説明

ペットのふん収容袋

【課題】非透水性を有するとともに、使用後において可燃ゴミとして一括的に廃棄することができるようにする。
【解決手段】ペットのふんを収容する袋であって、紙層と、その紙層の内面に設けられた生分解性樹脂層とを有する複合シートによって形成されている。その開口部の近傍には、一の線に沿って形成された複数の断続的な切れ目からなる結束ひも形成用切断補助部26が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットのふんを収容する袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、犬等のペットを飼い主が屋外に連れ出す際には、マナーとして、そのペットが排泄したふんを飼い主が処理することが求められている。
このため、一般的に、飼い主は、袋を携帯してペットを連れ出し、その袋にふんを収容して自宅に持ち帰るようにしている。
【0003】
また、近年は、社会における環境意識の高まりにつれて、家庭や事業所から出るゴミについては、分別して廃棄(処理)することが求められている。
すなわち、可燃ゴミ(燃えるとともに、燃やしても無害であるゴミ),不燃ゴミ(燃えないゴミや、燃やすと有害又はその可能性のあるゴミ),資源ゴミ(資源として再利用できるゴミ)等に分別することが求められている。
【0004】
ところで、ペットのふんは水分を含んでいるために、それを収容する袋は非透水性を有していることが望ましい。
しかしながら、燃やすと有害又はその可能性のある材質によって非透水性を有する袋等を使用する場合は、使用後に(すなわち、ふんを収容した状態で)、その袋を可燃ゴミとして廃棄することはできない又は好ましくない。
【0005】
一方、特許文献1には、水溶性を有する紙製の外袋と、合成樹脂製の内袋とを有するペットのふん収容袋(汚物処理用袋)が開示されている。
このペットのふん収容袋では、使用者は、内袋に手を差し入れ、重なっている外袋及び内袋によってペットのふんをつかみ、外袋と内袋とを逆転させるように裏返すことによって、ふんが反転状態の外袋に収容される。
そして、そのふんを収容した状態の外袋については、トイレに流して処理することが可能であるとのことである。一方、内袋は、不燃ゴミ又は資源ゴミ等として廃棄されると考えられる。
しかしながら、このように使用後のペットのふん収容袋を一括的に廃棄できない(すなわち、外袋と内袋とを別々に処理する)のは煩雑である。
【特許文献1】特開2004−49110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、非透水性を有するとともに、使用後において可燃ゴミとして一括的に廃棄することが可能なペットのふん収容袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ペットのふんを収容する袋であって、紙層と、前記紙層の外面及び内面のうちの少なくともいずれかに設けられた生分解性樹脂層とを有する複合シートによって形成されている、ペットのふん収容袋である。
【0008】
ここで、紙層の「外面」「内面」とは、その複合シートによってペットのふん収容袋が形成されている状態における「外側の面」「内側の面」のことをいう。
「生分解性樹脂層」とは、生分解性樹脂からなる層、又は、生分解性樹脂を主成分とする層のことをいう。
生分解性樹脂としては、請求項4に係る発明のものに限らず、澱粉、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、キトサン酢酸セルロ−ス、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
生分解性樹脂は、焼却しても有害ガスが発生せず、また、埋立処理した場合は自然環境下で炭酸ガスと水に分解する。
これらのことは、請求項2に係る発明においても同様である。
【0009】
この発明のペットのふん収容袋では、紙層と、紙層の外面及び内面のうちの少なくともいずれかに設けられた生分解性樹脂層とを有する複合シートによって形成されている。
このため、その生分解性樹脂層によって非透水性が得られ、水分を含んだペットのふんを適切に収容することができる。
それとともに、紙層及び生分解性樹脂層とも可燃性を有する(燃えるとともに、燃やしても無害である)ため、ペットのふんを収容した状態で、その全体を一括的に可燃ゴミとして廃棄することが可能である。こうして、ペットのふんを容易に処理することができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、ペットのふんを収容する袋であって、紙層と、前記紙層の内面に設けられた生分解性樹脂層とを有する複合シートによって形成されている、ペットのふん収容袋である。
【0011】
この発明のペットのふん収容袋では、請求項1に係る発明のペットのふん収容袋の作用効果と同一の作用効果が得られるとともに、さらに、次の作用効果が得られる。
すなわち、このペットのふん収容袋を形成する複合シートにおいては、生分解性樹脂層が紙層の内面に設けられている。
このため、この発明のペットのふん収容袋を製造する際において、複合シートを所定の位置関係で重ねた状態で、生分解性樹脂層同士が対向する。そして、その状態で所定の部位を加圧及び加熱することによって、その複合シートのうちのその部位における生分解性樹脂層同士が溶着する。
こうして、特に接着剤等を必要とすることなく、ペットのふん収容袋が容易に製造され得る。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に係る発明のペットのふん収容袋であって、
その開口部の近傍には、一の線に沿って形成された複数の断続的な切れ目からなる結束ひも形成用切断補助部が形成されている、
ペットのふん収容袋。
【0013】
この発明のペットのふん収容袋では、請求項1又は請求項2に係る発明のペットのふん収容袋の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
すなわち、この発明のペットのふん収容袋では、使用者が結束ひも形成用切断補助部に沿って当該ペットのふん収容袋を切断することによって、結束ひもを容易に形成することができる。そして、ペットのふんを収容した状態で、その開口部の近傍をその結束ひもで結束することによって、このペットのふん収容袋を容易に密閉状態(ほぼ密閉の状態を含む)とすることが可能となる。
このように、この発明のペットのふん収容袋では、容易に密閉状態とすることが可能であり、使用後における処理がより容易となる。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに係る発明のペットのふん収容袋であって、前記生分解性樹脂層が、下記(1)式で表される脂肪族又は脂環式ジオール単位35〜49.99モル%、下記(2)式で表される脂肪族ジカルボン酸単位35〜49.99モル%、及び、下記(3)式で表される脂肪族オキシカルボン酸単位0.02〜30モル%からなる脂肪族ポリエステル共重合樹脂であって、温度240℃、せん断速度100sec-1 における溶融粘度が1×102 〜1×103 Pa・sである生分解性樹脂を主成分とする樹脂層である、ペットのふん収容袋である。
(1) −O−R1 −O− (R1 は2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭 化水素基)
(2) −OC−R2 −CO−(R2 は直接結合又は2価の脂肪族炭化水素基)
(3) −O−R3 −O− (R3 は2価の脂肪族炭化水素基)
【0015】
この発明のペットのふん収容袋では、請求項1〜請求項3のいずれかに係る発明のペットのふん収容袋の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
すなわち、上述の生分解性樹脂層であれば、紙層に対して良好に積層され得るため、この発明のペットのふん収容袋が容易に製造され得ることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、このペットのふん収容袋は、おもてシート部20A,裏シート部20B,底部30を有している。
そして、図2に示すように、このペットのふん収容袋は、上方に開口部24を有するほぼ直方体状の容器状に形成されている。なお、その形状を呈する状態(図2)のことを基本状態ということとする。一方、ほぼ平面状に折り畳まれた状態(図1)のことを折り畳み状態ということとする。
【0017】
このペットのふん収容袋は、おもてシート部20A,底部30,裏シート部20Bにわたって、1枚のシート(複合シート10)によって形成されている(このことは、図4に基づいて後ほど詳述する)。このため、おもてシート部20A,底部30,裏シート部20Bは、連続的に形成されている。
【0018】
図1〜図3に示すように、おもてシート部20Aと裏シート部20Bとは、対をなしている。
おもてシート部20Aと裏シート部20Bとは、各々の左右の側縁部(下縁部及びその近傍を除く)において、相互に接着されている。その部分のことを接着部22ということとする。
【0019】
底部30は、その左右の側縁部において、おもてシート部20A及び裏シート部20Bの左右の側縁部と接着されている。その部分のことを接着部32ということとする。
正確にいえば、底部30のうちの左右の側縁部のうち、おもてシート部20Aの側の半分は、おもてシート部20Aの左右の側縁部(そのうちの下縁部及びその近傍)と接着されている。同様に、底部30のうちの左右の側縁部のうち、裏シート部20Bの側の半分は、裏シート部20Bの左右の側縁部(そのうちの下縁部及びその近傍)と接着されている。
【0020】
図2に示すように、このペットのふん収容袋が基本状態にある際において、底部30のうちの左右の端部及びその近傍以外は、ほぼ一平面状をしている。
一方、図1に示すように、このペットのふん収容袋が折り畳み状態にある際において、底部30は、その幅方向における中心線において山状に折り曲げられている。
【0021】
おもてシート部20A及び裏シート部20Bの上縁部同士は接着されておらず、開口部24が形成されている。
こうして、図2に基づいて前述したように、おもてシート部20A及び裏シート部20B並びに底部30によって、内部に収容部(符号省略)を有し、上方に開口部24を有するほぼ直方体状の容器状とされているのである。
【0022】
図1及び図2に示すように、おもてシート部20A及び裏シート部20Bの上縁部の近傍には、結束ひも形成用切断補助部26が形成されている。
結束ひも形成用切断補助部26は、一直線に沿って断続的に形成された複数の切れ目からなっている。
結束ひも形成用切断補助部26は、おもてシート部20A及び裏シート部20Bの左右の一方の接着部22から、おもてシート部20A及び裏シート部20Bの左右の他方の接着部22の近傍まで及んでいる。すなわち、結束ひも形成用切断補助部26は、当該他方の接着部22には及んでいない。
【0023】
図3に示すように、おもてシート部20A,裏シート部20B,底部30とも、外側が紙で内側が生分解性樹脂からなる複合シート10によって形成されている。
すなわち、複合シート10は、紙層11及び生分解性樹脂層12からなり、このペットのふん収容袋は、複合シート10のうち紙層11が外側になり、生分解性樹脂層12が内側になるようにして形成されている(紙層11の内面に、生分解性樹脂層12が形成されている)。
【0024】
生分解性樹脂層12は、例えば、次のような樹脂によって形成されている。
下記(1)式で表される脂肪族又は脂環式ジオール単位35〜49.99モル%、
下記(2)式で表される脂肪族ジカルボン酸単位35〜49.99モル%、及び
下記(3)式で表される脂肪族オキシカルボン酸単位0.02〜30モル%
からなる脂肪族ポリエステル共重合樹脂であって、温度240℃、せん断速度100sec-1 における溶融粘度が1×102 〜1×103 Pa・sである生分解性樹脂を主成分とする樹脂による層である。
(1) −O−R1 −O− (R1 は2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭 化水素基)
(2) −OC−R2 −CO−(R2 は直接結合又は2価の脂肪族炭化水素基)
(3) −O−R3 −O− (R3 は2価の脂肪族炭化水素基)
【0025】
上述の(1)式で表される脂肪族又は脂環式ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、又はこれらの混合物が挙げられる。
また、(2)式で表される脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸又はこれらの無水物、及びそれらの低級アルコールエステルが好ましく、特には、コハク酸、無水コハク酸、又はこれらの混合物が好ましい。
また、(3)式で表される脂肪族オキシカルボン酸としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸又はこれらの混合物が挙げられる。これらに光学異性体が存在する場合は、D体、L体、ラセミ体のいずれでもよい。
【0026】
脂肪族又は脂環式ジオールの使用量は、脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体100モルに対し、実質的に等モルであるが、一般には、1〜20モル%過剰に用いられる。
脂肪族オキシカルボン酸の量は、脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体100モルに対し、好ましくは0.5〜60モル、より好ましくは、1.0〜40モルである。
【0027】
脂肪族ポリエステル共重合樹脂の組成比は、(1)式の脂肪族又は脂環式ジオール単位と(2)式の脂肪族ジカルボン酸単位のモル比が、実質的に等しいことが必要である。
(1)式の脂肪族又は脂環式ジオール単位及び(2)式の脂肪族ジカルボン酸単位は、各々35〜49.99モル%、好ましくは37.5〜49.75モル%、より好ましくは40〜49.5モル%、さらに好ましくは45〜49.5モル%である。
また、(3)式の脂肪族オキシカルボン酸単位は、0.02〜30モル%、好ましくは0.5〜25モル%、より好ましくは1.0〜20モル%、さらに好ましくは1.0〜10モル%である。
脂肪族オキシカルボン酸が30モル%を超えると、結晶性が失われて柔らかくなり過ぎて好ましくない。
【0028】
そして、上述の成分の樹脂は、紙層11に対して良好に接着するため、紙層11の内面に対して生分解性樹脂層12が容易に形成されるのである(紙層11の外面に対しても同様である)。
【0029】
次に、このペットのふん収容袋の製造方法について、図4に基づいて説明する。
なお、図4に示されている複合シート10においては、そのうち、製造後のペットのふん収容袋の各部位に該当する部分に対して、その各部位に係る符号が括弧とともに示されている。
【0030】
まず、長方形状の複合シート10を用意する。前述したように、複合シート10は、紙層11及び生分解性樹脂層12からなっている。
【0031】
この複合シート10について、次のように、生分解性樹脂層12が内側になるようにして折り曲げる。
底部該当部31(底部30に該当する部分)については、その幅方向(ペットのふん収容袋としての奥行方向)における中央部分において山状になるように折り曲げる。
おもてシート部該当部21A(おもてシート部20Aに該当する部分)と底部該当部31との境界部分については、谷状になるように折り曲げる。
同様に、裏シート部該当部21B(裏シート部20Bに該当する部分)と底部該当部31との境界部分についても、谷状になるように折り曲げる。
【0032】
こうして、おもてシート部該当部21A及び裏シート部該当部21B(ともにその下縁部及びその近傍を除く)については、両者の生分解性樹脂層12同士が対向する。
おもてシート部該当部21A(そのうちの下縁部及びその近傍)及び底部該当部31(そのうちのおもてシート部該当部21Aの側の半分)についても、両者の生分解性樹脂層12同士が対向する。
同様に、裏シート部該当部21B(そのうちの下縁部及びその近傍)及び底部該当部31(そのうちの裏シート部該当部21Bの側の半分)についても、両者の生分解性樹脂層12同士が対向する。
【0033】
そして、その折り曲げられた複合シート10の左右の両縁部及びその近傍に対して、おもてシート部該当部21Aの外側及び裏シート部該当部21Bの外側の双方又は一方から、相互に押圧し合うようにして加圧するとともに、加熱する。
こうして、その部分における生分解性樹脂層12が溶融状態となり、それが冷却固化することによって接着状態となる。こうして、前述の接着部22,32が形成される。
こうして、おもてシート部20A,裏シート部20B,底部30が形成される。
【0034】
その後に、おもてシート部20A及び裏シート部20Bの上端部の近傍に対して、おもてシート部20Aの外側及び/又は裏シート部20Bの外側から、カッター等によって断続的な切れ目を形成することによって、結束ひも形成用切断補助部26を形成する。
【0035】
以上のようにして、接着剤を別途使用する必要もなく、ペットのふん収容袋が容易に製造されるのである。
【0036】
次に、このペットのふん収容袋の使用方法について、図5A〜図5Dに基づいて説明する。
図5Aに示すように、使用者は、まず、この折り畳み状態のペットのふん収容袋について、結束ひも形成用切断補助部26に沿って、おもてシート部20A及び裏シート部20Bを手で切断する。すなわち、結束ひも形成用切断補助部26に沿って、おもてシート部20A及び裏シート部20Bの左右の一端部から他端部の近傍まで切断する。
こうして、結束ひも28が形成される。結束ひも28の基端部は、おもてシート部20A及び裏シート部20Bの当該他端部において、おもてシート部20A及び裏シート部20Bの接着部22と連結された状態に維持される。
【0037】
次に、図5Bに示すように、使用者は、このペットのふん収容袋について、おもてシート部20Aと裏シート部20Bとを離隔させるようにして、基本状態とさせる。すなわち、前述したように底部30の大半部分ががほぼ一平面状になり、開口部24が開いた状態となる。
次に、使用者は、このペットのふん収容袋の内部に手を入れて、このペットのふん収容袋越しに犬等のペットのふんEを把持する。
【0038】
次に、図5Cに示すように、使用者は、このペットのふん収容袋の外面と内面とが逆になるように、このペットのふん収容袋を反転させる。
こうして、ペットのふんEが、内外反転状態とされたペットのふん収容袋の内部に収容された状態となる。
【0039】
次に、図5Dに示すように、使用者は、ペットのふん収容袋の開口部24及びその近傍を収縮させ、その開口部24の近傍を結束ひも28によって結束させる。
こうして、ペットのふんEは、閉じた状態のペットのふん収容袋の内部に密閉される。
そして、使用者は、ふんEを収容したペットのふん収容袋を可燃ゴミとして廃棄する。
【0040】
次に、このペットのふん収容袋の効果について説明する。
このペットのふん収容袋は、生分解性樹脂層12を有し、非透水性を有している。このため、前述したように使用者がこのペットのふん収容袋越しにふんEを把持し、このペットのふん収容袋にふんEを収容する際に、ペットのふんEの水分が外部に漏れることが防止される。
【0041】
また、このペットのふん収容袋は、紙層11及び生分解性樹脂層12からなる複合シート10によって形成されている。このため、上述のようにふんEを収容した状態で一括的に可燃ゴミとして廃棄されることが可能である。
すなわち、紙及び生分解性樹脂とも、燃焼させることが可能であるとともに、燃焼させても無害である。このため、可燃ゴミとして廃棄することが可能であり、使用者は、容易に処理することができるのである。
【0042】
なお、上記のものはあくまで本発明の一実施形態にすぎず、当業者の知識に基づいて種々の変更を加えた態様で本発明を実施できることはもちろんである。
【0043】
例えば、複合シート(10)については、生分解性樹脂層(12)は、紙層(11)の内面のみでなく、内面及び外面の両面に形成されていてもよい。また、生分解性樹脂層(12)は、紙層(11)の外面にのみ形成されていてもよい。それらの場合は、複合シート(10)からペットのふん収容袋が製造される際に、適宜、接着剤が使用される等、上述の方法とは異なる方法で製造される。
また、底部(30)は、必ずしも形成されていなくてもよい。
また、結束ひも形成用切断補助部(26)は、必ずしも形成されていなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態のペットのふん収容袋(折り畳み状態)を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のペットのふん収容袋(基本状態)を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のペットのふん収容袋(基本状態)の一部を示す断面図(切断端面図)である。(a)は横断面図であり、(b)は縦断面図である。複合シート(紙層,生分解性樹脂層)の厚みは誇張して表現されている。
【図4】本発明の一実施形態のペットのふん収容袋の製造過程の一部を示す部分斜視図である。複合シート(紙層,生分解性樹脂層)の厚みは誇張して表現されている。
【図5A】本発明の一実施形態のペットのふん収容袋の使用方法を示す図である。最初の段階を示す。
【図5B】本発明の一実施形態のペットのふん収容袋の使用方法を示す図である。図5Aの次の段階を示す。
【図5C】本発明の一実施形態のペットのふん収容袋の使用方法を示す図である。図5Bの次の段階を示す。
【図5D】本発明の一実施形態のペットのふん収容袋の使用方法を示す図である。図5Cの次の段階を示す。
【符号の説明】
【0045】
10 複合シート
11 紙層
12 生分解性樹脂層
26 結束ひも形成用切断補助部
E ペットのふん

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットのふんを収容する袋であって、
紙層と、前記紙層の外面及び内面のうちの少なくともいずれかに設けられた生分解性樹脂層とを有する複合シートによって形成されている、
ペットのふん収容袋。
【請求項2】
ペットのふんを収容する袋であって、
紙層と、前記紙層の内面に設けられた生分解性樹脂層とを有する複合シートによって形成されている、
ペットのふん収容袋。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の発明のペットのふん収容袋であって、
その開口部の近傍には、一の線に沿って形成された複数の断続的な切れ目からなる結束ひも形成用切断補助部が形成されている、
ペットのふん収容袋。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明のペットのふん収容袋であって、
前記生分解性樹脂層が、
下記(1)式で表される脂肪族又は脂環式ジオール単位35〜49.99モル%、
下記(2)式で表される脂肪族ジカルボン酸単位35〜49.99モル%、及び、
下記(3)式で表される脂肪族オキシカルボン酸単位0.02〜30モル%
からなる脂肪族ポリエステル共重合樹脂であって、温度240℃、せん断速度100sec-1 における溶融粘度が1×102 〜1×103 Pa・sである生分解性樹脂を主成分とする樹脂層である、
ペットのふん収容袋。
(1) −O−R1 −O− (R1 は2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭 化水素基)
(2) −OC−R2 −CO−(R2 は直接結合又は2価の脂肪族炭化水素基)
(3) −O−R3 −O− (R3 は2価の脂肪族炭化水素基)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【公開番号】特開2008−307024(P2008−307024A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160337(P2007−160337)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(592110808)株式会社吉良紙工 (11)