ヘリングボーンギアを有する歯車の製造処理、および、加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データを生成するための処理および装置
【課題】ヘリングボーンギアの機械加工時間を減少させること。
【解決手段】制御データを生成する処理方法と装置に関し、ヘリングボーンギアの第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭12bが決定され、ヘリングボーンギアの第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭13bが決定され、第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭との間の遷移部分に相当する遷移部分輪郭14bが決定され、第1の歯面輪郭12bと、遷移部分輪郭14bと、第2の歯面輪郭13bと、を含む総合的歯面輪郭12b,13b,14bが決定され、総合的歯面輪郭12b,13b,14bに基いて、制御データが生成される。そして、各機械加工経路が示され、各機械加工経路それぞれが各歯面輪郭の輪郭方向に、そして第1の歯面輪郭12bと、遷移部分輪郭14bと、第2の歯面輪郭13bと、に沿って横に伸びるようにした処理方法。
【解決手段】制御データを生成する処理方法と装置に関し、ヘリングボーンギアの第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭12bが決定され、ヘリングボーンギアの第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭13bが決定され、第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭との間の遷移部分に相当する遷移部分輪郭14bが決定され、第1の歯面輪郭12bと、遷移部分輪郭14bと、第2の歯面輪郭13bと、を含む総合的歯面輪郭12b,13b,14bが決定され、総合的歯面輪郭12b,13b,14bに基いて、制御データが生成される。そして、各機械加工経路が示され、各機械加工経路それぞれが各歯面輪郭の輪郭方向に、そして第1の歯面輪郭12bと、遷移部分輪郭14bと、第2の歯面輪郭13bと、に沿って横に伸びるようにした処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘリングボーンギアを有する歯車の製造処理に関する。当該製造処理は、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械で、制御データに基いて前記加工物に対して相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させて、加工物をフライス加工することによる処理であり、歯の歯面の輪郭形状に基いて制御データを生成することを含む。前記制御データは、前記工作機械の前記フライスを機械加工経路に沿って誘導し、生成された前記制御データに基いて、前記工作機械でフライスを使用して加工物をフライス加工するための経路データを示し、前記フライスは、前記経路データによって示される前記機械加工経路に沿って連続的に誘導される。
【0002】
また、本発明は、上述の製造処理に従って加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データを生成するための処理および装置に関する。上述の製造処理は、少なくとも4軸数値制御工作機械で、前記制御データに基いて前記加工物に対して相対的な機械加工経路に沿って、工作機械のフライスを連続的に移動させて、加工物をフライス加工することによる処理である。
【0003】
また、本発明は、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械に関する。当該工作機械は、生成された前記制御データに基いて、機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させて、加工物をフライス加工するための工作機械であり、制御データを生成するための装置を備える。そして、本発明はまた、コンピュータで読み取り可能な媒体とそこに記録され、コマンドを含むコンピュータプログラムを備えるコンピュータプログラム製品にも関する。当該コンピュータプログラムは、制御データを生成するための装置を形成するように、データ処理装置のデータ処理手段によって処理される。
【背景技術】
【0004】
歯車、或いは、ギアを有する他の加工物を、ギアを成形する特殊な工作機械、すなわち専用の機械で生産することは、従来技術における一般的な方法である。例えば、特別なホブ盤が知られている。当該ホブ盤で、歯の歯面或いは歯を製造するように前記加工物が加工されるような成形ホブ或いは成形砥石車を誘導することによって、歯の形状が作成されるように加工物は加工される。ここで、ホブ或いは成形砥石車は加工物に成形され、製造される歯の歯面の要求される輪郭形状に従って、すでに断面形状を有している。前記の工具の形状に一致する形状の、1つ或いは2つの対向する歯の歯面が、歯切りホブ或いは成形砥石車を誘導することによって、加工物を通り抜ける経路に沿って形成される。
【0005】
もし、ヘリングボーンギアを有する歯車、特に、左側と右側の斜歯を有する歯車(やまば歯車とも呼ばれる)が、成形砥石車或いは成形ホブを用いるそのような専用の機械で加工される場合、最初の処理ステップで一方の斜歯の1つ或いは複数の歯の輪郭を加工することが最初に求められ、そしてその後、別の処理ステップで逆方向のねじれを有する他方の斜歯の1つ或いは複数の歯の輪郭を加工することができる。これは結果的に、ヘリングボーンギアを有する歯車の高価で時間のかかる製造処理に終わる。さらに、一方の斜歯の1つの歯が成形ホブ或いは成形砥石車を用いて、前記ヘリングボーンギアの中心に至るまで加工されるときに、この工具が他方の斜歯の1つの歯の歯面に切り込んだりすり減らしたりするので、前記ヘリングボーンギアの歯は成形ホブ或いは成形砥石車を用いる専用の機械での従来の処理では途切れることなく加工することはできない。そのため、前記ヘリングボーンギアの前記2つの斜歯を隔てる中心溝を有する加工物が、成形ホブ或いは成形砥石車を用いる、前記ヘリングボーンギアを有する歯車の製造に使用される。
【0006】
このことは、図1に例として図示され、当該図1は中心溝11を有する加工物10の斜視図を示し、当該中心溝11は回転対称な前記加工物の周りの円周にある。前記加工物10はまた既に、一方の斜歯の1つの歯溝12と他方の斜歯の1つの歯溝13とを有している。前記歯溝12の対向する歯の歯面12aと歯の歯面12bとは、前記中心溝11によって、前記歯溝13の対向する歯の歯面13aと歯の歯面13bとから隔てられている。これは、前記歯溝12が加工されるときに、成形ホブ或いは成形砥石車がそれぞれの別の歯溝の歯の歯面に切り込んだりすり減らしたりすることを防ぐ。図2は例として図1の歯溝12と13の細部を示す。図3は例として図1の歯溝12と13の平面図を示す。図3に示されるように、前記ヘリングボーンギアの前記2つの斜歯は対向するピッチと同等なねじれ角度を有する。前記中心溝11は溝幅NBである。完成した歯車は従って前記ヘリングボーンギアの前記2つの斜歯を有し、当該2つの斜歯はいずれの場合でも、溝幅NBの前記中心溝11によって、前記ヘリングボーンギアの先端で隔てられる。しかしながら、2つの歯車が回転するとき、材料は高い負荷と圧力にさらされる、殊に外面における歯の歯面12aと,12b,13aと,13bの外側においてと、特に歯の歯面12aと,12b,13aと,13bの前記中心溝11に面する各端部において。これは負荷下で前記歯車の歯の歯面と噛み合う歯の歯面を有する歯車と回転する間の前記歯車の負荷耐性を減少させる。
【0007】
しかしながら本発明は、例えばフライス盤、万能フライス盤或いは複合工作機械等の少なくとも4軸数値制御万能工作機で、ギアを有する加工物の、新たに開発された製造方法に関連し、当該製造方法において、前記ギアは、例えばエンドラディウス(end radius)を有する或いは有しないエンドミル等の一般的なフライスを、前記加工物に歯元の面を刻み込むように、詳細な工程で各機械加工経路に沿って、継続的に移動させることによって、前記加工物に形成される。上記の周知の従来型のギアを形成する専用の機械を使用する、ギアを有する加工物の製造とは対照的に、本発明の目的は、例えばフライス盤、万能フライス盤或いは複合工作機械等の万能工作機で加工物にギアを形成することである。
【0008】
そのような万能工作機でのギアを有する加工物の製造は、例えば、非特許文献1および特許文献1に記載されている。本発明はこの新たに開発された方法と、自身の出願(独国特許出願10 2009 008 124号参照)によって進展したそのさらなる進歩とに基く。
【0009】
上記の欠点について、成形ホブ或いは成形砥石車を用いた専用の機械でのヘリングボーンギアを有する歯車の製造を考慮すると、対をなす一方のヘリングボーンギアの歯が他方のヘリングボーンギアの歯から中心溝によって隔てられていない場合、しかし、前記加工物が歯を刻まれるように継続的に加工される場合に、ヘリングボーンギアを有する歯車の負荷耐性を大幅に改善しうることが見いだされている。このことは前記新たに開発された方法、すなわち、成形ホブ或いは成形砥石車を有する専用機械での処理と相反するような、例えば、フライス盤、万能フライス盤或いは複合工作機械等の万能工作機でのフライス、特にエンドミルを用いた歯元の面の製造によってもたらすことができることもまた見いだされている。図4は、前記新たに開発された方法に従った処理による万能工作機でのエンドミルを用いたヘリングボーンギアを有する加工物の製造の第1の試みによる、ヘリングボーンギアを有する歯車の写実的な実例を示す。図5は、図4の歯車の写実的な細部を示す。
【0010】
図4および5の前記歯車はもはや中心溝を有しない。ヘリングボーンギアの一対の斜歯の各歯は継続的に前記ヘリングボーンギアの歯幅全体にわたって成形され、前記ヘリングボーンギアの中心の先端において、歯のたけ全体にわたって互いにつなげられる。したがって、
前記ヘリングボーンギアの負荷耐性は、ヘリングボーンギアと中心溝を有する歯車に比べて大幅に改善される。しかしながら、両ヘリングボーンギアの歯溝12および13の歯の歯面12aと13a、或いは12bと13bは中心フライス加工くぼみ11’によって隔てられ、前記ヘリングボーンギアの前記中心の先端で相手歯車との噛み合う側面を有するうねり面はない。前記各歯の歯面はしたがって、中心領域で互いに、回転特性(rolling characteristics)を悪くするおそれのある鋭角で集中する或いは融合することが防がれる。
【0011】
非特許文献1の記事によって知られている処理によれば、前記歯の歯面12a,12b,13aおよび13bは別々に加工されていた。前記歯の歯面12a,12b,13a或いは13bはしたがって、異なる高さの輪郭で、側面輪郭方向に伸びる機械加工経路に沿って、エンドミルを継続的に移動させることによって、別々に加工されていた。それに応じて、図5は、歯の歯面12aと13a、或いは12bと13bの間の歯元の領域における側面輪郭方向のフライス加工の跡を示す。前記中心くぼみ11’はそれから、エンドミルを用いて、図5で前記くぼみ11’の領域の前記フライス加工の跡として見ることのできる、輪郭方向に伸びる機械加工経路に沿ってエンドミルを誘導することによって刻まれる。しかしながら、各歯の歯面は別々に加工され、次に工具サイズの小さい、したがって切削量の小さいフライスを使用したくぼみ11’の加工があるので、この処理はまた費用がかかり、長い加工時間を要求する。加えて、前記ヘリングボーンギアの前記中心の先端で転がり領域が利用できないので、前記歯の歯面12a,12b,13aおよび13bの、くぼみ11’と接する境界領域において高負荷が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際特許公開公報第2008/133517号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】「良質な歯へのシンプルな方法−一般的な機械で加工される高品質な歯車」ハンス―ペーター ショッシグ著(ミュンヘン、カール・ハンサー出版社、ISSN 0043−2792、ヴェルクシュタット+ベトリープ ジャーナル 2007年4月28日号28〜32頁にて発表)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ヘリングボーンギアを有する歯車の製造で知られる上述の従来技術の処理に関して、ヘリングボーンギアを有する歯車の機械加工および/または製造をさらに促進する、従って機械加工時間を減少させることが、本発明の目的である。ヘリングボーンギアを有する歯車の数値制御万能工作機械での機械加工および/または製造を、とても強固で、かつ、改善された稼働特性のヘリングボーンギアを有する歯車を製造するように改良することもまた本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の目的を達成するために、本発明は、請求項1の、ヘリングボーンギアを有する歯車の製造処理方法と、請求項17の、加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データ生成方法と、請求項18の、加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データ生成装置と、請求項19の、少なくとも4軸数値制御工作機械と、請求項20の、コンピュータプログラム製品と、を提案する。本発明の好適な実施例の特徴は従属請求項に記載される。
【0016】
本発明は、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械での、制御データに基いて加工物に対する相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させる、前記加工物のフライス加工による、ヘリングボーンギアを有する歯車の製造処理方法を提案する。前記製造方法は、前記加工物に対して相対的に前記フライスを誘導するための前記制御データを生成するステップと、生成された前記制御データに基いて、前記工作機械でフライスを使用して前記加工物をフライス加工するステップと、を備える。
【0017】
制御データを生成するステップは、第1の歯の歯面の輪郭形状を、特に既定のギア情報に基いて決定し、該前記第1の歯の歯面の輪郭形状はヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当するステップと、第2の歯の歯面の輪郭形状を、特に既定のギア情報に基いて決定し、該前記第1の歯の歯面の輪郭形状はヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当するステップと、前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定するステップと、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するステップと、前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するステップと、を備え、前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる。
【0018】
前記フライス加工は生成された前記制御データに基いて実行される。前記フライスは前記経路データに示される機械加工経路に沿って連続的に誘導される。
【0019】
本発明における前記処理方法は、したがって、フライスが常に各機械加工経路に沿って誘導されることができ、当該各機械加工経路は、前記第1の歯の歯面の前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分の前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯の歯面の前記第2の歯面輪郭に沿って、常に中断なしに伸びるので、ヘリングボーンギアの対をなす一方のギア部、特に前記ヘリングボーンギアの一方の斜歯の第1の歯面輪郭と、ヘリングボーンギアの他方のギア部、特に前記ヘリングボーンギアの他方の斜歯の第2の歯面輪郭と、前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移領域と、を1つの処理ステップで作成しうるという利点を提供する。したがって、機械加工を能率的に実行することができ、そして、機械加工時間を減少させることができる。
【0020】
さらに、それぞれが前記第1の歯の歯面の前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分の前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯の歯面の前記第2の歯面輪郭に沿って、常に中断なしに伸びる各前記機械加工経路の結果として、円滑でなだらかな遷移が、前記遷移部分中央と前記歯の歯面の境界領域との間の前記遷移部分において、前記歯の歯面の前記境界領域に負荷を受けて回る間の負荷を軽減できるように、そして、ギアの強度を増大させさえするように、形成される。加えて、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿った各前記機械加工経路の中断なしの直接誘導が、前記工作機械の各軸の継続的な動作がゆえに、より高い機械加工の正確さと、より良い表面仕上げでの機械加工を可能にする。
【0021】
さらに、前記ヘリングボーンギアの対をなす前記ギア部の前記歯溝の間の中間領域を、前記機械加工時間をさらに減少させるように、より大きな、ひいてはより大きな切削量の工具で切り出すことができる。全体として、歯車製造の前記機械加工ステップは高い切削量の大きな工具でとても能率的に実行される。
【0022】
前記遷移部分によって、ヘリングボーンギアの対をなす一方のギア部の各歯は、ヘリングボーンギアの他方のギア部の各歯とつながり、溝によって隔てられないので、ギアの負荷耐性と強度は中心溝のあるヘリングボーンギアを有する歯車に対して、大幅に増大する。
【0023】
前記遷移部分輪郭は好適には、前記第1の歯面輪郭の複数の各境界点において、前記第1の歯面輪郭が前記遷移部分輪郭に接線方向で融合し、前記第2の歯面輪郭の複数の各境界点において、前記遷移部分輪郭が前記第2の歯面輪郭に接線方向で融合するように製造される。したがって、接線方向の遷移は前記遷移領域中央と各前記歯の歯面の間で好適に形成される。そして、各機械加工経路の進路をより継続的に、かつ、効率的に決定し、さらに各前記歯の歯面における負荷の下での回転時に発生する負荷を減少させることさえ可能であり、このように、さらにより大きなギア強度が生じる。加えて、前記遷移部分への前記接線方向の遷移は前記フライスが各前記機械加工経路に沿って誘導される間、前記工作機械の各丸い軸(round axes)のなだらかで継続的な動作を可能にし、このように、より高い機械加工の正確さと、より素晴らしい表面仕上げとを達成する。さらに、ギアへの高負荷と同時に起こる材料の応力のピークを、前記遷移部分への前記接線方向の遷移によって、強く減少させることができる。
【0024】
前記第1の歯面輪郭の各前記境界点は好適には、前記第1の歯面輪郭と第1の切断面との間の前記歯車の軸に垂直な第1の切断経路上に決定され、前記第2の歯面輪郭の各前記境界点は好適には、前記第2の歯面輪郭と第2の切断面との間の前記歯車の軸に垂直な第2の切断経路上に決定される。このことは、前記遷移部分中央への遷移における各前記歯の歯面の境界領域のシンプルな決定を可能にする。
【0025】
好適には、前記制御データを生成するステップもまた、前記ヘリングボーンギアの中央領域を決定するステップを備え、当該中央領域は前記歯車の軸に垂直で、前記第1の切断面と前記第2の切断面は前記ヘリングボーンギアの前記中央領域から同等の距離をとり、前記中央領域は好適には前記第1と第2の切断面の間に配置される。このことは、前記遷移部分中央への遷移における各前記歯の歯面、当該歯の歯面は前記ヘリングボーンギアの対称性に対して対称である、各前記境界部のより簡略化された決定を可能にする。
【0026】
前記遷移部分輪郭は好適には、凹形状或いは凸形状を前記歯の歯面の輪郭方向に有する。したがって、前記ヘリングボーンギアの各前記歯の凸状の側面側と、該凸状の側面側の反対の前記ヘリングボーンギアの各前記歯の凹状の側面側との両方を、本発明の処理方法を用いて製造することができる。
【0027】
前記遷移部分輪郭は好適には、前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭との間の曲面、特に隅肉表面に相当する。それ故に、好適に継続的な輪郭は、前記ヘリングボーンギアの各前記ギア部の各前記歯の歯面の間の前記遷移部分用に作成され、円弧断片によって簡易な方法で前記遷移部分輪郭を成形する或いは示すことが可能である。
【0028】
前記遷移部分輪郭は好適には、前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭とをつなぐ複数の円弧断片によって決定される。このことは、前記ヘリングボーンギアの各前記ギア部の各前記歯の歯面の間の前記遷移部分における曲線的な遷移領域をもたらし、当該遷移領域は好適な方法(例えば、CADシステム)によって容易に成形できる。さらに、各前記歯の歯面の間の前記遷移部分の前記円弧断片の形状は、前記フライスが各前記機械加工経路に沿って誘導される間、より正確な機械加工とよりすばらしい表面仕上げを達成するように、前記工作機械の各前記丸い軸のなだらかで継続的な動作を可能にする。
【0029】
前記遷移部分輪郭の各前記円弧断片は好適には異なる高さの輪郭で伸びる。そして、各前記円弧断片が前記第1の歯面輪郭のそれぞれの第1の境界点を第2の歯面輪郭の第2の境界点につなげることが望ましく、それぞれの前記第1の境界点とそれぞれの前記第2の境界点は好適には、特に同等の高さの輪郭に決定される。ここで、対称な歯の歯面の場合、同等の高さの輪郭とは、特に前記歯元から同等の距離にあることを意味し、各前記境界点は、特に前記加工物の軸或いは前記歯車の軸から同等の距離をとる。
【0030】
各前記歯の歯面のそれぞれの前記境界点において、各前記円弧断片がそれぞれの歯面輪郭に接線方向で融合することが望ましい。このことは、前記遷移領域中央と各前記歯の歯面の間の好適な接線方向の遷移をもたらし、その結果、各前記機械加工経路の進路をより継続的にそして効率的に決定することさえでき、各前記歯の歯面の前記境界領域における負荷の下での回転時に発生する負荷を、よりすばらしいギア強度を生み出しさえするように、さらに減少させることができる。加えて、前記遷移部分への前記接線方向の遷移と、前記円弧断片の形状とは、前記フライスが各前記機械加工経路に沿って誘導される間、最適な機械加工の正確さと、最適な表面仕上げを達成するように、前記工作機械の各前記丸い軸の最適な円滑で継続的な動作を可能にする。さらに、ギアへの高負荷の下で材料にかかる応力のピークを、前記遷移部分への前記接線方向の遷移と、継続的な前記円弧断片の形状とによって、大幅に減少させることができる。
【0031】
前記遷移部分輪郭を作成するステップは好適には、前記第1の歯面輪郭の少なくとも1つの第1の境界点を決定するステップと、前記第2の歯面輪郭の少なくとも1つの第2の境界点を、前記第1の境界点と前記第2の境界点が各前記歯面輪郭の同等の高さの輪郭に決定されるように決定するステップと、前記第1の境界点における前記第1の歯面輪郭の第1の法線ベクトルを決定するステップと、前記第2の境界点における前記第2の歯面輪郭の第2の法線ベクトルを決定するステップと、第1の直線と第2の直線との交差点を、前記第1の直線が前記第1の法線ベクトルの方向によって既定され、前記第2の直線が前記第2の法線ベクトルの方向によって既定されているように決定するステップと、前記第1の境界点から前記第2の境界点への円弧断片を、前記第1の直線と前記第2の直線との前記交差点が前記円弧断片の中心となるように決定するステップと、を備え、前記遷移部分輪郭は、前記円弧断片を含むように作成される。
【0032】
具体的には、前記遷移部分輪郭を作成するステップは、前記第1の歯面輪郭の第1の境界点群を、前記第1の境界点群の境界点それぞれが前記第1の歯面輪郭の異なる高さの輪郭に決定されるように決定するステップと、前記第2の歯面輪郭の第2の境界点群を、前記第2の境界点群のそれぞれの境界点が前記第2の境界点群のそれぞれの境界点と同等の高さの輪郭に決定されるように決定するステップと、前記第1の境界点における前記第1の歯面輪郭の第1の法線ベクトル群を、いずれの場合にも前記第1法線ベクトル群の法線ベクトルが前記第1の境界点群の境界点において決定されるように決定するステップと、前記第2の境界点における前記第2の歯面輪郭の第2の法線ベクトル群を、いずれの場合にも前記第2法線ベクトル群の1つの法線ベクトルが前記第2の境界点群の境界点において決定されるように決定するステップと、それぞれの交差点が第1の直線群の直線と第2の直線群の直線との交差点である交差点群を、前記第1の直線群のそれぞれの直線が前記第1法線ベクトル群の法線ベクトルの方向によって既定され、前記第2の直線群のそれぞれの直線が前記第2法線ベクトル群の法線ベクトルの方向によって既定されているように決定するステップと、それぞれの円弧断片が、前記第1の境界点群の境界点を、同等の高さの輪郭に配置される前記第2の境界点群の境界点とつなげる円弧断片群を、前記第1の直線と前記第2の直線の交差点が前記円弧断片の中心となり、前記遷移部分輪郭が前記円弧断片群を含むように作成されるように決定するステップと、を備える。
【0033】
上記の好適な処理の結果として、1から数個の円弧断片は前記ヘリングボーンギアの対をなす前記ギア部の各前記歯の歯面の間の前記遷移部分輪郭を成形するとりわけ簡易な方法で規定されることができ、各当該円弧断片は、各前記円弧断片が各前記歯面輪郭の各前記境界点における各前記面法線の、同等の高さの輪郭に配置される各前記交差点に基いてデザインされるので、各前記歯の歯面の間のそれぞれの境界点において各前記歯の歯面領域に接線方向に融合する。前記歯の歯面の輪郭形状、例えばインボリュートによって、それぞれ異なる円弧半径(フィレット半径)を有する各前記円弧断片が必要に応じて異なる高さの輪郭に配置される。
【0034】
前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭が同等の高さの輪郭形状と、同等なねじれ角度とを有するとき、前記第1と第2の歯面輪郭の組になる境界点の属する同等の高さの輪郭形状は、各前記境界点を通る各面法線がそれぞれ2つ1組で共通する交差点で交差することを確保する。しかしながら、前記第1と第2の歯面輪郭の輪郭形状が異なる場合、および/または、前記第1の歯の歯面のねじれ角度が前記第2の歯の歯面のねじれ角度と異なる場合、前記第1と第2の歯面輪郭の組になる前記境界点はそれぞれ異なる高さの輪郭形状に決定され、交差点が前記第1と第2の歯面輪郭の組になる前記境界点の属する同等の高さの輪郭形状は、各前記境界点を通る、組になる前記面法線の間に重ねて形成されることがあり得る。
各前記歯面輪郭の正確な輪郭形状、および、前記ヘリングボーンギアの先端に関係する各前記境界点の正確な位置にかかわりなく、それぞれの、中心が前記第1と第2の歯の歯面の組になる前記境界点を通る2つの面法線の間の交差点として決定される円弧断片は、前記第1と第2の歯の歯面のそれぞれの接線方向の遷移を有する円弧断片を規定する。
【0035】
前記第1のギア部は好適には前記ヘリングボーンギアの第1の斜歯であり、そして、前記第2のギア部は好適には前記ヘリングボーンギアの第2の斜歯である。前記第1の斜歯は好適には右側或いは左側で、前記第2の斜歯は好適には前記第1の斜歯のピッチと対向するピッチ、特に好適にはねじれ角度の同等な対向するピッチを有する。しかしながら、本発明は、側面の輪郭方向において真っすぐな進路をとる2つの斜歯を有するヘリングボーンギアに限定されるものではない。それどころか、本発明は各ギア部が、側面の輪郭方向における真っすぐな進路と異なり、そして、例えば、前記側面輪郭方向において、円弧、インボリュート、或いは別の湾曲した曲線に沿って伸びる進路を有するヘリングボーンギアでも利用し得る。
【0036】
前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭は好適には同等な歯の歯面の輪郭形状、特に好適には同一のインボリュート歯形形状を有する。
結果的に、ヘリングボーンギアを有する歯車の軸に対して垂直なヘリングボーンギアの中心領域からの前記第1の歯の歯面および前記第2の歯の歯面の各前記境界点の同等な距離において、かつ、前記第1と第2の歯の歯面の組になる前記境界点の同等な高さの輪郭において、組になる前記境界点を通る、組になる前記面法線が共通の交差点を有することを確保することができる。
【0037】
前記総合的歯面輪郭は好適には、前記歯の歯面の縁に沿った方向に凹形状を有する第1の総合的歯面輪郭であり、そして、前記制御データを生成するステップは好適には、
前記ヘリングボーンギアの前記第1のギア部の、前記第1の歯面輪郭の反対側の、第3の歯の歯面の輪郭形状に相当する第3の歯面輪郭を決定するステップと、前記ヘリングボーンギアの前記第2のギア部の、前記第2の歯面輪郭の反対側の、第4の歯の歯面の輪郭形状に相当する第4の歯面輪郭を決定するステップと、前記第3の歯の歯面と前記第4の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当し、前記歯の歯面の縁に沿った方向に凸形状を有する第2の遷移部分輪郭を決定するステップと、前記第3の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第4の歯面輪郭とを含む第2の総合的歯面輪郭を決定するステップと、を備え、前記制御データは常に前記第2の総合的歯面輪郭に基いて生成され、前記工作機械の前記フライスを誘導するためのさらなる経路データを示し、さらなる機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、前記第3の歯面輪郭と、前記第2の遷移部分輪郭と、前記第4の歯面輪郭に沿って横に伸びる。したがって、前記ヘリングボーンギアの凸形状側面側と、前記ヘリングボーンギアの、前記凸形状側面側の逆側の凹形状側面側とを、本発明における前記処理を用いて好適に機械加工することができる。
【0038】
前記第1の遷移部分輪郭は好適には、前記第1の歯面輪郭の複数の境界点において前記第1の歯面輪郭が前記第1の遷移部分輪郭に実質的に接線方向に融合し、前記第2の歯面輪郭の複数の境界点において前記第1の遷移部分輪郭が前記第2の歯面輪郭に実質的に接線方向に融合するように作成され、前記第2の遷移部分輪郭は好適には、前記第3の歯面輪郭の複数の境界点において前記第3の歯面輪郭が前記第2の遷移部分輪郭に実質的に接線方向に融合し、前記第4の歯面輪郭の複数の境界点において前記第2の遷移部分輪郭が前記第4の歯面輪郭に実質的に接線方向に融合するように作成される。
【0039】
前記第1の歯面輪郭の各前記境界点は、好適には前記第1の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第1の切断面との間の第1の切断経路上に決定され、前記第2の歯面輪郭の各前記境界点は、好適には前記第2の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第2の切断面との間の第2の切断経路上に決定される。
【0040】
加えて、前記第3の歯面輪郭の各前記境界点は、好適には前記第3の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第3の切断面との間の第3の切断経路上に決定され、前記第4の歯面輪郭の各前記境界点は、好適には前記第4の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第4の切断面との間の第4の切断経路上に決定される。
【0041】
前記第1の切断面と前記第2の切断面との間の距離は、好適には前記第3の切断面と前記第4の切断面との間よりも小さい。このことは前記ヘリングボーンギアの前記凸形状の遷移部分輪郭よりも半径の小さい各円弧断片からの、前記凹形状の遷移部分輪郭の形成を可能にする。このことは、前記ヘリングボーンギアの中心或いは先端に向かうなだらかな接線の遷移において、遊びが各前記歯の歯面の境界領域から増加する、ギアの総合的輪郭をもたらす。したがって、第1の切断面と第2の切断面との間、および、第3の切断面と第4の切断面との間の距離を適切に選択することによって、前記凸形状側面側が前記凹形状側面側と一体にうねってはいない前記ヘリングボーンギアの各歯の中央領域のサイズを調整することができる。各前記歯の歯面のうねり領域もまた、第1の切断面と第2の切断面との間、および、第3の切断面と第4の切断面との間の距離の適切な調整によって、前記ヘリングボーンギアの中央、或いは少なくとも実質的に中央へ支えるうねり面を作成し得るように、最適化することができる。結果的に、回転中に負荷をより均一に分散させることができるので、前記ヘリングボーンギアの稼働特性をさらに最適化すること、および、前記ヘリングボーンギアの負荷耐性を増加させることも可能となる。
【0042】
凸形状の遷移部分輪郭への前記遷移領域における歯の歯面の各前記境界点と、凹形状の遷移部分輪郭への前記遷移領域における逆側の歯の歯面の各前記境界点とが好適に選択されることで、前記凸形状の遷移部分輪郭への前記遷移領域における歯の歯面の各前記境界点と、前記凹形状の遷移部分輪郭への前記遷移領域における逆側の歯の歯面の各前記境界点とが、各前記境界点がペアで、特に前記加工物或いは歯車の中心軸に垂直な平面に位置し、その中心が前記中心軸に位置する円弧上に配置されるように、前記加工物或いは歯車の中心軸から同等の距離のペアワイズ(pair-wise)を有する。
【0043】
本発明のさらなる態様は、上述の製造工程、特に、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械で、制御データに基いて前記加工物に対して相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させて、加工物をフライス加工することによる、1〜数個の好適な実施例における、加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データを生成するための処理を提案する。本発明によれば、前記制御データの生成は、前記ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭を決定するステップと、前記ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭を決定するステップと、前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定するステップと、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するステップと、前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するステップと、を備え、前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる。
【0044】
本発明のさらなる態様は、上述のいくつかの製造工程、特に、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械で、制御データに基いて前記加工物に対して相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させて、加工物をフライス加工することによる、1〜複数の好適な実施例における、加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データを生成するための装置を提案する。本発明によれば、前記装置は、前記ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭を決定し、前記ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭を決定し、前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定し、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するための輪郭形状形成手段と、前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するための制御データ生成手段と、を備え、前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる。
【0045】
したがって、前記制御データは、上述の製造工程においてと同様に、制御データを生成するための処理において、および、制御データを生成するための装置において生成され、特に上述の利点を伴う。前記制御データは好適には、特に前記製造工程に関連して上述された1〜数個の好適な態様に従って生成される。
【0046】
本発明のさらなる態様は、少なくとも4つの軸を備え、数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械であって、生成される制御データに基いて機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させ、本発明の上述の態様に従う制御データ生成装置を備える数値制御工作機械を提案する。
【0047】
本発明のさらなる態様は、コンピュータで読み取り可能な媒体と、該媒体に記録されるコンピュータプログラムを備えるコンピュータプログラム製品であって、本発明の上述の態様に従って制御データ生成装置を形成するように、前記コンピュータプログラムは、データ処理装置のデータ処理手段による処理に適応した各命令(commands)に相当する一連の各ステートとして記録されるコンピュータプログラム製品を提案する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】中心溝とヘリングボーンギアの二つの歯溝を有する加工物の斜視図を示す。
【図2】図1の加工物の細部を示す。
【図3】図1のヘリングボーンギアの両歯溝の平面図を示す。
【図4】中心溝のないヘリングボーンギアを有する歯車の斜視図を示す。
【図5】図4の中心溝のないヘリングボーンギアを有する歯車の写実的な細部を示す。
【図6】本発明の実施例における、第1と第2の歯の歯面を有する歯車の歯溝の幾何学モデルの総合的な輪郭形状の平面図を示す。
【図7】図6の歯溝の幾何モデルの詳細斜視図を示す。
【図8】図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの斜視図を示す。
【図9】図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの詳細斜視図を示す。
【図10】図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの斜視図を示す。
【図11】図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの詳細斜視図を示す。
【図12】本発明の実施例における、制御データを生成するための装置の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0049】
本発明の好適な実施例を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に記述する。しかしながら、記載される各実施例は本発明を制限するものではない。本発明は特許請求の範囲により規定される。各実施例の同一のおよび/または類似する特徴は、図面中において、同一の引用符号によって示される。
【0050】
要求されるギア情報データがあらかじめ決定されているか、或いは決定される限りにおいて、ギアを有する加工物、ギアと歯の歯面の幾何モデルを、それぞれに、例えばCADシステムを用いて作成することは、従来技術において基本的に周知である。このために、特に以下のデータは歯の歯面の数学モデル或いは数値モデルを作成可能であることを求められるかもしれない。
・加工物全体の加工前および/または加工後の寸法と外形を示すデータ。(例えば、未加工部形状および/または加工完了部形状、および、未加工部形状および/または加工完了部形状のモデルをそれぞれに作成するためのデータ。)
・ギアのデザインの種類を示すデータ、すなわち、特に、例えば
・ギアの種類を示すデータ、特に、圧力角およびねじれ角度を有するヘリングボーンギアを示すデータ。
・歯の歯面の輪郭形状を示すデータ、特に、例えば、
・ギアの歯の輪郭形状の寸法および/または外形を示すデータ、特に、例えば、歯の深さ、歯の厚さ、歯の幅および/または同様のパラメータ。
・複数の歯および/またはギアの一般的な歯の大きさを表す規格値(module)を示すデータ。
【0051】
上述のデータによって、ギアを有する加工物の、歯の歯面の正確な数学的輪郭形状に対応する歯の歯面を含む、数学的に正確なモデルを作成することが簡単に可能である。当該モデルは、当該輪郭形状は特に輪郭的に既定の歯の歯面の輪郭形状、例えば、インボリュート歯形形状を精密に有する。
【0052】
上記のような作成されたモデル、例えばCADシステムを用いて作成されたモデルに基いて、当該モデルに基いた経路データを生成することもまた可能である。例えば数値制御プログラムを作成するために、例えばCAM或いはCAD/CAMシステムを用い、当該経路データは制御データに含まれ、当該制御データを用いて、工具、例えばエンドミルや別の工具等が、少なくとも4軸数値制御工作機械、例えばフライス盤、万能工作機或いは複合工作機械において、連続的なおよび/または詳細なやり方の機械加工経路に沿って、フライスを連続的にかつ詳細に動かすことによって、加工物に歯の歯面を刻み込むように誘導され得る。これに関連して、特に独国特許出願公開第102009008124号の教示について言及する。当該文献は、既定の歯の歯面の輪郭形状に基く、上記のような機械加工経路の好適な作成方法について記述している。
【0053】
図6は、本発明の実施例における、第1と第2の歯の歯面を有する歯車の歯溝の幾何学モデルの全体の輪郭形状の平面図を示す。図7は、図6の歯溝の幾何モデルの詳細斜視図を示す。
【0054】
図6の歯溝の幾何モデルは、左側と右側の斜歯を有するヘリングボーンギアの歯溝の幾何モデルであり、第1の斜歯の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭12aと、第2の斜歯の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭13aとを含み、当該第1の歯面輪郭12aと当該第2の歯面輪郭13aは、凹形状である遷移部分輪郭14aでつながる。前記第1の歯面輪郭12aと、前記遷移部分輪郭14aと、前記第2の歯面輪郭13aとは、総合的な歯の歯面の輪郭形状を形成し、当該総合的な歯の歯面の輪郭形状に基いて制御データが生成される。例えば、独国特許出願公開第102009008124号の教示によれば、前記制御データは経路データを示し、当該経路データは、前記各歯面輪郭12aおよび13aの輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭12aと、前記遷移部分輪郭14aと、前記第2の歯面輪郭13aとに沿って、横に広がる。前記ヘリングボーンギアの前記2つの斜歯は、本実施例においては同一のねじれ角度を有する。
【0055】
前記歯溝の幾何モデルは、第3の歯面輪郭12bと第4の歯面輪郭13bとを備え、それらは凸形状である遷移部分輪郭14bによってつなげられる。前記歯面輪郭12aと12bが互いに向き合い、前記歯面輪郭13aと13bが互いに向き合う。前記第3の歯面輪郭12bと、前記遷移部分輪郭14bと、前記第4の歯面輪郭13bとは、さらなる総合的な歯の歯面の輪郭形状を形成し、当該総合的な歯の歯面の輪郭形状に基いて制御データが同様に生成される。例えば、独国特許出願公開第102009008124号の教示によれば、前記制御データは経路データを示し、当該経路データは、前記各歯面輪郭12bおよび13bの輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第3の歯面輪郭12bと、前記遷移部分輪郭14bと、前記第4の歯面輪郭13bとに沿って、横に広がる。従って、前記生成された制御データに基く加工のやり方で、加工物に歯溝を刻み込むことが全面的に可能である。
【0056】
この実施例によれば、前記遷移部分輪郭14aおよび14bは、それぞれの前記歯面輪郭12aと13a、或いは、12bと13bをつなぐそれぞれの隅肉の表面を形成し、いずれの場合にも、複数の円弧断片からデザインされ、当該複数の円弧断片はいずれの場合にも、各前記歯面輪郭の境界点において、接線方向で各前記歯面輪郭に融合する。以下に、遷移部分輪郭を規定する円弧断片のデザイン方法の一つも実施例を、例として図8〜11に準拠して前記遷移部分輪郭14bについて記述する。図8は図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの斜視図を示す。図9は図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの詳細斜視図を示す。図10は図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの斜視図を示す。図11は図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの詳細斜視図を示す。
【0057】
境界点は各前記歯面輪郭12aおよび13bの境界領域に決定される。ここで、境界点1a,1b,1c,1dおよび1eは、異なる高さの輪郭において前記歯面輪郭12bの境界に決定され、前記各境界点は歯車の中心軸に垂直な切断表面を有する前記歯面輪郭12bの切断経路に位置する。さらに、異なる高さの輪郭において歯面輪郭13bの境界に位置する境界点2a,2b,2c,2dおよび2eが決定され、各当該境界点は全て歯車の中心軸に垂直な切断表面を有する歯面輪郭13bの切断経路に位置する。上記の二つの切断表面はここで前記ヘリングボーンギアの中心から同等の距離をとり、当該ヘリングボーンギアは該ヘリングボーンギアの対称軸によって既定されている(これに関連して、図6の平面図も参照)。図6は前記凸状遷移部分輪郭14bおよび/または各前記歯面輪郭12bおよび13bの境界点は、前記凹状遷移部分輪郭14aおよび/または各前記歯面輪郭12aおよび13aの境界点よりも、前記ヘリングボーンギアの中心から大きく離れること、ひいては、この実施例における各曲がりの半径は、凹状遷移部分輪郭14aよりも凸状遷移部分輪郭14bの方がより大きいこともまた示す。
【0058】
前記歯面輪郭12bの各境界点1a〜1eは全て、前記歯面輪郭13bの各境界点2a〜2eとペアとして、前記歯面輪郭12bおよび13bの同等の高さの輪郭に位置付けられる。(すなわち、境界点1aは境界点2aと同等の高さの輪郭に位置付けられ、境界点1bは境界点2bと同等の高さの輪郭に位置付けられる等)、各前記歯面輪郭12bと13bもまた、いずれの場合にも同等の高さの輪郭となる。
【0059】
次なるステップにおいて、各境界点1a〜1eおよび2a〜2eにおける前記歯面輪郭12bおよび13bに対する各法線ベクトルは、面法線(直線)3a〜3eおよび面法線(直線)4a〜4eを規定することができるように決定される。前記面法線3aは前記歯面輪郭12bに垂直に境界点1aを通って伸び、前記面法線3bは前記歯面輪郭12bに垂直に境界点1bを通って伸び、前記面法線3cは前記歯面輪郭12bに垂直に境界点1cを通って伸び、前記面法線3dは前記歯面輪郭12bに垂直に境界点1dを通って伸び、前記面法線3eは前記歯面輪郭12bに垂直に境界点1eを通って伸びる。同様に、前記面法線4aは前記歯面輪郭13bに垂直に境界点2aを通って伸び、前記面法線4bは前記歯面輪郭13bに垂直に境界点2bを通って伸び、前記面法線4cは前記歯面輪郭13bに垂直に境界点2cを通って伸び、前記面法線4dは前記歯面輪郭13bに垂直に境界点2dを通って伸び、前記面法線4eは前記歯面輪郭13bに垂直に境界点2eを通って伸びる。
【0060】
この実施例において、前記歯面輪郭12bおよび13bの輪郭形状が等しく、各前記境界点は同等の高さの輪郭におけるペアとして配置され、そして、前記歯面輪郭12bと13bの各ねじれ角度は同等なので、前記面法線3a〜3eおよび4a〜4eは、交差点5a〜5eにおいて互いに対で交差する(特に図11参照)。これらの各交差点5a〜5eは各円弧断片6a〜6eの中心として決定され、前記円弧断片6aは交差点5aを中心とし境界点1aと2aをつなぎ、前記円弧断片6bは交差点5bを中心とし境界点1bと2bをつなぎ、前記円弧断片6cは交差点5cを中心とし境界点1cと2cをつなぎ、前記円弧断片6dは交差点5dを中心とし境界点1dと2dをつなぎ、前記円弧断片6eは交差点5eを中心とし境界点1eと2eをつなぐ(特に図11参照)。各前記境界点1a〜1eおよび2a〜2eにおける各前記面法線3a〜3eおよび4a〜4eを用いたデザインの結果として、各前記円弧断片6a〜6eは接線方向で、前記歯面輪郭12bの各前記境界点1a〜1eと、前記歯面輪郭13bの各前記境界点2a〜2eとに融合する。
【0061】
前記遷移部分輪郭14bを、各前記円弧断片6a〜6eを用いて規定することが今や可能であり、前記遷移部分輪郭14bは異なる高さの輪郭で伸びる各前記円弧断片6a〜6eを含む。
【0062】
従って、加工物に対して相対的にフライスを誘導するための制御データは以下の各ステップを実行することによって生成される。ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する歯面輪郭12bを決定するステップ。ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する歯面輪郭13bを決定するステップ。両前記歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭14bを決定するステップ。前記歯面輪郭12bと、前記遷移部分輪郭14bと、前記歯面輪郭13bとを含む総合的な歯の歯面の輪郭形状を決定するステップ。その結果、前記制御データは総合的な歯の歯面の輪郭形状に基いて生成されることが可能になり、前記制御データは前記工作機械の前記フライスを機械加工経路に沿って制御するための経路データを示し、前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記歯面輪郭12bと、前記遷移部分輪郭14bと、前記歯面輪郭13bとに沿って、横に伸びる。
【0063】
図12は略図として、本発明の1つの実施例における制御データを生成するための装置200を示す。装置200は、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械で当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させて、加工物をフライス加工することによってヘリングボーンギアを有する加工物を供給する制御データを生成するために使用される。
【0064】
装置200は、例えばキーボードおよび/またはマウスを用いて、ギア情報データを入力するためのギア情報データ入力手段210を備える。前記装置200は数値的に生成される、加工物の輪郭形状と、ギアの輪郭形状と、一部の歯の歯面の輪郭形状と、一部の遷移部分の輪郭形状と、一部の全体的な歯の歯面の輪郭形状と、を表示するための表示手段220もまた備える。
【0065】
装置200は加えて、(特に入力されたギア情報データに基く)第1の歯面輪郭を決定し、(特に入力されたギア情報データに基く)第2の歯面輪郭を決定し、前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭の間の遷移部分輪郭を決定し、前記第1の歯面輪郭と前記遷移部分輪郭と前記第2の歯面輪郭とを含む総合的な歯面輪郭を決定するための輪郭形状形成手段230を備え、前記第1の歯面輪郭はヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当し、前記第2の歯面輪郭はヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する。前記輪郭形状形成手段230は特に、各前記歯面輪郭の各境界点を決定する、各前記境界点における法線ベクトルおよび/または各前記歯面輪郭各前記境界点における各面法線を決定する、各前記面法線の各交差点を決定する、および/または、遷移部分輪郭を決定する或いは示す円弧断片を決定することに向いている。
【0066】
装置200は、総合的な歯面輪郭に基く制御データを生成するための制御データ生成手段240もまた備え、前記制御データは前記工作機械の前記フライスを機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭12bと、前記遷移部分輪郭14bと、前記第2の歯面輪郭13bとに沿って、横に広がる。
【0067】
装置200は、前記制御データを工作機械に伝達するのに役立つデータ記憶媒体への、生成された前記制御データの記録、および/または、前記制御データを工作機械に伝達するための当該工作機械との接続(無線或いは有線接続)に役立つインターフェイス250もまた備える。
【0068】
要約すれば、本発明はヘリングボーンギアを有する歯車の加工および/または製造をさらに容易にし、したがって加工時間を減少させる。本発明はより強固でそしてより良い稼働特性のヘリングボーンギアを有する歯車を製造するように、加工の改良および/または数値制御万能工作機でのヘリングボーンギアを有する歯車の製造にも役立つ。
【符号の説明】
【0069】
1a,1b,1c,1d,1e 境界点(第1の境界点)
2a,2b,2c,2d,2e 境界点(第2の境界点)
3a,3b,3c,3d,3e 面法線
4a,4b,4c,4d,4e 面法線
5a,5b,5c,5d,5e 交差点
6a,6b,6c,6d,6e 円弧断片
12a 第1の歯面輪郭
12b 第1の歯面輪郭(第3の歯面輪郭)
13a 第2の歯面輪郭
13b 第2の歯面輪郭(第4の歯面輪郭)
14a 遷移部分輪郭(第1の遷移部分輪郭)
14b 遷移部分輪郭(第2の遷移部分輪郭)
200 装置(制御データ生成装置)
230 輪郭形状形成手段
240 制御データ生成手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘリングボーンギアを有する歯車の製造処理に関する。当該製造処理は、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械で、制御データに基いて前記加工物に対して相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させて、加工物をフライス加工することによる処理であり、歯の歯面の輪郭形状に基いて制御データを生成することを含む。前記制御データは、前記工作機械の前記フライスを機械加工経路に沿って誘導し、生成された前記制御データに基いて、前記工作機械でフライスを使用して加工物をフライス加工するための経路データを示し、前記フライスは、前記経路データによって示される前記機械加工経路に沿って連続的に誘導される。
【0002】
また、本発明は、上述の製造処理に従って加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データを生成するための処理および装置に関する。上述の製造処理は、少なくとも4軸数値制御工作機械で、前記制御データに基いて前記加工物に対して相対的な機械加工経路に沿って、工作機械のフライスを連続的に移動させて、加工物をフライス加工することによる処理である。
【0003】
また、本発明は、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械に関する。当該工作機械は、生成された前記制御データに基いて、機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させて、加工物をフライス加工するための工作機械であり、制御データを生成するための装置を備える。そして、本発明はまた、コンピュータで読み取り可能な媒体とそこに記録され、コマンドを含むコンピュータプログラムを備えるコンピュータプログラム製品にも関する。当該コンピュータプログラムは、制御データを生成するための装置を形成するように、データ処理装置のデータ処理手段によって処理される。
【背景技術】
【0004】
歯車、或いは、ギアを有する他の加工物を、ギアを成形する特殊な工作機械、すなわち専用の機械で生産することは、従来技術における一般的な方法である。例えば、特別なホブ盤が知られている。当該ホブ盤で、歯の歯面或いは歯を製造するように前記加工物が加工されるような成形ホブ或いは成形砥石車を誘導することによって、歯の形状が作成されるように加工物は加工される。ここで、ホブ或いは成形砥石車は加工物に成形され、製造される歯の歯面の要求される輪郭形状に従って、すでに断面形状を有している。前記の工具の形状に一致する形状の、1つ或いは2つの対向する歯の歯面が、歯切りホブ或いは成形砥石車を誘導することによって、加工物を通り抜ける経路に沿って形成される。
【0005】
もし、ヘリングボーンギアを有する歯車、特に、左側と右側の斜歯を有する歯車(やまば歯車とも呼ばれる)が、成形砥石車或いは成形ホブを用いるそのような専用の機械で加工される場合、最初の処理ステップで一方の斜歯の1つ或いは複数の歯の輪郭を加工することが最初に求められ、そしてその後、別の処理ステップで逆方向のねじれを有する他方の斜歯の1つ或いは複数の歯の輪郭を加工することができる。これは結果的に、ヘリングボーンギアを有する歯車の高価で時間のかかる製造処理に終わる。さらに、一方の斜歯の1つの歯が成形ホブ或いは成形砥石車を用いて、前記ヘリングボーンギアの中心に至るまで加工されるときに、この工具が他方の斜歯の1つの歯の歯面に切り込んだりすり減らしたりするので、前記ヘリングボーンギアの歯は成形ホブ或いは成形砥石車を用いる専用の機械での従来の処理では途切れることなく加工することはできない。そのため、前記ヘリングボーンギアの前記2つの斜歯を隔てる中心溝を有する加工物が、成形ホブ或いは成形砥石車を用いる、前記ヘリングボーンギアを有する歯車の製造に使用される。
【0006】
このことは、図1に例として図示され、当該図1は中心溝11を有する加工物10の斜視図を示し、当該中心溝11は回転対称な前記加工物の周りの円周にある。前記加工物10はまた既に、一方の斜歯の1つの歯溝12と他方の斜歯の1つの歯溝13とを有している。前記歯溝12の対向する歯の歯面12aと歯の歯面12bとは、前記中心溝11によって、前記歯溝13の対向する歯の歯面13aと歯の歯面13bとから隔てられている。これは、前記歯溝12が加工されるときに、成形ホブ或いは成形砥石車がそれぞれの別の歯溝の歯の歯面に切り込んだりすり減らしたりすることを防ぐ。図2は例として図1の歯溝12と13の細部を示す。図3は例として図1の歯溝12と13の平面図を示す。図3に示されるように、前記ヘリングボーンギアの前記2つの斜歯は対向するピッチと同等なねじれ角度を有する。前記中心溝11は溝幅NBである。完成した歯車は従って前記ヘリングボーンギアの前記2つの斜歯を有し、当該2つの斜歯はいずれの場合でも、溝幅NBの前記中心溝11によって、前記ヘリングボーンギアの先端で隔てられる。しかしながら、2つの歯車が回転するとき、材料は高い負荷と圧力にさらされる、殊に外面における歯の歯面12aと,12b,13aと,13bの外側においてと、特に歯の歯面12aと,12b,13aと,13bの前記中心溝11に面する各端部において。これは負荷下で前記歯車の歯の歯面と噛み合う歯の歯面を有する歯車と回転する間の前記歯車の負荷耐性を減少させる。
【0007】
しかしながら本発明は、例えばフライス盤、万能フライス盤或いは複合工作機械等の少なくとも4軸数値制御万能工作機で、ギアを有する加工物の、新たに開発された製造方法に関連し、当該製造方法において、前記ギアは、例えばエンドラディウス(end radius)を有する或いは有しないエンドミル等の一般的なフライスを、前記加工物に歯元の面を刻み込むように、詳細な工程で各機械加工経路に沿って、継続的に移動させることによって、前記加工物に形成される。上記の周知の従来型のギアを形成する専用の機械を使用する、ギアを有する加工物の製造とは対照的に、本発明の目的は、例えばフライス盤、万能フライス盤或いは複合工作機械等の万能工作機で加工物にギアを形成することである。
【0008】
そのような万能工作機でのギアを有する加工物の製造は、例えば、非特許文献1および特許文献1に記載されている。本発明はこの新たに開発された方法と、自身の出願(独国特許出願10 2009 008 124号参照)によって進展したそのさらなる進歩とに基く。
【0009】
上記の欠点について、成形ホブ或いは成形砥石車を用いた専用の機械でのヘリングボーンギアを有する歯車の製造を考慮すると、対をなす一方のヘリングボーンギアの歯が他方のヘリングボーンギアの歯から中心溝によって隔てられていない場合、しかし、前記加工物が歯を刻まれるように継続的に加工される場合に、ヘリングボーンギアを有する歯車の負荷耐性を大幅に改善しうることが見いだされている。このことは前記新たに開発された方法、すなわち、成形ホブ或いは成形砥石車を有する専用機械での処理と相反するような、例えば、フライス盤、万能フライス盤或いは複合工作機械等の万能工作機でのフライス、特にエンドミルを用いた歯元の面の製造によってもたらすことができることもまた見いだされている。図4は、前記新たに開発された方法に従った処理による万能工作機でのエンドミルを用いたヘリングボーンギアを有する加工物の製造の第1の試みによる、ヘリングボーンギアを有する歯車の写実的な実例を示す。図5は、図4の歯車の写実的な細部を示す。
【0010】
図4および5の前記歯車はもはや中心溝を有しない。ヘリングボーンギアの一対の斜歯の各歯は継続的に前記ヘリングボーンギアの歯幅全体にわたって成形され、前記ヘリングボーンギアの中心の先端において、歯のたけ全体にわたって互いにつなげられる。したがって、
前記ヘリングボーンギアの負荷耐性は、ヘリングボーンギアと中心溝を有する歯車に比べて大幅に改善される。しかしながら、両ヘリングボーンギアの歯溝12および13の歯の歯面12aと13a、或いは12bと13bは中心フライス加工くぼみ11’によって隔てられ、前記ヘリングボーンギアの前記中心の先端で相手歯車との噛み合う側面を有するうねり面はない。前記各歯の歯面はしたがって、中心領域で互いに、回転特性(rolling characteristics)を悪くするおそれのある鋭角で集中する或いは融合することが防がれる。
【0011】
非特許文献1の記事によって知られている処理によれば、前記歯の歯面12a,12b,13aおよび13bは別々に加工されていた。前記歯の歯面12a,12b,13a或いは13bはしたがって、異なる高さの輪郭で、側面輪郭方向に伸びる機械加工経路に沿って、エンドミルを継続的に移動させることによって、別々に加工されていた。それに応じて、図5は、歯の歯面12aと13a、或いは12bと13bの間の歯元の領域における側面輪郭方向のフライス加工の跡を示す。前記中心くぼみ11’はそれから、エンドミルを用いて、図5で前記くぼみ11’の領域の前記フライス加工の跡として見ることのできる、輪郭方向に伸びる機械加工経路に沿ってエンドミルを誘導することによって刻まれる。しかしながら、各歯の歯面は別々に加工され、次に工具サイズの小さい、したがって切削量の小さいフライスを使用したくぼみ11’の加工があるので、この処理はまた費用がかかり、長い加工時間を要求する。加えて、前記ヘリングボーンギアの前記中心の先端で転がり領域が利用できないので、前記歯の歯面12a,12b,13aおよび13bの、くぼみ11’と接する境界領域において高負荷が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際特許公開公報第2008/133517号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】「良質な歯へのシンプルな方法−一般的な機械で加工される高品質な歯車」ハンス―ペーター ショッシグ著(ミュンヘン、カール・ハンサー出版社、ISSN 0043−2792、ヴェルクシュタット+ベトリープ ジャーナル 2007年4月28日号28〜32頁にて発表)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ヘリングボーンギアを有する歯車の製造で知られる上述の従来技術の処理に関して、ヘリングボーンギアを有する歯車の機械加工および/または製造をさらに促進する、従って機械加工時間を減少させることが、本発明の目的である。ヘリングボーンギアを有する歯車の数値制御万能工作機械での機械加工および/または製造を、とても強固で、かつ、改善された稼働特性のヘリングボーンギアを有する歯車を製造するように改良することもまた本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の目的を達成するために、本発明は、請求項1の、ヘリングボーンギアを有する歯車の製造処理方法と、請求項17の、加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データ生成方法と、請求項18の、加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データ生成装置と、請求項19の、少なくとも4軸数値制御工作機械と、請求項20の、コンピュータプログラム製品と、を提案する。本発明の好適な実施例の特徴は従属請求項に記載される。
【0016】
本発明は、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械での、制御データに基いて加工物に対する相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させる、前記加工物のフライス加工による、ヘリングボーンギアを有する歯車の製造処理方法を提案する。前記製造方法は、前記加工物に対して相対的に前記フライスを誘導するための前記制御データを生成するステップと、生成された前記制御データに基いて、前記工作機械でフライスを使用して前記加工物をフライス加工するステップと、を備える。
【0017】
制御データを生成するステップは、第1の歯の歯面の輪郭形状を、特に既定のギア情報に基いて決定し、該前記第1の歯の歯面の輪郭形状はヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当するステップと、第2の歯の歯面の輪郭形状を、特に既定のギア情報に基いて決定し、該前記第1の歯の歯面の輪郭形状はヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当するステップと、前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定するステップと、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するステップと、前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するステップと、を備え、前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる。
【0018】
前記フライス加工は生成された前記制御データに基いて実行される。前記フライスは前記経路データに示される機械加工経路に沿って連続的に誘導される。
【0019】
本発明における前記処理方法は、したがって、フライスが常に各機械加工経路に沿って誘導されることができ、当該各機械加工経路は、前記第1の歯の歯面の前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分の前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯の歯面の前記第2の歯面輪郭に沿って、常に中断なしに伸びるので、ヘリングボーンギアの対をなす一方のギア部、特に前記ヘリングボーンギアの一方の斜歯の第1の歯面輪郭と、ヘリングボーンギアの他方のギア部、特に前記ヘリングボーンギアの他方の斜歯の第2の歯面輪郭と、前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移領域と、を1つの処理ステップで作成しうるという利点を提供する。したがって、機械加工を能率的に実行することができ、そして、機械加工時間を減少させることができる。
【0020】
さらに、それぞれが前記第1の歯の歯面の前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分の前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯の歯面の前記第2の歯面輪郭に沿って、常に中断なしに伸びる各前記機械加工経路の結果として、円滑でなだらかな遷移が、前記遷移部分中央と前記歯の歯面の境界領域との間の前記遷移部分において、前記歯の歯面の前記境界領域に負荷を受けて回る間の負荷を軽減できるように、そして、ギアの強度を増大させさえするように、形成される。加えて、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿った各前記機械加工経路の中断なしの直接誘導が、前記工作機械の各軸の継続的な動作がゆえに、より高い機械加工の正確さと、より良い表面仕上げでの機械加工を可能にする。
【0021】
さらに、前記ヘリングボーンギアの対をなす前記ギア部の前記歯溝の間の中間領域を、前記機械加工時間をさらに減少させるように、より大きな、ひいてはより大きな切削量の工具で切り出すことができる。全体として、歯車製造の前記機械加工ステップは高い切削量の大きな工具でとても能率的に実行される。
【0022】
前記遷移部分によって、ヘリングボーンギアの対をなす一方のギア部の各歯は、ヘリングボーンギアの他方のギア部の各歯とつながり、溝によって隔てられないので、ギアの負荷耐性と強度は中心溝のあるヘリングボーンギアを有する歯車に対して、大幅に増大する。
【0023】
前記遷移部分輪郭は好適には、前記第1の歯面輪郭の複数の各境界点において、前記第1の歯面輪郭が前記遷移部分輪郭に接線方向で融合し、前記第2の歯面輪郭の複数の各境界点において、前記遷移部分輪郭が前記第2の歯面輪郭に接線方向で融合するように製造される。したがって、接線方向の遷移は前記遷移領域中央と各前記歯の歯面の間で好適に形成される。そして、各機械加工経路の進路をより継続的に、かつ、効率的に決定し、さらに各前記歯の歯面における負荷の下での回転時に発生する負荷を減少させることさえ可能であり、このように、さらにより大きなギア強度が生じる。加えて、前記遷移部分への前記接線方向の遷移は前記フライスが各前記機械加工経路に沿って誘導される間、前記工作機械の各丸い軸(round axes)のなだらかで継続的な動作を可能にし、このように、より高い機械加工の正確さと、より素晴らしい表面仕上げとを達成する。さらに、ギアへの高負荷と同時に起こる材料の応力のピークを、前記遷移部分への前記接線方向の遷移によって、強く減少させることができる。
【0024】
前記第1の歯面輪郭の各前記境界点は好適には、前記第1の歯面輪郭と第1の切断面との間の前記歯車の軸に垂直な第1の切断経路上に決定され、前記第2の歯面輪郭の各前記境界点は好適には、前記第2の歯面輪郭と第2の切断面との間の前記歯車の軸に垂直な第2の切断経路上に決定される。このことは、前記遷移部分中央への遷移における各前記歯の歯面の境界領域のシンプルな決定を可能にする。
【0025】
好適には、前記制御データを生成するステップもまた、前記ヘリングボーンギアの中央領域を決定するステップを備え、当該中央領域は前記歯車の軸に垂直で、前記第1の切断面と前記第2の切断面は前記ヘリングボーンギアの前記中央領域から同等の距離をとり、前記中央領域は好適には前記第1と第2の切断面の間に配置される。このことは、前記遷移部分中央への遷移における各前記歯の歯面、当該歯の歯面は前記ヘリングボーンギアの対称性に対して対称である、各前記境界部のより簡略化された決定を可能にする。
【0026】
前記遷移部分輪郭は好適には、凹形状或いは凸形状を前記歯の歯面の輪郭方向に有する。したがって、前記ヘリングボーンギアの各前記歯の凸状の側面側と、該凸状の側面側の反対の前記ヘリングボーンギアの各前記歯の凹状の側面側との両方を、本発明の処理方法を用いて製造することができる。
【0027】
前記遷移部分輪郭は好適には、前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭との間の曲面、特に隅肉表面に相当する。それ故に、好適に継続的な輪郭は、前記ヘリングボーンギアの各前記ギア部の各前記歯の歯面の間の前記遷移部分用に作成され、円弧断片によって簡易な方法で前記遷移部分輪郭を成形する或いは示すことが可能である。
【0028】
前記遷移部分輪郭は好適には、前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭とをつなぐ複数の円弧断片によって決定される。このことは、前記ヘリングボーンギアの各前記ギア部の各前記歯の歯面の間の前記遷移部分における曲線的な遷移領域をもたらし、当該遷移領域は好適な方法(例えば、CADシステム)によって容易に成形できる。さらに、各前記歯の歯面の間の前記遷移部分の前記円弧断片の形状は、前記フライスが各前記機械加工経路に沿って誘導される間、より正確な機械加工とよりすばらしい表面仕上げを達成するように、前記工作機械の各前記丸い軸のなだらかで継続的な動作を可能にする。
【0029】
前記遷移部分輪郭の各前記円弧断片は好適には異なる高さの輪郭で伸びる。そして、各前記円弧断片が前記第1の歯面輪郭のそれぞれの第1の境界点を第2の歯面輪郭の第2の境界点につなげることが望ましく、それぞれの前記第1の境界点とそれぞれの前記第2の境界点は好適には、特に同等の高さの輪郭に決定される。ここで、対称な歯の歯面の場合、同等の高さの輪郭とは、特に前記歯元から同等の距離にあることを意味し、各前記境界点は、特に前記加工物の軸或いは前記歯車の軸から同等の距離をとる。
【0030】
各前記歯の歯面のそれぞれの前記境界点において、各前記円弧断片がそれぞれの歯面輪郭に接線方向で融合することが望ましい。このことは、前記遷移領域中央と各前記歯の歯面の間の好適な接線方向の遷移をもたらし、その結果、各前記機械加工経路の進路をより継続的にそして効率的に決定することさえでき、各前記歯の歯面の前記境界領域における負荷の下での回転時に発生する負荷を、よりすばらしいギア強度を生み出しさえするように、さらに減少させることができる。加えて、前記遷移部分への前記接線方向の遷移と、前記円弧断片の形状とは、前記フライスが各前記機械加工経路に沿って誘導される間、最適な機械加工の正確さと、最適な表面仕上げを達成するように、前記工作機械の各前記丸い軸の最適な円滑で継続的な動作を可能にする。さらに、ギアへの高負荷の下で材料にかかる応力のピークを、前記遷移部分への前記接線方向の遷移と、継続的な前記円弧断片の形状とによって、大幅に減少させることができる。
【0031】
前記遷移部分輪郭を作成するステップは好適には、前記第1の歯面輪郭の少なくとも1つの第1の境界点を決定するステップと、前記第2の歯面輪郭の少なくとも1つの第2の境界点を、前記第1の境界点と前記第2の境界点が各前記歯面輪郭の同等の高さの輪郭に決定されるように決定するステップと、前記第1の境界点における前記第1の歯面輪郭の第1の法線ベクトルを決定するステップと、前記第2の境界点における前記第2の歯面輪郭の第2の法線ベクトルを決定するステップと、第1の直線と第2の直線との交差点を、前記第1の直線が前記第1の法線ベクトルの方向によって既定され、前記第2の直線が前記第2の法線ベクトルの方向によって既定されているように決定するステップと、前記第1の境界点から前記第2の境界点への円弧断片を、前記第1の直線と前記第2の直線との前記交差点が前記円弧断片の中心となるように決定するステップと、を備え、前記遷移部分輪郭は、前記円弧断片を含むように作成される。
【0032】
具体的には、前記遷移部分輪郭を作成するステップは、前記第1の歯面輪郭の第1の境界点群を、前記第1の境界点群の境界点それぞれが前記第1の歯面輪郭の異なる高さの輪郭に決定されるように決定するステップと、前記第2の歯面輪郭の第2の境界点群を、前記第2の境界点群のそれぞれの境界点が前記第2の境界点群のそれぞれの境界点と同等の高さの輪郭に決定されるように決定するステップと、前記第1の境界点における前記第1の歯面輪郭の第1の法線ベクトル群を、いずれの場合にも前記第1法線ベクトル群の法線ベクトルが前記第1の境界点群の境界点において決定されるように決定するステップと、前記第2の境界点における前記第2の歯面輪郭の第2の法線ベクトル群を、いずれの場合にも前記第2法線ベクトル群の1つの法線ベクトルが前記第2の境界点群の境界点において決定されるように決定するステップと、それぞれの交差点が第1の直線群の直線と第2の直線群の直線との交差点である交差点群を、前記第1の直線群のそれぞれの直線が前記第1法線ベクトル群の法線ベクトルの方向によって既定され、前記第2の直線群のそれぞれの直線が前記第2法線ベクトル群の法線ベクトルの方向によって既定されているように決定するステップと、それぞれの円弧断片が、前記第1の境界点群の境界点を、同等の高さの輪郭に配置される前記第2の境界点群の境界点とつなげる円弧断片群を、前記第1の直線と前記第2の直線の交差点が前記円弧断片の中心となり、前記遷移部分輪郭が前記円弧断片群を含むように作成されるように決定するステップと、を備える。
【0033】
上記の好適な処理の結果として、1から数個の円弧断片は前記ヘリングボーンギアの対をなす前記ギア部の各前記歯の歯面の間の前記遷移部分輪郭を成形するとりわけ簡易な方法で規定されることができ、各当該円弧断片は、各前記円弧断片が各前記歯面輪郭の各前記境界点における各前記面法線の、同等の高さの輪郭に配置される各前記交差点に基いてデザインされるので、各前記歯の歯面の間のそれぞれの境界点において各前記歯の歯面領域に接線方向に融合する。前記歯の歯面の輪郭形状、例えばインボリュートによって、それぞれ異なる円弧半径(フィレット半径)を有する各前記円弧断片が必要に応じて異なる高さの輪郭に配置される。
【0034】
前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭が同等の高さの輪郭形状と、同等なねじれ角度とを有するとき、前記第1と第2の歯面輪郭の組になる境界点の属する同等の高さの輪郭形状は、各前記境界点を通る各面法線がそれぞれ2つ1組で共通する交差点で交差することを確保する。しかしながら、前記第1と第2の歯面輪郭の輪郭形状が異なる場合、および/または、前記第1の歯の歯面のねじれ角度が前記第2の歯の歯面のねじれ角度と異なる場合、前記第1と第2の歯面輪郭の組になる前記境界点はそれぞれ異なる高さの輪郭形状に決定され、交差点が前記第1と第2の歯面輪郭の組になる前記境界点の属する同等の高さの輪郭形状は、各前記境界点を通る、組になる前記面法線の間に重ねて形成されることがあり得る。
各前記歯面輪郭の正確な輪郭形状、および、前記ヘリングボーンギアの先端に関係する各前記境界点の正確な位置にかかわりなく、それぞれの、中心が前記第1と第2の歯の歯面の組になる前記境界点を通る2つの面法線の間の交差点として決定される円弧断片は、前記第1と第2の歯の歯面のそれぞれの接線方向の遷移を有する円弧断片を規定する。
【0035】
前記第1のギア部は好適には前記ヘリングボーンギアの第1の斜歯であり、そして、前記第2のギア部は好適には前記ヘリングボーンギアの第2の斜歯である。前記第1の斜歯は好適には右側或いは左側で、前記第2の斜歯は好適には前記第1の斜歯のピッチと対向するピッチ、特に好適にはねじれ角度の同等な対向するピッチを有する。しかしながら、本発明は、側面の輪郭方向において真っすぐな進路をとる2つの斜歯を有するヘリングボーンギアに限定されるものではない。それどころか、本発明は各ギア部が、側面の輪郭方向における真っすぐな進路と異なり、そして、例えば、前記側面輪郭方向において、円弧、インボリュート、或いは別の湾曲した曲線に沿って伸びる進路を有するヘリングボーンギアでも利用し得る。
【0036】
前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭は好適には同等な歯の歯面の輪郭形状、特に好適には同一のインボリュート歯形形状を有する。
結果的に、ヘリングボーンギアを有する歯車の軸に対して垂直なヘリングボーンギアの中心領域からの前記第1の歯の歯面および前記第2の歯の歯面の各前記境界点の同等な距離において、かつ、前記第1と第2の歯の歯面の組になる前記境界点の同等な高さの輪郭において、組になる前記境界点を通る、組になる前記面法線が共通の交差点を有することを確保することができる。
【0037】
前記総合的歯面輪郭は好適には、前記歯の歯面の縁に沿った方向に凹形状を有する第1の総合的歯面輪郭であり、そして、前記制御データを生成するステップは好適には、
前記ヘリングボーンギアの前記第1のギア部の、前記第1の歯面輪郭の反対側の、第3の歯の歯面の輪郭形状に相当する第3の歯面輪郭を決定するステップと、前記ヘリングボーンギアの前記第2のギア部の、前記第2の歯面輪郭の反対側の、第4の歯の歯面の輪郭形状に相当する第4の歯面輪郭を決定するステップと、前記第3の歯の歯面と前記第4の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当し、前記歯の歯面の縁に沿った方向に凸形状を有する第2の遷移部分輪郭を決定するステップと、前記第3の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第4の歯面輪郭とを含む第2の総合的歯面輪郭を決定するステップと、を備え、前記制御データは常に前記第2の総合的歯面輪郭に基いて生成され、前記工作機械の前記フライスを誘導するためのさらなる経路データを示し、さらなる機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、前記第3の歯面輪郭と、前記第2の遷移部分輪郭と、前記第4の歯面輪郭に沿って横に伸びる。したがって、前記ヘリングボーンギアの凸形状側面側と、前記ヘリングボーンギアの、前記凸形状側面側の逆側の凹形状側面側とを、本発明における前記処理を用いて好適に機械加工することができる。
【0038】
前記第1の遷移部分輪郭は好適には、前記第1の歯面輪郭の複数の境界点において前記第1の歯面輪郭が前記第1の遷移部分輪郭に実質的に接線方向に融合し、前記第2の歯面輪郭の複数の境界点において前記第1の遷移部分輪郭が前記第2の歯面輪郭に実質的に接線方向に融合するように作成され、前記第2の遷移部分輪郭は好適には、前記第3の歯面輪郭の複数の境界点において前記第3の歯面輪郭が前記第2の遷移部分輪郭に実質的に接線方向に融合し、前記第4の歯面輪郭の複数の境界点において前記第2の遷移部分輪郭が前記第4の歯面輪郭に実質的に接線方向に融合するように作成される。
【0039】
前記第1の歯面輪郭の各前記境界点は、好適には前記第1の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第1の切断面との間の第1の切断経路上に決定され、前記第2の歯面輪郭の各前記境界点は、好適には前記第2の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第2の切断面との間の第2の切断経路上に決定される。
【0040】
加えて、前記第3の歯面輪郭の各前記境界点は、好適には前記第3の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第3の切断面との間の第3の切断経路上に決定され、前記第4の歯面輪郭の各前記境界点は、好適には前記第4の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第4の切断面との間の第4の切断経路上に決定される。
【0041】
前記第1の切断面と前記第2の切断面との間の距離は、好適には前記第3の切断面と前記第4の切断面との間よりも小さい。このことは前記ヘリングボーンギアの前記凸形状の遷移部分輪郭よりも半径の小さい各円弧断片からの、前記凹形状の遷移部分輪郭の形成を可能にする。このことは、前記ヘリングボーンギアの中心或いは先端に向かうなだらかな接線の遷移において、遊びが各前記歯の歯面の境界領域から増加する、ギアの総合的輪郭をもたらす。したがって、第1の切断面と第2の切断面との間、および、第3の切断面と第4の切断面との間の距離を適切に選択することによって、前記凸形状側面側が前記凹形状側面側と一体にうねってはいない前記ヘリングボーンギアの各歯の中央領域のサイズを調整することができる。各前記歯の歯面のうねり領域もまた、第1の切断面と第2の切断面との間、および、第3の切断面と第4の切断面との間の距離の適切な調整によって、前記ヘリングボーンギアの中央、或いは少なくとも実質的に中央へ支えるうねり面を作成し得るように、最適化することができる。結果的に、回転中に負荷をより均一に分散させることができるので、前記ヘリングボーンギアの稼働特性をさらに最適化すること、および、前記ヘリングボーンギアの負荷耐性を増加させることも可能となる。
【0042】
凸形状の遷移部分輪郭への前記遷移領域における歯の歯面の各前記境界点と、凹形状の遷移部分輪郭への前記遷移領域における逆側の歯の歯面の各前記境界点とが好適に選択されることで、前記凸形状の遷移部分輪郭への前記遷移領域における歯の歯面の各前記境界点と、前記凹形状の遷移部分輪郭への前記遷移領域における逆側の歯の歯面の各前記境界点とが、各前記境界点がペアで、特に前記加工物或いは歯車の中心軸に垂直な平面に位置し、その中心が前記中心軸に位置する円弧上に配置されるように、前記加工物或いは歯車の中心軸から同等の距離のペアワイズ(pair-wise)を有する。
【0043】
本発明のさらなる態様は、上述の製造工程、特に、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械で、制御データに基いて前記加工物に対して相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させて、加工物をフライス加工することによる、1〜数個の好適な実施例における、加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データを生成するための処理を提案する。本発明によれば、前記制御データの生成は、前記ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭を決定するステップと、前記ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭を決定するステップと、前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定するステップと、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するステップと、前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するステップと、を備え、前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる。
【0044】
本発明のさらなる態様は、上述のいくつかの製造工程、特に、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械で、制御データに基いて前記加工物に対して相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させて、加工物をフライス加工することによる、1〜複数の好適な実施例における、加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データを生成するための装置を提案する。本発明によれば、前記装置は、前記ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭を決定し、前記ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭を決定し、前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定し、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するための輪郭形状形成手段と、前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するための制御データ生成手段と、を備え、前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる。
【0045】
したがって、前記制御データは、上述の製造工程においてと同様に、制御データを生成するための処理において、および、制御データを生成するための装置において生成され、特に上述の利点を伴う。前記制御データは好適には、特に前記製造工程に関連して上述された1〜数個の好適な態様に従って生成される。
【0046】
本発明のさらなる態様は、少なくとも4つの軸を備え、数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械であって、生成される制御データに基いて機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させ、本発明の上述の態様に従う制御データ生成装置を備える数値制御工作機械を提案する。
【0047】
本発明のさらなる態様は、コンピュータで読み取り可能な媒体と、該媒体に記録されるコンピュータプログラムを備えるコンピュータプログラム製品であって、本発明の上述の態様に従って制御データ生成装置を形成するように、前記コンピュータプログラムは、データ処理装置のデータ処理手段による処理に適応した各命令(commands)に相当する一連の各ステートとして記録されるコンピュータプログラム製品を提案する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】中心溝とヘリングボーンギアの二つの歯溝を有する加工物の斜視図を示す。
【図2】図1の加工物の細部を示す。
【図3】図1のヘリングボーンギアの両歯溝の平面図を示す。
【図4】中心溝のないヘリングボーンギアを有する歯車の斜視図を示す。
【図5】図4の中心溝のないヘリングボーンギアを有する歯車の写実的な細部を示す。
【図6】本発明の実施例における、第1と第2の歯の歯面を有する歯車の歯溝の幾何学モデルの総合的な輪郭形状の平面図を示す。
【図7】図6の歯溝の幾何モデルの詳細斜視図を示す。
【図8】図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの斜視図を示す。
【図9】図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの詳細斜視図を示す。
【図10】図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの斜視図を示す。
【図11】図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの詳細斜視図を示す。
【図12】本発明の実施例における、制御データを生成するための装置の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0049】
本発明の好適な実施例を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に記述する。しかしながら、記載される各実施例は本発明を制限するものではない。本発明は特許請求の範囲により規定される。各実施例の同一のおよび/または類似する特徴は、図面中において、同一の引用符号によって示される。
【0050】
要求されるギア情報データがあらかじめ決定されているか、或いは決定される限りにおいて、ギアを有する加工物、ギアと歯の歯面の幾何モデルを、それぞれに、例えばCADシステムを用いて作成することは、従来技術において基本的に周知である。このために、特に以下のデータは歯の歯面の数学モデル或いは数値モデルを作成可能であることを求められるかもしれない。
・加工物全体の加工前および/または加工後の寸法と外形を示すデータ。(例えば、未加工部形状および/または加工完了部形状、および、未加工部形状および/または加工完了部形状のモデルをそれぞれに作成するためのデータ。)
・ギアのデザインの種類を示すデータ、すなわち、特に、例えば
・ギアの種類を示すデータ、特に、圧力角およびねじれ角度を有するヘリングボーンギアを示すデータ。
・歯の歯面の輪郭形状を示すデータ、特に、例えば、
・ギアの歯の輪郭形状の寸法および/または外形を示すデータ、特に、例えば、歯の深さ、歯の厚さ、歯の幅および/または同様のパラメータ。
・複数の歯および/またはギアの一般的な歯の大きさを表す規格値(module)を示すデータ。
【0051】
上述のデータによって、ギアを有する加工物の、歯の歯面の正確な数学的輪郭形状に対応する歯の歯面を含む、数学的に正確なモデルを作成することが簡単に可能である。当該モデルは、当該輪郭形状は特に輪郭的に既定の歯の歯面の輪郭形状、例えば、インボリュート歯形形状を精密に有する。
【0052】
上記のような作成されたモデル、例えばCADシステムを用いて作成されたモデルに基いて、当該モデルに基いた経路データを生成することもまた可能である。例えば数値制御プログラムを作成するために、例えばCAM或いはCAD/CAMシステムを用い、当該経路データは制御データに含まれ、当該制御データを用いて、工具、例えばエンドミルや別の工具等が、少なくとも4軸数値制御工作機械、例えばフライス盤、万能工作機或いは複合工作機械において、連続的なおよび/または詳細なやり方の機械加工経路に沿って、フライスを連続的にかつ詳細に動かすことによって、加工物に歯の歯面を刻み込むように誘導され得る。これに関連して、特に独国特許出願公開第102009008124号の教示について言及する。当該文献は、既定の歯の歯面の輪郭形状に基く、上記のような機械加工経路の好適な作成方法について記述している。
【0053】
図6は、本発明の実施例における、第1と第2の歯の歯面を有する歯車の歯溝の幾何学モデルの全体の輪郭形状の平面図を示す。図7は、図6の歯溝の幾何モデルの詳細斜視図を示す。
【0054】
図6の歯溝の幾何モデルは、左側と右側の斜歯を有するヘリングボーンギアの歯溝の幾何モデルであり、第1の斜歯の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭12aと、第2の斜歯の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭13aとを含み、当該第1の歯面輪郭12aと当該第2の歯面輪郭13aは、凹形状である遷移部分輪郭14aでつながる。前記第1の歯面輪郭12aと、前記遷移部分輪郭14aと、前記第2の歯面輪郭13aとは、総合的な歯の歯面の輪郭形状を形成し、当該総合的な歯の歯面の輪郭形状に基いて制御データが生成される。例えば、独国特許出願公開第102009008124号の教示によれば、前記制御データは経路データを示し、当該経路データは、前記各歯面輪郭12aおよび13aの輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭12aと、前記遷移部分輪郭14aと、前記第2の歯面輪郭13aとに沿って、横に広がる。前記ヘリングボーンギアの前記2つの斜歯は、本実施例においては同一のねじれ角度を有する。
【0055】
前記歯溝の幾何モデルは、第3の歯面輪郭12bと第4の歯面輪郭13bとを備え、それらは凸形状である遷移部分輪郭14bによってつなげられる。前記歯面輪郭12aと12bが互いに向き合い、前記歯面輪郭13aと13bが互いに向き合う。前記第3の歯面輪郭12bと、前記遷移部分輪郭14bと、前記第4の歯面輪郭13bとは、さらなる総合的な歯の歯面の輪郭形状を形成し、当該総合的な歯の歯面の輪郭形状に基いて制御データが同様に生成される。例えば、独国特許出願公開第102009008124号の教示によれば、前記制御データは経路データを示し、当該経路データは、前記各歯面輪郭12bおよび13bの輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第3の歯面輪郭12bと、前記遷移部分輪郭14bと、前記第4の歯面輪郭13bとに沿って、横に広がる。従って、前記生成された制御データに基く加工のやり方で、加工物に歯溝を刻み込むことが全面的に可能である。
【0056】
この実施例によれば、前記遷移部分輪郭14aおよび14bは、それぞれの前記歯面輪郭12aと13a、或いは、12bと13bをつなぐそれぞれの隅肉の表面を形成し、いずれの場合にも、複数の円弧断片からデザインされ、当該複数の円弧断片はいずれの場合にも、各前記歯面輪郭の境界点において、接線方向で各前記歯面輪郭に融合する。以下に、遷移部分輪郭を規定する円弧断片のデザイン方法の一つも実施例を、例として図8〜11に準拠して前記遷移部分輪郭14bについて記述する。図8は図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの斜視図を示す。図9は図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの詳細斜視図を示す。図10は図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの斜視図を示す。図11は図6の歯溝の幾何モデルの補助線入りの詳細斜視図を示す。
【0057】
境界点は各前記歯面輪郭12aおよび13bの境界領域に決定される。ここで、境界点1a,1b,1c,1dおよび1eは、異なる高さの輪郭において前記歯面輪郭12bの境界に決定され、前記各境界点は歯車の中心軸に垂直な切断表面を有する前記歯面輪郭12bの切断経路に位置する。さらに、異なる高さの輪郭において歯面輪郭13bの境界に位置する境界点2a,2b,2c,2dおよび2eが決定され、各当該境界点は全て歯車の中心軸に垂直な切断表面を有する歯面輪郭13bの切断経路に位置する。上記の二つの切断表面はここで前記ヘリングボーンギアの中心から同等の距離をとり、当該ヘリングボーンギアは該ヘリングボーンギアの対称軸によって既定されている(これに関連して、図6の平面図も参照)。図6は前記凸状遷移部分輪郭14bおよび/または各前記歯面輪郭12bおよび13bの境界点は、前記凹状遷移部分輪郭14aおよび/または各前記歯面輪郭12aおよび13aの境界点よりも、前記ヘリングボーンギアの中心から大きく離れること、ひいては、この実施例における各曲がりの半径は、凹状遷移部分輪郭14aよりも凸状遷移部分輪郭14bの方がより大きいこともまた示す。
【0058】
前記歯面輪郭12bの各境界点1a〜1eは全て、前記歯面輪郭13bの各境界点2a〜2eとペアとして、前記歯面輪郭12bおよび13bの同等の高さの輪郭に位置付けられる。(すなわち、境界点1aは境界点2aと同等の高さの輪郭に位置付けられ、境界点1bは境界点2bと同等の高さの輪郭に位置付けられる等)、各前記歯面輪郭12bと13bもまた、いずれの場合にも同等の高さの輪郭となる。
【0059】
次なるステップにおいて、各境界点1a〜1eおよび2a〜2eにおける前記歯面輪郭12bおよび13bに対する各法線ベクトルは、面法線(直線)3a〜3eおよび面法線(直線)4a〜4eを規定することができるように決定される。前記面法線3aは前記歯面輪郭12bに垂直に境界点1aを通って伸び、前記面法線3bは前記歯面輪郭12bに垂直に境界点1bを通って伸び、前記面法線3cは前記歯面輪郭12bに垂直に境界点1cを通って伸び、前記面法線3dは前記歯面輪郭12bに垂直に境界点1dを通って伸び、前記面法線3eは前記歯面輪郭12bに垂直に境界点1eを通って伸びる。同様に、前記面法線4aは前記歯面輪郭13bに垂直に境界点2aを通って伸び、前記面法線4bは前記歯面輪郭13bに垂直に境界点2bを通って伸び、前記面法線4cは前記歯面輪郭13bに垂直に境界点2cを通って伸び、前記面法線4dは前記歯面輪郭13bに垂直に境界点2dを通って伸び、前記面法線4eは前記歯面輪郭13bに垂直に境界点2eを通って伸びる。
【0060】
この実施例において、前記歯面輪郭12bおよび13bの輪郭形状が等しく、各前記境界点は同等の高さの輪郭におけるペアとして配置され、そして、前記歯面輪郭12bと13bの各ねじれ角度は同等なので、前記面法線3a〜3eおよび4a〜4eは、交差点5a〜5eにおいて互いに対で交差する(特に図11参照)。これらの各交差点5a〜5eは各円弧断片6a〜6eの中心として決定され、前記円弧断片6aは交差点5aを中心とし境界点1aと2aをつなぎ、前記円弧断片6bは交差点5bを中心とし境界点1bと2bをつなぎ、前記円弧断片6cは交差点5cを中心とし境界点1cと2cをつなぎ、前記円弧断片6dは交差点5dを中心とし境界点1dと2dをつなぎ、前記円弧断片6eは交差点5eを中心とし境界点1eと2eをつなぐ(特に図11参照)。各前記境界点1a〜1eおよび2a〜2eにおける各前記面法線3a〜3eおよび4a〜4eを用いたデザインの結果として、各前記円弧断片6a〜6eは接線方向で、前記歯面輪郭12bの各前記境界点1a〜1eと、前記歯面輪郭13bの各前記境界点2a〜2eとに融合する。
【0061】
前記遷移部分輪郭14bを、各前記円弧断片6a〜6eを用いて規定することが今や可能であり、前記遷移部分輪郭14bは異なる高さの輪郭で伸びる各前記円弧断片6a〜6eを含む。
【0062】
従って、加工物に対して相対的にフライスを誘導するための制御データは以下の各ステップを実行することによって生成される。ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する歯面輪郭12bを決定するステップ。ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する歯面輪郭13bを決定するステップ。両前記歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭14bを決定するステップ。前記歯面輪郭12bと、前記遷移部分輪郭14bと、前記歯面輪郭13bとを含む総合的な歯の歯面の輪郭形状を決定するステップ。その結果、前記制御データは総合的な歯の歯面の輪郭形状に基いて生成されることが可能になり、前記制御データは前記工作機械の前記フライスを機械加工経路に沿って制御するための経路データを示し、前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記歯面輪郭12bと、前記遷移部分輪郭14bと、前記歯面輪郭13bとに沿って、横に伸びる。
【0063】
図12は略図として、本発明の1つの実施例における制御データを生成するための装置200を示す。装置200は、少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械で当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させて、加工物をフライス加工することによってヘリングボーンギアを有する加工物を供給する制御データを生成するために使用される。
【0064】
装置200は、例えばキーボードおよび/またはマウスを用いて、ギア情報データを入力するためのギア情報データ入力手段210を備える。前記装置200は数値的に生成される、加工物の輪郭形状と、ギアの輪郭形状と、一部の歯の歯面の輪郭形状と、一部の遷移部分の輪郭形状と、一部の全体的な歯の歯面の輪郭形状と、を表示するための表示手段220もまた備える。
【0065】
装置200は加えて、(特に入力されたギア情報データに基く)第1の歯面輪郭を決定し、(特に入力されたギア情報データに基く)第2の歯面輪郭を決定し、前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭の間の遷移部分輪郭を決定し、前記第1の歯面輪郭と前記遷移部分輪郭と前記第2の歯面輪郭とを含む総合的な歯面輪郭を決定するための輪郭形状形成手段230を備え、前記第1の歯面輪郭はヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当し、前記第2の歯面輪郭はヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する。前記輪郭形状形成手段230は特に、各前記歯面輪郭の各境界点を決定する、各前記境界点における法線ベクトルおよび/または各前記歯面輪郭各前記境界点における各面法線を決定する、各前記面法線の各交差点を決定する、および/または、遷移部分輪郭を決定する或いは示す円弧断片を決定することに向いている。
【0066】
装置200は、総合的な歯面輪郭に基く制御データを生成するための制御データ生成手段240もまた備え、前記制御データは前記工作機械の前記フライスを機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭12bと、前記遷移部分輪郭14bと、前記第2の歯面輪郭13bとに沿って、横に広がる。
【0067】
装置200は、前記制御データを工作機械に伝達するのに役立つデータ記憶媒体への、生成された前記制御データの記録、および/または、前記制御データを工作機械に伝達するための当該工作機械との接続(無線或いは有線接続)に役立つインターフェイス250もまた備える。
【0068】
要約すれば、本発明はヘリングボーンギアを有する歯車の加工および/または製造をさらに容易にし、したがって加工時間を減少させる。本発明はより強固でそしてより良い稼働特性のヘリングボーンギアを有する歯車を製造するように、加工の改良および/または数値制御万能工作機でのヘリングボーンギアを有する歯車の製造にも役立つ。
【符号の説明】
【0069】
1a,1b,1c,1d,1e 境界点(第1の境界点)
2a,2b,2c,2d,2e 境界点(第2の境界点)
3a,3b,3c,3d,3e 面法線
4a,4b,4c,4d,4e 面法線
5a,5b,5c,5d,5e 交差点
6a,6b,6c,6d,6e 円弧断片
12a 第1の歯面輪郭
12b 第1の歯面輪郭(第3の歯面輪郭)
13a 第2の歯面輪郭
13b 第2の歯面輪郭(第4の歯面輪郭)
14a 遷移部分輪郭(第1の遷移部分輪郭)
14b 遷移部分輪郭(第2の遷移部分輪郭)
200 装置(制御データ生成装置)
230 輪郭形状形成手段
240 制御データ生成手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械での、制御データに基いて加工物に対する相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させる、前記加工物のフライス加工による、ヘリングボーンギアを有する歯車の製造処理方法であって、
前記ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭を決定するステップと、
前記ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭を決定するステップと、
前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定するステップと、
前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するステップと、
前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するステップと、を備え、
前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、
前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる、
前記加工物に対して相対的に前記フライスを誘導するための前記制御データを生成するステップと、
生成された前記制御データに基いて、前記工作機械でフライスを使用して前記加工物をフライス加工し、前記フライスは前記経路データに示される各機械加工経路に沿って連続的に誘導されるステップと、を備える処理方法。
【請求項2】
前記遷移部分輪郭は、
前記第1の歯面輪郭の複数の第1の境界点において、前記第1の歯面輪郭は前記遷移部分輪郭に接線方向で融合し、
前記第2の歯面輪郭の複数の第2の境界点において、前記遷移部分輪郭は前記第2の歯面輪郭に接線方向で融合するように、
作成されることを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
各前記第1の境界点は、前記第1の歯面輪郭と、前記歯車の軸と垂直な第1の切断面との間の第1の切断経路上に決定され、
各前記第2の境界点は、前記第2の歯面輪郭と、前記歯車の軸と垂直な第2の切断面との間の第2の切断経路上に決定されることを特徴とする請求項2に記載の処理方法。
【請求項4】
前記ヘリングボーンギアの中心部を決定し、
当該ヘリングボーンギアの中心部は前記歯車の軸と垂直であり、
前記第1の切断面と前記第2の切断面は前記ヘリングボーンギアの中心部から等距離であり、
前記ヘリングボーンギアの中心部は前記第1と第2の切断面の間に配置されることを特徴とする請求項3に記載の処理方法。
【請求項5】
前記遷移部分輪郭は前記歯の歯面の縁に沿った方向に凹形状或いは凸形状を有することを特徴とする請求項1から請求項4の少なくとも1つに記載の処理方法。
【請求項6】
前記遷移部分輪郭は、前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭の間の曲面、特に隅肉表面に相当することを特徴とする請求項1から請求項4の少なくとも1つに記載の処理方法。
【請求項7】
前記遷移部分輪郭は、前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭をつなぐ複数の円弧断片によって決定されることを特徴とする請求項6に記載の処理方法。
【請求項8】
前記遷移部分輪郭の各前記円弧断片は異なる高さの輪郭で伸び、
各前記円弧断片は前記第1の歯面輪郭のそれぞれの前記第1の境界点を、前記第2の歯面輪郭のそれぞれの前記第2の境界点につなぎ、
それぞれの前記第1の境界点と、それぞれの前記第2の境界点は同等の高さの輪郭に決定されることを特徴とする請求項7に記載の処理方法。
【請求項9】
各前記円弧断片はそれぞれの前記歯面輪郭と、それぞれの前記歯面輪郭のそれぞれの前記境界点で接線方向に融合することを特徴とする請求項8に記載の処理方法。
【請求項10】
前記遷移部分輪郭を作成するステップは、
前記第1の歯面輪郭の少なくとも1つの第1の境界点を決定するステップと、
前記第2の歯面輪郭の少なくとも1つの第2の境界点を、前記第1の境界点と前記第2の境界点が各前記歯面輪郭の同等の高さの輪郭に決定されるように決定するステップと、
前記第1の境界点における前記第1の歯面輪郭の第1の法線ベクトルを決定するステップと、
前記第2の境界点における前記第2の歯面輪郭の第2の法線ベクトルを決定するステップと、
第1の直線と第2の直線との交差点を、前記第1の直線が前記第1の法線ベクトルの方向によって既定され、前記第2の直線が前記第2の法線ベクトルの方向によって既定されているように決定するステップと、
前記第1の境界点から前記第2の境界点への円弧断片を、前記第1の直線と前記第2の直線との前記交差点が前記円弧断片の中心となるように決定するステップと、を備え、
前記遷移部分輪郭は、前記円弧断片を含むように作成されることを特徴とする請求項1から請求項9の少なくとも1つに記載の処理方法。
【請求項11】
前記第1のギア部は前記ヘリングボーンギアの第1の斜歯であり、
前記第2のギア部は前記ヘリングボーンギアの第2の斜歯であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の処理方法。
【請求項12】
前記第1の斜歯は左側或いは右側であり、
前記第2の斜歯は前記第1の斜歯のピッチと対向し、特に同等なねじれ角度のピッチを有することを特徴とする請求項11に記載の処理方法。
【請求項13】
前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭は同等な歯の歯面の輪郭形状、特にインボリュート歯形形状を有することを特徴とする請求項1から請求項12の少なくとも1つに記載の処理方法。
【請求項14】
前記総合的歯面輪郭は前記歯の歯面の縁に沿った方向に凹形状を有する第1の総合的歯面輪郭であり、
前記制御データを生成するステップは、
前記ヘリングボーンギアの前記第1のギア部の、前記第1の歯面輪郭の反対側の、第3の歯の歯面の輪郭形状に相当する第3の歯面輪郭を決定するステップと、
前記ヘリングボーンギアの前記第2のギア部の、前記第2の歯面輪郭の反対側の、第4の歯の歯面の輪郭形状に相当する第4の歯面輪郭を決定するステップと、
前記第3の歯の歯面と前記第4の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当し、前記歯の歯面の縁に沿った方向に凸形状を有する第2の遷移部分輪郭を決定するステップと、
前記第3の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第4の歯面輪郭とを含む第2の総合的歯面輪郭を決定するステップと、をまた備え、
当該制御データもまた、前記第2の総合的歯面輪郭に基いて生成され、前記工作機械の前記フライスを誘導するためのさらなる経路データを示し、さらなる機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、前記第3の歯面輪郭と、前記第2の遷移部分輪郭と、前記第4の歯面輪郭に沿って横に伸びることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の処理方法。
【請求項15】
前記第1の遷移部分輪郭は、前記第1の歯面輪郭の複数の境界点において前記第1の歯面輪郭が前記第1の遷移部分輪郭に接線方向に融合し、前記第2の歯面輪郭の複数の境界点において前記第1の遷移部分輪郭が前記第2の歯面輪郭に接線方向に融合するように作成され、
前記第2の遷移部分輪郭は、前記第3の歯面輪郭の複数の境界点において前記第3の歯面輪郭が前記第2の遷移部分輪郭に接線方向に融合し、前記第4の歯面輪郭の複数の境界点において前記第2の遷移部分輪郭が前記第4の歯面輪郭に接線方向に融合するように作成され、
前記第1の歯面輪郭の各前記境界点は前記第1の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第1の切断面との間の第1の切断経路上に決定され、前記第2の歯面輪郭の各前記境界点は前記第2の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第2の切断面との間の第2の切断経路上に決定され、
前記第3の歯面輪郭の各前記境界点は前記第3の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第3の切断面との間の第3の切断経路上に決定され、前記第4の歯面輪郭の各前記境界点は前記第4の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第4の切断面との間の第4の切断経路上に決定されることを特徴とする請求項14に記載の処理方法。
【請求項16】
前記第1の切断面と前記第2の切断面との間の距離は、前記第3の切断面と前記第4の切断面との間よりも小さいことを特徴とする請求項15に記載の処理方法。
【請求項17】
少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械での、制御データに基いて加工物に対する相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させる、前記加工物のフライス加工による、請求項1から請求項16の少なくとも1つで規定される製造処理に従って、加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データ生成方法であって、
前記ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭を決定するステップと、
前記ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭を決定するステップと、
前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定するステップと、
前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するステップと、
前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するステップと、を備え、
前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、
前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる制御データ生成方法。
【請求項18】
少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械での、制御データに基いて加工物に対する相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させる、前記加工物のフライス加工による、請求項1から請求項16の少なくとも1つに記載の製造処理に従って、加工物にヘリングボーンギアを連続形成するための制御データ生成装置であって、
前記ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭を決定し、前記ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭を決定し、前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定し、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するための輪郭形状形成手段と、
前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するための制御データ生成手段と、を備え、
前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、
前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる制御データ生成装置。
【請求項19】
少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械であって、
生成される制御データに基いて機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させ、
請求項18に記載の制御データ生成装置を備える数値制御工作機械。
【請求項20】
コンピュータで読み取り可能な媒体と、該媒体に記録されるコンピュータプログラムを備えるコンピュータプログラム製品であって、
当該コンピュータプログラムは、請求項18に記載の制御データ生成装置を形成するように、データ処理装置のデータ処理手段による処理に適応した各命令に相当する一連の各ステートの形態で記録されるコンピュータプログラム製品。
【請求項1】
少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械での、制御データに基いて加工物に対する相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させる、前記加工物のフライス加工による、ヘリングボーンギアを有する歯車の製造処理方法であって、
前記ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭を決定するステップと、
前記ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭を決定するステップと、
前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定するステップと、
前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するステップと、
前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するステップと、を備え、
前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、
前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる、
前記加工物に対して相対的に前記フライスを誘導するための前記制御データを生成するステップと、
生成された前記制御データに基いて、前記工作機械でフライスを使用して前記加工物をフライス加工し、前記フライスは前記経路データに示される各機械加工経路に沿って連続的に誘導されるステップと、を備える処理方法。
【請求項2】
前記遷移部分輪郭は、
前記第1の歯面輪郭の複数の第1の境界点において、前記第1の歯面輪郭は前記遷移部分輪郭に接線方向で融合し、
前記第2の歯面輪郭の複数の第2の境界点において、前記遷移部分輪郭は前記第2の歯面輪郭に接線方向で融合するように、
作成されることを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
各前記第1の境界点は、前記第1の歯面輪郭と、前記歯車の軸と垂直な第1の切断面との間の第1の切断経路上に決定され、
各前記第2の境界点は、前記第2の歯面輪郭と、前記歯車の軸と垂直な第2の切断面との間の第2の切断経路上に決定されることを特徴とする請求項2に記載の処理方法。
【請求項4】
前記ヘリングボーンギアの中心部を決定し、
当該ヘリングボーンギアの中心部は前記歯車の軸と垂直であり、
前記第1の切断面と前記第2の切断面は前記ヘリングボーンギアの中心部から等距離であり、
前記ヘリングボーンギアの中心部は前記第1と第2の切断面の間に配置されることを特徴とする請求項3に記載の処理方法。
【請求項5】
前記遷移部分輪郭は前記歯の歯面の縁に沿った方向に凹形状或いは凸形状を有することを特徴とする請求項1から請求項4の少なくとも1つに記載の処理方法。
【請求項6】
前記遷移部分輪郭は、前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭の間の曲面、特に隅肉表面に相当することを特徴とする請求項1から請求項4の少なくとも1つに記載の処理方法。
【請求項7】
前記遷移部分輪郭は、前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭をつなぐ複数の円弧断片によって決定されることを特徴とする請求項6に記載の処理方法。
【請求項8】
前記遷移部分輪郭の各前記円弧断片は異なる高さの輪郭で伸び、
各前記円弧断片は前記第1の歯面輪郭のそれぞれの前記第1の境界点を、前記第2の歯面輪郭のそれぞれの前記第2の境界点につなぎ、
それぞれの前記第1の境界点と、それぞれの前記第2の境界点は同等の高さの輪郭に決定されることを特徴とする請求項7に記載の処理方法。
【請求項9】
各前記円弧断片はそれぞれの前記歯面輪郭と、それぞれの前記歯面輪郭のそれぞれの前記境界点で接線方向に融合することを特徴とする請求項8に記載の処理方法。
【請求項10】
前記遷移部分輪郭を作成するステップは、
前記第1の歯面輪郭の少なくとも1つの第1の境界点を決定するステップと、
前記第2の歯面輪郭の少なくとも1つの第2の境界点を、前記第1の境界点と前記第2の境界点が各前記歯面輪郭の同等の高さの輪郭に決定されるように決定するステップと、
前記第1の境界点における前記第1の歯面輪郭の第1の法線ベクトルを決定するステップと、
前記第2の境界点における前記第2の歯面輪郭の第2の法線ベクトルを決定するステップと、
第1の直線と第2の直線との交差点を、前記第1の直線が前記第1の法線ベクトルの方向によって既定され、前記第2の直線が前記第2の法線ベクトルの方向によって既定されているように決定するステップと、
前記第1の境界点から前記第2の境界点への円弧断片を、前記第1の直線と前記第2の直線との前記交差点が前記円弧断片の中心となるように決定するステップと、を備え、
前記遷移部分輪郭は、前記円弧断片を含むように作成されることを特徴とする請求項1から請求項9の少なくとも1つに記載の処理方法。
【請求項11】
前記第1のギア部は前記ヘリングボーンギアの第1の斜歯であり、
前記第2のギア部は前記ヘリングボーンギアの第2の斜歯であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の処理方法。
【請求項12】
前記第1の斜歯は左側或いは右側であり、
前記第2の斜歯は前記第1の斜歯のピッチと対向し、特に同等なねじれ角度のピッチを有することを特徴とする請求項11に記載の処理方法。
【請求項13】
前記第1の歯面輪郭と前記第2の歯面輪郭は同等な歯の歯面の輪郭形状、特にインボリュート歯形形状を有することを特徴とする請求項1から請求項12の少なくとも1つに記載の処理方法。
【請求項14】
前記総合的歯面輪郭は前記歯の歯面の縁に沿った方向に凹形状を有する第1の総合的歯面輪郭であり、
前記制御データを生成するステップは、
前記ヘリングボーンギアの前記第1のギア部の、前記第1の歯面輪郭の反対側の、第3の歯の歯面の輪郭形状に相当する第3の歯面輪郭を決定するステップと、
前記ヘリングボーンギアの前記第2のギア部の、前記第2の歯面輪郭の反対側の、第4の歯の歯面の輪郭形状に相当する第4の歯面輪郭を決定するステップと、
前記第3の歯の歯面と前記第4の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当し、前記歯の歯面の縁に沿った方向に凸形状を有する第2の遷移部分輪郭を決定するステップと、
前記第3の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第4の歯面輪郭とを含む第2の総合的歯面輪郭を決定するステップと、をまた備え、
当該制御データもまた、前記第2の総合的歯面輪郭に基いて生成され、前記工作機械の前記フライスを誘導するためのさらなる経路データを示し、さらなる機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、前記第3の歯面輪郭と、前記第2の遷移部分輪郭と、前記第4の歯面輪郭に沿って横に伸びることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の処理方法。
【請求項15】
前記第1の遷移部分輪郭は、前記第1の歯面輪郭の複数の境界点において前記第1の歯面輪郭が前記第1の遷移部分輪郭に接線方向に融合し、前記第2の歯面輪郭の複数の境界点において前記第1の遷移部分輪郭が前記第2の歯面輪郭に接線方向に融合するように作成され、
前記第2の遷移部分輪郭は、前記第3の歯面輪郭の複数の境界点において前記第3の歯面輪郭が前記第2の遷移部分輪郭に接線方向に融合し、前記第4の歯面輪郭の複数の境界点において前記第2の遷移部分輪郭が前記第4の歯面輪郭に接線方向に融合するように作成され、
前記第1の歯面輪郭の各前記境界点は前記第1の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第1の切断面との間の第1の切断経路上に決定され、前記第2の歯面輪郭の各前記境界点は前記第2の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第2の切断面との間の第2の切断経路上に決定され、
前記第3の歯面輪郭の各前記境界点は前記第3の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第3の切断面との間の第3の切断経路上に決定され、前記第4の歯面輪郭の各前記境界点は前記第4の歯面輪郭と、歯車の軸と垂直な第4の切断面との間の第4の切断経路上に決定されることを特徴とする請求項14に記載の処理方法。
【請求項16】
前記第1の切断面と前記第2の切断面との間の距離は、前記第3の切断面と前記第4の切断面との間よりも小さいことを特徴とする請求項15に記載の処理方法。
【請求項17】
少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械での、制御データに基いて加工物に対する相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させる、前記加工物のフライス加工による、請求項1から請求項16の少なくとも1つで規定される製造処理に従って、加工物にヘリングボーンギアを形成するための制御データ生成方法であって、
前記ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭を決定するステップと、
前記ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭を決定するステップと、
前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定するステップと、
前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するステップと、
前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するステップと、を備え、
前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、
前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる制御データ生成方法。
【請求項18】
少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械での、制御データに基いて加工物に対する相対的な機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させる、前記加工物のフライス加工による、請求項1から請求項16の少なくとも1つに記載の製造処理に従って、加工物にヘリングボーンギアを連続形成するための制御データ生成装置であって、
前記ヘリングボーンギアの第1のギア部の第1の歯の歯面の輪郭形状に相当する第1の歯面輪郭を決定し、前記ヘリングボーンギアの第2のギア部の第2の歯の歯面の輪郭形状に相当する第2の歯面輪郭を決定し、前記第1の歯の歯面と前記第2の歯の歯面の間の遷移部分の輪郭形状に相当する遷移部分輪郭を決定し、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭とを含む総合的歯面輪郭を決定するための輪郭形状形成手段と、
前記総合的歯面輪郭に基いて制御データを生成するための制御データ生成手段と、を備え、
前記制御データは前記工作機械の前記フライスを各機械加工経路に沿って誘導するための経路データを示し、
前記機械加工経路のそれぞれは前記各歯面輪郭の輪郭方向に、特に異なる高さの輪郭において、そして、前記第1の歯面輪郭と、前記遷移部分輪郭と、前記第2の歯面輪郭に沿って横に伸びる制御データ生成装置。
【請求項19】
少なくとも4軸数値制御工作機械、特に、フライス盤、万能工作機或いは複合工作機械であって、
生成される制御データに基いて機械加工経路に沿って、当該工作機械のフライス、特にエンドミルを連続的に移動させ、
請求項18に記載の制御データ生成装置を備える数値制御工作機械。
【請求項20】
コンピュータで読み取り可能な媒体と、該媒体に記録されるコンピュータプログラムを備えるコンピュータプログラム製品であって、
当該コンピュータプログラムは、請求項18に記載の制御データ生成装置を形成するように、データ処理装置のデータ処理手段による処理に適応した各命令に相当する一連の各ステートの形態で記録されるコンピュータプログラム製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−71417(P2012−71417A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−208411(P2011−208411)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(508268090)
【氏名又は名称原語表記】DECKEL MAHO Pfronten GmbH
【住所又は居所原語表記】DECKEL−MAHO−Strasse 1, 87459 Pfronten, Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208411(P2011−208411)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(508268090)
【氏名又は名称原語表記】DECKEL MAHO Pfronten GmbH
【住所又は居所原語表記】DECKEL−MAHO−Strasse 1, 87459 Pfronten, Germany
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]