説明

プロセスガスの濃度制御方法

本発明は、プロセス室における基体の処理のためのプロセスガスの濃度制御方法であって、液体を、キャリアガスの通された泡を用いてバブラー中で気化する方法に関する。
本発明は、プロセスガスの濃度制御を容易に実現できる方法を提供するという課題に基づく。
本発明の課題は、パブラー中において所定の一定の内部圧力を発生させて、そして、その後、所定の蒸気圧を調整するために同時にバブラー内で気化される媒体の温度を調節しながら、バブラー中へキャリアガスを導入することにより達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バブラー(Bubbler)中において、通されたキャリアガスの気泡を用いて液体を気化させる、プロセス室における基体処理のためのプロセスガスの濃度の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気状のプロセスガスを発生させるためには、主に密閉容器からなる所謂バブラー(Bubbler)が使用される。このバブラーには、気化すべき液体が投入されている。この気化すべき液体は任意の種のもの、例えば所定の濃度を有する酸であることができる。例えば、液体は様々な濃度の蟻酸(HCOOH)であることができる。実際の気化プロセスのためには、キャリアガスが、多くの開口部を有するノズルロッドを介して前記容器の最下部に投入される。キャリアガスとしては、例えば、N、N、H等、又は、不活性ガスなどがある。その後、キャリアガスはバブラーにおいて気泡状で液体中を上昇し、そして液体の一部を蒸気の形で同伴する。その際生ずるキャリアガス/蒸気混合物は、次いで、容器からプロセス室に供給される。
【0003】
この過程において、相対湿度が100%に達するまで、ガス気泡は気化媒体を取り上げる。この際、濃度は、バブラー中の圧力、並びに、室温とすることもできる温度に依存する。その際、圧力の調整は減圧器(Druckminderer)によって行われる。
【0004】
プロセス室での基体の処理では、キャリアガス中での媒体の所定の濃度を守ることが、プロセスのクオリティにとって決定的に重要である。ここで、相対湿度100%のガス混合物の冷却時に凝縮を防止できないことが欠点となっている。その結果、キャリアガス中の媒体の濃度が減少し、これは同時にプロセスにおいて意図しない効果を生じえることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、本発明は、プロセスガスの濃度制御を容易に達成できる方法を提供するという課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が基づく上記の課題は、冒頭の述べたタイプの方法において、パブラー中において所定の一定の内部圧力を発生させて、そして、その後、所定の蒸気圧を調整するためにバブラー内で気化される媒体の温度を調節しながら同時に、バブラー中へキャリアガスを導入することよって解決される。
【発明の効果】
【0007】
この驚くべき程に簡単に実現可能な方法は、キャリアガス中での気化された媒体の正確な濃度制御を可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のある実施形態においては、バブラー中へのキャリアガスの供給を中断することなしにキャリアガス中の媒体の濃度を様々なプロセス条件に適合させるために、バブラー中の温度を連続的に変化させる。
【0009】
本発明のある発展形態においては、バブラーからプロセス室への配管が温度調節に取り入れられ、この際、この配管は、好ましくは、バブラーと同じ温度に調整されることが企図される。
【0010】
本発明は後に続く実施例によりさらに詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】は、本発明の方法の実施のための、バブラーの略図を表す。
【0012】
バブラー1は、冷却/加熱外装2に囲まれた密閉可能な容器から成る。気化プロセスを生じさせるために、バブラー1は、キャリアガスのための供給管3と接続し、それは、バブラー1の内部でノズルロッド4の底の部分を終点とし、このノズルロッド4には、ガス気泡発生のための多数のノズルが設けられている。図面では、上昇するガス気泡は矢印5として図示されている。このガス気泡は、バブラー中に投入された液体媒体6中を上昇し、そして配管7を介してここに図示されていないプロセス室に送られる。
【0013】
冷却/加熱外装2は、バブラー1中の液体媒体6の温度を調節するための冷却/加熱器8と接続されている。
【0014】
さらに、バブラー1中の圧力を所定の一定の値とすることができる減圧器9がキャリアガスのための供給管3中にある。
【0015】
この実施例においては、キャリアガスとしては、N、N、Hが使用される。また当然、本発明は他のキャリアガスを用いても同様に実現可能である。ここでは、液体媒体としては、蟻酸(HCOOH)が、酸化物層、例えば相互にはんだ付けされる表面上の酸化物層のための還元媒体として使用される。
【0016】
キャリアガス中の気化された媒体6の濃度制御は、バブラー中一定の圧力下に、冷却/加熱器8を用いて、予め定められた/予め計算された温度に調整することによって行われる。バブラー1中の温度変化により、バブラー1中の一定の圧力下に、媒体の蒸気圧を連続的に変化させることができる。それゆえ、キャリアガス中の気化された媒体の濃度を広い範囲で非常に簡単に制御でき、それにより、同時に、基体の処理において容易なプロセスの最適化が可能となる。基体という用語とは、例えば、相互にはんだ付けされる物体又は表面であるとも理解されるべきである。
【0017】
濃度が変化しないことを確実にするために、配管7は、追加的に、プロセス室の供給ポイントまで管ヒーター10を具備することができる。この管ヒーター10は、冷却/加熱器8と接続され、それにより配管の温度はバブラー1と同じ温度に調整されることができる。
【0018】
本発明の方法は、蟻酸を所定の濃度でプロセス室に案内することによって、リフローはんだ付け工程のために、ここに図示されていないリフローはんだ付けに有利に使用することができる。その際、蟻酸は、相互にはんだ付けされる各パートナー上の酸化物層の還元媒体として役立つ。
【符号の説明】
【0019】
1 バブラー
2 冷却/加熱外装
3 供給管
4 ノズルロッド
5 矢印
6 液体媒体
7 配管
8 冷却/加熱器
9 減圧器
10 管ヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス室における基体の処理のためのプロセスガスの濃度を制御するにあたり、液体を、キャリアガスの通された泡を用いてバブラー中で気化する方法であって、パブラー中において所定の一定の内部圧力を発生させて、そして、その後、所定の蒸気圧を調整するためにバブラー内で気化される媒体の温度を調節しながら同時に、バブラー中へキャリアガスを導入することを特徴とする上記方法。
【請求項2】
バブラー中へのキャリアガスの供給を中断することなしにキャリアガス中の媒体の濃度を様々なプロセス条件に適合させるために、バブラー中の温度を変えることができることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
バブラーからプロセス室への配管が温度調節に取り入れられることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
配管が、バブラー内と同じ温度に調整されることを特徴とする請求項3に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−527794(P2010−527794A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508817(P2010−508817)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056104
【国際公開番号】WO2008/142043
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(509136507)セントロターム・サーマル・ソルーションズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト (4)