説明

プロピオン酸フルチカゾン用計量バルブおよび計量投与用吸入器

【課題】 薬剤が付着しない計量バルブおよび計量投与用吸入器の提供。
【解決手段】 一以上のフルオロカーボンポリマーおよびこれに組み合わせてもよい一以上の非フルオロカーボンポリマーで内面の一部または全部が被覆された、吸入薬エーロゾル配合物を送達するための計量バルブ。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】呼吸器疾患および鼻疾患の治療用薬剤は、口または鼻を通してエアゾール配合物の形でしばしば投与される。そのようなエアゾール薬剤配合物の投薬に広く用いられている1つの方法は、微粉としての薬剤の噴射剤として公知の液化ガス中の懸濁配合物を製造するものである。懸濁液は噴射剤を液体として維持するのに必要な圧力に耐えうる密閉容器に貯蔵される。懸濁液は容器に固定された投与量計量バルブの働きによって分散される。
【0002】計量バルブは、操作毎に一定の所定量の薬剤配合物をばらつきなく放出するように設計しうる。懸濁液を噴射剤の高い蒸気圧によって無理に容器から投与量計量バルブに通す際に、噴射剤は急速に気化し、薬剤配合物の非常に細かい粒子の急速移動雲が残る。この粒子の雲は円筒または開口円錐のような流路装置によって患者の鼻または口に送られる。エアゾール投与量計量バルブの操作と同時に、患者は薬剤粒子を肺または鼻腔に吸入する。薬剤をこのように投薬する装置は「計量投与用吸入器」(MDI)として公知である。この形の治療法の一般的な背景についてはPeter Byron, Respiratory Drug Delivery, CRC Press, BocaRaton, FL(1990)を参照。
【0003】次第に衰弱し、そして場合によっては生命の危険性がある呼吸器疾患を速やかに治療する場合、患者はMDIによって放出される薬剤にしばしば頼る。従って、患者に対して放出されるエアゾール薬剤の所定投与量が、製造業者による規定をばらつきなく満たし、FDAおよび他の取り締まり当局の要件に従うものであることは必須のことである。すなわち、缶中の各投与量は精密許容差内で同じでなければならない。
【0004】エアゾール薬剤によっては、MDIの内面、すなわち缶の壁、バルブおよびキャップに付着する傾向がある。このような缶であると、MDIの活性化毎に患者が得る薬剤配合物の量は所定量より有意に少ない量となる。P11、P114およびP12のようなクロロフルオロカーボンに代わる近年開発されたヒドロフルオロアルカン(単に「フルオロカーボン」としても公知である)噴射剤システム、例えばP134aおよびP227にとってこれは特に深刻な問題である。
【0005】我々は、MDIの缶の内面をフルオロカーボンポリマーで被覆すると、プロピオン酸フルチカゾンの付着または堆積問題が有意に減少したり、あるいは本質的になくなり、従って、MDIからのエアゾール中の薬剤の放出にばらつきが確実になくなることを見いだした。
【0006】
【発明の概要】本発明は、プロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物と、フルオロカーボン噴射剤と、場合によってはこれらに組み合わせてもよい一以上の他の薬理学的に活性な薬剤または一以上の賦形剤とを含む吸入薬剤配合物を投薬するための、一以上のフルオロカーボンポリマーおよびこれに組み合わせてもよい一以上の非フルオロカーボンポリマーで内面の一部または全部が被覆された計量投与用吸入器である。
【0007】
【発明の具体的な説明】「計量投与用吸入器」または「MDI」という用語は、缶、缶の口を覆うクリンプキャップ、およびキャップ内に位置する薬剤計量バルブを含む装置を意味し、「MDI装置」という用語は適当な流路装置も含む。「MDI缶」という用語は、キャップおよびバルブのない容器を意味する。「薬剤計量バルブ」または「MDIバルブ」という用語は、操作毎にMDIから所定量の薬剤配合物を放出するバルブおよびそれに関連する装置を意味する。流路装置は、例えば、バルブおよび薬剤を充填MDI缶からMDIバルブを経て患者の鼻または口へ放出しうる円筒状または円錐状の通路のための作動装置、例えばマウスピース作動器を含む。一般的なMDIの部品の関係は、米国特許第5,261,538号(参照することによってここに記載されたものとする)に説明されている。
【0008】「フルオロカーボンポリマー」という用語は、炭化水素鎖の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されているポリマーを意味する。従って、「フルオロカーボンポリマー」にはペルフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ヒドロ−クロロフルオロカーボンポリマーまたはこれらの他のハロゲン置換誘導体が含まれる。「フルオロカーボンポリマー」は分枝ポリマー、ホモ−ポリマーまたはコポリマーでもよい。
【0009】米国特許第4,335,121号(参照することによってここに記載されたものとする)は、化学名[(6a,11b,16a,17a)−6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−(1−オキソプロポキシ)アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオ酸,S−フルオロメチルエステルおよび一般名「プロピオン酸フルチカゾン」で公知の抗炎症ステロイド化合物を教示している。エノール形のプロピオン酸フルチカゾンは、ぜん息の治療に有用であるとして医学界で受け入れられており、「Flovent」および「Flonase」の商標名で市販されている。プロピオン酸フルチカゾンは生理学的に許容される溶媒和物の形でも用いうる。
【0010】「薬剤配合物」という用語は、一以上の他の薬理学的に活性な薬剤、例えば他の抗炎症薬、鎮痛薬または他の呼吸薬剤と組み合わせてもよいプロピオン酸フルチカゾン(またはその生理学的に許容される溶媒和物)を意味し、場合によっては一以上の賦形剤およびフルオロカーボン噴射剤を含有していてもよい。ここで用いる「賦形剤」という用語はほとんどまたは全く薬理活性をもたないが(使用量では)、薬剤配合物を増強したりあるいはMDI装置の性能を高める化学薬剤を意味する。例えば、賦形剤は界面活性剤、防腐剤、フレーバー剤、酸化防止剤、凝集防止剤、並びにエタノールおよびジエチルエーテルのような補助溶媒であるが、これらに限定されない。
【0011】適した界面活性剤は一般当業界で公知であり、例えば、ヨーロッパ特許出願第0327777号に記載の界面活性剤である。用いる界面活性剤の量は、薬剤に対して0.0001〜50重量%、特に0.05〜5重量%である。特に有用な界面活性剤は、3,5,9−トリオキサ−4−ホスファドコサン−1−アミニウム,17,17,18,18,19,19,20,20,21,21,22,22,22−トリデカフルオロ−7−[(8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,13−トリデカフルオロ−1−オキソトリデシル)オキシ]−4−ヒドロキシ−N,N,N−トリメチル−10−オキソ−,分子内塩,4−オキシドとしても知られている1,2−ジ[7−(F−ヘキシル)ヘキサノイル]−グリセロ−3−ホスホ−N,N,N−トリメチルエタノールアミンである。
【0012】C2−6脂肪族アルコールおよび多価アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノールおよびプロピレングリコール、好ましくはエタノールのような極性補助溶媒は、唯一の賦形剤としてまたは界面活性剤のような他の賦形剤に加えて、薬剤配合物に所望の量で含有させてよい。薬剤配合物は、噴射剤を基準にして0.01〜5%w/w、好ましくは0.1〜5%w/w、例えば約0.1〜1%w/wの極性補助溶媒、例えばエタノールを含有するのが適している。
【0013】所望ならば、本発明で用いる薬剤配合物が、プロピオン酸フルチカゾン(またはその生理学的に許容される溶媒和物)を、一以上の他の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて含有していてもよいことは当業者にとって明らかなことである。そのような薬剤は吸入療法に有用な適した薬剤から選択しうる。従って、適当な薬剤は、例えば、鎮痛薬、例えばコデイン、ジヒドロモルフィン、エルゴタミン、フェンタニルまたはモルフィネ;狭心症製剤、例えばジルチアゼン;抗アレルギー薬、例えばクロモグリケート、ケトチフェンまたはネドクロミル;抗感染症薬、例えばセファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリンおよびペンタミジン;抗ヒスタミン、例えばメタピリレン;抗炎症薬、例えばベクロメタゾン(例えば、ジプロピオネート)、フルニソリド、ブデソニド、チプレダンまたはトリアムシノロンアセトニド;鎮咳薬、例えばノスカピン;気管支拡張薬、例えばサルブタモール、サルメテロール、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニルエフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、オルシプレナリン、または(−)−4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−[[[6−[2−(2−ピリジニル)エトキシ]ヘキシル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール;利尿薬、例えばアミロリド;抗コリン作動薬、例えばイプラトロピウム、アトロピンまたはオキシトロピウム;ホルモン、例えばコルチゾン、ヒドロコルチゾンまたはプレドニソロン;キサンチン、例えばアミノフィリン、コリンテオフィリネート、リシンテオフィリネートまたはテオフィリン;および治療タンパクおよびペプチド、例えばインスリンまたはグルカゴンから選択されうる。適切な場合、薬剤を塩の形で(例えば、アルカリ金属もしくはアミン塩としてまたは酸付加塩として)あるいはエステル(例えば、低級アルキルエステル)としてあるいは溶媒和物(例えば、水和物)として用いて、薬剤の活性および/または安定性を最適なものにしうること、そして/あるいは噴射剤中の薬剤の溶解度を最低にしうることは当業者にとって明らかなことである。
【0014】特に好ましい薬剤配合物はプロピオン酸フルチカゾン(またはその生理学的に許容される溶媒和物)を、気管支拡張薬、例えばサルブタモール(例えば、遊離塩基もしくは硫酸塩として)またはサルメテロール(例えば、キシナフォエート塩として)と組み合わせて含有する。
【0015】特に好ましい薬剤の組み合わせはプロピオン酸フルチカゾンとサルメテロールキシナフォエートである。
【0016】本明細書で用いる「噴射剤」は、単独でまたは組み合わせると室温で高い蒸気圧となる、沸点がほぼ室温(25℃)ないし約−25℃の薬理学的に不活性な液体を意味する。MDI装置を作動させると、MDI中の噴射剤の高い蒸気圧が計量された量の薬剤配合物を計量バルブに通し、噴射剤は非常に急速に気化して薬剤粒子を分散させる。本発明で用いられる噴射剤は低沸点フルオロカーボン;特に、「噴射剤134a」または「P 134a」としても知られている1,1,1,2−テトラフルオロエタン、または「噴射剤227」または「P 227」としても知られている1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンである。
【0017】本発明で用いる薬剤配合物は、配合物賦形剤、例えば界面活性剤および補助溶媒等を含まなくてもまたは実質的に含まなくてもよい。そのような薬剤配合物は実質的に味および臭いがなく、賦形剤含有配合物よりも刺激および毒性が少ないので有利である。従って、好ましい薬剤配合物はプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物、これに組み合わせてもよい一以上の他の薬理学的に活性な薬剤、特にサルメテロール(例えば、キシナフォエート塩の形の)、およびフルオロカーボン噴射剤から本質的になる。好ましい噴射剤は1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはこれらの混合物、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタンである。
【0018】本発明で用いる別の薬剤配合物は界面活性剤を含まなくてもまたは実質的に含まなくてもよい。従って、別の好ましい薬剤配合物は、アルブテロール(またはその生理学的に許容される溶媒和物)、これに組み合わせてもよい一以上の他の薬理学的に活性な薬剤、フルオロカーボン噴射剤、および噴射剤に基づいて0.01〜5%w/wの極性補助溶媒を含み、この配合物は界面活性剤を実質的に含まない。好ましい噴射剤は1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはこれらの混合物、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンである。
【0019】MDI缶およびキャップのほとんどはアルミニウムまたはアルミニウム合金から製造されるが、薬剤配合物によって影響されない他の金属、例えばステンレス鋼、銅の合金またはブリキを用いてもよい。MDI缶はガラスまたはプラスチックから製造してもよい。しかしながら、本発明で用いられるMDI缶はアルミニウムまたはその合金から製造されるのが好ましい。強化アルミニウムまたはアルミニウム合金MDI缶を用いると有利である。そのような強化MDI缶は特に応力の多い被覆および硬化条件、例えば、特に高温に耐えることができ、これは特定のフルオロカーボンポリマーに必要であるかもしれない。高温で変形する傾向が少ない強化MDI缶には、側壁および底を厚くしたMDI缶、および底が標準的なMDI缶の半球状の底ではなく実質的に楕円形の底の(缶の側壁と底との間の角度を大きくする)MDI缶が含まれる。楕円形の底を有するMDI缶は被覆工程が容易となる利点をさらに有する。
【0020】薬剤計量バルブは、ステンレス鋼、薬理学的に不活性かつ噴射剤に耐えるポリマー、例えばアセタール、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標))、ポリカーボネート、ポリエステル、フルオロカーボンポリマー(例えば、テフロン(登録商標))またはこれらの材料の組み合わせから通常製造される部品よりなる。さらに、各種材料(例えば、ニトリルゴム、ポリウレタン、アセチル樹脂、フルオロカーボンポリマー)または他のエラストマー材料のシールおよび「O」リングをバルブの中および周りに用いる。
【0021】本発明で用いるフルオロカーボンポリマーには、一以上の下記の単量体単位から製造されるフルオロカーボンポリマーが含まれる:テトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ化ビニリデン(PVDF)および塩素化エチレンテトラフルオロエチレン。炭素に対するフッ素の比率が比較的高いフッ素化ポリマー、例えば、PTFE、PFAおよびFEPのようなペルフルオロカーボンポリマーが好ましい。
【0022】フッ素化ポリマーを、非フッ素化ポリマー、例えばポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィドおよびアミン−ホルムアルデヒド熱硬化性樹脂とブレンドしてもよい。これらの付加ポリマーは、缶壁へのポリマー被覆の接着性を改善する。好ましいポリマーブレンドはPTFE/FEP/ポリアミドイミド、PTFE/ポリエーテルスルホン(PES)およびFEP−ベンゾグアナミンである。
【0023】特に好ましい被覆は、純粋なPFA、FEP、およびPTFEとポリエーテルスルホン(PES)とのブレンドである。
【0024】フルオロカーボンポリマーはTeflon(登録商標)、Tefzel、Halar(登録商標)、Hostaflon(登録商標)、Polyflon(登録商標)およびNeoflon(登録商標)のような商標名で販売されている。ポリマーのグレードにはFEPデュポン856−200、PFAデュポン857−200、PTFE−PESデュポン3200−100、PTFE−FEP−ポリアミドイミドデュポン856P23485、FEPパウダーデュポン532、およびPFAヘキスト6900nが含まれる。被覆の厚さは約1μm〜約1mmである。被覆の厚さは約1μm〜約100μm、例えば1μm〜約25μmであるのが適している。被覆は1回以上の塗装で施す。
【0025】本発明で用いるフルオロカーボンポリマーは、金属から製造されたMDI、特にアルミニウムまたはその合金から製造されたMDI缶に被覆するのが好ましい。 粒状(超微粉)薬剤の粒子サイズは、エアゾール配合物を投与したとき、実質的にすべての薬剤が肺に吸入されうるような大きさにすべきであり、従って100ミクロン未満、望ましくは20ミクロン未満、特に1〜10ミクロン、例えば1〜5ミクロンである。
【0026】最終薬剤配合物は、配合物の全重量に対して、0.005〜10重量%、特に0.005〜5重量%、とりわけ0.01〜1.0重量%の薬剤を含有しているのが望ましい。
【0027】本発明の別の態様は、プロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物、フルオロカーボン噴射剤、およびこれらに組み合わせてもよい一以上の他の薬理学的に活性な薬剤および一以上の賦形剤を含む吸入薬剤配合物を投薬するための、一以上のフルオロカーボンポリマーおよびこれに組み合わせてもよい一以上の非フルオロカーボンポリマーで内部金属面の一部または全部が被覆されている計量投与用吸入器である。
【0028】本発明の詳しい態様は、上で定義したような薬剤配合物を投薬するための、ポリアミドイミドまたはポリエーテルスルホンの下塗りを有するまたは有さない、PFAまたはFEP、あるいはPTFE−PESのようなブレンドされたフルオロポリマー樹脂系で内部金属面の一部または実質的に全部が被覆されているMDIである。このMDIに用いる好ましい薬剤配合物は、プロピオン酸フルチカゾン(またはその生理学的に許容される溶媒和物)、これに組み合わせてもよい一以上の他の薬理学的に活性な薬剤、特にサルメテロール(例えば、キシナフォエート塩の形の)、およびフルオロカーボン噴射剤、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンまたはこれらの混合物、とりわけ1,1,1,2−テトラフルオロエタンから本質的になる。好ましくは、MDI缶はアルミニウムまたはその合金から製造することができる。
【0029】MDI缶は金属被覆分野で公知の方法によって被覆しうる。例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼のような金属は、缶の形に型押ししたりまたは引き延ばす前に、コイル素材として予備被覆し、硬化してもよい。この方法は二つの理由で大量生産に非常に適している。第一に、コイル素材を被覆する技術は十分に開発されており、均質性の基準が高く、厚さが広範囲の被覆金属コイル素材をいくつかの製造業者に注文することができる。第二に、未被覆素材の引き延ばしまたは型押しに用いられるのと本質的に同じ方法によって、予備被覆素材を高速および高精度にて型押しまたは引き延ばしを行うことができる。
【0030】被覆缶を得るための他の技術は、静電乾燥粉末被覆によるか、あるいは予備形成MDI缶の内側に被覆フッ素化ポリマー/ポリマーブレンドの配合物を吹き付け、その後硬化することによる。予備形成MDI缶はフルオロカーボンポリマー/ポリマーブレンド被覆配合物に浸し、そして硬化してもよく、従って、内側および外側が被覆されることになる。フルオロカーボンポリマー/ポリマーブレンド配合物をMDI缶の内側に注ぎ、そして排出させると、内側にポリマー被覆が残る。製造の容易さから、予備形成されたMDI缶をフッ素化ポリマー/ポリマーブレンドで吹き付け被覆するのが好都合である。
【0031】フルオロカーボンポリマー/ポリマーブレンドは、フルオロカーボン単量体のプラズマ重合を用いて、缶壁にその場で形成してもよい。フルオロカーボンポリマーフィルムをMDI缶の内側に吹き込んでバッグを形成してもよい。ETFE、FEPおよびPTFEのような各種フルオロカーボンポリマーをフィルム素材として利用することができる。
【0032】適切な硬化温度は、被覆のために選択したフルオロカーボンポリマー/ポリマーブレンドおよび用いる被覆法による。しかしながら、コイル被覆および吹き付け被覆の場合、約5〜10分間のように約20分間まで、例えば約8分間または必要ならばそれ以上の間、ポリマーの融点を越える温度、例えば融点より約50℃上の温度が一般に必要である。上記の好ましいおよび特に好ましいフルオロカーボンポリマー/ポリマーブレンドの場合、約300〜約400℃、例えば約350〜約380℃の硬化温度が適しており、プラズマ重合の場合、約20〜約100℃の温度が一般的に用いられる。
【0033】ここに教示するMDIは、一般的な缶をフッ素化ポリマー/ポリマーブレンドで被覆された缶に置き換えて、従来の方法(例えば、Byronの上記文献および米国特許第5,345,980号参照)によって製造しうる。すなわち、プロビオン酸フルチカゾンおよび配合物の他の成分を、フッ素化ポリマー/ポリマーブレンドで被覆されたエアゾール缶に充填する。適所をクリンプするキャップアセンブリーを缶に取り付ける。液状フルオロカーボン噴射剤中の薬剤の懸濁液は、米国特許第5,345,980号(参照することによってここに記載されたものとする)で教示されるような計量バルブを通して導入しうる。
【0034】ここで教示するフルオロカーボンポリマー/ポリマーブレンドで内部が被覆されたMDIは、現在臨床で使用されている非被覆MDIと同様に医学的慣行で用いられる。しかしながら、ここで教示するMDIは、MDI装置の内壁および部品に堆積または付着する傾向のある吸入薬剤配合物と、134aのようなヒドロフルオロアルカンフルオロカーボン噴射剤、およびわずかなまたは本質的に含まれない賦形剤とを共に含有するのにおよび投薬するのに特に有用である。特定の場合、例えば、患者が賦形剤に対してアレルギーであったり、あるいは薬剤が賦形剤と反応する場合、賦形剤を本質的に含まない吸入薬剤を投薬するのが有利である。
【0035】上記配合物を含有するMDI、MDI装置、およびそのようなMDI装置をぜん息のような呼吸器疾患の治療に用いることは、さらに本発明の別の態様を構成する。
【0036】本発明の精神を逸脱することなく上記の本発明を容易に変更しうることは当業者にとって明らかなことである。そのような変更を含めたここに記載のすべては保護される。
【0037】次の実施例は本発明を説明するものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】実施例1標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)を下塗り(デユポン851−204)で吹き付け被覆し(リビングストン・コーティング社、ノースカロライナ州シャーロット)、ベンドール標準法に従って硬化し、FEPまたはPFA(各々、デユポン856−200および857−200)のいずれかをさらに吹き付け被覆し、ベンドール標準法に従って硬化した。被覆の厚さは約10〜50μmである。これらの缶の空気をパージし(PCT出願第WO94/22722(PCT/EP94/00921)号を参照)、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約20mgのプロピオン酸フルチカゾンの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0038】実施例2標準の0.46mm厚さのアルミニウムシート(ユナイテッド・アルミニウム)をFEP(デユポン856−200)で吹き付け被覆し(デユポン、デラウエア州ウイルミントン)、硬化した。次に、このシートを缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)中に深く引き延ばした。被覆の厚さは約10〜50μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約40mgのプロピオン酸フルチカゾンの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0039】実施例3標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)をPTFE−PESブレンド(デユポン)で単一被覆として吹き付け被覆し、ベンドール標準法に従って硬化する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約41.0mg、21.0mg、8.8mgまたは4.4mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0040】実施例4標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)をPTFE−FEP−ポリアミドイミドブレンド(デユポン)で吹き付け被覆し、ベンドール標準法に従って硬化する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約41.0mg、21.0mg、8.8mgまたは4.4mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0041】実施例5標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)を、静電ガンを使用して、FEP粉末(デユポンFEP532)で吹き付け被覆する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約41.0mg、21.0mg、8.8mgまたは4.4mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0042】実施例6標準の0.46mm厚さのアルミニウムシートをFEP−ベンゾグアナミンで吹き付け被覆し、硬化する。次に、このシートを缶中に深く引き延ばした。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約41.0mg、21.0mg、8.8mgまたは4.4mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0043】実施例7標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)をPFA(ヘキストPFA−6900n)の水性分散液で吹き付け被覆し、硬化する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約41.0mg、21.0mg、8.8mgまたは4.4mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0044】実施例8標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)を、PTFE−PESブレンド(デュポン)で単一被覆として吹き付け被覆し、ベンドール標準法に従って硬化する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約8.8mg、22mgまたは44mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンと約6.4mgの超微粉砕サルメテロールキシナフォエートとの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0045】実施例9標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)を、PTFE−FEP−ポリアミドイミドブレンド(デュポン)で吹き付け被覆し、ベンドール標準法に従って硬化する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約8.8mg、22mgまたは44mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンと約6.4mgの超微粉砕サルメテロールキシナフォエートとの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0046】実施例10標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)を、静電ガンを使用して、FEP粉末(デュポンFEP532)で吹き付け被覆する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約8.8mg、22mgまたは44mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンと約6.4mgの超微粉砕サルメテロールキシナフォエートとの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0047】実施例11標準の0.46mm厚さのアルミニウムシートをFEP−ベンゾグアナミンで吹き付け被覆し、硬化する。次に、このシートを缶中に深く引き延ばした。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約8.8mg、22mgまたは44mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンと約6.4mgの超微粉砕サルメテロールキシナフォエートとの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0048】実施例12標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)をPFA粉末(ヘキストPFA−6900n)の水性分散液で吹き付け被覆し、硬化する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約12gのP134a中の約8.8mg、22mgまたは44mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンと約6.4mgの超微粉砕サルメテロールキシナフォエートとの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0049】実施例13標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)をPTFE−PESブレンド(デュポン)で単一被覆として吹き付け被覆し、ベンドール標準法に従って硬化する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約8gのP134a中の約5.5mg、13.8mgまたは27.5mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンと約4mgの超微粉砕サルメテロールキシナフォエートとの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0050】実施例14標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)をPTFE−FEP−ポリアミドイミドブレンド(デュポン)で吹き付け被覆し、ベンドール標準法に従って硬化する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約8gのP134a中の約5.5mg、13.8mgまたは27.5mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンと約4mgの超微粉砕サルメテロールキシナフォエートとの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0051】実施例15標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)を、静電ガンを使用して、FEP粉末(デュポンFEP532)で吹き付け被覆する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約8gのP134a中の約5.5mg、13.8mgまたは27.5mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンと約4mgの超微粉砕サルメテロールキシナフォエートとの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0052】実施例16標準の0.46mm厚さのアルミニウムシートをFEP−ベンゾグアナミンで吹き付け被覆し、硬化する。次に、このシートを缶中に深く引き延ばした。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約8gのP134a中の約5.5mg、13.8mgまたは27.5mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンと約4mgの超微粉砕サルメテロールキシナフォエートとの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0053】実施例17標準の12.5ml MDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)をPFA(ヘキストPFA−6900n)の水性分散液で吹き付け被覆し、硬化する。被覆の厚さは約1〜約20μmである。これらの缶の空気をパージし、バルブを適所でクリンプし、約8gのP134a中の約5.5mg、13.8mgまたは27.5mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンと約4mgの超微粉砕サルメテロールキシナフォエートとの懸濁液をバルブを通して充填する。
【0054】実施例18〜22約21.4gのP227中の約13.3mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンの懸濁液をバルブを通して充填する以外は、実施例3〜7を繰り返す。
【0055】実施例23〜27約182mgのエタノールおよび約18.2gのP134a中の66mgまたは6.6mgの超微粉砕プロピオン酸フルチカゾンをバルブを通して充填する以外は、実施例3〜7を繰り返す。
【0056】実施例28〜52底が実質的に楕円状の改良された12.5mlのMDI缶(プレスパート社、ノースカロライナ州キャリー)を使用する以外は、実施例3〜27を繰り返す。使用を通じて放出投与量の有意な減少を示す未被覆缶へ充填した対照MDIに比べて、同様な使用条件下で試験したMDIからの投与量の放出は一定であることが分かる。
【0057】本発明によれば下記の発明が提供される。
(1)一以上のフルオロカーボンポリマーおよびこれに組み合わせてもよい一以上の非フルオロカーボンポリマーで内面の一部または全部が被覆された計量投与用吸入器であって、プロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物と、フルオロカーボン噴射剤と、場合によっては一以上の他の薬理学的に活性な薬剤または一以上の賦形剤とを組み合わせて含む吸入薬剤配合物を投与するための計量投与用吸入器。
【0058】(2)薬剤配合物を含有する(1)に記載の吸入器。
【0059】(3)薬剤配合物が界面活性剤をさらに含む、(2)に記載の吸入器。
【0060】(4)薬剤配合物が極性補助溶媒をさらに含む、(2)または(3)に記載の吸入器。
【0061】(5)薬剤配合物が、噴射剤を基準にして、0.01〜5%w/wの極性補助溶媒をさらに含み、界面活性剤を実質的に含まない、(2)に記載の吸入器。
【0062】(6)薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物を気管支拡張薬または抗アレルギー薬と組み合わせて含む、(2)〜(5)のいずれかに記載の吸入器。
【0063】(7)薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンをサルメテロールキシナフォエートと組み合わせて含む、(6)に記載の吸入器。
【0064】(8)薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物と、フルオロカーボン噴射剤と、場合によってはこれらに組み合わせてもよい一以上の他の薬理学的に活性な薬剤とから本質的になる、(2)に記載の吸入器。
【0065】(9)薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物を気管支拡張薬または抗アレルギー薬と組み合わせて含む、(8)に記載の吸入器。
【0066】(10)薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物をサルメテロールまたはその生理学的に許容される塩と組み合わせて含む、(9)に記載の吸入器。
【0067】(11)薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンとこれに組み合わせたサルメテロールキシナフォエートとから本質的になる、(10)に記載の吸入器。
【0068】(12)薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物、およびフルオロカーボン噴射剤から本質的になる、(2)に記載の吸入器。
【0069】(13)フルオロカーボン噴射剤が1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはそれらの混合物である、(2)〜(12)のいずれかに記載の吸入器。
【0070】(14)フルオロカーボン噴射剤が1,1,1,2−テトラフルオロエタンである、(13)に記載の吸入器。
【0071】(15)内部金属面の一部または全部が被覆されている、金属から製造された缶を含む、(1)〜(14)のいずれかに記載の吸入器。
【0072】(16)金属がアルミニウムまたはその合金である、(15)に記載の吸入器。
【0073】(17)フルオロカーボンポリマーがペルフルオロカーボンポリマーである、(1)〜(16)のいずれかに記載の吸入器。
【0074】(18)フルオロカーボンポリマーがPTFE、PFA、FEPおよびそれらの混合物である、(17)に記載の吸入器。
【0075】(19)フルオロカーボンポリマーをポリアミドイミドおよびポリエーテルスルホンから選択される非フルオロカーボンポリマーと組み合わせた、(1)〜(18)のいずれかに記載の吸入器。
【0076】(20)実質的に楕円状の底を含む、(1)〜(19)のいずれかに記載の吸入器。
【0077】(21)薬剤配合物の経口または経鼻吸入のための適当な流路装置に取り付けられた、(1)〜(20)のいずれかに記載の計量投与用吸入器を含む、計量投与用吸入器装置。
【0078】(22)(21)に記載の計量投与用吸入器装置の呼吸器疾患の治療への使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】一以上のフルオロカーボンポリマーおよびこれに組み合わせてもよい一以上の非フルオロカーボンポリマーで内面の一部または全部が被覆された、吸入薬エーロゾル配合物を送達するための計量バルブ。
【請求項2】フルオロカーボンポリマーがパーフルオロカーボンポリマーである、請求項1に記載の計量バルブ。
【請求項3】フルオロカーボンポリマーがPTFE、PFA、FEPおよびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項1および請求項2のいずれかに記載の計量バルブ。
【請求項4】フルオロカーボンポリマーをポリアミドイミド、ポリエーテルスルホンおよびそれらの混合物よりなる群から選択される非フルオロカーボンポリマーと組み合わせた、請求項1〜3のいずれか一項に記載の計量バルブ。
【請求項5】一以上のフルオロカーボンポリマーがプラズマ重合法により塗布される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の計量バルブ。
【請求項6】内部金属面の一部または全部が被覆されている金属を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の計量バルブ。
【請求項7】金属がステンレス鋼、アルミニウムまたはそれらの合金よりなる群から選択される、請求項6に記載の計量バルブ。
【請求項8】薬理学的に不活性で耐噴射剤性のポリマーを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の計量バルブ。
【請求項9】薬理学的に不活性で耐噴射剤性のポリマーがアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、フルオロカーボンポリマーおよびそれらのいずれかの組み合わせよりなる群から選択される、請求項8に記載の計量バルブ。
【請求項10】シールをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の計量バルブ。
【請求項11】シールがニトリルゴム、ポリウレタン、アセチル樹脂、フルオロカーボンポリマーまたは他のエラストマー材よりなる群から選択される材料からなる、請求項10に記載の計量バルブ。
【請求項12】薬剤配合物を含有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の計量バルブ。
【請求項13】薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物を、一以上の他の薬理学的に活性な薬剤と組み合わせて含む、請求項12に記載の計量バルブ。
【請求項14】薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物を気管支拡張薬または抗アレルギー薬と組み合わせて含む、請求項13に記載の計量バルブ。
【請求項15】薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物を、サルメテロールキシナフォエート、サルブタモールまたはその生理学的に許容される溶媒和物よりなる群から選択される薬剤と組み合わせて含む、請求項14に記載の計量バルブ。
【請求項16】薬剤配合物がフルオロカーボン噴射剤をさらに含む、請求項12〜15のいずれか一項に記載の計量バルブ。
【請求項17】フルオロカーボン噴射剤が1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項16に記載の計量バルブ。
【請求項18】薬剤配合物が界面活性剤をさらに含む、請求項12〜17のいずれか一項に記載の計量バルブ。
【請求項19】薬剤配合物が極性補助溶媒をさらに含む、請求項12〜18のいずれか一項に記載の計量バルブ。
【請求項20】薬剤配合物が、噴射剤を基準にして、0.01〜5%w/wの極性補助溶媒をさらに含み、界面活性剤を実質的に含まない、請求項12〜17のいずれか一項に記載の計量バルブ。
【請求項21】極性補助溶媒がエタノールを含む、請求項19または請求項20のいずれかに記載の計量バルブ。
【請求項22】請求項1〜21のいずれか一項に記載の計量バルブとMDI缶とを含む計量投与用吸入器。
【請求項23】計量バルブがMDI缶にクリンピングされている、請求項22に記載の計量投与用吸入器。
【請求項24】MDI缶の内面の一部または全部が一以上のフルオロカーボンポリマーで被覆されている、請求項22および請求項23のいずれかに記載の計量投与用吸入器。
【請求項25】フルオロカーボンポリマーがパーフルオロカーボンポリマーである、請求項24に記載の計量投与用吸入器。
【請求項26】フルオロカーボンポリマーがPTFE、PFA、FEPおよびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項24および請求項25のいずれかに記載の計量投与用吸入器。
【請求項27】フルオロカーボンポリマーをポリアミドイミド、ポリエーテルスルホンおよびそれらの混合物よりなる群から選択される非フルオロカーボンと組み合わせた、請求項26に記載の計量投与用吸入器。
【請求項28】一以上のフルオロカーボンポリマーが硬化法によりMDI缶の内面に塗布される、請求項23〜27のいずれか一に記載の計量投与用吸入器。
【請求項29】流路装置をさらに含む、請求項21〜28のいずれか一項に記載の計量投与用吸入器。
【請求項30】MDI缶が薬剤配合物を含む、請求項21〜29のいずれ一項に記載の計量投与用吸入器。
【請求項31】薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物を一以上の他の薬理学的に活性な薬剤と組み合わせて含む、請求項30に記載の計量投与用吸入器。
【請求項32】薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物を気管支拡張薬または抗アレルギー薬と組み合わせて含む、請求項30に記載の計量投与用吸入器。
【請求項33】薬剤配合物がプロピオン酸フルチカゾンまたはその生理学的に許容される溶媒和物を、サルメテロールキシナフォエート、サルブタモールまたはその生理学的に許容される溶媒和物よりなる群から選択される薬剤と組み合わせて含む、請求項31に記載の計量投与用吸入器。
【請求項34】所定量の薬剤配合物を送達するための請求項1〜21のいずれか一項に記載の計量バルブの使用。
【請求項35】所定量の薬剤配合物を送達するための請求項22〜33のいずれか一項に記載の計量投与用吸入器の使用。

【公開番号】特開2001−231861(P2001−231861A)
【公開日】平成13年8月28日(2001.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−10020(P2001−10020)
【分割の表示】特願平8−531180の分割
【出願日】平成8年4月10日(1996.4.10)
【出願人】(591182226)グラクソ、ウェルカム、インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO INCORPORATED