説明

ベンズイミダゾール化合物の調製方法

式Ia−1(式中、Z、X、X、X、R及びR10は、本明細書で定義されている通りである)を有するベンズイミダゾールカルボン酸コア構造等の複素環化合物及びこの合成中間体の合成方法が提供される。式Ia−1の化合物及びこの合成中間体は、ベンズイミダゾール誘導体等の複素環式誘導体を調製するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる、2005年6月23日出願の米国特許仮出願第60/693270号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、複素環化合物の調製方法に関する。さらに具体的に言えば、本発明は、ベンズイミダゾール誘導体等の薬剤を調製するために使用することのできる化合物の合成に関する。本発明は、さらに、本発明及び本発明の調製方法による複素環化合物の合成中に得られる中間体化合物を含む。
【背景技術】
【0003】
ベンズイミダゾール誘導体は、癌、ウイルス感染、並びに炎症を含む疾患及び病的状態の治療のための治療法として研究されてきており、米国特許公開第2003/0232869号、第2004/0116710号、及び第2003/0216460号、米国特許第5525625号、WO98/43960、WO99/01421、WO99/01426、WO00/41505、WO00/42002、WO00/42003、WO00/41994、WO00/42022、WO00/42029、WO00/68201、WO01/68619、WO02/06213、WO03/077914、及びWO03/077855を含めて、過去数年間に多数の特許及び文献が開示されている。
【0004】
特に、WO03/077914は、スキーム1で例示される様な11の直線工程で、2,3,4−トリフルオロ安息香酸からベンズイミダゾール誘導体11のナトリウム塩の合成を記載している。この経路は、工程の数が非常に長いだけではなく、製造規模で行うには有害になり得る多数の化学変換を含み、及び/又は最終的な活性薬剤成分(API)において許容されない副生成物の水準を生み出す。工業的適用に適する方法としては、(i)大規模で行い易く、(ii)環境への影響が少なく(例えば、必要な原料物質の量及び/又は生み出される廃棄物の量に関して)、(iii)安全(例えば、毒性廃棄物を生成しない低毒性の材料の使用)、及び(iv)できる限り低コスト(例えば、より高い収率及びより集中的合成であることによる)であるべきことは当業者の理解するところである。
【0005】
ベンズイミダゾール等の複素環化合物は治療法として潜在的に有用であるので、大規模製造にとってより受け入れ易く又は適したベンズイミダゾール誘導体の製造のためのさらに有効な合成経路に対する継続的な要求が存在する。
【化1】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、本発明は、ベンズイミダゾール誘導体等の治療化合物の製造にとって有用な、複素環化合物及びこの合成中間体を調製する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様によれば、一般式Ia−1、Ia−2、Ib−1、Ib−2及びIc−1
【化2】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化3】


、又は、例えば、加水分解により前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びR2bは、独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、式Ic−1に対しては、Rは水素ではなく、
及びXは、独立に、水素、F、Cl、Br、I、OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル及びC〜C10チオアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル及びチオアルキル部分は、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びアジドから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)から選択され、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及び−O−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]の化合物及びこれらの合成中間体、並びにこれらの塩及び溶媒和物の調製のための方法が提供される。
【0008】
さらに具体的に言えば、本発明の一実施形態は、式Ia−1
【化4】


(式中、Z、R、R10、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)により表されるN−3ベンズイミダゾール化合物及びこの合成中間体、並びにこの塩及び溶媒和物を調製するための、本明細書では方法1として参照される方法であり、前記方法が、

【化5】


(式中、X及びXは、独立に、F、Cl、Br、I、又はスルホネートエステルであり、Z及びXは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物をニトロ化して、式II
【化6】


(式中、X、X、X及びZは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
前記式IIの化合物を、場合により高温で及び/又は加圧下で、2当量以上の(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬で処理して式VI−11の化合物を得る工程、或いは前記式IIの化合物を、(iv)2当量以上の金属アジドで、場合により高温で及び/又は加圧下で処理して式VI−12
【化7】


(式中、X、R及びZは、本明細書で定義されている通りであり、R2aは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−OR又は−NHR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)の化合物を得る工程、
前記式VI−11又はVI−12の化合物を還元して、式VIIa−1
【化8】


(式中、X、R、R2a及びZは、本明細書で定義されている通りであり、式VI−11又はVI−12のAが、−NH−ベンジル、−NHOR、−NHNHR又はNである場合は、式VIIa−1のR及びR2aは水素である)の化合物を得る工程、
2aが水素である場合は、前記式VIIa−1の化合物を環化して、式VIIIa−1
【化9】


(式中、Z、R、R2a、R10及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、及び
2aが水素である場合は、前記式VIIIa−1の化合物を、式
【化10】


(式中、X及びXは、本明細書で定義されている通りであり、Xは、F、Cl、Br、I、−OSOCF、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、−B(OR、−BF又は−Bi(Rである)を有する試薬と、場合により(i)高温で、及び場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて、前記式Ia−1の化合物を得る工程を含む方法を提供する。
【0009】
方法1の特定の実施形態では、式Ia−1
【化11】


(式中、Zは、−C(=O)ORであり、Rは、C〜C10アルキルであり、R、R10、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物の調製方法であり、前記方法が、
i)式
【化12】


(式中、X及びXは、独立に、F、Cl、Br、I、又はスルホネートエステルであり、Xは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物をニトロ化して、式II
【化13】


(式中、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
ii)式IIの化合物を、式ROH(ここで、Rは、C〜C10アルキルである)の化合物と反応させて、式
【化14】


(式中、RはC〜C10アルキルであり、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)を有する相当するエステルを形成する工程、
iii)工程(ii)からの前記エステルを、アンモニアを発生する試薬の2当量以上と反応させて、式VI−11
【化15】


(式中、R2aは水素であり、RはC〜C10アルキルであり、R及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を形成する工程、
iv)前記式VI−11の化合物を還元して、式VIIa−1
【化16】


(式中、R2aは水素であり、RはC〜C10アルキルであり、R及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
v)前記式VIIa−1の化合物を環化して、式VIIIa−1
【化17】


(式中、R2aは水素であり、RはC〜C10アルキルであり、R、R10及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、及び
vi)前記式VIIIa−1の化合物を、式
【化18】


(式中、X及びXは、本明細書で定義されている通りであり、Xは、F、Cl、Br、I、−OSOCF、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、−B(OR、−BF又は−Bi(Rである)を有する試薬とカップリングさせて、前記式Ia−1の化合物を得る工程を含む方法が提供される。
【0010】
この方法のカップリング段階は、場合により、i)高温で、及び場合により塩基の存在下で又はii)金属系触媒及び塩基の存在下で行われる。
【0011】
方法1のその他の特別の実施形態では、式Ia−1
【化19】


(式中、R、R、R10、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物の調製方法であり、前記方法が、
式VIIIa−1
【化20】


(式中、R2aは水素である)の化合物を、式X
【化21】


(式中、X及びXは、本明細書で定義されている通りであり、Xは、F、Cl、Br、I、−OSOCF、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、−B(O−R、−BF又は−Bi(Rである)を有する試薬と、適当な金属系触媒及び塩基の存在下で適当な溶剤中でカップリングさせる工程を含む、方法が提供される。
【0012】
一実施形態では、式Xの試薬は、式
【化22】


(式中、XはBrであり、Xはアルキル又はハロゲンであり、Xはヨードである)を有する。
【0013】
一実施形態では、式Ia−1の化合物は、そのエステル化形態(すなわち、ZがCOORである)として単離される。その他の実施形態では、エステル基COORは加水分解され、化合物は遊離酸(ZがCOOHである)又はこの塩、例えば、ナトリウム塩として単離される。
【0014】
その他の実施形態では、本発明は、式Ia−2
【化23】


(式中、R、R、R10、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)により表されるN−3ベンズイミダゾール化合物及びこの合成中間体、並びにこの塩及び溶媒和物を調製するための、本明細書では方法2として参照される方法であり、前記方法が、

【化24】


(式中、X、X、X及びZは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物をニトロ化して、式II
【化25】


(式中、Z、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
前記式IIの化合物を、場合により高温で及び/又は加圧下で、2当量以上の(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬で処理して式VI−11(ここで、R2aは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、或いは前記式IIの化合物を、場合により高温で及び/又は加圧下で、(iv)2当量以上の金属アジドで処理して式VI−12
【化26】


(式中、Z、X、R及びR2aは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
前記式VI−11又はVI−12の化合物を、式ROH(ここで、Rは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物と、場合により前記式ROHを有する化合物との反応のためにZ基を活性にする活性化剤の存在下で反応させて、式Va−11又は式Va−12
【化27】


(式中、R、R、R2a及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
前記式Va−11又はVa−12の化合物を還元して、式VIIa−2
【化28】


(式中、R、R、R2a及びXは、本明細書で定義されている通りであり、式Va−11又はVa−12のAが、−NH−ベンジル、−NHOR、−NHNHR又はNである場合は、式VIIa−2のR及びR2aは水素である)の化合物を得る工程、
2aが水素である場合は、前記式VIIa−2の化合物を環化して、式VIIIa−2
【化29】


(式中、R、R、R2a、R10及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、及び
2aが水素である場合は、前記式VIIIa−2の化合物を、式
【化30】


(式中、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)を有する試薬と、場合により(i)高温で、及び場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて、前記式Ia−2の化合物を得る工程を含む方法を提供する。
【0015】
本発明のなおその他の実施形態は、式Ib−1
【化31】


(式中、Z、R2b、R10、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)により表されるN−3ベンズイミダゾール化合物及びこの合成中間体、並びにこの塩及び溶媒和物を調製するための、本明細書では方法3として参照される方法であり、前記方法が、

【化32】


(式中、X、X、X及びZは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物をニトロ化して、式II
【化33】


(式中、X、X、X及びZは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
前記式IIの化合物を、Xの選択的置換を可能とする条件下で、(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬と反応させて式III−11の化合物を得る工程、或いは前記式IIの化合物を、Xの選択的置換を可能とする条件下で、(iv)金属アジドと反応させて式III−12
【化34】


(式中、X、X、R、R2a及びZは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
前記式III−11又はIII−12の化合物を、場合により高温で、(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬と反応させて式Vb−11(ここで、Bは−NR2b2cであり、Aは−NR2a又はNである)の化合物を得る工程、或いは前記式III−11又はIII−12の化合物を、場合により高温で、(iv)金属アジドと反応させて、式Vb−12(ここで、BはNであり、Aは−NR2a又はNである)
【化35】


(式中、Z、X、R、R2a、及びR2bは、本明細書で定義されている通りであり、R2cは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−OR又は−NHR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)の化合物を得る工程、
前記式Vb−11又はVb−12の化合物を還元して、式VIIb−1
【化36】


(式中、Z、R、R2a、R2b、R2c及びXは、本明細書で定義されている通りであり、式Vb−11又はVb−12のA及び/又はBが、−NH−ベンジル、N、−NHOR若しくは−NHNHRである場合は、式VIIb−1のそれぞれにR及びR2a並びに/又はR2b及びR2cは水素である)の化合物を得る工程、
2aが水素である場合は、前記式VIIb−1の化合物を環化して、式VIIIb−1
【化37】


(式中、Z、R2b、R2c、R10及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、及び
2cが水素である場合は、前記式VIIIb−1の化合物を、式
【化38】


(式中、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)を有する試薬と、場合により(i)高温で、及び場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて、前記式Ib−1の化合物を得る工程を含む方法を提供する。
【0016】
その他の実施形態では、本発明は、式Ib−2
【化39】


(式中、R、R2b、R10、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)により表されるN−3ベンズイミダゾール化合物及びこの合成中間体、並びにこの塩及び溶媒和物を調製するための、本明細書では方法4として参照される方法であり、前記方法が、

【化40】


(式中、X、X、X及びZは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物をニトロ化して、式II
【化41】


(式中、X、X、X及びZは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
前記式IIの化合物を、Xの選択的置換を可能とする条件下で、(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬と反応させて式III−11の化合物を得る工程、或いは前記式IIの化合物を、Xの選択的置換を可能とする条件下で、(iv)金属アジドと反応させて式III−12
【化42】


(式中、Z、R、R2a、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
前記式III−11又はIII−12の化合物を、式ROH(ここで、Rは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物と、場合により前記式ROHの化合物との反応のためにZ基を活性にする活性化剤の存在下で反応させて、式IV−21又はIV−22
【化43】


(式中、R、R、R2a、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
前記式IV−21又はIV−22の化合物を、場合により高温で、(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬と反応させて式Vb−21(ここで、Bは−NR2b2cであり、Aは−NR2a又はNである)の化合物を得る工程、或いは前記式IV−21又はIV−22の化合物を、(iv)金属アジドと、場合により高温で反応させて、式Vb−22(ここで、BはNであり、Aは−NR2a又はNである)
【化44】


(式中、R、R、R2a、R2b、R2c及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
前記式Vb−21又はVb−22の化合物を還元して、式VIIb−2
【化45】


(式中、R、R、R2a、R2b、R2c及びXは、本明細書で定義されている通りであり、式Vb−21又はVb−22のA及び/又はBが、−NH−ベンジル、N、−NHOR若しくは−NHNHRである場合は、式VIIb−2のそれぞれにR及びR2a並びに/又はR2b及びR2cは水素である)の化合物を得る工程、
2aが水素である場合は、前記式VIIb−2の化合物を環化して、式VIIIb−2
【化46】


(式中、R、R2b、R2c、R10及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、及び
2cが水素である場合は、前記式VIIIb−2の化合物を、式
【化47】


(式中、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物と、場合により(i)高温で、及び場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて、前記式Ib−2の化合物を得る工程を含む方法を提供する。
【0017】
本発明のなおその他の実施形態は、式Ic−1
【化48】


(式中、Z、R2b、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)により表されるN−1ベンズイミダゾール化合物及びこの合成中間体、並びにこの塩及び溶媒和物を調製するための、本明細書では方法5として参照される方法であり、前記方法が、
方法3で記載された様に調製された式VIIb−1
【化49】


(式中、Rは水素ではなく、Z、R2a、R2b、R2c及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を環化して、式XIb−1
【化50】


(式中、Z、R2b、R2c、R10及びXは、本明細書で定義されている通りであり、Rは水素ではない)の化合物を得る工程、及び
前記式XIb−1の化合物を、式
【化51】


(式中、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)を有する試薬と、場合により(i)高温で、及び場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて、前記式Ic−1の化合物を得る工程を含む方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上述の方法1〜5のいずれかで、ベンズイミダゾールコア構造を得るために、式VIIa−1、VIIa−2、VIIb−1又はVIIb−2の化合物を環化する工程は、幾つかの方法で行うことができる。幾つかの環化方法、すなわち、方法A〜Eは、説明を容易にするために式VIIb−1の化合物の酸化に関して一般に以下で記載されるが、方法A〜Eは、式VIIa−1、VIIa−2及びVIIb−2の化合物の環化にも等しく適用するものであることが理解されるべきである。環化方法は、使用される試薬及び式VIIa−1、VIIa−2、VIIb−1及びVIIb−2の化合物上の置換基によってN−3ベンズイミダゾール誘導体又はN−1ベンズイミダゾール誘導体を得る。
【0019】
方法A:方法Aにより、式VIIb−1(式中、R及びR2aは水素である)の化合物は、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、又は(ii)酸の存在下でギ酸誘導体での処理による「ワンポット」方法で、式VIIIb−1(式中、R10は水素である)で表される相当するベンズイミダゾールに環化することができる。次いで、式VIIIb−1の化合物は、以下で詳細に説明される様に、式Ibの化合物に持って行くことができる。
【0020】
方法B:方法Bにより、式VIIb−1(式中、R2aは水素であり、Rは水素ではない)の化合物は、式XIb−1で表される中間体N−1ベンズイミダゾール化合物を得るために、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、(ii)酸の存在下でギ酸誘導体、又は(iii)酸の存在下でホルムアルデヒド若しくはホルムアルデヒド誘導体での処理による複数工程方法で、式VIIIb−1で表される相当するN−3ベンズイミダゾールに環化することができる。次いで、式XIb−1の化合物は、N−3位をアルキル化し、次いで、N−1位におけるR基の除去により式Ib−1のN−3ベンズイミダゾール誘導体に持って行くことができる。
【0021】
方法C:方法Cにより、式VIIb−1(式中、R及びR2aは水素である)の化合物は、酸の存在下で、2当量以上のホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド誘導体での処理による「ワンポット」方法で、式VIIIb−1(式中、R10はメチルである)で表される相当するN−3ベンズイミダゾールに環化することができる。次いで、式VIIIb−1の化合物は、以下で詳細に説明される様に、式Ib−1により表されるN−3ベンズイミダゾール化合物に持って行くことができる。
【0022】
方法D:方法Dにより、式VIIb−1(式中、R及びR2aは水素である)の化合物は、
(a)式VIIb−1
【化52】


の化合物を適当なアシル化剤と反応させて、式IXb
【化53】


(式中、Z、R、R2a及びXは、本明細書で定義されている通りであり、R10aは、H、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)の化合物を得る工程、
(b)前記式IXbの化合物のアミド基を還元して、式Xb
【化54】


(式中、Z、R、R2a、R10a及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、及び
(c)前記式Xbの化合物を、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、又は(ii)酸の存在下でギ酸誘導体と反応させて、前記式VIIIb−1の化合物を得る工程を含む、段階的方法により式VIIIb−1(ここで、R10は水素ではない)により表される相当するベンズイミダゾールに環化することができる。或いは、方法Dのその他の実施形態により、式Xbの化合物は、前記式VIIb−1の化合物と式R10aCHL(ここで、Lは、Cl、Br、I、OMs、OTs、OTf等の離脱基である)のアルキル化剤との反応により得られてもよい。
【0023】
方法E:方法Eにより、式VIIb−1(式中、R2aは水素であり、Rは水素ではない)の化合物は、
(a)式VIIb−1
【化55】


の化合物を適当なアシル化剤と反応させて、式IXb
【化56】


(式中、Z、R、R2a及びXは、本明細書で定義されている通りであり、R10aは、H、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)の化合物を得る工程、
(b)前記式IXbの化合物のアミド基を還元して、式Xb
【化57】


(式中、Z、R、R2a、R2b、R2c、R10a及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
(c)前記式Xbの化合物を、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、又は(ii)酸の存在下でギ酸誘導体と反応させて、前記式XIIb−1
【化58】


(式中、Z、R、R2b、R2c、R10a及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、及び
基を除去して、式Ib−1のN−3ベンズイミダゾール化合物を得る工程を含む段階的方法により式VIIIb−1(ここで、R10は水素ではない)の相当するベンズイミダゾール化合物に環化することができる。或いは、方法Eのその他の実施形態により、式Xbの化合物は、式VIIb−1の化合物と式R10aCHL(ここで、Lは、Cl、Br、I、OMs、OTs、OTf等の離脱基である)のアルキル化剤との反応により得られてもよい。
【0024】
さらなる態様では、本発明は、式III、Va−1、Vb−1、VIIa−1、VIIb−1、VIIIa−1、VIIIb−1及びXIb−1の化合物、並びにこれらの塩及び溶媒和物を提供する。式III、Va−1、Vb−1、VIIa−1、VIIb−1、VIIIa−1、VIIIb−1及びXIb−1を有する化合物は、ベンズイミダゾール、ベンズイミダゾロン、ピラジン、及びピペラジンを含むがこれらに限定されない複素環化合物の合成のために有用である。
【0025】
本発明のさらなる利点及び新規な特徴は以下の説明において一部示され、そして一部は、以下の明細書の考察により当業者に明らかとなり、又は本発明の実施により確認することができる。本発明の利点は、詳細な説明及び添付の特許請求の範囲において特に指摘されている手段、組合せ、組成物、及び方法によって実現し且つ達成することができる。
【0026】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明の原理を説明するのに役立つ記述と一緒に、本発明の非制限的実施形態を例示する。
【0027】
本発明の一態様は、一般式Ia−1、Ia−2、Ib−1、Ib−2及びIc−1
【化59】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化60】


、又は、例えば、加水分解により前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、式Ic−1に対しては、Rは水素ではなく、
2bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びXは、独立に、水素、F、Cl、Br、I、OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル又はC〜C10チオアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル及びチオアルキル部分は、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びアジドから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)から選択され、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及び−O−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]の化合物及びこれらの合成中間体、並びにこれらの塩及び溶媒和物の調製方法を提供する。
【0028】
一般式Ia−1、Ia−2、Ib−1及びIb−2のN−3ベンズイミダゾール化合物を調製するための方法は、幾つかの方法で行うことができる。4つの方法、すなわち、方法1〜4は、図1〜4でそれぞれに示され、以下で説明される。方法5は、式Ic−1により表されるN−1ベンズイミダゾール誘導体の合成を説明する。
【0029】
方法1〜5のある実施形態では、Zは−C(=O)NRである。ある実施形態では、RはORであり、RはHである。ある実施形態では、Rは、場合によりOH、O−(C〜C−アルキル)又は−O−(C〜C10−アルケニル)で置換されたC〜C10アルキルである。ある実施形態では、Rは−(CH−OHである。特定の実施形態では、Zは−C(=O)NH(CH−OHである。
【0030】
方法1〜5のある実施形態では、ZはCOORである。ある実施形態では、RはC〜C10アルキルである。特定の実施形態では、Rはメチルである。
【0031】
方法1〜5のある実施形態では、Xはハロゲンである。特定の実施形態では、XはFである。
【0032】
方法1〜5のある実施形態では、X及びXは、H又はハロゲンであり、Xはハロゲンである。その他の実施形態では、Xはアルキルである。ある実施形態では、XはBrである。ある実施形態では、XはClである。ある実施形態では、Xはヨードである。
【0033】
方法1〜5のある実施形態では、R10はC〜C10アルキルである。特定の実施形態では、R10はメチルである。
【0034】
方法1〜5のその他の実施形態では、R及びR2bは水素である。
【0035】
ある実施形態では、方法1〜5は、Ia−1、Ia−2、Ib−1、Ib−2及びIc−1(式中、Zは−C(=O)NRであり、Xはハロゲンであり、X及びXは、H又はハロゲンであり、R10はC〜C10アルキルである)の化合物の調製方法を提供する。ある実施形態では、RはORであり、RはHであり、XはFであり、XはClであり、R10はメチルである。特定の実施形態では、Zは−C(=O)NH−(CHCHOH)であり、XはFであり、XはClであり、R10はメチルである。
【0036】
ある実施形態では、方法1〜5は、Ia−1、Ia−2、Ib−1、Ib−2及びIc−1(式中、ZはCOORであり、Xはハロゲンであり、X及びXは、H又はハロゲンであり、R10はC〜C10アルキルである)の化合物の調製方法を提供する。ある実施形態では、RはC〜C10アルキルであり、XはFであり、XはClであり、R10はメチルである。特定の実施形態では、ZはCOOCHであり、XはFであり、XはClであり、R10はメチルである。
【0037】
方法1:本発明の一実施形態は、式Ia−1
【化61】


(式中、X、X、X、R及びR10は、本明細書で定義されている通りであり、Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化62】


、又は、例えば、加水分解により前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分である)の化合物及びこの合成中間体、並びにこの塩及び溶媒和物を調製するための、本明細書では方法1として参照され、図1で図式的に示される方法を提供する。加水分解により、定義されたZ基に変換できる部分の例としては、式C(ORを有するオルトエステル及び式CH(ORを有するアセタールが挙げられるがこれらに限定されない。
【0038】
さらに具体的に言えば、方法1は、式
【化63】


(式中、X及びXは、独立に、F、Cl、Br、I、又はトリフルオロメタンスルホネート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート若しくはp−トルエンスルホネート等であってこれらに限定されないスルホネートエステルであり、X及びZは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物をニトロ化して、式II
【化64】


(式中、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程を含む。式IIの化合物の一実施形態では、X、X及びはFである。
【0039】
当業者に良く知られているニトロ化反応条件は、濃硫酸等の活性化剤の存在下で、芳香族系と硝酸とを反応させることを含むことができる。例えば、一実施形態では、2,3,4−トリハロ安息香酸は、HSOにおいて発煙硝酸で処理して、2,3,4−トリハロ−ニトロ安息香酸、例えば、2,3,4−トリフルオロ−5−ニトロ安息香酸等を高収率で与えることができる。
【0040】
次いで、式IIの化合物は、X及びXの求核置換を含むビス−アミノ化反応を受ける。芳香族環におけるニトロ基に対してオルト−又はパラ−の離脱基(ハロゲン化物、又はスルホネートエステル等)の求核置換は、アミノ基の芳香族環への導入のための当該技術分野において良く知られた方法である。式IIの化合物の場合では、ニトロ基に対してオルト−又はパラ−位の離脱基は、適当な条件下で、単一工程で置換することができる。ビス−アミノ化の例は、方法1及び以下の方法2で本明細書では例示される。さらに具体的に言えば、方法1により、式IIの化合物は、場合により高温で、2当量以上の、(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬で処理して、式VI−11(式中、AはNR2aである)の化合物を得るか、或いは前記式IIの化合物は、(iv)場合により高温及び/又は加圧下で2当量以上の金属アジドで処理して、式VI−12(式中、AはNである)
【化65】


(式中、X、R及びZは、本明細書で定義されている通りであり、R2aは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−OR、又は−NHR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル、又はアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)の化合物を得る。ある実施形態では、R2aは、水素、置換又は非置換ベンジル、アリル若しくは−C(O)OR等の窒素保護基である。特定の実施形態では、R2aは水素である。
【0041】
方法1の特定の実施形態では、式II(式中、ZはCOOHである)の化合物は、1工程で、Z基のエステル化及びビス−アミノ化を受けることができる。これは、式II(式中、ZはCOOHである)の化合物を式ROH(ここで、Rは、C〜C10アルキルである)の化合物と、場合により活性化剤の存在下反応させて、その場で相当するエステルを形成し、続いてこのエステルを2当量以上の、(i)アンモニアを発生する試薬、例えば、水酸化アンモニウム又は(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミンと反応させて、式VI−11(式中、ZはCOORであり、RはC〜C10アルキルであり、R及びR2aは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得ることにより達成されてもよい。
【0042】
活性化剤の例としては、(a)無機及び有機酸、(b)カルボン酸を、SOCl又は(COCl)、アルキルクロロホルメート、アリールクロロホルメート及び酸塩化物(例えばトリメチルアセチルクロライド)等のハロゲン化剤を含むがこれらに限定されない酸塩化物に転換することのできる試薬、(c)ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を含むがこれに限定されないカルボジイミド、(d)トリメチルシリルクロライド(MeSiCl)を含むがこれに限定されないトリアルキルシリルハロゲン化物、(e)アルキルクロロホルメート(例えば、イソブチルクロロホルメート)及びアリールクロロホルメート(フェニルクロロホルメート)等のクロロホルメート、及び(f)ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)(一般に、PhP等であってこれに限定されないホスフィン試薬と併せて使用される)等であってこれに限定されないジアルキルアゾジカルボキシレートが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、活性化剤はトリメチルシリルクロライドである。
【0043】
アンモニアを含む又は発生する試薬の例としては、NH及びNHOHが挙げられるがこれらに限定されない。本発明の目的に適した第一級及び第二級アミンの例としては、式HNR2a(ここで、R及びR2aは、本明細書で定義されている通りである)を有するアミンが挙げられる。第一級及び第二級アミンの特定の例としては、メチルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン及びヘキサメチルジシラザンが挙げられるがこれらに限定されない。後にアミンに転換することのできる基を供給する試薬の例としては、(1)ナトリウム、カリウム及びリチウムアミド等の金属アミド、又はこれらのアルキル化誘導体、(2)保護されたアンモニア、又はヒドロキシルアミン及びヒドラジン等であってこれらに限定されないアミド均等物、(3)式MNR2a(ここで、Mは、Na、K、Li、Cs、Mg又はAl等の金属である)を有する窒素求核試薬、及び(4)リチウム(ビス)(トリメチルシリル)アミド、ナトリウム(ビス)(トリメチルシリル)アミド又はカリウム(ビス)(トリメチルシリル)アミド等の金属シリルアミドが挙げられるがこれらに限定されない。金属アジドの例としては、ナトリウムアジド(NaN)、カリウムアジド(KN)及びリチウムアジド(LiN)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0044】
ビス−アミノ化反応は、N−メチルピロリジン、THF、ジオキサンを含むがこれらに限定されない任意の適当な有機又は水性溶剤において、−20℃〜200℃の範囲の温度で行うことができる。ある実施形態では、反応は約50〜100℃の範囲の高温で行われる。式VI−11の化合物を調製するための方法の一例は、式IIの化合物と水酸化アンモニウムとを、50〜100℃、特に80〜90℃の温度で反応させる工程を含む。
【0045】
式IIの化合物から式VI−11の化合物を調製するための方法のその他の例は、例えば、式II(式中、Z=COH、並びにX及びX=F)の化合物を、例えば80〜90℃のような高湿で、密閉反応器中、例えば0〜5barのようなアンモニアの僅かな加圧下でN−メチルピロリジン中で、過剰の水酸化アンモニウム溶液と反応させて、式VI−11(式中、Z=COH、R=H、及びR2a=H)の化合物を高収率で得る工程を含む。
【0046】
本発明はまた、式VI−11及びVI−12(式中、Z、X、A、R及びR2aは、本明細書で定義されている通りである)の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物を提供する。式VI−11及びVI−12の化合物の幾つかの実施形態では、Zは−COOR又は−C(=O)NRである。ある実施形態では、Rは−ORであり、RはHである。特定の実施形態では、Rは−(CH−OHである。幾つかの実施形態では、Xはハロゲンである。特定の実施形態では、XはFである。式VI−11の化合物の幾つかの実施形態では、AはNHである。
【0047】
次いで、式VI−11又はVI−12の化合物は還元されて、式VIIa−1
【化66】


(式中、X、R、R2a及びZは、本明細書で定義されている通りであり、前記式VI−11又はVI−12の化合物のAが、−NH−ベンジル、−NHOR、−NHNHR、又はNである場合は、式VIIa−1の化合物のR及びR2aは水素である)の化合物を得る。
【0048】
還元工程は、当業者に良く知られている反応条件及び試薬を使用して行うことができる。芳香族ニトロ基を還元するための適当な方法の例としては、溶解金属還元、接触水素化、及び酵素反応が挙げられるがこれらに限定されない。溶解金属還元のさらに特殊な例としては、酸性条件下で適当な溶剤中での金属の使用が挙げられる。溶解金属還元に適した金属の例としては、Zn、Fe及びSnが挙げられるがこれらに限定されない。適当な溶剤系としては、水及び/又は有機溶剤、例えば、アルコール、カルボン酸、エーテル又はこれらの混合物等であってこれらに限定されない有機溶剤が挙げられる。例えば、一実施形態では、式VI−11又はVI−12の化合物は、亜鉛粉末及び濃HClを使用して、メタノール及び水の混合物中で、0〜100℃の温度、さらに一般には50〜70℃で、式VIIa−1の化合物へ転換することができる。接触水素化は、金属触媒の存在下で、適当な溶剤系において、水素下で(例えば、1〜20atm.H)、一般には0〜100℃の温度で、水素を伴って行うことができる。接触水素化で使用するための適当な金属触媒としては、Pd、Pt、Rh及びNiが挙げられるがこれらに限定されない。適当な溶剤系の例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)、酢酸、エステル(例えば、酢酸エチル)及びエーテル(例えば、THF)が挙げられるがこれらに限定されない。水性混合物を含めた混合溶剤も、水素化のために通常使用される。接触水素化は、式VI−11又はVI−12の化合物を式VIIa−1の化合物に転換するのに特に有効であることが分かった。一実施形態では、酸化白金が、炭素残渣のない式VIIa−1の化合物を得るのに有効且つ都合の良い触媒であることが分かった。その他の実施形態では、Pd(OH)は適当な水素化触媒であった。特定の実施形態では、炭素担持白金は有効であることが分かった。反応は、有機溶剤の範囲で行うことができ、メタノールとTHFとの混合物は、有効且つ都合の良いものであることが分かった。2〜10barの範囲の水素圧が有効であり、温度は一般に20〜80℃であった。
【0049】
本発明は、さらに、式VIIa−1(式中、Z、X、R及びR2aは、本明細書で定義されている通りである)の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物を提供する。式VIIa−1の化合物の幾つかの実施形態では、Zは−COOR又は−C(=O)NRである。ある実施形態では、RはORであり、RはHである。特定の実施形態では、Rは−(CH−OHである。幾つかの実施形態では、Xはハロゲンである。特定の実施形態では、XはFである。その他の実施形態では、R及びR2aは水素である。
【0050】
引き続き図1を参照すると、式VIIa−1の化合物は、前記式VIIa−1の化合物のR2aが水素である場合に、式VIIIa−1
【化67】


により表されるベンズイミダゾール誘導体へ環化することができる。
【0051】
ベンズイミダゾールコア構造を得るための環化工程は、幾つかの方法、例えば、本明細書で説明された方法A〜Eのどれか1つ等で行うことができる。
【0052】
また、本明細書においては、式VIIIa−1(式中、Z、X、R、R2a及びR10は、本明細書で定義されている通りである)の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物が提供される。式VIIIa−1の化合物の幾つかの実施形態では、ZはCOOR又は−C(=O)NRである。ある実施形態では、RはORであり、RはHである。特定の実施形態では、Rは−(CH−OHである。式VIIIa−1の化合物の幾つかの実施形態では、RはC〜C10アルキルである。特定の実施形態では、Rはメチルである。式VIIIa−1の化合物の幾つかの実施形態では、Xはハロゲンである。特定の実施形態では、XはFである。式VIIIa−1の化合物の幾つかの実施形態では、R及びR2aは水素である。その他の実施形態では、R10はメチルである。
【0053】
2aが水素である場合、式VIIIa−1の化合物は、図1で示される通り、式Ia−1の化合物に直接転換することができる。幾つかの方法が、芳香族アミンとハロベンゼンとをカップリングすることによるジアリールアミンの調製に対して文献で知られている(例えば、PCT公開第WO02/083622号を参照されたい)。求核芳香族置換及び遷移金属触媒方法は、特に一般的なカップリング方法である。しかしながら、式Ia−1の化合物の場合の様に、両方の環で高度に置換されたジアリールアミンを与える有効な遷移金属触媒カップリング方法の例は極めて少ない。さらに、高収率で所望の生成物を得るために、トリハロベンゼンと芳香族アミンとの間のカップリング反応に対して、文献で報告されている触媒は極めて少ない。しかしながら、特定の触媒系は、式VIIIa−1の化合物とアリールハロゲン化物とのカップリングに対して高収率を得るために使用することができることが本明細書で確認された。
【0054】
さらに具体的に言えば、図1で示される、式Ia−1の化合物の調製のための一実施形態は、適当な金属系触媒及び塩基の存在下で、適当な溶剤中での式VIIIa−1(式中、R2aは水素である)の化合物とアリールハロゲン化物との間のカップリング反応を含む。一実施形態では、アリールハロゲン化物は、式
【化68】


(式中、X及びXは、本明細書で定義されている通りであり、Xは、F、Cl、Br、I、−OSOCF、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、−B(O−R、−BF又は−Bi(Rである)を有する。その他の実施形態では、アリールハロゲン化物は、式
【化69】


を有する。
【0055】
ある実施形態では、Xは、F、Cl、Br、又はIであり、XはC〜C10アルキル、F、Cl、Br、又はIであり、Xは、F、Cl、Br、又はIである。ある実施形態では、XはBrである。ある実施形態では、XはClである。その他の実施形態では、Xはヨードである。特定の実施形態では、4−ブロモ−2−クロロヨードベンゼンは、4−ブロモ−2−クロロヨードベンゼンのヨード基が選択的に置換される、式VIIIa−1の化合物を式Ia−1の化合物へ転換するカップリング反応にとって有効な位置選択的パートナーであることが分かった。本発明のカップリング反応での使用にとって適当な塩基としては、I族及びII族金属塩基、例えば、NaCO、KCO、CsCO、NaOH及びNaOtBu等、及びトリエチルアミン等の有機塩基が挙げられるがこれらに限定されない。カップリング反応にとって適当な溶剤としては、トルエン、アニソール、2−メチルテトラヒドロフラン及びジオキサンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0056】
このカップリング反応にとって適当な金属系触媒としては、有機金属触媒が挙げられるがこれに限定されない。「有機金属触媒」という用語は、金属及び有機リガンドを含む触媒を意味する。金属の例としては、パラジウム、銅、ニッケル、及び白金が挙げられるがこれらに限定されない。銅にとって好ましいリガンドとしては、酸素、硫黄、窒素又はリン等のヘテロ原子を含むものが挙げられる。酸素基を含むリガンドは、一般に安価で簡単に入手ができ、エチレングリコールは、この方法において有効である都合の良いリガンドの特定の例である。パラジウム触媒カップリング反応に対しては、ホスフィンリガンドが有効であることが示されており、ある場合では、2つのホスフィン基又は1つのホスフィン基及び第二ヘテロ原子含有基を含む2座リガンドが有効であることが示されている。その様なリガンドの例としては、DPE−ホス(DPE−phos)及びキサントホス(Xantphos)が挙げられるがこれらに限定されない。適当な有機パラジウム触媒の例示的例としては、Pd(OAc)及びキサントホス、Pd(OAc)及びDPE−ホス、Pd(dba)及びキサントホス、Pd(dba)及びDPE−ホス、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)、及びパラジウムジクロライド[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]が挙げられるがこれらに限定されない。その他の有機パラジウム触媒は公知であり、Comprehensive Organic Transformation、2nd ed.、by Richard C.Larock、VCH Publishers、Inc.、New York、1999年において見出すことができる。好ましい触媒としては、キサントホス又はDPE−ホスと組み合わせたPd(OAc)及びPd(dba)が挙げられるがこれらに限定されない。本発明の特定の実施形態は、式VIIIa−1(式中、R2aは水素である)の化合物、及びハロ−置換ベンゼンを、トルエン中で、触媒量のPd(OAc)、キサントホス、及び過剰量の適当な塩基、例えば、CsCO等の存在下で還流する工程を含む。本発明のその他の実施形態は、式VIIIa−1(式中、R2aは水素である)の化合物、及びハロ−置換ベンゼンを、トルエン中で、触媒量のPd(OAc)及びDPE−ホスの存在下で、適当な塩基の存在下で還流する工程を含む。本発明の特定の実施形態は、式VIIIa−1の化合物及び置換ハロベンゼン(例えば、2−クロロ−4−ヨードブロモベンゼン)を、40〜140℃の温度で、アニソール中で、触媒量のPd(dba)及びキサントホス及び過剰量の適当な塩基、例えば、CsCO等の存在下で加熱する工程を含む。
【0057】
表1は、本発明の金属−触媒カップリング反応に対して評価されたリガンド、塩基及び溶剤の選択を纏めたものである。図5は、式VIIIa−1の化合物を式Ia−1の化合物へ転換するための有機金属カップリング反応において評価された幾つかのリガンドを例示し、リガンドの化学名は表2で示される。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
一実施形態では、パラジウム捕獲剤、例えば、Silicycle社のSiliabond Si−Thioureaは、本発明の方法により製造された化合物のPd含有量を減少させるのに使用することができる。
【0061】
或いは、金属−触媒カップリング反応は、銅触媒を使用して行うことができる(F.Y.Kwong、A.Klapars and S.L.Buchwald、Organic Letters 2002年、4、581頁〜584頁を参照されたい)。適当な銅系触媒の例としては、CuI/エチレングリコールが挙げられるがこれに限定されない。一実施形態では、反応はアルコール溶剤、例えば、イソプロパノール又は2−ブタノール等の中で、単純なキレートジオール触媒、例えば、エチレングリコール等を伴って行うことができる。
【0062】
選択的実施形態では、式Ia−1の化合物を得るための式VIIIa−1の化合物とアリールハロゲン化物とのカップリングは、場合により塩基、例えば、リチウムアミド等の存在下で、周囲温度又は高温で、直接の求核置換により進めることができる。
【0063】
方法2:なおその他の実施形態では、本発明は、式Ia−2
【化70】


(式中、R、R、R10、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物及びこの合成中間体、並びにこの塩及び溶媒和物を調製するための、本明細書では方法2として参照される方法を提供する。方法2は、図2で例示される様に、式Ia−2の化合物の合成中のある時点でZ基が−COOR基に転換される以外は、方法1のジアミノ化経路に従う。例えば、図2で示される様に、式VI−11又はVI−12(方法1において説明された通りに調製された)
【化71】


の化合物のZ基は、式VI−11又はVI−12の化合物を、式ROHを有する化合物と、場合により式ROH(ここで、Rは本明細書で定義されている通りである)の化合物との反応のために前記Z基を活性にする活性化剤の存在下で反応させて、式Va−11又はVa−12
【化72】


(式中、R、R、R2a及びXは、本明細書で定義されている通りである)により表される相当するエステル誘導体へ転換できる。本発明の目的に適した活性化剤の例としては、(a)無機及び有機酸、(b)カルボン酸を、ハロゲン化剤を含むがこれに限定されない酸塩化物に転換することのできる試薬、(c)カルボジイミド、(d)トリアルキルシリルハロゲン化物、(e)クロロホルメート、及び(f)ジアルキルアゾジカルボキシレート単独又はホスフィン試薬との併用を含めて、方法1に対して上で列挙した活性化剤が挙げられるがこれらに限定されない。
【0064】
式Va−11及びVa−12の化合物は、方法1で説明された方法と同様の方法で式Ia−2の化合物へ転換することができる。さらに具体的に言えば、図2で示される様に、式Va−11又はVa−12の化合物の式Ia−2の化合物への転換のための一実施形態は、
(i)前記式Va−11又はVa−12の化合物を還元して、式VIIa−2
【化73】


(式中、R、R、R2a及びXは、本明細書で定義されている通りであり、前記式Va−11又はVa−12の化合物のAが、−NH−ベンジル、−NHOR、−NHNHR又はNである場合は、式VIIa−2のR及びR2aは水素である)の化合物を得る工程、
(ii)R2aが水素である場合は、前記式VIIa−2の化合物を、本明細書に記載された環化方法A〜Eの任意の1つ等であってこれに限定されない方法を使用して環化して式VIIIa−2
【化74】


(式中、R、R、R2a、R10及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、及び
(iii)R2aが水素である場合は、式VIIIa−2で表されるベンズイミダゾールを、式
【化75】


(式中、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物と、場合により(i)高温で、及び場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて、前記式Ia−2の化合物を得る工程を含む。ある実施形態では、X、X及びXは、独立に、F、Cl、Br、又はIである。ある実施形態では、XはBrである。ある実施形態では、XはClである。その他の実施形態では、Xはヨードである。特定の実施形態では、式VIIIa−2の化合物は4−ブロモ−2−クロロヨードベンゼンと反応する。
【0065】
一実施形態では、式Va−11又はVa−12の化合物からVIIIa−2の化合物の合成は中間体化合物VIIa−2の単離なしで行われる。その他の実施形態では、式VIIa−2の中間体化合物は単離される。
【0066】
図2で例示される方法2は、式VI−11又はVI−12の化合物からVa−11又はVa−12の化合物の調製中でのZ基のCOOR基への転換を示すが、図2は、説明をし易くするために方法2の幾つかの実施形態の1つだけを示すものであることが理解されるべきである。すなわち、Z基は、方法2の工程中の任意の点でCOORへ転換することができる。
【0067】
方法3:なおその他の実施形態では、本発明は、式Ib
【化76】


(式中、Z、X、X、X、R2b及びR10は、本明細書で定義されている通りである)の化合物及びこの合成中間体、並びにこの塩及び溶媒和物を調製するための、本明細書では方法3として参照され、一般には図3で示される段階的アミノ化方法を提供する。一般に、本発明の一実施形態によれば、方法3による式Ib−1の化合物の調製方法は、式
【化77】


(式中、X、X、X及びZは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物をニトロ化して、式II
【化78】


の化合物を得る工程を含む。
【0068】
ニトロ化反応条件は、当業者には良く知られている。例えば、一実施形態では、トリハロ安息香酸は、HSO中の発煙硝酸で処理して、2,3,4−トリハロ−5−ニトロ安息香酸を得ることができる。
【0069】
次いで、式IIの化合物は、段階的アミノ化方法により式III−11又はIII−12の化合物へ転換される。有用な発見は、式IIにより表される化合物のX及びX基が独立に置換できることであった。すなわち、式IIの化合物におけるニトロ基に対してオルト−位置にある離脱基は、窒素求核試薬により、高収率で、慎重に調節された条件下で、選択的に置換することができる。ニトロ基に対してパラ−位置にある離脱基は、合成経路におけるその後の都合の良い段階で第二求核試薬により置換することができる。選択的段階的モノ−アミノ化の例は、本明細書では方法3で例示され、加えて方法4において例示される。
【0070】
さらに具体的に言えば、一実施形態では、式IIの化合物は、Xの選択的置換を可能にする条件下で、(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬と反応して、式III−11の化合物を得るか、或いは前記式IIの化合物は、Xの選択的置換を可能にする条件下で、(iv)金属アジドと反応して式III−12
【化79】


(式中、X、X、R、R2a及びZは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る。ある実施形態では、R2aは、置換又は非置換ベンジル、アリル、若しくは−C(O)OR等の窒素保護基である。その他の実施形態では、R及び/又はR2aは水素である。
【0071】
芳香族環におけるニトロ基に対してオルト−若しくはパラ−のハロゲン化物又はスルホネートエステルの求核置換は、アミノ基の芳香族環への導入のための当該技術分野において良く知られた方法である。Z基に対してパラ−位での選択的モノ−アミノ化を達成するために必要な反応条件は、モノ−アミノ化反応で使用される求核試薬のタイプに依存する。例えば、強力な求核試薬が使用される場合は、反応は、所望のモノ−アミノ化生成物を得るために、室温で又はそれ以下で、大気圧で、1当量の求核試薬を使用して容易に進めることができる。強力な求核試薬の例としては、水性アンモニア(30%容量/容量)及び金属アミド、例えば、ナトリウム、カリウム及びリチウムアミド等が挙げられるがこれらに限定されない。或いは、弱い求核試薬が使用される場合は、さらに強力な条件、例えば、高温及び/又は高圧及び/又は過剰量の求核試薬が、モノアミノ化を達成するために必要とされてもよい。弱い求核試薬の例としては、t−ブチル等の立体的に嵩高な基で置換された第一級又は第二級アミンが挙げられるがこれらに限定されない。ニトロ基に対してオルト−のアミノ基の導入は、式III−11又はIII−12で表される置換生成物を、ニトロ基に対してパラ−位におけるさらなる求核試薬の攻撃に対して反応性を低くし、反応は高水準の選択性を伴って行うことができる。
【0072】
例えば、一実施形態によれば、式III−11の化合物は、式IIの化合物をNHOHと、0℃〜室温の間の温度で、水中で(有機助溶剤を伴い又は伴わずに)反応させ、次いで、0〜7のpHまで酸性化することにより調製することができる。適当な有機助溶剤の例としては、THF、1,4−ジオキサン及びN−メチルピロリジンが挙げられる。ある実施形態では、式III−11の化合物は、式IIの化合物を過剰のNHOHと、水中で、室温で反応させることにより調製される。酸性化は、希釈若しくは濃縮無機酸又は酢酸等のカルボン酸等であってこれらに限定されない酸の添加によって遂行することができる。一実施形態では、式III−11又はIII−12の化合物の上述の調製は、中間体化合物の単離なしで行われる。その他の実施形態では、式IIで表される中間体化合物が単離される。
【0073】
式III−11又はIII−12の化合物を調製するための、アンモニアを含む又は発生する試薬の例としては、NH及びNHOHが挙げられるがこれらに限定されない。本発明の目的に適した第一級及び第二級アミンの例としては、式HNR2a(式中、R及びR2aは、本明細書で定義されている通りである)を有するアミンが挙げられる。第一級及び第二級アミンの特定の例としては、メチルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン及びヘキサメチルジシラザンが挙げられるがこれらに限定されない。後にアミンに転換することのできる基を供給する試薬の例としては、(1)ナトリウム、カリウム及びリチウムアミド等の金属アミド、又はこれらのアルキル化誘導体、(2)保護されたアンモニア、又はヒドロキシルアミン及びヒドラジン等であってこれらに限定されないアミド均等物、(3)式MNR2a(ここで、Mは、Na、K、Li、Cs、Mg又はAl等の金属である)を有する窒素求核試薬、及び(4)リチウム(ビス)(トリメチルシリル)アミド、ナトリウム(ビス)(トリメチルシリル)アミド又はカリウム(ビス)(トリメチルシリル)アミド等の金属シリルアミドが挙げられるがこれらに限定されない。金属アジドの例としては、ナトリウムアジド(NaN)、カリウムアジド(KN)及びリチウムアジド(LiN)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0074】
本発明は、式IIIの化合物、並びにこの塩及び溶媒和物をさらに提供する。式IIIの化合物の幾つかの実施形態では、ZはCOOR又は−C(=O)NRである。ある実施形態では、Rは−ORであり、RはHである。特定の実施形態では、Rは−(CH−OHである。幾つかの実施形態では、Xはハロゲンである。特定の実施形態では、XはFである。ある実施形態では、Aは−NHである。
【0075】
引き続き図3を参照すると、式III−11又はIII−12の化合物は、場合により高温で、(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬と反応して、式Vb−11(式中、Bは−NR2b2cであり、Aは−NR2a又はNである)を有する化合物を得るか、或いは前記式III−11又はIII−12の化合物は、(iv)場合により高温で、金属アジドと反応して式Vb−12(式中、BはNであり、Aは−NR2a又はNである)の化合物を得る、
【化80】


(式中、Z、X、R、R2a及びR2bは、本明細書で定義されている通りであり、R2cは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−OR又は−NHR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)。特定の実施形態では、XはFである。
【0076】
一実施形態によれば、アミノ化反応は、当業者に良く知られている方法を使用して、式IIIの化合物と適当な窒素求核試薬とを反応させて行われる、本発明の目的に適した窒素求核試薬としては、(i)アンモニアを含む又は発生する試薬(NH及びNHOHを含むがこれらに限定されない)、(ii)式HNR2b2c(ここで、R及びR2aは、本明細書で定義されている通りである)を有する第一級及び第二級アミン、(iii)(NaN)、カリウムアジド(KN)及びリチウムアジド(LiN)を含むがこれらに限定されない金属アジド、及び(iv)保護されたアンモニア、又はヒドロキシルアミン及びヒドラジン等であってこれらに限定されないアミド均等物を含むがこれらに限定されない、後にアミンに転換できる基を供給する試薬、(3)式MNR2b2c(ここで、Mは、Na、K、Li、Cs、Mg又はAl等の金属である)を有する窒素求核試薬、及びリチウム(ビス)(トリメチルシリル)アミド、ナトリウム(ビス)(トリメチルシリル)アミド又はカリウム(ビス)(トリメチルシリル)アミド等の金属シリルアミドが挙げられるがこれらに限定されない。反応は任意の適当な有機又は無機溶剤中で、−20℃〜200℃の範囲の温度で行うことができる。一般に、反応は、約30〜130℃の高温で、さらに好ましくは50〜95℃の範囲の高温で行われる。
【0077】
例えば、一実施形態では、式Vb−11(式中、A=B=NH)の化合物は、テトラヒドロフラン、ジオキサン又はN−メチルピロリジノン等であってこれらに限定されない有機溶剤中で、例えば、30〜130℃、さらに挙げれば55〜90℃の高温で、アンモニアの僅かな加圧下(例えば、1〜5bar)で、式IIIの化合物と水性アンモニアとの反応により得ることができる。
【0078】
次いで、式Vb−11又はVb−12の化合物のニトロ基は還元されて、式VIIb−1
【化81】


(式中、Z、R、R2a、R2b、R2c及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る。A及び/又はBが、N、−NH−ベンジル、−NHOR又は−NHNHRである場合の方法3の実施形態では、したがって式VIIb−1の化合物のNR2a及び/又はNR2b2a基は−NHである。この還元工程は、当業者に良く知られている反応条件及び試薬を利用して行うことができる。芳香族ニトロ基を還元するための適当な方法の例としては、上述の溶解金属還元、接触水素化、及び酵素反応が挙げられるがこれらに限定されない。
【0079】
本発明は、さらに、式VIIb−1の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物を提供する。
【0080】
2aが水素である場合、式VIIb−1の化合物は、式VIIIb−1
【化82】


(式中、Z、R2b、R2c、R10及びXは、本明細書で定義されている通りである)により表されるベンズイミダゾール誘導体を得るために環化することができる。ベンズイミダゾールコア構造を得るための環化工程は、幾つかの方法、例えば、本明細書に記載された環化方法A〜Eの任意の1つ等で行うことができる。
【0081】
本発明は、さらに、式VIIIb−1の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物を提供する。
【0082】
2cが水素である場合、式VIIIb−1により表されるベンズイミダゾールは、場合により単離されるか、或いは、単離せずに式VIIIb−1の化合物と式
【化83】


(式中、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物とを、場合により、(i)高温で、場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下で反応させて前記式Ib−1の化合物を得るために、式Ib−1の化合物へ直接転換される。カップリング反応は、一般に、任意の適当な金属系触媒を使用して、方法1に記載されている様に行うことができる。適当な触媒としては、銅系及びパラジウム系触媒が挙げられるがこれらに限定されない。適当な有機パラジウム触媒の例示的例としては、Pd(OAc)及びキサントホス、Pd(OAc)及びDPE−ホス、Pd(dba)及びキサントホス、Pd(dba)及びDPE−ホス、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)、及びパラジウムジクロライド[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]が挙げられるがこれらに限定されない。好ましい触媒としては、キサントホス又はDPE−ホスと組み合わせたPd(dba)、及びキサントホス又はDPE−ホスと組み合わせたPd(OAc)等の有機パラジウム触媒が挙げられる。
【0083】
方法4:なおその他の実施形態では、本発明は、式Ib−2
【化84】


(式中、R、R2b、R10、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物及びこの合成中間体、並びにこの塩及び溶媒和物を調製するための、本明細書では方法4として参照される方法を提供する。図4で例示される方法4は、合成中のある時点でZ基がCOOR基に転換される以外は、方法3の段階的アミノ化経路に従う。例えば、図4で示される様に、式III−11又はIII−12
【化85】


の化合物(方法3において説明した通りに調製された)のZ基は、前記式III−11又はIII−12の化合物と式ROH(ここで、Rは、本明細書で定義されている通りである)を有する化合物とを、場合により前記式ROHを有する化合物との反応のためにZ基を活性にする活性化剤の存在下で、当業者に良く知られている反応条件下で反応させて、式IV−21又はIV−22
【化86】


により表される相当するエステル誘導体へ転換することができる。本発明の目的に適する活性化剤の例としては、(a)無機及び有機酸、(b)カルボン酸を、SOCl又は(COCl)、アルキルクロロホルメート、アリールクロロホルメート及び酸塩化物(トリメチルアセチルクロライド等)等のハロゲン化剤を含むがこれらに限定されない酸塩化物に転換することのできる試薬、(c)ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を含むがこれに限定されないカルボジイミド、(d)トリメチルシリルクロライド(MeSiCl)を含むがこれに限定されないトリアルキルシリルハロゲン化物、及び(e)ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)(一般に、PhP等であってこれに限定されないホスフィン試薬と併せて)等であってこれに限定されないジアルキルアゾジカルボキシレートが挙げられるがこれらに限定されない。特定の実施形態では、式III−11又はIII−12(式中、ZはCOOHである)の化合物は、トリメチルシリルクロライドの存在下でメタノールとの反応で式IV−21又はIV−22で表されるメチルエステル誘導体に転換することができる。
【0084】
次いで、式IV−21又はIV−22の化合物は、場合により高温で、(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬と反応して、式Vb−21(式中、Aは−NR2b2c又はNである)の化合物を得るか、或いは前記式IV−21又はIV−22の化合物は、(iv)場合により高温で、金属アジドと反応して式Vb−22(式中、Aは−NR2b2c又はNである)の化合物を得る、
【化87】


(式中、R、R2b、R2c、R10、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)。反応は、任意の適当な有機又は無機溶剤中で、−20℃〜200℃の範囲の温度で行うことができる。一般に、反応は、約30〜130℃の範囲の高温で、さらに好ましくは50〜95℃の温度で行われる。例えば、一実施形態では、式Vb−21の化合物は、テトラヒドロフラン、ジオキサン又はN−メチルピロリジノン等であってこれらに限定されない有機溶剤中で、高温及びアンモニアの僅かな加圧下(例えば、1〜5bar)で、式IV−21又はIV−22の化合物と水性アンモニアとの反応により得ることができる。
【0085】
本発明はまた、式Vb−21及びVb−22の化合物を含む。1つの特定の実施形態では、RはC〜C10アルキルである。その他の実施形態では、Rはメチルである。一実施形態によれば、式Vb−21の化合物は、2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロ安息香酸エステルである。特定の実施形態では、式Vb−21の化合物は、メチル2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロベンゾエートである。
【0086】
引き続き図4を参照すると、式Vb−21又はVb−22で表されるカルボン酸エステルは、
(i)方法1で説明されている様な当該技術分野で知られている反応条件を利用して、式Vb−21又はVb−22の化合物を還元して、式VIIb−2
【化88】


(式中、式Vb−21又はVb−22のA及び/又はBが、−NH−ベンジル、−NHOR、−NHNHR、又はNである場合は、式VIIb−2のそれぞれにR及びR2a並びに/又はR2b及びR2bは、水素である)で表される化合物を得る工程、
(ii)R2aが水素である場合は、前記式VIIb−2の化合物を、本明細書で説明されている方法A〜Eのいずれか1つであってこれに限定されない方法を使用して環化して、式VIIIb−2
【化89】


(式中、R、R、R2b、R2c、R10及びXは、本明細書で定義されている通りである)
の化合物を得る工程、
(iii)R2cが水素である場合は、前記式VIIIb−2の化合物を、式
【化90】


(式中、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)を有する試薬と、場合により、(i)高温で、場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下で、方法1で説明した様な反応条件を使用してカップリングして、前記式Ib−2の化合物を得る工程を含む方法により式Ib−2の化合物を調製するために利用することができる。
【0087】
本発明の一実施形態によれば、式VIIIb−2の化合物の式Ib−2の化合物への転換方法は、前記式VIIIb−2の化合物とアリールハロゲン化物とを、適当な金属系触媒及び塩基の存在下で、適当な溶剤中でカップリング反応する工程を含む。一実施形態では、アリールハロゲン化物は、式
【化91】


(式中、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)を有する。カップリング反応は、方法1に対して記載した様に一般に行うことができる。方法4で記載した様な式Vb−2の化合物から式VIIIb−2の化合物の調製は、ワンポット又は段階的方法で行うことができる。
【0088】
図4で例示される方法4は、式III−11又はIII−12の化合物から式IV−21又はIV−22の化合物の調製中のZ基の−COOR基への転換を示すが、図4は、説明をし易くするために方法4の幾つかの実施形態の1つだけを示すものであることが理解されるべきである。すなわち、Z基は、方法4の工程中の任意の点で−COORへ転換することができる。
【0089】
本発明は、さらに、式VIIb−2及びVIIIb−2の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物を提供する。
【0090】
本発明のなおその他の実施形態は、式Ic−1
【化92】


(式中、Z、R2b、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りであり、Rは水素ではない)で表されるN−1ベンズイミダゾール化合物及びこの合成中間体、並びにこの塩及び溶媒和物を調製するための、本明細書では方法5として参照される方法であって、前記方法が、
方法3で記載された様に調製された式VIIb−1
【化93】


(式中、R2aは水素であり、Z、R2b、R2c及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を環化して、式XIb−1
【化94】


(式中、Z、R、R2b、R2c、R10及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、及び
2cが水素である場合は、前記式XIb−1の化合物と式
【化95】


(式中、X、X及びXは、本明細書で定義されている通りである)を有する試薬とを、場合により、(i)高温で、場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて前記式Ic−1の化合物を得る工程を含む方法を提供する。
【0091】
本発明の方法1〜5は、一般式Ia−1、Ib−1及びIc−1の化合物を調製するために、従来の方法を越える多数の明確に区別される利点を得る。例えば、本発明の方法は、従来の方法に比べて高収率で、一般式Ia−1、Ib−1及びIc−1の化合物を得る。さらに、本発明は、それぞれに、式VIIIa−1及びVIIIb−1のベンズイミダゾールを得るために、式VIIa−1及びVIIb−1の化合物の位置選択的及び化学選択的環化のための方法を提供する。さらに、本発明方法は、従来の方法よりもベンズイミダゾールの大規模合成にとってより確実で且つ適したものである。例えば、本発明方法による式VIIa−1又はVIIb−1の化合物の、それぞれに式VIIIa−1又はVIIIb−1の化合物への転換は、ベンズイミダゾール環系の合成のために従来方法で利用されている方法よりも遥かに少ない毒性の副生成物を生成し、さらに効率的な方法である。本発明の合成方法は選択的で、本発明の化合物の調製は高収率で行うことができ、したがって、工業的価値を得る。さらに、式VIIIa−1、VIIIb−1、Ia−1、Ib−1及びIc−1で表されるベンズイミダゾール誘導体は、比較的に短い工程数でトリハロ安息香酸から合成することができる。
【0092】
ベンズイミダゾールの環化
言及した通り、ベンズイミダゾールコア構造を得るための本発明の方法1〜5のいずれかにおける、式VIIa−1、VIIa−2、VIIb−1及びVIIb−2の化合物の環化は、幾つかの方法で行うことができる。幾つかの方法、すなわち、方法A〜Eは、以下で説明され、図6〜10で例示される。方法A〜Eは、説明を容易にするために式VIIb−1の化合物の環化に関して特別に記載されるが、方法A〜Eはまた、式VIIa−1、VIIa−2及びVIIb−2の化合物の環化にも等しく適用するものであることが理解されるべきである。環化方法は、使用される試薬及び式VIIa−1、VIIa−2、VIIb−1及びVIIb−2の化合物上の特定のR及びR2a置換基によってN−3ベンズイミダゾール誘導体又はN−1ベンズイミダゾール誘導体を得る。
【0093】
方法A:図6で示される様な環化方法Aにより、式VIIb−1(式中、R及びR2aは水素である)の化合物は、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、又は(ii)酸の存在下でギ酸誘導体と、当業者に公知の適当な条件下で反応させる工程を含む「ワンポット」方法により、式VIIIb−1
【化96】


(すなわち、式中、R10は水素である)で表される相当するベンズイミダゾール互変異性体へ環化することができる。本明細書で使用される「ギ酸誘導体」という用語は、トリメチルオルトホルメート、トリエチルオルトホルメート、及びホルムアミジンアセテート等であってこれらに限定されないギ酸のエステルを含むがこれに限定されない。例えば、一実施形態では、式VIIb−1(式中、ZはCOMeであり、R及びR2aはHである)の化合物は、THF溶液中で、メチルオルトホルメート及び硫酸との反応により、極めて高収率で式VIIIb−1(式中、ZはCOMeである)の化合物へ転換された。
【0094】
方法B:方法Bによれば、図7で示される様に、式VIIb−1(式中、R2aは水素であり、Rは水素ではない)の化合物は、式XIb−1により表される中間体N−1ベンズイミダゾール化合物を得るために、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、(ii)酸の存在下でギ酸誘導体(例えば、トリメチルオルトホルメート、トリエチルオルトホルメート、又はホルムアミジンアセテート等のギ酸エステル)、又は(iii)酸の存在下でホルムアルデヒド若しくはホルムアルデヒド誘導体での処理による複数工程方法により、式VIIIb−1で表される相当するN−3ベンズイミダゾールへ環化することができる。本明細書で使用される「ホルムアルデヒド誘導体」という用語は、ジエトキシメタン及びジメトキシメタン等のジアルコキシメタンを含むがこれに限定されない。
【0095】
式XIb−1の化合物のアルキル化は、式XIIb−1の化合物により表されるベンズイミダゾリウムイオンを得る。式XIIb−1の化合物からのN−1置換基(すなわち、R置換基)の除去は、式Ib−1で表されるN−3ベンズイミダゾール化合物を得るために方法1に記載されている様なアリール化反応を受けることのできる式VIIIb−1で表されるN−3ベンズイミダゾール化合物を得る。
【0096】
ベンズイミダゾールのN−1置換基を除去する方法は、当業者には良く知られており、必要とされる試薬及び反応条件は、R基の性質に依存する。例えば、式XIIb−1の化合物のR基が置換又は非置換ベンジル、アリル若しくはCOOR(ここで、Rはベンジルである)である場合、R基の除去は水素化により達成することができる。また、N−1アリル置換基は、Rh(PPhCl(又は、ウイルキンソン触媒としても知られている)等の有機金属触媒の存在下で、式XIIb−1の化合物を加熱することにより除去することができる。
【0097】
方法C:図8で示される様な環化方法Cは、式VIIb−1(式中、R及びR2aは水素である)の化合物を、式VIIIb−1
【化97】


(式中、R10はメチルである)により表されるN−3ベンズイミダゾール誘導体へ選択的に且つ直接に転換するための「ワンポット」方法を提供する。方法Cは、式VIIb−1の化合物を、(i)2当量以上のホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド誘導体で、酸の存在下で処理する工程を含む。適当なホルムアルデヒド誘導体としては、ジエトキシメタン及びジメトキシメタン等のジアルコキシメタンが挙げられるがこれに限定されない。本発明の目的にとって適した酸としては、無機酸(例えば、硫酸、HCl、HBr)、スルホン酸(メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等)又はカルボン酸、例えば、ギ酸若しくは酢酸等が挙げられる。1つの非限定的実施形態では、反応は、幾らかの水とジエトキシメタン又はジメトキシメタンを含むアセトニトリル中で、トルエンスルホン酸等の酸の存在下で行われる。この反応は、完全な位置選択性を伴って都合良く進行し、式VIIIb−1で表されるN−3メチルベンズイミダゾールを得る。この方法のその他の有利な特徴は、ホルムアルデヒドが、式VIIIb−1で表される化合物のZ基に対してオルトのアミノ基と反応するために出現しないことである。さらに、この反応条件は、副生成物としてのビス−クロロメチルエーテルの生成を回避する。この副生成物は発ガン物質であり、工業規模でのその生成は全く望ましくない。
【0098】
方法D:その他の実施形態によれば、式VIIIb−1(式中、R10は水素ではない)により表されるN−3ベンズイミダゾール誘導体は、図9で示される様な段階的方法で、式VIIb−1の化合物から調製することができる。さらに具体的に言えば、方法Dは、式VIIb−1(式中、R及びR2aは水素である)の化合物を、ギ酸、酸無水物(例えば、無水酢酸)、酸ハロゲン化物(例えば、塩化アセチル)又はエステル(例えば、トリフルオロエチルホルメート)等であってこれらに限定されない適当なアシル化剤で処理して、式IXb
【化98】


(式中、Z、R、R2a及びXは、本明細書で定義されている通りであり、R10aは、H、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)により表される中間体化合物を得る工程を含む。
【0099】
次いで、式IXbの化合物のアミド基は還元されて、式Xb
【化99】


で表される中間体化合物を得る。
【0100】
適当な還元剤としては、THF等の適当な溶剤中のボラン型還元剤(例えば、BH・THF)が挙げられるがこれに限定されない。或いは、式Xbの化合物は、式R10aCHX(式中、Xは、Cl、Br、I、OMs、OTs、OTf等の離脱基である)のアルキル化剤との反応により、式VIIb−1の化合物から直接に形成することができる。アルキル化剤の例としては、ヨウ化エチル等のアルキルハロゲン化物が挙げられる。式VIIIb−1
【化100】


(式中、R10は水素ではない)で表されるベンズイミダゾールを得るための式Xbの化合物の環化は、式VIIIb−1の化合物を得るために、式Xbの化合物と、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、又は(ii)酸の存在下でギ酸誘導体(例えば、トリメチルオルトホルメート、トリエチルオルトホルメート及びホルムアミジンアセテート等であってこれらに限定されないギ酸のエステル)とを、当業者に公知の適当な条件下で反応させることにより遂行される。式VIIIb−1の化合物は、方法1で記載される様にアリールハロゲン化物と反応して式Ib−1のN−3ベンズイミダゾール化合物を得ることができる。
【0101】
方法E:図10で示される様な、本明細書では方法Eとして参照される選択的複数工程環化方法では、式VIIb−1(式中、R2aは水素であり、Rは水素ではない)の化合物は、
(a)式VIIb−1
【化101】


の化合物と適当なアシル化剤とを反応させて、式IXb
【化102】


(式中、Z、R、R2a及びXは、本明細書で定義されている通りであり、R10aは、H、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)の化合物を得る工程、
(b)前記式IXbの化合物のアミド基を還元して、式Xb
【化103】


(式中、Z、R、R2a、R2b、R2c、R10a及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、
(c)前記式Xbの化合物を、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、又は(ii)酸の存在下でギ酸誘導体(例えば、トリメチルオルトホルメート、トリエチルオルトホルメート及びホルムアミジンアセテート等であってこれらに限定されないギ酸のエステル)と反応させて、前記式XIIb−1
【化104】


(式中、Z、R、R2b、R2c、R10及びXは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を得る工程、及び
方法Bで説明されている様な方法を使用してR基を除去して、式VIIIb−1のN−3ベンズイミダゾール化合物を得る工程を含む段階的方法により式VIIIb−1(式中、R10は水素ではない)の相当するベンズイミダゾール化合物へ環化することができる。式VIIIb−1の化合物は、方法1で説明されている様にアリールハロゲン化物と反応して、式Ib−1のN−3ベンズイミダゾール化合物を得ることができる。或いは、方法Eのその他の実施形態により、式Xbの化合物は、VIIb−1と式R10aCHL(ここで、Lは、Cl、Br、I、OMs、OTs、OTf等の離脱基である)のアルキル化剤との反応により得られてもよい。
【0102】
本発明の上述の環化方法A〜Eは、ベンズイミダゾール誘導体の調製のために、従来の方法を越える幾つかの利点を提供する。第一に、ジアミノアリール化合物のベンズイミダゾールへの転換の文献例は僅かしか存在しない(例えば、G.P.Ellis、R.T.Jones、J.Chem.Soc.、Perkin l、1974年、903頁;G.T.Morgan、W.A.P.Challenor、J.Chem.Soc.Trans.、1921年、1537頁;N.S.Zefirov、G.A.Sereda、V.P.Volkov、S.E.Tkachenko、N.V.Zyk、ECHET98:Electronic Conference on Heterocyclic Chemistry、(1988年)406頁〜408頁;V.Milata、D.Ilavsky、Organic Proc.And Prep.Int.、(1993年)、25:703頁〜704頁を参照されたい)が、報告されている例は、本発明の方法において含まれる様な高度に置換された基体を全く含んでいない。さらに、文献例の多くは、位置選択性が不確実であり(G.T.Morgan、W.A.P.Challenor、J.Chem.Soc.Trans.、1921年、1537頁)、本発明以前の方法は、ホルムアルデヒドと反応して選択的生成物の形成をもたらす可能性を有する、芳香族環上に第三アミノ置換基を有する基体を全く利用していない。さらに、本発明方法は、従来方法において使用されるHCl/HCHO試薬混合物よりも毒性が少なく、したがって、ジクロロメチルエーテル等の毒性の副生成物を発生しない試薬を使用するので、工業的適用により適している。
【0103】
本明細書で使用される「C〜C10アルキル」及び「アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を有する飽和直鎖又は分枝鎖一価炭化水素基を意味し、アルキル基は、以下で説明される1つ又は複数の置換基で場合により独立に置換されていてもよい。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、3−メチルペンチル、ヘプチル、オクチル等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0104】
「C〜C10アルケニル」及び「アルケニル」という用語は、2〜10個の炭素原子及び少なくとも1つの二重結合を有する直鎖又は分枝鎖一価炭化水素基を意味し、エテニル、プロペニル、1−ブト−3−エニル、1−ペント−3−エニル、1−ヘキセ−5−エニル等が挙げられるがこれらに限定されず、アルケニル基は、場合により、本明細書で説明される1つ又は複数の置換基で独立に置換されていてもよく、「シス」及び「トランス」配向、或いは、「E」及び「Z」配向を有する基を含む。
【0105】
「C〜C10アルキニル」及び「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含む、2〜12個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖一価炭化水素基を意味する。例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチン−2−イル等が挙げられるがこれらに限定されず、アルキニル基は、場合により、本明細書で説明される1つ又は複数の置換基で独立に置換されていてもよい。
【0106】
「炭素環」、「カルボシクリル」、「シクロアルキル」及び「C〜C10シクロアルキル」という用語は、3〜10個の炭素原子を有する飽和又は部分的に不飽和の環状炭化水素基を意味する。「シクロアルキル」という用語は、単環式及び多環式(例えば、二環式及び三環式)シクロアルキル構造(ここで、多環式構造は、飽和若しくは部分的に不飽和のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル環或いはアリール又はヘテロアリール環に結合した飽和又は部分的に不飽和のシクロアルキルを場合により含む)を含む。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられるがこれらに限定されない。シクロアルキルは、場合により、種々の基で、1つ又は複数の置換可能な位置で独立に置換されていてもよい。例えば、その様なシクロアルキル基は、例えば、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、アミノ(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル及びジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されていてもよい。
【0107】
「ヘテロアルキル」という用語は、1〜12個の炭素原子の飽和直鎖又は分枝鎖一価炭化水素基を意味し、炭素原子の少なくとも1つは、N、O、又はSから選択されるヘテロ原子で置き換えられ、この基は、炭素基又はヘテロ原子基(すなわち、へテロ原子は、この基の真中又は末端に出現してもよい)であってもよい。ヘテロアルキル基は、場合により、本明細書で説明される1つ又は複数の置換基で独立に置換されていてもよい。「ヘテロアルキル」という用語は、アルコキシ及びヘテロアルコキシ基を包含する。
【0108】
「ヘテロシクロアルキル」、「複素環」又は「ヘテロシクリル」という用語は、少なくとも1つの環原子が、窒素、酸素及び硫黄から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素であり、1つ又は複数の環原子は、場合により、以下で説明される1つ又は複数の置換基で独立に置換されていてもよい、3〜8個の環原子の飽和又は部分的に不飽和の炭素環式基を意味する。この基は、炭素基又はヘテロ原子基であってもよい。この用語は、さらに、1つ又は複数の炭素環又は複素環に結合した複素環を含む、環系に結合した二環式及び三環式を含む。また、「ヘテロシクロアルキル」は、複素環基が芳香族又はヘテロ芳香族環と結合した基を含む。ヘテロシクロアルキル環の例としては、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、3H−インドリル及びキノリジニルが挙げられるがこれらに限定されない。また、スピロ部分はこの定義の範囲内に含まれる。上で列挙された基から誘導される前述の基は、それが可能である場合はC−結合又はN−結合されていてもよい。例えば、ピロールから誘導される基は、ピロール−1−イル(N−結合)又はピロール−3−イル(C−結合)であってもよい。さらに、イミダゾールから誘導される基は、イミダゾール−1−イル(N−結合)又はイミダゾール−3−イル(C−結合)であってもよい。2つの環炭素原子がオキソ(=O)部分で置換されている複素環式基の例は、1,1−ジオキソ−チオモルホリニルである。本明細書での複素環基は非置換であるか、又は、特定される様に、種々の基で1つ又は複数の置換可能な位置で置換される。例えば、その様な複素環基は、例えば、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、アミノ(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル及びジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されていてもよい。
【0109】
「アリール」という用語は、単一環(例えば、フェニル)、多重環(例えば、ビフェニル)、又は少なくとも1つが芳香族である多重縮合環(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、ナフチル)を有し、例えば、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、アリール、ヘテロアリール、及びヒドロキシで、場合によりモノ−、ジ−、又はトリ置換されている一価芳香族炭素環式基を意味する。
【0110】
「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、又は硫黄から選択される少なくとも1つの、そして4個までのヘテロ原子を含む5〜10個の原子の結合環系(その少なくとも1つは芳香族である)を含む5−、6−又は7−員環の一価芳香族基を意味する。ヘテロアリール基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル及びフロピリジニルである。また、スピロ部分は、この定義の範囲内に含まれる。ヘテロアリール基は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルで、場合によりモノ−、ジ−、又はトリ置換される。
【0111】
「アリールアルキル」という用語は、1つ又は複数のアリール部分(上で定義されている通りの)で置換されたアルキル部分(上で定義されている通りの)を意味する。さらに好ましいアリールアルキル基は、アリール−C1〜3−アルキルである。例としては、ベンジル、フェニルエチル等が挙げられる。
【0112】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール部分(上で定義されている通りの)で置換されたアルキル部分(上で定義されている通りの)を意味する。さらに好ましいヘテロアリールアルキル基は、5−又は6−員ヘテロアリール−C1〜3−アルキルである。例としては、オキサゾリルメチル、ピリジルエチル等が挙げられる。
【0113】
「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリル部分(上で定義されている通りの)で置換されたアルキル部分(上で定義されている通りの)を意味する。さらに好ましいヘテロシクリルアルキル基は、5−又は6−員ヘテロシクリル−C1〜3−アルキルである。例としては、テトラヒドロピラニルメチルが挙げられる。
【0114】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、シクロアルキル部分(上で定義されている通りの)で置換されたアルキル部分(上で定義されている通りの)を意味する。さらに好ましいヘテロシクリル基は、5−又は6−員シクロアルキル−C1〜3−アルキルである。例としては、シクロプロピルメチルが挙げられる。
【0115】
「Me」という用語はメチルを意味し、「Et」はエチルを意味し、「Bu」はブチルを意味し、「Ac」はアセチルを意味する。
【0116】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、臭素、塩素、及びヨウ素を表す。
【0117】
一般に、本発明の任意の化合物の種々の部分又は官能基は、1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよい。本発明の目的に適した置換基の例としては、オキソ(但し、アリール又はヘテロアリール上ではない)、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR’、−NR’SOR’’’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)OR’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル(ここで、R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、独立に、低級アルキル、低級アルケニル、又は低級アルキニルである)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0118】
例えば、2つ以上の基が、構造に結合する置換基を定義するために続けて使用される場合は、最初に指定された基は末端にあると見なされ、最後に指定された基は該当の構造に結合されるものと見なされる。したがって、例えば、アリールアルキル基は、アルキル基により該当の構造に結合される。
【0119】
本発明方法により調製されるある種の化合物は、2つ以上の互変異性体として存在することができる。化合物の互変異性体は、例えば、エノール化/脱エノール化等を介して置き換え可能である。したがって、本発明は、式Ia−1、Ib−1、VIIIa−1及びVIIIb−1(式中、R10は水素である)の化合物の全ての互変異性体の調製を含む。
【0120】
また、本発明は、式Ia−1、Ib−1、Ic−1、III、VI、VIIa−1、VIIb−1、VIIIa−1、VIIIb−1、XIa及びXIb
【化105】


(式中、Z、R、R、R2a、R2b、R2c、R10、X、X、X、X、A、及びBは、本明細書で定義されている通りである)の化合物を包含する。ある実施形態では、Zは−C(=O)NRである。ある実施形態では、Rは、OH、O−(C〜C−アルキル)又は−O−(C〜C10−アルケニル)で場合により置換されているC〜C10アルキルである。ある実施形態では、Rは−(CH−OHである。特定の実施形態では、Zは−C(=O)NH(CH−OHである。その他の実施形態では、Zは−COORであり、RはC〜C10アルキルである。特定の実施形態では、Rはメチルである。
【0121】
ある実施形態では、Xはハロゲンである。特定の実施形態では、XはFである。ある実施形態では、XはH又はハロゲンであり、Xはアルキル又はハロゲンである。ある実施形態では、XはBrであり、XはClである。
【0122】
ある実施形態では、R10はC〜C10アルキルである。特定の実施形態では、R10はメチルである。ある実施形態では、R、R2a、R2b及びR2cは水素である。
【0123】
本発明は、さらに、式Ia−1、Ib−1、Ic−1、III、VI、VIIa−1、VIIb−1、VIIIa−1、VIIIb−1、XIa及びXIbの化合物の溶媒和物を含む。「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物と1つ又は複数の溶媒分子との集合体を意味する。
【0124】
本発明はまた、式Ia−1、Ib−1、Ic−1、III、VI、VIIa−1、VIIb−1、VIIIa−1、VIIIb−1、XIa及びXIbの化合物の塩を包含する。すなわち、本発明の化合物は、十分に酸性、十分に塩基性、又は両方の官能基を保有することができ、したがって、任意の多数の無機又は有機塩基、並びに無機及び有機酸と反応して塩を形成することができる。塩の例としては、本発明の化合物と無機若しくは有機酸又は無機塩基との反応により調製される塩が挙げられ、例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素、リン酸二水素、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アセテート、プロピオネート、デカノエート、カプリレート、アクリレート、ホルメート、イソブチレート、カプロエート、ヘプタノエート、プロピオレート、オキサレート、マロネート、スクシネート、スベレート、セバケート、フマレート、マレエート、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、ベンゾエート、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート、スルホネート、キシレンスルホネート、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、フェニルブチレート、シトレート、ラクテート、γ−ヒドロキシブチレート、グリコレート、タートレート、メタンスルホネート、プロパンスルホネート、ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレン−2−スルホネート及びマンデレート等を含む塩が挙げられる。本発明の単一化合物は、1つより多い酸性又は塩基性部分を含むことができるので、本発明の化合物は、単一化合物においてモノ、ジ又はトリ塩を含むことができる。
【0125】
本発明の化合物が塩基である場合は、所望の塩は、当該技術分野において利用できる任意の適当な方法、例えば、酸性化合物、特に、無機酸、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、又は有機酸、例えば、酢酸、マレイン酸、琥珀酸、マンデル酸、フマール酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシド酸、例えば、グルクロン酸又はガラクツロン酸等、α−ヒドロキシ酸、例えば、クエン酸又は酒石酸等、アミノ酸、例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸等、芳香族酸、例えば、安息香酸又は桂皮酸等、スルホン酸、例えば、p−トルエンスルホン酸又はエタンスルホン酸等、等での遊離塩基の処理により調製されてもよい。
【0126】
本発明の化合物が酸である場合は、所望の塩は、任意の適当な方法、例えば、無機又は有機塩基での遊離酸の処理により調製されてもよい。好ましい無機塩は、アルカリ及びアルカリ土類金属、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、バリウム及びカルシウム等で形成される塩である。好ましい有機塩基塩としては、例えば、アンモニウム、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウム、ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、フェニルエチルベンジルアミン、ジベンジルエチレンジアミン等の塩が挙げられる。酸性部分のその他の塩としては、例えば、プロカイン、キニン及びN−メチルグルコサミンで形成される塩、さらに塩基性アミノ酸、例えば、グリシン、オルニチン、ヒスチジン、フェニルグリシン、リシン及びアルギニン等で形成される塩を挙げることができる。
【0127】
本発明の化合物は、容易に入手できる出発物資を使用して当該技術分野において利用可能な方法を使用して、本明細書に記載されている反応経路及び合成スキームを使用して調製されてもよく、又は当該技術分野において公知の方法を使用して合成することができる。
【0128】
本発明に包含される本発明の代表的な化合物としては、実施例の化合物及びこの酸又は塩基付加塩が挙げられるがこれらに限定されない。以下で示される実施例は、本発明の特定の実施形態を例示することを意図するものであって、決して、明細書又は特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0129】
以下で与えられる実施例及び調製は、本発明の化合物及びその様な化合物の調製方法をさらに例示し、実証するものである。本発明の範囲は、決して、以下の実施例及び調製の範囲により限定されるものではない。当業者は、記載されている化学反応が本発明の多数のその他のMEK阻害剤を調製するために簡単に適用することが可能であり、本発明の化合物を調製するための選択的方法は本発明の範囲内にあるものと見なされることを認識するであろう。例えば、本発明による非実証的化合物の合成は、当業者に明らかな変更、例えば、妨害基を適当に保護することにより、記載されたもの以外の当該技術分野において公知のその他の適当な試薬を利用することにより、及び/又は反応条件のルーチン変更を行うことによりうまく行われ得る。或いは、本明細書に開示された又は当該技術分野において公知のその他の反応は、本発明のその他の化合物を調製するための適用性を有するものとして認識される。
【0130】
以下で説明される実施例では、別途指示されない限り、全ての温度は摂氏度で設定される。試薬は、例えば、Aldrich Chemical Company、Lancaster、TCI又はMaybridge等の販売業者から購入し、別途指示されない限りさらなる精製なしで使用した。テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン、トルエン、及びジオキサンは、確かな密閉瓶でAldrich社から購入し、受け取り次第使用した。
【0131】
以下で示される反応は、一般に、窒素又はアルゴンの正圧下で又は乾燥管(別途言及されない限り)で、無水溶剤中で行われ、反応フラスコは、一般に、シリンジを介して基体及び試薬を導入するためのゴム製セプタムを備えていた。ガラス器具類はオーブン乾燥及び/又は加熱乾燥した。
【0132】
H−NMRスペクトルは、400MHzで操作するVarian装置で記録した。H−NMRスペクトルは、CDCl又はd DMSO溶液として得た(ppmで報告される)。その他のNMR溶剤は必要に応じて使用した。ピークの多重度が報告される場合は、次の略称が使用される:s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、m(多重項)、br(広帯域)、dd(二重項の二重項)、dt(三重項の二重項)。カップリング定数は、与えられる場合は、ヘルツ(Hz)で報告される。
【0133】
(実施例1)
6−(4−ブロモ−2−クロロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸の合成
【化106】


工程1:2,3,4−トリフルオロ−5−ニトロ安息香酸(2):90%発煙HNO(549.0g、90重量%に対して補正された7.84mol、1.26当量)を、2.0L(3.35kg)の濃HSOに、撹拌しながら18分掛けて添加した。次いで、このHNOの溶液を、1時間掛けて、氷−水浴で冷却しながら、第二フラスコにおいて、3.3L(5.85kg)の濃HSO中の2,3,4−トリフルオロ安息香酸(1094g、6.2mol、1当量)の混合物に添加した。添加が完了したら、反応混合物を室温まで温めた。5時間後、反応はHPLCで完了し、反応混合物(褐色溶液)を、10分掛けて、10.6kgの蒸留水と11.8kgの氷の機械的に撹拌した混合物中へ注ぎ入れた。黄色スラリーを14℃まで冷却し、2時間撹拌し、次いで濾過した。ケーキを、4.0Lの蒸留水で、次いで、5Lのヘプタンで洗浄した。湿潤ケーキを一晩中オーブン乾燥した。次いで、粗製固体(1.791kg)を、16Lの蒸留水(9容量)中で撹拌し、濾過し、55℃で、高真空下で一晩中オーブン乾燥して、黄色状固体として、1035.9g(75%)の化合物2を得た。HPLCは、98a%(220nm)及び100%(254nm)であった。
【化107】


【化108】

【0134】
工程2:4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−ニトロ安息香酸(3):400mLの蒸留水中の2,3,4−トリフルオロ−5−ニトロ安息香酸(2)(167.2g、0.756mol、1当量)の混合物に、2〜2.5時間掛けて、内部温度を6.0℃より下に保ちながら、濃水酸化アンモニウム(28%NH溶液、340g、380mL、4.23mol、5.6当量)を添加した。混合物を50分間撹拌し、次いで、3〜4時間、室温に温めた。HPLCにより、反応が>90%完了した時に、反応混合物を氷−水浴中で冷却し、次いで、濃HCl(350mL)を滴状添加してpH=2に調整した。スラリーを、氷浴で冷却しながら1時間撹拌し、濾過した。ケーキを1Lの蒸留水で、次いで350mLのMTBEで洗浄した。ケーキを48℃で一晩中オーブン乾燥し、134.9gの黄色固体を得た。HPLCは、83.6a%(220nm)及び96.96a%(254nm)であった。MTBE濾液を回転蒸発器で濃縮し、一晩中ポンプで注入して、黄色固体として9.9gの第2の生成物を得た。HPLCは、81.1a%(220nm)及び95.40a%(254nm)であった。一緒にした4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−安息香酸(3)の収量は、144.8g(88%)であった。
【化109】


【化110】

【0135】
工程4:メチル4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−ニトロベンゾエート(4):TMSCl(132g、1.21mol、2.0当量)を、325mLのMeOH中の4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−ニトロ安息香酸(3)(132.3g、0.607mol、1当量)のスラリーに5分掛けて添加した。混合物を15時間、還流で加熱した。HPLCで、反応が完了したら、反応混合物を氷−水浴で45分間冷却した。次いで、反応混合物を濾過し、ケーキを65mLのMeOHで洗浄した。湿潤ケーキを、55℃で、高真空下で一晩中乾燥して、128.8g(92%)の4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−ニトロ安息香酸メチルエステル(4)を得た。HPLCは、97.9a%(220nm)及び99.2a%(254nm)であった。
【化111】


【化112】

【0136】
工程5:メチル2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロベンゾエート(5):250mLのガラス製圧力容器において、1,4−ジオキサン(165mL、1.93mole)中のメチル4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−ニトロベンゾエート(4)(33.0g、142.15mmol)の撹拌溶液に、アンモニアの水溶液(39g、711mmol、42.9mL、16.5M)を添加した。次いで、容器を、79〜105℃の浴温度の浸漬浴で80分間にわたり、内圧0.2〜2.7barの範囲で加熱した。次いで、圧力をゆっくりと解放し、混合物を水(330mL、10容量)で処理した。得られた懸濁液を20分間撹拌し、次いで、真空下で濾過し、固体を水(33mL、1容量)で洗浄した。固体を吸引乾燥し、次いで、真空オーブン中で、50℃で乾燥して、黄色固体としてメチル2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロベンゾエート(5)(32.6g、収率92%)を得た。
【化113】


【化114】

【0137】
工程6:6−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(6):窒素パージした水素化容器に、炭素担持のパラジウム(5.53g、1.30mmol)を入れ、これに、テトラヒドロフラン(1.3L)15.98中のメチル2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロベンゾエート(5)(100g、419mmol)の溶液を添加し、続いてメタノール(700mL)を添加した。次いで、混合物を撹拌し、窒素でパージし、55℃に加熱した。次いで、撹拌を一時停止して系を水素(4bar)でパージし、次いで、撹拌を750rpmで再開した。6.75時間後に、観察可能な水素の取り込みが止み、29.1Lの水素が取り込まれた。次いで、系を窒素でパージし、20℃に冷却した。HPLC分析は、全ての出発物質が反応し、所望のトリアミン生成物の溶液収率が約96%であったことを示した。次いで、混合物を、Whatmanの1μ in−lineフィルターを使用して濾過して触媒を除去し、系をテトラヒドロフラン(400mL)で洗浄した。次いで、溶剤を、合計で1400mLが集まるまで蒸留し、混合物を周囲温度まで冷却した。アセトニトリル(1.0L)を混合物に添加し、蒸留により溶剤(1L)を除去し、次いで、アセトニトリルの2つの追加の500mLアリコートを添加し、その都度、蒸留により溶剤(2×500mL)を除去した。
【0138】
上記の溶剤交換手順後に、撹拌混合物を60℃に冷却し、アセトニトリル(175mL)及び水(7.6mL、419mmol)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(87.7g、461mmol)の溶液をゆっくりと添加し、続いて、ジエトキシメタン(95.98g、921.59mmol)を添加した。3時間後に、HPLC分析は反応の不完全さを示し、さらに1時間、温度を65℃まで上昇し、その後反応はHPLC分析で完了した。ピリジン(66.3g、838mmol)を10分間掛けて添加し、反応混合物を約30分間掛けて20℃まで冷却し、この温度で2.5時間保持した。次いで、得られたスラリーを濾過し、固体をアセトニトリルで洗浄し(2×200mL)、次いで、真空オーブンで45℃で乾燥して、薄い褐色固体として、73.65gの6−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(6)(分析95.3%)を得た、100%での収率、75%。
【化115】


【化116】

【0139】
工程7:6−(4−ブロモ−2−クロロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(Na塩)(7):無水アニソール(76mL)中のキサントホス(1.20g、2.05mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.26g、1.37mmol)の混合物を窒素下で、50℃で、30分間撹拌して、橙色−褐色の触媒溶液を得た。
【0140】
窒素下で、無水アニソール(76mL)中の6−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(6)(8.00g、34.16mmol)及び炭酸セシウム(22.48g、68.31mmol)の撹拌混合物に、4−ブロモ−2−クロロヨードベンゼン(1.60g、1.10当量、4.88mmol)を添加した。次いで、上で調製された予備形成触媒を混合物に添加して暗褐色懸濁液を得、これを、350rpmで撹拌しながら100±2℃で加熱した。反応をHPLC分析でモニターした。41時間後に、6−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(6)は全く残っていなかった。反応混合物を約80℃に冷却し、1M硫酸(40.99mL、40.99mmol)を添加した。ガスの放出が10分後に観察され、添加速度を調節して泡立ちを穏やかにした。添加の最後でpHを7〜8とした。次いで、さらなる硫酸(1M、10.25mL、10.25mmol)を添加して、0のpHの易動性スラリーを得た。混合物をアニソール(20mL)で希釈し、Celatom FW−14濾過剤を添加した。次いで、Celatom FW−14濾過剤の水湿潤パッドを通して約80℃で濾過し、ケーキをアニソールで(1×40mL+3×20mL)、次いで水(10mL)で洗浄した。下側水性層を分離して放棄し、有機層を10%水性NaCl溶液で洗浄した(2×40mL)。これを、メタノール(24mL)中の水酸化ナトリウム(5.46g、68.3mmol)に添加し、混合物を撹拌しながら65℃に加熱した。17.5時間後に、HPLC分析はエスエルの加水分解が完了したことを示し、スラリーを15℃に冷却し、次いで、焼結物上で濾過した。固体を水(4×24mL)、MTBE(24mL)、及びアセトニトリル(2×25mL)で洗浄し、次いで、真空オーブンで45℃で乾燥して、微細な薄い褐色固体として、11.07gの6−(4−ブロモ−2−クロロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(7)(H NMRによる分析93.7%)、実際の重量10.37g(収率72.2%)を得た。
【化117】

【0141】
(実施例1A)
6−(4−ブロモ−2−クロロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸、Na塩の合成
【化118】


工程1:2,3,4−トリフルオロ−5−ニトロ安息香酸(2):硫酸(96重量%、194L)及びヘキサメチルジシロキサン(6.5Kg、40Mol)中の2,3,4−トリフルオロ安息香酸(70Kg、398Mol)の撹拌溶液に、23℃で、硫酸(96重量%)及び硝酸(98重量%)の1:1混合物(合計で70.1Kg)を75分掛けて添加した。添加中、反応混合物の温度を15〜25℃に維持した。混合物をさらに5時間撹拌し、次いで、0℃より下に氷混合物の温度を保ちながら、氷(700Kg)上に注いだ。水(35L)を、ニトロ化反応器を急冷反応器中に洗い出すために使用し、得られた混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、遠心分離機で単離した。得られた湿潤ケーキを冷水(350L)で洗浄し、次いで、固体を水(280L)に懸濁し、0℃で2時間撹拌した。次いで、この懸濁液を遠心分離に掛け、ケーキを冷水(210L)で洗浄し、次いで、真空オーブンで、45℃で2日間乾燥して、2,3,4−トリフルオロ−5−ニトロ安息香酸(69.4Kg、収率74.3%)を得た。
【化119】


【化120】

【0142】
工程2:メチル2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロベンゾエート(5):2,3,4−トリフルオロ−5−ニトロ安息香酸(100g、0.452Mol)を、25〜30℃のメタノール(60mL)に溶解した。得られた撹拌溶液に、10℃で、クロロトリメチルシラン(98.3g、0.91Mol、2当量)を、10〜20℃の温度を維持しながら添加した。添加が完了したら、混合物を還流で5時間加熱した。この時点で、メチル2,3,4−トリフルオロ−5−ニトロベンゾエート(2)への99%(面積)転換がHPLC分析で示された。混合物を室温まで冷却後、N−メチルピロリドン(NMP、380mL)で希釈し、反応容器を氷浴上に置いた。水酸化アンモニウム溶液(33重量%[d 0.88]、164mL、144g、2.7Mol)を、15℃より下に温度を保ちながら、激しく撹拌した混合物に添加した。添加中に黄色沈殿物が形成された。次いで、反応器を密閉し、2.5bargの内圧で、80℃で加熱した。5時間後、反応混合物を60℃に冷却し、圧を解放した。次いで、温度を75℃まで増加し、水酸化アンモニウム(水中で33重量%[d 0.88]、53mL、47g、1.0Mol)を添加した。次いで、混合物を90分掛けて50℃に冷却し、この間に黄色沈殿物が形成された。50℃でさらに1時間後に、水(400mL)を1時間掛けて添加し、得られた懸濁液を25℃に冷却し、濾過した。濾過ケーキを、1:1のNMP/水(540mL)で一度、水(540mL)で一度洗浄し、次いで、真空オーブンで、50℃で24時間乾燥して、メチル2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロベンゾエート4)(91g、収率88%)を得た。
【化121】

【0143】
工程3:6−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(6):窒素パージした水素化容器に、炭素担持のパラジウム(5.53g、1.30mmol)を入れ、これに、テトラヒドロフラン(1.3L)15.98中のメチル2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロベンゾエート(5)(100g、419mmol)の溶液を添加し、続いてメタノール(700mL)を添加した。次いで、混合物を撹拌し、窒素でパージし、55℃に加熱した。次いで、撹拌を一時停止して系を水素(4bar)でパージし、次いで、撹拌を750rpmで再開した。6.75時間後に、観察可能な水素の取り込みが止み、29.1Lの水素が取り込まれた。次いで、系を窒素でパージし、20℃に冷却した。HPLC分析は、全ての出発物質が反応し、所望のトリアミン生成物の溶液収率が約96%であったことを示した。次いで、混合物を、Whatmanの1μ in−lineフィルターを使用して濾過して触媒を除去し、系をテトラヒドロフラン(400mL)で洗浄した。次いで、溶剤を、合計で1400mLが集まるまで蒸留し、混合物を周囲温度まで冷却した。アセトニトリル(1.0L)を混合物に添加し、蒸留により溶剤(1L)を除去し、次いで、アセトニトリルの2つの追加の500mLアリコートを添加し、その都度、蒸留により溶剤(2×500mL)を除去した。
【0144】
上記の溶剤交換手順後に、撹拌混合物を60℃に冷却し、アセトニトリル(175mL)及び水(7.6mL、419mmol)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(87.7g、461mmol)の溶液をゆっくりと添加し、続いて、ジエトキシメタン(95.98g、921.59mmol)を添加した。3時間後に、HPLC分析は反応の不完全さを示し、さらに1時間、温度を65℃まで上昇し、その後反応はHPLC分析で完了した。ピリジン(66.3g、838mmol)を10分間掛けて添加し、反応混合物を約30分間掛けて20℃まで冷却し、この温度で2.5時間保持した。次いで、得られたスラリーを濾過し、固体をアセトニトリルで洗浄し(2×200mL)、次いで、真空オーブンで45℃で乾燥して、薄い褐色固体として、73.65gの6−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(6)(分析95.3%)を得た、100%での収率、75%。
【化122】


【化123】

【0145】
工程4:6−(4−ブロモ−2−クロロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(Na塩)(7):アニソール(135mL)中のキサントホス(1.95g、3.36mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.23g、1.34mmol)の混合物を窒素下で、50℃で、30分間撹拌して、褐色の触媒溶液を得た。
【0146】
窒素下で、アニソール(150mL)中の6−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(6)(15.01g、67.2mmol)及び炭酸セシウム(43.79g、134.4mmol)の撹拌混合物に、4−ブロモ−2−クロロヨードベンゼン(23.5g、1.10当量、74.0mmol)を添加した。次いで、上で調製した予備形成触媒を混合物に添加し、次いでアニソール(15mL)で系列洗浄して暗褐色懸濁液を得、これを、400rpmで撹拌しながら90℃で加熱した。反応をHPLC分析でモニターした。14時間後に、6−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(6)は全く残っていなかった。反応混合物をアニソール(75mL)で希釈し、約80℃に冷却した。1M水性硫酸(108mL、108mmol)を添加し、ガスの放出及び吸熱が観察され、添加速度を調節して泡立ちを穏やかにし、温度を75℃より上に維持した。添加の最後でpHは0であった。Harbolite濾過剤(3.75g)を二相混合物に添加し、混合物を20分間撹拌した。次いで、Harbolite濾過剤のパッドを通して約80℃で濾過し、ケーキを加熱(80℃)アニソールで洗浄した(2×75mL)。下側水性層を分離して放棄し、有機層を10%水性NaCl溶液で洗浄した(2×75mL)。
【0147】
Silicycle社のSiliabond Si−Tiourea(5.00g)を有機層に添加して微細な懸濁液を用意し、80℃で撹拌した。2時間後に混合物を、80℃でガラス繊維ろ紙(GF/C)で濾過して、透明な橙色−褐色溶液を得、これを55℃に冷却した。この溶液に、メタノール(45mL)及び水(2.7mL、2.2当量)を添加した。メタノール(15mL)及びメタノール中のナトリウムメトキシド30%w/w(24.22g、2.0当量)の混合物を、1時間掛けて有機溶液に添加して、ベージュ色のスラリーを得た。2時間後、HPLC分析はエステルの加水分解が完了したことを示し、水(75mL)を2時間掛けて混合物に添加した。次いで、得られたスラリーを濾過し、固体を水で洗浄し(3×45mL)、次いで、真空オーブンで、45℃で乾燥して、ベージュ色固体として、6−(4−ブロモ−2−クロロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸Na塩(7)(22.9g、[H NMRによる分析95.0%、実際の重量21.8g]、収率77.0%)を得た。
【化124】

【0148】
(実施例2)
6−(4−ブロモ−2−クロロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(11)の合成
【化125】


トルエン(300mL)中の、Pd(OAc)(0.777g、3.46mmol、0.04当量)及びキサントホス(3.0g、5.19mmol、0.06当量)の溶液を、N下で、20分間撹拌し、次いで、トルエン(200mL)中の、6−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(6)(19.3g、86.5mmol、1当量)、ブロモクロロヨードベンゼン(30.2g、95.1mmol、1.1当量)及びCsCO(粒径=20ミクロン以下、51g、156mmol、1.8当量)のスラリーに、15分掛けて、約50℃で添加した。次いで、混合物を還流で29時間加熱した後、出発物質は、HPLC分析で残留しなかった。混合物を周囲温度まで冷却した後、Mフリットで濾過し、固体をトルエン(95mL)で洗浄し、真空オーブンで、50℃で一晩中乾燥した。次いで、固体を水(784mL)に懸濁し、2N水性HCl(174mL)をゆっくりと、泡立ちを調節しながら約15分掛けて添加した。得られたスラリーを室温で、2時間撹拌し、次いで、Mフリット漏斗(150mL)により濾過した。固体生成物を水で洗浄し(3×87mL)、真空オーブンで、45℃で乾燥して、25.6g(HPLCにより92重量%、補正質量=23.6g、収率66%)の6−(4−ブロモ−2−クロロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(11)を得た。
【化126】

【0149】
(実施例3)
メチル2,4,5−トリアミノ−3−フルオロベンゾエート(9)
【化127】


メタノール(300.0mL)及びテトラヒドロフラン(300.0mL)中の、メチル2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロベンゾエート(5)(40.0g、173.7mmol)及び5%Pd/C(3.0g、タイプ487;出発物質に関して0.4mol%Pd)の混合物を、2000RPMで、水素(〜3.5bar)下で、50℃で、1.5Lの水素化容器中で撹拌した。6時間後に容器を窒素でパージし、HPLC分析は出発物質が全く残留していないことを示した。次いで、混合物を窒素圧下で濾過し、フィルターをTHF(160mL)で洗浄し、透明な黄色溶液を得た。溶剤を回転蒸発器で除去して、固体として、37.5g(NMRにより93.3%w/w、収率〜100%)のメチル2,4,5−トリアミノ−3−フルオロベンゾエート(9)を得た。
【化128】

【0150】
(実施例4)
6−(4−ブロモ−2−クロロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(10)の合成(銅−触媒されたアリールカップリング方法)
【化129】


メチル6−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシレート(6)(1.0g、4.4mmol)、ヨウ化銅(85.3mg、443.5μmol)及びイソプロパノール(10.0mL、130.8mmol)の混合物を、40℃で、15分間撹拌した。次いで、炭酸カリウム(1.2g、8.9mmol)及びエチレングリコール(551mg、8.9mmol)を添加し、混合物を、Dean−Starkトラップ下で、還流で1時間加熱した。追加分のイソプロパノール(1.5mL)を添加し、続いてイソプロパノール(2mL)中の4−ブロモ−2−クロロヨードベンゼン(1.5g、4.4mmol)を1時間掛けて添加した。26時間後、HPLC分析は、81%のベンズイミダゾール基体が、6−(4−ブロモ−2−クロロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(10)に転換したことを示した。
【0151】
(実施例5)
6−アミノ−7−フルオロ−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(12)の合成
【化130】


THF(152mL、20容量)中のメチル2,4,5−トリアミノ−3−フルオロベンゾエート(9)(7.58g、38.1mmol)の撹拌溶液に、トリエチルオルトホルメート(20.3g、22.8mL、137.0mmol)を添加し、続いて、HSO(9.33g、18M、94.1mmol)を滴状添加した。次いで、混合物を、60℃で6時間加熱し、この時点で出発物質はHPLC分析で検出されなかった。固体生成物を濾過し、THF(150mL、20容量)で洗浄し、次いで、反応容器に移し、水(150mL)に懸濁し、得られた混合物を、2N NaOHで約pH7.5に中和した。30分間撹拌した後、懸濁液を濾過し、固体生成物を真空オーブンで、55℃で、一晩中乾燥して、7.5g、収率94%(HPLCによる100%面積)の6−アミノ−7−フルオロ−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸メチルエステル(12)を得た。
【化131】

【0152】
(実施例6)
2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロ安息香酸(13)の合成
【化132】


N−メチルピロリジノン(12.5mL)中の、2,3,4−トリフルオロ−5−ニトロ安息香酸(1)(5g)及び水酸化アンモニウム(7.7g、HO中の25重量%NH、4.9当量)の懸濁液を、密閉反応器中で、80〜90℃で加熱した。反応中、混合物は均質になり、圧力は0.4barまで上昇した。1.75時間後、HPLC分析は不完全な転換を示し、追加分の水酸化アンモニウム(2g、HO中の25重量%NH)を添加し、さらに1.5時間、密閉反応器中で80〜90℃で加熱した。この後、HPLC分析は>99%の転換を示し、混合物を一晩中室温に冷却した。次いで、反応器の内容物を水(100mL)に添加し、9.4のpHの均質な褐色溶液を得た。次いで、酢酸を混合物に添加してpHを6とした。0℃まで冷却後、生成物を濾過して単離し、水(10mL)及びMeOH(10mL)の混合物で洗浄し、次いで、真空オーブンで、50℃で乾燥して、4.4g(収率86%)の2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロ安息香酸(2)(HPLC純度99.7a%)を得た。
【化133】

【0153】
(実施例7)
メチル2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロベンゾエート(5)の合成
【化134】


工程1:4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−ニトロ安息香酸(3):400mLの蒸留水中の2,3,4−トリフルオロ−5−ニトロ安息香酸(2)(167.2g、0.756mol、1当量)の混合物に、2〜2.5時間掛けて、内部温度を6.0℃より下に保ちながら、濃水酸化アンモニウム(28%NH溶液、340g、380mL、4.23mol、5.6当量)を添加した。混合物を50分間撹拌し、次いで、3〜4時間、室温に温めた。HPLCにより、反応が>90%完了した時に、反応混合物を氷−水浴中で冷却し、次いで、濃HCl(350mL)を滴状添加してpH=2に調整した。スラリーを、氷浴で冷却しながら1時間撹拌し、濾過した。ケーキを1Lの蒸留水で、次いで350mLのMTBEで洗浄した。ケーキを48℃で一晩中オーブン乾燥し、134.9gの黄色固体を得た。HPLCは、83.6a%(220nm)及び96.96a%(254nm)であった。MTBE濾液を回転蒸発器で濃縮し、一晩中ポンプで注入して、黄色固体として9.9gの第2の生成物を得た。HPLCは、81.1a%(220nm)及び95.40a%(254nm)であった。一緒にした4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−安息香酸(3)の収量は、144.8g(88%)であった。
【化135】


【化136】

【0154】
工程2:メチル4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−ニトロベンゾエート(4):TMSCl(132g、1.21mol、2.0当量)を、325mLのMeOH中の4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−ニトロ安息香酸(3)(132.3g、0.607mol、1当量)のスラリーに5分掛けて添加した。混合物を15時間、還流で加熱した。HPLCで、反応が完了したら、反応混合物を氷−水浴で45分間冷却した。次いで、反応混合物を濾過し、ケーキを65mLのMeOHで洗浄した。湿潤ケーキを、55℃で、高真空下で一晩中乾燥して、128.8g(92%)の4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−ニトロ安息香酸メチルエステル(4)を得た。HPLCは、97.9a%(220nm)及び99.2a%(254nm)であった。
【化137】


【化138】

【0155】
工程3:メチル2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロベンゾエート(5):250mLのガラス製圧力容器において、1,4−ジオキサン(165mL、1.93mole)中のメチル4−アミノ−2,3−ジフルオロ−5−ニトロベンゾエート(4)(33.0g、142.15mmol)の撹拌溶液に、アンモニアの水溶液(39g、711mmol、42.9mL、16.5M)を添加した。次いで、容器を、79〜105℃の浴温度の浸漬浴で80分間にわたり、内圧0.2〜2.7barの範囲で加熱した。次いで、圧力をゆっくりと解放し、混合物を水(330mL、10容量)で処理した。得られた懸濁液を20分間撹拌し、次いで、真空下で濾過し、固体を水(33mL、1容量)で洗浄した。固体を吸引乾燥し、次いで、真空オーブン中で、50℃で乾燥して、黄色固体としてメチル2,4−ジアミノ−3−フルオロ−5−ニトロベンゾエート(5)(32.6g、収率92%)を得た。
【化139】

【0156】
先の説明は、本発明の原理の例示に過ぎないものと見なされる。さらに、多数の変更及び変化は、当業者にとって容易に明らかであるので、上述の様に示された正確な構成及び方法に本発明を限定することを望むものではない。したがって、全ての適当な変更及び均等物は、添付の特許請求の範囲により画定される本発明の範囲内に入るものと見なすことができる。
【0157】
「含む」「から成る」「含有する」「を含む」及び「含める」という言葉は、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合は、言及されている特徴、整数、成分、又は工程の存在を特定するのであって、これらは、1つ又は複数のその他の特徴、整数、成分、工程、若しくはこれらのグループの存在又は追加を除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】式Ia−1を有する化合物の合成のための反応スキーム(方法1)を示す図である。
【図2】式Ia−2を有する化合物の合成のための反応スキーム(方法2)を示す図である。
【図3】式Ib−1を有する化合物の合成のための反応スキーム(方法3)を示す図である。
【図4】式Ib−2を有する化合物の合成のための反応スキーム(方法4)を示す図である。
【図5】本発明のある種のアリールハロゲン化物カップリング反応で使用された有機金属リガンドの構造を示す図である。
【図6】式Ib−1で表されるベンズイミダゾールコア構造の調製のためにギ酸又はギ酸誘導体を使用する「ワンポット」環化方法(方法A)を示す図である。
【図7】式Ib−1で表されるベンズイミダゾールコア構造の調製のためにギ酸又はギ酸誘導体を使用する複数工程環化方法(方法B)を示す図である。
【図8】式Ib−1で表されるベンズイミダゾールコア構造の調製のためにホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド誘導体を使用する「ワンポット」環化方法(方法C)を示す図である。
【図9】式Ib−1で表されるベンズイミダゾールコア構造の調製のための選択的複数工程環化方法(方法D)を示す図である。
【図10】式Ib−1で表されるベンズイミダゾールコア構造の調製のためのなおその他の複数工程環化方法(方法E)を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Ia−1
【化1】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化2】


、又は前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びXは、独立に、水素、F、Cl、Br、I、OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル及びC〜C10チオアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル及びチオアルキル部分は、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)から選択され、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及びO−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物の調製方法であって、

【化3】


(式中、X及びXは、独立に、F、Cl、Br、I、又はスルホネートエステルである)を有する化合物をニトロ化して、式II
【化4】


の化合物を得る工程、
前記式IIの化合物を、場合により高温で及び/又は加圧下で、2当量以上の(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬で処理して式VI−11(ここで、Aは、−NR2aである)の化合物を得る工程、或いは前記式IIの化合物を、場合により高温で及び/又は加圧下で、(iv)2当量以上の金属アジドで処理して式VI−12(ここで、AはNである)の化合物を得る工程、
【化5】


(式中、R2aは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−OR、又は−NHR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)、
前記式VI−11又はVI−12の化合物を還元して、式VIIa−1
【化6】


(式中、式VI−11又はVI−12のAが、−NH−ベンジル、−NHOR又は−NHNHR又はNである場合は、式VIIa−1のR及びR2aは水素である)の化合物を得る工程、
式VIIa−1のR2aが水素である場合は、前記式VIIa−1の化合物を環化して式VIIIa−1
【化7】


の化合物を得る工程、及び
式VIIIa−1のR2aが水素である場合は、前記式VIIIa−1の化合物を、式
【化8】


(式中、Xは、F、Cl、Br、I、−OSOCF、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、−B(OR、−BF又は−Bi(Rである)を有する試薬と、場合により(i)高温で、及び場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて、前記式Ia−1の化合物を得る工程、
を含む、上記方法。
【請求項2】
前記式VI−11又はVI−12の化合物を、式ROHを有する化合物と、場合により前記式ROHの化合物との反応のためにZ基を活性にする活性化剤の存在下で反応させて、式Va−11(ここで、Aは−NR2aである)の化合物又は式Va−12(ここで、AはNである)の化合物
【化9】


を得る工程、
前記式Va−11又はVa−12の化合物を還元して、前記式VIIa−1(ここで、Zは−COORである)の化合物を得る工程、
式VIIa−1のR2aが水素である場合は、前記式VIIa−1の化合物を環化して、前記式VIIIa−1(ここで、Zは−COORである)の化合物を得る工程、及び
前記式VIIIa−1の化合物を、式
【化10】


を有する前記試薬と、場合により(i)高温で、及び場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて、前記式Ia−1(ここで、ZはCOORである)の化合物を得る工程、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式Ib−1
【化11】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化12】


、又は前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
2bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル又はC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びXは、独立に、水素、F、Cl、Br、I、OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル及びC〜C10チオアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル及びチオアルキル部分は、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びアジドから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)から選択され、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール又は複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及びO−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物の調製方法であって、

【化13】


(式中、X及びXは、独立に、F、Cl、Br、I、又はスルホネートエステルである)を有する化合物をニトロ化して、式II
【化14】


の化合物を得る工程、
前記式IIの化合物を、Xの選択的置換を可能にする条件下で、(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬と反応させて、式III−11(ここで、Aは、NR2aである)の化合物を得る工程、或いは前記式IIの化合物を、Xの選択的置換を可能にする条件下で、(iv)金属アジドと反応させて、式III−12(ここで、AはNである)の化合物を得る工程
【化15】


(式中、R及びR2aは、独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−OR又は−NHR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル、及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)、
前記式III−11又はIII−12の化合物を、場合により高温で、(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬と反応させて、式Vb−11(ここで、Bは、−NR2b2cであり、Aは−NR2a又はNである)を有する化合物を得る工程、或いは前記式III−11又はIII−12の化合物を、場合により高温で、(iv)金属アジドと反応させて、式Vb−12(ここで、BはNであり、Aは−NR2a又はNである)の化合物を得る工程
【化16】


(式中、R2cは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−OR又は−NHR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)、
前記式Vb−11又はVb−12の化合物を還元して、式VIIb−1
【化17】


(式中、式Vb−11又はVb−12のA及び/又はBが、−NH−ベンジル、N、−NHOR若しくは−NHNHRである場合は、式VIIb−1のR及びR2a並びに/又はR2b及びR2cはそれぞれ水素である)の化合物を得る工程、
式VIIb−1のR2aが水素である場合は、前記式VIIb−1の化合物を環化して、式VIIIb−1
【化18】


の化合物を得る工程、及び
式VIIIb−1のR2cが水素である場合は、前記式VIIIb−1の化合物を、式
【化19】


(式中、Xは、F、Cl、Br、I、−OSOCF、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、−B(OR、−BF又は−Bi(Rである)を有する化合物と、場合により(i)高温で、及び場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて、前記式Ib−1の化合物を得る工程、
を含む、上記方法。
【請求項4】
前記式IIIの化合物を、式ROHを有する化合物と、場合により前記式ROHの化合物との反応のためにZ基を活性にする活性化剤の存在下で反応させて、式IV−21又はIV−22
【化20】


の化合物を得る工程、
前記式IV−21又はIV−22の化合物を、高温で、(i)アンモニアを含む若しくは発生する試薬、(ii)芳香族アミン以外の第一級若しくは第二級アミン又は(iii)後にアミンに転換できる基を供給する試薬と反応させて、式Vb−11(ここで、Zは−COORである)の化合物を得る工程、或いは前記式IV−21又はIV−22の化合物を、高温で、(iv)金属アジドと反応させて、式Vb−12(ここで、Zは−COORである)の化合物を得る工程、
前記式Vb−21又はVb−22の化合物を還元して、前記式VIIb−1(ここで、Zは−COORである)の化合物を得る工程、
2aが水素である場合は、前記式VIIb−1の化合物を環化して、前記式VIIIb−1(ここで、Zは−COORである)の化合物を得る工程、及び
前記式VIIIb−1の化合物を、式
【化21】


を有する前記化合物と、場合により(i)高温で、及び場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて、前記式Ib−1(ここで、ZはCOORである)の化合物を得る工程
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
式VIIIb−1
【化22】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化23】


、又は前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
2b及びR2cは、独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及びO−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物の調製方法であって、
式VIIb−1
【化24】


(式中、Rは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル、及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
2aは水素である)の化合物を環化して、前記式VIIIb−1の化合物を得る工程、
を含む、上記方法。
【請求項6】
式VIIIb−1
【化25】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化26】


、又は前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
2bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
2cは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−OR又は−NHR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及びO−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物の調製方法であって、
式Vb−11(ここで、BはNR2b2cであり、AはNR2a又はNである)の化合物、又は式Vb−12(ここで、BはNであり、AはNR2a又はNである)の化合物を得る工程
【化27】


(式中、Rは、水素、置換又は非置換ベンジル、アリル又は−C(O)ORであり、R2aは水素である)、
前記式Vb−11又は式Vb−12の化合物を還元して、式VIIb−1
【化28】


(式中、式Vb−11又は式Vb−12のA及び/又はBがNである場合は、式VIIb−1のR及びR2a並びに/又はR2b及びR2cは、それぞれ水素である)の化合物を得る工程、及び
2aが水素である場合は、前記式VIIb−1の化合物を環化して、前記式VIIIb−1の化合物を得る工程、
を含む、上記方法。
【請求項7】
前記環化が、前記式VIIa−1又はVIIb−1(ここで、R及びR2aはHである)の化合物を、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、又は(ii)酸の存在下でギ酸誘導体と反応させて、前記式VIIIa−1又はVIIIb−1(ここで、R10はHである)の化合物を得る工程を含む、請求項1から6までのいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記環化が、
(a)前記式VIIa−1又はVIIb−1(ここで、R2aは水素であり、Rは水素ではない)の化合物を、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、(ii)酸の存在下でギ酸誘導体、又は(iii)酸の存在下でホルムアルデヒド若しくはホルムアルデヒド誘導体と反応させて、式XIa−1又はXIb−1
【化29】


の化合物を得る工程、
(b)前記式XIa−1又はXIb−1の化合物を、式R10−Y(ここで、R10は水素ではなく、Yは、Cl、Br、I、又はスルホネートエステルである)を有する試薬でアルキル化して、式XIIa−1又はXIIb−1
【化30】


の化合物を得る工程、及び
(c)N−1位置から前記R基を除去して、前記式VIIIa−1又はVIIIb−1(ここで、R10は水素ではない)の化合物を得る工程を含む、請求項1から6までのいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記環化が、前記式VIIa−1又はVIIb−1(ここで、R及びR2aはHである)の化合物を、酸の存在下で2当量以上のホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド誘導体で処理して、前記式VIIIa−1又はVIIIb−1(ここで、R10はメチルである)の化合物を得る工程を含む、請求項1から6までのいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記環化が、
(a)前記式VIIa−1又はVIIb−1(ここで、R及びR2aは水素である)の化合物をアシル化剤と反応させて、式IXa又はIXb
【化31】


(式中、R10aは、H、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)の化合物を得る工程、
(b)前記式IXa又はIXbの化合物のアミド基を還元して、式Xa又はXb
【化32】


の化合物を得る工程、及び
(c)前記式Xa又はXbの化合物を、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、又は(ii)酸の存在下でギ酸誘導体と反応させて、前記式VIIIa−1又はVIIIb−1(ここで、R10は水素ではない)の化合物を得る工程を含む、請求項1から6までのいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記環化が、
(a)前記式VIIa−1又はVIIb−1(ここで、R2aは水素であり、Rは水素ではない)の化合物をアシル化剤と反応させて、式IXa又はIXb
【化33】


(式中、R10aは、H、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である)の化合物を得る工程、
(b)前記式IXa又はIXbの化合物のアミド基を還元して、式Xa又はXb
【化34】


の化合物を得る工程、
(c)前記式Xa又はXbの化合物を、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、又は(ii)酸の存在下でギ酸誘導体と反応させて、式XIIa−1又はXIIb−1
【化35】


の化合物を得る工程、及び
(d)N−1位置からR基を除去して、前記式VIIIa−1又はVIIIb−1(ここで、R10は水素ではない)の化合物を得る工程を含む、請求項1から6までのいずれかに記載の方法。
【請求項12】
式VIIb−1
【化36】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化37】


、又は前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びR2bは、独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル、及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
2a及びR2cは、独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−OR又は−NHR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、又は
−NR2a及び/又は−NR2b2cはNであり、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及び−O−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]を有する化合物、並びにこの塩及び溶媒和物。
【請求項13】
式VIIIa−1
【化38】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化39】


、又は前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル、又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びR2aは、独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及び−O−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]を有する化合物、並びにこの塩及び溶媒和物。
【請求項14】
式VI
【化40】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化41】


、又は前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
Aは、N又はNR2aであり、
Bは、N又はNR2b2cであり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びR2bは、独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル、及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
2a及びR2cは、独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−OR又は−NHR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
は、H、F、Cl、Br、I、又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及び−O−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]を有する化合物。
【請求項15】
式XIb−1
【化42】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化43】


、又は前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
2b及びR2cは、独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
は、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及び−O−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]を有する化合物。
【請求項16】
式III
【化44】


[式中、
Aは、N又はNR2aであり、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化45】


、又は前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、F、Cl、Br、I、NO又はスルホネートエステルであり、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
2aは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR、−C(O)NR、−OR又は−NHR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及び−O−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]の化合物。
【請求項17】
複素環化合物の製造における、請求項12、13、14、15又は16のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項18】
式XIb−1
【化46】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化47】


、又は前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
は、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル、及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
2b及びR2cは、独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及び−O−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]の化合物の調製方法であって、
(a)式VIIb−1
【化48】


(式中、R2aは水素である)の化合物を得る工程、及び
(b)前記式VIIb−1の化合物を、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、(ii)酸の存在下でギ酸誘導体、又は(iii)酸の存在下で2当量以上のホルムアルデヒド若しくはホルムアルデヒド誘導体と反応させて、前記式XIb−1の化合物を得る工程
を含む方法。
【請求項19】
式Ic−1
【化49】


[式中、
Zは、−C(=O)OR、−C(=O)NR、CN、−C(=O)H、若しくは
【化50】


、又は前記Z基のいずれか1つに変換することのできる部分であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
は、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル、及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
2bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ベンジル、アリル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、アリル及びアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びXは、独立に、水素、F、Cl、Br、I、OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル及びC〜C10チオアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル及びチオアルキル部分は、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びアジドから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)から選択され、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及び−O−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
12a及びR12bは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキルから独立に選択され、
又はR12a及びR12bは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員炭素環、ヘテロアリール若しくは複素環を形成する]の化合物の調製方法であって、
(a)式VIIb−1
【化51】


(式中、R2a及びR2cは水素である)の化合物を得る工程、
(b)前記式VIIb−1の化合物を、(i)場合によりさらなる酸の存在下でギ酸、(ii)酸の存在下でギ酸誘導体、又は(iii)酸の存在下で2当量以上のホルムアルデヒド若しくはホルムアルデヒド誘導体と反応させて、式XIb−1
【化52】


の化合物を得る工程、及び
(c)前記式XIb−1の化合物を、式
【化53】


(式中、Xは、F、Cl、Br、I、−OSOCF、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、−B(OR、−BF又は−Bi(Rである)を有する試薬と、場合により(i)高温で、及び場合により塩基の存在下で、又は(ii)金属系触媒及び塩基の存在下でカップリングさせて、前記式Ic−1の化合物を得る工程
を含む方法。
【請求項20】
式Ia−1
【化54】


[式中、
Zは、−C(=O)ORであり、
は、C〜C10アルキルであり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びXは、独立に、水素、F、Cl、Br、I、OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル及びC〜C10チオアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル及びチオアルキル部分は、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)から選択され、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及びO−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である]の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物の調製方法であって、
i)式
【化55】


(式中、X及びXは、独立に、F、Cl、Br、I、又はスルホネートエステルである)を有する化合物をニトロ化して、式II
【化56】


の化合物を得る工程、
ii)式IIの化合物を、式ROHの化合物と反応させて、式
【化57】


を有する相当するエステルを形成する工程、
iii)前記エステルを、アンモニアを発生する試薬の2当量以上と反応させて、式VI−11
【化58】


(式中、R2aは水素である)の化合物を形成する工程、
iv)前記式VI−11の化合物を還元して、式VIIa−1
【化59】


の化合物を得る工程、
v)前記式VIIa−1の化合物を環化して、式VIIIa−1
【化60】


の化合物を得る工程、及び
vi)前記式VIIIa−1の化合物を、式
【化61】


(式中、Xは、F、Cl、Br、I、−OSOCF、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、−B(OR、−BF又は−Bi(Rである)を有する試薬とカップリングさせて、前記式Ia−1の化合物を得る工程、
を含む、上記方法。
【請求項21】
式Ia−1
【化62】


[式中、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、トリアルキルシリル又はジアルキルアリールシリル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル及びC〜Cヘテロシクロアルキルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、アリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、−COR、−C(O)OR又は−C(O)NR(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル及びC〜Cアルキニルから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
及びXは、独立に、水素、F、Cl、Br、I、OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル及びC〜C10チオアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル及びチオアルキル部分は、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)から選択され、
は、H、F、Cl、Br、I又はC〜Cアルキルであり、
及びRは、独立に、水素、トリフルオロメチル、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、
又は、R及びRは、これらが結合する原子と一緒になって、4〜10員ヘテロアリール若しくは複素環を形成し(ここで、前記ヘテロアリール及び複素環は、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及びORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)、
は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、アリール又はアリールアルキル(ここで、前記アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルは、OH、−O−(C〜C10−アルキル)及びO−(C〜C10−アルケニル)から独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)であり、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキル(ここで、前記アルキル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル及びヘテロシクリルアルキル部分は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アジド、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、−NR及び−ORから独立に選択される1つ又は複数の基で場合により置換されている)である]の化合物、並びにこの塩及び溶媒和物の調製方法であって、
式VIIIa−1
【化63】


(式中、R2aは水素である)の化合物を、式X
【化64】


(式中、Xは、F、Cl、Br、I、−OSOCF、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルアリールスルホネート、−B(O−R、−BF又は−Bi(Rである)を有する試薬と、適当な金属系触媒及び塩基の存在下で適当な溶剤中でカップリングさせる工程、
を含む、上記方法。
【請求項22】
Zが−C(=O)NR(式中、Rは−ORであり、RはHである)であり、Rが−(CH−OHである、請求項12又は13に記載の化合物。
【請求項23】
Zが−COORであり、RがC〜C10アルキルである、請求項12又は13に記載の化合物。
【請求項24】
がメチルである、請求項23に記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−501146(P2009−501146A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518344(P2008−518344)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/024084
【国際公開番号】WO2007/002157
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(504344509)アレイ バイオファーマ、インコーポレイテッド (87)
【出願人】(507207775)アストラゼネカ エービー (11)
【Fターム(参考)】