ロールの保持が可能で、かつ、極めて幅の狭い印字ロールでも保持することができる。
【実施例1】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1〜図7は実施例1を示す。
【0016】
概略構成:
図1(a)に示すように、ラベルプリンタ1は、印字ロールLr、ダンパ20、搬送部30、ラベルセンサ40、印字部50およびリボン供給部60を備えている。
【0017】
前記印字ロールLrは、たとえば、紙管Lcに帯状の印字用紙Lが巻回されてなる。図1(b)に示すように、印字用紙Lは、裏面に粘着剤の塗布された多数のラベルL1と、当該ラベルL1が仮貼着された帯状の台紙L2からなる。隣り合うラベルL1は、互いに若干の間隔Δを空けて台紙L2に仮貼着されている。
【0018】
図1(a)に示すように、印字ロールLrは、ラベルプリンタ1の板状フレーム70に対して回転自在に設けられたボビン(巻出軸)10の外周に前記紙管Lcが嵌め込まれて、ラベルプリンタ1に装填される。
【0019】
印字ロールLrから巻き出された印字用紙Lは、ダンパ20を介して搬送部30に導かれる。搬送部30は、印字用紙Lを印字部50に送り出す。
【0020】
搬送部30と印字部50との間には、ラベルセンサ40が設けられている。ラベルセンサ40は、たとえば、光センサ等により構成されており、図1(b)に示すラベルL1の前端Lfおよび後端Lbの検出を行う。
【0021】
図2においてラベルセンサ40は、投光部41および受光部42を備えている。投光部41から出射された光は印字用紙Lを透過し受光部42によって検出される。ラベルセンサ40は、受光部42によって検出された透過光の光量の変化に基づき、図1(b)に示すラベルL1の端部Lf,Lbの検出を行う。
【0022】
図1(a)に示す印字部50は、印字ヘッド51とプラテンローラ52とを備え、前記印字用紙Lは、印字ヘッド51とプラテンローラ52との間に供給される。印字用紙Lは、印字部50において、図示しないモータによって回転駆動されるプラテンローラ52により所定の速度で搬送される。
【0023】
一方、図1(a)に示す印字ヘッド51の上方には、インクリボン62を供給するリボン供給部60が設けられている。リボン供給部60はリボンロール61が装填される巻出ローラ63と、巻取ローラ64とを備えている。巻出ローラ63に装填されたリボンロール61からインクリボン62が巻き出され、印字部50に供給される。インクリボン62は、印字部50において、ラベルL1の上面に密着するように供給される。
【0024】
前記印字ヘッド51の発熱によって、前記インクリボン62の所定部分がラベルL1の印字面Lsに熱転写されることにより、ラベルL1の印字面Lsに印字が施される。前記印字面Lsへの印字位置は、前記ラベルセンサ40によって検出されたラベルL1の前端Lfを基準に決定される。
【0025】
印字済の印字用紙Lは、ラベルプリンタ1から、該ラベルプリンタ1の外方に排出される。一方、印字済のインクリボン62は巻取ローラ64に巻き取られる。
【0026】
搬送部30:
図2に示すように、搬送部30は、印字用紙Lの下面に密着する搬送ベルト31と、該印字用紙Lの上面に密着する押さえベルト32とを備えている。両ベルト31,32は、それぞれ無端状の平ベルトからなり、印字用紙Lは両ベルト31,32に挟まれて搬送方向Xに搬送される。
【0027】
前記搬送ベルト31は、印字用紙Lの搬送方向Xに沿って下流側に設けられた駆動プーリ(駆動ベルト車)33と、上流側に設けられた従動プーリ(従動ベルト車)34との間に巻回されている。駆動プーリ33は、図示しない前記モータによって回転駆動される。従動プーリ34は、図1(a)の板状フレーム70に対して回転自在に設けられている。
【0028】
一方、図2の押さえベルト32は、印字用紙Lの搬送方向Xに沿って上流側に設けられた押さえローラ35と、下流側に設けられた補助ローラ36との間に巻回されている。押さえローラ35および補助ローラ36は、板状フレーム70(図1(a))に対して回転自在に設けられている。図2に示すように、前記押さえローラ35は、前記駆動プーリ33と従動プーリ34との間に設けられていると共に、一対のベルト31,32および印字用紙Lを介して従動プーリ34に外接している。
【0029】
駆動プーリ33が前記モータによって図2の矢印で示す正転方向に回転駆動されると、搬送ベルト31の印字用紙Lとの接触面が搬送方向Xに向って移動すると共に、押さえベルト32のラベルL1側の接触面が搬送方向Xに移動し、印字用紙Lが印字部50に向って送り出される。
【0030】
つぎに、本発明の要部について説明する。
図3に示すように、ボビン10は、略円筒形に形成されており、固定部材19に突設された回転軸18を中心に回転自在に設けられている。固定部材19は、図1(a)の板状フレーム70の裏側に固定されている。
【0031】
第1および第2ガイド11,12:
図3に示すように、前記ボビン10には、第1ガイド11が摺動可能に取り付けられており、一方、第2ガイド12は着脱自在に設けられている。第1および第2ガイド11,12は、略円盤状に形成されており、該円盤の中心部分には、ボビン10の外周に摺動すると共に嵌り込む第1および第2摺動孔11h,12hが設けられている。
【0032】
第1ガイド11は、前記第1摺動孔11hがボビン10に嵌め込まれ、ボビン10の基端部10D側において、ボビン10の軸方向Yに移動可能に取り付けられている。一方、図5に示すように、第2ガイド12は、前記第2摺動孔12hがボビン10に嵌め込まれて、ボビン10の先端部10F側において、ボビン10の軸方向Yに移動可能で、かつ、ボビン10の先端から抜き取ることが可能である。
なお、図示を省略しているが、第2ガイド12には、第2ガイド12をボビン10に固定するための締付手段が設けられている。
【0033】
図6(c)および図7(c)に示すように、印字ロールLrのセット時には、第1ガイド11の接触端面11G(図3)が印字ロールLrの一方の端面である第1端面LAに接触すると共に、第2ガイド12の接触端面12G(図5)が印字ロールLrの他方の端面である第2端面LBに接触し、印字ロールLrが保持される。
【0034】
ボビン10:
図3に示すように、ボビン10には、円柱形の一部を切り欠いて形成された切欠部10cが設けられている。
【0035】
伝達手段14;
図4(a)に示すように、ボビン10内にはセンタリングのための伝達手段14が収容されている。伝達手段14は、ピニオン10Pと一対のラック10A,10Bとを備えている。ピニオン10Pは、ボビン10の軸方向Yの概ね中心に回転自在に設けられている。前記ラック10A,10Bは、軸方向Yに沿ってボビン10内を摺動自在に設けられている。ピニオン10Pの側面には、第1および第2ラック10A,10Bがそれぞれ歯合されている。
したがって、ラック10A,10Bおよびピニオン10Pは、該ピニオン10Pを中心に、常に両ラック10A,10Bがピニオン10Pから互いに反対方向に同期して等距離を移動する伝達手段14を構成しいてる。
【0036】
第1ラック10Aの基端部10D側(奥方向Y1)の端部には、第1摺動板11sが固定されている。図3に示すように、第1摺動板11sは、ボビン10に設けられた前記切欠部10c上を摺動自在に設けられている。第1摺動板11sには、第1ガイド11の裏面側に係合する第1係合部材16が突設されている。前記第1ガイド11は前記第1係合部材16を介してボビン10に取り付けられている。
【0037】
一方、第2ラック10Bの前記先端部10F側(手前方向Y2)の端部には、第2摺動板12sが固定されている。図5に示すように、第2摺動板12sは、ボビン10に設けられた前記切欠部10c上を摺動自在に設けられている。第2摺動板12sには、第2ガイド12の接触端面12G側に設けられた係合部12dに係合する第2係合部材17と、後述する係合防止部13が突設されている。
【0038】
前記各係合部材16,17は、切欠部10cの中心Oから概ね等距離に設けられている。前述のように、ラック10A,10Bおよびピニオン10Pはセンタリングのための伝達手段14を構成しているので、係合部材16,17はピニオン10Pの回転中心Oを中心に常に等距離を移動する。
【0039】
図6(a)に示すように、ボビン10には予め第1ガイド11が嵌め込まれて取り付けられている。印字ロールLrをボビン10にセットして、奥方向Y1に向って押し込むと、図3に示す第1ガイド11によって、第1係合部材16が奥方向Y1に向って押される。かかる第1ガイド11の移動により、図4(a)の第1ラック10Aが奥方向Y1に移動し、ピニオン10Pが回転される。前記ピニオン10Pの回転により、第2ラック10Bが手前方向Y2に移動され、図6(b)に示すように、第2係合部材17が手前方向Y2に向って移動される。
このように、第1ガイド11を基端部10D側に押し込むと、前記両係合部材16,17は、互いに離間する方向に移動される。
【0040】
一方、図7(b)に示す第2ガイド12をボビン10に嵌め込み、奥方向Y1に押し込むと、第2ガイド12の係合部12dにより、図4(a)に示す第2係合部材17が奥方向Y1に向って押される。第2係合部材17の移動により、第2ラック10Bが奥方向Y1に移動し、ピニオン10Pが逆回転されて、第1ラック10Aが手前方向Y2に向って移動される。
したがって、図6(c)および図7(c)に示すように、第2ガイド12を基端部10D側に押し込むと、第1ガイド11が先端部10F側に移動され、両係合部材16,17が互いに接近する方向に移動されて、印字ロールLrのセンタリングが行われる。
【0041】
係合防止部13;
ここで、印字ロールLrの内径が、図3に示すボビン10と概ね同径の場合には、ボビン10の円柱状の外周面に案内されて、印字ロールLrが押し込まれ、印字ロールLrの内周Liに第2係合部材17が接触しない。しかし、印字ロールLrの内径が円柱状のボビン10の外径よりも大きい場合には、印字ロールLrにおける紙管の第1端面LAが第2係合部材17に接触し、該第2係合部材17が奥方向Y1に押し込まれ、印字ロールLrを正常にセットできないおそれがある。そこで、以下に説明する係合防止部13および案内突部10uを設けている。
【0042】
図4(b)および図5に示すように、前記係合防止部13は、第2係合部材17の近傍において該第2係合部材17よりもボビン10の径方向Dに突出している。係合防止部13は、その側面形状が、概ね三角形になるように形成されている。
【0043】
一方、ボビン10の切欠部10cの先端部10Fには、案内突部10uが突設されている。図4(b)に示すように、係合防止部13と案内突部10uの高さHは、概ね同じ高さに設定されている。
【0044】
図5の印字ロールLrがボビン10に差し込まれると、まず、案内突部10uが印字ロールLrの内周Liに当たり、図4(b)に示す案内突部10uの上面が印字ロールLrの内周を案内する。更に印字ロールLrを奥方向Y1に向って押し込むと、印字ロールLrの第1端面LA側の内周Liが、係合防止部13の斜面13aに案内され、該内周Liが係合防止部13の三角形状の頂点13bに案内されて奥方向Y1に移動される。
【0045】
このように、前記係合防止部13が、第2係合部材17よりもボビン10の径方向Dに突出して設けられているので、印字ロールLrが第2係合部材17に係合することなく、印字ロールLrをボビン10に挿通することが可能である。
【0046】
印字ロールLrの装填:
幅広の印字ロールLrの場合;
図6(a)に示すように、幅広の印字ロールLrを装填する際には、第1ガイド11が嵌め込まれたボビン10に印字ロールLrを嵌め込み、図6(b)に示すように、ボビン10の基端部10Dに向って該印字ロールLrを奥まで押し込む。
【0047】
印字ロールLrに押されて、第1ガイド11が奥方向Y1に移動すると、図4(a)の伝達手段14によって、第1係合部材16が軸方向Yに移動する。一方、第1係合部材16の移動に同期して、図6(b)に示す第2係合部材17が先端部10F側に向かって手前方向Y2に移動する。
【0048】
その後、図5に示す第2ガイド12をボビン10に嵌め込むと、第2係合部材17に第2ガイド12の係合部12dが係合する。第2ガイド12を奥方向Y1に押し込むことにより、第2係合部材17が奥方向Y1に向かって移動し、図4(a)の前記伝達手段14によって、第2係合部材17の移動に同期して、第1係合部材16がボビン10の先端部10F側に向って手前方向Y2に移動する。
したがって、図6(c)に示すように、印字ロールLrがボビン10の軸方向Yにセンタリングされる。
【0049】
幅狭の印字ロールLrの場合;
図7(a)に示すように、幅狭の印字ロールLrを装填する際には、印字ロールLrをボビン10に挿通して該印字ロールLrを奥方向Y1に押し込む。
【0050】
前記印字ロールLrの挿通後、図7(b)に示すように、第2ガイド12をボビン10に挿通すると、図5に示す第2係合部材17に第2ガイド12の係合部12dが係合する。図7(b)に示すように、第2ガイド12を奥方向Y1に向って押し込むと、第2ガイド12と共に、図4(a)に示す第2係合部材17が奥方向Y1に移動する。
【0051】
第2係合部材17が奥方向Y1に移動するのに同期して、第1係合部材16が手前方向Y2に向って移動し、図7(c)に示すように、印字ロールLrがボビン10の軸方向Yにセンタリングされる。
【0052】
このように、2つの係合部材16,17が互いに同期して移動し、かつ、前記各係合部材16,17に各ガイド11,12が係合しているので、印字ロールLrがボビン10上においてセンタリングされる。したがって、高速・高精度の印字が可能となる。
また、印字ロールLrの装填時には、第2係合部材17が印字ロールLrに係合することなく第2ガイド12に係合するので、印字ロールLrを第2ガイド12と共に押し込むだけでセンタリングがなされる。したがって、印字ロールLr装填の操作時に、センタリングのための操作を何ら行う必要もない。
【実施例2】
【0053】
図8〜図11は実施例2を示す。
図8に示すように、ボビン10は概ね円柱形に形成されている。
図8および図9(a)に示すように、第1および第2ガイド11,12には、第1および第2アタッチメント11A,12Aが装着されている。前記アタッチメント11A,12Aには、それぞれ複数(数個ないし多数)の爪15が、該アタッチメント11A,12Aの径方向に放射状に設けられている。
【0054】
図11(a)に示すように、前記各爪15は、互いに接近する方向に行くに従い径小となるように、その側面形状が略三角形(テーパ状)にそれぞれ形成されている。
一方、ボビン10の外周には、軸方向Yに沿って前記爪15を案内する複数本の案内溝10hが、前記爪15毎に形成されている。
【0055】
図8に示すボビン10内には、両ガイド11,12のセンタリングを行うための伝達手段14が収容されている。伝達手段14は、前述の実施例1と同様にラックとピニオンを有しており、各ラックには、それぞれ係合部材16,17が固定されている。前記係合部材16,17は、前記案内溝10h内に沿って軸方向Yに移動可能に設けられており、前記アタッチメント11A,12Aが各係合部材16,17にそれぞれ係合することにより、両ガイド11,12のセンタリングが行われる。
【0056】
図10に示すように、各ガイド11,12内にはスプリングSが内蔵されており、該スプリングSのバネ力により、アタッチメント11A,12Aが、印字ロールLrに接触する方向に向って付勢されている。
【0057】
印字ロールLrの内周Liがボビン10の外径に概ね等しい場合には、図9(a)の爪15がガイド11,12の内方に向って引っ込み、印字ロールLrの端面LA,LBがそれぞれガイド11,12の接触端面11G,12Gに接触し、印字ロールLrがガイド11,12に保持される。
【0058】
一方、印字ロールLrの内周Liがボビン10の外径よりも大きい場合には、後述するロック機構により、図11(a)の二点鎖線に示すように、爪15が突出状態に固定される。前記爪15が、それぞれ印字ロールLrの内周(中空部)Liに侵入することにより自動調芯され、印字ロールLrが保持される。
【0059】
ロック機構:
図10に示すように、各アタッチメント11A,12Aには、ガイド11,12内に形成された凹字状のガイド部GB内を摺動する摺動凸部SBが形成されている。一方、ガイド11,12内には、前記ガイド部GBと摺動凸部SBとの間に嵌まり込み、アタッチメント11A,12Aを突出状態に固定可能なストッパ板SPが設けられている。前記ストッパ板SPには、ガイド11,12の外周に設けられた固定ツマミ15aが設けられている。
【0060】
爪15を突出状態に固定する場合には、固定ボタン15aを、図10の二点鎖線で示すように、ガイド11,12の周方向に移動させる。固定ボタン15aの移動により、ストッパ板SPがガイド11,12内を回動し、ガイド部GBと摺動凸部SBとの間に入り込む。このようにストッパ板SPがガイド部GBと摺動凸部SBとの間に入り込むことにより、アタッチメント11A,12Aが固定され、爪15が突出状態に固定される。
【0061】
爪15の配置:
ここで、図11(b)に示すように、前記爪15は、ガイド11,12を互いに近接させた場合、第1アタッチメント11Aの爪15と、第2アタッチメント12Aの爪15とが、隣り合う爪15の間に入り込み、ボビン10の軸方向Yに互いラップするように配置されている。
したがって、内径が異なる印字ロールLrの保持が可能で、かつ、極めて幅の狭い印字ロールLrでも保持することができる。
【0062】
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0063】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、第1および第2ガイドは、必ずしも円盤状である必要はない。また、第1および第2ガイドには、リヴや孔を形成して軽量化を図ってもよい。
また、前述の実施例では、伝達手段の一例としてラックとピニオンを用いたセンタリング機構を例示したが、伝達手段としては、第1および第2係合部材を互いに反対方向に同期して移動させる機構であればよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本装置は、印字用紙に印字を行うプリンタに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】(a)は本発明の実施例1にかかるプリンタを示す概略側面図、(b)は同プリンタに用いる印字用紙の一例を示す概略平面図である。
【図2】同搬送部および印字部近傍を示す概略側面図である。
【図3】印字ロールの保持構造を示す概略斜視図である。
【図4】(a)は伝達手段を示す概略平面図、(b)は巻出軸の先端部分を示す概略側面図である。
【図5】巻出軸および第2ガイドを示す概略斜視図である。
【図6】幅広の印字ロールのセンタリング方法を示す概略斜視図である。
【図7】幅狭の印字ロールのセンタリング方法を示す概略斜視図である。
【図8】本発明の実施例2にかかる印字ロールの保持構造を示す概略斜視図である。
【図9】(a)はアタッチメントの突出状態を示す概略斜視図、(b)はアタッチメントの退避状態を示す概略斜視図である。
【図10】裏板を外した状態のガイドを示す概略斜視図である。
【図11】第1および第2ガイドの保持動作を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1:ラベルプリンタ
10:ボビン(巻出軸)
10c:切欠部
10D:巻出軸の基端部
11:第1ガイド
12:第2ガイド
11A:第1アタッチメント
12A:第1アタッチメント
13:係合防止部
14:伝達手段
15:爪
16:第1係合部材
17:第2係合部材
50:印字部
L:印字用紙
LA:印字ロールの第1端面
LB:印字ロールの第2端面
Li:内周(中空部)
Lr:印字ロール
Y:軸方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字ロールを装填するプリンタの特に印字ロールのホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品等に貼付されるラベルは、多種・多様になり、ラベルの幅も多種類に及んでいる。そのため、1台のラベルプリンタに複数種類のラベルを装填可能とし、ラベルの幅が変わる度ごとに、ラベル幅の変化に合わせてガイドを調整することで、ラベルロールのセンタリングを行っている。センタリングを行うことで、高速かつ高精度の印字が可能となる。
【0003】
こうした調整を可能とした装置としては、下記の特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平11−139638(要約、0028)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1の装置では、ラベルロールの装填後に操作つまみを回転させてセンタリングを行う必要があり、センタリングのための操作が面倒である。
【0005】
したがって、本発明の目的は印字ロールのセンタリングのための操作を特に必要としない操作性の良いプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、中心部が中空の円筒状に巻かれた印字ロールから印字用紙を巻出可能に保持する巻出軸と、前記巻出軸から巻き出された印字用紙に印字を行う印字部とを備えたプリンタであって、前記巻出軸の基端部側において前記巻出軸の軸方向に移動可能に設けられ、前記印字ロールの第1端面に接触する第1ガイドと、前記巻出軸の先端部側に着脱自在に設けられ、前記印字ロールの第2端面に接触する第2ガイドと、前記巻出軸の軸方向に移動可能に取り付けられ、前記第1ガイドに係合する第1係合部材と、前記巻出軸の軸方向に移動可能に取り付けられ、前記第2ガイドに係合する第2係合部材と、前記第1および第2係合部材を互いに反対方向に同期して移動させるための伝達手段とを備え、前記印字ロールが前記第2係合部材に係合することなく前記印字ロールの第1端面が前記第1ガイドに接触するまで前記印字ロールを前記巻出軸に挿通可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
幅広の印字ロールを装填する際には、印字ロールを巻出軸に挿通して該印字ロールを第1ガイドに当接させながら、印字ロールを基端部側に向って奥まで押し込む。前記挿通時に、印字ロールは第2係合部材に係合せず、かつ、第1ガイドを介して第1係合部材を基端部側に向かって移動させる。同時に、第1係合部材が基端部側に移動するのに同期して、第2係合部材が先端部側に向かって移動する。前記印字ロールの挿通後、第2ガイドを巻出軸に挿通すると、前記先端部側に移動した第2係合部材に第2ガイドが係合し、第2ガイドと共に第2係合部材が基端部側に向かって移動する。同時に、第2係合部材が移動するのに同期して、第1係合部材が先端部側に移動する。
【0008】
一方、幅狭の印字ロールを装填する際には、印字ロールを巻出軸に挿通して該印字ロールを第1ガイドに当接させる。前記挿通時に、印字ロールは第2係合部材に係合しない。前記印字ロールの挿通後、第2ガイドを巻出軸に挿通すると、第2係合部材に第2ガイドが係合し、第2ガイドと共に第2係合部材が基端部側に向かって移動する。同時に、第2係合部材が移動するのに同期して、第1係合部材が先端部側に移動する。
【0009】
このように、2つの係合部材が互いに同期して反対方向に移動し、かつ、前記各係合部材に各ガイドが係合しているので、印字ロールがセンタリングされて、高速・高精度の印字が可能となる。
また、第2係合部材が印字ロールに係合することなく第2ガイドに係合するので、印字ロールを第2ガイドと共に押し込むだけでセンタリングがなされる。したがって、印字ロール装填の操作時に、センタリングのための操作を何ら行う必要もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明における前記伝達手段は、前記第1ガイドを基端部側に押し込むと前記両係合部材を互いに離間する方向に移動させ、前記第2ガイドを介して第2係合部材を基端部側に押し込むと前記両係合部材を互いに接近する方向に移動させる。
【0011】
本発明においては、前記伝達手段は前記巻出軸内に収容され、円柱形の一部を切り欠いて形成された前記巻出軸の切欠部に前記第2係合部材が前記印字ロールの内周に係合しないように、かつ、前記第2ガイドに係合するように突設されているのが好ましい。
かかる態様によれば、巻出軸の一部を切り欠いて第2係合部材を突設することで、第2係合部材が通常の円筒形の紙管に係合せず、かつ、第2ガイドに係合する。
【0012】
本発明においては、前記第2係合部材の近傍において前記第2係合部材よりも径方向に突出し、前記印字ロールの内周に当接して当該印字ロールが前記第2係合部材に係合するのを防止する係合防止部を更に備えているのが好ましい。
かかる態様によれば、巻出軸の外径よりも大きい内径の印字ロールであっても、第2係合部材に係合することなく挿入できる。したがって、内径の大きい印字ロールの装填も容易となる。
【0013】
本発明においては、前記巻出軸の外径よりも径大で前記印字ロールの中空部に侵入して当接する第1および第2アタッチメントがそれぞれ前記第1および第2ガイドに設けられ、前記各アタッチメントが前記各ガイドの接触端面から外方に退避可能で、かつ、前記各ガイドから印字ロールに向かって突出した状態で固定可能であるのが好ましい。
かかる態様によれば、アタッチメントを用いて内径の異なる印字ロールの保持が可能となる。
【0014】
本発明においては、放射状に設けられた複数の爪からなり、前記印字ロールの中空部に侵入して当接すると共に侵入方向に行くに従い径小となる第1および第2アタッチメントが各々前記第1および第2ガイドに設けられ、前記第1アタッチメントと前記第2アタッチメントが軸方向にラップして配置可能とされるのが好ましい。
かかる態様によれば、内径が異なる印字ロールの保持が可能で、かつ、極めて幅の狭い印字ロールでも保持することができる。
【実施例1】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1〜図7は実施例1を示す。
【0016】
概略構成:
図1(a)に示すように、ラベルプリンタ1は、印字ロールLr、ダンパ20、搬送部30、ラベルセンサ40、印字部50およびリボン供給部60を備えている。
【0017】
前記印字ロールLrは、たとえば、紙管Lcに帯状の印字用紙Lが巻回されてなる。図1(b)に示すように、印字用紙Lは、裏面に粘着剤の塗布された多数のラベルL1と、当該ラベルL1が仮貼着された帯状の台紙L2からなる。隣り合うラベルL1は、互いに若干の間隔Δを空けて台紙L2に仮貼着されている。
【0018】
図1(a)に示すように、印字ロールLrは、ラベルプリンタ1の板状フレーム70に対して回転自在に設けられたボビン(巻出軸)10の外周に前記紙管Lcが嵌め込まれて、ラベルプリンタ1に装填される。
【0019】
印字ロールLrから巻き出された印字用紙Lは、ダンパ20を介して搬送部30に導かれる。搬送部30は、印字用紙Lを印字部50に送り出す。
【0020】
搬送部30と印字部50との間には、ラベルセンサ40が設けられている。ラベルセンサ40は、たとえば、光センサ等により構成されており、図1(b)に示すラベルL1の前端Lfおよび後端Lbの検出を行う。
【0021】
図2においてラベルセンサ40は、投光部41および受光部42を備えている。投光部41から出射された光は印字用紙Lを透過し受光部42によって検出される。ラベルセンサ40は、受光部42によって検出された透過光の光量の変化に基づき、図1(b)に示すラベルL1の端部Lf,Lbの検出を行う。
【0022】
図1(a)に示す印字部50は、印字ヘッド51とプラテンローラ52とを備え、前記印字用紙Lは、印字ヘッド51とプラテンローラ52との間に供給される。印字用紙Lは、印字部50において、図示しないモータによって回転駆動されるプラテンローラ52により所定の速度で搬送される。
【0023】
一方、図1(a)に示す印字ヘッド51の上方には、インクリボン62を供給するリボン供給部60が設けられている。リボン供給部60はリボンロール61が装填される巻出ローラ63と、巻取ローラ64とを備えている。巻出ローラ63に装填されたリボンロール61からインクリボン62が巻き出され、印字部50に供給される。インクリボン62は、印字部50において、ラベルL1の上面に密着するように供給される。
【0024】
前記印字ヘッド51の発熱によって、前記インクリボン62の所定部分がラベルL1の印字面Lsに熱転写されることにより、ラベルL1の印字面Lsに印字が施される。前記印字面Lsへの印字位置は、前記ラベルセンサ40によって検出されたラベルL1の前端Lfを基準に決定される。
【0025】
印字済の印字用紙Lは、ラベルプリンタ1から、該ラベルプリンタ1の外方に排出される。一方、印字済のインクリボン62は巻取ローラ64に巻き取られる。
【0026】
搬送部30:
図2に示すように、搬送部30は、印字用紙Lの下面に密着する搬送ベルト31と、該印字用紙Lの上面に密着する押さえベルト32とを備えている。両ベルト31,32は、それぞれ無端状の平ベルトからなり、印字用紙Lは両ベルト31,32に挟まれて搬送方向Xに搬送される。
【0027】
前記搬送ベルト31は、印字用紙Lの搬送方向Xに沿って下流側に設けられた駆動プーリ(駆動ベルト車)33と、上流側に設けられた従動プーリ(従動ベルト車)34との間に巻回されている。駆動プーリ33は、図示しない前記モータによって回転駆動される。従動プーリ34は、図1(a)の板状フレーム70に対して回転自在に設けられている。
【0028】
一方、図2の押さえベルト32は、印字用紙Lの搬送方向Xに沿って上流側に設けられた押さえローラ35と、下流側に設けられた補助ローラ36との間に巻回されている。押さえローラ35および補助ローラ36は、板状フレーム70(図1(a))に対して回転自在に設けられている。図2に示すように、前記押さえローラ35は、前記駆動プーリ33と従動プーリ34との間に設けられていると共に、一対のベルト31,32および印字用紙Lを介して従動プーリ34に外接している。
【0029】
駆動プーリ33が前記モータによって図2の矢印で示す正転方向に回転駆動されると、搬送ベルト31の印字用紙Lとの接触面が搬送方向Xに向って移動すると共に、押さえベルト32のラベルL1側の接触面が搬送方向Xに移動し、印字用紙Lが印字部50に向って送り出される。
【0030】
つぎに、本発明の要部について説明する。
図3に示すように、ボビン10は、略円筒形に形成されており、固定部材19に突設された回転軸18を中心に回転自在に設けられている。固定部材19は、図1(a)の板状フレーム70の裏側に固定されている。
【0031】
第1および第2ガイド11,12:
図3に示すように、前記ボビン10には、第1ガイド11が摺動可能に取り付けられており、一方、第2ガイド12は着脱自在に設けられている。第1および第2ガイド11,12は、略円盤状に形成されており、該円盤の中心部分には、ボビン10の外周に摺動すると共に嵌り込む第1および第2摺動孔11h,12hが設けられている。
【0032】
第1ガイド11は、前記第1摺動孔11hがボビン10に嵌め込まれ、ボビン10の基端部10D側において、ボビン10の軸方向Yに移動可能に取り付けられている。一方、図5に示すように、第2ガイド12は、前記第2摺動孔12hがボビン10に嵌め込まれて、ボビン10の先端部10F側において、ボビン10の軸方向Yに移動可能で、かつ、ボビン10の先端から抜き取ることが可能である。
なお、図示を省略しているが、第2ガイド12には、第2ガイド12をボビン10に固定するための締付手段が設けられている。
【0033】
図6(c)および図7(c)に示すように、印字ロールLrのセット時には、第1ガイド11の接触端面11G(図3)が印字ロールLrの一方の端面である第1端面LAに接触すると共に、第2ガイド12の接触端面12G(図5)が印字ロールLrの他方の端面である第2端面LBに接触し、印字ロールLrが保持される。
【0034】
ボビン10:
図3に示すように、ボビン10には、円柱形の一部を切り欠いて形成された切欠部10cが設けられている。
【0035】
伝達手段14;
図4(a)に示すように、ボビン10内にはセンタリングのための伝達手段14が収容されている。伝達手段14は、ピニオン10Pと一対のラック10A,10Bとを備えている。ピニオン10Pは、ボビン10の軸方向Yの概ね中心に回転自在に設けられている。前記ラック10A,10Bは、軸方向Yに沿ってボビン10内を摺動自在に設けられている。ピニオン10Pの側面には、第1および第2ラック10A,10Bがそれぞれ歯合されている。
したがって、ラック10A,10Bおよびピニオン10Pは、該ピニオン10Pを中心に、常に両ラック10A,10Bがピニオン10Pから互いに反対方向に同期して等距離を移動する伝達手段14を構成しいてる。
【0036】
第1ラック10Aの基端部10D側(奥方向Y1)の端部には、第1摺動板11sが固定されている。図3に示すように、第1摺動板11sは、ボビン10に設けられた前記切欠部10c上を摺動自在に設けられている。第1摺動板11sには、第1ガイド11の裏面側に係合する第1係合部材16が突設されている。前記第1ガイド11は前記第1係合部材16を介してボビン10に取り付けられている。
【0037】
一方、第2ラック10Bの前記先端部10F側(手前方向Y2)の端部には、第2摺動板12sが固定されている。図5に示すように、第2摺動板12sは、ボビン10に設けられた前記切欠部10c上を摺動自在に設けられている。第2摺動板12sには、第2ガイド12の接触端面12G側に設けられた係合部12dに係合する第2係合部材17と、後述する係合防止部13が突設されている。
【0038】
前記各係合部材16,17は、切欠部10cの中心Oから概ね等距離に設けられている。前述のように、ラック10A,10Bおよびピニオン10Pはセンタリングのための伝達手段14を構成しているので、係合部材16,17はピニオン10Pの回転中心Oを中心に常に等距離を移動する。
【0039】
図6(a)に示すように、ボビン10には予め第1ガイド11が嵌め込まれて取り付けられている。印字ロールLrをボビン10にセットして、奥方向Y1に向って押し込むと、図3に示す第1ガイド11によって、第1係合部材16が奥方向Y1に向って押される。かかる第1ガイド11の移動により、図4(a)の第1ラック10Aが奥方向Y1に移動し、ピニオン10Pが回転される。前記ピニオン10Pの回転により、第2ラック10Bが手前方向Y2に移動され、図6(b)に示すように、第2係合部材17が手前方向Y2に向って移動される。
このように、第1ガイド11を基端部10D側に押し込むと、前記両係合部材16,17は、互いに離間する方向に移動される。
【0040】
一方、図7(b)に示す第2ガイド12をボビン10に嵌め込み、奥方向Y1に押し込むと、第2ガイド12の係合部12dにより、図4(a)に示す第2係合部材17が奥方向Y1に向って押される。第2係合部材17の移動により、第2ラック10Bが奥方向Y1に移動し、ピニオン10Pが逆回転されて、第1ラック10Aが手前方向Y2に向って移動される。
したがって、図6(c)および図7(c)に示すように、第2ガイド12を基端部10D側に押し込むと、第1ガイド11が先端部10F側に移動され、両係合部材16,17が互いに接近する方向に移動されて、印字ロールLrのセンタリングが行われる。
【0041】
係合防止部13;
ここで、印字ロールLrの内径が、図3に示すボビン10と概ね同径の場合には、ボビン10の円柱状の外周面に案内されて、印字ロールLrが押し込まれ、印字ロールLrの内周Liに第2係合部材17が接触しない。しかし、印字ロールLrの内径が円柱状のボビン10の外径よりも大きい場合には、印字ロールLrにおける紙管の第1端面LAが第2係合部材17に接触し、該第2係合部材17が奥方向Y1に押し込まれ、印字ロールLrを正常にセットできないおそれがある。そこで、以下に説明する係合防止部13および案内突部10uを設けている。
【0042】
図4(b)および図5に示すように、前記係合防止部13は、第2係合部材17の近傍において該第2係合部材17よりもボビン10の径方向Dに突出している。係合防止部13は、その側面形状が、概ね三角形になるように形成されている。
【0043】
一方、ボビン10の切欠部10cの先端部10Fには、案内突部10uが突設されている。図4(b)に示すように、係合防止部13と案内突部10uの高さHは、概ね同じ高さに設定されている。
【0044】
図5の印字ロールLrがボビン10に差し込まれると、まず、案内突部10uが印字ロールLrの内周Liに当たり、図4(b)に示す案内突部10uの上面が印字ロールLrの内周を案内する。更に印字ロールLrを奥方向Y1に向って押し込むと、印字ロールLrの第1端面LA側の内周Liが、係合防止部13の斜面13aに案内され、該内周Liが係合防止部13の三角形状の頂点13bに案内されて奥方向Y1に移動される。
【0045】
このように、前記係合防止部13が、第2係合部材17よりもボビン10の径方向Dに突出して設けられているので、印字ロールLrが第2係合部材17に係合することなく、印字ロールLrをボビン10に挿通することが可能である。
【0046】
印字ロールLrの装填:
幅広の印字ロールLrの場合;
図6(a)に示すように、幅広の印字ロールLrを装填する際には、第1ガイド11が嵌め込まれたボビン10に印字ロールLrを嵌め込み、図6(b)に示すように、ボビン10の基端部10Dに向って該印字ロールLrを奥まで押し込む。
【0047】
印字ロールLrに押されて、第1ガイド11が奥方向Y1に移動すると、図4(a)の伝達手段14によって、第1係合部材16が軸方向Yに移動する。一方、第1係合部材16の移動に同期して、図6(b)に示す第2係合部材17が先端部10F側に向かって手前方向Y2に移動する。
【0048】
その後、図5に示す第2ガイド12をボビン10に嵌め込むと、第2係合部材17に第2ガイド12の係合部12dが係合する。第2ガイド12を奥方向Y1に押し込むことにより、第2係合部材17が奥方向Y1に向かって移動し、図4(a)の前記伝達手段14によって、第2係合部材17の移動に同期して、第1係合部材16がボビン10の先端部10F側に向って手前方向Y2に移動する。
したがって、図6(c)に示すように、印字ロールLrがボビン10の軸方向Yにセンタリングされる。
【0049】
幅狭の印字ロールLrの場合;
図7(a)に示すように、幅狭の印字ロールLrを装填する際には、印字ロールLrをボビン10に挿通して該印字ロールLrを奥方向Y1に押し込む。
【0050】
前記印字ロールLrの挿通後、図7(b)に示すように、第2ガイド12をボビン10に挿通すると、図5に示す第2係合部材17に第2ガイド12の係合部12dが係合する。図7(b)に示すように、第2ガイド12を奥方向Y1に向って押し込むと、第2ガイド12と共に、図4(a)に示す第2係合部材17が奥方向Y1に移動する。
【0051】
第2係合部材17が奥方向Y1に移動するのに同期して、第1係合部材16が手前方向Y2に向って移動し、図7(c)に示すように、印字ロールLrがボビン10の軸方向Yにセンタリングされる。
【0052】
このように、2つの係合部材16,17が互いに同期して移動し、かつ、前記各係合部材16,17に各ガイド11,12が係合しているので、印字ロールLrがボビン10上においてセンタリングされる。したがって、高速・高精度の印字が可能となる。
また、印字ロールLrの装填時には、第2係合部材17が印字ロールLrに係合することなく第2ガイド12に係合するので、印字ロールLrを第2ガイド12と共に押し込むだけでセンタリングがなされる。したがって、印字ロールLr装填の操作時に、センタリングのための操作を何ら行う必要もない。
【実施例2】
【0053】
図8〜図11は実施例2を示す。
図8に示すように、ボビン10は概ね円柱形に形成されている。
図8および図9(a)に示すように、第1および第2ガイド11,12には、第1および第2アタッチメント11A,12Aが装着されている。前記アタッチメント11A,12Aには、それぞれ複数(数個ないし多数)の爪15が、該アタッチメント11A,12Aの径方向に放射状に設けられている。
【0054】
図11(a)に示すように、前記各爪15は、互いに接近する方向に行くに従い径小となるように、その側面形状が略三角形(テーパ状)にそれぞれ形成されている。
一方、ボビン10の外周には、軸方向Yに沿って前記爪15を案内する複数本の案内溝10hが、前記爪15毎に形成されている。
【0055】
図8に示すボビン10内には、両ガイド11,12のセンタリングを行うための伝達手段14が収容されている。伝達手段14は、前述の実施例1と同様にラックとピニオンを有しており、各ラックには、それぞれ係合部材16,17が固定されている。前記係合部材16,17は、前記案内溝10h内に沿って軸方向Yに移動可能に設けられており、前記アタッチメント11A,12Aが各係合部材16,17にそれぞれ係合することにより、両ガイド11,12のセンタリングが行われる。
【0056】
図10に示すように、各ガイド11,12内にはスプリングSが内蔵されており、該スプリングSのバネ力により、アタッチメント11A,12Aが、印字ロールLrに接触する方向に向って付勢されている。
【0057】
印字ロールLrの内周Liがボビン10の外径に概ね等しい場合には、図9(a)の爪15がガイド11,12の内方に向って引っ込み、印字ロールLrの端面LA,LBがそれぞれガイド11,12の接触端面11G,12Gに接触し、印字ロールLrがガイド11,12に保持される。
【0058】
一方、印字ロールLrの内周Liがボビン10の外径よりも大きい場合には、後述するロック機構により、図11(a)の二点鎖線に示すように、爪15が突出状態に固定される。前記爪15が、それぞれ印字ロールLrの内周(中空部)Liに侵入することにより自動調芯され、印字ロールLrが保持される。
【0059】
ロック機構:
図10に示すように、各アタッチメント11A,12Aには、ガイド11,12内に形成された凹字状のガイド部GB内を摺動する摺動凸部SBが形成されている。一方、ガイド11,12内には、前記ガイド部GBと摺動凸部SBとの間に嵌まり込み、アタッチメント11A,12Aを突出状態に固定可能なストッパ板SPが設けられている。前記ストッパ板SPには、ガイド11,12の外周に設けられた固定ツマミ15aが設けられている。
【0060】
爪15を突出状態に固定する場合には、固定ボタン15aを、図10の二点鎖線で示すように、ガイド11,12の周方向に移動させる。固定ボタン15aの移動により、ストッパ板SPがガイド11,12内を回動し、ガイド部GBと摺動凸部SBとの間に入り込む。このようにストッパ板SPがガイド部GBと摺動凸部SBとの間に入り込むことにより、アタッチメント11A,12Aが固定され、爪15が突出状態に固定される。
【0061】
爪15の配置:
ここで、図11(b)に示すように、前記爪15は、ガイド11,12を互いに近接させた場合、第1アタッチメント11Aの爪15と、第2アタッチメント12Aの爪15とが、隣り合う爪15の間に入り込み、ボビン10の軸方向Yに互いラップするように配置されている。
したがって、内径が異なる印字ロールLrの保持が可能で、かつ、極めて幅の狭い印字ロールLrでも保持することができる。
【0062】
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0063】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、第1および第2ガイドは、必ずしも円盤状である必要はない。また、第1および第2ガイドには、リヴや孔を形成して軽量化を図ってもよい。
また、前述の実施例では、伝達手段の一例としてラックとピニオンを用いたセンタリング機構を例示したが、伝達手段としては、第1および第2係合部材を互いに反対方向に同期して移動させる機構であればよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本装置は、印字用紙に印字を行うプリンタに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】(a)は本発明の実施例1にかかるプリンタを示す概略側面図、(b)は同プリンタに用いる印字用紙の一例を示す概略平面図である。
【図2】同搬送部および印字部近傍を示す概略側面図である。
【図3】印字ロールの保持構造を示す概略斜視図である。
【図4】(a)は伝達手段を示す概略平面図、(b)は巻出軸の先端部分を示す概略側面図である。
【図5】巻出軸および第2ガイドを示す概略斜視図である。
【図6】幅広の印字ロールのセンタリング方法を示す概略斜視図である。
【図7】幅狭の印字ロールのセンタリング方法を示す概略斜視図である。
【図8】本発明の実施例2にかかる印字ロールの保持構造を示す概略斜視図である。
【図9】(a)はアタッチメントの突出状態を示す概略斜視図、(b)はアタッチメントの退避状態を示す概略斜視図である。
【図10】裏板を外した状態のガイドを示す概略斜視図である。
【図11】第1および第2ガイドの保持動作を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1:ラベルプリンタ
10:ボビン(巻出軸)
10c:切欠部
10D:巻出軸の基端部
11:第1ガイド
12:第2ガイド
11A:第1アタッチメント
12A:第1アタッチメント
13:係合防止部
14:伝達手段
15:爪
16:第1係合部材
17:第2係合部材
50:印字部
L:印字用紙
LA:印字ロールの第1端面
LB:印字ロールの第2端面
Li:内周(中空部)
Lr:印字ロール
Y:軸方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部が中空の円筒状に巻かれた印字ロールから印字用紙を巻出可能に保持する巻出軸と、前記巻出軸から巻き出された印字用紙に印字を行う印字部とを備えたプリンタであって、
前記巻出軸の基端部側において前記巻出軸の軸方向に移動可能に設けられ、前記印字ロールの第1端面に接触する第1ガイドと、
前記巻出軸の先端部側に着脱自在に設けられ、前記印字ロールの第2端面に接触する第2ガイドと、
前記巻出軸の軸方向に移動可能に取り付けられ、前記第1ガイドに係合する第1係合部材と、
前記巻出軸の軸方向に移動可能に取り付けられ、前記第2ガイドに係合する第2係合部材と、
前記第1および第2係合部材を互いに反対方向に同期して移動させるための伝達手段とを備え、
前記印字ロールが前記第2係合部材に係合することなく前記印字ロールの第1端面が前記第1ガイドに接触するまで前記印字ロールを前記巻出軸に挿通可能であることを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
請求項1において、前記伝達手段は、前記第1ガイドを基端部側に押し込むと前記両係合部材を互いに離間する方向に移動させ、前記第2ガイドを介して第2係合部材を基端部側に押し込むと前記両係合部材を互いに接近する方向に移動させるプリンタ。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、前記伝達手段は前記巻出軸内に収容され、
円柱形の一部を切り欠いて形成された前記巻出軸の切欠部に前記第2係合部材が前記印字ロールの内周に係合しないように、かつ、前記第2ガイドに係合するように突設されているプリンタ。
【請求項4】
請求項1,2もしくは3において、前記第2係合部材の近傍において前記第2係合部材よりも径方向に突出し、前記印字ロールの内周に当接して当該印字ロールが前記第2係合部材に係合するのを防止する係合防止部を更に備えたプリンタ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記巻出軸の外径よりも径大で前記印字ロールの中空部に侵入して当接する第1および第2アタッチメントがそれぞれ前記第1および第2ガイドに設けられ、前記各アタッチメントが前記各ガイドの接触端面から外方に退避可能で、かつ、前記各ガイドから印字ロールに向かって突出した状態で固定可能であるプリンタ。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか1項において、放射状に設けられた複数の爪からなり、前記印字ロールの中空部に侵入して当接すると共に侵入方向に行くに従い径小となる第1および第2アタッチメントが各々前記第1および第2ガイドに設けられ、前記第1アタッチメントと前記第2アタッチメントが軸方向にラップして配置可能とされたプリンタ。
【請求項1】
中心部が中空の円筒状に巻かれた印字ロールから印字用紙を巻出可能に保持する巻出軸と、前記巻出軸から巻き出された印字用紙に印字を行う印字部とを備えたプリンタであって、
前記巻出軸の基端部側において前記巻出軸の軸方向に移動可能に設けられ、前記印字ロールの第1端面に接触する第1ガイドと、
前記巻出軸の先端部側に着脱自在に設けられ、前記印字ロールの第2端面に接触する第2ガイドと、
前記巻出軸の軸方向に移動可能に取り付けられ、前記第1ガイドに係合する第1係合部材と、
前記巻出軸の軸方向に移動可能に取り付けられ、前記第2ガイドに係合する第2係合部材と、
前記第1および第2係合部材を互いに反対方向に同期して移動させるための伝達手段とを備え、
前記印字ロールが前記第2係合部材に係合することなく前記印字ロールの第1端面が前記第1ガイドに接触するまで前記印字ロールを前記巻出軸に挿通可能であることを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
請求項1において、前記伝達手段は、前記第1ガイドを基端部側に押し込むと前記両係合部材を互いに離間する方向に移動させ、前記第2ガイドを介して第2係合部材を基端部側に押し込むと前記両係合部材を互いに接近する方向に移動させるプリンタ。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、前記伝達手段は前記巻出軸内に収容され、
円柱形の一部を切り欠いて形成された前記巻出軸の切欠部に前記第2係合部材が前記印字ロールの内周に係合しないように、かつ、前記第2ガイドに係合するように突設されているプリンタ。
【請求項4】
請求項1,2もしくは3において、前記第2係合部材の近傍において前記第2係合部材よりも径方向に突出し、前記印字ロールの内周に当接して当該印字ロールが前記第2係合部材に係合するのを防止する係合防止部を更に備えたプリンタ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記巻出軸の外径よりも径大で前記印字ロールの中空部に侵入して当接する第1および第2アタッチメントがそれぞれ前記第1および第2ガイドに設けられ、前記各アタッチメントが前記各ガイドの接触端面から外方に退避可能で、かつ、前記各ガイドから印字ロールに向かって突出した状態で固定可能であるプリンタ。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか1項において、放射状に設けられた複数の爪からなり、前記印字ロールの中空部に侵入して当接すると共に侵入方向に行くに従い径小となる第1および第2アタッチメントが各々前記第1および第2ガイドに設けられ、前記第1アタッチメントと前記第2アタッチメントが軸方向にラップして配置可能とされたプリンタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−313673(P2007−313673A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142959(P2006−142959)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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