説明

プルトニウム含有廃液の処理方法及び処理装置

【課題】簡単な処理工程で高精度にプルトニウムを除染することができるプルトニウム含有廃液の処理方法を提供する。
【解決手段】沈殿槽3でプルトニウム含有廃液をアルカリ水溶液でpH調整する工程と、このpH調整された廃液を沈殿と清澄液に遠心分離器8で粗分離する工程と、この粗分離後の清澄液を精密ろ過膜(MF膜)か限外ろ過膜(UF膜)の少なくともいずれか一つを用いて高次ろ過装置13,16で高次ろ過する工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プルトニウムを含有する原子燃料を製造する施設にて発生するプルトニウム含有廃液の処理方法及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使用済原子燃料の再処理工程の一つとされる、例えばMOX燃料(ウランとプルトニウムの混合酸化物燃料)製造施設で発生するプルトニウム含有廃液の処理装置として、従来、例えば特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
これによれば、先ず、高放射能レベル廃液は、一つ目のグローブボックスの不溶性タンニンが充填された複数の吸着塔に順次供給され、通過した廃液はモニタ槽に供給される。モニタ槽において、所定の低放射能レベルの廃液であることが確認されると、この廃液は、二つ目のグローブボックスの不溶性タンニンが充填された複数の吸着塔に順次供給される。そして、通過した廃液は、モニタ槽に供給され、廃液中の放射能レベルが排水基準を満たせば、排出されるようになっている。
【0004】
この結果、排水基準を満たしつつ、操作が簡単で小型の単一処理プロセスからなり、更に廃液処理後の残渣の少ないプルトニウム含有廃液の処理装置を提供することができるとある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3037178号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Benedict,M.他著 清瀬良平訳 原子力化学工学 日刊工業新聞社(1984) 第133頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で開示されたようなプルトニウム含有廃液の処理装置にあっては、プルトニウム含有廃液が、アンモニア水を用いてpH(水素イオン濃度指数)が6.8になるように調整された条件下で処理することから、図4に示すpHとPu(プルトニウム)溶解濃度との関係を表すグラフ(非特許文献1)から解るように、Pu含有廃液は硝酸溶液であってpHが1程度以下と想定されるものをpHを6.8に調整するので、殆ど大部分のプルトニウムは固体粒子として析出し、不溶性タンニンに吸着される溶解しているプルトニウム濃度が10-7mol/L程度と極めて小さくなり、これをすべて吸着しても極めて小さなDF(Decontamination Factor:除染係数。Puの除去程度)しか得られないという問題点があった。言い換えれば、pHを6.8まで上昇させて殆ど大部分のプルトニウムを固体粒子にしておきながら、これを除去することなく、極めて小部分の溶解しているプルトニウムを吸着除去しているので、プルトニウムの除去効果が極めて小さく、何段もの処理を行う必要があるという問題があった。
【0008】
即ち、図4に示すグラフからは、pHが高くなるにつれて溶解しているPu濃度が低くなる傾向がある(即ち、pHが高くなると溶解できなくなるPuが固体として析出する)ことが解り、特許文献1の処理装置において、タンニンに吸着される溶解しているプルトニウムの量が減少することから、十分な処理能力を発揮することができないのである。
【0009】
そこで、本発明は、簡単な処理工程で高精度にプルトニウムを除染することができるプルトニウム含有廃液の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
斯かる目的を達成するための本発明に係るプルトニウム含有廃液の処理方法は、
プルトニウム含有廃液をアルカリ水溶液でpH調整する工程と、このpH調整された廃液を固体(沈殿)と液体(清澄液)に粗分離する工程と、この粗分離後の清澄液を精密ろ過膜か限外ろ過膜の少なくともいずれか一つを用いて高次ろ過する工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、
前記粗分離後の沈殿を蒸発・▲か▼焼(calcination)する工程をさらに有することを特徴とする。
【0012】
また、
前記高次ろ過する際に用いた精密ろ過膜及び/又は限外ろ過膜の逆洗水は前記粗分離する工程で粗分離されることを特徴とする。
【0013】
また、
前記粗分離する手段として、ろ過装置又は遠心分離機を用いることを特徴とする。
【0014】
また、
前記pHは、プルトニウムの溶解度が可及的に小さくなるように高pHに調整されることを特徴とする。
【0015】
また、
前記アルカリ水溶液はアンモニア水であることを特徴とする。
【0016】
斯かる目的を達成するための本発明に係るプルトニウム含有廃液の処理装置は、
プルトニウム含有廃液とアルカリ水溶液とでpH調整するpH調整・沈殿槽と、このpH調整・沈殿槽内の廃液を固体(沈殿)と液体(清澄液)に粗分離する固液分離装置と、この固液分離装置で粗分離された清澄液を精密ろ過膜か限外ろ過膜の少なくともいずれか一つを用いて高次ろ過するろ過装置と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
斯かる目的を達成するための本発明に係るプルトニウム含有廃液の処理方法は、
プルトニウム含有廃液をアルカリ水溶液でpH調整する工程と、このpH調整された廃液を固体(残渣)と液体に粗分離する工程と、この粗分離後の残渣を純水にて洗浄する工程と、この洗浄後の液体を固液分離する工程と、前記洗浄する工程と前記固液分離する工程とを必要に応じて繰り返す工程と、前記固液分離後の残渣を蒸発・▲か▼焼する工程と、この蒸発・▲か▼焼後の凝縮液を精密ろ過膜か限外ろ過膜の少なくともいずれか一つを用いて高次ろ過する工程と、を有することを特徴とする。
【0018】
また、
前記粗分離後のろ液と固液分離後のろ液を蒸発処理する工程をさらに有することを特徴とする。
【0019】
また、
前記蒸発処理後の凝縮液は粗分離後の残渣を洗浄する洗浄水として再使用されることを特徴とする。
【0020】
また、
前記高次ろ過する際に用いた精密ろ過膜及び/又は限外ろ過膜の逆洗水は前記粗分離する工程で粗分離されることを特徴とする。
【0021】
また、
前記粗分離する手段として、ろ過装置又は遠心分離機を用いることを特徴とする。
【0022】
また、
前記pHは、プルトニウムの溶解度が可及的に小さくなるように高pHに調整されることを特徴とする。
【0023】
また、
前記アルカリ水溶液はアンモニア以外のアルカリ金属水酸化物の水溶液であることを特徴とする。
【0024】
斯かる目的を達成するための本発明に係るプルトニウム含有廃液の処理装置は、
プルトニウム含有廃液とアルカリ水溶液とでpH調整するpH調整・沈殿槽と、このpH調整・沈殿槽内の廃液を固体(残渣)と液体に粗分離する第1の固液分離装置と、この第1の固液分離装置による粗分離後の残渣を純水にて洗浄する洗浄装置と、この洗浄後の液体を固液分離する第2の固液分離装置と、前記第2の固液分離後の残渣を蒸発・▲か▼焼する蒸発・▲か▼焼装置と、この蒸発・▲か▼焼後の凝縮液を精密ろ過膜か限外ろ過膜の少なくともいずれか一つを用いて高次ろ過するろ過装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るプルトニウム含有廃液の処理方法及び処理装置によれば、pH調整した廃液を固体と液体に粗分離後に、精密ろ過膜や限外ろ過膜を用いて高次ろ過することを可能にしたので、簡単な処理工程で高精度にプルトニウムを除染することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1を示すプルトニウム含有廃液の処理方法の工程図である。
【図2】プルトニウム含有廃液の処理装置の概略構成図である。
【図3】本発明の実施例2を示すプルトニウム含有廃液の処理方法の工程図である。
【図4】pHとPu濃度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係るプルトニウム含有廃液の処理方法及び処理装置を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0028】
図1は本発明の実施例1を示すプルトニウム含有廃液の処理方法の工程図、図2はプルトニウム含有廃液の処理装置の概略構成図である。
【0029】
本実施例では、図1に示す処理工程(処理プロセス)を経てプルトニウム含有廃液は処理される。
【0030】
即ち、プルトニウム含有廃液は先ず、アルカリ水溶液でpH(水素イオン濃度指数)調整される(処理プロセスP1⇒処理プロセスP2参照)。このpH調整に用いるアルカリ水溶液としては、アンモニア水を用いると好適である。また、前記pHは、プルトニウムの溶解度が可及的に小さくなるように例えば8以上、望ましくは10以上の高pHに調整される。
【0031】
次に、前記pH調整されたプルトニウム含有廃液は固液分離装置により粗分離される(処理プロセスP3参照)。そして、粗分離後の清澄液が精密ろ過膜(MF膜)で高次ろ過された後、限外ろ過膜(UF膜)で更に高次ろ過されて排出・処理される(処理プロセスP4⇒処理プロセスP5参照)。
【0032】
一方、粗分離後の沈殿は、洗浄することなく脱硝のため蒸発・▲か▼焼される(処理プロセスP6参照)。そして、蒸発・▲か▼焼後の凝縮液は前記清澄液と合流され、精密ろ過膜で高次ろ過された後、限外ろ過膜で更に高次ろ過されて排出・処理される。一方、蒸発・▲か▼焼後の▲か▼焼生成物はスクラップ又は固体廃棄物として保管・処理される。
【0033】
また、前記高次ろ過する際に用いた精密ろ過膜と限外ろ過膜の逆洗水(逆洗ドレン)は前記固液分離装置に定期的に供給され、粗分離される。尚、逆洗水の供給ラインは省略する。また、逆洗水に代えて圧縮空気を逆洗に用いても良い。さらに、通常の物理的な逆洗ではろ過性能が回復しない場合には、硝酸で洗浄すると好適である。
【0034】
尚、精密ろ過膜(MF膜)とは、ろ過膜の一種で、孔の大きさが概ね50ナノメートルから10マイクロメートルの膜のことで、孔は後述する限外ろ過膜より大きく、その材質としてはポリカーボネットやポリプロピレン等が選択される。一方、限外ろ過膜(UF膜)とは、ろ過膜の一種で、孔の大きさが概ね2から200ナノメートルの膜のことで、その材質としてはポリフッ化ビニリデンやポリエチレン等が選択される。
【0035】
以上の処理工程は図2に示す装置構成で実施される。
【0036】
即ち、先ず、プルトニウム含有廃液タンク1内のプルトニウム含有廃液は廃液ポンプ2によりpH調整・沈殿槽3に供給されると共に、アルカリ水溶液タンク5内のアンモニア水がアルカリポンプ6により同じくpH調整・沈殿槽3に供給され、このpH調整・沈殿槽3内で撹拌機4により撹拌されてpH調整される。
【0037】
次に、pH調整・沈殿槽3内でpH調整された廃液は、スラリー移送ポンプ7により固液分離装置としての遠心分離機8に供給されて粗分離される。この粗分離後の沈殿は沈殿受槽9に一旦収容され、ここから蒸発・▲か▼焼装置10に供給されてその▲か▼焼生成物はスクラップ又は固体廃棄物として保管・処理される。一方、凝縮液は後述する清澄液受槽11に収容される。
【0038】
そして、前記粗分離後の清澄液は清澄液受槽11に一旦収容され、ここから供給ポンプ12によりMF膜の高次ろ過装置13に供給された後、UF膜の高次ろ過装置16に供給されて2段階に亘って高次ろ過される。次いで、高次ろ過された清澄液は、処理水受槽19に一旦収容され、ここから処理水移送ポンプ20により排出・処理される。
【0039】
尚、MF膜の高次ろ過装置13とUF膜の高次ろ過装置16におけるMF膜とUF膜の逆洗水(逆洗ドレン)は、それぞれMF膜逆洗液受槽14とUF膜逆洗液受槽17に一旦収容され、ここからMF膜逆洗液移送ポンプ15とUF膜逆洗液移送ポンプ18により前述した遠心分離機8に供給されて粗分離するのに用いられる。
【0040】
このようにして本実施例によれば、プルトニウム含有廃液をプルトニウムの溶解度が可及的に小さくなるように高pHに調整するようにしたので、そのpH調整後の廃液を粗分離して清澄液を精密ろ過膜や限外ろ過膜を用いて高次ろ過することで、プルトニウムを効果的にかつ高精度に除染できる。しかも簡単な処理工程で済むので、GB(グローブボックス)に収納できるコンパクトな処理装置を実現できる。
【実施例2】
【0041】
図3は本発明の実施例2を示すプルトニウム含有廃液の処理方法の工程図である。
【0042】
本実施例は、pH調整する際のアルカリ水溶液としてアンモニア以外のアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いた場合の処理方法及び処理装置の例であり、図3に示す処理工程(処理プロセス)を経てプルトニウム含有廃液は処理される。
【0043】
即ち、プルトニウム含有廃液タンク内のプルトニウム含有廃液は先ず、アルカリ水溶液タンク内のアルカリ水溶液でpH調整・沈殿槽においてpH(水素イオン濃度指数)調整される(処理プロセスP1⇒処理プロセスP2参照)。このpH調整に用いるアルカリ水溶液としては、アンモニア以外のアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いると好適である。
【0044】
次に、前記pH調整されたプルトニウム含有廃液はろ過装置(第1の固液分離装置)により粗分離される(処理プロセスP3参照)。そして、この粗分離後の残渣は洗浄装置にて純水で洗浄された後、この洗浄後の液体は再度ろ過装置(第2の固液分離装置)により固液分離される(処理プロセスP4⇒処理プロセスP5参照)。尚、前記処理プロセスP4⇒処理プロセスP5を必要に応じて繰り返すと好適である。
【0045】
次に、前記固液分離後の残渣を蒸発・▲か▼焼装置で蒸発・▲か▼焼する(処理プロセスP6参照)。そして、蒸発・▲か▼焼後の凝縮液は精密ろ過膜(MF膜)で高次ろ過された後、限外ろ過膜(UF膜)で更に高次ろ過されて排出・処理される(処理プロセスP7⇒処理プロセスP8参照)。一方、蒸発・▲か▼焼後の▲か▼焼生成物はスクラップまたは固体廃棄物として保管・処理される。
【0046】
また、前記高次ろ過する際に用いた精密ろ過膜と限外ろ過膜の逆洗水(逆洗ドレン)は前記ろ過装置(第1の固液分離装置)に定期的に供給され、粗分離される。
【0047】
一方、前記粗分離後のろ液と固液分離後のろ液は蒸発装置にて蒸発処理され(処理プロセスP9参照)、この蒸発処理後の凝縮液は粗分離後の残渣を洗浄する洗浄液として再使用される一方、乾燥物はスクラップまたは廃棄物として保管・処理される。尚、乾燥物になるまで処理を行わずに、水分を蒸発させた濃縮液の状態で上流に戻して粗分離処理を行うこともできる。
【0048】
その他の処理は実施例1と同様なので、実施例1の説明を参照して重複する説明は省略する。
【0049】
このようにして本実施例によれば、プルトニウム含有廃液をプルトニウムの溶解度が可及的に小さくなるように高pHに調整するようにしたので、そのpH調整後の廃液を粗分離して生じた残渣を洗浄→固液分離した後、蒸発・▲か▼焼し、その凝縮液を精密ろ過膜や限外ろ過膜を用いて高次ろ過することで、プルトニウムを効果的にかつ高精度に除染できる。しかも簡単な処理工程で済むので、GB(グローブボックス)に収納できるコンパクトな処理装置を実現できる。
【0050】
尚、上記実施例1及び実施例2において、アルカリ金属水酸化物の水溶液の特質に応じて精密ろ過膜と限外ろ過膜のいずれか一つで高次ろ過しても良い。
【0051】
また、本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲でアルカリ水溶液の変更やpHの変更等各種変更が可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係るプルトニウム含有廃液の処理方法及び処理装置は、MOX燃料製造工場で発生するプルトニウム含有廃液の処理に適用すると好適である。
【符号の説明】
【0053】
1 プルトニウム含有廃液タンク
2 廃液ポンプ
3 pH調整・沈殿槽
4 撹拌機
5 アルカリ水溶液タンク
6 アルカリポンプ
7 スラリー移送ポンプ
8 遠心分離機
9 沈殿受槽
10 蒸発・▲か▼焼装置
11 清澄液受槽
12 供給ポンプ
13 MF膜の高次ろ過装置
14 MF膜逆洗液受槽
15 MF膜逆洗液移送ポンプ
16 UF膜の高次ろ過装置
17 UF膜逆洗液受槽
18 UF膜逆洗液移送ポンプ
19 処理水受槽
20 処理水移送ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プルトニウム含有廃液をアルカリ水溶液でpH調整する工程と、このpH調整された廃液を沈殿と清澄液に粗分離する工程と、この粗分離後の清澄液を精密ろ過膜か限外ろ過膜の少なくともいずれか一つを用いて高次ろ過する工程と、を有することを特徴とするプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項2】
前記粗分離後の沈殿を蒸発・▲か▼焼する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項3】
前記高次ろ過する際に用いた精密ろ過膜及び/又は限外ろ過膜の逆洗水は前記粗分離する工程で粗分離されることを特徴とする請求項1又は2に記載のプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項4】
前記粗分離する手段として、ろ過装置又は遠心分離機を用いることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項5】
前記pHは、プルトニウムの溶解度が可及的に小さくなるように高pHに調整されることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項6】
前記アルカリ水溶液はアンモニア水であることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載のプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項7】
プルトニウム含有廃液とアルカリ水溶液とでpH調整するpH調整・沈殿槽と、このpH調整・沈殿槽内の廃液を沈殿と清澄液に粗分離する固液分離装置と、この固液分離装置で粗分離された清澄液を精密ろ過膜か限外ろ過膜の少なくともいずれか一つを用いて高次ろ過するろ過装置と、を備えたことを特徴とするプルトニウム含有廃液の処理装置。
【請求項8】
プルトニウム含有廃液をアルカリ水溶液でpH調整する工程と、このpH調整された廃液を残渣と液体に粗分離する工程と、この粗分離後の残渣を純水にて洗浄する工程と、この洗浄後の液体を固液分離する工程と、前記洗浄する工程と前記固液分離する工程とを必要に応じて繰り返す工程と、前記固液分離後の残渣を蒸発・▲か▼焼する工程と、この蒸発・▲か▼焼後の凝縮液を精密ろ過膜か限外ろ過膜の少なくともいずれか一つを用いて高次ろ過する工程と、を有することを特徴とするプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項9】
前記粗分離後のろ液と固液分離後のろ液を蒸発処理する工程をさらに有することを特徴とする請求項8に記載のプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項10】
前記蒸発処理後の凝縮液は粗分離後の残渣を洗浄する洗浄液として再使用されることを特徴とする請求項9に記載のプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項11】
前記高次ろ過する際に用いた精密ろ過膜及び/又は限外ろ過膜の逆洗水は前記粗分離する工程で粗分離されることを特徴とする請求項8,9又は10に記載のプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項12】
前記粗分離する手段として、ろ過装置又は遠心分離機を用いることを特徴とする請求項8,9,10又は11に記載のプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項13】
前記pHは、プルトニウムの溶解度が可及的に小さくなるように高pHに調整されることを特徴とする請求項8,9,10,11又は12に記載のプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項14】
前記アルカリ水溶液はアンモニア以外のアルカリ金属水酸化物の水溶液であることを特徴とする請求項8,9,10,11,12又は13に記載のプルトニウム含有廃液の処理方法。
【請求項15】
プルトニウム含有廃液とアルカリ水溶液とでpH調整するpH調整・沈殿槽と、このpH調整・沈殿槽内の廃液を残渣と液体に粗分離する第1の固液分離装置と、この第1の固液分離装置による粗分離後の残渣を純水にて洗浄する洗浄装置と、この洗浄後の液体を固液分離する第2の固液分離装置と、前記第2の固液分離後の残渣を蒸発・▲か▼焼する蒸発・▲か▼焼装置と、この蒸発・▲か▼焼後の凝縮液を精密ろ過膜か限外ろ過膜の少なくともいずれか一つを用いて高次ろ過するろ過装置と、を備えたことを特徴とするプルトニウム含有廃液の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−163425(P2012−163425A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23591(P2011−23591)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(597006470)日本原燃株式会社 (21)