説明

プリント配線板の製造方法及びその方法を用いて得られるポッティングダムを備えるプリント配線板

【課題】形状及び位置精度に優れたポッティングダムを備えるプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、ポッティングダムを備えるプリント配線板の製造方法として、工程Aの配線パターンを備える基板を準備する工程、工程Bの前記基板の配線パターンを備える面に樹脂層を設ける工程、工程Cの前記樹脂層を加熱して流動化させ、型枠付プレス板で樹脂層をポッティングダム形状に変形させる工程と工程Dの冷却して型枠付プレス板を除去し、ポッティングダム形状に変形した樹脂層を露出させる工程とを備える、ポッティングダムを備えるプリント配線板の製造方法を採用し、必要に応じて、工程Dの後に、工程Eの前記ポッティングダム形状に変形した樹脂層の不要部分を除去する工程を付加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、プリント配線板の製造方法及びその方法を用いて得られるポッティングダムを備えるプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂封止型集積回路の製造、プリント配線板上に能動素子や受動素子を実装した基板ユニットの製造においては、これらの素子を保護するために樹脂封止が一般的に行なわれている。このとき、封止樹脂に高粘度のものを用いると、樹脂封止に必要な面積は小さくなるが、封止後の樹脂は必要以上に厚くなってしまう。
【0003】
そこで、低粘度の封止樹脂を用いると、封止後の樹脂高さは抑えられるが、樹脂が余分な範囲に広がってしまう。そこで、低粘度の封止樹脂を用いる場合には、スクリーン印刷法等を用いて、樹脂封止領域の外側に、封止樹脂の流出を堰き止めるためのポッティングダムを形成している。
【0004】
これに対し、特許文献1には、樹脂封止型混成集積回路の樹脂封止工程において、封止樹脂の流出防止用のダムを形成する必要が指摘されている。しかし、封止樹脂が流出防止用ダムを越えて、所要の領域から流出する場合があるため、回路基板上の半導体チップとボンディングワイヤの領域に樹脂枠を配置してdumbとして使用することが開示されている。そして、この樹脂枠の内部に封止樹脂を滴下することにより、封止樹脂が樹脂枠の領域から流出することを確実に防止し、樹脂の効果後に樹脂枠をとり外す技術が開示されている。
【0005】
そして、特許文献1の実施例には、回路基板上の各半導体チップ及びボンディングワイヤの領域に、離型性の高い樹脂で形成された樹脂枠又はステンレス等の金属枠を個別に取り付け、枠の内側に熱硬化性の液状の封止樹脂を滴下し、樹脂を硬化させてから枠を取り外す技術が開示されている。即ち、特許文献1に開示の技術は、ポッティングダムとして機能する枠に対して、樹脂封止領域との位置合わせ、封止樹脂との離型性、基板との密着性の管理が要求される手法である。
【0006】
また、特許文献2には、ポッティング樹脂が封止領域の外側への流出を防止できるプリント基板及び電子ユニットを提供することを目的として、絶縁性基板の上面に形成された導電パターンと、実装する電子部品を導電パターンに電気的に接続するために形成された実装用電極部と、電子部品が実装される領域を含む樹脂封止領域の外縁に形成された、帯状の樹脂流出防止用ダムとを備えたプリント基板において、樹脂流出防止用ダムは、樹脂封止領域に対して、樹脂流出防止用ダムの外側の側壁は、その上面に鋭角で交わるものとする技術が開示されている。
【0007】
そして、特許文献2の実施例では、ダムは樹脂封止領域に対して外側の側壁が上面に鋭角で交わり、ここでは、断面形状がほぼ逆台形である。そのため、封止領域に樹脂を注入すると、表面張力の影響によりポッティング樹脂がダムの上面で大きく盛り上がり、ダムの高さが低くてもポッティング樹脂の高さを確保することができることを開示している。即ち、特許文献2に開示のポッティングダムの形成技術は、ポッティングダムに対して、逆台形の断面形状の作り込みが要求される手法である。
【0008】
【特許文献1】特開2000−77440号公報
【特許文献2】特開2006−100489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示の方法は、対象基板がセラミック基板などの表面の平旦性と平滑性とが良好なものであれば、枠と基板の密着性は枠の加工精度で保証できる。しかし、有機基板を対象にした場合には、有機基板にはガラスクロスなどに起因する表面凹凸が1μm程度はあり、更に、基板自身が反りやねじれを有することもあって、枠を大型にするほど、枠と基板との密着性の保証が困難になる。枠と基板との間に隙間があれば、その部分に樹脂漏れが発生することは自明である。そして、枠の取り外しには、混成集積回路にダメージを与えないよう、細心の注意が必要とされるなど、広汎に適用できる技術ではなく、生産性に劣る手法である。
【0010】
また、特許文献2に開示の方法は、絶縁性材料表面に形成するダムの断面形状を逆台形にする手法として、エッチングマスクパターンを用いてオーバーエッチングのレベルにドライエッチングを施すか、感光性材料にオーバー露光を施す方法を用いている。即ち、この工程で用いられるポッティングダムの構成材料は、通常の加工条件とは異なる条件で加工されている。一般的に言って、構成材料の品質保証条件を外れた範囲で使用すると、安定して所期の加工形状を得ることは困難である。従って、加工条件を一定にしていても、材料のバラツキに起因して加工が過剰になると、逆台形の基板と接している部分の面積が狭くなり、注入された封止樹脂の圧力により剥離が発生する。反面、剥離の発生をおそれて加工を抑制すると、矩形に近い断面形状になってしまい、封止樹脂がダムからオーバーフローし、樹脂封止の効果も得られなくなってしまう。上記課題に対しては、ポッティングダムの幅を広くすることで対応はできるが、必要部分にのみポッティングダムを形成しようとするほど、プリント配線板内でのポッティングダムの専有面積が広くなる。その結果、樹脂封止範囲を広く設計することになるなど、プリント配線板の設計の自由度が低下してしまう。
【0011】
そのため、柔軟性があり、有機基板に対して密着性の良好なドライフィルムを用い、数十μm高さで良好なポッティングダム形状を形成する技術も開発されている。しかし、高さ100μmを超えるポッティングダム形状を形成するためには、対応した厚さのドライフィルムを用いる必要がある。この場合、平行光線を用いて露光しても、基板との接着面に近い側では光の散乱が大きく、ドライフィルムの解像度が低下する。その結果、形成されたポッティングダムは、良好な断面形状や位置精度を保証することができない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、本件発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ね、樹脂封止を必要とする範囲の外周にのみポッティングダム形状を備える樹脂層を形成し、外部と電気的な接続を取る必要がある部分に形成した樹脂層は除去して配線を露出させ、この露出した配線部分に電子部品を実装してから樹脂封止を行なうことができる、以下に示すポッティングダムを備えるプリント配線板の製造方法に想到したのである。
【0013】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法: 本件発明に係るプリント配線板の製造方法は、ポッティングダムを備えるプリント配線板の製造方法であって、以下の工程A〜工程Dを備えることを特徴としている。
【0014】
工程A: 配線パターンを備える基板を準備する工程。
工程B: 前記基板の配線パターンを備える面に樹脂層を設ける工程。
工程C: 前記樹脂層を加熱して流動化させ、型枠付プレス板で樹脂層をポッティングダム形状に変形させる工程。
工程D: 型枠付プレス板を除去し、ポッティングダム形状に変形した部位を備える樹脂層を露出させる工程。
【0015】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記工程Aの基板は、電子部品を実装する端子形状の配線を備えるものであることも好ましい。
【0016】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記工程Bの樹脂層は、半硬化状態の熱硬化性樹脂で形成した層であることも好ましい。
【0017】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記工程Bの樹脂層は、半硬化状態の熱硬化性樹脂からなる樹脂シートを用いて形成した層であることも好ましい。
【0018】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記工程Bの樹脂層は、熱可塑性樹脂又は半硬化状態の熱硬化性樹脂で形成した層と接着樹脂シート層とからなる複合層を備える樹脂シートを用いて形成した層であることも好ましい。
【0019】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記樹脂シートは、樹脂層の形成が不要な部位に樹脂層が形成されないよう、所定箇所に開口部を備える開口部付樹脂シートを用いることも好ましい。
【0020】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記工程Cで用いる型枠付プレス板は、ポッティングダム形状を形成するための凹部を備える金属板又はセラミック板を用いることも好ましい。
【0021】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記工程Cで用いる型枠付プレス板は、金属層又はセラミック層と、プラスチック層とを張り合わせた複合材料の当該金属層側又はセラミック層側に前記突出したポッティングダム形状を形成するための凹部を形成したものを用いることも好ましい。
【0022】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記ポッティングダム形状を形成するための凹部は、化学エッチング又は物理エッチングで加工して形成したものであることも好ましい。
【0023】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記工程Cで用いる型枠付プレス板は、その表面に離型層を備えるものを用いることも好ましい。
【0024】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、更に以下に記載の工程Eを備えることも好ましい。
工程E: 樹脂層の不要部分を除去し、必要な部位にのみ樹脂層を残し、ポッティングダムを備えるプリント配線板を得る工程。
【0025】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記工程Eにおける樹脂層の不要部分の除去は、不要部分の樹脂層を化学的な手法を用いて除去するものであることも好ましい。
【0026】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記工程Eにおける樹脂層の不要部分の除去は、不要部分の樹脂層にレーザーを照射して除去するものであることも好ましい。
【0027】
本件発明に係るプリント配線板: 本件発明に係るプリント配線板は、前記プリント配線板の製造方法を用いて得られるポッティングダムを備えるプリント配線板である。
【発明の効果】
【0028】
本件発明に係る工程A〜工程Dと、必要に応じて実施する工程Eとを備えるプリント配線板の製造方法によれば、形状と位置の精度に優れたポッティングダムを必要箇所にのみ備えるプリント配線板を安定して製造できる。そして、前記工程で用いる型枠付プレス板は、片面プリント配線板の製造技術を用いて作成することもできる。即ち、特殊な加工条件を採用する必要がなく、プリント配線板の製造工程と同様の工程を用いて、ポッティングダムを備えるプリント配線板を製造できる。したがって、製造されたポッティングダムを備えるプリント配線板には、安定した品質が保証される。また、電子部品を実装した基板を分割して更に他の基板に組み込む用途において、ポッティングダム形状を位置合わせ用のガイドとして用いたり、前記ガイド形状をポッティングダム形状とは別に形成する設計にも容易に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本件発明に係るプリント配線板の製造形態: 本件発明に係るプリント配線板の製造方法は、ポッティングダムを備えるプリント配線板の製造方法であって、以下の工程A〜工程Dを備える。以下、図1を参照しつつ、工程毎に説明を加える。
【0030】
工程Aは配線パターンを備える基板を準備する工程である。この工程では、図1−(A)に示すような、配線パターン2を絶縁樹脂基材3の上に形成した構成を備える基板1を用いる。前述のように、ここで準備する基板を加工して得られる、図1−(E)に示すポッティングダムを備えるプリント配線板11には、能動部品であるICチップやLED素子等及び受動部品であるMLCCや抵抗等の電子部品が実装され、必要な部分に樹脂封止が施される。従って、本工程Aで準備する基板1は、電子部品等を実装する端子形状の配線を備えるものである。
【0031】
工程Bは前記基板の配線パターンを備える面に樹脂層を設ける工程である。図1−(B)には、前記基板1の上に樹脂シート4を載せ、その上にプラスチック層7が露出するように凹部8を形成した型枠付プレス板6を用い、凹部8側を樹脂シート4に接する側に向けて配置した構成例を示している。この図1−(B)では、樹脂層として樹脂シート4を用いているが、ここで用いる樹脂層の形態はシートに限定されるものではない。基板1の配線パターンを備える面に熱硬化性の樹脂ワニスを塗布し、乾燥、加熱して半硬化状態にし、樹脂層とすることもできる。また、樹脂の種類についても特段の特定は必要なく、樹脂層を加熱成型してポッティングダム形状とした後、樹脂封止で用いる溶剤に侵されず、封止樹脂の硬化のために加わる熱履歴で変形をきたさない程度の耐熱性を有するものであれば、任意に用いることができる。
【0032】
前記工程Bの樹脂層は、半硬化状態の熱硬化性樹脂であることも好ましい。熱硬化性樹脂であれば、前述のように、基板の配線パターンを備える面に樹脂ワニスを塗布し、乾燥、加熱して半硬化状態にする他、樹脂ワニスを、型枠付プレス板の凹部を埋め込むように塗布し、半硬化状態にして用いることも可能である。また、加熱時の流動性にも優れており、ポッティングダムを所期の形状に形成しやすいのである。
【0033】
上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂がプリント配線板用途での実績も多く、最も好ましく用いられる。特に、前記基材がエポキシ系樹脂基材であれば、同種類のエポキシ樹脂を選択することが最も好ましい。多層プリント配線板の製造分野での経験から、接着性、耐熱性やコストなど、その用途に対してトータルバランスが良いプリント配線板を得ることができるからである。ここで用いるエポキシ樹脂は、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールS型エポキシ樹脂等から選択し、主にブレンドして用いる。そして、必要に応じてアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、ルイス酸またはそれらの塩類及びジシアンジアミド類などの硬化剤やイミダゾール系化合物、第3アミン系化合物及びトリフェニルホスフィン化合物等の硬化促進剤を用いることができる。
【0034】
前記工程Bの樹脂層は、半硬化状態の熱硬化性樹脂からなる樹脂シートを用いて形成した層であることも好ましい。この樹脂シートは、前述の樹脂ワニスを離型フィルムなどに所定の厚さで塗布し、乾燥、加熱して半硬化状態としたものを離型フィルムからはがして得ることができる。更に、熱硬化性樹脂をガラスクロスなどに含浸して半硬化状態の樹脂シートとしたものはハンドリングが容易であり、使用方法も多様化できるため好ましい。この様な樹脂シートとしては、多層プリント配線板の製造に用いるプリプレグ(松下電工(株)製R1661等)や、樹脂シート(利昌工業(株)製AD7006等)も使用可能であるため、市販品から選択して用いるのが、簡便であり、安定した特性を有するため好ましい。
【0035】
また、前記工程Bの樹脂層は、熱可塑性樹脂又は半硬化状態の熱硬化性樹脂で形成した層と接着樹脂シート層とからなる複合層を備える樹脂シートを用いて形成した層であることも好ましい。上述のように、熱硬化性樹脂を用いた場合には、同種の樹脂を組み合わせて用いるのが好ましく、異なるタイプの樹脂を組み合わせると、接着性や耐熱性に劣る場合がある。異なるタイプの樹脂を組み合わせる場合には、接着シートを用いることが、基板とポッティングダムとの良好な接着力を得るために有効なのである。そして、熱可塑性樹脂を用いると、熱可塑性樹脂が接着力を発揮するためには300℃前後の高温にする必要があるため、基材の耐熱性が不足する。そのため、接着シートを用いると接着力が得られ、熱可塑性樹脂の軟化点をやや超える程度の加熱温度での加工が可能になるのである。この接着シートは、前述のエポキシ樹脂等を用い、基板樹脂と樹脂層との接着性が得られるようにブレンドしたワニスを離型フィルムに薄く塗布し、半硬化状態にしたものを引き剥がして得ることができる。また、市販品から選択することもできる。薄くて取り扱いが困難な場合には、接着シートを前記離型フィルムと一体化したまま所定の形状に調整し、被接着面に接着シートを仮接着してから離型フィルムを剥離しても良い。
【0036】
前記樹脂シートは、樹脂層の形成が不要な部位に樹脂層が形成されないよう、所定箇所に開口部を備える開口部付樹脂シートを用いることも好ましい。プリント配線板上にワイヤボンディングを用いて部品を実装する場合には、この実装範囲に端子部分が密集した状態になる。このような配置では、ワイヤボンディング端子部分と実装部品とを纏めて樹脂封止することになる。従って、このプリント配線板にポッティングダムを形成する場合には、上記樹脂封止領域に開口部を設け、この開口部の周囲にポッティングダムを形成する型枠付プレス板を用いる。即ち、端子部分の樹脂層を除去する後工程が不要になり、生産性が向上すると同時に、樹脂の除去工程で発生する廃棄物も少なくなる。しかし、開口部付樹脂シートを用いたとしても、前記端子部分に樹脂層が形成されてしまう場合もあり、このときは端子部分の樹脂層を除去する後工程が必要になる。そして、開口部付樹脂シートを用いる場合には、基板1,樹脂層4及び型枠付プレス板6の位置合わせ精度を良くするため、図1−(B)の構成を得る際に、位置合わせ用のガイドを用いることが好ましい。
【0037】
工程Cは前記樹脂層を加熱して流動化させ、型枠付プレス板で樹脂層をポッティングダム形状に変形させる工程である。図1−(C)は、最終的にポッティングダム形状となるよう、樹脂層5が流動状態になって、型枠付プレス板6の凹部8を埋めつつある様子を示している。この様に、凹部を表面に備える型枠付プレス板を用いると、加熱により流動化した前記樹脂層は、当該凹部形状に沿って変形してゆく。そして、最終的には冷却され、ポッティングダム形状に変形した樹脂層が得られる。但し、熱可塑性樹脂を用いた時のこの工程では、流動化ではなく、塑性変形によりポッティングダム形状が形成される。
【0038】
この工程で用いる加熱手段としては、一般的なプリント配線板の製造工程と同様の、ホットプレス方式を用いることができる。具体的な加熱条件は、樹脂層の構成成分により異なる。しかし、プリント配線板製造用のプリプレグと同様のエポキシ樹脂であれば、当該プリプレグを用いて多層プリント配線板を製造する際のプレスサイクルとほぼ同じ条件で加工が可能である。
【0039】
前記工程Cで用いる型枠付プレス板は、ポッティングダム形状を形成するための凹部を備える金属板又はセラミック板を用いることも好ましい。ここで用いる型枠付プレス板は、同一仕様のプリント配線板を製造する際には、繰り返し使用される。従って、樹脂層を変形させるための熱履歴を繰り返し受けても形状が変化しない、金属板又はセラミック板を用いるのが好ましいのである。
【0040】
金属板を用いる場合は、単一金属で構成された金属板に限定されず、複数の金属層を張り合わせた構成のクラッド板も用いることができる。単一金属で構成された金属板としては、ホットプレス方式を用いて成形することを考えると、ステンレススチールは、プレスプレートとしてプリント配線板の製造での使用実績も多く、使用上の問題はない。また、アルミニウムや銅を用いれば、ステンレススチールに比べて熱伝導率が良いため、ポッティングダム形状の良好なものが得られやすい。クラッド板では、銅+アルミニウム、銅+ニッケル、銅+錫等、多種の材料が流通している中から自由に選択できる。
【0041】
上記セラミック板は焼結法で製造されるものであり、良好な形状は得やすいが、柔軟性に乏しい。従って、このセラミック板を前記ホットプレス方式で用いる場合には、基板表面の凹凸の影響を受け、割れが発生することがある。そこで、セラミック板としては、靱性が大きいサーメットやジルコニアセラミックを用いることが好ましい。
【0042】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記工程Cで用いる型枠付プレス板は、金属層又はセラミック層と、プラスチック層とを張り合わせた複合材料の当該金属層側又は当該セラミック層側に前記突出したポッティングダム形状を形成するための凹部を形成したものを用いることも好ましい。上記複合材料を構成する金属層又はセラミック層が均一な厚さのものであれば、金属層又はセラミック層に形成した凹部の底の部分に、プラスチック層が露出するように加工することで、均一な深さを備える凹部を形成することができる。
【0043】
特に、当該複合材料として銅張積層板を用いれば、一般的に流通している材料であり、納期や調達コスト面でも有利である。ここで選択する銅張積層板のグレードと銅層の厚さは、ポッティングダムを構成する樹脂層の成型温度と、形成するダムの高さを決めることで、容易に設定できる。樹脂層にFR−4プリプレグを用い、ポッティングダムの高さを100μmにするのであれば、厚さ100μmの銅箔を用いたFR−5銅張積層板を使用できる。
【0044】
本件発明に係るプリント配線板の製造方法において、前記ポッティングダム形状を形成するための凹部は、化学エッチング又は物理エッチングで加工して形成したものであることも好ましい。化学エッチング又は物理エッチングの選択に当たっては、凹部を形成する金属板及びセラミック板の材質を考慮して選択すれば良い。
【0045】
化学エッチングは、金属層又はセラミック層とプラスチック層との複合材料等を用い、プラスチック層を露出するように凹部を形成する場合に最適な方法である。強アルカリを用いて、セラミック材であるアルミナなどを加工対象とすることもできるが、主に金属層に凹部を形成する際に好適に用いることができる。金属層が銅であれば、レジストの形成方法や、使用するエッチング液の組成と装置、エッチングされる銅の結晶構造などの最適化等、プリント配線板の製造で培ってきたファインパターン形成技術を応用できる。また、プリント配線板の製造に使用されている露光、現像、エッチング設備をほとんどそのまま用いることができ、比較的大きなサイズにも対応できる。即ち、生産性及びコストの両面から好ましい方法である。
【0046】
また、前述のクラッド材を用いる場合にも、化学エッチングでは選択エッチングを行なうことができる。従って、エッチング深さ、即ちポッティングダム高さのコントロールが容易である。クラッド材がアルミニウムと銅を張り合わせた構成であれば、アルミニウムのみをエッチングする際には、水酸化ナトリウム溶液や塩酸を用いることができる。また、銅のみをエッチングする際には、過硫酸ナトリウム水溶液や過硫酸アンモニウム水溶液を用いることができる。
【0047】
そして、物理エッチングは、機械的エネルギーを用いて加工する方法と、熱エネルギーを用いて加工する方法とに大別できる。機械的エネルギーを用いる方法では、ウェットブラストが、分散させる研磨メディアや溶媒の選択肢が広く、仕上がり表面を平滑にできるため好ましく用いることができる。熱エネルギーを用いる方法では、レーザー加工が微細な領域の加工に適しており好ましく用いることができる。レーザー加工は、被加工物に最適のレーザー波長を選択すれば、金属層の加工、セラミック層の加工を問わず用いることができる。
【0048】
前記工程Cで用いる型枠付プレス板は、その表面に離型層を備えるものを用いることも好ましい。本件発明で用いる樹脂層としては、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂が取り扱いが容易で、好ましく用いられる。ところが、エポキシ樹脂は接着性の良好な樹脂である。従って、凹部を構成する材質との組み合わせによっては、加熱成形後、型枠付プレス板とポッティングダムとを分離することが困難になる場合がある。この場合には、凹部側に、耐熱性に優れたシリコンオイルなどの離型剤を予め塗っておくなどして、型離れを容易にする。しかし、形成するポッティングダムの高さに対して幅が広い場合や、ポッティングダムの断面形状が半円状でも良い場合などには、離型層として、離型フィルムを使用することも出来る。
【0049】
工程Dは型枠付プレス板を除去し、ポッティングダム形状に変形した樹脂層を露出させる工程である。型枠付プレス板を除去することにより、ポッティングダム形状に変形した樹脂層が露出した、図1−(D)に示す状態が得られる。この工程では、熱硬化性樹脂ではガラス転移点未満、熱可塑性樹脂では軟化点未満の温度まで冷却してから型枠付プレス板を除去する。
【0050】
工程Eは、必要に応じて実施する工程であり、前記樹脂層の不要部分を除去し、ポッティングダムを備えるプリント配線板を得る工程である。その結果、図1−(E)に示す、ポッティングダムを備えるプリント配線板11が得られる。図1には、図1−(D)に示す配線パターン2を覆っている樹脂層5を部位9で除去し、図1−(E)に示す、配線パターンの露出部分10とポッティングダムとを備えるプリント配線板11を得る例を示している。
【0051】
ポッティングダムを形成するという本来の目的からすれば、ポッティングダム形状を構成しない樹脂層を全て除去し、電子部品と接続する端子周辺の樹脂封止部分のみに、ポッティングダムを残留させればよい。しかし、プリント配線板では、電子部品と接続しない部分を、ソルダーレジストや永久レジストなどで被覆することが多い。従って、プリント配線板としての機能を果たすには、少なくとも、電子部品との接続部分である端子部分等の配線パターンが露出していれば良い。また、ビアホールを備えるプリント配線板とするのであれば、ビアホールを形成する部分の樹脂層を除去すればビアホールを形成できる。即ち、接続端子が密集している部分には樹脂層を形成せず、その他の部分に形成された樹脂層では、接続端子部分等に形成された樹脂層を最小限に除去した図1の形態が、生産性とコストの両面で好ましいものなのである。
【0052】
前記工程Eの樹脂層の不要部分の除去は、不要部分の樹脂層を化学的な手法を用いて除去するものであることも好ましい。化学的な手法を用いると、樹脂層の下に存在する配線が損傷を受けないため好ましいのである。ここで用いる化学的な手法としては、酸化剤を含む高温の強アルカリ溶液を用い、樹脂層を酸化分解して溶解除去することができる。具体的な実施に当たってには、市販のデスミア液を用いるのが、処理条件も把握できていて簡便であり、より好ましい。
【0053】
前記工程Eの樹脂層の不要部分の除去は、不要部分の樹脂層にレーザーを照射して除去するものであることも好ましい。樹脂層の不要部分にレーザーを照射して除去する方法は、加工速度に優れており好ましいのである。配線上に存在する樹脂層をレーザーを照射して除去する手法は、ビルドアップ方式の多層プリント配線板の製造において、広汎に用いられている技術であり、加工条件などの設定も容易である。しかし、レーザー加工が終了した配線表面には、炭化物などが残留することが多い。そのため、加工後には配線表面にデスミア処理を施す等、化学的な手法を併用することも一般的に行なわれている。そして、加工対象である基板の製造にも、プリント配線板の製造技術が用いられている。すなわち、位置決め用のパターンを基板に形成しておけば、レーザーを照射して樹脂層を除去する位置の精度も良好にできる。
【0054】
本件発明に係るプリント配線板の形態: 本件発明に係るプリント配線板は、前記プリント配線板の製造方法を用いて得られる、ポッティングダムを備えるプリント配線板である。即ち、凹部を備える型枠付プレス板を用いてポッティングダムを形成したプリント配線板は、ポッティングダムの形状と位置の精度に優れ、樹脂封止に必要な樹脂量も少なくて済む。従って、コストパフォーマンスに優れたプリント配線板である。そして、凹部をエッチング法で加工した型枠付プレス板を用いれば、今後も継続すると予想される微細化要求にも十分対応できる、ポッティングダムを備えるプリント配線板である。
【実施例1】
【0055】
実施例1では、厚さ200μmの銅箔を備える、板厚t2.0mmのFR−4銅張積層板を出発材料として用い、複合材料製の型枠付プレス板を作成した。
【0056】
型枠付プレス板が備える凹部の加工には、エッチング法を用いた。具体的には、ドライフィルムをエッチングレジストに、塩化第二銅エッチング液をエッチャントとして用いた一般的なプリント配線板の製造条件を適用した。従って、詳細な説明は省略する。図2に、斜線部分の銅箔をエッチング除去するために準備した、ネガパターンの概略を示す。図2において、中央に形成される環状銅パターンの内径は1.0mmで外径は2.0mm、その外に位置する環状銅パターンの内径は2.6mmで外径は3.5mm、最外周に位置する環状銅パターンの内径は4.1mmで外径は5.3mmである。実際に用いたレジストパターンは、このいわゆる蛇の目状パターンを1列に9コを間隔20mmで直線上に配置した、2列構成としている。
【0057】
上記エッチング法により得られた銅パターンを、エッチングレジストの剥離後観察したところ、エッチングレジスト端部に位置する銅パターンのエッジ部に、バリ状の乱れが発生していた。そこで、エッチングレジストを剥離した状態で、端面からバリを除去する処理を施した。バリの除去には硫酸+過酸化水素を主剤に用いたケミカル整面法とエッチング法との2つの方法を用い、2種類の型枠付プレス板を作成した。
【0058】
上記にて得られた、2種類の型枠付プレス板の仕上がり状態を調査するために、断面を観察した。
【0059】
ケミカル整面を施した型枠付プレス板の断面観察によれば、凹部最外周の銅箔除去部分の幅は、トップ部分で530μm、ボトム部分では285μmであった。そして、凹部の深さは195μmであった。ケミカル整面を施した型枠付プレス板の断面観察像を図3に、鳥瞰像を図4に示す。
【0060】
一方、エッチングを施した型枠付プレス板の断面観察によれば、凹部最外周の銅箔除去部分の幅は、トップ部分で620μm、ボトム部分では360μmであった。そして、凹部の深さは175μmであった。エッチングを施した型枠付プレス板の断面観察像を図5に、鳥瞰像を図6に示す。
【実施例2】
【0061】
実施例2では、上記で作成した型枠付プレス板2種類を使用して前記工程Dまでを実施し、ポッティングダムを備える積層板を作成した。
【0062】
前記工程Aとして、導体の存在しないスリットを2本備える、サイズ100mm×200mmの長方形の基板を準備した。この基板は、18μm電解銅箔を張り合わせた厚さ0.1mmの銅張積層板を用い、エッチングで銅箔をスリット状に除去して作成した。工程Bの樹脂層には、厚さ0.06mmの松下電工(株)製プリプレグR1661を用いた。
【0063】
上記材料を、型枠付プレス板が備える蛇の目状パターンの中心に基材のスリット部が来るように配置して、図1−(B)に示す状態を構成した。この構成を、ステンレススチール製のプレスプレートでサンドイッチしたブックとし、ホットプレス装置を用いて、熱板温度180℃、圧力25kgf/cmで60分間加熱成形した。加熱成形が完了すると、冷却してホットプレス装置からブックを取り出して型枠付プレス板を除去し、図1−(D)に示す状態のポッティングダムを備える積層板を得た。
【0064】
型枠付プレス板の成型性を確認するために、上記にて得られたポッティングダムを備える積層板の断面を、型枠付プレス板の断面観察と同じ倍率で観察した。
【0065】
ケミカル整面を施した型枠付プレス板を用いて得られたポッティングダムを備える積層板の断面観察によれば、最外周に形成されたポッティングダムの凸部分の幅は、トップ部分は150μm、ボトム部分では640μmであった。そして、凹部の樹脂層表面からポッティングダム頂部までの高さは195μm、凹部の樹脂層厚さは55μmであった。ケミカル整面を施した型枠付プレス板を用いて得られたポッティングダムを備える積層板の断面観察像を図7に、鳥瞰像を図8に示す。
【0066】
一方、エッチングを施した型枠付プレス板を用いて得られたポッティングダムを備える積層板の断面観察によれば、最外周の凸部分の幅は、トップ部分は195μm、ボトム部分では740μmであった。そして、凹部の樹脂層表面からポッティングダム頂部までの高さは180μm、凹部の樹脂層厚さは95μmであった。エッチングを施した型枠付プレス板を用いて得られたポッティングダムを備える積層板の断面観察像を図9に、鳥瞰像を図10に示す。
【0067】
上記結果から、凹部形状とポッティングダム形状とが対応する位置における形状の違いを比較してみる。ケミカル整面した型枠付プレス板では、凹部のトップ部分(a)の幅530μmがポッティングダムのボトム部分(a)の幅として640μmになって110μm広がり、凹部のボトム部分(b)の幅285μmがポッティングダムのトップ部分(b)の幅150μmになって135μm狭くなっている。そしてエッチングした型枠付プレス板では、凹部のトップ部分(a)の幅620μmがポッティングダムのボトム部分(a)の幅として740μmになって120μm広がり、凹部のボトム部分(b)の幅360μmがポッティングダムのトップ部分(b)の幅195μmになって165μm狭くなっている。上記幅とその変化を纏めて、表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
表1から明らかなように、ポッティングダム形状の仕上がり傾向は2種類の型枠に共通している。また、対応する位置におけるサイズの違いもほぼ同程度である。従って、型枠プレス板の表面に備える凹部を、形成するポッティングダム形状に対して最適な形状に仕上げるのは容易である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本件発明に係る工程A〜工程Dと、必要に応じて実施する工程Eとを備えるプリント配線板の製造方法によれば、形状と位置の精度に優れたポッティングダムを必要箇所にのみ備えるプリント配線板を安定して製造できる。この製造方法は、プリント配線板の製造工程と同様の工程を用いている。従って、製造されたポッティングダムを備えるプリント配線板には、安定した品質が保証される。更に、当該ポッティングダムを備えるプリント配線板に施す樹脂封止範囲は必要最小限であるため、樹脂封止が必要な部品と樹脂封止を必要としない部品とを近くに配置しやすくなるなど、プリント配線板の設計の自由度が大きい。また、電子部品を実装した基板を分割して更に他の基板に組み込む用途において、ポッティングダム形状を位置合わせ用のガイドとして用いたり、前記ガイド形状をポッティングダム形状とは別に形成する設計にも容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本件発明に係る工程A〜工程Eの概略を例示する断面模式図である。
【図2】実施例で型枠付プレス板に凹部を加工する際に用いたエッチングレジストパターンの模式図である。
【図3】ケミカル整面を施した型枠付プレス板の断面観察像である。
【図4】ケミカル整面を施した型枠付プレス板の鳥瞰像である。
【図5】エッチングを施した型枠付プレス板の断面観察像である。
【図6】エッチングを施した型枠付プレス板の鳥瞰像である。
【図7】ケミカル整面を施した型枠付プレス板を用いて得られた積層板の断面観察像である。
【図8】ケミカル整面を施した型枠付プレス板を用いて得られた積層板の鳥瞰像である。
【図9】エッチングを施した型枠付プレス板を用いて得られた積層板の断面観察像である。
【図10】エッチングを施した型枠付プレス板を用いて得られた積層板の鳥瞰像である。
【符号の説明】
【0072】
1 基板
2 配線パターン
3 絶縁樹脂基材
4 樹脂シート
5 ポッティングダム形状を備える樹脂層
6 型枠付プレス板
7 プラスチック層
8 凹部
9 樹脂層を除去する部位
10 配線パターンの露出部分
11 ポッティングダムを備えるプリント配線板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポッティングダムを備えるプリント配線板の製造方法であって、以下の工程A〜工程Dを備えることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
工程A: 配線パターンを備える基板を準備する工程。
工程B: 前記基板の配線パターンを備える面に樹脂層を設ける工程。
工程C: 前記樹脂層を加熱して流動化させ、型枠付プレス板で樹脂層をポッティングダム形状に変形させる工程。
工程D: 型枠付プレス板を除去し、ポッティングダム形状に変形した部位を備える樹脂層を露出させる工程。
【請求項2】
前記工程Aの基板は、電子部品を実装する端子形状の配線を備えるものである請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
前記工程Bの樹脂層は、半硬化状態の熱硬化性樹脂で形成した層である請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
前記工程Bの樹脂層は、半硬化状態の熱硬化性樹脂からなる樹脂シートを用いて形成した層である請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
前記工程Bの樹脂層は、熱可塑性樹脂又は半硬化状態の熱硬化性樹脂で形成した層と接着樹脂シート層とからなる複合層を備える樹脂シートを用いて形成した層である請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
前記樹脂シートは、樹脂層の形成が不要な部位に樹脂層が形成されないよう、所定箇所に開口部を備える開口部付樹脂シートを用いる請求項4又は請求項5に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
前記工程Cで用いる型枠付プレス板は、ポッティングダム形状を形成するための凹部を備える金属板又はセラミック板を用いる請求項1〜請求項6のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項8】
前記工程Cで用いる型枠付プレス板は、金属層又はセラミック層と、プラスチック層とを張り合わせた複合材料の当該金属層側又は当該セラミック層側に前記突出したポッティングダム形状を形成するための凹部を形成したものを用いる請求項1〜請求項6のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項9】
前記ポッティングダム形状を形成するための凹部は、化学エッチング又は物理エッチングで加工して形成したものである請求項7又は請求項8に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項10】
前記工程Cで用いる型枠付プレス板は、その表面に離型層を備えるものを用いる請求項1〜請求項9のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜請求項10に記載のプリント配線板の製造方法において、更に以下に記載の工程Eを備えるプリント配線板の製造方法。
工程E: 樹脂層の不要部分を除去し、必要な部位にのみ樹脂層を残し、ポッティングダムを備えるプリント配線板を得る工程。
【請求項12】
前記工程Eにおける樹脂層の不要部分の除去は、不要部分の樹脂層を化学的な手法を用いて除去するものである請求項11に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項13】
前記工程Eにおける樹脂層の不要部分の除去は、不要部分の樹脂層にレーザーを照射して除去するものである請求項11に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜請求項13のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法を用いて得られるポッティングダムを備えるプリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−294333(P2008−294333A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−140195(P2007−140195)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(596091004)株式会社マルチ (18)