説明

ヘアセット用器具およびヘアセット方法

【課題】パーマ(パーマネントウェーブ)やヘアドライアーによる髪の毛のセットを容易に行うことのできるヘアセット用器具およびヘアセット方法を提供する。
【解決手段】ヘアセット用器具20は、所要複数本の髪の毛が入るだけの間隔のピッチを有する螺線状に形成されたコイル部材22と、該コイル部材22に挿通可能で、コイル部材22に挿通された際、コイル部材22との間で髪の毛を挟み込むことのできる芯体24とを具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーマ(パーマネントウェーブ)やヘアドライアーによるセットなどの髪の毛のセットを容易に行うことのできるヘアセット用器具およびヘアセット方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、パーマは、図17に示すような、直径約10mmほどのロッド10を用い、図18に示すように、所要厚さの髪の毛12の外側に不織布等からなるペーパー14を当てがい、図19に示すように、髪の毛12の内側にロッド10を当てがい、ペーパー14で髪の毛12をばらけないように押さえつつ、ロッド10を中心にして所用回数巻き込み、輪ゴム(図示せず)をロッド10の両端に掛け渡してばらけないように保持した後、薬液処理を施してパーマをかけるようにしている(例えば特許文献1)。
また、ヘアドライアーによる髪のセットでは、通常ヘアカーラーと呼ばれる器具に髪を巻き付けた状態でドライアー掛けをして行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−200348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来のパーマ治具を用いるものでは、ロッド10とペーパー14を用いるものであるため、ロッド10にペーパー14と共に髪を巻き付ける作業が厄介で、労力と時間を要するという課題があった。
さらに、髪を種々の複雑なウェーブ状態にパーマ掛けしたりドライアーでセットしたりするのは容易でなく、塾練を要するという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、パーマ(パーマネントウェーブ)やヘアドライアーによる髪の毛のセットを容易に行うことのできるヘアセット用器具およびヘアセット方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るヘアセット用器具は、所要複数本の髪の毛が入るだけの間隔のピッチを有する螺線状に形成されたコイル部材と、該コイル部材に挿通可能で、コイル部材に挿通された際、コイル部材との間で髪の毛を挟み込むことのできる芯体とを具備することを特徴とする。
前記コイル部材の螺旋部を横切るようにして線間を連結する連結部を設けると好適である。
【0007】
また、本発明に係るヘアセット方法は、上記ヘアセット用器具を用いるヘアセット方法であって、コイル部材を髪の毛に当てがって、髪の毛を螺旋の間隔内に進入させる工程と、しかる後、髪の毛をコイル部材との間で挟み込む状態となるように、芯体をコイル部材内に挿通する工程と、コイル部材を、軸線を中心として回転させ、髪の毛を連結部を内側に巻き込むようにして曲げる工程と、該曲げた髪の毛に所要の処理を施す工程とを具備することを特徴とする。
【0008】
またさらに本発明に係るヘアセット方法は、上記ヘアセット用器具を用いるヘアセット方法であって、コイル部材を髪の毛に当てがって、髪の毛を螺旋の間隔内に進入させる工程と、しかる後、髪の毛をコイル部材との間で挟み込む状態となるように、芯体をコイル部材内に挿通する工程と、コイル部材を、軸線を中心として回転させ、髪の毛を芯体を内側に巻き込むようにして曲げる工程と、該曲げた髪の毛に所要の処理を施す工程とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コイル部材に髪を絡ませ、芯体でその状態を保持して、パーマもしくはドライアー掛けを行えばよいので、パーマ(パーマネントウェーブ)やヘアドライアーによる髪の毛のセットを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】コイル部材と芯体の説明図紙片の説明図である。
【図2】コイル部材の他の実施の形態を示す説明図である。
【図3】コイル部材のさらにたの実施の形態を示す説明図である。
【図4】コイル部材のまたさらに他の実施の形態を示す説明図である。
【図5】第1のパーマ方法の手順を示す説明図である。
【図6】第2のパーマ方法の手順を示す説明図である。
【図7】かけられたパーマのカールの状態の一例を示す説明図である。
【図8】コイル部材を連続的に装着した状態を示す説明図である。
【図9】コイル部材に規制部材を取り付けた例を示す説明図である。
【図10】連結部の両側に規制部材を取り付けた例を示す説明図である。
【図11】線状部材をコイル部材の螺旋部に対して斜めに取り付けた例を示す説明図である。
【図12】連結部として所要太さを有するロッドを用いた例を示す説明図である。
【図13】連結部のロッドにコイル部材の一部を埋没した状態で設けた例を示す説明図である。
【図14】外周に溝を設けた芯体の例を示す説明図である。
【図15】コイル部材の両端に複数の芯体挿入孔を有する仕切部を設けた例を示す説明図である。
【図16】芯体をコイル部材に移動可能に連結した例を示す説明図である。
【図17】従来のパーマ治具であるロッドの説明図である。
【図18】ペーパーを髪の毛に当てがった状態の説明図である。
【図19】ロッドとペーパーと共に髪の毛を巻き込んだ状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1はヘアセット用器具20の説明図である。
以下では、パーマ用器具20として説明する。
パーマ用器具20は、所要複数本(多数本)の髪の毛が入るだけの間隔のピッチを有する螺線状に形成されたコイル部材22と、コイル部材22に挿通可能で、コイル部材に挿通された際、コイル部材22との間で髪の毛を挟み込むことのできる芯体24とを具備する。
【0012】
また、コイル部材22の螺旋部を横切るようにして線間を連結する連結部26を設けると好適である。本実施の形態では、連結部として線状の線状部材26を用いた。
コイル部材22および線状部材26を共に金属線で形成し、コイル部材22に線状部材26を溶接して固定することによって、容易に両者を連結できる。
図1では、線状部材26は、コイル部材22の軸線と平行になるようにコイル部材22に固定しているが、線状部材26をコイル部材22の軸線に対して若干傾斜するようにしてコイル部材22に固定してもよい。
コイル部材22の大きさは、取扱上、直径10mm程度とするのがよいが、5〜25mm程度の任意の直径のものとすることができる。また螺旋のピッチも特に限定されるものではない。
なお、コイル部材22や線状部材26の材料は金属に限らないことはもちろんである。
【0013】
コイル部材22の両端には、筒状をなす係止部28が取り付けられている。係止部28の外側端面には、凸部28aが形成され、この両端の係止部28の凸部28a間に輪ゴム(図示せず)を掛け渡せるようになっている。
係止部28も例えば金属で形成することによって、螺線体に溶接して固定することができる。あるいは、係止部28は樹脂等で形成し、適宜接着剤を用いてコイル部材22に固定するようにすることもできる。
【0014】
前記線状部材26は、コイル部材22にコイル部材22の全長に亙って設けられている。
あるいは、線状部材26は、図2に示すように、螺線のピッチの1つ置き等に、あるいは、図3に示すように、コイル部材22のほぼ半分に亙って設けるなど、コイル部材22に部分的に設けてもよい。
【0015】
また、図1に示すように、芯体24の先端は、コイル部材22に挿通しやすいように、芯体24の軸線に対して斜めに傾斜する傾斜面24aに形成すると好適であるがこれに限定されない。
図4は、パーマ用器具20の他の実施の形態を示す正面図である。
本実施の形態では、多数のリング体30が、多数本の髪の毛が入るだけの間隔のピッチをおいて、リング体30を横切る線状部材26がリング体30に固定されることによって連結されて形成されている。
【0016】
パーマ用器具20は上記のように形成されている。
次に、上記パーマ用器具20を用いるパーマ方法について説明する。
〔第1の方法〕
図5に基づいて第1のパーマ方法について説明する。
まず、図5(A)に示すように、コイル部材22を、線状部材26を下方側にして、髪の毛32の下方側から髪の毛32に当てがって、髪の毛32を螺旋の間隔内に進入させる。その際、髪の毛32は各螺旋のピッチ間に自然に区分けされて進入するので、後工程で髪の毛32を均一厚さで曲げることができる。なお、34は頭皮である。
次いで、櫛の細い柄(図示せず)等を利用して、柄を髪の毛32と螺線部との間に挿入し、髪の毛32を線状部材26方向に寄せるようにするとよい(図5(B))。これにより、芯体24を挿通しやすくなる。
【0017】
しかる後、髪の毛32をコイル部材22の螺旋部との間で挟み込む状態となるように、芯体24をコイル部材22内に挿通する(図5(C))。
この状態で、図5(D)に示すように、必要に応じてコイル部材22を髪の毛32の長さ方向の適宜位置に移動させる。髪の毛32の根元側を曲げたいときは根元側に、髪の毛32の中途部を曲げたいときは、当該曲げたい部位にコイル部材22を滑らせるようにして移動させる。
【0018】
次いで、図5(E)に示すように、コイル部材22を、軸線を中心として回転させ、芯体24により規制しつつ髪の毛32を線状部材26を内側に巻き込むようにして曲げる。
さらに必要に応じて、図5(F)に示すように、芯体24によって髪の毛32を線状部材26の周りにさらに巻き込むようにする。
そして、この曲げた状態を保持するように、両係止体28の凸部28a間に輪ゴム34を掛け渡す。なお、係止体28を設けないコイル部材22の場合には、コイル部材22の両端側に突出する芯体24に輪ゴム34を掛け渡すようにしてもよい。
上記の状態で、公知の薬液処理を施すことによってパーマをかけることができる。
なお、ドライアー掛けをする場合には、髪の毛を上記のようにセットした状態でドライアー掛けをすることはもちろんである。
【0019】
本実施の形態では、例えば直径1mmの線状部材26を内側に巻き込むようにして髪の毛32を曲げ、あるいはカールさせることができるので、小さな曲率半径で髪の毛32を強く曲げることができる。例えば、男性の5cm前後の短い髪の毛であっても、根元部のみに、あるいは髪の中間部分のみに曲げやカールを容易に施すことができる。
本実施の形態では、髪の毛32が、コイル部材22の螺線の間隔内に進入するので、髪の毛32の根元部での曲げも容易に行うことができる。
なお、上記では、髪の毛32に対して下側からコイル部材22を当てがったが、場所によっては髪の毛32に対してコイル部材22を上側から当てがってもよいことはもちろんである。要は、本実施の形態では、線状部材26を内側に巻き込むようにして髪の毛32を曲げるのである。
【0020】
なお、図17に示す従来のパーマ用治具を用いるものでは、ロッド10を用いるものであるため、髪の毛12の毛先の部分から巻き込むようにせざるを得ないので、髪の毛12の根元部分や中間部分のみに曲げやカールを施すようなパーマをかけるには不具合がある。根元部を曲げるとなると、毛先から根元まで全部巻き込まねばならず、ボリューム感が出すぎてしまう。また、所要太さのロッド10を用いるため、例えば男性の髪のような、5cm前後の短い髪に曲げやカールを施すとなるとボリューム感をおさえたパーマは行い難いものであった。
【0021】
〔第2の方法〕
図6に基づいて第2のパーマ方法について説明する。
まず、コイル部材22を、線状部材26を上方側にして、髪の毛32の上方側から髪の毛32に当てがって、髪の毛32を螺旋の間隔内に進入させる(図6(A))。その際、髪の毛32は各螺旋のピッチ間に自然に区分けされて進入するので、後工程で髪の毛32を均一厚さで曲げることができる。
次いで櫛の細い柄等を利用して、髪の毛32を線状部材26側に寄せておいて(図示せず)、図6(B)に示すように、髪の毛32をコイル部材22の螺旋部との間で挟み込む状態となるように、芯体24をコイル部材22内に挿通する。
【0022】
この状態で、図6(C)に示すように、必要に応じてコイル部材22を髪の毛32の長さ方向の適宜位置に移動させる。髪の毛32の根元側を曲げたいときは根元側に、髪の毛32の中途部を曲げたいときは、当該曲げたい部位にコイル部材22を滑らせるようにして移動させる。
次いで、図6(D)に示すように、コイル部材22を、軸線を中心として回転させ、線状部材26により髪の毛32を芯体24を内側に巻き込むようにして曲げる。
【0023】
さらに必要に応じて、図6(E)に示すように、線状部材26によって髪の毛32を芯体24の周りにさらに巻き込むようにする。
そして、この曲げた状態を保持するように、両係止体28の凸部28a間に輪ゴム34を掛け渡す。なお、係止体28を設けないコイル部材22の場合には、コイル部材22の両端側に突出する芯体24に輪ゴム34を掛け渡すようにしてもよい。
上記の状態で、公知の薬液処理を施すことによってパーマをかけることができる。
なお、パーマでなく、ドライアー掛けをする場合には、髪の毛を上記のようにセットした状態でドライアー掛けをすることはもちろんである。
【0024】
本実施の形態では、芯体24の直径の大きさで髪の毛32を曲げ、あるいはカールさせることができるので、第1の方法よりは大きな曲率半径で髪の毛32を曲げることができる。
本実施の形態でも、髪の毛32が、コイル部材22の螺線の間隔内に進入するので、髪の毛32の根元部での曲げも容易に行えることが理解できよう。
なお、上記では、髪の毛32に対して上側からコイル部材22を当てがったが、場所によっては髪の毛32に対してコイル部材22を下側から当てがってもよいことはもちろんである。要は、本実施の形態では、芯体24を内側に巻き込むようにして髪の毛32を曲げるのである。
【0025】
図4に示すヘアセット用器具20を用いても上記と同様のパーマ方法あるいはドライアーによる髪のセット方法を実施できる。この場合、髪の毛をリング体30の間に入るようにして区分けするとともに、芯体24を挿入して、芯体24と線状部材(連結部)26との間で髪の毛を挟み込むようにするのである。
また、図2に示すように、螺線のピッチの1つ置きに線状部材26を設けたコイル部材22を用いれば、線状部材26を設けた部位で髪の毛を強く曲げられるから、図7に示すように、強いS字のカールと弱いS字のカールとが交互に現れる、変化性のあるパーマをかけることができる。図3のコイル部材22を用いる場合も、強いS字のカールと弱いS字のカールとの部位を形成することができる。
【0026】
また、上記では、線状部材26を有するコイル部材22と、芯体24と、輪ゴム34とからなるヘアセット用器具を用いた例で説明したが、線状部材(連結部)26の無い単なる螺線状のコイル部材22と芯体24とからなるヘアセット用器具を用いてパーマ等をかけることもできる。
すなわち、図8に示すように、短い髪の毛32の根元部のみを連続して曲げる場合に、まず、図8(A)に示すように、第1群の髪の毛32aの根元部にコイル部材22を当てがい、コイル部材22内に髪の毛32aを進入させ、適宜コイル部材22を軸線を中心として回転させる。次いで、芯体24をコイル部材22内に挿入して第1群の髪の毛32aを曲げる。髪の毛32aは、コイル部材22の螺線が連続しているから、芯体24と螺線部との間に挟まれて、曲げ状態を維持する。
【0027】
次いで、図8(B)に示すように、2番目のコイル部材22により、第1群の髪の毛32aの毛先側と共に、第2群の髪の毛32bにコイル部材22を当てがい、髪の毛をコイル部材22内に進入させ、適宜コイル部材22を軸線を中心として回転させる。次いで、芯体24をコイル部材22内に挿入して第2群の髪の毛32bを曲げる。髪の毛32bは、コイル部材22の螺線が連続しているから、芯体24と螺線部との間に挟まれて、曲げ状態を維持する。また、第1群の髪の毛32aの毛先側もこの2番目のコイル部材22に保持されている。したがって、輪ゴムを用いることなく、曲げ状態を維持できる。また、コイル部材22として線状部材26を有しないものも用いることができる。
【0028】
なお、複数のコイル部材22を上記のように連続して用いた場合で、最後のコイル部材22の部分で、髪の毛が浮き上がったりする場合は、輪ゴムで曲げ状態を維持するようにするとよい。
【0029】
図9はコイル部材22の他の実施の形態を示す説明図である。
本実施の形態では、コイル部材22に、螺旋の線間の空間の幅mを線状部材26に向けて次第に狭める(幅n)三角形状の規制部材36を設けている。これにより、該空間内に進入した多数本の髪の毛を、コイル部材22を所要方向に回転させることによって、狭い空間側に寄せ集め、整列させた状態でカールさせることができる。
図10は規制部材36を線状部材26の両側に位置するように設けた例を示す。これにより、コイル部材22をどちらの方向に回転させても髪の毛を整列させることができる。
なお、規制部材36は、溶接や接着剤による接着によって、コイル部材22や線状部材26に固定することができる。
【0030】
図11は、線状部材26を、コイル部材22の螺旋の線間に斜めに固定して設けた実施の形態を示す。図11では、わかりやすくするために線状部材26は2つのみ図示しているが、適宜複数個設ければよい。この実施の形態では、線状部材26そのものによって、コイル部材22の螺旋の線間の幅を調整しており、図9、図10の場合と同様に、コイル部材22を所要の方向に回転することによって、髪の毛を所要の束状に整列させることができる。線状部材26は溶接によってコイル部材22に固定することができる。
【0031】
連結部26は、上記各実施の形態のように、細い線状のもの(線状部材)でなくともよい。
図12に示す実施の形態では、連結部として所要太さを有するロッド37を用いている。また、図13に示す実施の形態では、コイル部材22の径方向の一部がロッド37に埋没している状態に設けている。図12、図13に示すものでも、コイル部材22に芯体(図示せず)を挿入することによって、上記各実施の形態と同様にしてパーマ掛けやドライアー掛けのヘアセットを行うことができる。
【0032】
次に、芯体24は円柱状のものには限定されない。例えば、断面が楕円形や多角形のもの、あるいは断面が十字状をなすものなど種々の形状のものを用途に応じて用いることができる。あるいは芯体24として、ブラシ状のものも用いることができる。
また、芯体24として、図14に示すように、周面に溝38を有する棒状のものを用いてもよい。この溝38を有する芯体24の場合には、溝38内にも髪の毛が導入されることから、芯体24をコイル部材22内の任意の位置に移動させて、上記と同様にして髪の毛をコイル部材22に巻き付けることによって、髪の毛を種々の複雑な形状に曲折させることができ、顧客の要望に好適に対応可能となる。
【0033】
図15はコイル部材22のさらに別の実施の形態を示す説明図である。本実施の形態では、コイル部材22両端側に、両端側の芯体挿入口をそれぞれ複数に仕切る仕切部40が設けられ、該仕切部40により仕切られる各空間内にそれぞれ芯体24を挿入可能に設けている。
本実施の形態では、仕切部40として、円板に4つの芯体挿入孔(空間)40a、40b、40c、40dを設けている。2つの仕切部40、40の各対応する芯体挿入孔40a、40b、40c、40dに芯体24を橋渡し状に挿入可能となっている。各芯体挿入孔40a〜40dは芯体24よりも十分大きな孔とし、芯体24を孔内で径方向に動かすことによって、芯体24とコイル部材22とで髪の毛を挟み込むことができるようになっている。
【0034】
本実施の形態では、コイル部材22を髪の毛に当てがい、そして、芯体挿入孔40a、40aに橋渡し状に芯体24を挿入して、前記と同様にして髪の毛を曲折させるセッティング作業をし、次いで髪の毛に対してコイル部材22を横方向に少しずらすなどした状態で、芯体挿入孔40b、40bを用いて2回目の髪の毛セッティング作業をするなどして、最大4回の髪の毛を曲折させるセッティングを行うことができる。したがって、より複雑に髪の毛を曲折でき、ドレットヘアーなど、顧客の要望に応じた複雑な髪のセットが行える。
なお、本実施の形態では、連結部26は必ずしも設けなくともよい。
また、芯体挿入孔も4つに限られず、適宜複数個とすればよい。
【0035】
図16はヘアセット用器具20のさらに他の実施の形態を示す説明図である。
本実施の形態では、芯体24がコイル部材22に対して、コイル部材22に全部が挿入される位置(図16の実線位置)と、図16において、右方に移動され、一端に設けた大径部24aが係止部28に係止することによってコイル部材22から抜け止めされる位置との間に亙って移動可能に設けられている。
また、芯体24には、軸42を中心に回動する把持部44が設けられている。
【0036】
本実施の形態では、コイル部材22と芯体24とが外れないよう(一体)になっているので、使用者自らが髪のセット作業を行うことができる。
すなわち、芯体24をコイル部材22から右方に一部引き出した状態で、把持部44を把持して、コイル部材22を髪の毛に当てがい、髪の毛をコイル部材22の螺旋部に導入し、次いで、芯体24をコイル部材22内に挿入し、芯体24とコイル部材22とで髪の毛を挟み、次いでコイル部材22を回転させて、前記と同様に髪の毛を曲折させた状態でドライアー掛けなどをして髪の毛をセットするようにすることができる。
【符号の説明】
【0037】
20 ヘアセット用器具
22 コイル部材
24 芯体
26 連結部(線状部材)
28 係止部
30 リング体
32 髪の毛
34 輪ゴム
36 規制部材
37 ロッド
38 溝
40 仕切部
40a〜40d 芯体挿入孔
42 軸
44 把持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要複数本の髪の毛が入るだけの間隔のピッチを有する螺線状に形成されたコイル部材と、
該コイル部材に挿通可能で、コイル部材に挿通された際、コイル部材との間で髪の毛を挟み込むことのできる芯体とを具備することを特徴とするヘアセット用器具。
【請求項2】
前記コイル部材の螺旋部を横切るようにして線間を連結する連結部を有することを特徴とする請求項1記載のヘアセット用器具。
【請求項3】
前記連結部が、コイル部材の全長に亙って設けられていることを特徴とする請求項2記載のヘアセット用器具。
【請求項4】
前記コイル部材の両端部に、輪ゴムを係止できる係止部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のヘアセット用器具。
【請求項5】
前記連結部が線状をなす線状部材からなることを特徴とする請求項2〜4いずれか1項記載のヘアセット用器具。
【請求項6】
前記コイル部材に、螺旋の線間の空間の幅を前記線状部材に向けて次第に狭める規制部材が設けられていることを特徴とする請求項5記載のヘアセット用器具。
【請求項7】
前記連結部が、前記コイル部材の螺旋の線間に斜めに固定された線状部材からなることを特徴とする請求項5記載のヘアセット用器具。
【請求項8】
前記連結部が所要太さを有するロッドからなることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のヘアセット用器具。
【請求項9】
前記芯体が、周面に、髪の毛が導入可能な複数の溝を有することを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載のヘアセット用器具。
【請求項10】
前記芯体がブラシ状をなすことを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載のヘアセット用器具。
【請求項11】
前記コイル部材両端側の芯体挿入口を複数に仕切る仕切部が設けられ、該仕切部により仕切られる各空間内にそれぞれ前記芯体が挿入可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜10いずれか1項記載のヘアセット用器具。
【請求項12】
前記芯体が前記コイル部材の軸線方向に移動可能に、かつ抜け止めされてコイル部材に挿入されていることを特徴とする請求項1〜11いずれか1項記載のヘアセット用器具。
【請求項13】
複数のリング体が、所要本数の髪の毛が入るだけの間隔のピッチをおいて、リング体を横切る連結部がリング体に固定されることによって連結されたリング部材と、該リング部材に挿通可能で、リング部材に挿通された際、リング部材の前記連結部との間で髪の毛を挟み込むことのできる芯体とを具備することを特徴とするヘアセット用器具。
【請求項14】
請求項2〜12いずれか1項記載のヘアセット用器具を用い、
コイル部材を髪の毛に当てがって、髪の毛を螺旋の間隔内に進入させる工程と、
しかる後、髪の毛をコイル部材との間で挟み込む状態となるように、芯体をコイル部材内に挿通する工程と、
コイル部材を、軸線を中心として回転させ、髪の毛を連結部を内側に巻き込むように曲げる工程と、
該曲げた髪の毛に所要の処理を施す工程とを具備することを特徴とするヘアセット方法。
【請求項15】
請求項2〜12いずれか1項記載のヘアセット用器具を用い、
コイル部材を髪の毛に当てがって、髪の毛を螺旋の間隔内に進入させる工程と、
しかる後、髪の毛をコイル部材との間で挟み込む状態となるように、芯体をコイル部材内に挿通する工程と、
コイル部材を、軸線を中心として回転させ、髪の毛を芯体を内側に巻き込むように曲げる工程と、
該曲げた髪の毛に所要の処理を施す工程とを具備することを特徴とするヘアセット方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図1】
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【図12】
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【図13】
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