説明

プリント装置およびシート処理装置

【課題】優れたデカール効果を有するデカール機構でデカールを行なうことができるプリント装置やシート処理装置の提供。
【解決手段】シート供給部から供給されたシートは、第1ピンチローラ31とデカールローラ20との間に導入され、シート先端が第2ピンチローラ41とデカールローラの間を通過するまでプリント部に向けて送られる。次いで、デカールローラの一部にシートが巻き付いた状態で逆向きに送り戻され、シート先端が第2ピンチローラとデカールローラのニップから引き抜かれたら、再びプリント部に向けて送られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシートにプリントを行なうプリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロール状に巻かれた長尺の連続シートを用いて、インクジェット方式でシート表裏に両面プリントを行なうプリント装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−126530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロール状に巻かれたシートはカール(巻き癖)を持っている。カールを持ったままプリント部にシートが供給されると、シートの先端とプリントヘッドとが接触する畏れがある。そのため、プリント部でプリントする前に、ロールから引き出したシートに対してデカール(カール矯正)を行なうことが望まれる。
【0005】
特許文献1の装置では、両面プリントにおいて、シート表(おもて)面へのプリントの後にいったんシートを巻取軸に巻き取って、表裏を反転させてシート裏面にプリントを行なう。この巻取軸へシートが巻き取られた際にも巻取り方向に新たにカールが付与される。したがって、表面をプリントする前はもとより、シートを反転させて裏面をプリントする前にもデカールを行なうことが望まれる。しかし、特許文献1の装置はデカールについては何ら考慮されていない。
【0006】
本発明の目的は、優れたデカール効果を有するデカール部を備えたプリント装置やシート処理装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ロール状に巻かれたシートを供給するシート供給部と、前記シート供給部から供給されるシートをデカールするデカール部と、前記デカール部を通過したシートにプリントを行なうプリント部と、を有するプリント装置であって、前記デカール部は、デカールローラと、前記デカールローラの周囲に配置されそれぞれ前記デカールローラとの間でニップ状態を形成することが可能な、第1ピンチローラおよび第2ピンチローラを有し、前記シート供給部から供給されたシートは、前記第1ピンチローラと前記デカールローラとの間に導入され、シート先端が前記第2ピンチローラと前記デカールローラの間を通過するまで前記プリント部に向けて送られ、次いで前記デカールローラ一部にシートが巻き付いた状態で逆向きに送り戻され、前記シート先端が前記第2ピンチローラと前記デカールローラのニップから引き抜かれたら、再び前記プリント部に向けて送られることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のプリント装置やシート処理装置は、優れたデカール効果を有するデカール部を備えるので、高品質のプリントやシート処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】プリント装置の内部構成を示す概略図
【図2】制御部のブロック図
【図3】片面プリントモード、両面プリントモードでの動作を説明するための図
【図4】デカール動作のシーケンスを示すフローチャート
【図5】表面プリントにおけるデカール動作を説明するための図
【図6】表面プリントにおけるデカール動作を説明するための図
【図7】表面プリントにおけるデカール動作を説明するための図
【図8】裏面プリントにおけるデカール動作を説明するための図
【図9】裏面プリントにおけるデカール動作を説明するための図
【図10】デカール力の調整機構の構成を示す図
【図11】デカール部の変形例の構成を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、インクジェット方式を用いたプリント装置の実施形態を説明する。本例のプリント装置は、長尺で連続したシート(搬送方向において繰り返しのプリント単位(1ページあるいは単位画像という)の長さよりも長い連続したシート)を使用し、片面プリントおよび両面プリントの両方に対応した高速ラインプリンタである。例えば、プリントラボ等における大量の枚数のプリントの分野に適している。なお、本明細書では、1つのプリント単位(1ページ)の領域内に複数の小さな画像や文字や空白が混在していたとしても、当該領域内に含まれるものをまとめて1つの単位画像という。つまり、単位画像とは、連続したシートに複数のページを順次プリントする場合の1つのプリント単位(1ページ)を意味する。プリントする画像サイズに応じて単位画像の長さは異なる。例えばL版サイズの写真ではシート搬送方向の長さは135mm、A4サイズではシート搬送方向の長さは297mmとなる。
【0011】
本発明はプリンタ、プリンタ複合機、複写機、ファクシミリ装置、各種デバイスの製造装置などプリント装置に広く適用可能である。プリント処理はインクジェット方式、電子写真方式、熱転写方式、ドットインパクト方式、液体現像方式など方式は問わない。また、本発明はプリント処理に限らず連続したシートに種々の処理(記録、加工、塗布、照射、読取、検査など)を行なうシート処理装置にも適用可能である。
【0012】
図1はプリント装置の内部構成を示す断面の概略図である。本実施形態のプリント装置は、ロール状に巻かれたシートを用いて、シートの第1面と第1面の背面側の第2面に両面プリントすることが可能となっている。プリント装置内部には、大きくは、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、プリント部4、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、反転部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出部12、制御部13の各ユニットを備える。シートは、図中の実線で示したシート搬送経路に沿ってローラ対やベルトからなる搬送機構で搬送され、各ユニットで処理がなされる。なお、シート搬送経路の任意の位置において、シート供給部1に近い側を「上流」、その逆側を「下流」という。
【0013】
シート供給部1は、ロール状に巻かれた連続シートを保持して供給するためのユニットである。シート供給部1は、2つのロールR1、R2を収納することが可能であり、択一的にシートを引き出して供給する構成となっている。なお、収納可能なロールは2つであることに限定はされず、1つ、あるいは3つ以上を収納するものであってもよい。
【0014】
デカール部2は、シート供給部1から供給されたシートのカール(反り)を軽減させるユニットである。デカール部2では、1つの駆動ローラに対して2つのピンチローラを用いて、カールの逆向きの反りを与えるようにシートを湾曲させて通過させることでデカール力を作用させてカールを軽減させる。
【0015】
斜行矯正部3は、デカール部2を通過したシートの斜行(本来の進行方向に対する傾き)を矯正するユニットである。基準となる側のシート端部をガイド部材に押し付けることにより、シートの斜行が矯正される。
【0016】
プリント部4は、搬送されるシートに対して上方からプリントヘッド14によりシート上にプリント処理を行なって画像を形成するシート処理部である。つまり、プリント部4はシートに所定の処理を行なう処理部である。プリント部4は、シートを搬送する複数の搬送ローラも備えている。プリントヘッド14は、使用が想定されるシートの最大幅をカバーする範囲でインクジェット方式のノズル列が形成されたライン型プリントヘッドを有する。プリントヘッド14は、複数のプリントヘッドが搬送方向に沿って平行に並べられている。本例ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、LC(ライトシアン)、LM(ライトマゼンタ)、G(グレー)、K(ブラック)の7色に対応した7つのプリントヘッドを有する。なお、色数およびプリントヘッドの数は7つには限定はされない。インクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。各色のインクは、インクタンクからそれぞれインクチューブを介してプリントヘッド14に供給される。
【0017】
検査部5は、プリント部4でシートにプリントされた検査パターンや画像をスキャナによって光学的に読み取って、プリントヘッドのノズルの状態、シート搬送状態、画像位置等を検査して画像が正しくプリントされたかを判定するためのユニットである。スキャナはCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを有する。
【0018】
カッタ部6は、プリント後のシートを所定長さに切断する機械的なカッタを備えたユニットである。カッタ部6は、シートを次工程に送り出すための複数の搬送ローラも備えている。
【0019】
情報記録部7は、切断されたシートの非プリント領域にプリントのシリアル番号や日付などのプリント情報(固有の情報)を記録するユニットである。記録はインクジェット方式、熱転写方式などで文字やコードをプリントすることで行なわれる。情報記録部7の上流側且つカッタ部6の下流側には、切断されたシートの先端エッジを検知するセンサ17が設けられている。つまり、センサ17はカッタ部6と情報記録部7による記録位置との間でシートの端部を検知する、センサ17の検知タイミングに基づいて情報記録部7で情報記録するタイミングが制御される。
【0020】
乾燥部8は、プリント部4でプリントされたシートを加熱して、付与されたインクを短時間に乾燥させるためのユニットである。乾燥部8の内部では通過するシートに対して少なくとも下面側から熱風を付与してインク付与面を乾燥させる。なお、乾燥方式は熱風を付与する方式に限らず、電磁波(紫外線や赤外線など)をシート表面に照射する方式であってもよい。
【0021】
以上のシート供給部1から乾燥部8までのシート搬送経路を第1経路と称する。第1経路はプリント部4から乾燥部8までの間にUターンする形状を有し、カッタ部6はUターンの形状の途中に位置している。
【0022】
反転部9は両面プリントを行う際に表面プリントが終了した連続シートを一時的に巻き取って表裏反転させるためのユニットである。反転部9は、乾燥部8を通過したシートを再びプリント部4に供給するための、乾燥部8からデカール部2を経てプリント部4に到る経路(ループパス)(第2経路と称する)の途中に設けられている。反転部9はシートを巻き取るための回転する巻取回転体(ドラム)を備えている。表面のプリントが済んで切断されていない連続シートは巻取回転体に一時的に巻き取られる。巻き取りが終わったら、巻取回転体が逆回転して巻き取り済みシートは巻き取りのときとは逆順に送り出されてデカール部2に供給され、プリント部4に送られる。このシートは表裏反転しているのでプリント部4で裏面にプリントを行うことができる。両面プリントのより具体的な動作については後述する。
【0023】
排出搬送部10は、カッタ部6で切断され乾燥部8で乾燥させられたシートを搬送して、ソータ部11までシートを受け渡すためのユニットである。排出搬送部10は、反転部9が設けられた第2経路とは異なる経路(第3経路と称する)に設けられている。第1経路を搬送されてきたシートを第2経路と第3経路のいずれか一方に選択的に導くために、経路の分岐位置には可動フラッパを有する経路切替機構が設けられている。
【0024】
ソータ部11と排出部12は、シート供給部1の側部で且つ第3経路の末端に設けられている。ソータ部11は必要に応じてプリント済みシートをグループ毎に仕分けるためのユニットである。仕分けられたシートは、複数のトレイからなる排出部12に排出される。このように、第3経路はシート供給部1の下方を通過して、シート供給部1を挟んでプリント部4や乾燥部8とは逆側にシートを排出するレイアウトとなっている。
【0025】
以上のように、シート供給部1から乾燥部8までが第1経路に順に設けられている。乾燥部8の先は第2経路と第3経路に分岐され、第2経路は途中に反転部9が設けられ反転部9の先は第1経路に合流する。第3経路の末端には排出部12が設けられている。
【0026】
制御部13は、プリント装置全体の各部の制御を司るユニットである。制御部13は、CPU、記憶装置、各種制御部を備えたコントローラ、外部インターフェース、およびユーザーが入出力を行なう操作部15を有する。プリント装置の動作は、コントローラまたはコントローラに外部インターフェースを介して接続されるホストコンピュータ等のホスト装置16からの指令に基づいて制御される。
【0027】
図2は制御部13の概念を示すブロック図である。制御部13に含まれるコントローラ(破線で囲んだ範囲)は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、画像処理部207、エンジン制御部208、個別ユニット制御部209から構成される。CPU201(中央演算処理部)はプリント装置の各ユニットの動作を統合的に制御する。ROM202はCPU201が実行するためのプログラムやプリント装置の各種動作に必要な固定データを格納する。RAM203はCPU201のワークエリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。HDD204(ハードディスク)はCPU201が実行するためのプログラム、プリントデータ、プリント装置の各種動作に必要な設定情報を記憶読出することが可能である。操作部15はユーザーとの入出力インターフェースであり、ハードキーやタッチパネルの入力部、および情報を提示するディスプレイや音声発生器などの出力部を含む。
【0028】
高速なデータ処理が要求されるユニットについては専用の処理部が設けられている。画像処理部207は、プリント装置で扱うプリントデータの画像処理を行う。入力された画像データの色空間(たとえばYCbCr)を、標準的なRGB色空間(たとえばsRGB)に変換する。また、画像データに対し解像度変換、画像解析、画像補正等、様々な画像処理が必要に応じて施される。これらの画像処理によって得られたプリントデータは、RAM203またはHDD204に格納される。エンジン制御部208は、CPU201等から受信した制御コマンドに基づいてプリントデータに応じてプリント部4のプリントヘッド14の駆動制御を行なう。エンジン制御部208は更にプリント装置内の各部の搬送機構の制御も行なう。個別ユニット制御部209は、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、反転部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出部12の各ユニットを個別に制御するためのサブコントローラである。CPU201による指令に基づいて個別ユニット制御部209によりそれぞれのユニットの動作が制御される。外部インターフェース205は、コントローラをホスト装置16に接続するためのインターフェース(I/F)であり、ローカルI/FまたはネットワークI/Fである。以上の構成要素はシステムバス210によって接続されている。
【0029】
ホスト装置16は、プリント装置にプリントを行わせるための画像データの供給源となる装置である。ホスト装置16は、汎用または専用のコンピュータであってもよいし、画像リーダ部を有する画像キャプチャ、デジタルカメラ、フォトストレージ等の専用の画像機器であってもよい。ホスト装置16がコンピュータの場合は、コンピュータに含まれる記憶装置にOS、画像データを生成するアプリケーションソフトウェア、プリント装置用のプリンタドライバがインストールされる。なお、以上の処理の全てをソフトウェアで実現することは必須ではなく、一部または全部をハードウェアによって実現するようにしてもよい。
【0030】
次に、プリント時の基本動作について説明する。プリントは、片面プリントモードと両面プリントモードとでは動作が異なるので、それぞれについて説明する。
【0031】
図3(a)は片面プリントモードでの動作を説明するための図である。シート供給部1から供給され、デカール部2、斜行矯正部3でそれぞれ処理されたシートは、プリント部4において表面(第1面)のプリントがなされる。長尺の連続シートに対して、搬送方向における所定の単位長さの画像(単位画像)を順次プリントして複数の画像を並べて形成していく。プリントされたシートは検査部5を経て、カッタ部6において単位画像ごとに切断される。切断されたカットシートは、必要に応じて情報記録部7でシートの裏面にプリント情報が記録される。そして、カットシートは1枚ずつ乾燥部8に搬送され乾燥が行なわれる。その後、排出搬送部10を経由して、ソータ部11の排出部12に順次排出され積載されていく。一方、最後の単位画像の切断でプリント部4の側に残されたシートはシート供給部1に送り戻されて、シートがロールR1またはR2に巻き取られる。
【0032】
このように、片面プリントにおいては、シートは第1経路と第3経路を通過して処理され、第2経路は通過しない。以上をまとめると、片面プリントモードにおいては制御部13の制御により、以下(1)〜(6)のシーケンスが実行される。
(1)シート供給部1からシートを送り出してプリント部4に供給する;
(2)供給されたシートの第1面にプリント部4で単位画像のプリントを繰り返す;
(3)第1面にプリントした単位画像ごとにカッタ部6でシートの切断を繰り返す;
(4)単位画像ごとに切断されたシートを1枚ずつ乾燥部8を通過させる;
(5)1枚ずつ乾燥部8を通過したシートを、第3経路を通して排出部12に排出する;
(6)最後の単位画像を切断してプリント部4の側に残されたシートをシート供給部1に送り戻す。
【0033】
図3(b)は両面プリントモードでの動作を説明するための図である。両面プリントでは、表(おもて)面(第1面)プリントシーケンスに次いで裏面(第2面)プリントシーケンスを実行する。最初の表面プリントシーケンスでは、シート供給部1から検査部5までの各ユニットでの動作は上述の片面プリントの動作と同じである。カッタ部6では切断動作は行わずに、連続シートのまま乾燥部8に搬送される。乾燥部8での表面のインク乾燥の後、排出搬送部10の側の経路(第3経路)ではなく、反転部9の側の経路(第2経路)にシートが導かれる。第2経路においてシートは、順方向(図面では反時計回り方向)に回転する反転部9の巻取回転体に巻き取られていく。プリント部4において、予定された表面のプリントが全て終了すると、カッタ部6にて連続シートのプリント領域の後端が切断される。切断位置を基準に、搬送方向下流側(プリントされた側)の連続シートは乾燥部8を経て反転部9でシート後端(切断位置)まで全て巻き取られる。一方、この巻取りと同時に、切断位置よりも搬送方向上流側(プリント部4の側)に残された連続シートは、シート先端(切断位置)がデカール部2に残らないように、シート供給部1に巻き戻されて、シートがロールR1またはR2に巻き取られる。この巻き戻しによって、以下の裏面プリントシーケンスで再び供給されるシートとの衝突が避けられる。
【0034】
上述の表面プリントシーケンスの後に、裏面プリントシーケンスに切り替わる。反転部9の巻取回転体が巻き取り時とは逆方向(図面では時計回り方向)に回転する。巻き取られたシートの端部(巻き取り時のシート後端は、送り出し時にはシート先端になる)は、図の破線の経路に沿ってデカール部2に送り込まれる。デカール部2では巻取回転体で付与されたカールの矯正がなされる。つまり、デカール部2は第1経路においてシート供給部1とプリント部4の間、ならびに第2経路において反転部9とプリント部4の間に設けられて、いずれの経路においてもデカールの働きをする共通のユニットとなっている。シートの表裏が反転したシートは、斜行矯正部3を経て、プリント部4に送られて、シートの裏面にプリントが行なわれる。プリントされたシートは検査部5を経て、カッタ部6において予め設定されている所定の単位長さ毎に切断される。カットシートは両面にプリントされているので、情報記録部7での記録はなされない。カットシートは1枚ずつ乾燥部8に搬送され、排出搬送部10を経由して、ソータ部11の排出部12に順次排出され積載されていく。
【0035】
このように、両面プリントにおいてはシートは第1経路、第2経路、第1経路、第3経路の順に通過して処理される。以上をまとめると、両面プリントモードにおいては制御部13の制御により、以下(1)〜(11)のシーケンスが実行される。
(1)シート供給部1からシートを送り出してプリント部4に供給する;
(2)供給されたシートの第1面にプリント部4で単位画像のプリントを繰り返す;
(3)第1面にプリントされたシートを乾燥部8を通過させる;
(4)乾燥部8を通過したシートを第2経路に導いて、反転部9が有する巻取回転体に巻き取っていく;
(5)第1面への繰返しのプリントが済んだら最後にプリントした単位画像の後ろでカッタ部6でシートを切断する;
(6)切断したシートの端部が乾燥部8を通過して巻取回転体に達するまで巻取回転体に巻き取る。これと共に、切断してプリント部4の側に残されたシートをシート供給部1に送り戻す;
(7)巻取りが済んだら巻取回転体を逆回転させて、第2経路から再びプリント部4にシートを供給する;
(8)第2経路から供給されるシートの第2面にプリント部4で単位画像のプリントを繰り返す;
(9)第2面にプリントした単位画像ごとにカッタ部6でシートの切断を繰り返す;
(10)単位画像ごとに切断されたシートを1枚ずつ乾燥部8を通過させる;
(11)1枚ずつ乾燥部8を通過したシートを、第3経路を通して排出部12に排出する。
【0036】
次に、上述の構成のプリント装置におけるデカール部2でのカール矯正動作について、さらに詳しく説明する。
【0037】
図5〜図7はデカール部2の構成および動作を説明するための図である。デカール部2は、シートを局所的に湾曲させてデカール力を与えるためのデカールローラ20と、デカールローラ20と対向し両者の間でニップを形成することが可能な第1ピンチローラ31を有する。デカール部2はさらに、デカールローラ20の周囲で第1ピンチローラを挟むように両側に配置された第2ピンチローラ41および第3ピンチローラ51を有する。デカールローラ20と第1ピンチローラ31によって第1デカールローラ対30を成し、デカールローラ20と第2ピンチローラ41によって第2デカールローラ対40を成し、デカールローラ20と第3ピンチローラ51によって第3デカールローラ対50を成す。いずれもデカールローラ対も独立してニップ状態を形成することが可能(離間と当接が可能)となっている。
【0038】
デカール部2はさらに、シート供給部1(第1のシート供給部)から供給されるシートを搬送して導入する第1導入ローラ対21、反転部9(第2のシート供給部)から供給されるシートを搬送して導入する第2導入ローラ対22を有する。デカール部2はさらに、デカール部2からシートを排出する排出ローラ対23を有する。カム32と押圧ばね33は、第1ピンチローラ31によるニップ状態(離間と当接)を切り換えるための駆動機構を成す。カム42と押圧ばね43は、第2ピンチローラ41によるニップ状態を切り換えるための駆動機構を成す。カム52と押圧ばね53は、第3ピンチローラ51によるニップ状態を切り換えるための駆動機構を成す。
【0039】
図4はデカール動作のシーケンスを示すフローチャートである。表(おもて)面プリント(片面プリントモードならびに両面プリントモードでの表面プリント)か、裏面プリント(両面プリントモードでの裏面プリント)かによってシーケンスが異なる。
【0040】
ステップS10では、現在のプリントモードを表面プリントであれば、ステップS11に移行し、裏面プリントであればステップS17に移行する。
【0041】
ステップS11では、第1デカールローラ対30をニップ状態にすると共に、第2デカールローラ対40および第3デカールローラ対50を離間状態にしてニップ解除する。具体的には、カム32が回転して押圧ばねデカールローラ20から第2ピンチローラ41および第3ピンチローラ51がリフトアップすることで離間状態となる。なお、ここでは第3デカールローラ対50はニップ解除することは必須ではなく、少なくとも第2デカールローラ対40がニップ解除されればよい。
【0042】
ステップS12では、シートに当接してシートの進行方向を変えるための切換器24を切り換えて図5のような位置に設定する。この状態では、第1デカールローラ対30のニップ位置を基準にして、シート供給部1とは反対の側で切換器24が経路に侵入し、シート供給部1の側では切換器24は経路から退避する。これにより、シート供給部1から第1導入経路を通って図の水平左方向(第1方向という)に向かって送られてくるシートSは、第1デカールローラ対30のニップ位置を過ぎたところで切換器24の斜面に当接して、図の左上方向にその進行方向を変える。シートSは無理なストレスを受けることなく進行する向きが変えられる。
【0043】
ステップS13では、シート供給部1からシートを供給開始する。シートSの先端は第1導入経路で第1導入ローラ対21でニップされ、第1デカールローラ対30でニップされ、切換器24で進行方向が変化して、ニップ解除されている第2デカールローラ対40の間を通過する。図5は、離間状態にある第2デカールローラ対40の間隙25を通過した位置まで来た状態を示している。
【0044】
ステップS14では、図5の状態からさらに搬送が進んでシートSの先端が排出ローラ対23でニップされたところで、シート搬送をいったん停止させる。
【0045】
ステップS15では、カム32と押圧ばね33によって第2ピンチローラ41を移動させ、第2デカールローラ対40でシートSをニップさせる。この動作によりシートはSはデカールローラ20に巻きついて巻きついた部分にデカール力が付与される。シートSはデカールローラ20を頂点として90度よりも小さな角度(鋭角)で、反転部9でのシートの巻き方向とは逆向きに湾曲した状態となる。
【0046】
ステップS16では、デカールローラ20および第1導入ローラ対21を逆回転させ、シートSをこれまでと逆向きに送り戻す。図6はその様子を示す。シートSは第1デカールローラ対30、第2デカールローラ対40でニップされた状態のまま送り戻される。シートSはロールR1でのシート巻き方向とは逆向きに湾曲した状態(デカール力が作用した状態)を維持して搬送される。
【0047】
ステップS17では、この状態からさらにシートSの先端が第1デカールローラ対30のニップ位置から引き抜かれるまで送り戻してシート搬送を停止させる。このように、シートSの先端から所定の長さの領域がデカールローラ20でカールの向きとは逆向きに湾曲しながらデカールローラ20を通過し、その際の「しごき」動作によってデカール力が付与されてシートSの先端のカールが矯正される。
【0048】
ステップS18では、第2デカールローラ対40のニップを再び解除する。
【0049】
ステップS19では、シートを再び順方向に搬送再開する。なお、使用するシートSの種類によっては、ロールから引き出したシートのカールが非常に大きく、一度のデカール動作では所望の矯正ができない可能性がある。そのような場合は、上述した送り戻し動作によるシート先端部のデカール動作を複数回(2回以上)繰り返すようにしてもよい。
【0050】
シート先端が第2デカールローラ対40を通過して排出ローラ対23でニップされたら、第2デカールローラ対40をニップ状態に切り換える。そして、シートの搬送を続けてデカール部2からシートを排出させる。
【0051】
図7はシート先端のデカール動作後にシートSがデカール部2を通過して、プリント部4に送られている様子を示す。このときも、シートSはデカールローラ20に対して鋭角で巻きついて湾曲し、シート供給部1から供給されるシートSのすべての領域にもデカール力が作用する。上述した送り戻し動作により、シート先端部は繰返し(合計3回)デカールローラ20を通過するので、デカールがとくに必要なシートSの先端により多くのデカール力が付与されることになる。
【0052】
一方、ステップS10で裏面プリントと判断してステップS21に移行した場合は、以下のようなシーケンスを実行する。図8、図9は裏面プリントにおけるデカール部2の動作を説明するための図である。上述したように裏面プリントにおいては、シートSは反転部9(第2のシート供給部)からデカール部2に供給される。
【0053】
ステップS21では、第1デカールローラ対30をニップ状態にすると共に、少なくとも第3デカールローラ対50を離間状態にしてニップ解除する。
【0054】
ステップS22では、切換器24を切り換えて図8のような位置に設定する。この状態では、第1デカールローラ対30のニップ位置を基準にして、シート供給部1の側(反転部9とは反対側)で切換器24が経路に侵入し、シート供給部1とは反対の側(反転部9の側)では切換器24は経路から退避する。これにより、反転部9から第2導入経路を通って図の水平右方向(第2方向という)に向かって送られてくるシートSは、第1デカールローラ対30のニップ位置を過ぎたところで切換器24の斜面に当接して、図の右上方向にその進行方向を変える。シートSは無理なストレスを受けることなく進行する向きが変えられる。
【0055】
ステップS23では、反転部9からシートを供給開始する。シートSの先端は第2導入経路で第2導入ローラ対22でニップされ、第1デカールローラ対30でニップされ、切換器24で進行方向が変化して、ニップ解除されている第3デカールローラ対50の間を通過する。図8は、離間状態にある第3デカールローラ対50の間隙26を通過した位置まで来た状態を示している。
【0056】
ステップS24では、図8の状態からさらに搬送が進んでシートSの先端が排出ローラ対23でニップされたところで、シート搬送をいったん停止させる。
【0057】
ステップS25では、カム42と押圧ばね43によって第3ピンチローラ51を移動させ、第3デカールローラ対50でシートSをニップさせる。この動作によりシートはSはデカールローラ20に巻きついて巻きついた部分にデカール力が付与される。シートSはデカールローラ20を頂点として90度よりも小さな角度(鋭角)で、反転部9でのシートの巻き方向とは逆向きに湾曲した状態となる。
【0058】
ステップS26では、デカールローラ20および第2導入ローラ対22を逆回転させ、シートSをこれまでと逆向きに送り戻す。シートSは第1デカールローラ対30、第3デカールローラ対50でニップされた状態のまま送り戻される。シートSは反転部9でのシートの巻き方向とは逆向きに湾曲した状態(デカール力が作用した状態)を維持して搬送される。
【0059】
ステップS27では、この状態からさらにシートSの先端が第1デカールローラ対30のニップ位置から引き抜かれるまで送り戻してシート搬送を停止させる。このように、シートSの先端から所定の長さの領域がデカールローラ20でカールの向きとは逆向きに湾曲しながらデカールローラ20を通過することでシートSの先端のカールが矯正される。
【0060】
ステップS28では、第3デカールローラ対50のニップを再び解除する。次いで、ステップS29では、シートを再び順方向に搬送再開する。シート先端が第3デカールローラ対50を通過して排出ローラ対23でニップされたら、第3デカールローラ対50をニップ状態に切り換える。そして、シートの搬送を続けてデカール部2からシートを排出させる。図9はシート先端のデカール動作後にシートSがデカール部2を通過して、プリント部4に送られている様子を示す。このときも、シートSはデカールローラ20に対して鋭角で巻きついて湾曲し、反転部9から供給されるシートSのすべての領域にもデカール力が作用する。
【0061】
第1面へのプリントが済んで反転部9の巻取回転体に巻き取られるシートは、シート供給部1のロールR1またはR2と同様に、シートの第1面が外側(外周)となるように巻き取られている。反転部9(第2のシート供給部)からデカール部2の第1デカールローラ対30のニップ位置には、シート供給部1(第1のシート供給部)の導入方向(第1方向)とは反対方向(第2方向)から導入される。そのため、デカール部2を通過したシートは表裏が反転して、プリント部4においてはシートの第2面がプリントヘッド14に対向する。
【0062】
以上説明したように、共通のデカール部2によって、表面プリント(第1のシート供給部であるシート供給部1からシート供給)と裏面プリント(第2のシート供給部である反転部9からのシート供給)とで異なるデカール動作を行なうようになっている。
【0063】
ところで、シートSのプリントを連続して行なっていくと、シートSの消費につれてシート供給部1にセットされているロールR1またはR2のロール外径(半径)が小さくなっていく。ルール半径が小さくなるほどその部分でのシートのカールは大きくなる。つまり、シートSの消費に従って、矯正すべき必要なデカール力も大きくなっていく。また、シートの種類(剛性等)によっても必要なデカール力は異なる。そこで、デカール部2はシートに付与するデカール力を調整する機構を有し、シートの残量(カール状態)に応じた適切なデカール力を付与することが可能となっている。
【0064】
図10はデカールローラ20におけるデカール力の調整機構の構成図である。調整機構は2種類の調整手段を備えている。第1の調整手段は、カム32と押圧ばね33を有する押圧機構である。カム32の回動によって、押圧ばね33による第1ピンチローラ31のデカールローラ20に対する押圧力が連続的もしくは段階的に変化し、第1デカールローラ対30のニップ力が変化する。ニップ力が大きくなるほど、シート剛性に打ち勝ってシートSのデカールローラ20への巻きつき量が大きくなって、それに伴なってデカール力も大きくなる。
【0065】
第2の調整手段は、デカールローラ20の内部に組み込まれたヒータ60からなる温度調節機構である。ヒータ60によってデカールローラ20のローラ表面温度が上昇すると、接触するシートに対するデカール力が高まる。温度が高くなるほどデカール力も大きくなる。従って、ヒータ60の発熱量を調整することでもデカール力を変化させることができる。
【0066】
上述したステップS19およびステップS29において、シート供給部1におけるロールR1(R2)もしくは反転部9の巻取回転体に巻きつけられたシートの残量に関する情報および/またはシート種類に関する情報に応じて、上述の2つの調整手段が制御される。ロールの残量減少に応じて、第1デカールローラ対30のニップ力を高めると共に同時にヒータ60の温度を上昇させていくよう制御して、デカール力が大きくなるように調整される。ロールの残量情報を取得するには、初期のロール径から消費されたシート長さ(連続プリントの枚数や空送り量)に相当するロール径の減り分を引くことで推定する。あるいは専用のセンサを設けてロールを直接検知して、残りのロール径に関する情報を所得するようにしてもよい。あるいはシートのカール状態を直接計測するセンサを設けて、よりダイレクトに必要なデカール力を求めるようにしてもよい。シートの種類は操作部15でユーザーが設定した情報から取得される。
【0067】
なお、使用するシートの種類によってはデカール動作が必要ないものもある。その場合は、図4におけるステップS14〜ステップ18ならびにステップS24〜ステップS28はスキップすればよい。
【0068】
図11はデカール部2の変形例の構成を示す概念図である。上述の構成ではデカールローラ20は固定で、ピンチローラ(第1ピンチローラ31、第2ピンチローラ41、第3ピンチローラ51)が移動して、各ローラ対の当接と離間がなされている。これに対して、図11では、デカールローラの側が移動することで、同様の機能を実現する。
【0069】
図11において、デカールローラ101は、駆動機構によって図中の矢印で示した2つの方向(D1、D2)へ選択的に移動可能となっている。シートの経路を切り換えるための切換器105は、図の実線に示した位置と破線に示した位置に切り替わる。表面プリントにおいては、デカールローラ101がD1方向に移動する。デカールローラ101と第1ピンチローラ102(第1デカールローラ対)が当接してニップ状態となり、且つデカールローラ101と第2ピンチローラ103(第2デカールローラ対)が当接してニップ状態となる。これと同時に切換器105は実線に示す位置に進入する。表面プリントにおいては、シート供給部1からガイド106に沿ってシートが導入され、第1デカールローラ対および第2デカールローラ対でニップされ、上述したように送り戻し動作も含めてデカール力が付与される。
【0070】
一方、裏面プリントにおいては、デカールローラ101がD2方向に移動する。デカールローラ101と第1ピンチローラ102(第1デカールローラ対が)が当接してニップ状態となり、且つデカールローラ101と第3ピンチローラ104(第3デカールローラ対)が当接してニップ状態となる。これと同時に切換器105は破線に示す位置に進入する。表面プリントにおいては、反転部9からガイド109に沿ってシートが導入され、第1デカールローラ対および第3デカールローラ対でニップされ、上述したように送り戻し動作も含めてデカール力が付与される。
【0071】
以上説明した実施形態は、シート供給部1を第1のシート供給部、反転部9を第2のシート供給部とみなして、いずれか一方から供給されるシートに対して共通のデカール部2で適切なデカール動作を行なうものである。両面プリントにおいて2度のデカールを行なうことを可能としたコンパクトなデカール機構を備えたプリント装置が実現される。これにより高品質の両面プリントが可能となる。
【0072】
なお、本発明はこれに限らず、反転部9が未使用のロールR3を供給するものとして、ロールR1(またはR2)とロールR3のいずれか一方から未使用のシートを供給して片面にプリントするような系においても、適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 シート供給部
2 デカール部
4 プリント部
13 制御部
14 プリントヘッド
20 デカールローラ
21 第1導入ローラ対
22 第2導入ローラ対
23 排出ローラ対
24 切換器
30 第1デカールローラ対
31 第1ピンチローラ
40 第2デカールローラ対
41 第2ピンチローラ
50 第3デカールローラ対
51 第3ピンチローラ
60 ヒータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートをデカールするデカール部と、
前記デカール部を通過したシートにプリントを行なうプリント部と、
を有するプリント装置であって、
前記デカール部は、
デカールローラと、前記デカールローラの周囲に配置されそれぞれ前記デカールローラとの間でニップ状態を形成することが可能な、第1ピンチローラおよび第2ピンチローラを有し、
シートは、前記第1ピンチローラと前記デカールローラとの間に導入され、シート先端が前記第2ピンチローラと前記デカールローラの間を通過するまで前記プリント部に向けて送られ、次いで前記デカールローラの一部にシートが巻き付いた状態で逆向きに送り戻され、前記シート先端が前記第2ピンチローラと前記デカールローラのニップから引き抜かれたら、再び前記プリント部に向けて送られることを特徴とするプリント装置。
【請求項2】
シートをニップして前記プリント部に送り出すための排出ローラ対を有し、前記第2ピンチローラと前記デカールローラの間を通過したシートのシート先端が前記排出ローラ対を通過するまで前記プリント部に向けて送られ、次いで逆向きに送り戻されることを特徴とする、請求項1に記載のプリント装置。
【請求項3】
前記シート先端が前記第1ピンチローラと前記デカールローラのニップから引き抜かれるまで送り戻され、その後、シートは再び前記プリント部に向けて送られることを特徴とする、請求項1または2に記載のプリント装置。
【請求項4】
前記デカールローラによってシートに付与されるデカール力を調整する調整機構を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項5】
前記調整機構は、前記デカールローラに対して前記第1ピンチローラを押圧する力を変化させる機構を有することを特徴とする、請求項4に記載のプリント装置。
【請求項6】
前記調整機構は、前記デカールローラに組み込まれローラ表面温度を変化させることを可能にするヒータを有することを特徴とする、請求項4または5に記載のプリント装置。
【請求項7】
ロール状に巻かれたシートの残量に関する情報またはシートの種類に関する情報を取得する手段を有し、取得された前記情報に基づいて前記調整機構によってデカール力が調整されることを特徴とする、請求項4から6のいずれか1項に記載のプリント装置。
【請求項8】
シートをデカールするデカール部と処理部を有するシート処理装置であって、
前記デカール部は、
デカールローラと、前記デカールローラの周囲に配置されそれぞれ前記デカールローラとの間でニップ状態を形成することが可能な、第1ピンチローラおよび第2ピンチローラを有し、
シートは、前記第1ピンチローラと前記デカールローラとの間に導入され、シート先端が前記第2ピンチローラと前記デカールローラの間を通過するまで前記処理部に向けて送られ、次いで前記デカールローラの一部にシートが巻き付いた状態で逆向きに送り戻され、前記シート先端が前記第2ピンチローラと前記デカールローラのニップから引き抜かれたら、再び前記処理部に向けて送られることを特徴とするシート処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−183828(P2012−183828A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−87618(P2012−87618)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【分割の表示】特願2010−42342(P2010−42342)の分割
【原出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】