説明

ベンチレーターのための噴霧装置及び噴霧装置を有するベンチレーター

噴霧装置をベンチレーション装置(100)に連結するための第一連結部(10)と噴霧装置を患者に至るライン(103)に連結する第二連結部(31)を備えた本体(1、2)で、該本体は、第一連結部(10)から第二連結部(31)に至る流路を形成する本体と、流体を霧化するための霧化器を有するベンチレーション装置(100)とを備えたベンチレーターのための噴霧装置において、該霧化器(3)は流路内の第一連結部(10)と第二連結部(31)との間に配置され、該第一連結部から第二連結部に至る流れとほぼ平行に、好ましくは流れのなかで、該流体が霧化されるように適合されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンチレーターのための噴霧装置、特に、補助呼吸又は呼吸代替のために、作用成分をエアゾルにして患者に供給される呼吸気に導入するための噴霧装置に関する。ここで、噴霧装置とは、エアゾルを発生するための如何なる装置をも意味する。ベンチレーターとは、挿管されたり、気管切開された患者に気管用管を用いて、120l/min、好ましくは、1から50l/minのエア流を0から100mbar、好ましくは3から45mbarの圧力で患者に供給するベンチレーターと理解すべきである。
【0002】
この発明は、さらにそのような噴霧装置を有するベンチレーターにも関する。
【背景技術】
【0003】
ベンチレーターのための噴霧装置は、先行技術において良く知られている。例えば、特許文献1は、請求項1の前提部の特徴を有する噴霧装置を開示している。この噴霧装置は、噴霧装置をベンチレーターの給気ラインと排気ラインに連結するための二個の連結部材を有する第一連結部を持つ本体を有している。この第一連結部と反対側に、本体は、Y部材と二本の管を介して患者に至るラインに連結されるやはり二個の連結部材を有する。連結チャンネルを介して連結された二つの別個のチャンネルが本体に形成され、その一つ(第一)は、給気ラインから呼吸気を患者に送り、その他の(第二)は、排気エアを患者から排気ラインに送る。患者の方向に向かう流れのみ許す逆止弁が、第一チャンネルに霧化器を連結する連結部の上流において、第一チャンネルに配設されている。さらに、霧化器は、T字連結と同様にこの第一チャンネルに直角に連結されていて、エアゾルは、第一チャンネルの流れと直角に供給される。
【0004】
この構成の問題は、一つには、逆止弁のために、給気ライン即ち患者に至るライン中に、一要素が一体的に設けられ、これが作動不良を起こすと、重大な結果をもたらすことである。
【0005】
他方には、エアゾルが、本体を通る呼吸気の流れの方向と直角の流れに導入されるので、チャンネルの表面に高い沈積が起こり、それにともない高い損失がおきるという問題がある。
【0006】
エアゾルが特に噴霧室の表面に沈積するのを防ぐのに、霧化器が患者に向かう流れと平行に噴霧するという技術が、他の技術分野において知られている。例えば、特許文献2は、霧化器が、バイパスを有する密閉されたハウジング内に配置された吸入装置を開示している。このハウジングは、吸入装置の流れチャンネルに配置され、吸入装置は、マウスピースを有している。霧化器は、マウスピースの方向に噴霧を行う。しかしこの霧化器のデッドスペースや流れ抵抗及びその充填は小さな役割しかなさない。しかし、ベンチレーターにおいては、噴霧装置はこの点において、規定の基準を満たさなければならない。特許文献3は、このような噴霧方向を有する吸入治療装置を開示しているが、これは、未熟児のためのものである。このシステムは(患者が自分で呼吸できることを必要とし)、未熟児のために2mmから3.5mmという小さな管直径に特に適合されており、エアが流れ抵抗が生じることなく霧化器の回りを容易に流れるように構成されている。さらに、患者が自力で呼吸ができるので、このシステムは、最大15mbarという低い圧力で稼動する。さらに、このシステムにおいては、充填及び/又は圧力損失の時にリスク無く稼動を中断することができるので、この装置が稼動している時は、噴霧装置への噴霧すべき流体の補充は必要ないか、意図されない。従って、先行技術からの上述およびそれに相当するシステムはベンチレーターにおいて使用することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2005/048982号
【特許文献2】米国特許出願公開2003/0072717号
【特許文献3】欧州特許出願公開818070号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、この発明の目的は、エアゾルの流れチャンネルの表面への沈積及びそれに付随する損失が低減され、損失を受けやすい要素の作動不良が避けられるベンチレーターのための噴霧装置を提供することである。同時に、ベンチレーターの作用モードが損なわれてはいけない、即ち、流れ抵抗が生じることなく、噴霧装置は、ある程度までの圧力(例えば、100mbar)に対して密封性があり、システム内の圧力損失なく、ベンチレーション装置の稼動中に噴霧すべき流体を噴霧装置に充填することが可能であること、噴霧装置内のデッドスペースが大きくなりすぎないことなどである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1に記載された特徴を有する噴霧装置により解決される。この発明のさらに多くの利点は従属請求項に記載されている。
【0010】
この発明の基本となる考えは、先行技術に行われているように、霧化器をT部材により流れに対して直角に連結するのでなく、エアゾルの発生が、流れチャンネルの流れの方向と平行な流れを噴霧することにより行われるように、霧化器をチャンネル内に配置することである。
【0011】
この発明は、従って、噴霧装置を(例えば管を介して間接的に)ベンチレーション装置に連結するための第一連結部と、噴霧装置を(例えば管を介して間接的に)患者に至るラインに連結するための第二連結部とを持つ本体を有しており、この本体が第一連結部から第二連結部に至る流れチャンネル、特に唯一の流れチャンネルを形成しているようなベンチレーター用噴霧装置を提案する。このことは、特定の実施例において、吸引中は、呼吸気が第一連結部から第二連結部へ流れると共に、排気中は、排気エアが第二連結部から第一連結部へ流れる唯一のチャンネルを本体が形成している。患者に至るラインは、いわゆるカテーテルマウント(ダブルスイベルコネクタ)と気管内管及び選択的にその他の要素から構成することができる。特定の実施例においては、ベンチレーション装置への連結は、噴霧装置が同時にY部材を形成するように吸入エアを供給する給気ラインと排気エアを排出する排気ラインにより実現できる。本体の第一連結部を給気ラインのみに連結して、Y部材が第二連結部の下流のみに配置することができることは言うまでもない。この発明の噴霧装置は、さらに流体を噴霧する霧化器を有する。流体は、好ましくは、少なくとも一つの作用成分(下を参照)を含有する液体成分である。霧化器とは、流体をエアゾルに変化させることができるいかなる形態のエアゾル発生器であると理解すべきである。この発明によれば、噴霧装置は、霧化器が第一連結部と第二連結部の間の流れチャンネル内に配置され、流体が第一連結部から第二連結部に行く流れと実質的に平行に、好ましくは一致して噴霧されるようにされている。換言すれば、吸引サイクルにおいては、呼吸気が霧化器の回りを通過し、霧化されるべき流体が呼吸気の流れと平行に、好ましくは流れ内で、霧化され、その結果エアゾル流が第一呼吸気流の方向と平行、好ましくは流れ内で発生され、結果として、流れチャンネルの表面上の密集と沈積が減少されエアゾルがラインシステムに供給でき、可能な限り少ない損失で患者へ移送できる。ここで、「実質的に」という語は、エアゾル流が呼吸気の流れの方向と45度までの変位を有していても良いと理解するものとする。
【0012】
呼吸気を規制するために、ベンチレーション装置は、連続した基本流(いわゆるバイアス流)を発生する。呼吸気が給気ラインを介して患者に送られる吸引サイクルの外においては、このバイアス流が、30l/minの量を有するが、通常、給気ラインから排気ラインに直接流入する。基本流が霧化器を通して流れ、その結果噴霧流が排気ラインに常に流れることになるのは、システムのかなりの非効率に繋がる。そのようなことなくこれを達成するために、この発明の噴霧装置は、好ましくはベンチレーション装置から来る給気ラインに連結される第一連結部とベンチレーション装置に至る排気ラインとを有しており、第二連結部と反対側の霧化器の側部に給気ラインから排気ラインに側流チャンネル(バイパス)が形成されるようになっている。
【0013】
給気ラインと排気ラインは二つに分割された一つの共通管で形成できる。この分割は、管内の隔壁によるか、同心状管、つまり一つの管を他の管の内部に配列した管により形成できる。共通管は噴霧装置の第一連結部に連結される。第一連結部と共通管は、霧化器と隔壁及び/又は同心状管の内管の前面(この前面は霧化器に対面している)との間にバイパスが形成されるように構成されている。このバイパスは、吸引サイクル外においては、バイアス流が噴霧流を排気ラインに押し流すことなく、バイアス流を給気ラインから直接排気ラインに流す。この結果、システムの効率がかなり改善される。
【0014】
勿論、代替案として、給気ラインと排気ラインを別々の管で形成することも考えられる。この構成では、第一連結部が、給気ラインに連結するための第一連結部材と、排気ラインに連結するための第二連結部材を有することが好ましい。バイパスは、この場合、第一連結部材と第二連結部材との間の本体自体に形成され、吸引サイクル外において、給気ラインからの流れを排気ラインに流す。この構成は、さらに、二つの連結部材と反対側の第二連結部により形成されて、傾斜に対して安定な噴霧装置のユニットとする。
【0015】
冒頭において述べたように、噴霧装置は、ベンチレーション中にシステムの圧力損失が無く、流体容器の充填を可能としなければならない。霧化器としては、好ましくは、流体を噴霧するための複数の穴(ミクロ穴)を備えた振動膜(オシレート膜)が使用され、この膜は、第一連結部から第二連結部に至る流れと直角に配列され、この流れの方向、又は流れと平行に噴霧を行わせる。「実質的に」という語は、膜が、直角から最大45度までずれた傾斜を持って流れチャンネル内に配置されていても良いことと理解されるべきである。流れに関する技術の見地から、膜は、この場合好ましくは円形になるように設計されるが楕円形でも良い。流れチャンネルからの流れを通し、システム外からの流れは不可能なこの極めて小さい穴を有する膜を備えたエアゾル発生器(霧化器)の構造により、流体容器が開いていても、例えば流体容器の蓋が充填のために外された時でも、霧化器を介しての圧力損失が簡単に防止できる。
【0016】
さらに、好ましくは本体に連結された噴霧流体を入れるための流体容器と、噴霧された流体が流入する噴霧室を設け、流体容器と噴霧室の間には膜が配置されている。流体容器は、着脱可能に本体に連結することができる。しかしながら、流体容器を本体と一体的に連結することが望ましい。後者の場合は、特に二つの連結部材と第二連結部を備える(これらは傾斜安定性のあるユニットになる)ことと相まって、流体容器からの流体の流れの挙動を良くするという追加的利点をもたらす。流体を直接容れるのに代えて、流体容器は、流体連通インターフェースを有していても良く、この流体連通インターフェースを介して、流体容器と連通する流体アンプルを受けるよう構成されても良い。この流体連通インターフェースは、例えば、開孔具(中空スパイク)で構成しても良く、例えば、従来の噴霧装置/エアゾル発生器に関してWO2007/020073に記載されているものと同様に、この開孔具により開けられる流体アンプルを受けるよう構成しても良い。その詳細な記載はこの文献の引用を持ってする。流体容器が、中空針を有し、バルブがアンプルに設けられ、アンプルが流体容器に受けられた時、このバルブがこの針により開けられることも考えられる。
【0017】
さらに、流れチャンネルの表面への沈積、従って損失を減少させるために、既述のように、流体を吸引サイクルにおいて、呼吸気の流れ方向に噴霧することが特に望ましく、その目的のために、膜と患者に至るラインに連結される第二連結部との間に噴霧室が配設されていることが好ましい。
【0018】
信頼できる均一な噴霧又はエアゾル発生が行われるように、第一連結部から第二連結部に向く流れの方向の周りに、45度までの傾斜で、流体容器が、一定の量を供給することが必要である。この目的のために、本体と流体容器からなるユニットが、既述のように、二つの連結部材とその反対の第二連結部とにより、傾斜に対して安定なように形成することができる。この要求をさらに満たすために、流体容器が膜に向かって先細部を有していることが望ましく、この先細部は、膜により閉じられた流体室に開口し、先細部は、少なくとも流体容器の円筒状部から流体室まで、斜めに延びている。
【0019】
先細部の膜と反対側にある部分が、垂直に対して、或いは直角に配列された膜の場合にはこの膜に対して10°から40°の角度で延びているのが特に好ましい。つまり、断面が閉じられた形状の流体容器の下部が、例えば円錐形をなし、この円錐の中心軸が、垂直に対して、或いは、直角に配列された膜の場合には、この膜に対して10°から30°の間の角度を有している。
【0020】
冒頭に述べたように、霧化器特に膜は、エアがその回りを流れるように、流れチャンネル内に配列されている。流れチャンネルのこの取巻き流れ部分は、好ましくは膜と本体の間に半径方向に形成され、この取巻き流れ部分の断面積が、僅かにずれがあるにしても、ベンチレーション装置の患者に至るラインの最小断面積に実質的に相当するように形成される。流れ部の断面積は、好ましくは、ラインの断面積より大きいが、如何なる場合でも少なくともほぼ等しくする。大人用の断面積は、約400mm程度である。子供用の場合には、断面積は約80から180mmの範囲である。このようにして、簡単な方法で、霧化器を給気ラインと排気ラインに一体化したことで、流れ抵抗が過大になり、ベンチレーション装置及び/又はベンチレーターの機能が損なわれるということが防止される。
【0021】
膜は、それを取囲むフレームに対してスポークにより掛けることが特に好ましく、このフレームは、流体技術上の理由により膜と同じの円形か、長円形とする。このようにして、流れが通過する領域は、フレームと膜との間にも形成され、この領域は、流れチャンネルの取巻き流れ部分の一部を少なくとも形成しても良い。流れが通過する更なる部分が、追加的にフレームと本体との間に設けても良く、この更なる部分は、取巻き流れ部分の所望の断面積を達成するように、膜とフレームの間の取巻き流れ部分を補う。さらに、この構造においては、噴霧室のお蔭でデッドスペースが低減できると同時に、噴霧装置の外部の大きさをそんなに大きくすること無く、霧化器を通る流れチャンネルの断面積を増加させることができる。
【0022】
システムの効率をさらに増大させるために、流体の霧化、従ってエアゾル発生が、吸引サイクルの時のみに起動される様に、即ち霧化器による霧化が、ベンチレーション装置により補助されるにしろ強制されるにしろ、患者が吸引する時のみ行われるように、噴霧装置をベンチレーション装置と共通の制御器を用いて制御するのが好ましい。
【0023】
この発明のその他の利点と特徴は、それらを既述の特徴に単独で組み入れるにしろ、組み合わせて組み入れるにしろ、好ましい実施態様の以下の説明から明らかとなる。この説明は、添付された図面を参照して行う。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の第一の実施例に従う噴霧装置の斜視図で、概観的にベンチレーション装置に連結されている。
【図2】図1の噴霧装置の平面図を示している。
【図3】上下を逆にした噴霧装置の側面図を示している。
【図4】図2のA−A線に沿う図1の噴霧装置の長さ方向の断面図を示している。
【図5】図3のB−B線に沿う図1の噴霧装置の長さ方向の断面図を示している。
【図6a−f】図2のA−A線に沿う図1の噴霧装置の長さ方向断面を、図6bは、図3のB−B線に沿う図1の噴霧装置の長さ方向断面を両方とも吸引サイクルにおける流体流と共に示し、図6c及び図6dは、排気サイクルにおける同じ断面を示し、図6e、及び図6fは排気サイクルと吸引サイクルの間における同じ断面を示す。
【図7】図4の断面図に対応する第二の実施例に従うネブライザーの長さ方向断面を示す。
【図8】代替の流体容器の概観図を示す。
【図9】更に別の代替の流体容器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
異なる図において、同じ又は相当する要素は同じ参照番号が付されている。
【0026】
図1から図5に示された第一実施例の噴霧装置は、三つの主要構成部材、即ち、第一本体1、第二本体2および霧化器3を構成としている。第一と第二の本体1と2は、本体を形成し、好ましくは、プラスチックから成り、好ましくは、射出成形により製造されている。
【0027】
第一本体1は、第一の連結部10を有し、これは二つの連結部材11、12から成っている。図1から明らかなように、第一連結部材11は、ベンチレーション装置100の給気ラインと接続されるように形成されている。第二連結部材12は、代わって、ベンチレーション装置100の排気ライン102に接続されている。給気ライン101と排気ライン102は、夫々別の管(図示なし)により形成され、例えば、大人用であれば22mmの内径を有し、子供用であれば10mmと15mmの内径を有する。連結部材11、12は夫々が、従来の連結部材をこれらの連結部材に連結するのを可能とするよう形成されている。第一本体1には、さらにバイパス13が形成されており、このバイパスは霧化器3の前方(即ち、呼吸気の流れ方向の上流)に配置されている。このバイパスは、ベンチレーション装置100により発生された患者104への呼吸気を規制するための基本流が、患者104の吸引サイクル及び/又は排気サイクルの外で、霧化器3(図6eと図6f参照)を通ることなく、給気ライン101から、連結部材11と、バイパス13と連結部材12を通して直接排気ライン102へと流れることができるのを確実にする。この基本流は、30l/minまでの流量レートを有している。この基本流は、しばしば「バイアス流」とも呼ばれている。
【0028】
第一本体1はさらに、噴霧されるべき流体を容れる流体容器14を有している。この実施例において好ましくは液体である流体は、好ましい実施例が詳述された後に掲載されている。流体容器14は、第一本体の一体構成であるのが好ましいが、部分的に又は完全に連結されるよう、又は連結されてないように形成されてもよい。さらに、流体容器が噴霧される流体を直接容れずに、例えばスパイクのような器具がこの流体容器に備えられており、例えば流体容器に挿入されるアンプルを突き破るなどして開いて、噴霧すべき流体がアンプルから霧化器3と後述する流体室24に供給できるようなことも考えられる。
【0029】
図示された実施例においては、流体容器14は、断面がほぼ円形の実質的な円筒部15を有している。霧化器3から外方に向かうこの円筒部15の端の外周面に外周ネジ16が形成されている。蓋18の内周ネジ17は、蓋18の内周面に形成されており、前記外周ネジ16と係合されて、蓋18が流体容器14の円筒部15にネジ留めされる。蓋は、さらにその内面に周状カラー19を有しており、蓋がネジ留めされたとき、円筒部14の内面と直接又はシール材を介して間接に密封係合する。さらに円筒部15は、周溝20を有しており、蓋保持具21(図1参照)の一端がこれに固定され、他端が蓋18のきのこ状突起22に取り付けられている。
【0030】
円筒部15の端には、蓋から遠ざかる方向に向かうテーパー部23が位置し、このテーパー部は霧化器3の方向に先細りになり、流体室24に向けて開口している。図示の実施例においては、テーパー部23は断面が後述する膜37とほぼ平行な壁26及び、垂直線/又は膜37に対して40度から50度の角度で延びる壁25とを有しており、ほぼ円錐形を有している。これにより円錐の頂部は流体室24の中にある。
【0031】
流体Fにより満たされた流体容器14は、例えば図1において見られる。
【0032】
第一本体1は、第一連結部10と反対端にさらに周縁カラー27を有しており、このカラーは、第二本体2(下を参照)に連結できる。シール材28は、射出によりこのカラーの半径方向内側に成形されるか、二成分プロセスにより硬い弾性プラスチックから成る第一本体1と共に製造される。このシール材28は、円周突起29を有している。さらに、周縁舌部30が設けられ、この舌部は流体室24に当接し、シールのために膜37に押し付けられその結果、流体室24が膜37とシール舌部30によりしっかりと密閉されている。
【0033】
第二本体2は、第二連結部31を有し、この連結部は、連結部材32により形成されている。この連結部材32は、連結部材11と12の夫々に連結される管と同じに設計されるのが好ましい。この管がライン101と102を形成する。この手段により、図示の霧化器がベンチレーション装置に適切に一体化される。これを達成するための他の設計も考えられる。大切なことは、管により形成されたライン101、102の一つが、連結部材32に連結されたり、患者104に至る第二のライン103が、連結部材11と12の一つに連結されたりする可能性を排除するために、連結部31と10が、同一に設計されていないことである。
【0034】
第二本体2は、さらに、その周囲に分配された複数のロック手段、この場合は、係止ロック33を有している。図示の実施例においては、六個のそのような係止ロック33又はスナップインフックが設けられている。これよりも少ない又は多いそのような装置も考えられる。係止ロック33は、組立て状態で第一本体1の周縁カラー27と係合することができ、カラー27の背後を掴めるように設計され、その結果、第一本体と第二本体1と2が互いに連結できるようになっている。係止ロック33の半径方向内側において、第二本体2は、さらに同心に配置された二つの周縁ウエブ34と35を有している。この二つのウエブは、半径方向の間隔がシール材28の突起29の半径方向の幅に適合されていて、第一本体1と第二本体2を係合したとき、突起29と二つのウエブ34、35との間にラバリンスシールが形成される。
【0035】
第二本体2は、さらに少なくとも二つの好ましくは四つ又はそれより多い、エアゾル発生器3(霧化器)を保持するための支持突起36を有している(下を参照)。これらは、第二ロックボディー2の周囲に均等に直径上の対をなして、四つの場合には90度の間隔で配置されている。
【0036】
第二本体は、回転対称となるよう設計されており、その中心軸周りのどの角度においても第一本体1に対して連結できるようになっている。
【0037】
霧化器3は、ミクロ範囲の小さな複数の貫通する穴を有する膜37を有している。この膜37は、好ましくは、ピエゾ電気部材により振動可能、即ち振動が起こされる。膜の振動の故に、膜の一側の液、流体室24からの液は、これらの穴(図示なし)を通り、膜37の他側の液は、第二本体に形成された噴霧室38へ噴霧される。この一般的な原理は、例えば米国特許第5518179号明細書により詳細に説明されているので、この作動の詳細はここでは述べない。
【0038】
この発明によれば、膜37は、平坦で滑らかな要素であり、スポーク(図示なし)を用いてフレーム(図示なし)に保持されている。膜37とフレームはほぼ円形又は環状になるよう設計されている。好ましい実施例によれば、フレームは、シール材38と同じ又は類似の柔らかい弾性材料40と共にインサート成形され、弾性材料は、フレームと図5に示めされる霧化器3のパワー供給と制御のための連結部41の部分を囲んでいる。スポークを除いて、膜の全周に亘り、膜37と膜37を囲むフレームの半径方向内側面との間に間隙42が形成されており、フレームはフレームとインサート40から成り、この間隙は、後に説明する本体1、2のフローチャンネルにおける取巻き流れ部分を形成している。連結部41の領域を除いて、組立て状態において、インサート40とフレームから成るフレームの外面と本体(ここでは第一本体)の内周面との間に別の間隙43が形成されており、この間隙43は、既述の取巻き流れ部分の一部を形成する。組立てのために、予め組立てられた霧化器3は、凹部にしたがって、連結部41と整合され第一本体1に挿入される。その際周囲のシール舌部30は、穴が設けられた膜37の一部を囲む。第二本体2が次に取り付けられ、その際、突起36は、弾性材40と共にインサート成形されたフレームを押し付け、これを第一本体1の方へと付勢する。霧化器3は、それによりシール舌部30の方向に押され、シールが膜又は膜を囲むエリアに形成され流体室24が、しっかりシールされる。噴霧装置は、すぐ組立て可能状態で供給されているので、開けたり取り外したりできない。
【0039】
さらに同心状のウエブ34、35は、シール材28の突起29と係合し、ラバリンスシールを形成し、対応する構成部材のシールの圧力は、カラー27の背後を掴むことにより係止ロック33がロックすることで維持される。霧化器の一部が本体1、2から外に出ている連結部41の領域において、柔らかい弾性プラスチック40と第二部2のウエブとの間、及び連結部41を容れるための第一部1の凹部を囲む突起44との間でシールが生じるので、ここでも十分なシールが与えられる。
【0040】
組立てられた状態において、本体1、2は、連結部10から連結部材11を通して、連結部材32から成る第二連結部31に至る流路を形成する。この場合、霧化器3の回りで、取巻き流れチャンネル42、43に沿って空気が流れる。吸引段階における流れ又は気流の方向は、図6aとbの矢印で示され、排気段階における流れ又は気流の方向は、図6cとdの矢印で示されている。連結部材11に入る流れと連結部材31から出る流れの方向は、同じであり、膜37及び/又は膜37が載る平面はこの流れ方向又は夫々の連結部材11、12及び31の中心軸と直交することが明らかである。この実施例においては、このことは流体容器14内の流体が、この流れ方向に、即ちこれと平行に膜の穴を通して霧化され噴霧室38に入ることになる。流路表面又はそれに続く管への流体の付着は、この結果少なくなりシステムの効率が増大される。
【0041】
この構成は、バイアス流が給気ライン101からバイパス13を通って、霧化器3、特に噴霧室38を通ることなく、排気ライン102へ流れるのを許すので、このバイアス流が、吸引サイクル及び/又は排気サイクル外において、霧化器3により発生されたエアゾル(霧化流体)を排気ラインに噴出すことはない。その結果、このシステムの効率がさらに増大される(図6eと6f参照)。
【0042】
傾きに対して安定なユニットが、これらの三つの連結部材11、12及び32と流体容器14を本体1、2に一体に連結した構造により形成される。この傾斜に対して安定なユニットは、流体容器14から出る好ましくは液体が、流体室24から更に膜へ流入する挙動に対して有利である。均一で一貫した流体の供給がさらにテーパー部23の構造、特に壁25の傾斜により促進され、図4に示めされた噴霧装置が連結部材32の中心軸線の回りに、二方向のうちいずれかに45度回転しても、膜37上に流体の存在が確保される。
【0043】
取巻き流れチャンネル42、43の断面積は、患者104に至るベンチレーション装置のライン(101と103)の最小断面積よりも小さすぎることもなく、大きすぎることもないように(この場合は、呼吸支援の場合に患者の排気の間、排気する必要がある不必要に大きいデッドスペースを作らないように)設計される。患者103に至るラインは、所謂、カテーテルマウント(ダブルスイベルコネクタ)と気管内管から構成することができる。これは、ベンチレーション装置の機能に悪影響を与えることがある、流れに対する抵抗の増大とデッドスペースの増大を防ぐ。
【0044】
さらに、シール材28とフレーム39のインサート40のおかげで、100mbarまでの圧力に耐える密封が得られる。小さい穴を有する膜の使用のおかげで、流体容器14が開いている時のシステム内の圧力ロスを無くする。流路から出て小さい穴を通して流体容器14に入る流れは不可能である。
【0045】
霧化器3を吸引サイクルの時だけ起動させるために、霧化器3を連結器41を介してベンチレーション装置100の制御器に接続することができる。このことは、患者104が、支援を受けているにしろ、ベンチレーション装置100により強制されるにしろ、吸引する時にのみ、膜が振動し、流体容器14内の流体Fの霧化が起きる。これにより効率がさらに増大される。
【0046】
第一の実施例につき説明されたが、図示された噴霧装置の給気ライン101と排気ライン102は、夫々が、別々の管により形成されていて、管は、連結部材11と12に連結されている。図7にしめされる第二の代替実施例においては、第一連結部10は、ただ一つの連結部材45を有するのみであり、この部材に、ベンチレーション装置100の第一ライン101、102の対応する連結部材105が挿入される。また、図7から、第二連結部31は、連結部材105とほぼ同じ大きさの連結部材32を有しており、この発明の連結部材が、問題なく現存する管システムに連結可能で、所望の角度においてのみ組みつけられるようになっている。ライン101(給気/排気)、102(排気/給気)は、同心管により共通管として形成され、給気ラインが、大きい直径の管102の中に配置された小さい直径の管により形成され、ホルダー107により同心的に保持されている。排気ラインは、内管と外管101の外壁との間の間隙により形成されている。この構造は、上に示されたように、反対にできる。噴霧装置に向けられた内管101の前面106は、膜37と噴霧室38とから距離を保って終わっており、この前面106と霧化器3との間の間隙にバイパス13(図7の矢印により示される)が形成されている。
【0047】
図7の実施例は、図1から6に示された実施例とその他の点で大差ないので、これ以上の説明はしないで、上に示した実施例を参照するに留める。
【0048】
この発明が、説明された実施例に留まらず、色々の変更が行えることは明らかである。例えば、図7の同心管の代わりに、二つのライン101、102が形成されるよう、隔壁を設けてもよい。第三の変形例は、Y部材に分離不能に連結された二つの管(給気と排気)から成るシステムである。この場合においてもエアゾル発生手段の設置状況は、図7に対応する。膜37を垂直に配置する代わりに、垂直方向から最大45度まで変化し得る角度で傾斜した流れ方向に対して直角に膜を配置することも考えられる。膜という形態の霧化器が流路内に横たわり、空気がその回りを通過することが主として重要である。すでに述べたように、流体容器を、流体そのものを入れるのでなく、流体を入れている容器を受けるように適当な装置を設ける設計にしたり、インターフェースにより流体容器自体を着脱可能にする設計にすることも考えられる。例えば、図8のテーパー部121は、膜と反対の方向においてシールされ、中空針122が設けられ、この針は、円筒部120が連結されると、ボール126などと、ボール126を弁座に押し付ける装置、例えば、アンプルと呼ぶことができる円筒部120内の固定支持124に安座するバネ125とから成るバルブ123を、弁座から遠ざかる端部で開き、その結果、流体を直ちに又は徐々に流体室24又はテーパー部121へ流入させることができる。バルブは、これらの要素間において、密封連結がされると、例えば円筒部120をテーパー部121に直接、例えばネジ127により置くことにより自動的に開かれる(図8の概観図を参照)。流体を容れているアンプル129が突き破られるスパイク128を設けることも考えられる。後者が、図9に概観的に示されているが、ここでスパイクはアンプル129の底130を突き通し、流体が流体室24に流入できるようそれを押し下げている。スパイクは、この目的のために、中空とされている。
【0049】
さらに、原理において、図示のものと異なる霧化器を使用することも考えられ、例えば連結部10と31の間の流れの方向に、即ちそれと平行に噴霧が行われるならば、ノズル式霧化器も使用できる。さらに、噴霧装置をライン101に配置し、ライン101、102、103の連結をY部材により行う設計も考えられる。しかしこの場合には、バイアス流が流れている間、吸引がないと噴霧がされないように、吸引サイクルに応じて霧化器3の起動が行われないと、バイアス流がエアゾルを常に排気ラインに運ぶので、効率が下がる。噴霧装置をY部材の後に配置すること、即ち、図7に示されたような噴霧装置をY部材に直接連結し、即ちY部材とライン103(カテーテルマウントと気管内管)とY部材に連結されたライン101、102の間に連結することも原理的に考えられる。しかしながら、第一実施例において説明したように、Y部材と噴霧装置を一体化することが特に好ましい。
【0050】
終わりに、次の動作成分又は物質が、この発明の噴霧装置により霧化できるが、このリストはすべてを網羅するものではない。
【0051】
活性化合物は、例えば、抗炎症性化合物、グルココルチコイド、抗アレルギー剤、酸化防止剤、ビタミン剤、ロイコトリエン拮抗薬、抗感染剤、抗生物質、抗殺菌薬、抗ウイルス剤、粘液溶解剤、うっ血除去剤、消毒薬、細胞増殖抑制剤、免疫抑制剤、ワクチン、創傷治癒剤、局所麻酔薬、オリゴヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、及び植物抽出物からなる群より選択される物質を含む。
【0052】
有効と思われる抗炎症性化合物の例としては、すべての薬学的に許容される塩、エステル、異性体、立体異性体、ジアステレオマー、エピマー、溶媒和物または他の水和物物、プロドラッグ、誘導体または任意の薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは他の水和物、プロドラッグ、異性体またはその他の対応する活性残基を含む関連化合物の化学的または物理的形状を含む、ベタメタゾン、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、デキサメタゾン、デスオキシメタゾン、フルオシノロン(fluoconolone)、アセトニド、フルオシノニド(flucinonide)、フルニソリド、フルチカゾン、イコメタゾン(icomethasone)、ロフレポニド(rofleponide)、トリアムシノロンアセトニド(triamcinolone acetanide)、フルオコルチンブチル(fluorcortin butyl)、ヒドロコルチゾン、ヒドロキシコルチゾン−17−ブチラート、プレドニカルベート、6−メチルプレドニゾロンアセポン酸、フロン酸モメタゾン、デヒドロエピアンドロステロン硫酸(DHEAS)、エラスタン、プロスタグランジン、ロイコトリエン(leukotrine)、及びブラジキニン拮抗剤などのグルココルチコイド及び非ステロイド系抗炎症剤、並びにイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である。
【0053】
種類(class)または薬効分類が、細菌、真菌、およびウイルス感染症に対して有効である化合物、すなわち、殺菌薬、抗生剤、殺真菌薬、消毒薬、及び抗ウイルス剤の種類を含むものとして、本発明において理解されている抗感染薬の例は、以下の通りである。
【0054】
ベンジルペニシリン(ペニシリンGナトリウム、ペニシリンクレミゾール、ベンザチンペニシリンG)、フェノキシペニシリン(ペニシリンV、プロピシリン)、アミノベンジルペニシリン(アンピシリン、アモキシシリン、バカンピシリン)アシルアミノペニシリン(アズロシリン、メズロシリン、ピペラシリン、アパラシリン)、カルボキシペニシリン(カルベニシリン、チカルシリン、テモシリン)、イソキサゾリルペニシリン(オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン)、およびアミジン(amiidine)ペニシリン(メシリナム)を含む、ペニシリン;
【0055】
セファゾリン(セファゾリン、セファゼドン)を含むセファロスポリン;セフロキシム(セフロキシム、セファマンドール(cefamdole)、セフォチアム)、セフォキシチン(セフォキシチン、セフォテタン、ラタモキセフ、フロモキセフ)、セフォタキシム(セフォタキシム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、セフメノキシム)、セフタジジム(セフタジジム、セフピロム、セフェピム) セファレキシン(セファレキシン、セファクロル、セファドロキシル、セフラジン、ロラカルベフ、セフプロジル)、及びセフィキシム(セフィキシム、セフポドキシムプロキセチル、セフロキシムアキセチル、セフェタメトピボキシル、セフォチアムヘキセチル)ロラカルベフ、セフェピム、クラブラン酸/アモキシシリン、セフトビプロール;
【0056】
クラブラン酸、スルバクタムおよびタゾバクタムなどのβ-ラクタマーゼ阻害剤を含む、共力剤;
【0057】
イミペネム、シラスチン、メロペネム、ドリペネム、テビペネム、エルタペネム、リチペナム及びビアペネムを含む、カルバペネム;
【0058】
アズトレオナムを含む、モノバクタム;
【0059】
アプラマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、イセパマイシン、アルベカシン、トブラマイシン、ネチルミシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、カプレオマイシン、ネオマイシン、パロモマイシン(paromoycin)、及びカナマイシンなどのアミノグリコシド;
【0060】
エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシン、ジスロマイシン(dithromycin)、ジョサマイシン、スピラマイシン、及びテリスロマイシンを含む、マクロライド;
【0061】
シプロフロキサシン、ガチフロキサシン、ノルフロキサシン(norfloacin)、オフロキサシン(ofloxycin)、レボフロキサシン、ペフロキサシン(perfloxacin)、ロメフロキサシン、ガレノキサシン、クリナフロキサシン、シタフロキサシン、プルリフロキサシン、オラムフロキサシン、カドロフロキサシン(caderofloxacin)、ゲミフロキサシン、バロフロキサシン、トロバフロキサシン及びモキシフロキサシンを含む、ジャイレース阻害剤またはフルオロキノロン(fluroquinolones);
【0062】
テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、チゲサイクリン及びミノサイクリン(aminocycline)を含む、テトラサイクリン;
【0063】
バンコマイシン(vacomycin)、テイコプラニン、リストセチン、アボパルシン、オリタバンシン、ラモプラニン及びペプチド4を含む、グリコペプチド;
【0064】
プレクタシン、ダルババシン、ダプトマイシン、オリタバンシン、ラモプラニン、ダルババシン、テラバンシン、バシトラシン、チロトリシン、ネオマイシン、カナマイシン、ムピロシン、パロモマイシン、ポリミキシンB及びコリスチンを含む、ポリペプチド;
【0065】
スルファジアジン、スルファメトキサゾール、スルファレン、コトリモキサゾール、コトリメトロール(co−trimetrol)、コトリモキサジン(co−trimoxazine)、コテトラキサジン(co−tetraxazine)を含む、スルホンアミド;
【0066】
クロトリマゾール、オキシコナゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、メトロニダゾール、チニダゾール、ビホナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール及びオルニダゾールを含むアゾール、並びにフルシトシン、グリセオフルビン、トノフタール、ナフチフィン、テルビナフィン、アモロルフィン、シクロピラクスオラミン、ミカファンギン、キャスポファンギン、アニディュラファンギンなどのエキノキャンディンを含む、他の抗殺菌剤;
【0067】
ニトロフラントイン及びニトロフラゾンを含む、ニトロフラン;
【0068】
アムホテリシンB、ナタマイシン、ナイスタチン、フルコシトシン(flucocytosine)を含む、ポリエン;
【0069】
テリスロマイシン(tithromycin)、リンコマイシン、クリンダマイシン、オキサゾリンジオン類(oxazolindiones)リネゾリド類(linzezolids)、ランベゾリド、ストレプトグラミンA+B、プリスチナマイシンaA+B、バージニアマイシンA+B、ダルフォプリスチン/キヌプリスチン(シナシッド)、クロラムフェニコール、エタンブトール、ピラジナミド、テリジドン、ダプソン、プロチオナミド、ホスホマイシン、フシジン酸(fucidic acid)、リファンピシン、イソニアジド、サイクロセリン、テリジドン、アンサマイシン、リソスタフィン、イクラプリム、ミクロシンB17(mirocin B17)、クレロシジン、フィルグラスチム、及びペンタミジンを含む、他の抗生物質;
【0070】
アシクロビル(aziclovir)、ガンシクロビル、ブリブジン(birivudin)、バラシクロビル、ジドブジン、ジダノシン、チアシチジン、スタブジン、ラミブジン、ザルシタビン、リバビリン、ネビラピリン(nevirapirine)、デラビリジン、トリフルリジン、リトナビル、サキナビル、インジナビル、ホスカルネット、アマンタジン、ポドフィロトキシン、ビダラビン、トロマンタジン、及びプロテイナーゼ阻害剤などを含む、抗ウイルス剤;
【0071】
アクリジン誘導体、ヨウ素ポビドン、安息香酸、リバノール、クロルヘキシジン、四級アンモニウム化合物、セトリミド、ビフェニロール、クロロフェン、及びオクテニジンを含む、消毒薬;
【0072】
カモミール、ハマメリス、エキナセア、キンセンカ、タイム、パパイン、ゼラニウム、及び松の木の植物抽出物、並びにエッセンシャルオイル、ミルトル、ピネン、リモネン、シネオール、チモール、メントール、樟脳、タンニン、α-ヘデリン、ビサボロール、リコポジン、ビタフェロール(vitapherole) などの、植物抽出物または成分;
【0073】
デクスパンテノール、アラントイン、ビタミン類、ヒアルロン酸、α-アンチトリプシン、無機及び有機亜鉛塩/化合物、ビスマス塩、及びセレン塩を含む、創傷治癒の化合物;
【0074】
インターフェロン(α、β、γ)、腫瘍壊死因子、サイトカイン、インターロイキン;
【0075】
メトトレキサート、アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムス(tacrolismus)、シロリムス(sirolismus)、ラパマイシン、モフェチル、モフェチルミコフェノール酸を含む免疫抑制剤;
【0076】
細胞増殖抑制剤及び転移阻害剤;
【0077】
ニムスチン、メルファナラン(melphanalan)、カルマスティン、ロムスチン、シクロホスファミド(cyclophosphosphamide)、イホスファミド、トロホスファミド(trofosamide)、クロラムブシル、ブスルファン、トレオスルファン、プレドニムスチン、チオテパなどの、アルキル化剤;
【0078】
例えばシタラビン、フルオロウラシル、メトトレキサート、メルカプトプリン、チオグアニンなどの、抗代謝物;
【0079】
ビンクリスチン、ビンデシン、ビンブラスチンなどのアルカロイド類;
【0080】
例えば、アクラルビシン(alcarubicin)、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、プリカマイシンなどの抗生物質;
【0081】
カルボプラチン、シスプラチン、および、例えば二塩化チタノセンなどのメタロセン化合物などの、遷移元素との複合体(例えばTi、Zr、V、Nb、Ta、Mo、WおよびPtなど);
【0082】
アムサクリン、ダカルバジン、エストラムスチン、エトポシド、ベラ-プロスト、ヒドロキシカルバミド、ミトキサントロン、プロカルバジン、テニポシド(temiposide);
【0083】
パクリタキセル、イレッサ、ザクティマ、ポリADP−リボースポリメラーゼ(PRAP)酵素阻害剤、バノキサントロン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ベバシズマブ、ラニビズマブ。
【0084】
潜在的に有効な粘液溶解剤の例は、DNアーゼ、P2Y2−アゴニスト(デヌホソール)、並びに、例えば、N−(3,5−ジアミノ−6−クロロピラジン−2−カルボニル)−N’−{4−[4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−フェニル]ブチル}グアニジンメタンスルホン酸(PARION 552−02)、ヘパリノイド、グアイフェネシン、アセチルシステイン、カルボシステイン、アンブロキソール、ブロムヘキシン、チロキサポール、レシチン、ミルトル、及び組換え界面活性剤タンパク質などの塩素及びナトリウムの浸透に影響を与える医薬である。
【0085】
粘膜の腫張減少に有効と思われる、潜在的に有効な血管収縮剤及びうっ血除去剤の例としては、フェニレフリン、ナファゾリン、トラマゾリン、テトリゾリン、オキシメタゾリン、フェノキサゾリン、キシロメタゾリン、エピネフリン、イソプレナリン、ヘキソプレナリン、及びエフェドリンである。
【0086】
潜在的に有用な局所麻酔薬の例としては、ベンゾカイン、テトラカイン、プロカイン、リドカイン、及びブピバカインが含まれる。
【0087】
潜在的に有効な抗アレルギー剤の例としては、上記のグルココルチコイド、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミル、セトリジン(cetrizine)、ロラタジン(loratidine)、モンテルカスト、ロフルミラスト、ジロートン(ziluton)、オマリズマブ、ヘパリノイド類、並びにアゼラスチン、セチリジン、デスロラタジン、エバスチン、フェキソフェナジン、レボセチリジン、ロラタジンを含むその他の抗ヒスタミン薬などを含む。
【0088】
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的配列(DNAやRNA)と相補的または対立的であり、かつ、転写、翻訳やスプライシングなどの生物学的プロセスを停止するよう設計されている、短い、合成されたDNA鎖(または誘導体)である。
これによって引き起こされた遺伝子発現の抑制は、その組成に応じて、様々な病気の治療に役立つオリゴヌクレオチドを作り、また、例えば、呼吸器合胞体ウイルスの治療用のAlN−RSV01、喘息及びアレルギーの治療用のAVE−7279、アレルギー性喘息の治療用のTPI―ASM8、癌の治療用の1018 ― ISSなどの、多くの化合物が現在臨床試験中である。
【0089】
潜在的に有効なペプチドやタンパク質の例としては、例えば、L−アルギニン、L−リジンなどのアミノ酸、微生物よって産生される毒素に対する抗体、並びにセクロピン類、ディフェンシン類、チオニン類、及びカテリシジン類などの抗菌ペプチドを含む。
【0090】
これらの発明の実施に潜在的に有効である、これらと他の医薬物質の明示的な記載例のそれぞれについて、本明細書中で特定されている化合物名は、任意の薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは他の水和物、プロドラッグ、異性体またはその他の対応する活性残基を含む関連化合物の化学的または物理的形状を含むものとして、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧装置をベンチレーション装置(100)に連結するための第一連結部(10)と噴霧装置を患者に至るライン(103)に連結するための第二連結部(31)とを有する本体(1,2)であって、該本体は該第一連結部(10)から該第二連結部(31)に至る流れチャンネルを形成する本体(1、2)と、
流体を霧化するための霧化器(3)と
を有するベンチレータ−のための噴霧装置において、
該霧化器(3)は、該第一連結部(10)と該第二連結部(31)との間の該流れチャンネルに配置され、該流体が該第一連結部から第二連結部に至る流れの方向に実質的に平行に、好ましくは流れの方向に噴霧されるように該霧化器が形成されていることを特徴とするベンチレータ−のための噴霧装置。
【請求項2】
給気ライン(101)から排気ライン(102)に至るバイパス(13)が前記霧化器(3)上の第二連結部(31)と反対側に形成されるように、前記第一連結部(10)が前記ベンチレーション装置(100)から来る給気ラインとベンチレーション装置(100)に至る排気ラインとに連結されるように形成されている請求項1に記載の噴霧装置。
【請求項3】
前記第一連結部(10)は、前記給気ライン(101)を連結するための第一連結部材(11)と前記排気ライン(102)を連結するための第二連結部材(12)とを有する請求項2に記載の噴霧装置。
【請求項4】
前記霧化器(3)が、流体を霧化するための複数の孔が設けられている振動可能な膜(37)を有しており、この膜は、前記第一連結部(10)から第二連結部(31)への流れの方向とほぼ直角に配置されている請求項1乃至3の一つに記載の噴霧装置。
【請求項5】
前記本体(1、2)と連結されて霧化すべき流体を容れる流体容器(14)と、
前記流体が噴霧される噴霧室(38)とをさらに有しており、前記膜(37)が該流体容器(14)と該噴霧室(38)との間に配置されている請求項4に記載の噴霧装置。
【請求項6】
前記噴霧室(38)が前記膜(14)と前記第二連結部(31)との間に設けられている請求項5に記載の噴霧装置。
【請求項7】
前記流体容器(14)は、膜の方向に向くテーパー部(23)を有しており、流体室(24)方向に開き、前記膜により閉じられている請求項5又は6に記載の噴霧装置。
【請求項8】
前記膜(37)から離れる方向に向く前記テーパー部(23)の少なくとも一部が垂直に対して10°から40°の角度で延びている請求項7に記載の噴霧装置。
【請求項9】
前記流れチャンネルは、前記膜(37)と前記本体(1,2)との間の半径方向に形成された取巻き流れ部(42、43)を有しており、該流れ部が、前記ベンチレーション装置(100)の患者に至るラインの最小断面積にほぼ相当する面積を有している請求項5ないし8の一つに記載の噴霧装置。
【請求項10】
前記膜(37)は、前記取巻き流れ部(42,43)の少なくとも一部(42)が前記膜(37)を取り囲むフレーム(19,40)と前記膜(37)との間に形成されるように、スポークにより該フレーム(19,40)内に掛けられている請求項9に記載の噴霧装置。
【請求項11】
前記流体容器内には、流体連通インターフェースが設けられており、前記流体容器は、該流体連通インターフェースを介して前記流体容器と連通する流体アンプルを容れるように形成されている請求項5ないし9の一つに記載の噴霧装置。
【請求項12】
呼吸気を与えるための給気ライン(101)と排気エアを返すための排気ライン(102)と患者(104)に至る第二ライン(103)とを有するベンチレーション装置と共に、前記請求項1から11のいずれか一つに記載の噴霧装置を有し、前記本体(1,2)の前記第一連結部(10)が少なくとも前記給気ライン(101)に連結されているベンチレーター。
【請求項13】
前記本体(1,2)の前記第一連結部(10)がさらに、前記排気ライン(102)に連結されており、前記本体の前記第二連結部(31)が前記第二ライン(103)に連結されている請求項12に記載のベンチレーター。
【請求項14】
前記給気ライン(101)と前記排気ライン(102)が、夫々別の管により形成されており、これらが請求項3の特徴を有する噴霧装置の夫々に対応する第一連結部(11)の第一連結部材と第二連結部材(12)に連結され、前記ベンチレーション装置(100)は、連続的なバイアス流が生成され、該バイアス流が吸引サイクルの間には、呼吸気と共に前記給気ライン(101)から、前記本体(1,2)の流れチャンネルを通して第二ライン(103)に流れて患者(104)に至り、その他においては、給気ライン(101)と請求項2の特徴を有する噴霧装置のバイパス(13)を通して前記排気ライン(102)に流れる様に形成された請求項13に記載のベンチレーター。
【請求項15】
前記給気ライン(101)と前記排気ライン(102)は隔壁により二つの部分に分けられた共通管か前記噴霧装置の前記第一連結部(10)に連結された同心管により形成され、前記ベンチレーション装置(100)は、連続的なバイアス流が生成されて、該バイアス流が吸引サイクルの間には、呼吸気と共に前記給気ライン(101)から、前記本体(1,2)の流れチャンネルを通して第二ライン(103)に流れて患者(104)に至り、その他においては、給気ライン(101)と請求項2の特徴を有する噴霧装置のバイパス(13)を通して前記排気ライン(102)に流れるように形成されており、該バイパスは、前記霧化器と前記隔壁の前面か該霧化器に面する同心管の内管との間に形成されている請求項13に記載のベンチレーター。
【請求項16】
前記吸引サイクルに応答して前記霧化器が起動されることで流体の霧化が該吸引サイクルの間でのみ起きるようにする制御器を更に有している請求項12乃至15の一つに記載のベンチレーター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a)】
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【図6b)】
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【図6c)】
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【図6d)】
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【図6e)】
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【図6f)】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−519642(P2011−519642A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507911(P2011−507911)
【出願日】平成21年5月6日(2009.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055469
【国際公開番号】WO2009/135871
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(508048621)パリ ファーマ ゲーエムベーハー (5)