説明

ベンゾオキサゾール誘導体

【課題】殺虫剤として有用な新規ベンゾオキサゾール化合物の提供。
【解決手段】次式(1):


(式中、R〜RはH、ハロゲン原子、C1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C1〜4ハロアルキル基、C1〜4ハロアルコキシ基、NO、CN、CHO、Ph、OPh等を表わすか、或いはR及びRまたはR及びRは一緒になって、それぞれC1〜4ポリメチレンジオキシ基を表わし;R10及びR11はそれぞれ独立して水素原子、不飽和結合を含んでいてもよいC1〜4直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基、C1〜4ハロアルキル基、R12S(O)n、C2〜7アルカノイル基、C2〜7ハロアルカノイル基又はC3〜6シクロアルキル基を表わすか、或いはR10及びR11は一緒になってC2〜6ポリメチレン基を表わす)で示されるベンゾオキサゾール化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンゾオキサゾール化合物、その製造法及び殺虫・殺ダニ剤としての利用に関する。
【背景技術】
【0002】
或る種のベンゾオキサゾール誘導体が除草剤として有効であることは知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、これまで、該ベンゾオキサゾール誘導体が殺虫・殺ダニ活性を有することは知られていない。
【0003】
【特許文献1】PCT国際公開WO2006/004215号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、殺虫・殺ダニ剤として有用な新規ベンゾオキサゾール化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、今回、下記式(1)で示された新規なベンゾオキサゾール化合物が殺虫・殺ダニ剤として有効であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
かくして、本発明は、次式(1):
【0007】
【化1】

式中、
は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、
及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、フェニル基、フェノキシ基、R12S(O)n、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基又はR1314NCOを表わし、ここで、R12は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、nは0〜2の整数であり、R13及びR14はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わし、
は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、
、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、フェニル基、フェノキシ基、R12S(O)n、R1516N、C(O)XR17又はカルボキシル基を表わし、ここで、R15及びR16はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、R17は不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基、不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状もしくは分枝鎖状のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ−炭素数1〜4のアルキル基
又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を表わし、Xは酸素原子又は硫黄原子を表わすか、或いはR及びR又はR及びRは一緒になって、それぞれ炭素数1〜4のポリメチレンジオキシ基を表わし、
10及びR11はそれぞれ独立して水素原子、不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基、炭素数1〜4のハロアルキル基、R12S(O)n、炭素数2〜7のアルカノイル基、炭素数2〜7のハロアルカノイル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を表わすか、或いはR10及びR11は一緒になって炭素数2〜6のポリメチレン基を表わす、
で示されるベンゾオキサゾール化合物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の上記式(1)で示されるベンゾオキサゾール化合物は優れた殺虫・殺ダニ活性を有し、殺虫・殺ダニ剤として有用である。
【0009】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
なお、本明細書において、化学式で示される化合物は、その化学式の番号を以て、例えば、上記式(1)の化合物の場合、「化合物(1)」と表示する。
【0010】
本明細書において、
「ハロゲン原子」には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が包含される。
「アルキル基」は、直鎖状もしくは分枝鎖状であることができ、例えば、メチル、エチル、n−もしくはiso−プロピル、n−、iso−、sec−もしくはtert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル基などが挙げられる。
「ハロアルキル基」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がハロゲン原子に置換されたものであり、例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、クロロエチル、ジクロロエチル、トリフルオロエチル、テトラフルオロプロピル、ブロモエチル、ブロモプロピル、クロロブチル、クロロヘキシル、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
「アルコキシ基」は、アルキル部分が上記の意味を有するアルキル−O−基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、n−もしくはiso−プロポキシ、n−、iso−、sec−もしくはtert−ブトキシ基などが挙げられる。
「ハロアルコキシ基」は、ハロアルキル部分が上記の意味を有するハロアルキル−O−基であり、例えば、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、テトラフルオロプロポキシ、ペルフルオロヘキシルオキシ基などが挙げられる。
「アルコキシカルボニル基」は、アルコキシ部分が上記の意味を有するアルコキシ−CO−基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
「シクロアルキル基」には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが包含される。
「アルカノイル基」は、アルキル部分が上記の意味を有するアルキル−CO−基であり、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、iso−ブチリル、バレリル、iso−バレリル、ピバロイル基などが挙げられる。
「ハロアルカノイル基」は、アルカノイル基の水素原子の少なくとも1個がハロゲン原子に置換されたものであり、例えば、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、クロロプロピオニル、ブロモプロピオニル、クロロヘキサノイル、クロロヘプタノイル基などが挙げられる。
「ポリメチレン基」としては、例えば、−CHCHCHCH−、−CHCHCHCHCH−などが挙げられる。
「ポリメチレンジオキシ基」は、ポリメチレン部分が上記の意味を有する−O−ポリメチレン−O−基であり、例えば、−OCHO−、−OCHCHO−などが挙げられる。
【0011】
前記式(1)において、好適には、
は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わし、
及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、フェニル基、フェノキシ基、R12S(O)n又は炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基を表わし、ここで、R12は炭素数1〜3のアルキル基を表わし、nは0〜2の整数であり、
は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表わし、
、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜3のハロアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、フェニル基、フェノキシ基、R12S(O)n、R1516N、C(O)XR17又はカルボキシル基を表わし、ここで、R15及びR16はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表わし、R17は不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基、不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状もしくは分枝鎖状のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ−炭素数1〜4のアルキル基又はシクロヘキシル基を表わし、Xは酸素原子又は硫黄原子を表わすか、或いはR及びR又はR及びRは一緒になって、それぞれ炭素数1〜3のポリメチレンジオキシ基を表わし、
10及びR11はそれぞれ独立して水素原子、不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基、炭素数1〜3のハロアルキル基、R12S(O)n、炭素数2〜5のアルカノイル基、炭素数2〜5のハロアルカノイル基又はシクロヘキシル基を表わすか、或いはR10及びR11は一緒になって炭素数2〜6のポリメチレン基を表わす。
【0012】
特に好適には、
は水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表わし、
及びRはそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ニトロ基又はシアノ基を表わし、
は水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表わし、
、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、ニトロ基、シアノ基、メチルチオ基、エチルチオ基又はC(O)XR17を表わし、ここで、R17はメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、sec−ペンチル基、neo−ペンチル基、n−ヘキシル基、neo−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、アリル基、2−プロピニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、4−メチル−2−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、3−クロロ−n−プロピル基、4−クロロ−n−ブチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基又はシクロヘキシル基を表わし、Xは酸素原子又は硫黄原子を表わし、
10及びR11はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、アリル基又は2−プロピニル基を表わす。
【0013】
また、化合物(1)のうち、殺虫・殺ダニ活性の観点から特に好ましいものとしては、以下の化合物が挙げられる。
【0014】
(i) R、R及びR〜Rがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4個のハロアルキル基を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物68、69、70など。
【0015】
(ii) R、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、R及び/又はRがハロゲン原子を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物82、83、85など。
【0016】
(iii) R、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、R及びRがそれぞれ独立してハロゲン原子を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物88、94など。
【0017】
(iv) R、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、R又はRが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物150、151、153など。
【0018】
(v) R、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、R又はRが炭素数1〜4のアルコキシ基を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物115、116、117など。
【0019】
(vi) R、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、R又はRが炭素数1〜4のハロアルコキシ基を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物136、137、138など。
【0020】
(vii) R、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、R又はRが炭素数1〜4のアルキルチオ基を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物127、128など。
【0021】
(viii) R、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、R及び/又はRがC(O)XR15を表わし、ここで、R15が不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基又は炭素数1〜4のアルコキシ−炭素数1〜4のアルキル基を表わし、Xが酸素原子又は硫黄原子を表わし、R10又はR11が炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物171、172、174など。
【0022】
(ix) R、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、R又はRがシアノ基を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば
、後記表1に記載の化合物167、168など。
【0023】
(x) R、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、R又はRがニトロ基を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物142、143など。
【0024】
(xi) R、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、R及び/又はRはハロゲン原子を表わし、Rが炭素数1〜4のアルコキシ基を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物104、105、108など。
【0025】
(xii) R、R、R、R及びR〜Rがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、Rがハロゲン原子を表わし、RがC(O)XR15を表わし、ここで、R15が不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基又は炭素数1〜4のアルコキシ−炭素数1〜4のアルキル基を表わし、Xが酸素原子又は硫黄原子を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物195、196、197など。
【0026】
(xiii) R、R、R、R及びR〜Rがそれぞれ水素原子であり、Rが炭素数1〜4のハロアルキル基を表わし、Rが炭素数1〜4のアルコキシ基を表わし、RがC(O)XR15を表わし、ここで、R15が不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基又は炭素数1〜4のアルコキシ−炭素数1〜4のアルキル基を表わし、Xが酸素原子又は硫黄原子を表わし、R10及びR11がそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わす前記式(1)化合物。例えば、後記表1に記載の化合物199、200、201など。
【0027】
本発明により提供される化合物(1)は、例えば、以下に述べる製法によって製造することができる。
【0028】
製法:
次式(2):
【化2】

式中、R〜Rは前記と同義であり、Yはハロゲン原子を表わす、
で示される化合物を次式(3):
【化3】

式中、R10及びR11は前記と同義である、
で示される化合物と塩基触媒の存在下に反応させることを特徴とする次式(1):
【化4】

式中、R〜R11は前記と同義である、
で示される化合物の製造法。
【0029】
上記製法において出発原料として使用される化合物(2)は、それ自体既知のものであり及び/又は既知の方法により製造することができる(PCT国際公開WO2006/004215号パンフレットを参照)。化合物(2)としては、例えば、(E)−2−(5−トリフルオロベンゾオキサゾール−2−イル)−1−(3−クロロメチルフェニル)−3−ブロモプロペン、(E)−2−(5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イル)−1−(3−トリフルオロフェニル)−3−ブロモプロペン等が挙げられる。
【0030】
化合物(2)と反応せしめられる化合物(3)は、それ自体既知のものであり及び/又は既知の方法により製造することができる(例えば、Org.Syn.Coll.Vol.5、736を参照)。化合物(3)としては、例えば、化合物(3)は、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルアリルアミン、メチルプロパルギルアミン、ピロリジン、ピペリジン等のアミン類が挙げられる。
【0031】
化合物(2)と化合物(3)の反応を行うに際して使用し得る塩基触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの有機塩基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類;水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムアミド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基;リチウムジイソプロピルアミド、ビストリメチルシリルリチウムアミドなどの有機金属アミド類等が挙げられる。これらの塩基触媒は、通常、化合物(2)に対して0.001〜1倍モルの範囲内で使用することができる。
【0032】
化合物(2)に対する化合物(3)の使用割合は、とくに制限されるものではなく、化合物(2)1モルに対して、化合物(3)は一般に1〜6モル、特に1〜3モルの範囲内で使用することが好ましい。
【0033】
反応温度は、使用する出発原料の種類や触媒の種類などに応じて変えることができるが、通常、使用する溶媒の沸点以下の温度、好ましくは0〜110℃の範囲内の温度とすることができる。
【0034】
化合物(2)と化合物(3)の反応は、通常、反応に不活性な溶媒の存在下で行うことができ、該溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの双極性非プロトン溶媒類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、それらの混合溶媒などが挙げられる。
【0035】
反応時間は、出発原料の種類や反応条件によって異なるが、通常0.5〜24時間程度とすることができる。
【0036】
上記の製法によって得られる化合物(1)は、それ自体既知の方法、例えば、再結晶、クロマトグラフィー、蒸留などの手段によって単離・精製することができる。
本発明により提供される前記式(1)の化合物は、後述する試験例1〜4に記載の殺虫活性試験の結果から明らかなように、優れた殺虫・殺ダニ活性を有しており、農薬組成物において有害生物防除剤として有用である。
【0037】
本発明の化合物(1)は、有用植物、具体的には野菜類、果樹、花卉類、庭木類等に寄生する種々の有害生物、特に昆虫・ダニ類、例えば、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、リンゴワタアブラムシ、ナシミドリオオアブラムシ、モモコフキアブラムシ等のアブラムシ類;チャノキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、カキクダアザミウマ等のスリップス類;コナガ、アオムシ、ヨトウ、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ、タマナギンウワバ、チャハマキ、チォノコカクモンハマキ、キンモンホソガ、モモハモグリガ、ミカンハモグリガ、ナシヒメシンクイ、モモシンクイ、ニカメイガ、アワノメイガ等の鱗翅目類;ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダニ類に対して卓越した殺虫・殺ダニ効果を発揮する。しかも、本発明の有害生物防除剤は、有用植物に対し問題となるような薬害を示さない。
【0038】
本発明の化合物(1)は、有害生物防除剤、特に殺虫・殺ダニ剤として使用する場合、種々の剤型に製剤化することができ、例えば、粉剤、粒剤、水和剤、乳剤、フロアブル剤、マイクロカプセル剤、エアゾール剤、燻蒸剤、燻煙剤、毒餌等の剤型に製剤化することができる。かかる製剤は、通常、化合物(1)を、固体又は液体の担体又は希釈剤、界面活性剤、その他の製剤用補助剤と適宜混合し、常法に従い所望の剤型に製剤化することにより調製することができる。
【0039】
使用しうる固体の担体又は希釈剤としては、例えば、大豆粉、小麦粉等の植物粉末;珪藻土、タルク、ベントナイト、クレイ等の鉱物性微粉末などが挙げられ、液体の担体又は希釈剤としては、例えば、キシレン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、アセトン、アルコール、鉱油、石油、水等が挙げられる。また、必要に応じて配合しうる界面活性剤としては、例えば、非イオン型のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアリルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;陰イオン型のアルキルアリル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリル硫酸エステル塩、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
本発明の化合物(1)は、以上に述べた配合成分を用い、それ自体既知の農薬製剤化方法に従い、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、フロアブル剤、マイクロカプセル剤、エアゾール剤、燻蒸剤、燻煙剤、毒餌等の剤型に製剤化することができる。
【0041】
これらの製剤中における化合物(1)の配合割合は、化合物(1)の種類や剤型等に応じて広範囲にわたって変えることができるが、一般的には、0.01〜80重量%の範囲内が適当であり、より具体的には、個々の剤型に応じて、例えば、乳剤、水和剤及びフロアブル剤等の場合には、化合物(1)を通常0.01〜50重量%、好ましくは、0.1〜20重量%の範囲内の濃度で含むことができ、また、粉剤及び粒剤等の場合には、化合物(1)を通常0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲内の濃度で含むことができる。水和剤、乳剤及びフロアブル剤は、水で所定の濃度に希釈して懸濁液又は乳濁液として、そして粉剤及び粒剤はそのままで散布することができる。また、本発明の
殺虫・殺ダニ剤は、他の農薬、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、植物生長調節剤等と混用又は併用してもよい。
【0042】
本発明の化合物(1)を含む製剤は、農園芸作物に有害な昆虫またはダニの成虫、幼虫または卵に直接或いは該成虫、幼虫又は卵が生息している場所に散布することにより、有害昆虫及び/またはダニ類を防除するために使用することができる。その際の化合物(1)の施薬量は、活性化合物の種類、剤型、害虫の発生状況等によって適当に変更することができ、1ヘクタール当り一般には1〜10,000g、好ましくは10〜1,000gの範囲内とすることができ、より具体的には、例えば前述した乳剤、水和剤及びフロアブル剤等の場合には、通常、それらを1,000〜10,000倍に希釈し、1ヘクタール当り1,000〜10,000lの割合で散布することができ、また、粉剤及び粒剤等の場合には、通常、これらを1ヘクタール当り2〜40kgの割合で散布するのが適当である。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。なお、これらの実施例は本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0044】
実施例1 (E)−2−(5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イル)−3−フェニルプロプ−2−エニル)tert−ブチルアミン(化合物72)の合成:
(E)−2−(5−トリフルオロベンゾオキサゾール−2−イル)−1−フェニル−3−ブロモプロペン2.0g(5.2mmol)及びtert−ブチルアミン1.5g(20.9mmol)をTHF5mlに加え、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル25mlを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(和光純薬製のWakogel C−300、n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1溶出)によって単離し、白色結晶として目的化合物72を0.8g得た(収率41.1%)。
【0045】
実施例2 (E)−2−(5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イル)−3−フェニルプロプ−2−エニル)n−ブチルメチルアミン(化合物75)の合成:
(E)−2−(5−トリフルオロベンゾオキサゾール−2−イル)−1−フェニル−3−ブロモプロペン1.0g(2.6mmol)及びN−メチル−n−ブチルアミン0.7g(7.9mmol)をTHF5mlに加え、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル25mlを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(和光純薬製のWakogel C−300、n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1溶出)によって単離し、白色結晶として目的化合物75を0.7g得た(収率73.3%)。
【0046】
実施例3 (E)−2−(5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イル)−3−(3,4−ジクロロフェニル)プロプ−2−エニル)ジメチルアミン(化合物85)の合成:
(E)−2−(5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イル)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−ブロモプロペン9.9g(22mmol)及び50%ジメチルアミン水溶液5.9g(66mmol)をTHF25mlに加え、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル100mlを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(和光純薬製のWakogel C−300、n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1溶出)によって単離し、白色結晶として目的化合物85を5.5g得た(収率60.1%)。
【0047】
実施例4 (E)−2−(5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イル)−3
−(3−フルオロフェニル)プロプ−2−エニル)ジメチルアミン(化合物89)の合成:
(E)−2−(5−トリフルオロベンゾオキサゾール−2−イル)−1−(3−フルオロフェニル)−3−ブロモプロペン26.2g(65.4mmol)及び50%ジメチルアミン水溶液17.7g(196.4mmol)をTHF70mlに加え、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル150mlを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(和光純薬製のWakogel C−300、n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1溶出)によって単離し、白色結晶として目的化合物89を10.5g得た(収率44.1%)。
【0048】
実施例5 n−ブチル 4−((E)−2−(5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イル)−3−(ジメチルアミノ)プロプ−1−エニル)ベンゾエート(化合物184)の合成:
n−ブチル 4−((E)−2−(5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イル)−3−ブロモプロプ−1−エニル)ベンゾエート2.0g(4.2mmol)及び50%ジメチルアミン水溶液1.1g(12.6mmol)をTHF5mlに加え、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル25mlを加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(和光純薬製のWakogel C−300、n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1溶出)によって単離し、白色結晶として目的化合物184を0.6g得た(収率32.0%)。
【0049】
前記実施例1〜5に記載の方法に準じて、下記表1に示す本発明の他の化合物(1)を合成した。合成した化合物(1)を実施例1〜5で合成した化合物も含めて表1に示す。それら化合物のうちの代表的なものの物性を表2に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
【表3】

【0053】
【表4】

【0054】
【表5】

【0055】
【表6】

【0056】
【表7】

【0057】
【表8】

【0058】
【表9】

【0059】
【表10】

【0060】
【表11】

【0061】
【表12】

【0062】
【表13】

【0063】
【表14】

【0064】
製剤例1:乳剤
化合物(1)10重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル12重量部及びキシロール78重量部を均一に混合して乳剤を得る。
【0065】
製剤例2:水和剤
化合物(1)10重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル3重量部、クレー30重量部及び珪藻土52重量部を均一に混合粉砕して水和剤を得る。
【0066】
製剤例3:フロアブル剤
ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフエート塩5重量部、スメクタイト系鉱物質3重量部および水62重量部を均一に溶解し、ついで化合物(1)10重量部を加えよく撹拌した後、サンドミルにて湿式粉砕し、その後1%ザンサンガム水溶液20重量部を加えよく撹拌してフロアブル剤を得る。
【0067】
試験例1.コナガに対する殺虫試験
一定の大きさに切り揃えたダイコン葉片(5×7cm)を100ppmの薬液(製剤例1の乳剤を水で希釈)中に約10秒間浸漬し、風乾後直径9cmのプラスチック製シャーレにコナガの1齢幼虫15頭と共に入れ、25℃の恒温室内に置き、3日後に無処理区と処理区の生存数を調査し、下記の式により補正死虫率を求めた。試験は1区2連制で行った。

補正死虫率(%)=(無処理区生存率−処理区生存率)/(無処理区生存率)×100

【0068】
殺虫効果は、補正死虫率(%)の割合により、以下の6段階で評価した。
0:0%〜10%未満、
1:10%以上〜35%未満、
2:35%以上〜60%未満、
3:60%以上〜85%未満、
4:85%以上〜100%未満、
5:100%。
【0069】
上記試験の結果、4以上の殺虫効果を示した化合物は、14、15、20、21、24、27、37、38、41、47〜50、68〜70、72、75、81、82、83〜85、88〜98、106、107、110、114〜118、124〜128、136、137、142、143、149〜153、156、158、160、161、163、167、168、177〜190、195、197、200、203〜222であった。
【0070】
試験例2.ハスモンヨトウに対する殺虫試験
一定の大きさに切り揃えたダイコン葉片(5×7cm)を100ppmの薬液(製剤例1の乳剤を水で希釈)中に約10秒間浸漬し、風乾後直径9cmのプラスチック製シャーレにハスモンヨトウの1齢幼虫15頭と共に入れ、25℃の恒温室温に置き、3日後に、前記試験例1と同様にして補正死虫率を求め殺虫効果を評価した。試験は1区2連制で行った。
上記試験の結果、4以上の活性を示した化合物は、83〜85、89〜98、136、137、139、140、150、152、153、158、161、164、167、168、177〜180、182、184〜190、203〜222であった。
【0071】
試験例3.モモアカアブラムシに対する殺虫試験
一定の大きさに切り揃えたダイコン葉片(直径40mm)に、モモアカアブラムシ無翅胎性雌成虫を1葉片当り5頭寄生させ、24時間産子させた後成虫を除去し、100ppmの薬剤(製剤例1の乳剤を水で希釈)中に約10秒間浸漬処理した。処理葉は25℃の恒温室内に置き、48時間後、前記試験例1と同様にして補正死虫率を求め殺虫効果を評価した。試験は1区2連制で行った。
上記試験の結果、4以上の活性を示した化合物は、68〜70、75、81、83〜85、89〜96、115、124、149、150、167、177、182〜187、195、197、203〜222であった。
【0072】
試験例4:ナミハダニの殺ダニ試験
発砲スチロール容器(径9cm)に水を入れ、蓋の一部に穴を開け、そこへ一部を短冊状に切り込みを入れた濾紙を差し込み、濾紙全体が吸水して湿った状態とし、その上にインゲン葉をのせた。葉を500ppmの薬剤(製剤例1の乳剤を水で希釈)中に約10秒間浸漬処理した。風乾後、葉にナミハダニ雌成虫15頭ずつを接種して恒温室(25℃)に静置し、48時間後に顕微鏡下で調査し、前記試験例1と同様にして補正死虫率を求め殺虫効果を評価した。試験は1区2連制で行った。
上記試験の結果、4以上の活性を示した化合物は、72、228〜240であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式(1):
【化1】

式中、
は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、
及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、フェニル基、フェノキシ基、R12S(O)n、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基又はR1314NCOを表わし、ここで、R12は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、nは0〜2の整数であり、R13及びR14はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表わし、
は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、
、R、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、フェニル基、フェノキシ基、R12S(O)n、R1516N、C(O)XR17又はカルボキシル基を表わし、ここで、R15及びR16はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、R17は不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基、不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状もしくは分枝鎖状のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ−炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を表わし、Xは酸素原子又は硫黄原子を表わすか、或いはR及びR又はR及びRは一緒になって、それぞれ炭素数1〜4のポリメチレンジオキシ基を表わし、
10及びR11はそれぞれ独立して水素原子、不飽和結合を含んでいてもよい炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基、炭素数1〜4のハロアルキル基、R12S(O)n、炭素数2〜7のアルカノイル基、炭素数2〜7のハロアルカノイル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を表わすか、或いはR10及びR11は一緒になって炭素数2〜6のポリメチレン基を表わす、
で示されるベンゾオキサゾール化合物。
【請求項2】
次式(2):
【化2】

式中、R〜Rは請求項1に記載したと同義であり、Yはハロゲン原子を表わす、
で示される化合物を次式(3):
【化3】

式中、R10及びR11は請求項1に記載したと同義である、
で示される化合物と塩基触媒の存在下に反応させることを特徴とする次式(1):
【化4】

式中、R〜R11は請求項1に記載したと同義である、
で示される化合物の製造法。
【請求項3】
請求項1に記載の式(1)で示される化合物を有効成分として含有することを特徴とする殺虫・殺ダニ剤。
【請求項4】
請求項1に記載の式(1)で示される化合物を含有する農薬組成物。

【公開番号】特開2009−51735(P2009−51735A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216913(P2007−216913)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000234890)協友アグリ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】