説明

ヘルメット保護カバー

【課題】駐輪時のオートバイに吊り下げて保管するオートバイ用ヘルメットや、保安用あるいは防災用のヘルメットを、降雨、砂塵、ホコリ等から保護する、構造が簡単でセットし易く、軽く収納性に優れ、さらに携帯に便利な、ヘルメット保護カバーを提供する。
【解決手段】ヘルメットを包む袋状の防水素材のシートよりなるカバー本体と、このカバー本体の任意の場所に設けられたこのヘルメットのあご紐を外に出し入れできる開口部と、カバー本体にあってこの開口部とは別の場所に設けられたヘルメットを出し入れできる開閉部とを有するヘルメット保護カバーにおいて、カバー本体の開口部周縁又は開口部周縁から外側に離れた任意の外周の箇所より連結された、ヘルメットのあご紐をこの中を通し外に出し入れ可能な中空部を持つ連結体を設けることにより、あご紐を含めてヘルメットを雨水やホコリから保護するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートバイ駐輪時、工場、工事現場を始めとした事業所、一般家庭などにおいて、あご紐をホルダー、フックなどに引っ掛けて吊り下げ保管した時のヘルメットを降雨、砂塵、ホコリからまもるためのヘルメットの保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
屋根の無い駐輪場にメットイン機構を持つスクータータイプでないオートバイをとめその場所を長時間離れる場合、大変不便ではあるが重く嵩張るオートバイ用ヘルメットを持ち歩いて行動しなければならないことが多い。その理由はこのヘルメットを持ち歩かず、オートバイのヘルメットホルダーに吊り下げたり、オートバイのシートの上に乗せたままなどしてその場所を離れて行動してしまうと、その間に突然雨が降り出した場合、ヘルメットの内側がびしょ濡れになりヘルメットをかぶることに躊躇してしまうことが多々あるからである。たとえヘルメットをシート又はバックミラーの上などに乗せたままにして、多少雨水がヘルメットの内側に入りにくい姿勢で置くことができたとしても、雨が長時間に及べばヘルメットの内側はびしょ濡れになるし、何の押さえも無いので強風や何かの弾みでヘルメットが下に落ちてしまう危険もあるし、盗難の恐れも生ずる。またヘルメットをヘルメットホルダーに吊り下げて保管した場合でも、ヘルメットのかぶり口(開口部)が上又は横を向くことが多く、多少の雨でもヘルメットの内側がびしょ濡れになり易い。これらの結果、びしょ濡れになったヘルメットをかぶることが嫌で、オートバイで移動、帰宅などが出来なくなってしまうことがある。
【0003】
またメットイン機構を持つスクータータイプの場合でも、時に大事な荷物を優先してメットインスペースに収納して風雨からまもることがあるため、ヘルメットを収納できなくなり、上記と同様な問題が生ずることがある。従ってオートバイ駐輪時にヘルメットを降雨、砂塵、ホコリなどからまもって保管することは、オートバイライダーの駐輪時での不要な心配を無くし、身軽で自由な行動を実現するための重要な解決すべき課題と言える。
【0004】
上記と同様な課題の解決を目指した従来のオートバイ駐輪時のヘルメットを降雨、砂塵からまもるための保護袋には、以下のものがある。これは、図35に示すように、2つの小さな金属製リングを9本の可変式ワイヤーで輪結して球形の骨組みを作り、その内側に布地を、外側に防水布地66を張り、ワイヤーが横にずれないように挟む形でミシン縫いの跡67が示すような形でミシン縫いしたものである。その一部に設けた開閉口68(ワイヤーの1本目と9本目の間)よりヘルメットをそのあご紐と共にその保護袋に収納し、防さび金属製大型リング付きファスナー69にて閉口し、その後に小さな金属製リングに付設されている先端部に防さび金属製小型リングを付けた可変式で太めのワイヤー70を金属製大型リングの中をくぐらせて輪結し、最終的にワイヤー70の先端部の防さび金属製小型リングをオートバイに付設の駐輪用ヘルメットホルダー又はフックに引っ掛け吊り下げて、中のヘルメットを降雨、砂塵からまもるものであった。(例えば、特許文献1参照。)
なお工場、工事現場などの事業所又は一般家庭における建屋の屋内又は屋外の壁などに設置されたホルダー又はフックに、あご紐により吊り下げて保管した時のヘルメットを降雨、砂塵、ホコリなどからまもるためのヘルメットの保護カバーは、現在のところ見当たらない。
【0005】
【特許文献1】実開平7−35280(第2頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術としてのオートバイ駐輪時のヘルメットを降雨、砂塵からまもるための保護袋は、その構造より金属製リング、ワイヤーを多用するため、重く、折りたたんでも嵩張り洋服のポケット、バッグなどに収めるのにも困難が予想され、普段気軽に持ち歩いて使用するにはその重量、収納性及び携帯性に問題があった。またその構造が複雑なためそれを製造した場合、多くの所要製造工程を要すことになる問題があった。
【0007】
またオートバイ駐輪時などのヘルメットを降雨、砂塵からまもるための場合以外にも、工場、工事現場を始めとした事業所で建屋の屋内若しくは屋外の壁などにホルダー若しくはフックを設置し、そこにあご紐により吊り下げて保安用ヘルメットを保管する場合、又は一般家庭で建屋の屋内若しくは屋外の壁などにホルダー若しくはフックを設置し、そこにあご紐により吊り下げて防災用ヘルメットを保管する場合もあるため、これらのヘルメットを降雨、砂塵、ホコリなどからまもることも新たに解決すべき課題となる。
【0008】
本発明は、以上のような従来技術の欠点に鑑み、その構造を金属製リング、ワイヤーなどを用いず簡単にし、薄く柔らかで軽い防水素材のシートと開閉部での軽量な開閉具などから構成し、保護カバー自体の全体重量を軽量化し、使用時にセットし易く、未使用時の収納性、携帯性に優れ、手軽に持ち歩け、その色彩、様々なデザイン性のある文字、模様、彩色などを施すことにより使用していて楽しくなるような、また使用時にその彩色、表示されたデザインなどのインパクト性によりオートバイ自体をもより際立たせるような、更に広告宣伝用の露出媒体としても利用され、且つその製造時にもシンプルな構成により所要製造工程が少なくて済むオートバイ駐輪時などでの保管中のヘルメットを降雨、砂塵、ホコリなどからまもるためのヘルメット保護カバーを提供することを目的としている。
【0009】
本発明は、また前記目的の他に工場、工事現場を始めとした事業所で建屋の屋内若しくは屋外の壁などに設置されたホルダー若しくはフックにあご紐により吊り下げて保安用ヘルメットを保管する場合、又は一般家庭で建屋の屋内若しくは屋外の壁などに設置されたホルダー若しくはフックにあご紐により吊り下げて防災用ヘルメットを保管する場合に、これらのヘルメットを降雨、砂塵、ホコリなどからまもるための軽量で、使用時にセットし易く、未使用時の収納性、携帯性に優れ、その色彩、様々なデザイン性のある彩色などにより使用していて楽しく、またその使用によって中に保管されているヘルメットの識別性がより高まるような、且つその製造時にもシンプルな構成により所要製造工程が少なくて済むヘルメット保護カバーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記の目的を達成するためになされたものであり、以下に課題を解決するための各手段を記載する。
【0011】
請求項1に係る発明は、ヘルメットを包む袋状の防水素材のシートよりなるカバー本体と、このカバー本体の任意の場所に設けられたこのヘルメットのあご紐を外に出し入れできる開口部と、前記カバー本体にあってこの開口部とは別の場所に設けられた前記ヘルメットを出し入れできる開閉部とを有するヘルメット保護カバーにおいて、前記カバー本体の前記開口部周縁又は該開口部周縁から外側に離れた任意の外周の箇所より連結された、前記ヘルメットのあご紐をこの中を通し外に出し入れ可能な中空部を持つ連結体を設けることにより、あご紐を含めてヘルメットを雨水やホコリから保護することを特徴としている。
【0012】
この中空部を持つ連結体は、前記カバー本体の前記開口部周縁又は該開口部周縁から外側に離れた任意の外周の箇所より外側に向けて連結されたもので、前記ヘルメットのあご紐を前記カバー本体の中(内側)から中空部を通しヘルメットカバーの外に出し入れできるものであり、その素材としては防水素材のシート、防水性の有る伸縮性素材、ゴム、合成樹脂、金属、又は木材が使用され得る。勿論前記連結体は、中が空洞でヘルメットのあご紐を通すことができるものであれば、円柱形に限らず先の狭まったスカート型のものでも角柱形などを含めた様々な形のものでもよい。
【0013】
請求項1による発明では、前記ヘルメット保護カバー自体で中に収納するヘルメットの重量とこの保護カバー自体の重量の両方を保持して、ホルダー又はフックに吊り下げて保管するといった方法は取らず、まず重量の重いヘルメット自体はこのヘルメットに付設のあご紐によりホルダー又はフックに吊り下げることで保持し、前記保護カバーはこの吊り下げられたヘルメットの上に乗っている状態で前記ヘルメットをそれ自体の防水素材のシートで覆い、収納保管中のヘルメットを降雨、砂塵、ホコリなどから保護する方式とした。
【0014】
保護カバーの素材として用いる防水素材のシートとは、通常雨具等に使用され得る実質的に水を透さないシート状の材料をいう。例えばポリエステル、ナイロン等の合成繊維に防水又は撥水加工を施したもの、ポリ塩化ビニール、ポリエチレン等の合成樹脂製のシート又はフィルム、ゴム引き地などの防水加工を施した布、耐水紙などの耐水性の有る紙などを使用することが出来るし、また透湿防水素材のもの等、雨具に使用するに好適な種々の材料を使用することができる。
【0015】
請求項1の構成によれば、大変シンプルな構造ではあるが、前記ヘルメット保護カバーの開閉部を開き、まずヘルメットのあご紐を前記ヘルメット保護カバーの前記開口部から抜けて外に出るようにしながら、このヘルメットの本体を前記ヘルメット保護カバーの中に収納し、前記開閉部を閉め、その後ホルダー又はフックに前記開口部から外に出ている前記あご紐により吊り下げて収納保管することで、前記ヘルメット保護カバーが収納、保護している前記ヘルメット本体の重量を支える必要なしに、中の前記ヘルメット本体を降雨、砂塵、ホコリなどからまもることが可能となった。また、このヘルメット保護カバーは、軽量で使用時にセットし易く、未使用時には折りたたんでも嵩張らず、収納性、携帯性に優れ、洋服のポケット、バッグなどに入れて手軽に持ち歩ける。また、前記へルメットのあご紐を前記連結体で覆うことになるので、それだけこのあご紐の前記連結体で覆われている部分が多くなり、糸で編まれている前記あご紐への雨水のしみ込みが減って、前記ヘルメット保護カバー内部への雨水の侵入をより防ぐことが可能となった。
【0016】
なお、ヘルメット本体を前記ヘルメット保護カバーの中に収納しながら、又は収納した後にまずホルダー又はフックに前記開口部から外に出ている前記あご紐により吊り下げ、その後に前記開閉部を閉めて保管してもよい。また前記あご紐はDリング又はワンタッチバックルが付設されているものでも、Dリングとワンタッチバックルの両方が付設されているものでもかまわないし、前記あご紐にDリングが付いている場合であればこのDリングによりホルダー又はフックに吊り下げてヘルメットを保管してもよい。
【0017】
請求項2に係る発明は、前記請求項1に係る発明のヘルメット保護カバーにおいて、前記連結体が防水素材のシートよりなることを特徴としている。前記連結体をシート素材としたので、折り畳みやすく、これにより前記ヘルメット保護カバーはよりコンパクトに収納可能となりその収納性は向上した。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明のヘルメット保護カバーにおいて、前記連結体が防水性の有る伸縮性素材よりなることを特徴としている。これにより、例えば、記連結体の形状を根元が太く先が細いスカート形状にし、その先端の開口の大きさをこの素材の持つ伸縮性を利用することにより前記あご紐を前記連結体の中を通し外に出し入れできて、且つ前記あご紐が前記連結体の中を通り外に出た状態の時に前記連結体の先端の前記開口が前記あご紐を挟み銜えることができる大きさにすれば、前記あご紐による前記連結体の中での通過がスムースとなり収納保管セットもし易く、且つ前記連結体とヘルメットの前記あご紐との隙間を減らすことができるので、このヘルメット保護カバーの防水性、気密性をより高めることができる。
【0019】
請求項4に係る発明では、請求項1に係る発明のヘルメット保護カバーにおいて、前記連結体を、外側から着脱自在に挟むことができる挟持具を前記カバー本体又は前記連結体に紐・帯または鎖で連結したことを特徴としている。そして、この挟持具により前記ヘルメットのあご紐が前記連結体の中を通り該連結体の先端部から外に出ている状態で、該連結体を外側から着脱自在に挟むものである。勿論この前記ヘルメットのあご紐が前記連結体の中を通り該連結体の先端部から外に出ている状態とは、前記あご紐によりホルダー又はフックに吊り下げて前記ヘルメットを収納保管している時の状態でもよい。好適には前記挟持具により前記連結体を外側から挟む際は、前記連結体の先端部に何らかの手段又は部材を設けた場合を除き、前記連結体の先端部を着脱自在に挟み固定することが望ましい。
【0020】
請求項4に係る発明のヘルメット保護カバーの構成によれば、それぞれ以下のことが可能となった。即ちヘルメットを前記ヘルメット保護カバーの中に収納する際には、前記連結体の中を前記あご紐が通り易いように前記開口部及び前記連結体の内寸をある程度広く確保してたとえ大きめのワンタッチバックル付きのあご紐であってもこの中を通り易く収納保管セットし易くしておいて、収納保管セット後には前記連結体の先端部を挟持具で挟み固定することで該連結体の先端部での該連結体とヘルメットのあご紐との隙間を減らすことができるので、前記あご紐への雨水のしみ込み、垂れ下がりなどが減ると共に前記連結体の先端の開口への雨水の浸入も減り、ヘルメット保護カバーの防水性、気密性も高まって、該ヘルメット保護カバー内部への雨水、砂塵、ホコリの侵入をより防ぐことが可能となった。また、ヘルメットを吊り下げ収納保管する際に、前記連結体の先端部をこのヘルメットのあご紐のできるだけ上の部分で固定することができることになったし、前記連結体が自然にずり下がっていくことを防ぐこともできるようになったので、前記連結体により覆われ保護される範囲が大きくなり前記あご紐への雨水のしみ込みも減り、該ヘルメット保護カバー内部への雨水などの侵入をより防ぐことが可能となった。
【0021】
またヘルメットを前記あご紐に付設されているDリングによりホルダー又はフックに吊り下げて収納保管するのではなく、前記ヘルメットの両サイドより伸びている2本の前記あご紐同士を結び付けて、この結び付けられ1本に繋がれた状態の前記あご紐によりホルダー又はフックに吊り下げてヘルメットを保管する場合もあり、この場合には吊り下げられホルダー又はフックから2本に分かれて垂れ下がるあご紐同士の間隔が、該あご紐の付け根方向に下がっていくにつれてだんだん広がり離れていくことになり、この広がり離れていく力が前記連結体を内側から圧迫することになるが、前記挟持具で前記連結体を外側から強い力で挟み固定することによりこの広がり離れていく力の圧迫による前記連結体の素材の劣化を防ぐことができる。
【0022】
請求項5に係る発明では、請求項1に係る発明のヘルメット保護カバーにおいて、前記連結体に、蛇腹状箇所を設けたことを特徴としている。これにより、個々のヘルメットのあご紐に長い、短いの違いがあっても、前記連結体が伸縮機構を持つことになったので、このヘルメット保護カバーをヘルメットに取り付けセットする時に、吊り下げられた前記あご紐が短い場合には前記蛇腹状箇所を縮め、逆に長い場合には前記蛇腹状箇所を伸ばすことが可能となり、ヘルメットのあご紐の長さに対し許容範囲の広い対応が可能となった。またこの伸縮機構により、ヘルメットの収納保管時に前記連結体を前記挟持具で挟み固定する際など、該連結体を上に長く伸ばすことで該連結体の先端部をこのヘルメットのあご紐のできるだけ上の部分で固定するなど、前記連結体により覆われている前記あご紐の部分をその時々で大きくするように調整することができるので、前記連結体により保護できる範囲も大きくなり、前記あご紐への雨水のしみ込みが減って、このヘルメット保護カバー内部への雨水の侵入をより防ぐことが可能となった。
【0023】
請求項6に係る発明では、請求項1に係る発明のヘルメット保護カバーにおいて、前記連結体に、該連結体自体を開閉自在に縮め締めることができる締着手段を設けたことを特徴としている。この締着手段として、例えば、前記連結体の適所に2本の紐を括り付けてこの紐により前記あご紐が通っている前記連結体を結わいて縮め締めてしまうものとか、前記連結体の適所に表面のほぼ全てに面テープを設け裏面の先端部又はほぼ全てに面テープを設けた帯の根元の一端を縫着し、この帯を巻き締めて該帯に設けてあるこの面テープにより前記連結体自体を開閉自在に捲着するものであるとか、前記帯を捲着する手段として面テープに変えてボタン、スナップなどを用いたものであるとか、巾着のように前記連結体の先端の開口を紐又は帯でくくり、即ち前記連結体の先端の開口周縁に任意の一部分を除いて筒状部を形成し、この筒状部の中に紐又は帯を通して、該筒状部の二つの口からそれぞれ外に出ているこの紐若しくは帯を縮め結わき又は該紐若しくは帯を緩め解くことにより前記連結体の先端の開口を開閉自在に締着するものとか、が実施し得る。
【0024】
この前記連結体に前記表と裏に面テープを設けた帯を付設した場合などであれば、好適には前記連結体の先端部に何らかの手段又は部材を設けた場合を除き、この帯の根元の一端を該連結体の先端近くに縫着などにより設け、前記帯により前記連結体の先端近くを巻き締め、該帯の表面と裏面に設けられた面テープなどにより前記先端部を締着することが望ましい。
【0025】
この締着手段を設けることにより、前記連結体とヘルメットのあご紐との隙間を減らすことができるので、防水性、気密性に優れたヘルメット保護カバーとなった。
【0026】
請求項7に係る発明では、請求項6に係る発明のヘルメット保護カバーにおいて、前記連結体を縛ることにより縮め締めることができる紐又は帯を前記カバー本体又は前記連結体に設け、これを開閉自在の締着手段として前記連結体の先端の開口を開閉自在としたことを特徴としている。この場合好適には前記連結体の先端部を縛り、この先端部を縮め締めることができる紐又は帯を前記カバー本体又は前記連結体に設け、これを開閉自在の締着手段として前記連結体の先端の開口を開閉自在としたものが望ましい。
【0027】
これにより、前記ヘルメットのあご紐との隙間を減らすことができるので、防水性、気密性に優れたヘルメット保護カバーとなった。また前記連結体の先端部を縛り、この先端部を縮め締めることができる紐又は帯を前記カバー本体又は前記連結体に設け、これを開閉自在の締着手段として前記連結体の先端の開口を開閉自在としたものであれば、前記連結体の先端の開口を開閉自在としたことにより前記連結体と前記ヘルメットのあご紐との隙間を前記連結体の先端の開口において減らすことができるので、更に防水性、気密性に優れたヘルメット保護カバーとなった。
【0028】
請求項8に係る発明では、請求項6に係る発明のヘルメット保護カバーにおいて、前記連結体の任意の箇所に、巻き締めることにより前記連結体自体を開閉自在に捲着することができる面テープ又は面テープを取り付けた帯を付設したことを特徴としている。この場合、好適には前記連結体の先端部近くの任意の箇所に、前記連結体の先端部近くを巻き締めることができ、前記連結体の先端部自体を開閉自在に捲着することができる両面タイプの面テープ又は面テープを取り付けた帯を付設し、これを開閉自在の締着手段として前記連結体の先端の開口を開閉自在としたものが望ましい。
【0029】
これにより、前記連結体と前記ヘルメットのあご紐との隙間を減らすことができるので、防水性、気密性に優れたヘルメット保護カバーとなった。また前記連結体の先端部を巻き締めることができ、前記連結体の先端部自体を開閉自在に捲着することができる両面タイプの面テープ又は面テープを取り付けた帯を付設し、これを開閉自在の締着手段として前記連結体の先端の開口を開閉自在としたものであれば、前記連結体の先端の開口を開閉自在としたことにより前記連結体と前記ヘルメットのあご紐との隙間を前記連結体の先端の開口において減らすことができるので、更に防水性、気密性に優れたヘルメット保護カバーとなった。
【0030】
請求項9に係る発明は、請求項6に係る発明のヘルメット保護カバーにおいて、前記連結体の先端の開口を紐又は帯でくくり、これを開閉自在の締着手段として前記連結体の先端の開口を開閉自在としたことを特徴としている。これは巾着のように前記連結体の先端の開口周縁に任意の一部分を除いて筒状部を形成し、この筒状部の中に紐又は帯を通して、該筒状部の二つの口からそれぞれ外に出ているこの紐若しくは帯を縮め結わくこと又は該紐若しくは帯を緩め解くことにより前記連結体の先端の開口を開閉自在に締着するものである。これにより前記連結体と前記ヘルメットのあご紐との隙間を減らすことができるので、防水性、気密性に優れたヘルメット保護カバーとなった。
【0031】
請求項10に係る発明では、請求項4に係る発明のヘルメット保護カバーにおいて、前記連結体にひだを設けたことを特徴としている。これは前記連結体の一部分に内ひだ又は外ひだを設けたもので、例えば前記連結体の先端の開口周縁の一部を内ひだとし、この内ひだを前記連結体の付け根まで延長させて設けるか又はこの付け根に至る少し手前まで延長させて設けるもので、その延長させて設ける際は前記連結体の先端の開口周縁の一部から前記付け根又は前記付け根に至る少し手前となる前記延長の終着点にかけて徐々に前記内ひだの幅を狭めていき、この終着点となるダーツ止まりの箇所では前記内ひだはほとんど無くなりそこで縫いくくられているものもある。勿論前記内ひだを設けたとはいえダーツ止まりの箇所を始めとして内ひだ部分の全ては隙間なく縫製などにより塞がれるものなので、前記連結体及び前記カバー本体に雨水などの浸入をもたらす覆いの切れ目、部分的な欠落を新たに生じさせるものではない。
【0032】
これにより、ヘルメットを吊り下げ保管するためヘルメットを前記ヘルメット保護カバーに収納セットする際、請求項4に記載の挟持具あるいは別途用意した挟持具により、中に前記あご紐が通っている前記連結体を外側から挟み固定する時に、前記あご紐を例えば内ひだにあてがうとこの内ひだが一つの支え、ガイドとなり、前記あごを包みながら隙間少なく前記連結体を嵩張らずきれいに折り畳めることができることになるので、前記挟持具によりしっかりと前記連結体を挟み固定することができることになった。またヘルメットを前記ヘルメット保護カバーに収納セットする際の前記あご紐を前記カバー本体の開口部から前記連結体の中を通して該連結体の外に引き出す時に、内ひだを外側に引き開き該連結体の内寸を一時的に広げ、その広がっている該連結体の中に手又は指を入れて前記あご紐を引っ張り出すことにより、容易に該あご紐を前記連結体の外に出すことができることになった。
【0033】
請求項11に係る発明は、請求項1に係る発明のヘルメット保護カバーにおいて、前記連結体の先端周縁部に伸縮部材を組み込んだことを特徴としている。この伸縮部材とは天然ゴムの芯ゴムにカーボンを混ぜて耐久性を強化し、ポリエステルの皮糸で組んだアウトドア用のゴムロープなどの丸ゴム紐である。またこの場合前記連結体の形状を根元が太く先が細いスカート形状にし、前記伸縮部材を組み込んだ先端部の開口の大きさをこの素材の持つ伸縮性を利用することにより前記あご紐を前記連結体の中を通し外に出し入れできて、且つ前記あご紐が前記連結体の中を通り外に出た状態の時に、前記連結体の先端の開口が前記あご紐を挟み銜えることができる大きさにすることが望ましい。
【0034】
これにより、前記連結体と前記ヘルメットのあご紐との隙間を減らすことができるので、防水性、気密性に優れたヘルメット保護カバーとなった。
【0035】
請求項12に係る発明は、請求項1に係る発明のヘルメット保護カバーにおいて、前記連結体の先端部に、該連結体の中を通り該先端部より外に出ている前記ヘルメットのあご紐が開閉の妨げにならない程度の大きさの周縁の任意の箇所よりその内側にかけての開口を持つ開閉自在のキャップを設けたことを特徴としている。
【0036】
これにより前記連結体の先端部の前記キャップを閉めた時のキャップ蓋の開口とヘルメットのあご紐との隙間が小さいものであるため、前記連結体の先端部における防水性、気密性が高まり、前記ヘルメット保護カバー内部への雨水、砂塵、ホコリの侵入をより防ぐことが可能となった。
【0037】
請求項13に係る発明は、請求項1に係るヘルメット保護カバーにおいて、前記ヘルメットのあご紐を引っ掛けて吊り下げる先のホルダー又はフックの上部又は上方に着脱自在に付設できる防水性の有る傘状のカバーを設けたことを特徴としている。これは下端円周部一端と該下端円周部の他の箇所とを着脱自在に連結することが可能な連結帯を持ち、この連結帯により前記ヘルメットのあご紐を引っ掛けて吊り下げる先のホルダー又はフックの上部又は上方に着脱自在に付設できる防水素材のシート、ゴム、合成樹脂、金属、又は木材よりなる防水性の有る傘状のカバーを設けて、この防水性の有る傘状のカバーを前記ホルダー又はフックの上部又は上方に着脱自在に付設セットするものである。前記防水性の有る傘状のカバーの素材となるゴム、合成樹脂、金属、及び木材はそれぞれ板状のものでもよいし、金属及び木材の場合であればそれぞれ塗装されたものでもよい。また好適には前記連結帯は前記防水性の有る傘状のカバーの下端円周部一端と該下端円周部一端の円周上のほぼ反対側に位置する箇所とを着脱自在に連結するものであることが望ましい。
【0038】
請求項13に係る発明では、前記連結帯で傘状カバーを着脱自在に連結する際は、該連結帯を前記ヘルメットのあご紐を引っ掛けて吊り下げるホルダー又はフックに絡ませ、巻きつかせるなどして連結し、前記防水性の有る傘状のカバーがこのホルダー又はフックの上部又は上方の位置で安定して付設されることが望ましい。また前記防水性の有る傘状のカバーは、前記カバー本体又は前記連結体の任意の箇所より紐、帯、又は鎖を伸ばしその先に設けて紛失しにくくするのがよい。
【0039】
請求項13に係る発明によれば、この防水性の有る傘状のカバーを設けたことにより 、降雨による雨水が前記カバー本体の前記開口部又は前記連結体の先端の開口から前記ヘルメット保護カバー内部に入り込むことをより防ぐことができる。特にヘルメットが吊り下げられているホルダー又はフックの真上に雨水を遮るオートバイシートの縁などの遮蔽物が無い場合などは、この効果は更に大きくなる。
【0040】
以上課題を解決するための各手段につき述べてきたが、これらすべての場合において、ヘルメットのあご紐はDリング又はワンタッチバックルが付いているものでも、Dリングとワンタッチバックルの両方が付いているものでもかまわないし、またDリングが付いている場合であればDリングによりホルダー又はフックに吊り下げてヘルメットを保管してもかまわない。また本発明の前記ヘルメット保護カバーのこれまでの説明にあたり、前記あご紐をホルダー又はフックに引っ掛けることにより前記ヘルメットの吊り下げ保管することを前提とする記述としてきたが、この他にも前記あご紐を引っ掛けることができる突角のある部材等の様々なものに前記あご紐を引っ掛けて吊り下げることにより前記ヘルメットを収納保管する場合も勿論含むものである。
【発明の効果】
【0041】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次の効果が得られる。
【0042】
本発明のヘルメット保護カバーは、重量の重いヘルメット自体はこのヘルメットに付設のあご紐をホルダー又はフックに引っ掛けて吊り下げることにより保持し、このヘルメット保護カバー自体はこの吊り下げられたヘルメットの上に乗っている状態で、防水素材のシートで覆うことにより収納保管中のヘルメットを降雨、砂塵、ホコリなどから保護する方式とした。
【0043】
これによって、簡単な構造と薄く軽い防水素材のシートと開閉部での軽量な開閉具などによる大変シンプルな構成とにより、軽量で、使用時にセットし易く、未使用時には折りたたんでも嵩張らず収納性、携帯性に優れ、手軽に持ち歩け、且つ製造した場合にも所要製造工程が少なくて済むヘルメットの保護カバーとして提供することができることになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明のヘルメット保護カバーの実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。ここで、本発明による実施の形態は、すでに従来技術として記載されている、ヘルメットを包む袋状の防水素材のシートよりなるカバー本体と、このカバー本体の任意の場所に設けられたこのヘルメットのあご紐を外に出し入れ可能な開口部と、前記カバー本体にあってこの開口部とは別の場所に設けられたヘルメットを出し入れ可能な開閉部とを有するヘルメット保護カバーの構成(これを以下「基本のヘルメット保護カバーの構成」という)を基本として、これに新しい効果を生じさせる新たな構成要素を加えたものであるので、本発明による実施の形態の説明に入る前に、まず、この基本のヘルメット保護カバーの構成について、図1〜図7を用いて説明する。
【0045】
図1に示すように、基本のヘルメット保護カバーの構成は、ヘルメットを包む袋状の防水素材のシートよりなるカバー本体1の任意の場所に、ヘルメットのあご紐を前記カバー本体の中(内側)から外に出し入れできる開口部63を設け、更にこのカバー本体1にあってこの開口部63とは別の場所に前記ヘルメットを前記カバー本体の中(内側)に出し入れ可能な幅で切り開かれ、開閉具により開閉自在となった開閉部3(図1では閉じた状態)を設けるようになっている。この場合、あご紐はDリング又はワンタッチバックルが付いているものでも、Dリングとワンタッチバックルの両方が付いているものでもかまわないし、またDリングが付いている場合であればDリングによりヘルメットホルダーを含めたホルダー又はフックに吊り下げてヘルメットを保管してもかまわない。
【0046】
このカバー本体1は防水素材のシートにより作られるが、その防水素材のシートとは、通常雨具等に使用され得る実質的に水を透さないシート状の材料をいう。例えばポリエステル、ナイロン等の合成繊維に防水又は撥水加工を施したもの、ポリ塩化ビニール、ポリエチレン等の合成樹脂製のシート又はフィルム、ゴム引き地などの防水加工を施した布、耐水紙などの耐水性の有る紙などを使用することが出来るし、また透湿防水素材のもの等、雨具に使用するに好適な種々の材料を使用することができる。
【0047】
このカバー本体1の素材が、図1で一例として示された縫い目4のような形に裁断された防水素材のシートであり、ポリエステル・ナイロン等の合成繊維に防水若しくは撥水加工を施したもの又はポリエチレン等の合成樹脂製のシート若しくはフィルムなどの素材であれば、縫製により製作してもよいし、ポリ塩化ビニール素材であればウェルダーミシンによる溶着などにより製作してもよく、また耐水紙であれば耐水性を持ち高粘度の酢ビ系糊を使った接着により製作してもよいし、エチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートさせたラミネート紙であればヒートシールによる熱圧着により製作してもよい。縫製による製作の場合であれば、好適には縫い合わせ部分にシーミングテープを巻き込んで、アイロンにより熱圧着しておくことが防水性をより高めるために望ましいし、またポリ塩化ビニール素材のシート又はフィルムの場合であれば、その素材表面にエンボス加工がなされ、このポリ塩化ビニール素材のシート又はフィルムと収納保管するヘルメットとが引っ付きにくくなっていることが望ましい。
【0048】
開閉部3の開閉具には、ファスナーが利用され得るが、開閉部3に打合い(重ね合わせ)部分を設ければ、面テープ、ボタン、スナップ、ホックなども使用され得る。好適にはファスナーであれば止水ファスナーが望ましいし、止水ファスナー以外のファスナー、面テープ、ボタン、スナップ、ホックなどが使用される場合であれば前記開閉部3が防水素材のシートよりなる比翼仕立になっていて、そこに面テープなどを設けて比翼仕立になっている部分を開閉自在に締着できるものとすることが望ましい。
【0049】
図2〜図5は開閉部3が開いた状態でのそれぞれ正面図、側面図、上面図、底面図である。
【0050】
図6は、オートバイ駐輪時に前記ヘルメット保護カバーを使用した状態を示す透視斜視図である。オートバイ用ヘルメット本体5を前記ヘルメット保護カバーの中に収納する際は、オートバイ用ヘルメット本体5より伸びているあご紐6を開口部63から外に出した後、あご紐6に付設されているDリング7をオートバイに設けられているヘルメットホルダー8に吊り下げ施錠し、その後開閉部3の止水ファスナーを閉めてヘルメットの収納保管セットが完了する。なお、ヘルメットの収納保管セットの手順はこれに限らないし、ヘルメットホルダー8ではなくフックが設置されている場合にはフックに吊り下げてもよいし、ヘルメットホルダー8又はフックにはDリング7の付いていないあご紐6により吊り下げてもよい。
【0051】
図6は、基本のヘルメット保護カバーの構成による使用の一例を示しているが、本発明のヘルメット保護カバーのオートバイ用ヘルメットへの使用の範囲はこの駐輪時に限るものではなく、オートバイの側面に付設されているヘルメットホルダー8以外の壁面等に設置されたホルダー又はフックなどにオートバイ用ヘルメットを吊り下げて収納保管する場合などにも広く使用できる。
【0052】
図7は、基本のヘルメット保護カバーの構成による事業所での使用の例を示すもので、保安用ヘルメットに前記ヘルメット保護カバーを使用した状態での透視斜視図である。保安用ヘルメット本体9をヘルメット保護カバーの中に収納保管する際は、保安用ヘルメット本体9より伸びているあご紐6を開口部63から外に出した後、壁面等に設けられているフック10に吊り下げ、その後開閉部3の止水ファスナーを閉めて収納保管の取り付けが完了する。なお、収納保管セットの手順はこれに限らない。また、あご紐6をフック10ではなくホルダーに吊り下げてもよいし、あご紐6をホルダー又はフック10にあご紐6に付設されているDリング7により吊り下げてもよい。
【0053】
次に、本発明による第1〜第3の実施の形態について、図8〜図15を用いて説明する。図8及び図15に示すように、第1の実施の形態は、基本のヘルメット保護カバーの構成において、カバー本体1の開口部周縁2又は該開口部周縁2から外側に離れた任意の外周の箇所65(図15参照)より外側に向けて連結された、ヘルメットのあご紐6をこの中を通し外に出し入れ可能な中空部30を持つ連結体31を新たに設けたものである。第2の実施の形態は、この連結体31を防水素材のシートにより作成したものであり、第3の実施の形態は、この連結体31を防水性の有る伸縮性素材により構成したものである。
【0054】
図9〜図12は、第1の実施態様において、開閉部3が開いた状態をそれぞれ示した正面図、側面図、上面図及び底面図である。
【0055】
図13は、オートバイ駐輪時に第1の実施の形態によるヘルメット保護カバーを使用した状態を示す透視斜視図である。オートバイ用ヘルメット本体5を前記ヘルメット保護カバーの中に収納保管する際は、オートバイ用ヘルメット本体5より伸びているあご紐6を連結体31の中を通し外に出した後、あご紐6に付設されているDリング7をオートバイの側面に設けられているヘルメットホルダー8に吊り下げ施錠し、その後開閉部3の止水ファスナーを閉めて収納保管セットが完了する。
【0056】
図13では、第1の実施の形態のヘルメット保護カバーの使用の一例を示しているが、本発明によるヘルメット保護カバーは、オートバイ駐輪時に限るものではなく、壁面等に設置されたホルダー又はフック10などにオートバイ用ヘルメットを吊り下げて保管する場合などにも広く使用できる。
【0057】
図14は、第1の実施の形態によるヘルメット保護カバーを事業所で保安用ヘルメットに使用した状態を示す透視斜視図である。保安用ヘルメット本体9をヘルメット保護カバーの中に収納保管する際は、保安用ヘルメット本体9より伸びているあご紐6を連結体31の中を通し外に出した後、あご紐6を壁面等に設けられているフック10に吊り下げ、その後開閉部3の止水ファスナーを閉めて保管取り付けが完了する。なお、本発明によるヘルメット保護カバーは、保安用ヘルメットだけでなく一般家庭での防災用ヘルメットに使用されてもよい。
【0058】
図16は、第3の実施の形態によるヘルメット保護カバーの一例を示す透視斜視図である。この第3の実施の形態によるヘルメット保護カバーは、連結体31の素材が防水性の有る伸縮性素材であるため、連結体31の形状を根元が太く先が細くなるスカート形状にし、その先端の開口の大きさをこの素材の持つ伸縮性を利用することによりあご紐6を連結体31の中を通し外に出し入れできて、且つあご紐6が連結体31の中を通り外に出た状態の時に連結体31の先端の開口があご紐6を挟み銜えることが可能な大きさにすることができるものである。これによりあご紐6による連結体31の中での通過がスムースとなり収納保管セットもし易く、且つ連結体31とヘルメットのあご紐6との隙間を減らすことができるので、このヘルメット保護カバーの防水性、気密性をより高めることができる。
【0059】
図17は、第4の実施の形態によるヘルメット保護カバーを、オートバイ駐輪時に使用した状態を示す透視斜視図である。第4の実施の形態については、第1の実施の形態におけるヘルメット保護カバーにおいて、連結体31を外側から着脱自在に挟むことのできる挟持具32を設けたものである。挟持具32とカバー本体1又は連結体31とを、図示していない連結紐あるいは帯又は鎖で連結させて紛失しにくくしておくとよい。挟持具32は好適にはピンチを使用するが、クリップなど挟めるものなら様々なものでよい。なお、挟持具32により連結体31を外側から挟む際は、連結体31の先端部に何らかの手段又は部材を設けた場合を除き、連結体31の該先端部を挟み固定することが望ましい。
【0060】
第4の実施の形態によれば、ヘルメットをヘルメット保護カバーの中に収納保管する際には、連結体31の中をあご紐6が通り易いように開口部63及び連結体31の内寸をある程度広く確保することによって、大きめのワンタッチバックル付きのあご紐6であっても収納し易くしておき、収納後には連結体31を挟持具32で挟み固定することによって、連結体31の先端部での連結体31とヘルメットのあご紐6との隙間を減らすことができるので、あご紐6への雨水のしみ込み、垂れ下がりなどが減ると共に連結体31の先端の開口への雨水の浸入も減り、ヘルメット保護カバーの防水性、気密性も高まって、該ヘルメット保護カバー内部への雨水、砂塵、ホコリの侵入をより防ぐことが可能となった。また、ヘルメットを吊り下げ収納保管する際に、連結体31の先端部をこのヘルメットのあご紐6のできるだけ上の部分で固定することができることになり、連結体31が自然にずり下がっていくことを防ぐこともできるようになったので、連結体31により覆われ保護される範囲が大きくなりあご紐6への雨水のしみ込みも減り、ヘルメット保護カバー内部への雨水などの侵入をより防ぐことが可能となった。
【0061】
さらに、ヘルメットをあご紐6に付設されているDリング7によりヘルメットホルダー8又はフック10に吊り下げて収納保管するのではなく、ヘルメットの両サイドより伸びている2本のあご紐6同士を結び付けて、この結び付けられ1本に繋がれた状態のあご紐6をヘルメットホルダー8又はフック10に吊り下げてヘルメットを収納保管する場合もあり、この場合にはヘルメットホルダー8又はフック10に吊り下げられ両側から垂れ下がる2本のあご紐6同士の距離があご紐6の付け根に向かってだんだん広がっていくために、この広がり離れていく2本のあご紐2が連結体31を内側から圧迫することになるが、挟持具32で連結体31を強い力で挟み固定することにより、この圧迫による連結体31の素材の劣化を防ぐことができる。
【0062】
図18は、第5の実施の形態によるヘルメット保護カバーのオートバイ駐輪時の使用状態を示した透視斜視図である。第5の実施の形態によるヘルメット保護カバーは、第1の実施の形態によるヘルメット保護カバーにおいて、連結体31に新たに蛇腹状箇所33を設けたものである。連結体31にこの蛇腹状箇所33を設ける場合、好適には連結体31の付け根の部分と先端部との間の中間部分を蛇腹状とすることが望ましいが、連結体31の全てを蛇腹状としても、連結体31の付け根の部分以外を蛇腹状としても、該連結体31の先端部以外の部分を蛇腹状としても、また該連結体31の付け根から先端部への途中の複数部分を蛇腹状とするものでもよい。
【0063】
第5の実施態様によるヘルメット保護カバーは、連結体31が蛇腹上箇所33を備えることにより伸縮機構を持つことになったので、収納するヘルメットのあご紐6に長い、短いの違いがあっても、吊り下げられたあご紐6が短い場合には蛇腹状箇所33を縮め、逆に長い場合には蛇腹状箇所33を伸ばすことにより、ヘルメットのあご紐6の長さに対し許容範囲の広い対応が可能となった。また、第4の実施の態様において、挟持具32で連結体31を挟む場合、この伸縮機構を設けることにより、連結体31を上に長く伸ばすことで連結体31の先端部をこのヘルメットのあご紐6のできるだけ上の部分で挟み固定することができることになったので、連結体31によりあご紐6を保護できる範囲も大きくなりあご紐6への雨水のしみ込みが減って、このヘルメット保護カバー内部への雨水の侵入をより防ぐことが可能となった。
【0064】
第6の実施の形態によるヘルメット保護カバーは、第1の実施の形態によるヘルメット保護カバーにおいて、連結体31自体を開閉自在に縮め締める締着手段を設けたものであり、図19〜図21は、第6の実施形態の具体的な構成の一例をそれぞれ示したものである。
【0065】
図19は、第7の実施の態様を示したものであり、第6の実施の態様における締着手段を、連結体31の任意の箇所に設けた連結体31を結わくことにより縮め締めることができる紐38又は帯で構成し、これにより連結体31を開閉自在として、あご紐6が通過している連結体31を紐38又は帯で縮め締めることにより連結体31とあご紐6との隙間を少なくしてヘルメット保護カバー内部への雨水などの侵入をより防ぐものである。
【0066】
図20は、第8の実施の態様を示したものであり、第6の実施の態様における締着手段を、連結体31の適所に一端37を縫着した帯36であってその表面34のほぼ全てに面テープ16を設けその裏面35の先端部にフックとループにおける対の面テープ16を設けた帯36で構成し、この帯36を巻き締めて帯36に設けてあるこの面テープ16により連結体31自体を開閉自在に捲着することにより連結体31とあご紐6との隙間を少なくしてヘルメット保護カバー内部への雨水などの侵入をより防ぐものである。なお、帯36の裏面35のほぼ全てにフックとループにおける対の面テープ16を設けたものでもよいし、フックとループを裏表に併せ持った両面タイプの面テープ自体の一端を連結体31の適所に縫着して設けるものでもよい。また、帯36により捲着する手段としての面テープ16に変えてボタン、スナップなどを用いたものでもよい、
図21は、第9の実施の形態を示したものであり、第6の実施の形態における締着手段を、巾着のように連結体31の先端の開口を紐38又は帯でくくり(すなわち連結体31の先端の開口周縁に任意の一部分を除いて筒状部を形成し)、この筒状部の中を通って該筒状部の二つの口からそれぞれ外に出ているこの紐38若しくは帯により構成し、紐38又は帯を縮め結わくこと又は該紐38若しくは帯を緩め解くことにより連結体31の先端の開口を開閉自在に締着することにより、連結体31とあご紐6との隙間を少なくしてヘルメット保護カバー内部への雨水などの侵入をより防ぐものである。
【0067】
ここで、第7の実施の形態の場合であれば、好適には連結体31の先端部に何らかの手段又は部材を設けた場合を除き、連結体31を結わくことにより縮め締めることができる紐38又は帯の片端を連結体31の先端近くに縫着などにより設け、紐38又は帯により連結体31の先端近くを縮め締めることが望ましい。
【0068】
また、第8の実施の形態の場合であれば、好適には連結体31の先端部に何らかの手段又は部材を設けた場合を除き、この帯36の根元の一端37を該連結体31の先端近くに縫着などにより設け、帯36により連結体31の先端近くを巻き締め、該帯36の表面34と裏面35に設けられた面テープ16などにより連結体31の先端部を締着することが望ましい。
【0069】
これらの第6〜第8の実施の形態の場合であれば、連結体31とヘルメットのあご紐6との隙間を減らすことができるので、防水性、気密性に優れたヘルメット保護カバーとなった。
【0070】
図22及び図23は、それぞれ第10の実施の形態によるよヘルメット保護カバーの部分拡大透視斜視図及び透視斜視図である。この第10の実施の形態は、図22及び図23に示すように、第1の実施の形態におけるヘルメット保護カバーにおいて、連結体31に内ひだ41を設けたことを特徴としている。これは連結体31の先端の開口周縁の一部を内ひだ41とし、この内ひだ41を連結体31の付け根42に至る少し手前まで延長させて設けたもので、その延長させて設ける際は連結体31の先端の開口周縁の一部から付け根42に至る少し手前となる延長の終着点にかけて徐々に内ひだ41の幅を狭めていき、この終着点となるダーツ止まりの箇所43では内ひだ41はほとんど無くなりそこで縫いくくられているものである。なお、内ひだ41を連結体31の付け根42に至る少し手前までより更に延長させ、連結体31の付け根42まで延長させて設けて、ここをダーツ止まりの箇所43として該ダーツ止まりの箇所43を縫いくくるものでもかまわない。またこの場合、内ひだ41のかわりに外ひだを設けるものでもかまわない。
【0071】
この内ひだ41の製作処理及びこのダーツ止まりのくくり処理を行う方法は、縫着に限らず溶着であっても、連結体31との一括での一体成形処理によるものでもかまわない。また、内ひだ41を設けた連結体31のダーツ止まりの箇所43は縫着などにより隙間なく塞がれるものなので、内ひだ41を設けたとはいえ連結体31及びカバー本体1に雨水などの浸入をもたらす覆いの切れ目、部分的な欠落を新たに生じさせるものではない。
【0072】
内ひだ41を設ける場合、好適には内ひだ41を連結体31の先端の開口周縁の一部から付け根42に至る少し手前までとして延長させて設け、残った連結体31の付け根42とこの付け根42に至る少し手前までの間、即ち内ひだ41のない部分に蛇腹状箇所33を設け、連結体31に伸縮機構を持たせることで長いあご紐6から短いあご紐6までの様々なあご紐6を持つヘルメットへの幅広い対応が可能なヘルメット保護カバーとすることが望ましい。
【0073】
これにより、ヘルメットを吊り下げ収納保管するためヘルメットをヘルメット保護カバーに収納保管セットする際、挟持具(第4の実施の態様のようにヘルメット保護カバーに挟持具が取り付けられている場合でもよいし、別途挟持具を用意して用いる場合でもよい)により中にあご紐6が通っている連結体31を外側から挟み固定する場合は、あご紐6を内ひだ41にあてがうとこの内ひだ41が一つの支え、ガイドとなり、あご6を包みながら隙間少なく連結体31を嵩張らずきれいに折り畳めることができることになるので、よりしっかりと連結体31を挟み固定することができることになった。またヘルメットをヘルメット保護カバーに収納保管セットする際のあご紐6をカバー本体1の開口部63から連結体31の中を通して該連結体31の外に引き出す時に、内ひだ41を外側に引き開き該連結体31の内寸を一時的に広げ、その広がっている該連結体31の中に手又は指を入れてあご紐6を引っ張り出すことにより、容易にあご紐6を連結体31の外に出すことができるようになった。
【0074】
図24は、第11の実施の形態によるヘルメット保護カバーを示す透視斜視図である。第11の実施の形態によるヘルメット保護カバーは、第1の実施の形態におけるヘルメット保護カバーにおいて、連結体31の先端周縁部に伸縮部材44を組み込んだものである。この伸縮部材44とは天然ゴムの芯ゴムにカーボンを混ぜて耐久性を強化し、ポリエステルの皮糸で組んだアウトドア用のゴムロープなどの丸ゴム紐である。この場合、連結体31の形状を根元が太く先が細くなるスカート形状にし、この伸縮部材44を組み込んだ先端部の開口の大きさをこの素材の持つ伸縮性を利用することにより、あご紐6を連結体31の中を通し外に出し入れできて、且つあご紐6が連結体31の中を通り外に出た状態の時に連結体31の先端の開口があご紐6をちょうど挟み銜えることができる大きさにすることが望ましい。
【0075】
これにより、連結体31とヘルメットのあご紐6との隙間を減らすことができるので、防水性、気密性に優れたヘルメット保護カバーとなった。
【0076】
図25および図26は、それぞれ第12の実施の形態のヘルメット保護カバーの部分拡大斜視図及び斜視図である。この第12の実施の形態は、第1の実施の形態におけるヘルメット保護カバーにおいて、連結体31の先端部に、連結体31の中を通り該先端部より外に出ている状態のヘルメットのあご紐6が開閉の妨げにならない程度の大きさで周縁の任意の箇所よりその内側にかけて開口された開口45を持つキャップ蓋64を有する開閉自在の合成樹脂よりなるキャップ46を設けたものである。このキャップ蓋64と共にその対となる合成樹脂よりなるキャップの受け47を設け、ヒンジ部48により開閉させるものでもよいし、このキャップの受け47の部分に溝を利用したスライドできるレール機構を設け、キャップ蓋64をキャップの受け47に対し水平にスライドさせて開口部63を開閉するなどの別方式のものでもよい。このキャップ蓋64やキャップの受け47、さらに場合によってはヒンジ部48の素材としては、この合成樹脂の他にゴム、金属、又は木材が使用し得る。この素材が金属及び木材の場合であれば、それそれ塗装されたものでもよい。
【0077】
これにより、連結体31の先端部に設けられたキャップ46を閉めた時のキャップ蓋64の開口45とヘルメットのあご紐6との隙間が小さいものであるために、開口部63における防水性、気密性が高まり、ヘルメット保護カバー内部への雨水、砂塵、ホコリの侵入をより防ぐことが可能となった。
【0078】
図27は、第13の実施の形態のヘルメット保護カバーを示す透視斜視図である。第13の実施の形態は、第1の実施の形態におけるヘルメット保護カバーにおいて、カバー本体1又は連結体31の任意の箇所より連結紐29を伸ばし、この伸ばした先にヘルメットのあご紐6を引っ掛けて吊り下げる先のヘルメットホルダー8の上方に、着脱自在に付設できる防水性の有る傘状のカバー52を設けたものである。また、これは下端円周部一端49と該下端円周部一端49の円周上のほぼ反対側に位置する箇所50とを着脱自在に連結することが可能な連結帯51を持ち、この連結帯51によりヘルメットのあご紐6を引っ掛けて吊り下げる先のヘルメットホルダー8の上方に着脱自在に付設できる防水素材のシートよりなる防水性の有る傘状のカバー52を設けて、この防水性の有る傘状のカバー52をヘルメットホルダー8の上方に雨水を遮るために着脱自在に付設セットするものである。この場合、連結紐29のかわりに帯又は鎖を用いてもよいし、ヘルメットホルダー8の上方ではなく上部に付設するもでも、またヘルメットホルダー8のかわりにフック10の上部又は上方に付設するものでもよい。
【0079】
図27で示す実施の形態では、防水素材のシートを裁断し、この防水性の有る傘状のカバー52の縫い目4のところで縫うことで、防水性の有る傘状のカバー52を形成しているが、防水性の有る傘状のカバー52の素材としてはこの防水素材のシートの他にゴム、合成樹脂、金属、又は木材が使用され得る。この防水性の有る傘状のカバー52の素材となるゴム、合成樹脂、金属、及び木材はそれぞれ板状のものでもよいし、金属及び木材の場合であればそれぞれ塗装されているものでもよい。
【0080】
連結帯51は、好適には下端円周部一端49の箇所で縫着されその先端部分には面テープが付けられた帯と下端円周部一端49の円周上のほぼ反対側に位置する箇所50に設けられている面テープとを着け合わせて着脱自在に連結するものが望ましいが、この面テープにかえてボタン、スナップ、ホックなどを使用するものでもよい。また、下端円周部一端49の箇所に連結帯51を付ける手段は縫着に限らない。
【0081】
連結帯51で下端円周部一端49と該下端円周部一端49の円周上のほぼ反対側に位置する箇所50とを連結する際は、連結帯51をヘルメットのあご紐6を引っ掛けて吊り下げる先のヘルメットホルダー8又はフック10の例えば金具などの適所に絡ませ巻きつかせるなどして連結し、防水性の有る傘状のカバー52がこのヘルメットホルダー8又はフック10の上部又は上方の位置でずり落ちないように安定して付設セットされることが望ましい。防水性の有る傘状のカバー52をヘルメットホルダー8又はフック10の上部又は上方に着脱自在に付設させる手段は、連結帯51に限らず防水性の有る傘状のカバー52にピンチ、クリップなどの挟持具を設けてこれにより着脱自在に付設するものでもよい。防水性の有る傘状のカバー52は、カバー本体1の任意の箇所ではなく連結体31の任意の箇所より連結紐29、帯、又は鎖を伸ばし、この伸ばした先に付設して紛失しにくくしてもよいし、直接連結しないで単独でヘルメット保護カバーの付属品として提供されるものでもよい。
【0082】
この防水性の有る傘状のカバー52を設けることにより、降雨による雨水がカバー本体1の開口部2又は連結体31の先端部の開口からヘルメット保護カバー内部に入り込むことをより防ぐことができる。特にヘルメットが吊り下げられているヘルメットホルダー8又はフック10の真上に雨水を遮るオートバイシートの縁などの遮蔽物が無い場合などは、この効果は更に大きくなる。
【0083】
図28は、その他の実施の形態の一例を示す斜視図であり、第1の実施の形態におけるヘルメット保護カバーにおいて、カバー本体1の開閉部3の開閉具を止水ファスナーなどのファスナー53とし、このファスナー53の下止から上止54へ向かった場合にこの上止54の先方に当たるカバー本体1における適所にマグネットの付いた部材55を付設し、ファスナー53を閉めた状態でこのマグネットの付いた部材55とファスナー53のスライダー又はこのスライダーのつまみ部分56に付設したマグネットの付いた部材55とをそのマグネットの磁力により付けたり逆に手で強く引き離したりするものである。
【0084】
そして、この実施の形態のヘルメット保護カバーとしてはこの他に、例えば(1)カバー本体1の開閉部3の開閉具を止水ファスナーなどのファスナー53とし、このファスナー53の下止から上止54へ向かった場合にこの上止54の先方に当たるカバー本体1における任意の箇所に金属、合成樹脂、又は木材よりなるリングなどの貫通孔を有する部材を付設し、ファスナー53を閉めた状態でこの貫通孔を有する部材とファスナーのスライダーのつまみ部分56の貫通孔又はこのスライダー若しくはこのつまみ部分に付設した貫通孔を有する部材とを南京錠などの錠前により着脱自在に締めて、開閉部3を施錠可能としたもの、(2)開閉部3を防水素材のシートよりなる比翼仕立にして開閉部3を覆う場合にこの比翼仕立の周縁部及びその対面となるカバー本体1の部分にボタン受けとその対のボタンを、又は周縁部内側及びその対面となるカバー本体1の部分に面テープ、スナップ、ホックなどを設けて開閉部3を更に外側から開閉自在に締着するものなどがある。
【0085】
これらの実施の形態のヘルメット保護カバーによれば、ヘルメット保護カバーはヘルメットがどんな位置で収納保管されていても何かの弾みで意図せず開閉部3が開いてしまうといったことも少なくなり、更に開閉部3を施錠可能とした場合には防犯性も増すことになる。
【0086】
図29は、さらに他の実施の形態によるのヘルメット保護カバーを示した斜視図である。この実施の形態のヘルメット保護カバーは、第1の実施の形態におけるヘルメット保護カバーにおいて、カバー本体1の開閉部3の開閉具を止水ファスナーなどのファスナー53とし、このファスナー53の下止から上止54へ向かった場合にこの上止54の先方に当たるカバー本体1における任意の箇所に金属、合成樹脂、又は木材よりなるリングなどの貫通孔を有する部材57を付設し、ファスナー53を閉めた状態でこの貫通孔を有する部材57とファスナー53のスライダーのつまみ部分56の貫通孔又はこのスライダー若しくはこのつまみ部分56に付設した貫通孔を有する部材57とを南京錠などの錠前58により着脱自在に締めて、開閉部3を施錠可能としたものである。これは何かの弾みで開閉具に緩みが生じ開閉部3が意図せず開いてしまうことを防ぐと共に、施錠可能とすることで防犯性を高めたものである。
【0087】
図30は、さらに他の実施の形態によるヘルメット保護カバーを示した透視斜視図であり、第1の実施の形態におけるヘルメット保護カバーにおいて、カバー本体1の内側に少なくともこのカバー本体1を収納することが可能なポケット59を設けたものである。勿論このポケット59はカバー本体1の内側に限らず外側に設けるものでもよい。またこのポケット59にはその入口を開閉自在に閉じることができるためのファスナー、面テープ、ボタン、スナップ、又はホックが設けられていることが望ましい。
【0088】
これにより、ヘルメット保護カバーはコンパクトに収納可能となり、その携帯性が更に向上し、どこにでも気軽に持ち歩ける利点が増した。
【0089】
図31は、さらに他の実施の形態によるヘルメット保護カバーのオートバイ駐輪時の使用状態を示した斜視図であり、第1の実施の形態におけるヘルメット保護カバーにおいて、カバー本体1の表面に文字60を描いたものである。勿論これは一例で少なくともカバー本体1の表面に、このような文字60だけではなく数字、ロゴマークなど様々なものを描いたものでも、彩色、写真プリントなどを施したものでも、またカバー本体1の表面が広告宣伝用の露出媒体として使用されているものでもかまわない。
【0090】
これによりオートバイ駐輪時の使用では、このヘルメット保護カバー表面の彩色、様々なデザイン性のある文字、数字、模様などの施しによりオートバイ自体をより引き立たせるし、使用していて楽しくもなる。また駐輪場に駐輪しているオートバイのサイドに吊り下げられたヘルメット保護カバーは多くの人達の目に触れることになるので、広告主は新たな広告宣伝用の露出媒体を得たことになる。事業所での使用では、このヘルメット保護カバーに或るグループ特有の文字、彩色、デザインなどを施すことにより、更に一層識別性が向上し、これによりたとえ違った種類のヘルメットを同じ場所に並べて吊り下げておいても、ヘルメット保護カバーの中に収納することによりヘルメットの組織別又はグループ別の分別保管が可能となった。
【0091】
図32に示した実施の形態によるヘルメット保護カバーは、オートバイ駐輪時の使用状態を示した透視斜視図であり、カバー本体1の開口部周縁2又は該開口部周縁2から外側に離れた任意の外周の箇所65より外側に向けて連結された連結体31を設け、連結体31を外側から挟み固定する挟持具32を設け、連結体31に蛇腹状箇所33を設け、開閉部3の開閉具をファスナー53とし、カバー本体1における任意の箇所に貫通孔を有する部材57を付設し、この貫通孔を有する部材57とファスナー53のスライダーのつまみ部分56の貫通孔又はこのスライダー若しくはこのつまみ部分56に付設した貫通孔を有する部材57とを錠前58により着脱自在に締めて開閉部3を施錠可能とし、カバー本体1の内側に少なくとも該カバー本体1を収納することが可能なポケット59を設けている。
【0092】
この実施の形態によれば、ヘルメット保護カバーは袋状の防水素材のシートよりなるカバー本体1によりヘルメットを包む一体型のシンプルな構造ではあるが、ヘルメットのあご紐6を連結体31で覆うこと、更に挟持具32により連結体31の先端部を挟み固定することでカバー内部への雨水、砂塵、ホコリの侵入を防ぎ、個々のヘルメットのあご紐6に長い、短いの違いがあっても、あご紐6の長さに対し許容範囲の広い対応が可能な、また何かの弾みで開閉部3が意図せず開いてしまうことを防ぎ更に該開閉部3を施錠可能として防犯性を高めた、そしてヘルメット保護カバー自体を折りたたみポケット59に入れればコンパクトに収納可能となり、その携帯性が更に向上してどこにでも気軽に持ち歩けることができるなどさまざまな利点を持つヘルメットを雨水、砂塵、ホコリからまもるためのヘルメット保護カバーとなった。
【0093】
図33は、第1の実施の形態における使用例の一例として、オートバイ駐輪時に本発明のヘルメット保護カバーを使用した状態の遠景斜視図である。図33ではオートバイ本体61の側面に付設されているヘルメットホルダー8にカバー本体1に収納されているオートバイ用ヘルメット本体5から連結体31を通り外に伸びたあご紐6を引っ掛けることにより、吊り下げられたかたちでこのオートバイ用ヘルメットがヘルメット保護カバーの中に収納保管されている。
【0094】
図34は、第1の実施の形態における使用例の一例として、事業所の保安用ヘルメットに本発明のヘルメット保護カバーを使用した状態の遠景斜視図である。図34では壁面のボード62のフック10にカバー本体1に収納されている保安用ヘルメット本体9から連結体31を通り外に伸びたあご紐6を引っ掛けることにより、吊り下げられたかたちでこの保安用ヘルメットがヘルメット保護カバーの中に収納保管されている。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】基本のヘルメット保護カバーの構成の開閉部が閉じた状態の斜視図
【図2】基本のヘルメット保護カバーの構成の開閉部が開いた状態の正面図
【図3】基本のヘルメット保護カバーの構成の開閉部が開いた状態の側面図
【図4】基本のヘルメット保護カバーの構成の開閉部が開いた状態の上面図
【図5】基本のヘルメット保護カバーの構成の開閉部が開いた状態の底面図
【図6】基本のヘルメット保護カバーの構成のオートバイ用ヘルメットでの使用時の透視斜視図
【図7】基本のヘルメット保護カバーの構成の保安用ヘルメットでの使用時の透視斜視図
【図8】本発明の第1の実施の形態の開閉部が閉じた状態の斜視図
【図9】本発明の第1の実施の形態の開閉部が開いた状態の正面図
【図10】本発明の第1の実施の形態の開閉部が開いた状態の側面図
【図11】本発明の第1の実施の形態の開閉部が開いた状態の上面図
【図12】本発明の第1の実施の形態の開閉部が開いた状態の底面図
【図13】本発明の第1の実施の形態のオートバイ用ヘルメットでの使用時の透視斜視図
【図14】本発明の第1の実施の形態の保安用ヘルメットでの使用時の透視斜視図
【図15】本発明の第1の実施の形態の透視斜視図
【図16】本発明の第3の実施の形態の透視斜視図
【図17】本発明の第4の実施の形態のオートバイ用ヘルメットでの使用時の透視斜視図
【図18】本発明の第5の実施の形態の保安用ヘルメットでの使用時の透視斜視図
【図19】本発明の第7の実施の形態の斜視図
【図20】本発明の第8の実施の形態の斜視図
【図21】本発明の第9の実施の形態の斜視図
【図22】本発明の第10の実施の形態の部分拡大透視斜視図
【図23】本発明の第10の実施の形態の透視斜視図
【図24】本発明の第11の実施の形態の透視斜視図
【図25】本発明の第12の実施の形態の部分拡大斜視図
【図26】本発明の第12の実施の形態の斜視図
【図27】本発明の第13の実施の形態のオートバイ用ヘルメットでの使用時の透視斜視図
【図28】本発明の他の実施の形態の斜視図
【図29】本発明の他の実施の形態の斜視図
【図30】本発明の他の実施の形態の透視斜視図
【図31】本発明の他の実施の形態のオートバイ用ヘルメットでの使用時の斜視図
【図32】本発明の他の実施の形態の透視斜視図
【図33】本発明の第1の実施の形態のオートバイ駐輪時使用での遠景斜視図
【図34】本発明の第1の実施の形態の事業所での使用の遠景斜視図
【図35】従来技術としてのオートバイ駐輪時用のヘルメット保護袋の斜視図
【符号の説明】
【0096】
1 カバー本体
2 開口部周縁
3 開閉部
4 縫い目
5 オートバイ用ヘルメット本体
6 あご紐
7 Dリンク
8 ヘルメットホルダー
9 保安用ヘルメット本体
10 フック
11 防水性の有る伸縮性素材の幕
16 面テープ
29 連結紐
30 中空部
31 連結体
32 挟持具
33 蛇腹状箇所
34 帯の表面
35 帯の裏面
36 面テープ
37 帯36の根元の一端
38 紐
39 筒状部
40 筒状部39の口
41 内ひだ
42 連結体31の付け根
43 ダーツ止まりの箇所
44 伸縮部材
45 キャップの開口
46 キャップ
47 キャップの受け
48 ヒンジ部
49 傘状のカバーの下端円周部一端
50 傘状のカバーの下端円周部一端の円周上のほぼ反対側の箇所
51 連結帯
52 防水性の有る傘状のカバー
53 ファスナー
54 ファスナーの上止
55 マグネットの付いた部材
56 スライダーのつまみ部分
57 貫通孔を有する部材
58 錠前
59 ポケット
60 描かれた文字
61 オートバイ本体
62 壁面のボード
63 開口部
64 キャップ蓋
65 カバー本体1の開口部周縁2から外側に離れた任意の外周の箇所
66 防水布地
67 ミシン縫いの跡
68 開閉口
69 防さび金属製大型リング付きファスナー
70 先端部に防さび金属製小型リングを付けた可変式で太めのワイヤー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットを包む袋状の防水素材のシートよりなるカバー本体と、このカバー本体の任意の場所に設けられたこのヘルメットのあご紐を外に出し入れできる開口部と、前記カバー本体にあってこの開口部とは別の場所に設けられた前記ヘルメットを出し入れできる開閉部とを有するヘルメット保護カバーにおいて、
前記カバー本体の前記開口部周縁又は該開口部周縁から外側に離れた任意の外周の箇所より連結された、前記ヘルメットのあご紐をこの中を通し外に出し入れ可能な中空部を持つ連結体を設けることにより、あご紐を含めてヘルメットを雨水やホコリから保護することを特徴とするヘルメット保護カバー。
【請求項2】
前記連結体が防水素材のシートよりなることを特徴とする請求項1に記載のヘルメット保護カバー。
【請求項3】
前記連結体が防水性を有する伸縮性素材よりなることを特徴とする請求項1に記載のヘルメット保護カバー。
【請求項4】
前記連結体を外側から着脱自在に挟むことができる挟持具を、前記カバー本体又は前記連結体に紐・帯または鎖で連結したことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット保護カバー。
【請求項5】
前記連結体に、蛇腹状箇所を設けたことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット保護カバー。
【請求項6】
前記連結体に、該連結体自体を開閉自在に縮め締めることができる締着手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット保護カバー。
【請求項7】
前記連結体を結わくことにより縮め締めることができる紐又は帯を前記カバー本体又は前記連結体の任意の箇所に設け、これを前記締着手段とした請求項6に記載のヘルメット保護カバー。
【請求項8】
前記連結体の任意の箇所に、巻き締めることにより前記連結体自体を開閉自在に捲着することができる面テープ又は面テープを取り付けた帯を付設し、これを前記締着手段としたことを特徴とする請求項6に記載のヘルメット保護カバー。
【請求項9】
前記連結体の先端の開口を紐又は帯でくくり、前記締着手段とした請求項6に記載のヘルメット保護カバー。
【請求項10】
前記連結体にひだを設けたことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット保護カバー。
【請求項11】
前記連結体の先端周縁部に伸縮部材を組み込んだことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット保護カバー。
【請求項12】
前記連結体の先端部に、該連結体の中を通り該先端部より外に出ている前記ヘルメットのあご紐が開閉の妨げにならない程度の大きさの周縁の任意の箇所よりその内側にかけての開口を持つ開閉自在のキャップを設けたことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット保護カバー。
【請求項13】
前記ヘルメットのあご紐を引っ掛けて吊り下げる先のホルダー又はフックの上部又は上方に着脱自在に付設できる防水性の有る傘状のカバーを前記カバー本体または連結体の任意の個所に紐・帯又は鎖により取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット保護カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2008−121184(P2008−121184A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325012(P2007−325012)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【分割の表示】特願2006−183146(P2006−183146)の分割
【原出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(305028811)
【Fターム(参考)】