説明

プロジェクター

【課題】性能の低下を抑制できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクターは、スピーカー4と、スピーカー4を支持する支持機構5とを備える。支持機構5は、支持部材51と、支持部材51よりも柔らかく、支持部材51とスピーカー4の少なくとも一部との間で挟持される狭装部材52とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して投影するプロジェクターにおいて、投影された画像に応じた音声を出力するためのスピーカーが内蔵された構成が知られている。(例えば、特許文献1参照)。このようなプロジェクターでは、スクリーン等に拡大投射した投影画像に応じた音声を出力するためのスピーカーが内蔵された構成が一般的である。より具体的に、スピーカーは、プロジェクターを構成する外装ケースの内側に直接、固定され、外装筺体に形成されたスピーカー孔を介して該スピーカーからの音声を出力する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−243361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のプロジェクターでは、スピーカーが外装ケースの内側に直接、ネジなどの締結部材で固定されているため、例えばスピーカーの作動時には、スピーカーの振動が外装ケースを介して投射光学系に伝わることにより、投影される画像に揺らぎが発生したり、振動による騒音が発生したりする等、プロジェクターの性能が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の態様は、性能の低下を抑制できるプロジェクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に従えば、スピーカーと、前記スピーカーを支持する支持機構と、を備え、前記支持機構は、支持部材と、前記支持部材よりも柔らかく、前記支持部材と前記スピーカーの少なくとも一部との間で挟持される狭装部材とを有するプロジェクターが提供される。
【0007】
本発明の一態様によれば、支持部材とスピーカーの少なくとも一部との間に、支持部材よりも柔らかい挟装部材を挟持するため、例えばスピーカーが作動し、振動が発生しても、そのスピーカーの振動が支持部材に伝わることが抑制される。そのため、スピーカーの振動が、例えば投射光学系及び画像形成系の一方又は両方を指示する支持部材(外装ケース)を介して投射光学系に伝わることが抑制されるので、投影される画像に揺らぎが発生することを抑制できる。また、振動による騒音の発生を抑制できる。したがって、プロジェクターの性能の低下を抑制できる。
【0008】
前記支持部材は、第1支持部と、前記第1支持部の少なくとも一部と間隙を介して対向して配置される第2支持部とを含み、前記スピーカーのフレーム部の少なくとも一部が、前記間隙に配置され、前記狭装部材が、前記第1支持部と前記フレーム部との間及び前記第2支持部と前記フレーム部との間に配置され、前記第1支持部と前記第2支持部とが、前記狭装部材及び前記フレーム部を挟持する構成でもよい。これにより、狭装部材は、第1支持部とスピーカーのフレーム部との間、及び第2支持部とスピーカーのフレーム部との間に安定的に配置される。また、例えばネジ等、機械的な固定部材を用いなくても、狭装部材が安定的に配置される。
【0009】
前記フレーム部は、プレート形状であり、前記フレーム部の表面とほぼ平行な面内において、前記第1支持部と前記第2支持部とは水平方向にずれた位置に配置される構成でもよい。これにより、第1支持部及び第2支持部のそれぞれが狭装部材を狭持する位置がずれるので、狭装部材の全体に圧縮させる力をかけることができる。したがって、狭装部材を安定して狭持することができる。
【0010】
前記支持部材は、前記狭装部材を介して前記第1支持部と前記第2支持部が配置される方向とは略垂直な方向に前記スピーカーのマグネット部を支持する第3支持部を含む構成でもよい。これにより、スピーカーのうち最も重量の大きいマグネット部が第3支持部で支持されるので、支持機構は、スピーカーをより安定的に支持することができる。また、第3支持部は、第1支持部及び第2支持部とは異なり、略鉛直な方向にスピーカーを支持するので、スピーカーをより確実に固定することができる。
【0011】
前記支持部材は、前記スピーカーを包囲する構成でもよい。これにより、スピーカーが発する音の質の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係るプロジェクターの外観の一例を示す図である。
【図2】本実施形態に係るプロジェクターの一部を示す図である。
【図3】本実施形態に係るプロジェクターの一部を示す図である。
【図4】本実施形態に係るスピーカー及び支持機構の一例を示す図である。
【図5】本実施形態に係るスピーカー及び支持機構の一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る支持機構の一例を示す図である。
【図7】本実施形態に係るスピーカーと狭装部材との関係を示す図である。
【図8】本実施形態に係るスピーカーと狭装部材との関係を示す図である。
【図9】本実施形態に係るスピーカーと狭装部材との関係を示す図である。
【図10】本実施形態に係るプロジェクターの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
【0014】
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の外観を示す斜視図である。図1において、プロジェクター1は、内部空間SPを有する外装ケース2と、少なくとも一部が外装ケース2の内部空間SPに配置される投射光学系3と、外装ケース2の内部空間SPに配置されるスピーカー4とを備えている。本実施形態において、外装ケース2は、外装ケース本体2Aと、外装ケース本体2Aの開口2AKを覆うように配置されるカバー部材2Bとを含む。また、外装ケース2は、内部空間SPに配置された投射光学系3の射出面3Sが露出する開口2Hを有する。また、外装ケース2は、スピーカー4が対向する位置に複数の孔2Jを有する。
【0015】
図2は、外装ケース本体2Aを+Z側から見た図の一例を示す。図3は、カバー部材2Bを−Z側から見た図の一例を示す。図2は、外装ケース本体2からカバー部材2Bが外され、開口2AK側から外装ケース本体2Aの内部を見た図の一例である。図3は、内部空間SPに面するカバー部材2Bの内面の一例を示す図である。
【0016】
図2及び図3において、プロジェクター1は、内部空間SPに画像形成系6、画像形成系6からの光を投射する投射光学系3を含む光学ユニットU、スピーカー4、スピーカー4を支持する支持機構5、及び図示しない電源ユニット、冷却ファン、制御ユニット等を備える。
【0017】
図4は、スピーカー4を支持する支持機構5の一例を示すXZ平面と平行な断面図、図5は、XY平面と平行な断面図である。図6は、ハウジング本体2Aが有する第1部材51を示す斜視図である。図7、図8、及び図9は、スピーカー4と狭装部材52との関係の一例を示す図である。図7は、スピーカー4を−X側から見た図、図8は、スピーカー4を−Y側から見た図、図9は、スピーカー4を+Z側から見た図である。
【0018】
図4及び図5において、支持機構5は、支持部材51と、支持部材51とスピーカー4の少なくとも一部との間に配置される狭装部材52とを有する。
【0019】
本実施形態において、支持部材51は、外装ケース2の内部に一体形成されている。また支持部材51は、例えば合成樹脂製であり、実質的に剛体である。
【0020】
狭装部材52は、支持部材よりも柔らかい軟性の部材で形成されている。本実施形態においては、狭装部材52として、いわゆる低反発素材を用いており、具体的には商品名NanNex(イノアックコーポレーション製)TL−4401を用いる。狭装部材52としては、他にゴム、エラストマー等の弾性部材や可撓性部材を含んで形成されていてもよい。
【0021】
なお、本実施形態において、狭装部材52の全体が軟性の部材でなくてもよい。狭装部材52の少なくとも一部が軟性の部材であれば、一部は剛体でもよい。
【0022】
本実施形態において、支持機構5は、スピーカー4が支持部材51に接触しないように、そのスピーカー4を支持する。すなわち、本実施形態においては、スピーカー4は、支持機構5の狭装部材52に接触するものの、支持部材51には接触しない。
【0023】
本実施形態において、スピーカー4は、フレーム部41と、マグネット部42とを有する。フレーム部41は、一部がフランジ形状となっている。また、フレーム部41の少なくとも一部は、プレート形状である。支持機構5は、フレーム部41の表面がYZ平面とほぼ平行になるように、スピーカー4を支持する。本実施形態において、フレーム部41の表面は、孔2Jと対向するスピーカー4の表面4Sを含む。
【0024】
本実施形態において、狭装部材52は、フレーム部41に2つ配置され、スピーカー4の表面4Sの中心に対して+Y側におけるフレーム部41の第1の位置PJ1、及び−Y側におけるフレーム部41の第2の位置PJ2に配置される。また、狭装部材52は、マグネット部42にも配置される。
【0025】
以下の説明において、フレーム部41の第1の位置PJ1に配置される狭装部材52を適宜、狭装部材52A、と称し、フレーム部41の第2の位置PJ2に配置される狭装部材52を適宜、狭装部材52B、と称し、マグネット部42に配置される狭装部材52を適宜、狭装部材52C、と称する。
【0026】
本実施形態において、狭装部材52Aと狭装部材52Bとはほぼ同じ外形(大きさ、寸法)である。本実施形態において、Z軸方向に関する狭装部材52Aの位置と狭装部材52Bの位置とはほぼ等しい。
【0027】
図7及び図9に示すように、狭装部材52Aは、+X側を向くフレーム部41の表面41Aの一部に接触するとともに、−X側を向くフレーム部41の表面41Bの一部に接触するように配置される。狭装部材52Bは、+X側を向くフレーム部41の表面41Aの一部に接触するとともに、−X側を向くフレーム部41の表面41Bの一部に接触するように配置される。狭装部材52A、52Bは、屈曲された状態で配置される。屈曲された狭装部材52Aの一部が表面41Aと接触し、別の一部が表面41Bと接触する。同様に、屈曲された狭装部材52Bの一部が表面41Aと接触し、別の一部が表面41Bと接触する。
【0028】
図7及び図8に示すように、狭装部材52Cは、−X側を向くマグネット部42の裏面42Aの一部に接触するとともに、裏面42Aの周囲に配置される周面42Bの一部に接触するように配置される。本実施形態において、狭装部材52Cの一部は、裏面42Aに対して−Z側の周面42Bの第3の位置PJ3に配置される。狭装部材52Cは、屈曲された状態で配置され、一部が裏面42Aと接触し、別の一部が周面42Bの一部と接触する。
【0029】
図5及び図6に示すように、本実施形態において、支持部材51は、第1支持部511と、第1支持部511の少なくとも一部と間隙を介して配置される第2支持部512とを含む。第1支持部511は、フレーム部41の表面41Aが対向する位置に配置される。第2支持部512は、フレーム部42の表面41Bが対向する位置に配置される。また、フレーム部41の表面41A、41Bとほぼ平行なYZ平面において、第1支持部511と第2支持部512とは、水平方向(Y軸方向)にずれた位置に配置される。本実施形態において、第1支持部511と第2支持部512とは、YZ平面内において、お互いに遠ざかる方向にずれた位置に配置される。
【0030】
本実施形態において、第1支持部511は、フレーム部41の第1の位置PJ1の表面41Aが対向可能な位置に配置される第1支持部511Aと、フレーム部41の第2の位置PJ2の表面41Aが対向可能な位置に配置される第1支持部511Bとを含む。第2支持部512は、フレーム部41の第1の位置PJ1の表面41Bが対向可能な位置に配置される第2支持部512Aと、フレーム部41の第2の位置PJ2の表面41Bが対向可能な位置に配置される第2支持部512Bとを含む。
【0031】
本実施形態において、スピーカー4のフレーム部41の少なくとも一部は、第1支持部511と第2支持部512との間に配置される。第1の位置PJ1のフレーム部41が、第1支持部511Aと第2支持部512Aとの間に配置される。第2の位置PJ2のフレーム部41が、第1支持部511Bと第2支持部512Bとの間に配置される。
【0032】
狭装部材52(52A、52B)は、第1支持部511とフレーム部41との間、及び第2支持部512とフレーム部41との間に配置される。第1支持部511と第2支持部512とが、狭装部材52及びフレーム部41を挟んで支持する。
【0033】
本実施形態においては、狭装部材52Aが、第1支持部511Aとフレーム部41の表面41Aとの間、及び第2支持部512Aとフレーム部41の表面41Bとの間に配置される。狭装部材52Bが、第1支持部511Bとフレーム部41の表面41Aとの間、及び第2支持部512Bとフレーム部41の表面41Bとの間に配置される。第1の位置PJ1のフレーム部41は、狭装部材52Aを介して、第1支持部511Aと第2支持部512Aとに挟まれる。第2の位置PJ2のフレーム部41は、狭装部材52Bを介して、第1支持部511Bと第2支持部512Bとに挟まれる。
【0034】
本実施形態においては、第1支持部511Aは、第2支持部512Aよりも、スピーカー4の表面4Sの中心から遠い位置(+Y側)に配置される。第1支持部511Bは、第2支持部512Bよりも、スピーカー4の表面4Sの中心から遠い位置に(−Y側)配置される。上述のように、狭装部材52は、支持部材51とスピーカー4との間で圧縮されるように狭装される。狭装時における狭装部材52の圧縮の度合い(狭装部材52の圧縮率)は、例えばその狭装部材52の残留圧縮歪みを考慮して定めてもよい。本実施形態においては、狭装部材52に対して力(圧縮力)が作用されていない状態の狭装部材52の寸法(体積)を1とした場合、支持部材51とスピーカー4との間において、その狭装部材52の寸法(体積)が0.75〜0.5程度になるように、狭装部材52が圧縮される。換言すれば、支持部材51とスピーカー4との間における狭装部材52の圧縮率は、25%〜50%程度である。
【0035】
また、図4及び図6に示すように、支持部材51は、狭装部材52Cを介してスピーカー4のマグネット部42を支持する第3支持部513を含む。第3支持部513は、マグネット部42の裏面42Aが対向するように配置され、水平方向(X軸方向)にスピーカー4を支持する第1支持面513Aと、マグネット部42の周面42Bの第3の位置PJ3が対向するように配置され、鉛直方向(Z方向)にスピーカー4を支持する第2支持面513Bとを有する。狭装部材52Cは、マグネット部42と支持部材51の第3支持部513とに挟まれる。マグネット部42は、狭装部材52Cを介して、第3支持部513に載置される。
【0036】
図4に示すように、支持部材51は、スピーカー4を包囲する。支持部材51は、スピーカー4が配置される空間SRを形成する。空間SRは、外装ケース2が形成する内部空間SPの一部の空間である。
【0037】
本実施形態においては、外装ケース本体2Aからカバー部材2Bが外された状態で、外装ケース本体2Aが有する本体部51Aに、狭装部材52を介してスピーカー4が設置される。すなわち、スピーカー4のマグネット部42が狭装部材52Cを介して支持部材51の第3支持部513に載置されるとともに、スピーカー4のフレーム部41が狭装部材52A、52Bを介して支持部材51の第1支持部511A、511Bと第2支持部512A、512Bとの間に挟まれるように配置される。その後、外装ケース本体2Aとカバー部材2Bとが接合される。これにより、スピーカー4は、狭装部材52を介して支持部材51に支持されるとともに、支持部材51の本体部51Aとカバー部51Bとによって囲まれて固定される。スピーカー4は、支持部材51の本体部51Aとカバー部51Bとによって形成される空間SRの内部に配置される。
【0038】
図10は、本実施形態に係る光学ユニットUの一例を示す図である。図10に示すように、本実施形態において、光学ユニットUは、照明光学系21と、色分離光学系22と、リレー光学系23と、液晶パネル241を含む画像形成系6と、色合成光学系244と、投射光学系3と、収容筐体27とを備える。
【0039】
照明光学系21は、光源装置211と、第1レンズアレイ212と、第2レンズアレイ213と、偏光変換素子214と、重畳レンズ215とを備えている。
【0040】
光源装置211は、光源ランプ(光源)216と、リフレクタ217とを有する。光源ランプ216は、例えばハロゲンランプを含む。リフレクタ217は、例えば放物面鏡を含む。光源ランプ216から射出された放射状の光は、リフレクタ217で反射する。リフレクタ217は、光源ランプ216からの光を平行光に変換する。
【0041】
第1、第2レンズアレイ212、213はそれぞれ、例えばマトリクス状に配置された複数のマイクロレンズを含む。第2レンズアレイ213は、重畳レンズ215とともに、光源装置211からの光を均一化して、液晶パネル241を照明する。
【0042】
偏光変換素子214は、第2レンズアレイ213と重畳レンズ215との間に配置される。偏光変換素子214は、第2レンズアレイ213からの光を一定方向の偏光光に変換する。偏光変換素子214からの光(偏光光)は、重畳レンズ215によって液晶パネル241重畳される。
【0043】
色分離光学系22は、2つのダイクロイックミラー221,222と、反射ミラー223とを有する。色分離光学系22は、照明光学系21からの光を、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する。以下の説明において、赤の色光を適宜、赤色光、と称し、緑の色光を適宜、緑色光、と称し、青の色光を適宜、青色光、と称する。
【0044】
ダイクロイックミラー221は、照明光学系21からの光のうち、赤色光成分及び緑色光成分を透過し、青色光成分を反射する。ダイクロイックミラー222は、ダイクロイックミラー221からの光のうち、赤色光成分を透過し、緑色光成分を反射する。反射ミラー223は、ダイクロイックミラー222からの光(赤色光)を反射する。
【0045】
画像形成系6は、入射した光を画像情報に応じて変調して、合成する。画像形成系6は、色分離光学系22からの各色光が入射する3つの入射側偏光板242と、各入射側偏光板242の後段に配置される3つの液晶パネル241(241R,241G,241B)と、各液晶パネル241の後段に配置される3つの射出側偏光板243と、色合成光学系244とを備えている。
【0046】
入射側偏光板242は、色分離光学系22からの各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光を吸収する。 射出側偏光板243は、液晶パネル241からの光のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光を吸収する。入射側偏光板242と射出側偏光板243とは、互いの偏光軸の方向が直交するように配置される。
【0047】
液晶パネル241は、赤色光用の液晶パネル241Rと、緑色光用の液晶パネル241Gと、青色光用の液晶パネル241Bとを含む。
【0048】
色分離光学系22からの青色光は、液晶パネル241Bに供給される。本実施形態においては、ダイクロイックミラー221で反射した青色光が、反射ミラー223で反射し、フィールドレンズ218及び入射側偏光板242を介して、液晶パネル241Bに入射する。
【0049】
色分離光学系22からの緑色光は、液晶パネル241Gに供給される。本実施形態においては、ダイクロイックミラー222で反射した緑色光が、フィールドレンズ218及び入射側偏光板242を介して、液晶パネル241Gに入射する。
【0050】
色分離光学系22からの赤色光は、液晶パネル241Rに供給される。本実施形態においては、ダイクロイックミラー222を透過した赤色光は、リレー光学系23、フィールドレンズ218、及び入射側偏光板242を介して、液晶パネル241Rに入射する。なお、リレー光学系23は、入射側レンズ231と、リレーレンズ233と、反射ミラー232,234とを有する。
【0051】
色合成光学系244は、クロスダイクロイックプリズムを含み、射出側偏光板243から射出され、液晶パネル241R、241B、241Gによってそれぞれ変調された光を合成する。
【0052】
投射光学系3は、色合成光学系244で合成された光を拡大してスクリーンに投射する。
【0053】
収容筐体27は、照明光学系21、色分離光学系22、リレー光学系23、液晶パネル241を含む画像形成系6、色合成光学系244、及び投射光学系3を保持する。収容筐体27は、照明光学系21、色分離光学系22、リレー光学系23、液晶パネル241を含む画像形成系6、色合成光学系244、及び投射光学系3を収容する空間を形成する。収容筐体27は、例えば合成樹脂製である。
【0054】
本実施形態において、光学ユニットUの少なくとも一部は、外装ケース2に支持される。なお、光学ユニットUが、所定の支持部材を介して、外装ケース2に支持されてもよい。上述のように、本実施形態において、支持部材51は、外装ケース2を含み、投射光学系3及び画像形成系6を含む光学ユニットUを支持する。
【0055】
次に、プロジェクター1の動作の一例について説明する。照明光学系21の光源211から光が射出されると、その光は、色分離光学系22に入射する。色分離光学系22は、照明光学系21からの光を、赤色光、青色光、及び緑色光に分離する。赤色光は、液晶パネル241Rに入射する。液晶パネル241Rは、赤色光に基づいて画像を形成する。緑色光は、液晶パネル241Gに入射する。液晶パネル241Gは、緑色光に基づいて画像を形成する。青色光は、液晶パネル241Bに入射する。液晶パネル241Bは、青色光に基づいて画像を形成する。液晶パネル241R、241G、241Bから射出された光は、色合成光学系244によって合成される。投射光学系3は、色合成光学系244からの光を投射する。
【0056】
本実施形態においては、例えば投射光学系3から光が投射される期間の少なくとも一部において、スピーカー4が作動し、音を発する。換言すれば、画像形成系6が画像形成処理を実行している期間の少なくとも一部において、スピーカー4が作動し、音を発する。
【0057】
本実施形態においては、スピーカー4と支持部材51との間に、支持部材51よりも柔らかい低反発素材を含む狭装部材52を狭持するため、例えばスピーカー4が作動し、振動した場合でも、そのスピーカー4の振動が支持部材51に伝わることが抑制される。
【0058】
本実施形態において、狭装部材52は、支持部材51よりも、スピーカー4が発生する周波数領域における振動を抑制(吸収)する。本実施形態においては、狭装部材52は、支持部材51よりも、いわゆる可聴周波数領域(例えば20Hz〜20000Hz)における振動を抑制(吸収)する。また、本実施形態においては、その周波数領域における狭装部材52の共振ピークは、支持部材51の共振ピークよりも小さい。これにより、狭装部材52は、スピーカー4の振動が支持部材51に伝わることを抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態においては、支持機構5は、スピーカー4が支持部材51(外装ケース2)との間に狭装部材52が狭持されるように構成してスピーカー4を支持する。すなわち、支持機構5は、いわゆるフローティング構造を含み、スピーカーを支持部材から浮かせるように支持する。これにより、例えば投射光学系3から光が投射される期間の少なくとも一部において、スピーカー4が作動し、振動が発生しても、投射光学系3及び画像形成系6の一方又は両方を支持する支持部材51(外装ケース2)に振動が伝わることが抑制される。これにより、スピーカー4の振動に起因する、投射光学系3から投射される画像に揺らぎの発生や、振動による騒音を抑制する。したがって、プロジェクター1の性能の低下を抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態においては、支持部材51は、第1支持部511と、第1支持部511の少なくとも一部と間隙を介して対向して配置される第2支持部512とを含む。そして、スピーカー4のフレーム部41の少なくとも一部が、第1支持部511と第2支持部512との間に配置され、狭装部材52が、第1支持部511とフレーム部41との間、及び第2支持部512とフレーム部41との間に配置される。そして、第1支持部511と第2支持部512とが、狭装部材52及びフレーム部41を挟んで支持する。これにより、狭装部材52を、支持部材51の第1支持部511とスピーカー4のフレーム部41との間、及び支持部材51の第2支持部512とスピーカー4のフレーム部41との間に安定的に狭持することができる。また、例えばネジ等、機械的な固定部材を用いなくても、狭装部材52を安定して固定できる。
【0061】
また、本実施形態においては、フレーム部41は、プレート形状であり、フレーム部41の表面41A(41B)とほぼ平行なYZ面内において、第1支持部511と第2支持部512とはお互いに遠ざかる方向にずれた位置に配置される。これにより、第1支持部511と第2支持部512がそれぞれ狭装部材52を狭持する位置がずれるので、狭装部材52の全体に圧縮させる力をかけることができる。よって、狭装部材52を安定して狭持することができる。
【0062】
また、本実施形態においては、支持部材51は、狭装部材52を介してスピーカー4のマグネット部42を支持する第3支持部513を含む。スピーカー4のうち最も重量の大きいマグネット部42を支持する第3支持部513を含むので、支持機構5は、スピーカー4をより安定的に支持することができる。また、第3支持部513は、第1支持部511及び第2支持部512とは異なり、鉛直方向(Z方向)にスピーカー4を支持するので、スピーカー4をより確実に固定することができる。
【0063】
また、本実施形態においては、支持部材51は、スピーカー4を包囲するように配置される。これにより、スピーカー4が発する音の質(音質)の低下が抑制される。
【0064】
以上説明したように、本実施形態によれば、狭装部材52を配置したことにより、プロジェクター1の性能の低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…プロジェクター、2…外装ケース、4…スピーカー、5…支持機構、41…フレーム部、42…マグネット部、51…支持部材、52…狭装部材、511…第1支持部、512…第2支持部、513…第3支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカーと、
前記スピーカーを支持する支持機構と、を備え、
前記支持機構は、支持部材と、前記支持部材よりも柔らかく、前記支持部材と前記スピーカーの少なくとも一部との間で挟持される狭装部材とを有するプロジェクター。
【請求項2】
前記支持部材は、第1支持部と、前記第1支持部の少なくとも一部と間隙を介して対向して配置される第2支持部とを含み、
前記スピーカーのフレーム部の少なくとも一部が、前記間隙に配置され、
前記狭装部材が、前記第1支持部と前記フレーム部との間及び前記第2支持部と前記フレーム部との間に配置され、
前記第1支持部と前記第2支持部とが、前記狭装部材及び前記フレーム部を挟持する請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記フレーム部は、プレート形状であり、
前記フレーム部の表面とほぼ平行な面内において、前記第1支持部と前記第2支持部とは水平方向にずれた位置に配置される請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記支持部材は、前記狭装部材を介して前記第1支持部と前記第2支持部とが配置される方向とは略垂直な方向に前記スピーカーのマグネット部を支持する第3支持部を含む請求項2又は3に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記支持部材は、前記スピーカーを包囲する請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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