説明

プレス機械

【課題】ボルスタ厚みを増すことなく、大きなプレス加圧によるボルスタの撓みを防止できるプレス機械を提供する。
【解決手段】キャリア17がプレス機械10の内部に位置する場合に、ベッド11の上面11bの上方に位置するボルスタ9の第1部分は、キャリアを介して上面11bにより下方から支持されるとともに、ベッドの内部空間14の開口14aの上方に位置するボルスタの第2部分は、ベッドの内部空間に設けられた支持手段16により下方から支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス機械に関し、より詳しくは、プレス加工時にしわ押えを行うダイクッション装置を備えたプレス機械に関する。
【背景技術】
【0002】
プレス機械は、駆動モータと、駆動モータの回転運動を昇降運動に変換するクランクなどの変換機構と、この変換機構に連結され昇降されるスライドと、を備え、スライドの下面に固定された上金型と、上金型の下方に配置された下金型との間に被加工物を挟み込んでプレス加工を行う。
【0003】
絞り加工などを行う場合には被加工物のしわ押さえを行うために、ダイクッション装置をプレス機械に設ける。
【0004】
ダイクッション装置を備えたプレス機械は、例えば、特許文献1に記載されている。図6は、特許文献1に記載されたプレス機械の構成を示している。図6に示すように、このプレス機械は、下面に上金型Uが取り付けられ昇降駆動されるスライドSと、スライドSの下方に位置し上面に下金型Eが取り付けられたボルスタ31と、ボルスタ31を下方から支持するベッドBと、ベッドBの内部空間に配置されたダイクッション装置Cと、を備える。
【0005】
ダイクッション装置Cは、油圧シリンダCsと、油圧シリンダCsにより昇降されるクッションパッドCpと、下端がクッションパッドCpに支持され、ボルスタ31及び下金型Eを貫通して下金型Eの上方まで延びているクッションロッドRと、を備える。クッションロッドRの先端には、ブランクホルダHが結合されている。
プレス加工時に、被加工物WをブランクホルダHと上金型Uとの間に挟み、この状態で油圧シリンダCsが上金型Uから荷重を受ける。
【0006】
【特許文献1】特開2006−51541号公報 「プレス機械のダイクッション装置」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図6に示すプレス機械では、ダイクッション装置Cを昇降動作させるために、ベッドBの内部空間はその上方に開口を有している。そのため、ボルスタ31は、図6に示す断面において、この開口を挟んだ水平方向両側のベッド上面に支持されるようになっているが、ボルスタの中央部分は支持されない。
【0008】
このため、上金型Uからボルスタ31に大きなプレス加圧が作用すると、図7に示すように、ボルスタ31の中央部分が下方に変位するようにボルスタ31が撓んでしまう。
【0009】
この問題を解決するために、従来では、ボルスタの厚みを増していた。しかし、この場合には、ボルスタが大型化してしまい好ましくない。
【0010】
本発明は上記課題を解決するために創案されたものである。即ち、本発明の目的は、ボルスタ厚みを増すことなく、大きなプレス加圧によるボルスタの撓みを防止できるプレス機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明によると、下面に上金型が取り付けられ昇降駆動されるスライドと、該スライドの下方に位置し上面に下金型が取り付けられたボルスタと、を備え、前記上金型と前記下金型との間に被加工物を挟んでプレス加工を行うプレス機械であって、前記ボルスタを載せ、プレス機械の内部と外部との間を移動可能であるキャリアと、プレス機械の内部に位置する前記キャリアを下方から支持するベッドと、該ベッドの内部空間に設けられ、プレス機械の内部に位置するボルスタに干渉しないようにボルスタの上方まで延びて被加工物を上金型との間で挟み、この状態で上金型から荷重を受けるダイクッション装置と、をさらに備え、前記ベッドは、上方に開口を持つ前記内部空間と、この開口の周縁に形成された上面と、を有するとともに、該上面により前記キャリアを支持するようになっており、前記キャリアがプレス機械の内部に位置する場合に、ベッドの前記上面の上方に位置するボルスタの第1部分は、前記キャリアを介して前記上面により下方から支持されるとともに、前記開口の上方に位置するボルスタの第2部分は、前記ベッドの内部空間に設けられた支持手段により下方から支持される、ことを特徴とするプレス機械が提供される。
【0012】
この構成では、ベッドの上面の上方に位置するボルスタの第1部分は、キャリアを介して前記上面により下方から支持されるとともに、ベッドの内部空間の開口の上方に位置するボルスタの第2部分は、ベッドの内部空間に設けられた支持手段により下方から支持される。これにより、ボルスタ厚みを増すことなく、大きなプレス加圧によるボルスタの撓みを防止できる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によると、上記プレス機械において、前記支持手段は、前記開口の中央部の上方にあるボルスタの第2部分の下方に位置しており、前記ダイクッション装置は複数設けられているとともに、これら複数のダイクッション装置は、前記支持手段の水平方向両側に、又は、前記支持手段の周囲に、それぞれ配置されている。
【0014】
上記開口の中央部の上方にあるボルスタの第2部分は下方に最も変位しやすい。
上記構成では、この部分の下方に支持手段を配置し、複数のダイクッション装置は、前記支持手段の水平方向両側に、又は、前記支持手段の周囲に、それぞれ配置されている。これにより、下方に最も変位しやすいボルスタの第2部分を支持手段により支持することができるとともに、上金型からの荷重を複数のダイクッション装置によりバランスよく受けることができる。
【0015】
また、本発明の好ましい実施形態によると、上記プレス機械において、前記支持手段は、前記キャリアの移動時にキャリア及びボルスタと干渉しない位置に収縮し、前記キャリアによってプレス機械の内部に移動されたボルスタに下方から接触してボルスタを支持する位置に伸張できるように構成されている。
【0016】
上記構成では、支持手段は、キャリアの移動時にキャリア及びボルスタと干渉しない位置に収縮し、キャリアによってプレス機械の内部に移動されたボルスタに下方から接触してボルスタを支持する位置に伸張できる。従って、キャリアの移動時に支持手段がキャリア及びボルスタに衝突しないようにできるとともに、プレス加工時にボルスタを支持手段で支持することができるようになる。
【0017】
また、本発明の好ましい実施形態によると、上記プレス機械において、前記ダイクッション装置は、プレス機械の内部に位置する前記ボルスタの下方からボルスタを貫通してボルスタの上方まで延びている複数のクッションピンを有し、前記ボルスタには、前記複数のクッションピンが貫通する複数の貫通孔が形成されており、前記支持手段は、これら貫通孔が形成されていない部分を支持する。
【0018】
上記構成では、支持手段は、貫通孔が形成されていないボルスタの第2部分を支持するので、ボルスタに複数の貫通孔を形成した場合でも、ボルスタを支持してその撓みを防止できる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によると、上記プレス機械において、前記ボルスタの下面には、下方に延びている延長部が設けられており、プレス機械の内部に位置している前記ボルスタの前記延長部は、伸張した前記支持手段に支持される。
【0020】
上記構成では、ボルスタの下面に下方に延びている延長部が設けられて、支持手段はこの延長部を支持する。このため、プレス加工時にボルスタを支持するために、延長部に接触する位置まで支持手段を伸張させればよい。従って、支持手段の伸縮量を小さくすることができる。
【0021】
また、本発明の好ましい実施形態によると、上記プレス機械において、前記延長部は、キャリアがプレス機械の内部と外部との間を移動する時にベッド又はベッドに設けられた構造物と干渉する位置と干渉しない位置との境界の直前まで下方に延びている。
【0022】
上記構成では、延長部は、キャリア移動時にベッド等と干渉する位置と干渉しない位置との境界の直前まで下方に延びている。従って、支持手段を微小量だけ伸縮させることにより、キャリア移動時に支持手段とキャリア又はボルスタとの衝突を回避できるとともに、プレス加工時にボルスタを支持手段により支持できる。
【発明の効果】
【0023】
ボルスタ厚みを増すことなく、大きなプレス加圧によるボルスタの撓みを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態によるプレス機械10の構成図である。図1はプレス加工直前の状態を示しており、図2はプレス加工中の状態を示している。図1に示すように、プレス機械10は、下面に上金型3が取り付けられ昇降駆動されるスライド5と、スライド5の下方に位置し上面に下金型7が取り付けられたボルスタ9と、ボルスタ9を下方から支持するベッド11と、ベッド11の内部に設けられるダイクッション装置12と、を有する。
【0026】
スライド5には、モータ(図示せず)からの駆動力が変換機構(図示せず)を介して伝達される。変換機構は、駆動モータの回転運動を昇降運動に変換するクランクやリンク等を有し、この変換機構にスライド5が連結されている。この機構により、スライド5が昇降駆動される。
【0027】
ベッド11は、上方に開口14a(図2を参照)を有する内部空間14と、この開口14aの周縁に形成された上面11aとを有する。
【0028】
ダイクッション装置12の構成を図2に基づいて説明する。ダイクッション装置12は、ベッド11の内部空間14に設けられる。ダイクッション装置12は、被加工物1のしわ押さえを行うものである。
ダイクッション装置12は、空圧シリンダ12aと、この空圧シリンダ12a内に対する圧縮空気の供給・排出により昇降されるロッド12bと、ロッド12bの上端に結合されているクッションプレート12cと、下端がクッションプレート12cに支持されクッションプレート12cの昇降に従って昇降するクッションピン12d(図1では省略してある)と、を有する。なお、クッションピン12dは、ボルスタ9と下金型7を隙間をもって貫通している。
また、第1実施形態では、このようなダイクッション装置12が複数設けられている。ただし、クッションプレート12cは、これらダイクッション装置12により共有されている。
このような構成により、クッションピン12dは、ボルスタ9に干渉しないようにボルスタ9の上方まで延びて、クッションピン12dの先端に取り付けられた頂板15と上金型3との間に被加工物1の周縁部を挟む。この状態で、ダイクッション装置12が上金型3から荷重を受けながらプレス加工が行われることで、被加工物1のしわ押さえがなされる。
【0029】
さらに、プレス機械10は、図1、図2に示すように、ベッド11の内部空間14に設けられ、開口14aの上方に位置するボルスタ9の第2部分を下方から支持する支持手段16を備える。
【0030】
また、図1に示すように、プレス機械10は、ボルスタ9が載せられ、プレス機械10の内部と外部との間を移動可能であるキャリア17を備える。ボルスタ9は、プレス機械10の内部に位置するキャリア17を介してベッド11の上面11aに支持される。
図3(A)は、図1のIII−III線矢視図であり、図3(B)は、キャリア17を図3(A)の位置からプレス機械10外部へ移動させた状態を示している。即ち、図3(A)はキャリア17がプレス機械10内部におけるプレス加圧支持位置にある状態を示し、図3(B)はキャリア17がプレス機械10外部に位置している状態を示している。キャリア17は、金型交換の際に、ボルスタ9とともに上金型3及び下金型7を載せて、図3(A)の位置と図3(B)の位置との間を水平方向に移動する。なお、キャリア17は、例えば、図1、図3(A)の位置で、ベッド11の上面11aに支持される車輪17aを有する。車輪17aは、例えば、ボルスタ9が取り付けられたキャリア17のフレーム17bに回転可能に取り付けられる。
また、ベッド11の上面11aには、溝11bが形成されている。この溝11bにキャリア17の車輪17aが入り込んで、車輪17aが溝11bに沿って回転移動する。さらに、溝11bには、窪み11cが設けられている。車輪17aがこの窪み11cに入り込むことで、キャリア17が定位置に固定されるとともに、キャリア17のフレーム17bがベッド11の上面11aに接触する。
なお、キャリア17がプレス機械10の内部に位置する場合に、開口14aの上方にキャリア17が存在しないように、キャリア17をボルスタ9の側部又は周縁部に設けることができる。
【0031】
第1実施形態によると、キャリア17がプレス機械10の内部に位置する場合に、開口14aの上方に位置するボルスタ9の第2部分は、ベッド11の内部空間14に設けられた支持手段16により下方から支持されるとともに、ベッド11の上面11aの上方に位置するボルスタ9の第1部分は、キャリア17を介して上面11aにより下方から支持される。これにより、大きなプレス加圧がボルスタ9に作用しても、ボルスタ9が撓むことを防止できる。
【0032】
さらに、第1実施形態では、上述の支持手段16を伸縮可能に構成する。
従来、上記キャリア17を使用した場合に、ボルスタ9及びキャリア17が水平方向に移動するので、ボルスタ9の下方にボルスタ9を支持する部材を設けると、この部材とキャリア17又はボルスタ9とが衝突してしまう。従って、ボルスタ9の中央部分を下方から支持することができなかった。
これに対し、第1実施形態では、上述の支持手段16を伸縮可能に構成したので、上記キャリア17を使用した場合でも、支持手段16とキャリア17及びボルスタ9との衝突を回避しつつ、ボルスタ9の中央部分を下方から支持することができる。
【0033】
第1実施形態によれば、上記支持手段16は、キャリア17の移動時にキャリア17又はボルスタ9と干渉しない位置に収縮し(図1を参照)、キャリア17によってプレス機械10の内部に移動されたボルスタ9に下方から接触してボルスタ9を支持する位置に伸張できる(図2を参照)ように構成されている。
例えば、支持手段16は、空圧シリンダ16aと、この空圧シリンダ16a内部に対して圧縮空気を供給又は排出することで昇降されるロッド16bとから構成される。ロッド16bは、ボルスタ9の下面を支持しやすいように先端部が拡径している。
このように支持手段16を伸縮可能にすることで、キャリア17の移動時に支持手段16がキャリア17又はボルスタ9に衝突しないようにできるとともに、プレス加工時にボルスタ9を支持することができるようになる。
【0034】
次に、支持手段16とダイクッション装置12の位置関係について説明する。
【0035】
第1実施形態によると、ダイクッション装置12は、図2に示すように、ボルスタ9の下方からボルスタ9を貫通してボルスタ9の上方まで延びている複数のクッションピン12dを有する。その一方、ボルスタ9には、複数のクッションピン12dが貫通する複数の貫通孔9aが形成されており、図2に示すように、支持手段16は、これら貫通孔9aが形成されていない部分を支持する。
このように、支持手段16は、貫通孔9aが形成されていないボルスタ9の第2部分を支持するので、ボルスタ9に複数の貫通孔9aを形成した場合でも、ボルスタ9を支持してその撓みを防止できる。
【0036】
なお、複数の貫通孔9aは、金型等の種類に応じて選択的に使用することができ、図2に示すように、使用されない貫通孔9aがあってもよい。また、貫通孔9aの上端部は拡径しており、これにより、クッションピン12dの頂板15を支持する段差を形成している。
【0037】
図1、図2に示すように、支持手段16は、上記開口14aの水平方向中央部の上方に位置するボルスタ9の第2部分の下方に位置している。その一方、複数(図4の例では、4つ)のダイクッション装置12は、支持手段16の周囲(図3(B)を参照)に、それぞれ配置されている。なお、複数のダイクッション装置12を支持手段16の水平方向両側にそれぞれ配置してもよい。
これにより、プレス加圧により下方に最も変位しやすい部分を支持手段16により支持することができるとともに、上金型3からの荷重を複数のダイクッション装置12によりバランスよく受けることができる。
【0038】
なお、図1、図2、図3(B)に示すように、複数のロッド12bの先端が結合されたクッションプレート12cの中央部分に、支持手段16のロッドが貫通する貫通孔21を形成することができる。これにより、支持手段16とダイクッション装置12との干渉を回避できるとともに、複数のダイクッション装置12の各動作位置のずれを抑制できる。
【0039】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態によるプレス機械20について説明する。図4、図5は、第2実施形態によるプレス機械20の構成を示す断面図である。図4はプレス加工直前の状態を示し、図5はプレス加工中の状態を示している。第2実施形態によるプレス機械20は、次の点以外は第1実施形態によるプレス機械10の構成と同じであってよい。
【0040】
第2実施形態によると、ボルスタ9の下面には、下方に延びている延長部23が設けられている。ボルスタ9がプレス加圧支持位置にある時に、支持手段16は、伸張した状態でボルスタ9の延長部23を支持する。
【0041】
上記構成では、ボルスタ9の下面に下方に延びている延長部23が設けられて、支持手段16はこの延長部23を支持する。このため、プレス加工時にボルスタ9を支持するために、延長部23に接触する位置まで支持手段16を伸張させればよい。従って、支持手段16の伸縮量を小さくすることができる。
特に、延長部23は、キャリア17がプレス機械20の内部と外部との間を移動する時にベッド11又はベッドに設けられた構造物と干渉する位置と干渉しない位置との境界の直前まで下方に延びているようにすることができる。この場合には、支持手段16を微小量(例えば、2mm)だけ伸縮させることにより、キャリア移動時に支持手段16とキャリア17又はボルスタ9との衝突を回避できる共に、プレス加工時にボルスタ9を支持手段16により支持できる。
【0042】
[他の実施形態]
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【0043】
例えば、上述の実施形態では、支持手段16及びダイクッッション装置12を、空圧シリンダにより構成しているが、他の適切なもので構成してもよい。例えば、支持手段16及びダイクッッション装置12を油圧シリンダなどの液圧シリンダにより構成してもよい。また、支持手段16及びダイクッッション装置12を、サーボモータとこのモータの回転運動を昇降運動に変換する機構(ラック、ピニオンなど)とにより構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態によるプレス機械の構成を示す断面図であり、プレス加工直前の状態を示している。
【図2】本発明の第1実施形態によるプレス機械の構成を示す断面図であり、プレス加工中の状態を示している。
【図3】図3(A)は図1のIII−III線矢視図であり、図3(B)は、キャリアをプレス機械外部の位置へ移動させた状態を示している。
【図4】本発明の第2実施形態によるプレス機械の構成を示す断面図であり、プレス加工直前の状態を示している。
【図5】本発明の第2実施形態によるプレス機械の構成を示す断面図であり、プレス加工中の状態を示している。
【図6】特許文献1に記載されているダイクッション装置を有するプレス機械の構成を示している。
【図7】大きなプレス加圧により生じるボルスタの撓みを示している。
【符号の説明】
【0045】
1 被加工物、3 上金型、5 スライド、7 下金型
9 ボルスタ、9a ボルスタの貫通孔、10 プレス機械
11 ベッド、11a ベッドの上面、 11b 溝、 11c 窪み
12 ダイクッション装置、12a 空圧シリンダ、12b ロッド
12c クッションプレート、12d クッションピン、14 内部空間
14a 内部空間の開口、15 頂板、16 支持手段
16a 空圧シリンダ、16b ロッド、17 キャリア
20 プレス機械、21 クッションプレートの貫通孔、23 延長部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面に上金型が取り付けられ昇降駆動されるスライドと、該スライドの下方に位置し上面に下金型が取り付けられたボルスタと、を備え、前記上金型と前記下金型との間に被加工物を挟んでプレス加工を行うプレス機械であって、
前記ボルスタを載せ、プレス機械の内部と外部との間を移動可能であるキャリアと、
プレス機械の内部に位置する前記キャリアを下方から支持するベッドと、
該ベッドの内部空間に設けられ、プレス機械の内部に位置するボルスタに干渉しないようにボルスタの上方まで延びて被加工物を上金型との間で挟み、この状態で上金型から荷重を受けるダイクッション装置と、をさらに備え、
前記ベッドは、上方に開口を持つ前記内部空間と、この開口の周縁に形成された上面と、を有するとともに、該上面により前記キャリアを支持するようになっており、
前記キャリアがプレス機械の内部に位置する場合に、ベッドの前記上面の上方に位置するボルスタの第1部分は、前記キャリアを介して前記上面により下方から支持されるとともに、前記開口の上方に位置するボルスタの第2部分は、前記ベッドの内部空間に設けられた支持手段により下方から支持される、ことを特徴とするプレス機械。
【請求項2】
前記支持手段は、前記開口の中央部の上方にあるボルスタの第2部分の下方に位置しており、
前記ダイクッション装置は複数設けられているとともに、これら複数のダイクッション装置は、前記支持手段の水平方向両側に、又は、前記支持手段の周囲に、それぞれ配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のプレス機械。
【請求項3】
前記支持手段は、前記キャリアの移動時にキャリア及びボルスタと干渉しない位置に収縮し、前記キャリアによってプレス機械の内部に移動されたボルスタに下方から接触してボルスタを支持する位置に伸張できるように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のプレス機械。
【請求項4】
前記ダイクッション装置は、プレス機械の内部に位置する前記ボルスタの下方からボルスタを貫通してボルスタの上方まで延びている複数のクッションピンを有し、
前記ボルスタには、前記複数のクッションピンが貫通する複数の貫通孔が形成されており、前記支持手段は、これら貫通孔が形成されていない部分を支持する、ことを特徴とする請求項1に記載のプレス機械。
【請求項5】
前記ボルスタの下面には、下方に延びている延長部が設けられており、
プレス機械の内部に位置している前記ボルスタの前記延長部は、伸張した前記支持手段に支持される、ことを特徴とする請求項3に記載のプレス機械。
【請求項6】
前記延長部は、キャリアがプレス機械の内部と外部との間を移動する時にベッド又はベッドに設けられた構造物と干渉する位置と干渉しない位置との境界の直前まで下方に延びていることを特徴とする請求項5に記載のプレス機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−142753(P2008−142753A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334272(P2006−334272)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】