説明

ペットホテル用集合ケージユニット、それに使用するケージセル及びサブユニット

【課題】 連通方向へのルームの増減をより柔軟に行なうことができ、また、ルームの高さ方向への積層も容易に行なうことができるペットホテル用集合ケージユニットを提供する。
【解決手段】 ケージセル3を壁部を介した連接方向において各々独立かつ分離可能に構成し、副壁部の予め定められたものが、当該副壁部側にてケージセル3を連接配置したとき、それらケージセル3対のペット滞在空間同士をペットの通行が可能な状態で連結する連結開口部27と、当該連結開口部27に対し着脱可能に設けられ、該連結開口部27を閉塞する着脱壁部29とを有した空間連結機能付き壁部とする。空間連結機能付き壁部にて連接配置された1対のケージセル3の、各空間連結機能付き壁部の双方から着脱壁部29を取り外すことにより、それらケージセル3のペット滞在空間同士を連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ペットホテル用集合ケージユニットと、それに使用するケージセル及びサブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−97105号公報
【0003】
近年、犬や猫などのペットの飼い主が旅行等のために不在となる場合に、ペットを一時的に預かる形で滞在させる、いわゆるペットホテルが盛んに利用されている。こうしたペットホテルでは、ペットをケージに入れた形で滞在させる形成のものが多い。この場合、使用されるケージは、一律に形状・大きさが定められたものを画一的に使用するか、精々、ペットの大きさに合わせてケージサイズを変えている程度である。ペットホテル側では、このケージを「個室」と称しているが、ケージのサイズは概ね限られており、ペットの側から見れば「牢獄」に近い不自由な環境を強いられることも多い(と、少なくとも飼い主は考えている)。そこで、最近では、ペットがより快適に滞在できるよう、ケージ(部屋)のグレードも飼い主に応じて様々なレベルのものが要望されるようになってきている。こうした要望にこたえるため、特許文献1には、隣接する複数のペットルームを一体のユニットとし、そのユニット内にてルーム間の仕切り壁を上方に引き抜いて取り払うことにより、より広いルーム空間を画成できるようにしたペット用集合ハウスが開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のペット用集合ハウスには以下のような欠点がある。
(1)仕切り壁の取り外しにより互いに連通させたい最大のルーム数を、ユニットとして予め一体不可分に構成しておく必要があり、連通方向へのルームの増減は、そのユニットに含まれるルーム数を単位とする形でしか行なえないので、融通性に欠ける。
(2)仕切り壁を上方にスライドさせて取り除く形態なので、ルームを高さ方向に積層できず、ペットホテルの床面積を有効利用できない。
【0005】
本発明の課題は、連通方向へのルームの増減をより柔軟に行なうことができ、また、ルームの高さ方向への積層も容易に行なうことができるペットホテル用集合ケージユニットと、それに使用するケージセル(並びにサブユニット)を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明のペットホテル用集合ケージユニットは、
床面部、天井部及び複数の壁部にて取り囲まれた単一のペット滞在空間を有し、該ペット滞在空間へのペット出し入れ口が形成される壁部を正面壁部、残余の壁部を副壁部として、該正面壁部にペット出し入れ口を開閉可能に封鎖する主扉が形成された複数のケージセルが副壁部側にて互いに連接配置され、
ケージセルは壁部を介した連接方向において各々独立かつ分離可能に構成され、かつ、副壁部の予め定められたものが、当該副壁部側にてケージセルを連接配置したとき、それらケージセル対のペット滞在空間同士をペットの通行が可能な状態で連結する連結開口部と、当該連結開口部に対し着脱可能に設けられ、該連結開口部を閉塞する着脱壁部とを有した空間連結機能付き壁部とされ、
空間連結機能付き壁部にて連接配置された1対のケージセルの、各空間連結機能付き壁部の双方から着脱壁部を取り外すことにより、それらケージセルのペット滞在空間同士を連結するようにした。
【0007】
また、本発明のケージセルは、上記本発明のペットホテル用集合ケージユニットに使用され、
床面部、天井部及び複数の壁部にて取り囲まれた単一のペット滞在空間を有し、該ペット滞在空間へのペット出し入れ口が形成される壁部を正面壁部、残余の壁部を副壁部として、該正面壁部に前記ペット出し入れ口を開閉可能に封鎖する主扉が形成され、副壁部の予め定められたものが、連結開口部と、当該連結開口部に対し着脱可能に設けられ、該連結開口部を閉塞する着脱壁部とを有した空間連結機能付き壁部とされてなることを特徴とする。
【0008】
上記本発明によると、単一のペット滞在空間を区画するケージセルの壁部自体に、連結開口部と着脱壁部とを設けたので、ペット滞在空間(つまり、ルーム)を1個単位で自由に増減することができ、ケージセルの集合からなるペットホテルの設計規模を柔軟に設定できる。また、ケージの増設もきめ細かく行なうことができる。
【0009】
着脱壁部は、連結開口部に対し壁面と交差する向きに着脱されるものとして構成できる。この構成によると、取り外し時に着脱壁部が上方にスライドしないので、ケージセルの上方に空間的余裕がない場合も着脱壁部の取り外しや装着を問題なく実行できる。その結果、ケージセルが高さ方向にも複数積層配置される構造も問題なく実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図3及び図4は、本発明のペットホテル用集合ケージユニットの構築に使用されるケージセルの一例を示すものである。図3は、正面図、背面図及び右側面図を示すものである(左側面図側の構成は、左右が反転するだけで右側面図側の構成と全く同じである)。また、図4は、斜視図を示す。ケージセル3は、床面部3F、天井部3C及び複数の壁部にて取り囲まれた単一のペット滞在空間4を有し、該ペット滞在空間4へのペット出し入れ口3Pが形成される壁部を正面壁部、残余の壁部を副壁部として、該正面壁部にペット出し入れ口3Pを開閉可能に封鎖する主扉7が形成されている。図4に示すごとく、主扉7は、枠状の構造を有し、その開口11にはペット滞在空間4内のペットを透視するための窓ガラス13(透明アクリル板でもよい)がはめ込まれている。このような構造の主扉7が、扉旋回軸部35(蝶番でも代用できる)により、ペット出し入れ口3の幅方向の第一縁側にて、ケージセル3の本体に取り付けられている。床面部3F、天井部3C及び壁部(着脱壁部29を除く)は、いずれもステンレス鋼等からなる板金により形成されている。
【0011】
また、上記幅方向の第二縁側にて主扉7には、扉ロック片46と開閉ハンドル9とがハンドル軸45に対し、一体回転可能に取り付けられている。開閉ハンドル9を開位置に回動かさせると、扉ロック片46は、ロック孔43に対し出入り可能な非ロック位置となり、開閉ハンドル9を手前に引くことで主扉7を開くことができる。また、扉ロック片46を非ロック位置とした状態で主扉7を閉じると扉ロック片46がロック孔43内に入る。そして、その状態で開閉ハンドル9を閉位置に回動すると、扉ロック片46がロック孔43の開口内縁に内側から係合し、主扉7がロックされる。
【0012】
また、ペット出し入れ口3の下側の一部を覆う形で、当該ペット出し入れ口3の幅方向にまたがるペット落下防護部材11が装着されている。例えは、高所に積層されたケージセル3の主扉7を開いた際に、内部のペット(特に、犬や子猫など)が誤って落下する事故を防止することができる。図5に示すように、ペット落下防護部材11はペット出し入れ口3に対し着脱可能に設けられている。ペット滞在空間内に食事やトイレなどの備品を出し入れする際は、このペット落下防護部材11を取り外しておくと作業がやりやすい。本実施形態ではペット落下防護部材11は金属線材によりグリル状に形成され、ペット出し入れ口3を形成する支柱枠の内側面に取り付けられた支持ガイド部37(2枚のガイド板37a,37bからなる)の溝状の隙間に、幅方向両縁下部が保持される形で、上方からスライド装着されるようになっている。
【0013】
図10あるいは図13に示すごとく、このようなケージセル3を、副壁部側にて互いに連接配置することで、所望の大きさのペットホテル用集合ケージユニットを構築できる。ケージセル3は壁部を介した連接方向において各々独立かつ分離可能に構成されている。また、副壁部の予め定められたもの(ここでは後述のごとく、両側壁部)が、図11に示すごとく、当該副壁部側にてケージセル3を連接配置したとき、それらケージセル3の対のペット滞在空間4(4a,4b)同士を、ペットAMの通行が可能な状態で連結する連結開口部27と、当該連結開口部27に対し着脱可能に設けられ、該連結開口部27を閉塞する着脱壁部29とを有した空間連結機能付き壁部とされている。図10に示すごとく、空間連結機能付き壁部にて連接配置された1対のケージセル3,3の、各空間連結機能付き壁部の双方から着脱壁部29,29を取り外すことにより、それらケージセル3,3のペット滞在空間4a,4b同士を連結することができる。
【0014】
このように、単一のペット滞在空間4を区画するケージセル3の壁部自体に、連結開口部27と着脱壁部29とを設けたので、ケージセル3の連接方向において、ペット滞在空間4(つまり、ルーム)を1個単位で自由に増減することができ、ケージセル3の集合からなるペットAMホテルの設計規模を柔軟に設定できる。また、ケージセル3の増設もきめ細かく行なうことができる。
【0015】
図2に示すケージセル3を、図10に示すごとく1個ずつ独立に構成し、ケージセル3の1個を単位として、ペットホテル用集合ケージユニットを構築することも可能であるが、本実施形態では、図1(正面図)及び図2(背面図)に示すごとく、正面壁部の向きを一致させた形で一定数の複数(具体的には3個)のケージセル3が高さ方向に積層・一体化されてサブユニット1を形成し、該サブユニット1を単位としてケージセル3が連接配置されるようにしている。これにより、立体型のケージ型ホテル構造を極めて容易に実現できる。図13は、このサブユニット1を横方向に3個連接配置した使用例である。このように、高さ方向に複数のケージセル3を積層してサブユニットを構成する場合は、そのサブユニットに含まれるケージセル3の個数(3個)がペット滞在空間の増減単位となるが、連接方向に着目すればペット滞在空間が1個単位で増減できることは明らかである。
【0016】
着脱壁部29は、連結開口部27に対し壁面と交差する向きに着脱されるものとして構成されている。取り外し時に着脱壁部29が上方にスライドしないので、ケージセル3の上方に空間的余裕がない場合も着脱壁部29の取り外しや装着を問題なく実行できる。その結果、ケージセル3が高さ方向にも複数積層配置される構造も問題なく実現できる。ただし、ケージセル3を高さ方向に積層しない場合は、特許文献1のごとく、着脱壁部の着脱を、上下方向のスライドにより行なってもよい。
【0017】
図6に示すように、空間連結機能付き壁部は、連結開口部27の周縁をなすケージ側壁部枠体23を有する。着脱壁部29は、連結開口部27を封鎖する壁部本体と、該壁部本体の周縁部に形成された着脱壁部側係合部とを有するものとして構成されている。ケージ側壁部枠体23には、着脱壁部側係合部がペット滞在空間4側から着脱可能に係合するとともに、壁部本体がケージ外空間側に脱落することを阻止するケージ側係合部が形成された構造になっている。この構成によると、ペット滞在空間4内のペットAMが着脱壁部29に圧迫を加えた場合、着脱壁部29が外側に脱落してしまう不具合が本質的に生じにくくなる。特に、落下衝撃に弱い小形犬や、高層に積層されたケージ内のペットAMの保護には効果的である。また、着脱壁部29の壁部本体の外側壁面には、連結開口部27に嵌合する位置決め嵌合凸部47が形成されている。これにより、着脱壁部29の装着時に、該着脱壁部29を連結開口部27に容易に位置決めすることができる。嵌合凸部47は、面状の突出体として形成されているが、連結開口部27の内周縁に沿うリブ状に形成してもよい。
【0018】
図6に示すように、ケージ側壁部枠体23には、連結開口部27の周縁に沿ってペット滞在空間4側に突出する着脱壁部支持用凸部25が形成されている(連結開口部27は、例えば金属薄板の深絞りプレス加工により形成できる)。ケージ側係合部は、着脱壁部支持用凸部25の連結開口部27の周縁側に位置する側面に開口した係合孔41であり、着脱壁部側係合部は、壁部本体の周縁から壁面に沿って外向きに延出するとともに、係合孔41に挿入される係合爪31とされている。着脱壁部29に加わる押圧力に対し、係合孔41がこれとほぼ直交する向きに形成され、ここに係合爪31が挿入されることで、着脱壁部29の脱落等がより強固に防止される。
【0019】
着脱壁部29は、(係合爪31とともに)その壁部本体が、プラスチック板などの弾性板材で形成され、人力による撓み変形が可能となっている。そして、係合爪31と着脱壁部支持用凸部25及び係合孔41とは、連結開口部27の幅方向両側に突出形成されている。図7に示すように、壁部本体の幅方向片側に位置する係合爪31を対応する側の係合孔41に挿入し、その後、壁部本体を幅方向に撓み変形させつつ反対側の係合爪31を、対応する側の係合孔41に位置決め・挿入することで、着脱壁部29の装着を容易に行なうことができる。
【0020】
なお、図8に示すように、着脱壁部29は、連結開口部27の周縁部にねじ締結する構成を採用することもできる。ここでは、着脱壁部29の外周縁部30を、ペット滞在空間側から連結開口部27の内周縁部に重ね合わせ、ボルト49をねじ込んで(ナット止めでもよい)締結している。締結力が十分であれば、ケージ外側から着脱壁部29を装着してねじ止めする構成でもよい。また、図9に示すように、着脱壁部29の外周縁部に形成した圧入用凸部51を、連結開口部27の周縁部に形成された圧入孔4に圧入する構成を採用することも可能である。
【0021】
次に、図13に示すように、ペット滞在空間4内部の空気を吸い出すために、ケージセル3には空気吸出し口18が形成されている。該空気吸出し口18には換気用配管26の第一端が連通し、当該換気用配管26の第二端に、該換気用配管26から空気吸出し口18を経てペット滞在空間4に吸出し方向の換気流を生じさせる換気駆動部28(ここでは、換気ファンユニットにて構成されている)が設けられている。このようにすることで、ペット滞在空間4内部の空気を清浄に保つことができ、また、ケージセル3内が換気により負圧保持されるので、内部の臭気等が漏れ出しにくい
【0022】
具体的には、図12に示すように、空気吸出し口18は天井部3Cに設けられており、他方、図13に示すように、換気駆動部28が動作した際にペット滞在空間4の内部にケージ外部空間から空気を吸い込むための吸い込み換気口21が形成されている。吸い込み換気口21の形成により、ケージセル3内の気圧が下がりすぎる不具合を防止できる。
【0023】
図12に示すように、具体的には、ケージセル3の天井部3C上面には、空気吸出し口18の上方を覆う配管ターミナル部10が取り付けられており、該配管ターミナル部10に換気用配管26の第一端側をなす配管セグメント12が、天井部3C上面に沿って配置される形で連通結合されている。これにより、換気駆動部28の吸引力を空気吸出し口18に集中でき、室内の換気効率を高めることができる。
【0024】
本実施形態では、図4に示すように、ケージセル3は直方体状に形成され、正面壁部(主扉7)の左右に連なる1対の壁部を側壁部として、それら側壁部の双方が空間連結機能付き壁部とされている。これにより、ケージセル3を、扉7が設けられる正面壁部の側方に所望の数だけ増設することができ、また、側壁部方向に連結可能なペット滞在空間4の個数にも制限がなくなる。さらに、ペット滞在空間4に関して正面壁部と反対側に位置する背面壁部19に吸い込み換気口21が形成されており、正面壁部方向にケージセル3が連接されても吸い込み換気口21が塞がれる惧れがなくなる。
【0025】
なお、図15に示すように、ケージセル3は、ペット滞在空間4に関して正面壁部と反対側に位置する背面壁部19を空間連結機能付き壁部(着脱壁部は符号29)とすることもできる。このようにすると、背中合せに連接したケージセル3のペット滞在空間4a,4b同士を連結して、空間の奥行きを増すことができる。
【0026】
図1及び図2に示すように、サブユニット1は、上下に積層されたケージセル3の間に、それらケージセル3の上下に対向する床面部3F及び天井部3Cの周縁に沿う形でスペーサフレーム5が配置され、図12に示すように、配管ターミナル部10と配管セグメント12とが該スペーサフレーム5の内側に配置される。配管セグメント12の配管ターミナル部10に連通しているのと反対側の端部は、スペーサフレーム5を貫通してケージセル3の壁部外側に突出し、換気用配管26の残余部分の接続端17を形成している。図1及び図2において複数積層された上下のケージセル3,3間に、換気用配管26の設置スペースを有効に創出することができる。図中、符号8は補助フレームであり、配管セグメント12が貫通配置されている。
【0027】
本実施形態では、図1及び図2に示すように、最上部のケージセル3の上面にも中間層のケージセルと同様の構造のスペーサフレーム5が設けられ、その上面開口は図4に示すような保護板33により塞がれている。また、最下層のケージセル3の底面下部にもスペーサフレーム5’が設けられているが、ここには換気用配管の構造部が配置されていない。
【0028】
また、図13に示すように、配管セグメント12は、スペーサフレーム5を背面壁部19側にて貫通・突出する形で設けられている。これにより、サブユニット1の背面側の空間を、換気用配管26の設置スペースとして利用でき、また、内部のペットAMのディスプレイ側となる正面壁部側に配管が露出しないので、外観も向上する。具体的には、配管セグメント12の接続端17に、それぞれ分岐管6Aが接続され、それら分岐管6Aが主管6Mに接続合流して、換気駆動部28に至る構造になっている。なお、換気駆動部28の排気口30は屋外に開口する。本実施形態では、連接配置されるサブユニット1,1同士が連結部材(ここでは、隣接するサブユニット1,1の保護板33,33間にまたがって配置され、保護板33,33にねじ止めされる連結板4)により互いに連結されている。ただし、サブユニット1には相当の自重があり、少々の外力ではサブユニット1が位置ずれ等する懸念がない場合、あるいは建物床面にサブユニット1を、ボルト等を用いて固定する場合など、サブユニット1の床面に対するすべり移動が本質的に生じ得ない場合は、連結部材4を省略することもできる。
【0029】
図14は、図13の集合ユニットの使用例を示すもので、最上層のケージセル3は、他のケージセルと連接していない最外部の側壁部を除いて、全ての着脱壁部が取り払われ、3つのペット滞在空間4a,4b,4cが連結したトリプルスイートルームを形成している。一方、中間のケージセル3は、左側2連接する2つのケージセル3,3の着脱壁部が取り払われて、ダブルスイートルームが形成され、右端のケージセル3は(真中のケージセル3の右側壁部も含めて)着脱壁部29が装着され、シングルルームのままとなっている。他方、最下層のケージセル3は、全ての着脱壁部29が装着され、3つのペット滞在空間4a,4b,4cが全てシングルルームとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のペットホテル用集合ケージユニットに使用するサブユニットの一例を示す正面図。
【図2】同じく背面図。
【図3】ケージセルの一例を示す説明図。
【図4】図2のケージセルの斜視図。
【図5】図3のケージセルに設けられたペット落下防護部材の説明図。
【図6】着脱壁部の第一構成例を示す分解斜視図。
【図7】図6の着脱壁部の装着方法を示す説明図。
【図8】着脱壁部の第二構成例を示す分解斜視図。
【図9】着脱壁部の第三構成例を示す分解斜視図。
【図10】ケージセルの最小の連接配置例を示す正面図。
【図11】連結開口部の説明図。
【図12】ケージセルの天井部側の構造を示す説明図。
【図13】図1のサブユニットを用いたペットホテル用集合ケージユニットの構成例を示す説明図。
【図14】図13のペットホテル用集合ケージユニットの使用形態の一例を示す模式図。
【図15】本発明のペットホテル用集合ケージユニットの変形例を示す模式図。
【符号の説明】
【0031】
1 サブユニット
3 ケージセル
5 スペーサフレーム
7 主扉
12 配管セグメント
15 ペット落下防護部材
17 接続端
18 空気吸出し口
19 背面壁部
21 吸い込み換気口
23 ケージ側壁部枠体
25 着脱壁部支持用凸部
26 換気用配管
27 連結開口部
29 着脱壁部
31 係合爪(着脱壁部側係合部)
41 係合孔(ケージ側係合部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面部、天井部及び複数の壁部にて取り囲まれた単一のペット滞在空間を有し、該ペット滞在空間へのペット出し入れ口が形成される壁部を正面壁部、残余の壁部を副壁部として、該正面壁部に前記ペット出し入れ口を開閉可能に封鎖する主扉が形成された複数のケージセルが前記副壁部側にて互いに連接配置され、
前記ケージセルは前記壁部を介した連接方向において各々独立かつ分離可能に構成され、かつ、前記副壁部の予め定められたものが、当該副壁部側にてケージセルを連接配置したとき、それらケージセル対のペット滞在空間同士を前記ペットの通行が可能な状態で連結する連結開口部と、当該連結開口部に対し着脱可能に設けられ、該連結開口部を閉塞する着脱壁部とを有した空間連結機能付き壁部とされ、
前記空間連結機能付き壁部にて連接配置された1対のケージセルの、各空間連結機能付き壁部の双方から前記着脱壁部を取り外すことにより、それらケージセルのペット滞在空間同士を連結するようにしたことを特徴とするペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項2】
前記着脱壁部は、前記連結開口部に対し壁面と交差する向きに着脱される請求項1記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項3】
前記ケージセルが高さ方向にも複数積層配置される請求項2記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項4】
前記空間連結機能付き壁部は、前記連結開口部の周縁をなすケージ側壁部枠体を有し、
前記着脱壁部は、前記連結開口部を封鎖する壁部本体と、該壁部本体の周縁部に形成された着脱壁部側係合部とを有し、
前記ケージ側壁部枠体には、前記着脱壁部側係合部が前記ペット滞在空間側から着脱可能に係合するとともに、壁部本体がケージ外部空間側に脱落することを阻止するケージ側係合部が形成されてなる請求項2又は請求項3に記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項5】
前記壁部本体の外側壁面には、前記連結開口部に嵌合する位置決め嵌合凸部が形成されてなる請求項4記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項6】
前記ケージ側壁部枠体には、前記連結開口部の周縁に沿って前記ペット滞在空間側に突出する着脱壁部支持用凸部が形成され、前記ケージ側係合部は、前記着脱壁部支持用凸部の前記連結開口部の周縁側に位置する側面に開口した係合孔であり、前記着脱壁部側係合部は、前記壁部本体の周縁から壁面に沿って外向きに延出するとともに、前記係合孔に挿入される係合爪である請求項4又は請求項5に記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項7】
前記壁部本体は弾性板材で形成され、
前記係合爪と前記着脱壁部支持用凸部及び前記係合孔とが前記連結開口部の幅方向両側に突出形成され、前記壁部本体の幅方向片側に位置する前記係合爪を対応する側の前記係合孔に挿入し、その後、前記壁部本体を前記幅方向に撓み変形させつつ反対側の前記係合爪を、対応する側の前記係合孔に位置決め・挿入するようにした請求項6記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項8】
前記ペット滞在空間内部の空気を吸い出すために前記ケージセルに空気吸出し口が形成され、該空気吸出し口には換気用配管の第一端が連通し、当該換気用配管の第二端に、該換気用配管から前記空気吸出し口を経て前記ペット滞在空間に吸出し方向の換気流を生じさせる換気駆動部が設けられている請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項9】
前記空気吸出し口が前記天井部に設けられ、かつ、前記換気駆動部が動作した際に前記ペット滞在空間内部にケージ外空間から空気を吸い込むための吸い込み換気口が形成されてなる請求項8記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項10】
前記ケージセルの天井部上面には、前記空気吸出し口の上方を覆う配管ターミナル部が取り付けられ、該配管ターミナル部に前記換気用配管の第一端側をなす配管セグメントが前記天井部上面に沿って配置される形で連通結合されてなる請求項9記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項11】
前記ケージセルが直方体状に形成され、かつ、前記正面壁部の左右に連なる1対の壁部を側壁部として、それら側壁部の双方が前記空間連結機能付き壁部とされてなる請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項12】
前記ペット滞在空間に関して前記正面壁部と反対側に位置する背面壁部に前記吸い込み換気口が形成されてなる請求項11記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項13】
前記ケージセルは、前記ペット滞在空間に関して前記正面壁部と反対側に位置する背面壁部が前記空間連結機能付き壁部とされてなる請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項14】
前記正面壁部の向きを一致させた形で一定数の複数の前記ケージセルが高さ方向に積層・一体化されてサブユニットが形成され、該サブユニットを単位として前記ケージセルが連接配置されるようになっている請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項15】
請求項10記載の要件を備え、前記サブユニットにおいて、上下に積層されたケージセルの間に、それらケージセルの上下に対向する床面部及び天井部の周縁に沿う形でスペーサフレームが配置され、前記配管ターミナル部と前記配管セグメントとが該スペーサフレームの内側に配置されるとともに、前記配管セグメントの前記配管ターミナル部に連通しているのと反対側の端部が、前記スペーサフレームを貫通して前記ケージセルの壁部外側に突出して、換気用配管の残余部分の接続端を形成してなる請求項14記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項16】
請求項11又は請求項12に記載の要件を備え、前記配管セグメントは前記スペーサフレームを、前記背面壁部側にて貫通・突出してなる請求項15記載のペットホテル用集合ケージユニット。
【請求項17】
請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載のペットホテル用集合ケージユニットに使用され、
床面部、天井部及び複数の壁部にて取り囲まれた単一のペット滞在空間を有し、該ペット滞在空間へのペット出し入れ口が形成される壁部を正面壁部、残余の壁部を副壁部として、該正面壁部に前記ペット出し入れ口を開閉可能に封鎖する主扉が形成され、前記副壁部の予め定められたものが、前記連結開口部と、当該連結開口部に対し着脱可能に設けられ、該連結開口部を閉塞する着脱壁部とを有した空間連結機能付き壁部とされてなることを特徴とするケージセル。
【請求項18】
請求項14に記載のペットホテル用集合ケージユニットに使用され、
請求項17に記載のケージセルを、正面壁部の向きを一致させた形で一定数の複数個、高さ方向に積層・一体化してなることを特徴とするサブユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−75025(P2007−75025A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−268021(P2005−268021)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(399061628)AHBインターナショナル株式会社 (4)
【Fターム(参考)】