ベッド装置
【課題】固定式ベッド装置から背上げ式ベッド装置に変更する際、固定式ベッド装置の部品を利用することができるベッド装置を提供することにある。
【解決手段】ベースフレーム25に設けられた上下駆動機構27の第1、第2の上下用アーム31,32に一端部と他端部とが枢着される第1、第2の上下用側部材41,42と、第1、第2の上下用側部材の長手方向両端にそれぞれ一端部が連結固定された取付け具44と、第1、第2の上下用側部材の両端にそれぞれ一端部が連結固定された一対の取付け具の他端に連結固定される第1、第2の側部材2と、第1、第2の側部材に幅方向の両端部を着脱可能に係合させて架設される床板体と、第1、第2の上下用側部材の長手方向一端の取付け具に取付けられるヘッドボード3及び他端の取付け具に取付けられるフットボード4と、一対の上下用側部材に着脱可能に保持されて床板体の一部を折り曲げて上昇させる背上げ駆動機構51を具備する。
【解決手段】ベースフレーム25に設けられた上下駆動機構27の第1、第2の上下用アーム31,32に一端部と他端部とが枢着される第1、第2の上下用側部材41,42と、第1、第2の上下用側部材の長手方向両端にそれぞれ一端部が連結固定された取付け具44と、第1、第2の上下用側部材の両端にそれぞれ一端部が連結固定された一対の取付け具の他端に連結固定される第1、第2の側部材2と、第1、第2の側部材に幅方向の両端部を着脱可能に係合させて架設される床板体と、第1、第2の上下用側部材の長手方向一端の取付け具に取付けられるヘッドボード3及び他端の取付け具に取付けられるフットボード4と、一対の上下用側部材に着脱可能に保持されて床板体の一部を折り曲げて上昇させる背上げ駆動機構51を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はヘッドボード、フットボード及び側部材を有するベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド装置には床板が固定的に設けられる通常のベッド装置(以下、固定床板式ベッド装置という)と、床板が起伏駆動可能に設けられる背上げ式ベッド装置があることが知られている。
【0003】
背上げ式ベッド装置は高齢者や自力で上半身を起こすことが大きな負担となる患者や高齢者が利用することが多く、固定床板式ベッド装置は健康な利用者が通常の生活で就寝するために使用することが多い。
【0004】
固定床板式ベッド装置は、背上げ式ベッド装置に比べて安価であるため、ほとんどの健康な利用者は固定床板式ベッド装置を使用する。一方、長期にわたって固定床板式ベッド装置を使用していた利用者が健康上の理由などによって、背上げ式ベッド装置を使用する必要性を感じた場合、固定式ベッド装置から背上げ式ベッド装置に買い換えるということが行なわれる。
【0005】
固定式ベッド装置から背上げ式ベッド装置に買い換えた場合、固定式ベッド装置は廃棄することになる。そのため、固定式ベッド装置の部品のうち、ほとんど損耗することのない部品である、ベッドフレームを構成する一対の側部材及び側部材の一端に設けられるヘッドボード、他端に設けられるフットボードまでも廃棄することになるから、無駄が生じるということがあった。とくに最近では資源の有効利用が求められているため、固定式ベッド装置の部品のうち、損耗していない部品を再利用できるようにすることが求められている。特許文献1には背上げ式ベッド装置が示されている。
【特許文献1】特開2003−290296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示された背上げ式ベッド装置は、この背上げ式ベッド装置専用の部品が用いられており、固定式ベッド装置を廃棄する場合に、その固定式ベッド装置に用いられていた部品を再利用できる構成とはなっていない。
【0007】
したがって、固定式ベッド装置から特許文献1に示された構成の背上げ式ベッド装置に買い換えた場合、固定式ベッド装置を廃棄することになり、部品の有効利用を図ることができないということがあった。
【0008】
この発明は、固定式ベッド装置の部品の一部を利用することができるようにした背上げ式のベッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、ベースフレームと、
このベースフレームの長手方向の一端側に一端が枢着された一対の第1の上下用アーム、上記ベースフレームの他端側に一端が枢着された一対の第2の上下用アーム及びこれら第1、第2の上下用アームを回動駆動して各上下用アームの他端を上下方向に変位させる上下用駆動源を有する上下駆動機構と、
この上下駆動機構の一対の第1の上下用アームと第2の上下用アームの一方に一端部と他端部とが枢着される第1の上下用側部材及び他方に一端部と他端部とが枢着される第2の上下用側部材と、
上記第1の上下用側部材と第2の上下用側部材との長手方向両端にそれぞれ一端部が連結固定された取付け具と、
上記第1の上下用側部材の両端にそれぞれ一端部が連結固定された一対の上記取付け具の他端に連結固定される第1の側部材及び上記第2の上下用側部材の両端にそれぞれ一端部が連結固定された一対の上記取付け具の他端に連結固定される第2の側部材と、
上記第1の側部材と第2の側部材とに幅方向の両端部を着脱可能に係合させて架設される折り曲げ可能な床板体と、
上記第1、第2の上下用側部材の長手方向一端に設けられた一対の上記取付け具に取付けられるヘッドボード及び長手方向他端に設けられた一対の上記取付け具に取付けられるフットボードと、
上記一対の上下用側部材に着脱可能に保持され作動することで上記床板体の一部を折り曲げて上昇させる背上げ駆動機構を具備し、
上記一対の上下用側部材に上記背上げ駆動機構を保持したときに、上記第1、第2の側部材に保持される床板体は、上記背上げ駆動機構によって起伏駆動される構成であることを特徴とするベッド装置にある。
【0010】
上記第1、第2の側部材と、上記ヘッドボード及びフットボードは、上記上下駆動機構及び上記背上げ駆動機構をもたない他のベッド装置から転用可能であることが好ましい。
【0011】
上記第1、第2の側部材の長手方向両端にはL字状の連結片が設けられ、上記第1、第2の上下用側部材の両端に一端部が連結固定される上記取付け具の他端部はL字状の折曲部に形成されていて、
上記折曲部を上記第1、第2の側部材の長手方向両端部の内面に連結固定するとともに、上記取付け具の他端部外面に上記連結片を重ね合わせ、この重合部分に上記ヘッドボード及びフットボードを連結固定することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、上下駆動機構の一対の第1のアームと第2のアームの一方に第1の上下用側部材、他方に第2の上下用側部材を設け、第1の上下用側部材に第1の側部材、第2の上下用側部材に第2の側部材をそれぞれ取付け具によって連結し、これら側部材間に背上げ動作によって折り曲げ可能な床板体を架設するとともに、上記第1、第2の上下用側部材の長手方向一端に設けられた取付け具にヘッドボード、他端に設けられた取付け具にフットボードを連結する。
【0013】
そのため、固定式ベッド装置の第1、第2の側部材、ヘッドボード及びフットボードを再利用することが可能となるから、コストの低減や資源の有効利用を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は固定式ベッド装置B1の斜視図であって、図2は平面図、図3は正面図である。固定式ベッド装置B1はベッド本体1を備えている。このベッド本体1は図2に示すように所定間隔で平行に離間した一対の側部材2を有する。これら側部材2の長手方向一端にはヘッドボード3が連結固定され、他端にはフットボード4が連結固定されている。
【0015】
上記一対の側部材2の長手方向の両端部にはそれぞれ脚体5の一端が枢着されている。ベッド本体1の幅方向において対応する各一対の脚体5の一端部と他端部は連結杆6a,6bによって連結されている。
【0016】
上記ベッド本体1の幅方向一端側に位置する一方の脚体5には図3に示すように段階状の係合部7が長手方向に沿って形成されている。この係合部7には一端が上記側部材2に枢着された係止部材8の他端に設けられた図示しない係止体が着脱可能に係合する。それによって、上記脚体5は所定の傾斜角度で保持されるようになっている。つまり、脚体5の傾斜角度を変えることで、ベッド本体1の支持高さを調整できるようになっている。
【0017】
上記側部材2は図4(a)〜(d)に示すように金属製の角パイプからなる中間部材11を有する。この中間部材11の上面には木材や合成樹脂によって帯板状に形成された第1の部材12が設けれ、下面には同じく帯板状の第2の部材13が設けられる。中間部材11は第1、第2の部材12,13よりもベッド本体1の幅方向に沿う厚さ寸法が大きく設定されている。
【0018】
第1、第2の部材12,13は外面を中間部材11の外面と面一にして配置されている。そして、第1、第2の部材12,13と中間部材11の長手方向中途部は、一辺を第1、第2の部材12,13の内面に固定し、他辺を中間部材11の上下面に固定した断面形状が断面L字状の上下一対の第1の連結部材16によって一体的に連結されている。
【0019】
上記第1、第2の部材12,13と中間部材11の長手方向両端部は第2の連結部材17によって連結されている。この第2の連結部材17は、第1の連結部材16と同様、断面がL字状となっていて、その一辺を第1、第2の部材12,13の内面に固定し、他辺を中間部材11の上下面に固定して設けられている。
【0020】
図4(d)に示すように、上記中間部材11の両端にはL字状の連結片18が設けられている。この連結片18は上記第2の連結部材17の幅方向一端を覆っていて、上記中間部材11の上面側と下面側に位置する部分にはそれぞれ通孔19が形成されている。そして、上記ベッド本体1の一対の側部材2長手方向の一端と他端に設けられた各一対の連結片18には、図1に示すように上記ヘッドボード3及びフットボード4が図示しない連結ボルトによってそれぞれ着脱可能に連結固定される。
【0021】
一対の側部材2、及びこの側部材2の一端と他端とにそれぞれヘッドボード3及びフットボード4が連結されることで、平面形状が矩形枠状をなした上記ベッド本体1には、上記側部材2の内面側に突出した上記中間部材11の一端部に、図示しない平板状の固定床板が幅方向の両端部を係合させて架設される。この床板体上にはマットレスMが載置される。そして、利用者は上記マットレスM上に仰臥して就寝する。
【0022】
なお、上述した固定式ベッド装置B1とは、床板が起伏駆動されることなく、ベッド本体1の固定的に架設された状態にあるものを総称している。
【0023】
図5は背上げ式ベッド装置B2の平面図であって、この背上げ式ベッド装置B2は上記固定式ベッド装置B1の部品の一部である、上記側部材2、ヘッドボード3及びフットボード4を利用する構成となっている。
【0024】
図8と図9は上記固定式ベッド装置B1を構成するベースフレーム25を示している。このベースフレーム25は杆材によって矩形枠状に形成されていて、その四隅部には脚部材26が設けられている。
【0025】
上記ベースフレーム25には上下駆動機構27が設けられている。この上下駆動機構27は、上記ベースフレーム25の長手方向の一端部と他端部にはそれぞれ一対の支柱28が立設されている。ベースフレーム25の長手方向一端に設けられた一対の支柱28の上端には第1の上下用アーム31の一端が枢着されている。長手方向他端に設けられた一対の支柱28の上端には第2の上下用アーム32の一端が枢着されている。
【0026】
各一対のアーム31,32の他端部はそれぞれ第1、第2の連結杆33,34によって連結されている。第1の連結杆33と第2の連結杆34との中途部にはそれぞれブラケット35の一端が固着されている。一対のブラケット35の他端には連動杆36の一端と他端が枢着されている。
【0027】
上記連動杆36の中途部の下面には上下用駆動源37の進退駆動される駆動軸38の先端が枢着されている。上記第2の連結杆34の中途部にはブラケット39の一端が固着され、このブラケット39の他端には上記上下用駆動源37が枢着されている。
【0028】
それによって、上記上下用駆動源37によって上記駆動軸38が進退駆動されれば、その進退駆動に上記連動杆36が連動するから、この連動杆36の進退駆動によって上記第1、第2の上下用アーム31,32が支柱28に枢着された一端を支点として他端が上下動する方向に回動駆動されるようになっている。
【0029】
図5と図6に示すように、上記ベースフレーム25の幅方向一端に位置する第1の上下用アーム31と第2の上下用アーム32の他端は、第1の上下用側部材41の長手方向の一端部と他端部の内面から垂設された一対のブラケット42aに枢着されている。
【0030】
上記ベースフレーム25の幅方向他端に位置する第1の上下用アーム31と第2の上下用アーム32の他端は、第2の上下用側部材42の長手方向の一端部と他端部の内面から垂設された一対のブラケット42aに枢着されている。
【0031】
図11(a),(b)に示すように、第1、第2の上下用側部材41,42の長手方向の両端にはそれぞれ取付け具44の基端が取付け固定されている。一対の取付け具44の先端は各上下用側部材41,42の外面側に突出し、その先端はL字状の折曲部43に形成されている。さらに、第1、第2の上下用側部材41,42の長手方向の中途部には先端を外面側に突出させた補強杆45の一端が連結されている。
【0032】
上記第1、第2の上下用側部材41,42の外面側には上記固定式ベッド装置B1に用いられた上記側部材2が連結される。すなわち、上記第1、第2の上下用側部材41,42の長手方向両端に設けられた取付け具44の先端に形成された折曲部43が上記側部材2の第1、第2の部材12,13の長手方向の一端部と他端部の内面に第2の連結部材17の一辺を介して連結固定される。さらに、第1、第2の上下用側部材41,42の長手方向の中途部に設けられた補強杆45の先端が上記側部材2の中間部材11の上面に第1の連結部材16の一辺を介して連結固定される。
【0033】
それによって、上記取付け具44の先端部の外面に、上記側部材2の両端に設けられた連結片18が重合する。上記取付け具44には、連結片18との重合部分であって、連結片18に形成された通孔19に対応する位置に通孔44a(図11cに示す)が形成されている。さらに、取付け具44には連結片18bとの重合部分から外れた位置にも通孔44aが形成されている。つまり、取付け具44には3つの通孔44aが形成されている。
【0034】
図12に示すように、第1の上下用側部材41と第2の上下用側部材42との長手方向両端にそれぞれ設けられた各一対の取付け具44の一方の内面には通孔44aと対向する部位にナット45が固着されている。
【0035】
上記固定用ベッド装置B1で用いられたヘッドボード3とフットボード4のうち、ヘッドボード3の幅方向両端部の下部には左右それぞれ3つの通孔と対応する部位に図示しない取付け孔が穿設されている。そして、ヘッドボード3は上記取付け孔から図12に鎖線で示す固定ボルト46を通し、上記ナット45に螺合することで、上記取付け具44に取付け固定されている。
【0036】
上記フットボード4の内面の幅方向両端部には図12に鎖線で示す埋め込みナット45aが上記取付け孔と対応する位置に設けられている。そして、フットボード4は左右一対の取付け具44に形成されたそれぞれ3つの通孔44aから上記埋め込みナットに固定ボルト46aをねじ込むことで連結固定されている。
【0037】
第1、第2の上下用側部材41,42に取付け具44によって連結された一対の側部材2には起伏用の床板体47(図10に示す)が幅方向の両端部を上記側部材2の内面側に突出した中間部材11の幅方向一端部の上面に係合させて載置されている。この床板体47の上面には図示しないマットレスが載置される。
【0038】
上記床板体47は、複数の床部、この実施の形態では第1乃至第6の6つの床部47a〜47fに分割されている。第1乃至第3の床部47a〜47c及び第4乃至第6の床部47d〜47fは互いに回動可能に連結されている。
【0039】
長手方向中央に位置する第3、第4の床部47c,47dは上記中間部材11の上面にねじ止め固定される。それによって、第1、第2の床部47a,47bと第5、第6の床部47e,47fは第3の床部47cと第4の床部47dを支点として上昇方向に起上可能となっている。
【0040】
上記第1、第2の上下用側部材41,42には背上げ駆動機構51が保持される。この背上げ駆動機構51は図7に示すように箱型状の駆動部52を有する。この駆動部52には図示しない動力伝達機構が収容されていて、その一側面には駆動源53が設けられている。
【0041】
上記駆動部52の一端部には第1の回転軸54が設けられ、他端部には第2の回転軸55が設けられている。第1、第2の回転軸54,55は上記駆動源53が作動することで回転駆動されるようになっている。
【0042】
上記第1の回転軸54の両端部には一対の背上げアーム56の一端が固着されている。背上げアーム56の先端部の内面には一対の背上げローラ57が回転可能に設けられている。一対の背上げアーム56に設けられた背上げローラ57は上記床板体47の第1の床部47aの下面の幅方向両端部に幅方向と直交する方向に沿って設けられた図示しない断面コ字状のガイドレールに転動可能に係合している。それによって、上記第1の回転軸54が起上方向に回転駆動されれば、第1の床部47aが起上方向に駆動され、その起上に第2の床部47bが連動する。
【0043】
上記第2の回転軸55の両端部には一対の脚上げアーム61の一端が固着されている脚上げアーム61の他端には脚上げローラ62が回転可能に設けられている。これらの脚上げローラ62は第5の床部47eの下面に設けられた図示しない帯板状のレールに当接している。したがって、脚上げローラ62が上記駆動源53によって起上方向に駆動されれば、第5の床部47eが起上方向に駆動され、起上に第6の床部47fが連動する。
【0044】
図11(a),(b)に示すように上記第1、第2の上下用側部材41,42の内面の長手方向中央部には、それぞれ一対の軸受64が所定の間隔、つまり背上げ駆動機構51の駆動部52に設けられた第1、第2の回転軸54,55と同じ間隔で設けられている。そして、上記背上げ駆動機構51は第1、第2の回転軸54,55の両端部を上記軸受64の回転可能に支持させて上記第1、第2の上下用側部材41,42に対して着脱可能に保持されている。
【0045】
このような構成の背上げ式ベッド装置B2によれば、上下駆動機構27によって上下駆動される第1、第2の上下用側部材41,42の外面側に、これら上下用側部材41,42の長手方向両端に設けられた取付け具44を介して側部材2を着脱可能に連結するようにした。
【0046】
また、上記第1、第2の上下用側部材41,42の長手方向一端の取付け具44にヘッドボード3、他端にフットボード4をそれぞれ着脱可能に取付けるようにした。
【0047】
そのため、利用者がベッド装置を固定式ベッド装置B1から背上げ式ベッド装置B2に交換する場合、固定式ベッド装置B1に用いられていた側部材2、ヘッドボード3及びフットボード4を再利用することができるから、その分、コストの低減を図ることができる。
【0048】
上記第1、第2の上下用側部材41,42と一対の側部材2との連結は、これら上下用側部材41,42の両端に一端が連結された取付け具44の他端外面に、側部材2の中間部材11の両端に設けられた連結片18を重合させ、この重合部分にヘッドボード3及びフットボード4を固定ボルト46,46aで取付け固定することで、連結するようにした。
【0049】
すなわち、側部材2は第1、第2の上下用側部材41,42に対して単に取付け具44によって連結されるだけでなく、取付け具44は折曲部43が側部材2に連結され、さらに側部材2の端部に設けられた連結片18を上記取付け具44に重合させ、その重合部分をヘッドボード3及びフットボード4とともに固定ボルト46,46aで連結するようにした。
【0050】
そのため、側部材2は単に取付け具44によって第1、第2の上下用側部材41,42に取付けられる場合に比べ、側部材2に設けられた連結片18が介在するため、その分、第1、第2の上下用側部材41,42に対して側部材2を強固に取付け固定することができるから、一対の側部材2に支持される床板体47の支持剛性を高めることができる。
【0051】
また、従来は矩形枠状の上下用フレームを上下駆動機構27によって上下駆動するようにしていたが、上下用フレームに代わり、第1、第2の上下用側部材41,42を上下駆動するようにした。
【0052】
そのため、上下用フレームを第1、第2の上下用側部材41,42とすることで、従来の上下用フレームに比べて構成の簡略化や使用する材料を減少させることができるから、そのことによってもコストや全体の重量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の一実施の形態を示す固定式ベッド装置の斜視図。
【図2】同じく平面図。
【図3】同じく正面図。
【図4】(a)は側部材の平面図、(b)は同じく内面を示す図、(c)は同じく外面を示す図、(d)は側部材の端部に設けられた連結片を示す上記側部材を断面下側面図。
【図5】背上げ式ベッド装置の床板を取り除いた平面図。
【図6】図5に示す背上げ式ベッド装置から背上げ駆動機構を取り除いた平面図。
【図7】背上げ駆動機構を示す平面図。
【図8】背上げ式ベッド装置のベースフレームの平面図。
【図9】図8に示すベースフレームの正面図。
【図10】床板体の平面図。
【図11】(a)は上下用側部材の平面図、(b)は同じく内面を示す図。
【図12】上下用側部材と側部材のヘッドボードが連結される長手方向一端の連結部分と、フットボードが連結される長手方向他端の連結部分の拡大図。
【符号の説明】
【0054】
2…側部材、3…ヘッドボード、4…フットボード、18b…連結片、25…ベースフレーム、27…上下駆動機構、31…第1の上下用アーム、32…第2の上下用アーム、37…上下用駆動源、41…第1の上下用側部材、42…第2の上下用側部材、43…折曲部、44…取付け具、47…床板体、51…背上げ駆動機構。
【技術分野】
【0001】
この発明はヘッドボード、フットボード及び側部材を有するベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド装置には床板が固定的に設けられる通常のベッド装置(以下、固定床板式ベッド装置という)と、床板が起伏駆動可能に設けられる背上げ式ベッド装置があることが知られている。
【0003】
背上げ式ベッド装置は高齢者や自力で上半身を起こすことが大きな負担となる患者や高齢者が利用することが多く、固定床板式ベッド装置は健康な利用者が通常の生活で就寝するために使用することが多い。
【0004】
固定床板式ベッド装置は、背上げ式ベッド装置に比べて安価であるため、ほとんどの健康な利用者は固定床板式ベッド装置を使用する。一方、長期にわたって固定床板式ベッド装置を使用していた利用者が健康上の理由などによって、背上げ式ベッド装置を使用する必要性を感じた場合、固定式ベッド装置から背上げ式ベッド装置に買い換えるということが行なわれる。
【0005】
固定式ベッド装置から背上げ式ベッド装置に買い換えた場合、固定式ベッド装置は廃棄することになる。そのため、固定式ベッド装置の部品のうち、ほとんど損耗することのない部品である、ベッドフレームを構成する一対の側部材及び側部材の一端に設けられるヘッドボード、他端に設けられるフットボードまでも廃棄することになるから、無駄が生じるということがあった。とくに最近では資源の有効利用が求められているため、固定式ベッド装置の部品のうち、損耗していない部品を再利用できるようにすることが求められている。特許文献1には背上げ式ベッド装置が示されている。
【特許文献1】特開2003−290296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示された背上げ式ベッド装置は、この背上げ式ベッド装置専用の部品が用いられており、固定式ベッド装置を廃棄する場合に、その固定式ベッド装置に用いられていた部品を再利用できる構成とはなっていない。
【0007】
したがって、固定式ベッド装置から特許文献1に示された構成の背上げ式ベッド装置に買い換えた場合、固定式ベッド装置を廃棄することになり、部品の有効利用を図ることができないということがあった。
【0008】
この発明は、固定式ベッド装置の部品の一部を利用することができるようにした背上げ式のベッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、ベースフレームと、
このベースフレームの長手方向の一端側に一端が枢着された一対の第1の上下用アーム、上記ベースフレームの他端側に一端が枢着された一対の第2の上下用アーム及びこれら第1、第2の上下用アームを回動駆動して各上下用アームの他端を上下方向に変位させる上下用駆動源を有する上下駆動機構と、
この上下駆動機構の一対の第1の上下用アームと第2の上下用アームの一方に一端部と他端部とが枢着される第1の上下用側部材及び他方に一端部と他端部とが枢着される第2の上下用側部材と、
上記第1の上下用側部材と第2の上下用側部材との長手方向両端にそれぞれ一端部が連結固定された取付け具と、
上記第1の上下用側部材の両端にそれぞれ一端部が連結固定された一対の上記取付け具の他端に連結固定される第1の側部材及び上記第2の上下用側部材の両端にそれぞれ一端部が連結固定された一対の上記取付け具の他端に連結固定される第2の側部材と、
上記第1の側部材と第2の側部材とに幅方向の両端部を着脱可能に係合させて架設される折り曲げ可能な床板体と、
上記第1、第2の上下用側部材の長手方向一端に設けられた一対の上記取付け具に取付けられるヘッドボード及び長手方向他端に設けられた一対の上記取付け具に取付けられるフットボードと、
上記一対の上下用側部材に着脱可能に保持され作動することで上記床板体の一部を折り曲げて上昇させる背上げ駆動機構を具備し、
上記一対の上下用側部材に上記背上げ駆動機構を保持したときに、上記第1、第2の側部材に保持される床板体は、上記背上げ駆動機構によって起伏駆動される構成であることを特徴とするベッド装置にある。
【0010】
上記第1、第2の側部材と、上記ヘッドボード及びフットボードは、上記上下駆動機構及び上記背上げ駆動機構をもたない他のベッド装置から転用可能であることが好ましい。
【0011】
上記第1、第2の側部材の長手方向両端にはL字状の連結片が設けられ、上記第1、第2の上下用側部材の両端に一端部が連結固定される上記取付け具の他端部はL字状の折曲部に形成されていて、
上記折曲部を上記第1、第2の側部材の長手方向両端部の内面に連結固定するとともに、上記取付け具の他端部外面に上記連結片を重ね合わせ、この重合部分に上記ヘッドボード及びフットボードを連結固定することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、上下駆動機構の一対の第1のアームと第2のアームの一方に第1の上下用側部材、他方に第2の上下用側部材を設け、第1の上下用側部材に第1の側部材、第2の上下用側部材に第2の側部材をそれぞれ取付け具によって連結し、これら側部材間に背上げ動作によって折り曲げ可能な床板体を架設するとともに、上記第1、第2の上下用側部材の長手方向一端に設けられた取付け具にヘッドボード、他端に設けられた取付け具にフットボードを連結する。
【0013】
そのため、固定式ベッド装置の第1、第2の側部材、ヘッドボード及びフットボードを再利用することが可能となるから、コストの低減や資源の有効利用を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は固定式ベッド装置B1の斜視図であって、図2は平面図、図3は正面図である。固定式ベッド装置B1はベッド本体1を備えている。このベッド本体1は図2に示すように所定間隔で平行に離間した一対の側部材2を有する。これら側部材2の長手方向一端にはヘッドボード3が連結固定され、他端にはフットボード4が連結固定されている。
【0015】
上記一対の側部材2の長手方向の両端部にはそれぞれ脚体5の一端が枢着されている。ベッド本体1の幅方向において対応する各一対の脚体5の一端部と他端部は連結杆6a,6bによって連結されている。
【0016】
上記ベッド本体1の幅方向一端側に位置する一方の脚体5には図3に示すように段階状の係合部7が長手方向に沿って形成されている。この係合部7には一端が上記側部材2に枢着された係止部材8の他端に設けられた図示しない係止体が着脱可能に係合する。それによって、上記脚体5は所定の傾斜角度で保持されるようになっている。つまり、脚体5の傾斜角度を変えることで、ベッド本体1の支持高さを調整できるようになっている。
【0017】
上記側部材2は図4(a)〜(d)に示すように金属製の角パイプからなる中間部材11を有する。この中間部材11の上面には木材や合成樹脂によって帯板状に形成された第1の部材12が設けれ、下面には同じく帯板状の第2の部材13が設けられる。中間部材11は第1、第2の部材12,13よりもベッド本体1の幅方向に沿う厚さ寸法が大きく設定されている。
【0018】
第1、第2の部材12,13は外面を中間部材11の外面と面一にして配置されている。そして、第1、第2の部材12,13と中間部材11の長手方向中途部は、一辺を第1、第2の部材12,13の内面に固定し、他辺を中間部材11の上下面に固定した断面形状が断面L字状の上下一対の第1の連結部材16によって一体的に連結されている。
【0019】
上記第1、第2の部材12,13と中間部材11の長手方向両端部は第2の連結部材17によって連結されている。この第2の連結部材17は、第1の連結部材16と同様、断面がL字状となっていて、その一辺を第1、第2の部材12,13の内面に固定し、他辺を中間部材11の上下面に固定して設けられている。
【0020】
図4(d)に示すように、上記中間部材11の両端にはL字状の連結片18が設けられている。この連結片18は上記第2の連結部材17の幅方向一端を覆っていて、上記中間部材11の上面側と下面側に位置する部分にはそれぞれ通孔19が形成されている。そして、上記ベッド本体1の一対の側部材2長手方向の一端と他端に設けられた各一対の連結片18には、図1に示すように上記ヘッドボード3及びフットボード4が図示しない連結ボルトによってそれぞれ着脱可能に連結固定される。
【0021】
一対の側部材2、及びこの側部材2の一端と他端とにそれぞれヘッドボード3及びフットボード4が連結されることで、平面形状が矩形枠状をなした上記ベッド本体1には、上記側部材2の内面側に突出した上記中間部材11の一端部に、図示しない平板状の固定床板が幅方向の両端部を係合させて架設される。この床板体上にはマットレスMが載置される。そして、利用者は上記マットレスM上に仰臥して就寝する。
【0022】
なお、上述した固定式ベッド装置B1とは、床板が起伏駆動されることなく、ベッド本体1の固定的に架設された状態にあるものを総称している。
【0023】
図5は背上げ式ベッド装置B2の平面図であって、この背上げ式ベッド装置B2は上記固定式ベッド装置B1の部品の一部である、上記側部材2、ヘッドボード3及びフットボード4を利用する構成となっている。
【0024】
図8と図9は上記固定式ベッド装置B1を構成するベースフレーム25を示している。このベースフレーム25は杆材によって矩形枠状に形成されていて、その四隅部には脚部材26が設けられている。
【0025】
上記ベースフレーム25には上下駆動機構27が設けられている。この上下駆動機構27は、上記ベースフレーム25の長手方向の一端部と他端部にはそれぞれ一対の支柱28が立設されている。ベースフレーム25の長手方向一端に設けられた一対の支柱28の上端には第1の上下用アーム31の一端が枢着されている。長手方向他端に設けられた一対の支柱28の上端には第2の上下用アーム32の一端が枢着されている。
【0026】
各一対のアーム31,32の他端部はそれぞれ第1、第2の連結杆33,34によって連結されている。第1の連結杆33と第2の連結杆34との中途部にはそれぞれブラケット35の一端が固着されている。一対のブラケット35の他端には連動杆36の一端と他端が枢着されている。
【0027】
上記連動杆36の中途部の下面には上下用駆動源37の進退駆動される駆動軸38の先端が枢着されている。上記第2の連結杆34の中途部にはブラケット39の一端が固着され、このブラケット39の他端には上記上下用駆動源37が枢着されている。
【0028】
それによって、上記上下用駆動源37によって上記駆動軸38が進退駆動されれば、その進退駆動に上記連動杆36が連動するから、この連動杆36の進退駆動によって上記第1、第2の上下用アーム31,32が支柱28に枢着された一端を支点として他端が上下動する方向に回動駆動されるようになっている。
【0029】
図5と図6に示すように、上記ベースフレーム25の幅方向一端に位置する第1の上下用アーム31と第2の上下用アーム32の他端は、第1の上下用側部材41の長手方向の一端部と他端部の内面から垂設された一対のブラケット42aに枢着されている。
【0030】
上記ベースフレーム25の幅方向他端に位置する第1の上下用アーム31と第2の上下用アーム32の他端は、第2の上下用側部材42の長手方向の一端部と他端部の内面から垂設された一対のブラケット42aに枢着されている。
【0031】
図11(a),(b)に示すように、第1、第2の上下用側部材41,42の長手方向の両端にはそれぞれ取付け具44の基端が取付け固定されている。一対の取付け具44の先端は各上下用側部材41,42の外面側に突出し、その先端はL字状の折曲部43に形成されている。さらに、第1、第2の上下用側部材41,42の長手方向の中途部には先端を外面側に突出させた補強杆45の一端が連結されている。
【0032】
上記第1、第2の上下用側部材41,42の外面側には上記固定式ベッド装置B1に用いられた上記側部材2が連結される。すなわち、上記第1、第2の上下用側部材41,42の長手方向両端に設けられた取付け具44の先端に形成された折曲部43が上記側部材2の第1、第2の部材12,13の長手方向の一端部と他端部の内面に第2の連結部材17の一辺を介して連結固定される。さらに、第1、第2の上下用側部材41,42の長手方向の中途部に設けられた補強杆45の先端が上記側部材2の中間部材11の上面に第1の連結部材16の一辺を介して連結固定される。
【0033】
それによって、上記取付け具44の先端部の外面に、上記側部材2の両端に設けられた連結片18が重合する。上記取付け具44には、連結片18との重合部分であって、連結片18に形成された通孔19に対応する位置に通孔44a(図11cに示す)が形成されている。さらに、取付け具44には連結片18bとの重合部分から外れた位置にも通孔44aが形成されている。つまり、取付け具44には3つの通孔44aが形成されている。
【0034】
図12に示すように、第1の上下用側部材41と第2の上下用側部材42との長手方向両端にそれぞれ設けられた各一対の取付け具44の一方の内面には通孔44aと対向する部位にナット45が固着されている。
【0035】
上記固定用ベッド装置B1で用いられたヘッドボード3とフットボード4のうち、ヘッドボード3の幅方向両端部の下部には左右それぞれ3つの通孔と対応する部位に図示しない取付け孔が穿設されている。そして、ヘッドボード3は上記取付け孔から図12に鎖線で示す固定ボルト46を通し、上記ナット45に螺合することで、上記取付け具44に取付け固定されている。
【0036】
上記フットボード4の内面の幅方向両端部には図12に鎖線で示す埋め込みナット45aが上記取付け孔と対応する位置に設けられている。そして、フットボード4は左右一対の取付け具44に形成されたそれぞれ3つの通孔44aから上記埋め込みナットに固定ボルト46aをねじ込むことで連結固定されている。
【0037】
第1、第2の上下用側部材41,42に取付け具44によって連結された一対の側部材2には起伏用の床板体47(図10に示す)が幅方向の両端部を上記側部材2の内面側に突出した中間部材11の幅方向一端部の上面に係合させて載置されている。この床板体47の上面には図示しないマットレスが載置される。
【0038】
上記床板体47は、複数の床部、この実施の形態では第1乃至第6の6つの床部47a〜47fに分割されている。第1乃至第3の床部47a〜47c及び第4乃至第6の床部47d〜47fは互いに回動可能に連結されている。
【0039】
長手方向中央に位置する第3、第4の床部47c,47dは上記中間部材11の上面にねじ止め固定される。それによって、第1、第2の床部47a,47bと第5、第6の床部47e,47fは第3の床部47cと第4の床部47dを支点として上昇方向に起上可能となっている。
【0040】
上記第1、第2の上下用側部材41,42には背上げ駆動機構51が保持される。この背上げ駆動機構51は図7に示すように箱型状の駆動部52を有する。この駆動部52には図示しない動力伝達機構が収容されていて、その一側面には駆動源53が設けられている。
【0041】
上記駆動部52の一端部には第1の回転軸54が設けられ、他端部には第2の回転軸55が設けられている。第1、第2の回転軸54,55は上記駆動源53が作動することで回転駆動されるようになっている。
【0042】
上記第1の回転軸54の両端部には一対の背上げアーム56の一端が固着されている。背上げアーム56の先端部の内面には一対の背上げローラ57が回転可能に設けられている。一対の背上げアーム56に設けられた背上げローラ57は上記床板体47の第1の床部47aの下面の幅方向両端部に幅方向と直交する方向に沿って設けられた図示しない断面コ字状のガイドレールに転動可能に係合している。それによって、上記第1の回転軸54が起上方向に回転駆動されれば、第1の床部47aが起上方向に駆動され、その起上に第2の床部47bが連動する。
【0043】
上記第2の回転軸55の両端部には一対の脚上げアーム61の一端が固着されている脚上げアーム61の他端には脚上げローラ62が回転可能に設けられている。これらの脚上げローラ62は第5の床部47eの下面に設けられた図示しない帯板状のレールに当接している。したがって、脚上げローラ62が上記駆動源53によって起上方向に駆動されれば、第5の床部47eが起上方向に駆動され、起上に第6の床部47fが連動する。
【0044】
図11(a),(b)に示すように上記第1、第2の上下用側部材41,42の内面の長手方向中央部には、それぞれ一対の軸受64が所定の間隔、つまり背上げ駆動機構51の駆動部52に設けられた第1、第2の回転軸54,55と同じ間隔で設けられている。そして、上記背上げ駆動機構51は第1、第2の回転軸54,55の両端部を上記軸受64の回転可能に支持させて上記第1、第2の上下用側部材41,42に対して着脱可能に保持されている。
【0045】
このような構成の背上げ式ベッド装置B2によれば、上下駆動機構27によって上下駆動される第1、第2の上下用側部材41,42の外面側に、これら上下用側部材41,42の長手方向両端に設けられた取付け具44を介して側部材2を着脱可能に連結するようにした。
【0046】
また、上記第1、第2の上下用側部材41,42の長手方向一端の取付け具44にヘッドボード3、他端にフットボード4をそれぞれ着脱可能に取付けるようにした。
【0047】
そのため、利用者がベッド装置を固定式ベッド装置B1から背上げ式ベッド装置B2に交換する場合、固定式ベッド装置B1に用いられていた側部材2、ヘッドボード3及びフットボード4を再利用することができるから、その分、コストの低減を図ることができる。
【0048】
上記第1、第2の上下用側部材41,42と一対の側部材2との連結は、これら上下用側部材41,42の両端に一端が連結された取付け具44の他端外面に、側部材2の中間部材11の両端に設けられた連結片18を重合させ、この重合部分にヘッドボード3及びフットボード4を固定ボルト46,46aで取付け固定することで、連結するようにした。
【0049】
すなわち、側部材2は第1、第2の上下用側部材41,42に対して単に取付け具44によって連結されるだけでなく、取付け具44は折曲部43が側部材2に連結され、さらに側部材2の端部に設けられた連結片18を上記取付け具44に重合させ、その重合部分をヘッドボード3及びフットボード4とともに固定ボルト46,46aで連結するようにした。
【0050】
そのため、側部材2は単に取付け具44によって第1、第2の上下用側部材41,42に取付けられる場合に比べ、側部材2に設けられた連結片18が介在するため、その分、第1、第2の上下用側部材41,42に対して側部材2を強固に取付け固定することができるから、一対の側部材2に支持される床板体47の支持剛性を高めることができる。
【0051】
また、従来は矩形枠状の上下用フレームを上下駆動機構27によって上下駆動するようにしていたが、上下用フレームに代わり、第1、第2の上下用側部材41,42を上下駆動するようにした。
【0052】
そのため、上下用フレームを第1、第2の上下用側部材41,42とすることで、従来の上下用フレームに比べて構成の簡略化や使用する材料を減少させることができるから、そのことによってもコストや全体の重量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の一実施の形態を示す固定式ベッド装置の斜視図。
【図2】同じく平面図。
【図3】同じく正面図。
【図4】(a)は側部材の平面図、(b)は同じく内面を示す図、(c)は同じく外面を示す図、(d)は側部材の端部に設けられた連結片を示す上記側部材を断面下側面図。
【図5】背上げ式ベッド装置の床板を取り除いた平面図。
【図6】図5に示す背上げ式ベッド装置から背上げ駆動機構を取り除いた平面図。
【図7】背上げ駆動機構を示す平面図。
【図8】背上げ式ベッド装置のベースフレームの平面図。
【図9】図8に示すベースフレームの正面図。
【図10】床板体の平面図。
【図11】(a)は上下用側部材の平面図、(b)は同じく内面を示す図。
【図12】上下用側部材と側部材のヘッドボードが連結される長手方向一端の連結部分と、フットボードが連結される長手方向他端の連結部分の拡大図。
【符号の説明】
【0054】
2…側部材、3…ヘッドボード、4…フットボード、18b…連結片、25…ベースフレーム、27…上下駆動機構、31…第1の上下用アーム、32…第2の上下用アーム、37…上下用駆動源、41…第1の上下用側部材、42…第2の上下用側部材、43…折曲部、44…取付け具、47…床板体、51…背上げ駆動機構。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフレームと、
このベースフレームの長手方向の一端側に一端が枢着された一対の第1の上下用アーム、上記ベースフレームの他端側に一端が枢着された一対の第2の上下用アーム及びこれら第1、第2の上下用アームを回動駆動して各上下用アームの他端を上下方向に変位させる上下用駆動源を有する上下駆動機構と、
この上下駆動機構の一対の第1の上下用アームと第2の上下用アームの一方に一端部と他端部とが枢着される第1の上下用側部材及び他方に一端部と他端部とが枢着される第2の上下用側部材と、
上記第1の上下用側部材と第2の上下用側部材との長手方向両端にそれぞれ一端部が連結固定された取付け具と、
上記第1の上下用側部材の両端にそれぞれ一端部が連結固定された一対の上記取付け具の他端に連結固定される第1の側部材及び上記第2の上下用側部材の両端にそれぞれ一端部が連結固定された一対の上記取付け具の他端に連結固定される第2の側部材と、
上記第1の側部材と第2の側部材とに幅方向の両端部を着脱可能に係合させて架設される折り曲げ可能な床板体と、
上記第1、第2の上下用側部材の長手方向一端に設けられた一対の上記取付け具に取付けられるヘッドボード及び長手方向他端に設けられた一対の上記取付け具に取付けられるフットボードと、
上記一対の上下用側部材に着脱可能に保持され作動することで上記床板体の一部を折り曲げて上昇させる背上げ駆動機構を具備し、
上記一対の上下用側部材に上記背上げ駆動機構を保持したときに、上記第1、第2の側部材に保持される床板体は、上記背上げ駆動機構によって起伏駆動される構成であることを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
上記第1、第2の側部材と、上記ヘッドボード及びフットボードは、上記上下駆動機構及び上記背上げ駆動機構をもたない他のベッド装置から転用可能であることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。
【請求項3】
上記第1、第2の側部材の長手方向両端にはL字状の連結片が設けられ、上記第1、第2の上下用側部材の両端に一端部が連結固定される上記取付け具の他端部はL字状の折曲部に形成されていて、
上記折曲部を上記第1、第2の側部材の長手方向両端部の内面に連結固定するとともに、上記取付け具の他端部外面に上記連結片を重ね合わせ、この重合部分に上記ヘッドボード及びフットボードを連結固定することを特徴とする請求項1記載のベッド装置。
【請求項1】
ベースフレームと、
このベースフレームの長手方向の一端側に一端が枢着された一対の第1の上下用アーム、上記ベースフレームの他端側に一端が枢着された一対の第2の上下用アーム及びこれら第1、第2の上下用アームを回動駆動して各上下用アームの他端を上下方向に変位させる上下用駆動源を有する上下駆動機構と、
この上下駆動機構の一対の第1の上下用アームと第2の上下用アームの一方に一端部と他端部とが枢着される第1の上下用側部材及び他方に一端部と他端部とが枢着される第2の上下用側部材と、
上記第1の上下用側部材と第2の上下用側部材との長手方向両端にそれぞれ一端部が連結固定された取付け具と、
上記第1の上下用側部材の両端にそれぞれ一端部が連結固定された一対の上記取付け具の他端に連結固定される第1の側部材及び上記第2の上下用側部材の両端にそれぞれ一端部が連結固定された一対の上記取付け具の他端に連結固定される第2の側部材と、
上記第1の側部材と第2の側部材とに幅方向の両端部を着脱可能に係合させて架設される折り曲げ可能な床板体と、
上記第1、第2の上下用側部材の長手方向一端に設けられた一対の上記取付け具に取付けられるヘッドボード及び長手方向他端に設けられた一対の上記取付け具に取付けられるフットボードと、
上記一対の上下用側部材に着脱可能に保持され作動することで上記床板体の一部を折り曲げて上昇させる背上げ駆動機構を具備し、
上記一対の上下用側部材に上記背上げ駆動機構を保持したときに、上記第1、第2の側部材に保持される床板体は、上記背上げ駆動機構によって起伏駆動される構成であることを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
上記第1、第2の側部材と、上記ヘッドボード及びフットボードは、上記上下駆動機構及び上記背上げ駆動機構をもたない他のベッド装置から転用可能であることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。
【請求項3】
上記第1、第2の側部材の長手方向両端にはL字状の連結片が設けられ、上記第1、第2の上下用側部材の両端に一端部が連結固定される上記取付け具の他端部はL字状の折曲部に形成されていて、
上記折曲部を上記第1、第2の側部材の長手方向両端部の内面に連結固定するとともに、上記取付け具の他端部外面に上記連結片を重ね合わせ、この重合部分に上記ヘッドボード及びフットボードを連結固定することを特徴とする請求項1記載のベッド装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−29422(P2008−29422A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203882(P2006−203882)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
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