プログラム
【課題】本発明は、複数の通信機能を備えるとともに、ユーザが通信を行う際、複数の通信種別の履歴を1つの履歴によって検索して、検索結果に基づいて通信相手を設定できるようにすることで、ユーザにとって使い勝手が良く、ユーザが効率的に通信操作を行うことができる通信機器を提供する。
【解決手段】通信処理の種別と通信相手情報とを含む通信履歴情報を記憶する記憶手段を有する通信機器により実行されるプログラムであって、通信機器に、複数の通信履歴を表示し、表示された通信履歴から一の通信履歴が選択された場合通信履歴情報から該一の通信履歴の通信相手情報に関連する通信履歴を取得して表示する処理を実行させることを特徴とする。
【解決手段】通信処理の種別と通信相手情報とを含む通信履歴情報を記憶する記憶手段を有する通信機器により実行されるプログラムであって、通信機器に、複数の通信履歴を表示し、表示された通信履歴から一の通信履歴が選択された場合通信履歴情報から該一の通信履歴の通信相手情報に関連する通信履歴を取得して表示する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信機能を備え、通信の際、各々の通信機能に対して、共通のインタフェースで通信相手を選択できる機能を備えた通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の通信機器が一般家庭に普及して、ユーザ同士が頻繁に電話を掛け合うようになってきた。そのため、一般的な通信機器はリダイヤル機能を備えている。リダイヤル機能とは、最近発呼した通信相手を所定件数だけ記憶しておき、ユーザに対してそれらの通信相手を並べて表示することで、ユーザが電話をかける際に、ユーザが過去に発呼したことのある相手(即ち良く使う相手)を簡単に電話相手に選択できる機能である。
さらに、特定の相手を、この後それ以外の相手により多く発呼してもリダイヤルメモリから消えないように設定することにより、利便性を向上させた通信端末装置が提案されている(特許文献1参照)。これは、通話履歴に係わる相手先情報をメモリ領域に記憶するとともに、この通話履歴に係わる相手先情報のうちの使用頻度の高い相手先情報を消去不可に設定し、このメモリ領域に記憶した相手先情報を表示部に表示して発呼するものである。
【特許文献1】WO99/22505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の通信機器において、ユーザが過去に電話した相手に再び電話したい場合には、キー操作でリダイヤルを選んでリダイヤルメモリにある相手を選択していたが、ユーザがメールしたい場合には、別のキー操作(たとえばメニュー選択等)によって最新の受信メールあるいは送信メールを検索して、そのメールに対する返信あるいは編集を行う必要があった。これはユーザの操作を複雑にし、特に高齢者等の電子機器の細かい操作に慣れていない者にとっては非常に扱いにくかった。
【0004】
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、複数の通信機能を備えるとともに、ユーザが通信を行う際、複数の通信種別の履歴を1つの履歴によって検索して、検索結果に基づいて通信相手を設定できるようにすることで、ユーザにとって使い勝手が良く、ユーザが効率的に通信操作を行うことができる通信機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るプログラムは、通信処理の種別と通信相手情報とを含む通信履歴情報を記憶する記憶手段を有する通信機器により実行されるプログラムであって、前記通信機器に、複数の通信履歴を表示し、表示された前記通信履歴から一の通信履歴が選択された場合、前記通信履歴情報から該一の通信履歴の通信相手情報に関連する通信履歴を取得して表示する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る通信機器によると、複数の通信機能を備えるとともに、ユーザが通信を行う際、複数の通信種別の履歴を1つの履歴によって検索して、検索結果に基づいて通信相手を設定できるようにすることで、ユーザにとって使い勝手が良く、ユーザが効率的に通信操作を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(A)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)の開いた状態を示す正面図、(B)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)の開いた状態を示す側面図。
【図2】(A)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)の閉じた状態を示す正面図、(B)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)の閉じた状態を示す側面図。
【図3】本発明に係る通信機器(携帯電話機)の機能ブロック図。
【図4】(A)は、発呼履歴情報の一例を示すデータ構成図、(B)は、着呼履歴情報の一例を示すデータ構成図。
【図5】(A)は、メール送信履歴情報の一例を示すデータ構成図、(B)は、メール受信履歴情報の一例を示すデータ構成図。
【図6】リコンタクト情報の一例を示すデータ構成図。
【図7】本発明に係る通信機器(携帯電話機)が発着信履歴管理処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図8】(A)乃至(C)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)が発着信履歴管理処理を行う際の表示画面の一例を示す画面図。
【図9】本発明に係る通信機器(携帯電話機)が発着信履歴管理処理を行った際のリコンタクト情報の一例を示すデータ構成図。
【図10】本発明に係る通信機器(携帯電話機)が発着信履歴管理処理を行った際の発呼履歴情報の一例を示すデータ構成図。
【図11】(A)乃至(C)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)がリコンタクト情報を提示する際の表示画面の一例を示す画面図。
【図12】(A)乃至(C)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)がリコンタクト情報を提示する際の表示画面の一例を示す画面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る通信機器の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る通信機器として、複数の筐体が開閉自在に結合されてなるクラムシェル型の携帯電話機1を例にあげて説明する。図1(A)は、携帯電話機1の開いた状態を示す正面図、図1(B)は、携帯電話機1の開いた状態を示す側面図である。また、図2(A)は、携帯電話機1の閉じた状態を示す背面図、図2(B)は、携帯電話機1の閉じた状態を示す側面図である。
【0009】
携帯電話機1は、図1及び図2に示すように、主に、矩形の板状の上筐体10と、この上筐体10とほぼ同形状をした下筐体11とにより構成されていて、これらの上筐体10及び下筐体11は、閉じた状態において相互に一面を覆うように積層されている。上筐体10及び下筐体11は、ヒンジ部12を挟むようにヒンジ結合されていて、上筐体10は下筐体11に対して、ヒンジ部12を軸にして、図1及び図2のX方向に所定角度だけ回転自在なように形成されている。携帯電話機1は、上筐体10を下筐体11に対して回転させることにより、閉じた状態から開いた状態に、あるいは開いた状態から閉じた状態に変形する。
【0010】
上筐体10の内面(下筐体11に対面する側の面)には、文字や画像等を含んだ表示情報を表示するためのディスプレイ13、通話相手から受信した音声を出力するためのスピーカ14が設けられている。これらのディスプレイ13やスピーカ14は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、下筐体11により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対して回転させて開いた状態に変形させたときには、外部に露出される。
【0011】
下筐体11の内面(上筐体10に対面する側の面)には、例えば電源のON/OFFを切り替えるための電源キーや発呼処理を行うための発呼キー、数字や文字を入力するためのテンキー、メール機能を起動するためのメールキーやWeb機能を起動するためのWebキー等のショートカットキー等からなる操作キー15が設けられている。また下筐体11には、音声を集音するためのマイクロフォン16が設けられている。これらの操作キー15やマイクロフォン16は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、上筐体10により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対して回転させて開いた状態に変形させたときには、外部に露出される。
【0012】
次に、携帯電話機1の機能について、図3に示す機能ブロック図を用いて説明する。携帯電話機1は、図3に示すように、主制御部20、電源回路部21、操作入力制御部22、表示制御部23、音声制御部24、通信制御部25、及び記憶部26がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0013】
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、後述する発着信履歴管理処理、その他の様々な演算処理や制御処理等を行う。電源回路部21は、例えば電源キーに対する入力インタフェースを備え、ユーザにより電源キーが押されたことを検知すると、その旨を示す信号を生成して主制御部20に伝送する。また、電源回路部21は、電源供給源(バッテリ等)を備え、電源キーを介した入力に基づいて携帯電話機1の電源のON/OFF状態を切り替え、電源がON状態の場合に電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。
【0014】
操作入力制御部22は操作キー15に対する入力インタフェースを備え、操作キー15のいずれかが押されたことを検知すると、押された操作キー15を示す信号を生成して主制御部20に伝送する。表示制御部23はディスプレイ13に対する表示インタフェースを備え、主制御部20の制御に基づいて、文書データや画像データ等をディスプレイ13に表示する。
【0015】
音声制御部24は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部24は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部20の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ14から音声として出力する。
【0016】
通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、基地局からアンテナ25aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、音声制御部24に伝送されてスピーカ14から出力されたり、表示制御部23に伝送されてディスプレイ13に表示されたり、または記憶部26に記録されたりする。また通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声データや操作キー16を介して入力されたデータや記憶部26に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ25aを介して送信する。
【0017】
記憶部26は、主制御部20が行う処理について、処理プログラムや処理に必要なデータ等を格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク、不揮発性メモリ、データベース、主制御部20が処理を行う際に使用されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等から構成される。記憶部26は、ユーザが音声通話やメール送受信を簡単に行えるように、通信相手が羅列されたアドレス帳を記憶している。また、主制御部20が後述する発着信履歴管理処理を行う際の処理プログラムは、例えばROMに記憶されているものとする。
【0018】
また記憶部26は、携帯電話機1から発信された音声通話の発呼に関する履歴を示す発呼履歴情報30、携帯電話機1が受信した音声通話の着呼に関する履歴を示す着呼履歴情報31、携帯電話機1におけるメールの送信に関する履歴を示すメール送信履歴情報32、携帯電話機1におけるメールの受信に関する履歴を示すメール受信情報33、及び、電話の発着信やメールの送受信等の連絡に関する履歴を連絡先毎に示すリコンタクト情報34を記憶している。
【0019】
発呼履歴情報30は、携帯電話機1での電話の発信に関する履歴を示す情報であり、発呼履歴情報30として図4(A)に示すように、発呼を行った日時の順位を示す順位情報30aと、発呼を行った日時を示す日時情報30bと、発呼を行った連絡先の識別子を示す連絡先ID情報30cと、発呼を行った連絡先の名称を示す連絡先情報30dとがそれぞれ対応付けられた情報である。なお、順位情報30aは、最近発呼を行ったもの、すなわち現在日時に近いものから順に高順位(1位〜)で示されている。
【0020】
例えば図4(A)に示す発呼履歴情報30によると、「1位」の順位情報30aに対して、「2008年1月31日1時1分10秒」の日時情報30b、「11」の連絡先ID情報30c、「Aさん」の連絡先情報30dが、「2位」の順位情報30aに対して、「2008年1月27日1時1分10秒」の日時情報30b、「12」の連絡先ID情報30c、「Bさん」の連絡先情報30dがそれぞれ対応付けられている。
【0021】
着呼履歴情報31は、携帯電話機1での電話の着信に関する履歴を示す情報であり、着呼履歴情報31として図4(B)に示すように、着呼を行った日時の順位を示す順位情報31aと、着呼を行った日時を示す日時情報31bと、着呼を行った連絡先の識別子を示す連絡先ID情報31cと、着呼を行った連絡先の名称を示す連絡先情報31dとがそれぞれ対応付けられた情報である。なお、順位情報31aは、最近着呼を行ったもの、すなわち現在日時に近いものから順に高順位(1位〜)で示されている。
【0022】
例えば図4(B)に示す着呼履歴情報31によると、「1位」の順位情報31aに対して、「2008年1月289日1時1分10秒」の日時情報31b、「−−」の連絡先ID情報31c(アドレス帳に登録されていないため、連絡先IDが付されていない)、「090−xxxx−xxxx」の連絡先情報31dが、「2位」の順位情報31aに対して、「2008年1月25日1時1分10秒」の日時情報31b、「13」の連絡先ID情報31c、「Cさん」の連絡先情報31dがそれぞれ対応付けられている。
【0023】
メール送信履歴情報32は、携帯電話機1でのメール送信に関する履歴を示す情報であり、メール送信履歴情報32として図5(A)に示すように、メール送信を行った日時の順位を示す順位情報32aと、メール送信を行った日時を示す日時情報32bと、メール送信を行った連絡先の識別子を示す連絡先ID情報32cと、メール送信を行った連絡先の名称を示す連絡先情報32dとがそれぞれ対応付けられた情報である。なお、順位情報32aは、最近メール送信を行ったもの、すなわち現在日時に近いものから順に高順位(1位〜)で示されている。
【0024】
例えば図5(A)に示すメール送信履歴情報32によると、「1位」の順位情報32aに対して、「2008年1月30日1時1分10秒」の日時情報32b、「15」の連絡先ID情報32c、「Eさん」の連絡先情報32dが、「2位」の順位情報32aに対して、「2008年1月23日1時1分10秒」の日時情報32b、「16」の連絡先ID情報32c、「Fさん」の連絡先情報32dがそれぞれ対応付けられている。また、「3位」の順位情報32aに対して、「2008年1月22日1時1分10秒」の日時情報32b、「03−××××−××××」の連絡先情報32dがそれぞれ対応付けられている。なお、この3位の順位情報32aに対しては、アドレス帳に登録されていないため、連絡先IDが付されておらず、連絡先情報32dには送信先の電話番号又は送信先のメールアドレスが登録される。
【0025】
メール受信履歴情報33は、携帯電話機1でのメール受信に関する履歴を示す情報であり、メール受信履歴情報33として図5(B)に示すように、メール受信を行った日時の順位を示す順位情報33aと、メール受信を行った日時を示す日時情報33bと、メール受信を行った連絡先の識別子を示す連絡先ID情報33cと、メール受信を行った連絡先の名称を示す連絡先情報33dとがそれぞれ対応付けられた情報である。なお、順位情報33aは、最近メール受信を行ったもの、すなわち現在日時に近いものから順に高順位(1位〜)で示されている。
【0026】
例えば図5(B)に示すメール受信履歴情報33によると、「1位」の順位情報33aに対して、「2008年1月28日1時1分10秒」の日時情報33b、「11」の連絡先ID情報33c、「Aさん」の連絡先情報33dが、「2位」の順位情報33aに対して、「2008年1月21日1時1分10秒」の日時情報33b、「12」の連絡先ID情報33c、「Bさん」の連絡先情報33dがそれぞれ対応付けられている。また、「3位」の順位情報33aに対して、「2008年1月20日1時1分10秒」の日時情報33b、「090−××××−××××」の連絡先情報33dがそれぞれ対応付けられている。なお、この3位の順位情報33aに対しては、アドレス帳に登録されていないため、連絡先IDが付されておらず、連絡先情報33dには送信元の電話番号又は送信元のメールアドレスが登録される。
【0027】
リコンタクト情報34は、連絡先毎に、携帯電話機1での電話の発着信、メールの送受信に関する履歴を示す情報であり、複数の履歴がまとまっているものが記憶されている。例えば、発呼履歴情報30、着呼履歴情報31、メール送信履歴情報32及びメール受信履歴情報33に記憶された情報が纏めて記憶されている。リコンタクト情報34として図6に示すように、電話の発呼、電話の着呼、メール送信、メール受信のいずれかの連絡を行った日時の順位を示す順位情報34aと、連絡を行った日時を示す日時情報34bと、連絡を行った連絡先の識別子を示す連絡先ID情報34cと、連絡を行った連絡先の名称を示す連絡先情報34dとがそれぞれ対応付けられた情報である。なお、順位情報34aは、最近連絡を行ったもの、すなわち現在日時に近いものから順に高順位(1位〜)で示されている。
【0028】
例えば図6に示すリコンタクト情報34によると、「1位」の順位情報34aに対して、「発呼」の種類情報34b、「2008年1月31日1時1分10秒」の日時情報34c、「11」の連絡先ID情報34d、「Aさん」の連絡先情報34eが、「2位」の順位情報34aに対して、「メール送信」の種類情報34b、「2008年1月30日1時1分10秒」の日時情報34c、「15」の連絡先ID情報34d、「Eさん」の連絡先情報34eがそれぞれ対応付けられている。
【0029】
このようにリコンタクト情報34は、複数の通信機能(例えば音声通話機能、メール機能等)を備えた携帯電話機1において通信を行う際、各々の連絡先に対して、複数の通信処理(電話の発呼、電話の着呼、メール送信、メール受信)の履歴のうち、最も最近行われた履歴のみを記憶している。ユーザは、携帯電話機1を用いて通信を行う際に、その連絡先がいずれかの通信機能で頻繁に連絡をとる相手であった場合には、このリコンタクト情報34の中から連絡先を選択することで、通話であってもメールであっても、即座に連絡先を入力することができる。
【0030】
携帯電話機1は、ユーザが携帯電話機1を用いて過去に連絡をとったことのある連絡先に対して連絡をとろうとしたときに、ユーザの指示に従い、これらの発呼履歴情報30、着呼履歴情報31、メール送信履歴情報32、及びメール受信履歴情報33、またはリコンタクト情報34に基づいて、最近連絡をとった連絡先をユーザに対して提示して、連絡先の選択を促す発着信履歴管理処理を行う。
【0031】
ユーザが携帯電話機1を用いて所定の相手に電話の発呼やメール送信等の連絡をとろうとした際に、携帯電話機1がこの発着信履歴管理処理を行う際の手順について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。以下、例えば「ステップS101」を「S101」のように、「ステップ」の語句を省略して説明する。
【0032】
一般に、ユーザは、携帯電話機1を用いて電話の発呼やメール送信を行うときに、携帯電話機1に対して、過去に連絡をとったことのある連絡先、あるいはアドレス帳に登録されている連絡先を提示するように指示を出す。よって主制御部20は、ユーザにより発呼やメール送信が指示されたか否かを判断する(S101)。この際、主制御部20は、例えば所定の操作キー15が押下されたことに基づいて、発呼やメール送信が指示されたものと判断する。発呼やメール送信が指示されていない場合(S101のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。
【0033】
発呼やメール送信が指示された場合(S101のYes)は、主制御部20は、この指示が、リコンタクト情報34の要求の指示であるか否かを判断する(S103)。ユーザは、頻繁に連絡する相手に対して連絡をとろうとする際に、リコンタクト情報34の提示を要求するからである。この際、主制御部20は、予め定められた所定の操作キー15が押下されたことに基づいて、リコンタクト情報34の要求の指示であるものと判断する。
【0034】
リコンタクト情報34の要求が指示された場合(S103のYes)は、主制御部20は、記憶部26からリコンタクト情報34を取得する(S105)。そして主制御部20は、ステップS105にて取得したリコンタクト情報34を、ディスプレイ13に表示する等により、ユーザに対して提示する(S107)。主制御部20は、例えば図8(A)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40に、リコンタクト情報34に示されている連絡先を順位の高い順に表示する。そしてユーザは、この提示されたリコンタクト情報34に基づいて、操作キー15を用いて連絡先を選択する。
【0035】
主制御部20はリコンタクト情報34を表示する際、図8(A)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40は、各々の通信履歴に対して、発着呼の日時、メール送受信の日時、インターネットアクセスの日時等を表示するための日時表示欄40a、発呼、着呼、メール送信、メール受信等の通信種別を識別するための情報を表示するための通信種別表示欄40b、メール送受信の際のメールのタイトル、インターネットアクセス時のWebページのタイトル等を表示するためのタイトル表示欄40c、発呼時の発呼先、着呼時の発呼元、メール送信時の送信先、メール受信時の送信元等を表示するための通信相手表示欄40d、電話、メール、インターネットアクセス等の通信方法を識別するための情報を表示するための通信方法表示欄40e、リコンタクト情報34内に同一の通信相手が複数記述されているか否かを示す情報を表示するための重複表示欄40fを備えている。通信方法表示欄40eにおける表示の一例では、「T」は電話の発呼や着呼、「M」はメールの送受信、「IN」はインターネットアクセスを示す。また、重複表示欄40fにおける表示の一例では、「○」は電話及びメールの双方の履歴がリコンタクト内に存在することを示す。
【0036】
なお、リコンタクト情報34に複数の通信相手が記載されている場合は、表示画面40には最新の履歴のみが表示される。例えば、「2008年1月31日」にAさんへの発呼がされ、「2008年1月28日」にAさんからのメールが受信された場合、最新である発呼の履歴のみが表示画面40に表示される。または、最新の履歴に限定されず、同一の通信相手に対する複数の通信履歴が表示画面40に表示されるようにしても良い。
【0037】
主制御部20は、ステップS107にて提示したリコンタクト情報34から、電話の発呼先やメール送信先等の連絡先が選択されたか否かを判断する(S109)。連絡先が選択されていない場合(S109のNo)は、主制御部20は連絡先が選択されるまで待機する。連絡先が選択された場合(S109のYes)は、主制御部20は、選択された連絡先に対して、電話の発呼処理やメールの送信処理を行う(S111)。
【0038】
主制御部20は、リコンタクト情報34に基づいて発呼処理や送信処理を行った後、この発呼処理や送信処理に関する情報を、順位を1位にして記憶部26に記憶する(S113)。このとき主制御部20は、リコンタクト情報34において、ステップS111における発呼処理または送信処理に関する情報の順位を1位にして記憶するとともに、発呼履歴情報30やメール送信履歴情報32においても、ステップS111における発呼処理または送信処理に関する情報を順位を1位にして記憶する。
【0039】
例えばステップS111にて連絡先ID20の「Xさん」に2008年2月1日1時1分10秒に電話の発呼処理を行った場合は、図9に示すように、リコンタクト情報34において、「1位」の順位情報34aに対して、「発呼」の種類情報34b、「2008年2月1日1時1分10秒」の日時情報34c、「20」の連絡先ID情報34d、及び「Xさん」の連絡先情報34eがそれぞれ対応付けられる。そして、元々リコンタクト情報34に記憶されていた情報は、それぞれ順位が1つ繰り下げられて記憶される。
【0040】
また同様に、例えばステップS111にて連絡先ID20の「Xさん」に2008年2月1日1時1分10秒に電話の発呼処理を行った場合は、図10に示すように、発呼履歴情報30において、「1位」の順位情報30aに対して、「2008年2月1日1時1分10秒」の日時情報30b、「20」の連絡先ID情報30c、及び「Xさん」の連絡先情報30dがそれぞれ対応付けられる。そして、元々発呼履歴情報30に記憶されていた情報は、それぞれ順位が1つ繰り下げられて記憶される。
【0041】
リコンタクト情報34の要求が指示されていない場合(S103のNo)は、主制御部20は、履歴情報の要求が指示されたか否かを判断する(S115)。履歴情報の要求が指示された場合(S115のYes)は、主制御部20は、記憶部26から履歴情報を取得する(S117)。このときの履歴情報は、例えば発呼履歴情報30や着呼履歴情報31、メール送信履歴情報32、メール受信履歴情報33等であり、ユーザにより操作キー15を介して任意に選択されると良い。
【0042】
主制御部20は、ステップS117にて取得した履歴情報を、例えばディスプレイ13に表示する等して、ユーザに対して提示する(S119)。発呼履歴情報30を提示する場合には、例えば図8(B)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40に、発呼履歴情報30に示されている連絡先が順位の高い順に表示される。また、メール送信履歴情報32を提示する場合には、例えば図8(C)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40に、メール送信履歴情報32に示されている連絡先が順位の高い順に表示される。ユーザは、この提示された履歴情報に基づいて、操作キー15を用いて連絡先を選択する。
【0043】
主制御部20は、ステップS119にて提示した履歴情報から、連絡先が選択されたか否かを判断する(S121)。連絡先が選択されていない場合(S121のNo)は、主制御部20は連絡先が選択されるまで待機する。連絡先が選択された場合(S121のYes)は、主制御部20は、ステップS121にて選択された連絡先に対して、電話の発呼処理やメールの送信処理を行う(S111)。
【0044】
主制御部20は、履歴情報に基づいて発呼処理や送信処理を行った後、この発呼処理や送信処理に関する情報を、順位を1位にして記憶部26に記憶する(S113)。このとき主制御部20は、発呼履歴情報30やメール送信履歴情報32においても、この発呼処理または送信処理に関する情報を順位を1位にして記憶する。
【0045】
例えばステップS111にて連絡先ID20の「Xさん」に2008年2月1日1時1分10秒に電話の発呼処理を行った場合は、図9に示すように、リコンタクト情報34において、「1位」の順位情報34aに対して、「発呼」の種類情報34b、「2008年2月1日1時1分10秒」の日時情報34c、「20」の連絡先ID情報34d、及び「Xさん」の連絡先情報34eがそれぞれ対応付けられる。そして、元々リコンタクト情報34に記憶されていた情報は、それぞれ順位が1つ繰り下げられて記憶される。
【0046】
また同様に、例えばステップS111にて連絡先ID20の「Xさん」に2008年2月1日1時1分10 秒に電話の発呼処理を行った場合は、図10に示すように、発呼履歴情報30において、「1位」の順位情報30aに対して、「2008年2月1日1時1分10秒」の日時情報30b、「20」の連絡先ID情報30c、及び「Xさん」の連絡先情報30dがそれぞれ対応付けられる。そして、元々発呼履歴情報30に記憶されていた情報は、それぞれ順位が1つ繰り下げられて記憶される。
【0047】
履歴情報の要求が指示されていない場合(S115のNo)は、ユーザがアドレス帳から連絡先を選択したり、連絡先の電話番号やメールアドレスを直接入力したりすることにより、連絡先を入力する。よって、主制御部20は、電話の発呼先やメール送信先が入力されたか否かを判断する(S123)。連絡先が入力されていない場合(S123のNo)は、主制御部20は連絡先が入力されるまで待機する。
【0048】
連絡先が入力された場合(S123のYes)は、主制御部20は、ステップS123にて入力された連絡先に基づいて、電話の発呼処理やメールの送信処理を行う(S111)。
【0049】
主制御部20は、入力された情報に基づいて発呼処理や送信処理を行った後、この発呼処理や送信処理に関する情報を、順位を1位にして記憶部26に記憶する(S113)。このとき主制御部20は、発呼履歴情報30やメール送信履歴情報32においても、この発呼処理または送信処理に関する情報を順位を1位にして記憶する。
【0050】
このように携帯電話機1は、ユーザが所定の通信相手に対して発呼やメール送信しようとした際、通話機能やメール機能等の複数の通信機能において過去に連絡をとった連絡先を総合的に検索する機能(リコンタクト機能)を起動したことに基づいて、最近連絡をとった連絡先をユーザに対して提示して、ユーザに連絡先の選択を促す。ユーザは、提示された連絡先のうちのいずれかを選択することで、電話であれ、メールであれ、より少ないキー操作やスクロールで連絡先を簡単に入力することができる。
【0051】
なお、携帯電話機1は、例えば図11(A)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40にリコンタクト情報34を表示した状態で、ユーザにより操作キー15を介して任意の連絡先が選択された場合、発呼履歴情報30やメール送信履歴情報32頭の履歴情報からAさんに関する情報を取得して、図11(B)に示すように、Aさんに関する発呼や着呼、メール送信やメール受信等の連絡の履歴を時系列で新しい順に表示する。このとき、図11(C)に示すように、電話の発呼や着呼とメールの送受信とを分けて表示するようにしても良い。
【0052】
また、携帯電話機1において、記憶部26がWebサイト等に対するインターネットを介した接続履歴を記憶していて、ユーザの指示に応じて、図12(A)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40にインターネットの接続履歴が表示されるようにしても良い。あるいは図12(B)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40にリコンタクト情報34を表示されるのと同時にこの接続履歴が表示されるようにしても良い。なお、図中の「IN」はインターネットへの接続を示す。これにより、ユーザは前回接続したWebサイトに即座にアクセスすることができる。
【0053】
さらに、携帯電話機1においてリコンタクト情報34を表示する際に、ユーザの指示に応じて、図12(C)に示すように、リコンタクト情報34に含まれる履歴のうちの発呼に関する履歴のみが表示されるようにしても良い。このときに表示される履歴は、発呼に関する履歴に限定されず、着呼に関する履歴、メール送信に関する履歴、メール受信に関する履歴でも良い。
【0054】
その上、実施形態として、発呼や着呼やメール送受信等の履歴を時系列で提示する例に着いて説明したが、これに限定されず、連絡の頻度順、連絡先の優先度順等、任意の条件に基づいて提示順を決定しても良い。また、ユーザが自ら提示順を決定する条件を設定できるようにしても良い。また、携帯電話機1が発呼や着呼やメール送受信等の履歴を提示する際、連絡先の優先度に基づいて、文字の大きさや色等を設定するようにしても良い。
【0055】
そして、ディスプレイ13の表示画面40におけるフォーマットや表示内容は、上述したものに限定されず、例えば、日付に加えて時刻を合わせて表示しても良い。また、リコンタクト機能のメニュー設定で、ユーザが、どの通信の組み合わせの表示(例えば、メールとインターネットのみにする等)を行うか、選択できるようにしても良い。あるいは、一つの画面上に複数の通信機能の履歴を表示する際、これらを混ぜて表示するのではなく、下スクロールで電話に関する履歴、上スクロールでメールとインターネットに関する履歴を表示する等、任意に変形して表示するようにしても良い。さらには、通信機能も音声通話機能とメール機能とに限定されるものではなく、ブルートゥースなどの近距離通信機能、ワイアレスランなどの通信機能も対象に含めることができる。
【0056】
本発明に係る通信機器によると、複数の通信機能(通話機能、メール機能等)を備えるとともに、ユーザが通信を行う際、複数の通信種別の履歴を1つの履歴によって検索して、検索結果に基づいて通信相手を設定できるようにすることで、ユーザにとって使い勝手が良く、ユーザが効率的に通信操作を行うことが可能となる。
【0057】
本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯音楽プレイヤー、携帯ビデオカメラ、携帯ゲーム機等、複数の通信機能を備えている通信機器であれば、任意の通信機器であっても良い。
【符号の説明】
【0058】
1…携帯電話機,10…上筐体,11…下筐体,12…ヒンジ部,13…ディスプレイ,14…スピーカ,15…操作キー,16…マイクロフォン,20…主制御部,21…電源回路部,22…操作入力制御部,23…表示制御部,24…音声制御部,25…通信制御部,25a…アンテナ,26…記憶部,30…発呼履歴情報,31…着呼履歴情報,32…メール送信履歴情報,33…メール受信履歴情報,34…リコンタクト情報,40…表示画面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信機能を備え、通信の際、各々の通信機能に対して、共通のインタフェースで通信相手を選択できる機能を備えた通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の通信機器が一般家庭に普及して、ユーザ同士が頻繁に電話を掛け合うようになってきた。そのため、一般的な通信機器はリダイヤル機能を備えている。リダイヤル機能とは、最近発呼した通信相手を所定件数だけ記憶しておき、ユーザに対してそれらの通信相手を並べて表示することで、ユーザが電話をかける際に、ユーザが過去に発呼したことのある相手(即ち良く使う相手)を簡単に電話相手に選択できる機能である。
さらに、特定の相手を、この後それ以外の相手により多く発呼してもリダイヤルメモリから消えないように設定することにより、利便性を向上させた通信端末装置が提案されている(特許文献1参照)。これは、通話履歴に係わる相手先情報をメモリ領域に記憶するとともに、この通話履歴に係わる相手先情報のうちの使用頻度の高い相手先情報を消去不可に設定し、このメモリ領域に記憶した相手先情報を表示部に表示して発呼するものである。
【特許文献1】WO99/22505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の通信機器において、ユーザが過去に電話した相手に再び電話したい場合には、キー操作でリダイヤルを選んでリダイヤルメモリにある相手を選択していたが、ユーザがメールしたい場合には、別のキー操作(たとえばメニュー選択等)によって最新の受信メールあるいは送信メールを検索して、そのメールに対する返信あるいは編集を行う必要があった。これはユーザの操作を複雑にし、特に高齢者等の電子機器の細かい操作に慣れていない者にとっては非常に扱いにくかった。
【0004】
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、複数の通信機能を備えるとともに、ユーザが通信を行う際、複数の通信種別の履歴を1つの履歴によって検索して、検索結果に基づいて通信相手を設定できるようにすることで、ユーザにとって使い勝手が良く、ユーザが効率的に通信操作を行うことができる通信機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るプログラムは、通信処理の種別と通信相手情報とを含む通信履歴情報を記憶する記憶手段を有する通信機器により実行されるプログラムであって、前記通信機器に、複数の通信履歴を表示し、表示された前記通信履歴から一の通信履歴が選択された場合、前記通信履歴情報から該一の通信履歴の通信相手情報に関連する通信履歴を取得して表示する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る通信機器によると、複数の通信機能を備えるとともに、ユーザが通信を行う際、複数の通信種別の履歴を1つの履歴によって検索して、検索結果に基づいて通信相手を設定できるようにすることで、ユーザにとって使い勝手が良く、ユーザが効率的に通信操作を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(A)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)の開いた状態を示す正面図、(B)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)の開いた状態を示す側面図。
【図2】(A)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)の閉じた状態を示す正面図、(B)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)の閉じた状態を示す側面図。
【図3】本発明に係る通信機器(携帯電話機)の機能ブロック図。
【図4】(A)は、発呼履歴情報の一例を示すデータ構成図、(B)は、着呼履歴情報の一例を示すデータ構成図。
【図5】(A)は、メール送信履歴情報の一例を示すデータ構成図、(B)は、メール受信履歴情報の一例を示すデータ構成図。
【図6】リコンタクト情報の一例を示すデータ構成図。
【図7】本発明に係る通信機器(携帯電話機)が発着信履歴管理処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図8】(A)乃至(C)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)が発着信履歴管理処理を行う際の表示画面の一例を示す画面図。
【図9】本発明に係る通信機器(携帯電話機)が発着信履歴管理処理を行った際のリコンタクト情報の一例を示すデータ構成図。
【図10】本発明に係る通信機器(携帯電話機)が発着信履歴管理処理を行った際の発呼履歴情報の一例を示すデータ構成図。
【図11】(A)乃至(C)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)がリコンタクト情報を提示する際の表示画面の一例を示す画面図。
【図12】(A)乃至(C)は、本発明に係る通信機器(携帯電話機)がリコンタクト情報を提示する際の表示画面の一例を示す画面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る通信機器の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る通信機器として、複数の筐体が開閉自在に結合されてなるクラムシェル型の携帯電話機1を例にあげて説明する。図1(A)は、携帯電話機1の開いた状態を示す正面図、図1(B)は、携帯電話機1の開いた状態を示す側面図である。また、図2(A)は、携帯電話機1の閉じた状態を示す背面図、図2(B)は、携帯電話機1の閉じた状態を示す側面図である。
【0009】
携帯電話機1は、図1及び図2に示すように、主に、矩形の板状の上筐体10と、この上筐体10とほぼ同形状をした下筐体11とにより構成されていて、これらの上筐体10及び下筐体11は、閉じた状態において相互に一面を覆うように積層されている。上筐体10及び下筐体11は、ヒンジ部12を挟むようにヒンジ結合されていて、上筐体10は下筐体11に対して、ヒンジ部12を軸にして、図1及び図2のX方向に所定角度だけ回転自在なように形成されている。携帯電話機1は、上筐体10を下筐体11に対して回転させることにより、閉じた状態から開いた状態に、あるいは開いた状態から閉じた状態に変形する。
【0010】
上筐体10の内面(下筐体11に対面する側の面)には、文字や画像等を含んだ表示情報を表示するためのディスプレイ13、通話相手から受信した音声を出力するためのスピーカ14が設けられている。これらのディスプレイ13やスピーカ14は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、下筐体11により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対して回転させて開いた状態に変形させたときには、外部に露出される。
【0011】
下筐体11の内面(上筐体10に対面する側の面)には、例えば電源のON/OFFを切り替えるための電源キーや発呼処理を行うための発呼キー、数字や文字を入力するためのテンキー、メール機能を起動するためのメールキーやWeb機能を起動するためのWebキー等のショートカットキー等からなる操作キー15が設けられている。また下筐体11には、音声を集音するためのマイクロフォン16が設けられている。これらの操作キー15やマイクロフォン16は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、上筐体10により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対して回転させて開いた状態に変形させたときには、外部に露出される。
【0012】
次に、携帯電話機1の機能について、図3に示す機能ブロック図を用いて説明する。携帯電話機1は、図3に示すように、主制御部20、電源回路部21、操作入力制御部22、表示制御部23、音声制御部24、通信制御部25、及び記憶部26がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0013】
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、後述する発着信履歴管理処理、その他の様々な演算処理や制御処理等を行う。電源回路部21は、例えば電源キーに対する入力インタフェースを備え、ユーザにより電源キーが押されたことを検知すると、その旨を示す信号を生成して主制御部20に伝送する。また、電源回路部21は、電源供給源(バッテリ等)を備え、電源キーを介した入力に基づいて携帯電話機1の電源のON/OFF状態を切り替え、電源がON状態の場合に電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。
【0014】
操作入力制御部22は操作キー15に対する入力インタフェースを備え、操作キー15のいずれかが押されたことを検知すると、押された操作キー15を示す信号を生成して主制御部20に伝送する。表示制御部23はディスプレイ13に対する表示インタフェースを備え、主制御部20の制御に基づいて、文書データや画像データ等をディスプレイ13に表示する。
【0015】
音声制御部24は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部24は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部20の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ14から音声として出力する。
【0016】
通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、基地局からアンテナ25aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、音声制御部24に伝送されてスピーカ14から出力されたり、表示制御部23に伝送されてディスプレイ13に表示されたり、または記憶部26に記録されたりする。また通信制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声データや操作キー16を介して入力されたデータや記憶部26に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ25aを介して送信する。
【0017】
記憶部26は、主制御部20が行う処理について、処理プログラムや処理に必要なデータ等を格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク、不揮発性メモリ、データベース、主制御部20が処理を行う際に使用されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等から構成される。記憶部26は、ユーザが音声通話やメール送受信を簡単に行えるように、通信相手が羅列されたアドレス帳を記憶している。また、主制御部20が後述する発着信履歴管理処理を行う際の処理プログラムは、例えばROMに記憶されているものとする。
【0018】
また記憶部26は、携帯電話機1から発信された音声通話の発呼に関する履歴を示す発呼履歴情報30、携帯電話機1が受信した音声通話の着呼に関する履歴を示す着呼履歴情報31、携帯電話機1におけるメールの送信に関する履歴を示すメール送信履歴情報32、携帯電話機1におけるメールの受信に関する履歴を示すメール受信情報33、及び、電話の発着信やメールの送受信等の連絡に関する履歴を連絡先毎に示すリコンタクト情報34を記憶している。
【0019】
発呼履歴情報30は、携帯電話機1での電話の発信に関する履歴を示す情報であり、発呼履歴情報30として図4(A)に示すように、発呼を行った日時の順位を示す順位情報30aと、発呼を行った日時を示す日時情報30bと、発呼を行った連絡先の識別子を示す連絡先ID情報30cと、発呼を行った連絡先の名称を示す連絡先情報30dとがそれぞれ対応付けられた情報である。なお、順位情報30aは、最近発呼を行ったもの、すなわち現在日時に近いものから順に高順位(1位〜)で示されている。
【0020】
例えば図4(A)に示す発呼履歴情報30によると、「1位」の順位情報30aに対して、「2008年1月31日1時1分10秒」の日時情報30b、「11」の連絡先ID情報30c、「Aさん」の連絡先情報30dが、「2位」の順位情報30aに対して、「2008年1月27日1時1分10秒」の日時情報30b、「12」の連絡先ID情報30c、「Bさん」の連絡先情報30dがそれぞれ対応付けられている。
【0021】
着呼履歴情報31は、携帯電話機1での電話の着信に関する履歴を示す情報であり、着呼履歴情報31として図4(B)に示すように、着呼を行った日時の順位を示す順位情報31aと、着呼を行った日時を示す日時情報31bと、着呼を行った連絡先の識別子を示す連絡先ID情報31cと、着呼を行った連絡先の名称を示す連絡先情報31dとがそれぞれ対応付けられた情報である。なお、順位情報31aは、最近着呼を行ったもの、すなわち現在日時に近いものから順に高順位(1位〜)で示されている。
【0022】
例えば図4(B)に示す着呼履歴情報31によると、「1位」の順位情報31aに対して、「2008年1月289日1時1分10秒」の日時情報31b、「−−」の連絡先ID情報31c(アドレス帳に登録されていないため、連絡先IDが付されていない)、「090−xxxx−xxxx」の連絡先情報31dが、「2位」の順位情報31aに対して、「2008年1月25日1時1分10秒」の日時情報31b、「13」の連絡先ID情報31c、「Cさん」の連絡先情報31dがそれぞれ対応付けられている。
【0023】
メール送信履歴情報32は、携帯電話機1でのメール送信に関する履歴を示す情報であり、メール送信履歴情報32として図5(A)に示すように、メール送信を行った日時の順位を示す順位情報32aと、メール送信を行った日時を示す日時情報32bと、メール送信を行った連絡先の識別子を示す連絡先ID情報32cと、メール送信を行った連絡先の名称を示す連絡先情報32dとがそれぞれ対応付けられた情報である。なお、順位情報32aは、最近メール送信を行ったもの、すなわち現在日時に近いものから順に高順位(1位〜)で示されている。
【0024】
例えば図5(A)に示すメール送信履歴情報32によると、「1位」の順位情報32aに対して、「2008年1月30日1時1分10秒」の日時情報32b、「15」の連絡先ID情報32c、「Eさん」の連絡先情報32dが、「2位」の順位情報32aに対して、「2008年1月23日1時1分10秒」の日時情報32b、「16」の連絡先ID情報32c、「Fさん」の連絡先情報32dがそれぞれ対応付けられている。また、「3位」の順位情報32aに対して、「2008年1月22日1時1分10秒」の日時情報32b、「03−××××−××××」の連絡先情報32dがそれぞれ対応付けられている。なお、この3位の順位情報32aに対しては、アドレス帳に登録されていないため、連絡先IDが付されておらず、連絡先情報32dには送信先の電話番号又は送信先のメールアドレスが登録される。
【0025】
メール受信履歴情報33は、携帯電話機1でのメール受信に関する履歴を示す情報であり、メール受信履歴情報33として図5(B)に示すように、メール受信を行った日時の順位を示す順位情報33aと、メール受信を行った日時を示す日時情報33bと、メール受信を行った連絡先の識別子を示す連絡先ID情報33cと、メール受信を行った連絡先の名称を示す連絡先情報33dとがそれぞれ対応付けられた情報である。なお、順位情報33aは、最近メール受信を行ったもの、すなわち現在日時に近いものから順に高順位(1位〜)で示されている。
【0026】
例えば図5(B)に示すメール受信履歴情報33によると、「1位」の順位情報33aに対して、「2008年1月28日1時1分10秒」の日時情報33b、「11」の連絡先ID情報33c、「Aさん」の連絡先情報33dが、「2位」の順位情報33aに対して、「2008年1月21日1時1分10秒」の日時情報33b、「12」の連絡先ID情報33c、「Bさん」の連絡先情報33dがそれぞれ対応付けられている。また、「3位」の順位情報33aに対して、「2008年1月20日1時1分10秒」の日時情報33b、「090−××××−××××」の連絡先情報33dがそれぞれ対応付けられている。なお、この3位の順位情報33aに対しては、アドレス帳に登録されていないため、連絡先IDが付されておらず、連絡先情報33dには送信元の電話番号又は送信元のメールアドレスが登録される。
【0027】
リコンタクト情報34は、連絡先毎に、携帯電話機1での電話の発着信、メールの送受信に関する履歴を示す情報であり、複数の履歴がまとまっているものが記憶されている。例えば、発呼履歴情報30、着呼履歴情報31、メール送信履歴情報32及びメール受信履歴情報33に記憶された情報が纏めて記憶されている。リコンタクト情報34として図6に示すように、電話の発呼、電話の着呼、メール送信、メール受信のいずれかの連絡を行った日時の順位を示す順位情報34aと、連絡を行った日時を示す日時情報34bと、連絡を行った連絡先の識別子を示す連絡先ID情報34cと、連絡を行った連絡先の名称を示す連絡先情報34dとがそれぞれ対応付けられた情報である。なお、順位情報34aは、最近連絡を行ったもの、すなわち現在日時に近いものから順に高順位(1位〜)で示されている。
【0028】
例えば図6に示すリコンタクト情報34によると、「1位」の順位情報34aに対して、「発呼」の種類情報34b、「2008年1月31日1時1分10秒」の日時情報34c、「11」の連絡先ID情報34d、「Aさん」の連絡先情報34eが、「2位」の順位情報34aに対して、「メール送信」の種類情報34b、「2008年1月30日1時1分10秒」の日時情報34c、「15」の連絡先ID情報34d、「Eさん」の連絡先情報34eがそれぞれ対応付けられている。
【0029】
このようにリコンタクト情報34は、複数の通信機能(例えば音声通話機能、メール機能等)を備えた携帯電話機1において通信を行う際、各々の連絡先に対して、複数の通信処理(電話の発呼、電話の着呼、メール送信、メール受信)の履歴のうち、最も最近行われた履歴のみを記憶している。ユーザは、携帯電話機1を用いて通信を行う際に、その連絡先がいずれかの通信機能で頻繁に連絡をとる相手であった場合には、このリコンタクト情報34の中から連絡先を選択することで、通話であってもメールであっても、即座に連絡先を入力することができる。
【0030】
携帯電話機1は、ユーザが携帯電話機1を用いて過去に連絡をとったことのある連絡先に対して連絡をとろうとしたときに、ユーザの指示に従い、これらの発呼履歴情報30、着呼履歴情報31、メール送信履歴情報32、及びメール受信履歴情報33、またはリコンタクト情報34に基づいて、最近連絡をとった連絡先をユーザに対して提示して、連絡先の選択を促す発着信履歴管理処理を行う。
【0031】
ユーザが携帯電話機1を用いて所定の相手に電話の発呼やメール送信等の連絡をとろうとした際に、携帯電話機1がこの発着信履歴管理処理を行う際の手順について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。以下、例えば「ステップS101」を「S101」のように、「ステップ」の語句を省略して説明する。
【0032】
一般に、ユーザは、携帯電話機1を用いて電話の発呼やメール送信を行うときに、携帯電話機1に対して、過去に連絡をとったことのある連絡先、あるいはアドレス帳に登録されている連絡先を提示するように指示を出す。よって主制御部20は、ユーザにより発呼やメール送信が指示されたか否かを判断する(S101)。この際、主制御部20は、例えば所定の操作キー15が押下されたことに基づいて、発呼やメール送信が指示されたものと判断する。発呼やメール送信が指示されていない場合(S101のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。
【0033】
発呼やメール送信が指示された場合(S101のYes)は、主制御部20は、この指示が、リコンタクト情報34の要求の指示であるか否かを判断する(S103)。ユーザは、頻繁に連絡する相手に対して連絡をとろうとする際に、リコンタクト情報34の提示を要求するからである。この際、主制御部20は、予め定められた所定の操作キー15が押下されたことに基づいて、リコンタクト情報34の要求の指示であるものと判断する。
【0034】
リコンタクト情報34の要求が指示された場合(S103のYes)は、主制御部20は、記憶部26からリコンタクト情報34を取得する(S105)。そして主制御部20は、ステップS105にて取得したリコンタクト情報34を、ディスプレイ13に表示する等により、ユーザに対して提示する(S107)。主制御部20は、例えば図8(A)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40に、リコンタクト情報34に示されている連絡先を順位の高い順に表示する。そしてユーザは、この提示されたリコンタクト情報34に基づいて、操作キー15を用いて連絡先を選択する。
【0035】
主制御部20はリコンタクト情報34を表示する際、図8(A)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40は、各々の通信履歴に対して、発着呼の日時、メール送受信の日時、インターネットアクセスの日時等を表示するための日時表示欄40a、発呼、着呼、メール送信、メール受信等の通信種別を識別するための情報を表示するための通信種別表示欄40b、メール送受信の際のメールのタイトル、インターネットアクセス時のWebページのタイトル等を表示するためのタイトル表示欄40c、発呼時の発呼先、着呼時の発呼元、メール送信時の送信先、メール受信時の送信元等を表示するための通信相手表示欄40d、電話、メール、インターネットアクセス等の通信方法を識別するための情報を表示するための通信方法表示欄40e、リコンタクト情報34内に同一の通信相手が複数記述されているか否かを示す情報を表示するための重複表示欄40fを備えている。通信方法表示欄40eにおける表示の一例では、「T」は電話の発呼や着呼、「M」はメールの送受信、「IN」はインターネットアクセスを示す。また、重複表示欄40fにおける表示の一例では、「○」は電話及びメールの双方の履歴がリコンタクト内に存在することを示す。
【0036】
なお、リコンタクト情報34に複数の通信相手が記載されている場合は、表示画面40には最新の履歴のみが表示される。例えば、「2008年1月31日」にAさんへの発呼がされ、「2008年1月28日」にAさんからのメールが受信された場合、最新である発呼の履歴のみが表示画面40に表示される。または、最新の履歴に限定されず、同一の通信相手に対する複数の通信履歴が表示画面40に表示されるようにしても良い。
【0037】
主制御部20は、ステップS107にて提示したリコンタクト情報34から、電話の発呼先やメール送信先等の連絡先が選択されたか否かを判断する(S109)。連絡先が選択されていない場合(S109のNo)は、主制御部20は連絡先が選択されるまで待機する。連絡先が選択された場合(S109のYes)は、主制御部20は、選択された連絡先に対して、電話の発呼処理やメールの送信処理を行う(S111)。
【0038】
主制御部20は、リコンタクト情報34に基づいて発呼処理や送信処理を行った後、この発呼処理や送信処理に関する情報を、順位を1位にして記憶部26に記憶する(S113)。このとき主制御部20は、リコンタクト情報34において、ステップS111における発呼処理または送信処理に関する情報の順位を1位にして記憶するとともに、発呼履歴情報30やメール送信履歴情報32においても、ステップS111における発呼処理または送信処理に関する情報を順位を1位にして記憶する。
【0039】
例えばステップS111にて連絡先ID20の「Xさん」に2008年2月1日1時1分10秒に電話の発呼処理を行った場合は、図9に示すように、リコンタクト情報34において、「1位」の順位情報34aに対して、「発呼」の種類情報34b、「2008年2月1日1時1分10秒」の日時情報34c、「20」の連絡先ID情報34d、及び「Xさん」の連絡先情報34eがそれぞれ対応付けられる。そして、元々リコンタクト情報34に記憶されていた情報は、それぞれ順位が1つ繰り下げられて記憶される。
【0040】
また同様に、例えばステップS111にて連絡先ID20の「Xさん」に2008年2月1日1時1分10秒に電話の発呼処理を行った場合は、図10に示すように、発呼履歴情報30において、「1位」の順位情報30aに対して、「2008年2月1日1時1分10秒」の日時情報30b、「20」の連絡先ID情報30c、及び「Xさん」の連絡先情報30dがそれぞれ対応付けられる。そして、元々発呼履歴情報30に記憶されていた情報は、それぞれ順位が1つ繰り下げられて記憶される。
【0041】
リコンタクト情報34の要求が指示されていない場合(S103のNo)は、主制御部20は、履歴情報の要求が指示されたか否かを判断する(S115)。履歴情報の要求が指示された場合(S115のYes)は、主制御部20は、記憶部26から履歴情報を取得する(S117)。このときの履歴情報は、例えば発呼履歴情報30や着呼履歴情報31、メール送信履歴情報32、メール受信履歴情報33等であり、ユーザにより操作キー15を介して任意に選択されると良い。
【0042】
主制御部20は、ステップS117にて取得した履歴情報を、例えばディスプレイ13に表示する等して、ユーザに対して提示する(S119)。発呼履歴情報30を提示する場合には、例えば図8(B)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40に、発呼履歴情報30に示されている連絡先が順位の高い順に表示される。また、メール送信履歴情報32を提示する場合には、例えば図8(C)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40に、メール送信履歴情報32に示されている連絡先が順位の高い順に表示される。ユーザは、この提示された履歴情報に基づいて、操作キー15を用いて連絡先を選択する。
【0043】
主制御部20は、ステップS119にて提示した履歴情報から、連絡先が選択されたか否かを判断する(S121)。連絡先が選択されていない場合(S121のNo)は、主制御部20は連絡先が選択されるまで待機する。連絡先が選択された場合(S121のYes)は、主制御部20は、ステップS121にて選択された連絡先に対して、電話の発呼処理やメールの送信処理を行う(S111)。
【0044】
主制御部20は、履歴情報に基づいて発呼処理や送信処理を行った後、この発呼処理や送信処理に関する情報を、順位を1位にして記憶部26に記憶する(S113)。このとき主制御部20は、発呼履歴情報30やメール送信履歴情報32においても、この発呼処理または送信処理に関する情報を順位を1位にして記憶する。
【0045】
例えばステップS111にて連絡先ID20の「Xさん」に2008年2月1日1時1分10秒に電話の発呼処理を行った場合は、図9に示すように、リコンタクト情報34において、「1位」の順位情報34aに対して、「発呼」の種類情報34b、「2008年2月1日1時1分10秒」の日時情報34c、「20」の連絡先ID情報34d、及び「Xさん」の連絡先情報34eがそれぞれ対応付けられる。そして、元々リコンタクト情報34に記憶されていた情報は、それぞれ順位が1つ繰り下げられて記憶される。
【0046】
また同様に、例えばステップS111にて連絡先ID20の「Xさん」に2008年2月1日1時1分10 秒に電話の発呼処理を行った場合は、図10に示すように、発呼履歴情報30において、「1位」の順位情報30aに対して、「2008年2月1日1時1分10秒」の日時情報30b、「20」の連絡先ID情報30c、及び「Xさん」の連絡先情報30dがそれぞれ対応付けられる。そして、元々発呼履歴情報30に記憶されていた情報は、それぞれ順位が1つ繰り下げられて記憶される。
【0047】
履歴情報の要求が指示されていない場合(S115のNo)は、ユーザがアドレス帳から連絡先を選択したり、連絡先の電話番号やメールアドレスを直接入力したりすることにより、連絡先を入力する。よって、主制御部20は、電話の発呼先やメール送信先が入力されたか否かを判断する(S123)。連絡先が入力されていない場合(S123のNo)は、主制御部20は連絡先が入力されるまで待機する。
【0048】
連絡先が入力された場合(S123のYes)は、主制御部20は、ステップS123にて入力された連絡先に基づいて、電話の発呼処理やメールの送信処理を行う(S111)。
【0049】
主制御部20は、入力された情報に基づいて発呼処理や送信処理を行った後、この発呼処理や送信処理に関する情報を、順位を1位にして記憶部26に記憶する(S113)。このとき主制御部20は、発呼履歴情報30やメール送信履歴情報32においても、この発呼処理または送信処理に関する情報を順位を1位にして記憶する。
【0050】
このように携帯電話機1は、ユーザが所定の通信相手に対して発呼やメール送信しようとした際、通話機能やメール機能等の複数の通信機能において過去に連絡をとった連絡先を総合的に検索する機能(リコンタクト機能)を起動したことに基づいて、最近連絡をとった連絡先をユーザに対して提示して、ユーザに連絡先の選択を促す。ユーザは、提示された連絡先のうちのいずれかを選択することで、電話であれ、メールであれ、より少ないキー操作やスクロールで連絡先を簡単に入力することができる。
【0051】
なお、携帯電話機1は、例えば図11(A)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40にリコンタクト情報34を表示した状態で、ユーザにより操作キー15を介して任意の連絡先が選択された場合、発呼履歴情報30やメール送信履歴情報32頭の履歴情報からAさんに関する情報を取得して、図11(B)に示すように、Aさんに関する発呼や着呼、メール送信やメール受信等の連絡の履歴を時系列で新しい順に表示する。このとき、図11(C)に示すように、電話の発呼や着呼とメールの送受信とを分けて表示するようにしても良い。
【0052】
また、携帯電話機1において、記憶部26がWebサイト等に対するインターネットを介した接続履歴を記憶していて、ユーザの指示に応じて、図12(A)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40にインターネットの接続履歴が表示されるようにしても良い。あるいは図12(B)に示すように、ディスプレイ13の表示画面40にリコンタクト情報34を表示されるのと同時にこの接続履歴が表示されるようにしても良い。なお、図中の「IN」はインターネットへの接続を示す。これにより、ユーザは前回接続したWebサイトに即座にアクセスすることができる。
【0053】
さらに、携帯電話機1においてリコンタクト情報34を表示する際に、ユーザの指示に応じて、図12(C)に示すように、リコンタクト情報34に含まれる履歴のうちの発呼に関する履歴のみが表示されるようにしても良い。このときに表示される履歴は、発呼に関する履歴に限定されず、着呼に関する履歴、メール送信に関する履歴、メール受信に関する履歴でも良い。
【0054】
その上、実施形態として、発呼や着呼やメール送受信等の履歴を時系列で提示する例に着いて説明したが、これに限定されず、連絡の頻度順、連絡先の優先度順等、任意の条件に基づいて提示順を決定しても良い。また、ユーザが自ら提示順を決定する条件を設定できるようにしても良い。また、携帯電話機1が発呼や着呼やメール送受信等の履歴を提示する際、連絡先の優先度に基づいて、文字の大きさや色等を設定するようにしても良い。
【0055】
そして、ディスプレイ13の表示画面40におけるフォーマットや表示内容は、上述したものに限定されず、例えば、日付に加えて時刻を合わせて表示しても良い。また、リコンタクト機能のメニュー設定で、ユーザが、どの通信の組み合わせの表示(例えば、メールとインターネットのみにする等)を行うか、選択できるようにしても良い。あるいは、一つの画面上に複数の通信機能の履歴を表示する際、これらを混ぜて表示するのではなく、下スクロールで電話に関する履歴、上スクロールでメールとインターネットに関する履歴を表示する等、任意に変形して表示するようにしても良い。さらには、通信機能も音声通話機能とメール機能とに限定されるものではなく、ブルートゥースなどの近距離通信機能、ワイアレスランなどの通信機能も対象に含めることができる。
【0056】
本発明に係る通信機器によると、複数の通信機能(通話機能、メール機能等)を備えるとともに、ユーザが通信を行う際、複数の通信種別の履歴を1つの履歴によって検索して、検索結果に基づいて通信相手を設定できるようにすることで、ユーザにとって使い勝手が良く、ユーザが効率的に通信操作を行うことが可能となる。
【0057】
本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯音楽プレイヤー、携帯ビデオカメラ、携帯ゲーム機等、複数の通信機能を備えている通信機器であれば、任意の通信機器であっても良い。
【符号の説明】
【0058】
1…携帯電話機,10…上筐体,11…下筐体,12…ヒンジ部,13…ディスプレイ,14…スピーカ,15…操作キー,16…マイクロフォン,20…主制御部,21…電源回路部,22…操作入力制御部,23…表示制御部,24…音声制御部,25…通信制御部,25a…アンテナ,26…記憶部,30…発呼履歴情報,31…着呼履歴情報,32…メール送信履歴情報,33…メール受信履歴情報,34…リコンタクト情報,40…表示画面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信処理の種別と通信相手情報とを含む通信履歴情報を記憶する記憶手段を有する通信機器により実行されるプログラムであって、
前記通信機器に、
複数の通信履歴を表示し、
表示された前記通信履歴から一の通信履歴が選択された場合、前記通信履歴情報から該一の通信履歴の通信相手情報に関連する通信履歴を取得して表示する処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記記憶手段は、複数の通信相手に対して最も近く通信を行った日時を記憶し、
前記通信履歴を表示する処理は、
前記複数の通信相手を、最も近く通信を行った順に並べて表示することを特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記記憶手段は、通信機能毎に履歴情報を記憶し、
前記通信機器に、
前記通信機能毎の履歴情報の提示の要求を受け付ける処理をさらに実行させ、
前記通信履歴を表示する処理は、
前記通信機能毎の履歴情報の提示の要求が受け付けられた場合、前記記憶手段により記憶された通信機能毎の履歴情報を表示することを特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記通信機器に、
前記通信履歴を表示する処理により提示された履歴情報から、通信相手のいずれかが選択された際、該通信相手に対して通信を行い、
前記通信が行われた場合、このときの通信相手に関して、この通信に関する通信履歴を前記記憶手段に記憶する処理をさらに実行させることを特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記記憶手段は、Webサイトへの接続履歴を記憶し、
前記通信履歴を表示する処理は、
前記通信履歴の提示の要求が受け付けられた場合、前記記憶手段により記憶されたWebサイトの接続履歴を併せて表示することを特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項1】
通信処理の種別と通信相手情報とを含む通信履歴情報を記憶する記憶手段を有する通信機器により実行されるプログラムであって、
前記通信機器に、
複数の通信履歴を表示し、
表示された前記通信履歴から一の通信履歴が選択された場合、前記通信履歴情報から該一の通信履歴の通信相手情報に関連する通信履歴を取得して表示する処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記記憶手段は、複数の通信相手に対して最も近く通信を行った日時を記憶し、
前記通信履歴を表示する処理は、
前記複数の通信相手を、最も近く通信を行った順に並べて表示することを特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記記憶手段は、通信機能毎に履歴情報を記憶し、
前記通信機器に、
前記通信機能毎の履歴情報の提示の要求を受け付ける処理をさらに実行させ、
前記通信履歴を表示する処理は、
前記通信機能毎の履歴情報の提示の要求が受け付けられた場合、前記記憶手段により記憶された通信機能毎の履歴情報を表示することを特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記通信機器に、
前記通信履歴を表示する処理により提示された履歴情報から、通信相手のいずれかが選択された際、該通信相手に対して通信を行い、
前記通信が行われた場合、このときの通信相手に関して、この通信に関する通信履歴を前記記憶手段に記憶する処理をさらに実行させることを特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記記憶手段は、Webサイトへの接続履歴を記憶し、
前記通信履歴を表示する処理は、
前記通信履歴の提示の要求が受け付けられた場合、前記記憶手段により記憶されたWebサイトの接続履歴を併せて表示することを特徴とする請求項1記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−42537(P2013−42537A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233043(P2012−233043)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【分割の表示】特願2008−244773(P2008−244773)の分割
【原出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(310022372)富士通モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【分割の表示】特願2008−244773(P2008−244773)の分割
【原出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(310022372)富士通モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】
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