説明

ベルト型濃縮機

【課題】定格処理量を超えた高負荷運転に対しても、汚泥を十分な濃度まで濃縮処理することができ、尚且つ、長大化を回避することが可能なベルト型濃縮機を提供する。
【解決手段】濃縮対象汚泥Aを投入する投入部2と濃縮汚泥Bを排出する排出部3との間に、透水性を有する回動自在な無端ベルト12,17が上下二段設けられている。投入部2から投入された濃縮対象汚泥Aが、順次、上段の無端ベルト12から下段の無端ベルト17へ搬送されるように、各無端ベルト12,17が配置されている。下段の無端ベルト17の回動速度V2は上段の無端ベルト12の回動速度V1よりも低速に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば下水処理場における余剰汚泥の濃縮等に用いられるベルト型濃縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のベルト型濃縮機としては、例えば図9に示すように、架台61に前後一対のローラー62a,62bを設け、これら両ローラー62a,62b間にワイヤーメッシュ構造の無端ベルト63を掛け渡し、片方のローラー62bをモータ65で回転駆動することにより、無端ベルト63を回動させ、濃縮対象汚泥を搬送軌道64に沿って無端ベルト63で搬送しながら重力濾過するものがある。尚、搬送軌道64の始端部には、無端ベルト63上に濃縮対象汚泥を投入する投入部66が設けられ、搬送軌道64の終端部には、無端ベルト63上から濃縮汚泥を排出する排出部67が設けられている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
これによると、濃縮対象汚泥は、凝集剤でフロックを形成した後、投入部66から回動する無端ベルト63上に投入され、無端ベルト63で搬送されながら重力濾過される。搬送軌道64上において重力により濃縮対象汚泥から脱離した脱離水は、無端ベルト63の上面から下面へ透過し、無端ベルト63の下方へ排水される。また、重力濾過された汚泥は濃縮汚泥として無端ベルト63上から排出部67へ排出される。
【0004】
図10のグラフはろ過時間と濃縮汚泥濃度との関係を示しており、ろ過時間とは濃縮対象汚泥が無端ベルト63上に投入されてから排出されるまでの時間に相当し、濃縮汚泥濃度とは排出部67へ排出された汚泥濃度のことである。また、グラフGaは定格処理量の汚泥を供給した場合を示し、グラフGbは定格処理量の1.5倍の汚泥を供給した場合を示し、グラフGcは定格処理量の2倍の汚泥を供給した場合を示している。
【0005】
グラフGaで示したように、ベルト型濃縮機60に濃縮対象汚泥を定格処理量供給した場合、所定のろ過時間tが経過した後、所定(目標)の濃縮汚泥濃度nが得られる。
しかしながら、グラフGb,Gcで示したように、定格処理量を大幅に超えた処理量を供給(すなわち高負荷運転)した場合、所定のろ過時間tが経過しても、所定の濃縮汚泥濃度nを得ることができなかった。
【0006】
これは次のような現象に起因するものである。
図11に示すように、凝集剤を添加されて凝集フロックを形成した汚泥は、微細な凝集フロック同士が結合した凝集フロック塊71となり、自由水72中に浮遊している。
【0007】
上記凝集フロック塊71の内部には、凝集フロック塊71を形成する過程で内部に取り込まれた自由水が存在しており、以下、このように凝集フロック塊71の内部に取り込まれた自由水を内包水73と定義する。
【0008】
ベルト型濃縮機60にて汚泥を所定の濃縮汚泥濃度まで濃縮処理するためには、自由水72のみならず上記内包水73も汚泥と分離する必要がある。
一般的に重力濾過において、自由水72の分離速度は速いが、これに比べて内包水73の分離速度は遅く、したがって、内包水73を分離するためには長いろ過時間が必要である。
【0009】
図12に示すように、無端ベルト63上で凝集汚泥をろ過濃縮する際、ろ過の進行にともなって、無端ベルト63の表面に、凝集フロック塊71が堆積してフロック層74が形成される。このフロック層74は上部にある自由水72をろ過する際の透水抵抗となるため、図13のグラフに示すように、このフロック層74の厚さTが大きいほど、自由水72の透水速度は低下する。
【0010】
したがって、自由水72の分離に着目した場合、透水速度を高くするためにフロック層74の厚みを薄くした状態での運転を行う必要がある。このようにフロック層74を薄くするためには、無端ベルト63の回動速度を高めるか或いは無端ベルト63の幅を大きくする必要がある。
【0011】
ここで、定格処理量を大幅に超えた処理量をベルト型濃縮機60でろ過処理する場合、無端ベルト63の回動速度を高めることにより、フロック層74の厚さTが大幅に分厚くなることは抑制されて、自由水72の透水速度は高くなるが、その反面、分離速度の遅い内包水73を分離するために必要な所定のろ過時間が不足してしまうといった問題が発生した。このような問題点に対して、内包水73を十分に分離するために必要なろ過時間を確保するためには、無端ベルト63の長さLを大幅に延長する必要があり、ベルト型濃縮機が長大化するといった問題がある。
【特許文献1】特許第3504252号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、長大化を回避することが可能で、定格処理量を超えた処理量の汚泥を所定の濃度まで濃縮処理することができるベルト型濃縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本第1発明は、透水性を有する回動自在な無端ベルト上に濃縮対象汚泥を投入し、回動する無端ベルトによって濃縮対象汚泥を搬送しながら重力脱水するベルト型濃縮機であって、濃縮対象汚泥を投入する投入部と濃縮汚泥を排出する排出部との間に、上記無端ベルトが複数連なって設けられ、投入部から投入された濃縮対象汚泥が、順次、投入部側の無端ベルトから排出部側の無端ベルトへ搬送されるように、各無端ベルトが配置されており、無端ベルトの回動速度を排出部側に近い無端ベルトほど低速に設定するものである。
【0014】
これによると、濃縮対象汚泥は、凝集剤でフロックを形成した後、投入部から投入部側の無端ベルト上に投入され、投入部側の無端ベルトから排出部側の無端ベルトへ搬送されながら重力脱水され、その後、濃縮汚泥として排出部側の無端ベルトから排出部へ排出される。
【0015】
この際、無端ベルトの回動速度を排出部側に近い無端ベルトほど低速に設定しているため、投入部側の無端ベルトの回動速度は排出部側の無端ベルトの回動速度よりも高速となる。これにより、定格処理量を超える処理量の濃縮対象汚泥が投入部から投入部側の無端ベルト上に投入された場合、フロック層の厚みが薄くなり、自由水の透過速度が向上し、自由水が短時間でろ過される。
【0016】
このようにして先ず投入部側の無端ベルトにおいて主に濃縮対象汚泥の自由水が分離され、その後、順次、排出部側の無端ベルトへ移るにしたがって主に濃縮対象汚泥の内包水が分離される。この際、より排出部側の無端ベルトほど無端ベルトの回動速度が低速であるため、ベルト型濃縮機のトータルのろ過時間を十分に確保することができる。ここで、排出部側の無端ベルト上に濃縮対象汚泥が分厚く堆積し、フロック層の厚みが増大して厚くなるが、フロック層の自重による厚密力が凝集フロック塊に作用し、内包水は凝集フロック塊内から十分に分離され排出される。したがって、定格処理量を超えた処理量の汚泥を所定の濃度まで濃縮処理することができ、尚且つ、ベルト型濃縮機の長大化を回避することも可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、ベルト型濃縮機の長大化を回避することが可能で、定格処理量を超えた処理量の汚泥を所定の濃度まで濃縮処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図7に基いて説明する。
図1に示すように、1はベルト型濃縮機であって、濃縮対象汚泥Aを投入する投入部2(投入用シュート等)と濃縮汚泥Bを排出する排出部3(排出用シュート等)との間に、分割ベルト型濃縮装置5,6が上下二段設けられている。このうち、投入部2側に近い箇所に配置された上段の分割ベルト型濃縮装置5は、前後一対のローラ10,11と、両ローラ10,11間に巻回された回動自在な無端ベルト12と、後部のローラ11を回転駆動させるモーター13とで構成されている。また、排出部3側に近い箇所に配置された下段の分割ベルト型濃縮装置6も同様に、前後一対のローラ15,16と、両ローラ15,16間に巻回された回動自在な無端ベルト17と、後部のローラ16を回転駆動させるモーター18とで構成されている。
【0019】
尚、上記各無端ベルト12,17はそれぞれ、ワイヤーメッシュ構造であり、透水性を有している。すなわち、図2,図3に示すように、各無端ベルト12,17は、ベルト幅方向の軸心回りに螺旋状を成し且つ巻方向の異なった複数本の金属線材19aを進行方向に沿って交互に密着させて配列し、幅方向で重なる複数本の金属線材19aに直線状の骨線材19bを挿通して構成されている。各無端ベルト12,17は、表面と裏面とに連通する多数の微小な開孔部19cと、複数の内部空隙19dとを有しており、上記開孔部19cは互いに隣接する3本の金属線材19a間に形成されている。これにより、螺旋状の各金属線材19a同士は骨線材19bによって互いに連結され、各無端ベルト12,17は表裏方向における透水性を有する。
【0020】
また、下段の分割ベルト型濃縮装置6の無端ベルト17の全長L2は上段の分割ベルト型濃縮装置5の無端ベルト12の全長L1よりも長く形成されている。
上記投入部2は上段の分割ベルト型濃縮装置5の搬送軌道21の始端部に対向して配置され、排出部3は下段の分割ベルト型濃縮装置6の搬送軌道22の終端部に対向して配置されている。また、上段の無端ベルト12の後端部の下方に、下段の無端ベルト17の前端部が配置され、これにより、上段の無端ベルト12から排出された汚泥が下段の無端ベルト17に投入される。
【0021】
また、上記両分割ベルト型濃縮装置5,6の下方には、各無端ベルト12,17を透過して各無端ベルト12,17から滴下した脱離水を集水して排水する集水用ホッパ23が設けられている。尚、上記ローラ10,11,15,16とモーター13,18と集水用ホッパ23とは架台(図示せず)に設けられて支持されている。
【0022】
上記両モーター13,18の回転速度は制御部25によって制御され、上段の分割ベルト型濃縮装置5のモーター13の回転速度が高速に設定され、下段の分割ベルト型濃縮装置6のモーター18の回転速度が上段の分割ベルト型濃縮装置5のモーター13の回転速度よりも低速に設定されている。これにより、下段の無端ベルト17(排出部3側に近い無端ベルト)の回動速度V2(走行速度)が上段の無端ベルト12の回動速度V1(走行速度)よりも低速になる(V2<V1)。
【0023】
以下、上記構成における作用を説明する。
各モーター13,18を作動させてローラ11,16を回転駆動することにより、各無端ベルト12,17が回動する。この際、下段の無端ベルト17の回動速度V2が上段の無端ベルト12の回動速度V1よりも低速になる。
【0024】
汚泥の濃縮を行う際、先ず、濃縮対象汚泥Aに凝集剤26を投入してフロックを形成し、フロックが形成された濃縮対象汚泥Aを投入部2から上段の分割ベルト型濃縮装置5の無端ベルト12上に投入する。このようにして無端ベルト12上に投入された濃縮対象汚泥Aは、この無端ベルト12で搬送されながら重力脱水され、次に、この無端ベルト12から排出されて下段の分割ベルト型濃縮装置6の無端ベルト17上に投入され、この無端ベルト17で搬送されながら重力脱水され、その後、濃縮汚泥Bとして無端ベルト17から排出部3へ排出される。
【0025】
この際、上記上段の無端ベルト12の回動速度V1は下段の無端ベルト17の回動速度V2よりも高速であるため、定格処理量を超える処理量の濃縮対象汚泥Aが投入部2から上段の無端ベルト12上に投入された場合、図4に示すように、フロック層74の厚さT1が薄くなり、自由水72の透水速度が向上し、自由水72が短時間でろ過される。
【0026】
尚、上段の無端ベルト12の回動速度V1は、上段の無端ベルト12による必要最小限のろ過時間を確保し得るだけの速度を上限として、設定されている。
上記のようにして先ず上段の無端ベルト12において主に濃縮対象汚泥Aの自由水72が分離され、その後、下段の無端ベルト17において主に濃縮対象汚泥Aの内包水73が分離される。この際、下段の無端ベルト17の回動速度V2は上段の無端ベルト12の回動速度V1よりも低速であるため、図5に示すように、自由水72の分離が完了した濃縮対象汚泥Aが下段の無端ベルト17上に分厚く堆積し、上段の無端ベルト12のフロック層74の厚さT1(図4参照)に比べて下段の無端ベルト17のフロック層74の厚さT2が増大して厚くなるが、回動速度V1の場合よりもろ過時間を長く確保できる。
【0027】
ここで、下段の無端ベルト17上において、フロック層74の自重による厚密力が凝集フロック塊71に作用し、内包水73が凝集フロック塊71内から十分に分離され排出される。したがって、定格処理量を超えた処理量の汚泥を所定の濃度まで濃縮処理することができ、尚且つ、ベルト型濃縮機1の長大化を回避することも可能となる。
【0028】
尚、図6は、供給汚泥量と濃縮汚泥濃度との関係を示すグラフであり、グラフG1,G2は図9に示した従来のベルト型濃縮機60のものであり、このうち、グラフG1はベルト型濃縮機60の無端ベルト63の全長Lを3mにしたものであり、グラフG2はベルト型濃縮機60の無端ベルト63の全長Lを6mにしたものである。また、グラフG3は、図1に示した本実施の形態のベルト型濃縮機1のものであり、上段の無端ベルト12の全長L1を1mにし、下段の無端ベルト17の全長L2を2mにしたものである。
【0029】
尚、グラフG1,G2において、供給汚泥量が10m/h,15m/h,20m/hのそれぞれの場合に対応する無端ベルト63の回動速度は6m/分,9m/分,12m/分である。また、グラフG3において、供給汚泥量が10m/h,15m/h,20m/hのそれぞれの場合に対応する上段の無端ベルト12の回動速度は6m/分,9m/分,12m/分であるとともに下段の無端ベルト17の回動速度は4m/分,6m/分,9m/分である。
【0030】
上記グラフにおいて、例えば、汚泥の定格処理量を10m/hとし、この定格処理量の2倍の20m/hの汚泥を供給する高負荷運転を行った場合、上記従来の3mのベルト型濃縮機60では、グラフG1に示されるように、濃縮汚泥濃度が約4.2%から約3.2%へ低下してしまう。これに対して、無端ベルト63の全長Lを2倍の6mにした従来のベルト型濃縮機60では、無端ベルト63の全長Lを長くした分、ろ過時間を長く確保することができるため、グラフG2に示されるように、供給汚泥量が20m/hの場合、濃縮汚泥濃度は約4.1%となり、グラフG1の場合よりも濃縮汚泥濃度が上昇する。しかしながら、グラフG2のベルト型濃縮機60は、グラフG1のベルト型濃縮機60に比べて、無端ベルト63の全長Lが2倍になっているため、長大化するといった問題がある。
【0031】
一方、本実施の形態のベルト型濃縮機1では、グラフG3に示すように、供給汚泥量が20m/hの場合、濃縮汚泥濃度は約4.1%となり、グラフG2で示した従来のベルト型濃縮機60のものとほぼ同じ値になる。しかしながら、グラフG2で示した従来のベルト型濃縮機60の無端ベルト63の全長Lが6mであるのに対して、グラフG3で示した本実施の形態のベルト型濃縮機1は上段の無端ベルト12の全長L1を1mとし下段の無端ベルト17の全長L2を2mとしているため、同じ濃縮汚泥濃度であっても、ベルト型濃縮機1の方が短小化される。
【0032】
また、図7は、供給汚泥量と固形物回収率との関係を示すグラフであり、グラフG1,G2は図9に示した従来のベルト型濃縮機60のものであり、このうち、グラフG1はベルト型濃縮機60の無端ベルト63の全長Lを3mにしたものであり、グラフG2はベルト型濃縮機60の無端ベルト63の全長Lを6mにしたものである。また、グラフG3は、図1に示した本実施の形態のベルト型濃縮機1のものであり、上段の無端ベルト12の全長L1を1mにし、下段の無端ベルト17の全長L2を2mにしたものである。
【0033】
尚、各供給汚泥量に対する各無端ベルト63および上下両段の無端ベルト12,17の回動速度は上記図6の場合と同じである。
上記グラフにおいて、例えば、汚泥の定格処理量を10m/hとし、この定格処理量の2倍の20m/hの汚泥を供給する高負荷運転を行った場合、グラフG1,G2において、従来のベルト型濃縮機60の無端ベルト63の全長Lに関わらず、固形物回収率はほぼ同じ値になる。さらに、本実施の形態のベルト型濃縮機1においても、グラフG3に示すように、固形物回収率は従来のベルト型濃縮機60とほぼ同じ値になる。これにより、本実施の形態のベルト型濃縮機1の固形物回収率が従来のベルト型濃縮機60の固形物回収率に比べてほとんど低下することはない。
【0034】
上記第1の実施の形態では、図1に示すように、投入部2と排出部3との間に、分割ベルト型濃縮装置5,6を二台設けているが、第2の実施の形態として、図8(a)に示すように、分割ベルト型濃縮装置5,6,7を三台又はそれ以上設けてもよい。この場合、各無端ベルトの回動速度は、排出部3に近い無端ベルトほど低速に設定されている。
【0035】
上記第1の実施の形態では、図1に示すように、各分割ベルト型濃縮装置5,6を設置面(床面又は地面)に対して水平に設置しているが、第3の実施の形態として、図8(b)に示すように、各分割ベルト型濃縮装置5,6,7を設置面(床面又は地面)に対して傾斜させて設置してもよい。これによると、投入部2から排出部3までが占有する高さHを低く抑えることができるため、図1又は図8(a)に示したものに比べて、ベルト型濃縮機1を高さ方向において小型化し得る。
【0036】
上記各実施の形態では、モータ13,18で分割ベルト型濃縮装置5,6の各後部のローラ11,16を回転駆動させているが、前部のローラ10,15を回転駆動させてもよい。
【0037】
上記各実施の形態では、2台のモータ13,18で2つの無端ベルト12,17を個別に回動させているが、共通した1台のモータで2つの無端ベルト12,17を異なる速度で回動させてもよい。
【0038】
上記各実施の形態では、下段の無端ベルト17の回動速度を上段の無端ベルト12の回動速度よりも低速に設定しているが、この速度関係を維持したままで、濃縮対象汚泥Aの供給量や性状に応じて、制御部25によってモータ13,18の回転速度を制御し、各無端ベルト12,17の回動速度を最適な値に制御してもよい。
【0039】
上記各実施の形態では、下段の無端ベルト17の全長L2を上段の無端ベルト12の全長L1よりも長く形成しているが、上記全長L2と全長L1とを同じ長さに形成してもよく、或いは、上記全長L2を全長L1よりも短く形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるベルト型濃縮機の構成を示す側面図である。
【図2】同、ベルト型濃縮機の無端ベルトの拡大平面図である。
【図3】図2におけるX−X矢視図である。
【図4】同、ベルト型濃縮機の上段の無端ベルト上で脱水される汚泥の状態を示す図である。
【図5】同、ベルト型濃縮機の下段の無端ベルト上で脱水される汚泥の状態を示す図である。
【図6】同、ベルト型濃縮機の供給汚泥量と濃縮汚泥濃度との関係を示すグラフである。
【図7】同、ベルト型濃縮機の供給汚泥量と固形物回収率との関係を示すグラフである。
【図8】(a)は本発明の第2の実施の形態におけるベルト型濃縮機の構成を示す概略側面図であり、(b)は本発明の第3の実施の形態におけるベルト型濃縮機の構成を示す概略側面図である。
【図9】従来のベルト型濃縮機の構成を示す側面図である。
【図10】同、ベルト型濃縮機のろ過時間と濃縮汚泥濃度との関係を示すグラフである。
【図11】同、ベルト型濃縮機によって濃縮される濃縮対象汚泥の特徴(性状)を示す拡大図である。
【図12】同、ベルト型濃縮機で脱水される汚泥の状態を示す図である。
【図13】同、ベルト型濃縮機で脱水される汚泥のフロック層の厚さと自由水の透水速度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0041】
1 ベルト型濃縮機
2 投入部
3 排出部
12,17 無端ベルト
A 濃縮対象汚泥
B 濃縮汚泥
V1,V2 回動速度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透水性を有する回動自在な無端ベルト上に濃縮対象汚泥を投入し、回動する無端ベルトによって濃縮対象汚泥を搬送しながら重力脱水するベルト型濃縮機であって、濃縮対象汚泥を投入する投入部と濃縮汚泥を排出する排出部との間に、上記無端ベルトが複数連なって設けられ、投入部から投入された濃縮対象汚泥が、順次、投入部側の無端ベルトから排出部側の無端ベルトへ搬送されるように、各無端ベルトが配置されており、無端ベルトの回動速度を排出部側に近い無端ベルトほど低速に設定することを特徴とするベルト型濃縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−167765(P2007−167765A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368917(P2005−368917)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】