説明

プロセッサ切り替え装置およびその切り替え方法

【課題】コンピュータに実装するプロセッサの種類を変更する際に、部品の実装あるいは未実装の切り替え作業等を行わなくてもHWストラップの異なるプロセッサを自由に乗せ換えることが可能なプロセッサ切り替え装置の提供。
【解決手段】 コンピュータのシステム電源投入に先立つスタンバイ電源投入後に、コンピュータに実装されるプロセッサ2〜5から送信されるプロセッサ種別信号82およびそのプロセッサが実装されていることを示すプレゼント信号83を受け取ってプロセッサの種別を判定し、判定結果のシステムプロセッサ種別信号81を送信するプロセッサ種別判定回路10と、プロセッサ種別判定回路10からのシステムプロセッサ種別信号81を受け取り、その信号81に基づきプロセッサ2〜5のHW設定の切り替えを行うHW設定切り替え回路20とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセッサ切り替え装置およびその切り替え方法に関し、特に1個または複数個の同一種類のプロセッサが実装されるコンピュータのプロセッサ切り替え装置およびその切り替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1個または複数個の同一種類のプロセッサが実装されるコンピュータは知られている。従来、この種のコンピュータでは実装されるプロセッサの種類により、プルアップ(たとえば、電気回路を抵抗を介して電源の正電位側へ接続すること)やプルダウン(たとえば、電気回路を抵抗を介して接地側へ接続すること)等のHW(ハードウエア)ストラップの変更を、部品実装あるいは未実装により行っていた。この種の設定の変更は基板の共通化等を目的として行われている。
【0003】
一方、DC(直流)電源確定後に変更可能なプロセッサの設定ピンをプロセッサ種別に応じて変更する技術が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平06−124194号公報(段落0012、0016および図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来はHWストラップ変更のための部品の実装あるいは未実装の切り替えを工場で行うか、あるいは基板自体を変更する必要があったため、HWストラップの異なるプロセッサを自由に乗せ換えることができないという課題があった。
【0006】
一方、特許文献1記載の技術では、DC電源確定後でなければプロセッサの設定ピンの変更を行うことができないという課題があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、コンピュータに実装するプロセッサの種類を変更する際に、部品の実装あるいは未実装の切り替え作業等を行わなくてもHWストラップの異なるプロセッサを自由に乗せ換えることが可能なプロセッサ切り替え装置およびその切り替え方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明によるプロセッサ切り替え装置は、1個または複数個のプロセッサが実装されるコンピュータのプロセッサ切り替え装置であって、前記コンピュータのシステム電源投入に先立つスタンバイ電源投入後に、前記コンピュータに実装されるプロセッサから送信されるプロセッサ種別信号およびそのプロセッサが実装されていることを示すプレゼント信号を受け取って前記プロセッサの種別を判定し、判定結果のシステムプロセッサ種別信号を送信するプロセッサ種別判定手段と、前記プロセッサ種別判定手段からのシステムプロセッサ種別信号を受け取り、そのシステムプロセッサ種別信号に基づき前記プロセッサのHW(ハードウエア)設定の切り替えを行うHW設定切り替え手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
また本発明によるプロセッサ切り替え方法は、1個または複数個のプロセッサが実装されるコンピュータのプロセッサ切り替え方法であって、前記コンピュータのシステム電源投入に先立つスタンバイ電源投入後に、前記コンピュータに実装されるプロセッサから送信されるプロセッサ種別信号およびそのプロセッサが実装されていることを示すプレゼント信号を受け取って前記プロセッサの種別を判定し、判定結果のシステムプロセッサ種別信号を送信するプロセッサ種別判定ステップと、前記プロセッサ種別判定ステップからのシステムプロセッサ種別信号を受け取り、そのシステムプロセッサ種別信号に基づき前記プロセッサのHW(ハードウエア)設定の切り替えを行うHW設定切り替えステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
ここで、本発明の作用を述べる。本発明はプロセッサの種類に応じて自動的にHW設定を切り替えることを特徴としている。コンピュータのシステム電源投入に先立つスタンバイ電源投入後に、1個または複数個のプロセッサは自プロセッサの種別を表す信号をプロセッサ種別判定回路に出力する。プロセッサ種別判定回路は各プロセッサからのプロセッサ種別を表すプロセッサ種別信号を受け取り、これに基づきコンピュータシステムとしてのシステムプロセッサ種別を判定し、HW設定切り替え回路へシステムプロセッサ種別信号を出力する。HW設定切り替え回路は、このシステムプロセッサ種別信号によりプロセッサやLSI(large scale integrated circuit)のHWストラップを変更する。次いでシステムのDC電源が投入される。
【0011】
このようにして、本発明では、DC電源を投入する前にプロセッサの種類を判定し、HWストラップを変更しているので、部品の実装あるいは未実装を変更することなくHWストラップの異なるプロセッサ種別に対応することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上記構成を含むことにより、コンピュータに実装するプロセッサの種類を変更する際に、部品の実装あるいは未実装の切り替え作業等を行わなくてもHWストラップの異なるプロセッサを自由に乗せ換えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明に係るプロセッサ切り替え装置1は、図示しないコンピュータ内に設けられる。図1は本発明に係るプロセッサ切り替え装置の第1実施例の構成図である。
【0015】
同図を参照すると、本発明に係るプロセッサ切り替え装置1は、プロセッサの種別を判定するプロセッサ種別判定回路10と、プロセッサ種別判定回路10からのシステムプロセッサ種別信号81に基づきプロセッサのHW(ハードウエア)設定の切り替えを行うHW設定切り替え回路20とを含んでいる。
【0016】
また、プロセッサ切り替え装置1とは別に、一例として4個の同一種類のプロセッサ(#1〜#4)2〜5と、LSI6とがコンピュータに含まれる。
【0017】
プロセッサ(#1〜#4)2〜5は図示しないソケットに実装されており、そのソケットを介して各々のプロセッサ(#1〜#4)2〜5の種別を示すプロセッサ種別信号82と、それらソケットに各々のプロセッサ(#1〜#4)2〜5が実装されていることを示すプレゼント信号83がプロセッサ種別判定回路10へ出力される。
【0018】
なお、本実施例ではプロセッサが4個ソケットに実装されている場合について説明するが、これに限定されるものではなく、少なくとも1個ソケットに実装されていれば本発明の適用が可能である。また、プロセッサおよびソケットの個数は任意である。
【0019】
LSI6はソケットに実装されるプロセッサの種別に応じてHW設定の切り替えが必要な回路である。
【0020】
一例として、プロセッサの種類は2種あるものとし、そのいずれか同一種類のプロセッサが各ソケットに実装されている。
【0021】
プロセッサ種別判定回路10は、各プロセッサ(#1〜#4)2〜5のプロセッサ種別信号82を受け取り、コンピュータシステムとしてどのプロセッサ種別で動作すべきかを判定し、システムプロセッサ種別信号81を出力する。なお、プロセッサが実装されていないソケットが存在する場合は、そのソケットからのプロセッサ種別信号82は無視される。
【0022】
HW設定切り替え回路20は、プロセッサ種別判定回路10からのシステムプロセッサ種別信号81を受け取り、各プロセッサ(#1〜#4)2〜5やLSI6のHW設定を切り替える。
【0023】
次に、プロセッサ種別判定回路10の詳細な構成について説明する。図2はプロセッサ種別判定回路10の一例の構成図である。同図を参照すると、プロセッサ種別判定回路10は、各プロセッサ(#1〜#4)2〜5からのプロセッサ種別信号82およびプレゼント信号83が入力される論理積回路11と、論理積回路11の出力信号が入力される論理和回路12とを含んでいる。
【0024】
論理積回路11は各プロセッサ(#1〜#4)2〜5ごとに設けられたANDゲート11−1〜11−4を含んでおり、各プロセッサ(#1〜#4)2〜5のプロセッサ種別信号82の有効性を判断する。
【0025】
いま、プロセッサ種別信号82が“1”の場合、プロセッサの種別はAであり、プロセッサ種別信号82が“0”の場合、プロセッサの種別はBであるものとする。また、ソケットにプロセッサが実装されている場合はプレゼント信号83は“1”、実装されていない場合は“0”であるものとする。
【0026】
いま、各ソケットに種別Aのプロセッサが実装されているものとする。一例として、ANDゲート11−1にはプロセッサ(#1)2からのプロセッサ#1種別信号82−1およびプレゼント信号83−1が入力される。この場合、プロセッサ#1種別信号82−1は“1”、プレゼント信号83−1は“1”である。したがって、ANDゲート11−1の出力信号は“1”となる。
【0027】
他のソケットにもプロセッサ(#1)2と同種のプロセッサが実装されていることは事前に分かっているので、ANDゲート11−2〜11−4の出力信号も同様に“1”となる。
【0028】
論理和回路12には各ANDゲート11−1〜11−4からの出力信号“1”が入力されるため、論理和回路12の出力信号、すなわちシステムプロセッサ種別信号81は“1”となる。システムプロセッサ種別信号81が“1”の場合、コンピュータに実装されているプロセッサの種別はAと判定される。
【0029】
なお、一例としてプロセッサ(#1)2しかソケットに実装されていない場合を考えると、ANDゲート11−1の出力信号は“1”となる。
【0030】
一方、プロセッサ(#2)3〜(#4)5のプレゼント信号83−2〜83−4はともに“0”となるため、ANDゲート11−2〜11〜4の出力信号はプロセッサ(#2)3〜(#4)5の種別に関わらず全て“0”となる。
【0031】
これにより、論理和回路12の出力、すなわちシステムプロセッサ種別信号81は“1”となる。すなわち、プロセッサの種別がAの場合はプロセッサの個数に関わらず、ソケットに実装されているプロセッサの種別はAと判別される。
【0032】
次に、各ソケットに種別Bのプロセッサが実装されている場合について説明する。この場合、プロセッサ#1種別信号82−1は“0”、プレゼント信号83−1は“1”である。したがって、ANDゲート11−1の出力信号は“0”となる。
【0033】
他のソケットにもプロセッサ(#1)2と同種のプロセッサが実装されていることは事前に分かっているので、ANDゲート11−2〜11−4の出力信号も同様に“0”となる。
【0034】
論理和回路12には各ANDゲート11−1〜11−4からの出力信号“0”が入力されるため、論理和回路12の出力信号、すなわちシステムプロセッサ種別信号81は“0”となる。システムプロセッサ種別信号81が“0”の場合、コンピュータに実装されているプロセッサの種別はBと判定される。
【0035】
なお、一例としてプロセッサ(#1)2しかソケットに実装されていない場合を考えると、ANDゲート11−1の出力信号は“0”となる。
【0036】
一方、プロセッサ(#2)3〜(#4)5のプレゼント信号83−2〜83−4はともに“0”となるため、ANDゲート11−2〜11〜4の出力信号はプロセッサ(#2)3〜(#4)5の種別に関わらず全て“0”となる。
【0037】
これにより、論理和回路12の出力、すなわちシステムプロセッサ種別信号81は“0”となる。すなわち、プロセッサの種別がBの場合もプロセッサの個数に関わらず、ソケットに実装されているプロセッサの種別はBと判別される。
【0038】
一方、ソケットにプロセッサが1個も実装されていない場合も論理和回路12の出力、すなわちシステムプロセッサ種別信号81は“0”となる。したがって、この場合、論理和回路12の出力に基づいてソケットに1個以上の種別Bのプロセッサが実装されているのか、それともプロセッサが全く実装されていないかの区別ができないように思われるが、プロセッサ種別判定回路10には、各プロセッサ(#1〜#4)2〜5からのプレゼント信号83が入力されているため、このプレゼント信号83のうちのいずれかが“1”の場合は少なくとも1個の種別Bのプロセッサが実装されていることが分かる。
【0039】
次に、HW設定切り替え回路20の詳細な構成について説明する。図3はHW設定切り替え回路20の一例の構成図である。同図を参照すると、HW設定切り替え回路20は、プロセッサ(#1)2用のQスイッチ21−1と、プロセッサ(#2)3用のQスイッチ21−2と、プロセッサ(#3)4用のQスイッチ21−3と、プロセッサ(#4)5用のQスイッチ21−4と、LSI6用のQスイッチ21−5とを含んでいる。ただし、Qスイッチ21−3〜21−5は図示を省略している。
【0040】
さらにQスイッチ21−1の一方の端子31とDC電源との間には抵抗22が接続され、他方の端子32と接地間には抵抗23が接続されている。同様に、Qスイッチ21−2の一方の端子41とDC電源との間には抵抗24が接続され、他方の端子42と接地間には抵抗25が接続されている。また、Qスイッチ21−3〜21−5にも同様の抵抗が接続されているが、その説明および図示は省略する。
【0041】
Qスイッチ21−1〜21−5はプロセッサ種別判定回路10から出力されるシステムプロセッサ種別信号81に基づき制御される。
【0042】
いま、プロセッサの種別がAの場合はQスイッチがDC電源側の抵抗(図3の例では抵抗22および24側)に接続され、プロセッサの種別がBの場合はQスイッチが接地側の抵抗(図3の例では抵抗23および25側)に接続されるものとする。すなわち、抵抗22および24が前述のプルアップ用の抵抗に相当し、抵抗23および25が前述のプルダウン用の抵抗に相当する。
【0043】
また、各プロセッサ(#1〜#4)2〜5およびLSI6からHWストラップ信号84−1、84−2、・・・(84−3〜84−6は図示を省略する)が各Qスイッチの共通端子33、43等へ出力される。
【0044】
なお、Qスイッチ21−1〜21−5を公知のトランジスタによる切り替え回路に置換することが可能である。
【0045】
次に、電源システムについて説明する。本発明に係るコンピュータは、コンピュータの全ての回路の電源を司るシステム電源と、一部の回路の電源を司るスタンバイ電源の2種の電源を備えている。
【0046】
本発明では、スタンバイ電源は一例としてプロセッサ種別判定回路10とHW設定回路20および各プロセッサ(#1〜#4)2〜5の少なくともプロセッサ種別信号82およびプレゼント信号83を送信するための回路の電源のみを司る。
【0047】
すなわち、スタンバイ電源を投入した場合はこれらの電源のみがオンとなるが、システム電源を投入した場合は他の回路の電源も全てオンとなる。
【0048】
次に、本発明に係るプロセッサ切り替え装置の第1実施例の動作について説明する。図4は本発明に係るプロセッサ切り替え装置の第1実施例の動作の一例を示すフローチャートである。
【0049】
同図を参照すると、まずコンピュータシステムを図示しない電源コンセントに差し込むと(ステップS1)、コンピュータシステムにはシステム電源ではなくスタンバイ電源が投入される(ステップS2)。
【0050】
このスタンバイ電源が投入されると、プロセッサ種別判定回路10、HW設定切り替え回路20および各プロセッサ(#1〜#4)2〜5の少なくともプロセッサ種別信号82およびプレゼント信号83を送信するための回路の電源がオンとなり、これらの回路が動作可能な状態となる。そして、各プロセッサ(#1〜#4)2〜5からプロセッサ種別信号82とプレゼント信号83とがプロセッサ種別判定回路10へ出力される(ステップS3)。
【0051】
プロセッサ種別判定回路10は各プロセッサ(#1〜#4)2〜5からのプロセッサ種別信号82およびプレゼント信号83を受け取り、それらの信号に基づきシステムプロセッサ種別信号81を生成し、これをHW設定切り替え回路20へ出力する(ステップS4)。
【0052】
HW設定切り替え回路20はプロセッサ種別判定回路10からのシステムプロセッサ種別信号81を受け取り、この信号に基づき各プロセッサ(#1〜#4)2〜5およびLSI6に対応するQスイッチを制御し、HWストラップピンの接続先を設定する(ステップS5)。
【0053】
すなわち、プロセッサ(#1〜#4)2〜5が種別Aの場合はQスイッチはDC電源側に接続され、種別Bの場合はQスイッチは接地側に接続される。
【0054】
次に、システム電源が投入される(ステップS6)。
【0055】
その後、プロセッサ(#1〜#4)2〜5およびLSI6はHW設定切り替え回路20により設定されたHWストラップで動作を開始する(ステップS7)。
【0056】
以上説明したように、本発明の第1実施例によれば、コンピュータに実装するプロセッサの種類を変更する際に、部品の実装あるいは未実装の切り替え作業等を行わなくてもHWストラップの異なるプロセッサを自由に乗せ換えることが可能となる。
【0057】
また、HWストラップの変更をシステム電源の投入前に行うことが可能となる。
【実施例2】
【0058】
次に、本発明の第2実施例について説明する。第2実施例は第1実施例とプロセッサ種別判定回路の構成が異なる。図5は第2実施例のプロセッサ種別判定回路60の構成図である。同図を参照すると、第1実施例(図2参照)と異なる点は論理和回路12の出力側と接地間に発光ダイオード13が接続された点であり、その他の構成は第1実施例と同様である。したがって、第1実施例と同様の構成部分については図示するのみとし、その説明を省略する。
【0059】
論理和回路12の出力側と接地間に発光ダイオード13が接続されているため、プロセッサの種別がAの場合、論理和回路12の出力信号は“1”となり、発光ダイオード13が点灯する。
【0060】
一方、プロセッサの種別がBの場合、論理和回路12の出力信号は“0”となり、発光ダイオード13は消灯する。
【0061】
すなわち、本発明の第2実施例によれば、発光ダイオード13が点灯している場合は種別Aのプロセッサが実装されており、発光ダイオード13が消灯している場合は種別Bのプロセッサが実装されていると目視で判断することができるため、プロセッサ種別の誤実装を防止することが可能となる。
【実施例3】
【0062】
次に、本発明の第3実施例について説明する。第3実施例は第1実施例とプロセッサ種別判定回路の構成が異なる。図6は第3実施例のプロセッサ種別判定回路70の構成図である。同図を参照すると、第1実施例(図2参照)と異なる点は、論理積回路11(ANDゲート11−1〜11−4)の出力側に比較回路14が接続され、さらに比較回路14の出力側と接地間に発光ダイオード15が接続された点であり、その他の構成は第1実施例と同様である。したがって、第1実施例と同様の構成部分については図示するのみとし、その説明を省略する。
【0063】
比較回路14はソケットに実装されているプロセッサに対応するANDゲート(11−1〜11−4のうちのいずれか)の出力が全て“1”または全て“0”である場合は、出力信号“1”を出力し、その出力に“1”と“0”の両方が含まれる場合は出力信号“0”を出力する。
【0064】
このような比較回路14は、一例として排他的論理和回路(エクスクルーシブORゲート)と否定回路(NOTゲート)の組み合わせで構成することが可能である。
【0065】
そして、比較回路14の出力信号が“1”の場合は発光ダイオード15が点灯し、比較回路14の出力信号が“0”の場合は発光ダイオード15が消灯する。
【0066】
もちろん、ソケットに実装されているプロセッサに対応するANDゲート(11−1〜11−4のうちのいずれか)の出力が全て“1”または全て“0”である場合は、出力信号“0”を出力し、その出力に“1”と“0”の両方が含まれる場合は出力信号“1”を出力する構成も可能である。
【0067】
以上説明したように本発明の第3実施例によれば、一例として発光ダイオード15が点灯すれば、全てのプロセッサが同一種別であり、発光ダイオード15が消灯すれば異種のプロセッサが混合されていると一目で判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係るプロセッサ切り替え装置の第1実施例の構成図である。
【図2】プロセッサ種別判定回路10の一例の構成図である
【図3】HW設定切り替え回路20の一例の構成図である。
【図4】本発明に係るプロセッサ切り替え装置の第1実施例の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】第2実施例のプロセッサ種別判定回路60の構成図である。
【図6】第3実施例のプロセッサ種別判定回路70の構成図である。
【符号の説明】
【0069】
1 プロセッサ切り替え装置
2〜5 プロセッサ(#1〜#4)
6 LSI
10 プロセッサ種別判定回路
11 論理積回路
12 論理和回路
13、15 発光ダイオード
14 比較回路
20 HW設定切り替え回路
21 Qスイッチ
22〜25 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個または複数個のプロセッサが実装されるコンピュータのプロセッサ切り替え装置であって、
前記コンピュータのシステム電源投入に先立つスタンバイ電源投入後に、前記コンピュータに実装されるプロセッサから送信されるプロセッサ種別信号およびそのプロセッサが実装されていることを示すプレゼント信号を受け取って前記プロセッサの種別を判定し、判定結果のシステムプロセッサ種別信号を送信するプロセッサ種別判定手段と、
前記プロセッサ種別判定手段からのシステムプロセッサ種別信号を受け取り、そのシステムプロセッサ種別信号に基づき前記プロセッサのHW(ハードウエア)設定の切り替えを行うHW設定切り替え手段とを含むことを特徴とするプロセッサ切り替え装置。
【請求項2】
前記プロセッサ種別判定手段の出力側に判定結果に応じて点灯または消灯する表示素子が設けられることを特徴とする請求項1記載のプロセッサ切り替え装置。
【請求項3】
前記プロセッサ種別判定手段に、前記プロセッサから送信されるプロセッサ種別信号に基づき実装されるプロセッサの種類を相互に比較する比較手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載のプロセッサ切り替え装置。
【請求項4】
前記比較手段の出力側に比較結果に応じて点灯または消灯する表示素子が設けられることを特徴とする請求項3記載のプロセッサ切り替え装置。
【請求項5】
前記HW(ハードウエア)設定の切り替え後に前記システム電源が投入されることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載のプロセッサ切り替え装置。
【請求項6】
1個または複数個のプロセッサが実装されるコンピュータのプロセッサ切り替え方法であって、
前記コンピュータのシステム電源投入に先立つスタンバイ電源投入後に、前記コンピュータに実装されるプロセッサから送信されるプロセッサ種別信号およびそのプロセッサが実装されていることを示すプレゼント信号を受け取って前記プロセッサの種別を判定し、判定結果のシステムプロセッサ種別信号を送信するプロセッサ種別判定ステップと、
前記プロセッサ種別判定ステップからのシステムプロセッサ種別信号を受け取り、そのシステムプロセッサ種別信号に基づき前記プロセッサのHW(ハードウエア)設定の切り替えを行うHW設定切り替えステップとを含むことを特徴とするプロセッサ切り替え方法。
【請求項7】
前記プロセッサ種別判定ステップに、前記プロセッサから送信されるプロセッサ種別信号に基づき実装されるプロセッサの種類を相互に比較する比較ステップを含むことを特徴とする請求項6記載のプロセッサ切り替え方法。
【請求項8】
前記HW(ハードウエア)設定の切り替え後に前記システム電源が投入されることを特徴とする請求項6または7記載のプロセッサ切り替え方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−293641(P2007−293641A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121407(P2006−121407)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)