ヘッドホン
【課題】 ヘッドパッド長の長い外付けヘッドパッドを有するオーバーヘッド型ヘッドホンの信頼性の向上とコストダウンを図る。
【解決手段】 外付けのヘッドパッド5は、ヘッドバンド4の筐体に対応する湾曲した板状のフレーム11と、このフレームの凹面側から側面を経由してリブ上を覆うように被着されるクッションカバー13とを備えている。上記フレームは、凸面側の長手方向に沿った両側端にそれぞれ設けられた補強用のリブ11a、11bと、ヘッドバンドの筐体に装着するための嵌合部14−1a、14−1b、14−2a、14−2b、14−3a、14−3bとを有する。このフレームは、同一構成の2つのフレーム部材11−1、11−2の一端を接合して形成したもので、リブの対向する位置に溝21−1〜21−4が設けられ、この溝内がクッションカバーの材料で埋め込まれている。
【解決手段】 外付けのヘッドパッド5は、ヘッドバンド4の筐体に対応する湾曲した板状のフレーム11と、このフレームの凹面側から側面を経由してリブ上を覆うように被着されるクッションカバー13とを備えている。上記フレームは、凸面側の長手方向に沿った両側端にそれぞれ設けられた補強用のリブ11a、11bと、ヘッドバンドの筐体に装着するための嵌合部14−1a、14−1b、14−2a、14−2b、14−3a、14−3bとを有する。このフレームは、同一構成の2つのフレーム部材11−1、11−2の一端を接合して形成したもので、リブの対向する位置に溝21−1〜21−4が設けられ、この溝内がクッションカバーの材料で埋め込まれている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーヘッド型のヘッドホンに関し、更に詳しくはヘッドパッドを外付けで装着するタイプのヘッドホンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯音楽機器などの普及に伴い、ヘッドホンの市場が拡大している。ヘッドホンは、耳介の内側に装着するいわゆるインナーイヤー型と、頭部に装着するヘッドバンド、および耳介に当てるあるいは耳介を覆って頭に当てる軟らかいイヤーパッドを備えたオーバーヘッド型とに大別できる。
【0003】
オーバーヘッド型のヘッドホンは、例えば特許文献1、2に記載されているように、ヘッドバンドを介してヘッドホン自体の重量を頭で支える構造になっている。このため、音を出力するスピーカやそれを内装するハウジングにインナーイヤー型と比べてはるかに大きいものを用いることができ、音質の優れたヘッドホンを形成できる。
【0004】
従来、オーバーヘッド型ヘッドホンのヘッドパッドには、下記(1)〜(3)のような3種類のタイプが用いられている。
(1)ヘッドパッドがヘッドバンドの筐体部分に粘着剤で貼られているタイプ
(2)ヘッドバンドが皮革などの柔軟な材料で覆われ、この柔軟な材料をヘッドパッドとして用いるタイプ
(3)ヘッドパッドが機械的構造によりヘッドバンドの筐体へ外付けで装着されているタイプ
【0005】
上記(3)のタイプでは、ツメなどの係止部を形成したフレームにクッションカバーを被着してヘッドパッドを形成し、ヘッドバンドの筐体の対応する係止部に装着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−287018号公報
【特許文献2】特開2011−82738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記(3)のタイプのヘッドホンにおいて、デザイン性を高めたり、スピーカユニットを内蔵するユニットハウジング部の可動範囲を広げて装着性を向上させたりするためにヘッドパッド長の長いものがある。このようなヘッドホンでは、頭部への装着時にヘッドパッドの伸縮や捻りによる変形が大きくなるため、係止部に大きな力が加わってヘッドパッドがヘッドバンドから脱落する恐れがある。また、フレームを形成するための金型が大型化したり、構造が複雑化したりして製造コストの上昇を招く、という課題がある。
【0008】
本発明は上記のことに鑑み提案されたもので、その目的とするところは、外付けのヘッドパッドを有するヘッドパッド長の長いオーバーヘッド型ヘッドホンの上述した問題を解決でき、信頼性の向上とコストダウンが図れるヘッドホンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明のヘッドホンは、スピーカユニットを内蔵した一対のユニットハウジング部2−1、2−2をヘッドバンド4で互いに連結し、このヘッドバンド4にヘッドパッド5を外付けで装着するオーバーヘッド型のヘッドホン1において、前記ヘッドパッド5は、前記ヘッドバンド4の筐体4Aに対応する湾曲した板状で、凸面側の長手方向に沿った両側端にそれぞれ設けられた補強用のリブ11a、11bと、前記ヘッドバンド4の筐体4Aに装着するための嵌合部14−1a、14−1b、14−2a、14−2b、14−3a、14−3bとを有するフレーム11と、前記フレームの凹面側から側面を経由して前記リブ11a、11b上を覆うように被着されるクッションカバー13とを備え、前記フレーム11は、同一構成の2つのフレーム部材11−1、11−2、11−1’、11−2’の一端を接合して形成し、前記リブ11a、11bの対向する位置に溝21−1〜21−4を設け、この溝21−1〜21−4内を前記クッションカバー13の材料で埋め込むことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のヘッドホンにおいて、前記フレーム11と前記クッションカバー13との間に介在されるフォーム材12を更に具備することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載のヘッドホンにおいて、前記フレーム11は、前記フレーム部材11−1、11−2、11−1’、11−2’の接合部に配置された第1の嵌合部14−1a、14−1bと、前記第1の嵌合部を挟んで配置された第2の嵌合部14−2a、14−2bと、前記ヘッドパッド5の両端にそれぞれ配置された第3の嵌合部14−3a、14−3bとを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3記載のヘッドホンにおいて、前記第1の嵌合部14−1a、14−1bは、前記リブ11a、11bに沿って対向して配置され、前記ヘッドバンド4の筐体4Aに設けられている互いに外側に向かって折曲したリブに嵌合される爪状の突起15−1〜15−8を含み、前記第2の嵌合部14−2a、14−2bは、前記ヘッドバンド4の筐体4Aに設けられているキノコ状突起部の頭部を内包する収容部17−1、17−2と、この収容部17−1、17−2の上面に形成され、前記キノコ状突起部の頭が嵌挿される長円形の嵌合孔18−1、18−2とを含み、前記第3の嵌合部14−3a、14−3bは、前記ヘッドパッド5の両端にそれぞれ横方向に併設され、前記ヘッドバンド4の筐体4Aに設けられている突起状の係止部29−1〜29−4に係止される一対の係止孔20−1〜20−4を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る本発明によれば、フレームを2つのフレーム部材に細分化して組み立てる構造にしたので、フレームを形成するための金型の小型化と単純化ができコストダウンできる。また、フレーム部材のサイズが小さいので、成形収縮率の大きい材料を用いた場合にも、寸法変化が小さくて済むので成形歩留まりを改善でき、この点からも低コスト化が図れる。さらに、フレームの補強用リブに溝を形成してヘッドパッドの伸縮時の応力集中箇所をこの溝位置に定め、フレーム部材の接合部に掛かる応力を分散させて低減することができる。しかも、この溝内にクッションカバーの材料を埋め込むことで、溝部のフレーム強度が低くなりすぎて折損するのを防止できる。これによって、ヘッドパッド長の長いものにおいて、フレームを細分化して組み立てる構造にしてもヘッドバンドの伸縮や捻りに耐えうる信頼性を確保できる。
【0014】
請求項2に記載したように、フレームとクッションカバーとの間にフォーム材を介在させてフレームとクッションカバーの伸縮率や変形率の相違を吸収することにより、ヘッドパッドの伸縮時や変形時にフレームとクッションカバーを一体化して脱落を防止できる。
【0015】
請求項3および4に記載したように、フレームに設けた第1乃至第3の嵌合部でヘッドバンドの筐体に装着することにより、ヘッドパッド長が長くてもヘッドパッドが脱落するのを効果的に防止でき、信頼性を高めることができる。
【0016】
従って、ヘッドパッドを外付けで装着する、ヘッドパッド長の長いオーバーヘッド型ヘッドホンにおいて、ヘッドパッドの脱落、およびフレームを形成する金型の大型化や複雑化の問題を解決でき、信頼性の向上とコストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例に係るオーバーヘッド型のヘッドホンを示しており、(a)図はヘッドホンの外観斜視図、(b)図は外付けのヘッドパッドの斜視図、(c)図は(b)図に示したヘッドパッドに用いられるフレームの斜視図、(d)図は(b)図に示したヘッドパッドに用いられるフォーム材の斜視図、(e)図は(b)図に示したヘッドパッドに用いられるクッションカバーの斜視図である。
【図2】図1(b)に示したヘッドパッドの投影図であり、(a)図は上面図、(b)図は正面図、(c)図は底面図、(d)図は左側面図、(e)図は右側面図、および(f)図は背面図である。
【図3】図1(c)に示したフレームを形成するフレーム部材の斜視図である。
【図4】図1(d)に示したフォーム材の構成例を示しており、(a)図は平面図、(b)図は(a)図のA−A線矢示断面図、(c)図は接着剤を塗布する領域を示す平面図である。
【図5】図1(e)に示したクッションカバーの構成例を示しており、(a)図は上面図、(b)図は正面図、(c)図は底面図、(d)図は(b)図のC−C線矢示断面図、(e)図は右側面図である。
【図6】図5に示したクッションカバーの構成を詳しく説明するためのもので、(a)図は図5(a)のB−B線矢示断面図、(b)図は図5(b)のD−D線矢示断面図、(c)図は図5(b)のE−E線矢示断面図、(d)図は図5(b)の一点鎖線で囲んだ部分の左側面の拡大図、(e)図は図5(b)の一点鎖線で囲んだ部分の拡大図、(f)図は図5(b)の一点鎖線で囲んだ部分の右側面の拡大図である。
【図7】図1(a)に示したヘッドホンにおけるヘッドバンドの分解図である。
【図8】図1(a)に示したヘッドホンにおけるヘッドバンドの長手方向の断面図である。
【図9】図7および図8に示したヘッドバンド部における各嵌合部を示しており、(a)図は図8のF−F線矢示断面図、(b)図は図8のG−G線矢示断面図、および(c)図は図8のH−H線矢示断面図である。
【図10】熱溶着によるフレームの組み立て工程を示しており、(a)図は2つのフレーム部材を継合した状態のフレームの斜視図、(b)図はフレーム部材の継合部近傍の拡大図である。
【図11】フレーム部材の接合部を拡大して示しており、(a)図は熱溶着前の状態を示す斜視図、(b)図は熱溶着後の状態を示す斜視図である。
【図12】フレームへのフォーム材の貼り付け工程を示しており、(a)図は貼り付け前のフレームを底面側から見た斜視図、(b)図はフレーム部材を貼り付けた状態を示す斜視図である。
【図13】フレームへのクッションカバーの被着工程を示しており、(a)図は被着前のフレームの斜視図、(b)図はクッションカバーを被着してヘッドパッドを形成した状態の斜視図である。
【図14】フレームの補強用リブに形成した溝の近傍を拡大して示すもので、(a)図はクッションカバーの被着前の状態を示す斜視図、(b)図はクッションカバーの被着後の状態を示す斜視図、(c)図は溝内をクッションカバーの材料で埋め込んだ状態を示す透視図である。
【図15】ヘッドバンドの伸縮時あるいは変形時のフレームの耐久性試験の結果を示しており、(a)図はフレームの正面図、(b)図はヘッドバンドが伸びたときのフレームの変形状態を示す正面図である。
【図16】本発明の変形例について説明するためのもので、超音波溶着によるフレームの組み立て工程を示しており、(a)図は超音波溶着用のフレーム部材の斜視図、(b)図は2つのフレーム部材を接合した状態の透視図、(c)図はフレーム部材の接合部の拡大図、(d)図は接合部の断面図である。
【図17】図16に示したフレームを用いたヘッドパッドの投影図であり、(a)図は上面図、(b)図は正面図、(c)図は底面図、(d)図は右側面図である。
【図18】図17に示したヘッドパッドの構成を詳しく説明するためのもので、(a)図は図17(a)のI−I線矢示断面図、(b)図は図17(b)のJ−J線矢示断面図、(c)図は図17(b)のK−K線矢示断面図、(d)図は図17(b)の一点鎖線で囲んだ部分の左側面の拡大図、(e)図は図17(b)の一点鎖線で囲んだ部分の拡大図、(f)図は図17(b)の一点鎖線で囲んだ部分の右側面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、ヘッドバンドにヘッドパッドを外付けするタイプのオーバーヘッド型ヘッドホンにおいて、ヘッドパッドのフレームを2ピース構造にしたものである。すなわち、同一構成の2つのフレーム部材を接合してフレームを形成し、このフレームにクッションカバーを被着してヘッドパッドを形成する。
【0019】
2つのフレーム部材を接合して形成したフレームは、ヘッドバンドの筐体にほぼ対応する円弧状に湾曲した板状の肉薄部品であり、凸面側の長手方向に沿った両側端にそれぞれ補強用のリブを備えている。このリブの短手方向に対応する位置に、フレーム部材の接合部を挟んで溝を設けている。そして、フレームの凹面側から側面を経由してリブ上を覆うようにクッションカバーを被着し、上記溝内にこのクッションカバーの材料を埋め込んでいる。
【0020】
この2ピース構造のフレームは、特にヘッドパッド長が長い場合に有効であり、フレームを小さな部品(フレーム部材)に細分化して組み立てることで、フレーム金型の小型化と単純化を図れ、コストダウンできる。また、フレームを細分化したことで、フレーム部材のサイズが小さくなるので、成形収縮率の大きい材料を用いた場合にも寸法変化が小さくて済むので成形歩留まりを改善でき、この点からも低コスト化が図れる。
【0021】
さらに、フレームの補強用リブに形成した溝によって、フレームの溝部の折り曲げ強度を低下させ、ヘッドホンを着脱する際のヘッドパッドの伸縮時や変形時の応力集中箇所をこの溝の位置に定めることで、フレーム部材の接合部に掛かる応力を緩和することができる。
【0022】
しかも、溝内にクッションカバーの材料を埋め込むことで、溝部のフレーム強度が低くなり過ぎて折損する、あるいはヘッドパッドの伸縮や捻りによる変形が大きくなり過ぎるのを防止できる。これによって、フレームを2ピース構造にしてもヘッドバンドの伸縮や捻りに耐えうる信頼性を確保できる。しかも、クッションカバーの撓みを抑制し、撓み部分がヘッドパッド5の外側にはみ出すのを抑えることもできる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施例に係るオーバーヘッド型のヘッドホンを示しており、(a)図はヘッドホンの外観斜視図、(b)図はヘッドバンドの筐体に外付けで装着するヘッドパッドの斜視図である。また、(c)〜(e)図はそれぞれ(b)図に示したヘッドパッドの分解図であり、(c)図はフレームの斜視図、(d)図はフォーム材の斜視図、(e)図はクッションカバーの斜視図である。
【0025】
(a)図に示すように、ヘッドホン1は、スピーカユニット(図示せず)を内蔵した一対のユニットハウジング部2−1、2−2、これらユニットハウジング部2−1、2−2に装着され、耳介に当てるあるいは耳介を覆って頭に当てるイヤーパッド3−1、3−2、ヘッドホン1を頭部に装着するために上記ユニットハウジング部2−1、2−2を互いに連結するヘッドバンド4、およびこのヘッドバンド4の筐体の下部に外付けで装着され、当該ヘッドホン1を頭部で支持する際のクッションとなるヘッドパッド5などを備えている。
【0026】
上記ユニットハウジング部2−1、2−2とヘッドバンド4との連結部には、ユニットハウジング部2−1、2−2の位置を調整するための調整機構6−1、6−2が設けられている。この調整機構6−1、6−2は、頭頂部から各耳介までの距離に個人差があるため、ユニットハウジング部2−1、2−2を最適な位置に設定するものである。本例では調整機構6−1、6−2は、金属製のハンガー部6−1a、6−2aと、ヘッドバンド4の両端部に設けたハンガー保持部6−1b、6−2bとで構成されている。
【0027】
上記ハンガー部6−1a、6−2aは、ユニットハウジング部2−1、2−2を揺動自在に支持する支持部と、この支持部からヘッドバンドの長手方向に平行に延びるスライド部とを有し、このスライド部を例えばバネ部材(ウェーブワッシャーなど、図示せず)で付勢した上記ハンガー保持部6−1b、6−2bで保持することにより、ユニットハウジング部2−1、2−2を上下にスライド可能になっている。
【0028】
(b)図に示すヘッドパッド5は、(c)図に示すフレーム11と、(d)図に示すフォーム材12と、(e)図に示すクッションカバー13とで構成される。このヘッドパッド5には、第1の嵌合部14−1a、14−1b、第2の嵌合部14−2a、14−2b、および第3の嵌合部14−3a、14−3bが設けられ、ヘッドバンド4の筐体下部に外付けで装着される際、ヘッドバンド4の筐体下部に設けられた対応する嵌合部にそれぞれ嵌合される。
【0029】
図2の投影図に示すように、上記ヘッドパッド5における第1の嵌合部14−1a、14−1bはそれぞれ、対向する爪状の突起15−1〜15−4と突起15−5〜15−8とで形成され、この爪状の突起15−1〜15−4、15−5〜15−8に各対応して長方形のスリット16−1〜16−4、16−5〜16−8が配置されている。これらの爪状の突起15−1〜15−4、15−5〜15−8とスリット16−1〜16−4、16−5〜16−8は、フレーム11の長手方向の両側端に沿って形成された補強用のリブ11a、11b(図1(c)参照)の内側に、これらのリブ11a、11bに沿って配置されている。クッションカバー13における嵌合部14−1a、14−1bのリブ11a、11b上は幅が狭くなっており、この部分から爪状の突起15−1〜15−8が露出されている。
【0030】
また、上記第2の嵌合部14−2a、14−2bはそれぞれ、ヘッドバンド4の筐体に設けられているキノコ状突起部の頭部(笠)を内包する収容部17−1、17−2と、これらの収容部17−1、17−2の上面にそれぞれ形成され、上記キノコ状突起部の頭が嵌挿される長円形の嵌合孔18−1、18−2とで形成される。なお、嵌合孔18−1、18−2にそれぞれ形成されている切欠部19−1、19−2は、ヘッドバンド4のキノコ状突起部の頭部を圧入する際に、嵌合孔18−1、18−2の径を広げるためのものである。
【0031】
さらに、上記第3の嵌合部14−3aはヘッドパッド5の一端に横方向に併設された一対の係止孔20−1、21−2で形成され、上記第3の嵌合部14−3bはヘッドパッド5の他端に横方向に併設された一対の係止孔20−3、20−4で形成される。
【0032】
(c)図に示すフレーム11は、ポリプロピレン(PP:polypropylene)などからなり、同一構成の2つのフレーム部材11−1、11−2の端部を接合した2ピース構造になっている。このフレーム11は、ヘッドバンド4の筐体にほぼ対応する円弧状に湾曲した板状の肉薄部品(例えば0.7mm厚)である。フレーム11の長手方向に沿った両側端には補強用のリブ11a、11bが設けられており、フレーム部材11−1と11−2の接合部を挟んで、短手方向に対応する位置に溝21−1〜21−4が設けられている。
【0033】
このフレーム11の両端部には、スリット16−9、16−10と16−11、16−12とがリブ11a、11bに沿って形成されている。これらのスリット16−9〜16−12は、ヘッドバンド4の筐体に係合する爪を形成するためのものである。また、上記スリット16−9、16−10間、および16−11、16−12間のフレーム11の両端部にはそれぞれ、スピーカユニットからの配線を保持するための配線保持部11c、11dが形成されている。
【0034】
図3に示すように、上記フレーム部材11−2(フレーム部材11−1も同様)のリブ11bの接合部には、このリブ11bに沿った方向に突出する柱状ガイド22−2が設けられ、リブ11aには接合される相手方のフレーム部材11−1の上記柱状ガイド(22−1)を収容するガイド収容部23−2とこのガイド収容部23−2内に接着剤を流し込んで相手方の柱状ガイド(22−1)を固定するための長方形の開口(接着剤導入口)24−2が設けられている。
【0035】
さらに、上記フレーム部材11−1の接合側端部のリブ11a、11b間には、熱溶着(または超音波溶着)のための柱状突起25−2と、嵌合穴を有する溶着基台26−2とが設けられている。そして、図1(c)に示したように、フレーム部材11−1の溶着基台26−1の嵌合穴に、フレーム部材11−2の柱状突起25−2が挿入され、フレーム部材11−1の柱状突起25−1がフレーム部材11−2の溶着基台26−2の嵌合穴に挿入されてフレーム11が組み立てられる。
【0036】
(d)図に示すフォーム材12は、ポリウレタン(PU:polyurethane)などからなり、上記フレーム11の凹面側(下面側)に貼り付けられている。このフォーム材12は、図4(a)、(b)に示すようにほぼフレーム11の外形に対応する板状であり、両端部に突出部12a、12bが設けられている。そして、(c)図に斜線を付した領域27に接着剤が塗布され、フレーム11の下面に貼り付けられる。ここで、接着剤を塗布しない領域27a、27bはそれぞれ、上記嵌合部14−2a、14−2bに形成されている収容部17−1、17−2に対応している。
【0037】
(e)図に示すクッションカバー13は、シリコーン(silicone)などの柔らかい材料からなり、図5に示すように上記フレーム11にほぼ対応して湾曲した形状であり、フレーム11の底面側(凹面側)から側面を経由し、上面(凸面)のリブ11a、11b上までを覆うように被着される。このクッションカバー13は、図5(b)、(d)および図6(a)に示すように、ほぼ均一な厚さで頭頂部に対応する位置に膨らみを持たせるようにしてあり、図6(b)、(c)に示すように両端部に行くにしたがって膨らみが小さくなる。
【0038】
これによって、ヘッドホン1の装着時の重量を膨らみ部分(本例では空洞)で負担させ、装着感を向上させている。図5(a)、(e)に示すように、このクッションカバー13の嵌合部14−1a、14−1bに対応するリブ11a、11b上は幅が狭くなっており、図5(a)〜(e)および図6(a)、(d)〜(f)に示すように、両端部には第3の嵌合部14−3a、14−3bが設けられている。
【0039】
上述したような構成のヘッドパッド5は、図7および図8に示すように、樹脂などからなるヘッドバンド4の筐体4Aの下部に装着される。この際、ヘッドパッド5における第1の嵌合部14−1a、14−1b、第2の嵌合部14−2a、14−2b、および第3の嵌合部14−3a、14−3bはそれぞれ、上記ヘッドバンド4の筐体4Aの内側に形成された各対応する嵌合部28−1aと28−1b、28−2aと28−2b、28−3aと28−3bにそれぞれ嵌合されて装着される。
【0040】
上記嵌合部28−1a、28−1bは、ヘッドバンド4における頭頂部付近(フレーム部材11−1、11−2の接合部近傍)に設けられる。これらの嵌合部28−1a、28−1bは、図9(a)に示すように先端部が互いに外側に向かって直角に折曲した一対のリブで形成され、ヘッドパッド5の対応する嵌合部14−1a、14−1bに嵌合される。嵌合部14−1a、14−1bの爪状の突起15−1〜15−8とフレーム11の凸面との間で上記一対のリブの折曲した先端部を挟持することで、ヘッドホン1の着脱などによるヘッドバンド4の変形時に、ヘッドパッド5を横方向にスライド可能になっている。
【0041】
また、嵌合部28−2a、28−2bは、フレーム部材11−1、11−2の接合部を挟んで設けられている。図9(b)に示すように、嵌合部28−2bはヘッドバンド4の筐体4Aに形成されたキノコ状突起部で形成され、ヘッドパッド5の対応する嵌合部14−2bの嵌合孔18−2に圧入され、頭部(笠)は収容部17−2に内包される。嵌合孔18−2は、長円形であるのでヘッドバンド4を開いたときにキノコ状突起部が横方向にずれる余裕があり、ヘッドバンド4の筐体4Aの伸縮や捻りでヘッドパッド5が多少引っ張られても筐体4Aから外れるのを防止できる。嵌合部28−2aも同様に構成されている。
【0042】
さらに、嵌合部28−3a、28−3bは、上記ヘッドバンド4の筐体4Aの両端部に設けられている。これらの嵌合部28−3a、28−3bは、ヘッドバンド4の開閉時(伸時)にクッションカバー13が引っ張られるため、筐体4Aに引っ掛けて保持するためのものである。図9(c)に示すように、上記嵌合部28−3bは、ヘッドバンド4の筐体4Aに形成された突起状の係止部29−3、29−4であり、ヘッドパッド5の両端にそれぞれ横方向に併設された一対の係止孔20−3、20−4に嵌合されることで、ヘッドパッド5の両端がヘッドバンド4の筐体4Aに係止される。嵌合部28−3aも同様に構成されている。
【0043】
上記ヘッドバンド4の筐体4Aの両端部には、図1(a)に示したハンガー保持部6−1b、6−2bを形成するための、内側に行くにしたがって深くなる同心円状の嵌合部30−1、30−2が設けられている。これら嵌合部30−1、30−2に、それぞれバネ部材などを介在して図1(a)に示したハンガー保持部6−1b、6−2bが装着される。
【0044】
このように、上記ヘッドパッド5は、ヘッドバンド4の筐体4Aに異なる構成の3種類の嵌合部により十分な強度で装着されている。また、ヘッドパッド長が長くても、ヘッドホン1を着脱するときのヘッドバンド4の伸縮や捻れにヘッドパッド5を追随させることができるので、ヘッドパッド5の脱落を効果的に防止できる。
【0045】
次に、上記図1(c)に示したフレーム11の組み立て工程について、図10および図11により詳しく説明する。上述したようにフレーム11は2ピース構造であり、必要なフレーム長の半分の長さのフレーム部材11−1、11−2を形成し、後工程で組み立てている。組み立てに際しては、各フレーム部材11−1、11−2の一端を熱溶着や超音波溶着で接合して一体化する。
【0046】
まず、図10(a)、(b)に示すように、図3に示した構成の2つのフレーム部材11−1、11−2を用意し、フレーム部材11−1、11−2の柱状ガイド22−1、22−2をそれぞれ対向するガイド収容部23−2、23−1に挿入する。また、フレーム部材11−1の溶着基台26−1の嵌合穴に、フレーム部材11−2の柱状突起25−2を挿入し、フレーム部材11−2の溶着基台26−2の嵌合穴にフレーム部材11−1の柱状突起25−1を挿入する。
【0047】
このように、同一構成のフレーム部材11−1、11−2の一端を継合した状態で、図11(a)に示すように、溶着基台26−1、26−2の嵌合穴からそれぞれ突出した柱状突起25−2、25−1の先端部を加熱して溶融させ、図11(b)に示すように先端部を広げて熱溶着する。また、ガイド収容部23−2、23−1にはそれぞれ接合する相手方の柱状ガイド22−1、22−2が嵌り込み、開口(接着剤導入口)24−2、24−1から柱状ガイド22−1、22−2がそれぞれ露出するので、これらの開口24−2、24−1内に接着剤を満たして固着する。
【0048】
図12は、上記のようにして形成したフレーム11へのフォーム材12の貼り付け工程を示している。図12(a)に示すように、2つのフレーム部材11−1、11−2を接合して形成したフレーム11の裏面側(凹面側)に、図12(b)に示すようにフレーム11とほぼ同じ外形でポリウレタンなどからなるフォーム材12を貼り付ける。このフォーム材12を貼り付ける際には、図4(c)に斜線を付した領域27に接着剤を塗布する。あるいは、フォーム材12の領域27に両面テープを貼り付け、フレーム11へ貼り付けても良い。
【0049】
その後、図13(a)に示すように、上記フレーム11のリブ11a上の溝21−1、22−2間に感圧接着剤33a、リブ11b上の溝21−3、22−4間に感圧接着剤33bをそれぞれ塗り(あるいは両面テープを貼り付け)、図13(b)に示すようにフレーム11の裏面側(凹面側)から側面を経由してリブ11a、11b上を覆うようにクッションカバー13を被着して接着する。これによって、図1(b)および図2に示したようなヘッドパッド5を形成する。
【0050】
図14は、フレーム11の補強用リブ11a、11bに形成した溝21−2、21−4の近傍を拡大して示すもので、(a)図はクッションカバーの被着前の状態を示す斜視図、(b)図はクッションカバーの被着後の状態を示す斜視図、(c)図は溝内をクッションカバーの材料で埋め込んだ状態を示す透視図である。(a)図および(b)図に示すように、フレーム11にクッションカバーを被着した状態では、溝21−2、21−4内が空洞になり、フレーム11の強度が低下しすぎる恐れがある。また、ヘッドバンド4の開閉時(収縮時)にクッションカバー13の撓みが発生する。
【0051】
そこで、図14(c)に示すように、これらの溝21−1〜21−4内をクッションカバー13の材料で埋め込む。埋め込みには、溝21−1〜21−4内にクッションカバー13の材料を溶融して導入しても良いし、クッションカバー13の溝21−1〜21−4に対応する位置にリブを設け、このリブを溝21−1〜21−4内に配置しても良い。
【0052】
上記のような構成によれば、図15(a)に示すように、フレーム11のリブ11a、11bに溝21−1〜21−4を設けることで、図15(b)に示すようにヘッドバンド4の開閉時(伸時)に、フレーム11の溝21−1〜21−4近傍の折り曲げ強度を低下させて、フレーム部材11−1、11−2の接合部への応力集中を分散できる。また、溝21−1〜21−4内にクッションカバー13の材料を導入して埋め込むことで、溝21−1〜21−4の近傍のフレーム強度が低くなりすぎて折損するのを防止できるとともに、ヘッドバンド4の開閉時(収縮時)に発生するクッションカバー13の撓みを抑制し、撓み部分が外側(ヘッドパッド5の外観)にはみ出すのを抑える効果もある。
【0053】
これによって、ヘッドパッド5の伸縮や捻りによる変形が大きくなり過ぎるのを防止でき、ヘッドパッド5がヘッドバンド4から脱落するのを防止できる。
【0054】
また、フレーム11を2ピース構造にしたので、フレームを形成する金型の大型化と複雑化を回避できる。しかも、部品(フレーム部材11−1、11−2)の小型化が図れるので、肉薄樹脂部品を用いた場合にも成形歩留まりを向上できる。さらに、フレーム部材11−1、11−2に成形収縮率の大きいPP材を用いても、フレーム部材11−1、11−2の小型化により寸法精度の低下が小さくなり、成形後の寸法管理を向上できる。
【0055】
これらにより、ヘッドパッド長の長い外付けのヘッドパッドを有するオーバーヘッド型ヘッドホンにおいて、ヘッドパッドの脱落、およびフレーム金型の大型化や構造の複雑化による製造コストが上昇するという問題を解決でき、信頼性の向上とコストダウンが図れる。
【0056】
[変形例]
図16は、本発明の変形例について説明するためのもので、超音波溶着によるフレームの組み立て工程を示している。(a)図は超音波溶着用のフレーム部材の斜視図、(b)図は2つのフレーム部材を接合した状態の斜視図、(c)図はフレーム部材の接合部の拡大図、(d)図は接合部の断面図である。(a)図に示すように、フレーム部材11−1’(フレーム部材11−2’も同様)は、接合部の構造が熱溶着の場合とは少し異なっている。
【0057】
すなわち、このフレーム部材11−1’は、接合部に溶着基台31−1と、この溶着基台31−1に隣接して設けた超音波溶着用のエネルギーダイレクター(三角形のリブ)32−1a、32−1bとを備えている。そして、上記溶着基台31−1は、接合される相手方のフレーム部材11−2’の溶着基台31−2に係合して引っ張り方向に対する接合強度を高めるための嘴状部31−1aを有している。他の部分は図3に示したフレーム部材11−1と同様であるので、同一部分に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0058】
上記(a)図に示したようなフレーム部材を2つ用意し、(b)図および(c)図に示すように2つのフレーム部材11−1’、11−2’の柱状ガイド22−1、22−2をガイド収容部23−2、23−1にそれぞれ挿入し、かつ溶着基台31−1の嘴状部31−1aを溶着基台31−2の角部に、溶着基台31−2の嘴状部31−2aを溶着基台31−1の角部にそれぞれ噛み合あわせる。この時、溶着基台31−2の下にエネルギーダイレクター32−1a、32−1bが配置され、溶着基台31−1の下にエネルギーダイレクター32−2a、32−2bが配置される。
【0059】
この状態では、開口(接着剤導入口)24−2、24−1から柱状ガイド22−1、22−2がそれぞれ露出するので、これらの開口24−2、24−1内に接着剤を満たして固着する。また、(d)図に示すように溶着基台31−1、31−2に超音波振動を与えつつ加圧することによって、エネルギーダイレクター32−1a、32−1b、32−2a、32−2bを溶融し、フレーム部材11−1’と11−2’を接合する。超音波振動でエネルギーダイレクター32−1a、32−1b、32−2a、32−2bの部分に集中的な伸縮運動を起こさせることで、樹脂溶融温度まで短時間で発熱し、効率良く溶着を行うことが可能になる。
【0060】
図17および図18はそれぞれ、上記フレーム部材11−1’、11−2’を超音波溶着で接合したフレーム11を用いて形成したヘッドパッド5’の構成例を示している。このヘッドパッド5’が図2に示したヘッドパッド5と異なるのは、フレーム部材11−1’、11−2’の接合部の構造と、フォーム材12がフレーム11とクッションカバー13との間の隙間を埋め込むように形成されている点である。他の基本的な構成は図2と同様であるので、同一構成部に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0061】
このような構成であっても、接合部の構造とフォーム材12の厚さが異なるのみであり、上述した実施列と実質的に同様な作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0062】
1 ヘッドホン
2−1、2−2 ユニットハウジング部
3−1、3−2 イヤーパッド
4 ヘッドバンド
4A 筐体
5、5’ ヘッドパッド
6−1、6−2 調整機構
6−1a、6−2a ハンガー部
6−1b、6−2b ハンガー保持部
11 フレーム
11a、11b リブ
11c、11d 配線保持部
11−1、11−2、11−1’、11−2’ フレーム部材
12 フォーム材
13 クッションカバー
14−1a、14−1b 第1の嵌合部
14−2a、14−2b 第2の嵌合部
14−3a、14−3b 第3の嵌合部
15−1〜15−8 爪状の突起
16−1〜16−12 スリット
17−1、17−2 収容部
18−1、18−2 嵌合孔
19−1、19−2 切欠部
20−1〜20−4 係止孔
21−1〜21−4 溝
22−1、22−2 柱状ガイド
23−1、23−2 ガイド収容部
24−1、24−2 開口(接着剤導入口)
25−1、25−2 柱状突起
26−1、26−2 溶着基台
27、27a、27b 領域
28−1a、28−1b、28−2a、28−2b、28−3a、28−3b 嵌合部
29−1〜29−4 突起状の係止部
30−1、30−2 同心円状の嵌合部
31−1、31−2 溶着基台
31−1a、31−2a 嘴状部
32−1a、32−1b、32−2a、32−2b エネルギーダイレクター
33a、33b 感圧接着剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーヘッド型のヘッドホンに関し、更に詳しくはヘッドパッドを外付けで装着するタイプのヘッドホンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯音楽機器などの普及に伴い、ヘッドホンの市場が拡大している。ヘッドホンは、耳介の内側に装着するいわゆるインナーイヤー型と、頭部に装着するヘッドバンド、および耳介に当てるあるいは耳介を覆って頭に当てる軟らかいイヤーパッドを備えたオーバーヘッド型とに大別できる。
【0003】
オーバーヘッド型のヘッドホンは、例えば特許文献1、2に記載されているように、ヘッドバンドを介してヘッドホン自体の重量を頭で支える構造になっている。このため、音を出力するスピーカやそれを内装するハウジングにインナーイヤー型と比べてはるかに大きいものを用いることができ、音質の優れたヘッドホンを形成できる。
【0004】
従来、オーバーヘッド型ヘッドホンのヘッドパッドには、下記(1)〜(3)のような3種類のタイプが用いられている。
(1)ヘッドパッドがヘッドバンドの筐体部分に粘着剤で貼られているタイプ
(2)ヘッドバンドが皮革などの柔軟な材料で覆われ、この柔軟な材料をヘッドパッドとして用いるタイプ
(3)ヘッドパッドが機械的構造によりヘッドバンドの筐体へ外付けで装着されているタイプ
【0005】
上記(3)のタイプでは、ツメなどの係止部を形成したフレームにクッションカバーを被着してヘッドパッドを形成し、ヘッドバンドの筐体の対応する係止部に装着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−287018号公報
【特許文献2】特開2011−82738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記(3)のタイプのヘッドホンにおいて、デザイン性を高めたり、スピーカユニットを内蔵するユニットハウジング部の可動範囲を広げて装着性を向上させたりするためにヘッドパッド長の長いものがある。このようなヘッドホンでは、頭部への装着時にヘッドパッドの伸縮や捻りによる変形が大きくなるため、係止部に大きな力が加わってヘッドパッドがヘッドバンドから脱落する恐れがある。また、フレームを形成するための金型が大型化したり、構造が複雑化したりして製造コストの上昇を招く、という課題がある。
【0008】
本発明は上記のことに鑑み提案されたもので、その目的とするところは、外付けのヘッドパッドを有するヘッドパッド長の長いオーバーヘッド型ヘッドホンの上述した問題を解決でき、信頼性の向上とコストダウンが図れるヘッドホンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明のヘッドホンは、スピーカユニットを内蔵した一対のユニットハウジング部2−1、2−2をヘッドバンド4で互いに連結し、このヘッドバンド4にヘッドパッド5を外付けで装着するオーバーヘッド型のヘッドホン1において、前記ヘッドパッド5は、前記ヘッドバンド4の筐体4Aに対応する湾曲した板状で、凸面側の長手方向に沿った両側端にそれぞれ設けられた補強用のリブ11a、11bと、前記ヘッドバンド4の筐体4Aに装着するための嵌合部14−1a、14−1b、14−2a、14−2b、14−3a、14−3bとを有するフレーム11と、前記フレームの凹面側から側面を経由して前記リブ11a、11b上を覆うように被着されるクッションカバー13とを備え、前記フレーム11は、同一構成の2つのフレーム部材11−1、11−2、11−1’、11−2’の一端を接合して形成し、前記リブ11a、11bの対向する位置に溝21−1〜21−4を設け、この溝21−1〜21−4内を前記クッションカバー13の材料で埋め込むことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のヘッドホンにおいて、前記フレーム11と前記クッションカバー13との間に介在されるフォーム材12を更に具備することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載のヘッドホンにおいて、前記フレーム11は、前記フレーム部材11−1、11−2、11−1’、11−2’の接合部に配置された第1の嵌合部14−1a、14−1bと、前記第1の嵌合部を挟んで配置された第2の嵌合部14−2a、14−2bと、前記ヘッドパッド5の両端にそれぞれ配置された第3の嵌合部14−3a、14−3bとを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3記載のヘッドホンにおいて、前記第1の嵌合部14−1a、14−1bは、前記リブ11a、11bに沿って対向して配置され、前記ヘッドバンド4の筐体4Aに設けられている互いに外側に向かって折曲したリブに嵌合される爪状の突起15−1〜15−8を含み、前記第2の嵌合部14−2a、14−2bは、前記ヘッドバンド4の筐体4Aに設けられているキノコ状突起部の頭部を内包する収容部17−1、17−2と、この収容部17−1、17−2の上面に形成され、前記キノコ状突起部の頭が嵌挿される長円形の嵌合孔18−1、18−2とを含み、前記第3の嵌合部14−3a、14−3bは、前記ヘッドパッド5の両端にそれぞれ横方向に併設され、前記ヘッドバンド4の筐体4Aに設けられている突起状の係止部29−1〜29−4に係止される一対の係止孔20−1〜20−4を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る本発明によれば、フレームを2つのフレーム部材に細分化して組み立てる構造にしたので、フレームを形成するための金型の小型化と単純化ができコストダウンできる。また、フレーム部材のサイズが小さいので、成形収縮率の大きい材料を用いた場合にも、寸法変化が小さくて済むので成形歩留まりを改善でき、この点からも低コスト化が図れる。さらに、フレームの補強用リブに溝を形成してヘッドパッドの伸縮時の応力集中箇所をこの溝位置に定め、フレーム部材の接合部に掛かる応力を分散させて低減することができる。しかも、この溝内にクッションカバーの材料を埋め込むことで、溝部のフレーム強度が低くなりすぎて折損するのを防止できる。これによって、ヘッドパッド長の長いものにおいて、フレームを細分化して組み立てる構造にしてもヘッドバンドの伸縮や捻りに耐えうる信頼性を確保できる。
【0014】
請求項2に記載したように、フレームとクッションカバーとの間にフォーム材を介在させてフレームとクッションカバーの伸縮率や変形率の相違を吸収することにより、ヘッドパッドの伸縮時や変形時にフレームとクッションカバーを一体化して脱落を防止できる。
【0015】
請求項3および4に記載したように、フレームに設けた第1乃至第3の嵌合部でヘッドバンドの筐体に装着することにより、ヘッドパッド長が長くてもヘッドパッドが脱落するのを効果的に防止でき、信頼性を高めることができる。
【0016】
従って、ヘッドパッドを外付けで装着する、ヘッドパッド長の長いオーバーヘッド型ヘッドホンにおいて、ヘッドパッドの脱落、およびフレームを形成する金型の大型化や複雑化の問題を解決でき、信頼性の向上とコストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例に係るオーバーヘッド型のヘッドホンを示しており、(a)図はヘッドホンの外観斜視図、(b)図は外付けのヘッドパッドの斜視図、(c)図は(b)図に示したヘッドパッドに用いられるフレームの斜視図、(d)図は(b)図に示したヘッドパッドに用いられるフォーム材の斜視図、(e)図は(b)図に示したヘッドパッドに用いられるクッションカバーの斜視図である。
【図2】図1(b)に示したヘッドパッドの投影図であり、(a)図は上面図、(b)図は正面図、(c)図は底面図、(d)図は左側面図、(e)図は右側面図、および(f)図は背面図である。
【図3】図1(c)に示したフレームを形成するフレーム部材の斜視図である。
【図4】図1(d)に示したフォーム材の構成例を示しており、(a)図は平面図、(b)図は(a)図のA−A線矢示断面図、(c)図は接着剤を塗布する領域を示す平面図である。
【図5】図1(e)に示したクッションカバーの構成例を示しており、(a)図は上面図、(b)図は正面図、(c)図は底面図、(d)図は(b)図のC−C線矢示断面図、(e)図は右側面図である。
【図6】図5に示したクッションカバーの構成を詳しく説明するためのもので、(a)図は図5(a)のB−B線矢示断面図、(b)図は図5(b)のD−D線矢示断面図、(c)図は図5(b)のE−E線矢示断面図、(d)図は図5(b)の一点鎖線で囲んだ部分の左側面の拡大図、(e)図は図5(b)の一点鎖線で囲んだ部分の拡大図、(f)図は図5(b)の一点鎖線で囲んだ部分の右側面の拡大図である。
【図7】図1(a)に示したヘッドホンにおけるヘッドバンドの分解図である。
【図8】図1(a)に示したヘッドホンにおけるヘッドバンドの長手方向の断面図である。
【図9】図7および図8に示したヘッドバンド部における各嵌合部を示しており、(a)図は図8のF−F線矢示断面図、(b)図は図8のG−G線矢示断面図、および(c)図は図8のH−H線矢示断面図である。
【図10】熱溶着によるフレームの組み立て工程を示しており、(a)図は2つのフレーム部材を継合した状態のフレームの斜視図、(b)図はフレーム部材の継合部近傍の拡大図である。
【図11】フレーム部材の接合部を拡大して示しており、(a)図は熱溶着前の状態を示す斜視図、(b)図は熱溶着後の状態を示す斜視図である。
【図12】フレームへのフォーム材の貼り付け工程を示しており、(a)図は貼り付け前のフレームを底面側から見た斜視図、(b)図はフレーム部材を貼り付けた状態を示す斜視図である。
【図13】フレームへのクッションカバーの被着工程を示しており、(a)図は被着前のフレームの斜視図、(b)図はクッションカバーを被着してヘッドパッドを形成した状態の斜視図である。
【図14】フレームの補強用リブに形成した溝の近傍を拡大して示すもので、(a)図はクッションカバーの被着前の状態を示す斜視図、(b)図はクッションカバーの被着後の状態を示す斜視図、(c)図は溝内をクッションカバーの材料で埋め込んだ状態を示す透視図である。
【図15】ヘッドバンドの伸縮時あるいは変形時のフレームの耐久性試験の結果を示しており、(a)図はフレームの正面図、(b)図はヘッドバンドが伸びたときのフレームの変形状態を示す正面図である。
【図16】本発明の変形例について説明するためのもので、超音波溶着によるフレームの組み立て工程を示しており、(a)図は超音波溶着用のフレーム部材の斜視図、(b)図は2つのフレーム部材を接合した状態の透視図、(c)図はフレーム部材の接合部の拡大図、(d)図は接合部の断面図である。
【図17】図16に示したフレームを用いたヘッドパッドの投影図であり、(a)図は上面図、(b)図は正面図、(c)図は底面図、(d)図は右側面図である。
【図18】図17に示したヘッドパッドの構成を詳しく説明するためのもので、(a)図は図17(a)のI−I線矢示断面図、(b)図は図17(b)のJ−J線矢示断面図、(c)図は図17(b)のK−K線矢示断面図、(d)図は図17(b)の一点鎖線で囲んだ部分の左側面の拡大図、(e)図は図17(b)の一点鎖線で囲んだ部分の拡大図、(f)図は図17(b)の一点鎖線で囲んだ部分の右側面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、ヘッドバンドにヘッドパッドを外付けするタイプのオーバーヘッド型ヘッドホンにおいて、ヘッドパッドのフレームを2ピース構造にしたものである。すなわち、同一構成の2つのフレーム部材を接合してフレームを形成し、このフレームにクッションカバーを被着してヘッドパッドを形成する。
【0019】
2つのフレーム部材を接合して形成したフレームは、ヘッドバンドの筐体にほぼ対応する円弧状に湾曲した板状の肉薄部品であり、凸面側の長手方向に沿った両側端にそれぞれ補強用のリブを備えている。このリブの短手方向に対応する位置に、フレーム部材の接合部を挟んで溝を設けている。そして、フレームの凹面側から側面を経由してリブ上を覆うようにクッションカバーを被着し、上記溝内にこのクッションカバーの材料を埋め込んでいる。
【0020】
この2ピース構造のフレームは、特にヘッドパッド長が長い場合に有効であり、フレームを小さな部品(フレーム部材)に細分化して組み立てることで、フレーム金型の小型化と単純化を図れ、コストダウンできる。また、フレームを細分化したことで、フレーム部材のサイズが小さくなるので、成形収縮率の大きい材料を用いた場合にも寸法変化が小さくて済むので成形歩留まりを改善でき、この点からも低コスト化が図れる。
【0021】
さらに、フレームの補強用リブに形成した溝によって、フレームの溝部の折り曲げ強度を低下させ、ヘッドホンを着脱する際のヘッドパッドの伸縮時や変形時の応力集中箇所をこの溝の位置に定めることで、フレーム部材の接合部に掛かる応力を緩和することができる。
【0022】
しかも、溝内にクッションカバーの材料を埋め込むことで、溝部のフレーム強度が低くなり過ぎて折損する、あるいはヘッドパッドの伸縮や捻りによる変形が大きくなり過ぎるのを防止できる。これによって、フレームを2ピース構造にしてもヘッドバンドの伸縮や捻りに耐えうる信頼性を確保できる。しかも、クッションカバーの撓みを抑制し、撓み部分がヘッドパッド5の外側にはみ出すのを抑えることもできる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施例に係るオーバーヘッド型のヘッドホンを示しており、(a)図はヘッドホンの外観斜視図、(b)図はヘッドバンドの筐体に外付けで装着するヘッドパッドの斜視図である。また、(c)〜(e)図はそれぞれ(b)図に示したヘッドパッドの分解図であり、(c)図はフレームの斜視図、(d)図はフォーム材の斜視図、(e)図はクッションカバーの斜視図である。
【0025】
(a)図に示すように、ヘッドホン1は、スピーカユニット(図示せず)を内蔵した一対のユニットハウジング部2−1、2−2、これらユニットハウジング部2−1、2−2に装着され、耳介に当てるあるいは耳介を覆って頭に当てるイヤーパッド3−1、3−2、ヘッドホン1を頭部に装着するために上記ユニットハウジング部2−1、2−2を互いに連結するヘッドバンド4、およびこのヘッドバンド4の筐体の下部に外付けで装着され、当該ヘッドホン1を頭部で支持する際のクッションとなるヘッドパッド5などを備えている。
【0026】
上記ユニットハウジング部2−1、2−2とヘッドバンド4との連結部には、ユニットハウジング部2−1、2−2の位置を調整するための調整機構6−1、6−2が設けられている。この調整機構6−1、6−2は、頭頂部から各耳介までの距離に個人差があるため、ユニットハウジング部2−1、2−2を最適な位置に設定するものである。本例では調整機構6−1、6−2は、金属製のハンガー部6−1a、6−2aと、ヘッドバンド4の両端部に設けたハンガー保持部6−1b、6−2bとで構成されている。
【0027】
上記ハンガー部6−1a、6−2aは、ユニットハウジング部2−1、2−2を揺動自在に支持する支持部と、この支持部からヘッドバンドの長手方向に平行に延びるスライド部とを有し、このスライド部を例えばバネ部材(ウェーブワッシャーなど、図示せず)で付勢した上記ハンガー保持部6−1b、6−2bで保持することにより、ユニットハウジング部2−1、2−2を上下にスライド可能になっている。
【0028】
(b)図に示すヘッドパッド5は、(c)図に示すフレーム11と、(d)図に示すフォーム材12と、(e)図に示すクッションカバー13とで構成される。このヘッドパッド5には、第1の嵌合部14−1a、14−1b、第2の嵌合部14−2a、14−2b、および第3の嵌合部14−3a、14−3bが設けられ、ヘッドバンド4の筐体下部に外付けで装着される際、ヘッドバンド4の筐体下部に設けられた対応する嵌合部にそれぞれ嵌合される。
【0029】
図2の投影図に示すように、上記ヘッドパッド5における第1の嵌合部14−1a、14−1bはそれぞれ、対向する爪状の突起15−1〜15−4と突起15−5〜15−8とで形成され、この爪状の突起15−1〜15−4、15−5〜15−8に各対応して長方形のスリット16−1〜16−4、16−5〜16−8が配置されている。これらの爪状の突起15−1〜15−4、15−5〜15−8とスリット16−1〜16−4、16−5〜16−8は、フレーム11の長手方向の両側端に沿って形成された補強用のリブ11a、11b(図1(c)参照)の内側に、これらのリブ11a、11bに沿って配置されている。クッションカバー13における嵌合部14−1a、14−1bのリブ11a、11b上は幅が狭くなっており、この部分から爪状の突起15−1〜15−8が露出されている。
【0030】
また、上記第2の嵌合部14−2a、14−2bはそれぞれ、ヘッドバンド4の筐体に設けられているキノコ状突起部の頭部(笠)を内包する収容部17−1、17−2と、これらの収容部17−1、17−2の上面にそれぞれ形成され、上記キノコ状突起部の頭が嵌挿される長円形の嵌合孔18−1、18−2とで形成される。なお、嵌合孔18−1、18−2にそれぞれ形成されている切欠部19−1、19−2は、ヘッドバンド4のキノコ状突起部の頭部を圧入する際に、嵌合孔18−1、18−2の径を広げるためのものである。
【0031】
さらに、上記第3の嵌合部14−3aはヘッドパッド5の一端に横方向に併設された一対の係止孔20−1、21−2で形成され、上記第3の嵌合部14−3bはヘッドパッド5の他端に横方向に併設された一対の係止孔20−3、20−4で形成される。
【0032】
(c)図に示すフレーム11は、ポリプロピレン(PP:polypropylene)などからなり、同一構成の2つのフレーム部材11−1、11−2の端部を接合した2ピース構造になっている。このフレーム11は、ヘッドバンド4の筐体にほぼ対応する円弧状に湾曲した板状の肉薄部品(例えば0.7mm厚)である。フレーム11の長手方向に沿った両側端には補強用のリブ11a、11bが設けられており、フレーム部材11−1と11−2の接合部を挟んで、短手方向に対応する位置に溝21−1〜21−4が設けられている。
【0033】
このフレーム11の両端部には、スリット16−9、16−10と16−11、16−12とがリブ11a、11bに沿って形成されている。これらのスリット16−9〜16−12は、ヘッドバンド4の筐体に係合する爪を形成するためのものである。また、上記スリット16−9、16−10間、および16−11、16−12間のフレーム11の両端部にはそれぞれ、スピーカユニットからの配線を保持するための配線保持部11c、11dが形成されている。
【0034】
図3に示すように、上記フレーム部材11−2(フレーム部材11−1も同様)のリブ11bの接合部には、このリブ11bに沿った方向に突出する柱状ガイド22−2が設けられ、リブ11aには接合される相手方のフレーム部材11−1の上記柱状ガイド(22−1)を収容するガイド収容部23−2とこのガイド収容部23−2内に接着剤を流し込んで相手方の柱状ガイド(22−1)を固定するための長方形の開口(接着剤導入口)24−2が設けられている。
【0035】
さらに、上記フレーム部材11−1の接合側端部のリブ11a、11b間には、熱溶着(または超音波溶着)のための柱状突起25−2と、嵌合穴を有する溶着基台26−2とが設けられている。そして、図1(c)に示したように、フレーム部材11−1の溶着基台26−1の嵌合穴に、フレーム部材11−2の柱状突起25−2が挿入され、フレーム部材11−1の柱状突起25−1がフレーム部材11−2の溶着基台26−2の嵌合穴に挿入されてフレーム11が組み立てられる。
【0036】
(d)図に示すフォーム材12は、ポリウレタン(PU:polyurethane)などからなり、上記フレーム11の凹面側(下面側)に貼り付けられている。このフォーム材12は、図4(a)、(b)に示すようにほぼフレーム11の外形に対応する板状であり、両端部に突出部12a、12bが設けられている。そして、(c)図に斜線を付した領域27に接着剤が塗布され、フレーム11の下面に貼り付けられる。ここで、接着剤を塗布しない領域27a、27bはそれぞれ、上記嵌合部14−2a、14−2bに形成されている収容部17−1、17−2に対応している。
【0037】
(e)図に示すクッションカバー13は、シリコーン(silicone)などの柔らかい材料からなり、図5に示すように上記フレーム11にほぼ対応して湾曲した形状であり、フレーム11の底面側(凹面側)から側面を経由し、上面(凸面)のリブ11a、11b上までを覆うように被着される。このクッションカバー13は、図5(b)、(d)および図6(a)に示すように、ほぼ均一な厚さで頭頂部に対応する位置に膨らみを持たせるようにしてあり、図6(b)、(c)に示すように両端部に行くにしたがって膨らみが小さくなる。
【0038】
これによって、ヘッドホン1の装着時の重量を膨らみ部分(本例では空洞)で負担させ、装着感を向上させている。図5(a)、(e)に示すように、このクッションカバー13の嵌合部14−1a、14−1bに対応するリブ11a、11b上は幅が狭くなっており、図5(a)〜(e)および図6(a)、(d)〜(f)に示すように、両端部には第3の嵌合部14−3a、14−3bが設けられている。
【0039】
上述したような構成のヘッドパッド5は、図7および図8に示すように、樹脂などからなるヘッドバンド4の筐体4Aの下部に装着される。この際、ヘッドパッド5における第1の嵌合部14−1a、14−1b、第2の嵌合部14−2a、14−2b、および第3の嵌合部14−3a、14−3bはそれぞれ、上記ヘッドバンド4の筐体4Aの内側に形成された各対応する嵌合部28−1aと28−1b、28−2aと28−2b、28−3aと28−3bにそれぞれ嵌合されて装着される。
【0040】
上記嵌合部28−1a、28−1bは、ヘッドバンド4における頭頂部付近(フレーム部材11−1、11−2の接合部近傍)に設けられる。これらの嵌合部28−1a、28−1bは、図9(a)に示すように先端部が互いに外側に向かって直角に折曲した一対のリブで形成され、ヘッドパッド5の対応する嵌合部14−1a、14−1bに嵌合される。嵌合部14−1a、14−1bの爪状の突起15−1〜15−8とフレーム11の凸面との間で上記一対のリブの折曲した先端部を挟持することで、ヘッドホン1の着脱などによるヘッドバンド4の変形時に、ヘッドパッド5を横方向にスライド可能になっている。
【0041】
また、嵌合部28−2a、28−2bは、フレーム部材11−1、11−2の接合部を挟んで設けられている。図9(b)に示すように、嵌合部28−2bはヘッドバンド4の筐体4Aに形成されたキノコ状突起部で形成され、ヘッドパッド5の対応する嵌合部14−2bの嵌合孔18−2に圧入され、頭部(笠)は収容部17−2に内包される。嵌合孔18−2は、長円形であるのでヘッドバンド4を開いたときにキノコ状突起部が横方向にずれる余裕があり、ヘッドバンド4の筐体4Aの伸縮や捻りでヘッドパッド5が多少引っ張られても筐体4Aから外れるのを防止できる。嵌合部28−2aも同様に構成されている。
【0042】
さらに、嵌合部28−3a、28−3bは、上記ヘッドバンド4の筐体4Aの両端部に設けられている。これらの嵌合部28−3a、28−3bは、ヘッドバンド4の開閉時(伸時)にクッションカバー13が引っ張られるため、筐体4Aに引っ掛けて保持するためのものである。図9(c)に示すように、上記嵌合部28−3bは、ヘッドバンド4の筐体4Aに形成された突起状の係止部29−3、29−4であり、ヘッドパッド5の両端にそれぞれ横方向に併設された一対の係止孔20−3、20−4に嵌合されることで、ヘッドパッド5の両端がヘッドバンド4の筐体4Aに係止される。嵌合部28−3aも同様に構成されている。
【0043】
上記ヘッドバンド4の筐体4Aの両端部には、図1(a)に示したハンガー保持部6−1b、6−2bを形成するための、内側に行くにしたがって深くなる同心円状の嵌合部30−1、30−2が設けられている。これら嵌合部30−1、30−2に、それぞれバネ部材などを介在して図1(a)に示したハンガー保持部6−1b、6−2bが装着される。
【0044】
このように、上記ヘッドパッド5は、ヘッドバンド4の筐体4Aに異なる構成の3種類の嵌合部により十分な強度で装着されている。また、ヘッドパッド長が長くても、ヘッドホン1を着脱するときのヘッドバンド4の伸縮や捻れにヘッドパッド5を追随させることができるので、ヘッドパッド5の脱落を効果的に防止できる。
【0045】
次に、上記図1(c)に示したフレーム11の組み立て工程について、図10および図11により詳しく説明する。上述したようにフレーム11は2ピース構造であり、必要なフレーム長の半分の長さのフレーム部材11−1、11−2を形成し、後工程で組み立てている。組み立てに際しては、各フレーム部材11−1、11−2の一端を熱溶着や超音波溶着で接合して一体化する。
【0046】
まず、図10(a)、(b)に示すように、図3に示した構成の2つのフレーム部材11−1、11−2を用意し、フレーム部材11−1、11−2の柱状ガイド22−1、22−2をそれぞれ対向するガイド収容部23−2、23−1に挿入する。また、フレーム部材11−1の溶着基台26−1の嵌合穴に、フレーム部材11−2の柱状突起25−2を挿入し、フレーム部材11−2の溶着基台26−2の嵌合穴にフレーム部材11−1の柱状突起25−1を挿入する。
【0047】
このように、同一構成のフレーム部材11−1、11−2の一端を継合した状態で、図11(a)に示すように、溶着基台26−1、26−2の嵌合穴からそれぞれ突出した柱状突起25−2、25−1の先端部を加熱して溶融させ、図11(b)に示すように先端部を広げて熱溶着する。また、ガイド収容部23−2、23−1にはそれぞれ接合する相手方の柱状ガイド22−1、22−2が嵌り込み、開口(接着剤導入口)24−2、24−1から柱状ガイド22−1、22−2がそれぞれ露出するので、これらの開口24−2、24−1内に接着剤を満たして固着する。
【0048】
図12は、上記のようにして形成したフレーム11へのフォーム材12の貼り付け工程を示している。図12(a)に示すように、2つのフレーム部材11−1、11−2を接合して形成したフレーム11の裏面側(凹面側)に、図12(b)に示すようにフレーム11とほぼ同じ外形でポリウレタンなどからなるフォーム材12を貼り付ける。このフォーム材12を貼り付ける際には、図4(c)に斜線を付した領域27に接着剤を塗布する。あるいは、フォーム材12の領域27に両面テープを貼り付け、フレーム11へ貼り付けても良い。
【0049】
その後、図13(a)に示すように、上記フレーム11のリブ11a上の溝21−1、22−2間に感圧接着剤33a、リブ11b上の溝21−3、22−4間に感圧接着剤33bをそれぞれ塗り(あるいは両面テープを貼り付け)、図13(b)に示すようにフレーム11の裏面側(凹面側)から側面を経由してリブ11a、11b上を覆うようにクッションカバー13を被着して接着する。これによって、図1(b)および図2に示したようなヘッドパッド5を形成する。
【0050】
図14は、フレーム11の補強用リブ11a、11bに形成した溝21−2、21−4の近傍を拡大して示すもので、(a)図はクッションカバーの被着前の状態を示す斜視図、(b)図はクッションカバーの被着後の状態を示す斜視図、(c)図は溝内をクッションカバーの材料で埋め込んだ状態を示す透視図である。(a)図および(b)図に示すように、フレーム11にクッションカバーを被着した状態では、溝21−2、21−4内が空洞になり、フレーム11の強度が低下しすぎる恐れがある。また、ヘッドバンド4の開閉時(収縮時)にクッションカバー13の撓みが発生する。
【0051】
そこで、図14(c)に示すように、これらの溝21−1〜21−4内をクッションカバー13の材料で埋め込む。埋め込みには、溝21−1〜21−4内にクッションカバー13の材料を溶融して導入しても良いし、クッションカバー13の溝21−1〜21−4に対応する位置にリブを設け、このリブを溝21−1〜21−4内に配置しても良い。
【0052】
上記のような構成によれば、図15(a)に示すように、フレーム11のリブ11a、11bに溝21−1〜21−4を設けることで、図15(b)に示すようにヘッドバンド4の開閉時(伸時)に、フレーム11の溝21−1〜21−4近傍の折り曲げ強度を低下させて、フレーム部材11−1、11−2の接合部への応力集中を分散できる。また、溝21−1〜21−4内にクッションカバー13の材料を導入して埋め込むことで、溝21−1〜21−4の近傍のフレーム強度が低くなりすぎて折損するのを防止できるとともに、ヘッドバンド4の開閉時(収縮時)に発生するクッションカバー13の撓みを抑制し、撓み部分が外側(ヘッドパッド5の外観)にはみ出すのを抑える効果もある。
【0053】
これによって、ヘッドパッド5の伸縮や捻りによる変形が大きくなり過ぎるのを防止でき、ヘッドパッド5がヘッドバンド4から脱落するのを防止できる。
【0054】
また、フレーム11を2ピース構造にしたので、フレームを形成する金型の大型化と複雑化を回避できる。しかも、部品(フレーム部材11−1、11−2)の小型化が図れるので、肉薄樹脂部品を用いた場合にも成形歩留まりを向上できる。さらに、フレーム部材11−1、11−2に成形収縮率の大きいPP材を用いても、フレーム部材11−1、11−2の小型化により寸法精度の低下が小さくなり、成形後の寸法管理を向上できる。
【0055】
これらにより、ヘッドパッド長の長い外付けのヘッドパッドを有するオーバーヘッド型ヘッドホンにおいて、ヘッドパッドの脱落、およびフレーム金型の大型化や構造の複雑化による製造コストが上昇するという問題を解決でき、信頼性の向上とコストダウンが図れる。
【0056】
[変形例]
図16は、本発明の変形例について説明するためのもので、超音波溶着によるフレームの組み立て工程を示している。(a)図は超音波溶着用のフレーム部材の斜視図、(b)図は2つのフレーム部材を接合した状態の斜視図、(c)図はフレーム部材の接合部の拡大図、(d)図は接合部の断面図である。(a)図に示すように、フレーム部材11−1’(フレーム部材11−2’も同様)は、接合部の構造が熱溶着の場合とは少し異なっている。
【0057】
すなわち、このフレーム部材11−1’は、接合部に溶着基台31−1と、この溶着基台31−1に隣接して設けた超音波溶着用のエネルギーダイレクター(三角形のリブ)32−1a、32−1bとを備えている。そして、上記溶着基台31−1は、接合される相手方のフレーム部材11−2’の溶着基台31−2に係合して引っ張り方向に対する接合強度を高めるための嘴状部31−1aを有している。他の部分は図3に示したフレーム部材11−1と同様であるので、同一部分に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0058】
上記(a)図に示したようなフレーム部材を2つ用意し、(b)図および(c)図に示すように2つのフレーム部材11−1’、11−2’の柱状ガイド22−1、22−2をガイド収容部23−2、23−1にそれぞれ挿入し、かつ溶着基台31−1の嘴状部31−1aを溶着基台31−2の角部に、溶着基台31−2の嘴状部31−2aを溶着基台31−1の角部にそれぞれ噛み合あわせる。この時、溶着基台31−2の下にエネルギーダイレクター32−1a、32−1bが配置され、溶着基台31−1の下にエネルギーダイレクター32−2a、32−2bが配置される。
【0059】
この状態では、開口(接着剤導入口)24−2、24−1から柱状ガイド22−1、22−2がそれぞれ露出するので、これらの開口24−2、24−1内に接着剤を満たして固着する。また、(d)図に示すように溶着基台31−1、31−2に超音波振動を与えつつ加圧することによって、エネルギーダイレクター32−1a、32−1b、32−2a、32−2bを溶融し、フレーム部材11−1’と11−2’を接合する。超音波振動でエネルギーダイレクター32−1a、32−1b、32−2a、32−2bの部分に集中的な伸縮運動を起こさせることで、樹脂溶融温度まで短時間で発熱し、効率良く溶着を行うことが可能になる。
【0060】
図17および図18はそれぞれ、上記フレーム部材11−1’、11−2’を超音波溶着で接合したフレーム11を用いて形成したヘッドパッド5’の構成例を示している。このヘッドパッド5’が図2に示したヘッドパッド5と異なるのは、フレーム部材11−1’、11−2’の接合部の構造と、フォーム材12がフレーム11とクッションカバー13との間の隙間を埋め込むように形成されている点である。他の基本的な構成は図2と同様であるので、同一構成部に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0061】
このような構成であっても、接合部の構造とフォーム材12の厚さが異なるのみであり、上述した実施列と実質的に同様な作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0062】
1 ヘッドホン
2−1、2−2 ユニットハウジング部
3−1、3−2 イヤーパッド
4 ヘッドバンド
4A 筐体
5、5’ ヘッドパッド
6−1、6−2 調整機構
6−1a、6−2a ハンガー部
6−1b、6−2b ハンガー保持部
11 フレーム
11a、11b リブ
11c、11d 配線保持部
11−1、11−2、11−1’、11−2’ フレーム部材
12 フォーム材
13 クッションカバー
14−1a、14−1b 第1の嵌合部
14−2a、14−2b 第2の嵌合部
14−3a、14−3b 第3の嵌合部
15−1〜15−8 爪状の突起
16−1〜16−12 スリット
17−1、17−2 収容部
18−1、18−2 嵌合孔
19−1、19−2 切欠部
20−1〜20−4 係止孔
21−1〜21−4 溝
22−1、22−2 柱状ガイド
23−1、23−2 ガイド収容部
24−1、24−2 開口(接着剤導入口)
25−1、25−2 柱状突起
26−1、26−2 溶着基台
27、27a、27b 領域
28−1a、28−1b、28−2a、28−2b、28−3a、28−3b 嵌合部
29−1〜29−4 突起状の係止部
30−1、30−2 同心円状の嵌合部
31−1、31−2 溶着基台
31−1a、31−2a 嘴状部
32−1a、32−1b、32−2a、32−2b エネルギーダイレクター
33a、33b 感圧接着剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカユニットを内蔵した一対のユニットハウジング部(2−1、2−2)をヘッドバンド(4)で互いに連結し、このヘッドバンド(4)にヘッドパッド(5)を外付けで装着するオーバーヘッド型のヘッドホン(1)において、
前記ヘッドパッド(5)は、
前記ヘッドバンド(4)の筐体(4A)に対応する湾曲した板状で、凸面側の長手方向に沿った両側端にそれぞれ設けられた補強用のリブ(11a、11b)と、前記ヘッドバンド(4)の筐体(4A)に装着するための嵌合部(14−1a、14−1b、14−2a、14−2b、14−3a、14−3b)とを有するフレーム(11)と、
前記フレームの凹面側から側面を経由して前記リブ(11a、11b)上を覆うように被着されるクッションカバー(13)とを備え、
前記フレーム(11)は、同一構成の2つのフレーム部材(11−1、11−2、11−1’、11−2’)の一端を接合して形成し、前記リブ(11a、11b)の対向する位置に溝(21−1〜21−4)を設け、この溝(21−1〜21−4)内を前記クッションカバー(13)の材料で埋め込む
ことを特徴とするヘッドホン。
【請求項2】
前記フレーム(11)と前記クッションカバー(13)との間に介在されるフォーム材(12)を更に具備することを特徴とする請求項1記載のヘッドホン。
【請求項3】
前記フレーム(11)は、前記フレーム部材(11−1、11−2、11−1’、11−2’)の接合部に配置された第1の嵌合部(14−1a、14−1b)と、前記第1の嵌合部を挟んで配置された第2の嵌合部(14−2a、14−2b)と、前記ヘッドパッド(5)の両端にそれぞれ配置された第3の嵌合部(14−3a、14−3b)とを備えることを特徴とする請求項1または2記載のヘッドホン。
【請求項4】
前記第1の嵌合部(14−1a、14−1b)は、前記リブ(11a、11b)に沿って対向して配置され、前記ヘッドバンド(4)の筐体(4A)に設けられている互いに外側に向かって折曲したリブに嵌合される爪状の突起(15−1〜15−8)を含み、
前記第2の嵌合部(14−2a、14−2b)は、前記ヘッドバンド(4)の筐体(4A)に設けられているキノコ状突起部の頭部を内包する収容部(17−1、17−2)と、この収容部(17−1、17−2)の上面に形成され、前記キノコ状突起部の頭が嵌挿される長円形の嵌合孔(18−1、18−2)とを含み、
前記第3の嵌合部(14−3a、14−3b)は、前記ヘッドパッド(5)の両端にそれぞれ横方向に併設され、前記ヘッドバンド(4)の筐体(4A)に設けられている突起状の係止部(29−1〜29−4)に係止される一対の係止孔(20−1〜20−4)を含むことを特徴とする請求項3記載のヘッドホン。
【請求項1】
スピーカユニットを内蔵した一対のユニットハウジング部(2−1、2−2)をヘッドバンド(4)で互いに連結し、このヘッドバンド(4)にヘッドパッド(5)を外付けで装着するオーバーヘッド型のヘッドホン(1)において、
前記ヘッドパッド(5)は、
前記ヘッドバンド(4)の筐体(4A)に対応する湾曲した板状で、凸面側の長手方向に沿った両側端にそれぞれ設けられた補強用のリブ(11a、11b)と、前記ヘッドバンド(4)の筐体(4A)に装着するための嵌合部(14−1a、14−1b、14−2a、14−2b、14−3a、14−3b)とを有するフレーム(11)と、
前記フレームの凹面側から側面を経由して前記リブ(11a、11b)上を覆うように被着されるクッションカバー(13)とを備え、
前記フレーム(11)は、同一構成の2つのフレーム部材(11−1、11−2、11−1’、11−2’)の一端を接合して形成し、前記リブ(11a、11b)の対向する位置に溝(21−1〜21−4)を設け、この溝(21−1〜21−4)内を前記クッションカバー(13)の材料で埋め込む
ことを特徴とするヘッドホン。
【請求項2】
前記フレーム(11)と前記クッションカバー(13)との間に介在されるフォーム材(12)を更に具備することを特徴とする請求項1記載のヘッドホン。
【請求項3】
前記フレーム(11)は、前記フレーム部材(11−1、11−2、11−1’、11−2’)の接合部に配置された第1の嵌合部(14−1a、14−1b)と、前記第1の嵌合部を挟んで配置された第2の嵌合部(14−2a、14−2b)と、前記ヘッドパッド(5)の両端にそれぞれ配置された第3の嵌合部(14−3a、14−3b)とを備えることを特徴とする請求項1または2記載のヘッドホン。
【請求項4】
前記第1の嵌合部(14−1a、14−1b)は、前記リブ(11a、11b)に沿って対向して配置され、前記ヘッドバンド(4)の筐体(4A)に設けられている互いに外側に向かって折曲したリブに嵌合される爪状の突起(15−1〜15−8)を含み、
前記第2の嵌合部(14−2a、14−2b)は、前記ヘッドバンド(4)の筐体(4A)に設けられているキノコ状突起部の頭部を内包する収容部(17−1、17−2)と、この収容部(17−1、17−2)の上面に形成され、前記キノコ状突起部の頭が嵌挿される長円形の嵌合孔(18−1、18−2)とを含み、
前記第3の嵌合部(14−3a、14−3b)は、前記ヘッドパッド(5)の両端にそれぞれ横方向に併設され、前記ヘッドバンド(4)の筐体(4A)に設けられている突起状の係止部(29−1〜29−4)に係止される一対の係止孔(20−1〜20−4)を含むことを特徴とする請求項3記載のヘッドホン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−46187(P2013−46187A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182185(P2011−182185)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000112565)フォスター電機株式会社 (113)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000112565)フォスター電機株式会社 (113)
【Fターム(参考)】
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