説明

プリント基板固定装置

【課題】簡単な構造で薄型化できて小型化を図れるようになるプリント基板固定装置を提供することにある。
【解決手段】プリント基板固定装置10は、フレキシブル部21を介して一方と他方のリジッドプリント基板22,23を備えたフレックスリジッドプリント基板20を、フレキシブル部で二つ折りしてその相互間を連結固定する連結部材12を備えた構成とされ、連結部材の長さが、一方と他方のリジッドプリント基板を含む全体の厚さの範囲内に設定されている。連結部材を一方と他方のリジッドプリント基板の2箇所に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板固定装置に係り、さらに詳しくは、情報機器や電子機器等に用いられる1枚のフレックスリジッドプリント基板を折り畳んだ状態で固定保持できるプリント基板固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばSFP、XFP等の小型通信用光モジュールや、携帯端末装置においては、消費者のニーズに応じて一段と小型化、軽量化および多機能化等が図られている。
そのため、小型通信用光モジュールや、携帯端末装置等の内部に備える電子部品等は、その点数が増大することになり、結果的にそれらの電子部品を実装させるために面積の大きな基板が必要となる。
【0003】
そこで、小型通信用光モジュールや、携帯端末装置等の筐体の小型化のために、基板を、例えば二つ折りした2枚以上で構成して実装面積を増大させるものが開発されている。
この場合、基板が、例えばフレックスリジッドプリント基板である場合、その基板のフレキシブル部は柔軟性があるため、何らかの方法で固定する必要がある。
【0004】
従来、フレックスリジッドプリント基板等の基板を固定する方法としては色々な方法が知られている。
【0005】
1例として、二つ折りした2枚の基板の間にスペーサを設けた携帯無線装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された携帯無線装置では、スペーサで2枚の基板の間隔を保持しており、また、フレキシブル基板の先端がコネクタ本体と蓋体とで保持されている。
【0006】
他の例として、二つ折りした2枚の基板の間にスペーサを設けた基板の固定構造、基板固定スペーサおよび基板ユニットが知られている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に開示された基板の固定構造、基板固定スペーサおよび基板ユニットでは、スペーサ部で2枚の基板を固定するようになっており、スペーサ部は、挟持固定ねじ等で基板に固定されている。
【0007】
また他の例として、2枚の基板を固定具で保持するプリント基板ユニット及びプリント基板ユニットの固定具が知られている(例えば、特許文献3参照)。
この特許文献2に開示されたプリント基板ユニット及びプリント基板ユニットの固定具では、固定具が、第1固定部、第2固定部、および第1中間固定部で構成されており、異なる長さの第1中間固定部を使用することで、2枚の基板間の間隔を変更することができるように構成されている。
【0008】
さらに他の例として、2枚のプリント基板を、ピンヘッダと取り付け用ガイドとを利用して固定するプリント基板間の接続手段が知られている(例えば、特許文献4参照)。
このプリント基板間の接続手段に開示されたプリント基板間の接続手段では、基板に装備されたコネクタのピン穴に、取り付け用ガイドを利用して固定用のピンを容易に挿入できるように構成されている。
【0009】
また、上記各引用文献1〜4に開示されたそれぞれの基板の固定方法とは別に、図7〜図9に示すように2箇所に配置された固定ボルト53からなる固定装置50を用いて基板を固定することが多く行われている。
【0010】
すなわち、固定装置50は、プリント基板20の互いに並行となるように二つ折りされた一方の基板22と他方の基板23との間に配置され、上述のように、当該一方および他方の基板22,23同士を連結固定する2本の固定ボルト53を備えて構成されている。そして、これらの各基板22,23は、基板フレキシブル部21を折り曲げることで二つ折りされている。
また、各固定ボルト53は、各基板22,23の間隔を維持するスペーサ52を介して設けられている。これらのスペーサ52は、例えばPP(ポリプロピレン)等の樹脂製の丸パイプで形成されている。
各固定ボルト53は、図8、図9に示すように、一方および他方の基板22,23の長手方向の両端部、且つ幅方向において上記基板フレキシブル部21が設けられている方の端部(図1中右下部)と、その反対側端部との対角線上に設けられている。
【0011】
これらの固定ボルト53は、例えば他方の基板23側から一方の基板22に向けて差し込まれるようになっており、そのヘッド53Aが他方の基板23の外方に突出し、ナット53Bは一方の基板22の外方に突出して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−264353号公報
【特許文献2】特開2008−270234号公報
【特許文献3】特開2009−164387号公報
【特許文献4】特開平10−308570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、前記各特許文献1〜4では、基板固定スペーサやコネクタ等を用いているため構造が複雑となり、また、スペーサの端部が平行な基板の外周に突出したり、スペーサやコネクタ等の分だけ必要な基板の部品実装の面積が減少するという問題があった。
【0014】
また、前記図7〜図9に示す固定装置50では、固定ボルト53で一方および他方の基板22,23を固定しているが、固定ボルト53のヘッド53Aとナット53Bとがそれぞれ一方および他方の基板22,23の外側に突出しているため、その突出した部位が邪魔となって薄型にできず、結果的に小型化が困難であるという課題がある。
【0015】
そこで、本発明の目的は、上述した各課題を解決するために、簡単な構造で薄型化ができて小型化を図れるようになるプリント基板固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本願発明のプリント基板固定装置は、フレキシブル部を介して一方と他方のリジッドプリント基板を備えたフレックスリジッドプリント基板を、前記フレキシブル部で二つ折りしてその相互間を連結固定する連結部材を備えたプリント基板固定装置であって、前記連結部材の長さを前記一方と他方のリジッドプリント基板を含む全体の厚さの範囲内に設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本願発明のプリント基板固定装置は以上のように構成されているので、これによれば、連結部材の長さが、一方と他方のリジッドプリント基板を含む全体の厚さの範囲内に設定されており、連結部材の両端部が一方と他方のリジッドプリント基板の外側に突出することがない。その結果、簡単な構造で薄型化ができて小型化を図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るプリント基板固定装置の一実施形態を示す全体平面図である。
【図2】図1におけるII矢視図である。
【図3】図1におけるIII矢視図である。
【図4】前記実施形態のプリント基板固定装置の一方および他方の基板同士を組み立てる動作を示す図である。
【図5】本発明のプリント基板固定装置の一つの変形形態を示す全体平面図である。
【図6】本発明のプリント基板固定装置の他の変形形態を示す全体平面図である。
【図7】プリント基板固定装置の従来例を示す全体平面図である。
【図8】図7におけるVIII矢視図である。
【図9】図7におけるIX矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図1〜図4を参照して本発明に係るプリント基板固定装置の一実施形態を説明する。なお、本実施形態において、前記従来の固定装置50で使用された部材、構造と同一のものには、同一符号を付してある。
【0020】
本実施形態のプリント基板固定装置(以下、単に固定装置という)10は、SFP(Small Form Factor Pluggabie)、XFP(10Gigabit Small Form Factor Pluggabie)等の小型通信用光モジュールに使用されるフレックスリジッドプリント基板(以下、単にプリント基板という)20を折り畳んだ状態で固定するものである。
【0021】
図1には上記実施形態の固定装置10の全体平面、図2には固定装置10の全体側面、図3には固定装置10の全体正面が示されている。
【0022】
図1〜図3に示すように、固定装置10は、上記プリント基板20を、当該プリント基板20を構成する基板フレキシブル部21を折り曲げて二つ折りした状態で固定するものである。
【0023】
固定装置10は、プリント基板20の互いに並行となるように二つ折りされた一方のリジッドプリント基板(以下、単に一方の基板という)22と他方のリジッドプリント基板(以下、単に他方の基板という)23との間に配置され、当該一方および他方の基板22,23同士を連結固定する連結部材12を備えて構成されている。
そして、この連結部材12の長さは、二つ折りされた状態の一方および他方の基板22,23を含む全体の厚さの範囲内に設定されている。
【0024】
連結部材12は、図1に示すように、一方および他方の基板22,23において2箇所に設けられており、この2箇所に設けられた連結部材12のうち第1の連結部材である固定ピン13が、一方および他方の基板22,23の上記フレキシブル部21が位置する側の一端部、つまり第1の箇所Aに設けられている。
また、2箇所に設けられた連結部材12のうち第2の連結部材である線状部材が、一方および他方の基板22,23の上記フレキシブル部が位置する側とは反対側の他端部、つまり第2の箇所Bに設けられている。そして、この線状部材は、導電性を有するスズメッキ線16で構成されている。
【0025】
図2、図3に示すように、固定ピン13は、所定外径寸法のピン本体13Aと、このピン本体13Aの両端にそれぞれ設けられ、ピン本体13Aの外径寸法よりも小径の第1ピンヘッダ13Bおよび第2ピンヘッダ13Cを有する形状に形成されている。
【0026】
ピン本体13Aの第1ピンヘッダ13Bは、上記一方の基板22にあけられた嵌合孔22Aに、例えば圧入された状態で嵌合されている。
また、ピン本体13Aの第2ピンヘッダ13Cも、上記他方の基板23にあけられた嵌合孔23Aに、例えば圧入された状態で嵌合されている。
そして、このとき、第1ピンヘッダ13Bと第2ピンヘッダ13Cとの両端間の長さは、図2に示すように、それぞれの端面が各基板22,23の外表面からわずかに没しており、それらの各基板22,23の外表面から飛び出さないようになっている。すなわち、前述のように、二つ折りされた状態の一方および他方の基板22,23の厚さの範囲内に設定されている。
【0027】
ここで、ピン本体13Aの軸方向の両端面は、上記一方および他方の基板22,23の対向面に当接するようになっている。つまり、ピン本体13Aの第1ピンヘッダ13Bと第2ピンヘッダ13Cとの両端は、各基板22,23の間隔を維持するスペーサの役割をも兼ねていることになる。
【0028】
前記スズメッキ線16は、図2に示すように、側面視で略クランク状に形成されており、対向する一方および他方の基板22,23間に架けわたされている。
スズメッキ線16の下方の水平な一端部は、一方の基板22の上面に第1パッド17を介して設けられ、スズメッキ線16の上方の水平な一端部は、他方の基板23の上面に第2パッド18を介して設けられている。
【0029】
第1パッド17と第2パッド18とは、導電性を有する例えば薄い銅伯で形成されており、図1に示すように、一方および他方の基板22,23の長手方向に、例えばパッド1個分だけ位置をずらして設けられている。
【0030】
第1パッド17は、一方の基板22の上面にハンダ付けにより固着されており、また、第2パッド18は、他方の基板23の上面に形成された凹部23B内に埋設され、且つハンダ付けにより基板23に固着されている。
また、スズメッキ線16は、その下方の一端部が第2パッド18の上面に、上方の一端部が第1パッド17の上面に、それぞれハンダ付けにより固着されている。
【0031】
スズメッキ線16は、図1に示すように、第1パッド17と第2パッド18との対角線上に沿うように斜めに設けられ、下方の一端部および上方の一端部の長さを、ハンダ付け加工に必要な長さに確保できるように構成されている。そのため、スズメッキ線16の下方および上方の一端部をそれぞれ第1パッド17と第2パッド18とに取り付けるハンダ付け加工が容易となる。
【0032】
そして、スズメッキ線16の上方の水平な一端部が第2パッド18の上面に固着されたとき、スズメッキ線16の一端部の上面高さは、少なくとも他方の基板23の上面高さと同じ高さ、より好ましくは、他方の基板23の上面高さより低い高さとなるように、上記凹部23Bの深さ寸法、第2パッド18の厚さ寸法、およびスズメッキ線16の直径寸法が予め設定されている。
なお、他方の基板23の上面に凹部23Bを形成せずに、基板23の上面に第2パッド18を直接取り付け、その上にスズメッキ線16の上方の水平な一端部を取り付けてもよい。このようにしても、第2パッド18が極薄であり、スズメッキ線16の線径も小さいことから、装置の薄型化に及ぼす影響は小さいので、前記本願発明の目的を達成することはできる。
【0033】
また、スズメッキ線16は、一方および他方の基板22,23を電気的に接続できると共に、各基板22,23の連結を維持できるだけの物理的な強度を有していればよい。そのため、線状部材としてはスズメッキ線16に限らず、例えば銅線を使用してもよい。
スズメッキ線16が導電性を有していることから、スズメッキ線16と各パッド17,18とをハンダ付け加工する際に、そのスズメッキ線16が、各基板22,23を連結固定する役割の外、アースの役割をも果たすようになっている。また、スズメッキ線は、固定ピン13や従来の固定ボルト53に比較して安価である。
【0034】
次に、以上のような構成のプリント基板20の連結固定の手順を図4に基づいて説明する。
【0035】
最初に、一方の基板22の所定の位置にあけられている嵌合孔22Aに固定ピン13の第1ピンヘッダ13Bを、例えば圧入して嵌合させる。
【0036】
次に、基板フレキシブル部21を、他方の基板23が一方の基板22と平行になるように折り曲げる。それと同時に、作業者は他方の基板23にあけられている嵌合孔23Aと固定ピン13の第2ピンヘッダ13Cとが嵌合するように、嵌合孔23Aと第2ピンヘッダ13Cとの位置を確認しながら、他方の基板23を第2ピンヘッダ13Cに押し付け、両者23A,13Cを、例えば圧入して嵌合させる。これにより、一方の基板22と他方の基板23とが連結固定されることになる。
【0037】
固定ピン13により一方の基板22と他方の基板23とが連結固定されたら、スズメッキ線16の取り付け作業に移行する。
すなわち、一方の基板22に予め設けられている第1パッド17にスズメッキ線16の下方の水平な端部をハンダ付けし、引き続き、スズメッキ線16が斜めになるように、他方の基板23に予め設けられている第2パッド18にスズメッキ線16の上方の水平な端部をハンダ付けして、一方の基板22と他方の基板23とを連結固定する。
なお、スズメッキ線16の各パッド17,18への取り付け手順は上記と逆でもよい。すなわち、最初にスズメッキ線16の上方の水平な端部を他方の基板23に固定した後、下方の水平な端部を一方の基板22に固定するようにしてもよい。
【0038】
以上のような構成の固定装置10によれば、次のような効果が得られる。
(1)連結部材12を構成する固定ピン13とスズメッキ線16とのそれぞれの長さが、一方および他方の基板22,23を含む全体の厚さの範囲内に設定されているので、固定ピン13とスズメッキ線16との両端部が各基板22,23の外側に突出することがない。その結果、簡単な構造で装置を薄型化できて小型化を図れるようになる。
【0039】
(2)連結部材12が第1の箇所Aに設けられた第1の連結部材である固定ピン13と、第2の箇所Bに設けられた第2の連結部材であるスズメッキ線16との2個で構成され、固定ピン13とスズメッキ線16とが一方および他方の基板22,23において対角線上に設定されバランスよく配置されているので、安定した連結固定が可能となる。
【0040】
(3)固定ピン13が、第1ピンヘッダ13Bと第2ピンヘッダ13Cとを有しており、第1ピンヘッダ13Bは一方の基板22にあけられた嵌合孔22Aに、第2ピンヘッダ13Cは他方の基板23にあけられた嵌合孔23Aに、それぞれ圧入状態で嵌合されているので、各基板22,23を連結固定した後、それらが元に戻ることがなく、その結果、各基板22,23の連結固定が確実となる。
【0041】
(4)固定ピン13を構成するピン本体13Aの軸方向の両端面は、互いに平行な一方および他方の基板22,23の対向面に当接するようになっているので、各基板22,23の間隔を保持する役割をも兼ねている。
【0042】
(5)固定ピン13は一方および他方の基板22,23を連結固定できればよいので、ピン本体13A、第1ピンヘッダ13Bおよび第2ピンヘッダ13Cの大きさを必要最小限に形成することで、各基板22,23における部品の実装面積の減少を抑えることができる。
【0043】
(6)第1のパッド17と第2のパッド18とが一方および他方の基板22,23において、パッドの1個分ずれて配置され、スズメッキ線16は、各パッド17,18との対角線上に沿うように斜めに設けられているので、下方の水平な一端部および上方の水平な一端部の長さを、ハンダ付け加工に必要な長さに確保できる。そのため、スズメッキ線16の下方および上方の一端部をそれぞれ第1パッド17と第2パッド18とに取り付けるハンダ付け加工が容易となる。
【0044】
以上、上記実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0045】
例えば、前記実施形態では、固定ピン13を、一方および他方の基板22,23の長手方向一端側、且つフレキシブル部21が設けられている側の端部に配置し、スズメッキ線16を上記各基板22,23の長手方向他端側に配置したが、固定ピン13とスズメッキ線16との配置は各基板22,23の長手方向において逆であってもよい。
すなわち、図1において、固定ピン13を一方および他方の基板22,23の長手方向他端側に配置し、スズメッキ線16を上記各基板22,23の長手方向一端側に配置してもよい。そして、このようにしても、前記(1)〜(6)と同様の効果を得ることができる。
【0046】
さらに、前記実施例では、固定ピン13の部位とスズメッキ線16の部位との2箇所で連結固定したが、これに限らず、図5に示すように、固定ピン13のみによる連結固定構造を有する固定装置10Aとしてもよい。
この場合、固定ピン13を一方および他方の基板22,23の長手方向の略中央部で、各基板22,23の幅方向においてフレキシブル部21が設けられる側の端部とは反対側の端部に設けた構造となっている。
このようにすれば、前記(3)〜(5)と略同様の効果が得られる他、
(7)固定ピン13だけで各基板22,23を連結固定しており、スズメッキ線16、第1のパッド17、および第2のパッド18が不要となるので構造の簡単化を図れる。また、その分の材料費や加工費が不要となるので、経費節減を図れる。
【0047】
(8)固定ピン13が、一方および他方の基板22,23の長手方向の略中央部に設けられているので、一方および他方の基板22,23をバランスよく連結固定できる。
【0048】
また、前記実施例では、固定ピン13の部位とスズメッキ線16との2箇所で連結固定したが、これに限らず、図6に示すように、スズメッキ線16のみによる連結固定構造を有する固定装置10Bとしてもよい。
この場合、スズメッキ線16を一方および他方の基板22,23の長手方向の略中央部で、各基板22,23の幅方向においてフレキシブル部21が設けられる側の端部とは反対側の端部に設けた構造となっている。
また、スズメッキ線16は、前記第1ピンヘッダ13Bと第2ピンヘッダ13Cとを有する固定ピン13、および従来例等で使用されているボルト、ナットと比較して安価である。
【0049】
このようにすれば、前記(6)、(8)と略同様の効果が得られる他、
(9)スズメッキ線16だけで各基板22,23を連結固定しており、固定ピン13が不要となるので構造の簡単化を図れる。また、その分の材料費や加工費が不要となるので、経費節減を図れる。そのうえ、スズメッキ線16は、前記第1ピンヘッダ13Bと第2ピンヘッダ13Cとを有する固定ピン13、および従来例等で使用されているボルト、ナットと比較して安価にできる。
【0050】
さらに、前記実施例では、連結部材12を、固定ピン13とスズメッキ線16とで構成し、固定ピン13を第1の箇所A、スズメッキ線16を第2の箇所Bにそれぞれ配置したが、これに限らない。
第1の箇所Aおよび第2の箇所Bにそれぞれ固定ピン13を設ける構造としてもよい。そして、このようにしても、前記(1)〜(6)と同様の効果を得ることができる。
【0051】
(付記1)
フレキシブル部を介して一方と他方のリジッドプリント基板を備えたフレックスリジッドプリント基板を、前記フレキシブル部で二つ折りしてその相互間を連結固定する連結部材を備えたプリント基板固定装置であって、
前記連結部材の長さを前記一方と他方のリジッドプリント基板を含む全体の厚さの範囲内に設定したことを特徴とするプリント基板固定装置。
【0052】
(付記2)
請求項1に記載のプリント基板固定装置において、
前記連結部材を前記一方と他方のリジッドプリント基板の2箇所に設けたことを特徴とするプリント基板固定装置。
【0053】
(付記3)
請求項2に記載のプリント基板固定装置において、
前記2箇所に設けた連結部材のうち第1の連結部材を、前記一方と他方のリジッドプリント基板の前記フレキシブル部が位置する側の一端部に設け、
前記2箇所に設けた連結部材のうち第2の連結部材を、前記一方と他方のリジッドプリント基板の前記フレキシブル部が位置する側とは反対側の他端部に設けたことを特徴とするプリント基板固定装置。
【0054】
(付記4)
請求項2または請求項3に記載のプリント基板固定装置において、
前記第1の箇所Aに設けた前記連結部材を、前記一方と他方のリジッドプリント基板を連結固定する固定ピンで構成したことを特徴とするプリント基板固定装置。
【0055】
(付記5)
請求項4に記載のプリント基板固定装置において、
前記固定ピンを、前記一方と他方のリジッドプリント基板の対向する面間を維持するピン本体と、このピン本体の一端部に形成され前記一方のリジッドプリント基板にあけられた嵌合孔に嵌合する一方のピンヘッドと、前記ピン本体の他端部に形成され前記他方のリジッドプリント基板にあけられた嵌合孔に嵌合する他方のピンヘッドと、で構成したことを特徴とするプリント基板固定装置。
【0056】
(付記6)
請求項2または請求項3に記載のプリント基板固定装置において、
前記第2の箇所Bに設けた前記連結部材を、前記一方と他方のリジッドプリント基板間に架けわたされた線状部材で構成したことを特徴とするプリント基板固定装置。
【0057】
(付記7)
請求項6に記載のプリント基板固定装置において、
前記線状部材をスズメッキ線で構成し、当該スズメッキ線の一端部を導電性のパッドを介して前記一方のリジッドプリント基板の上面に固着すると共に前記スズメッキ線の他端部を導電性のパッドを介して前記他方のリジッドプリント基板の上面に固着し、
前記スズメッキ線の他端部が固着された前記導電性のパッドは、前記他方の基板の上面に形成された凹部に埋設されていることを特徴とするプリント基板固定装置。
【0058】
(付記8)
請求項7に記載のプリント基板固定装置において、
前記一方のリジッドプリント基板の上面に設けられた前記スズメッキ線の一端部用導電性のパッドと、前記他方の基板の上面に設けられた前記スズメッキ線の他端部用導電性のパッドとを、前記一方および他方の基板の長手方向にずらして設け、
前記スズメッキ線を前記一端部用導電性のパッドと他端部用導電性のパッドとに跨る対角線上に沿って設けたことを特徴とするプリント基板固定装置。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本願発明は、プリント基板固定装置において、例えば1心双方向用光モジュールを2個並列配置できる金属製のケース本体に固定する際に利用できる。
【符号の説明】
【0060】
10 プリント基板固定装置
12 連結部材
13 第1の連結部材である固定ピン
13A ピン本体
13B 第1ピンヘッド
13C 第2ピンヘッド
16 第2の連結部材を構成する線状部材であるスズメッキ線
17 第1のパッド
18 第2のパッド
20 フレックスリジッドプリント基板
21 フレキシブル部
22 一方のリジッドプリント基板
22A 嵌合孔
23 他方のリジッドプリント基板
23A 嵌合孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル部を介して一方と他方のリジッドプリント基板を備えたフレックスリジッドプリント基板を、前記フレキシブル部で二つ折りしてその相互間を連結固定する連結部材を備えたプリント基板固定装置であって、
前記連結部材の長さを前記一方と他方のリジッドプリント基板を含む全体の厚さの範囲内に設定したことを特徴とするプリント基板固定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント基板固定装置において、
前記連結部材を前記一方と他方のリジッドプリント基板の2箇所に設けたことを特徴とするプリント基板固定装置。
【請求項3】
請求項2に記載のプリント基板固定装置において、
前記2箇所に設けた連結部材のうち第1の連結部材を、前記一方と他方のリジッドプリント基板の前記フレキシブル部が位置する側の一端部に設け、
前記2箇所に設けた連結部材のうち第2の連結部材を、前記一方と他方のリジッドプリント基板の前記フレキシブル部が位置する側とは反対側の他端部に設けたことを特徴とするプリント基板固定装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のプリント基板固定装置において、
前記第1の箇所に設けた前記連結部材を、前記一方と他方のリジッドプリント基板を連結固定する固定ピンで構成したことを特徴とするプリント基板固定装置。
【請求項5】
請求項4に記載のプリント基板固定装置において、
前記固定ピンを、前記一方と他方のリジッドプリント基板の対向する面間を維持するピン本体と、このピン本体の一端部に形成され前記一方のリジッドプリント基板にあけられた嵌合孔に嵌合する一方のピンヘッドと、前記ピン本体の他端部に形成され前記他方のリジッドプリント基板にあけられた嵌合孔に嵌合する他方のピンヘッドと、で構成したことを特徴とするプリント基板固定装置。
【請求項6】
請求項2または請求項3に記載のプリント基板固定装置において、
前記第2の箇所に設けた前記連結部材を、前記一方と他方のリジッドプリント基板間に架けわたされた線状部材で構成したことを特徴とするプリント基板固定装置。
【請求項7】
請求項6に記載のプリント基板固定装置において、
前記線状部材をスズメッキ線で構成し、当該スズメッキ線の一端部を導電性のパッドを介して前記一方のリジッドプリント基板の上面に固着すると共に前記スズメッキ線の他端部を導電性のパッドを介して前記他方のリジッドプリント基板の上面に固着し、
前記スズメッキ線の他端部が固着された前記導電性のパッドは、前記他方の基板の上面に形成された凹部に埋設されていることを特徴とするプリント基板固定装置。
【請求項8】
請求項7に記載のプリント基板固定装置において、
前記一方のリジッドプリント基板の上面に設けられた前記スズメッキ線の一端部用導電性のパッドと、前記他方の基板の上面に設けられた前記スズメッキ線の他端部用導電性のパッドとを、前記一方および他方の基板の長手方向にずらして設け、
前記スズメッキ線を前記一端部用導電性のパッドと他端部用導電性のパッドとに跨る対角線上に沿って設けたことを特徴とするプリント基板固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−64763(P2012−64763A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207934(P2010−207934)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】