説明

プリン作動性P2X7受容体結合剤を用いた中枢神経系のイメージング

本発明は、インビボイメージング剤として使用できる新規化合物を提供する。本発明の化合物は、一連の病態の診断を容易にする手段として、被験体におけるP2X7受容体の発現をイメージングするための方法において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリン作動性P2受容体の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は新規なプリン作動性P2X7受容体インビボイメージング剤、その製造及びその中間体に関する。さらに詳細には、本発明は、P2X7受容体の発現が関与している病態の診断に有用な情報を得るための方法における本発明のインビボイメージング剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
P2X7受容体は、細胞外ATP(唯一の知られている生理学的リガンド)及び若干の薬理学的ATP類似体によってゲートが直接開閉される陽イオン選択性イオンチャネルである(North,2002 Physiol.Rev.82:1013−1067)。傷害された細胞からのATPの放出、及びそれに続く造血細胞(例えば、ミクログリア、マクロファージ及びリンパ球)上にあるプリン作動性P2X7受容体の活性化は、炎症カスケードにとって極めて重要である(Ferrari D et al,2006 J.Immunol.176:3877−83)。形質膜P2X7チャネルの開口に伴う陽イオン移動は、主要なプロ炎症性サイトカインであるインターロイキン−1β(IL−1β)の成熟及び放出のために必要である。P2X7の発現は正常組織において低いが、炎症(中枢性であれ末梢性であれ)中には、周辺領域における細胞上でP2X7反応性の大幅な増加がある。
【0003】
中枢神経系(CNS)においては、脳卒中(Franke et al,2004 J.Neuropathol.Exp.Neurol.63:686−99)、多発性硬化症(MS)(Yiangou et al,2006 BMC.Neurol.6:12)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)(Yiangou et al,2006 前掲書)、癲癇(Rappold et al,2006 Brain Res.1089:171−8)の実験的誘発後において、及びトランスジェニックのアミロイドアルツハイマー病マウス(Parvathenani et al,2003 J.Biol.Chem.278:13309−17)においてP2X7の増加が特徴づけられている。末梢においては、神経障害性疼痛(Chessell et al,2005 Pain 114:386−96)、多発性嚢胞腎(Franco−Martinez et al,2006 Clin.Exp.Immunol.146:253−61)、及び結核(Hillman et al,2005 Nephron.Exp.Nephrol.101:e24−30)に伴ってP2X7受容体のアップレギュレーションが起きることが明らかにされている。P2X7アップレギュレーションはまた、実験モデル及び患者の両方において、様々な癌、例えば子宮頸癌、子宮癌、前立腺癌、乳癌、皮膚癌及び白血病でも明らかにされている(Feng et al,2006 J.Biol.Chem.281:17228−37、Greig et al,2003 J.Invest.Dermatol.121:315−327、Slater et al,2004 Histopathology 44:206−215、Slater et al,2004 Breast Cancer Res.Treat.83:1−10、Zhang et al,2004 Leuk.Res 28:1313−1322、Li et al,2006 Cancer Epidemiol.Biomarkers Prev.15:1906−13)。
【0004】
治療用のP2X7アンタゴニストを創生するため、多くの化合物クラスが様々な構造骨格から合成されている。P2X7受容体に対して作用するアゴニスト及びアンタゴニストの総説は、Baraldi et al(2004 Curr.Topics Med.Chem.4:1707−17)によって発表されている。そこに開示された化合物は、潜在的に有用な治療剤であるとして論議されている。小分子のP2X7結合性化合物も、インビボイメージング用途に関連して開示されている。国際公開第2007/141267号は、疼痛、炎症及び神経変性を治療するためのP2X7アンタゴニストであるピラゾール誘導体を提供している。かかる化合物の同位体標識バージョンは、単光子放出断層撮影法(SPECT)又はPETによるインビボイメージングのために有用であると教示されている。国際公開第2007/109154号及び同第2007/109192号は、P2X7モジュレーターとしてのビシクロヘテロアリール化合物を開示している。11C、18F、15O又は13Nを含むこれらの同位体変形物は、基質受容体占有率のPET研究に有用であると教示されている。国際公開第2008/064432号は、P2X7受容体が関与している障害を診断、治療又はモニターするための多環式化合物を開示している。P2X7受容体機能アッセイで試験された国際公開第2008/064432号の化合物は、かかる化合物がP2X7受容体のアンタゴニストであることを実証した。国際公開第2008/064432号の化合物は、例えばSPECT又はPETによるインビボイメージングに適した同位体で放射性標識することができる。
【0005】
P2X7受容体、特に中枢神経系(CNS)のP2X7受容体に関連する広範囲の病態の診断を容易にするためにP2X7受容体をイメージングするのに適した代替インビボイメージング剤に対する余地が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2007/141267号パンフレット
【発明の概要】
【0007】
本発明は、インビボイメージング剤として使用できる新規化合物を提供する。本発明のインビボイメージング剤は、一連の病態の診断を容易にする手段として、被験体のCNSにおけるP2X7受容体の発現をイメージングするための方法において特に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一態様では、本発明は、被験体の中枢神経系(CNS)のインビボイメージングに適したインビボイメージング剤であって、式Iの化合物或いはその塩又は溶媒和物を含んでなるインビボイメージング剤を提供する。
式Iは以下の通り定義される。
【0009】
【化1】

式中、
1及びR2は独立に水素、ハロ、ヒドロキシル、C1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル及びC1-3ヒドロキシアルキルから選択され、
3及びR4は独立に水素、ハロ、ヒドロキシル、C1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3アルキルオキシ、C1-3フルオロアルキルオキシ、C1-3アルキルチオ、C1-3フルオロアルキルチオ及びC1-6シクロアルキルから選択され、
1及びA2の一方はNであり、他方はCHであり、
Ar1は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜3のヘテロ原子を任意に含むC5-12アリール基であり、
上記に定義したR1、R2、R3及びR4のいずれか1つが、γ線放出型放射性ハロゲン又は陽電子放出型放射性非金属であるインビボイメージング成分を含む。
【0010】
インビボイメージング剤」という用語は、イメージング剤を被験体に投与し、次いで前記被験体内のイメージング剤を検出することにより、生きた被験体における特定の生理学的又は病態生理学的状態を検出するために使用できる化合物をいう。この場合、検出は前記被験体の外部で実施される。
【0011】
中枢神経系(CNS)のインビボイメージングに適した」ものとするためには、インビボイメージング剤は血液脳関門(BBB)を通過できることが必要である。「CNS」は、被験体の神経系のうち、髄膜で覆われる脳及び脊髄を含む部分である。一般に認められているBBB関門の生物物理学的/物理化学的モデルは、受動輸送の一次決定子として、溶質の親油性、水素結合脱溶媒和電位、pKa/電荷及び分子サイズを有する。通例、ある化合物についてBBB通過に適した親油性の値は、1.0〜4.5、好ましくは2.0〜3.5の範囲内のlogPである。
【0012】
本発明の「被験体」は、好ましくは哺乳動物であり、最も好ましくはインタクトな哺乳動物の生体である。特に好ましい実施形態では、本発明の被験体はヒトである。
【0013】
その塩又は溶媒和物」という用語について、好適な塩は、(i)生理学的に許容される酸付加塩、例えば鉱酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸)から導かれる塩並びに有機酸(例えば、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、メタンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸)から導かれる塩、並びに(ii)生理学的に許容される塩基塩、例えばアンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩及びマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、トリエタノールアミン、N−メチル−D−グルカミン、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン及びモルホリン)との塩、及びアミノ酸(例えば、アルギニン及びリシン)との塩から選択できる。好適な溶媒和物は、エタノール、水、食塩水、生理的緩衝液及びグリコールで生成されるものから選択できる。
【0014】
置換基が「インビボイメージング成分を含む」場合、前記置換基はインビボイメージング成分であるか、或いは前記置換基はインビボイメージング成分を含む化学基である。いずれの場合にも、インビボイメージング成分はγ線放出型放射性ハロゲン及び陽電子放出型放射性非金属である。かかる放射性同位体は、前記放射性同位体の天然存在比を有意に超えるレベルで本発明のインビボイメージング剤中に存在している。かかる放射性同位体の高レベル又は濃縮度は、好適には当該放射性同位体の天然存在比の5倍以上、好ましくは10倍以上、最も好ましくは20倍以上であり、理想的には50倍以上であるか、或いは当該放射性同位体の濃縮度が90〜100%であるようなレベルで存在している。本発明に適したインビボイメージング成分を含む化学基の例には、高レベルの123Iを含むヨードフェニル基、高レベルの11Cを含むCH3基、及び高レベルの18Fを含むフルオロアルキル基がある。かくして、イメージング成分は化学構造中の同位体標識11C又は18F原子である。本発明のインビボイメージング剤に上記その他の好適な官能基をいかにして導入するかについては、本明細書中において後に一層詳しく説明する。
【0015】
インビボイメージング成分」は、本発明の化合物を哺乳動物の生体に投与した後、好適なイメージングモダリティーを用いて本発明の化合物を検出することを可能にする。本発明の好適なイメージングモダリティーには、陽電子放出断層撮影法(PET)及び単光子放出断層撮影法(SPECT)がある。
【0016】
インビボイメージング成分が「γ線放出型放射性ハロゲン」である場合、放射性ハロゲンは好適には123I、131I及び77Brから選択される。125Iは、インビボイメージングで使用するのに適さないので、特別に除外される。インビボイメージングにとって好ましいγ線放出型放射性ハロゲンは123Iである。
【0017】
イメージング成分が「陽電子放出型放射性非金属」である場合、かかる陽電子放出体の好適なものには、11C、17F、18F、75Br、76Br及び124Iがある。好ましい陽電子放出型放射性非金属は11C、18F及び124I、特に11C及び18Fであり、最も好ましくは18Fである。
【0018】
ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される置換基を意味する。「ハロアルキル」、「ハロアシル」、「ハロアルコキシ」及び「ハロアリール」は、それぞれ、本明細書中で定義されるアルキル、アシル、アルコキシ及びアリール基が1以上のハロ基で置換されたものである。「フルオロアルキル」、「フルオロアルコキシ」及び「フルオロアリール」は、それぞれ、本明細書中で定義されるアルキル、アルコキシ及びアリール基が1以上のフルオロ基で置換されたものである。
【0019】
特記しない限り、単独で又は組み合わせて使用される「アルキル」という用語は、1〜6の炭素原子、好ましくは1〜3の炭素原子を含む直鎖又は枝分れアルキル基を意味する。かかる基の例には、特に限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピルがある。
【0020】
ヒドロキシル」は−OH基である。「ヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書中で定義されるアルキル基が1以上のヒドロキシル基で置換されたものをいう。好ましくは、ヒドロキシアルキル基は構造−(CH2n−OH(式中、nは1〜6である。)を有する。
【0021】
特記しない限り、単独で又は組み合わせて使用される「アルコキシ」という用語は、上記に定義したアルキルが鎖中にエーテル基(即ち、−O−基)を含むものを意味する。好適なアルキルエーテル基の例には、特に限定されないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシがある。
【0022】
チオ」は−SH基である。「アルキルチオ」及び「フルオロアルキルチオ」という用語は、それぞれ、本明細書中で定義されるアルキル及びフルオロアルキル基が1以上のチオール基で置換されたものをいう。
【0023】
シクロアルキル」という用語は、本明細書中で定義されるアルキルにおいて、鎖端同士が結合して環状構造を形成したものをいう。
【0024】
アリール」という用語は、環系中に5〜12の炭素原子、好ましくは5〜6の炭素原子を有する芳香環又は縮合芳香環系(例えば、フェニル又はナフチル)をいう。「ヘテロ原子」とは、窒素、酸素及び硫黄から選択される原子であって、芳香環の炭素原子の1つと置き換わるものである。1以上のヘテロ原子を含むアリール基は、通常「ヘテロアリール」と呼ばれる。
【0025】
好ましくは、R1及びR2は独立に水素、ハロ及びヒドロキシルから選択される。
【0026】
好ましくは、R3及びR4は独立に水素、ヒドロキシル、ハロ及びC1-3フルオロアルコキシから選択される。
【0027】
好ましくは、A1はNであり、A2はCHである。
【0028】
好ましくは、Ar1は窒素、酸素及び硫黄から選択される1つのヘテロ原子を任意に含むC5-6アリール基である。
【0029】
好ましい実施形態では、R3及びR4の一方はインビボイメージング成分を含む。
【0030】
最も好ましい実施形態では、本発明のインビボイメージング剤は次の式I*の化合物である。
【0031】
【化2】

式中、R1*及びR2*は共にハロであり、R3*はC1-3アルキル、フルオロ、ヨード又はC1-3フルオロアルコキシであり、A1*及びA2*はそれぞれA1及びA2に関して前記に定義した通りである。
【0032】
本発明のインビボイメージング剤はP2X7受容体のリガンドであり、好ましくはHEK.293細胞において非選択的なポアを形成するアゴニストの機能の70%以上の阻害を示す(Michel et al,B.J.Pharmacol.1998;125:1194−1201を参照されたい)。結合親和性の点から見ると、P2X7受容体のリガンドは、(Humphreys et al,1998 Molecular Pharmacology,54:22−32、Chessell et al,1998 British Journal of Pharmacology,124:1314−1320により測定して)0.01〜100nM、好ましくは0.01〜10nM、最も好ましくは0.01〜1nMのKd又はKiを有する。P2X7受容体に対する結合親和性に関しては、本発明のインビボイメージング剤は他のP2受容体に対して10μM以下の親和性を有しないのが好ましい。本発明のインビボイメージング剤は、好ましくはP2X7受容体のアンタゴニストである。
【0033】
本発明のインビボイメージング剤は、所望のインビボイメージング成分の適当な供給源を次の式Iaの非放射性前駆体化合物と反応させることで得ることができる。
【0034】
【化3】

式中、R1a〜R4aの1つは前駆体基を含み、R1a〜R4aの残りはそれぞれ式IのR1〜R4に関して上記に定義した通りであり、かつ任意に保護基を含み、
1a及びA2aはそれぞれ式IのA1及びA2に関して上記に定義した通りであり、
Ar1aは式IのAr1に関して上記に定義した通りである。
【0035】
前記インビボイメージング成分の「適当な供給源」とは、前記インビボイメージング成分の化学反応性形態を意味する。前記インビボイメージング成分の適当な供給源と前駆体化合物との反応は、好ましくはそれ以上の段階を必要とせずに本発明の所望インビボイメージング剤の生成をもたらす。
【0036】
前駆体化合物」は、上記に記載された式Iの化合物の標識されていない非放射性誘導体からなる。即ち、前駆体化合物はγ線放出型放射性ハロゲンも陽電子放出型放射性非金属も含まない。前駆体化合物は、イメージング成分の好都合な化学形態との化学反応が部位特異的に起こり、最小数の段階(理想的にはただ1つの段階)で反応を実施でき、かつ格別の精製の必要なしに(理想的にはいかなる追加の精製も必要なしに)本明細書中に記載された式Iの所望インビボイメージング剤が得られるように設計される。かかる前駆体化合物は合成品であり、良好な化学純度で簡便に得ることができる。前駆体化合物は、任意には前駆体化合物のある種の官能基に関して保護基を含むことができる。
【0037】
保護基」という用語は、望ましくない化学反応を阻止又は抑制するが、分子の残部を変質させない十分に温和な条件下で当該官能基から脱離させ得るのに十分な反応性を有するように設計された基を意味する。脱保護後には、本明細書中に記載される式Iの所望インビボイメージング剤が得られる。保護基は当業者にとって公知であり、アミン基に関してはBOC(ここでBOCはtert−ブチルオキシカルボニルである。)、Fmoc(ここでFmocはフルオレニルメトキシカルボニルである。)、トリフルオロアセチル、アリルオキシカルボニル、Dde[即ち、1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシリデン)エチル]及びNpys(即ち、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル)から適宜に選択され、カルボキシル基に関してはメチルエステル、tert−ブチルエステル及びベンジルエステルから適宜に選択される。ヒドロキシル基に関しては、好適な保護基は、メチル、エチル又はtert−ブチル、アルコキシメチル又はアルコキシエチル、ベンジル、アセチル、ベンゾイル、トリチル(Trt)、又はテトラブチルジメチルシリルのようなトリアルキルシリルである。チオール基に関しては、好適な保護基はトリチル及び4−メトキシベンジルである。さらに他の保護基の使用は、‘Protective Groups in Organic Synthesis’,Theorodora W.Greene and Peter G.M.Wuts(Fourth Edition,John Wiley & Sons Inc.,2007)に記載されている。
【0038】
前駆体基」は、好都合な化学形態のイメージング成分と反応してイメージング成分を部位特異的に組み込む化学基である。例えば、かかる前駆体基には、特に限定されないが、ヨード、ヒドロキシル、ニトロ、ヨードニウム塩、ブロモ、メシレート、トシレート、トリアルキルスズ、B(OH)2及びトリアルキルアンモニウム塩がある。
【0039】
好ましい実施形態では、式Iaの前駆体化合物は次の式Ia*の化合物である。
【0040】
【化4】

式中、R1a*〜R3a*の1つは前駆体基を含み、R1a*〜R3a*の残りはそれぞれR1a〜R3aに関して上記に定義した通りであり、A1a*及びA2a*はそれぞれA1a及びA2aに関して上記に定義した通りである。)
本発明の代表的なインビボイメージング成分を組み込むために適した前駆体化合物の例を以下に記載する。
【0041】
イメージング成分が放射性ヨウ素である場合、本明細書中に記載したインビボイメージング剤は、求核又は求電子ヨウ素化を受ける前駆体基或いは標識アルデヒド又はケトンとの縮合を受ける前駆体基を含む前駆体化合物によって得ることができる。第1のカテゴリーの例は以下の(a)〜(c)である。
(a)トリアルキルスタンナン(例えば、トリメチルスタンニル又はトリブチルスタンニル)、トリアルキルシラン(例えば、トリメチルシリル)或いは有機ホウ素化合物(例えば、ボロン酸エステル又はオルガノトリフルオロボレート)のような有機金属誘導体。
(b)ハロゲン交換のための非放射性アルキルブロミド、或いは求核ヨウ素化のためのアルキルトシレート、メシレート又はトリフレート。
(c)求核ヨウ素化に向けて活性化された芳香環(例えば、アリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、アリールトリアルキルアンモニウム塩又はニトロアリール誘導体)。
【0042】
かかる前駆体化合の好ましいものは、(放射性ヨウ素交換を可能とするための)アリールヨージド又はブロミドのような非放射性ハロゲン原子、有機金属前駆体基(例えば、トリアルキルスズ、トリアルキルシリル又は有機ホウ素化合物)、トリアゼンのような有機前駆体基、及びヨードニウム塩のような求核置換用の良好な脱離基である前駆体基から選択される前駆体基を含む。
【0043】
放射性ヨウ素を有機分子中に導入するための前駆体化合物及び方法は、Bolton(J.Lab.Comp.Radiopharm.2002;45:485−528)によって記載されている。好適なボロネートエステル有機ホウ素化合物及びその製法は、Kabalka et al(Nucl.Med.Biol.2002;29:841−843及びNucl.Med.Biol.2003;30:369−373)によって記載されている。好適なオルガノトリフルオロボレート及びその製法は、Kabalka et al(Nucl.Med.Biol.2004;31:935−938)によって記載されている。
【0044】
放射性ヨウ素を結合できるアリール基の例を下記に示す。
【0045】
【化5】

これらの基はいずれも、芳香環上への容易な放射性ヨウ素置換を可能にする前駆体基を含んでいる。
【0046】
別法として、放射性ヨウ素を含むインビボイメージング剤は、例えば次式のように、放射性ハロゲン交換による直接ヨウ素化で合成することもできる。
【0047】
【化6】

飽和脂肪族系に結合したヨウ素原子はインビボでの代謝を受けやすく、したがって放射性ヨウ素が失われやすいことが知られているので、放射性ヨウ素原子は好ましくはベンゼン環のような芳香環又はビニル基への直接共有結合によって結合される。
【0048】
イメージング成分が放射性ヨウ素である本発明のインビボイメージング剤を得るために好ましくは、前駆体化合物は、有機金属前駆体基、最も好ましくはトリアルキルスズである前駆体基を含む。
【0049】
放射性臭素化は、放射性ヨウ素化に関して上記に記載した方法と同様な方法によって達成できる。Kabalka and Varmaは、放射性臭素化化合物を含む放射性ハロゲン化化合物を合成するための様々な方法を総説している(Tetrahedron 1989;45(21):6601−21)。
【0050】
11Cで標識するための1つのアプローチは、メチル化化合物のデスメチル化バージョンである前駆体化合物を[11C]メチルヨージドと反応させることである。また、所望のインビボイメージング剤の特定の炭化水素のグリニャール試薬を[11C]−CO2と反応させて、前駆体化合物中のアミン基と反応して所望の11C標識インビボイメージング剤を与える11C試薬を得ることによって11Cを組み込むことも可能である。
【0051】
11Cはまた、芳香環上にメチル基として導入することもでき、その場合に前駆体化合物はトリアルキルスズ基又はB(OH)2基である前駆体基を含む。
【0052】
11Cの半減期は20.4分にすぎないので、中間体の11C部分が高い比放射能を有し、したがってできるだけ速い反応プロセスを用いてそれを生成させることが重要である。
【0053】
かかる11C標識技法に関する徹底的な総説を、Antoni et al,“Aspects on the Synthesis of 11C−Labelled Compounds”in Handbook of Radiopharmaceuticals,M.J.Welch and C.S.Redvanly Eds.(2003,John Wiley and Sons)に見出すことができる。
【0054】
イメージング成分が11Cである本発明のインビボイメージング剤を得るために好ましくは、前駆体化合物は、トリアルキルスズ基又はB(OH)2、最も好ましくはトリアルキルスズである前駆体基を含む。
【0055】
放射性フッ素化は、18F−フッ化物と良好な脱離基を有する前駆体化合物(例えば、アルキルブロミド、アルキルメシレート又はアルキルトシレート)中の適当な化学基との反応を用いる直接標識によって実施できる。アリール系に関しては、アリールジアゾニウム塩、アリールニトロ化合物又はアリール第四級アンモニウム塩からの18F−フッ化物求核置換が、アリール−18F誘導体への好適な経路である。
【0056】
18F標識誘導体への合成経路のさらなる詳細は、Bolton(J.Lab.Comp.Radiopharm.2002;45:485−528)によって記載されている。
【0057】
インビボイメージング成分がフッ素の放射性同位体である場合、放射性フッ素原子はフルオロアルキル基又はフルオロアルコキシ基の一部をなすことができる。これは、アルキルフルオリドがインビボでの代謝に耐えるからである。別法として、放射性フッ素原子は直接共有結合によってベンゼン環のような芳香環に結合することもできる。
【0058】
18Fは、18F(CH23OMs又は18F(CH23Brでヒドロキシル前駆体基をO−アルキル化することによって導入できる。アリール系に関しては、ジアゾニウム塩、ニトロ又は第四級アンモニウム塩である前駆体基をアリール基から18F−フッ化物求核置換することが、アリール−18F誘導体への好適な経路である。放射性フッ素化はまた、18F−フッ化物と良好な脱離基である前駆体基(例えば、ブロミド、メシレート又はトシレート)との反応を用いる直接標識によっても実施できる。このようにすれば、通常は核反応18O(p,n)18Fから水溶液として得られ、次いで陽性対イオンの添加及びそれに続く水の除去によって反応性にされる[18F]−フッ化物イオン(18-)の適当な供給源との反応によって前駆体化合物を一段階で標識できる。この方法のためには、前駆体化合物は、放射性フッ素化が特定の部位で起こるように選択的に化学保護されるのが普通である。好適な保護基は既に前述したものである。
【0059】
イメージング成分が18Fである本発明のインビボイメージング剤を得るために好ましくは、前駆体化合物は、脱離基である前駆体基、最も好ましくはメシレート、トリフレート又はトシレートを含む。
【0060】
本発明の方法に関連して上記に記載した好ましい化合物及び最も好ましい化合物自体は、本発明の追加の態様をなしている。
【0061】
本発明の特に好ましいインビボイメージング剤及び(実施例2に記載した合成法で)それを得るために使用した前駆体化合物は以下の通りである。
【0062】
【表1】

表Iに示したイメージング剤の非放射性類似体をP2X7受容体機能アッセイでスクリーニングした。このアッセイは実施例3に記載されており、アゴニストによる活性化の際に、P2X7をトランスフェクトしたHEK.293細胞に非選択的ポアを形成し、それによって色素を細胞に浸透させるP2X7受容体の能力に基づいている。本発明の非放射性化合物を評価するために参照阻害剤として使用される非選択的P2Xチャネルアンタゴニストは、ピリドキサール−ホスフェート−6−アゾフェニル−2’,4’−ジスルホネート(PPADS)であり、アッセイの結果は上記表Iに示す。表Iに例示された本発明のイメージング剤の非放射性類似体は、10μM、一般には100nMの濃度で、PPADS(10μMで70%の阻害を示す参照化合物)と比較して同程度までP2X7の機能を阻害することが判明した。
【0063】
表Iに例示したイメージング剤1をその非放射性類似体と共に得るために使用した合成経路を実施例1及び2に示す。特許請求の範囲の全技術範囲にわたるイメージング剤を得得るためには類似の方法が使用できる。本発明のインビボイメージング剤を合成するための前駆体は、Florjancic et al(2008 Bioorg.Med.Chem.Lett.;18:2089及びそこに引用された参考文献)によって記載されたような方法を用いて得ることができる。出発化合物及び中間体は、商業的に入手できるか、或いはFlorjancic et al(前掲書)及び/又はそこに引用された参考文献中に記載されている。
【0064】
1がNでありかつA2がCHである本発明のインビボイメージング剤を製造するのに適した前駆体化合物を得るためには、以下の一般的反応スキームが使用できる。
【0065】
【化7】

上記スキーム1中、R11〜R14及びAr11はそれぞれR1a〜R4a及びAr1aに関して上記に定義した通りである。
【0066】
適当なフェニルヒドラジン出発化合物を高温でホルムアミドと反応させてトリアゾールを得、次いでこれを臭素化して中間体を得る。と適当なベンジルアミンとの直接反応によってが得られる。
【0067】
1がCHでありかつA2がNである本発明のインビボイメージング剤を製造するのに適した前駆体化合物を得るためには、以下のようにやや異なる一般的反応スキームが使用される。
【0068】
【化8】

上記スキーム2中、R21〜R24及びAr21はそれぞれR1a〜R4a及びAr1aに関して上記に定義した通りであり、NCSはN−クロロスクシンイミドを表し、THFはテトラヒドロフランを表し、RTは室温を表し、NEt3はトリエチルアミンを表す。
【0069】
スキーム2用の出発原料はイソチオシアネート化合物である。THF中においてをベンジルアミンで処理すればチオ尿素中間体が得られ、これに塩基及びHgCl2の存在下でヒドラジンを添加することで対応するアミノグアニジニンが得られる。次いで、オルトギ酸エステルの存在下、これを酸性条件下で加熱還流すれば生成物が得られる。
【0070】
本発明のイメージング剤を合成するための前駆体化合物は、簡便には、例えば放射性薬局で使用するためのキットの一部として供給できる。かかるキットは、本明細書中に定義した前駆体化合物を密封容器内に含んでいる。密封容器は、好ましくは、注射器による溶液の追加及び抜取りを許しながら、無菌保全性及び/又は放射能安全性の維持、さらに任意には不活性ヘッドスペースガス(例えば、窒素又はアルゴン)の維持を可能にする。好ましい密封容器は、気密クロージャーを(通例はアルミニウムからなる)オーバーシールと共にクリンプ加工した隔壁密封バイアルである。かかる密封容器は、例えばヘッドスペースガスの変更又は溶液のガス抜きのために所望される場合、クロージャーが真空に耐え得るという追加の利点を有している。
【0071】
本発明のキット中に使用する場合、前駆体化合物の好適な実施形態及び好ましい実施形態は、本明細書中に既に記載した通りである。
【0072】
キット中に使用するための前駆体化合物を無菌製造条件下で使用すれば、所望の無菌で非発熱性の材料を得ることができる。別法として、前駆体化合物を非無菌条件下で使用し、次いで例えばγ線照射、オートクレーブ処理、乾熱又は(例えば、エチレンオキシドによる)化学処理を用いる終末滅菌を施すこともできる。好ましくは、前駆体化合物は無菌で非発熱性の形態で供給される。最も好ましくは、無菌で非発熱性の前駆体化合物は上述したような密封容器に入れて供給される。
【0073】
好ましくは、試験間での汚染の可能性を最小限に抑えると共に無菌性及び品質保証を確実にするため、キットのすべての構成要素が使い捨てである。
【0074】
好ましい態様では、本発明の合成方法は自動化される。現在、特に[18F]−ラジオトレーサーはしばしば自動化放射合成装置で簡便に製造されている。かかる装置には、Tracerlab(商標)及びFastlab(商標)(いずれもGE Healthcare社製)をはじめとするいくつかの市販例が存在している。放射化学は、カセットを装置に取り付けることにより、自動化合成装置上で実施される。普通、カセットは流体通路、反応器、及び試薬バイアル並びに放射合成後の清掃段階で使用される任意の固相抽出カートリッジを受け入れるためのポートを含んでいる。
【0075】
さらに別の態様では、本発明は、本発明のインビボイメージング剤を自動合成するため適宜に改造された自動化合成装置に挿入し得るカセットを提供する。
【0076】
本発明のインビボイメージング剤の自動合成のためのカセットは、
(i)本明細書中に定義した前駆体化合物を含む容器、及び
(ii)本明細書中に定義したような、インビボイメージング成分の適当な供給源を用いて容器を溶出するための手段
を含んでいる。
【0077】
かかるカセットはさらに、
(iii)過剰のインビボイメージング成分を除去するためのイオン交換カートリッジ、及び任意には
(iv)得られた放射性標識生成物を脱保護して本明細書中に定義したインビボイメージング剤を生成するためのカートリッジ
を含むことができる。
【0078】
合成のために必要な試薬、溶媒及び他の消耗品もまた、濃度、体積、送出時間などに関する最終ユーザーの要求条件を満たすように自動化合成装置を運転させるソフトウェアを保持したコンパクトディスクのようなデータ媒体と共に含めることができる。
【0079】
本発明のインビボイメージング剤は、被験体のCNSにおけるP2X7受容体の数及び/又は位置のインビボイメージングによる評価のため特に有用である。したがってさらに別の態様では、本発明は、被験体のCNSにおけるP2X7受容体の有無、位置及び/又は量の決定を容易にするための被験体のイメージング方法であって、
(i)本発明のインビボイメージング剤を検出可能な量で投与した被験体を用意する段階、
(ii)インビボイメージング剤を前記被験体内のP2X7受容体に結合させる段階、
(iii)前記インビボイメージング剤から放出される信号をインビボイメージング方法によって検出する段階、並びに
(iv)前記信号の位置及び/又は量を表す画像を形成する段階
を含んでなる方法を提供する。
【0080】
本発明の方法は、本発明のインビボイメージング剤を検出可能な量で投与した被験体を「用意」することから始める。本方法の究極の目的は診断に有用な画像の提供であるので、被験体への本発明のインビボイメージング剤の投与は、前記画像の形成を容易にするために必要な予備段階であると理解できる。
【0081】
別の実施形態では、本発明のイメージング方法の段階(i)は下記のように代えることができる。
(i)本発明のインビボイメージング剤を検出可能な量で前記被験体に投与する段階。
【0082】
インビボイメージング剤の「投与」は、好ましくは非経口的に実施され、最も好ましくは静脈内に実施される。静脈内経路は、インビボイメージング剤を被験体の身体全域に送達するため、したがって血液脳関門(BBB)を通過して前記被験体の中枢神経系(CNS)に送達するための最も効率的な方法である。静脈内投与は、実質的な物理的介入又は実質的な健康リスクを意味しない。本発明のインビボイメージング剤は、好ましくは本明細書中に定義された本発明の医薬組成物として投与される。
【0083】
インビボイメージング剤の「検出可能な量」とは、インビボイメージング剤を前記被験体に投与した後、インビボイメージング成分から放出される信号をイメージング装置によって検出し得るのに十分な検出可能ラベルを含む量である。
【0084】
本発明のインビボイメージング剤の性質に基づき、それはBBBを通過してCNS内のP2X7受容体に結合するのに適している。したがって、本発明の方法では、検出及び形成段階は前記被験体のCNS(好ましくは脳)に関して実施される。
【0085】
本発明の方法は、健常な被験体におけるP2X7受容体の位置及び/又は量を研究するために使用できる。しかし、本方法は、前記被験体がCNSにおけるP2X7受容体の異常発現に関連する病態(「P2X7状態」)を有することが知られ又は疑われる場合に特に有用である。かかる病態としては、脳卒中、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、癲癇及びアルツハイマー病があり、各々の病態生理は神経炎症を含んでいる。「神経炎症」という用語は、CNSにおけるミクログリア及びアストロサイトの応答及び作用が基本的に炎症様の特性を有することをいう。これらの応答は、脳卒中、癲癇、パーキンソン病、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病及びハンチントン舞踏病をはじめとする多種多様な神経障害の病因及び進行の中心である。したがって、本発明の方法で形成される画像は、かかる障害の診断の際の指針を臨床医に提供するために使用される。
【0086】
別の態様では、本発明は、上記に記載したインビボイメージング方法の段階(i)〜(iv)を含み、さらに
(ii)段階(iv)で形成された画像を評価して、CNSにおけるP2X7受容体の異常発現に関連する病態(「P2X7状態」)を診断する段階
を含んでなる診断方法を提供する。
【0087】
段階(v)のP2X7状態は、本明細書に記載したもののいずれかである。評価段階は、医師又は獣医、即ち臨床診断を行う資格を有する者によって実施される。かかる診断は演繹的な医学的又は獣医学的判断であり、これは被験体の健康を回復させるために何らかの治療が必要であるか否かを決定する目的で行われる。
【0088】
さらに別の実施形態では、本方法は、本発明のインビボイメージング剤を被験体に投与する予備段階を含むことができる。本発明のインビボイメージング剤の投与は、好ましくは非経口的に実施され、最も好ましくは静脈内に実施される。静脈内経路は、BBBを通過して本発明のインビボイメージング剤を送達し、CNSにおけるP2X7受容体に接触させる最速の方法である。前記インビボイメージング剤及び被験体の好ましい実施形態は、前記に記載した通りである。
【0089】
本発明のインビボイメージング剤は、好ましくは、式Iのインビボイメージング剤を、哺乳動物への投与に適した形態で生体適合性キャリヤーと共に含む「放射性医薬組成物」として投与される。
【0090】
生体適合性キャリヤー」は、放射性医薬組成物が生理学的に認容され得るようにして(即ち、毒性又は過度の不快感なしに哺乳動物体に投与できるようにして)式Iのインビボイメージング剤を懸濁又は溶解するための流体(特に液体)である。生体適合性キャリヤーは、好適には、無菌のパイロジェンフリー注射用水、(有利には注射用の最終生成物が等張性又は非低張性になるように平衡させ得る)食塩水のような水溶液、或いは1種以上の張度調整物質(例えば、血漿陽イオンと生体適合性対イオンとの塩)、糖(例えば、グルコース又はスクロース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール又はマンニトール)、グリコール(例えば、グリセロール)又は他の非イオン性ポリオール物質(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなど)の水溶液のような注射可能なキャリヤー液体である。生体適合性キャリヤーはまた、エタノールのような生体適合性有機溶媒を含んでいてもよい。かかる有機溶媒は、親油性の高い化合物又は配合物を可溶化するために有用である。好ましくは、生体適合性キャリヤーはパイロジェンフリー注射用水、等張食塩水又はエタノール水溶液である。静脈内注射用生体適合性キャリヤーのpHは好適には4.0〜10.5の範囲内にある。
【0091】
かかる放射性医薬組成物は、好適には、無菌保全性を維持しながら皮下注射針による1回又は数回の穿刺に適したシール(例えば、クリンプ加工した隔壁シールクロージャー)を備えた容器に入れた状態で供給される。かかる容器は1回分又は複数回分の患者用量を含むことができる。好ましい複数用量容器は、複数回分の患者用量を含む(例えば、容積10〜30cm3の)単一のバルクバイアルからなり、したがって臨床的状況に合わせて製剤の実用寿命中に様々な時間間隔で1回分の患者用量を臨床グレードの注射器に抜き取ることができる。予備充填注射器は1回分のヒト用量又は「単位用量」を含むように設計され、したがって好ましくは臨床用に適した使い捨て注射器又は他の注射器である。予備充填注射器には、施術者を放射性の薬用量から防護するための注射器シールドを任意に設けることができる。好適なかかる放射性医薬品注射器シールドは当技術分野で公知であり、好ましくは鉛又はタングステンからなっている。
【0092】
かかる放射性医薬組成物はキットから製造できる。別法として、それを無菌製造条件下で製造して所望の無菌生成物を得ることもできる。また、かかる放射性医薬組成物を非無菌条件下で製造し、次いで例えばγ線照射、オートクレーブ処理、乾熱又は(例えば、エチレンオキシドによる)化学処理を用いる終末滅菌を施すこともできる。
【0093】
本発明のイメージング方法は研究ツールとしても使用できる。例えば、競合試験の実施に使用すれば、薬物とP2X7受容体との相互作用を試験することができる。かかる試験としては、用量−占有率試験、最適治療用量の決定、薬物候補選抜試験及び検査対象組織中でのP2X7受容体分布の決定がある。
【0094】
別の実施形態では、本発明の方法は、例えばP2X7状態と戦う薬物による治療前、治療中及び治療後に繰返して実施される。このようにすれば、前記治療の効果を経時的にモニターすることができる。
【0095】
本発明はまた、医療用、特に被験体のCNSにおける炎症の有無、位置及び/又は量を決定するための方法で使用するための本発明のインビボイメージング剤も提供する。前記インビボイメージング剤、方法及び被験体の好適な実施形態及び好ましい実施形態は、前記に記載した通りである。
【0096】
本発明のさらに別の態様では、本発明のインビボイメージング剤は、被験体のCNSにおける炎症の有無、位置及び/又は量を決定するための薬剤の製造に使用することができる。前記インビボイメージング剤及び前記被験体の好適な実施形態及び好ましい実施形態は、前記に記載した通りである。
【実施例】
【0097】
本発明の特定のインビボイメージング剤を合成するための詳細な方法を、以下の非限定的な実施例に示す。
【0098】
実施例の簡単な説明
実施例1には、イメージング剤1の非放射性類似体の合成法を記載する。
【0099】
実施例2には、イメージング剤1の合成法を記載する。
【0100】
実施例3は、P2X7受容体との結合を評価するために使用したアッセイを記載する。
【0101】
実施例で使用する略語
AIBN アゾビスイソブチロニトリル
ATP アデノシン三リン酸
BOC tert−ブトキシカルボニル
Bz−ATP 2’及び3’−O−(4−ベンゾイルベンゾイル)−ATP
DEAD アゾジカルボン酸ジエチル
DMSO ジメチルスルホキシド
DNA デオキシリボ核酸
EDC1 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IC50 50%阻害濃度
LDA リチウムジイソプロピルアミド
MeOH メタノール
NBS N−ブロモスクシンイミド
PPAD ピリドキサールホスフェート−6−アゾフェニル−2’,4’−ジスルホ ン酸
RNA リボ核酸
RT 室温
THF テトラヒドロフラン
実施例1:イメージング剤1の非放射性類似体(1−(2,3−ジクロロフェニル)−N−(2−(2−フルオロエトキシ)ベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−アミン)の合成
【0102】
【化9】

1(i) 1−(2,3−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(1)
オーブン乾燥したフラスコに2,3−ジクロロフェニルヒドラジン(2.5g、14.12mmol)を添加した。これにホルムアミド(15mL)を添加した。混合物を170℃に12時間保った。反応塊を水(50mL)で奪活し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。次に、合わせた有機層を水(4×25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗反応塊を、ヘキサン及び酢酸エチルを溶離剤として用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製することで、生成物(1.8g、60%収率)を白色のチョーク状固体として得た。
【0103】
1H−NMR:(400MHz,CDCl3)δ8.55(s,1H)、8.17(s,1H)、7.64(d,1H,J=8Hz)、7.52(d,1H,J=8Hz)、7.40(t,1H,J=8Hz)。
【0104】
1(ii) 5−ブロモ−1−(2,3−ジクロロフェニル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール(2)
1−(2,3−ジクロロフェニル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール()(1.0g、4.67mmol)をオーブン乾燥した丸底フラスコに取った。これに無水四塩化炭素(15mL)を添加し、次いで結晶化したばかりのNBS(1.1g、6.18mmol)及び触媒量のAIBNを添加した。次に、反応物を90℃で約48時間加熱還流した。四塩化炭素を減圧下で除去し、反応塊を、ヘキサン及び酢酸エチルを溶離剤として用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製することで、生成物(900mg、65%収率)を得た。
【0105】
1H−NMR:(400MHz,CDCl3)δ8.10(s,1H)、7.72(d,1H,J=8Hz)、7.41(q,2H,J=8Hz)。
【0106】
1(iii) 1−(2,3−ジクロロフェニル)−N−(2−メトキシベンジル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−5−アミン(3)
出発原料(500mg、1.7mmol)及び2−メトキシベンジルアミン(0.5mL)の両方を丸底フラスコに取り、100℃で12時間加熱還流した。次に、反応物を水(20mL)で奪活し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた抽出液をブライン(15mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させた。生成物を、ヘキサン及び酢酸エチルを溶離剤として用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって単離することで(500mg、84%収率)を得た。
【0107】
1H−NMR:(400MHz,CDCl3)δ7.71(s,1H)、7.62(t,1H,J=4Hz)、7.25−7.41(m,4H)、6.94(t,1H,J=8Hz)、6.88(d,1H,J=8Hz)、4.68(s,1H)、4.60(s,2H)、3.8(s,3H)。
【0108】
1(iv) 2−((1−(2,3−ジクロロフェニル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−5−イル−アミノ)メチル)フェノール(4)
乾燥フラスコ内で、1−(2,3−ジクロロフェニル)−N−(2−メトキシベンジル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−5−アミン()(500mg、1.4mmol)を無水ジクロロメタン(5mL)に溶解した。次に、反応塊を−78℃に冷却し、15分間撹拌した。同じ温度を維持しながら、三臭化ホウ素(0.4ml、1.6mmol)を添加した。反応物を放置して室温に戻し、全部で約12時間撹拌した後、水(20mLをゆっくりと添加)で奪活し、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出し、ヘキサン−酢酸エチル溶離剤を用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製することで生成物(160mg、33%収率)を得た。
【0109】
1H−NMR:(400MHz,CDCl3)δ7.72(s,1H)、7.65(m,1H)、7.38(d,2H,J=4Hz)、7.25(t,1H,J=8Hz)、7.14(d,1H,J=8Hz)、7.01(d,1H,J=8Hz)、6.88(t,1H,J=8Hz)、4.76(s,1H)、4.50(s,2H)。
【0110】
1(v) (1−(2,3−ジクロロフェニル)−N−(2−(2−フルオロエトキシ)ベンジル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−5−アミン)(イメージング剤1の非放射性類似体)
(160mg、0.48mmol)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、炭酸セシウム(1.2当量)を添加し、次いで混合物を室温で15分間撹拌した。この混合物にフルオロエチルトシレート(1.1当量)を添加し、反応物を55℃で12時間加熱した。次に、アセトニトリルを減圧下で除去し、残留物を酢酸エチルと水との間に分配した。次に、有機層を濃縮し、ヘキサン及び酢酸エチルを溶離剤として用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製することで所望の生成物(96mg、53%収率)を得た。
【0111】
1H−NMR:(400MHz,CDCl3)δ7.50−7.82(m,2H)、7.11−7.49(m,5H)、6.98(t,1H,J=8Hz)、6.84(d,1H,J=8Hz)、4.62(m,5H)、4.17(m,2H)。
【0112】
実施例2:イメージング剤1の合成
炭酸カリウム及びKryptofixの存在下、アセトニトリル中でを(例えば、Bauman et al(Tetrahedron Letts.2003;44:9165−7)によって記載されたようにして合成した)[18F]フルオロエチルトシレートと反応させる点を除き、実施例1に記載した通りの方法を用いることでイメージング剤1が得られる。
【0113】
実施例3:P2X7結合を測定するためのポア形成アッセイ
使用したアッセイ方法は、DNA結合色素であるYo Pro−1(キノリニウム、4[3−メチル−2(3H)−ベンゾオキサゾリリデン)メチル]−1−[3−(トリメチル−アンモニオ)プロピル]−ジオキシド)が拡張した又は「大きなポア形態」のP2X7受容体を通って入り、細胞内のDNA/RNAに結合し、それによって蛍光強度を増加させる能力に基づいていた。したがって、Yo Pro−1を用いてP2X7機能の阻害を定量化した。このアッセイは、Michel et al(B.J.Pharmacol 1998;125:1194−1201)によって発表された方法に基づくものであった。
【0114】
最初に、LipofectamineTMLTX(Invitrogen社)を用いて、HEK.293細胞にP2X7 cDNAを72時間にわたり一過的にトランスフェクトした。使用の48時間前に、細胞を30,000個/ウェルの密度で、ポリ−D−リシンをコーティングした96ウェルの壁面が黒色で底が透明なプレート中に播種した。試験化合物の原液は、100%DMSO中40mMの濃度で調製した。
【0115】
48時間のインキュベーション後、トランスフェクトした細胞から培地を取り除き、細胞を一度洗浄し、予熱したスクロースアッセイ緩衝液(スクロース:280mM、KCl:5mM、CaCl2:0.5mM、グルコース:10mM、HEPES:10mM、N−メチル−D−グルカミン:10mM、pH7.4)中に入れた。試験化合物を三重反復試験として10μM及び100nMの濃度でプレートに加え、37℃で30分間インキュベートした。アッセイにおける最終DMSO濃度は1%であった。その後、Yo Pro−1色素及びBz−ATP溶液を、37℃で60分間にわたり、それぞれ1μM及び30μMの濃度で添加した。次に、蛍光を485nm励起及び530nm発光で読み取った。
【0116】
非選択的P2Xチャネルアンタゴニストであるピリドキサール−ホスフェート−6−アゾフェニル−2’,4’−ジスルホネート(PPADS)を、本アッセイにおける参照阻害剤として使用した。200μMの開始濃度及びそれに続いて200μM〜0.4nMをカバーする1:6連続希釈を使用して、PPADSに対する用量−応答試験をアッセイプレート上で行った。各化合物データセットに関し、作成された3つのアッセイポイントに基づいてパーセント阻害値を計算した。イメージング剤1に関しては、%阻害は10μMで77.0であり、100μMで68.0であることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物或いはその塩又は溶媒和物を含んでなるインビボイメージング剤。
式Iは以下の通り定義される。
【化1】

(式中、
1及びR2は独立に水素、ハロ、ヒドロキシル、C1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル及びC1-3ヒドロキシアルキルから選択され、
3及びR4は独立に水素、ハロ、ヒドロキシル、C1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3アルキルオキシ、C1-3フルオロアルキルオキシ、C1-3アルキルチオ、C1-3フルオロアルキルチオ及びC1-6シクロアルキルから選択され、
1及びA2の一方はNであり、他方はCHであり、
Ar1は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜3のヘテロ原子を任意に含むC5-12アリール基であり、
上記に定義したR1、R2、R3及びR4のいずれか1つは、γ線放出型放射性ハロゲン又は陽電子放出型放射性非金属であるインビボイメージング成分を含む。)
【請求項2】
1及びR2が独立に水素、ハロ及びヒドロキシルから選択される、請求項1記載のインビボイメージング剤。
【請求項3】
3及びR4が独立に水素、ヒドロキシル、ハロ及びフルオロアルコキシから選択される、請求項1又は請求項2記載のインビボイメージング剤。
【請求項4】
1がNであり、A2がCHである、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のインビボイメージング剤。
【請求項5】
Ar1が、窒素、酸素及び硫黄から選択される1つのヘテロ原子を任意に含むC5-6アリール基である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のインビボイメージング剤。
【請求項6】
3及びR4の一方が前記インビボイメージング成分を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のインビボイメージング剤。
【請求項7】
次の式I*の化合物である、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のインビボイメージング剤。
【化2】

(式中、R1*及びR2*は共にハロであり、R3*はC1-3アルキル、フルオロ、ヨード又はC1-3フルオロアルコキシであり、A1*及びA2*は請求項1又は請求項4でそれぞれA1及びA2に関して定義した通りである。)
【請求項8】
前記インビボイメージング成分が123I、11C及び18Fから選択される、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載のインビボイメージング剤。
【請求項9】
前記インビボイメージング成分が18Fである、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載のインビボイメージング剤。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載のインビボイメージング剤の合成方法であって、前記インビボイメージング成分の適当な供給源を次の式Iaの非放射性前駆体化合物と反応させる段階を含んでなる方法。
【化3】

(式中、R1a〜R4aの1つは前駆体基を含み、R1a〜R4aの残りは請求項1乃至請求項3のいずれか1項でそれぞれR1〜R4に関して定義した通りであり、かつ任意に保護基を含み、
1a及びA2aは請求項1又は請求項4でそれぞれA1及びA2に関して定義した通りであり、
Ar1aは請求項1又は請求項5でAr1に関して定義した通りである。)
【請求項11】
前記式Iaの前駆体化合物が次の式Ia*の化合物である、請求項10記載の方法。
【化4】

(式中、R1a*〜R3a*の1つは前駆体基を含み、R1a*〜R3a*の残りは請求項10でそれぞれR1a〜R3aに関して定義した通りであり、A1a*及びA2a*は請求項10又は請求項4でそれぞれA1a及びA2aに関して定義した通りである。)
【請求項12】
当該方法が自動化される、請求項10又は請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記前駆体基がトリアルキルスズ基、B(OH)2、メシレート、トリフレート及びトシレートから選択される、請求項10乃至請求項12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法で定義した前駆体化合物。
【請求項15】
請求項12記載の方法を実施するためのカセットであって、
(i)請求項10乃至請求項13のいずれか1項記載の方法で定義した前駆体化合物を含む容器、並びに
(ii)請求項1、請求項8及び請求項9のいずれか1項で定義したインビボイメージング成分の適当な供給源を用いて容器を溶出するための手段
を含んでなるカセット。
【請求項16】
さらに、
(iii)過剰のインビボイメージング成分を除去するためのイオン交換カートリッジ、及び任意には
(iv)得られた放射性標識生成物を脱保護して請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載のインビボイメージング剤を生成するためのカートリッジ
を含む、請求項15記載のカセット。
【請求項17】
請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載のインビボイメージング剤を、哺乳動物への投与に適した形態で生体適合性キャリヤーと共に含んでなる放射性医薬組成物。
【請求項18】
被験体のCNSにおけるP2X7受容体の有無、位置及び/又は量の決定を容易にするための被験体のインビボイメージング方法であって、
(i)請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載のインビボイメージング剤を検出可能な量で投与した被験体を用意する段階、
(ii)投与されたインビボイメージング剤を前記被験体内のP2X7受容体に結合させる段階、
(iii)前記インビボイメージング剤から放出される信号をインビボイメージング技法によって検出する段階、並びに
(iv)前記信号の位置及び/又は量を表す画像を形成する段階
を含んでなる方法。
【請求項19】
前記被験体がインタクトな哺乳動物生体である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記被験体が、CNSにおけるP2X7受容体の異常発現に関連する病態を有することが知られ又は疑われる、請求項18又は請求項19記載の方法。
【請求項21】
請求項18記載の段階(i)〜(iv)を含み、さらに
(v)段階(iv)で形成された画像を評価して、CNSにおけるP2X7受容体の異常発現に関連する病態(「P2X7状態」)を診断する段階
を含んでなる診断方法。
【請求項22】
請求項21記載の診断方法に使用するための、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載のインビボイメージング剤。
【請求項23】
請求項21記載の診断方法のための薬剤の製造に使用するための、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載のインビボイメージング剤。

【公表番号】特表2012−523388(P2012−523388A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503993(P2012−503993)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054517
【国際公開番号】WO2010/115881
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(305040710)ジーイー・ヘルスケア・リミテッド (99)
【Fターム(参考)】